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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052927
(43)【公開日】2023-04-12
(54)【発明の名称】水性眼科組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/737 20060101AFI20230404BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20230404BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61K31/737
A61K9/08
A61P27/02
A61J1/05 313A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016140
(22)【出願日】2023-02-06
(62)【分割の表示】P 2017217108の分割
【原出願日】2017-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2016220787
(32)【優先日】2016-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100135242
【弁理士】
【氏名又は名称】江守 英太
(72)【発明者】
【氏名】小川 庸子
(72)【発明者】
【氏名】林 紗衣子
(72)【発明者】
【氏名】中田 温子
(57)【要約】
【課題】消泡速度を向上させた水性眼科組成物を提供すること。
【解決手段】(A)コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する水性眼科組成物であって、(A)成分の含有量が該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上であり、該水性眼科組成物と接する部分の一部又は全部がポリエステル系樹脂で形成された容器に収容してなる水性眼科組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する水性眼科組成物であって、(A)成分の含有量が該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上であり、該水性眼科組成物と接する部分の一部又は全部がポリエステル系樹脂で形成された容器に収容してなる水性眼科組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性眼科組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水性眼科組成物は、眼に対して安全に適用するために、製造時の溶解確認が重視される。また、水性眼科組成物の中でも点眼剤、洗眼剤などの医薬品においては、製造工程での異物検査が必須である。しかしながら、製造中の水性眼科組成物において、振動又は衝撃により発生した泡の消える速度(消泡速度)が遅い場合、配合成分又は異物と泡との見分けがつき難いために、溶解確認、異物検査などの工程で長時間を要し、水性眼科組成物の製造を効率的に行えないのが現状である。
【0003】
従来、水性眼科組成物における消泡速度を向上させることを目的として、ゴマ油などが使用されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-28789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水性眼科組成物の多様化に対応することが可能な、さらなる消泡技術の向上が望まれている。
【0006】
本発明は、消泡速度を向上させた水性眼科組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、意外にも水性眼科組成物にコンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を特定量以上配合し、かつ水性眼科組成物をポリエステル系樹脂で形成された容器に収容することで、水性眼科組成物における消泡速度が顕著に向上することを見出した。本発明はこの知見に基づくものであり、以下の各発明を提供するものである。
【0008】
[1](A)コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する水性眼科組成物であって、(A)成分の含有量が該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上であり、該水性眼科組成物と接する部分の一部又は全部がポリエステル系樹脂で形成された容器に収容してなる水性眼科組成物。
[2](B)起泡性成分を更に含有する、[1]に記載の水性眼科組成物。
[3](B)起泡性成分が、(B-1)界面活性剤、(B-2)テルペノイド並びに(B-3)グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種である、[2]に記載の水性眼科組成物。
[4]ポリエステル系樹脂を構成するポリマーが、ポリエチレンテレフタレートである、[1]~[3]のいずれかに記載の水性眼科組成物。
[5]緩衝剤及び増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の水性眼科組成物。
[5-1]緩衝剤、増粘剤、アミノ酸類、キレート剤及び脂溶性抗酸化剤からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の水性眼科組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、消泡速度を向上させた水性眼科組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
本明細書において、特に記載のない限り、含有量の単位「%」は「w/v%」を意味し、「g/100mL」と同義である。
【0012】
〔1.水性眼科組成物〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、(A)コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種(単に「(A)成分」とも表記する。)を含有する。
【0013】
〔(A)成分〕
(A)成分であるコンドロイチン硫酸及びその塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。コンドロイチン硫酸及びその塩の分子量は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、通常、重量平均分子量で0.1万~10万程度、好ましくは0.5万~5万程度、更に好ましくは1万~3万程度のものを使用できる。
【0014】
コンドロイチン硫酸の塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩が挙げられる。
【0015】
コンドロイチン硫酸及びその塩としては、コンドロイチン硫酸及びコンドロイチン硫酸のアルカリ金属塩が好ましく、コンドロイチン硫酸及びコンドロイチン硫酸ナトリウムがより好ましく、コンドロイチン硫酸ナトリウムが更に好ましい。
【0016】
コンドロイチン硫酸及びその塩は、市販のものを用いることもできる。コンドロイチン硫酸及びその塩は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
本実施形態に係る水性眼科組成物における(A)成分の含有量は、水性眼科組成物の総量を基準として、0.7w/v%以上である。(A)成分の含有量の下限値は0.7w/v%以上であれば特に限定されず、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分の含有量の下限値としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、0.8w/v%以上であることが好ましく、0.9w/v%以上であることがより好ましく、1.0w/v%以上であることが更に好ましい。(A)成分の含有量の上限値は特に限定されず、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分の含有量の上限値としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点、及び、使用感の観点から、例えば、5.0w/v%以下であることが好ましく、4.0w/v%以下であることがより好ましく、3.0w/v%以下であることが更に好ましい。
【0018】
〔(B)成分〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、更に(B)起泡性成分(単に「(B)成分」とも表記する。)を含有してもよい。本明細書において「起泡性成分」とは、水性眼科組成物に溶解させた場合に泡を生じさせる性質を有し、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される成分を意味する。水性眼科組成物が(B)成分を含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。
【0019】
(B)成分としては、例えば、(B-1)界面活性剤(単に「(B-1)成分」とも表記する。)、(B-2)テルペノイド(単に「(B-2)成分」とも表記する。)、(B-3)グリチルリチン酸及びその塩(単に「(B-3)成分」とも表記する。)が挙げられる。
【0020】
(B)成分としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、(B-1)成分及び(B-2)成分が好ましく、(B-1)成分がより好ましい。また、(B)成分としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、(B-1)成分及び(B-3)成分も好ましい。
【0021】
(B)成分は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
本実施形態に係る水性眼科組成物における(B)成分の含有量は特に限定されず、(B)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、(B)成分の総含有量が、0.00001~5%であることが好ましく、0.00005~1w/v%であることがより好ましく、0.0001~0.5w/v%であることが更に好ましい。
【0023】
本実施形態に係る水性眼科組成物における、(A)成分に対する(B)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び(B)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(B)成分の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る水性眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分の総含有量が、0.00001~5質量部であることが好ましく、0.0001~3質量部であることがより好ましく、0.001~1質量部であることが更に好ましく、0.005~0.5質量部であることが更により好ましい。
【0024】
〔(B-1)成分〕
(B-1)成分である界面活性剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
【0025】
界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤、イオン(陰イオン性、両性、陽イオン性)界面活性剤が挙げられる。
【0026】
非イオン界面活性剤としては、例えば、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロクサマー124等のPOE・POPグリコール類;POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60、POE硬化ヒマシ油80等のPOE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油3、POEヒマシ油4、POEヒマシ油6、POEヒマシ油7、POEヒマシ油10、POEヒマシ油13.5、POEヒマシ油17、POEヒマシ油20、POEヒマシ油25、POEヒマシ油30、POEヒマシ油35、POEヒマシ油50等のPOEヒマシ油;モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(9E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(23E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(32E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.、ステアリン酸ポリオキシル40)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(45E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(55E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(75E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.)等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。なお、上記例示した化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数を示す。
【0027】
陰イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、N-アシルタウリン塩が挙げられる。
【0028】
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンが挙げられる。
【0029】
陽イオン界面活性剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリドロニウム、塩化セチルピリジニウムが挙げられる。
【0030】
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が好ましい。非イオン界面活性剤としては、POEソルビタン脂肪酸エステル類;POE・POPグリコール類;POE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油;モノステアリン酸ポリエチレングリコールが好ましく、ポリソルベート80、ポロクサマー407、POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油60、POEヒマシ油3、POEヒマシ油10、POEヒマシ油35、ステアリン酸ポリオキシル40がより好ましく、ポリソルベート80、POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40が更に好ましく、ポリソルベート80、POE硬化ヒマシ油60が特に好ましい。
【0031】
界面活性剤は、市販されているものを使用してもよい。界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
本実施形態に係る水性眼科組成物における(B-1)成分の含有量は特に限定されず、(B-1)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B-1)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、(B-1)成分の総含有量が、0.00001~5w/v%であることが好ましく、0.00005~1w/v%であることがより好ましく、0.0001~0.5w/v%であることが更に好ましく、0.001~0.3w/v%であることが更により好ましい。
【0033】
(B-1)成分が非イオン界面活性剤である場合、(B-1)成分の含有量としては、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、(B-1)成分の総含有量が、0.001~5w/v%であることが好ましく、0.005~1w/v%であることがより好ましく、0.01~0.5w/v%であることが更に好ましい。
【0034】
(B-1)成分が陽イオン界面活性剤である場合、(B-1)成分の含有量としては、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、(B-1)成分の総含有量が、0.00001~1w/v%であることが好ましく、0.00005~0.1w/v%であることがより好ましく、0.0001~0.05w/v%であることが更に好ましく、0.001~0.01w/v%であることが更により好ましい。
【0035】
本実施形態に係る水性眼科組成物における、(A)成分に対する(B-1)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び(B-1)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(B-1)成分の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る水性眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B-1)成分の総含有量が、0.00001~5質量部であることが好ましく、0.0005~3質量部であることがより好ましく、0.0001~3質量部であることが更に好ましく、0.001~1質量部であることが更により好ましく、0.005~0.5質量部であることが特に好ましく、0.01~0.5質量部であることが特により好ましい。
【0036】
(B-2)成分であるテルペノイドは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
【0037】
テルペノイドとしては、例えば、環式テルペン及び非環式テルペンが挙げられる。
【0038】
環式テルペンは、分子内に少なくとも1つの環構造を有するテルペノイドである。環式テルペンとしては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール(「リュウノウ」ともいう)、メントン、シネオール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、ピネン、それらの誘導体等が挙げられる。
【0039】
非環式テルペンは、分子内に環構造を有しないテルペノイドである。非環式テルペンとしては、例えば、ゲラニオール、シトロネロール、リナロール、酢酸リナリル、それらの誘導体等が挙げられる。
【0040】
本発明において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油等が挙げられる。
【0041】
テルペノイドはd体、l体及びdl体のいずれでもよく、dl-メントール、d-メントール、l-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、l-カンフル、dl-ボルネオール、d-ボルネオール、l-ボルネオール、dl-メントン、d-メントン、l-メントンが例示される。ただし、ゲラニオール及びシネオール等のようにテルペノイドによっては光学異性体が存在しない場合もある。
【0042】
テルペノイドとしては、メントール、カンフル、ボルネオール、メントン、ゲラニオール、ユーカリ油及びベルガモット油が好ましく、メントール、カンフル及びボルネオールがより好ましく、l-メントール、d-カンフル、dl-カンフル及びd-ボルネオールが更に好ましく、l-メントールが更により好ましい。
【0043】
テルペノイドは、市販されているものを使用してもよい。テルペノイドは、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0044】
本実施形態に係る水性眼科組成物における(B-2)成分の含有量は特に限定されず、(B-2)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B-2)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、(B-2)成分の総含有量が、0.00001~1w/v%であることが好ましく、0.0001~0.5w/v%であることがより好ましく、0.0005~0.1w/v%であることが更に好ましく、0.0005~0.05w/v%であることが更により好ましく、0.0001~0.05w/v%であることが特に好ましい。
【0045】
本実施形態に係る水性眼科組成物における、(A)成分に対する(B-2)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び(B-2)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(B-2)成分の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る水性眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B-2)成分の総含有量が、0.0001~5質量部であることが好ましく、0.0005~3質量部であることがより好ましく、0.001~1質量部であることが更に好ましく、0.001~0.5質量部であることが更により好ましい。また、(A)成分の総含有量1質量部に対する(B-2)成分の総含有量の上限値は、例えば、0.1質量部以下、0.05質量部以下、0.01質量部以下、又は0.005質量部以下であってもよい。
【0046】
(B-3)成分であるグリチルリチン酸及びその塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
【0047】
グリチルリチン酸の塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩が挙げられる。
【0048】
グリチルリチン酸及びその塩としては、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸のアルカリ金属塩及びグリチルリチン酸のアンモニウム塩が好ましく、グリチルリチン酸二カリウム及びグリチルリチン酸一アンモニウムがより好ましく、グリチルリチン酸二カリウムが更に好ましい。
【0049】
グリチルリチン酸及びその塩は、市販されているものを使用してもよい。グリチルリチン酸及びその塩は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0050】
本実施形態に係る水性眼科組成物における(B-3)成分の含有量は特に限定されず、(B-3)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B-3)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、(B-3)成分の総含有量が、0.0001~1w/v%であることが好ましく、0.001~0.8w/v%であることがより好ましく、0.01~0.5w/v%であることが更に好ましく、0.1~0.25w/v%であることが更により好ましい。
【0051】
本実施形態に係る水性眼科組成物における、(A)成分に対する(B-3)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び(B-3)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(B-3)成分の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る水性眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B-3)成分の総含有量が、0.001~5質量部であることが好ましく、0.01~3質量部であることがより好ましく、0.05~1質量部であることが更に好ましく、0.1~0.5質量部であることが更により好ましく、0.1~0.25質量部であることが特に好ましい。
〔緩衝剤〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、更に緩衝剤を含有することが好ましい。水性眼科組成物が緩衝剤を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。緩衝剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
【0052】
緩衝剤としては、例えば、無機酸由来の緩衝剤である無機緩衝剤、及び有機酸又は有機塩基由来の緩衝剤である有機緩衝剤が挙げられる。
【0053】
無機緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤等が挙げられる。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸又はその塩(ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸又はその塩(リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸又はその塩(炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤又は炭酸緩衝剤として、ホウ酸塩、リン酸塩又は炭酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等)などが例示できる。
【0054】
有機緩衝剤としては、例えば、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、トリス緩衝剤、AMPD緩衝剤等が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸又はその塩(クエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。酢酸緩衝剤としては、酢酸又はその塩(酢酸アルカリ金属塩、酢酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。乳酸緩衝剤としては、乳酸又はその塩(乳酸アルカリ金属塩、乳酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。コハク酸緩衝剤としては、コハク酸又はその塩(コハク酸アルカリ金属塩等)が挙げられる。また、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤又はコハク酸緩衝剤として、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩又はコハク酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等);乳酸緩衝剤として、乳酸又はその塩(乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム等);コハク酸緩衝剤としてコハク酸又はその塩(コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム等)などが例示できる。トリス緩衝剤としては、例えば、トロメタモール又はその塩(トロメタモール塩酸塩等)が挙げられる。AMPD緩衝剤としては、例えば、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール又はその塩が挙げられる。
【0055】
緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤(例えば、ホウ酸とホウ砂の組み合わせ等)、リン酸緩衝剤(例えば、リン酸水素二ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムの組み合わせ等)、トリス緩衝剤(例えば、トロメタモール)が好ましく、ホウ酸緩衝剤がより好ましく、ホウ酸及びその塩が更に好ましく、ホウ酸とホウ砂の組み合わせが更により好ましい。
【0056】
緩衝剤は、市販されているものを使用してもよい。緩衝剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0057】
本実施形態に係る水性眼科組成物における緩衝剤の含有量は特に限定されず、緩衝剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。緩衝剤の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、緩衝剤の総含有量が、0.01~10w/v%であることが好ましく、0.05~5w/v%であることがより好ましく、0.1~3w/v%であることが更に好ましい。
【0058】
本実施形態に係る水性眼科組成物における、(A)成分に対する緩衝剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び緩衝剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する緩衝剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る水性眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、緩衝剤の総含有量が、0.01~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがより好ましく、0.5~3質量部であることが更に好ましい。
【0059】
〔増粘剤〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、更に増粘剤を含有することが好ましい。水性眼科組成物が増粘剤を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。増粘剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
【0060】
増粘剤としては、例えば、セルロース系高分子化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)、ビニル系高分子化合物(ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー等)、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、寒天、アルギン酸及びその塩(ナトリウム塩等)、(A)成分以外のムコ多糖類(例えば、ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸及びその塩(ナトリウム塩等))、デンプン、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、カラギーナン等が挙げられる。
【0061】
増粘剤としては、セルロース系高分子化合物、ビニル系高分子化合物、(A)成分以外のムコ多糖類が好ましく、セルロース系高分子化合物、(A)成分以外のムコ多糖類がより好ましく、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒアルロン酸及びその塩が更に好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウムが更により好ましく、ヒアルロン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0062】
増粘剤は、市販されているものを使用してもよい。増粘剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0063】
本実施形態に係る水性眼科組成物における増粘剤の含有量は特に限定されず、増粘剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。増粘剤の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、増粘剤の総含有量が、0.0001~5w/v%であることが好ましく、0.001~1w/v%であることがより好ましく、0.01~0.5w/v%であることが更に好ましく、0.05~0.3w/v%であることが更により好ましく、0.1~0.15w/v%であることが特に好ましい。
【0064】
本実施形態に係る水性眼科組成物における、(A)成分に対する増粘剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び増粘剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する増粘剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る水性眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.0001~5質量部であることが好ましく、0.001~1質量部であることがより好ましく、0.01~0.5質量部であることが更に好ましく、0.05~0.3質量部であることが更により好ましく、0.1~0.12質量部であることが特に好ましい。
【0065】
〔アミノ酸類〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、更にアミノ酸類を含有することが好ましい。水性眼科組成物がアミノ酸類を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。アミノ酸類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
【0066】
アミノ酸類としては、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、アミノエチルスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
【0067】
アミノ酸類としては、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸及びそれらの塩が好ましく、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム、アミノエチルスルホン酸がより好ましく、アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸がより好ましい。
【0068】
アミノ酸類は、市販されているものを使用してもよい。アミノ酸類は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0069】
本実施形態に係る水性眼科組成物におけるアミノ酸類の含有量は特に限定されず、アミノ酸類の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。アミノ酸類の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、アミノ酸類の総含有量が、0.01~5w/v%であることが好ましく、0.1~3w/v%であることがより好ましく、0.5~2w/v%であることが更に好ましい。
【0070】
本実施形態に係る水性眼科組成物における、(A)成分に対するアミノ酸類の含有比率は特に限定されず、(A)成分及びアミノ酸類の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するアミノ酸類の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る水性眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.01~5質量部であることが好ましく、0.1~3質量部であることがより好ましく、0.5~2質量部であることが更に好ましい。
【0071】
〔キレート剤〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、更にキレート剤を含有することが好ましい。水性眼科組成物がキレート剤を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。キレート剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
【0072】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びそれらの塩等が挙げられる。
【0073】
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸及びその塩が好ましく、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムがより好ましい。
【0074】
本実施形態に係る水性眼科組成物におけるキレート剤の含有量は特に限定されず、キレート剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。キレート剤の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、キレート剤の総含有量が、0.0001~1w/v%であることが好ましく、0.001~0.5w/v%であることがより好ましく、0.01~0.1w/v%であることが更に好ましい。
【0075】
本実施形態に係る水性眼科組成物における、(A)成分に対するキレート剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及びキレート剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するキレート剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る水性眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.0001~1質量部であることが好ましく、0.001~0.5質量部であることがより好ましく、0.001~0.5質量部であることが更に好ましい。
【0076】
〔脂溶性抗酸化剤〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、更に脂溶性抗酸化剤を含有することが好ましい。水性眼科組成物が脂溶性抗酸化剤を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。脂溶性抗酸化剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
【0077】
脂溶性抗酸化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)及びそれらの塩等が挙げられる。
【0078】
脂溶性抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)がより好ましい。
【0079】
本実施形態に係る水性眼科組成物における脂溶性抗酸化剤の含有量は特に限定されず、脂溶性抗酸化剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。脂溶性抗酸化剤の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、脂溶性抗酸化剤の総含有量が、0.0001~0.1w/v%であることが好ましく、0.0005~0.05w/v%であることがより好ましく、0.001~0.01w/v%であることが更に好ましい。
【0080】
本実施形態に係る水性眼科組成物における、(A)成分に対する脂溶性抗酸化剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び脂溶性抗酸化剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、水性眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する脂溶性抗酸化剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る水性眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.0001~0.1質量部であることが好ましく、0.0005~0.05質量部であることがより好ましく、0.001~0.01質量部であることが更に好ましい。
【0081】
本実施形態に係る水性眼科組成物のpHは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば、特に限定されるものではない。本実施形態に係る水性眼科組成物のpHとしては、例えば、4.0~9.5であってよく、4.0~9.0であることが好ましく、4.5~9.0であることがより好ましく、4.5~8.5であることが更に好ましく、5.0~8.5であることが更により好ましく、5.5~8.0であることが特に好ましい。
【0082】
本実施形態に係る水性眼科組成物は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することができる。適切な浸透圧比は適用部位、剤型等により異なるが、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、0.05~6とすることが好ましく、0.4~5とすることがより好ましく、0.6~3とすることが更に好ましく、0.8~2とすることが更により好ましい。浸透圧の調整は無機塩類、多価アルコール等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十六改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(凝固点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500~650℃で40~50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
【0083】
本実施形態に係る水性眼科組成物の粘度は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば、特に限定されるものではない。本実施形態に係る水性眼科組成物の粘度としては、例えば、回転粘度計(TV-20型粘度計、東機産業社製、ローター;1°34’×R24)で測定した20℃における粘度が0.1~10000mPa・sであることが好ましく、1~3000mPa・sであることがより好ましく、1~1000mPa・sであることが更に好ましく、1~100mPa・sであることが更により好ましく、1~50mPa・sであることが特に好ましく、1~10mPa・sであることが特により好ましく、1.3~5mPa・sであることが特に更に好ましく、1.5~3mPa・sであることが最も好ましい。
【0084】
本実施形態に係る水性眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分の他に種々の薬理活性成分及び生理活性成分から選択される成分を組み合わせて適当量含有していてもよい。当該成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会 監修)に記載された眼科用薬における有効成分が例示できる。眼科用薬において用いられる成分として、具体的には、例えば、次のような成分が挙げられる。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム等。
抗ヒスタミン剤:例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、イプロヘプチン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、ペミロラストカリウム、塩酸オロパタジン等。
ステロイド剤:例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、dl-塩酸メチルエフェドリン等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、硫酸アトロピン等。
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸トコフェロール、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等。
無機塩類:例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の金属の塩化物;塩化アンモニウム;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム等の金属の硫酸塩等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及びそれらの塩等。
【0085】
本実施形態に係る水性眼科組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途及び製剤形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。このような添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、プラスチベース等。
pH調節剤:例えば、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等。
安定化剤:例えば、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、シクロデキストリン、モノエタノールアミン等。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール等。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
油類:例えば、ゴマ油、ヒマシ油、ダイズ油、オリーブ油等の植物油、スクワラン等の動物油、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油等。
【0086】
本実施形態に係る水性眼科組成物には、抗炎症剤を含有させることもできる。ここで、抗炎症剤としては、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アラントイン、トラネキサム酸、リゾチーム、塩化リゾチーム、インドメタシン、プラノプロフェン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ケトプロフェン、フェルビナク、ベンダザック、ピロキシカム、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、イプシロンアミノカプロン酸、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム等が例示される。一方、本実施形態に係る水性眼科組成物の一態様として、イプシロンアミノカプロン酸の含有量が、水性眼科組成物の総量を基準として、2.5w/v%以下とすることもできる。また、本実施形態に係る水性眼科組成物の別の一態様として、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、又はアズレンスルホン酸ナトリウムを含まないものとすることもできる。本実施形態に係る水性眼科組成物において、イプシロンアミノカプロン酸の含有量が、水性眼科組成物の総量を基準として2.5w/v%以下である場合、又は塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、若しくはアズレンスルホン酸ナトリウムを含まない場合には、本発明の効果を顕著に奏することができる観点から好ましい。
【0087】
本実施形態に係る水性眼科組成物には、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤を含有させることもできる。ここで、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤としては、塩化亜鉛、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラベン類(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等)、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、グローキル(ローディア社製 商品名)等が例示される。本実施形態に係る水性眼科組成物の一態様として、パラベン類を含まないものとすることもできる。本実施形態に係る水性眼科組成物において、パラベン類を含まない場合には、本発明の効果を顕著に奏することができる観点から好ましい。
【0088】
本実施形態に係る水性眼科組成物が水を含有する場合、水の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、水性眼科組成物の総量を基準として、水の含有量が、80w/v%以上100w/v%未満であることが好ましく、85w/v%以上99.5w/v%以下であることがより好ましく、90w/v%以上99.2w/v%以下であることが更に好ましい。
【0089】
本実施形態に係る水性眼科組成物に用いられる水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。このような水として、例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水及び注射用蒸留水等を挙げることができる。これらの定義は第十六改正日本薬局方に基づく。
【0090】
本実施形態に係る水性眼科組成物は、例えば、(A)成分、及び必要に応じて他の含有成分を所望の含有量となるように添加及び混和することにより調製することができる。具体的には、例えば、精製水で上記成分を溶解又は懸濁させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。
【0091】
本実施形態に係る水性眼科組成物は、目的に応じて種々の剤型をとることができ、例えば、液剤、ゲル剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられる。これらの中でも、液剤が好ましく、水性液剤がより好ましい。
【0092】
本実施形態に係る水性眼科組成物は、例えば、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう。また、点眼剤には人工涙液、コンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)、洗眼剤(洗眼液又は洗眼薬ともいう。また、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む。)、コンタクトレンズ用組成物[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)等]として用いることができる。なお、「コンタクトレンズ」は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含する)を含む。
【0093】
本実施形態に係る水性眼科組成物は、本発明による効果をより顕著に発揮できることから、点眼剤(コンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)であることが好ましい。本実施形態に係る水性眼科組成物が点眼剤である場合、その用法・用量としては、効果を奏し、副作用の少ない用法・用量であれば特に限定されないが、例えば成人(15歳以上)及び7歳以上の小児の場合、1回1~2滴を1日4回点眼して用いる方法、1回1~2滴、1~3滴、又は2~3滴を1日5~6回点眼して用いる方法を例示できる。
【0094】
また、本実施形態に係る水性眼科組成物は、本発明による効果をより顕著に発揮できることから、人工涙液であることも好ましい。なお、本実施形態に係る水性眼科組成物が人工涙液である場合、当該水性眼科組成物は、抗炎症剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、充血除去剤、眼筋調節薬剤、ビタミン剤、収斂剤、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンのいずれも含有しないことが好ましい。
【0095】
〔ポリエステル系樹脂容器〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、該水性眼科組成物と接する部分の一部又は全部がポリエステル系樹脂で形成された容器(単に「ポリエステル系樹脂容器」とも表記する。)に収容して提供される。
【0096】
ポリエステル系樹脂を構成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を混合したものが挙げられる。プラスチックを構成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
【0097】
ポリエステル系樹脂は、安定化剤等の添加剤を含んでいてもよい。また、ポリエステル系樹脂は、ガラス繊維等の補強剤を含んで強化したものであってもよい。
【0098】
水性眼科組成物を収容するポリエステル系樹脂容器としては、眼科分野で一般的に使用されている容器であってよく、具体的には、例えば、点眼容器、洗眼液容器、コンタクトレンズ装着液収容容器、コンタクトレンズケア用液収容容器(コンタクトレンズ洗浄液収容容器、コンタクトレンズ保存液収容容器、コンタクトレンズ消毒液収容容器、コンタクトレンズマルチパーパスソリューション収容容器等が含まれる)であってよい。容器の種類は、点眼容器、コンタクトレンズ装着液収容容器、コンタクトレンズケア用液収容容器であることが好ましく、点眼容器であることがより好ましい。
【0099】
本実施形態に係るポリエステル系樹脂容器は、水性眼科組成物と接する部分の一部又は全部がポリエステル系樹脂で形成されている。ここで、水性眼科組成物を収容する容器のうち水性眼科組成物と接する部分は、例えば、容器内面(容器が複数の層からなる構造の場合、最も内側の層)、中栓、穴あき中栓が挙げられる。例えば、ポリエステル系樹脂容器が穴あき中栓(ノズル)を有する容器の場合、穴あき中栓以外の収容部分等がポリエステル系樹脂で形成されていてもよく、容器全体がポリエステル系樹脂で形成されていてもよい。本実施形態に係るポリエステル系樹脂容器は、水性眼科組成物と接する部分の一部がポリエステル系樹脂で形成されていればよいが、本発明による効果をより一層顕著に奏するという観点から、収容部分がポリエステル系樹脂で形成されていることが好ましい。
【0100】
本実施形態に係るポリエステル系樹脂容器の形状及び容量は特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。例えば、ポリエステル系樹脂容器が、点眼剤又はコンタクトレンズ装着液を収容する容器の場合、例えば、容量が0.3mL以上50mL以下であってよく、2mL以上40mL以下であることが好ましく、4mL以上25mL以下であることがより好ましい。またポリエステル系樹脂容器が、洗眼剤又はコンタクトレンズケア用液を収容する容器であれば、例えば、容量が40mL以上600mL以下であってよい。
【0101】
本実施形態に係るポリエステル系樹脂容器は、複数回の使用量が収容されるマルチドーズ型であってもよく、単回の使用量が収容されるユニットドーズ型であってもよい。
【0102】
本実施形態に係る水性眼科組成物は、ポリエステル系樹脂容器入り水性眼科組成物としても提供され得る。本発明はまた、ポリエステル系樹脂容器に本発明の水性眼科組成物が収容された眼科用製品(点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ関連製品等)と捉えることもできる。
【0103】
〔2.水性眼科組成物における消泡速度を向上させる方法〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上配合し、かつ該水性眼科組成物をポリエステル系樹脂で形成された容器に収容することで、水性眼科組成物における消泡速度が顕著に向上している。したがって、本発明の一実施形態として、水性眼科組成物に(A)コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される1種以上を該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上配合し、該水性眼科組成物と接する部分の一部又は全部がポリエステル系樹脂で形成された容器に収容することを含む、該水性眼科組成物における消泡速度を向上させる方法が提供される。
【0104】
なお、本実施形態における、(A)成分の種類及び含有量等、その他の成分の種類及び含有量等、水性眼科組成物の製剤形態及び用途等については、〔1.水性眼科組成物〕で説明したとおりである。
【0105】
〔3.水性眼科組成物における起泡量を減少させる方法〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上配合し、かつ該水性眼科組成物をポリエステル系樹脂で形成された容器に収容することで、水性眼科組成物における起泡の量が顕著に減少している。したがって、本発明の一実施形態として、水性眼科組成物に(A)コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される1種以上を該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上配合し、該水性眼科組成物と接する部分の一部又は全部がポリエステル系樹脂で形成された容器に収容することを含む、該水性眼科組成物における起泡量を減少させる方法が提供される。
【0106】
なお、本実施形態における、(A)成分の種類及び含有量等、その他の成分の種類及び含有量等、水性眼科組成物の製剤形態及び用途等については、〔1.水性眼科組成物〕で説明したとおりである。
【0107】
〔4.水性眼科組成物を安定化させる方法〕
本実施形態に係る水性眼科組成物は、コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上配合し、かつ該水性眼科組成物をポリエステル系樹脂で形成された容器に収容することで、水性眼科組成物におけるpHの変化が抑制される。したがって、本発明の一実施形態として、水性眼科組成物に(A)コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される1種以上を該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上配合し、該水性眼科組成物と接する部分の一部又は全部がポリエステル系樹脂で形成された容器に収容することを含む、該水性眼科組成物を安定化させる方法が提供される。また、本発明の一実施形態として、水性眼科組成物に(A)コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される1種以上を該水性眼科組成物の総量を基準として0.7w/v%以上配合し、該水性眼科組成物と接する部分の一部又は全部がポリエステル系樹脂で形成された容器に収容することを含む、該水性眼科組成物におけるpHを安定化させる方法が提供される。
【0108】
なお、本実施形態における、(A)成分の種類及び含有量等、その他の成分の種類及び含有量等、水性眼科組成物の製剤形態及び用途等については、〔1.水性眼科組成物〕で説明したとおりである。
【実施例0109】
以下、試験例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0110】
〔試験例1:消泡試験(1)〕
表1に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表1における各成分の単位はw/v%である。次に、表1に示す容器(ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器(容量50mLの遠沈管、Corning社製 No.430304)、ポリプロピレン(PP)製容器(容量50mLの遠沈管、TPP社製、No91050)に調製した水性眼科組成物を30mL充填し、以下の方法で消泡速度を評価した。
容器に充填された各水性眼科組成物を、ストロングシェーカー SR-2DW(TAITEC社製)を用いて、1500回(300rpm/minで5分間)振とうした。振とう終了直後、目視により、泡部分と水溶液部分を確認し、泡部分の容積を測定した。次にそれらを静置し、60分後における泡部分の容積を測定し、下記式1を用いて泡の容積減少量を算出した。結果は、表1に示す。
[式1]泡の容積減少量(mL)=振とう直後の泡の容積(mL)-60分後における泡の容積(mL)
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品製、分子量約1.5万)を用いた。
【0111】
【表1】
【0112】
ポリエチレンテレフタレート製容器を用いた場合、コンドロイチン硫酸ナトリウムをそれぞれ1w/v%及び3w/v%含有する実施例1-1及び1-2の水性眼科組成物では、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない比較例1-1の水性眼科組成物と比較して、泡の量が顕著に減少することが確認された。一方、ポリプロピレン製容器を用いた場合、水性眼科組成物にコンドロイチン硫酸ナトリウムを配合しても、泡の量の減少は見られなかった(比較例1-2~1-4)。
【0113】
〔試験例2:消泡試験(2)〕
表2に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表2における各成分の単位はw/v%である。次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器(容量50mLの遠沈管、Corning社製 No.430304)に調製した水性眼科組成物を30mL充填し、以下の方法で消泡速度を評価した。
容器に充填された各水性眼科組成物を、ストロングシェーカー SR-2DW(TAITEC社製)を用いて、1500回(300rpm/minで5分間)振とうした。振とう終了直後、目視により、泡部分と水溶液部分を確認し、泡部分の容積を測定した。次にそれらを静置し、120分後における泡部分の容積を測定し、下記式2を用いて泡の容積減少量を算出した。さらに下記式3を用いて、比較例2-1の泡容積減少量に対する、泡容積減少量の増加率を算出した。結果は、表2に示す。
[式2]泡の容積減少量(mL)=振とう直後の泡の容積(mL)-120分後における泡の容積(mL)
[式3]比較例2-1の泡容積減少量に対する、泡容積減少量の増加率(%)={(各実施例及び比較例の泡容積減少量(mL)-比較例2-1の泡容積減少量(mL))/比較例2-1の泡容積減少量(mL)}×100
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品製、分子量約1.5万)を用いた。
【0114】
【表2】
【0115】
コンドロイチン硫酸ナトリウムをそれぞれ1.0w/v%及び3.0w/v%含有する実施例2-1及び2-2の水性眼科組成物では、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない比較例2-1の水性眼科組成物と比較して、顕著に消泡することが確認された。
【0116】
〔試験例3:消泡試験(3)〕
表3に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表3における各成分の単位はw/v%である。次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器(容量50mLの遠沈管、Corning社製 No.430304)に調製した水性眼科組成物を30mL充填し、以下の方法で消泡速度を評価した。
容器に充填された各水性眼科組成物を、ストロングシェーカー SR-2DW(TAITEC社製)を用いて、1500回(300rpm/minで5分間)振とうした。振とう終了直後、目視により、泡部分と水溶液部分を確認し、泡部分の容積を測定した。次にそれらを静置し、泡の量が半減するまでの時間を計測した。結果は、表3に示す。
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品製、分子量約1.5万)を用いた。
【0117】
【表3】
【0118】
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60又はグリチルリチン酸二カリウムで起泡させた場合においても、コンドロイチン硫酸ナトリウムを3.0w/v%含有する実施例3-1及び3-2の水性眼科組成物では、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない比較例3-1及び3-2の水性眼科組成物と比較して、顕著に消泡することが確認された。
【0119】
〔試験例4:消泡試験(4)〕
表4に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表4における各成分の単位はw/v%である。次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器(容量50mLの遠沈管、Corning社製 No.430304)に調製した水性眼科組成物を30mL充填し、以下の方法で消泡速度を評価した。
容器に充填された各水性眼科組成物を3例(N=3)用意し、ストロングシェーカー SR-2DW(TAITEC社製)を用いて、1500回(300rpm/minで5分間)振とうした。振とう終了直後、目視により、泡部分と水溶液部分を確認し、泡部分の容積を測定した。次にそれらを静置し、3例すべての泡が消失するまでの時間を計測した。結果は、表4に示す。
また、各製剤の粘度は、比較例4-1が1.1mPa・s、実施例4-1が4.2mPa・sであった(測定装置:TOKIMECTV-20(東機産業)、回転数:100rpm)。
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品製、分子量約1.5万)を用いた。
【0120】
【表4】
【0121】
l-メントールで起泡させた場合においても、コンドロイチン硫酸ナトリウムを3.0w/v%含有する実施例4-1の水性眼科組成物では、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない比較例4-1の水性眼科組成物と比較して、顕著に消泡することが確認された。
【0122】
〔試験例5:消泡試験(5)〕
表5に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表5における各成分の単位はw/v%である。次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器(容量50mLの遠沈管、Corning社製 No.430304)に調製した水性眼科組成物を30mL充填し、以下の方法で消泡速度を評価した。
容器に充填された各水性眼科組成物を、ストロングシェーカー SR-2DW(TAITEC社製)を用いて、1500回(300rpm/minで5分間)振とうした。振とう終了直後、目視により、泡部分と水溶液部分を確認し、泡部分の容積を測定した。次にそれらを静置し、泡の量が半減するまでの時間を計測した。
泡の量が半減するまでの時間を用いて、下記の式4によって、比較例5-1に対する消泡改善率(%)を算出した。
[式4]消泡改善率(%)={(比較例5-1の泡の量が半減するまでの時間-実施例における泡の量が半減するまでの時間)/比較例5-1の泡の量が半減するまでの時間}×100
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品製、分子量約1.5万)を用いた。
【0123】
【表5】
【0124】
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60で起泡させた場合、コンドロイチン硫酸ナトリウムを1.0w/v%含有する実施例5-1の水性眼科組成物では、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない比較例5-1の水性眼科組成物と比較して、顕著に消泡することが確認された。さらに、ヒアルロン酸ナトリウム0.1w/v%を含有する場合、より顕著に消泡することが確認された。
【0125】
〔試験例6:消泡試験(6)〕
表6に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表6における各成分の単位はw/v%である。次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器(容量50mLの遠沈管、Corning社製 No.430304)に調製した水性眼科組成物を30mL充填し、以下の方法で消泡速度を評価した。
容器に充填された各水性眼科組成物を、ストロングシェーカー SR-2DW(TAITEC社製)を用いて、1500回(300rpm/minで5分間)振とうした。振とう終了直後、目視により、泡部分と水溶液部分を確認し、泡部分の容積を測定した。次にそれらを静置し、泡の量が半減するまでの時間を計測した。
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品製、分子量約1.5万)を用いた。
【0126】
【表6】
【0127】
グリチルリチン酸二カリウムで起泡させた場合、コンドロイチン硫酸ナトリウムを1.0w/v%含有する実施例6-1の水性眼科組成物では、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない比較例6-1の水性眼科組成物と比較して、顕著に消泡することが確認された。さらに、ヒアルロン酸ナトリウム0.1w/v%を含有する場合、より顕著に消泡することが確認された。
【0128】
〔試験例7:消泡試験(7)〕
表7に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表7における各成分の単位はw/v%である。次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器(容量50mLの遠沈管、Corning社製 No.430304)に調製した水性眼科組成物を30mL充填し、以下の方法で消泡速度を評価した。
容器に充填された各水性眼科組成物を、ストロングシェーカー SR-2DW(TAITEC社製)を用いて、1500回(300rpm/minで5分間)振とうした。振とう終了直後、目視により、泡部分と水溶液部分を確認し、泡部分の容積を測定した。次にそれらを静置し、泡の量が半減するまでの時間を計測した。
振とう終了直後の泡の体積を用いて、下記の式5によって、比較例7-1に対する起泡量減少率(%)を算出した。
[式5]起泡量減少率(%)={(比較例7-1の振とう直後の泡の体積-実施例における振とう直後の泡の体積)/比較例7-1の振とう直後の泡の体積}×100
起泡量減少率が高いほど、振とう時の起泡が少ないことを示す。
また、泡の量が半減するまでの時間を用いて、下記の式6によって、比較例7-1に対する消泡改善率(%)を算出した。
[式6]消泡改善率(%)={(比較例7-1の泡の量が半減するまでの時間-実施例における泡の量が半減するまでの時間)/比較例7-1の泡の量が半減するまでの時間}×100
また、粘度は、TOKIMEC TV-20(東機産業製)を使用し、回転数100rpmにて測定した。
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品製、分子量約1.5万)を用いた。
【0129】
【表7】
【0130】
ポリソルベート80及びl-メントールで起泡させた場合、コンドロイチン硫酸ナトリウムを1.0w/v%、及び、ヒプロメロース2906、アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、又はジブチルヒドロキシトルエンを含有する実施例7-1~実施例7-4の水性眼科組成物では、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒプロメロース2906、アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、及びジブチルヒドロキシトルエンを含有しない比較例7-1の水性眼科組成物と比較して、顕著に消泡することが確認された。
【0131】
〔試験例8:消泡試験(8)〕
表8に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表8における各成分の単位はw/v%である。次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器(容量50mLの遠沈管、Corning社製 No.430304)に調製した水性眼科組成物を30mL充填し、以下の方法で消泡速度を評価した。
容器に充填された各水性眼科組成物を、ストロングシェーカー SR-2DW(TAITEC社製)を用いて、1500回(300rpm/minで5分間)振とうした。振とう終了直後、目視により、泡部分と水溶液部分を確認し、泡部分の容積を測定した。次にそれらを静置し、泡の量が半減するまでの時間を計測した。
また、泡の量が半減するまでの時間を用いて、下記の式7によって、比較例8-1に対する消泡改善率(%)を算出した。
[式7]消泡改善率(%)={(比較例8-1の泡の量が半減するまでの時間-実施例における泡の量が半減するまでの時間)/比較例8-1の泡の量が半減するまでの時間}×100
また、粘度は、TOKIMEC TV-20(東機産業製)を使用し、回転数100rpmにて測定した。
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品製、分子量約1.5万)を用いた。
【0132】
【表8】
【0133】
ステアリン酸ポリオキシル40で起泡させた場合、コンドロイチン硫酸ナトリウムを1.0w/v%含有する実施例8-1の水性眼科組成物では、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有しない比較例8-1の水性眼科組成物と比較して、顕著に消泡することが確認された。
【0134】
〔試験例9:pH安定性試験(1)〕
表9に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表9における各成分の単位はw/v%である。次に、表9に記載の各容器(ガラス製容器:容量10mLのガラス製ねじ口ビン、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器:容量10mLのPET製点眼容器、「ロートアルガード(ロート製薬(株)製)」容器)に、調製した水性眼科組成物を5mL充填し、50℃で2週間、遮光条件下にて保存した。保存前後のpHを測定し、下記式8に従って、pHの変化量を算出した。
[式8]pH変化量=保存後のpH-保存前のpH
また、粘度は、TOKIMEC TV-20(東機産業製)を使用し、回転数100rpmにて測定した。
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品製、分子量約1.5万)を用いた。
【0135】
【表9】
【0136】
コンドロイチン硫酸ナトリウムを0.5w/v%含有する水性眼科組成物をガラス容器で保存した場合には、pHの変化はほとんどなかったのに対し、PET容器で保存した場合には、顕著なpHの変化が確認された。一方、コンドロイチン硫酸ナトリウムを3w/v%含有する水性眼科組成物では、PET容器に保存した場合においても、pHの変化が抑制されることが確認された。
【0137】
〔試験例10:pH安定性試験(2)〕
表10に示す各実施例及び比較例の水性眼科組成物(100mL)を常法により調製した。表10における各成分の単位はw/v%である。次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器:容量10mLのスピッツ管、アズワン、No.TP-108、Corning社製 No.430304)に、調製した水性眼科組成物を5mL充填し、60℃で1週間、遮光条件下にて保存した。保存前後のpHを測定し、試験例9における式8に従って、pHの変化量を算出した。
また、粘度は、TOKIMEC TV-20(東機産業製)を使用し、回転数20rpmにて測定した。
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(生化学製、重量平均分子量約40000)を用いた。
【0138】
【表10】
【0139】
試験例9と同様に、コンドロイチン硫酸ナトリウムを0.5w/v%含有する水性眼科組成物ではpHの変化が確認されたのに対し、コンドロイチン硫酸ナトリウムを1w/v%、又は3w/v%含有する水性眼科組成物では、pHの変化が抑制される傾向が確認された。
【0140】
〔製剤例-1〕
表11及び表12に記載の処方で点眼剤(製剤例1~10)が調製され、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のマルチドース型点眼容器に収容される。表中の単位は、表中に記載があるもの以外は全て(w/v%)である。
別に、製剤例1~10の点眼剤を、PET製のマルチドース型容器に13mL充填し、さらにPE製のノズルを充填したものを製剤例1′~10´、製剤例1~10の点眼剤を、PET製のマルチドース型容器に13mL充填し、さらにPBT製のノズルを充填したものを製剤例1´´~10´´とした。
【0141】
【表11】
【0142】
【表12】
【0143】
〔製剤例-2〕
表13に記載の処方で点眼剤(製剤例11~15)が調製される。当該調製された各点眼剤を、1)ポリエチレンテレフタレート(PET)製のマルチドース型点眼容器に15mL充填し、さらにPE製のノズルを充填したものを製剤例11~15、2)PET製のマルチドース型容器に15mL充填し、さらにPBT製のノズルを充填したものを製剤例11´~15´とした。表中の単位は、表中に記載があるもの以外は全て(w/v%)である。
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、分子量約2万のものを用いた。
【0144】
【表13】
【0145】
〔製剤例-3〕
表14に記載の処方で点眼剤(製剤例16~21)が調製される。当該調製された点眼剤を、1)ポリエチレンテレフタレート(PET)製のマルチドース型点眼容器に5mL充填し、さらにPE製のノズルを充填したものを製剤例16~21、2)PET製のマルチドース型容器に13mL充填し、PE製のノズルを充填したものを製剤例16´~21´、3)PET製のマルチドース型容器に10mL充填し、PBT製のノズルを充填したものを製剤例16´´~21´´とした。表中の単位は、表中に記載があるもの以外は全て(w/v%)である。
尚、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、分子量約1.5万のものを用いた。
【0146】
【表14】