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特開2023-53455産業用ロボットおよび産業用ロボットの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053455
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】産業用ロボットおよび産業用ロボットの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230406BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162497
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 典彦
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS03
3C707AS25
3C707BS15
3C707BS26
3C707DS05
3C707KS03
3C707KS04
3C707KS17
3C707KS20
3C707KV11
3C707LT12
3C707NS12
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA32
5F131CA18
5F131CA32
5F131CA55
5F131DA02
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB42
5F131DB43
5F131DB52
5F131DB58
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB76
5F131DD03
5F131DD29
5F131DD33
5F131DD43
5F131DD76
5F131FA26
5F131FA32
5F131FA33
5F131KA02
5F131KA14
5F131KA15
5F131KA16
5F131KA47
5F131KA72
5F131KB12
5F131KB32
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】受取り部に置かれている搬送対象物の水平方向の位置および向きを補正してから引渡し部に搬送対象物を置くことが可能であっても、受取り部から引渡し部への搬送対象物の搬送時間を短縮することが可能な産業用ロボットを提供する。
【解決手段】産業用ロボット1は、受取り部4にハンド6が移動する第1動作を行う際に、2個の検知機構33のそれぞれが搬送対象物2を検知したときのハンド6のY方向の位置データ(第1位置データ、第2位置データ)を取得し、受取り部4で搬送対象物2を受け取ったハンド6が本体部10に近づくように移動する第2動作を行う際に、検知機構34によって検知される搬送対象物2のX方向の位置データ(第3位置データ)を取得するとともに、搬送対象物2が搭載されたハンド6が引渡し部5まで移動する第3動作を行う際に、第1~第3位置データに基づいてハンド6の位置および向きを補正する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状または正方形状に形成される搬送対象物を搬送する産業用ロボットにおいて、
前記搬送対象物が搭載されるとともに水平方向に移動可能なハンドと、前記ハンドが連結されるアームと、上下方向を回動の軸方向として前記アームが回動可能に連結される本体部と、前記ハンドに取り付けられる光学式の2個の第1検知機構と、前記本体部に取り付けられる光学式の第2検知機構と、前記産業用ロボットを制御する制御部とを備えるとともに、
前記ハンドの先端が前記本体部から遠ざかる方向に移動した状態で所定の受取り部に置かれている前記搬送対象物を前記ハンドに搭載して受け取るときの前記ハンドの位置を受取り位置とし、前記ハンドの先端が前記本体部から遠ざかる方向に移動した状態で前記ハンドに搭載されている前記搬送対象物を所定の引渡し部に引き渡すときの前記ハンドの位置を引渡し位置とすると、
前記ハンドの先端が前記本体部から遠ざかるように前記受取り位置まで前記ハンドが移動するときの動作である第1動作と、前記第1動作後、前記受取り位置で前記搬送対象物を受け取った前記ハンドが、前記ハンドの先端が前記本体部に近づくように移動するときの動作である第2動作と、前記第2動作後、前記ハンドの先端が前記本体部から遠ざかるように、前記搬送対象物が搭載された前記ハンドが前記引渡し位置まで移動するときの動作である第3動作とを行い、
前記ハンドは、前記産業用ロボットが前記第1動作および前記第2動作を行うときに、前記本体部に対して一定方向を向いた状態で直線的に移動し、
前記産業用ロボットが前記第1動作および前記第2動作を行うときの前記ハンドの移動方向を第1方向とし、前記第1方向と上下方向とに直交する方向を第2方向とすると、
前記第1検知機構は、第1の発光部と、前記第1の発光部から射出され前記搬送対象物で反射された光を受光する第1の受光部とを備える反射型の検知機構であり、
2個の前記第1検知機構は、前記第2方向において間隔をあけた状態で配置され、
前記第2検知機構は、ラインセンサまたはエリアセンサからなる第2の受光部と、上下方向において前記第2の受光部との間に所定の間隔をあけた状態で前記第2の受光部に対向配置される第2の発光部とを有する透過型の検知機構であり、
前記産業用ロボットが前記第1動作を行うときに、2個の前記第1検知機構は、前記受取り部に置かれている前記搬送対象物の下側を通り、
前記産業用ロボットが前記第2動作を行うときに、前記ハンドに搭載された前記搬送対象物の前記第2方向の一端面は、前記第2の受光部と前記第2の発光部との間を通り、
前記制御部は、前記産業用ロボットが前記第1動作を行う際に、2個の前記第1検知機構のうちの一方の前記第1検知機構が前記搬送対象物を検知したときの前記ハンドの前記第1方向の位置のデータである第1位置データと、2個の前記第1検知機構のうちの他方の前記第1検知機構が前記搬送対象物を検知したときの前記ハンドの前記第1方向の位置のデータである第2位置データとを取得し、かつ、前記産業用ロボットが前記第2動作を行う際に、所定の測定位置まで前記ハンドが移動したときに前記第2検知機構によって検知される前記搬送対象物の前記第2方向の一端面の前記第2方向の位置のデータである第3位置データを取得するとともに、前記産業用ロボットが前記第3動作を行う際に、前記第1位置データと前記第2位置データと前記第3位置データとに基づいて、前記引渡し位置に到達するときの前記ハンドの水平方向の位置および向きを補正することを特徴とする産業用ロボット。
【請求項2】
前記アームは、互いに回動可能に連結される複数のアーム部によって構成されるとともに水平方向に伸縮可能となっており、
前記ハンドは、前記アームの先端側に回動可能に連結され、
前記本体部には、前記アームの基端側が回動可能に連結されていることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
【請求項3】
前記本体部に対して前記ハンドが一定方向に向いた状態で直線的に移動するように前記アームを伸縮させるアーム駆動機構と、前記本体部を回動させる回動機構と、上下方向に直交する左右方向に前記本体部を移動させる水平移動機構とを備え、
前記ハンドは、前記産業用ロボットが前記第3動作を行うときに、上下方向と左右方向とに直交する前後方向に前記本体部に対して直線的に移動し、
前記制御部は、前記産業用ロボットが前記第3動作を行う際に、前記第1位置データと前記第2位置データと前記第3位置データとに基づいて、前記アーム駆動機構と前記回動機構と前記水平移動機構とを制御して前記引渡し位置に到達するときの前記ハンドの水平方向の位置および向きを補正することを特徴とする請求項2記載の産業用ロボット。
【請求項4】
前記第1方向と左右方向とが一致しており、
前記ハンドは、前記産業用ロボットが前記第1動作および前記第2動作を行うときに、前記本体部に対して左右方向に直線的に移動することを特徴とする請求項3記載の産業用ロボット。
【請求項5】
前記第1方向と前後方向とが一致しており、
前記ハンドは、前記産業用ロボットが前記第1動作および前記第2動作を行うときに、前記本体部に対して前後方向に直線的に移動することを特徴とする請求項3記載の産業用ロボット。
【請求項6】
長方形状または正方形状に形成される搬送対象物が搭載されるとともに水平方向に移動可能なハンドと、前記ハンドが連結されるアームと、上下方向を回動の軸方向として前記アームが回動可能に連結される本体部と、前記ハンドに取り付けられる光学式の2個の第1検知機構と、前記本体部に取り付けられる光学式の第2検知機構とを備えるとともに、
前記ハンドの先端が前記本体部から遠ざかる方向に移動した状態で所定の受取り部に置かれている前記搬送対象物を前記ハンドに搭載して受け取るときの前記ハンドの位置を受取り位置とし、前記ハンドの先端が前記本体部から遠ざかる方向に移動した状態で前記ハンドに搭載されている前記搬送対象物を所定の引渡し部に引き渡すときの前記ハンドの位置を引渡し位置とすると、
前記ハンドの先端が前記本体部から遠ざかるように前記受取り位置まで前記ハンドが移動するときの動作である第1動作と、前記第1動作後、前記受取り位置で前記搬送対象物を受け取った前記ハンドが、前記ハンドの先端が前記本体部に近づくように移動するときの動作である第2動作と、前記第2動作後、前記ハンドの先端が前記本体部から遠ざかるように、前記搬送対象物が搭載された前記ハンドが前記引渡し位置まで移動するときの動作である第3動作とを行い、
前記ハンドは、前記第1動作および前記第2動作が行われるときに、前記本体部に対して一定方向を向いた状態で直線的に移動し、
前記第1動作および前記第2動作が行われるときの前記ハンドの移動方向を第1方向とし、前記第1方向と上下方向とに直交する方向を第2方向とすると、
前記第1検知機構は、第1の発光部と、前記第1の発光部から射出され前記搬送対象物で反射された光を受光する第1の受光部とを備える反射型の検知機構であり、
2個の前記第1検知機構は、前記第2方向において間隔をあけた状態で配置され、
前記第2検知機構は、ラインセンサまたはエリアセンサからなる第2の受光部と、上下方向において前記第2の受光部との間に所定の間隔をあけた状態で前記第2の受光部に対向配置される第2の発光部とを有する透過型の検知機構であり、
前記第1動作が行われるときに、2個の前記第1検知機構は、前記受取り部に置かれている前記搬送対象物の下側を通り、
前記第2動作が行われるときに、前記ハンドに搭載された前記搬送対象物の前記第2方向の一端面は、前記第2の受光部と前記第2の発光部との間を通る産業用ロボットの制御方法であって、
前記第1動作を行う際に、2個の前記第1検知機構のうちの一方の前記第1検知機構が前記搬送対象物を検知したときの前記ハンドの前記第1方向の位置のデータである第1位置データと、2個の前記第1検知機構のうちの他方の前記第1検知機構が前記搬送対象物を検知したときの前記ハンドの前記第1方向の位置のデータである第2位置データとを取得し、かつ、前記第2動作を行う際に、所定の測定位置まで前記ハンドが移動したときに前記第2検知機構によって検知される前記搬送対象物の前記第2方向の一端面の前記第2方向の位置のデータである第3位置データを取得するとともに、前記第3動作を行う際に、前記第1位置データと前記第2位置データと前記第3位置データとに基づいて、前記引渡し位置に到達するときの前記ハンドの水平方向の位置および向きを補正することを特徴とする産業用ロボットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長方形状または正方形状に形成される搬送対象物を搬送する産業用ロボットに関する。また、本発明は、かかる産業用ロボットの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カセット間でガラス基板を搬送するロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のロボットは、水平移動部と、ロボットハンド部と、水平移動部とロボットハンド部とを連結する連結部とを備えている。水平移動部は、ガイドレールに沿って左右方向に移動するスライダを備えている。ロボットハンド部は、連結部の回動可能に連結される第1アームと、第1アームの先端側に回動可能に連結される第2アームと、第2アームの先端側に回動可能に連結されるとともにガラス基板が搭載されるハンドとを備えている。
【0003】
特許文献1に記載のロボットでは、ハンドの上面に、ガラス基板の前端面との距離を検知するための2個の第1距離センサが取り付けられている。2個の第1距離センサは、左右方向に間隔をあけた状態で配置されている。連結部には、原点位置に配置されたハンドに搭載されるガラス基板の左端面の位置を検知するための位置検出センサが支持アームを介して取り付けられている。
【0004】
特許文献1に記載のロボットには、制御装置が接続されている。制御装置は、2個の第1距離センサの検知結果に基づいて、カセット内に置かれているガラス基板の、基準位置に対する前後方向のずれ量に対応する補正量と、カセット内に置かれているガラス基板の、上下方向から見たときの基準位置に対する傾き量に対応する補正量とを算出する。また、制御装置は、位置検出センサの検知結果に基づいて、ハンドに搭載されているガラス基板の、基準位置に対する左右方向のずれ量に対応する補正量を算出する。
【0005】
特許文献1に記載のロボットは、カセット内に置かれているガラス基板をハンドに搭載する前に、基準位置に対するガラス基板の前後方向のずれ量に対応する補正量と基準位置に対するガラス基板の傾き量に対応する補正量とに基づいて、ハンドの向きと前後方向の位置とを補正する。また、このロボットは、ハンドに搭載されたガラス基板を次工程のカセット内に搬入して置くときに、基準位置に対するガラス基板の左右方向のずれ量に対応する補正量に基づいて、ハンドの左右方向の位置を補正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-162257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のロボットでは、カセット内に置かれているガラス基板の水平方向の位置および向きを補正してから次工程のカセットにガラス基板を置くために、カセットからガラス基板を受け取って搬出するとき、および、次工程のカセットにガラス基板を搬入して引き渡すときの両方において、ハンドの向きや位置を補正している。そのため、このロボットの場合、カセット間でガラス基板を搬送するときに要する時間が長くなるおそれがある。
【0008】
たとえば、カセットからガラス基板を受け取って搬出するときに、補正された向きのままでハンドを移動させると、ハンドに搭載されたガラス基板やハンドとカセットの構成部品とが干渉するおそれがある場合には、ガラス基板やハンドとカセットの構成部品とが干渉しないように、カセット内からハンドを移動させる前に一旦、ハンドの向きを変える必要があり、この場合には、カセット間でガラス基板を搬送するときに要する時間が長くなる。
【0009】
そこで、本発明の課題は、所定の受取り部から搬送対象物を搬出して所定の引渡し部に搬送対象物を搬入する産業用ロボットにおいて、受取り部に置かれている搬送対象物の水平方向の位置および向きを補正してから引渡し部に搬送対象物を置くことが可能であっても、受取り部から引渡し部への搬送対象物の搬送時間を短縮することが可能な産業用ロボットを提供することにある。
【0010】
また、本発明の課題は、所定の受取り部から搬送対象物を搬出して所定の引渡し部に搬送対象物を搬入する産業用ロボットにおいて、受取り部に置かれている搬送対象物の水平方向の位置および向きを補正してから引渡し部に搬送対象物を置くことが可能であっても、受取り部から引渡し部への搬送対象物の搬送時間を短縮することが可能となる産業用ロボットの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、長方形状または正方形状に形成される搬送対象物を搬送する産業用ロボットにおいて、搬送対象物が搭載されるとともに水平方向に移動可能なハンドと、ハンドが連結されるアームと、上下方向を回動の軸方向としてアームが回動可能に連結される本体部と、ハンドに取り付けられる光学式の2個の第1検知機構と、本体部に取り付けられる光学式の第2検知機構と、産業用ロボットを制御する制御部とを備えるとともに、ハンドの先端が本体部から遠ざかる方向に移動した状態で所定の受取り部に置かれている搬送対象物をハンドに搭載して受け取るときのハンドの位置を受取り位置とし、ハンドの先端が本体部から遠ざかる方向に移動した状態でハンドに搭載されている搬送対象物を所定の引渡し部に引き渡すときのハンドの位置を引渡し位置とすると、ハンドの先端が本体部から遠ざかるように受取り位置までハンドが移動するときの動作である第1動作と、第1動作後、受取り位置で搬送対象物を受け取ったハンドが、ハンドの先端が本体部に近づくように移動するときの動作である第2動作と、第2動作後、ハンドの先端が本体部から遠ざかるように、搬送対象物が搭載されたハンドが引渡し位置まで移動するときの動作である第3動作とを行い、ハンドは、産業用ロボットが第1動作および第2動作を行うときに、本体部に対して一定方向を向いた状態で直線的に移動し、産業用ロボットが第1動作および第2動作を行うときのハンドの移動方向を第1方向とし、第1方向と上下方向とに直交する方向を第2方向とすると、第1検知機構は、第1の発光部と、第1の発光部から射出され搬送対象物で反射された光を受光する第1の受光部とを備える反射型の検知機構であり、2個の第1検知機構は、第2方向において間隔をあけた状態で配置され、第2検知機構は、ラインセンサまたはエリアセンサからなる第2の受光部と、上下方向において第2の受光部との間に所定の間隔をあけた状態で第2の受光部に対向配置される第2の発光部とを有する透過型の検知機構であり、産業用ロボットが第1動作を行うときに、2個の第1検知機構は、受取り部に置かれている搬送対象物の下側を通り、産業用ロボットが第2動作を行うときに、ハンドに搭載された搬送対象物の第2方向の一端面は、第2の受光部と第2の発光部との間を通り、制御部は、産業用ロボットが第1動作を行う際に、2個の第1検知機構のうちの一方の第1検知機構が搬送対象物を検知したときのハンドの第1方向の位置のデータである第1位置データと、2個の第1検知機構のうちの他方の第1検知機構が搬送対象物を検知したときのハンドの第1方向の位置のデータである第2位置データとを取得し、かつ、産業用ロボットが第2動作を行う際に、所定の測定位置までハンドが移動したときに第2検知機構によって検知される搬送対象物の第2方向の一端面の第2方向の位置のデータである第3位置データを取得するとともに、産業用ロボットが第3動作を行う際に、第1位置データと第2位置データと第3位置データとに基づいて、引渡し位置に到達するときのハンドの水平方向の位置および向きを補正することを特徴とする。
【0012】
また、上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットの制御方法は、長方形状または正方形状に形成される搬送対象物が搭載されるとともに水平方向に移動可能なハンドと、ハンドが連結されるアームと、アームが回動可能に連結される本体部と、ハンドに取り付けられる光学式の2個の第1検知機構と、本体部に取り付けられる光学式の第2検知機構とを備えるとともに、ハンドの先端が本体部から遠ざかる方向に移動した状態で所定の受取り部に置かれている搬送対象物をハンドに搭載して受け取るときのハンドの位置を受取り位置とし、ハンドの先端が本体部から遠ざかる方向に移動した状態でハンドに搭載されている搬送対象物を所定の引渡し部に引き渡すときのハンドの位置を引渡し位置とすると、ハンドの先端が本体部から遠ざかるように受取り位置までハンドが移動するときの動作である第1動作と、第1動作後、受取り位置で搬送対象物を受け取ったハンドが、ハンドの先端が本体部に近づくように移動するときの動作である第2動作と、第2動作後、ハンドの先端が本体部から遠ざかるように、搬送対象物が搭載されたハンドが引渡し位置まで移動するときの動作である第3動作とを行い、ハンドは、第1動作および第2動作が行われるときに、本体部に対して一定方向を向いた状態で直線的に移動し、第1動作および第2動作が行われるときのハンドの移動方向を第1方向とし、第1方向と上下方向とに直交する方向を第2方向とすると、第1検知機構は、第1の発光部と、第1の発光部から射出され搬送対象物で反射された光を受光する第1の受光部とを備える反射型の検知機構であり、2個の第1検知機構は、第2方向において間隔をあけた状態で配置され、第2検知機構は、ラインセンサまたはエリアセンサからなる第2の受光部と、上下方向において第2の受光部との間に所定の間隔をあけた状態で第2の受光部に対向配置される第2の発光部とを有する透過型の検知機構であり、第1動作が行われるときに、2個の第1検知機構は、受取り部に置かれている搬送対象物の下側を通り、第2動作が行われるときに、ハンドに搭載された搬送対象物の第2方向の一端面は、第2の受光部と第2の発光部との間を通る産業用ロボットの制御方法であって、第1動作を行う際に、2個の第1検知機構のうちの一方の第1検知機構が搬送対象物を検知したときのハンドの第1方向の位置のデータである第1位置データと、2個の第1検知機構のうちの他方の第1検知機構が搬送対象物を検知したときのハンドの第1方向の位置のデータである第2位置データとを取得し、かつ、第2動作を行う際に、所定の測定位置までハンドが移動したときに第2検知機構によって検知される搬送対象物の第2方向の一端面の第2方向の位置のデータである第3位置データを取得するとともに、第3動作を行う際に、第1位置データと第2位置データと第3位置データとに基づいて、引渡し位置に到達するときのハンドの水平方向の位置および向きを補正することを特徴とする。
【0013】
本発明では、産業用ロボットが第3動作を行う際に、第1位置データと第2位置データと第3位置データとに基づいて、引渡し位置に到達するときのハンドの水平方向の位置および向きを補正している。すなわち、本発明では、ハンドの先端が本体部から遠ざかるように、搬送対象物が搭載されたハンドが引渡し位置まで移動するときの動作である第3動作を行うときのみに、ハンドの水平方向の位置および向きを補正しており、ハンドの先端が本体部から遠ざかるように受取り位置までハンドが移動するときの動作である第1動作を行うときには、ハンドの位置や向きの補正を行っていない。したがって、本発明では、受取り部に置かれている搬送対象物の水平方向の位置および向きを補正してから引渡し部に搬送対象物を置くことが可能であっても、受取り部から引渡し部への搬送対象物の搬送時間を短縮することが可能になる。
【0014】
本発明において、たとえば、アームは、互いに回動可能に連結される複数のアーム部によって構成されるとともに水平方向に伸縮可能となっており、ハンドは、アームの先端側に回動可能に連結され、本体部には、アームの基端側が回動可能に連結されている。
【0015】
本発明において、産業用ロボットは、たとえば、本体部に対してハンドが一定方向に向いた状態で直線的に移動するようにアームを伸縮させるアーム駆動機構と、本体部を回動させる回動機構と、上下方向に直交する左右方向に本体部を移動させる水平移動機構とを備え、ハンドは、産業用ロボットが第3動作を行うときに、上下方向と左右方向とに直交する前後方向に本体部に対して直線的に移動し、制御部は、産業用ロボットが第3動作を行う際に、第1位置データと第2位置データと第3位置データとに基づいて、アーム駆動機構と回動機構と水平移動機構とを制御して引渡し位置に到達するときのハンドの水平方向の位置および向きを補正する。
【0016】
本発明において、たとえば、第1方向と左右方向とが一致しており、ハンドは、産業用ロボットが第1動作および第2動作を行うときに、本体部に対して左右方向に直線的に移動する。本体部を前後方向に移動させることができないと、第1動作を行うときにハンドの向きを適切に補正することができない場合が生じうるが、本発明では、第1動作を行うときにハンドの向きを適切に補正することができなくても、第3動作を行うときにハンドの向きを適切に補正することが可能になる。
【0017】
本発明において、第1方向と前後方向とが一致しており、ハンドは、産業用ロボットが第1動作および第2動作を行うときに、本体部に対して前後方向に直線的に移動しても良い。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明では、所定の受取り部から搬送対象物を搬出して所定の引渡し部に搬送対象物を搬入する産業用ロボットにおいて、受取り部に置かれている搬送対象物の水平方向の位置および向きを補正してから引渡し部に搬送対象物を置くことが可能であっても、受取り部から引渡し部への搬送対象物の搬送時間を短縮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの平面図である。
図2図1に示す産業用ロボットの異なる状態の平面図である。
図3図1に示す産業用ロボットの背面図である。
図4図1に示す産業用ロボットの構成を説明するためのブロック図である。
図5図1に示す産業用ロボットが第3動作を行う際に補正されるハンドの水平方向の位置および向きの補正値の算出方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
(産業用ロボットの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の平面図である。図2は、図1に示す産業用ロボット1の異なる状態の平面図である。図3は、図1に示す産業用ロボット1の背面図である。図4は、図1に示す産業用ロボット1の構成を説明するためのブロック図である。
【0022】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、たとえば、搬送対象物である有機ELディスプレイ用のガラス基板2や液晶ディスプレイ用のガラス基板2(「基板2」とする。)を搬送する水平多関節型のロボットである。基板2は、長方形または正方形の平板状に形成されている。ロボット1は、たとえば、複数枚の基板2が収容される収容カセット3、4から、基板2に対して所定の処理を行う処理装置5まで基板2を搬送する。すなわち、ロボット1は、たとえば、収容カセット3、4から基板2を搬出するとともに、収容カセット3、4から搬出した基板2を処理装置5に搬入する。
【0023】
以下の説明では、上下方向に直交する図1等のY方向を「左右方向」とし、上下方向と左右方向とに直交する図1等のX方向を「前後方向」とする。また、左右方向の一方側である図1等のY1方向側を「右」側とし、その反対側である図1等のY2方向側を「左」側とし、前後方向の一方側である図1等のX1方向側を「前」側とし、その反対側である図1等のX2方向側を「後ろ」側とする。
【0024】
収容カセット3、4には、複数枚の基板2が上下方向に間隔をあけた状態で重なるように収容されている。本形態では、収容カセット3は、ロボット1の前側に配置され、収容カセット4は、ロボット1の右側に配置されている。また、処理装置5は、ロボット1の後ろ側に配置されている。収容カセット3、4および処理装置5に収容される基板2の端面は、前後方向または左右方向と略平行になっている。
【0025】
ロボット1は、基板2が搭載されるとともに水平方向に移動可能な2個のハンド6、7と、ハンド6が連結されるアーム8と、ハンド7が連結されるアーム9と、アーム8、9が回動可能に連結される本体部10と、本体部10が回動可能に連結される基台11と、水平方向への直線的な移動が可能となるように基台11を保持するベース12とを備えている。本体部10は、アーム8、9の基端側を支持するとともに昇降可能なアームサポート15と、アームサポート15を昇降可能に支持する支持フレーム16と、本体部10の下端部分を構成する旋回フレーム17とを備えている。
【0026】
ハンド6は、上下方向を回動の軸方向としてアーム8の先端側に回動可能に連結され、ハンド7は、上下方向を回動の軸方向としてアーム9の先端側に回動可能に連結されている。ハンド7は、ハンド6よりも下側に配置されている。アーム8は、ハンド6よりも上側に配置されている。アーム9は、ハンド7よりも下側に配置されている。本体部10には、上下方向を回動の軸方向としてアーム8、9の基端側が回動可能に連結されている。具体的には、アームサポート15に、アーム8、9の基端側が回動可能に連結されている。上下方向から見たときに、本体部10に対するアーム8の回動中心と本体部10に対するアーム9の回動中心とは一致している。
【0027】
ハンド6、7は、アーム8、9の先端側に回動可能に連結されるハンド基部18と、上面側に基板2が載置される直線状の複数のフォーク19とを備えている。本形態のハンド6、7は、4本のフォーク19を備えている。4本のフォーク19は、ハンド基部18から水平方向の同方向へ突出している。また、4本のフォーク19は、互いに平行に配置されている。ハンド6のフォーク19とハンド7のフォーク19とは、同じ方向に突出している。
【0028】
アーム8、9は、水平方向に伸縮する多関節アームである。アーム8、9は、互いに回動可能に連結される第1アーム部21と第2アーム部22とによって構成されている。すなわち、アーム8、9は、互いに回動可能に連結される2個のアーム部によって構成されるとともに水平方向に伸縮可能となっている。第1アーム部21の基端側は、本体部10(具体的には、アームサポート15)に回動可能に連結されている。第1アーム部21の先端側には、第2アーム部22の基端側が回動可能に連結されている。第2アーム部22の先端側には、ハンド6、7が回動可能に連結されている。アーム8では、第1アーム部21よりも下側に第2アーム部22が配置され、アーム9では、第1アーム部21よりも上側に第2アーム部22が配置されている。
【0029】
アーム8の基端側は、アームサポート15の上端側に回動可能に連結され、アーム9の基端側は、アームサポート15の下端側に回動可能に連結されている。水平方向において、アームサポート15に対する第1アーム部21の回動中心と第1アーム部21に対する第2アーム部22の回動中心との距離と、第1アーム部21に対する第2アーム部22の回動中心と第2アーム部22に対するハンド6、7の回動中心との距離とは等しくなっている。
【0030】
アーム8、9は、ハンド6、7の先端(すなわち、フォーク19の先端)が本体部10から遠ざかるように(離れるように)アーム8、9が伸びる位置と、ハンド6、7の先端が本体部10に近づくようにアーム8、9が縮む位置との間で水平方向に伸縮可能となっている。本体部10に対するアーム8、9の伸縮量が等しいときに、ハンド6とハンド7とが上下方向で重なり、アーム8とアーム9とが上下方向で重なっている。
【0031】
支持フレーム16は、アームサポート15を介してハンド6、7およびアーム8、9を昇降可能に保持している。支持フレーム16は、アームサポート15を昇降可能に保持する柱状の第1支持フレーム23と、第1支持フレーム23を昇降可能に保持する柱状の第2支持フレーム24とを備えている。旋回フレーム17は、上下方向の厚さが薄い扁平な略直方体状に形成されている。また、旋回フレーム17は、細長い略直方体状に形成されている。旋回フレーム17の先端側の上面には、第2支持フレーム24の下端部が固定されている。旋回フレーム17の基端側は、上下方向を回動の軸方向として基台11に回動可能に連結されている。旋回フレーム17は、基台11よりも上側に配置されている。基台11は、ベース12に対して左右方向に直線的に移動可能となっている。
【0032】
また、ロボット1は、アーム8を伸縮させるアーム駆動機構27と、アーム9を伸縮させるアーム駆動機構28と、本体部10を回動させる回動機構29と、ハンド6、7およびアーム8、9を昇降させる昇降機構30と、基台11と一緒に本体部10を左右方向に移動させる水平移動機構31と、ロボット1を制御する制御部32とを備えている。ロボット1は、アーム8、9の伸縮動作と、アーム8、9等の昇降動作と、本体部10の回動動作および水平移動動作との組合せによって基板2の搬送を行う。
【0033】
また、ロボット1は、ハンド6に搭載される基板2の位置を検知するための2個の検知機構33および1個の検知機構34と、ハンド7に搭載される基板2の位置を検知するための2個の検知機構33および1個の検知機構34とを備えている。すなわち、ロボット1は、4個の検知機構33と、2個の検知機構34とを備えている。本形態の検知機構33は、第1検知機構であり、検知機構34は、第2検知機構である。
【0034】
アーム駆動機構27は、駆動源となるモータと、モータの動力をアーム8およびハンド6に伝達する動力伝達機構と、モータの回転量を検知するためのエンコーダとを備えている。モータは、サーボモータであり、エンコーダの検知結果に基づいて制御される。アーム駆動機構27は、本体部10に対してハンド6が一定方向を向いた状態で直線的に移動するように水平方向にアーム8を伸縮させる。アーム駆動機構27は、制御部32に電気的に接続されている。具体的には、アーム駆動機構27のモータおよびエンコーダ等が制御部32に電気的に接続されている。
【0035】
アーム駆動機構28は、アーム駆動機構27と同様に、駆動源となるモータと、モータの動力をアーム9およびハンド7に伝達する動力伝達機構と、モータの回転量を検知するためのエンコーダとを備えている。モータは、サーボモータであり、エンコーダの検知結果に基づいて制御される。アーム駆動機構28は、本体部10に対してハンド7が一定方向を向いた状態で直線的に移動するように水平方向にアーム9を伸縮させる。アーム駆動機構28は、制御部32に電気的に接続されている。具体的には、アーム駆動機構28のモータおよびエンコーダ等が制御部32に電気的に接続されている。
【0036】
回動機構29は、上下方向を回動の軸方向として基台11に対して旋回フレーム17を回動させる。すなわち、回動機構29は、上下方向を回動の軸方向として本体部10と一緒にアーム8、9を回動させる。回動機構29は、駆動源となるモータと、モータの動力を旋回フレーム17に伝達する動力伝達機構と、モータの回転量を検知するためのエンコーダとを備えている。モータは、サーボモータであり、エンコーダの検知結果に基づいて制御される。回動機構29は、制御部32に電気的に接続されている。具体的には、回動機構29のモータおよびエンコーダ等が制御部32に電気的に接続されている。
【0037】
昇降機構30は、第2支持フレーム24に対して第1支持フレーム23を昇降させるとともに第1支持フレーム23に対してアームサポート15を昇降させる。昇降機構30は、アームサポート15を昇降させるとともに第1支持フレーム23を昇降させるモータと、モータの動力を第1支持フレーム23およびアームサポート15に伝達する減速機と、モータの回転量を検知するためのエンコーダとを備えている。モータは、サーボモータであり、エンコーダの検知結果に基づいて制御される。
【0038】
昇降機構30は、制御部32に電気的に接続されている。具体的には、昇降機構30のモータおよびエンコーダ等が制御部32に電気的に接続されている。なお、ロボット1は、第1支持フレーム23に対してアームサポート15を昇降させる昇降機構と、第2支持フレーム24に対して第1支持フレーム23を昇降させる昇降機構とを個別に備えていても良い。
【0039】
水平移動機構31は、ベース12に対して基台11を左右方向に直線的に移動させる。すなわち、水平移動機構31は、基台11と一緒に本体部10およびアーム8、9を左右方向に直線的に移動させる。水平移動機構31は、駆動源となるモータと、モータの動力を基台11に伝達する動力伝達機構と、モータの回転量を検知するためのエンコーダとを備えている。モータは、サーボモータであり、エンコーダの検知結果に基づいて制御される。水平移動機構31は、制御部32に電気的に接続されている。具体的には、水平移動機構31のモータおよびエンコーダ等が制御部32に電気的に接続されている。
【0040】
検知機構33は、光学式の検知機構である。また、検知機構33は、発光部37と、発光部37から射出され基板2で反射された光を受光する受光部38とを有する反射型の検知機構である。検知機構33は、ハンド6、7のそれぞれに取り付けられている。具体的には、ハンド6に2個の検知機構33が取り付けられ、ハンド7に2個の検知機構33が取り付けられている。検知機構33は、制御部32に電気的に接続されている。本形態の発光部37は、第1の発光部であり、受光部38は、第1の受光部である。
【0041】
検知機構33は、発光部37の発光面と受光部38の受光面とが上側を向くようにハンド6、7に取り付けられている。また、検知機構33は、フォーク19の上面側に取り付けられている。本形態では、検知機構33は、ハンド6、7のそれぞれが有する4本のフォーク19のうちの、フォーク19の長手方向に直交する方向において内側に配置される2本のフォーク19に取り付けられている。また、検知機構33は、フォーク19の先端側に取り付けられている。
【0042】
ハンド6、7のそれぞれに取り付けられる2個の検知機構33は、フォーク19の長手方向において同じ位置に配置されている。また、ハンド6、7のそれぞれに取り付けられる2個の検知機構33は、フォーク19の長手方向に直交する方向において間隔をあけた状態で配置されている。なお、検知機構33は、ハンド6、7のそれぞれが有する4本のフォーク19のうちの、フォーク19の長手方向に直交する方向において外側に配置される2本のフォーク19に取り付けられていても良い。また、検知機構33は、フォーク19の基端側に取り付けられていても良い。
【0043】
検知機構34は、光学式の検知機構である。また、検知機構34は、発光部39と、発光部39に対向配置される受光部40とを有する透過型の検知機構である。発光部39は、上下方向において受光部40との間に所定の間隔をあけた状態で受光部40に対向配置されている。本形態の受光部40は、ラインセンサである。受光部40では、複数の受光素子が一列に配列されている。検知機構34は、制御部32に電気的に接続されている。本形態の発光部39は、第2の発光部であり、受光部40は、第2の受光部である。
【0044】
検知機構34は、本体部10に取り付けられている。具体的には、検知機構34は、アームサポート15に固定されるセンサ固定部材42に固定されており、センサ固定部材42を介してアームサポート15に固定されている。本形態では、ハンド6に搭載される基板2の位置を検知するための検知機構34と、ハンド7に搭載される基板2の位置を検知するための検知機構34とがセンサ固定部材42を介してアームサポート15に固定されている。すなわち、2個の検知機構34がアームサポート15に固定されている。2個の検知機構34は、上下方向で重なっている。
【0045】
検知機構34は、アームサポート15と一緒に回動するとともにアームサポート15と一緒に昇降する。上述のように、受光部40では、複数の受光素子が一列に配列されている。具体的には、フォーク19の長手方向と前後方向とが一致しているときには、受光部40において、複数の受光素子が左右方向に一列で配列され、フォーク19の長手方向と左右方向とが一致しているときには、受光部40において、複数の受光素子が前後方向に一列で配列されている。
【0046】
上述のように、ロボット1は、収容カセット3、4から処理装置5まで基板2を搬送する。また、上述のように、アーム8、9は、ハンド6、7の先端が本体部10から遠ざかるようにアーム8、9が伸びる位置と、ハンド6、7の先端が本体部10に近づくようにアーム8、9が縮む位置との間で水平方向に伸縮可能となっている。本形態では、ロボット1が収容カセット3、4から基板2を受け取るとき、および、ロボット1が処理装置5に基板2を引き渡すときに、アーム8、9が伸びていて、ハンド6、7の先端が本体部10から遠ざかる方向に移動した状態になっている。
【0047】
ハンド6の先端が本体部10から遠ざかる方向に移動した状態(すなわち、アーム8が伸びている状態)で収容カセット3に置かれている基板2をハンド6に搭載して受け取るときのハンド6の位置(図1に示す位置)をハンド位置6Aとし、ハンド6の先端が本体部10から遠ざかる方向に移動した状態(すなわち、アーム8が伸びている状態)でハンド6に搭載されている基板2を処理装置5に引き渡すときのハンド6の位置をハンド位置6Bとすると、ロボット1は、ハンド6の先端が本体部10から遠ざかるようにハンド位置6Aまでハンド6が移動するときの動作である動作M11と、動作M11の後に、ハンド位置6Aで基板2を受け取ったハンド6が、ハンド6の先端が本体部10に近づくように移動するときの動作である動作M12と、動作M12の後に、ハンド6の先端が本体部10から遠ざかるように、基板2が搭載されたハンド6がハンド位置6Bまで移動するときの動作である動作M13とを行う。動作M11、M13では、縮んでいたアーム8が伸び、動作M12では、伸びていたアーム8が縮む。
【0048】
また、ハンド6の先端が本体部10から遠ざかる方向に移動した状態で収容カセット4に置かれている基板2をハンド6に搭載して受け取るときのハンド6の位置(図2に示す位置)をハンド位置6Cとすると、ロボット1は、ハンド6の先端が本体部10から遠ざかるようにハンド位置6Cまでハンド6が移動するときの動作である動作M14と、動作M14の後に、ハンド位置6Cで基板2を受け取ったハンド6が、ハンド6の先端が本体部10に近づくように移動するときの動作である動作M15と、動作M15の後に、ハンド6の先端が本体部10から遠ざかるように、基板2が搭載されたハンド6がハンド位置6Bまで移動するときの動作である動作M16とを行う。動作M14、M16では、縮んでいたアーム8が伸び、動作M15では、伸びていたアーム8が縮む。
【0049】
同様に、ハンド7の先端が本体部10から遠ざかる方向に移動した状態(すなわち、アーム9が伸びている状態)で収容カセット3に置かれている基板2をハンド7に搭載して受け取るときのハンド7の位置をハンド位置7Aとし、ハンド7の先端が本体部10から遠ざかる方向に移動した状態(すなわち、アーム9が伸びている状態)でハンド7に搭載されている基板2を処理装置5に引き渡すときのハンド7の位置をハンド位置7Bとすると、ロボット1は、ハンド7の先端が本体部10から遠ざかるようにハンド位置7Aまでハンド7が移動するときの動作である動作M21と、動作M21の後に、ハンド位置7Aで基板2を受け取ったハンド7が、ハンド7の先端が本体部10に近づくように移動するときの動作である動作M22と、動作M22の後に、ハンド7の先端が本体部10から遠ざかるように、基板2が搭載されたハンド7がハンド位置7Bまで移動するときの動作である動作M23とを行う。動作M21、M23では、縮んでいたアーム9が伸び、動作M22では、伸びていたアーム9が縮む。
【0050】
また、ハンド7の先端が本体部10から遠ざかる方向に移動した状態で収容カセット4に置かれている基板2をハンド7に搭載して受け取るときのハンド7の位置をハンド位置7Cとすると、ロボット1は、ハンド7の先端が本体部10から遠ざかるようにハンド位置7Cまでハンド7が移動するときの動作である動作M24と、動作M24の後に、ハンド位置7Cで基板2を受け取ったハンド7が、ハンド7の先端が本体部10に近づくように移動するときの動作である動作M25と、動作M25の後に、ハンド7の先端が本体部10から遠ざかるように、基板2が搭載されたハンド7がハンド位置7Bまで移動するときの動作である動作M26とを行う。動作M24、M26では、縮んでいたアーム9が伸び、動作M25では、伸びていたアーム9が縮む。
【0051】
動作M12、M15が完了した状態では、ハンド6に搭載される基板2、ハンド6およびアーム8を含めた本体部10の回動半径(旋回半径)が最小になる。同様に、動作M22、M25が完了した状態では、ハンド7に搭載される基板2、ハンド7およびアーム9を含めた本体部10の回動半径が最小になる。
【0052】
上述のように、アーム駆動機構27は、本体部10に対してハンド6が一定方向を向いた状態で直線的に移動するようにアーム8を伸縮させ、アーム駆動機構28は、本体部10に対してハンド7が一定方向を向いた状態で直線的に移動するようにアーム9を伸縮させる。すなわち、ハンド6は、ロボット1がM11~M16を行うときに、本体部10に対して一定方向を向いた状態で直線的に移動し、ハンド7は、ロボット1が動作M21~M26を行うときに、本体部10に対して一定方向を向いた状態で直線的に移動する。
【0053】
本形態では、収容カセット3がロボット1の前側に配置され、収容カセット4がロボット1の右側に配置され、かつ、処理装置5がロボット1の後ろ側に配置されているため、ハンド6は、ロボット1が動作M11~M13、M16を行うときに本体部10に対して前後方向に直線的に移動し、ロボット1が動作M14、M15を行うときに本体部10に対して左右方向に直線的に移動する。また、ハンド7は、ロボット1が動作M21~M23、M26を行うときに本体部10に対して前後方向に直線的に移動し、ロボット1が動作M24、M25を行うときに本体部10に対して左右方向に直線的に移動する。
【0054】
具体的には、ハンド6は、ロボット1が動作M11を行うときに、フォーク19の先端が前側を向いた状態で本体部10に対して前側に直線的に移動し、ロボット1が動作M12を行うときに、フォーク19の先端が前側を向いた状態で本体部10に対して後ろ側に直線的に移動し、ロボット1が動作M14を行うときに、フォーク19の先端が右側を向いた状態で本体部10に対して右側に直線的に移動し、ロボット1が動作M15を行うときに、フォーク19の先端が右側を向いた状態で本体部10に対して左側に直線的に移動し、ロボット1が動作M13、M16を行うときに、フォーク19の先端が後ろ側を向いた状態で本体部10に対して後ろ側に直線的に移動する。
【0055】
同様に、ハンド7は、ロボット1が動作M21を行うときに、フォーク19の先端が前側を向いた状態で本体部10に対して前側に直線的に移動し、ロボット1が動作M22を行うときに、フォーク19の先端が前側を向いた状態で本体部10に対して後ろ側に直線的に移動し、ロボット1が動作M24を行うときに、フォーク19の先端が右側を向いた状態で本体部10に対して右側に直線的に移動し、ロボット1が動作M25を行うときに、フォーク19の先端が右側を向いた状態で本体部10に対して左側に直線的に移動し、ロボット1が動作M23、M26を行うときに、フォーク19の先端が後ろ側を向いた状態で本体部10に対して後ろ側に直線的に移動する。
【0056】
ロボット1が動作M11を行うときには、ハンド6に取り付けられる2個の検知機構33は、収容カセット3に置かれている基板2の下側(具体的には、動作M11の後に、ハンド6に搭載される基板2の下側)を通り、ロボット1が動作M21を行うときには、ハンド7に取り付けられる2個の検知機構33は、収容カセット3に置かれている基板2の下側(具体的には、動作M21の後に、ハンド7に搭載される基板2の下側)を通る。
【0057】
ロボット1が動作M14を行うときには、ハンド6に取り付けられる2個の検知機構33は、収容カセット4に置かれている基板2の下側(具体的には、動作M14の後に、ハンド6に搭載される基板2の下側)を通り、ロボット1が動作M24を行うときには、ハンド7に取り付けられる2個の検知機構33は、収容カセット4に置かれている基板2の下側(具体的には、動作M24の後に、ハンド7に搭載される基板2の下側)を通る。
【0058】
ロボット1が動作M12を行うときには、ハンド6に搭載される基板2の左右方向の一端面は、2個の検知機構34のうちの一方の検知機構34の発光部39と受光部40との間を通り、ロボット1が動作M22を行うときには、ハンド7に搭載される基板2の左右方向の一端面は、他方の検知機構34の発光部39と受光部40との間を通る。本形態では、ロボット1が動作M12、M22を行うときに、検知機構34は、ハンド6、7よりも右側に配置されており、ハンド6、7に搭載される基板2の右端面が発光部39と受光部40との間を通る。
【0059】
ロボット1が動作M15を行うときには、ハンド6に搭載される基板2の前後方向の一端面は、2個の検知機構34のうちの一方の検知機構34の発光部39と受光部40との間を通り、ロボット1が動作M25を行うときには、ハンド7に搭載される基板2の前後方向の一端面は、他方の検知機構34の発光部39と受光部40との間を通る。本形態では、ロボット1が動作M15、M25を行うときに、検知機構34は、ハンド6、7よりも後ろ側に配置されており、ハンド6、7に搭載される基板2の後端面が発光部39と受光部40との間を通る。
【0060】
すなわち、検知機構34は、ロボット1が動作M12、M22を行うときに、ハンド6、7に搭載される基板2の右端面が発光部39と受光部40との間を通り、かつ、ロボット1が動作M15、M25を行うときに、ハンド6、7に搭載される基板2の後端面が発光部39と受光部40との間を通る位置に配置されている。また、検知機構34は、ハンド位置6A、7Aに配置されるハンド6、7に搭載された基板2の後端面よりも後ろ側に配置されるとともに、ハンド位置6C、7Cに配置されるハンド6、7に搭載された基板2の左端面よりも左側に配置されている。また、検知機構34は、前後方向において、動作M12、M22が完了した後のハンド6、7に搭載された基板2の前端面と後端面との間に配置されるとともに、左右方向において、動作M15、M25が完了した後のハンド6、7に搭載された基板2の右端面と左端面との間に配置されている。
【0061】
上述のように、受光部40は、複数の受光素子が一列に配列されるラインセンサであるため、動作M12、M22が完了した後のハンド6、7に搭載される基板2の右端面の左右方向の位置を検知機構34によって検知することが可能になっている。また、動作M15、M25が完了した後のハンド6、7に搭載される基板2の後端面の前後方向の位置を検知機構34によって検知することが可能になっている。
【0062】
なお、ロボット1は、動作M12と動作M13との間、および、動作M15と動作M16との間に、本体部10を回動させる回動動作を行う。このときには、アーム9も縮んでいる。また、ロボット1は、動作M22と動作M23との間、および、動作M25と動作M26との間に、本体部10を回動させる回動動作を行う。このときには、アーム8も縮んでいる。また、ロボット1は、必要に応じて、動作M12と動作M13との間、動作M15と動作M16との間、動作M22と動作M23との間、および、動作M25と動作M26との間に、アームサポート15の昇降動作や本体部10の左右方向への移動動作を行う。また、ロボット1は、必要に応じて、動作M11~M16、M21~M26を行う際に、アームサポート15の昇降動作や本体部10の左右方向への移動動作を行うこともある。
【0063】
(ロボットの制御方法)
制御部32は、ロボット1が動作M11を行う際に、ハンド6に取り付けられる2個の検知機構33のうちの一方の検知機構33が基板2を検知したとき(具体的には、収容カセット3に置かれた基板2の後端面を一方の検知機構33が検知したとき(すなわち、一方の検知機構33が基板2を最初に検知したとき))のハンド6の前後方向の位置のデータである位置データD1と、他方の検知機構33が基板2を検知したとき(具体的には、収容カセット3に置かれた基板2の後端面を他方の検知機構33が検知したとき(すなわち、他方の検知機構33が基板2を最初に検知したとき))のハンド6の前後方向の位置のデータである位置データD2とを取得する。制御部32は、検知機構33の検知結果とアーム駆動機構27のエンコーダの検知結果とに基づいて位置データD1、D2を取得する。
【0064】
制御部32は、位置データD1、D2に基づいて、収容カセット3に置かれた基板2の前後方向の位置と向き(基板2の水平面内での傾き)を特定する。また、制御部32は、特定した基板2の前後方向の位置および向きと、ロボット1に予め教示された基板2の前後方向の位置および向きとを比較するとともに、ロボット1が動作M11を行う際に、この比較結果に基づいて、ハンド位置6Aに到達するときのハンド6の前後方向の位置および向きを補正する。すなわち、制御部32は、ロボット1が動作M11を行う際に、位置データD1、D2に基づいて、ハンド位置6Aに到達するときのハンド6の前後方向の位置および向きを補正する。
【0065】
具体的には、制御部32は、ロボット1が動作M11を行う際に、位置データD1、D2に基づいて、アーム駆動機構27と回動機構29と水平移動機構31とを制御してハンド位置6Aに到達するときのハンド6の前後方向の位置および向きを補正する。また、制御部32は、ロボット1が動作M11を行う際に、位置データD1、D2に基づいて、ハンド6に搭載される基板2の前後方向の位置が適切な位置になるとともに、ハンド6に搭載される基板2の向きが適切な向きになるように、ハンド位置6Aに到達するときのハンド6の前後方向の位置および向きを補正する。
【0066】
また、制御部32は、ロボット1が動作M12を行う際に、所定の測定位置までハンド6が移動したときに検知機構34によって検知される基板2の右端面の左右方向の位置のデータである位置データD3を取得する。制御部32は、検知機構34の検知結果とアーム駆動機構27のエンコーダの検知結果とに基づいて位置データD3を取得する。本形態では、たとえば、動作M12が完了したときのハンド6の位置が測定位置となっているが、動作M12を行っている最中のハンド6の所定の位置が測定位置となっていても良い。
【0067】
制御部32は、位置データD3に基づいて、ハンド6に搭載された基板2の左右方向の位置を特定する。また、制御部32は、特定した基板2の左右方向の位置と、ロボット1に予め教示された基板2の左右方向の位置とを比較するとともに、ロボット1が動作M13を行う際に、この比較結果に基づいて、ハンド位置6Bに到達するときのハンド6の左右方向の位置を補正する。すなわち、制御部32は、ロボット1が動作M13を行う際に、位置データD3に基づいて、ハンド位置6Bに到達するときのハンド6の左右方向の位置を補正する。
【0068】
具体的には、制御部32は、ロボット1が動作M13を行う際に、位置データD3に基づいて、水平移動機構31を制御してハンド位置6Bに到達するときのハンド6の左右方向の位置を補正する。また、制御部32は、ロボット1が動作M13を行う際に、位置データD3に基づいて、処理装置5に置かれる基板2の左右方向の位置が適切な位置になるように、ハンド位置6Bに到達するときのハンド6の左右方向の位置を補正する。
【0069】
同様に、制御部32は、ロボット1が動作M21を行う際に、ハンド7に取り付けられる2個の検知機構33のうちの一方の検知機構33が基板2を検知したときのハンド7の前後方向の位置のデータである位置データD4と、他方の検知機構33が基板2を検知したときのハンド7の前後方向の位置のデータである位置データD5とを取得する。制御部32は、検知機構33の検知結果とアーム駆動機構28のエンコーダの検知結果とに基づいて位置データD4、D5を取得する。
【0070】
制御部32は、位置データD4、D5に基づいて、収容カセット3に置かれた基板2の前後方向の位置と向きを特定する。また、制御部32は、特定した基板2の前後方向の位置および向きと、ロボット1に予め教示された基板2の前後方向の位置および向きとを比較するとともに、ロボット1が動作M21を行う際に、この比較結果に基づいて、ハンド位置7Aに到達するときのハンド7の前後方向の位置および向きを補正する。
【0071】
具体的には、制御部32は、ロボット1が動作M21を行う際に、位置データD4、D5に基づいて、アーム駆動機構28と回動機構29と水平移動機構31とを制御してハンド位置7Aに到達するときのハンド7の前後方向の位置および向きを補正する。また、制御部32は、ロボット1が動作M21を行う際に、位置データD4、D5に基づいて、ハンド7に搭載される基板2の前後方向の位置が適切な位置になるとともに、ハンド7に搭載される基板2の向きが適切な向きになるように、ハンド位置7Aに到達するときのハンド7の前後方向の位置および向きを補正する。
【0072】
また、制御部32は、ロボット1が動作M22を行う際に、所定の測定位置までハンド7が移動したときに検知機構34によって検知される基板2の右端面の左右方向の位置のデータである位置データD6を取得する。制御部32は、検知機構34の検知結果とアーム駆動機構28のエンコーダの検知結果とに基づいて位置データD6を取得する。本形態では、たとえば、動作M22が完了したときのハンド7の位置が測定位置となっているが、動作M22を行っている最中のハンド7の所定の位置が測定位置となっていても良い。
【0073】
制御部32は、位置データD6に基づいて、ハンド7に搭載された基板2の左右方向の位置を特定する。また、制御部32は、特定した基板2の左右方向の位置と、ロボット1に予め教示された基板2の左右方向の位置とを比較するとともに、ロボット1が動作M23を行う際に、この比較結果に基づいて、ハンド位置7Bに到達するときのハンド7の左右方向の位置を補正する。すなわち、制御部32は、ロボット1が動作M23を行う際に、位置データD6に基づいて、ハンド位置7Bに到達するときのハンド7の左右方向の位置を補正する。
【0074】
具体的には、制御部32は、ロボット1が動作M23を行う際に、位置データD6に基づいて、水平移動機構31を制御してハンド位置7Bに到達するときのハンド7の左右方向の位置を補正する。また、制御部32は、ロボット1が動作M23を行う際に、位置データD6に基づいて、処理装置5に置かれる基板2の左右方向の位置が適切な位置になるように、ハンド位置7Bに到達するときのハンド7の左右方向の位置を補正する。
【0075】
また、制御部32は、ロボット1が動作M14を行う際に、ハンド6に取り付けられる2個の検知機構33のうちの一方の検知機構33が基板2を検知したとき(具体的には、収容カセット4に置かれた基板2の左端面を一方の検知機構33が検知したとき)のハンド6の左右方向の位置のデータである位置データD11と、他方の検知機構33が基板2を検知したとき(具体的には、収容カセット4に置かれた基板2の左端面を他方の検知機構33が検知したとき)のハンド6の左右方向の位置のデータである位置データD12とを取得するとともに、ロボット1が動作M15を行う際に、所定の測定位置までハンド6が移動したときに検知機構34によって検知される基板2の後端面の前後方向の位置のデータである位置データD13を取得する。
【0076】
本形態では、たとえば、動作M15が完了したときのハンド6の位置が測定位置となっているが、動作M15を行っている最中のハンド6の所定の位置が測定位置となっていても良い。また、制御部32は、検知機構33の検知結果とアーム駆動機構27のエンコーダの検知結果とに基づいて位置データD11、D12を取得し、検知機構34の検知結果とアーム駆動機構27のエンコーダの検知結果とに基づいて位置データD13を取得する。なお、ロボット1が動作M14を行った後、収容カセット4に置かれている基板2をハンド6に搭載するときには、予め教示されたハンド位置6Cにハンド6が配置されるようにアーム8が伸びている。ハンド6には、収容カセット4に置かれているままの状態(位置および向き)の基板2が搭載される。
【0077】
制御部32は、位置データD11~D13に基づいて、ハンド6に搭載された基板2の前後方向の位置、左右方向の位置および向きを特定する。また、制御部32は、特定した基板2の前後左右方向の位置(水平方向の位置)および向きと、ロボット1に予め教示された基板2の水平方向の位置および向きとを比較するとともに、ロボット1が動作M16を行う際に、この比較結果に基づいて、ハンド位置6Bに到達するときのハンド6の水平方向の位置および向きを補正する。すなわち、制御部32は、ロボット1が動作M16を行う際に、位置データD11~D13に基づいて、ハンド位置6Bに到達するときのハンド6の水平方向の位置および向きを補正する。
【0078】
具体的には、制御部32は、ロボット1が動作M16を行う際に、位置データD11~D13に基づいて、アーム駆動機構27と回動機構29と水平移動機構31とを制御してハンド位置6Bに到達するときのハンド6の水平方向の位置および向きを補正する。また、制御部32は、ロボット1が動作M16を行う際に、位置データD11~D13に基づいて、処理装置5に置かれる基板2の水平方向の位置が適切な位置になるとともに、処理装置5に置かれる基板2の向きが適切な向きになるように、ハンド位置6Bに到達するときのハンド6の水平方向の位置および向きを補正する。
【0079】
同様に、制御部32は、ロボット1が動作M24を行う際に、ハンド7に取り付けられる2個の検知機構33のうちの一方の検知機構33が基板2を検知したときのハンド7の左右方向の位置のデータである位置データD14と、他方の検知機構33が基板2を検知したときのハンド7の左右方向の位置のデータである位置データD15とを取得するとともに、ロボット1が動作M25を行う際に、所定の測定位置までハンド7が移動したときに検知機構34によって検知される基板2の後端面の前後方向の位置のデータである位置データD16を取得する。
【0080】
本形態では、たとえば、動作M25が完了したときのハンド7の位置が測定位置となっているが、動作M25を行っている最中のハンド7の所定の位置が測定位置となっていても良い。また、制御部32は、検知機構33の検知結果とアーム駆動機構28のエンコーダの検知結果とに基づいて位置データD14、D15を取得し、検知機構34の検知結果とアーム駆動機構28のエンコーダの検知結果とに基づいて位置データD16を取得する。なお、ロボット1が動作M24を行った後、収容カセット4に置かれている基板2をハンド7に搭載するときには、予め教示されたハンド位置7Cにハンド7が配置されるようにアーム9が伸びている。ハンド7には、収容カセット4に置かれているままの状態(位置および向き)の基板2が搭載される。
【0081】
制御部32は、位置データD14~D16に基づいて、ハンド7に搭載された基板2の前後方向の位置、左右方向の位置および向きを特定する。また、制御部32は、特定した基板2の前後左右方向の位置(水平方向の位置)および向きと、ロボット1に予め教示された基板2の水平方向の位置および向きとを比較するとともに、ロボット1が動作M26を行う際に、この比較結果に基づいて、ハンド位置7Bに到達するときのハンド7の水平方向の位置および向きを補正する。すなわち、制御部32は、ロボット1が動作M26を行う際に、位置データD14~D16に基づいて、ハンド位置7Bに到達するときのハンド7の水平方向の位置および向きを補正する。
【0082】
具体的には、制御部32は、ロボット1が動作M26を行う際に、位置データD14~D16に基づいて、アーム駆動機構28と回動機構29と水平移動機構31とを制御してハンド位置7Bに到達するときのハンド7の水平方向の位置および向きを補正する。また、制御部32は、ロボット1が動作M26を行う際に、位置データD14~D16に基づいて、処理装置5に置かれる基板2の水平方向の位置が適切な位置になるとともに、処理装置5に置かれる基板2の向きが適切な向きになるように、ハンド位置7Bに到達するときのハンド7の水平方向の位置および向きを補正する。
【0083】
本形態の収容カセット4は、受取り部であり、処理装置5は、引渡し部であり、ハンド位置6C、7Cは、受取り位置であり、ハンド位置6B、7Bは、引渡し位置である。また、動作M14、M24は、第1動作であり、動作M15、M25は、第2動作であり、動作M16、M26は、第3動作である。また、本形態の左右方向(Y方向)は、第1動作である動作M14、M24をロボット1が行うときのハンド6、7の移動方向である第1方向となっており、前後方向(X方向)は、上下方向と第1方向とに直交する第2方向となっている。ロボット1が動作M14、M15、M24、M25を行うときには、ハンド6に取り付けられる2個の検知機構33、および、ハンド7に取り付けられる2個の検知機構33は、前後方向において間隔をあけた状態で配置されている。
【0084】
(ハンドの補正値の算出方法)
図5は、図1に示すロボット1が動作M16、M26を行う際に補正されるハンド6、7の水平方向の位置および向きの補正値の算出方法を説明するための図である。
【0085】
たとえば、収容カセット4の中で、図5の実線で示すように基板2が置かれている場合、ロボット1が動作M16、M26を行う際に補正されるハンド6、7の前後方向の位置、左右方向の位置および向きの補正値は、以下のように算出される。なお、図5において、破線で示す基板2は、収容カセット4の中の正規の位置に置かれている基板2(すなわち、水平方向の位置および向きを補正する必要がないように置かれている基板2)である。以下では、図5の実線で示す基板2と破線で示す基板2とを区別して表す場合には、実線で示す基板2を基板2Aとし、破線で示す基板2を基板2Bとする。また、上下方向から見たときの基板2Bの中心を原点ORとする。
【0086】
ロボット1が動作M14、M24を行う際に、ハンド6、7に取り付けられる2個の検知機構33のうちの一方の検知機構33が検知する基板2Bの左端面の位置をPB1とし、ハンド6、7に取り付けられる他方の検知機構33が検知する基板2Bの左端面の位置をPB2とし、ロボット1が動作M15、M25を行う際に、検知機構34が検知する基板2Bの後端面の位置をPB3とすると、原点ORを原点とする座標系において、PB1~PB3の座標は、以下のように表される。
PB1(-b3/2,-YB/2)
PB2(b3/2,-YB/2)
PB3(-XB/2,b4-YB/2)
【0087】
ここで、XBは、基板2の前後方向の幅であり、YBは、基板2の左右方向の幅である。また、b3は、PB1とPB2との前後方向の距離(すなわち、2個の検知機構33の前後方向の距離)であり、原点ORとPB1との前後方向の距離と、原点ORとPB2との前後方向の距離とは、等しくなっている。また、b4は、基板2の左端面とPB3との左右方向の距離である。
【0088】
また、ロボット1が動作M14、M24を行う際に、ハンド6、7に取り付けられる2個の検知機構33のうちの一方の検知機構33が検知する基板2Aの左端面の位置をP1とし、ハンド6、7に取り付けられる他方の検知機構33が検知する基板2Aの左端面の位置をP2とし、ロボット1が動作M15、M25を行う際に、検知機構34が検知する基板2Aの後端面の位置をP3とすると、原点ORを原点とする座標系において、P1~P3の座標は、以下のように表される。
P1(-b3/2,-YB/2+S1)
P2(b3/2,-YB/2+S2)
P3(-XB/2-S3,b4-YB/2)
ここで、S1は、PB1とP1との左右方向の距離であり、S2は、PB2とP2との左右方向の距離であり、S3は、PB3とP3との前後方向の距離である。
【0089】
基板2Bの左後端の角の位置を原点WORとすると、原点WORを原点した座標系において、P1、P2を通る直線は、以下のように表される。
ax+by+c=0
P3の座標を(X0,Y0)とすると、この直線とP3との距離Lは、
L=|aX0+bY0+c|/(a+b1/2
となる。
また、基板2AのP3に対応する基板2Bの位置をP3′とすると、P3′の座標は、原点ORを原点とする座標系において以下のように表される。
P3′(-XB/2,L-YB/2)
【0090】
基板2Bに対する基板2Aの傾斜角度(すなわち、基板2Bに対する基板2Aの向きのずれ)をθとすると、
tanθ=(S2-S1)/b3
であるため、基板2Bに対する基板2Aの向きの補正値である角度θは、下式で算出される。
θ=tanθ-1((S2-S1)/b3)
この角度θは、ロボット1が動作M16、M26を行う際に補正されるハンド6、7の向きの補正値となる。
【0091】
原点ORを原点とする座標系において、P3′が角度θ、回転した位置をP3′rとし、P3′rの座標を(P3′rx,P3′ry)とするとともに、P3′の座標を(P3′x,P3′y)とすると、P3′rx、P3′rx、は、下式で表される。
P3′rx=P3′x×cosθ-P3′y×sinθ
P3′ry=P3′x×sinθ+P3′y×cosθ
【0092】
原点ORを原点とする座標系において、P3の座標を(P3x,P3y)とすると、P3とP3′rとの平行ずれ成分ΔX、および、P3とP3′rとの平行ずれ成分ΔYを算出するために、原点ORを中心にして角度θ回転させた座標系で、P3の座標(P3xr,P3yr)およびP3′rの座標(P3′rxr,P3′ryr)を表すと、以下のようになる。
P3′rxr=P3′rx×cosθ+P3′ry×sinθ
P3′ryr=-P3′rx×sinθ+P3′ry×cosθ
P3xr=P3x×cosθ+P3y×sinθ
P3yr=-P3x×sinθ+P3y×cosθ
【0093】
そのため、基板2Bに対する基板2Aの補正値となる平行ずれ成分ΔX、ΔYは、それぞれ下式で算出される。
ΔX=P3xr-P3′rxr
ΔY=P3yr-P3′ryr
平行ずれ成分ΔXは、ロボット1が動作M16、M26を行う際に、水平駆動機構31によって補正されるハンド6、7の位置の補正値となる。平行ずれ成分ΔYは、ロボット1が動作M16、M26を行う際に、アーム駆動機構27、28によって補正されるハンド6、7の位置の補正値となる。
【0094】
ロボット1が動作M16、M26を行うときには、角度θ分の補正は、回動機構29によって補正され、平行ずれ成分ΔX分の補正は、水平移動機構31によって補正され、平行ずれ成分ΔY分の補正は、アーム駆動機構27、28によって補正される。
【0095】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、制御部32は、ロボット1が動作M16を行う際に、位置データD11~D13に基づいて、ハンド位置6Bに到達するときのハンド6の水平方向の位置および向きを補正し、ロボット1が動作M26を行う際に、位置データD14~D16に基づいて、ハンド位置7Bに到達するときのハンド7の水平方向の位置および向きを補正している。
【0096】
すなわち、本形態では、制御部32は、ロボット1が動作M16、M26を行うときのみに、ハンド6、7の水平方向の位置および向きを補正しており、動作M14、M24を行うときには、ハンド6、7の位置や向きの補正を行っていない。したがって、本形態では、収容カセット4に置かれている基板2の水平方向の位置および向きを補正してから処理装置5に基板2を置くことが可能であっても、収容カセット4から処理装置5への基板2の搬送時間を短縮することが可能になる。
【0097】
なお、本形態では、本体部10を前後方向に移動させることができないため、ロボット1が動作M14、M24を行うときには、ハンド6、7の向きを適切に補正することができないが、本形態では、ロボット1が動作M14、M24を行うときにハンド6、7の向きを適切に補正することができなくても、ロボット1が動作M16、M26を行うときにハンド6、7の向きを適切に補正することが可能になる。
【0098】
(ロボットの制御方法の変更例)
上述した形態において、制御部32は、ロボット1が動作M11を行う際に、位置データD1、D2を取得し、かつ、ロボット1が動作M12を行う際に、位置データD3を取得するとともに、ロボット1が動作M13を行う際に、位置データD1~D3に基づいて、ハンド位置6Bに到達するときのハンド6の水平方向の位置および向きを補正しても良い。この場合には、ロボット1が動作M11を行った後、収容カセット3に置かれている基板2をハンド6に搭載するときに、予め教示されたハンド位置6Aにハンド6が配置されるようにアーム8が伸びている。ハンド6には、収容カセット3に置かれているままの状態(位置および向き)の基板2が搭載される。
【0099】
また、この場合には、制御部32は、位置データD1~D3に基づいて、ハンド6に搭載された基板2の前後方向の位置、左右方向の位置および向きを特定し、特定した基板2の前後左右方向の位置(水平方向の位置)および向きと、ロボット1に予め教示された基板2の水平方向の位置および向きとを比較するとともに、ロボット1が動作M13を行う際に、この比較結果に基づいて、ハンド位置6Bに到達するときのハンド6の水平方向の位置および向きを補正する。具体的には、制御部32は、ロボット1が動作M13を行う際に、位置データD1~D3に基づいて、アーム駆動機構27と回動機構29と水平移動機構31とを制御してハンド位置6Bに到達するときのハンド6の水平方向の位置および向きを補正する。
【0100】
同様に、上述した形態において、制御部32は、ロボット1が動作M21を行う際に、位置データD4、D5を取得し、かつ、ロボット1が動作M22を行う際に、位置データD6を取得するとともに、ロボット1が動作M23を行う際に、位置データD4~D6に基づいて、ハンド位置7Bに到達するときのハンド7の水平方向の位置および向きを補正しても良い。この場合には、ロボット1が動作M21を行った後、収容カセット3に置かれている基板2をハンド7に搭載するときに、予め教示されたハンド位置7Aにハンド7が配置されるようにアーム9が伸びている。ハンド7には、収容カセット3に置かれているままの状態(位置および向き)の基板2が搭載される。
【0101】
また、この場合には、制御部32は、位置データD4~D6に基づいて、ハンド7に搭載された基板2の前後方向の位置、左右方向の位置および向きを特定し、特定した基板2の前後左右方向の位置(水平方向の位置)および向きと、ロボット1に予め教示された基板2の水平方向の位置および向きとを比較するとともに、ロボット1が動作M23を行う際に、この比較結果に基づいて、ハンド位置7Bに到達するときのハンド7の水平方向の位置および向きを補正する。具体的には、制御部32は、ロボット1が動作M23を行う際に、位置データD4~D6に基づいて、アーム駆動機構28と回動機構29と水平移動機構31とを制御してハンド位置7Bに到達するときのハンド7の水平方向の位置および向きを補正する。
【0102】
この変更例では、収容カセット3は、受取り部であり、ハンド位置6A、7Aは、受取り位置である。また、動作M11、M21は、第1動作であり、動作M12、M22は、第2動作であり、動作M13、M23は、第3動作である。また、この変更例では、前後方向(X方向)は、第1動作である動作M11、M21をロボット1が行うときのハンド6、7の移動方向である第1方向となっており、左右方向(X方向)は、上下方向と第1方向とに直交する第2方向となっている。ロボット1が動作M11、M12、M21、M22を行うときには、ハンド6に取り付けられる2個の検知機構33、および、ハンド7に取り付けられる2個の検知機構33は、左右方向において間隔をあけた状態で配置されている。
【0103】
この変更例では、収容カセット3に置かれている基板2の水平方向の位置および向きを補正してから処理装置5に基板2を置くことが可能であっても、収容カセット3から処理装置5への基板2の搬送時間を短縮することが可能になる。
【0104】
(他の実施の形態)
上述した形態および変更例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0105】
上述した形態において、ロボット1は、処理装置5から収容カセット4まで基板2を搬送しても良い。すなわち、ロボット1は、処理装置5から基板2を搬出するとともに、処理装置5から搬出した基板2を収容カセット4に搬入しても良い。この場合には、処理装置5は、受取り部となり、収容カセット4は、引渡し部となる。また、上述したロボットの制御方法の変更例において、ロボット1は、処理装置5から収容カセット3まで基板2を搬送しても良い。この場合には、処理装置5は、受取り部となり、収容カセット3は、引渡し部となる。
【0106】
上述した形態において、ロボット1が備える検知機構34の数は1個であっても良い。この場合には、ロボット1が動作M12を行うときに、ハンド6に搭載される基板2の右端面が1個の検知機構34の発光部39と受光部40との間を通るとともに、ロボット1が動作M22を行うときに、ハンド7に搭載される基板2の右端面が1個の検知機構34の発光部39と受光部40との間を通るように、検知機構34が配置されている。また、ロボット1が動作M15を行うときに、ハンド6に搭載される基板2の後端面が1個の検知機構34の発光部39と受光部40との間を通るとともに、ロボット1が動作M25を行うときに、ハンド7に搭載される基板2の右端面が1個の検知機構34の発光部39と受光部40との間を通るように、検知機構34が配置されている。
【0107】
また、この場合には、ロボット1が動作M12、M15を行うときに、アーム9は、伸びているか、または、ハンド7に基板2が搭載されていない状態で縮んでおり、ロボット1が動作M22、M25を行うときに、アーム8は、伸びているか、または、ハンド6に基板2が搭載されていない状態で縮んでいる。
【0108】
上述した形態において、受光部40は、複数の受光素子が二次元的に配列されるエリアセンサであっても良い。この場合であっても、検知機構34によって、ハンド6、7に搭載される基板2の右端面の左右方向の位置を検知すること、および、検知機構34によって、ハンド6、7に搭載される基板2の後端面の前後方向の位置を検知することは可能である。
【0109】
上述した形態では、アーム8とアーム9とが上下方向においてずれた状態で配置されているが、アーム8とアーム9とが上下方向において同じ位置に配置されていて、水平方向において互いに隣接していても良い。また、上述した形態において、ロボット1が備えるハンドおよびアームの数は1個であっても良い。たとえば、ロボット1は、1個のハンド6と1本のアーム8のみを備えていても良い。また、上述した形態において、アーム8、9は、3個以上のアーム部によって構成されていても良い。
【0110】
上述した形態において、ロボット1は、アーム8、9に代えて、たとえば、特開2018-15839号公報に開示された産業用ロボットのアームのように、2個のハンド6、7のそれぞれが先端側に回動可能に連結される2個の先端側アーム部と、2個の先端側アーム部の基端側が回動可能に連結される共通アーム部とから構成されるアームを備えていても良い。
【0111】
また、上述した形態において、ロボット1は、アーム8、9に代えて、たとえば、特開2019-25585号公報に開示された産業用ロボットのアームのように、ハンド6、7の水平方向への直線的な往復移動が可能となるようにハンド6、7を保持する細長い略直方体状のアームを備えていても良い。すなわち、ロボット1は、水平方向へのスライドが可能となるようにハンド6、7がアームに連結されたいわゆるリニアタイプのロボットであっても良い。また、上述した形態において、ロボット1が搬送する搬送対象物は、基板2以外のものであっても良い。
【符号の説明】
【0112】
1 ロボット(産業用ロボット)
2 基板(ガラス基板、搬送対象物)
3、4 収容カセット(受取り部)
5 処理装置(引渡し部)
6、7 ハンド
8、9 アーム
10 本体部
21 第1アーム部(アーム部)
22 第2アーム部(アーム部)
27、28 アーム駆動機構
29 回動機構
31 水平移動機構
32 制御部
33 検知機構(第1検知機構)
34 検知機構(第2検知機構)
37 発光部(第1の発光部)
38 受光部(第1の受光部)
39 発光部(第2の発光部)
40 受光部(第2の受光部)
X 前後方向
Y 左右方向
図1
図2
図3
図4
図5