(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005310
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ブロック装置
(51)【国際特許分類】
G09B 21/00 20060101AFI20230111BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20230111BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20230111BHJP
E01F 9/30 20160101ALI20230111BHJP
E01F 9/512 20160101ALI20230111BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230111BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G09B21/00 B
G08G1/005
G01C21/26 P
E01F9/30
E01F9/512
G09B29/10 A
G09B29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107128
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】三島 寛之
【テーマコード(参考)】
2C032
2D064
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC17
2C032HC31
2C032HD07
2C032HD16
2D064AA04
2D064AA24
2D064EA12
2F129AA02
2F129BB05
2F129DD20
2F129EE43
2F129EE50
2F129FF02
2F129FF08
2F129FF09
2F129FF19
2F129FF20
2F129FF24
5H181AA23
5H181BB04
5H181BB08
5H181FF13
5H181MB11
(57)【要約】
【課題】ブロック装置の情報を容易に管理することができる技術を提供する。
【解決手段】ブロック装置は、路面又は床面に敷設される。ブロック装置は、他のブロック装置と通信可能な通信部と、制御部とを備える。制御部は、グリッドの位置情報を要求する要求コマンドを通信部によって受信する。制御部は、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置以外のブロック装置が自装置に接続されている場合、受信した要求コマンドに基づいて、自装置の位置情報をグリッドの位置情報として特定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のブロック装置と通信可能な通信部と、
グリッドの位置情報を要求する要求コマンドを前記通信部によって受信する制御部と、を備え、
前記制御部は、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置以外のブロック装置が自装置に接続されている場合、受信した前記要求コマンドに基づいて、自装置の位置情報を前記グリッドの位置情報として特定する、路面又は床面に敷設されるブロック装置。
【請求項2】
前記制御部は、自装置が前記グリッドである場合、自装置を返信元として前記自装置の位置情報を含む返信コマンドを自装置に前記要求コマンドを送信したブロック装置に前記通信部によって送信する、請求項1に記載のブロック装置。
【請求項3】
前記返信コマンドは、前記返信コマンドの返信元からのルートを示すルート情報をさらに含み、
前記制御部は、自装置が前記グリッドである場合、前記返信コマンドを前記通信部によって受信すると、前記ルート情報に自装置を示す情報を追加して前記ルート情報を更新し、更新後の前記ルート情報を含む前記返信コマンドを、自装置に前記要求コマンドを送信したブロック装置に前記通信部によって送信する、請求項2に記載のブロック装置。
【請求項4】
前記制御部は、自装置が前記グリッドである場合、前記要求コマンドを前記通信部によって受信すると、自装置の位置情報を含む応答コマンドを、前記要求コマンドを送信したブロック装置に前記通信部によって送信する、請求項2又は3に記載のブロック装置。
【請求項5】
前記制御部は、自装置が前記グリッドである場合、前記応答コマンドを前記通信部によって受信すると、前記応答コマンドに含まれる前記応答コマンドを送信した前記グリッドの位置情報を、自装置の周囲に位置するグリッドの情報として登録する、請求項4に記載のブロック装置。
【請求項6】
前記要求コマンドは、前記要求コマンドを送信したブロック装置の位置情報を含み、
前記制御部は、自装置が前記グリッドである場合、前記要求コマンドを前記通信部によって受信すると、前記要求コマンドに含まれるブロック装置の位置情報を、自装置の周囲に位置するグリッドの情報として登録する、請求項2から5までの何れか一項に記載のブロック装置。
【請求項7】
前記返信コマンドは、前記返信コマンドを送信したブロック装置と、前記グリッド以外のブロック装置を介して接続されているグリッドの情報をさらに含む、請求項2から6までの何れか一項に記載のブロック装置。
【請求項8】
前記制御部は、自装置が前記グリッドである場合、要求コマンドを受信すると、自装置の位置情報を含む要求コマンドを自装置に接続されたブロック装置に前記通信部によって送信する、請求項2から7までの何れか一項に記載のブロック装置。
【請求項9】
前記要求コマンドは、カウント情報を含み、
前記制御部は、自装置が前記グリッドではない場合、前記カウント情報が示すカウントを少なくとも1カウント繰り上げ、前記カウントを繰り上げた後の前記カウント情報を含む前記要求コマンドを前記通信部によって、前記要求コマンドを送信したブロック装置以外のブロック装置に送信する、請求項2から8までの何れか一項に記載のブロック装置。
【請求項10】
前記位置情報は、複数のブロック装置のうちの予め設定されたブロック装置の位置を基準とする相対位置の情報であり、
前記要求コマンドは、前記要求コマンドを送信したブロック装置である要求元の前記相対位置の情報をさらに含み、
前記制御部は、自装置が前記グリッドであるした場合、
前記要求元から見た要求コマンドの送信方向の情報と、前記カウント情報と、前記要求元の相対位置の情報とによって、自装置の相対位置を特定する、請求項9に記載のブロック装置。
【請求項11】
前記制御部は、
自装置が前記グリッドである場合、対象グリッドに対応付けて登録する目的地情報を含む第1登録コマンドを前記通信部によって受信すると、自装置が前記対象グリッドであるか否かを判定し、
自装置が前記対象グリッドであると判定する場合、前記目的地情報を自装置に対応付けて登録するか、又は前記目的地情報によって自装置に対応付けられている登録済みの目的地情報を更新する、請求項1から10までの何れか一項に記載のブロック装置。
【請求項12】
前記制御部は、自装置が前記対象グリッドであると判定する場合、前記目的地情報を含む第2登録コマンドを発行し、発行した前記第2登録コマンドを自装置の周囲に位置するグリッドに向けて前記通信部によって送信する、請求項11に記載のブロック装置。
【請求項13】
前記制御部は、自装置が前記グリッドである場合、前記第2登録コマンドを受信すると、前記対象グリッドに対応付けて前記目的地情報を登録するか、又は前記目的地情報によって前記対象グリッドに対応付けられている登録済みの目的地情報を更新する、請求項12に記載のブロック装置。
【請求項14】
前記第1登録コマンドは、前記対象グリッドから原点までのルートを示すルート情報をさらに含み、
前記制御部は、自装置が前記対象グリッドではないと判定する場合、前記ルート情報に基づいて、前記第1登録コマンドが前記対象グリッドに向けて送信されるように、前記第1登録コマンドを自装置に接続されているブロック装置に前記通信部によって送信する、請求項11から13までの何れか一項に記載のブロック装置。
【請求項15】
通信部と、
サーバからグリッドの位置情報を要求する地図生成コマンドを前記通信部によって受信すると、自装置を要求元とする前記グリッドの位置情報を要求する要求コマンドを発行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記要求コマンドを自装置に接続されているブロック装置に前記通信部によって送信した後、前記ブロック装置から前記グリッドの位置情報を含む返信コマンドを前記通信部によって受信すると、前記グリッドの位置情報を前記サーバに前記通信部によって送信する、路面又は床面に敷設されるブロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路面又は床面等に敷設される視覚障害者誘導用ブロックが知られている。視覚障害者誘導用ブロックは、歩行に求められる情報を視覚障害者に提供し、視覚障害者を安全に誘導するために用いられる。
【0003】
このような視覚障害者誘導用ブロックにおいて、QRコード(登録商標)等の識別コードを取り付けたブロックが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、携帯端末が、警告ブロックに表示されている認識コードを読み取り、警告ブロック識別情報と対応する位置情報を取得し、取得した位置情報から特定した現在位置を表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術において、認識コードのブロックへの取り付けには、手間がかかる。また、ブロックの配置が変更されたり、認識コードによって登録される情報が変更されたりすると、認識コードによって登録される情報を更新することが求められる。
【0006】
かかる点に鑑みてなされた本開示の目的は、ブロックの情報を容易に管理することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係るブロック装置は、
他のブロック装置と通信可能な通信部と、
グリッドの位置情報を要求する要求コマンドを前記通信部によって受信する制御部と、を備え、
前記制御部は、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置以外のブロック装置が自装置に接続されている場合、受信した前記要求コマンドに基づいて、自装置の位置情報を前記グリッドの位置情報として特定する、路面又は床面に敷設されるブロック装置である。
【0008】
本開示の一実施形態に係るブロック装置は、
通信部と、
サーバからグリッドの位置情報を要求する地図生成コマンドを前記通信部によって受信すると、自装置を要求元とする前記グリッドの位置情報を要求する要求コマンドを発行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記要求コマンドを自装置に接続されているブロック装置に前記通信部によって送信した後、前記ブロック装置から前記グリッドの位置情報を含む返信コマンドを前記通信部によって受信すると、前記グリッドの位置情報を前記サーバに前記通信部によって送信する、路面又は床面に敷設されるブロック装置である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ブロック装置の情報を容易に管理することができる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るブロックシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1に示すブロック装置の外観を示す図である。
【
図3】
図1に示すブロックシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】敷設された複数のブロック装置における要求コマンド等の流れを説明する図である。
【
図5】グリッドに関する情報の一例を示す図である。
【
図6】ブロック情報及び四方グリッドの情報の一例を示す図である。
【
図7】ブロック情報及び四方グリッドの情報の一例を示す図である。
【
図8】ブロック情報及び四方グリッドの情報の一例を示す図である。
【
図9】ブロック情報及び四方グリッドの情報の一例を示す図である。
【
図10】
図4に示す構成よりも時刻が進んだ構成を示す図である。
【
図11】
図10に示す構成よりも時刻が進んだ構成を示す図である。
【
図12】
図11に示す構成よりも時刻が進んだ構成を示す図である。
【
図13】敷設された複数のブロック装置における第1登録コマンド等の流れを説明する図である。
【
図14】ブロック情報及び四方グリッドの情報の一例を示す図である。
【
図15】ブロック情報及び四方グリッドの情報の一例を示す図である。
【
図16】ブロックシステムが実行するグリッドに関する情報の取得処理の動作を示すシーケンス図である(その1)。
【
図17】ブロックシステムが実行するグリッドに関する情報の取得処理の動作を示すシーケンス図である(その2)。
【
図18】ブロックシステムが実行する目的地情報を登録する処理の動作を示すシーケンス図である(その1)。
【
図19】ブロックシステムが実行する目的地情報を登録する処理の動作を示すシーケンス図である(その2)。
【
図20】ブロック装置が実行する地図生成コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。
【
図21】ブロック装置が実行する目的地登録コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。
【
図22】ブロック装置が実行する要求コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである(その1)。
【
図23】ブロック装置が実行する要求コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである(その2)。
【
図24】ブロック装置が実行する要求コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである(その3)。
【
図25】ブロック装置が実行する返信コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。
【
図26】ブロック装置が実行する第1登録コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。
【
図27】ブロック装置が実行する第2登録コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。
【
図28】ブロック装置が実行する第2完了コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の図面に示す構成要素において、同じ構成要素には、同じ符号を付す。
【0012】
(ブロックシステムの構成)
図1に示すように、本実施形態に係るブロックシステム1は、サーバ10と、1個のブロック装置20と、少なくとも1個のブロック装置30とを含む。
【0013】
以下、ブロック装置20とブロック装置30とを特に区別しない場合、これらは、「ブロック装置40」とも記載される。
【0014】
サーバ10とブロック装置20とは、ネットワーク2を介して通信可能である。ネットワーク2は、インターネット及び特定の通信事業者によって提供されるネットワーク等を含む任意のネットワークである。
【0015】
隣り合う2個のブロック装置40は、通信線3を介して通信可能である。通信線3は、例えば、有線LAN等である。
【0016】
ブロック装置40と白杖4とは、近距離無線通信を介して通信可能である。近距離無線通信の規格は、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)又はBLEビーコン等である。
【0017】
サーバ10は、敷設された複数のブロック装置40の地図情報を管理する。地図情報は、例えば、ブロック装置40の位置情報及び目的地情報を含む。目的地情報は、例えば、ユーザが目的地とする可能性があるブロック装置40の周囲の施設又は建物等の情報である。サーバ10は、目的地の近くに位置するブロック装置40に、目的地情報を登録させることができる。
【0018】
サーバ10は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0019】
ブロック装置40は、視覚障害者誘導用ブロックとして用いられる。ブロック装置40は、例えば、点字ブロックとして用いられる。ただし、ブロック装置40は、視覚障害者誘導用ブロックであれば、任意の種類のブロックとして用いられてよい。
【0020】
ブロック装置40は、路面又は床面等に敷設される。ただし、ブロック装置40は、視覚障害者が歩行し得る場所であれば、任意の場所に敷設されてよい。ブロック装置40は、格子状に敷設されてよい。
【0021】
ブロック装置40の外周の形状は、
図2に示すような上面視において、四角形状である。
図2には、敷設された2つのブロック装置40を示す。ブロック装置40は、外周に4つの辺を含む。各ブロック装置40には、各ブロック装置40の位置を基準とする方向が設定される。本実施形態では、各ブロック装置40の位置を基準とする方向として、第1方向d1、第2方向d2、第3方向d3及び第4方向d4が設定される。
【0022】
第1方向d1、第2方向d2、第3方向d3及び第4方向d4は、各々、ブロック装置40の中心Оからブロック装置40の外周の4つの辺に向かう方向である。本実施形態では、ブロック装置40を上から見て時計回りに、第1方向d1、第2方向d2、第3方向d3及び第4方向d4の順になるように、第1方向d1~第4方向d4が設定される。ただし、ブロック装置40を上から見て反時計周りに、第1方向d1、第2方向d2、第3方向d3及び第4方向d4の順になるように、第1方向d1~第4方向d4が設定されてもよい。
【0023】
複数のブロック装置40は、各ブロック装置40の第1方向d1、第2方向d2、第3方向d3及び第4方向d4の何れかが平行になるように、配置されてよい。このように複数のブロック装置40を配置すると、各ブロック装置40の第1方向d1、第2方向d2、第3方向d3及び第4方向d4は、各々、同じ方向になる。
【0024】
白杖4は、視覚障害者等のユーザによって使用される。白杖4は、無線通信機能等の電気的な制御機構を有する。白杖4は、例えば、いわゆるスマート電子白杖である。ユーザは、白杖4の先端をブロック装置40に接触させながら、歩行する。白杖4がブロック装置40に近づけられると、白杖4と、ブロック装置40とは、近距離無線通信を実行する。白杖4とブロック装置40とが近距離無線通信を実行することにより、ブロック装置40に登録された目的地情報が白杖4に送信される。白杖4は、ブロック装置40から受信した目的地情報をユーザに報知する。例えば、白杖4は、目的地情報を音声として出力することにより、又は目的地情報に応じて振動することにより、目的地情報をユーザに報知する。
【0025】
(サーバの構成)
図3に示すように、サーバ10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを含んで構成される。
【0026】
通信部11は、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、例えば、有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールである。通信部11は、通信モジュールによって有線LAN又は無線LANを介して、ネットワーク2に接続される。
【0027】
記憶部12は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等である。RAMは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である。記憶部12は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部12には、サーバ10の動作に用いられるデータと、サーバ10の動作によって得られたデータとが記憶される。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム及び組み込みソフトウェア等を記憶する。
【0028】
制御部13は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。制御部13は、サーバ10の各部を制御しながら、サーバ10の動作に関わる処理を実行する。
【0029】
制御部13は、地図生成コマンドを、ネットワーク2を介してブロック装置20に通信部11によって送信する。地図生成コマンドは、複数のブロック装置40のうちのグリッドの位置情報を要求するコマンドである。地図生成コマンドは、地図生成コマンドID1と、サーバのIPアドレス(Internet Protocol address)とを含む。ただし、地図生成コマンドに含まれる情報は、これらの情報に限定されない。地図生成コマンドは、セキュリティを確保するためのハッシュ値等の任意の情報を含んでよい。地図生成コマンドID1は、地図生成コマンドを識別する識別情報である。地図生成コマンドID1は、地図生成コマンドが発行される毎に、異なる識別情報に変更されてよい。
【0030】
グリッドについて、
図4を参照して説明する。
図4では、各ブロック装置40に細かいハッチング又は粗いハッチングを付す。
図4では、グリッドであるブロック装置40に細かいハッチングを付す。
図4では、グリッドではないブロック装置40に粗いハッチングを付す。
【0031】
グリッドは、複数のブロック装置40のうち、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40以外のブロック装置40が自装置に接続されているブロック装置40である。例えば、グリッドは、自装置に接続されているブロック装置40の数が1個又は3個以上となるブロック装置40である。又は、グリッドは、自装置に接続されているブロック装置40の数が2個である場合、自装置に接続されている2個のブロック装置40が互いに反対方向に位置しないブロック装置40である。
【0032】
図4では、複数のブロック装置40のうち、細かいハッチングが付されたブロック装置40g1,40g2,40g3,40g4,40g5,40g6,40g7,40g8が、グリッドである。以下、ブロック装置40g1は、「グリッドg1」とも記載される。ブロック装置40g2は、「グリッドg2」とも記載される。ブロック装置40g3は、「グリッドg3」とも記載される。ブロック装置40g4は、「グリッドg4」とも記載される。ブロック装置40g5は、「グリッドg5」とも記載される。ブロック装置40g6は、「グリッドg6」とも記載される。ブロック装置40g7は、「グリッドg7」とも記載される。ブロック装置40g8は、「グリッドg8」とも記載される。
【0033】
図4では、複数のブロック装置40のうち、粗いハッチングが付されたブロック装置40例えばブロック装置41,42,43,44は、グリッドではないブロック装置40である。グリッドではないブロック装置40例えばブロック装置41,42,43,44には、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40のみが接続されている。
【0034】
図4に示すように、複数のブロック装置40のうち、例えば、端部、交差部、分岐部又は角部に位置するブロック装置40が、グリッドに該当し得る。ユーザは、このような端部、交差部、分岐部又は角部に位置するブロック装置40で立ち止まり得る。
【0035】
本実施形態では、地図生成コマンドは、グリッドに関する情報を要求するコマンドである。グリッドに関する情報は、グリッドの識別情報と、グリッドの位置情報と、ルート情報と、グリッドの周囲に位置するグリッドの情報とを含む。本実施形態では、グリッドの周囲に位置するグリッドは、グリッドの、第1方向d1、第2方向d2、第3方向d3及び第4方向d4の何れかに位置するグリッドである。以下、グリッドの周囲のグリッドは、「四方グリッド」とも記載される。四方グリッドは、対象とするグリッドの、第1方向d1、第2方向d2、第3方向d3及び第4方向d4の何れかに位置するグリッドである。
【0036】
グリッドの識別情報は、ブロックシステム1において複数のグリッドの各々を一意に識別可能な情報である。グリッドの識別情報は、例えば、グリッドとなるブロック装置40の工場出荷時に決まるシリアルナンバーである。
【0037】
グリッドの位置情報は、本実施形態では、グリッドの相対位置の情報である。ただし、グリッドの位置情報は、グリッドの相対位置の情報に限定されない。
【0038】
グリッドの相対位置は、複数のブロック装置40のうちの予め設定されたブロック装置40の位置を基準とするグリッドの位置である。本実施形態では、グリッドの相対位置は、ブロック装置20の位置を基準とするグリッドの位置である。ブロック装置20の位置は、「原点」とも記載される。グリッドの相対位置は、例えば、グリッドの相対方向とグリッドの相対距離との組み合わせによって与えられる。
【0039】
グリッドの相対方向は、原点から見たグリッドが位置する方向である。相対方向は、原点から見た第1方向d1、第2方向d2、第3方向d3及び第4方向d4によって与えられる。例えば、
図4では、グリッドg1の相対方向は、第2方向d2である。また、グリッドg2の相対方向は、第3方向d3である。
【0040】
グリッドの相対距離は、原点からの距離である。グリッドの相対距離は、本実施形態では、原点から当該グリッドに到達するまでに経由するブロック装置40の個数によって与えられる。本実施形態では、ブロック装置40の個数は、ブロック装置40をカウントして得られるカウント数である。例えば、
図4では、第2方向d2におけるグリッドg1の相対距離は、2カウントである。また、第2方向d2におけるグリッドg5の相対距離は、8カウントである。また、第3方向d3におけるグリッドg5の相対距離は、7カウントである。
【0041】
ルート情報は、グリッドから複数のブロック装置40のうちの予め設定されたブロック装置40までのルートを示す情報である。本実施形態では、ルート情報は、グリッドから原点に向かうルートを示す情報である。例えば、
図4では、グリッドg5から原点に向かうルートは、ルートRg5となる。
【0042】
ルート情報は、例えば、ルート内に位置するグリッドの識別情報の列によって与えられる。本実施形態では、ルートにおいて原点の方に位置するグリッドの識別情報ほど、ルート情報におけるグリッドの識別情報の列の後ろの方に位置する。例えば、
図4では、ルートRg5内には、グリッドg5,g4,g1が位置する。ルートRg5を示すルート情報は、グリッドg5の識別情報、グリッドg4の識別情報及びグリッドg1の識別情報の列によって与えられる。例えば、後述の
図5を参照して説明するように、ルートRg5を示すルート情報は、「x105→0x104→0x101」との情報になる。
【0043】
制御部13は、地図生成コマンドを送信した後、ネットワーク2を介してブロック装置20から、ブロック装置20に関する情報を通信部11によって受信する。ブロック装置20に関する情報は、ブロック装置20の識別情報と、原点とのブロック装置20の位置情報と、ブロック装置20の四方グリッドの情報とを含む。制御部13は、受信したこれらの情報を記憶部12に記憶させる。
【0044】
制御部13は、地図生成コマンドを送信した後、ネットワーク2を介してブロック装置20から、グリッドに関する情報を、通信部11によって受信する。
図4では、制御部13は、グリッドg1~g8の各々のグリッドに関する情報を、ネットワーク2を介してブロック装置20から受信する。制御部13は、受信したこれらの情報を記憶部12に記憶させる。
【0045】
制御部13は、例えば、
図5に示すようなグリッドg5に関する情報を受信する。
【0046】
図5に示すように、グリッドg5に関する情報は、「0x105」とのグリッドg5の識別情報と、「d2_8,d3_7」とのグリッドg5の相対位置の情報と、「MAPGEN_01」との地図生成コマンドID1とを含む。「d2_8,d3_7」との情報は、相対位置が原点から第2方向d2に8カウントであり、且つ原点から第3方向d3に7カウントであることを示す。これらの情報は、「ブロック情報」とも記載される。
【0047】
図5に示すように、グリッドg5に関する情報は、グリッドg5の四方グリッドの情報を含む。グリッドg5の四方グリッドの情報は、グリッドg4,g7,g6,g3の情報を含む。
【0048】
図5に示すように、グリッドg4の情報は、第1方向d1に対応付けられた、「0x104」とのグリッドg4の識別情報と、「7」との距離の情報とを含む。「7」との距離の情報は、グリッドg5からのグリッドg4までの第1方向d1におけるカウント数を示す。
【0049】
図5に示すように、グリッドg7の情報は、第2方向d2に対応付けられた、「0x107」とのグリッドg7の識別情報と、「3」との距離の情報とを含む。「3」との距離の情報は、グリッドg5からグリッドg7までの第2方向d2におけるカウント数を示す。
【0050】
図5に示すように、グリッドg6の情報は、第3方向d3に対応付けられた、「0x106」とのグリッドg6の識別情報と、「7」との距離の情報とを含む。「7」との距離の情報は、グリッドg5からグリッドg6までの第3方向d3におけるカウント数を示す。
【0051】
図5に示すように、グリッドg3の情報は、第4方向d4に対応付けられた、「0x103」とのグリッドg3の識別情報と、「6」との距離の情報とを含む。「6」との距離の情報は、グリッドg5からグリッドg3までの第4方向d4におけるカウント数を示す。
【0052】
図5に示すように、グリッドg5に関する情報は、「0x105→0x104→0x101」とのルート情報を含む。「x105→0x104→0x101」とのルート情報は、
図4に示すようなルートRg5を示す情報である。「0x105→0x104→0x101」とのルート情報は、グリッドg5の識別情報、グリッドg4の識別情報及びグリッドg1の識別情報の列を示す。
【0053】
このようなグリッドに関する情報によって、サーバ10側では、グリッドの実際の位置情報を取得することができる。例えば、グリッドの相対方向の第1方向d1~第4方向d4を東西南北の方向に変換することにより、原点から見たグリッドの実際の方向を取得することができる。また、グリッドの相対距離であるブロック装置40のカウント数とブロック装置40のサイズとによって、原点からグリッドまでの実際の距離を算出することができる。サーバ10側では、グリッドの実際の位置情報を取得することにより、目的地情報を登録するグリッドを決定することができる。
【0054】
制御部13は、目的地情報を登録するグリッドが決定されると、目的地登録コマンドを、ネットワーク2を介してブロック装置20に、通信部11によって送信する。目的地登録コマンドは、目的地情報をグリッドに登録するためのコマンドである。目的地登録コマンドは、登録コマンドID2と、対象グリッドの識別情報と、目的地情報と、対象グリッドから原点に向かうルートを示すルート情報とを含む。対象グリッドは、目的地情報が対応付けられるグリッドである。ルート情報は、対象グリッドが返信元として発行した返信コマンドに含まれる、返信元から原点に向かうルートを示すルート情報であってよい。又は、ルート情報は、制御部13がサーバ10によって管理される地図情報に基づいて生成したルート情報であってよい。
【0055】
例えば、対象グリッドは、
図4に示すようなグリッドg5であるものとする。また、目的地情報は、「トイレ前」との情報であるものとする。この場合、目的地登録コマンドは、対象グリッドの識別情報として「0x105」との情報、目的地情報として「トイレ前」との情報、及び、ルート情報として
図5に示すような「0x105→0x104→0x101」との情報を含む。
【0056】
制御部13は、目的地登録コマンドを送信した後、完了通知を、ネットワーク2を介してブロック装置20から通信部11によって受信する。この完了通知は、目的地情報の登録完了を示す通知である。この完了通知は、登録コマンドID2を含む。
【0057】
ここで、制御部13は、ブロック装置20に目的地情報を登録させる場合、対象グリッドの識別情報の代わりにブロック装置20の識別情報を含む目的地登録コマンドを、ネットワーク2を介してブロック装置20に通信部11によって送信してよい。この場合、目的地登録コマンドは、ルート情報を含まなくてよい。また、目的地登録コマンドは、ブロック装置20の四方グリッドの識別情報及び四方グリッドの目的地情報を含んでよい。
【0058】
(ブロック装置の構成)
図3に示すように、ブロック装置20は、通信部21と、バッテリ22と、記憶部23と、制御部24とを含んで構成される。
【0059】
通信部21は、第1通信部21Aと、第2通信部21Bと、第3通信部21Cとを含む。
【0060】
第1通信部21Aは、ブロック装置30と通信可能である。第1通信部21Aは、通信線3を介してブロック装置30と通信可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、通信線3の規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば、有線LAN等の規格に対応した通信モジュールである。
【0061】
第2通信部21Bは、白杖4と通信可能である。第2通信部21Bは、近距離無線通信を介して白杖4と通信可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、近距離無線通信の規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば、RFID又はBLEビーコン等の規格に対応した通信モジュールである。
【0062】
第3通信部21Cは、サーバ10と通信可能である。第3通信部21Cは、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の無線LANの規格に対応した通信モジュールである。第3通信部21Cは、通信モジュールによって、Wi-Fi(登録商標)等の無線LANを介してネットワーク2に接続される。ただし、通信モジュールは、ネットワーク2に接続可能であれば、無線LAN以外の無線通信規格又は有線通信規格に対応したモジュールであってもよい。
【0063】
バッテリ22は、ブロック装置20の構成要素に電力を供給可能である。バッテリ22は、例えば、通信部21、記憶部23及び制御部24の少なくとも1つに電力を供給する。バッテリ22は、一次電池及び二次電池の少なくとも何れかを含んで構成されてよい。
【0064】
記憶部23は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM又はROM等である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAM等である。ROMは、例えば、EEPROM等である。記憶部23は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部23には、ブロック装置20の動作に用いられるデータと、ブロック装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。例えば、記憶部23は、システムプログラム、アプリケーションプログラム及び組み込みソフトウェア等を記憶する。
【0065】
記憶部23は、
図6に示すようなブロック装置20のブロック情報及び四方グリッドの情報を格納する。
図6には、初期状態の構成を示す。初期状態では、ブロック装置20の四方グリッドの情報としては、何の情報も登録されていない。初期状態では、ブロック情報として、「0x100」とのブロック装置20の識別情報のみが登録されている。「0x100」との情報は、例えば、工場出荷時に決まるシリアルナンバーである。
【0066】
制御部24は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASIC等である。制御部24は、ブロック装置20の各部を制御しながら、ブロック装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0067】
制御部24は、以下に説明するように、サーバ10又は自装置に接続されているブロック装置30から、コマンドを通信部21によって受信する。制御部24は、以下に説明するように、受信したコマンドに応じた処理を実行する。制御部24は、コマンドを受信すると、ブロック装置20の状態をアクティブ状態に移行させてよい。また、制御部24は、コマンドに応じた処理を実行した後、ブロック装置20の状態をスリープ状態に移行させてよい。このような構成により、バッテリ22に貯蓄された電力を節約することができる。
【0068】
[地図生成コマンドの受信処理]
制御部24は、ネットワーク2を介してサーバ10から、地図生成コマンドを第3通信部21Cによって受信する。制御部24は、地図生成コマンドを受信すると、地図生成コマンドに含まれる地図生成コマンドID1及びサーバ10のIPアドレスの情報を取得する。制御部24は、ブロック情報として、地図生成コマンドID1及びサーバ10のIPアドレスを登録する。例えば、
図7に示すように、制御部24は、「MAPGEN_01」との地図生成コマンドID1及び「AAA」とのサーバIPアドレスの情報を、ブロック情報として登録する。
【0069】
[要求コマンドの発行処理]
制御部24は、地図生成コマンドID1等を登録すると、自装置を要求元とする要求コマンドを発行する。要求コマンドは、グリッドの相対位置の情報を要求するコマンドである。要求コマンドは、後述するように、グリッドによっても発行される。
【0070】
要求コマンドは、地図生成コマンドIDと、要求元の識別情報と、要求元の相対位置の情報と、要求元から見た要求コマンドの送信方向の情報と、カウント情報とを含む。要求コマンドの発行時、カウント情報は、初期値を示す。初期値のカウントは、例えば、0カウントである。カウント情報は、後述するように、要求コマンドがグリッドに向けてブロック装置40によって伝搬される毎に、ブロック装置40によって繰り上げられる。制御部24は、発行した要求コマンドを、ブロック装置20に接続されたブロック装置40に、第1通信部21Aによって送信する。
【0071】
例えば、
図4では、制御部24は、要求コマンドA1を発行し、発行した要求コマンドA1をブロック装置41に送信する。要求コマンドA1は、要求元の識別情報としてブロック装置20の識別情報、要求元の相対位置の情報として原点との情報、及び、要求元から見た要求コマンドの送信方向の情報として第2方向d2との情報を含む。
【0072】
制御部24は、ブロック装置20に複数のブロック装置40が接続されている場合、当該複数のブロック装置40の各々に対して、要求コマンドを発行してよい。制御部24は、発行した各要求コマンドを、ブロック装置20に接続されている各ブロック装置40に、第1通信部21Aによって送信する。
【0073】
[応答コマンドの受信処理]
制御部24は、要求コマンドを送信した後、応答コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40から、第1通信部21Aによって受信する。後述するように、応答コマンドは、要求コマンドを受信したグリッドによって発行される。応答コマンドは、地図生成コマンドID1と、応答元の識別情報と、応答元の相対位置の情報とを含む。応答コマンドの応答元は、応答コマンドを発行したグリッドである。
【0074】
例えば、
図4では、制御部24は、要求コマンドA1を送信した後、ブロック装置41から、応答コマンドB1を第1通信部21Aによって受信する。応答コマンドB1は、後述するように、要求コマンドA1を受信したグリッドg1によって発行されたものである。応答コマンドB1は、地図生成コマンドID1と、応答元であるグリッドg1の識別情報と、応答元であるグリッドg1の相対位置の情報とを含む。
【0075】
制御部24は、応答コマンドから、応答元の識別情報と、応答元の相対位置の情報とを取得する。制御部24は、取得したこれらの情報を、自装置の四方グリッドの情報として登録する。例えば、
図7に示すように、制御部24は、四方グリッドの情報として、第2方向d2に対応付けて「0x101」とのグリッドg1の識別情報及び「2」との距離の情報を登録する。「2」との距離の情報は、原点からグリッドg1までの第2方向d2におけるカウント数を示す。
【0076】
制御部24は、応答元の識別情報等を四方グリッドの情報として登録した後、ブロック装置20に関する情報を、ネットワーク2を介してサーバ10に第3通信部21Cによって送信する。ブロック装置20に関する情報は、上述したように、ブロック装置20の識別情報と、原点とのブロック装置20の位置情報と、ブロック装置20の四方グリッドの情報とを含む。
【0077】
[返信コマンドの受信処理]
制御部24は、要求コマンドを送信した後、返信コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40から、第1通信部21Aによって受信する。後述するように、返信コマンドは、要求コマンドを受信したグリッドによって発行される。返信コマンドは、地図生成コマンドID1と、返信元の識別情報と、返信元の相対位置の情報と、返信元から原点に向かうルートを示すルート情報とを含む。返信コマンドの返信元は、返信コマンドを発行したグリッドである。
【0078】
制御部24は、返信コマンドを受信すると、グリッドに関する情報を、ネットワーク2を介してサーバ10に、第3通信部21Cによって送信する。このグリッドに関する情報は、地図生成コマンドID1と、返信元であるグリッドの識別情報と、返信元であるグリッドの相対位置の情報と、返信元であるグリッドから原点までのルートを示すルート情報と、返信元であるグリッドの四方グリッドの情報とを含む。
【0079】
[目的地の登録処理]
制御部24は、ネットワーク2を介してサーバ10から、目的地登録コマンドを第3通信部21Cによって受信する。目的地登録コマンドは、上述したように、登録コマンドID2と、対象グリッドの識別情報と、目的地情報と、対象グリッドから原点に向かうルートを示すルート情報とを含む。
【0080】
制御部24は、目的地登録コマンドを受信すると、第1登録コマンドを発行する。第1登録コマンドは、登録コマンドID2と、対象グリッドの識別情報と、目的地情報と、対象グリッドから原点に向かうルートを示すルート情報とを含む。
【0081】
制御部24は、ルート情報に基づいて、第1登録コマンドが対象グリッドに向けて送信されるように、第1登録コマンドを自装置に接続されているブロック装置40に第1通信部21Aによって送信する。本実施形態では、制御部24は、ルート情報が示すルートの逆方向に第1登録コマンドが送信されるように、第1登録コマンドを自装置に接続されているブロック装置40に、第1通信部21Aによって送信する。例えば、ルート情報のグリッドの識別情報の列における最後尾のグリッドは、ブロック装置20の四方グリッドに含まれる。制御部24は、自装置から見た当該最後尾のグリッドが位置する方向を、自装置の四方グリッドの情報から取得する。制御部24は、取得した方向に接続されるブロック装置40に、第1登録コマンドを第1通信部21Aによって送信する。
【0082】
例えば、対象グリッドは、
図4に示すようなグリッドg5であるものとする。ルート情報は、
図5を参照した上述したような「0x105→0x104→0x101」との情報であるものとする。「0x105→0x104→0x101」とのグリッドの識別情報の列の最後尾のグリッドg1は、
図7に示すようなブロック装置20の四方グリッドに含まれる。制御部24は、
図7に示すような四方グリッドの情報から、自装置からグリッドg1を見た方向すなわち第2方向d2との情報を取得する。制御部24は、取得した第2方向d2に接続されているブロック装置41に第1登録コマンドを送信する。
【0083】
制御部24は、第1登録コマンドを送信した後、第2完了コマンドを、自装置に接続されたブロック装置40から第1通信部21Aによって受信する。第2完了コマンドは、目的地情報の登録完了を示すコマンドである。第2完了コマンドは、登録コマンドID2を含む。
【0084】
制御部24は、第2完了コマンドを受信した後、上述した完了通知を、ネットワーク2を介してサーバ10に第3通信部21Cによって送信する。
【0085】
ここで、制御部24は、目的地登録コマンドが対象グリッドの識別情報の代わりにブロック装置20の識別情報を含む場合、目的地登録コマンドの目的地情報を自装置に対応付けて登録してよい。制御部24は、自装置に対応付けられている登録済みの目的地情報が存在する場合、新たな目的地情報によって、自装置に対応付けられている登録済みの目的地情報を更新してよい。さらに、制御部24は、目的地登録コマンドが自装置の四方グリッドの識別情報及び四方グリッドの目的地情報を含む場合、目的地登録コマンドから、自装置の四方グリッドの識別情報及び四方グリッドの目的地情報を取得してよい。制御部24は、取得した四方グリッドの目的地情報を四方グリッドに対応付け、四方グリッドの情報として登録してよい。例えば、制御部24は、取得した四方グリッドの目的地情報を四方グリッドの識別情報に対応付ける。制御部24は、四方グリッドの識別情報に対応付けられた登録済みの目的地情報が存在する場合、新たな目的地情報によって、四方グリッドの識別情報に対応付けられた登録済みの目的地情報を更新してよい。制御部24は、これらの情報の登録又は更新が完了すると、上述した完了通知を、ネットワーク2を介してサーバ10に第3通信部21Cによって送信する。
【0086】
[通常時の処理]
制御部24は、白杖4がブロック装置20に近づけられると、第2通信部21Bによってブロック装置20と白杖4との間で近距離無線通信の実行を開始する。制御部24は、記憶部23に目的地情報が格納されている場合、目的地情報を白杖4に第2通信部21Bによって送信する。制御部24は、自装置に対応付けられている目的地情報のみを白杖4に送信してもよいし、自装置に対応付けられている目的地情報及び四方グリッドに対応付けられている目的地情報の両方を白杖4に送信してもよい。又は、制御部24は、四方グリッドに対応付けられている目的地情報のみを白杖4に送信してもよい。
【0087】
制御部24は、四方グリッドに対応付けられている目的地情報を白杖4に送信する場合、四方グリッドに対応付けられている目的地情報とともに四方グリッドの相対位置の情報を白杖4に送信してもよい。この場合、白杖4は、ブロック装置20から、四方グリッドに対応付けられている目的地情報とともに四方グリッドの相対位置の情報を受信し得る。白杖4は、四方グリッドに対応付けられている目的地情報とともに四方グリッドの相対位置の情報をユーザに報知してよい。四方グリッドの相対位置の情報がカウント数を示す相対距離の情報を含む場合、白杖4は、カウント数を実際の距離に変換し、実際の距離の情報とともに四方グリッドに対応付けられている目的地情報をユーザに報知してよい。四方グリッドの相対位置の情報が四方グリッドの相対方向の情報を含む場合、白杖4は、四方グリッドの相対方向の情報を実際の方位の情報に変換し、実際の方位の情報とともに四方グリッドに対応付けられている目的地情報をユーザに報知してよい。
【0088】
(ブロック装置の構成)
図3に示すように、ブロック装置30は、通信部31と、バッテリ32と、記憶部33と、制御部34とを含んで構成される。
【0089】
通信部31は、第1通信部31Aと、第2通信部31Bとを含む。
【0090】
第1通信部31Aは、他のブロック装置40と通信可能である。第1通信部31Aは、通信線3を介してブロック装置40と通信可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、通信線の規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば、有線LAN等の規格に対応した通信モジュールである。
【0091】
第2通信部31Bは、白杖4と通信可能である。第2通信部31Bは、近距離無線通信を介して白杖4と通信可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、近距離無線通信の規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば、RFID又はBLEビーコン等の規格に対応した通信モジュールである。
【0092】
バッテリ32は、ブロック装置30の構成要素に電力を供給可能である。バッテリ32は、例えば、通信部31、記憶部33及び制御部34の少なくとも1つに電力を供給する。バッテリ32は、一次電池及び二次電池の少なくとも何れかを含んで構成されてよい。
【0093】
記憶部33は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM又はROM等である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAM等である。ROMは、例えば、EEPROM等である。記憶部33は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部33には、ブロック装置30の動作に用いられるデータと、ブロック装置30の動作によって得られたデータとが記憶される。例えば、記憶部33は、システムプログラム、アプリケーションプログラム及び組み込みソフトウェア等を記憶する。
【0094】
記憶部33は、
図8に示すようなブロック装置30のブロック情報及び四方グリッドの情報を格納する。
図8には、初期状態の構成を示す。初期状態では、ブロック装置30の四方グリッドの情報には、何の情報も登録されていない。初期状態では、ブロック情報には、ブロック装置30の識別情報のみが登録されている。ブロック装置30の識別情報は、例えば、工場出荷時に決まるシリアルナンバーである。
【0095】
制御部34は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASIC等である。制御部34は、ブロック装置30の各部を制御しながら、ブロック装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0096】
制御部34は、以下に説明するように、自装置に接続されているブロック装置40から、コマンドを通信部31によって受信する。制御部34は、以下に説明するように、受信したコマンドに応じた処理を実行する。制御部34は、コマンドを受信すると、ブロック装置30の状態をアクティブ状態に移行させてよい。また、制御部34は、コマンドに応じた処理を実行した後、ブロック装置30の状態をスリープ状態に移行させてよい。このような構成により、バッテリ32に貯蓄された電力を節約することができる。
【0097】
[要求コマンドの受信処理]
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、要求コマンドを第1通信部31Aによって受信する。制御部34は、要求コマンドを受信すると、要求コマンドに含まれる地図生成コマンドID1を取得する。
【0098】
制御部34は、地図生成コマンドID1を取得すると、取得した地図生成コマンドID1がブロック情報として登録済みであるか否かを判定する。
図8に示すような初期状態では、地図生成コマンドID1は、ブロック情報として登録されていない。制御部34は、地図生成コマンドID1が登録済みでないと判定した場合、地図生成コマンドID1をブロック情報として登録する。地図生成コマンドID1が登録済みであると制御部34が判定した場合の処理については、要求コマンドの受信処理の他の例において後述する。
【0099】
制御部34は、地図生成コマンドID1をブロック情報として登録すると、自装置がグリッドであるか否かを判定する。グリッドであるか否かを判定する処理として、制御部34は、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40以外のブロック装置40が自装置に接続されているか否か判定する。制御部34は、第1通信部31Aによって自装置に接続されているブロック装置40を認識することにより、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40以外のブロック装置40が自装置に接続されているか否か判定してよい。
【0100】
制御部34は、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40以外のブロック装置40が自装置に接続されていると判定する場合、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40の数が1個又は3個以上である場合、自装置がグリッドであると判定してよい。また、制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40の数が2個である場合であって、自装置に接続されている2個のブロック装置40が互いに反対方向に位置しない場合、自装置がグリッドであると判定してよい。制御部34は、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40のみが自装置に接続されていると判定しない場合、自装置がグリッドであると判定してよい。
【0101】
制御部34は、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40以外のブロック装置40が自装置に接続されていると判定しない場合、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40のみが自装置に接続されていると判定する場合、自装置がグリッドではないと判定してよい。
【0102】
<グリッドではない場合の処理>
制御部34は、例えば互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40のみが自装置に接続されていると判定する場合、自装置がグリッドではないと判定する。例えば、
図4では、ブロック装置41には、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40のみがすなわちブロック装置20及びブロック装置40g1のみが接続されている。ブロック装置41の制御部34は、自装置がグリッドではないと判定する。
【0103】
制御部34は、自装置がグリッドではないと判定した場合、
図8に示すようなブロック情報に、自装置がグリッドではないことを示すグリッドフラグを立てる。グリッドフラグは、自装置がグリッドであるか否かを示すフラグである。さらに、制御部34は、要求コマンドに含まれるカウント情報が示すカウントを少なくとも1カウント繰り上げる。本実施形態では、制御部34は、要求コマンドに含まれるカウント情報が示すカウントを1カウント繰り上げる。制御部34は、カウントを繰り上げた後のカウント情報を含む要求コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40に第1通信部31Aによって送信する。例えば、制御部34は、自装置に接続されている2個のブロック装置40のうち、自装置に要求コマンドを送信したブロック装置40ではない方のブロック装置40に、要求コマンドを送信する。
【0104】
例えば、
図4では、ブロック装置41の制御部34は、要求コマンドA1に含まれるカウント情報のカウントを0カウントから1カウントに繰り上げる。ブロック装置41の制御部34は、自装置に接続されているブロック装置20,40g1のうち、自装置に要求コマンドを送信したブロック装置20ではない方のブロック装置40g1に要求コマンドA1を送信する。
【0105】
制御部34は、例えば要求コマンドを送信した後、自装置に接続されているブロック装置40から、後述の応答コマンドを第1通信部31Aによって受信し得る。制御部34は、応答コマンドを受信した場合、応答コマンドを第1通信部31Aによって転送する。例えば、制御部34は、自装置に接続されている2個のブロック装置40のうち、自装置に応答コマンドを送信したブロック装置40ではない方のブロック装置40に、応答コマンドを第1通信部31Aによって転送する。
【0106】
<グリッドである場合の処理>
制御部34は、互いに反対方向に位置する2個のブロック装置40以外のブロック装置40が自装置に接続されていると判定する場合、自装置がグリッドであると判定する。
【0107】
制御部34は、自装置がグリッドであると判定した場合、ブロック情報に、自装置がグリッドであることを示すグリッドフラグを立てる。
図9に、グリッドg1のブロック情報及び四方グリッドの情報の一例を示す。
図9に示す構成は、グリッドg1が要求コマンドA1を受信した後の構成である。
図9には、ブロック情報として「0x101」とのグリッドg1の識別情報が登録されている。
図9には、ブロック情報として「MAPGEN_01」との地図生成コマンドID1が登録されている。
図9に示すように、制御部34は、「True」との自装置がグリッドであることを示すグリッドフラグを立てる。
【0108】
<<ブロック情報の登録処理>>
制御部34は、自装置がグリッドであると判定した場合、自装置の相対位置を特定する。制御部34は、特定した自装置の相対位置の情報をブロック情報として登録する。制御部34は、例えば、受信した要求コマンドに含まれる、要求元から見た要求コマンドの送信方向の情報と、カウント情報と、要求元の相対位置の情報とによって、自装置の相対位置を特定する。ここで、要求元から見た要求コマンドの送信方向は、要求元から見た自装置が位置する方向になる。また、要求コマンドに含まれるカウント情報は、要求元から自装置までのカウント数を示す。そこで、制御部34は、要求元から見た要求コマンドの送信方向の情報と、カウント情報とによって、要求元から見た自装置の位置を特定する。さらに、制御部34は、要求元から見た自装置の位置の情報と、要求コマンドに含まれる要求元の相対位置の情報とを合わせることにより、自装置の相対位置を特定する。
【0109】
例えば、
図4では、グリッドg1が受信した要求コマンドA1は、第2方向d2との要求元であるブロック装置20から見た要求コマンドA1の送信方向の情報と、2カウントとのカウント情報とを含む。グリッドg1の制御部34は、これらの情報によって、要求元であるブロック装置20から見た自装置の位置が「ブロック装置20の第2方向d2に2カウント」であると特定する。さらに、グリッドg1の制御部34は、「ブロック装置20の第2方向d2に2カウント」との要求元から見た自装置の位置の情報と、要求コマンドA1に含まれる原点との要求元の相対位置の情報とを合わせる。グリッドg1の制御部34は、これらの情報を合わせることにより、自装置の相対位置が「原点から第2方向d2に2カウント」であると特定する。
図9に示すように、グリッドg1の制御部34は、「d2_2」との自装置の相対位置の情報をブロック情報として登録する。「d2_2」との情報は、相対位置が原点から第2方向d2に2カウントであることを示す。
【0110】
制御部34は、自装置がグリッドであると判定した場合、返信方向を特定し、特定した返信方向をブロック情報として登録する。返信方向は、後述の返信コマンド及び後述の第2完了コマンドをグリッドが返信する方向である。制御部34は、例えば、受信した要求コマンドに含まれる要求元から見た要求コマンドの送信方向とは反対の方向を、返信方向として特定する。制御部34は、特定した返信方向の情報を、ブロック情報として登録する。
【0111】
例えば、
図4では、要求コマンドA1は、要求元から見た要求コマンドの送信方向の情報として第2方向d2との情報を含む。グリッドg1の制御部34は、第2方向d2とは反対の方向すなわち第4方向d4が返信方向であると特定する。
図9に示すように、グリッドg1は、ブロック情報として、「d4」との第4方向d4を示す情報を登録する。
【0112】
<<四方ブロック情報の登録処理>>
制御部34は、自装置がグリッドであると判定した場合、要求コマンドの要求元の識別情報及び要求元の相対位置の情報を、自装置の四方グリッドの情報として登録する。例えば、制御部34は、ブロック情報として登録した自装置の相対位置の情報と、受信した要求コマンドに含まれる要求元の相対位置の情報との差分を取ることにより、自装置から見た要求元の位置を特定する。制御部34は、自装置から見た要求元の位置情報及び要求元の識別情報を、自装置の四方グリッドの情報として登録する。
【0113】
例えば、
図4では、要求コマンドA1は、要求元の識別情報及び要求元の相対位置の情報として、ブロック装置20の識別情報である「0x100」との情報及び原点との情報を含む。グリッドg1の制御部34は、上述の特定した「第2方向d2に2カウント」との自装置の相対位置の情報と、原点との要求元の相対位置の情報との差分を取ることにより、グリッドg1から見た要求元の位置が「第4方向d4に2カウント」であると特定する。
図9に示すように、グリッドg1の制御部34は、四方グリッドの情報として、第4方向d4に対応付けて「0x100」との要求元の識別情報及び「2」との距離の情報を登録する。「2」との距離の情報は、グリッドg1から要求元までの第4方向d4におけるカウント数を示す。
【0114】
<<応答コマンドの発行処理>>
制御部34は、自装置がグリッドであると判定した場合、自装置を応答元とする応答コマンドを発行する。応答コマンドは、上述したように、地図生成コマンドID1と、応答元の識別情報と、応答元の相対位置の情報とを含む。
【0115】
例えば、
図4では、グリッドg1の制御部34は、要求コマンドA1を受信した後、自装置を応答元する応答コマンドB1を発行する。応答コマンドB1は、
図9に示すような「MAPGEN_01」との地図生成コマンドID1を示す情報と、「0x100」とのグリッドg1の識別情報と、「d2_2」とのグリッドg1の相対位置の情報とを含む。
【0116】
制御部34は、発行した応答コマンドを、要求コマンドの要求元に向けて第1通信部31Aによって送信する。例えば、制御部34は、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、自装置に要求コマンドを送信したブロック装置40に、応答コマンドを第1通信部31Aによって送信する。例えば、
図4では、グリッドg1の制御部34は、応答コマンドB1を、自装置に要求コマンドA1を送信したブロック装置41に送信する。
【0117】
<<要求コマンドの発行処理>>
制御部34は、自装置がグリッドであると判定した場合、自装置を要求元として新たな要求コマンドを発行する。制御部34は、新たな要求コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40に、第1通信部31Aによって送信する。ここで、制御部34は、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、返信方向以外の方向に接続されているブロック装置40毎に、新たな要求コマンドを発行する。制御部34は、返信方向以外の方向に接続されたブロック装置40毎に、新たな要求コマンドを第1通信部31Aによって送信する。
【0118】
図10に、
図4に示す構成よりも時刻が進んだ構成を示す。
【0119】
図10では、グリッドg1の制御部34は、自装置に対して第2方向d2に接続されているブロック装置42に対して、自装置を要求元する新たな要求コマンドA2を発行する。要求コマンドA2は、
図9に示すような、地図生成コマンドID1と、「0x101」とのグリッドg1の識別情報と、「d2_2」とのグリッドg1の相対位置の情報と、第2方向d2との要求コマンドの送信方向の情報と、初期値のカウント情報とを含む。グリッドg1の制御部34は、要求コマンドA2を、ブロック装置42に送信する。要求コマンドA2は、グリッドg4に到達するまで、ブロック装置42とブロック装置40g4との間に位置するブロック装置40によって伝搬される。要求コマンドA2がブロック装置40によって伝搬される毎に、要求コマンドA2のカウント情報が示すカウントは、ブロック装置40によって繰り上げられる。このような構成により、要求コマンドA2のカウント情報が示すカウントは、グリッドg4に到達した際、6カウントに繰り上げられている。グリッドg4は、要求コマンドA2を受信すると、応答コマンドB4を発行する。
【0120】
図10では、グリッドg1の制御部34は、自装置に対して第3方向d3に接続されているブロック装置43に対して、自装置を要求元する新たな要求コマンドA3を発行する。要求コマンドA3は、
図9に示すような、地図生成コマンドID1と、「0x101」とのグリッドg1の識別情報と、「d2_2」とのグリッドg1の相対位置の情報と、第3方向d3との要求コマンドの送信方向の情報と、初期値のカウント情報とを含む。グリッドg1の制御部34は、要求コマンドA3を、ブロック装置43に送信する。要求コマンドA3は、グリッドg2に到達するまで、ブロック装置43とブロック装置40g2との間に位置するブロック装置40によって伝搬される。要求コマンドA3がブロック装置40によって伝搬される毎に、要求コマンドA3のカウント情報が示すカウントは、ブロック装置40によって繰り上げられる。このような構成により、要求コマンドA3のカウント情報が示すカウントは、グリッドg2に到達した際、7カウントに繰り上げられている。グリッドg2は、要求コマンドA3を受信すると、応答コマンドB3を発行する。
【0121】
<<応答コマンドの受信処理>>
制御部34は、自装置を要求元とする要求コマンドを送信した後、応答コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40から、第1通信部21Aによって受信する。
【0122】
制御部34は、応答コマンドを受信すると、応答コマンドの応答元であるグリッドの識別情報及び位置情報を、自装置の四方グリッドの情報として登録する。例えば、制御部24は、応答コマンドに含まれる応答元の相対位置の情報と、ブロック情報として登録した自装置の相対位置の情報との差を取ることにより、自装置から見た応答元であるグリッドの位置を特定する。制御部34は、自装置から見たグリッドの位置情報及び応答元であるグリッドの識別情報を、自装置の四方グリッドの情報として登録する。
【0123】
例えば、
図10では、グリッドg1の制御部34は、要求コマンドA2を送信した後、ブロック装置42から、応答コマンドB2を第1通信部31Aによって受信する。応答コマンドB2は、グリッドg4を応答元として、グリッドg4によって発行されたものである。応答コマンドB2は、地図生成コマンドID1と、グリッドg4の識別情報と、グリッドg4の相対位置の情報とを含む。
図9に示すように、グリッドg1の制御部34は、四方グリッドの情報として、第2方向d2に対応付けて「0x104」とのグリッドg4の識別情報及び「6」との距離の情報を登録する。「6」との距離の情報は、グリッドg1からグリッドg4までの第2方向d2におけるカウント数を示す。
【0124】
例えば、
図10では、グリッドg1の制御部34は、要求コマンドA2を送信した後、ブロック装置43から、応答コマンドB3を第1通信部31Aによって受信する。応答コマンドB3は、グリッドg2を応答元として、グリッドg2によって発行されたものである。応答コマンドB3は、地図生成コマンドID1と、グリッドg2の識別情報と、グリッドg2の相対位置の情報とを含む。
図9に示すように、グリッドg1の制御部34は、四方グリッドの情報として、第3方向d3に対応付けて「0x103」とのグリッドg3の識別情報及び「7」との距離の情報を登録する。「7」との距離の情報は、グリッドg1からグリッドg3までの第3方向d3におけるカウント数を示す。
【0125】
<<返信コマンドの発行処理>>
制御部34は、応答コマンドを受信した後、自装置を返信元とする返信コマンドを発行する。制御部34は、自装置を要求元とする要求コマンドに対する全ての応答コマンドを受信した後、返信コマンドを発行してよい。
【0126】
返信コマンドは、地図生成コマンドID1と、返信元の識別情報と、返信元の相対位置の情報と、ルート情報と、返信元の四方グリッドの情報とを含む。ここで、返信コマンドの発行時、ルート情報は、返信元の識別情報のみを含む。後述するように、返信コマンドは、ブロック装置20に向けてブロック装置40によって伝搬されていく。返信コマンドがグリッドによって伝搬される毎に、ルート情報は、グリッドによって更新される。このような構成により、返信コマンドが原点に到達した際、ルート情報は、返信元であるグリッドから原点に向かうルートを示す情報となる。
【0127】
制御部34は、返信コマンドを、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、返信方向に接続されているブロック装置40に、第1通信部31Aによって送信する。
【0128】
例えば、
図10では、グリッドg1の制御部34は、応答コマンドB2,B3を受信した後、自装置を返信元とする返信コマンドC1を発行する。返信コマンドC1は、
図9に示すような「MAPGEN_01」との地図生成コマンドID1と、「0x101」とのグリッドg1の識別情報と、「d2_2」とのグリッドg1の相対位置の情報と、ルート情報と、返信元の四方グリッドの情報とを含む。返信コマンドC1は、発行時、「0x101」とのグリッドg1の識別情報のみを含む。
【0129】
[返信コマンドの受信処理]
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、返信コマンドを第1通信部31Aによって受信し得る。制御部34は、返信コマンドを受信すると、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。
【0130】
<グリッドである場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、自装置がグリッドであると判定すると、返信コマンドに含まれるルート情報を更新する。制御部34は、ルート情報に自装置を示す情報を追加してルート情報を更新する。制御部34は、例えば、ルート情報であるグリッドの識別情報の列の最後尾に自装置の識別情報を付加することにより、ルート情報を更新する。
【0131】
制御部34は、ルート情報を更新すると、更新後のルート情報を含む返信コマンドを、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、返信方向に接続されているブロック装置40に第1通信部31Aによって送信する。
【0132】
図11に、
図10に示す構成よりも時刻が進んだ構成を示す。グリッドg4の制御部34は、
図10に示すような要求コマンドA2を受信した後、自装置を要求元とする要求コマンドA4を発行する。グリッドg4の制御部34は、要求コマンドA4を発行した後、応答コマンドB4を受信する。応答コマンドB4は、グリッドg5を応答元として、グリッドg5によって発行されたものである。グリッドg4の制御部34は、応答コマンドB4を受信した後、自装置を返信元とする返信コマンドC2を発行する。返信コマンドC2の発行時、返信コマンドC2のルート情報は、「0x104」とのグリッドg4の識別情報のみを含む。
【0133】
図11では、グリッドg1の制御部34は、返信コマンドC2を受信する。グリッドg1の制御部34は、返信コマンドC2の「0x104」とのルート情報に
図9に示すような「0x101」とのグリッドg1の識別情報を付加することにより、ルート情報を「0x104→0x101」との情報に更新する。グリッドg1の制御部34は、返信コマンドC2のルート情報を更新すると、更新後のルート情報を含む返信コマンドC2を、
図9に示すような第4方向d4との返信方向に接続されているブロック装置41に送信する。
【0134】
<グリッドではない場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないと判定すると、返信コマンドを転送する。例えば、制御部34は、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、返信コマンドを自装置に送信したブロック装置40ではない方のブロック装置40に、第1通信部31Aによって転送する。
【0135】
例えば、
図11では、ブロック装置41の制御部34は、ブロック装置40g1から、返信コマンドC2を第1通信部31Aによって受信する。ブロック装置41の制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する。ブロック装置41の制御部34は、自装置に接続されているブロック装置20,40g1のうち、返信コマンドC2を自装置に送信したブロック装置40g1ではない方のブロック装置20に、返信コマンドC2を転送する。
【0136】
[要求コマンドの受信処理の他の例]
制御部34は、要求コマンドを受信すると、上述したように、要求コマンドに含まれる地図生成コマンドID1を取得し、取得した地図生成コマンドID1がブロック情報に登録済みであるか否かを判定する。ここで、制御部34は、要求コマンドを以前受信した場合、取得した地図生成コマンドID1がブロック情報に登録済みであると判定し得る。制御部34は、地図生成コマンドID1がブロック情報に登録済みであると判定した場合、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。
【0137】
<グリッドではない場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないと判定すると、要求コマンドに含まれるカウント情報のカウントを1カウント繰り上げる。制御部34は、カウント情報のカウントを1カウント繰り上げると、カウントを繰り上げた後のカウント情報を含む要求コマンドを自装置に接続されているブロック装置40に第1通信部31Aによって送信する。例えば、制御部34は、自装置に接続されている2個のブロック装置40のうち、自装置に要求コマンドを送信したブロック装置40ではない方のブロック装置40に、要求コマンドを第1通信部31Aによって送信する。
【0138】
<グリッドである場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、自装置がグリッドであると判定すると、自装置を応答元とする応答コマンドを発行する。制御部34は、発行した応答コマンドを要求コマンドの要求元に向けて第1通信部31Aによって送信する。例えば、制御部34は、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、自装置に要求コマンドを送信したブロック装置40に、応答コマンドを第1通信部31Aによって送信する。
【0139】
図12に、
図11に示す構成よりも時刻が進んだ構成を示す。グリッドg5は、
図11に示すような要求コマンドA4を受信した後、グリッドg5を要求元とする要求コマンドA5,A6,A7を発行する。
【0140】
図12では、グリッドg2の制御部34は、
図10に示すような要求コマンドA3を受信した後、要求コマンドA5を受信する。グリッドg2の制御部34は、
図10に示すような要求コマンドA3を受信した際、ブロック情報として地図生成コマンドID1を登録し、ブロック情報に自装置がグリッドであることを示すグリッドフラグを立てる。つまり、グリッドg2の制御部34は、要求コマンドA5を受信したとき、要求コマンドA5に含まれる地図生成コマンドID1がブロック情報として登録済みであり、且つ自装置がグリッドであると判定する。グリッドg2の制御部34は、グリッドg2を要求元とする応答コマンドB5を発行する。グリッドg2の制御部34は、応答コマンドB5を、要求コマンドA5の要求元であるグリッドg5に向けて送信する。つまり、グリッドg2の制御部34は、自装置に要求コマンドを送信したブロック装置44に、応答コマンドB5を送信する。
【0141】
ここで、
図12では、グリッドg5は、要求コマンドA5,A6,A7を発行した後、応答コマンドB5,B6,B7を受信する。応答コマンドB6は、要求コマンドA7を受信したグリッドg7によって発行されたものである。また、応答コマンドB7は、要求コマンドA6を受信したグリッドg6によって発行されたものである。グリッドg5は、応答コマンドB5,B6,B7を受信した後、返信コマンドC3を発行する。返信コマンドC3がブロック装置20まで送信されることにより、ブロック装置20からサーバ10へ、
図5に示すようなグリッドg5に関する情報が送信される。
【0142】
[第1登録コマンドの受信処理]
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって受信し得る。制御部34は、第1登録コマンドを受信すると、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。
【0143】
<グリッドではない場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないと判定すると、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって転送する。例えば、制御部34は、自装置に接続されている2個のブロック装置40のうち、自装置に第1登録コマンドを送信したブロック装置40ではない方のブロック装置40に、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって転送する。
【0144】
図13に、敷設された複数のブロック装置40における第1登録コマンド等の流れを説明する図を示す。
図13では、ブロック装置20は、第1登録コマンドD1を発行する。第1登録コマンドD1は、グリッドg5を対象グリッドとする。第1登録コマンドD1は、登録コマンドID2と、対象グリッドとしてのグリッドg5の識別情報と、目的地情報と、グリッドg5から原点に向かうルートを示すルート情報とを含む。このルート情報は、
図4に示すようなルートRg5を示す。
【0145】
図13では、ブロック装置41の制御部34は、第1登録コマンドD1をブロック装置20から受信する。ブロック装置41の制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する。ブロック装置41の制御部34は、自装置に接続されているブロック装置20,40g1のうち、第1登録コマンドD1を自装置に送信したブロック装置20ではない方のブロック装置40g1に、返信コマンドC2を転送する。
【0146】
<グリッドである場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、自装置がグリッドであると判定すると、自装置が対象グリッドであるか否かを判定する。例えば、制御部34は、自装置の識別情報と第1登録コマンドの対象グリッドの識別情報とを比較することにより、自装置が対象グリッドであるか否かを判定する。
【0147】
<<対象グリッドではない場合の処理>>
制御部34は、自装置が対象グリッドではないと判定する場合、ルート情報に基づいて、第1登録コマンドが対象グリッドに向けて送信されるように、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって転送する。本実施形態では、制御部34は、ルート情報が示すルートの逆方向に第1登録コマンドが転送されるように、第1登録コマンドを自装置に接続されているブロック装置40に、第1通信部31Aによって転送する。例えば、制御部34は、自装置の識別情報と、ルート情報のグリッドの識別情報の列とを比較することにより、自装置から第1登録コマンドを転送するグリッドを特定する。自装置から第1登録コマンドを転送するグリッドは、自装置の四方グリッドに含まれる。制御部34は、自装置の四方グリッドの情報から、自装置から見た、自装置から第1登録コマンドを転送するグリッドが位置する方向の情報を取得する。制御部34は、特定した方向に接続されるブロック装置40に、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって転送する。
【0148】
例えば、
図13では、グリッドg1の制御部34は、ブロック装置41から第1登録コマンドD1を受信する。グリッドg1の制御部34は、自装置が対象グリッドではないと判定する。グリッドg1の制御部34は、「0x101」との自装置の識別情報と、「0x105→0x104→0x101」とのグリッドの識別情報の列とを比較することにより、自装置から第1登録コマンドを転送するグリッドがグリッドg4であると特定する。制御部34は、
図9に示すような自装置の四方グリッドの情報から、自装置から見たグリッドg4の方向が第2方向d2であると特定する。グリッドg1の制御部34は、自装置の第2方向d2に接続されているブロック装置42に、第1登録コマンドD1を転送する。
【0149】
例えば、
図13では、グリッドg4の制御部34は、第1登録コマンドD1を受信する。グリッドg4の制御部34は、自装置が対象グリッドではないと判定する。グリッドg4の制御部34は、自装置の第3方向d3に接続されているブロック装置40に、第1登録コマンドD1を転送する。
【0150】
<<対象グリッドである場合の処理>>
制御部34は、自装置が対象グリッドであると判定する場合、第1登録コマンドに含まれる目的地情報を自装置に対応付けて登録する。例えば、目的地情報が「トイレ前」との情報である場合、制御部34は、
図14に示すように「トイレ前」との目的地情報をブロック情報として登録する。制御部34は、自装置に対応付けられた登録済みの目的地情報が存在する場合、新たな目的地情報によって、自装置に対応付けられている登録済みの目的地情報を更新してよい。
【0151】
制御部34は、目的地情報を登録又は更新すると、自装置を発行元とする第2登録コマンドを発行する。第2登録コマンドは、自装置の四方グリッドに、目的地情報を登録させるためのコマンドである。第2登録コマンドは、登録コマンドID2と、対象グリッドである自装置の識別情報と、目的地情報とを含む。制御部34は、第2登録コマンドを、自装置の四方グリッドに向けて第1通信部31Aによって送信する。例えば、制御部34は、第2登録コマンドを、自装置から見た四方グリッドが位置する方向に接続されているブロック装置40に、第1通信部31Aによって送信する。
【0152】
例えば、
図13では、グリッドg5の制御部34は、グリッドg5を発行元とする第2登録コマンドE1,E2,E3,E4を発行する。第2登録コマンドE1~E4は、各々、登録コマンドID2と、「0x105」とのグリッドg5の識別情報と、「トイレ前」との目的地情報とを含む。グリッドg5の制御部34は、第2登録コマンドE1,E2,E3,E4の各々をグリッドg4,g7,g6,g2の各々に向けて送信する。
【0153】
制御部34は、第2登録コマンドを送信した後、第1完了コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40から、第1通信部31Aによって受信する。第1完了コマンドは、四方グリッドが目的地情報の登録を完了したことを示す。第1完了コマンドは、目的地情報の登録を完了した四方グリッドの識別情報と、登録コマンドID2とを含む。
【0154】
制御部34は、第2登録コマンドを送信した全ての四方グリッドから第1完了コマンドを第1通信部31Aによって受信すると、自装置を発行元とする第2完了コマンドを発行する。制御部34は、ブロック情報を参照して返信方向の情報を取得し、返信方向に接続されたブロック装置40に第2完了コマンドを第1通信部31Aによって送信する。
【0155】
例えば、
図13では、グリッドg5の制御部34は、グリッドg4,g7,g6,g2から、各々、第1完了コマンドF1,F2,F3,F4を受信する。グリッドg5の制御部34は、第1完了コマンドF1~F4の全てを受信すると、第2完了コマンドG1を発行する。グリッドg5の制御部34は、第2完了コマンドG1を、
図14に示すような自装置の返信方向である第1方向d1に接続されているブロック装置40に送信する。
【0156】
[第2登録コマンドの受信処理]
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、第2登録コマンドを第1通信部31Aによって受信し得る。制御部34は、第2登録コマンドを受信すると、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。
【0157】
<グリッドではない場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないと判定すると、第2登録コマンドを第1通信部31Aによって転送する。例えば、制御部34は、自装置に接続されている2個のブロック装置40のうち、自装置に第2登録コマンドを送信したブロック装置40ではない方のブロック装置40に、第2登録コマンドを第1通信部31Aによって転送する。
【0158】
例えば、
図13では、ブロック装置44の制御部34は、第2登録コマンドE4を、自装置に接続されているブロック装置40から受信する。ブロック装置44の制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する。ブロック装置44の制御部34は、第2登録コマンドE4をブロック装置40g2に第1通信部31Aによって転送する。
【0159】
<グリッドである場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、自装置がグリッドであると判定すると、第2登録コマンドの目的地情報を対象グリッドに対応付けて登録する。例えば、制御部34は、第2登録コマンドから、対象グリッドの識別情報及び目的地情報を取得する。制御部34は、自装置の四方グリッドの情報において、対象グリッドの識別情報と同じ識別情報の四方グリッドに目的地情報を対応付けて登録する。制御部34は、対象グリッドに対応付けられた登録済みの目的地情報が存在する場合、新たな目的地情報によって、対象グリッドに対応付けられている登録済の目的地情報を更新してよい。
【0160】
例えば、
図13では、グリッドg2の制御部34は、第2登録コマンドE4を受信する。グリッドg2の制御部34は、自装置がグリッドであると判定する。グリッドg2の制御部34は、
図15に示すような四方グリッドの情報において、対象グリッドであるグリッドg5の識別情報と同じ識別情報である「0x105」に、「トイレ前」との目的地情報を対応付けて登録する。
【0161】
制御部34は、目的地情報を登録又は更新すると、自装置を発行元とする第1完了コマンドを発行する。第1完了コマンドは、自装置への目的地情報の登録が完了したことを示す通知である。第1完了コマンドは、登録コマンドID2と、自装置の識別情報とを含む。制御部34は、第1完了コマンドを、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、自装置に第2登録コマンドを送信したブロック装置40に、第1通信部31Aによって送信する。
【0162】
例えば、
図13では、グリッドg2の制御部34は、第1完了コマンドF4を、自装置に第2登録コマンドE4を送信したブロック装置44に、送信する。
【0163】
[第2完了コマンドの受信処理]
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、第2完了コマンドを第1通信部31Aによって受信し得る。制御部34は、第2完了コマンドを受信すると、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。
【0164】
<グリッドである場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、自装置がグリッドであると判定すると、記憶部33のブロック情報を参照し、返信方向の情報を取得する。制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40のうち、返信方向に接続されているブロック装置40に第2完了コマンドを第1通信部31Aによって転送する。
【0165】
<グリッドではない場合の処理>
制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する場合、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないと判定すると、第2完了コマンドを第1通信部31Aによって転送する。例えば、制御部34は、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、第2完了コマンドを自装置に送信したブロック装置40ではない方のブロック装置40に、第1通信部31Aによって転送する。
【0166】
[通常時の処理]
制御部34は、白杖4がブロック装置30に近づけられると、第2通信部31Bによってブロック装置30と白杖4との間で近距離無線通信の実行を開始する。制御部34は、記憶部33に目的地情報が格納されている場合、目的地情報を白杖4に第2通信部31Bによって送信する。制御部34は、自装置に対応付けられている目的地情報のみを白杖4に送信してもよいし、自装置に対応付けられている目的地情報及び四方グリッドに対応付けられている目的地情報の両方を白杖4に送信してもよい。又は、制御部34は、四方グリッドに対応付けられている目的地情報のみを白杖4に送信してもよい。
【0167】
制御部34は、四方グリッドに対応付けられている目的地情報を白杖4に送信する場合、四方グリッドに対応付けられている目的地情報とともに自装置から見た四方グリッドの位置情報を白杖4に送信してもよい。この場合、白杖4は、ブロック装置30から、四方グリッドに対応付けられている目的地情報とともにブロック装置30から見た四方グリッドの位置情報を受信し得る。ブロック装置30から見た四方グリッドの位置情報がカウント数を示す距離の情報を含む場合、白杖4は、カウント数を実際の距離に変換し、実際の距離の情報とともに四方グリッドに対応付けられている目的地情報をユーザに報知してよい。ブロック装置30から見た四方グリッドの位置情報がブロック装置30から見た四方グリッドの方向の情報を含む場合、白杖4は、ブロック装置30から見た四方グリッドの方向の情報を実際の方位の情報に変換してよい。さらに、白杖4は、変換後の実際の方位の情報とともに四方グリッドに対応付けられている目的地情報をユーザに報知してよい。ブロック装置20と同一又は類似に、制御部34は、四方グリッドに対応付けられている目的地情報とともに四方グリッドの相対位置の情報を白杖4に送信してもよい。この場合、白杖4は、ブロック装置30から、四方グリッドに対応付けられている目的地情報とともに四方グリッドの相対位置の情報を受信し得る。白杖4は、上述したように、四方グリッドに対応付けられている目的地情報とともに四方グリッドの相対位置の情報をユーザに報知してよい。
【0168】
(ブロックシステムの動作)
図16及び
図17は、ブロックシステム1が実行するグリッドに関する情報の取得処理の動作を示すシーケンス図である。
図16及び
図17において、ブロック装置50及びブロック装置52は、グリッドではないブロック装置30である。グリッド51及びグリッド53は、グリッドであるブロック装置30である。ブロック装置50は、ブロック装置20とグリッド51との間に接続されている。
図16及び
図17では、ブロック装置20とグリッド51との間に接続されているブロック装置50の数は、1個である。ただし、ブロック装置52とグリッド51との間に接続されているブロック装置50の数は、任意の数であってよい。ブロック装置52は、グリッド51とグリッド53との間に接続されている。
図16及び
図17では、グリッド51とグリッド53との間に接続されているブロック装置52の数は、1個である。ただし、グリッド51とグリッド53との間に接続されているブロック装置52の数は、任意の数であってよい。ブロックシステム1は、複数のブロック装置40が新たに敷設されたり、複数のブロック装置40の接続関係が変更されたりすると、
図16に示すようなステップS10の処理を開始する。
【0169】
サーバ10では、制御部13は、地図生成コマンドを、ネットワーク2を介してブロック装置20に通信部11によって送信する(ステップS1)。
【0170】
ブロック装置20では、制御部24は、ネットワーク2を介してサーバ10から、地図生成コマンドを第3通信部21Cによって受信する(ステップS2)。制御部24は、自装置を要求元とする要求コマンドを発行し、発行した要求コマンドをブロック装置50に第1通信部21Aによって送信する(ステップS3)。
【0171】
ブロック装置50では、制御部34は、ブロック装置20から、要求コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS4)。制御部34は、要求コマンドに含まれるカウント情報が示すカウントを1カウント繰り上げる(ステップS5)。制御部34は、カウントを繰り上げた後のカウント情報を含む要求コマンドを、グリッド51に第1通信部31Aによって送信する(ステップS6)。
【0172】
グリッド51では、制御部34は、ブロック装置50から、要求コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS7)。制御部34は、自装置を応答元とする応答コマンドを発行し、発行した応答コマンドを、ステップS7の処理で受信した要求コマンドの要求元であるブロック装置20に向けて第1通信部31Aによって送信する(ステップS8)。
【0173】
ブロック装置50では、制御部34は、グリッド51から、応答コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS9)。制御部34は、応答コマンドをブロック装置20に第1通信部31Aによって転送する(ステップS10)。
【0174】
ブロック装置20では、制御部24は、ブロック装置50から、応答コマンドを第1通信部21Aによって受信する(ステップS11)。制御部24は、ブロック装置20に関する情報を、ネットワーク2を介してサーバ10に第3通信部31Cによって送信する(ステップS12)。
【0175】
サーバ10では、制御部13は、ネットワーク2を介してブロック装置20から、ブロック装置20に関する情報を通信部11によって受信する(ステップS13)。
【0176】
ブロックシステム1は、ステップS13の処理を実行した後、
図17に示すようなステップS14の処理に進む。
【0177】
グリッド51では、制御部34は、新たな要求コマンドを発行し、発行した新たな要求コマンドをグリッド53に向けて第1通信部31Aによって送信する(ステップS14)。
【0178】
ブロック装置52では、制御部34は、グリッド51から、要求コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS15)。制御部34は、要求コマンドに含まれるカウント情報が示すカウントを1カウント繰り上げる(ステップS16)。制御部34は、カウントを繰り上げた後のカウント情報を含む要求コマンドを、グリッド53に第1通信部31Aによって送信する(ステップS17)。
【0179】
グリッド53では、制御部34は、ブロック装置52から、要求コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS18)。制御部34は、自装置を応答元とする応答コマンドを発行し、発行した応答コマンドを、ステップS18の処理で受信した要求コマンドの要求元であるグリッド51に向けて第1通信部31Aによって送信する(ステップS19)。
【0180】
ブロック装置52では、制御部34は、グリッド53から、応答コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS20)。制御部34は、応答コマンドをグリッド51に向けて第1通信部31Aによって転送する(ステップS21)。
【0181】
グリッド51では、制御部34は、ブロック装置52から、応答コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS22)。制御部34は、自装置を返信元とする返信コマンドを発行し、発行した返信コマンドを、ブロック装置50に第1通信部31Aによって送信する(ステップS23)。
【0182】
ブロック装置50では、制御部34は、グリッド51から、返信コマンドを、第1通信部31Aによって受信する(ステップS24)。制御部34は、返信コマンドを、ブロック装置20に第1通信部31Aによって転送する(ステップS25)。
【0183】
ブロック装置20では、制御部24は、ブロック装置50から、返信コマンドを第1通信部21Aによって受信する(ステップS26)。制御部24は、グリッドに関する情報を、ネットワーク2を介してサーバ10に、第3通信部21Cによって送信する(ステップS27)。
【0184】
サーバ10では、制御部13は、ネットワーク2を介してブロック装置20から、グリッドに関する情報を通信部11によって受信する(ステップS28)。ブロックシステム1は、ステップS28の処理の実行後、グリッドに関する情報の取得処理を終了する。
【0185】
図18及び
図19は、ブロックシステム1が実行する目的地情報を登録する処理の動作を示すシーケンス図である。ブロック装置55及びブロック装置57は、グリッドではないブロック装置30である。対象グリッド56は、対象グリッドとなるブロック装置30である。四方グリッド58は、対象グリッド56の四方グリッドとなるブロック装置30である。ブロック装置55は、ブロック装置20と対象グリッド56との間に接続されている。
図18及び
図19では、ブロック装置20と対象グリッド56との間に接続されているブロック装置55の数は、1個である。ただし、ブロック装置20と対象グリッド56との間に接続されているブロック装置55の数は、任意の数であってよい。ブロック装置57は、対象グリッド56と四方グリッド58との間に接続されている。
図18及び
図19では、対象グリッド56と四方グリッド58との間に接続されているブロック装置57の数は、1個である。ただし、対象グリッド56と四方グリッド58との間に接続されているブロック装置57の数は、任意の数であってよい。ブロックシステム1は、
図18に示すようなステップS31の処理から開始する。
【0186】
サーバ10では、制御部13は、目的地登録コマンドを、ネットワーク2を介してブロック装置20に、通信部11によって送信する(ステップS31)。
【0187】
ブロック装置20では、制御部24は、ネットワーク2を介してサーバ10から、目的地登録コマンドを第3通信部21Cによって受信する(ステップS32)。制御部24は、自装置を発行元とする第1登録コマンドを発行し、発行した第1登録コマンドを対象グリッド56に向けて第1通信部21Aによって送信する(ステップS33)。
【0188】
ブロック装置55では、制御部34は、ブロック装置20から、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS34)。制御部34は、第1登録コマンドを、対象グリッド56に第1通信部31Aによって転送する(ステップS35)。
【0189】
対象グリッド56では、制御部34は、ブロック装置55から、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS36)。制御部34は、第1登録コマンドに含まれる目的地情報を自装置に対応付けて登録する(ステップS37)。制御部34は、自装置を発行元とする第2登録コマンドを発行し、発行した第2登録コマンドを四方グリッド58に向けて第1通信部31Aによって送信する(ステップS38)。
【0190】
ブロック装置57では、制御部34は、対象グリッド56から、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS39)。制御部34は、第1登録コマンドを、四方グリッド58に、第1通信部31Aによって転送する(ステップS40)。
【0191】
四方グリッド58では、制御部34は、ブロック装置57から、第2登録コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS41)。制御部34は、第2登録コマンドに含まれる目的地情報を対象グリッド56の識別情報に対応付けて登録する(ステップS42)。
【0192】
ブロックシステム1は、
図18に示すようなステップS42の処理を実行した後、
図19に示すようなステップS43の処理に進む。
【0193】
四方グリッド58では、制御部34は、自装置を発行元とする第1完了コマンドを発行し、発行した第1完了コマンドを対象グリッド56に向けて第1通信部31Aによって送信する(ステップS43)。
【0194】
ブロック装置57では、制御部34は、四方グリッド58から、第1完了コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS44)。制御部34は、第1完了コマンドを、対象グリッド56に第1通信部31Aによって転送する(ステップS45)。
【0195】
対象グリッド56では、制御部34は、ブロック装置57から、第1完了コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS46)。制御部34は、自装置の全ての四方グリッドから第1完了コマンドを受信すると、自装置を発行元とする第2完了コマンドを発行し、発行した第2完了コマンドをブロック装置55に第1通信部31Aによって送信する(ステップS47)。
【0196】
ブロック装置55では、制御部34は、対象グリッド56から、第2完了コマンドを第1通信部31Aによって受信する(ステップS48)。制御部34は、第2完了コマンドを、ブロック装置20に第1通信部31Aによって送信する(ステップS49)。
【0197】
ブロック装置20では、制御部24は、ブロック装置55から、第2完了コマンドを第1通信部21Aによって受信する(ステップS50)。制御部24は、完了通知を、ネットワーク2を介してサーバ10に、第3通信部21Cによって送信する(ステップS51)。
【0198】
サーバ10では、制御部13は、ネットワーク2を介してブロック装置20から、完了通知を通信部11によって受信する(ステップS52)。ブロックシステム1は、ステップS52の処理の実行後、目的地情報を登録する処理を終了する。
【0199】
(ブロック装置の動作)
図20は、ブロック装置20が実行する地図生成コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。制御部24は、任意のタイミングで、
図20に示すようなステップS61の処理を開始してよい。例えば、制御部24は、自装置の電源がオン状態になると、
図20に示すようなステップS61の処理を開始する。
【0200】
制御部24は、ネットワーク2を介してサーバ10から、地図生成コマンドを第3通信部21Cによって受信したか否かを判定する(ステップS61)。制御部24は、地図生成コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS61:NO)、ステップS61の処理を再度実行する。一方、制御部24は、地図生成コマンドを受信したと判定した場合(ステップS61:YES)、ステップS62の処理に進む。
【0201】
ステップS62の処理では、制御部24は、自装置を要求元とする要求コマンドを発行する。制御部24は、発行した要求コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40に第1通信部21Aによって送信する(ステップS63)。
【0202】
制御部24は、自装置に接続されているブロック装置40から、応答コマンドを第1通信部21Aによって受信したか否かを判定する(ステップS64)。制御部24は、応答コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS64:NO)、ステップS64の処理を再度実行する。一方、制御部24は、応答コマンドを受信したと判定する場合(ステップS64:YES)、ステップS65の処理に進む。
【0203】
ステップS65の処理では、制御部24は、応答コマンドから応答元の識別情報及び応答元の相対位置の情報を取得し、取得したこれらの情報を、自装置の四方グリッドの情報として登録する。
【0204】
制御部24は、ブロック装置20に関する情報を、ネットワーク2を介してサーバ10に第3通信部21Cによって送信する(ステップS66)。
【0205】
制御部24は、返信コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40から、第1通信部21Aによって受信したか否かを判定する(ステップS67)。制御部24は、返信コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS67:NО)、ステップS67の処理を再度実行する。一方、制御部24は、返信コマンドを受信したと判定する場合(ステップS67:YES)、ステップS68の処理に進む。
【0206】
ステップS68の処理では、制御部24は、グリッドに関する情報を、ネットワーク2を介してサーバ10に、第3通信部21Cによって送信する。制御部24は、ステップS68の処理の実行後、地図生成コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部24は、ブロック装置20の電源がオフ状態になるまで、ステップS61からの処理を再び実行してよい。
【0207】
図21は、ブロック装置20が実行する目的地登録コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。制御部24は、任意のタイミングで、
図21に示すようなステップS71の処理を開始してよい。例えば、制御部24は、自装置の電源がオン状態になると、
図21に示すようなステップS71の処理を開始する。
【0208】
制御部24は、ネットワーク2を介してサーバ10から、目的地登録コマンドを第3通信部21Cによって受信したか否かを判定する(ステップS71)。制御部24は、目的地登録コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS71:NO)、ステップS71の処理を再度実行する。一方、制御部24は、目的地登録コマンドを受信したと判定する場合(ステップS71:YES)、ステップS72の処理に進む。
【0209】
ステップS72の処理では、制御部24は、目的地登録コマンドが自装置すなわちブロック装置20の識別情報を含むか否かを判定する。目的地登録コマンドが対象グリッドの識別情報の代わりにブロック装置20の識別情報を含む場合、制御部24は、目的地登録コマンドが自装置の識別情報を含むと判定し得る。制御部24は、目的地登録コマンドが自装置の識別情報を含むと判定する場合(ステップS72:YES)、ステップS73の処理に進む。一方、制御部24は、目的地登録コマンドが自装置の識別情報を含まないと判定する場合(ステップS72:NO)、ステップS74の処理に進む。
【0210】
ステップS73の処理では、制御部24は、目的地登録コマンドの目的地情報を自装置に対応付けて登録する。上述したように、目的地登録コマンドは、ブロック装置20の四方グリッドの識別情報及び四方グリッドの目的地情報を含み得る。ステップS73の処理において、制御部24は、目的地登録コマンドからブロック装置20の四方グリッドの識別情報及び四方グリッドの目的地情報を取得してよい。さらに、制御部24は、取得した四方グリッドの目的地情報を四方グリッドの識別情報に対応付けて登録してよい。
【0211】
ここで、ステップS73の処理において、制御部24は、自装置に対応付けられている登録済みの目的地情報が存在する場合、新たな目的地情報によって、自装置に対応付けられている登録済みの目的地情報を更新してよい。また、制御部24は、四方グリッドの識別情報に対応付けられた登録済みの目的地情報が存在する場合、新たな四方グリッドの目的地情報によって、四方グリッドの識別情報に対応付けられた登録済みの目的地情報を更新してよい。
【0212】
ステップS73の処理を実行した後、制御部24は、ステップS77の処理に進む。
【0213】
ステップS74の処理では、制御部24は、自装置を発行元とする第1登録コマンドを発行する。制御部24は、ルート情報に基づいて、第1登録コマンドが対象グリッドに向けて送信されるように、第1登録コマンドを自装置に接続されているブロック装置40に、第1通信部21Aによって送信する(ステップS75)。
【0214】
制御部24は、第2完了コマンドを、自装置に接続されたブロック装置40から第1通信部21Aによって受信したか否かを判定する(ステップS76)。制御部24は、第2完了コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS76:NO)、ステップS76の処理を再度実行する。一方、制御部24は、第2完了コマンドを受信したと判定する場合(ステップS76:YES)、ステップS77の処理に進む。
【0215】
ステップS77の処理では、制御部24は、完了通知を、ネットワーク2を介してサーバ10に、第3通信部21Cによって送信する。制御部24は、ステップS77の処理の実行後、目的地登録コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部24は、ブロック装置20の電源がオフ状態になるまで、ステップS71からの処理を再び実行してよい。
【0216】
(ブロック装置の動作)
図22、
図23及び
図24は、ブロック装置30が実行する要求コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。制御部34は、任意のタイミングで、
図22に示すようなステップS81の処理を開始してよい。例えば、制御部34は、自装置の電源がオン状態になると、
図22に示すようなステップS81の処理を開始する。
【0217】
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、要求コマンドを第1通信部31Aによって受信したか否かを判定する(ステップS81)。制御部34は、要求コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS81:NO)、ステップS81の処理を再度実行する。一方、制御部34は、要求コマンドを受信したと判定する場合(ステップS81:YES)、ステップS82の処理に進む。
【0218】
ステップS82の処理では、制御部34は、要求コマンドに含まれる地図生成コマンドID1を取得し、取得した地図生成コマンドID1がブロック情報として登録済みであるか否かを判定する。制御部34は、地図生成コマンドID1が登録済みであると判定する場合(ステップS82:YES)、
図24に示すようなステップS103の処理に進む。一方、制御部34は、地図生成コマンドID1が登録済みでないと判定した場合(ステップS82:NO)、ステップS83の処理に進む。
【0219】
ステップS83の処理では、制御部34は、地図生成コマンドID1をブロック情報として登録する。制御部34は、自装置がグリッドであるか否かを判定する(ステップS84)。制御部34は、自装置がグリッドではないと判定する場合(ステップS84:NO)、ステップS85の処理に進む。一方、制御部34は、自装置がグリッドであると判定する場合(ステップS84:YES)、ステップS88の処理に進む。
【0220】
ステップS85の処理では、制御部34は、ブロック情報に、自装置がグリッドではないことを示すグリッドフラグを立てる。制御部34は、要求コマンドに含まれるカウント情報が示すカウントを1カウント繰り上げる(ステップS86)。制御部34は、カウントを繰り上げた後のカウント情報を含む要求コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40に第1通信部31Aによって送信する(ステップS87)。制御部34は、ステップS87の処理の実行後、要求コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS81からの処理を再び実行してよい。
【0221】
ステップS88の処理では、制御部34は、ブロック情報に、自装置がグリッドであることを示すグリッドフラグを立てる。制御部34は、受信した要求コマンドに含まれる、要求元から見た要求コマンドの送信方向の情報と、カウント情報と、要求元の相対位置の情報とによって、自装置の相対位置を特定する(ステップS89)。制御部34は、特定した自装置の相対位置の情報をブロック情報として登録する(ステップS90)。制御部34は、要求コマンドに含まれる要求元から見た要求コマンドの送信方向とは反対の方向を、返信方向として特定する(ステップS91)。制御部34は、特定した返信方向をブロック情報として登録する(ステップS92)。
【0222】
制御部34は、ステップS92の処理を実行した後、
図23に示すようなステップS93の処理に進む。
【0223】
図23に示すようなステップS93の処理では、制御部34は、要求コマンドの要求元の識別情報及び要求元の相対位置の情報を、自装置の四方グリッドの情報として登録する。制御部34は、自装置を応答元とする応答コマンドを発行する(ステップS94)。制御部34は、発行した応答コマンドを、
図22に示すようなステップS81の処理で受信したと判定した要求コマンドの要求元に向けて、第1通信部31Aによって送信する(ステップS95)。
【0224】
制御部34は、自装置を要求元とする新たな要求コマンドを発行する(ステップS96)。制御部34は、新たな要求コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40に、第1通信部31Aによって送信する(ステップS97)。
【0225】
制御部34は、応答コマンドを、自装置に接続されているブロック装置40から第1通信部21Aによって受信したか否かを判定する(ステップS98)。制御部34は、応答コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS98:NO)、ステップS98の処理を再度実行する。一方、制御部34は、応答コマンドを受信したと判定する場合(ステップS98:YES)、ステップS99の処理に進む。
【0226】
ステップS99の処理では、制御部34は、ステップS98の処理で受信したと判定した応答コマンドの応答元であるグリッドの識別情報及び位置情報を、自装置の四方グリッドの情報として登録する。制御部34は、自装置を要求元とする要求コマンドに対する全ての応答コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS100)。制御部34は、全ての応答コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS100:NO)、ステップS98の処理に戻る。一方、制御部34は、全ての応答コマンドを受信したと判定する場合(ステップS100:YES)、ステップS101の処理に進む。
【0227】
ステップS101の処理では、制御部34は、自装置を返信元とする返信コマンドを発行する。制御部34は、返信コマンドを、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、返信方向に接続されているブロック装置40に、第1通信部31Aによって送信する(ステップS102)。制御部34は、ステップS102の処理の実行後、要求コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、
図22に示すようなステップS81からの処理を再び実行してよい。
【0228】
図24に示すようなステップS103の処理では、制御部34は、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS103:NO)、ステップS104の処理に進む。一方、制御部34は、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS103:YES)、ステップS107の処理に進む。
【0229】
ステップS104の処理では、制御部34は、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、要求コマンドに含まれるカウント情報のカウントを1カウント繰り上げる(ステップS105)。制御部34は、カウントを繰り上げた後のカウント情報を含む要求コマンドを自装置に接続されているブロック装置40に第1通信部31Aによって送信する(ステップS106)。制御部34は、ステップS106の処理の実行後、要求コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、
図22に示すようなステップS81からの処理を再び実行してよい。
【0230】
ステップS107の処理では、制御部34は、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、自装置を応答元とする応答コマンドを発行する(ステップS108)。制御部34は、発行した応答コマンドを、
図22に示すようなステップS81の処理で受信したと判定した要求コマンドの要求元に向けて、第1通信部31Aによって送信する(ステップS109)。制御部34は、ステップS109の処理の実行後、要求コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、
図22に示すようなステップS81からの処理を再び実行してよい。
【0231】
図25は、ブロック装置30が実行する返信コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。制御部34は、任意のタイミングで、
図25に示すようなステップS111の処理を開始してよい。例えば、制御部34は、自装置の電源がオン状態になると、
図25に示すようなステップS81の処理を開始する。
【0232】
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、返信コマンドを第1通信部31Aによって受信したか否かを判定する(ステップS111)。制御部34は、返信コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS111:NO)、ステップS111の処理を再度実行する。一方、制御部34は、返信コマンドを受信したと判定する場合(ステップS111:YES)、ステップS112の処理に進む。
【0233】
ステップS112の処理では、制御部34は、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないことをリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS112:NO)、ステップS113の処理に進む。一方、制御部34は、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS112:YES)、ステップS115の処理に進む。
【0234】
ステップS113の処理では、制御部34は、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、返信コマンドを第1通信部31Aによって転送する(ステップS114)。制御部34は、ステップS114の処理の実行後、返信コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS111からの処理を再び実行してよい。
【0235】
ステップS115の処理では、制御部34は、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、返信コマンドに含まれるルート情報を更新する(ステップS116)。制御部34は、更新後のルート情報を含む返信コマンドを、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、返信方向に接続されているブロック装置40に第1通信部31Aによって送信する(ステップS117)。制御部34は、ステップS117の処理の実行後、返信コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS111からの処理を再び実行してよい。
【0236】
図26は、ブロック装置30が実行する第1登録コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。制御部34は、任意のタイミングで、
図26に示すようなステップS121の処理を開始してよい。例えば、制御部34は、自装置の電源がオン状態になると、
図26に示すようなステップS121の処理を開始する。
【0237】
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって受信したか否かを判定する(ステップS121)。制御部34は、第1登録コマンドを受信しないと判定する場合(ステップS121:NO)、ステップS121の処理を再度実行する。一方、制御部34は、第1登録コマンドを受信したと判定する場合(ステップS121:YES)、ステップS122の処理に進む。
【0238】
ステップS122の処理では、制御部34は、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS122:NO)、ステップS123の処理に進む。一方、制御部34は、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS122:YES)、ステップS125の処理に進む。
【0239】
ステップS123の処理では、制御部34は、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって転送する(ステップS124)。制御部34は、ステップS124の処理の実行後、第1登録コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS121からの処理を再び実行してよい。
【0240】
ステップS125の処理では、制御部34は、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、自装置が対象グリッドであるか否かを判定する(ステップS126)。制御部34は、自装置が対象グリッドではないと判定する場合(ステップS126:NO)、ステップS127の処理に進む。一方、制御部34は、自装置が対象グリッドであると判定する場合(ステップS126:YES)、ステップS128の処理に進む。
【0241】
ステップS127の処理では、制御部34は、ルート情報に基づいて、第1登録コマンドが対象グリッドに向けて送信されるように、第1登録コマンドを第1通信部21Aによって転送する。制御部34は、ステップS127の処理の実行後、第1登録コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS121からの処理を再び実行してよい。
【0242】
ステップS128の処理では、制御部34は、第1登録コマンドに含まれる目的地情報を自装置に対応付けて登録する。
【0243】
ここで、ステップS128の処理において、制御部34は、自装置に対応付けられた登録済みの目的地情報が存在する場合、新たな目的地情報によって、自装置に対応付けられている登録済みの目的地情報を更新する。
【0244】
ステップS129の処理では、制御部34は、自装置を発行元とする第2登録コマンドを発行する。制御部34は、第2登録コマンドを、自装置の四方グリッドに向けて第1通信部21Aによって送信する(ステップS130)。
【0245】
制御部34は、第2登録コマンドを送信した全ての四方グリッドから第1完了コマンドを第1通信部31Aによって受信したか否かを判定する(ステップS131)。制御部34は、全ての四方グリッドから第1完了コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS131:NO)、ステップS131の処理を再度実行する。一方、制御部34は、全ての四方グリッドから第1完了コマンドを受信したと判定する場合(ステップS131:YES)、ステップS132の処理に進む。
【0246】
ステップS132の処理では、制御部34は、自装置を発行元とする第2完了コマンドを発行する。制御部34は、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、返信方向に接続されたブロック装置40に第2完了コマンドを第1通信部31Aによって送信する(ステップS133)。制御部34は、ステップS133の処理の実行後、第1登録コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS121からの処理を再び実行してよい。
【0247】
図27は、ブロック装置30が実行する第2登録コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。制御部34は、任意のタイミングで、
図27に示すようなステップS141の処理を開始してよい。例えば、制御部34は、自装置の電源がオン状態になると、
図27に示すようなステップS141の処理を開始する。
【0248】
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、第2登録コマンドを第1通信部31Aによって受信したか否かを判定する(ステップS141)。制御部34は、第2登録コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS141:NO)、ステップS141の処理を再度実行する。一方、制御部34は、第2登録コマンドを受信したと判定する場合(ステップS141:YES)、ステップS142の処理に進む。
【0249】
ステップS142の処理では、制御部34は、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS142:NO)、ステップS143の処理に進む。一方、制御部34は、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS142:YES)、ステップS145の処理に進む。
【0250】
ステップS143の処理では、制御部34は、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、第2登録コマンドを第1通信部31Aによって転送する(ステップS144)。制御部34は、ステップS144の処理の実行後、第2登録コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS141からの処理を再び実行してよい。
【0251】
ステップS145の処理では、制御部34は、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、第2登録コマンドから対象グリッドの識別情報及び目的地情報を取得し、対象グリッドの識別情報に対応付けて目的地情報を登録する(ステップS146)。
【0252】
ここで、ステップS146の処理において、制御部34は、対象グリッドに対応付けられた登録済みの目的地情報が存在する場合、新たな目的地情報によって、対象グリッドに対応付けられている登録済の目的地情報を更新する。
【0253】
ステップS147の処理では、制御部34は、自装置を発行元とする第1完了コマンドを発行する。制御部34は、第1完了コマンドを、自装置に接続されている複数のブロック装置40のうち、自装置に第2登録コマンドを送信したブロック装置40に、第1通信部31Aによって送信する(ステップS148)。制御部34は、ステップS148の処理の実行後、第2登録コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS141からの処理を再び実行してよい。
【0254】
図28は、ブロック装置30が実行する第2完了コマンドの受信処理の動作を示すフローチャートである。制御部34は、任意のタイミングで、
図27に示すようなステップS151の処理を開始してよい。例えば、制御部34は、自装置の電源がオン状態になると、
図28に示すようなステップS151の処理を開始する。
【0255】
制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40から、第2完了コマンドを第1通信部31Aによって受信したか否かを判定する(ステップS151)。制御部34は、第2完了コマンドを受信したと判定しない場合(ステップS151:NO)、ステップS151の処理を再度実行する。一方、制御部34は、第2完了コマンドを受信したと判定する場合(ステップS151:YES)、ステップS152の処理に進む。
【0256】
ステップS152の処理では、制御部34は、記憶部33のブロック情報を参照し、自装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すか否かを判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないことをグリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS152:NO)、ステップS153の処理に進む。一方、制御部34は、装置がグリッドであることをグリッドフラグが示すと判定する場合(ステップS152:YES)、ステップ155の処理に進む。
【0257】
ステップS153の処理では、自装置がグリッドではないと判定する。制御部34は、自装置がグリッドではないと判定すると、第2完了コマンドを第1通信部31Aによって転送する(ステップS154)。制御部34は、ステップS154の処理の実行後、第2完了コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS151からの処理を再び実行してよい。
【0258】
ステップS155の処理では、制御部34は、自装置がグリッドであると判定する。制御部34は、自装置に接続されているブロック装置40のうち、返信方向に接続されているブロック装置40に第2完了コマンドを第1通信部31Aによって転送する(ステップS156)。制御部34は、ステップS156の処理の実行後、第2完了コマンドの受信処理を終了する。ただし、制御部34は、ブロック装置30の電源がオフ状態になるまで、ステップS151からの処理を再び実行してよい。
【0259】
このように本実施形態に係るブロック装置30では、制御部34は、要求コマンドを第1通信部31Aによって受信すると、自装置がグリッドであるか否かを判定する。制御部34は、自装置がグリッドであると判定した場合、自装置の位置情報をグリッドの位置情報として特定する。このような構成により、グリッドであるブロック装置30の位置情報を自動的に取得することができる。また、複数のブロック装置40を敷設し直しても、要求コマンドをブロック装置30へ送信することにより、グリッドであるブロック装置30の位置情報を速やかに取得することができる。
【0260】
さらに、本実施形態では、制御部34は、自装置がグリッドであると判定した場合、自装置の位置情報を特定する。このような構成により、ブロック装置30は、自動的に、自装置の位置情報を特定するブロック装置30及び自装置の位置情報を特定しないブロック装置30の何れか一方に分けられる。したがって、本実施形態では、位置情報を取得するブロック装置と位置情報を取得しないブロック装置との2種類のブロック装置を準備しなくてもよい。
【0261】
よって、本実施形態によれば、ブロック装置40の情報を容易に管理することができる技術が提供される。
【0262】
また、本実施形態に係るブロック装置30では、制御部34は、自装置がグリッドであると判定した場合、第1登録コマンドを第1通信部31Aによって受信すると、自装置が対象グリッドであるか否かを判定する。制御部34は、自装置が対象グリッドであると判定する場合、目的地情報を自装置に対応付けて登録する。制御部34は、自装置に対応付けられた登録済みの目的地情報が存在する場合、新たな目的地情報によって、自装置に対応付けられている済みの目的地情報を更新する。このような構成により、例えば手作業で対象グリッドに目的地情報を登録又は更新するよりも、対象グリッドに目的地情報を容易に登録又は更新することができる。また、このような構成により、対象グリッドに目的地情報を柔軟に登録又は更新することができる。したがって、ブロック装置30は、利便性に優れたものとなる。
【0263】
例えば、駅のプラットフォームに複数のブロック装置30を敷設する例を想定する。駅のプラットフォームには、数分置きに、各駅停車及び急行列車等を含む任意の種類の電車が停車する。この場合、目的地情報は、駅のプラットフォームに停車する電車の種類の情報であってよい。目的地情報が数分置きに変わる場合であっても、サーバ10からブロック装置20へ目的地登録コマンドを数分置きに送信することにより、ブロック装置30の目的地情報を数分置きに更新することができる。
【0264】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0265】
例えば、上述した実施形態では、ルート情報は、対象グリッド又は返信元から原点に向かうルートを示すルート情報を含むものとして説明した。ただし、ルート情報は、対象グリッド又は返信元から原点までのルートを示す情報であればよい。例えば、ルート情報は、原点から対象グリッド又は返信元に向かうルートを示す情報であってもよい。
【0266】
例えば、上述した実施形態では、ブロック装置20の通信部21は、第2通信部21Bを有するものとして説明した。また、ブロック装置30の通信部31は、第2通信部31Bを有するものとして説明した。ただし、通信部21が第2通信部21Bを有する代わりに、ブロック装置20には、QRコード(登録商標)が付されていてよい。また、通信部31が第2通信部31Bを有する代わりに、ブロック装置30には、QRコード(登録商標)が付されていてよい。QRコード(登録商標)は、当該QRコード(登録商標)を読み取ることにより、当該QRコード(登録商標)が付されたブロック装置20又はブロック装置40の識別情報を提供するものであってよい。この場合、白杖4は、QRコード(登録商標)を読み取り可能なカメラを備える。白杖4は、カメラによってQRコード(登録商標)を読み取ることにより、QRコード(登録商標)が付されたブロック装置20又はブロック装置30の識別情報を取得する。白杖4は、ネットワーク2を介してサーバ10に、ブロック装置20又はブロック装置30の識別情報を送信する。サーバ10では、制御部13は、ネットワーク2を介して白杖4から、ブロック装置20又はブロック装置30の識別情報を通信部11によって受信する。サーバ10では、制御部13は、ブロック装置20又はブロック装置30の識別情報によって、QRコード(登録商標)が付されたブロック装置20又はブロック装置30の目的地情報を特定する。制御部13は、ネットワーク2を介して白杖4に、特定した目的地情報を通信部11によって送信する。白杖4は、ネットワーク2を介してサーバ10から目的地情報を受信すると、受信した目的地情報をユーザに報知する。例えば、白杖4は、目的地情報を音声として出力することにより、又は目的地情報に応じて振動することにより、目的地情報をユーザに報知する。
【0267】
例えば、上述した実施形態では、ユーザは、白杖4を使用するものとして説明した。ただし、ユーザによって使用されるものは、白杖4に限定されない。ユーザは、白杖4以外の任意の態様のデバイスを使用してよい。一例として、ユーザは、本実施形態における白杖4と同一又は類似の機能を有するスマートフォン又は他のデバイス等を使用してよい。
【0268】
例えば、ブロック装置20では、制御部24は、取得した新たな情報によって、登録済みのブロック情報又は四方ブロックの情報を更新してよい。例えば、制御部24は、自装置の位置情報を特定した場合、ブロック情報に登録済みの自装置の位置情報が存在する場合、新たに取得した自装置の位置情報によって、ブロック情報に登録済みの自装置の位置情報を更新してよい。
【0269】
例えば、ブロック装置30では、制御部34は、取得した新たな情報によって、登録済みのブロック情報又は四方ブロックの情報を更新してよい。例えば、制御部34は、自装置の位置情報を特定した場合、ブロック情報に登録済みの自装置の位置情報が存在する場合、新たに取得した自装置の位置情報によって、ブロック情報に登録済みの自装置の位置情報を更新してよい。
【0270】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1登録コマンドは、第2登録コマンドと識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も、当該構成は、区別される。識別子は、削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈及び小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0271】
1 ブロックシステム
2 ネットワーク
3 通信線
4 白杖
10 サーバ
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 ブロック装置
21 通信部
21A 第1通信部
21B 第2通信部
21C 第3通信部
22 バッテリ
23 記憶部
24 制御部
30 ブロック装置
31 通信部
31A 第1通信部
31B 第2通信部
32 バッテリ
33 記憶部
34 制御部
40,40g1~40g8,41~44,50,52,55,57 ブロック装置
51,53,g1~g8 グリッド
56 対象グリッド
58 四方グリッド
d1 第1方向
d2 第2方向
d3 第3方向
d4 第4方向
A1~A7 要求コマンド
B1~B7 応答コマンド
C1~C3 返信コマンド
D1 第1登録コマンド
E1~E4 第2登録コマンド
F1~F4 第1完了コマンド
G1 第2完了コマンド
Rg5 ルート