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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053153
(43)【公開日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ワンタッチ取付ヒンジ
(51)【国際特許分類】
   E05D 7/12 20060101AFI20230404BHJP
   E05D 7/10 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
E05D7/12 B
E05D7/12 D
E05D7/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019082
(22)【出願日】2023-02-10
(62)【分割の表示】P 2019078707の分割
【原出願日】2019-04-17
(31)【優先権主張番号】P 2018215379
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 志朗
(57)【要約】
【課題】2部材間にワンタッチで簡易に取り付けられるヒンジを提供する。
【解決手段】このヒンジHでは、ヒンジ本体1、ヒンジ羽根2のいずれも、取付ベース4、5と、一対の軸受42、52と、一対のフック43、53と、コイルスプリングとを備え、ヒンジ本体1、ヒンジ羽根2をそれぞれ、各軸受42、52を各フック43、53とともに取付プレートの取付孔B20、D10にワンプッシュで通し、取付プレートの一方の面側で取付ベース4、5のフランジ411、511を取付孔B20、D10の縁部に圧接するとともに、他方の面側で各フック43、53を取付孔B20、D10の縁部に係止する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と扉とを含む2部材のうち、一方の部材の平面状のヒンジ本体側の取付部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部を有するヒンジ本体と、他方の部材のコーナー部で2方 向の面からなるヒンジ羽根側の取付部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部を有するヒンジ羽根と、前記ヒンジ本体と前記ヒンジ羽根の各ヒンジピン挿通部に挿通され、これらヒンジ本体及びヒンジ羽根を連結するヒンジピンとを備え、一方の部材に対して他方の部材を回動可能に結合するヒンジであって、
前記ヒンジ羽根は、
前記ヒンジ羽根側の取付部にその2方向の面に跨って当接可能な2つの平面を有する羽根取付ベースと、
前記羽根取付ベースの2つの平面の周縁部をフランジとして残されて当該各平面間にブ ロックが形成され、前記ブロックにおいて前記羽根取付ベースの前記2つの平面のうち前 記ヒンジ羽根側の取付部の一方向の面側に対応する一方の平面とは反対側に位置する面から前記ヒンジ本体と前記ヒンジ羽根の各ヒンジピン挿通部に挿通される前記ヒンジピンの挿通方向に並列に突出されるヒンジ羽根側の一対の軸受、及び前記ブロックにおいて前記ヒンジピンの挿通方向に対して交差方向になる2面で前記羽根取付ベースの前記一方の平 面に隣接する縁部にそれぞれ前記ヒンジ羽根側の取付部の前記一方向の面の厚みよりも僅 かに大きく形成されるヒンジ羽根側の2つの溝と、
前記ヒンジ羽根側の一対の軸受間に嵌合可能に略コマ状に形成されて、前記ヒンジ羽根 側の一対の軸受間に嵌合可能に配置されて当該各軸受に対向される両側部で前記羽根取付ベースの他方の平面から離間される一端の縁部側に回動中心を設けられ、前記ヒンジ羽根側の一対の軸受間に嵌合配置されて当該各軸受間から外側に表れる外面部から他端の縁部にかけてを係止爪とし、前記ヒンジ羽根側の一対の軸受間に嵌合配置され、前記ヒンジ羽根側の一対の軸受の前記羽根取付ベースの他方の面から離間される一端側に軸を介して回動可能に支持されて、前記係止爪を前記ヒンジ羽根の一対の軸受の各突出端間から出没可能に配置されるヒンジ羽根側のフックと、
前記ヒンジ羽根側のフックと前記ヒンジ羽根側の一対の軸受間との間に介装され、前記 係止爪を常態として前記ヒンジ羽根側の一対の軸受の各突出端間から突出可能に回動付勢するヒンジ羽根側のばね部材と、
を備え、
前記ヒンジ羽根側の取付部に、前記ヒンジ羽根側の取付部の前記他方向の面に形成され、前記ヒンジ羽根側のブロックを一対の軸受とともに嵌装可能な他方向の面側の開口と前記ヒンジ羽根側の取付部の前記一方向の面に前記他方向の面側の開口に連通して形成され 、前記ヒンジ羽根の前記ブロックの各溝に係合可能な2つの係止縁部を有する一方向の面 側の開口とからなるヒンジ羽根側の取付孔を形成されて、
前記ヒンジ羽根は、前記ヒンジ羽根側のブロック及び一対の軸受が前記フックとともに前記ヒンジ羽根側の取付孔の前記他方向の面側の開口に前記ヒンジ羽根側の取付部の一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通されて、前記一方の面側で前記ヒンジ羽根取付ベースのフランジが前記ヒンジ羽根側の取付孔の縁部周囲に圧接されるとともに、前記他方の面側で、前記ヒンジ羽根側の2つの溝と前記ヒンジ羽根側の取付孔の前記一方向の面側の開口の前記各係止縁部が係合し、前記ヒンジ羽根側のフックの前記係止爪が前記ヒンジ羽根側の取付孔の前記他方向の開口の縁部又は縁部周囲に係止されて、前記ヒンジ羽根側の取付部に取り付けられる、
ことを特徴とするワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項2】
フックは、一端の縁部側に回動中心として軸挿通部が設けられ、他端側の縁部が円の中心を前記回動中心よりも前記一端部の縁部側でかつ外面部とは反対側の内面部寄りの位置におく円弧状に形成される請求項1に記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項3】
フックは、外面部がヒンジ羽根側の一対の軸受の各突出端と略平行に形成され、一端の縁部が断面略V字形の突状に形成され、内面部が前記外面部と対称的に前記外面部と平行に又は平行よりも少し開く方向に向けて形成される請求項2に記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項4】
フックの内面部に筒状の孔が形成され、ばね部材としてコイルスプリングを採用され、前記コイルスプリングが一端を前記フックの孔に保持され、他端をヒンジ羽根側の一対の軸受間の底部に保持されて、前記フックと前記各軸受間との間に介装される請求項1乃至3のいずれかに記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項5】
ヒンジ本体は、
ヒンジ本体側の取付部に当接可能な平面を有するヒンジ本体取付ベースと、
前記ヒンジ本体取付ベースの前記平面の周縁部をフランジとして残され、前記平面から 平行に突出されるヒンジ本体側の一対の軸受と、
各々、前記ヒンジ本体側の一対の軸受間に嵌合可能に略コマ状に形成されて、前記ヒンジ本体側の一対の軸受間に嵌合可能に配置されて当該各軸受に対向される両側部で当該各軸受の突出端側に対応する一端の縁部側に回動中心を設けられ、前記ヒンジ本体側の一対の軸受間に嵌合配置されて当該各軸受間から外側に表れる外面部から他端の縁部にかけてを係止爪とし、前記ヒンジ本体側の一対の軸受間に当該各軸受の一方の両側縁部側と他方の両側縁部側に対称的に嵌合配置され、前記ヒンジ本体側の一対の軸受の突出端側の両側に一対の軸を介して回動可能に支持されて、前記各係止爪を前記ヒンジ本体側の一対の軸受の一方の両側縁部間と他方の両側縁部間から出没可能に配置されるヒンジ本体側の一対のフックと、
前記ヒンジ本体側の一対のフック間に又は当該各フックと前記ヒンジ本体側の一対の軸 受間との間に介装され、前記各係止爪を常態として前記ヒンジ本体側の一対の軸受の一方 の両側縁部間と他方の両側縁部間から突出可能に回動付勢するヒンジ本体側のばね部材と、
を備え、
前記ヒンジ本体側の取付部に前記ヒンジ本体側の一対の軸受を嵌装可能にヒンジ本体側の取付孔を形成されて、
前記ヒンジ本体は、前記ヒンジ本体側の一対の軸受が前記各係止爪とともに前記ヒンジ 本体側の取付部の前記ヒンジ本体側の取付孔に当該取付部の一方の面側から他方の面側に 向けてワンプッシュで通されて、前記一方の面側で前記ヒンジ本体取付ベースのフランジ が前記ヒンジ本体側の取付孔の縁部周囲に圧接されるとともに、前記他方の面側で前記ヒ ンジ本体側の各フックの前記各係止爪が前記ヒンジ本体側の取付孔の縁部又は縁部周囲に 係止されて、前記ヒンジ本体側の取付部に取り付けられる、
請求項1乃至4のいずれかに記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気、電子機器その他各種の機器を収納するラックなどに使用するヒンジに関し、特に、筐体と扉との間など2部材間にワンタッチで簡易に装着できるワンタッチ取付ヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気、電子機器などを収納するラックは筐体と扉とからなり、通常、扉が筐体の正面に複数のヒンジを介して開閉可能に取り付けられる。この種のラックに使用されるヒンジは、筐体の正面の一方の側部に取り付けられる筐体側のヒンジ本体と、扉の内側で一方の側部に筐体側のヒンジ本体に対応して取り付けられる扉側のヒンジ羽根と、これらヒンジ本体及びヒンジ羽根を連結するヒンジピンとにより構成される。
【0003】
この種のヒンジ(蝶番)が特許文献1に記載されている。この文献1のヒンジは、筐体側のヒンジ本体と、扉側のヒンジ羽根と、これらヒンジ本体とヒンジ羽根を連結するヒンジピンとを備える。筐体側のヒンジ本体は、断面略L字形に形成される本体と、その一端に円筒状に形成されるピン挿通部とにより構成される。扉側のヒンジ羽根は、平面状又は断面略L字形に形成される羽根本体と、その一端又は両端間に筐体側のヒンジのピン挿通部に連続的に配置可能に一対の円筒状に形成されるピン挿通部とにより構成される。このようにして筐体側のヒンジ本体は筐体正面の一方の側部所定の位置に溶接又は取付ねじにより設置固定され、ピン挿通部が筐体正面の一方の側部に沿って上下方向に向けて配置される。扉側のヒンジ羽根は扉の内側で一方の側部所定の位置に溶接又は取付ねじにより設置固定され、ピン挿通部が扉の内側で一方の側部に沿って上下方向に向けて配置される。ヒンジピンはこのヒンジの回転軸で、これらヒンジ本体及びヒンジ羽根の各ピン挿通部に挿通可能な長さを有する棒材からなり、上端にフランジを有し、下端側の周囲に溝が形成されてこの溝にEリングが嵌着されるようになっている。
筐体に扉を取り付ける場合、筐体正面に扉を位置合せし、筐体側のヒンジ本体と扉側のヒンジ羽根とをそれぞれのピン挿通部が連通するように組み合わせて、これらのピン挿通部に上方からヒンジピンを挿通しその下端の溝にEリングを嵌着して、筐体側のヒンジ本体と扉側のヒンジ羽根とを連結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-166375公報(段落0002-段落0004、図4図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のヒンジでは、筐体側のヒンジ本体を筐体正面の一側部に溶接又は取付ねじで取り付け、さらに、扉側のヒンジ羽根を扉の一側部に溶接又は取付ねじにより取り付けるため、これらヒンジ部品の取り付け作業が煩雑で、容易でない、という問題がある。また、これらヒンジ本体、ヒンジ羽根をいずれも取付ねじで取り付ける場合は、全体として多くの取付ねじを必要とし、部品点数が増大して、コスト高になる、という問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、筐体と扉など2部材にヒンジ部品を溶接や取付ねじを用いることなしにワンタッチで簡易に取り付けることができ、また、溶接や取付ねじを用いないことで、ヒンジの取り付けに要する部品点数を大幅に削減し、コストの大幅な低減を図ることのできるワンタッチ取付ヒンジを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、
筐体と扉とを含む2部材のうち、一方の部材の平面状のヒンジ本体側の取付部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部を有するヒンジ本体と、他方の部材のコーナー部で2方向の面からなるヒンジ羽根側の取付部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部を有するヒンジ羽根と、前記ヒンジ本体と前記ヒンジ羽根の各ヒンジピン挿通部に挿通され、これらヒンジ本体及びヒンジ羽根を連結するヒンジピンとを備え、一方の部材に対して他方の部材を回動可能に結合するヒンジであって、
前記ヒンジ羽根は、
前記ヒンジ羽根側の取付部にその2方向の面に跨って当接可能な2つの平面を有する羽
根取付ベースと、
前記羽根取付ベースの2つの平面の周縁部をフランジとして残されて当該各平面間にブロックが形成され、前記ブロックにおいて前記羽根取付ベースの前記2つの平面のうち前記ヒンジ羽根側の取付部の一方向の面側に対応する一方の平面とは反対側に位置する面から前記ヒンジ本体と前記ヒンジ羽根の各ヒンジピン挿通部に挿通される前記ヒンジピンの挿通方向に並列に突出されるヒンジ羽根側の一対の軸受、及び前記ブロックにおいて前記ヒンジピンの挿通方向に対して交差方向になる2面で前記羽根取付ベースの前記一方の平面に隣接する縁部にそれぞれ前記ヒンジ羽根側の取付部の前記一方向の面の厚みよりも僅かに大きく形成されるヒンジ羽根側の2つの溝と、
前記ヒンジ羽根側の一対の軸受間に嵌合可能に略コマ状に形成されて、前記ヒンジ羽根側の一対の軸受間に嵌合可能に配置されて当該各軸受に対向される両側部で前記羽根取付ベースの他方の平面から離間される一端の縁部側に回動中心を設けられ、前記ヒンジ羽根側の一対の軸受間に嵌合配置されて当該各軸受間から外側に表れる外面部から他端の縁部にかけてを係止爪とし、前記ヒンジ羽根側の一対の軸受間に嵌合配置され、前記ヒンジ羽根側の一対の軸受の前記羽根取付ベースの他方の面から離間される一端側に軸を介して回動可能に支持されて、前記係止爪を前記ヒンジ羽根の一対の軸受の各突出端間から出没可能に配置されるヒンジ羽根側のフックと、
前記ヒンジ羽根側のフックと前記ヒンジ羽根側の一対の軸受間との間に介装され、前記係止爪を常態として前記ヒンジ羽根側の一対の軸受の各突出端間から突出可能に回動付勢するヒンジ羽根側のばね部材と、
を備え、
前記ヒンジ羽根側の取付部に、前記ヒンジ羽根側の取付部の前記他方向の面に形成され、前記ヒンジ羽根側のブロックを一対の軸受とともに嵌装可能な他方向の面側の開口と前記ヒンジ羽根側の取付部の前記一方向の面に前記他方向の面側の開口に連通して形成され、前記ヒンジ羽根の前記ブロックの各溝に係合可能な2つの係止縁部を有する一方向の面側の開口とからなるヒンジ羽根側の取付孔を形成されて、
前記ヒンジ羽根は、前記ヒンジ羽根側のブロック及び一対の軸受が前記フックとともに前記ヒンジ羽根側の取付孔の前記他方向の面側の開口に前記ヒンジ羽根側の取付部の一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通されて、前記一方の面側で前記ヒンジ羽根取付ベースのフランジが前記ヒンジ羽根側の取付孔の縁部周囲に圧接されるとともに、前記他方の面側で、前記ヒンジ羽根側の2つの溝と前記ヒンジ羽根側の取付孔の前記一方向の面側の開口の前記各係止縁部が係合し、前記ヒンジ羽根側のフックの前記係止爪が前記ヒンジ羽根側の取付孔の前記他方向の開口の縁部又は縁部周囲に係止されて、前記ヒンジ羽根側の取付部に取り付けられる、
ことを要旨とする。
【0008】
また、このワンタッチ取付ヒンジのヒンジ羽根は各部が次のような構成を備えることが好ましい。
(1)フックは、一端の縁部側に回動中心として軸挿通部が設けられ、他端側の縁部が円の中心を前記回動中心よりも前記一端部の縁部側でかつ外面部とは反対側の内面部寄りの位置におく円弧状に形成される。
(2)フックは、外面部がヒンジ羽根側の一対の軸受の各突出端と略平行に形成され、一端の縁部が断面略V字形の突状に形成され、内面部が前記外面部と対称的に前記外面部と平行に又は平行よりも少し開く方向に向けて形成される。
(3)フックの内面部に筒状の孔が形成され、ばね部材としてコイルスプリングを採用され、前記コイルスプリングが一端を前記フックの孔に保持され、他端をヒンジ羽根側の一対の軸受間の底部に保持されて、前記フックと前記各軸受間との間に介装される。
(4)この場合、ヒンジ本体は、
ヒンジ本体側の取付部に当接可能な平面を有するヒンジ本体取付ベースと、
前記ヒンジ本体取付ベースの前記平面の周縁部をフランジとして残され、前記平面から平行に突出されるヒンジ本体側の一対の軸受と、
各々、前記ヒンジ本体側の一対の軸受間に嵌合可能に略コマ状に形成されて、前記ヒンジ本体側の一対の軸受間に嵌合可能に配置されて当該各軸受に対向される両側部で当該各軸受の突出端側に対応する一端の縁部側に回動中心を設けられ、前記ヒンジ本体側の一対の軸受間に嵌合配置されて当該各軸受間から外側に表れる外面部から他端の縁部にかけてを係止爪とし、前記ヒンジ本体側の一対の軸受間に当該各軸受の一方の両側縁部側と他方の両側縁部側に対称的に嵌合配置され、前記ヒンジ本体側の一対の軸受の突出端側の両側に一対の軸を介して回動可能に支持されて、前記各係止爪を前記ヒンジ本体側の一対の軸受の一方の両側縁部間と他方の両側縁部間から出没可能に配置されるヒンジ本体側の一対のフックと、
前記ヒンジ本体側の一対のフック間に又は当該各フックと前記ヒンジ本体側の一対の軸受間との間に介装され、前記各係止爪を常態として前記ヒンジ本体側の一対の軸受の一方の両側縁部間と他方の両側縁部間から突出可能に回動付勢するヒンジ本体側のばね部材と、
を備え、
前記ヒンジ本体側の取付部に前記ヒンジ本体側の一対の軸受を嵌装可能にヒンジ本体側の取付孔を形成されて、
前記ヒンジ本体は、前記ヒンジ本体側の一対の軸受が前記各係止爪とともに前記ヒンジ本体側の取付部の前記ヒンジ本体側の取付孔に当該取付部の一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通されて、前記一方の面側で前記ヒンジ本体取付ベースのフランジが前記ヒンジ本体側の取付孔の縁部周囲に圧接されるとともに、前記他方の面側で前記ヒンジ本体側の各フックの前記各係止爪が前記ヒンジ本体側の取付孔の縁部又は縁部周囲に係止されて、前記ヒンジ本体側の取付部に取り付けられることが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のワンタッチ取付ヒンジによれば、ヒンジ羽根の上記の構成により、ヒンジ羽根側の取付部に、ヒンジ羽根側の取付部の他方向の面に形成され、ヒンジ羽根側のブロックを一対の軸受とともに嵌装可能な他方向の面側の開口とヒンジ羽根側の取付部の一方向の面に他方向の面側の開口に連通して形成され、ヒンジ羽根のブロックの各溝に係合可能な2つの係止縁部を有する一方向の面側の開口とからなるヒンジ羽根側の取付孔を形成されて、ヒンジ羽根は、ヒンジ羽根側のブロック及び一対の軸受がフックとともにヒンジ羽根側の取付孔の他方向の面側の開口にヒンジ羽根側の取付部の一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通されて、一方の面側で、ヒンジ羽根取付ベースのフランジがヒンジ羽根側の取付孔の縁部周囲に圧接されるとともに、他方の面側で、ヒンジ羽根側の2つの溝とヒンジ羽根側の取付孔の一方向の面側の開口の各係止縁部が係合し、ヒンジ羽根側のフックの係止爪がヒンジ羽根側の取付孔の他方向の開口の縁部又は縁部周囲に係止されて、ヒンジ羽根側の取付部に取り付けられるので、ヒンジ羽根側の取付部がコーナー部で2面からなる場合であっても、扉などの部材にヒンジ羽根を溶接や取付ねじを用いることなしにワンタッチで簡易に取り付けることができ、また、溶接や取付ねじを用いないことで、ヒンジ羽根の取り付けに要する部品点数を大幅に削減し、コストの大幅な低減を図ることができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ本体の全体構成を示す図(斜視図)
図2】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ本体の各部の構成を示す図((a-1)は平面図(a-2)は側面図(b-1)は平面断面図(b-2)は側面断面図)
図3】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ本体に用いられるフックの構成を示す図((a)は側面断面図(b)は内側他方の側縁部の図)
図4】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ羽根の全体構成を示す図(斜視図)
図5】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ羽根の各部の構成を示す図((a)は一対のフックが一対の軸受から外方に突出された状態の側面断面図(b)は一対のフックが一対の軸受の内方へ没入された状態の側面断面図)
図6】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ羽根に用いられるフックの構成を示す図((a)は側面断面図(b)は内側他方の側縁部の図)
図7】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジピンの構成を示す斜視図
図8】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、ヒンジ本体を筐体の取付プレートに取り付ける手順を示す図
図9】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、ヒンジ本体を筐体の取付プレートに取り付ける手順とヒンジ本体の持つ作用を併せて示す図((上段)は平面断面図(下段)は側面断面図)
図10】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、ヒンジ羽根を扉の取付プレートに取り付ける手順を示す図
図11】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、ヒンジ羽根を扉の取付プレートに取り付ける手順とヒンジ羽根の持つ作用を併せて示す図((上段)は平面断面図(下段)は側面断面図)
図12】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、筐体と扉がヒンジを介して取り付けられた状態を示す図((a)は扉が閉じられた状態での部分平面断面図(b)は扉が開けられた状態での部分平面断面図(c)は扉が閉じられた状態での部分側面断 面図)
図13】本発明の第2の実施の形態におけるワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ本体の全体構成を示す図(斜視図)
図14】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ本体の各部の構成を示す図((a)は平面図(b)は一部断面側面図)
図15】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ本体に用いられるフックの構成を示す図((a)は側面図(b)は側面断面図(c)は内面部を示す図)
図16】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ羽根の全体構成を示す図(斜視図)
図17】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ羽根の各部の構成を示す図((a)は平面断面図(b)は側面図)
図18】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ羽根に用いられるフックの構成を示す図((a)は側面図(b)は側面断面図(c)は内面部を示す図)
図19】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、ヒンジ本体を筐体の取付プレート(ヒンジ本体側の取付部)に取り付ける手順を示す図
図20】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、ヒンジ本体を筐体の取付プレートに取り付ける手順とヒンジ本体の持つ作用を併せて示す図((上段)は平面図(下段)は一部断面側面図)
図21】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、ヒンジ羽根を扉のコーナー部(ヒンジ羽根側の取付部)に取り付ける手順を示す図
図22】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、ヒンジ羽根を扉のコーナー部(ヒンジ羽根側の取付部)に取り付ける手順とヒンジ羽根の持つ作用を併せて示す図((上段)は平面断面図(下段)は一部断面側面図)
図23】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、筐体と扉がワンタッチ取付ヒンジを介して取り付けられた状態を示す図((a)は扉が閉じられた状態での部分平面断面図(b)は扉が開けられた状態での部分平面断面図(c)は扉が閉じられた状態での部分側面断面図)
図24】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示し、このヒンジを異なる厚さの2種類の取付プレートに適用した場合の、このヒンジの有する作用を示す図((a)は取付プレートの厚さが1.6mmの場合の部分断面側面図(b)は取付プレートの厚さが2.3mmの場合の部分断面側面図)
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1乃至図12に第1の実施の形態を示している。
図1図4及び図7にワンタッチ取付ヒンジの各部品を示している。
図1図4及び図7に示すように、ワンタッチ取付ヒンジH(以下、単にヒンジHという場合がある。)は、筐体と扉とを含む2部材のうち、一方の部材の取付プレートに取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部47を有するヒンジ本体1と、他方の部材の取付プレートに取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部57を有するヒンジ羽根2と、ヒンジ本体1とヒンジ羽根2の各ヒンジピン挿通部47、57に挿通され、これらヒンジ本体1及びヒンジ羽根2を連結するヒンジピン3とを備え、一方の部材に対して他方の部材を回動可能に結合するものであって、このヒンジHにおいては、ヒンジ本体1は一方の部材の取付プレートに、ヒンジ羽根2は他方の部材の取付プレートに、それぞれ、ワンタッチで取り付け可能な特別な取付構造を有する。
【0012】
この取付構造では、図1図4に示すように、ヒンジ本体1、ヒンジ羽根2のいずれも、各部材の取付プレートに当接可能な平面を有する取付ベース4、5と、取付ベース4、5の平面41、51の周縁部をフランジ411、511として残され、当該平面41、51から平行に突出される一対の軸受42、52と、一端の縁部431、531側に回動中心を設けられ、外側一方の側縁部432、532から他端の縁部433、533にかけてを係止爪43A、53Aとし、一対の軸受42間、52間に、各軸受42、52の突出端421側、521側の両側に一対の軸44、54を介して回動可能に支持されて、各係止爪43A、53Aを各軸受42、52の両側縁部422間、522間から出没可能に配置される一対のフック43、53と、一対のフック43間、53間に又は各フック43、53と各軸受42、52との間に介装され、各係止爪43A、53Aを常態として各軸受42、52の両側縁部422間、522間から突出可能に回動付勢するばね部材45、55とを備えて構成される。
【0013】
このヒンジHの場合、ヒンジ本体1は、図2に示すように、一対のフック42、軸44、ヒンジピンストッパー491d及びばね部材45を除く主体の部分が亜鉛ダイカストその他の金属材料により一体に形成され、水平断面が略L字形で上下に長く形成されて、一方の部材に取り付けられる取付ベース4と、この取付ベース4が一方の部材に取り付けられた際に一方の部材において内側に向けられる取付ベース4の一方の側部から外側方向に(この場合、およそ60°)斜めに向けて延びるヒンジアーム46と、このヒンジアーム46の先端縁部の上部及び下部にそれぞれ、軸方向を上下に向けて所定の長さの円筒状に形成される上下のヒンジピン挿通部47(47U、47D)とを有し、上下の各ヒンジピン挿通部47間が後述するヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部57を連通可能に溝形の間欠部48になっている。
また、このヒンジ本体1の場合、ヒンジアーム46が取付ベース4の一方の側部において縦に長い略長方形状の、全体としてフラットなプレートからなり、一方の部材側に向けられる斜めの側面に、一端を上のピン挿通部47Uの外周面の軸方向中間部所定の位置(この場合、軸方向中央の位置)に取って、他端を下のピン挿通部47Dの外周面の軸方向中間部所定の位置(この場合、軸方向中央の位置)に取って、略コ字形に溝491が形成される。この溝491は一部を除いて細幅で比較的深く形成され、上下の各ヒンジピン挿通部47の位置で外周面から内周面までが切り欠かれて開口される。また、この溝491のうち各ヒンジピン挿通部47の軸方向と直角に延びる両側の各溝491aの一部で各ヒンジピン挿通部47の軸方向と平行に延びる中間の溝491bの両端に近い各一部が少し幅広に形成されてこの幅広の部分に両側の幅細の各溝491aの延長上に沿って一対の突片491cが立ち上がり形成され、各突片491c間に両側の各幅細の各溝491aに連通する溝491aが併せて形成される。この略コ字形の溝491にはヒンジピンストッパー491dが取り付けられる。このヒンジピンストッパー491dは、後述するヒンジピン3にヒンジピン挿通部47内で係合しヒンジピン3を保持するためのもので、金属の線材、この場合、ステンレススチールの線材からなり、ヒンジ本体1の略コ字形の溝491(各一対の突片491c間の溝491aを含む)に嵌合可能に略コ字形に折り曲げられる。このようなヒンジピンストッパー491dが、ヒンジ本体1の略コ字形の溝491(各一対の突片491c間の溝491aを含む)に嵌め込まれ、各一対の突片491cがカシメられて固定され、このヒンジピンストッパー491dの両端側の一部が各ヒンジピン挿通部47の位置で各ヒンジピン挿通部47の内周面内に弦状に通される。
【0014】
かかるヒンジ本体1において、取付ベース4、一対の軸受42、一対のフック43、ばね部材45は次のように構成される。
【0015】
取付ベース4は、ヒンジアーム46と概ね同様に、縦に長い略長方形状の、全体としてフラットなプレートからなり、ヒンジアーム46側の面とは反対の面が一方の部材の取付プレートに当接可能な平面41になっている。一対の軸受42はそれぞれ、この取付ベース4の平面に一体に、この平面の全周縁部をフランジ411として残すように、取付ベース4の長辺方向中央で各長辺側の縁部41aよりも少し内側に入った位置に各長辺の縁部41aと平行に、所定の長さ、大きさを有する角形に、この場合、略長方形状に、全体としてフラットなプレート状に形成される。また、この場合、取付ベース4の平面41で一対の軸受42間の両端部にそれぞれ凸段状に、ここでは断面略長方形の凸状に、一対のフック43のための受け部412が併せて形成される。そして、各軸受42の突出端421側(つまり、取付ベース4とは反対側の端部側)の上下両側角部の近傍にそれぞれ、軸44を挿通可能な軸挿通部423が穿設される。なお、各軸受42の外側(言い換えれば、外向き)の平面で各軸挿通部423の全周縁部にテーパ状の溝425が併せて形成される。
【0016】
一対のフック43はそれぞれ、一対の軸受42の略長方形の平面の半面内に配置可能な大きさで、この略長方形の平面内で長辺方向中央位置を対称中心として対称的な形状になっている。図3に示すように、これらフック43の回動中心はそれぞれ、各軸受42の突出端421に対応する各フック43の一端の縁部431側で各軸受42の両側縁部422、424に対応する外側一方の側縁部432寄りに設けられて、ここに軸44を挿通可能に軸挿通部430が形成され、取付ベース4側に対応する各フック43の他端の縁部433は円の中心をフック43の回動中心よりもフック43の一端の縁部431に近くかつ内側他方の側縁部434寄りの位置におく円弧状に形成される。
【0017】
また、これらのフック43はそれぞれ、外側一方の側縁部432が軸受42の各側縁部422、424と平行に断面直線状のフラットな面として形成され、一端の縁部431は複合形状で、外側一方の側縁部432側の一部が円の中心をフック43の回動中心におく断面円弧状のフラットな面に形成され、内側他方の側縁部434側の残部がフック43の回動中心を対称中心として外側一方の側縁部432と対称的に斜めにフラットな面として形成され、内側他方の側縁部434は外側一方の側縁部432と平行に又は平行よりも少し開く方向に、ここでは後者の少し開く方向に向けてフラットな面として形成される。
そして、各フック43の他端の縁部433には内側他方の側縁部434側の端部に取付ベース4の各受け部412に係合可能に凸状に、ここでは断面台形状にストッパー435が併せて形成され、取付ベース4の各受け部412と各フック43の各ストッパー435との係合により、各フック43の各軸受42から突出方向への過度の回動、すなわち各フック43の各軸受42からの飛び出しが規制される。
【0018】
ばね部材45はコイルスプリングが採用される(以下、コイルスプリング45という。)。この場合、図2に示すように、各フック43の内側他方の側縁部434に円筒状の孔436が形成され、コイルスプリング45は両端を各フック43の孔436に保持されて各フック43間に介装される。また、この場合、各フック43の孔436は、図3に示すように、このヒンジ本体1が一方の部材の取付プレートの取付孔に取り付けられる際に一対の軸受42が各フック43とともに取付プレートの取付孔に通される前又は後で各フック43の各係止爪43Aが各軸受42の両側縁部422間、424間から突出されたときにコイルスプリング45を取付ベース4側に凸の円弧状に変形案内可能に、各フック43の内側他方の側縁部434の面に対して所定の角度を付けて形成され、かつこの孔436のフック43の他端の縁部433側の内周面の一部437が、一対の軸受42が各フック43とともに一方の部材の取付プレートの取付孔に通され各フック43の各係止爪43Aが各軸受42の両側縁部422間、424間に没入されたときにコイルスプリング45を取付プレート4とは反対側に凸の円弧状に変形案内可能に、孔436の奥側から開口側に向けて漸次拡径される所定の角度の傾斜を付けて形成される。
【0019】
ヒンジ本体4は各部がかかる構成を有し、図2に示すように、一対のフック43が一対の軸受42間に各軸受42の長辺方向中央の位置を対称中心として上下対称的に配置され、各軸受42の突出端421側の両側角部近傍の各軸挿通部423と各フック43の軸挿通部430とを合せ、これらの軸挿通部423、430にそれぞれ軸44が通されて、各軸受42間に上下方向に回動可能に支持され、各フック43(の各孔436)間にコイルスプリング45を介装されて組み立てられる。なお、各軸44の両端は各軸受42のテーパ状の溝425内でカシメられて固定される。
かくして各フック43は一端の縁部431側に回動中心を設けられ、外側一方の側縁部432から他端の縁部433にかけてを係止爪43Aとし、一対の軸受42間に、各軸受42の突出端421側の上下両側に一対の軸44を介して上下方向に回動可能に支持されて、各係止爪43Aが各軸受42の上下両側縁部422間、424間から出没可能に配置され、各フック43間のコイルスプリング45により各係止爪43Aが常態として各軸受42の上下両側縁部422間、424間から外方へ突出される。
【0020】
そして、このヒンジ本体1を一方の部材の取付プレートに取り付けるため、一方の部材の取付プレートに一対の軸受42が嵌装可能に取付孔が角形に、この場合、略長方形状の単純な形状に形成される。この場合、取付孔は長辺方向の寸法が各軸受42の両側縁部422、424の長辺方向の寸法と略同じかそれよりも僅かに大きく、短辺方向の寸法が各軸受42の外側(外向き)の面間の寸法と略同じかそれよりも僅かに大きく、全体として取付ベース4の平面の大きさより少し小さい開口として形成される。
【0021】
このようにしてヒンジ本体1は各軸受42が各フック43とともに取付プレートの取付孔に取付プレートの一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通され、一方の面側で取付ベース4のフランジ411が取付孔の縁部に圧接されるとともに、他方の面側で各フック43の各係止爪43Aが取付孔の縁部に係止されて、一方の部材の取付プレートに取り付けられる。
【0022】
このヒンジHの場合、ヒンジ羽根2は、図4に示すように、一対のフック53、軸54及びばね部材55(図5参照)を除く主体の部分が亜鉛ダイカストその他の金属材料により一体に形成され、他方の部材に取り付けられる取付ベース5と、この取付ベース5から突出されるヒンジブロック5Aとからなり、ヒンジブロック5Aの突出端に上下方向に円筒状のヒンジピン挿通部57を有し、このヒンジブロック5Aが既述のヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47間の間欠部48に嵌合可能で、ヒンジピン挿通部57がヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47に連通可能になっている。
【0023】
かかるヒンジ羽根2において、取付ベース5、一対の軸受52、一対のフック53、ばね部材55は次のように構成される。
【0024】
取付ベース5は、図5に示すように、縦に長い略長方形状の、全体としてフラットなプレートからなり、その一方の面が他方の部材の取付プレートに当接可能な平面51になっている。一対の軸受52はそれぞれ、取付ベース5の平面51に一体に形成されるヒンジブロック5Aの一部に設けられる。この場合、ヒンジブロック5Aは一対の軸受52と一対の軸受52の突出端521に設けられるヒンジピン挿通部57とからなる。一対の軸受52は取付ベース5の平面51に一体に、この平面51の全周縁部をフランジ511として残すように、取付ベース5の各長辺側の縁部51aよりも少し内側で各短辺側の縁部51bよりも少し内側に入った位置に各短辺側の縁部51bと平行に、所定の長さ、大きさを有する角形に、この場合、略長方形状の全体としてフラットなプレート状に形成され、ヒンジピン挿通部57は各軸受52の先端(突出端521)間が断面半円形の凸形状に形成され、その軸心上に円形に孔570を貫通して形成される。また、この場合、各軸受52の先端の両側で凸形状に近接する位置にそれぞれ、軸54を挿通可能な軸挿通部523が穿設される。さらには、一対の軸受52の突出端521側で後述する一対のフック53の一端の周囲に当たる部分として、各軸受52間に表れる凸形状の内面で孔570の両側が取付ベース5の平面51と平行に形成されて、一対のフック53のための受け部512が併せて形成される。
【0025】
一対のフック53はそれぞれ、図5に示すように、一対の軸受52の略長方形の平面の半面内に配置可能な大きさで、この略長方形の平面内で長辺方向中央位置を対称中心として対称的な形状になっている。これらフック53の回動中心はそれぞれ、各軸受52の突出端521に対応する各フック53の一端の縁部531側に設けられて、ここに軸54を挿通可能に軸挿通部530が形成され、取付ベース5側に対応する各フック53の他端の縁部533は円の中心をフック53の回動中心よりもフック53の一端の縁部531に近くかつ内側他方の側縁部534寄りの位置におく円弧状に形成される。
【0026】
また、これらのフック53はそれぞれ、外側一方の側縁部532が軸受52の各側縁部522、524と略平行に断面直線状のフラットな面として形成され、一端の縁部531は円の中心をフック53の回動中心におく断面円弧状のフラットな面に形成され、内側他方の側縁部534は外側一方の側縁部532と対称的に外側一方の側縁部532と平行よりも少し開く方向に向けてフラットな面として形成される。
そして、各フック53の一端の周面に、各フック53の各係止爪53Aが各軸受52の両側縁部522、524間から突出された状態で各軸受52間の各受け部512に係合可能に凸段状にストッパー535が形成されて、各軸受52間の各受け部512と各フック53の各ストッパー535との係合により、各フック53の各軸受52から突出方向への過度の回動、すなわち各フック53の各軸受52からの飛び出しが規制される。
【0027】
ばね部材55はコイルスプリングが採用される(以下、コイルスプリング55という。)。この場合、図5に示すように、各フック53の内側他方の側縁部534に円筒状の孔536が形成され、コイルスプリング55は両端を各フック53の孔536に保持されて各フック53間に介装される。また、この場合、各フック53の孔536は、図6に示すように、このヒンジ羽根2が他方の部材の取付プレートの取付孔に取り付けられる際に一対の軸受52が各フック53とともに取付プレートの取付孔に通される前又は後で各フック53の各係止爪53Aが各軸受52の両側縁部522間、524間から突出されたときにコイルスプリング55を取付ベース5側に凸の円弧状に変形案内可能に、各フック53の内側他方の側縁部534の面に対して所定の角度を付けて形成され、かつこの孔536のフック53の一端の縁部531側の内周面の一部537が、一対の軸受52が各フック53とともに他方の部材の取付プレートの取付孔に通され各フック53の各係止爪53Aが各軸受52の両側縁部522間、524間に没入されたときにコイルスプリング55を取付ベース5とは反対側に凸の円弧状に変形案内可能に、孔536の奥側から開口側に向けて漸次拡径される所定の角度の傾斜を付けて形成される。
【0028】
ヒンジ羽根2は各部がかかる構成を有し、図5に示すように、一対のフック53が一対の軸受52間に各軸受52の長辺方向中央の位置を対称中心として左右対称的に配置され、各軸受52の突出端521側の両側の各軸挿通部523と各フック53の軸挿通部530とを合せ、これらの軸挿通部523、530にそれぞれ軸(この場合、クリップピン)54が通されて、各軸受52間に左右方向に回動可能に支持され、各フック53(の各孔536)間にコイルスプリング55を介装されて組み立てられる。かくして各フック53は一端の縁部531側に回動中心を設けられ、外側一方の側縁部532から他端の縁部533にかけてを係止爪53Aとし、一対の軸受52間に、各軸受52の突出端521側の左右両側に一対の軸54を介して左右方向に回動可能に支持されて、各係止爪53Aが各軸受52の左右両側縁部522間、524間から出没可能に配置され、各フック53間のコイルスプリング55により各係止爪53Aが常態として各軸受52の左右両側縁部522間、524間から外方へ突出される。
【0029】
そして、このヒンジ羽根2を他方の部材の取付プレートに取り付けるため、他方の部材の取付プレートに一対の軸受52が嵌装可能に取付孔が角形に、この場合、略長方形状の単純な形状に形成される。この場合、取付孔は長辺方向の寸法が各軸受52の外側(外向き)の面間の寸法と略同じかそれよりも僅かに大きく、短辺方向の寸法が各軸受52の両側縁部522、524の長辺方向の寸法と略同じかそれよりも僅かに大きく、全体として取付ベース5の平面の大きさより少し小さい開口として形成される。
【0030】
このようにしてヒンジ羽根2は各軸受52が各フック53とともに取付プレートの取付孔に取付プレートの一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通され、一方の面側で取付ベース5のフランジ511が取付孔の縁部に圧接されるとともに、他方の面側で各フック53の各係止爪53Aが取付孔の縁部に係止されて、他方の部材の取付プレートに取り付けられる。
【0031】
なお、このヒンジHの場合、ヒンジピン3は、図7に示すように、2本のピン3A、3Bで構成され、それぞれ、ステンレススチールその他の金属棒材(丸棒材)からなり、略全体がヒンジ本体1のヒンジピン挿通部47からヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部57の半分まで挿通可能な長さと略同じか僅かに長い長さを有する直線形状に形成される。各ピン3A、3Bの先端は先端から後端に向けて漸次拡径されるテーパ状に形成される。各ピン3A、3Bの外周面には、各ピン3A、3Bの先端がヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47の挿入側の一端から間欠部48側の他端まで挿通されたときにヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47内に通されたヒンジピンストッパー491dに対応する先端側所定の位置と、各ピン3A、3Bがヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47からヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部57の略半分まで挿通されたときにヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47内に通されたヒンジピンストッパー491dに対応する中間部所定の位置にそれぞれ、ヒンジピンストッパー491dに係合可能な係止溝31、32が係止ガイド311、321とともに設けられる。この場合、先端側所定の位置の係止溝31は各ピン3A、3Bをヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47内に待機させるためのもので、ピン3A、3Bの外周面の先端側所定の位置をヒンジピンストッパー491aが嵌合可能に小径に形成して設けられ、この係止溝31の後端側に隣接する部分を係止溝31から漸次拡径されるテーパ状に形成されて係止溝31の後端側に隣接して係止ガイド311が設けられる。中間部所定の位置の係止溝32はヒンジ本体1とヒンジ羽根2の各ヒンジピン挿通部47、57との間に通された各ピン3A、3Bをロックするためのもので、ピン3A、3Bの外周面中間部所定の位置をヒンジピンストッパー491dが嵌合可能に小径に形成して設けられ、この係止溝32の先端側に隣接する部分を係止溝32から漸次拡径されるテーパ状に形成されて係止溝32の先端側に隣接して係止ガイド321が設けられる。そして、各ピン3A、3Bの後端はこの後端の少し先に小径部、すなわち、溝33を形成されてフランジ状に形成される。
【0032】
かくしてヒンジピン3をなす各ピン3A、3Bが一方の部材の側部に取り付けられるヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47から他方の部材の側部に取り付けられるヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部57に挿通されて、ヒンジ本体1及びヒンジ羽根2が連結され、一方の部材に他方の部材が回動可能に結合される。
【0033】
図8乃至図12にこのワンタッチ取付ヒンジHの使用例として、このヒンジHでラックの筐体に扉を取り付ける場合を例示している。
なお、図8図10に示すように、ラックRは、筐体Bと扉Dとからなる。図8に示すように、筐体Bは、正面の開口周囲に固定枠B1が設けられ、この固定枠B1の片側一方の側部プレートB2にヒンジ本体1が取り付けられる。この側部プレートB2が既述の取付プレートに該当する。以下、この側部プレートB2を取付プレートB2という。この取付プレートB2の上下両端所定の位置にそれぞれ、一対の取付孔B20(図8には上の取付孔のみ図示。)が形成される。この場合、一対の取付孔B20は取付プレートB2にヒンジ本体1の一対の軸受42を嵌装可能に角形(この場合、略長方形)に形成される。図10に示すように、扉Dは、正面の片側一方の側部D1にヒンジ羽根2が取り付けられる。この側部D1が既述の取付プレートに該当する。以下、この側部D1を取付プレートD1という。この取付プレートD1の上下両端所定の位置にそれぞれ、一対の取付孔D10(図10には上の取付孔のみ図示。)が形成される。この場合、一対の取付孔D10は取付プレートD1にヒンジ羽根2のヒンジブロック5A(一対の軸受52)を嵌装可能に角形(この場合、略長方形)に形成される。
【0034】
まず、図8に示すように、筐体Bの取付プレートB2の上下に、ヒンジ本体1を1つずつ取り付ける。なお、ヒンジ本体1は、使用前の通常の状態では、一対の軸受42の間で一対のフック43が各フック43間のコイルスプリング45(図2参照)により各軸受42の両側縁部422、424方向に押圧付勢されて、各フック43の外側一方の側縁部432から他端の縁部433の一部、すなわち、係止爪43Aが各軸受42の両側縁部422間、424間から外側に弾性的に突出され、取付ベース4の平面41で一対の軸受42間の両端部に凸段状に形成された各受け部412(図2参照)と各フック43の他端の縁部433の内側他方の側縁部434側の端部に形成された各ストッパー435との係合により、各フック43の各軸受42からの飛び出しが防止されている。
このヒンジ本体1を取付プレートB2の取付孔B20に取り付ける場合、ヒンジ本体1の取付ベース4の平面41に防水パッキン61を被着してから、ヒンジ本体1の各軸受42を縦向きにして取付プレートB2の取付孔B20の向きに合せ、各軸受42を各フック43とともに取付プレートB2の取付孔B20に差し込み、押し込む(ワンプッシュする)。
このようにすると、図9に示すように、ヒンジ本体1は各軸受42が、各軸受42の両側縁部422、424及び各外側(外向き)の平面が先端から中間へ、中間から基端へ取付プレートB2の取付孔B20の短辺方向及び長辺方向の各縁部を摺動しつつ、取付プレートB2の取付孔B20を通過する。この間、各軸受42の両側縁部422、424から外側に突出される各フック43の各係止爪43Aは取付プレートB2の取付孔B20の各短辺方向の縁部に接触して押圧され、各係止爪43Aが各フック43間のコイルスプリング45の付勢力に抗して(コイルスプリング45を圧縮しながら)各軸受42間に向けて回動し各軸受42の両側縁部422間内、424間内に没入されていく。そして(ヒンジ本体1が取付孔B20に押し込まれた瞬間)、各係止爪43Aが完全に各軸受42の両側縁部422間内、424間内に没入されて各軸受42が取付プレートB2の取付孔B20を完全に通過し、取付ベース1の平面41全周縁部のフランジ411が(防水パッキン61を介して)取付プレートB2の一方の面側で取付孔B20の全周縁部に当接するとともに、各軸受42内の各フック43は取付プレートB2の取付孔B20の通り抜けにより取付プレートB20の他方の面側で各フック43間のコイルスプリング45の付勢力(コイルスプリング45の弾性復帰)により各係止爪43Aが各軸受42間から各軸受42の両側縁部422、424方向に回動し各軸受42の両側縁部422間、424間から外側に突出されて、取付孔B20の各短辺方向の縁部に弾性係止される。ここで、このヒンジ本体1は、図3に示したように、各フック43の回動中心が各フック43の一端の縁部431側で外側一方の側縁部432寄りに設けられ、各フック43の他端の縁部433が円の中心を各フック43の回動中心よりも各フック43の一端の縁部431に近くかつ内側他方の側縁部434寄りの位置におく円弧状に形成されたことで、各フック43は、図9に示すように、各係止爪43Aの外側への回動とともに各係止爪43Aの円弧状の部分が取付孔B20の縁部に向けて迫り出して、取付孔B20の短辺方向の各縁部に食い込み、これにより、取付ベース4の平面41のフランジ411は(防水パッキン61を介して)取付プレートB2の一方の面側で取付孔B20の全周縁部に圧接されて、ヒンジ本体1が取付プレートB2に強固に取り付け固定される。このようにしてヒンジ本体1を筐体Bにワンタッチで確実に固定することができる。
【0035】
次に、図10に示すように、扉Dの取付プレートD1の上下に、ヒンジ羽根2を1つずつ取り付ける。なお、ヒンジ羽根2は、使用前の通常の状態では、一対の軸受52の間で一対のフック53が各フック53間のコイルスプリング55(図5参照)により各軸受52の両側縁部522、524方向に押圧付勢されて、各フック53の外側一方の側縁部532から他端の縁部533の一部、すなわち、係止爪53Aが各軸受52の両側縁部522間、524間から外側に弾性的に突出され、一対の軸受52の突出端521側で一対のフック53の一端の周囲に当たる部分として、各軸受52間に表れる凸形状の内面で孔570の両側が取付ベース5の平面51と平行に形成された各受け部512(図5参照)と各フック53の一端の周面に各フック53の各係止爪53Aが各軸受52の両側縁部522間、524間から突出された状態で各軸受52間の各受け部512に係合可能に凸段状に形成されたストッパー535(図5参照)との係合により、各フック53の各軸受52から突出方向への過度の回動、すなわち各フック53の各軸受52からの飛び出しが規制されている。
このヒンジ羽根2を取付プレートD1の取付孔D10に取り付ける場合、ヒンジ羽根2の取付ベース5の平面51に防水パッキン62を被着してから、ヒンジ羽根2のヒンジブロック5Aを一対の軸受52を横向きにすることで取付プレートD1の取付孔D10に合せ、ヒンジブロック5Aを各フック53とともに取付プレートD1の取付孔D10に差し込み、押し込む(ワンプッシュする)。
このようにすると、図11に示すように、ヒンジ羽根2はヒンジブロック5Aが、各軸受52の両側縁部522、524及び各外側(外向き)の平面が先端から中間へ、中間から基端へ取付プレートD1の取付孔D10の短辺方向及び長辺方向の各縁部を摺動しつつ、取付プレートD1の取付孔D10を通過する。この間、各軸受52の両側縁部522間、524間から外側に突出される各フック53の各係止爪53Aは取付プレートD1の取付孔D10の各短辺方向の縁部に接触して押圧され、各係止爪53Aが各フック53間のコイルスプリング55(図5参照)の付勢力に抗して(コイルスプリング55を圧縮しながら)各軸受52間に向けて回動し各軸受52の両側縁部522間内、524間内に没入されていく。そして(ヒンジ羽根2が取付孔D10に押し込まれた瞬間)、各係止爪5Aが完全に各軸受52の両側縁部522間内、524間内に没入されて各軸受52が取付プレートD1の取付孔D10を完全に通過し、取付ベース5は平面51全周縁部のフランジ511が(防水パッキン62を介して)取付プレートD1の一方の面側で取付孔D10の全周縁部に当接するとともに、各軸受52内の各フック53は取付プレートD1の取付孔D10の通り抜けにより取付プレートD1の他方の面側で各フック53間のコイルスプリング55(図5参照)の付勢力(コイルスプリング55の弾性復帰)により各係止爪53Aが各軸受52間から各軸受52の両側縁部522、524方向に回動し各軸受52の両側縁部522間、524間から外側に突出されて、取付孔D10の各短辺方向の縁部に弾性係止される。ここで、このヒンジ羽根2は、図6に示したように、各フック53の回動中心が各フック53の一端の縁部531側に設けられ、各フック53の他端の縁部533は円の中心を各フック53の回動中心よりも各フック53の一端の縁部531に近くかつ内側他方の側縁部534寄りの位置におく円弧状に形成されることで、各フック53は、図11に示すように、各係止爪53Aの外側への回動とともに各係止爪53Aの円弧状の部分が取付孔D10の縁部に向けて迫り出して、取付孔D10の短辺方向の各縁部に食い込み、これにより、取付ベース5の平面51のフランジ511は(防水パッキン62を介して)取付プレートD1の一方の面側で取付孔D10の全周縁部に圧接されて、ヒンジ羽根2が取付プレートD1に強固に取り付け固定される。このようにしてヒンジ羽根2を扉Dにワンタッチで確実に固定することができる。また、このヒンジ羽根2にあっては、一対のフック53のヒンジ本体1の各フック43とは異なる形状により、各フック53、各軸受52を共にヒンジ本体1の各フック43、各軸受42よりも小型化することができ、扉の側部で角部に近い箇所にも簡易に取り付けることができる。
【0036】
そして、図12に示すように、筐体Bのヒンジ本体1と扉Dのヒンジ羽根2とをヒンジピン3を介して連結し、筐体Bに扉Dを取り付ける。
この場合、まず、ヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47にヒンジピン3をなす各ピン3A、3Bを挿入し、各ピン3A、3Bの先端側所定の位置の係止溝31(図7参照)と上下の各ヒンジピン挿通部47内のヒンジピンストッパー491dとを係合させて、各ピン3A、3Bを上下の各ヒンジピン挿通部47内に保持してヒンジピン3を待機させる。続いて、筐体B側のヒンジ本体1の上下のヒンジピン挿通部47間の間欠部48に扉D側のヒンジ羽根2のヒンジブロック5Aのヒンジピン挿通部57側の略半部を嵌め込み、相互のヒンジピン挿通部47、57を連通させる。そして、この状態からヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47内に保持され待機中の各ピン3A、3Bを押し込んで、各ピン3A、3Bの先端側所定の位置の係止溝31(図7参照)と上下の各ヒンジピン挿通部47内のヒンジピンストッパー491dとの係合を係止ガイド311(図7参照)により解除し、各ピン3A、3Bの外周面でヒンジピンストッパー491dを押し退けながら各ピン3A、3Bをヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部47からヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部57(の略半分)まで挿通させると、各ピン3A、3Bの外周面の中間部所定の位置の係止溝32(図7参照)に係止ガイド321(図7参照)の案内によりヒンジピンストッパー491dが係止され、各ピン3A、3Bが軸方向の動きを規制されて固定される。このようにしてヒンジ本体1とヒンジ羽根2がヒンジピン3により連結され、筐体Bに扉Dが回動可能に取り付けられる。
【0037】
以上説明したように、このワンタッチ取付ヒンジHによれば、既述の構成により、筐体と扉など2部材の取付プレートにヒンジ本体1、ヒンジ羽根2の各軸受42、52を嵌装可能な取付孔を形成されて、ヒンジ本体1、ヒンジ羽根2がそれぞれ、各軸受42、52が各係止爪43A、53Aとともに取付プレートの取付孔に取付プレートの一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通され、一方の面側で取付ベース4、5のフランジ411、511が取付孔の縁部に圧接されるとともに、他方の面側で各フック43、53の各係止爪43A、53Aが取付孔の縁部に係止されて、各部材の取付プレートに取り付けられるので、筐体と扉など2部材にヒンジ部品(ヒンジ本体1、ヒンジ羽根2)を溶接や取付ねじを用いることなしにワンタッチで簡易に取り付けることができ、また、溶接や取付ねじを用いないことで、ヒンジHの取り付けに要する部品点数を大幅に削減し、コストの大幅な低減を図ることができる。
【0038】
また、このヒンジHはさらに次のような利点を有する。
(1)このヒンジ本体1では、一対のフック43はそれぞれ、一端の縁部431側で外側一方の側縁部432寄りに回動中心として軸挿通部430が設けられ、他端側の縁部433が円の中心を回動中心よりも一端の縁部431に近くかつ内側他方の側縁部434寄りの位置におく円弧状に形成されることで、このヒンジ本体1を取付プレートの取付孔に通しワンプッシュした後の各フック43を、各係止爪43Aの外側への回動とともにこの係止爪43Aの円弧状の部分が取付孔の縁部に向けて迫り出して、取付孔の縁部に食い付かせることができ、これにより、取付ベース4の平面41のフランジ411を取付プレートの取付孔の全周縁部に圧接させ、取付プレートを取付ベース4と一対のフック43との間で締め付けて、ヒンジ本体1を取付プレートに確実に固定することができる。
(2)このヒンジ本体1では、一対のフック43はそれぞれ、外側一方の側縁部432が各軸受42の各側縁部422、424と平行に形成され、一端の縁部431で、外側一方の側縁部432側の一部が円の中心を回動中心におく円弧状に形成され、内側他方の側縁部434側の残部が回動中心を対称中心として外側一方の側縁部432と対称的に斜めに形成され、内側他方の側縁部434が外側一方の側縁部432と平行に又は平行よりも少し開く方向に向けて形成されることで、各フック43を角形の一対の軸受42内に各係止爪43Aのみが各軸受42の両側縁部422間、424間から出没可能に配置することができる。
この場合、取付ベース4の平面41で一対の軸受42間の両端部にそれぞれ受け部412が形成され、各フック43の他端の縁部433で内側他方の側縁部434側の端部にそれぞれストッパー435が形成されて、取付ベース4の各受け部412と各フック43の各ストッパー435との係合により、各フック43の各軸受42から突出方向への過度の回動を規制されるので、各フック43の各軸受42からの飛び出しを確実に防止することができ、各フック43の係止爪43Aを各軸受42の両側縁部422間、424間から確実に出没させることができる。
また、この場合、一対のフック43の内側他方の側縁部434に筒状の孔436が形成され、ばね部材としてコイルスプリング45を採用され、コイルスプリング45が両端を各フック43の各孔436に保持されて各フック43間に介装されるようにしたので、各フック43を簡単な構造で各軸受42の両側縁部422、424方向に確実に回動付勢することができる。
さらに、この場合、一対のフック43の各孔436は、一対の軸受42が各フック43とともに取付プレートの取付孔に通される前又は後で、各フック43の各係止爪43Aが各軸受42の両側縁部422間、424間から突出されたときに、コイルスプリング45を取付ベース4側に凸の円弧状に変形案内可能に、各フック43の内側他方の側縁部434に対して所定の角度を付けて形成され、かつ各孔436の各フック43の他端の縁部433側の内周面の一部437が、一対の軸受42が各フック43とともに取付プレートの取付孔に通される間で、各フック43の係止爪43Aが各軸受42の両側縁部422間、424間に没入されるときに、コイルスプリング45を取付ベース4とは反対側に凸の円弧状に変形案内可能に、孔436の奥側から開口側に向けて漸次拡径される所定の角度の傾斜を付けて形成されるので、コイルスプリング45の伸縮変形を良好にし、各フック43の各係止爪43Aを各軸受42の両側縁部422間、424間から確実かつ円滑に出没させることができる。
(3)ヒンジ羽根2では、一対のフック53はそれぞれ、一端の縁部531側に回動中心として軸挿通部530が設けられ、他端側の縁部533が円の中心を回動中心よりも一端の縁部531に近くかつ内側他方の側縁部534寄りの位置におく円弧状に形成されることで、このヒンジ羽根2を取付プレートの取付孔に通しワンプッシュした後の各フック53を、各係止爪53Aの外側への回動とともにこの係止爪53Aの円弧状の部分を取付孔の縁部に向けて迫り出して、取付孔の縁部に食い付かせることができ、これにより、取付ベース5の平面51のフランジ511を取付プレートの取付孔の全周縁部の周辺に圧接させ、取付プレートを取付ベース5と一対のフック53との間で締め付けて、ヒンジ羽根2を取付プレートに確実に固定することができる。
(4)ヒンジ羽根2では、一対のフック53はそれぞれ、外側一方の側縁部532が各軸受52の各側縁部522、524と平行に形成され、一端の縁部531が円の中心を回動中心におく円弧状に形成され、内側他方の側縁部534が外側一方の側縁部532と対称的に外側一方の側縁部532と平行よりも少し開く方向に向けて形成されることで、各フック53を角形の一対の軸受52内に各係止爪53Aのみが各軸受52の両側縁部522間、524間から出没可能に配置することができる。
この場合、一対の軸受52の突出端521側で一対のフック53の一端の周囲にそれぞれ受け部512が形成され、各フック53の一端の周面にそれぞれストッパー535が形成されて、各軸受52間の各受け部512と各フック53の各ストッパー535との係合により、各フック53の各軸受52から突出方向への過度の回動を規制されるので、各フック53の各軸受52からの飛び出しを確実に防止することができ、各フック53の係止爪53Aを各軸受52の両側縁部522間、524間から確実に出没させることができる。
また、この場合、一対のフック53の内側他方の側縁部534に筒状の孔536が形成され、ばね部材としてコイルスプリング55を採用され、コイルスプリング55が両端を各フック53の各孔536に保持されて各フック53間に介装されるようにしたので、各フック53を簡単な構造で各軸受52の両側縁部522、524方向に確実に回動付勢することができる。
さらに、この場合、一対のフック53の各孔536は、一対の軸受52が各フック53とともに取付プレートの取付孔に通される前又は後で、各フック53の各係止爪53Aが各軸受52の両側縁部522間、524間から突出されたときに、コイルスプリング55を取付ベース5側に凸の円弧状に変形案内可能に、各フック53の内側他方の側縁部534に対して所定の角度を付けて形成され、かつ各孔536の各フック53の一端の縁部531側の内周面の一部537が、一対の軸受52が各フック53とともに取付プレートの取付孔に通される間で、各フック53の係止爪53Aが各軸受52の両側縁部522間、524間に没入されたときに、コイルスプリング55を取付ベース5とは反対側に凸の円弧状に変形案内可能に、孔536の奥側から開口側に向けて漸次拡径される所定の角度の傾斜を付けて形成されるので、コイルスプリング55の伸縮変形を良好にし、各フック53の各係止爪53Aを各軸受52の両側縁部522間、524間から確実かつ円滑に出没させることができる。
【0039】
なお、この実施の形態では、ヒンジ本体1について、一対のフック43はそれぞれ、一端の縁部431側で外側一方の側縁部432寄りに回動中心として軸挿通部423が設けられ、他端側の縁部433が円の中心を回動中心よりも一端の縁部431に近くかつ内側他方の側縁部434寄りの位置におく円弧状に形成されるものとしたが、ヒンジ羽根2と同様に、一対のフックはそれぞれ、一端の縁部側に回動中心として軸挿通部が設けられ、他端側の縁部が円の中心を回動中心よりも一端の縁部に近くかつ内側他方の側縁部寄りの位置におく円弧状に形成されるものとしてもよい。
また、ヒンジ本体1について、一対のフック43はそれぞれ、外側一方の側縁部432が各軸受42の各側縁部422、424と平行に形成され、一端の縁部431で、外側一方の側縁部432側の一部が円の中心を回動中心におく円弧状に形成され、内側他方の側縁部434側の残部が回動中心を対称中心として外側一方の側縁部432と対称的に斜めに形成され、内側他方の側縁部434が外側一方の側縁部432と平行に又は平行よりも少し開く方向に向けて形成されるものとしたが、ヒンジ羽根2と同様に、一対のフックはそれぞれ、外側一方の側縁部が各軸受の各側縁部と平行に形成され、一端の縁部が回動中心に円の中心をおく円弧状に形成され、内側他方の側縁部が外側一方の側縁部と対称的に外側一方の側縁部と平行よりも少し開く方向に向けて形成されるものとしてもよい。
さらに、ヒンジ本体1について、取付ベース4の平面41で一対の軸受42間の両端部にそれぞれ受け部412が形成され、各フック43の他端の縁部433で内側他方の側縁部434側の端部にそれぞれストッパー435が形成されて、取付ベース4の各受け部412と各フック43の各ストッパー435との係合により、各フック43の各軸受42から突出方向への過度の回動を規制されるものとしたが、ヒンジ羽根2と同様に、一対の軸受の突出端側で一対のフックの一端の周囲にそれぞれ受け部が形成され、各フックの一端の周面にそれぞれストッパーが形成されて、各軸受間の各受け部と各フックの各ストッパーとの係合により、各フックの各軸受から突出方向への過度の回動を規制されるものとしてもよい。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0040】
また、この実施の形態では、ヒンジ羽根2について、一対のフック53はそれぞれ、一端の縁部531側に回動中心として軸挿通部530が設けられ、他端側の縁部533が円の中心を回動中心よりも一端の縁部531に近くかつ内側他方の側縁部534寄りの位置におく円弧状に形成されるものとしたが、ヒンジ本体1と同様に、一対のフックはそれぞれ、一端の縁部側で外側一方の側縁部寄りに回動中心として軸挿通部が設けられ、他端側の縁部が円の中心を回動中心よりも一端の縁部に近くかつ内側他方の側縁部寄りの位置におく円弧状に形成されるものとしてもよい。
また、ヒンジ羽根2について、一対のフック53はそれぞれ、外側一方の側縁部532が各軸受52の各側縁部522、524と平行に形成され、一端の縁部531が円の中心を回動中心におく円弧状に形成され、内側他方の側縁部534が外側一方の側縁部532と対称的に外側一方の側縁部532と平行よりも少し開く方向に向けて形成されるものとしたが、ヒンジ本体1と同様に、一対のフックはそれぞれ、外側一方の側縁部が各軸受の各側縁部と平行に形成され、一端の縁部で、外側一方の側縁部側の一部が円の中心を回動中心におく円弧状に形成され、内側他方の側縁部側の残部が回動中心を対称中心として外側一方の側縁部と対称的に斜めに形成され、内側他方の側縁部が外側一方の側縁部と平行に又は平行よりも少し開く方向に向けて形成されるものとしてもよい。
さらに、ヒンジ羽根2について、一対の軸受52の突出端521側で一対のフック53の一端の周囲にそれぞれ受け部512が形成され、各フック53の一端の周面にそれぞれストッパー535が形成されて、各軸受52間の各受け部512と各フック53の各ストッパー535との係合により、各フック53の各軸受52から突出方向への過度の回動を規制されるものとしたが、ヒンジ本体1と同様に、取付ベースの平面で一対の軸受間の両端部にそれぞれ受け部が形成され、各フックの他端の縁部で内側他方の側縁部側の端部にそれぞれストッパーが形成されて、取付ベースの各受け部と各フックの各ストッパーとの係合により、各フックの各軸受から突出方向への過度の回動を規制されるものとしてもよい。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0041】
さらに、上記実施の形態では、ばね部材にコイルスプリング45、55が用いられ、コイルスプリング45、55が一対のフック43、53間に介装されるものとしたが、このばね部材にトーションスプリングや板ばねが用いられ、各フックと各軸受との間に介装されるものであってもよい。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0042】
またさらに、上記実施の形態では、ヒンジ本体1にあっては、主体の部分が水平断面略L字形で上下に長く形成されて、一方の部材に取り付けられる取付ベース4と、この取付ベース4が一方の部材に取り付けられた際に一方の部材において取付ベース4の一方の側部からおよそ60°方向に斜めに向けて延びるヒンジアーム46と、このヒンジアーム46の先端縁部の上部及び下部にそれぞれ、軸方向を上下に向けて所定の長さの円筒状に形成される上下のヒンジピン挿通部47(47U、47D)とを有するものとしたが、この主体の部分(特にヒンジとしての機能部)の形状は任意に変更可能であり、また、ヒンジ羽根2にあっては、主体の部分が他方の部材に取り付けられる取付ベース5と、この取付ベース5から突出されるヒンジブロック5Aとからなり、ヒンジブロック5Aの突出端に上下方向に円筒状のヒンジピン挿通部57を有するものとしたが、この主体の部分(特にヒンジとしての機能部)の形状は任意に変更可能であり、いずれも、上記実施の形態と同様の取付構造を有する限り、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0043】
図13乃至図24に第2の実施の形態を示している。
図23にワンタッチ取付ヒンジを示している。
図23に示すように、このワンタッチ取付ヒンジH2(以下、単にヒンジH2という場合がある。)は、筐体と扉とを含む2部材のうち、一方の部材の平面状のヒンジ本体側の取付部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部47を有するヒンジ本体1と、他方の部材のコーナー部で2方向の面からなるヒンジ羽根側の取付部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部57を有するヒンジ羽根2と、ヒンジ本体1とヒンジ羽根2の各ヒンジピン挿通部47、57に挿通され、これらヒンジ本体1及びヒンジ羽根2を連結するヒンジピン3とを備え、一方の部材に対して他方の部材を回動可能に結合するものであって、このヒンジH2においては、ヒンジ本体1はヒンジ本体側の取付部に、ヒンジ羽根2はヒンジ羽根側の取付部に、それぞれ、ワンタッチで取り付け可能な特別な取付構造を有する。
【0044】
図13図14にワンタッチ取付ヒンジH2の特にヒンジ本体を全体構成を示し、図15にこのヒンジ本体に用いるフックの構成を示している。
図13に示すように、ヒンジ本体1は、ヒンジ本体側の取付部に当接可能な平面41を有するヒンジ本体取付ベース4と、ヒンジ本体取付ベース4の平面41の周縁部をフランジ411として残され、平面41から平行に突出されるヒンジ本体側の一対の軸受42と、各々、ヒンジ本体側の一対の軸受42間に嵌合可能に略コマ状に形成されて、ヒンジ本体側の一対の軸受42間に嵌合可能に配置されて当該各軸受42(の内面)に対向される両側部で当該各軸受42の突出端421側に対応する一端の縁部431側に回動中心を設けられ、ヒンジ本体側の一対の軸受42間に嵌合配置されて当該各軸受42間から外側に表れる外面部432から他端の縁部433にかけてを係止爪43Aとし、ヒンジ本体側の一対の軸受42間に当該各軸受42の一方の両側縁部422側と他方の両側縁部424側に対称的に嵌合配置され、ヒンジ本体側の一対の軸受42の突出端421側の両側に一対の軸44を介して回動可能に支持されて、各係止爪43Aをヒンジ本体側の一対の軸受42の一方の両側縁部422間と他方の両側縁部424間から出没可能に配置されるヒンジ本体側の一対のフック43と、ヒンジ本体側の一対のフック43間に又は当該各フック43とヒンジ本体側の一対の軸受42間との間に介装され、各係止爪43Aを常態としてヒンジ本体側の一対の軸受42の一方の両側縁部422間と他方の両側縁部424間から突出可能に回動付勢するヒンジ本体側のばね部材45(図14(b)参照)とを備えて構成される。
【0045】
ヒンジ本体取付ベース4は一対の軸受42とともに亜鉛ダイカストその他の金属材料により形成され、図13図14に示すように、水平断面が略L字形で上下に長く形成されて、上下方向に長い長方形の平面41と、この平面41の一側部から平面41に対して略直角方向に延び、上下方向に長い長方形の面に上下方向に複数の凹部を形成されて複数のリブを有する面413と、これらの平面41及びリブを有する面413の反対側で曲面形状をなす面414の3面からなる本体部4Aと、この本体部4Aのリブを有する面413側の端部からコ字形に平面41と平行に延びる一対のヒンジアーム46と、これらのヒンジアーム46の先端縁部にそれぞれ、軸方向を上下に向けて所定の長さの円筒状に形成される上下のヒンジピン挿通部47(47U、47D)とを有し、一対のヒンジアーム46間及び上下の各ヒンジピン挿通部47間が後述するヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部57(図16参照)を連通可能な溝形の間欠部48になっている。
【0046】
一対の軸受42はそれぞれ、このヒンジ本体取付ベース4の平面41に一体に、この平面41の全周縁部をフランジ411として残すように、ヒンジ本体取付ベース4の長辺方向中央で各長辺側の縁部41aよりも少し内側に入った位置に各長辺の縁部41aと平行に、所定の長さ、大きさを有する角形に、この場合、略長方形状に、全体としてフラットなプレート状に形成される。また、この場合、一対の軸受42の突出端421間で上下方向中央に小ブロックが形成され、この小ブロックの上側面が(側面視)V字形に、下側面が(側面視)逆V字形に、それそれ、形成されて、一対のフック43のための受け部412が併せて設けられる。そして、各軸受42の突出端421側(つまり、ヒンジ本体取付ベース4とは反対側の端部側)の上下両側角部の近傍にそれぞれ、軸44を挿通可能な軸挿通部423が穿設される。なお、各軸受42の外側(言い換えれば、外向き)の平面で各軸挿通部423の全周縁部にテーパ状の溝425が併せて形成される。
【0047】
一対のフック43はそれぞれ、図13図14に示すように、一対の軸受42の略長方形の平面の半面内に配置可能な大きさで、この略長方形の平面内で長辺方向中央位置を対称中心として対称的なコマ形状になっている。図15(a)に示すように、これらフック43の回動中心はそれぞれ、各軸受42に対向される両側部の各軸受42の突出端421に対応する各フック43の一端の縁部431側で、そこに軸44を挿通可能に軸挿通部430が形成され、ヒンジ本体取付ベース4側に対応する各フック43の他端の縁部433は円の中心をフック43の回動中心よりもフック43の一端の縁部431に近くかつ内面部433寄りの位置におく円弧状に形成される。
【0048】
また、これらのフック43はそれぞれ、両側部が各軸受42の内面に平行な断面直線状のフラットな面に形成され、外面部432が各軸受42の各側縁部422、424と平行に断面直線状のフラットな面として形成され、一端の縁部431は一対の軸受42の突出端421と各側縁部422、424との間に収まるように断面直線状のフラットな面に形成され、外面部432と反対の内面部434は外面部432と平行に又は平行よりも少し開く方向に、ここでは後者の少し開く方向に向けて断面直線状のフラットな面として形成される。フック43の他端の縁部433は既述のとおりである。
【0049】
ばね部材45はコイルスプリングが採用される(以下、コイルスプリング45という。)。この場合、図14(b)に示すように、各フック43の内面部434に円筒状の孔436が形成され、コイルスプリング45は両端を各フック43の孔436に保持されて各フック43間に介装される。また、この場合、各フック43の孔436は、図15(b)、(c)に示すように、このヒンジ本体1が一方の部材のヒンジ本体側の取付部の取付孔に取り付けられる際に一対の軸受42が各フック43とともにヒンジ本体側の取付部の取付孔に通される前又は後で各フック43の各係止爪43Aが各軸受42の両側縁部422間、424間から突出されたときにコイルスプリング45をヒンジ本体取付ベース4側に凸の円弧状に変形案内可能に、各フック43の内面部434の面に対して所定の角度を付けて形成され、かつ孔436の各フック43の他端の縁部側又は一端の縁部側の内周面の一部が、一対の軸受42が各フック43とともにヒンジ本体側の取付部の取付孔に通される間で、各フック43の係止爪43Aが各軸受42の両側縁部422間、424間に没入されたときに、コイルスプリング45をヒンジ本体取付ベース4とは反対側に凸の円弧状に変形案内可能に、孔の奥側から開口側に向けて漸次拡径される所定の角度の傾斜を付けて形成される。
【0050】
ヒンジ本体4は各部がかかる構成を有し、図13図14に示すように、各フック43が一対の軸受42間に配置され、各軸受42の各軸挿通部423と各フック43の軸挿通部430とを合せ、これらの軸挿通部423、430にそれぞれ軸44が通されて、各軸受42間に垂直方向に回動可能に支持され、各フック43(の各孔436)間にコイルスプリング45を介装されて組み立てられる。なお、軸44の両端はカシメられて固定される。
このようにして各フック43は一端の縁部431側に回動中心を設けられ、外面部432から他端の縁部433にかけてを係止爪43Aとし、一対の軸受42間に、各軸受42の突出端421側で一対の軸44を介して垂直方向に回動可能に支持されて、各係止爪43Aが各軸受42の上下の両側縁部422間、424間から出没可能に配置され、各フック43間に介装されるコイルスプリング45により係止爪43Aが常態として各軸受42の上下の両側縁部422間、424間から外方へ突出される。なお、各フック43の内面部434の先端側とヒンジ本体取付ベース4の各受け部412は係合可能になっており、これらの係合により、各フック43の各軸受42から突出方向への過度の回動、すなわち各フック43の各軸受42からの飛び出しが規制される。
【0051】
そして、ヒンジ本体1を一方の部材のヒンジ本体側の取付部に取り付けるため、一方の部材のヒンジ本体側の取付部に一対の軸受42が嵌装可能に取付孔が角形に、この場合、略長方形状の単純な形状に形成される。この場合、取付孔は長辺方向の寸法が各軸受42の長辺方向の寸法と略同じかそれよりも僅かに大きく、短辺方向の寸法が各軸受42の外側(外向き)の面間の寸法と略同じかそれよりも僅かに大きく、全体としてヒンジ本体取付ベース4の平面の大きさより少し小さい開口として形成される。
【0052】
かくしてヒンジ本体1は、ヒンジ本体側の一対の軸受42が各係止爪43Aとともにヒンジ本体側の取付部の取付孔に当該取付部の一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通されて、一方の面側でヒンジ本体取付ベース4のフランジ411がヒンジ本体側の取付孔の縁部周囲に圧接されるとともに、他方の面側でヒンジ本体側の各フック43の各係止爪43Aがヒンジ本体側の取付孔の縁部又は縁部周囲に係止されて、ヒンジ本体側の取付部に取り付けられる。
【0053】
図16図17にワンタッチ取付ヒンジH2の特にヒンジ羽根を全体構成を示し、図18にこのヒンジ羽根に用いるフックの構成を示している。
図16図17に示すように、ヒンジ羽根2は、ヒンジ羽根側の取付部にその2方向の面に跨って当接可能な2つの平面511、512を有するヒンジ羽根取付ベース5と、ヒンジ羽根取付ベース5の2つの平面511、512の周縁部をフランジ513として残されて当該各平面511、512間にブロック5Aが形成され、ブロック5Aにおいてヒンジ羽根取付ベース5の2つの平面511、512のうちヒンジ羽根側の取付部の一方向の面側に対応する一方の平面511とは反対側に位置する面からヒンジ本体1とヒンジ羽根2の各ヒンジピン挿通部47、57に挿通されるヒンジピン3の挿通方向に並列に突出されるヒンジ羽根側の一対の軸受52、及びブロック5Aにおいてヒンジピン3の挿通方向に対して交差方向になる2面でヒンジ羽根取付ベース5の一方の平面511に隣接する縁部にそれぞれヒンジ羽根側の取付部の一方向の面の厚みよりも僅かに大きく形成されるヒンジ羽根側の2つの溝56と、ヒンジ羽根側の一対の軸受52間に嵌合可能に略コマ状に形成され、ヒンジ羽根側の一対の軸受52間に嵌合可能に配置されて当該各軸受52の内面に対向される両側部でヒンジ羽根取付ベース5の他方の平面512から離間される一端の縁部531側に回動中心を設けられ、ヒンジ羽根側の一対の軸受52間に嵌合配置されて当該各軸受52間から外側に表れる外面部532から他端の縁部533にかけてを係止爪53Aとし、ヒンジ羽根側の一対の軸受52間に嵌合配置され、ヒンジ羽根側の一対の軸受52のヒンジ羽根取付ベース5の他方の平面512から離間される一端側に軸54を介して回動可能に支持されて、係止爪53Aをヒンジ羽根2の一対の軸受52の両突出端521間から出没可能に配置されるヒンジ羽根側のフック53と、ヒンジ羽根側のフック53とヒンジ羽根側の一対の軸受52間との間に介装され、係止爪53Aを常態としてヒンジ羽根側の一対の軸受52の各突出端521間から突出可能に回動付勢するヒンジ羽根側のばね部材55とを備えて構成される。
【0054】
ヒンジ羽根取付ベース5はブロック5A、一対の軸受52とともに亜鉛ダイカストその他の金属材料により一体に形成される。図16図17に示すように、ヒンジ羽根取付ベース5は、略直角に連続する2つのプレート511a、512aからなり、これら2つのプレート511a、512aはいずれも縦方向が同じ長さの縦に長い長方形に形成され、一方のプレート511aがヒンジ羽根側の取付部の一方の面に当接可能に、他方のプレート512aがヒンジ羽根側の取付部の他方の面に当接可能になっている。ブロック5Aはヒンジ羽根取付ベース5の2平面511、512間に各平面511、512の周縁部をフランジ513として残してヒンジ本体取付ベース4の間欠部48に嵌合可能に縦に長い略四角柱状に形成され、このブロック5Aの上下面間にヒンジ本体取付ベース4の上下の各ヒンジピン挿通部47U、47Dに連通可能にヒンジピン挿通部57が円筒状に貫通形成される。一対の軸受52はブロック5Aにおいてヒンジ羽根取付ベース5の一方のプレート511aとは反対側の面の上下に平行に横に細長い四角柱状に形成され、各軸受52間が断面略コ字形の凹状になっている。これらの軸受52には、各軸受52の長さ方向中央よりもヒンジ羽根取付ベース5(他方のプレート512a)から離間する方向の一端寄りに上下面間を貫通して軸挿通部523が穿設される。2つの溝56はブロック5Aにおいて上面、下面でヒンジ羽根取付ベース5の一方のプレート511aに隣接する縁部にそれぞれヒンジ羽根側の取付部の一方向の面の厚みよりも僅かに大きい幅に形成される。
【0055】
フック53は、図17に示すように、一対の軸受52間に配置可能な大きさのコマ状に形成される。図18に示すように、このフック53の回動中心は、各軸受52(の内面)に対向される両側部で各軸受52の一端側に対応するフック53の一端の縁部531側に設けられて、ここに軸54を挿通可能に軸挿通部530が設けられ、ヒンジ羽根取付ベース5の他方のプレート512a側に対応するフック53の他端の縁部533は円の中心をフック53の回動中心よりもフック53の一端の縁部531に近くかつ外面部532とは反対の内面部534寄りの位置におく円弧状に形成される。
【0056】
また、このフック53は、図18に示すように、外面部532が一対の軸受52の各突出端521と略平行に形成される。一方の縁部531、つまり、外面部532の一端と内面部534の一端との間が断面略V字形の突状に形成されて外面部532に連続する一方の面が所定の円弧状の面に、内面部534に連続する他方の面は所定の角度を付けた傾斜面に形成される。なお、この内面部534に連続する他方の面は外面部532に連続する一方の面との間に所定の角度を付けられて、ヒンジ羽根側の一対の軸受52の底部に係合可能なストッパー535になって、このストッパー535と各軸受52の底部との衝接係合により、フック53の各軸受52間から突出方向への過度の回動、すなわちフック53の各軸受52からの飛び出し(図14参照)が規制されるようになっている。そして、内面部534が外面部532と対称的に外面部532と平行に又は平行よりも少し開く方向に向けて、この場合は、平行よりも少し開く方向に向けて形成される。なお、ここでフック53の外面部532、内面部534は四角形の平面に、左右の各側面部53Sは外面部532、内面部534の幅よりも幅狭の四角形の平面に、そして、既述のとおり、一方の縁部531が断面略V字形で、この場合、外面部532に連続する一方の面は所定の円弧状の面に、内面部534に連続する他方の面は所定の角度を付けた傾斜面(ストッパー535)に、他方の縁部533が外面部532、内面部534の幅よりも幅狭の四角形で断面円弧状の面になっている。
【0057】
ばね部材55はコイルスプリングが採用される(以下、コイルスプリング55という。)。この場合、図18に示すように、フック53の内面部534に円筒状の孔536が形成され、コイルスプリング55は一端をフック53の孔536に保持され、他端をヒンジ羽根側の一対の軸受52間の底部に保持されて、フック53と各軸受52間の底部との間に介装される。また、この場合、各フック53の孔536は、このヒンジ羽根2が他方の部材のヒンジ羽根側の取付部の取付孔に取り付けられる際に一対の軸受52がフック53とともにヒンジ羽根側の取付部の取付孔に通される前又は後でフック53の各係止爪53Aが各軸受52の各突出端521間から突出されたときにコイルスプリング55をヒンジ羽根取付ベース5の他方のプレート512a側に凸の円弧状に変形案内可能に、フック53の内面部534の面に対して所定の角度を付けて形成され、、かつ孔536の各フック53の他端の縁部側又は一端の縁部側の内周面の一部が、一対の軸受52が各フック53とともにヒンジ本体側の取付部の取付孔に通される間で、各フック53の係止爪53Aが各軸受52の各突出端521間に没入されたときに、コイルスプリング55をヒンジ羽根取付ベース5の他方のプレート512aとは反対側に凸の円弧状に変形案内可能に、孔536の奥側から開口側に向けて漸次拡径される所定の角度の傾斜を付けて形成される。
【0058】
ヒンジ羽根2は各部がかかる構成を有し、図16図17に示すように、フック53が一対の軸受52間に配置され、各軸受52の一端側の各軸挿通部523と各フック53の軸挿通部530とを合せ、これらの軸挿通部523、530にそれぞれ軸(この場合、クリップピン)54が通されて、各軸受52間に水平方向に回動可能に支持され、フック53(の各孔536)と各軸受52間の底部との間にコイルスプリング55を介装されて組み立てられる。かくしてフック53は一端の縁部531側に回動中心を設けられ、外面部532から他端の縁部533にかけてを係止爪53Aとし、一対の軸受52間に、各軸受52の各突出端521の一端側に軸54を介して水平方向に回動可能に支持されて、係止爪53Aが各軸受52の各突出端521間から出没可能に配置され、フック53と各軸受52の底部との間のコイルスプリング55により係止爪53Aが常態として各軸受52の各突出端521間から外方へ突出される。
【0059】
そして、このヒンジ羽根2を他方の部材のヒンジ羽根側の取付部に取り付けるため、ヒンジ羽根側の取付部の他方向の面、つまり、他方のプレート512aに形成され、ヒンジ羽根側のブロック5Aを一対の軸受52とともに嵌装可能な他方向の面側の開口とヒンジ羽根側の取付部の一方向の面、つまり、一方のプレート511aに他方向の面側の開口に連通して形成され、ヒンジ羽根2のブロック5Aの各溝56に係合可能な2つの係止縁部を有する一方向の面側の開口とからなるヒンジ羽根側の取付孔を形成される。
【0060】
このようにしてヒンジ羽根2は、ヒンジ羽根側のブロック5A及び一対の軸受52がフック53とともにヒンジ羽根側の取付孔の他方向の面側の開口にヒンジ羽根側の取付部の一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通されて、一方の面側でヒンジ羽根取付ベース5のフランジ513がヒンジ羽根側の取付孔の縁部周囲に圧接されるとともに、他方の面側で、ヒンジ羽根2側の2つの溝56とヒンジ羽根側の取付孔の一方向の面側の開口の各係止縁部が係合し、ヒンジ羽根側のフック53の係止爪53Aがヒンジ羽根側の取付孔の他方向の開口の縁部又は縁部周囲に係止されて、ヒンジ羽根側の取付部に取り付けられる。
【0061】
なお、このヒンジH2の場合、ヒンジピン3は、ステンレススチールその他の金属棒材(丸棒材)からなり、図13に示すように、一端にフランジを有し、ヒンジ本体側の一対のヒンジピン挿通部47間を挿通可能に1本のピンにより構成される。
【0062】
このようにしてヒンジピン3は、図23に示すように、一方の部材のヒンジ本体側の取付部に取り付けられるヒンジ本体1の間欠部48に他方の部材のヒンジ羽根側の取付部に取り付けられるヒンジ羽根2のブロック5Aが嵌め込まれて、両者間のヒンジピン挿通部47、57が合わせられ、ヒンジ本体H2の上のヒンジピン挿通部47Uから、ヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部57を通し、ヒンジ本体1の下のヒンジピン挿通部47Dに挿通されて、ヒンジ本体1及びヒンジ羽根2が連結され、一方の部材に他方の部材が回動可能に結合される。
【0063】
図19乃至図24にこのワンタッチ取付ヒンジH2の使用例として、このヒンジH2でラックの筐体に扉を取り付ける場合を例示している。
なお、図19図21に示すように、ラックは、筐体Bと扉Dとからなる。図19に示すように、筐体Bは、正面の開口周囲に固定枠B1が設けられ、この固定枠B1の片側一方の側部プレートB2にヒンジ本体1が取り付けられる。この側部プレートB2が既述のヒンジ本体側の取付部に該当する。以下、この側部プレートB2をヒンジ本体側の取付部B2という。このヒンジ本体側の取付部B2の上下両端所定の位置にそれぞれ、取付孔B20(図19には上端の取付孔B20のみ図示。)が形成される。この場合、これらの取付孔B20はヒンジ本体側の取付部B2にヒンジ本体1の一対の軸受42を嵌装可能に角形(この場合、略長方形)に形成される。図21に示すように、扉Dは、四角形の正面プレートと4側部プレートからなり、正面プレートd1と左側部プレートd2との間のコーナー部D1に2面間に跨ってヒンジ羽根2が取り付けられる。このコーナー部D1が既述のヒンジ羽根側の取付部に該当する。以下、このコーナー部D1をヒンジ羽根側の取付部D1という。このヒンジ羽根側の取付部D1の上下両端所定の位置にそれぞれ、取付孔D10(図21には上端の取付孔D10のみ図示。)が形成される。この場合、これらの取付穴D10は、ヒンジ羽根側の取付部D1において正面プレートd1(他方向の面)にヒンジ羽根側の一対の軸受52を嵌装可能に角形(この場合、略長方形)に開口D101(他方向の面側の開口)が穿設され、左側部プレートd2(一方向の面)に正面プレートd1側の開口D101に連通してヒンジ羽根2のブロック5Aの各溝56に係合可能に2つの係止縁部D103を有する角形(この場合、略長方形)で、正面プレートd1側の開口D101よりも係止縁部D103がある分だけ高さの低い開口D102が穿設されて、2面に跨った2つの連続した開口D101、D102として形成される。
【0064】
まず、図19に示すように、筐体Bのヒンジ本体側の取付部B2の上下に、ヒンジ本体1を1つずつ取り付ける。なお、ヒンジ本体1は、使用前の通常の状態では、一対の軸受42の間で一対のフック43が各フック43間のコイルスプリング45(図20参照)により各軸受42の一方の両側縁部422、他方の両側縁部424方向に押圧付勢されて、各フック43の外面部432から他端の縁部433にかけて、すなわち、係止爪43Aが各軸受42の一方の両側縁部422間、他方の両側縁部424間から外側に弾性的に突出される。なお、この状態は、各フック43の内面部434の先端側の一部とヒンジ本体取付ベース4の各受け部412との係合により各フック43の各軸受42からの飛び出しが防止されて(図20参照)、保持される。このヒンジ本体1をヒンジ本体側の取付部B2の取付孔B20に取り付ける場合、ヒンジ本体1のヒンジ本体取付ベース4の平面41に防水パッキン61を被着してから、ヒンジ本体1の各軸受42を縦向きにして取付プレートB2の取付孔B20の向きに合せ、各軸受42を各フック43とともに取付プレートB2の取付孔B20に差し込み、押し込む(ワンプッシュする)。
このようにすると、図19図20に示すように、ヒンジ本体1は各軸受42が、各軸受42の一方の両側縁部422、他方の両側縁部424及び各外側(外向き)の平面が先端から中間へ、中間から基端へヒンジ本体側の取付部B2の取付孔B20の短辺方向及び長辺方向の各縁部を摺動しつつ、ヒンジ本体側の取付部B2の取付孔B20を通過する。この間、各軸受42の一方の両側縁部422、他方の両側縁部424から外側に突出される各フック43の各係止爪43Aは取付プレートB2の取付孔B20の各短辺方向の縁部に接触して押圧され、各係止爪43Aが各フック43間のコイルスプリング45の付勢力に抗して(コイルスプリング45を圧縮しながら)各軸受42間に向けて回動し各軸受42の一方の両側縁部422間内、他方の両側縁部424間内に没入されていく。そして(ヒンジ本体1が取付孔B20に押し込まれた瞬間)、各係止爪43Aが完全に各軸受42の各両側縁部422間内、424間内に没入されて各軸受42がヒンジ本体側の取付部B2の取付孔B20を完全に通過し、ヒンジ本体取付ベース4の平面41全周縁部のフランジ411が(防水パッキン61を介して)ヒンジ本体側の取付部B2の一方の面側で取付孔B20の全周縁部に当接するとともに、各軸受42内の各フック43はヒンジ本体側の取付部B2の取付孔B20の通り抜けによりヒンジ本体側の取付部B20の他方の面側で各フック43間のコイルスプリング45の付勢力(コイルスプリング45の弾性復帰)により各係止爪43Aが各軸受42間から各軸受42の両側縁部422、424方向に回動し各軸受42の各両側縁部422間、424間から外側に突出されて、取付孔B20の各短辺方向の縁部に弾性係止される。ここで、このヒンジ本体1は、図15に示したように、各フック43の回動中心が各フック43の一端の縁部431側に設けられ、各フック43の他端の縁部433が円の中心を各フック43の回動中心よりも各フック43の一端の縁部431に近くかつ内面部434寄りの位置におく円弧状に形成されたことで、各フック43は、図19に示すように、各係止爪43Aの外側への回動とともに各係止爪43Aの円弧状の部分が取付孔B20の縁部に向けて迫り出して、取付孔B20の短辺方向の各縁部に食い込み、これにより、取付ベース4の平面41のフランジ411は(防水パッキン61を介して)ヒンジ本体側の取付部B2の一方の面側で取付孔B20の全周縁部に圧接されて、ヒンジ本体1がヒンジ本体側の取付部B2に強固に取り付け固定される。このようにしてヒンジ本体1を筐体Bにワンタッチで確実に固定することができる。図24にこのヒンジ本体1を異なる厚さの2種類の取付プレートに適用した場合を示している。このヒンジ本体1のフック43特有の係止爪43Aの形状、特に他端の縁部433の円弧形状により、取付プレートの厚さが異なる場合でも、各係止爪43Aの円弧状の部分を取付孔B20の縁部に向けて迫り出して確実に食い込ませることができる。
【0065】
次に、図21に示すように、扉Dのヒンジ羽根側の取付部D1の上下に、ヒンジ羽根2を1つずつ取り付ける。なお、ヒンジ羽根2は、使用前の通常の状態では、一対の軸受52の間でフック53がフック53と一対の軸受52の底部との間のコイルスプリング55(図17参照)により各軸受52の各突出端521方向に押圧付勢されて、フック53の外面部532から他端の縁部533にかけて、すなわち、係止爪53Aが各軸受52の各突出端521間から外側に弾性的に突出される。なお、この状態は、フック53の内面部534側のストッパー535と一対の軸受52間の底部との係合により(図22参照)、フック53の各軸受52からの飛び出しが防止されて、保持される。
このヒンジ羽根2をヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10に取り付ける場合、ヒンジ羽根2のブロック5Aを一対の軸受52を横向きにすることで取付プレートD1の取付孔D10の特に正面プレートd1側の開口D101に合せ、ブロック5Aをフック53とともにヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10に正面プレートd1側の開口D101から差し込み、押し込む(ワンプッシュする)。
このようにすると、図21図22に示すように、ヒンジ羽根2は、ブロック5Aの上下面の各溝56にヒンジ羽根側の取付部D1の取付穴D10の左側部プレートd2側の開口D102の各係止縁部D103が係合しながら、ブロック5Aの側面の各軸受52の各突出端521及び上下の各面が先端から中間へ、中間から基端へヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10、すなわち正面プレートd1の開口D101の長辺方向及び短辺方向の各縁部を摺動しつつ、ヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10(正面プレートd1の開口D101)を通過する。この間、各軸受52の各突出端521間から外側に突出されるフック53の係止爪53Aはヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10(正面プレートd1の開口D101)の各長辺方向の縁部に接触して押圧され、係止爪53Aがフック53と一対の軸受52間の底部との間のコイルスプリング55の付勢力に抗して(コイルスプリング55を圧縮しながら)各軸受52間に向けて回動し各軸受52の各突出端521間に没入されていく。そして(ヒンジ羽根2が取付孔D10(正面プレートd1の開口D101)に押し込まれた瞬間)、ブロック5Aの各溝56とヒンジ羽根側の取付部D1の左側部プレートd2側の開口D102の各係止縁部D103が完全に係合し、係止爪5Aが完全に各軸受52の各突出端521間内に没入されて各軸受52がヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10(正面プレートd1の開口D101)を完全に通過し、ヒンジ羽根取付ベース5は平面511、512全周縁部のフランジ513がヒンジ羽根側の取付部D1の一方の面側で取付孔D10の全周縁部に当接するとともに、各軸受52内のフック53はヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10(正面プレートd1の開口D101)の通り抜けによりヒンジ羽根側の取付部D1の他方の面側でフック53と各軸受52間の底部との間のコイルスプリング55の付勢力(コイルスプリング55の弾性復帰)により係止爪53Aが各軸受52間から各軸受52の各突出端521方向に回動し各軸受52の各突出端521間から外側に突出されて、取付孔D10(正面プレートd1の開口D101)の長辺方向の縁部に弾性係止される。ここで、このヒンジ羽根2は、図18に示したように、フック53の回動中心がフック53の一端の縁部531側に設けられ、フック53の他端の縁部533は円の中心を各フック53の回動中心よりも各フック53の一端の縁部531に近くかつ内面部534寄りの位置におく円弧状に形成されることで、フック53は、図22に示すように、係止爪53Aの外側への回動とともに係止爪53Aの円弧状の部分が取付孔D10の縁部に向けて迫り出して、取付孔D10の長辺方向の縁部に食い込み、これにより、ヒンジ羽根取付ベース5の平面51のフランジ513はヒンジ側の取付部D1の一方の面側で取付孔D10の全周縁部に圧接されて、ヒンジ羽根2がヒンジ側の取付部D1に強固に取り付け固定される。このようにしてヒンジ羽根2を扉Dにワンタッチで確実に固定することができる。図24にこのヒンジ羽根2を異なる厚さの2種類の取付プレートに適用した場合を示している。このヒンジ羽根2のフック53特有の係止爪53Aの形状、特に他端の縁部533の円弧形状により、取付プレートの厚さが異なる場合でも、各係止爪53Aの円弧状の部分を取付孔D10の縁部に向けて迫り出して確実に食い込ませることができる。
なお、このヒンジ羽根2にあっては、フック53のヒンジ本体1の各フック43とは異なる形状により、フック53、各軸受52を共にヒンジ本体1の各フック43、各軸受42よりも小型化することができ、扉の側部で角部に近い箇所にも簡易に取り付けることができる。
【0066】
そして、図23に示すように、筐体Bのヒンジ本体1と扉Dのヒンジ羽根2とをヒンジピン3を介して連結し、筐体Bに扉Dを取り付ける。
この場合、まず、ヒンジ本体1のヒンジ本体取付ベース4の間欠部48にヒンジ羽根2のヒンジ羽根取付ベース5のブロック5Aが嵌め込まれ、ヒンジ本体取付ベース4の上下ヒンジピン挿通部47U、47Dとヒンジ羽根2のブロック5Aのヒンジピン挿通部57が合わせられ、ヒンジピン3がヒンジ本体1の上のヒンジピン挿通部47Uからヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部57を通して、ヒンジ本体1の下のヒンジピン挿通部47Dに挿通されて、ヒンジ本体1とヒンジ羽根2がヒンジピン3により連結され、筐体Bに扉Dが回動可能に取り付けられる。
【0067】
以上説明したように、このワンタッチ取付ヒンジH2によれば、ヒンジ羽根2は、ヒンジ羽根側の取付部D1に、ヒンジ羽根側の取付部Dの他方向の面に形成され、ヒンジ羽根側のブロック5Aを一対の軸受52とともに嵌装可能な他方向の面側の開口D101とヒンジ羽根側の取付部D1の一方向の面に他方向の面側の開口に連通して形成され、ヒンジ羽根2のブロック5Aの各溝56に係合可能な2つの係止縁部D103を有する一方向の面側の開口D102とからなるヒンジ羽根側の取付孔D10を形成されて、ヒンジ羽根2は、ヒンジ羽根側のブロック5A及び一対の軸受52がフック53とともにヒンジ羽根側の取付孔D10の他方向の面側の開口D101にヒンジ羽根側の取付部D1の一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通されて、一方の面側で、ヒンジ羽根取付ベース5のフランジ513がヒンジ羽根側の取付孔D10の縁部周囲に圧接されるとともに、他方の面側で、ヒンジ羽根側の2つの溝56とヒンジ羽根側の取付孔D10の一方向の面側の開口D102の各係止縁部D103が係合し、ヒンジ羽根側のフック53の係止爪53Aがヒンジ羽根側の取付孔D10の他方向の開口D101の縁部又は縁部周囲に係止されて、ヒンジ羽根側の取付部D1に取り付けられ、扉などの部材にヒンジ羽根2を溶接や取付ねじを用いることなしにワンタッチで簡易に取り付けることができ、また、溶接や取付ねじを用いないことで、ヒンジ羽根2の取り付けに要する部品点数を大幅に削減し、コストの大幅な低減を図ることができる。
【0068】
また、このワンタッチ取付ヒンジH2によれば、ヒンジ本体1は、既述の構成により、ヒンジ本体側の取付部B2にヒンジ本体側の一対の軸受42を嵌装可能にヒンジ本体側の取付孔B20を形成されて、ヒンジ本体1は、ヒンジ本体側の一対の軸受42が各係止爪43Aとともにヒンジ本体側の取付部B2のヒンジ本体側の取付孔B20に当該取付部B2の一方の面側から他方の面側に向けてワンプッシュで通されて、一方の面側で、ヒンジ本体取付ベース4のフランジ411がヒンジ本体側の取付孔B2の縁部周囲に圧接されるとともに、他方の面側で、ヒンジ本体側の各フック43の各係止爪43Aがヒンジ本体側の取付孔B20の縁部又は縁部周囲に係止されて、ヒンジ本体側の取付部B2に取り付けられるので、筐体などの部材にヒンジ本体1を溶接や取付ねじを用いることなしにワンタッチで簡易に取り付けることができ、また、溶接や取付ねじを用いないことで、ヒンジ本体1の取り付けに要する部品点数を大幅に削減し、コストの大幅な低減を図ることができる。
【0069】
また、このヒンジH2はさらに次のような利点を有する。
(1)ヒンジ羽根2のフック53は、一端の縁部531側に回動中心として軸挿通部530が設けられ、他端側の縁部533が円の中心を回動中心よりも一端の縁部531に近くかつ内面部534寄りの位置におく円弧状に形成されることで、このヒンジ羽根2をヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10に通しワンプッシュすると、係止爪53Aの外側への回動とともにこの係止爪53Aの円弧状の部分を取付孔D10の縁部に向けて迫り出して、取付孔D10の縁部に食い付かせることができ、これにより、ヒンジ羽根取付ベース5の平面51のフランジ511をヒンジ羽根側の取付部B2の取付孔B20の全周縁部の周辺に圧接させ、ヒンジ羽根側の取付部B2をヒンジ羽根取付ベース5とフック53との間で締め付けて、ヒンジ羽根2をヒンジ羽根側の取付部B2に確実に固定することができる。
(2)ヒンジ羽根2のフック53は、外面部532が各軸受52の各突出端521と平行に形成され、一端の縁部531が断面略V字形の突状に形成され、他端の縁部533が円弧状に形成され、内面部534が外面部532と対称的に外側一方の側縁部532と平行よりも少し開く方向に向けて形成されることで、フック53を角形の一対の軸受52内に各係止爪53Aのみが各軸受52の各突出端521間から出没可能に配置することができる。
この場合、フック53の内面部534の一端側を傾斜面とし、これが一対の軸受52の底部に係合されて、フック53の各軸受52から突出方向への過度の回動を規制されるので、フック53の各軸受52からの飛び出しを確実に防止することができる。
また、この場合、フック53の内面部534に筒状の孔536が形成され、ばね部材としてコイルスプリング55を採用され、コイルスプリング55が一端をフック53の孔536に保持され、他端をヒンジ羽根側の一対の軸受52間の底部に保持されて、フック53と各軸受52間との間に介装されるので、フック53を簡単な構造で各軸受52の各突出端521方向に確実に回動付勢することができる。
さらに、この場合、フック53の孔536は、一対の軸受52がフック53とともにヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10に通される前又は後で、フック53の係止爪53Aが各軸受52の各突出端521間から突出されたときに、コイルスプリング55を取付ベース5側に凸の円弧状に変形案内可能に、各フック53の内面部534に対して所定の角度を付けて形成され、かつ各孔536の各フック53の一端の縁部531側又は他端の縁部533側の内周面の一部が、一対の軸受52がフック53とともにヒンジ羽根側の取付部D1の取付孔D10に通される間で、フック53の係止爪53Aが各軸受52の各突出端521間に没入されたときに、コイルスプリング55をヒンジ羽根取付ベース5とは反対側に凸の円弧状に変形案内可能に、孔536の奥側から開口側に向けて漸次拡径される所定の角度の傾斜を付けて形成されるので、コイルスプリング55の伸縮変形を良好にし、フック53の係止爪53Aを各軸受52の各突出端521間から確実かつ円滑に出没させることができる。
(3)ヒンジ本体1の一対のフック43はそれぞれ、一端の縁部431側に回動中心として軸挿通部430が設けられ、他端側の縁部433が円の中心を回動中心よりも一端の縁部431に近くかつ内面部434寄りの位置におく円弧状に形成されることで、このヒンジ本体1をヒンジ本体側の取付部B2の取付孔B20に通しワンプッシュすると、各係止爪43Aの外側への回動とともにこの係止爪43Aの円弧状の部分が取付孔B20の縁部に向けて迫り出して、取付孔B20の縁部に食い付かせることができ、これにより、ヒンジ本体取付ベース4の平面41のフランジ411をヒンジ本体側の取付部B2の取付孔B20の全周縁部に圧接させ、ヒンジ本体側の取付部B2をヒンジ本体取付ベース4と一対のフック43との間で締め付けて、ヒンジ本体1をヒンジ本体側の取付部B2に確実に固定することができる。
この場合、一対のフック43の内面部434に筒状の孔436が形成され、ばね部材としてコイルスプリング45を採用され、コイルスプリング45が両端を各フック43の各孔436に保持されて各フック43間に介装されるようにしたので、各フック43を簡単な構造で各軸受42の両側縁部422、424方向に確実に回動付勢することができる。
また、この場合、一対のフック43の各孔436は、一対の軸受42が各フック43とともにヒンジ本体側の取付部B2の取付孔B20に通される前又は後で、各フック43の各係止爪43Aが各軸受42の両側縁部422間、424間から突出されたときに、コイルスプリング45を取付ベース4側に凸の円弧状に変形案内可能に、各フック43の内面部434に対して所定の角度を付けて形成され、かつ各孔436の各フック43の一端の縁部431側又は他端の縁部433側の内周面の一部が、一対の軸受42が各フック43とともにヒンジ本体側の取付部B2の取付孔B20に通される間で、各フック43の係止爪43Aが各軸受42の両側縁部422間、424間に没入されるときに、コイルスプリング45をヒンジ本体取付ベース4とは反対側に凸の円弧状に変形案内可能に、孔436の奥側から開口側に向けて漸次拡径される所定の角度の傾斜を付けて形成されるので、コイルスプリング45の伸縮変形を良好にし、各フック43の各係止爪43Aを各軸受42の両側縁部422間、424間から確実かつ円滑に出没させることができる。
【0070】
なお、この実施の形態において、ヒンジ本体1のヒンジ本体取付ベース4とヒンジピン挿通部47との間の形状、また、ヒンジ羽根2のヒンジ羽根取付ベース5とヒンジピン挿通部57との間の形状は、一方の部材と他方の部材との結合形式に応じて、任意に変更可能である。
また、ばね部材55には、コイルスプリングに代えて、トーションスプリングや板ばねなどが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0071】
(第1の実施の形態)
H ワンタッチ取付ヒンジ
1 ヒンジ本体
2 ヒンジ羽根
3 ヒンジピン
3A、3B ピン
31 係止溝
311 係止ガイド
32 係止溝
321 係止ガイド
33 溝
4 取付ベース
41 平面
41a 長辺側の縁部
41b 短辺側の縁部
411 フランジ
412 受け部
42 軸受
421 突出端
422 側縁部
423 軸挿通部
424 側縁部
425 テーパ状の溝
43 フック
430 軸挿通部
431 一端の縁部
432 外側一方の側縁部
433 他端の縁部
434 内側他方の側縁部
43A 係止爪
435 ストッパー
436 孔
437 内周面の一部
44 軸
45 ばね部材(コイルスプリング)
46 ヒンジアーム
47 ヒンジピン挿通部
47U 上のヒンジピン挿通部
47D 下のヒンジピン挿通部
48 間欠部
491 溝
491a 両側の溝
491b 中間の溝
491c 突片
491d ヒンジピンストッパー
5 取付ベース
51 平面
51a 長辺側の縁部
51b 短辺側の縁部
511 フランジ
512 受け部
5A ヒンジブロック
52 軸受
521 突出端
522 側縁部
523 軸挿通部
524 側縁部
53 フック
530 軸挿通部
531 一端の縁部
532 外側一方の側縁部
533 他端の縁部
534 内側他方の側縁部
53A 係止爪
535 ストッパー
536 孔
537 内周面の一部
54 軸
55 ばね部材(コイルスプリング)
57 ヒンジピン挿通部
570 孔
61、62 防水パッキン
R ラック
B 筐体
B1 固定枠
B2 側部プレート(取付プレート)
B20 孔
D 扉
D1 側部(取付プレート)
D10 取付孔
(第2の実施の形態)
H2 ワンタッチ取付ヒンジ
1 ヒンジ本体
2 ヒンジ羽根
3 ヒンジピン
4 ヒンジ本体取付ベース
4A 本体部
41 平面
41a 長辺側の縁部
41b 短辺側の縁部
411 フランジ
412 受け部
413 リブを有する面
414 曲面形状を有する面
42 ヒンジ本体側の一対の軸受
421 突出端
422 側縁部
423 軸挿通部
424 側縁部
425 テーパ状の溝
43 ヒンジ本体側の一対のフック
430 軸挿通部
431 一端の縁部
432 外面部
433 他端の縁部
434 内面部
43A 係止爪
435 ストッパー
436 孔
44 軸
45 ヒンジ本体側のばね部材(コイルスプリング)
46 ヒンジアーム
47 ヒンジピン挿通部
47U 上のヒンジピン挿通部
47D 下のヒンジピン挿通部
48 間欠部
5 ヒンジ羽根取付ベース
511、512 平面
511a 一方のプレート
512a 他方のプレート
513 フランジ
5A ブロック
52 軸受
521 突出端
523 軸挿通部
53 フック
530 軸挿通部
53S 側面部
531 一端の縁部
532 外面部
533 他端の縁部
534 内面部
53A 係止爪
535 ストッパー
536 孔
54 軸
55 ばね部材(コイルスプリング)
56 溝
57 ヒンジピン挿通部
61 防水パッキン
R ラック
B 筐体
B1 固定枠
B2 側部プレート(ヒンジ本体側の取付部)
B20 取付孔
D 扉
d1 正面プレート
d2 左側部プレート
D1 コーナー部(ヒンジ羽根側の取付部)
D10 取付孔
D101 開口
D102 開口
D103 係止縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24