(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052879
(43)【公開日】2023-04-12
(54)【発明の名称】一酸化窒素の吸気合成
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20230404BHJP
A61M 16/04 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61M16/10 Z
A61M16/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015074
(22)【出願日】2023-02-03
(62)【分割の表示】P 2021117509の分割
【原出願日】2014-03-14
(31)【優先権主張番号】61/792,473
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/789,161
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592017633
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】ザポル、ワレン、エム
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ビンラン
(72)【発明者】
【氏名】ハーディン、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ヒックコックス、マシュー
(57)【要約】
【課題】NOは、酸素含有大気中で酸化して、NO
2を形成する。NO
2は、気道分泌物または細胞内で溶解する場合、硝酸塩を形成する有害な副産物である。低いレベルのNO
2と共にNOを生成することが、望ましいことが多い。
【解決手段】一酸化窒素を生成するためのシステムが、哺乳動物の気管内に配置される装置であって、気管に付随する1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報を収集するための呼吸センサと、ガス内の酸素濃度に関連する情報を収集するための酸素センサと、一酸化窒素を発生させるために、一連の電気アークを起動するための1つまたはそれ以上の電極対とを備える装置を含むことができ、一酸化窒素を生成するためのシステムが、呼吸センサおよび酸素センサによって収集された情報に基づいて、1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定するための制御装置を更に備えることができ、一連の電気アークが、制御装置によって決定された制御パラメータに基づいて起動される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品ガスが供給されるチューブ内に少なくとも部分的に配置されて、一連の電気アークを生成して、少なくとも窒素と酸素を含む反応ガスを、一酸化窒素を含む前記製品ガスに合成するように構成された1対以上の電極を含む、反応チャンバと、
前記チューブ内のガスの流れの1つ以上の特性を測定するように構成されたセンサと、
前記反応ガス中の酸素濃度を測定するように構成された酸素センサと、
前記1対以上の電極、前記酸素センサ、および前記センサと通信し、前記チューブ内の前記ガスの流れの前記1つ以上の特性および前記反応ガス中の酸素濃度に基づいて前記一連の電気アークを開始して、前記製品ガス中のNO2の濃度を最小限に抑えるように構成されたコントローラと、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記1対以上の電極は、貴金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1対以上の電極は、イリジウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ以上の特性は、前記ガスの前記流れの方向、前記ガスの前記流れの1回換気量、前記ガスの前記流れのタイミング、前記ガスの前記流れの温度の変化、前記ガスの前記流れの圧力の変化、および前記ガスの流量の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記1対以上の電極に供給されるパルス幅、パルス周期、パルスグループあたりのパルス数、秒あたりのパルスグループ、およびアーク周波数の少なくとも1つを調整して、前記製品ガス内の一酸化窒素の濃度を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記チューブは、気管切開チューブ、気管内チューブ、鼻腔チューブ、人工呼吸器チューブ、および吸気ラインの1つを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
製品ガスが供給されるチューブ内に少なくとも部分的に配置されて、一連の電気アークを生成して、少なくとも窒素と酸素を含む反応ガスを、一酸化窒素を含む前記製品ガスに合成するように構成された1対以上の電極を含む、反応チャンバと、
前記チューブ内のガスの流れの1つ以上の特性を測定するように構成されたセンサと、
前記反応ガス中の酸素濃度を測定するように構成された酸素センサと、
前記1対以上の電極、前記酸素センサ、および前記センサと通信し、前記反応ガス中の酸素濃度に基づいて前記反応チャンバ内の1つ以上の制御パラメータを調整して、前記製品ガス中の一酸化窒素の濃度を制御するように構成されたコントローラと、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記1対以上の電極は、貴金属を含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記1対以上の電極は、イリジウムを含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記反応チャンバ内の前記1つ以上の制御パラメータは、前記1対以上の電極に供給されるパルス幅、パルス周期、パルスグループあたりのパルス数、秒あたりのパルスグループ、およびアーク周波数の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記1つ以上の特性は、前記ガスの前記流れの方向、前記ガスの前記流れの1回換気量
、前記ガスの前記流れのタイミング、前記ガスの前記流れの温度の変化、前記ガスの前記流れの圧力の変化、および前記ガスの流量の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラが、前記チューブ内の前記ガスの流れの前記1つ以上の制御パラメータに基づいて前記一連の電気アークをトリガーするように構成されることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記チューブは、気管切開チューブ、気管内チューブ、鼻腔チューブ、人工呼吸器チューブ、および吸気ラインの1つを備えていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項14】
前記コントローラが、前記反応チャンバ内の前記1つ以上の制御パラメータを調整して、前記製品ガス中のNO2/NO濃度比を最小化することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも部分的にチューブ内に配置され、気道と流体連通している前記チューブを含む呼吸システムに結合された反応チャンバと、
一連の電気アークを生成して窒素と酸素を含む反応ガスを、一酸化窒素を含む製品ガスに合成するように構成された、反応チャンバ内の、貴金属を含む一対以上の電極と、
前記反応ガス中の酸素濃度を測定するように構成された酸素センサと、
前記1対以上の電極および前記酸素センサと通信し、前記反応ガス中の酸素濃度に基づいて前記反応チャンバ内の1つ以上の制御パラメータを調整して、前記製品ガス中の一酸化窒素の濃度を制御し、前記製品ガス中のNO2の濃度を最小限に抑えるように構成されたコントローラと、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記チューブ内のガスの流れの1つ以上の特性を測定するように構成され、前記コントローラと通信するセンサをさらに備えたことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記1つ以上の特性は、前記ガスの前記流れの方向、前記ガスの前記流れの1回換気量、前記ガスの前記流れのタイミング、前記ガスの前記流れの温度の変化、前記ガスの前記流れの圧力の変化、および前記ガスの流量の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記反応チャンバ内の前記1つ以上の制御パラメータは、前記1対以上の電極に供給されるパルス幅、パルス周期、パルスグループあたりのパルス数、秒あたりのパルスグループ、およびアーク周波数の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記1対以上の電極は、イリジウムを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項20】
一酸化窒素を生成する方法であって、
呼吸システムの、気道と流体連通しており、その中に反応チャンバの少なくとも一部を含むチューブの、内のガスの流れおよび前記反応チャンバへのガスの流れの少なくとも1つの1つ以上の特性を測定し、
窒素および酸素を含む反応ガスを合成して一酸化窒素を含む製品ガスにするために、前記反応ガス中の酸素濃度を含む1つ以上の特性に基づいて、前記反応チャンバ内で一連の電気アークを開始し、
前記製品ガス中の一酸化窒素の濃度を制御するために、前記反応ガス中の酸素濃度に基づいて前記反応チャンバ内の1つ以上の制御パラメータを調整する
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記1つ以上の特性は、前記ガスの前記流れの方向、前記ガスの前記流れの1回換気量、前記ガスの前記流れのタイミング、前記ガスの前記流れの温度の変化、前記ガスの前記流れの圧力の変化、および前記ガスの流量の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記反応チャンバ内の前記1つ以上の制御パラメータは、前記反応チャンバ内の前記1対以上の電極に供給されるパルス幅、パルス周期、パルスグループあたりのパルス数、秒あたりのパルスグループ、およびアーク周波数の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
一連の電気アークを生成して、少なくとも窒素と酸素を含む反応ガスを、一酸化窒素を含む前記製品ガスに合成するように構成された1対以上の電極を含む、反応チャンバと、
前記反応ガスまたは前記製品ガスの1つ以上の特性を測定するように構成されたセンサと、
前記1対以上の電極および前記センサと通信し、前記反応ガスまたは前記製品ガスの1つ以上の特性に基づいてトリガイベントを検出し、前記トリガイベントの前に所定の時間量だけ前記一連の電気アークを開始して、一酸化窒素の濃度を増加させるように構成されたコントローラと、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項24】
前記トリガイベントの前の前記所定の時間量は、前記製品ガス中の一酸化窒素の濃度を制御するように調整するように構成されていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記1つ以上の特性は、前記反応ガスの流れの方向、前記反応ガスの流れの1回換気量、前記反応ガスの流れのタイミング、前記反応ガスの流れの温度の変化、前記反応ガスの流れの圧力の変化、および前記反応ガスの流量の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記1つ以上の特性が、吸気のタイミングおよび量のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項27】
前記トリガイベントの前の前記所定の時間量が、吸気のタイミングおよび量の少なくとも1つに基づいて調整されることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記コントローラは、前の吸気のタイミングおよび量のうちの少なくとも1つを追跡し、後続の吸気のタイミングおよび量のうちの少なくとも1つを予測するように構成されることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記コントローラは、前記後続の吸気のタイミングおよび量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記トリガイベントの前の前記所定の時間量を調整するように構成されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
製品ガスが供給されるチューブ内に少なくとも部分的に配置されて、一連の電気アークを生成して、少なくとも窒素と酸素を含む反応ガスを、一酸化窒素を含む前記製品ガスに合成するように構成された1対以上の電極を含む、反応チャンバと、
吸気の量およびタイミングの少なくとも1つを含む、前記チューブ内のガスの流れの1つ以上の特性を測定するように構成されたセンサと、
前記1対以上の電極および前記センサと通信し、吸気のタイミングおよび量の少なくとも1つに基づいてトリガイベントを検出し、前記トリガイベントの前に所定の時間量だけ前記一連の電気アークを開始して、一酸化窒素の濃度を増加させるように構成されたコントローラと、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項31】
前記トリガイベントの前の前記所定の時間量は、前記製品ガス中の一酸化窒素の濃度を制御するように調整されるように構成されていることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記1つ以上の特性は、前記ガスの前記流れの方向、前記ガスの前記流れの1回換気量、前記ガスの前記流れのタイミング、前記ガスの前記流れの温度の変化、前記ガスの前記流れの圧力の変化、および前記ガスの前記流れの流量の少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記チューブは、気管切開チューブ、気管内チューブ、鼻腔チューブ、人工呼吸器チューブ、および吸気ラインの1つを備えていることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項34】
前記トリガイベントの前の前記所定の時間量が、前記吸気のタイミングおよび量の少なくとも1つに基づいて調整されることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項35】
前記コントローラは、前の吸気のタイミングおよび量のうちの少なくとも1つを追跡し、後続の吸気のタイミングおよび量のうちの少なくとも1つを予測するように構成されることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項36】
前記コントローラは、前記後続の吸気のタイミングおよび量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記トリガイベントの前の前記所定の時間量を調整するように構成されることを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項37】
一酸化窒素を生成する方法であって、
反応チャンバへの反応ガスの流れおよび前記反応チャンバからの製品ガスの流れのうちの少なくとも1つの1つ以上の特性を測定し、
前記1つ以上の特性に基づいてトリガイベントを検出し、
窒素と酸素を含む前記反応ガスを、一酸化窒素を含む前記製品ガスに合成するために、前記トリガイベントの前の所定の時間、前記反応チャンバで一連の電気アークを開始し、
前記トリガイベントの前の前記所定の時間量を調整して、前記製品ガス中の一酸化窒素の濃度を制御する
ことを特徴とする方法。
【請求項38】
前記1つ以上の特性は、前記反応ガスまたは前記製品ガスの前記流れの方向、前記反応ガスまたは前記製品ガスの前記流れの1回換気量、前記反応ガスまたは前記製品ガスの前記流れのタイミング、前記反応ガスまたは前記製品ガスの前記流れの温度の変化、 前記
反応ガスまたは前記製品ガスの前記流れの圧力の変化、および前記反応ガスまたは前記製品ガスの前記流れの流量の少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記1つ以上の特性が、吸気のタイミングおよび量のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記吸気のタイミングおよび量の少なくとも1つに基づいて、前記トリガイベントの前
の前記所定の時間量を調整することをさらに備える請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前の吸気のタイミングおよび量の少なくとも1つを追跡し、後続の吸気のタイミングおよび量の少なくとも1つを予測することをさらに備える請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記後続の吸気のタイミングおよび量の少なくとも1つに基づいて、前記トリガイベントの前の前記所定の時間量を調整することをさらに備える請求項41に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張 本出願は、2013年3月15日に出願された米国特許第61/789,161号明細書、および米国特許第61/792,473号明細書の優先権を主張し、その内容の全体を本明細書に参照として組み込むものとする。
【0002】
本発明は、吸気流によって引き起こされる一酸化窒素の合成に関する。
【背景技術】
【0003】
一酸化窒素(NO)は、多くの生物学的システムにとって重要であり、血圧の制御の媒体となることで知られ、免疫システムが細胞に入る侵入寄生菌を殺すことを助け、がん細胞の分裂を抑制し、脳の細胞間に信号を伝達し、卒中またはハンチントン病を患う人々を衰弱させ得る脳細胞の大規模な死滅に貢献することで知られている。一酸化窒素は、例えば、血管壁、消化管および尿生殖路の壁の中に存在する平滑筋の弛緩をもたらす。吸入による肺への一酸化窒素ガスの投与が、全身の副作用をもたらさずに、成人および小児の気管支収縮、肺高血圧症、肺炎などを治療するために局部的な平滑筋の弛緩を生成することが示されてきた。
【0004】
吸入された一酸化窒素は、灌流による換気の適合を改善する効能のある局所的肺血管拡張薬および気管支拡張薬であり、したがって、損傷した肺酸素運搬効率を上昇させ、動脈の酸素圧を高める。一酸化窒素は、数秒内に発生する急速な作用の開始と全身性血管拡張効果の非存在を兼ね備える。一旦吸入されると、一酸化窒素は肺血管系を通って血流の中に拡散し、ヘモグロビンと結合することによって急速に不活性化される。したがって、吸入された一酸化窒素の気管支拡張効果は気道に限定され、吸入された一酸化窒素の血管拡張効果は肺血管系に限定される。一酸化窒素の肺血管を拡張する能力は、急性または慢性の肺高血圧症の治療上の利点を選択的に提供する。
【0005】
Zapolの米国特許第5,396,882号は、医療目的のための、周囲圧力で空気から一酸化窒素(NO)の電気による生成を記載する。米国特許第5,396,882号に記載されるように、システムの空気入口が、電気アーク室の中に空気を連続的に導入するために使用される。電気的に生成されたNOが医療目的で使用される前に、NOの生成中に形成される望ましくない副産物(例えば、二酸化窒素(NO2)およびオゾン(O3))は、例えば捕捉剤または触媒コンバータによって吸収される。
【0006】
NOは、酸素含有大気中で酸化して、NO2を形成する。NO2は、気道分泌物または細胞内で溶解する場合、硝酸塩を形成する有害な副産物である。低いレベルのNO2と共にNOを生成することが、望ましいことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,396,882号明細書
【発明の概要】
【0008】
いくつかの態様では、方法が、呼吸システムに付随する1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報を収集することを含む。方法は、収集された情報に基づいて1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定することを更に含む。方法は、決定された制御パラメータに基づいて一酸化窒素を発生させるために、一連の電気アークを起動することを更に含む。
【0009】
実施形態は、以下の1つまたはそれ以上を含むことができる。トリガイベントが、ガスの吸気による温度低下であることができる。トリガイベントは、ガス流であることができる。1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報が、吸気の開始時間、吸気の一回呼吸量、吸気ガスの温度および反応ガス中の酸素濃度の1つまたはそれ以上を含むことができる。トリガイベントが発生する場合、一連の電気アークが生成され得る。トリガイベントが発生する前に、一連の電気アークが、予め規定された時間量で生成され得る。パルス列が一連の電気アークを起動することができ、パルス列が、異なるパルス幅を含むパルスを含むパルス群を備えることができる。パルス群の1つの中の初期パルスのパルス幅が、パルス群の中の他のパルスよりも幅広い可能性がある。一連の電気アークが、低減したレベルの二酸化窒素またはオゾンを発生させることができる。低減したレベルの二酸化窒素の濃度が、発生した一酸化窒素濃度の20%、10%、6%、または5%未満である。呼吸システムが、気管を含むことができる。呼吸システムが、気管切開チューブおよび気管内チューブの一方または両方を含むことができる。呼吸システムが、患者が装着できるマスクを含むことができる。
【0010】
いくつかの追加の態様では、装置が、呼吸システムに付随する1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報を収集するための呼吸センサを含む。装置が、ガス中の酸素濃度に関連する情報を収集するための酸素センサを更に含む。装置が、収集された情報に基づいて1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定するための制御装置を更に備える。装置が、決定された制御パラメータに基づいて一酸化窒素を発生させるために、一連の電気アークを起動するための電極を更に含む。
【0011】
実施形態は、以下の1つまたはそれ以上を含むことができる。トリガイベントが、ガスの吸気による温度低下であることができる。トリガイベントが、呼吸センサを通過するガス流であることができる。1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報が、吸気の開始時間、吸気の一回呼吸量、吸気ガスの温度および反応ガス中の酸素濃度の1つまたはそれ以上を含むことができる。トリガイベントが発生する場合、電極が、一連の電気アークを生成することができる。トリガイベントが発生する前に、電極が、予め規定された時間量で一連の電気アークを生成することができる。パルス列が一連の電気アークを起動することができ、パルス列が、異なるパルス幅を含むパルスを含むパルス群を備えることができる。パルス群の1つの中の初期パルスのパルス幅が、パルス群の中の他のパルスよりも幅広い可能性がある。一連の電気アークが、低減したレベルの二酸化窒素またはオゾンを発生させることができる。低減したレベルの二酸化窒素の濃度が、発生した一酸化窒素濃度の20%、10%、6%、または5%未満である。呼吸システムが、気管を含むことができる。呼吸システムが、気管切開チューブおよび気管内チューブの一方または両方を含むことができる。呼吸システムが、患者が装着できるマスクを含むことができる。患者が装着できるマスクが、吸気ガス流を呼気ガス流から分離するための1つまたはそれ以上の弁を含むことができる。センサまたは電極は、気管の中に配置されるように構成され得る。電極が、貴金属を含むことができる。電極が、イリジウムを含むことができる。電極が、ニッケルを含むことができる。
【0012】
いくつかの追加の態様では、一酸化窒素を生成するためのシステムが、哺乳動物の気管内に配置された装置を含む。装置が、気管に付随する1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報を収集するための呼吸センサを含む。装置が、ガス中の酸素濃度に関連する情報を収集するための酸素センサを更に含む。1つまたはそれ以上の電極対が、一酸化窒素を生成するために、一連の電気アークを起動するための装置の中に含まれる。一酸化窒素を生成するためのシステムが、呼吸センサおよび酸素センサによって収集された情報に基づいて、1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定するための制御装置を更に含み、一連の電気アークが、制御装置によって決定された制御パラメータに基づいて起動さ
れる。
【0013】
実施形態は、以下の1つまたはそれ以上を含むことができる。トリガイベントが、ガスの吸気による温度低下であることができる。トリガイベントが、呼吸センサを通過するガス流であることができる。1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報が、吸気の開始時間、吸気の一回呼吸量、吸気ガスの温度および反応ガス中の酸素濃度の1つまたはそれ以上を含むことができる。トリガイベントが発生する場合、電極が、一連の電気アークを生成することができる。トリガイベントが発生する前に、電極が、予め規定された時間量で一連の電気アークを生成することができる。パルス列が一連の電気アークを起動することができ、パルス列が、異なるパルス幅を含むパルスを含むパルス群を備えることができる。パルス群の1つの中の初期パルスのパルス幅が、パルス群の中の他のパルスよりも幅広い可能性がある。一連の電気アークが、低減したレベルの二酸化窒素またはオゾンを発生させることができる。低減したレベルの二酸化窒素の濃度が、発生した一酸化窒素濃度の20%、10%、6%、または5%未満である。電極が、貴金属を含むことができる。電極が、イリジウムを含むことができる。電極が、ニッケルを含むことができる。
【0014】
いくつかの追加の態様では、首の中の軟骨間リングの中に移植可能な装置が、呼吸システムに付随する1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報を収集するための呼吸センサを含む。装置が、ガス中の酸素濃度に関連する情報を収集するための酸素センサを更に含む。装置が、収集された情報に基づいて1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定するための制御装置を更に備える。1つまたはそれ以上の電極対が、装置の中に含まれ、スパークチャンバ内部に存し、決定された制御パラメータに基づいて一酸化窒素を発生させるために、一連の電気アークを起動するための電極であって、スパークチャンバが、一酸化窒素に対して浸透性であり、二酸化窒素およびオゾンに対して不浸透性である膜によって外部環境から分離されている。
【0015】
実施形態は、以下の1つまたはそれ以上を含むことができる。装置が、膜から粘液を除去するための掃除手段を更に備えることができる。
【0016】
いくつかの追加の態様では、セルディンガー法を使用して、哺乳動物の気管内に移植可能な装置が、呼吸システムに付随する1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報を収集するための呼吸センサを含む。装置が、ガス中の酸素濃度に関連する情報を収集するための酸素センサを更に含む。装置が、収集された情報に基づいて1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定するための制御装置を更に備える。1つまたはそれ以上の電極対が、決定された制御パラメータに基づいて一酸化窒素を発生させるために、一連の電気アークを起動するための装置の中に含まれる。
【0017】
本発明の1つまたはそれ以上の実施形態の詳細を添付の図面および以下の説明の中で説明する。本発明の他の特徴、目的および利点が、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】NOを生成するためのシステムのブロック図である。
【
図6A】毎秒のスパークの関数として平均電流および平均電圧を示す。
【
図6B】毎秒のスパークの関数として平均電力を示す。
【
図7A】1スパーク/秒放電の2スパーク中の電圧および電流のトレースを示す。
【
図7B】1スパーク/秒放電の2スパーク中の電圧および電流のトレースを示す。
【
図8】様々な電極材料を使用するNO濃度およびNO
2濃度を示す。
【
図9】様々な反応ガス酸素濃度で、NO濃度およびNO
2濃度を示す。
【
図10】様々な反応ガス酸素濃度で、NO濃度およびNO
2濃度を示す。
【
図11】様々な反応ガス酸素濃度で、NO濃度およびNO
2濃度を示す。
【
図16】様々な反応ガス酸素濃度で、NO濃度およびNO
2濃度を示す。
【
図18】様々な吸入酸素濃度(FiO
2)で、NO濃度およびNO
2濃度を示す。
【
図19】様々な吸入酸素濃度(FiO
2)で、平均肺動脈圧を示す。
【
図20】様々な吸入酸素濃度(FiO
2)で、NO濃度およびNO
2濃度を示す。
【
図21】様々な吸入酸素濃度(FiO
2)で、での平均肺動脈圧を示す。
【
図22】様々な一回呼吸量で、平均肺動脈圧を示す。
【
図23】様々な一回呼吸量で、NO濃度およびNO
2濃度を示す。
【
図24】様々な大気圧で、低圧室の中のNOレベルおよびNO
2レベルを測定するためのテスト設定を示す。
【
図25】様々な大気圧でNOレベルおよびNO
2レベルを示す。
【
図28】吸気時に引き起こされるスパーク中の平均肺動脈圧を示す。
【
図30】羊の気道内に設置されたスパークプラグの図である。
【
図31】肺血管収縮薬U46619の注入期間中の平均肺動脈圧を示す。
【
図33】吸気時に引き起こされるスパーク中の平均肺動脈圧を示す。
【
図34】羊の気道シミュレータを用いるベンチテスト設定を示す。
【
図35】回路間隙を含む修正されたミニスパークプラグを使用して、一定反応ガス流量下でNO生成を示す。
【
図36】回路間隙を含む修正されたミニスパークプラグを示す。
【
図38】本明細書に説明する操作および技術を実施するために使用され得るコンピュータデバイスおよびモバイルコンピュータデバイスの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
様々な図面の中の同じ符号は、同じ要素を示す。
【0020】
本明細書に説明するように、一酸化窒素の電気合成は、吸気時に(または吸気前に)起動されて、治療上使用のために、原位置で要求に応じて一酸化窒素の生成を提供する。
図1は、呼吸システム内でNOを生成するためのシステム100の例を示す。いくつかの例では、呼吸システムは、数個の例を挙げれば、哺乳動物の気管、呼吸マスク、鼻カニューレ、人工呼吸器または麻酔機械を含む。反応ガス(例えば、空気、または窒素内の20から90%酸素混合気)が、NO発生器102の中に入り、製品ガス(NOを含む)が、NO発生器102を出る。NO発生器102は、電極106、呼吸センサ108および制御
装置110を含む。反応ガスが空気ではないガスである場合、NO発生器102は、酸素センサ112を含むことができる。酸素センサ112は、反応ガス内の酸素濃度を検出するように構成されている電極であることができる。本明細書に説明するように、電極106は、反応ガスの存在の中でスパークを発生して、NO104を生成する。
【0021】
いくつかの実施形態では、NO発生器102は携帯型または装着型である。例えば、
図2Aは哺乳動物の気管の中に存することができるNOを生成するためのNO発生器200の例を示す。装置は、ファイバ気管支鏡と共に咽頭内に配置され、気管壁に固定されることが可能である。
図2Aは、気管202の横断面図であり、気管切開または気管内チューブ204が、気管202内に配置されている。NO発生器200が、気管切開または気管内チューブ204に結合されている。NO発生器200は、電極206および呼吸センサ208を含む。いくつかの例では、NO発生器200が、酸素センサ209を含む。NO発生器200は、電極206、呼吸センサ208および酸素センサ209に結合されている制御装置210を含むことができる。いくつかの例では、制御装置210は、NO発生器200から分離している。NO発生器200は、2つ以上の呼吸センサ208を含むことができる。
【0022】
いくつかの例では、電極206は、スペアを提供するという安全上の目的から二重にすることが可能である。電極206は、増加した電力、および大きい一回呼吸量を含むNO生成のために、二重または三重にすることができる。
【0023】
電極、給電装置およびセンサワイヤは、気管切開または気管内チューブ204の壁の中に埋設され得る。電極は、チューブ内部に配置可能であり、またはチューブの壁内の小さい容器または保護管の中に配置可能である。容器は、粘液または呼吸分泌物から電極を遮蔽するために微孔性膜によって被覆されているスパーク反応チャンバであってもよい。膜は、水蒸気を通さずに、NOを通すDMPSなど半透性膜(選択透過性)であってもよい。膜は、NO2を通さずにNOを通すための任意の膜であってもよい。NOが内腔の中に拡散することを妨げる粘着性粘液または呼吸分泌物を除去するために、小さい内側スクレーパが、膜の上を覆って配置され得る。スクレーパは、外部から制御可能である。
【0024】
制御装置210は、ユーザから内部または外部にあることができる。例えば、制御装置210は、ユーザに結合可能であり(例えば、腕バンドまたはベルト)、またはユーザの皮下に移植可能である。電極206、呼吸センサ208、および導線212が、気管切開または気管内チューブ204の壁の中に埋設可能であり、あるいは気管切開または気管内チューブ204の内側に配置可能であり、またはその外側に付着可能である。導線212は、不活性材料によって絶縁され得る。導線212は、電極206および呼吸センサ208に接続され得る。いくつかの例では、導線212は、軟骨気管リング間に針穿刺を介して別個に配置され得る(セルディンガー法)。
【0025】
呼吸センサ208は、例えば、圧力センサ、温度センサ、ガス流速センサ(例えば、熱線式風速計)、一回呼吸量センサ、腹部または胸部プレチスモグラフィバンド(Respitrace(商標))などの1つまたはそれ以上であってもよい。いくつかの場合、電極206および/または呼吸センサ208は、シールド214によって少なくとも部分的に被覆されている。シールド214は、気管切開または気管内チューブ204のバルーン216の近傍に配置可能であり、気道を感電から絶縁し、電極206および呼吸センサ208を清潔に保つように設計可能である。
【0026】
いくつかの場合、自動化された、または自動化されていない掃除装置、ブラシ、スプレーパ、研磨機または他の洗浄装置がシールド214に結合されている。シールド214は、例えばポリ四フッ化エチレンなどの微孔性膜などのフィルタ、あるいはPDMB、また
はポリメチルペンテン(PMP)などの拡散性であるが、選択透過性膜を更に含むことができて、電極206で生成される副産物(例えば、NO2およびO3)が、気道の中に入らないようにする。フィルタまたは膜は、気道内の粒子状物質または蒸気が電極206および呼吸センサ208に接触しないように保つこともできる。
【0027】
図2Bは、気管切開または気管内チューブ204に結合されているNO発生器200用の代替配置の例を示す。この例では、シールド214が、選択透過性膜218を含む。電極206が存する領域(例えば、NO発生器200の内部)は、スパークチャンバと呼ばれる。選択透過性膜218は、約10~50ミクロンの厚さであることができ、支持メッシュに固定され得る。選択透過性膜218は、NOがNO発生器200(例えば、スパークチャンバ)から気道まで通過することを許容するが、一方でNO
2およびO
3がNO発生器200(例えば、スパークチャンバ)から気道まで通過することを防止する。選択透過性膜218は、水蒸気が気道からNO発生器200まで通過することを防止することもできる。いくつかの例では、選択透過性膜218は、微孔性膜であることができる。この例では、呼吸センサ208は、気管切開または気管内チューブ204の中に存する。しかし、呼吸センサ208は、
図2Aを参照して説明するように、NO発生器200の中に存することも可能である。いくつかの例では、掃除装置が、NO発生器200に結合される。掃除装置は、選択透過性膜218から粘液を除去するように構成されている。掃除装置は、自動化され得る。
【0028】
図2Cは、患者が装着できるマスク222に取り付けられている、NOを生成するためのNO発生器220の例を示す。NO発生器220部分は、
図2AのNO発生器200の中と同様に、例えば鼻孔後方の前庭内など、鼻腔内に配置され得る。マスク222は、呼吸システムの部分であることができる。マスク222は、ユーザの顔の上方に配置されるように構成されており、電極228および呼吸センサ230がマスク222に結合され、ユーザの鼻孔近傍に配置されている。いくつかの例では、NO発生器220が、酸素センサ234を含む。NO発生器220は、マスク222の中に供給する吸気導管240の中に存することができる。マスク222は、吸気導管240からの吸気ガス流を呼気導管242を通る呼気ガス流から分離するために、1つまたはそれ以上の弁(例えば、吸気弁236または呼気弁238)を含むことができる。制御装置232が、NO発生器220に結合され得る。制御装置232は、マスク222またはユーザに結合され得る。いくつかの例では、電極228および呼吸センサ230が、ユーザの鼻孔の中に配置され得る。NO発生器220は、
図2AのNO発生器200に関して上記に説明するように機能する。マスク222の入口は、1つまたはそれ以上の弁、吸気導管および呼気導管を有することができる。NO発生器220は、吸気導管の中に配置され得る。
【0029】
図2Dは、気管252の中に存することができるNOを生成するためのNO発生器250の例を示す。いくつかの例では、NO発生器250は、セルディンガー法を使用して移植できるように十分小さい。NO発生器250は、電極254および呼吸センサ256を含む(例えば、サーミスタを含む)。NO発生器250は、感電から気道を絶縁するため、かつ電極254および呼吸センサ256を清潔に保つためにシールド258によって被覆され得る。NO発生器は、膜260を更に含むことができる。膜260は、NOがNO発生器250から気道まで通過することを許容することができるが、一方でNO
2およびO
3がNO発生器250から気道まで通過することを防止する選択透過性膜であることができる。選択透過性膜260は、水蒸気が気道からNO発生器250まで通過することを防止することもできる。ワイヤ262が、電源264をNO発生器250に結合することができる。ワイヤ262は、感電から組織を保護するために絶縁され得る。制御装置(例えば、制御装置266)は、NO発生器266と通信するように構成され得る。制御装置266は、NO発生器250と無線で通信するように構成され得る。いくつかの例では、NO発生器250は、制御装置266を含み、制御装置266は気管252の内部に存す
る。
【0030】
図2Aに戻って参照すると、本明細書に説明するように、NO発生器200は、いくつかの例で呼吸センサ208によって検出されるトリガイベント(例えば、ガス流の体積およびタイミング、吸気ガス温度の変化または圧力の変化)に基づいて、哺乳動物の気管内でNOを発生するように作動する。制御装置210は、呼吸センサ208に作動可能に結合されており、制御装置210内の電圧源のトリガに連係して、一連の電気パルスを電極206に搬送し、それによって吸気中に哺乳動物の気管内にNOを発生させる。制御装置210は、呼吸センサ208から収集される情報に基づいて、1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定することができる(例えば、1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報)。制御装置210は、一連のスパークを起動し、スパーク持続時間、スパーク周期などの制御パラメータを制御するように構成可能であって、必要な量のNOおよび最小の量のNO
2を発生させることができる。いくつかの例では、制御装置210の中の電圧源は、一次電池、充電式電池または圧電型発電機であることができる。
【0031】
制御装置210は、酸素センサ(例えば、
図1の酸素センサ112)から受信した情報に基づいて、1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定することができる。例えば、決定された制御パラメータは、反応ガス中の酸素濃度に基づくことができる。
【0032】
いくつかの例では、呼吸センサ208は、吸気ガスの一回呼吸量を測定するように構成されている。制御装置210は、吸気ガス体積測定結果に基づいて、1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定することができる。例えば、制御パラメータは、吸気の実際の、または期待される体積に基づくことができる。
【0033】
成人は、通常毎分10~20回呼吸し、各呼吸は3~6秒の持続時間を有する。典型的には、呼吸の持続時間の約1/2~1/3は、吸気である。平均して、各呼吸は、約500mlの一回呼吸量を有する。小児では、各呼吸は典型的にはより少ない体積を有するが、しかし呼吸がより高い割合で発生する。
【0034】
吸気の期待される体積は、前の一回呼吸量測定結果を使用して計算され得る。例えば、制御装置210は、次の吸気の期待される一回呼吸量が、直近の吸気の一回呼吸量の測定結果と同じになるように決定することができる。
【0035】
制御装置210は、次の吸気の期待される一回呼吸量を決定するために、いくつかの前の吸気の一回呼吸量を平均することもできる。いくつかの例では、機械換気が、換気を支持するためのマスクを介して加えられる。それらの場合、吸気の吸気体積およびタイミングが、換気装置から制御装置に供給されることが可能である。
【0036】
図3は、制御装置210によって引き起こされるパルス列300の表示を示す。制御装置210は、パルス列を生成するために1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定することができる。
図3は、パルス列302のパルス群302の1つの拡大図を更に示す。電気パルスが電極206に搬送され、電極206は、一連のスパーク(電気アークと呼ばれることもある)を生成する。パルスのタイミング(およびその結果発生するスパーク)は、制御装置210によって制御され、必要な量のNOを製造する一方で、最小のNO
2およびO
3を製造するように最適化され得る。複数のスパークがパルス群を形成し、複数のパルス群がパルス列を形成する。したがって、パルス列302が、一連の電気アークを起動する。
【0037】
変数BおよびNが、電極206によって生成されるエネルギー全体を制御する。変数Nがパルス群毎のスパーク数を定め、変数Bが毎秒のパルス群の数を定める。BおよびNの
値が、生成されるNO、NO2およびO3の量に影響を及ぼす。BおよびNの値は、電極206によって製造される熱の量にも影響を及ぼす。BまたはNのどちらかのより大きい値が、より多くのNOを生成し、電極206により多くの熱を生成させる。
【0038】
変数E、F、HおよびPが、各パルス群の中で製造されるスパークのタイミングを制御する。変数Hは、パルスの高時間である(例えば、制御装置210の電圧源が各電気パルスに対して起動される時間の量)。高時間は、パルス幅と呼ばれることがある。Pは、パルス間の時間量である。したがって、P-Hは、パルスが全く発生しない期間を表す(例えば、制御装置210の電圧源が起動していない)。Hの値が大きいほど、かつPの値が小さいほど、電極206はより多くのエネルギーを生成する。電極206がスパークを生成する場合、プラズマが確立される。プラズマの温度は、電極206によって生成されるエネルギーの量に比例する。
【0039】
NOおよびNO2が生成される化学反応は、プラズマ温度の作用である。すなわち、より高いプラズマ温度によって、より多くのNOおよびNO2が製造される。しかし、製造されるNOおよびNO2の相対的比率は、異なるプラズマ温度に亘って変化する。いくつかの例では、パルス群の中の最初の2つのパルスによって生成されるスパークが、プラズマを確立する。最初の2つのスパークが、パルス群の中の残りのパルスによって製造されるスパークよりも長い高時間を有することができる。最初の2つのパルスが延長される時間量が、変数EおよびFによってそれぞれ示されている。最初の2つのパルスを過ぎて、パルスによって生成されるスパークは、プラズマを維持するためにより少ないエネルギーを必要とし、その結果、その後に続くパルス(変数Hによって示される)の高時間がより短くなって、プラズマ温度が高くなり過ぎることを防止することができる。例えば、相対的に高いプラズマ温度によって、NO、NO2およびO3がより多く製造されるという結果をもたらすと同時に、相対的に高いプラズマ温度は、所望の比率のNOおよびNO2を生成するために理想的ではない可能性がある。
【0040】
多くの因子が、製造されるNO、NO
2およびO
3の量および比率に影響を及ぼす可能性がある。例えば、電極206の材料が、特定のスパークを生成するためにどれくらいのエネルギーが必要であるを決定する際に重要な役割を果たす。貴金属を含む電極は、低いNO
2/NO比率を製造することができる。いくつかの例では、
図8に示すように、タングステン電極が相対的に高いNO
2/NO比率を製造し、ニッケル電極がより低いNO
2/NO比率を製造し、イリジウム電極が更により低いNO
2/NO比率を製造する。
【0041】
生成される各スパークは、特定の量のNOを生成する。NOは、吸気されるガスの体積の中で希釈される。吸気ガス内のNO濃度が期待される十分なレベルであることを保証して、所望の生理学的効果を生成するために、制御装置210は、呼吸センサ208から吸気ガスの一回呼吸量に関連する情報を受信して、適切なNO濃度を保つように制御パラメータを決定する。
【0042】
制御装置210の実施は、デジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェアまたはハードウェアを含むことができ、本明細書に開示する構造、およびその構造的均等物、またはそれらの1つまたはそれ以上の組合せを含む。例えば、制御装置210は、コントローラ(またはコントロールシステム)に基づくマイクロプロセッサ、ならびにコントローラ(またはコントロールシステム)に基づく電子機械であることができる。
【0043】
制御装置210の中の命令および/または論理は、1つまたはそれ以上のコンピュータプログラムとして実施可能であり、すなわちデータ処理装置によって実施するため、またはデータ処理装置の作動を制御するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化されている、
コンピュータプログラム命令の1つまたはそれ以上のモジュールとして実施可能である。別法として、または追加的に、プログラム命令は、データ処理装置によって実行するために適切な受信装置に伝送するための情報を符号化するために生成される、人工的に生成された伝播される非一時的信号、例えば、機械生成される電気信号、光信号、または電磁信号などの上に符号化され得る。
【0044】
制御装置210は、クライアントおよびサーバおよび/またはマスタコントローラおよびスレーブコントローラを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般に互いから離れており、典型的には通信ネットワークを通してやりとりを行う。クライアントおよびサーバの関係は、各コンピュータ上に走り、互いにクライアントーサーバ関係を有するコンピュータプログラムによって発生する。いくつかの態様では、制御装置210は、通信要素(例えば、有線または無線)を通ってNO発生器200の各構成要素と通信可能に接続される主コンピュータ(例えば、マスタ)を代表する。
【0045】
制御装置210は、NO発生器200と無線で(例えば、Bluetooth(登録商標)を介して)通信するように構成され得る。制御装置210は、外部装置(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなど)と通信するようにも構成され得る。次いで、外部装置は、制御装置210の機能を実施するために、または制御装置210が機能を実施するのを助けるために使用され得る。
【0046】
いくつかの例では、制御装置210は、一連のスパークが生成される間、前または後で、NO発生器200の特定の構成要素を無効にすることができる。いくつかの例では、制御装置210は、i)意図しないスパークを検出し、停止する、ii)一連の電気アークを引き起こす前に一連のスパークが安全であることを確認する、iii)可変タイミングの破損を検出するために、各一連のスパークが生成される後、タイミング値のバックアップ・コピーに対してタイミング値が点検されることを確認する、iv)可変タイミングのバックアップ・コピーが破損しているかどうかを決定する、という特徴を更に含むことができる。
【0047】
いくつかの例では、NO発生器200は、鼻チューブ、気管切開チューブなどと共に配置され、または含まれることが可能である。電極206および呼吸センサ208は、洗浄可能、または交換可能であってもよい。いくつかの例では、電極106および呼吸センサ208は、気管切開または気管内チューブ204から取り外され、洗浄または交換され得る。
【0048】
NO発生器200内で吸気時のスパークによって、電気的に合成された新たなNOによる吸気ガスのボーラス投与の最前部を識別する。いくつかの例では、吸気の開始時にだけNOを発生させることが望ましい。このことが、新たに生成されたNOの量を最小にし、環境汚染を低減し、肺血管(肺胞および末梢気道)を活発に拡張することができる終末細気管支および肺胞気の中に、希釈せずに最も急速にNOを効果的に搬送する。短い時間の後、NOはNO2に酸化し始め、NO2は水の中に溶解するとき、硝酸および硝酸塩を形成する。ユーザが吸引する用意ができるかなり前にNOが製造される場合、NOは、吸入時までに酸化される可能性がある。硝酸および硝酸塩は、NO発生器200の構成要素ならびに気道および肺組織に損傷を与える可能性がある。
【0049】
いくつかの例では、一回投与量を増加させるために、呼気の終わりに、吸気が開始する少し前にNOを発生させることが望ましい可能性がある。これは、プレトリガと呼ばれることがある。トリガイベントが発生する前に、制御装置210が、予め規定された時間量で一連の電気アークを起動することができる。吸気ガスの体積が大きい場合、または高い濃度の吸入されるNOが所望される場合、そのようなプレトリガが必要である可能性があ
る。制御装置210は、吸気タイミングおよび吸気ガスの体積を追跡し、次の吸気のタイミングを予測するために前のタイミングを使用することができる。追跡された情報は、次の吸気が発生する時の推定を提示する、予め規定された時間量を計算するために使用され得る。いくつかの例では、制御装置210は、概ねトリガイベントが発生する時に(例えば、トリガイベントのわずかに前、またはわずかに後に)、一連の電気アークを起動することができる。プレトリガは、吸気ガスの中により大きいNO濃度を最終的に搬送するように最適化され得る。
【0050】
スパークは、複数の方法で吸気の開始時に引き起こされ得る。いくつかの例では、呼吸センサ208は、吸気を検出する。呼吸センサ208は、気道内に、電極206の近傍に配置される高速応答サーミスタを含むことができる。呼吸センサ208は、温度の変化を感知することができる(吸気は呼気よりもわずかにより低温であることが多い)。したがって、低温の吸気ガスは一連のスパークを引き起こすことができる。すなわち、吸気または吸気の部分が、トリガイベントであることができる。より詳細には、空気の吸気による温度低下が、トリガイベントであることができる。
【0051】
異なる種類の回路が、NO発生器200およびその構成要素の中に組み込まれることができる。
図4は、吸気を検出するために使用され得る呼吸センサ208の部分の例の回路
図400を示す。呼吸センサ208は、気道内の空気の温度を監視することができる。呼吸センサは、サーミスタ402を含むことができる。サーミスタ402の抵抗は、冷却されるときに増加し、加温されるときに減少する。
【0052】
この例では、呼吸センサ208は、サーミスタ402および別の抵抗を含む分圧器として設置される。代替構成は、他の抵抗とブリッジ構成で、サーミスタを使用することである。吸気中、室温または吸気温度のガスが、サーミスタ402を通過して吸入される。呼気中、典型的には室温よりも暖かいガス(例えば、体温のガス、または体温に近いガス)が、サーミスタ402を通過する。すなわち、通常の作動中、サーミスタ402は、吸気中に抵抗が増加し、呼気中に抵抗が減少する。サーミスタ402の抵抗の変化によって、分圧器の中間ノード内で電圧の変化をもたらす。この電圧の変化は、1つまたはそれ以上の増幅器によって修正され得る。
【0053】
呼吸センサ208は、分圧器の電圧の変化に比例する電圧を出力する微分器を含むことができる。この電圧が、制御装置210に送られ、デジタル電圧値に変換され得る。制御装置210は、吸気の開始を決定するためにデジタル電圧値を使用することができる。別法として、微分器の出力は、増幅器によって修正され、次いでシュミットトリガの中に供給され得る。シュミットトリガは、電圧をデジタル電圧値に変換し、ヒステリシスを生成することができる。ヒステリシスは、吸気期間の終わり近くに見られる小さい温度減少(無視されることになる)と、吸気期間の開始時に見られるより大きい温度減少(関心事である)との間の区別をすることに役立つことができる。デジタル電圧値は、制御装置210に送信されることができ、それが吸気の開始を認識することができる。
【0054】
図5は、呼吸センサ208の電圧時系列500の例の図である。上記に説明するように、吸気中、相対的に低温の吸入ガスがサーミスタ402を通過する。低温の吸入ガスが、サーミスタの抵抗を増加させ、それによって、領域502の中で表すように、分圧器の中間ノードで電圧が増加する。吸気中、深部体温(約37℃)に近い相対的に暖かいガスが、サーミスタ402を通過する。暖かいガスが、サーミスタの抵抗を減少させ、それによって、領域504の中で表すように、分圧器の中間ノードで電圧が減少する。
【0055】
いくつかの例では、呼吸センサ208は、圧力を感知することができる電極206近傍の領域に隣接しているチューブであることができる。自発的呼吸は下気道および胸腔内圧
によって引き起こされるが、一方、機械換気は気道陽圧(肺を拡張するために)を生成する。したがって、吸気の感知圧力は、陽圧(機械換気)または負圧(自発的吸気)のいずれであってもスパークを引き起こすことができる。いくつかの例では、熱線式風速計または呼吸流量計が、呼吸のタイミングおよび体積を感知することができる。
【0056】
いくつかの例では、抵抗器(例えば、水銀式ひずみゲージ)またはインピーダンス・センサを含む環状胸部ベルトが、胸部(または腹部)の膨張を感知することができ、それによって、吸気の開始時にNOを生成するためにスパークを引き起こす。ある場合には、患者が人工呼吸器を装着している場合、機械的人工呼吸器または換気装置が、合成電気の気管切開または気管内パルスを引き起こすことができて、換気装置の開始に時間を合わせたスパークによって(換気装置が吸気のタイミング、一回呼吸量、および吸気酸素濃度を知ることができるので)、必要な量のNOを生成することができる。
【0057】
呼吸センサ208が温度を測定しない場合、呼吸センサ208は、吸気または呼気が発生する時を検出するように構成され得る。呼吸センサ208は、吸気と呼気とを区別することも可能である。例えば、呼吸センサ208は、呼吸センサ208を通過する空気の気流方向を検出することができて、空気が吸気か、または呼気かのいずれであるかを決定することができる。
【0058】
NO発生器200(および
図2BのNO発生器マスク220)を用いて達成される結果を本明細書に説明する。
【0059】
図6Aは、NO発生器200について、平均電流および平均電圧対スパーク/秒を示す平均電流および平均電圧のグラフ600である。
図6Bは、NO発生器200について、平均電力対スパーク/秒を示す平均電力のグラフ602である。平均電流および平均電力は、0.5~2スパーク/秒でピークに達し、平均電圧は、同じ範囲に亘って一時的に低下する。
図7Aは、1スパーク/秒放電の2スパーク間の電圧(上方のトレース)および電流(下方のトレース)についてのオシロスコープトレース700を示す。
図7Bは、27ミリ秒のスパーク持続時間(単一のスパーク)による、1スパーク/秒放電についての電圧(上方のトレース)および電流(下方のトレース)についてのオシロスコープトレース702を示す。
【0060】
動物試験1
約32Kgの体重の4頭の子羊が試験された。全身麻酔が、酸素内に5%の吸入イソフルラン(イリノイ州、Deerfield、Baxter、1-クロロ-2、2、2-トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル)でマスクを介して導入され、次いで0.40の最初の吸入酸素濃度(FiO2)で1~4%のイソフルランで維持された。気管挿管の後、動物は留置式頸動脈および肺動脈スワンガンツカテーテルを取り付けられた。すべての血流力学測定が、麻酔下の子羊の体内で実施された。すべての子羊が、一回呼吸量400mlおよび速度12呼吸/分で、機械換気装置(カリフォルニア州、Pleasanton、Puritan Bennett、7200型)によって換気された。
【0061】
肺高血圧症を誘導するために、エンドペルオキシド・プロスタグランジンH2の類似物である、有力な肺血管収縮薬U46619(ミシガン州、Ann Arbor、Cayman Chemical)が、0.8~0.9μg/kg/分の速度で静脈内に注入されて、平均肺動脈圧(PAP)を30mmHgまで上昇させた。
【0062】
放電によって生成される一酸化窒素(NO)の肺血管拡張効果を試験するために、ミニスパークプラグまたはイリジウムスパークプラグが、羊の換気装置の吸気導管内に配置されたが、一方、気道ガス流測定結果が、ソフトウェア(コネチカット州、Walling
ford、NICO Respironics)によって測定されて、吸気、呼気及び各機械呼吸の一回呼吸量を決定した。スパークプラグの電極が、
図3を参照して説明するように、一連のスパークを生成した。いくつかの試験では、スパークは、呼吸サイクル全体で連続的に生成された(連続的スパーク)。他の試験では、スパークは、吸気と共に、または吸気が開始したすぐ前に開始する各呼吸で生成された(0.8秒/呼吸、12~15呼吸/分についての断続的スパーク)。このことは、呼吸の呼気相中にNO生成の浪費を避けるために実施された。
【0063】
図8は、様々な電極材料を使用して、NO発生器(例えば、
図1のNO発生器102)からのNOおよびNO
2濃度を示す。試験状態には、1/4インチのロッド、2.0mmの電極空隙、5L/分の一定空気流量、および0.21の吸入酸素濃度(FiO
2)が含まれた。タングステン電極について、B=40毎秒パルス群、N=30パルス群ごとのスパーク、P=100マイクロ秒、およびH=20マイクロ秒である。ニッケル電極について、B=35毎秒パルス群、N=40パルス群ごとのスパーク、H=180マイクロ秒、およびP=70マイクロ秒である。イリジウム電極について、B=35毎秒パルス群、N=40パルス群ごとのスパーク、H=180マイクロ秒、およびP=80マイクロ秒である。
【0064】
図9は、連続的スパークでミニスパークプラグ(ワシントン州、Benton City、Rimfire、6mmHEXおよび10-40THRDのMicro Viper
Z3)を使用して、NO発生器から、様々な反応ガス酸素濃度でのNOおよびNO
2濃度を示す。
【0065】
図10は、連続的スパークでイリジウムスパークプラグ(マサチューセッツ州、Waltham、ACDelco 41-101)を使用して、NO発生器から、様々な反応ガス酸素濃度でのNOおよびNO
2濃度を示す。
【0066】
図11は、断続的スパークでイリジウムスパークプラグを使用して、NO発生器から、様々な反応ガス酸素濃度でのNOおよびNO
2濃度を示す。
【0067】
オゾン(O3)は、酸化に関して多くの工業用途および民生用途を有する強力な酸化体である。しかし、オゾンの酸化潜在力は高く、オゾンは動物の粘液膜および呼吸組織、更に植物の繊維にも損傷を与える有毒ガスである。このことによってオゾンは、潜在的に呼吸器有害性、および地表レベル付近の汚染物質となる。オゾンは、大気放電から形成され、NOと反応して二酸化窒素(NO2)およびO2を形成し、またはN2と反応してNOおよびO2を生成する。いくつかの例では、オゾンレベルは、連続的スパークの方が断続的スパークよりもより大きく、O2濃度の上昇と共にやはり増加する。
【0068】
図12は、連続的スパークによって、ミニスパークプラグおよびイリジウムプラグを使用して、様々なO
2濃度でのO
3レベルを示す。この例では、B=60毎秒パルス群、N=50パルス群ごとのスパーク、P=140マイクロ秒、およびH=40マイクロ秒、および空気流量5L/分である。
【0069】
図13は、吸気から開始する、または吸気が開始した直前に各呼吸で引き起こされる断続的スパークを含むミニスパークプラグおよびイリジウムスパークプラグを使用して、様々なO
2濃度でのO
3レベルを示す。この例では、B=60毎秒パルス群、N=50パルス群ごとのスパーク、P=140マイクロ秒、およびH=40マイクロ秒、および空気流量5L/分である。
【0070】
図14は、連続的スパークによって、ミニスパークプラグおよびイリジウムプラグを使
用して、様々なO
2濃度でのO
3レベルを示す。この例では、B=35毎秒パルス群、N=25パルス群ごとのスパーク、P=240マイクロ秒、およびH=100マイクロ秒、および空気流量は5L/分である。
【0071】
図15は、吸気から開始する、または吸気が開始した直前に各呼吸で引き起こされる断続的スパークを含むミニスパークプラグおよびイリジウムスパークプラグを使用して、様々なO
2濃度でのO
3レベルを示す。この例では、B=35毎秒パルス群、N=25パルス群ごとのスパーク、P=240マイクロ秒、およびH=100マイクロ秒、および空気流量は5L/分である。
【0072】
図16は、酸素濃縮器を使用して、様々な反応ガス酸素濃度で、NO濃度およびO
2濃度を示す。この例では、B=5毎秒パルス群、N=25パルス群ごとのスパーク、P=200マイクロ秒、およびH=60マイクロ秒、および空気流量は5L/分である。
【0073】
図17は、U46619の注入期間中の平均肺動脈圧(PAP)を示す図である。基準値で、U46619の注入が開始される前に、PAPは14mmHgであった。30分を超える注入で、平均PAPが28mmHgに増加した。PAPが安定した後、スパークが、各吸気の開始で4分間生成された。4分間に亘って、PAPは重要なことに22mmHgまで減少した。スパークの終了後、4分間待つと、平均PAPが再び28mmHgまで上昇した。この例では、B=60毎秒パルス群、N=100パルス群ごとのスパーク、P=140マイクロ秒、およびH=17マイクロ秒、および一回呼吸量(Vt)=400mlである。
【0074】
図18は、イリジウムスパークプラグを使用して、吸気流によって引き起こされる断続的スパークを生成する間に様々なFiO
2でNO濃度およびNO
2濃度を示す。
【0075】
図19は、断続的スパークの生成前または生成後に、U46619の注入中に様々なFiO
2レベルで平均PAPを示す。これら例では、B=35毎秒パルス群、N=25パルス群ごとのスパーク、P=240マイクロ秒、H=100マイクロ秒、およびVt=400mlである。
【0076】
図20は、イリジウムスパークプラグを使用して、吸気流によって引き起こされる連続的スパークを生成する間に様々なFiO
2レベルでNO濃度およびNO
2濃度を示す。
図21は、連続的スパークの生成前または生成後に、U46619の注入中に様々なFiO
2レベルでPAPを示す。これら例では、B=35毎秒パルス群、N=25パルス群ごとのスパーク、P=240マイクロ秒、H=100マイクロ秒、およびVt=400mlである。
【0077】
いくつかの追加例では、より小さい呼吸のサイズは、スパーク合成されるNOの希釈が減少するので、より高いレベルのNOを生成する。
図22は、イリジウムスパークプラグを使用して、吸気流によって引き起こされるスパークでNO生成前および生成後、U46619の注入中に様々なVt(呼吸一回呼吸量レベル)で平均PAPを示す。
図23は、様々なレベルの一回呼吸量(Vt)で子羊の体内のNO濃度およびNO
2濃度を示す。これらの例では、B=35毎秒パルス群、N=25パルス群ごとのスパーク、P=240マイクロ秒、H=100マイクロ秒、およびFiO
2=0.21である。
【0078】
図24は、様々な大気圧で低圧室2400の中のNOレベルおよびNO
2レベルを測定するためのテスト設定を示す。試験の結果は、
図25に示されている。低圧室2400内部に負圧を生成するために(例えば、1/2ATA、1/3ATA)、入口弁および出口弁が閉鎖され、ピストンがスパークプラグから離れて並進した。次いで、スパークプラグ
は、30秒間点火された。この例では、B=100毎秒パルス群、N=10パルス群ごとのスパーク、P=140マイクロ秒、およびH=10マイクロ秒である。次いで、ピストンはスパークプラグに向かって並進されて、低圧室2400内の圧力を1ATAに戻した。出口弁が開かれ、ピストンをスパークプラグに向かってさらに並進することによって、ガス試料が3Lの呼吸バッグ内に収集された。収集されたガス試料は、収集後に直ちにSievers NOA i280を用いて分析された。
【0079】
動物試験2
ミニスパークプラグ(ワシントン州、Benton市、Rimfireの6mmHEXを含むMicro Viper Z3および10-40THRD)が、羊#1の気道内に設置された。ミニスパークプラグは、吸気時に吸気ガス温度の変化を測定した呼吸センサによって引き起こされた。ミニスパークプラグの電極が、
図3を参照して説明するように、一連のスパークを生成した。
【0080】
図26は、一定期間U46619の注入中のPAPを示す。U46619は、18ml/時の速度、50μg/mlの濃度でIV注入された。基準値で、平均PAPが13mmHgであった。30分を超える注入で、平均PAPが28mmHgに増加した。
【0081】
図27は、羊がタンクから40ppmの濃度のNOを呼吸している間の平均PAPを示す。平均PAPは、2分後18mmHgまで減少した。
【0082】
図28は、吸気呼吸によって引き起こされたスパーク中の平均PAPを示す(例えば、吸気時にNICO呼吸センサによって引き起こされた)。この例では、B=1毎秒パルス群、N=70パルス群ごとのスパーク、P=140マイクロ秒、およびH=40マイクロ秒である。200ml/分の生体外で、化学発光法によって測定されたNO濃度が25ppmであった。
【0083】
図29は、連続的スパーク中の平均PAPを示す。この例では、B=1毎秒パルス群、N=407パルス群ごとのスパーク、P=140マイクロ秒、およびH=40マイクロ秒である。200ml/分の生体外で、NO濃度が125ppmであった。
【0084】
図30に図示するように、ミニスパークプラグが羊#2’の気道内に設置された。ミニスパークプラグは、吸気時に吸気ガス温度の変化を測定した呼吸センサによって引き起こされた。ミニスパークプラグの電極が、
図3を参照して説明するように、一連のスパークを生成した。
【0085】
図31は、一定期間U46619の注入中の平均PAPを示す。U46619が、50μg/mlで、18ml/時で注入された。基準値で、平均PAPが12mmHgであった。30分を超える注入で、平均PAPが27mmHgに増加した。
【0086】
図32は、羊がシリンダから搬送された40ppmの固定濃度のNOを呼吸している間の平均PAPを示す。平均PAPは、2分後15mmHgまで減少した。
【0087】
図33は、流量制御装置を用いて、吸気呼吸によって引き起こされたスパーク中の平均PAPを示す(例えば、吸気時にNICO呼吸センサによって引き起こされた)。この例では、B=60毎秒パルス群、N=100パルス群ごとのスパーク、P=140マイクロ秒、およびH=17マイクロ秒である。
【0088】
ベンチテスト
図34は、羊の気道シミュレータを用いて、呼吸によって引き起こされるマイクロスパークプラグ(流量制御された、NICOモニタ)を使用するベンチテスト
設定を示す。
【0089】
図35は、様々な状態下で回路間隙(
図36参照)を含む修正されたミニスパークプラグを使用して、1L/分の一定反応ガス流量下でNO生成を示す図である。この例では、Hは10から17まで増加した。空気中の連続的スパークが、NOの大半の量(すなわち、約250ppm)を生成した。ミニスパークプラグのタングステン電極が、電極間隙を0.4mm~1.1mmに増加させる修正中に取り外された。
【0090】
図37を参照すると、流れ
図3700が、制御装置(例えば、
図2Aに示す制御装置210)の作動の配置を示す。典型的には、作動は、制御装置の中に存在するプロセッサによって実行される。しかし、作動は制御装置内に存在する複数のプロセッサによって実行される可能性もある。典型的には単一の制御装置によって実行されるが、いくつかの配置では、作動の実施が2つ以上の制御装置の間で分配されることが可能である。
【0091】
作動は、呼吸システムに付随する1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報を収集すること3702を含む。例えば、
図2Aの呼吸センサ208は、呼吸システムに付随する1つまたはそれ以上のトリガイベントに関連する情報を収集することができる。情報は、吸気の開始時および吸気の一回呼吸量を含むことができる(例えば、NICO装置、熱線式風速計、呼吸流量計などから得られる)。トリガイベントは、吸気であることができる。作動は、収集された情報に基づいて、1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定すること3704を更に含む。例えば、
図2Aの制御装置210は、1つまたはそれ以上の制御パラメータを決定することができる。制御パラメータは、パルス列を生成することができる。作動は、決定された制御パラメータに基づいて一酸化窒素を発生するために、患者の外部に一連の電気アークを起動すること3706を更に含む。例えば、
図2Aの電極206は、決定された制御パラメータに基づいて一酸化窒素を発生するために、一連の電気アークを起動することができる。制御パラメータは、一連の電気アークのタイミングを制御することができる。
【0092】
図38は、本明細書に説明する操作および技術を実施するために使用され得る例のコンピュータデバイス3800および例のモバイルコンピュータデバイス3850の例を示す。例えば、制御装置110(
図1に参照)、制御装置210(
図2A参照)、制御装置232(
図2C参照)、または制御装置266(
図2D参照)の部分またはすべてが、コンピュータデバイス3800および/またはモバイルコンピュータデバイス3850によって実行され得る。コンピュータデバイス3800は、デジタルコンピュータの様々な形態を代表すると意図され、例えば、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームおよび他の適切なコンピュータを含む。コンピュータデバイス3850は、モバイルデバイスの様々な形態を代表すると意図され、例えば、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピュータデバイス、携帯電話、スマートフォンおよび他の類似のコンピュータデバイスを含む。本明細書に示す構成要素は、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能は、例に過ぎないであると意図され、本文献の中で説明され、および/または特許請求される技術の実施を限定するようには意図されるのではない。
【0093】
コンピュータデバイス3800は、プロセッサ3802、メモリ3804、記憶装置3806、メモリ3804および高速拡張ポート3810に接続されている高速インターフェース3808、ならびに低速バス3814および記憶装置3806に接続されている低速インターフェース3812を含む。各構成要素3802、3804、3806、3808、3810および3812は、様々なバスを使用して相互接続され、共通のマザーボード上に、または適切な他の様式で実装され得る。プロセッサ3802は、メモリ3804内または記憶装置3806上に記憶されている命令を含む、コンピュータデバイス380
0内部で実行するための命令を処理することができて、例えば、高速インターフェース3808に接続されているディスプレイ3816を含む外部入力/出力装置上のGUIのためのグラフィカルデータを表示することができる。別の実施では、必要に応じて、複数のメモリおよび複数の種類のメモリと共に、複数のプロセッサおよび/またはそれ以上のバスが使用可能である。更に、複数のコンピュータデバイス3800が、必要な操作の部分を提供する各装置(例えば、サーババンクの1つ、ブレードサーバの1グループ、またはマルチプロセッサシステムの1つとして)に接続され得る。
【0094】
メモリ3804は、コンピュータデバイス3800内のデータを記憶する。一実施では、メモリ3804は、1つまたはそれ以上の揮発性メモリユニットである。別の実施では、メモリ3804は、1つまたはそれ以上の不揮発性メモリユニットである。メモリ3804は、例えば、磁気ディスクまたは光ディスクを含む、コンピュータ可読媒体の別の形態であることも可能である。
【0095】
記憶装置3806は、コンピュータデバイス3800のための大容量記憶装置を提供することができる。一実施では、記憶装置3806は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置またはテープ装置、フラッシュメモリまたは他の類似の固体記憶装置、あるいはストレージエリアネットワークまたは他の構成の中の装置を含む装置の列を備えるコンピュータ可読媒体であり、コンピュータ可読媒体を包含することができる。コンピュータプログラム製品は、データ担体の中で明白に具体化され得る。コンピュータプログラム製品は、実行される場合、例えば前述のものを含む、1つまたはそれ以上の方法を実行する命令を更に含むことができる。データ担体は、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体であり、例えば、メモリ3804、記憶装置3806、プロセッサ3802上のメモリなどを含む。
【0096】
高速制御装置3808は、コンピュータデバイス3800のためのバンド幅集約的操作を処理し、一方、低速制御装置3812は、低い方のバンド幅集約的操作を処理する。機能のそのような割り当ては、例に過ぎない。一実施では、高速制御装置3808は、メモリ3804、ディスプレイ3816(例えば、グラフィックプロセッサまたはアクセラレータ)、および様々な拡張カード(図示せず)を受け取ることができる高速拡張ポート3810に接続される。実施では、低速制御装置3812が、記憶装置3806および低速拡張ポート3814に接続される。様々な通信ポート(例えば、USB、Bluetooth(登録商標)、Ethernet(登録商標)、無線Ethernet(登録商標))を含むことができる低速拡張ポートが、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、または、例えばネットワークアダプタを通って、例えばスイッチまたはルータを含むネットワークデバイスを含む1つまたはそれ以上の入力/出力装置に接続され得る。
【0097】
コンピュータデバイス3800は、図面に示すように、複数の異なる形態で実施可能である。例えば、コンピュータデバイス3800は、標準的サーバ3820として実施可能であり、またはそのようなサーバ群の中で複数回実施可能である。コンピュータデバイス3800は、ラックサーバシステム3824の部分として実施可能である。追加的に、または別法として、コンピュータデバイス3800は、例えば、ラップトップコンピュータ3822を含むパーソナルコンピュータの中で実施可能である。いくつかの例では、コンピュータデバイス3800からの構成要素は、例えばデバイス3850を含むモバイルデバイス(図示せず)の中の他の構成要素と組み合わせることができる。そのようなデバイスのそれぞれは、1つまたはそれ以上のコンピュータデバイス3800、3850を含むことができ、全体のシステムは、互いに通信する複数のコンピュータデバイス3800、3850から構成され得る。
【0098】
コンピュータデバイス3850は、いくつかある構成要素の中で特に、プロセッサ3852、メモリ3864、例えばディスプレイ3854を含む入力/出力デバイス、通信インターフェース3866、およびトランシーバ3868を含む。デバイス3850は、さらに記憶容量を増やすために、例えば、マイクロドライブまたは他の装置を含む記憶装置を更に備え付けることができる。各構成要素3850、3852、3864、3854、3866および3868は、様々なバスおよびいくつかの構成要素を使用して相互接続され、共通のマザーボード上に、または適切な他の様式で実装され得る。
【0099】
プロセッサ3852は、メモリ3864内に記憶されている命令を含む、コンピュータデバイス3850内部の命令を実行することができる。プロセッサは、別個の複数のアナログプロセッサおよびデジタルプロセッサを含むチップのチップセットとして実施可能である。プロセッサは、例えば、デバイス3850の他の構成要素の協調を提供することができ、その協調には、例えば、ユーザインターフェースの制御、デバイス3850によって実行されるアプリケーションおよびデバイス3850による無線通信が含まれる。
【0100】
プロセッサ3852は、制御インターフェース3858、およびディスプレイ3854に接続されているディスプレイインターフェース3856を通してユーザと通信することができる。ディスプレイ3854は、例えば、TFT LCD(薄膜トランジスタ液晶)またはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または他の適切なディスプレイ技術であることができる。ディスプレイインターフェース3856は、グラフィカルデータまたは他のデータをユーザに提示するために、ディスプレイ3854を駆動するための適切な回路を備えることができる。制御インターフェース3858は、ユーザから命令を受信し、プロセッサ3852に投入するためにそれらを変換することができる。加えて、外部インターフェース3862は、プロセッサ3842と通信して、デバイス3850が他のデバイスと近接領域で通信できるようにする。外部インターフェース3862は、例えば、いくつかの実施の中で有線通信を提供し、または他の実施では無線通信を提供することができ、更に複数のインターフェースも使用され得る。
【0101】
メモリ3864は、コンピュータデバイス3850内のデータを記憶する。メモリ3864は、1つまたはそれ以上のコンピュータ可読媒体、1つまたはそれ以上の揮発性メモリユニット、あるいは1つまたはそれ以上の不揮発性メモリユニットとして実施可能である。拡張メモリ3874が、更に提供されることができ、例えばSIMM(シングル・インライン・メモリ・モジュール)カードインターフェースを含むことができる拡張インターフェース3872を通してデバイス3850に接続され得る。そのような拡張メモリ3874は、デバイス3850のための追加の記憶空間を提供することができ、あるいはデバイス3850のためのアプリケーションまたは他のデータを更に記憶することができる。特に、拡張メモリ3874は、前述の処理を実行し、補足するための命令を含むことができ、またはセキュアデータを更に含むことができる。したがって、例えば、拡張メモリ3874は、デバイス3850のためのセキュリティモジュールとして提供されることができ、デバイス3850の安全な使用を許可する命令をプログラムされることができる。加えて、例えば、安全で、修正できない様式でSIMMカード上に識別データを配置することなどを含む追加のデータと共に、SIMMカードを通して、安全なアプリケーションを提供することができる。
【0102】
メモリは、以下に考察するように、例えばフラッシュメモリおよび/または不揮発性RAMメモリを含むことができる。一実施では、コンピュータプログラム製品は、データ担体の中で明白に具体化される。コンピュータプログラム製品は、実行される場合、例えば前述のものを含む、1つまたはそれ以上の方法を実行する命令を含むことができる。データ担体は、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体であり、例えば、メモリ3864、拡張メモリ3874、および/またはプロセッサ3852上のメモリを含み、それらは例
えば、トランシーバ3868または外部インターフェース3862を通して受信され得る。
【0103】
デバイス3850は、通信インターフェース3866を通って無線で通信することができ、通信インターフェース3866は、必要である場合、デジタル信号処理回路を含むことができる。通信インターフェース3866は、特に、例えば、GSM(登録商標)ボイスコール、SMS、EMS、またはMMSメッセージ、CDMA、TDMA、PDC、WCDMA(登録商標)、CDMA2000またはGPRSを含む様々なモードまたはプロトコルの下で通信を提供することができる。そのような通信は、例えば、無線周波トランシーバ3868を通して発生することができる。加えて、例えばBluetooth(登録商標)、WiFi、または他のそのようなトランシーバ(図示せず)を含む、短距離通信が発生することができる。加えて、GPS(全地球測位システム)受信機モジュール3870が、追加のナビゲーションおよび位置に関連する無線データをデバイス3850に提供することができ、そのデータはデバイス3850上で実行するアプリケーションによって適切に使用され得る。カメラ、マイクロフォン、コンパス、アクセラレータ(オリエンテーション検知のための)などのセンサおよびモジュールは、デバイスの中に含まれることができる。
【0104】
デバイス3850は、ユーザからの会話データを受信し、それを利用可能なデジタルデータに変換することができるオーディオコーデック3860を使用して音声で通信することもできる。オーディオコーデック3860は、同様に、例えば、デバイス3850のハンドセットの中の、例えばスピーカを通してなどを含む、ユーザ向け可聴音を生成することができる。そのような音は、音声通話からの音を含むことができ、記録された音(例えば、音声メッセージ、音楽、ファイルなど)を含むことができ、更に、デバイス3850上で操作するアプリケーションによって生成される音を含むことができる。
【0105】
コンピュータデバイス3850は、図面に示すように、複数の異なる形態で実施可能である。例えば、コンピュータデバイス3850は、携帯電話3880として実施可能である。コンピュータデバイス3850は、スマートフォン3882の部分、パーソナルデジタルアシスタント、または他の類似のモバイルデバイスとして実施可能である。
【0106】
本明細書に説明するシステムおよび技術の様々な実施は、デジタル電子回路、集積回路、特定用途ASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/またはその組合せの中で実現可能である。これらの様々な実施は、1つまたはそれ以上のプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上の実行可能および/または解釈可能である1つまたはそれ以上のコンピュータプログラムの中で実施することを含むことができるが、プログラム可能なプロセッサは、特定目的または多目的であることができ、記憶システム、少なくとも1つの入力装置および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令を受信するために、かつ記憶システム、少なくとも1つの入力装置および少なくとも1つの出力装置へデータおよび命令を送信するために接続されることが可能である。
【0107】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーションまたはコードとしても知られている)は、プログラム可能プロセッサ向けの機械命令を含み、高レベル手順、および/またはオブジェクト指向のプログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械言語で実施可能である。本明細書に使用する場合、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体という用語は、プログラム可能なプロセッサに機械命令および/または命令を提供するために使用されるコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラム可能論理デバイス(PLD))を指し、機械命令を受信する機械可読媒体を含む。
【0108】
ユーザとのやりとりのため、本明細書に説明するシステムおよび技術は、ユーザにデータを表示するためのディスプレイデバイス(例えば、CRT(ブラウン管)またはLCD(液晶表示)モニタ)、ならびにユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)を有するコンピュータ上で実施可能である。他の種類のデバイスもまた、ユーザとのやりとりのために使用可能であり、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、知覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバックまたは触覚フィードバック)の形態であることができ、ユーザからの入力は、聴覚、音声または触覚入力を含む形態で受信され得る。
【0109】
本明細書に説明するシステムおよび技術は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ)を含む、またはミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)を含む、またはフロントエンド構成要素(例えば、ユーザが本明細書に説明するシステムおよび技術の実施とやりとりできるユーザインターフェースまたはWebブラウザを有するクライアントコンピュータ)またはそのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素またはフロントエンド構成要素の組合せを含むコンピュータシステムの中で実施可能である。システムの構成要素は、デジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)の形態または媒体によって相互接続され得る。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)およびインターネットが含まれる。
【0110】
コンピュータデバイスは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般に互いから離れており、典型的には通信ネットワークを通してやりとりを行う。クライアントおよびサーバの関係は、各コンピュータ上に走り、互いにクライアントーサーバ関係を有するコンピュータプログラムによって発生する。
【0111】
いくつかの実施では、本明細書に説明するエンジンが、分離され、組み合わされ、あるいは単一のエンジンまたは組み合わされたエンジンの中に組み込まれることが可能である。図面に示すエンジンは、本明細書に説明するシステムを図面の中に示すソフトウェアアーキテクチャに限定するように意図するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の電気アークを生成して、少なくとも窒素と酸素を含む反応ガスを、一酸化窒素を含む製品ガスに合成するように構成された1対以上の電極を含む、反応チャンバであって、前記製品ガスは、当該製品ガスを用いて患者を治療するために吸気ガス流に流れるよう構成された、反応チャンバと、
前記1対以上の電極と、前記吸気ガス流の流れを制御するデバイスと、と通信するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記デバイスから、吸気体積情報、前記吸気ガス中の酸素濃度、及びトリガ情報の1つ以上を受け取って、前記一連の電気アークのタイミングを制御して前記吸気ガス流中の一酸化窒素の濃度を制御するように構成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記吸気ガス流の流れを制御する前記デバイスは、換気装置の吸気周辺部の形である
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記吸気ガス流の流れを制御する前記デバイスは、前記製品ガスの流れを含む医療ガスの流れを前記患者に送るための換気装置の形である
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記デバイスは、無線通信を用いて、前記吸気体積情報、前記吸気ガス中の酸素濃度、及び前記トリガ信号の1つ以上を前記コントローラに伝送するよう構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記デバイスは、有線通信を用いて、前記吸気体積情報、前記吸気ガス中の酸素濃度、及び前記トリガ信号の1つ以上を前記コントローラに伝送するよう構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記反応ガス又は前記製品ガスについての1つ以上の特徴を測定するよう構成されたセンサをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記センサと通信して、前記反応ガス又は前記製品ガスに関連する情報を前記コントローラに提供する
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記反応ガス又は前記製品ガスについての前記1つ以上の特徴は、前記反応ガスの流れの方向、前記反応ガスの流れの一回呼吸量、前記反応ガスの流れのタイミング、前記反応ガスの流れの温度の変化、前記反応ガスの圧力の変化、及び前記反応ガスの流量の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記センサから受け取った情報を用いて、直近の吸気の一回呼吸量測定値に基づいて、次の吸気の期待される一回呼吸量測定値を決定するよう構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記センサから受け取った情報を用いて、次の吸気の前記期待される一回呼吸量を決定するためにいくつかの前の吸気の一回呼吸量の平均を決定するよう構成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記トリガ信号は、前記患者による吸気に関連する
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記トリガ信号は、吸気体積、吸入ガス酸素レベル、及び吸気のタイミングの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記1対以上の電極は貴金属を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
一連の電気アークを生成して、少なくとも窒素と酸素を含む反応ガスを、一酸化窒素を含む製品ガスに合成するように構成された1対以上の電極を含む、反応チャンバであって、前記製品ガスは、当該製品ガスを用いて患者を治療するために換気装置に流れるよう構成された、反応チャンバと、
前記1対以上の電極と、前記製品ガスが流入する吸気ガス流の流れを制御する前記換気装置と、と通信するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記換気装置から、吸気体積情報、前記吸気ガス中の酸素濃度、及びトリガ情報の1つ以上を受け取って、前記一連の電気アークのタイミングを制御して前記吸気ガス流中の一酸化窒素の濃度を制御するように構成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項15】
前記トリガ信号は、前記患者による吸気に関連する
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記トリガ信号は、吸気体積及び吸気のタイミングの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記反応ガス又は前記製品ガスについての1つ以上の特徴を測定するよう構成されたセンサをさらに備える
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記コントローラは、前記センサから受け取った情報を用いて、直近の吸気の一回呼吸量測定値に基づく次の吸気の期待される一回呼吸量測定値と、次の吸気の前記期待される一回呼吸量を決定するためのいくつかの前の吸気の一回呼吸量の平均と、の少なくとも1つを決定するよう構成されている
ことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
一酸化窒素を生成する方法であって、
トリガイベント、吸入酸素レベル及び吸気体積の少なくとも1つに関連する1つ以上のトリガ信号を受け取る工程であって、前記トリガ信号は、患者を治療するための呼吸装置から受け取る、工程と、
窒素と酸素を含む反応ガス内において一酸化窒素を含む製品ガスを合成するために、前記トリガ信号に基づいて、反応チャンバ内の一連の電気アークのタイミングを制御する工程と、
前記呼吸装置から受け取った前記トリガイベント、前記吸入酸素レベル及び前記吸気体積の1つ以上を用いて、前記製品ガス内の一酸化窒素の濃度を制御する工程と、を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記製品ガス中の前記一酸化窒素の濃度を制御するために、反応チャンバ内への反応ガスの流れ及び前記反応チャンバから出る製品ガスの流れの少なくとも1つについての1つ以上の特徴を測定する工程をさらに含む
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
一酸化窒素を送るための方法であって、
トリガイベント、吸入酸素レベル及び吸気体積の少なくとも1つに関連する1つ以上のトリガ信号を受け取る工程であって、前記トリガ信号は、患者を治療するための呼吸装置から受け取る、工程と、
一酸化窒素を含む製品ガスを患者に送られている医療ガスに導入する工程と、
前記呼吸装置から受け取った前記トリガイベント、前記吸入酸素レベル及び前記吸気体積の1つ以上を用いて、医療ガスと製品ガスの組み合わせにおける一酸化窒素の濃度を制御する工程と、を含む
ことを特徴とする方法。