(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000531
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】電池ユニット及び電池ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/202 20210101AFI20221222BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20221222BHJP
H01M 50/227 20210101ALI20221222BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20221222BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20221222BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20221222BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20221222BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20221222BHJP
【FI】
H01M50/202 501Z
H01M10/0562
H01M50/227
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6556
H01M10/052
H01M50/204 401E
H01M50/204 401F
H01M50/204 401H
H01M50/204 401D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101414
(22)【出願日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 貴之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 清嘉
(72)【発明者】
【氏名】高柳 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】仙入 克也
(72)【発明者】
【氏名】竹内 由貴夫
(72)【発明者】
【氏名】上羽 亮平
【テーマコード(参考)】
5H029
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H029AJ01
5H029DJ02
5H029EJ12
5H031AA09
5H031EE04
5H040AA01
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC34
5H040JJ03
5H040LL06
(57)【要約】
【課題】二次電池とパネル構造とを一体化させること。
【解決手段】電池ユニットは、少なくとも一方の面に複数の凸部を有する板状のコア部材と、複数の凸部に配置された板状のフェイスプレートと、コア部材と、フェイスプレートとの間の空間に配置されたバッテリと、フェイスプレートと、複数の凸部との間に選択的に形成され、コア部材と、フェイスプレートとを結合する接合部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の面に複数の凸部を有する板状のコア部材と、
複数の前記凸部に配置された板状のフェイスプレートと、
前記コア部材と、前記フェイスプレートとの間の空間に配置されたバッテリと、
前記フェイスプレートと、複数の前記凸部との間に選択的に形成され、前記コア部材と、前記フェイスプレートとを結合する接合部と、
を備える、電池ユニット。
【請求項2】
前記バッテリは、二次電池である、
請求項1に記載の電池ユニット。
【請求項3】
前記二次電池は、リチウムイオン電池または全固体電池である、
請求項2に記載の電池ユニット。
【請求項4】
前記コア部材および前記フェイスプレートは、熱可塑性を有する樹脂で構成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項5】
前記バッテリと、前記コア部材および前記フェイスプレートとの接触部に絶縁シートが設けられている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項6】
前記絶縁シートは、前記バッテリに設けられている、
請求項5に記載の電池ユニット。
【請求項7】
前記フェイスプレートは、外表面に前記バッテリの充電口を有する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項8】
前記フェイスプレートは、外表面に太陽電池が設けられている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項9】
前記凸部は、前記コア部材の両面に形成され、
前記コア部材の一方の面には、第1フェイスプレートが配置され、
前記コア部材の他方の面には、第2フェイスプレートが配置され、
前記バッテリは、前記コア部材と、前記第2フェイスプレートとの間の空間に配置されている、
請求項1から8のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項10】
複数の前記コア部材と、前記第1フェイスプレートとの間に温度調整システムを備える、
請求項9に記載の電池ユニット。
【請求項11】
前記温度調整システムは、
流体が流れる流路と、
前記第1フェイスプレートと、前記第2フェイスプレートとの間の温度を検出する温度センサと、を備える、
請求項10に記載の電池ユニット。
【請求項12】
前記コア部材と、前記第1フェイスプレートとの間の空間に配置された充填部材を備える、
請求項9から11のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項13】
前記充填部材は、防爆部材、断熱部材、吸音部材、消火剤、および潜熱蓄熱材の少なくとも1つを含む、
請求項12に記載の電池ユニット。
【請求項14】
複数の前記凸部は、前記バッテリを固定する機能を有する、
請求項1から13のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項15】
コア部材の少なくとも一方の面に凸部を形成するステップと、
前記コア部材にバッテリを配置するステップと、
前記凸部にフェイスプレートを接合するステップと、
を含む、電池ユニットの製造方法。
【請求項16】
コア部材の少なくとも一方の面に凸部を形成するステップと、
前記凸部にフェイスプレートを接合するステップと、
前記コア部材と前記フェイスプレートとの間の空間にバッテリを挿入するステップと、
を含む、電池ユニットの製造方法。
【請求項17】
コア部材の少なくとも一方の面に凸部を形成するステップと、
前記コア部材と、前記凸部に融着されるフェイスプレートとを3次元形状に賦形するステップと、
バッテリを3次元形状に賦形するステップと、
前記バッテリを前記コア部材に配置するステップと、
前記凸部に前記フェイスプレートを接合するステップと、
を含む、電池ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池ユニット及び電池ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、電車、および他のモビリティ製品などに搭載される、剛性の高いサンドイッチパネル構造を有する電池ケースが用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現状の電動モビリティには、主として液体を使用したリチウムイオン電池が使用されている。リチウムイオン電池には、自然発火性などの安全上の懸念が存在するため、厳しい安全性要求が課せられている。モビリティ製品全般において、航続距離を延長するために構造の軽量化へのニーズが高まっている。軽量であり、かつモビリティ製品の限られたスペースを有効に活用することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示は、バッテリとパネル構造とが一体化した電池ユニット及び電池ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電池ユニットは、少なくとも一方の面に複数の凸部を有する板状のコア部材と、複数の前記凸部に配置された板状のフェイスプレートと、前記コア部材と、前記フェイスプレートとの間の空間に配置されたバッテリと、前記フェイスプレートと、複数の前記凸部との間に選択的に形成され、前記コア部材と、前記フェイスプレートとを結合する接合部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る電池ユニットの製造方法は、コア部材の少なくとも一方の面に凸部を形成するステップと、前記コア部材にバッテリを配置するステップと、前記凸部にフェイスプレートを接合するステップと、を含む。
【0008】
本開示の一態様に係る電池ユニットの製造方法は、コア部材の少なくとも一方の面に凸部を形成するステップと、前記凸部にフェイスプレートを接合するステップと、前記コア部材と前記フェイスプレートとの間の空間にバッテリを挿入するステップと、を含む。
【0009】
本開示の一態様に係る電池ユニットの製造方法は、コア部材の少なくとも一方の面に凸部を形成するステップと、前記コア部材と、前記凸部に融着されるフェイスプレートとを3次元形状に賦形するステップと、バッテリを3次元形状に賦形するステップと、前記バッテリを前記コア部材に配置するステップと、前記凸部に前記フェイスプレートを接合するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、バッテリとパネル構造とを一体化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電池ユニットの断面を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るコア部材を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るバッテリの形状の一例を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るバッテリの形状の一例を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るバッテリの形状の一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る電池ユニットの第1の例の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る電池ユニットの第2の例の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る電池ユニットの第3の例の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る電池ユニットの断面を模式的に示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係るコア部材を模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の変形例に係る電池ユニットの断面を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る電池ユニットの断面を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態の変形例に係る電池ユニットの断面を模式帝に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0013】
[第1実施形態]
図1と、
図2とを用いて、第1実施形態に係る電池ユニットの構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る電池ユニットの断面を模式的に示す図である。
図2は、第1実施形態に係るコア部材を模式的に示す図である。本開示の電池ユニットは、例えば、自動車、電車、その他のモビリティ製品、および建築物などに適用され得る。
【0014】
図1に示すように、電池ユニット10は、コア部材12と、フェイスプレート14と、接合部16と、凸部18と、バッテリ20とを、備える。
【0015】
コア部材12は、例えば、熱可塑性を有する。コア部材12は、熱可塑性樹脂で板状に形成されている。熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、およびポリフェニレンサルファイドなどが例示されるが、これらに限定されない。熱可塑性樹脂は、強化繊維を含んだ熱可塑性の強化繊維プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)であることが好ましい。強化繊維プラスチックは、例えば、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)、および炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)であることが好ましい。強化繊維プラスチックは、これらに限定されない。コア部材12は、一方の面に複数の凸部18を有する。コア部材12は、他方の面において、凸部18に対応する位置に凹部22を有する。
図2に示すように、コア部材12の一方の面には複数の凸部18が形成されている。
【0016】
フェイスプレート14は、コア部材12の一方の面に配置される。フェイスプレート14は、コア部材12の一方の面の凸部18上に配置される。フェイスプレート14は、熱可塑性を有する。フェイスプレート14は、熱可塑性樹脂で板状に形成されている。熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、およびポリフェニレンサルファイドなどが例示されるが、これらに限定されない。熱可塑性樹脂は、強化繊維を含んだ熱可塑性の強化繊維プラスチックであることが好ましい。強化繊維プラスチックは、例えば、ガラス繊維強化プラスチック、および炭素繊維強化プラスチックであることが好ましい。強化繊維プラスチックはこれらに限定されない。コア部材12と、フェイスプレート14とは、同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。例えば、本実施形態では、コア部材12を通常の熱可塑性樹脂で用いて形成し、フェイスプレート14を、熱可塑性を有する強化繊維プラスチックで形成してもよい。また、コア部材12を、熱可塑性を有する強化繊維プラスチックで形成し、フェイスプレート14を、通常の熱可塑性樹脂で形成してもよい。また、コア部材12と、フェイスプレート14とは、種類の異なる熱可塑性樹脂で形成されてもよい。例えば、本実施形態では、コア部材12をポリアミド樹脂で形成し、フェイスプレート14をポリプロピレン樹脂で形成してもよい。コア部材12と、フェイスプレート14とは、熱硬化樹脂で形成されていてもよい。フェイスプレート14の外表面には、バッテリ20の充電口が設けられていてもよい。なお、バッテリ20の充電口は、コア部材12の外表面に設けられていてもよい。
【0017】
接合部16は、コア部材12と、フェイスプレート14とを結合する。接合部16は、凸部18の頂部と、フェイスプレート14の一方の面との間に形成されている。接合部16は、複数の凸部18の頂部と、フェイスプレート14の一方の面との間に選択的に形成されている。接合部16は、例えば、電池ユニット10に求められる賦形性、剛性、および耐衝撃性特性などに応じて、複数の凸部18の頂部と、フェイスプレート14の一方の面との間に選択的に形成される。接合部16は、凸部18の頂部およびフェイスプレート14の接合箇所を加熱して溶融させた後、フェイスプレート14を配置して冷却することで形成された融着部である。加熱は、例えば、ヒーターおよび電熱線などの熱源、超音波振動、磁場による電磁誘導、およびレーザーを用いることが挙げられるが、これらの方法に限定されない。接合部16は、例えば、凸部18の頂部と、フェイスプレート14とを接着する接着剤が乾燥した接着部であってもよい。
【0018】
バッテリ20は、二次電池である。バッテリ20は、例えば、防爆要求の比較的低く、形状自由度の高い電池である。バッテリ20は、例えば、リチウムイオン電池などであってもよい。バッテリ20は、例えば、固体の電解質を用いた全固体電池であってもよい。バッテリ20は、その他の電池であってもよい。
【0019】
バッテリ20は、コア部材12上に配置されている。バッテリ20は、例えば、コア部材12上において、凸部18と凸部18との間に配置されている。バッテリ20は、例えば、コア部材12上において、凸部18が形成されていない領域に配置されるような直線状に形成されている。なお、
図1に示す例では、バッテリ20は、コア部材12上に配置されているが、本開示はこれに限定されない。バッテリ20は、例えば、使用形態においては、コア部材12の下方に配置されることもあり得る。バッテリ20は、例えば、
図1に示す長辺が、コア部材12の平面と直交するように配置されていてもよい。
【0020】
バッテリ20は、例えば、コア部材12上において、凸部18の側面と接触し、凸部18により、位置が固定されていてもよい。言い換えれば、凸部18は、バッテリ20の位置を固定する機能を有していてもよい。凸部18は、例えば、表面を粗くするなど摩擦力が向上するような加工が施されていてよい。また、コア部材12と、フェイスプレート14との内表面を粗くするなどして、コア部材12と、フェイスプレート14との全体にバッテリ20の位置を固定する機能を持たせてもよい。また、コア部材12およびフェイスプレート14が複曲面形状を有し、バッテリ20がコア部材12に沿った複曲面形状を有してもよい。
【0021】
バッテリ20は、例えば、フェイスプレート14の外表面またはコア部材12の外表面に設けられた図示しない充放電口から充放電することができる。バッテリ20をコア部材12上に複数配置する場合には、複数のバッテリ20を直列または並列に接続することで、フェイスプレート14の外表面に設ける充放電口を1つにすることができる。複数のバッテリ20を直列または並列にする場合であっても、フェイスプレート14の外表面に設ける充放電口は、複数であってもよい。
【0022】
バッテリ20を搭載した電池ユニット10を複数使用する場合に、各電池ユニット10には、複数の電池ユニット10を直列または並列に電気的に接続することのできるアタッチメントなどが設けられていてもよい。これにより、複数の電池ユニット10を使用する場合に、1つの電池システムとして扱うことが可能となる。
【0023】
バッテリ20と、コア部材12およびフェイスプレート14の接触部は、絶縁されていることが望ましい。バッテリ20と、コア部材12およびフェイスプレート14の接触部には、例えば、絶縁シートが配置されていることが好ましい。バッテリ20と、コア部材12およびフェイスプレート14の接触部に図示しない絶縁シートを配置することで、絶縁性を保つことができる。絶縁シートは、例えば、樹脂で形成されている。電池ユニット10の内部において、バッテリ20と、他の構成要素との間で絶縁性を保つことにより、安全性を向上させることができる。なお、バッテリ20の外表面において、少なくともコア部材12およびフェイスプレート14の接触部に絶縁シートが配置されていてもよい。コア部材12、フェイスプレート14、およびバッテリ20のそれぞれに、絶縁シートが配置されていてもよい。
【0024】
[バッテリの形状]
図3と、
図4と、
図5とを用いて、第1実施形態に係るバッテリの形状について説明する。
図3と、
図4と、
図5は、第1実施形態に係るバッテリの形状の一例を模式的に示す図である。
【0025】
図3に示すように、バッテリ20Aは、板状に構成されていてもよい。バッテリ20Aは、例えば、貫通孔である複数の穴部20aを有する。複数の穴部20aは、コア部材12の凸部18が挿入可能に形成されている。バッテリ20Aは、コア部材12の上部から凸部18を穴部20aに挿入させて配置することで、凸部18を避けてコア部材12の上面を覆うように構成されている。
【0026】
図4に示すように、バッテリ20Bは、第1バッテリ20B
1、第2バッテリ20B
2、および第3バッテリ20B
3のように分割して構成されてもよい。第1バッテリ20B1、第2バッテリ20B
2、および第3バッテリ20B
3は、それぞれ、板状に構成されている。第1バッテリ20B
1、第2バッテリ20B
2、および第3バッテリ20B
3は、それぞれ、凸部18と凸部18との間に配置することで、コア部材12の上面を覆うように構成されている。
【0027】
図4に示すように、バッテリ20Cは、第1バッテリ20C
1、第2バッテリ20C
2、および第3バッテリ20C
3のように分割して構成されていてもよい。第1バッテリ20C
1と、第2バッテリ20C
2と、第3バッテリ20C
3とは、それぞれ、複数の切り欠き部20cを有する。複数の切り欠き部20cは、凸部18の周囲を沿うように形成されている。第1バッテリ20C
1と、第2バッテリ20C
2と、第3バッテリ20C
3とは、切り欠き部20cを凸部18の周囲を沿うように配置することで、凸部18を避けてコア部材12の上面を覆うように構成されている。
【0028】
図3と、
図4と、
図5とに示すように、バッテリ20Aと、バッテリ20B、バッテリ20Cとは、凸部18を避けてコア部材12の全面に配置することができる。バッテリ20Aと、バッテリ20Cとは、凸部18を避けるように配置することができるように構成されているため面積をより大きくすることができるので、電池容量を確保し易くなる。
【0029】
図1に戻る。
図1に示す矢印は、電池ユニット10の賦形方向を示す。
図1に示す賦形方向は例示では、本開示に係る賦形方向を限定するものではない。例えば、賦形方向は、
図1に示す方向とは、逆方向であってもよい。コア部材12と、フェイスプレート14が熱可塑性樹脂である場合、バッテリ20の耐熱温度内で、コア部材12と、フェイスプレート14とを昇温させて柔らかくする。コア部材12と、フェイスプレート14とを昇温させた後、バッテリ20の耐荷重内で曲げ荷重を加えることで、バッテリ20を損傷させることなく、コア部材12と、フェイスプレート14と、バッテリ20との一体構造の電池ユニット10が得られる。本実施形態は、バッテリ20の形状自由度および耐荷重性能が優れているほど、電池ユニット10の形状自由度も高くなる。
【0030】
[製造方法]
(第1の例)
図6を用いて、第1実施形態に係る電池ユニットの第1の例の製造方法について説明する。
図6は、第1実施形態に係る電池ユニットの第1の例の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【0031】
熱可塑性樹脂の表面を凹凸形状に賦形して、コア部材12を形成する(ステップS10)。凹凸形状には、片面のみに複数の凸部18が形成された片面凸型、両面に複数の凸部18が形成された両面凸型が含まれ得る。そして、ステップS12に進む。
【0032】
バッテリ20をコア部材12上に配置する(ステップS12)。具体的には、凸部18を避けるように、バッテリ20をコア部材12上に配置する。そして、ステップS14に進む。
【0033】
コア部材12と、フェイスプレート14とを接合する(ステップS14)。具体的には、フェイスプレート14と、複数の凸部18との間を選択的に融着または接着することで、コア部材12と、フェイスプレート14とを接合する。そして、ステップS16に進む。
【0034】
コア部材12と、フェイスプレート14と、バッテリ20とを所望の3次元形状に賦形する(ステップS16)。具体的には、コア部材12と、フェイスプレート14と、バッテリ20とを所定の温度となるように熱を加えつつ、曲げ荷重を加えることにより、コア部材12と、フェイスプレート14と、バッテリ20とを所望の3次元形状に賦形する。これにより、電池ユニット10が得られる。なお、電池ユニット10を使用する場所および用途などによっては、ステップS16を省略してもよい。
【0035】
(第2の例)
図7を用いて、第1実施形態に係る電池ユニットの第2の例の製造方法について説明する。
図7は、第1実施形態に係る電池ユニットの第2の例の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【0036】
ステップS20は、
図6に示すステップS10と同一の工程なので、説明を省略する。
【0037】
コア部材12と、フェイスプレート14とを接合する(ステップS22)。具体的には、フェイスプレート14と、複数の凸部18との間を選択的に融着することで、コア部材12と、フェイスプレート14とを接合する。すなわち、第1実施形態に係る電池ユニット10の第2の例の製造方法では、バッテリ20をコア部材12に配置する前に、コア部材12と、フェイスプレート14とを結合する。そして、ステップS24に進む。
【0038】
コア部材12と、フェイスプレート14との間の空間に、バッテリ20を挿入する(ステップS24)。具体的には、コア部材12と、フェイスプレート14との間の空間において、凸部18を避けるように、バッテリ20を挿入する。そのため、第2の例の製造方法においては、バッテリ20は、切り欠き部などを有しない直線的な形状であることが好ましい。そして、ステップS26に進む。
【0039】
ステップS26は、
図6に示すステップS16と同一の工程なので、説明を省略する。なお、電池ユニット10を使用する場所および用途などによっては、ステップS26を省略してもよい。
【0040】
第2の例の製造方法に示すように、コア部材12と、フェイスプレート14とを接合した後に、バッテリ20を挿入することによっても、電池ユニット10を得ることができる。
【0041】
(第3の例)
図8を用いて、第1実施形態に係る電池ユニットの第3の例の製造方法について説明する。
図8は、第1実施形態に係る電池ユニットの第3の例の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【0042】
ステップS30は、
図6に示すステップS10と同一の工程なので、説明を省略する。
【0043】
コア部材12を所望の3次元形状に賦形する(ステップS32)。フェイスプレート14を所望の3次元形状に賦形する(ステップS34)。バッテリ20を所望の3次元形状に賦形する(ステップS36)。すなわち、第1実施形態に係る電池ユニット10の第3の例の製造方法では、コア部材12と、フェイスプレート14と、バッテリ20とを、それぞれ、独立に3次元形状に賦形する。そのため、第1実施形態に係る電池ユニット10の第3の例の製造方法では、コア部材12と、フェイスプレート14とは、熱硬化樹脂などで形成してもよい。コア部材12と、フェイスプレート14とを熱硬化樹脂などで形成する場合、ステップS30と、ステップS32とは同一の工程となる。
【0044】
3次元形状に賦形したバッテリ20を、3次元形状に賦形したコア部材12上に配置する(ステップS38)。具体的には、凸部18を避けるように、3次元形状に賦形したバッテリ20をコア部材12上に配置する。そして、ステップS40に進む。
【0045】
3次元形状に賦形したコア部材12と、3次元形状に賦形したフェイスプレート14とを結合する(ステップS40)。具体的には、賦形したフェイスプレート14と、複数の凸部18との間を選択的に融着または接着することで、コア部材12と、フェイスプレート14とを接合する。これにより、電池ユニット10が得られる。第1実施形態に係る電池ユニット10の第3の例の製造方法では、コア部材12と、フェイスプレート14と、バッテリ20とを、それぞれ独立に賦形する。そのため、バッテリ20の耐熱温度および耐荷重を考慮することなく、コア部材12と、フェイスプレート14を3次元形状に賦形する際の温度および曲げ荷重を高くすることができる。これにより、コア部材12およびフェイスプレート14に用いることのできる材料の選択範囲を広げることができる。
【0046】
なお、ステップS36において、予め所望の3次元形状に製造したバッテリ20を用意してもよい。これにより、バッテリ20を3次元形に賦形する際の、温度および曲げ荷重を考慮する必要がなくなるので、使用することのできるバッテリ20の選択範囲を広げることができる。
【0047】
第1実施形態では、電池ユニット10は、コア部材12と、フェイスプレート14と、バッテリ20とが一体化した3次元構造を有しているので、例えば、電池ユニット10をドローンなどのボディに適用することで、省スペース化を図ることができる。
【0048】
第1実施形態では、電池ユニット10を、例えば、3次元構造を活かし、空気抵抗を考慮した曲面構造などに賦形することができる。これにより、第1実施形態は、電池ユニット10の適用範囲を容易に広げることができる。
【0049】
第1実施形態では、バッテリ20を防爆要求の低い二次電池とすることで、防爆要求の課される構造部材をコア部材12およびフェイスプレート14を鋼板ではなく、炭素繊維強化プラスチックなどの繊維強化プラスチックで構成することができる。これにより、電池ユニット10を軽量化することができる。このため、電池ユニット10を、例えば、自動車のドアなどに適用することで、自動車の燃費を向上させることができる。また、電池ユニット10を、例えば、自動車に適用することにより、ドアなどの板状部品にバッテリ20を配置することができるため、従来のバッテリに加えて、従来では搭載することのなかった部位にバッテリ20を搭載することができるようになるため、航続可能距離を長くすることができる。
【0050】
第1実施形態では、電池ユニット10は、コア部材12と、フェイスプレート14と、バッテリ20とが一体化した状態で賦形せずに予めストックしておくことで、適用先に応じた形状に速やかに賦形することができる。これにより、本実施形態は、多品種に対応可能であると共に、納期を短縮することができる。
【0051】
[第2実施形態]
図9と、
図10とを用いて、第2実施形態に係る電池ユニットの構成について説明する。
図9は、第2実施形態に係る電池ユニットの断面を模式的に示す図である。
図10は、第2実施形態に係るコア部材を模式的に示す図である。
【0052】
図9に示すように、電池ユニット10Aは、コア部材12Aと、フェイスプレート14aと、フェイスプレート14bと、接合部16と、バッテリ20と、温度センサ24と、流路26と、を備える。電池ユニット10Aは、コア部材12Aの両面にフェイスプレートを備えている。電池ユニット10Aは、コア部材12Aがフェイスプレート14aと、フェイスプレート14bとに挟まれたサンドイッチ構造を有している。
【0053】
コア部材12Aは、両面に凸部18を有する点で、
図1に示すコア部材12と異なる。コア部材12Aは、両面において、凸部18に対応する位置に凹部22を有する。
図9および
図10に示すように、コア部材12Aは、両面において、複数の凸部18および複数の凹部22を有する。
【0054】
フェイスプレート14aは、コア部材12Aの一方の面に配置される。フェイスプレート14aは、コア部材12Aの一方の面の凸部18上に配置される。フェイスプレート14bは、コア部材12Aの他方の面に配置される。フェイスプレート14bは、コア部材12Aの他方の面に配置される。フェイスプレート14bは、コア部材12Aの他方の面の凸部18上に配置される。電池ユニット10Aは、コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間に空気層を有する。電池ユニット10Aは、コア部材12Aと、フェイスプレート14bとの間に空気層を有する。
【0055】
接合部16は、コア部材12Aの一方の面において、コア部材12Aと、フェイスプレート14aとを結合する。接合部16は、凸部18の頂部と、フェイスプレート14aの一方の面との間に形成されている。接合部16は、複数の凸部18の頂部と、フェイスプレート14aの一方の面との間に選択的に形成されている。接合部16は、例えば、電池ユニット10Aに求められる剛性および耐衝撃性特性に応じて、複数の凸部18の頂部と、フェイスプレート14aの一方の面との間に選択的に形成される。接合部16は、凸部18の頂部およびフェイスプレート14aの接合箇所を加熱して溶融させた後、フェイスプレート14aを配置して冷却することで形成された融着部である。接合部16は、例えば、凸部18の頂部と、フェイスプレート14aとを接着する接着剤が乾燥した接着部であってもよい。
【0056】
接合部16は、コア部材12Aの他方の面において、コア部材12Aと、フェイスプレート14bとを結合する。接合部16は、凸部18の頂部と、フェイスプレート14bの一方の面との間に形成されている。接合部16は、複数の凸部18の頂部と、フェイスプレート14bの一方の面との間に選択的に形成されている。接合部16は、例えば、電池ユニット10Aに求められる剛性および耐衝撃性特性に応じて、複数の凸部18の頂部と、フェイスプレート14bの一方の面との間に選択的に形成される。接合部16は、凸部18の頂部およびフェイスプレート14bの接合箇所を加熱して溶融させた後、フェイスプレート14bを配置して冷却することで形成された融着部である。接合部16は、例えば、凸部18の頂部と、フェイスプレート14bとを接着する接着剤が乾燥した接着部であってもよい。
【0057】
バッテリ20は、コア部材12Aと、フェイスプレート14bとの間の空間に配置されている。バッテリ20は、コア部材12Aと、フェイスプレート14bとの間の空間において、フェイスプレート14b上に配置されている。なお、
図9に示す例では、バッテリ20は、フェイスプレート14b上に配置されているが、本開示はこれに限定されない。バッテリ20は、例えば、使用形態においては、フェイスプレート14bの下方に配置されることもあり得る。バッテリ20は、例えば、
図1に示す長辺が、フェイスプレート14bの平面と直交するように配置されていてもよい。また、コア部材12A、フェイスプレート14a、およびフェイスプレート14bが複曲面形状を有し、バッテリ20がコア部材12Aおよびフェイスプレート14bの少なくとも一方に沿った複曲面形状を有してもよい。
【0058】
温度センサ24は、コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間の空間に配置されている。温度センサ24は、コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間の空間において、コア部材12A上に配置されている。温度センサ24は、例えば、フェイスプレート14aと、フェイスプレート14bとの間の空間の温度を検出する。温度センサ24は、例えば、バッテリ20の発熱によるフェイスプレート14aと、フェイスプレート14bとの間の空間の温度の変化を検出する。
【0059】
流路26は、コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間の空間に配置されている。流路26は、例えば、内部に気体または液体などの流体が流れる空間である。流路26は、内部を通過する流体と、フェイスプレート14aと、フェイスプレート14bとの間の空気との間で熱交換を行う。
【0060】
第2実施形態では、例えば、温度センサ24による温度の検出結果をモニタリングし、温度センサ24の温度の検出結果に応じて流路26に流体を流すことにより、フェイスプレート14aと、フェイスプレート14bとの間の温度を一定に保つことができる。温度センサ24は、例えば、IoT(Internet of Things)センサとすることで、外部機器によって、温度センサ24による温度の検出結果をモニタリングすることができる。これにより、温度センサ24と、流路26とは、フェイスプレート14aと、フェイスプレート14bとの内部の温度を調整する、温度調整システムを構成している。
【0061】
コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間には、充填部材を配置してもよい。充填部材は、例えば、防爆材料、断熱材料、吸音材料、消火剤、潜熱蓄熱材などが例示されるが、これらに限定されない。防爆材料、断熱材料、消火剤、潜熱蓄熱材は、周知の部材を用いてよい。
【0062】
コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間に防爆材料を配置することで、電池ユニット10Aの防爆特性を向上させることができる。コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間に断熱材料を配置することで、電池ユニット10Aの断熱性を向上させることができる。コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間に消火剤を配置することで、火災などが発生したコア部材12Aと、フェイスプレート14aとが溶けた際に消火剤が放出される、消火機能を付加することができる。コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間に消火剤を配置することで、安全性を向上させることができる。コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間に潜熱蓄熱材を配置することで、バッテリ20の温度を一定に保つことができる。コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間に潜熱蓄熱材を配置することで、温度調整特性をより向上させることができる。
【0063】
第2実施形態では、電池ユニット10Aにサンドイッチ構造を採用することで、剛性をより向上させることができる。
【0064】
第2実施形態では、電池ユニット10Aにサンドイッチ構造を採用することで内部に空間を形成し、その空間に温度センサ24、および流路26などを含む温度調整機能を構成することができる。すなわち、第2実施形態では、バッテリ20の温度調整機能を電池ユニット10Aに一体化することができる。これにより、第2実施形態は、より省スペース化を図ることができる。
【0065】
第2実施形態では、電池ユニット10Aにサンドイッチ構造を採用することで内部に空間を形成し、その空間に防爆材料、断熱材料、吸音材料、消火剤、潜熱蓄熱材などを配置することができる。これにより、第2実施形態は、所望の機能を電池ユニット10Aに付与することができる。これにより、第2実施形態は、より省スペース化を図ることができる。
【0066】
第2実施形態では、例えば、
図8に示した方法で電池ユニット10Aを製造することにより、バッテリ20の温度制御を適切に行うことで、フェイスプレート14aおよびフェイスプレート14bなどの表面の温度が高くなる環境でも、使用することができる。これは、フェイスプレート14aおよびフェイスプレート14bの耐熱温度と、バッテリ20の耐熱温度とを独立に定めることができるので、フェイスプレート14aおよびフェイスプレート14bの耐熱温度を高く設定することが可能となるためである。
【0067】
[第2実施形態の変形例]
図11を用いて、第2実施形態の変形例に係る電池ユニットの構成について説明する。
図11は、第2実施形態の変形例に係る電池ユニットの断面を模式的に示す図である。
【0068】
図11に示すように、電池ユニット10Aaは、バッテリ20は、コア部材12Aと、フェイスプレート14bとの間の空間、およびコア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間の空間に配置されている点で、
図9に示す電池ユニット10と異なる。
【0069】
バッテリ20は、コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間の空間、およびコア部材12Aと、フェイスプレート14bとの間の空間の少なくとも一方に配置されていてよい。バッテリ20は、コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間の空間において、フェイスプレート14a上に配置されているが、本開示はこれに限定されない。また、コア部材12A、フェイスプレート14a、およびフェイスプレート14bが複曲面形状を有し、バッテリ20がコア部材12A、フェイスプレート14a、およびフェイスプレート14bの少なくとも一方に沿った複曲面形状を有してもよい。
【0070】
フェイスプレート14a側に配置されているバッテリ20の数と、フェイスプレート14b側に配置されているバッテリ20の数とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。フェイスプレート14a側に配置されているバッテリ20の形状と、フェイスプレート14b側に配置されているバッテリ20の形状とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。フェイスプレート14a側に配置されているバッテリ20の種類と、フェイスプレート14b側に配置されているバッテリ20の種類とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0071】
第2実施形態の変形例は、フェイスプレート14aおよびフェイスプレート14bのうち、少なくとも一方にバッテリ20を配置することができる。これにより、第2実施形態の変形例は、設計自由度を向上させることができる。
【0072】
第2実施形態の変形例は、フェイスプレート14aおよびフェイスプレート14bの両方にバッテリ20を配置することができる。これにより、第2実施形態の変形例は、電力の供給量を向上させることができる。
【0073】
[第3実施形態]
図12を用いて、第3実施形態に係る電池ユニットの構成について説明する。
図12は、第3実施形態に係る電池ユニットの断面を模式的に示す図である。
【0074】
図11に示すように、電池ユニット10Bは、コア部材12と、フェイスプレート14と、接合部16と、バッテリ20と、太陽電池28と、を備える。電池ユニット10Bは、太陽電池28を備える点で、
図1に示す電池ユニット10と異なっている。
【0075】
太陽電池28は、フェイスプレート14の外表面に設けられる。太陽電池28は、例えば、
図11に示す矢印が示す賦形方向に曲げ加工可能な柔軟性を有している。電池ユニット10Bは、発電機能と蓄電機能とが一体化した電池ユニットである。
【0076】
第3実施形態では、電池ユニット10Bは、発電機能と蓄電機能とが一体化されている。これにより、第3実施形態は、発電機能と蓄電機能とが一体化された軽量であり、かつ強度および剛性が向上した電池ユニットを実現することができる。
【0077】
第3実施形態は、例えば、ドローンなどのペイロードに重量およびスペースに制約があるモビリティに適用することで、空気抵抗を考慮した形状で軽量化し、かつ蓄電機能および発電機能を付与することができる。これにより、第3実施形態は、ドローンに適用して場合には、飛行性能および継続飛行距離を向上し、配線の物量低減による軽量化を行うことができる。
【0078】
[第3実施形態の変形例]
図13を用いて、第3実施形態の変形例に係る電池ユニットの構成について説明する。
図13は、第3実施形態の変形例に係る電池ユニットの断面を模式的に示す図である。
【0079】
図13に示すように、電池ユニット10Baは、コア部材12Aと、フェイスプレート14aと、フェイスプレート14bと、接合部16と、バッテリ20と、温度センサ24と、流路26と、太陽電池28と、を備える。電池ユニット10Baは、太陽電池28を備える点で、電池ユニット10Aと異なっている。
【0080】
太陽電池28は、フェイスプレート14aの外表面に設けられる。太陽電池28は、例えば、フェイスプレート14bに外表面に設けられてよい。太陽電池28は、例えば、フェイスプレート14aの外表面と、フェイスプレート14bの外表面との少なくとも一方に設けられてよい。
【0081】
バッテリ20は、第2実施形態の変形例で説明した場合と同様に、コア部材12Aと、フェイスプレート14aとの間の空間、およびコア部材12Aと、フェイスプレート14bとの間の空間の少なくとも一方に配置されていてよい。第3実施形態の変形例において、バッテリ20の具体的な配置の仕方については、第2実施形態の変形例と同様なので、説明を省略する。
【0082】
第3実施形態の変形例は、電池ユニット10Baは、発電機能と蓄電機能とが一体化されている。これにより、第3実施形態は、発電機能と、蓄電機能と、温度調整機能とが一体化された軽量であり、かつ強度および剛性が向上した電池ユニットを実現することができる。
【0083】
[効果]
実施形態に記載の電池ユニットは、例えば以下のように把握される。
【0084】
第1の態様の電池ユニットは、少なくとも一方の面に複数の凸部18を有する板状のコア部材12と、複数の凸部18に配置された板状のフェイスプレート14と、コア部材12と、フェイスプレート14との間の空間に配置されたバッテリ20と、フェイスプレートと、複数の凸部18との間に選択的に形成され、コア部材12と、フェイスプレート14とを結合する接合部16と、を備える。これにより、バッテリ20と、パネル構造体とが一体化した、電池ユニットが得られる。
【0085】
第2の態様の電池ユニットは、バッテリ20は、二次電池である。これにより、第2の態様の電池ユニットをモビリティ製品に適用することができる。
【0086】
第3の態様の電池ユニットは、二次電池は、リチウムイオン電池または全固体電池である。これにより、第3の態様の電池ユニットは、防爆要求を低くすることができるので、軽量化することができる。
【0087】
第4の態様の電池ユニットは、コア部材12およびフェイスプレート14は、熱可塑性を有する樹脂で構成されている。これにより、第4の態様の電池ユニットは、バッテリ20を組み込んだ状態で、コア部材12と、フェイスプレート14と、バッテリ20とを所望の3次元形状に容易に賦形することができる。
【0088】
第5の態様の電池ユニットは、バッテリ20と、コア部材12およびフェイスプレート14との接触部に絶縁シートが設けられている。これにより、第5の態様の電池ユニットは、バッテリ20と、コア部材12およびフェイスプレート14との間を絶縁することができるので、安全性を向上させることができる。
【0089】
第6の態様の電池ユニットは、絶縁シートは、バッテリに設けられている。これにより、第6の態様の電池ユニットは、バッテリ20と、コア部材12およびフェイスプレート14との間を絶縁することができるので、安全性を向上させることができる。
【0090】
第7の態様の電池ユニットは、フェイスプレート14は、外表面にバッテリ20の充電口を有する。これにより、第7の態様の電池ユニットは、バッテリ20を電池ユニット10に組み込んだ状態で、バッテリ20を充電したり、バッテリ20から放電したりすることが容易となる。
【0091】
第8の態様の電池ユニットは、フェイスプレート14は、外表面に太陽電池28が設けられている。これにより、発電機能を一体化することができるので、第8の態様の電池ユニットをモビリティ製品に適用することで、航続距離を長くすることができる。
【0092】
第9の態様の電池ユニットは、凸部18は、コア部材12の両面に形成される。コア部材12の一方の面には、フェイスプレート14aが配置される。コア部材12の他方の面には、フェイスプレート14bが配置される。バッテリ20は、コア部材12と、フェイスプレート14bとの間の空間に配置されている。これにより、第9の態様の電池ユニットは、剛性を向上させることができる。
【0093】
第10の態様の電池ユニットは、複数のコア部材12と、フェイスプレート14aとの間に温度調整システムを備える。これにより、第10の態様の電池ユニットは、内部の温度を一定に保つことができる。
【0094】
第11の態様の電池ユニットは、温度調整システムは、流体が流れる流路26と、フェイスプレート14aと、フェイスプレート14bとの間の温度を検出する温度センサ24と、を備える。これにより、第11の態様の電池ユニットは、温度センサ24の温度の検出結果に応じて、流路26に流体を流すことで、内部の温度を一定に保つことができる。
【0095】
第12の態様の電池ユニットは、コア部材12と、フェイスプレート14aとの間の空間に配置された充填部材を備える。これにより、第12の態様の電池ユニットは、所望の機能を付加することができる。
【0096】
第13の態様の電池ユニットは、充填部材は、防爆部材、断熱部材、吸音部材、消火剤、および潜熱蓄熱材の少なくとも1つを含む。これにより、第13の態様の電池ユニットは、防爆部材、断熱部材、吸音部材、消火剤、および潜熱蓄熱材が持つ機能を付加することができる。
【0097】
第14の態様の電池ユニットは、複数の凸部18は、バッテリ20を固定する機能を有する。これにより、第14の態様の電池ユニットは、内部でバッテリ20の位置ずれを防止することができる。
【0098】
第15の態様の電池ユニットの製造方法は、コア部材12の少なくとも一方の面に凸部18を形成するステップと、コア部材12にバッテリ20を配置するステップと、凸部18にフェイスプレート14を接合するステップと、を含む。これにより、バッテリ20と、パネル構造体とが一体化した、電池ユニットが得られる。
【0099】
第16の態様の電池ユニットの製造方法は、コア部材12の少なくとも一方の面に凸部18を形成するステップと、凸部18にフェイスプレート14を接合するステップと、コア部材12とフェイスプレート14との間の空間にバッテリ20を挿入するステップと、を含む。これにより、バッテリ20と、パネル構造体とが一体化した、電池ユニットが得られる。
【0100】
第17の態様の電池ユニットの製造方法は、コア部材12の少なくとも一方の面に凸部18を形成するステップと、コア部材12と、凸部18に融着されるフェイスプレート14とを3次元形状に賦形するステップと、バッテリ20を3次元形状に賦形するステップと、バッテリ20をコア部材12に配置するステップと、凸部18にフェイスプレート14を接合するステップと、を含む。これにより、バッテリ20と、パネル構造体とが一体化した、電池ユニットが得られる。また、第17の態様の電池ユニットの製造方法では、より高温となる環境で使用することのできる、電池ユニットが得られる。
【0101】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0102】
10,10A,10B 電池ユニット
12 コア部材
14,14a,14b フェイスプレート
16 接合部
18 凸部
20 バッテリ
22 凹部
24 温度センサ
26 流路
28 太陽電池