(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053295
(43)【公開日】2023-04-12
(54)【発明の名称】被覆された流動修正装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/07 20130101AFI20230404BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20230404BHJP
【FI】
A61F2/07
A61M25/10 510
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023020654
(22)【出願日】2023-02-14
(62)【分割の表示】P 2021543301の分割
【原出願日】2020-01-23
(31)【優先権主張番号】62/795,836
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/868,356
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521325477
【氏名又は名称】ニオバスク メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】キース アラン ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】コリン アレクサンダー ニュリ
(72)【発明者】
【氏名】シュムエル バナイ
(72)【発明者】
【氏名】フレデリクス アントニウス コーレン
(57)【要約】
【課題】好適な被覆された流動修正装置を提供すること。
【解決手段】流動修正装置が、近位端および遠位端を有する半径方向拡張可能フレームを形成するためにともに結合される、複数の支柱を含み得る。近位および遠位端は、拡張された近位および遠位端に半径方向に拡張可能であり得る。拡張可能フレームの縮径部分が、拡張された近位および遠位端の間に配置され得、縮径部分は、通路を通して流体流を備え得る。カバーが、半径方向拡張可能フレームの少なくとも一部にわたって配置され得る。縮径部分は、その埋込直後にそれを通した流体流を修正し、流入端と縮径部分との間に圧力勾配を形成する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、そのそれぞれが、本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年1月23日に出願された米国仮特許出願第62/795,836号(弁理士整理番号第5130.020PRV号)および2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,356号(弁理士整理番号第5130.020PV2号)の優先権の利益を主張する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許第9,364,354号に関する。
【0003】
(背景)
冠状動脈の閉塞および/または狭窄は、狭心症として公知の慢性的な痛みをもたらし得る。命を脅かすものではないが、狭心症は、生活の質の変化をもたらし得る。薬物治療、ステント埋込、バルーン血管形成術、冠状動脈バイパス移植術(CABG)等の種々の治療が、狭心症に対処するために存在する。医学および介入療法が無効である、狭心症は、一般的かつ日常生活に支障を来す医学的条件であり、世界中で数百万人の患者を侵す主要な公衆衛生上の問題である。これは、血行再建術に関して良好な候補ではない患者においてだけではなく、また、血行再建術が成功した後の患者においても一般的である。狭心症の有病率は、血行再建術から1年後に25%も高率であり、3年後には最大45%にもなる。狭心症に関する種々の治療が、現在、利用可能である。各治療は、有望であるが、使用のためにある兆候に限定され得、したがって、新しい治療が、望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施例1は、近位および遠位端を有する半径方向拡張可能フレームを形成するためにともに結合される、複数の支柱であって、近位および遠位端は、拡張された近位および遠位端に半径方向に拡張可能である、複数の支柱と、拡張された近位および遠位端の間に配置される、拡張可能フレームの縮径部分であって、縮径部分は、通路を通して流体流を備える、縮径部分と、半径方向拡張可能フレームの少なくとも一部にわたって配置される、カバーとを備え、縮径部分は、その埋込直後にそれを通した流体流を修正し、流入端と縮径部分との間に圧力勾配を形成する、流動修正装置である。
【0005】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
流動修正装置であって、
近位端および遠位端を有する半径方向拡張可能フレームを形成するためにともに結合される複数の支柱であって、上記近位端および遠位端は、拡張された近位端および遠位端に半径方向に拡張可能である、複数の支柱と、
上記拡張された近位端および遠位端の間に配置される上記拡張可能フレームの縮径部分であって、上記縮径部分は、通路を通して流体流を備える、縮径部分と、
上記半径方向拡張可能フレームの少なくとも一部にわたって配置されるカバーと
を備え、
上記縮径部分は、その埋込直後にそれを通した流体流を修正し、流入端と上記縮径部分との間に圧力勾配を形成する、流動修正装置。
(項目2)
上記圧力勾配は、上記装置の流入端と上記縮径部分との間で最も大きい、項目1に記載の装置。
(項目3)
上記流体流の速度は、上記縮径部分内で最も大きい、項目1に記載の装置。
(項目4)
上記拡張された近位端および遠位端は、フレア状端部である、項目1に記載の装置。
(項目5)
上記半径方向拡張可能フレームは、外面を有し、上記カバーは、上記外面の一部のみにわたって配置される、項目1に記載の装置。
(項目6)
上記半径方向拡張可能フレームは、外面を有し、上記カバーは、上記外面の全てにわたって配置される、項目1に記載の装置。
(項目7)
上記カバーは、上記縮径部分のみにわたって配置される、項目1に記載の装置。
(項目8)
上記拡張された近位端および遠位端は、少なくとも部分的に、被覆されないままである、項目1に記載の装置。
(項目9)
上記カバーは、ポリマー、織物、合成材料、組織、またはそれらの組み合わせを含む、項目1に記載の装置。
(項目10)
上記カバーは、上記拡張可能フレームの少なくとも2/3にわたって中心に配置される、項目1に記載の装置。
(項目11)
上記カバーは、上記流動修正インプラントが、血管と係合するように半径方向に拡張されると、上記カバーが、上記血管に直接接触せず、それによって、炎症反応を修正または防止するように、上記縮径部分にわたって位置付けられる、項目1に記載の装置。
(項目12)
上記カバーは、血管壁による炎症応答を防止するかまたは最小限にするように構成される、項目1に記載の装置。
(項目13)
上記縮径部分は、2~4mmの直径を備える、項目1に記載の装置。
(項目14)
上記複数の支柱は、上記拡張可能フレームが、圧潰構成にあるとき、複数の長方形スロットを形成し、上記複数の長方形スロットは、上記拡張可能フレームが、半径方向拡張構成にあるとき、菱形形状に拡張し、上記菱形形状は、高さおよび長さを有し、上記高さは、上記近位端および遠位端からそれらの間に配置される中心点に向かって減少する、項目1に記載の装置。
(項目15)
上記長さは、上記近位端および遠位端から上記中心点に向かって減少する、項目14に記載の装置。
(項目16)
上記流動修正装置は、自己拡張するかまたはバルーン拡張可能である、項目1に記載の装置。
(項目17)
流入端と、流出端とをさらに備え、上記カバーは、上記流入端上のみに、または上記流出端上のみに配置される、項目1に記載の装置。
(項目18)
流動修正インプラントを送達するためのシステムであって、上記システムは、
項目1に記載の流動修正インプラントと、
送達カテーテルと
を備える、システム。
(項目19)
血管内の流動を修正するための方法であって、上記方法は、
近位端および遠位端を備える流動修正装置を提供することと、
上記流動修正装置を上記血管内の標的治療領域に送達することと、
上記近位端および遠位端が、それらの間に配置される縮径部分よりも直径が大きくなるように、上記流動修正装置を半径方向に拡張することと、
上記流動修正装置の送達に応じて、上記流動修正装置を通して血流を直ちに修正し、それによって、上記流動修正装置の流入端と上記縮径部分との間に圧力勾配を形成することであって、上記流動修正装置にわたって配置されるカバーが、血流の上記修正を促進する、ことと
を含む、方法。
(項目20)
上記流体流の速度を上記縮径部分内で最も大きくさせる、項目19に記載の方法。
(項目21)
上記流動修正装置を半径方向に拡張することは、上記近位端および遠位端においてフレア状領域を形成することを含む、項目19に記載の方法。
(項目22)
上記流動修正装置を半径方向に拡張することは、上記カバーを拡張することを含み、上記カバーは、上記流動修正装置の外面の一部のみにわたって配置される、項目19に記載の方法。
(項目23)
上記流動修正装置を半径方向に拡張することは、上記カバーを拡張することを含み、上記カバーは、上記流動修正装置の外面の全てにわたって配置される、項目19に記載の方法。
(項目24)
上記流動修正装置を半径方向に拡張することは、上記カバーを拡張することを含み、上記カバーは、上記縮径領域のみにわたって配置される、項目19に記載の方法。
(項目25)
上記流動修正装置を半径方向に拡張することは、上記カバーを拡張することを含み、上記近位端および遠位端は、少なくとも部分的に、被覆されないままである、項目19に記載の方法。
(項目26)
上記流動修正装置を半径方向に拡張することは、上記血管に直接接触することなく上記カバーを拡張し、それによって、炎症反応を修正または防止することを含む、項目19に記載の方法。
(項目27)
上記流動修正装置を半径方向に拡張することは、長方形形状セルから菱形形状セルを形成することを含み、上記菱形形状セルの高さは、上記近位端および遠位端からそれらの間に配置される中心点に向かって減少する、項目19に記載の方法。
(項目28)
上記菱形形状セルは、長さを有し、上記長さは、上記近位端および遠位端から上記縮径領域に向かって減少する、項目27に記載の方法。
必ずしも縮尺通りに描かれるわけではない図面では、同様の番号は、異なる図において類似する構成要素を説明し得る。異なる文字の添字を有する同様の番号は、類似する構成要素の異なる事例を表し得る。図面は、概して、実施例として、限定ではないが、本書に議論される種々の実施例を図示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、冠状静脈洞内に埋込される、流動修正インプラントを示す、概略図である。
【0007】
【
図2】
図2は、流動修正インプラントの概略側面図である。
【0008】
【
図3A】
図3A-3Bは、流動修正インプラントの実施例を図示する。
【
図3B】
図3A-3Bは、流動修正インプラントの実施例を図示する。
【0009】
【
図3C】
図3Cは、送達カテーテル上に搭載される、
図3Aの流動修正インプラントの等角図である。
【0010】
【
図4A】
図4A-4Bは、スリットタイプ流動修正インプラントの平面レイアウトを図示する。
【
図4B】
図4A-4Bは、スリットタイプ流動修正インプラントの平面レイアウトを図示する。
【0011】
【
図4C】
図4C-4Dは、それぞれ、平滑な周縁を伴うスリットタイプ流動修正インプラントの平面レイアウトおよび等角図である。
【
図4D】
図4C-4Dは、それぞれ、平滑な周縁を伴うスリットタイプ流動修正インプラントの平面レイアウトおよび等角図である。
【0012】
【0013】
【
図6】
図6は、二重層流動修正インプラントの等角図である。
【0014】
【
図7A】
図7A-7Gは、流動修正インプラントの実施例である。
【
図7B】
図7A-7Gは、流動修正インプラントの実施例である。
【
図7C】
図7A-7Gは、流動修正インプラントの実施例である。
【
図7D】
図7A-7Gは、流動修正インプラントの実施例である。
【
図7E】
図7A-7Gは、流動修正インプラントの実施例である。
【
図7F】
図7A-7Gは、流動修正インプラントの実施例である。
【
図7G】
図7A-7Gは、流動修正インプラントの実施例である。
【0015】
【
図8】
図8A-8Bは、それぞれ、環状メッシュタイプ流動修正インプラントの等角図および詳細である。
【0016】
【
図9】
図9は、部分的に被覆されたメッシュタイプ流動修正インプラントの等角図である。
【0017】
【
図10】
図10は、流動および修正インプラントの実施例を図示する。
【0018】
【0019】
【
図11B】
図11B1-11B3は、流動修正装置に関する送達システムおよび送達シーケンスを図示する。
【0020】
【0021】
【0022】
【
図12】
図12は、流動修正インプラントの実施例を図示する。
【0023】
【
図13】
図13A-13Bは、基本的なヒト心臓の解剖学的構造を図示する。
【0024】
【
図14】
図14A-14Cは、流動修正デバイスを治療部位に送達する方法の実施例を図示する。
【0025】
【
図15】
図15A-15Fは、インプラントの種々の部分上にカバーを伴う流動修正インプラントの実施例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
必ずしも縮尺通りに描かれるわけではない図面では、同様の番号は、異なる図において類似する構成要素を説明し得る。異なる文字の添字を有する同様の番号は、類似する構成要素の異なる事例を表し得る。図面は、概して、実施例として、限定ではないが、本書に議論される種々の実施例を図示する。
【0027】
図1は、冠状静脈洞102内に配設される、流動修正インプラント100を示す、概略図である。冠状静脈洞102は、複数の心静脈106を右心房104の中に連絡させる。心循環器は、概して、階層的であり、縮小する(または増加する)直径の血管の段階を備える。したがって、静脈106は、順に、複数の薄い細静脈108に連絡し、これは、いくつかの段階後、複数の毛細血管110に連絡する。毛細血管110は、複数の細動脈112によってフィードされ、これは、いくつかの段階後、複数の冠状動脈114および120によってフィードされる。狭窄症116が、冠状動脈114内に示される。心循環器は、概して、階層的であるが、いくつかの接続が、異なる枝の間に存在する。時折、狭窄症116の存在は、狭窄症116を迂回する、側副接続118を冠状動脈114と120との間に自然に形成させる(または既存の接続を広げさせる)であろう。
【0028】
しかしながら、ある場合には、本自然な形成は、起こらない。任意の実施例では、流動修正インプラント100が、冠状静脈洞102内に設置され、側副接続118の形成を促すために十分に有意な狭化部を有する。任意の理論によって拘束されるわけではないが、側副接続118が、静脈血圧の増加によって引き起こされ、これが、ひいては、毛細血管内の圧力を増加させる、および/または毛細血管内の逆行性流動を引き起こす、および/または心臓への直接の毛細血管の連絡を引き起こすという仮説が立てられる。しかしながら、本仮説が、正しくない場合であっても、多数の実験および実際の手技を含むいくつかの研究は、冠状静脈洞102の収縮が、概して、側副循環の形成を引き起こす、および/または別様に遮断された冠状動脈を伴う患者の条件を改善するであろうことを示している。随意に、流動修正インプラント100の収縮効果を選択するために使用される、代替または付加的仮説は、以下を含む。
(a)流動修正インプラント100が、冠状毛細血管内のインプラントの上流の圧力を増加させ、したがって、灌流持続時間を増加させる。
(b)静脈系の抵抗の増加が、冠状動脈内の血流の再分配を引き起こす。
(c)静脈系の抵抗の増加が、心筋内灌流圧力および/または心筋内圧力を増加させる。(d)例えば、Braunwald 「Heart Disease: A Textbook of Cardiovascular Medicine」, 5th Edition, 1997, W.B. Saunders Company, Chapter 36, pages 1168-1169に説明されるような自己調節等、(静脈排出を制限することによって)動脈拡張期圧を増加させることが、動脈の自己調節を再び機能させ始める。
【0029】
流動修正インプラント100の選択が、随意に、冠状静脈排出系によって可能にされる、ある程度の排出および最大圧力を可能にする等、所望の程度まで、および/または安全性の問題を考慮して、上記に示唆される効果のうちの1つ以上のものを達成するために行われ得ることに留意されたい。
【0030】
図2は、本明細書の任意の実施例において使用され得る、流動修正インプラント100の概略側面図である。流動修正インプラント100は、狭化区分204と、狭化区分204につながる、少なくとも1つのフレア状区分200(および随意に、対向する端部202もまたフレアされる)とを備える。区分200(および随意に、202)は、冠状静脈洞102の壁に対して傾斜される区分210および206と、血管壁に略平行である区分212および208とを含む。
【0031】
示される実施例および測定または本明細書の任意の実施例では、流動修正インプラント100は、半径方向に拡張可能であり、拡張の間に若干短縮化してもよく、インプラントは、拡張前に20mmおよび拡張後に約18.8mmの長さを有してもよい。随意に、任意の実施例では、非短縮設計、例えば、米国特許第5,662,713号(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等の蠕動ステントにおけるようなメッシュが、使用されてもよい。使用され得る材料厚の実施例は、0.15mmであるが、しかしながら、より薄いまたはより厚い材料が、使用されてもよい。インプラント長の他の実施例は、5mm、12mm、24mm、35mm、45mmであり、任意のより小さい、中間、またはより大きいサイズが、使用されてもよい。長さは、随意に、標的静脈の生理学的サイズ(例えば、長さおよび湾曲)に合致するように、および/または静脈壁との良好な接触を確実にするように選択される。狭化区分204の長さは、例えば、0.5mm、1mm、2mm、3mm、5mmであってもよい、または任意のより短い、中間、またはより長い長さが、所望の流動動態を達成するために使用されてもよい。フレア状区分の例示的内径は、2mm~30mm、例えば、5mm、10mm、15mm、20mmである、または任意のより大きい、より小さい、または中間直径が、静脈または血管直径に合致するために、任意の実施例において使用されてもよい。狭化区分の内径は、例えば、1mm、2mm、3mm、5mm、10mmであってもよい、または任意のより小さい、より大きい、または中間直径が、所望の流動動態および/または流動修正インプラントを横断する所望の圧力差を達成するために、任意の実施例において使用されてもよい。
【0032】
流動修正インプラントの任意の実施例では、狭化区分204の断面と流動修正インプラント100のフレアとの間の比率は、0.9、0.8、0.6、0.4、0.2であってもよい、または任意のより大きい、より小さい、または中間比率が、所望の流動動態および/または流動修正インプラントを横断する所望の圧力差を達成するために使用されてもよい。
【0033】
円形断面が、示されるが、任意の他の断面、例えば、多角形、長円形、および楕円形が、使用されてもよい。非円形断面の潜在的利点は、インプラントが、軸方向に移動する、および/または回転する可能性がより低いことである。代替として、または加えて、任意の実施例では、流動修正インプラントの外側は、粗面化される、および/または別様に静脈壁に接着するように適合される。任意の実施例における断面形状および/または配向は、随意に、流動修正インプラント100の長さに沿って変化してもよい。
【0034】
図3Aは、スリットタイプ流動修正インプラントの切断パターンの平坦レイアウトであり、
図3Bは、
図3Aの詳細である。本平面レイアウトでは、区分200および202の端部は、流動修正インプラント100が、拡張されるとき、血管壁に平行であるようにされる。
【0035】
任意の実施例では、流動修正インプラント100の外側フレアは、
図3Bに示される、区分340および342によって画定される。随意に、任意の実施例では、これらの区分の全長は、最大フレア長を画定する。代替として、または加えて、任意の実施例では、これらの区分内およびそれらの間の屈曲面積は、周縁の近傍の面積に対してフレア領域を拡張するために要求される相対的力を定義する。周縁領域が、隣接する領域よりも拡張することが困難である、および/またはそれよりも少なく拡張される場合、流動修正インプラント100の拡張は、周縁を内側に屈曲させる、または少なくとも外側にフレアさせない傾向があるであろう。代替として、自己拡張流動修正インプラントでは、区分340および342の存在は、フレアの最終形状を決定するために使用されることができる。随意に、任意の実施例では、付加的区分346が、流動修正インプラント100の円周の周囲に提供され、これは、流動修正インプラント100内の外側スリットを画定し、その外側スリットは、近傍の(軸方向に内向きの)スリットと同一である、またはそれよりも小さい最大拡張を有してもよい。本設計はまた、フレアの形状を制御するために使用されることができる。
【0036】
インプラントは、本デバイスの縦方向軸に略平行である複数の伸長軸方向配向スロットを有するように、レーザを用いて、または放電加工によって、皮下針管類から切断されてもよい。各スロットは、軸方向に配向される支柱であり、円周方向に配向されるコネクタ要素とともに接続される、複数の支柱によって画定され、それによって、圧潰構成において一連の長方形スロットを形成する。スロットは、切断パターン100の平坦レイアウトの両側上に存在し、スロットを伴う、またはスロットを伴わない、中間部分204が、存在してもよい。本デバイスの対向する端部は、伸長支柱を継合するコネクタ要素から形成される、平滑な縁を有してもよい。コネクタ要素は、端部において拡大ヘッド領域を形成する、弓形領域を有してもよい。バルーンから等の半径方向力が、本デバイスの内径に印加されると、本デバイスは、フレアを形成する拡張構成に半径方向に外向きに拡張する。
【0037】
流動修正インプラントの任意の実施例では、インプラントは、本最大直径によって特徴付けられてもよく、これは、例えば、患者に合致するように特定の流動修正インプラントを選択するために使用されてもよい。随意に、インプラントの任意の実施例では、拡張の間、バルーンは、これが、流動修正インプラント100のフレア領域にのみ接触する、または非フレア領域にのみ接触するように、流動修正インプラント100と整合される。
【0038】
図3Cは、本発明のある実施例による、バルーンカテーテル送達システム302上に搭載される、流動修正インプラント100(
図3A)の等角図である。
【0039】
インプラントの任意の実施例では、流動修正インプラント100は、例えば、レーザ、水切断、化学腐食、または金属スタンピングを使用して、金属のシートまたは管から切断することによって形成される(例えば、結果は、管を形成するように溶接される)。代替として、流動修正インプラント100は、例えば、当技術分野で同様に公知の方法を使用して、(例えば、金属またはプラスチック繊維から)織成される。随意に、任意の実施例では、狭化区分204は、フレア状区分200および202と異なる方法を使用して作製され、例えば、フレア状区分は、織成され、狭化区分は、シート金属から切断される。任意の実施例では、流動修正インプラントは、狭化区分204の拡張を防止する、締付リングを含んでもよい。随意に、任意の実施例では、拘束リングは、可能性として、塑性的に変形可能である、または自己拡張し得る、流動修正インプラント100の残りの部分よりも高い圧力下で、塑性的に拡張可能である。代替として、または加えて、任意の実施例では、拘束リングは、狭化の所望の程度を設定するように選択され、次いで、埋込のために流動修正インプラント、ステント、またはステントグラフト上に搭載される。スリーブ流動修正インプラント(
図7G)では、類似する効果が、ステントグラフトを縫合することによって達成され得る。
【0040】
標的治療部位へのインプラントの送達に応じて、単一の拡張面積を伴う標準的バルーンカテーテル、例えば、Jomed, Inc.によるFox CatheterTMが、その輪郭形状を達成するようにインプラントを促すために使用されてもよい。バルーンが、インプラントの管腔に対して押圧する際、狭化区分は、フレア状区分200および202が圧力下で拡張する間、拡張することを防止される。幅狭区分が拡張することを防止するための種々の方法、例えば、非狭化区分に対して狭化区分に異なる機械的性質、異なる設計、または付加的要素を提供することが、下記に説明される。
【0041】
インプラントの任意の実施例では、流動修正インプラント100は、シートから切断され、次いで、流動修正インプラント100の形状を形成するようにマンドレルの周囲で螺旋状に捻転されてもよい。代替として、流動修正インプラント100は、管から切断され、フレア状部分は、螺旋カットであり、狭化部分は、リングカットである。代替として、流動修正インプラント100は、軸方向に変動する弛緩位置を伴うコイルばねとして形成される。
【0042】
インプラントの任意の実施例では、流動修正インプラント100は、冠状静脈洞または他の冠状静脈または非筋肉壁を有する他の静脈における使用のために適合されてもよい。静脈は、(動脈と比較して)低い弾性度を有し、引裂に比較的に敏感であるという特色を示す。任意の実施例では、流動修正インプラント100の縁は、例えば、
図1に参照番号130によって示されるように、内向きに湾曲する、または曲げられる。代替として、または加えて、任意の実施例では、縁は、鋭い縁を除去するために折り返される、および/または平滑化される。代替として、平行区分208および212(
図2)は、冠状静脈洞102に害を及ぼすことなく流動修正インプラント100を支持するために十分に長く作製される。代替として、または加えて、任意の実施例では、流動修正インプラント100または少なくともそのより大きい直径部分は、流動修正インプラント100が冠状動脈流動修正インプラント壁に対して過剰な圧力を印加することを防止するために、十分に柔らかく、および/または低いばね定数を伴って作製される。代替として、または加えて、任意の実施例では、流動修正インプラント100のフレアは、生物学的に不活性の可撓性コーティング、例えば、軟質シリコーンエラストマまたはラテックス、テフロン(登録商標)、および/またはポリウレタン(例えば、生物学的に不活性のポリウレタンプラスチックであるAngioflex)等の別の軟質プラスチックまたはゴム材料を用いてコーティングされる。
【0043】
図4A-4Bは、スリットタイプ流動修正インプラント100の平面レイアウトである。
図4Bでは、周縁402が、区分440および446によって画定される。示されるように、これらの区分は、可能性として、区分が区分442および444に接続する場所で少量の歪みを伴って(したがって、周縁402は平滑なままである)、比較的に平滑な周縁を提供するように設計される。ともに、区分442、444、および446は、周縁402のための外側スリットを画定する。支柱、スロット、およびコネクタ要素等のインプラントの構造は、概して、
図3A-3Cに前述で説明されるものと同一の形態をとる。随意に、または加えて、任意の実施例では、圧潰構成において「V」形状にあり得る、コネクタ446が、存在してもよい。拡張されると、「V」形状は、
図4Cに最も詳細に見られるように、周縁を画定する線形かつ円周方向に配向される支柱になってもよい。
【0044】
血管新生助長手技に関する候補である患者は、血液を冠状動脈組織に供給する1つ以上の冠状動脈内に収縮および/または流動の欠如を伴う冠状循環の有意な血管障害を有し得る。冠状静脈洞の中に縮小インプラント100を経皮的に導入する、および/または位置付けるためであっても、侵襲性外科手術手技は、不都合な後遺症を伴う心血管の事故を誘起し得る。したがって、例えば、バルーンカテーテルの使用の間、脈管が侵襲される時間の量を避ける、および/または限定することが、一部の個人において望ましい。
【0045】
図4C-4Dは、それぞれ、平滑な周縁を伴うスリットタイプ流動修正インプラント1100の平面レイアウトおよび等角図である。
【0046】
任意の実施例では、スリットタイプ流動修正インプラント1100は、例えば、送達カテーテルまたはシースから退出することに応じて、最終構成状態を自動的に達成し、それによって、スリットタイプ流動修正インプラント1100の初期展開および埋込のためのバルーンカテーテルの使用を避ける、形状記憶材料(例えば、ニチノール)を含む。代替として、バルーン拡張可能材料、例えば、拡張によって塑性的に変形するものが、使用されてもよい。
【0047】
任意の実施例では、
図4Cに平面図で示される、スリットタイプ冠状動脈流動修正インプラント1100は、事前形成されたスリット1102を含有する。スリット1102(および随意に、第2のまたはさらなる列におけるスリット1104のセット)は、非拡張状態において、波形構成を有する少なくとも1つの縁1132を備える、スリットタイプ流動修正インプラント1100の外側縁1132に沿って列1122(および列1124)を画定する。例えば、
図4Dに示される、拡張に応じて、縁1132は、スリット1102が、長方形外観をとる間、平滑かつ線形になり、縁1132は、例えば、スリット1126に対して横方向である。本発明の任意の実施例では、周縁のスリットは、インプラント1100の残りの部分のスリットよりも幅広く、それによって、その最終拡張構成に影響を及ぼす。
【0048】
任意の実施例では、スリットタイプ冠状動脈流動修正インプラント1100は、バルーンカテーテルによる随伴を伴わずに、ガイドシースを使用して、冠状静脈洞内のその展開部位に移送される。スリットタイプ冠状動脈流動修正インプラント1100が、その目的地に到達し、そのガイドシースから退出する際、冠状動脈流動修正インプラント1100は、
図4Dに示される、その最終形状に自動的に拡張する。このように、スリットタイプ冠状動脈流動修正インプラント1100は、例えば、バルーンカテーテルを使用する操作および/または拡張を要求しない。
【0049】
代替として、または加えて、任意の実施例では、バルーンカテーテルが、例えば、これが、記憶された形状を自動的に達成しない材料から作製されるとき、スリットタイプ流動修正インプラント1100の拡張を促進するために使用されてもよい。任意の実施例では、スリット1122および/または1124の列は、流動修正インプラント1100がバルーンカテーテルの圧力下で最終形状に形成され、したがって、最小の時間の量および/または周辺組織への応力を伴って配設されることを助長する長さおよび/または配向を有する。
【0050】
任意の実施例では、インプラントは、拡大された対向する端部および収縮された中間区分が存在する、砂時計形状本体を有してもよい。拡大された端部は、フレア状区分と、周縁区分とを含んでもよい。フレア状区分は、単調に増加するフレア状区分および一定の直径の周縁区分である。中間区分は、略円筒形であってもよい。フレア状区分では、本デバイスの縦方向軸に略平行である、複数の伸長の軸方向に配向されるスロットが、存在する。各スロットは、縦方向軸に略平行な複数の軸方向に配向される支柱を含む、いくつかの支柱によって囲繞され、1つ以上の円周方向に配向されるコネクタ要素とともに接続され、それによって、長方形スロットを画定する。周縁区分では、本デバイスの縦方向軸に略横方向である、複数の伸長の円周方向に配向されるスロットが、存在する。例えば、円周方向に配向されるスロットは、本デバイスの縦方向軸に垂直であってもよい。各スロットは、縦方向軸に略横方向である複数の円周方向に配向される支柱を含む、いくつかの支柱によって囲繞され、軸方向に配向され、本デバイスの縦方向軸に略平行である1つ以上のコネクタ要素とともに接続され、それによって、長方形スロットを画定する。中間区分では、本デバイスの縦方向軸に略平行である、複数の伸長の軸方向に配向されるスロットが、存在する。各スロットは、縦方向軸に略平行な複数の軸方向に配向される支柱を含む、いくつかの支柱によって囲繞され、1つ以上の円周方向に配向されるコネクタ要素とともに接続され、それによって、長方形スロットを画定する。中間領域内の支柱は、フレア状領域ほど半径方向に拡張しない、より剛性の領域を作成するために、フレア状領域または周縁領域のいずれか、または両方における支柱よりも幅広くてもよい。同様に、支柱の長さは、半径方向拡張を制御するために、より長い、またはより短い、またはフレア状領域内の支柱に調節されてもよい。随意に、または加えて、フレア状領域では、スロットは、様々な長さおよび幅を伴う複数のサイズであってもよく、したがって、スロットは、同一である、または異なってもよい。
【0051】
任意の実施例では、スリットタイプ冠状動脈流動修正インプラント1100は、配設に続く操作および/または拡張に応答して、その形状を改変するように設計される。任意の実施例では、スリット1138は、幅狭通路1168が、配設の間に第1の直径を自動的に達成するように拡張する。任意の実施例では、スリットタイプ冠状動脈流動修正インプラント1100の配設に続いて、バルーンカテーテルが、幅狭通路1168の中に導入され、幅狭通路1168に対して半径方向に外向きに押圧するように膨張される。任意の実施例では、構成要素材料の堅性に応じて、7~8気圧、または7気圧を下回る、または8気圧を上回る圧力が、拡張スリット1138をより大きい断面に拡張させる。これにより、幅狭区分1168は、これが配設の直後に有していたものよりも大きい直径を有する。
【0052】
示されないが、スリットのうちのいくつか、例えば、スリット1138は、インプラントの縦方向軸に対して斜角であり、したがって、可能性として、拡張するために異なる程度の力を要求する、および/または展開されたインプラントの捻転を提供し得る。対向する斜角スリットを提供することは、インプラントの短縮化を制御するために、任意の実施例において使用されてもよい。斜角スリットは、拡張に応じて短縮化するようにインプラントを付勢するために使用されてもよい。
【0053】
任意の実施例では、流動修正インプラント1100が、配設されると、血液は、冠状静脈洞の壁に接触するように幅狭通路1168および/またはフレア1160の壁を通して殆どまたは全く移動しない。これは、スリットの幅狭構成によって達成され得る。代替として、または加えて、スリットの長さは、狭化部1168の近傍で減少する。
【0054】
本明細書に議論される任意の実施例では、狭化部1168は、両端上の1つ以上のフレア1160が、本デバイスを係留するために血管壁と係合するように拡張され得る間、拡張されないままである、または部分的にのみ拡張される。典型的な冠状静脈洞は、直径において4mm~16mmであり得、したがって、インプラントのフレア状端部は、直径において約4mm~16mmまで拡張されてもよいが、これは、限定であることを意図していない。フレア状端部は、インプラントを治療面積組織の中に係合および係留するための任意のサイズまで拡張されてもよい。同様に、狭化部1168は、所望の流動特性を提供するために、直径において約2mm~4mmの直径を有してもよいが、これは、限定であることを意図していない。したがって、拡張に応じて、狭化部1168は、フレア直径の10%~50%、または15%~45%、または20%~40%、または25%~35%の直径を有してもよいが、これは、限定であることを意図していない。任意の実施例では、幅狭区分は、フレア直径の15%、20%、25%、30%、35%、40%、または45%であってもよいが、これは、限定であることを意図していない。
【0055】
任意の実施例では、インプラント壁を通した血流の限定および/または中断を達成するために、スリット(例えば、周縁におけるスリット1102および1104のみではない)が、数において増加される一方、それらの幅は、修正される。血液の粘性は、スリットの減少された幅を通してその流動を妨げる一方、増加された数のスリットは、インプラント1100の拡張を促し得る。これは、インプラント壁を通した血流の正味の低減をもたらし得る。
【0056】
代替として、または加えて、任意の実施例では、スリット幅は、デバイス幾何学形状を画定することに役立つために使用されてもよい。例えば、スリット(実際には空間)1104は、他のスリットよりも幅広い。スリット1104が、スリット1102よりも幅広く作製される場合、周縁における湾曲が、もたらされ得る。
【0057】
また、示されるものは、スリットが、長い、および短いスリットの交互する列において配列される、随意の設計である。代替として、または加えて、任意の実施例では、示されるように、スリットのサイズおよび/または密度は、インプラント1100の中心の近傍よりも周縁の近傍でより大きい。代替として、または加えて、任意の実施例では、示されるように、スリットの長さは、狭化部1168からの距離の関数として増加する。
【0058】
図4Dに示されるように、インプラント1168の材料は、拡張によって歪曲される。代替として、または加えて、任意の実施例では、スリットは、歪曲され、材料は、これらの歪みに共形化するように歪曲される。例えば、周縁の最近傍の短い軸方向スリットは、長方形形状ではなく、台形を達成する。一般に、拡張構成は、理想化されており、実際の拡張形状は、可能性として、インプラント内のスリットの離散パターンによって引き起こされる段差状歪みを含む。
【0059】
図5は、流動修正インプラントの任意の実施例と併用され得る、冠状静脈洞102への血管経路を示す。流動修正インプラント100は、経血管アプローチを使用して、例えば、静脈系から、または心臓内の室内壁を通して横断することによって、埋込されてもよい。本方法の任意の実施例では、送達システムは、頸静脈510または鎖骨下静脈512を通して、上大静脈508および/または大腿静脈502を介して、下大静脈504を介して、心臓500の右心房506に挿入される。いったん右心房506に来ると、送達システムは、冠状静脈洞102の中への開口部514に(例えば、鋭い屈曲を通して)誘導される。一部の患者では、弁が、冠状静脈洞102への進入口に存在する。
【0060】
図6は、二重層流動修正インプラント1400の等角図である。本実施例では、二重層流動修正インプラント1400は、第1のフレア状区分1450および/または第2のフレア状区分1460を備える。明確化の目的のために、フレア1460の構成要素が、単独で、焦点を当てられるであろうが、類似する特徴が、フレア状区分1450に適用されることができる。
【0061】
任意の実施例では、二重層流動修正インプラント1400は、外部円錐体1420と、内部円錐体1410とを備える、フレア状区分1460を備える。例えば、二重層流動修正インプラントは、本明細書に開示される任意の実施例であり得る第2の流動修正インプラントの内側に、本明細書に開示される流動修正インプラントのうちのいずれかを配置することによって形成されてもよい。円錐体1410および1420が、非拡張状態において埋込部位に送達され、埋込部位において拡張され得るように、内部円錐体1420は、例えば、スリット1422および1426を備え、外部円錐体1410は、スリット1412および1416を備える。本明細書に開示される任意の実施例のフレア状部分は、平坦な線形プラトー区分の有無を問わず、線形かつ単調に増加してもよい、またはこれは、線形プラトー区分を伴う湾曲フレアであってもよい。支柱、スロット、および断面は、概して、
図4Dにおけるものと同一の形態をとる。
【0062】
円錐体1410および/または1420のさらなる拡張が、望ましくあり得、円錐体1410および/または1420が、第1の拡張圧力においてバルーンカテーテルによって半径方向に外向きに押圧されると、第1の直径に拡張するように、それらの個別の設計に組み込まれることができる。円錐体1410および/または1420は、次いで、第2のより大きい拡張圧力においてバルーンカテーテルによって半径方向に外向きに押圧されると、第2のより大きい直径に拡張することができる。
【0063】
任意の実施例では、スリット1422および1426が、それぞれ、スリット1412および1416と円周方向に整合されると、血液は、方向1454に(例えば、
図1に示される空間132内で)、スリット1432および1436を通して流動する。スリット1412の1422との整合および/またはスリット1416の1426との整合を伴うと、流動修正インプラント1400は、比較的に緩慢な流速および/または低圧を伴って血管の中に埋込され得る。例えば、冠状静脈洞内の埋込では、幅狭面積1440は、塞栓のリスクを伴わずにインプラント1400を係留することを支援する組織で充填され得る(例えば、内皮化)。
【0064】
代替として、または加えて、(
図1に最も詳細に見られる)空間132の中への流動の限定または中断が、存在するため、凝血塊が、面積1440内に形成され得、その位置において安定化する。面積1440内の安定化された凝血塊は、周辺組織の中に、かつ二重円錐体流動修正インプラント1400に対して組み込まれた状態になり、したがって、これは、その位置においてさらに安定化される。
【0065】
任意の実施例では、スリット1422および1426は、方向1451における血流が、種々の程度まで実質的に停止されるように、スリット1412および1416に関連して、埋込に先立って回転されることができる。スリット1422および1426の不整合を伴うと、縮小インプラント1400は、比較的により高い流速および/またはより高い圧力を伴う血管、例えば、動脈の主幹部の中に埋込され、それによって、塞栓移動の危険に対して患者を保護し得る。
【0066】
本明細書に説明される実施例のうちのいずれかでは、流動修正インプラントは、中間部分よりも大きい断面積を伴うフレア状端部を有する。流動の連続性に起因して、流率は、本明細書に議論される流動修正インプラントの全体を横断して同一でなければならない。したがって、中間部分のより小さい断面積に起因して、中間部分内により高い流体速度およびより低い圧力が、存在し、それによって、フレア状端部の流入および流出領域内により低い速度およびより高い圧力をもたらす。
【0067】
スリット1422および1426の整合は、随意に、所定の血流パターンを確立するために、スリット1412および1416に関連して、血管内の埋込に先立って設定され、2つの層は、ともに、拡張される、または拡張することを可能にされる。円錐体1410および1420が、相互に関連して定位置に固定されたままであることを確実にするために、円錐体1410および/または1420は、任意の実施例において、摩擦表面界面および/または嵌合を有し、例えば、それを含んでもよい。代替として、または加えて、任意の実施例では、2つの層は、異なる方法で展開されてもよく、例えば、内側層は、塑性的に展開され、外側層は、自己展開されてもよい。可能性として、2つの層の外形は、その全長に沿って合致しない。代替として、または加えて、任意の実施例では、外側層は、自己展開内側層(その自己展開もまた、係止のための摩擦を提供し得る)によって塑性的に変形される。代替として、または加えて、任意の実施例では、円錐体1420は、例えば、埋込後、好適な内部係合カテーテルを使用して、回転されてもよい。
【0068】
フレア状区分1450および1460は、対称であってもよい、またはそれらは、対称である必要はない。例えば、インプラントはまた、一方の区分、他方の区分、および随意に、両方における流動遮断の間で選択してもよい。空間132の中のみへの流動は、凝血塊形成を支援し得る。空間132から外のみへの流動は、周辺血管を圧潰することを支援し得る。
【0069】
図7A-7Gは、種々の流動修正インプラント変形例を図示する。シグモイド状フレアが、示されるが、線形または他のフレア状設計もまた、提供されてもよい。
【0070】
図7Aは、狭化区分902と、単一のフレア状区分904とを有する、流動修正インプラント900である。狭化区分902は、上流または下流を向いてもよい。本設計の1つの潜在的利点は、送達システムが狭化区分902の内側に引っ掛かる可能性がより低いことである。別の潜在的利点は、完全に閉塞するインプラントが提供され得ることである。しかしながら、任意の実施例では、そのような完全に閉塞するインプラントであっても、冠状静脈洞への損傷を防止するために、平滑な側面を有する。可能性として、完全に閉塞するインプラントまたはほぼ完全な流動修正インプラントの外径は、インプラントの脱落を防止するために、冠状静脈洞のものを超えて増加される。代替として、または加えて、任意の実施例では、インプラントの外側上の1つ以上の返し(図示せず)が、提供されてもよい。随意に、円錐形流動修正インプラントが、示されるようなその頂点においてではなく、円錐体の面上に血流のための1つ以上の開口部を伴って提供される。例えば、本デバイスの側壁上に1つ以上の開口が、存在してもよい。
【0071】
単純な流動修正インプラントの代替として、狭化部は、弁、例えば、好適な圧力が、右心房から遠位の冠状静脈洞内で達成された後、全体または部分的直径まで開放する弁であってもよい。例えば、リーフレット弁または心臓内の公知であるような他のタイプの血管弁が、提供されてもよい。
【0072】
図7Bは、2つの狭化区分912および916が、それらの間にフレア状区分914を挟装する、代替流動修正インプラント910を示す。随意に、異なる狭化区分は、異なる内径を有し、したがって、一方は、他方よりも大きくてもよい。随意に、狭化区分は、所望の圧力プロファイルを達成するために、バルーンを使用して選択的に拡張される。
【0073】
図7Cは、3つの狭化区分922、926、および929と、狭化区分の間の2つのフレア状区分924および928とを伴う、代替流動修正インプラント920である。
【0074】
ある血管が、それらの長さに沿ってテーパを呈し、例えば、
図7Dに示される、角度1310を形成し得る。それらの長さに沿ってサイズが変化する血管は、例えば、これが右心房の中に継合する際、冠状静脈洞内に生じ得る。テーパ状血管では、インプラントの実施例による、
図7Dに詳細に見られる、テーパ状タイプ流動修正インプラント930(
図7E)を利用することが、望ましくあり得る。
【0075】
図7Dは、(インプラント930に類似する構成を伴う)テーパ状流動修正インプラント1300の実施例の等角図である。テーパ状流動修正インプラントは、より小さいフレア状区分1330と、狭化区分1340と、より大きいフレア状区分1320とを備える。より小さいフレア状区分1330のサイズは、例えば、狭化区分1340の軸に横方向である1つ以上のスリット1342および縦方向軸に略平行である1つ以上のスリット1346によって統御される。
【0076】
より大きい区分1320のサイズは、例えば、狭化区分1340の軸に横方向である2つ以上のスリット1322および/または縦方向軸に略平行である2つ以上のスリット1320によって統御される。
【0077】
随意に、スリット1342、1346、1322、および/または1326は、フレア状区分1320および/または1330の形状を統御するために、サイズおよび/または幾何学的構成において変動されてもよい。代替として、または加えて、任意の実施例では、スリット1342、1346、1322、および/または1326は、フレア状区分1320および/または1330および/または狭化区分1340に異なる輪郭を提供するために、種々の配列を有してもよい。
【0078】
開口部1330および1320が、丸形であるように示されるが、それらは、上記のような異なる血管構成に共形化するために、種々の構成を有してもよい。さらに、開口部1330と1320との間の比率は、流動修正インプラント1300が埋込される任意の血管直径に共形化するように変動されてもよい。他の図におけるように、インプラントの材料は、歪曲されるように示される一方、いくつかの実施例では、可能性として、材料に加えて、歪曲されるものは、スリットであり得る。
【0079】
図7Eは、1つのフレア状区分932が、第2のフレア状区分936よりも小さい直径を有するが、中間狭化区分934よりも大きい、テーパ状流動修正インプラント930である。
【0080】
図7Fは、その軸の周囲で軸方向に対称および/または回転対称ではない流動修正インプラント940である。任意の実施例では、第1のフレア状区分946が、第2のフレア状区分942および狭化区分944によって画定される軸に対して歪曲される。
【0081】
随意に、流動修正インプラント940は、湾曲する。ここでは、非対称または湾曲流動修正インプラントは、血管内の流動修正インプラント940の正しい配向を支援するために、特別なマーキング、例えば、放射線不透過性または放射線透過性面積を含む。
【0082】
図7Gは、狭化区分954が、スリーブ954である、流動修正インプラント950である。例えば、スリーブ954は、可撓性グラフト材料から形成される。DACRONまたはGORTEX等である。流動修正インプラント950はさらに、血管内に流動修正インプラント950を係留する役割を果たす、2つの外側リング952および956のうちの少なくとも1つを備える。スリーブを使用する潜在的利点は、これが静脈幾何学形状および/または動態に共形化するように屈曲し得ることである。他の流動修正インプラント設計もまた、屈曲することができる。随意に、グラフト材料は、弾性であり、したがって、これは、圧力限定弁としての役割を果たし、冠状静脈洞圧力をより良好に制御することができる。随意に、締付リングが、流動修正インプラント950の管腔を制限するために、区分954の外側上に提供される。随意に、リングは、所望の狭化効果を達成するために、手技の間に流動修正インプラント950上に設置される。代替として、または加えて、任意の実施例では、リングは、流動修正インプラント950の狭化区分を制御することを可能にするために、例えば、バルーンを使用して、拡張可能である。随意に、リングは、狭化区分954に縫合される。随意に、区分954は、例えば、ステント-グラフトの技術分野において公知であるように、ワイヤを使用して、補剛される。流動修正インプラントは、カバーがそれにわたって配置される、本明細書に開示されるインプラントのうちのいずれかであってもよい。任意の実施例では、カバーは、多孔性、半多孔性、または非多孔性であってもよい。
【0083】
任意の実施例では、流動修正インプラント100は、可能性として、送達システム、流動修正インプラント直径制御システム、付加的流動修正インプラント、外部バンド、および/またはその内径を縮小し、使用および/またはサイズマーキングのための命令を含むための他の手段を伴う、キット形態において提供される。随意に、流動修正インプラント940は、送達システムの中に挿入されて、または送達システムとともに包装されて提供される。
【0084】
上記のように、任意の実施例では、流動修正インプラントは、インプラントの外側上にバンドを提供することによって締付されてもよい。
【0085】
図8A-8Bは、それぞれ、環状メッシュタイプ流動修正インプラント実施例の等角図および詳細である。任意の実施例では、メッシュタイプ流動修正インプラント1500(
図8A)は、例えば、流動修正インプラント1500と周辺血管壁との間の接触の面積を増加させるために、長さにおいて比較的に長い、フレア肩部1502および/またはフレア肩部1504を備える。代替として、または加えて、任意の実施例では、組織が、フレア肩部1502および/または1504のメッシュを通して成長し、メッシュタイプ流動修正インプラント1500の良好な係留を提供してもよい。随意に、メッシュタイプ流動修正インプラント1500は、組織内方成長を助長する材料を含む、および/またはそれを用いてコーティングされる。例えば、鋸歯(例えば、波形縁)または平滑であり得る、周縁1620もまた、随意に、各肩部上に提供される。
【0086】
随意に、メッシュタイプ流動修正インプラント1500の初期形状は、メッシュタイプ流動修正インプラント1500の面積1528を収縮させる、1つ以上のバンド1522および/または1524によって統御される。任意の実施例では、周辺組織は、メッシュタイプ流動修正インプラント1500上に圧潰し、収縮面積1528の壁を通した血流を修正する。2つのバンド1522および1524が、示されるが、単一のバンド、例えば、バンド1522が、単独で、収縮面積1528を作成するために使用されてもよい。
【0087】
任意の実施例では、埋込に先立って、それらの端部をともに手動で結着するオペレータが、例えば、円周においてバンド1522および/または1524によって形成されるリングを調節する。埋込に先立つバンド1522および/または1524の調節は、オペレータが、血流を修正し、それによって、血管新生を助長する、または別様に血流を再指向するために、具体的サイズを伴う収縮面積1528を確立することを可能にする。代替として、または加えて、任意の実施例では、例えば、バルーンカテーテルが、面積1562内で拡張され、バンド1522および/または1524の拡張を引き起こし、それによって、面積1562を拡張し、それを通した血流を増加させる。本方式では、流動修正インプラント1500を通した血液修正は、血管内の流動修正インプラント1500の設置に先立って、および/または設置に続いて調整されることができる。
【0088】
任意の実施例では、バンド1524は、易壊性であってもよく、大きい拡張力がこれに対してかけられると、断裂する。埋込に続いて面積1528の直径を調節するために、バルーンカテーテルが、面積1562の内側に位置付けられ、圧力がバンド1524を断裂するために要求されるものを超えるまで、拡張される。バンド1524が断裂されると、これの直下のメッシュ面積1562の面積は、面積1562が、直径において拡張し、これが、リング1522の直径を有するように、拡張する。
【0089】
随意に、任意の実施例では、バンド1524は、バンド1522よりも小さい直径を有し、2つのレベルの拡張を提供する。例えば、バルーンカテーテルが、第1の直径に拡張されるにつれて、これが、バンド1524よりも小さい直径に拡張し、収縮面積1528の直径を第1の拡張直径まで増加させるようにする。流動のさらなる増加が、所望される場合、バルーンカテーテルが、第2の直径に拡張され、より大きい直径のバンド1524および/またはより小さい直径のバンド1524を拡張し、収縮面積1528の直径を第2の拡張直径に増加させる。
【0090】
面積1562が、6ミリメートルの流動通路を有するように、リング1524は、例えば、6ミリメートルの直径を有する一方、リング1522は、8ミリメートルの直径を有する。面積1562の内側で拡張バルーンを拡張し、リング1524を断裂させることによって、リング1524の下の面積は、拡張する。しかしながら、8ミリメートルのその直径を伴うリング1522は、その完全性を維持する。したがって、面積1562は、ここで、(メッシュまたはそれからインプラントが形成される他の材料の厚さを下回る)8ミリメートルの流動通路を有する。
【0091】
図8Bは、リング1522を形成し、留め具1544によって具体的直径に保持される、調節可能バンド1540を備える、リング1522の実施例の詳細である。代替として、または加えて、任意の実施例では、調節可能バンド1540は、留め具1546によって具体的直径に維持される。任意の実施例では、留め具1544および/または1546は、埋込の間、リング1522が、例えば、拡張バルーンカテーテルが、調節可能バンド1540に対して拡張され、リング1522の直径が、拡張されるまで、具体的直径に留まるように、調節可能バンド1540を保持する。任意の実施例では、クリップ1544および1546は、例えば、具体的直径にバンド1522を保持するナイロン材料を含み、例えば、バルーンカテーテルからの拡張圧力下でのみ直径の拡張を可能にする。随意に、2つの留め具が、提供され、したがって、バンド1540のいかなる部分も、リングから突き出ない。本発明の任意の実施例では、留め具は、「C」形であり、バンド1540は、随意に、留め具を通したバンドの摺動を防止する、隆起を含む。代替として、または加えて、任意の実施例では、摩擦が、そのような摺動を防止する。
【0092】
任意の実施例では、フレア肩部1504および/または1502は、長さにおいて0.5センチメートル~1センチメートルであるが、それらは、例えば、血管構成に応じて、長さにおいて0.5センチメートルを下回る、または1センチメートルを上回り得る。
【0093】
任意の実施例では、メッシュタイプ流動修正インプラント1500は、GORTEX、DACRON、および/または鋼を含む、そのメッシュを形成する、ストランドを含む。さらに、メッシュを構成する材料は、例えば、所望される流動動的動態に基づいて、例えば、材料、その厚さに応じて、可撓性または剛性であるように構成されることができる。
【0094】
図9は、部分的に被覆されたメッシュタイプ流動修正インプラント1600の等角図である。メッシュタイプ流動修正インプラント1600は、断面において示される、血管1680内に埋込される、幅狭区分1624にわたって、またはその内側に被覆1614を備える。任意の実施例では、メッシュタイプ流動修正インプラント1600は、係留を提供するために、血管1680に接触する、1つ以上のフレア肩部1602を備える。例えば、鋸歯または平滑であり得る、周縁1620もまた、随意に、各肩部上に提供される。
【0095】
代替として、または加えて、任意の実施例では、メッシュタイプ流動修正インプラント1600は、流動修正インプラント1600の壁面を通した血流および/または収縮の面積1624内の血液乱流を制限し、それによって、塞栓移動問題の危険を低減させる、被覆1614を備える。
【0096】
任意の実施例では、被覆1614は、インプラント1600が拡張するときの引裂を防止するために、いくつかの点において(例えば、収縮面積1624および/またはフレア肩部1602において)流動修正インプラント1600に取り付けられる、別個の可撓性層を備える。拡張に先立って、例えば、被覆1614は、折畳および/またはプリーツ加工される。代替として、または加えて、任意の実施例では、被覆1614は、低バルクを有し、例えば、これが、メッシュの開放面積に実質的に及ぶように、例えば、流動修正インプラント1600構造に統合される。被覆1614を構成する材料の実施例は、流動修正インプラント1600の内側および/または外側上のGORTEX、ラテックス、および/またはシリコーンを含む。本明細書に開示される流動修正インプラントの任意の実施例に適用され得るカバーの種々の構成についての付加的詳細が、本願に後で開示される。
【0097】
図10は、当技術分野で公知の流動修正装置2000を図示する。これは、半径方向拡張可能埋込可能デバイスである。いくつかの実施例では、本デバイスは、複数の接続された支柱2040および2030から形成される。支柱は、概して、軸方向に配向され、本デバイスの縦方向軸と平行である。本デバイスが、その半径方向圧潰構成にあるとき、これは、薄型であり、カテーテルを用いて標的治療部位に送達されてもよい。相互接続された支柱は、概して、複数の長方形形状セル2040を形成し、長方形窓が、それを通して通過する。本デバイスが、半径方向に拡張されると、長方形セルは、本デバイスの近位端2010および遠位端2020において菱形形状セル2030に半径方向に拡張する。それらの間の中間区分2050では、長方形セル2040は、略長方形のままであってもよい、またはそれらは、中間区分が拡張する量に応じて、小さい菱形形状セルを形成してもよい。中間区分2050の拡張直径は、任意の直径であってもよいが、直径において2mm~4mmであってもよい。また、任意の実施例では、近位端2010および遠位端2020におけるセルは、ある長さおよびある高さを有する。高さは、概して、近位端2010および遠位端2020から中間区分2050に向かって内向きに減少する。加えて、セルの長さは、半径方向拡張の間のセルの短縮化に起因して、近位端2010および遠位端2020から中間区分2050に向かって内向きに減少してもよい。したがって、近位端2010および遠位端2020は、概して、トランペット形端部を形成するようにフレア状にされ、中間区分2050から近位または遠位区分に向かって外向きに直径において単調に増加してもよい。中間区分2050は、拡張された近位および遠位フレア状端部に対して有意に修正された直径を有する。また、本デバイスの全長にわたって、近位端2010または下流端は、右心房を介した逆行性の冠状静脈洞内での設置を仮定して、遠位端2020または上流端のものよりも大きい直径を有してもよい。別の実施例では、近位端2010または下流端は、可能性として、順行性方向に送達される場合、遠位端2020または上流端のものよりも小さい直径を有してもよい。より大きい直径の近位端は、中心領域に向かって修正された直径にテーパ状になり、その場所で、直径は、最小になり得、次いで、直径は、より小さい直径の遠位端に向かって増加する。または、別の言い方をすれば、直径は、本装置の両端から下に中間区分に向かってテーパ状になる。近位端2010または遠位端2020の直径は、所定のサイズであるか、または可変サイズに拡張するように作成されるかのいずれかであり得る。
【0098】
流動修正装置は、バルーン拡張可能であってもよい、またはこれは、自己拡張してもよい。いったん身体管腔内に展開されると、より大きい直径のフレア状端部は、隣接する組織に係合し、本デバイスを血管壁に係留する。フレームは、隣接する組織内での適切な係合および埋設を確実にすることに役立つために、血管直径よりもサイズにおいて10%~20%、または10%~15%、または15%~20%大きく拡張されてもよい。流体が、本デバイスの中に流動し、より小さい直径の中間領域に起因して、断面積が、減少し、流動速度は、加速され、本デバイスを横断する圧力勾配を作成する。また、経時的に、本デバイスは、内皮化された状態になり、組織は、本デバイスの金属支柱の中に、またはその上に内方成長し、それによって、本デバイスを係留し、およびそれを通した流動を修正することにさらに役立ち、本デバイスを横断する圧力勾配を確立するであろう。高い背圧が、実際には、血流を他の血管の中に押進し得、これは、より多くの血液供給を要求する心筋に供給され、それによって、虚血および狭心症を緩和することに役立つ。加えて、圧力勾配は、背圧を作成し、これはまた、側副開放、側副形成、血管発生、および血管新生に起因して、新しい血管形成に役立ち得る。任意の実施例では、右心房により近接する本デバイスの近位端2010は、冠状静脈洞のような血管において等、管腔の自然なテーパ化に適応するために、本デバイスの遠位端よりも大きい直径を有する。しかしながら、当業者は、近位端2010が、遠位端2020と同一の直径を有し得る、または遠位端2020が、近位端2010よりも大きい直径を有し得ることを理解するであろう。圧力および流動修正装置についてのさらなる詳細が、米国特許第9,364,354号(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。本願の
図10の拡張可能フレームの任意の側面が、本明細書に説明される流動修正インプラントの任意の実施例に適用されてもよい。
【0099】
図11A1、11A2、および11A3は、被覆された流動修正装置のいくつかの実施例を図示する。被覆は、組織内方成長が、時間がかかり、したがって、流動の完全な修正が、組織内方成長が起こるまで数週間にわたって見られない、
図10の被覆されない実施例と異なり、埋込に応じて瞬時の流動修正を可能にする。
図11A1は、完全に被覆された流動修正装置を含む。半径方向拡張可能フレームは、上記の
図10に開示されるものと同一のフレーム、第US 9,364,354号(参照することによって組み込まれる)におけるフレーム、または本明細書に開示される、または当技術分野で公知の任意の他のフレームであってもよい。本実施例では、カバー2060は、織物、PTFE、ePTFE、DACRON、または任意の他のポリマー等の合成物質等の任意の材料であってもよい、またはこれは、心膜または他の生物学的組織等の任意の組織であってもよい。カバー2060は、縫合糸、接着剤、または当技術分野で公知の任意の他の技法を使用して、フレームに取り付けられてもよい。カバー2060は、フレームの外面上、内面上、開放セル領域内のみ、またはそれらの任意の組み合わせにおいて配置されてもよい。完全に被覆されたデバイスを有することは、埋込直後に流動を修正し、狭心症を直ちに緩和し得る。
【0100】
図11A2に見られる中間実施例は、部分的に被覆された流動修正装置を図示する。本実施例では、流動修正装置の中間区分2095は、被覆されないままである一方、フレア状端部は、近位カバー2065と、遠位カバー2070とを有する。フレア状領域内のフレームの端部は、完全に被覆されてもよい、またはそれらは、図示されるように部分的に被覆されないままである。近位フレア状端部の端部は、被覆されなくてもよい(2090)、または遠位フレア状端部の端部は、被覆されなくてもよい(2080)。これは、本デバイスを横断する圧力勾配が、埋込直後に生じ、したがって、本デバイスの埋込直後に開始するであろう抗狭心症および抗虚血効果であろうため、臨床的利点を有し得る。いくつかの事例では、フレア状端部を少なくとも部分的に被覆されないまま残すことは、血管壁と直接接触する本デバイスのそのままの金属支柱を有することが、被覆された材料を組織に係合させることよりも少ない炎症応答を有し得るため、有利であり得る。
【0101】
図11A3の下側図示は、フレームの被覆された部分が、中間区分2100内のみにあり、フレア状トランペット端部等の上流端2120および下流端2110が、そのままの金属が隣接する組織に係合するように、被覆されないままである、実施例を示す。当業者は、被覆の量が、所望の流動速度、圧力勾配、または背圧を提供するために調節され得ることを理解するであろう。任意の実施例では、カバーは、本装置の中心の1/3、1/2、または2/3を被覆してもよい。
図11Aに示される実施例の他の側面は、概して、本明細書の別の場所に開示されるものと同一の形態をとってもよい。
【0102】
図11B1-11B3のスケッチのシーケンスは、流動修正装置のための送達システムを図示する。
図11B1の上側スケッチは、外側シース2130と、内側シャフトとを含み得る、送達カテーテルを示す。流動修正デバイスは、内側シャフト上に圧着または別様に装填されてもよく、次いで、外側シースは、流動修正デバイスにわたって前進され、これを締付する。
図11B2では、シース2130は、いったん本装置が、所望の標的治療部位に送達されると、後退される。これは、流動修正装置から締付を除去し、これが治療部位の中に自己拡張することを可能にする。フレア状端部は、本装置を定位置に係留することに役立つ。
図11B3では、シース2130は、完全に後退され、定位置における流動修正デバイス2140の完全な半径方向拡張を可能にする。カテーテルは、次いで、患者から除去され、治療領域内に流動修正インプラント2140を残してもよい。流動修正インプラントを送達する本方法は、本明細書に開示される流動修正装置のうちのいずれかと併用されてもよい。送達システムの他の実施例では、送達システムは、自己拡張する代わりに、流動修正インプラントをバルーン拡張するように構成されるバルーン等の拡張可能部材を含んでもよい。
【0103】
図11Cは、複数の相互接続する支柱の代わりに、インプラントが、メッシュを形成する複数の織り交ぜられたフィラメントから形成され、これが、次いで、流動修正装置に形成され、概して、
図10に前述で説明されるものと同一であることを除いて、概して、
図10におけるものと同一の形態をとる、流動修正インプラントの別の実施例を図示する。メッシュは、幅狭中間領域2050と、2つのフレア状領域、すなわち、近位フレア状領域2010および遠位フレア状領域2020とを含んでもよい。これは、本明細書に開示される方法のうちのいずれかを使用して送達されてもよく、また、前述で開示されるように、流動を修正し、狭心症を治療することに応じて類似する結果を有する。
【0104】
図11Dは、血管2150の中に埋込される、流動修正装置を図示する。流動修正装置は、本明細書に開示されるもののうちのいずれかであってもよく、血管は、心臓から静脈血を排出する大静脈である、冠状静脈洞である。図示されるように、本装置は、より小さい直径の中間領域2165を利用することによって、本デバイスを通した流動を修正し、それによって、下流よりも上流でより高い圧力を伴う圧力勾配を形成する。前述で議論されるように、これは、心筋のより必要な面積に血液を再分配することに役立つ背圧を作成し得る、または側副血管形成、すなわち、血管新生を刺激し、それによって、狭心症を緩和し得る。近位フレア状端部2160は、遠位フレア状端部2155よりも大きい直径を有してもよい、または遠位フレア状端部2155は、近位フレア状端部2160よりも大きい直径を有してもよい、または近位フレア状端部2160および遠位フレア状端部2155は、同一の直径を有してもよい。本装置は、本明細書に開示される送達システムおよび方法のうちのいずれかを使用して送達されてもよい。
【0105】
図12は、流動修正インプラントの実施例を図示する。拡張可能フレームは、
図10と実質的に同一であるが、本明細書に開示されるもののうちのいずれかであってもよい。カバー2185および2190が、次いで、近位および遠位端においてフレームに結合される。カバーは、限定ではないが、織物、ポリマー、組織、または別の任意のものを含む、任意の材料であってもよい。ポリマーの実施例は、限定ではないが、PTFE、ePTFE、DACRON、ポリウレタン等を含む。組織の実施例は、限定ではないが、心膜組織または他の組織を含む。フレームの中間区分2200は、被覆されないままであり、本デバイスの近位端2170および遠位端2180もまた、被覆されないままである。複合インプラントもまた、提供および埋込されてもよい。例えば、複数のリングまたは管状要素が、流動修正インプラントを形成するために、ともに結合されてもよい。各リングまたは管状要素は、異なる幾何学形状または構造を有してもよい、または異なる材料から形成されてもよい。例えば、
図12は、カバー2190が、カバー2185のものと材料および構造において異なり得、区分の下に配置される管状支持リングが、存在し得る、または存在し得ないように、修正されてもよい。加えて、被覆2190または2185は、多孔性ではない場合があり、したがって、これらの区分内の側面開口を通した血流のいかなるリスクも、存在せず、したがって、いかなる「カバー」も、実際には要求されない。代替として、または加えて、被覆2190およびカバー2185は、本デバイスの構造の一部であるが、カバーではない場合がある。例えば、カバー2190および2180は、中間区分2200によってともに結合され、また、最近位および最遠位リングに継合される、リング区分であってもよい。リング区分として作用するカバー2190および2180は、織物、金属、またはそれらの組み合わせであってもよい。代替として、または加えて、リング構成要素2180、2200、および2170は、織物、金属、またはそれらの組み合わせであってもよい。インプラントは、ともに結合される異なる材料および区分を含んでもよい。例えば、リング2180は、同様に金属構成要素であり得るリング2200とともに結合される、織物構成要素であり得るリング2190にともに結合される、金属リング構成要素であってもよい。本明細書に議論される任意の実施例では、カバー2190、2185または複合リング区分を形成する材料は、多孔性、半多孔性、または非多孔性であってもよい。随意に、任意の実施例では、カバー2190、2185は、材料が、複数の性質を有するように、多孔性、半多孔性、または非多孔性である、離散区分を単一のリング内に有してもよい。これらの実施例のうちのいずれかでは、カバーを形成する材料自体が、1つを上回る材料を含み得ることを理解されたい。本実施例では、上流端は、自然な血管テーパに適応するために、下流フレア状直径よりも小さいフレア状直径を有する。しかしながら、これは、限定であることを意図しておらず、上流端は、下流端よりも大きい直径またはそれと同等の直径を有してもよい。本流動修正インプラントは、本明細書に開示される送達デバイスまたは方法のうちのいずれかを使用して送達されてもよく、本デバイスの他の側面は、概して、
図10に説明されるものと同一である。
【0106】
図15A-15Fは、本明細書に開示されるもののうちのいずれかを含む、流動修正デバイスの流入または流出端上に配置されるカバーの実施例を図示する。
図15Aでは、カバー602が、デバイス600の流入端606上に配置される。ここでは、カバー602は、流入端の縁604から本デバイスの対向する端部に向かって延在するが、流入端のテーパ状部分上にある間に終了し、その縦方向軸に沿って本デバイスの中間点を過ぎて延在しない。
【0107】
図15Bでは、カバー602は、依然として、デバイス600の流入端606上に配置されるが、しかしながら、ここでは、カバーは、流入端の縁に至るまで延在せず、したがって、そこでは、流入端の縁は、被覆されないままである。カバーは、次いで、本デバイスの対向する端部に向かって延在するが、流入端のテーパ状部分上に依然としてある間に中断し、その縦方向軸に沿って本デバイスの中間点を過ぎて延在しない。
【0108】
カバーは、流入端上の任意の点から延在し、本デバイスに沿って任意の点に向かって延在してもよい。
図15Cは、カバーが、デバイス600の流入端の縁604から開始し得る、またはこれが、テーパ608に沿った任意の場所で開始し、その縦方向軸に沿って本デバイスの中間点610に向かって、またはさらに中間点を過ぎて(612)延在し得ることを示す。
【0109】
図15Dでは、カバー614が、デバイス600の流出部上に配置される。これは、縁616から開始し、本デバイスの対向する端部に向かって延在してもよいが、終端縁は、依然として、流出端のテーパ状部分616a上にあってもよい。
【0110】
図15Eでは、カバー614は、デバイス600の流出端上に配置されるが、カバーは、流出端の縁616に至るまで延在せず、対向する端部は、本デバイスの縦方向軸に沿って本デバイスの中間点に向かって延在するが、流出端のテーパ状部分616a上に依然としてある間に終了する。
【0111】
カバーは、
図15Fに図示されるように、デバイス600の流出端上の任意の点から延在してもよい。例えば、カバーは、流出端の縁616上に配置されてもよい、またはこれは、流出端のテーパ状部分616a上にある間に開始し、その縦方向軸に沿って本デバイスの中間点618に向かって延在してもよい、または中間点を過ぎて(620)延在してもよい。
【0112】
本明細書に開示される実施例のうちのいずれかでは、カバーは、DACRON等の織物またはシリコーン等のポリマーであってもよい、またはこれは、心膜組織等の組織であってもよい。カバーは、縫合糸、接着剤、または当技術分野で公知の他の技法を用いて本デバイスに結合されてもよい。
【0113】
図13A-13Bは、基本的なヒト心臓の解剖学的構造を図示する。
図13Aでは、左心房LA、右心房RA、左心室が、冠状静脈洞CSとともに示される。冠状静脈洞は、心臓から静脈血を排出する大静脈である。
【0114】
図13Bは、冠状静脈洞CSおよび下大静脈IVCを含む、左心房LAおよび右心房RAおよび左心室LVの周囲の面積を強調する。
【0115】
図14A-14Cは、本明細書に開示されるインプラントのうちのいずれかを使用して、狭心症のための治療として冠状静脈洞CSに流動修正インプラントを送達する方法の実施例を図示する。
【0116】
図14Aでは、本明細書に開示されるもののうちのいずれか1つ等の送達カテーテル2300が、冠状静脈洞CSに流動修正インプラント(本明細書に開示されるもののうちのいずれか)を前進させるために使用される。送達カテーテル2300は、送達カテーテルに結合される、圧着された流動修正インプラント2320を有する。流動修正インプラントは、本明細書に開示されるもののうちのいずれかであってもよい。
【0117】
図14Bでは、送達カテーテル2300上のバルーン2330が、半径方向に拡張され、それによって、流動修正インプラント2310を拡張する。流動修正インプラント2310は、流動修正インプラント2310を拡張するバルーンと類似するサイズおよび形状をとる。
【0118】
図14Cでは、バルーンは、冠状静脈洞血管壁と係合するように流動修正装置を拡張する。バルーンは、次いで、萎縮され、血管から除去され、それによって、標的治療部位に流動修正装置2310を残す。
【0119】
本明細書に説明される流動修正装置のうちのいずれかは、バルーン拡張可能である、または自己拡張してもよい。それらは、冠状静脈洞のような血管等の任意の標的治療領域内に設置されてもよい。
注記および実施例
【0120】
以下の非限定的実施例は、とりわけ、課題を解決し、本明細書に議論される利益を提供するために、本主題のある側面を詳述する。
【0121】
実施例2は、圧力勾配が、本装置の流入端と縮径部分との間で最も大きい、実施例1に記載の装置である。
【0122】
実施例3は、流体流の速度が、縮径部分内で最も大きい、実施例1-2に記載の装置のいずれかである。
【0123】
実施例4は、拡張された近位および遠位端が、フレア状端部である、実施例1-3に記載の装置のいずれかである。
【0124】
実施例5は、半径方向拡張可能フレームが、外面を有し、カバーが、外面の一部のみにわたって配置される、実施例1-4に記載の装置のいずれかである。
【0125】
実施例6は、半径方向拡張可能フレームが、外面を有し、カバーが、外面の全てにわたって配置される、実施例1-5に記載の装置のいずれかである。
【0126】
実施例7は、カバーが、縮径部分のみにわたって配置される、実施例1-6に記載の装置のいずれかである。
【0127】
実施例8は、拡張された近位および遠位端が、少なくとも部分的に、被覆されないままである、実施例1-7に記載の装置のいずれかである。
【0128】
実施例9は、カバーが、ポリマー、織物、合成材料、組織、またはそれらの組み合わせから成る、実施例1-8に記載の装置のいずれかである。
【0129】
実施例10は、カバーが、拡張可能フレームの少なくとも2/3にわたって中心に配置される、実施例1-9に記載の装置のいずれかである。
【0130】
実施例11は、カバーが、流動修正インプラントが、血管と係合するように半径方向に拡張されると、カバーが、血管に直接接触せず、それによって、炎症反応を修正または防止するように、縮径部分にわたって位置付けられる、実施例1-10に記載の装置のいずれかである。
【0131】
実施例12は、カバーが、血管壁による炎症応答を防止する、または最小限にするように構成される、実施例1-11に記載の装置のいずれかである。
【0132】
実施例13は、縮径部分が、2~4mmの直径を備える、実施例1-12に記載の装置のいずれかである。
【0133】
実施例14は、複数の支柱が、拡張可能フレームが、圧潰構成にあるとき、複数の長方形スロットを形成し、複数の長方形スロットは、拡張可能フレームが、半径方向拡張構成にあるとき、菱形形状に拡張し、菱形形状は、ある高さおよびある長さを有し、高さは、近位および遠位端からそれらの間に配置される中心点に向かって減少する、実施例1-13に記載の装置のいずれかである。
【0134】
実施例15は、長さが、近位および遠位端から中心点に向かって減少する、実施例1-14に記載の装置のいずれかである。
【0135】
実施例16は、流動修正装置が、自己拡張する、またはバルーン拡張可能である、実施例1-15に記載の装置のいずれかである。
【0136】
実施例17は、流入端と、流出端とをさらに備え、カバーが、流入端上のみに、または流出端上のみに配置される、実施例1-16に記載の装置のいずれかである。
【0137】
実施例18は、流動修正インプラントを送達するためのシステムであり、該システムは、実施例1-17のいずれかに記載の流動修正インプラントと、送達カテーテルとを備える。
【0138】
実施例19は、血管内の流動を修正するための方法であり、該方法は、近位および遠位端を備える、流動修正装置を提供するステップと、流動修正装置を血管内の標的治療領域に送達するステップと、近位および遠位端が、それらの間に配置される縮径部分よりも直径が大きくなるように、流動修正装置を半径方向に拡張するステップと、流動修正装置の送達に応じて、流動修正装置を通して血流を直ちに修正し、それによって、流動修正装置の流入端と縮径部分との間に圧力勾配を形成するステップであって、流動修正装置にわたって配置されるカバーが、血流の修正を促進する、ステップとを含む。
【0139】
実施例20は、流体流の速度を縮径部分内で最も大きくさせるステップをさらに含む、実施例19に記載の方法である。
【0140】
実施例21は、流動修正装置を半径方向に拡張するステップが、近位および遠位端においてフレア状領域を形成するステップを含む、実施例19-20に記載の方法のいずれかである。
【0141】
実施例22は、流動修正装置を半径方向に拡張するステップが、カバーを拡張するステップを含み、カバーは、流動修正装置の外面の一部のみにわたって配置される、実施例19-21に記載の方法のいずれかである。
【0142】
実施例23は、流動修正装置を半径方向に拡張するステップが、カバーを拡張するステップを含み、カバーは、流動修正装置の外面の全てにわたって配置される、実施例19-22に記載の方法のいずれかである。
【0143】
実施例24は、流動修正装置を半径方向に拡張するステップが、カバーを拡張するステップを含み、カバーは、中心領域のみにわたって配置される、実施例19-23に記載の方法のいずれかである。
【0144】
実施例25は、流動修正装置を半径方向に拡張するステップが、カバーを拡張するステップを含み、近位および遠位端は、少なくとも部分的に、被覆されないままである、実施例19-24に記載の方法のいずれかである。
【0145】
実施例26は、流動修正装置を半径方向に拡張するステップが、血管に直接接触することなくカバーを拡張し、それによって、炎症反応を修正または防止するステップを含む、実施例19-25に記載の方法のいずれかである。
【0146】
実施例27は、流動修正装置を半径方向に拡張するステップが、長方形形状セルから菱形形状セルを形成するステップを含み、菱形形状セルの高さは、近位端および遠位端からそれらの間に配置される中心点に向かって減少する、実施例19-26に記載の方法のいずれかである。
【0147】
実施例28は、菱形形状セルが、ある長さを有し、長さは、近位および遠位端から中心点に向かって減少する、実施例19-27に記載の方法のいずれかである。
【0148】
実施例29では、実施例1-28のいずれか1つまたは任意の組み合わせの装置または方法は、随意に、列挙される選択肢の全ての要素が、使用またはそれから選択するために利用可能であるように構成されることができる。
【0149】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する、付随の図面の参照を含む。図面は、例証として、本発明が実践され得る、具体的実施例を示す。これらの実施例もまた、本明細書では、「実施例」として参照される。そのような実施例は、示される、または説明されるものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らはまた、示される、または説明されるそれらの要素のみが提供される実施例を想定する。また、本発明者らはまた、特定の実施例(またはその1つ以上の側面)に関して、または本明細書に示される、または説明される他の実施例(またはその1つ以上の側面)に関してのいずれかで、示される、または説明されるそれらの要素(またはその1つ以上の側面)の任意の組み合わせまたは並べ替えを使用する実施例を想定する。
【0150】
本書と参照することによってそのように組み込まれる任意の文書との間の使用法が一貫しない場合では、本書における使用法が、優先される。
【0151】
本書では、用語「a」または「an」は、特許文書で一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つ以上の」の任意の他の事例または使用法とは無関係に、1つまたは1つを上回るものを含むように使用される。本書では、用語「または」は、別様に示されない限り、非排他的なものを指すために、または「AまたはB」が、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AおよびB」を含むように使用される。本書では、用語「~を含む(including)」および「その中で(in which)」は、個別の用語「~を備える(comprising)」および「その中で(wherein)」の平易な英語の同義語として使用される。また、以下の請求項では、用語「~を含む(including)」および「~を備える(comprising)」は、非制限的であり、すなわち、請求項においてそのような用語の後に列挙されるものに加えて要素を含む、システム、デバイス、物品、組成物、配合物、またはプロセスが、依然として、その請求項の範囲内に該当すると見なされる。また、以下の請求項では、用語「第1」、「第2」、および「第3」等は、単に、標識として使用され、それらの物体に対して数値的要件を課すことを意図していない。
【0152】
上記の説明は、制限的ではなく、例証的であることを意図している。例えば、上記に説明される実施例(またはその1つ以上の側面)は、相互と組み合わせて使用されてもよい。他の実施例が、上記の説明を精査することに応じて、当業者によって等、使用されることができる。要約は、読者が、技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために提供される。これは、これが請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないであろうことを理解した上で提出される。また、上記の詳細な説明では、種々の特徴が、本開示を合理化するためにともに群化され得る。これは、請求されない開示される特徴が、任意の請求項に必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明的主題は、特定の開示される実施例の全ての特徴よりも少ないものにあり得る。したがって、以下の請求項は、本明細書に実施例としての詳細な説明または実施例に組み込まれ、各請求項は、別個の実施例として独立し、そのような実施例が、種々の組み合わせまたは並べ替えにおいて、相互と組み合わせられ得ることが想定される。本発明の範囲は、そのような請求項が享受する均等物の全範囲とともに、添付される請求項を参照して決定されるべきである。
【外国語明細書】