(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053468
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】遠隔コミュニケーション用什器
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20230406BHJP
【FI】
H04N7/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162518
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】寺本 宜広
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 將人
(72)【発明者】
【氏名】高村 恵花
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164VA05P
5C164VA11S
(57)【要約】
【課題】 施設と遠隔地の間における利用者間のコミュニケーションを支援することができる遠隔コミュニケーション用什器を提供する。
【解決手段】
遠隔地の利用者が使用する遠隔端末と映像データ及び音声データにより相互通信する遠隔コミュニケーション用什器1が、フレーム部2と、表示装置8、音声入力装置9及び音声出力装置10を備える筐体部7と、撮影部11と、使用状態表示部12と、撮影部11の高さを調整する高さ調整部5を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に配置され、遠隔地における利用者が用いる遠隔端末との間で映像データ及び音声データに関して相互通信を行い、遠隔コミュニケーションを支援する遠隔コミュニケーション用什器であって、
上下方向に延設されるフレーム部と、
前記映像データを出力する表示装置と、
前記音声データを入力する音声入力装置と、
前記音声データを出力する音声出力装置と、
前記施設の状況を撮影する撮影部と、
を備え、
前記表示装置、前記音声入力装置、前記音声出力装置、及び前記撮影部は、前記フレーム部に設置され、
前記撮影部の高さを調整可能に保持する高さ調整部をさらに備える、
遠隔コミュニケーション用什器。
【請求項2】
前記撮影部の角度を調整する角度調整部をさらに備える、
請求項1に記載の遠隔コミュニケーション用什器。
【請求項3】
前記表示装置と、前記音声入力装置と、前記音声出力装置と、を収容する筐体部をさらに備え、
前記筐体部は、前記撮影部と、は個別に前記フレーム部に設置される、
請求項1又は2に記載の遠隔コミュニケーション用什器。
【請求項4】
前記撮影部は、前記表示装置よりも高い位置に配置される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の遠隔コミュニケーション用什器。
【請求項5】
前記遠隔コミュニケーション用什器は、前記筐体部の下方に作業台部をさらに備える、
請求項3又は4に記載の遠隔コミュニケーション用什器。
【請求項6】
前記遠隔コミュニケーション用什器は、使用状態を表示する、使用状態表示部をさらに備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の遠隔コミュニケーション用什器。
【請求項7】
前記フレーム部は、
左右一対の支柱部と、
該左右一対の支柱部同士を接続する延伸部
を有し、
前記撮影部は、前記延伸部に設置される、
請求項1から6のいずれか1項に記載の遠隔コミュニケーション用什器。
【請求項8】
前記フレーム部は、前記フレーム部を前記施設の床面に設置する脚部を備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の遠隔コミュニケーション用什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は遠隔コミュニケーション用什器に関し、具体的には、施設と遠隔地の間における利用者間のコミュニケーションを支援することができる遠隔コミュニケーション用什器に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔地とのコミュニケーションを情報システムにより支援する技術として、例えば特許文献1のテレビ会議システムが知られている。これらのテレビ会議システムは、マイクと、モニタとスピーカを備えた複数の端末がネットワークを介して接続されており、各端末のカメラで撮影した映像及びマイクで収音した音声を他の端末との間で相互通信することにより、遠隔地との間でリアルタイムのコミュニケーションを可能とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今では、企業における社員等の働き方が変化しており、従来のような、社員等が一箇所に集まって作業や会議を行うに限られず、遠隔地の拠点やリモート・オフィス、或いは社員が自宅で作業を行うような業務形態が行われるようになっている。
【0005】
このような業務形態の変化に際して、従来のテレビ会議システムでは、テレビ会議を開始するまで相手方がどのような作業を行っているか等を把握することができないので、例えば定例の会議等によらない相談や連絡をしにくいという問題があった。
【0006】
本発明は前述の問題に鑑み、施設と遠隔地の間における利用者間のコミュニケーションを支援することができる遠隔コミュニケーション用什器を提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決することを目的としてなされた本発明に係る遠隔コミュニケーション用什器は、施設に配置され、遠隔地における利用者が用いる遠隔端末との間で映像データ及び音声データに関して相互通信を行い、遠隔コミュニケーションを支援する遠隔コミュニケーション用什器であって、上下方向に延設されるフレーム部と、前記映像データを出力する表示装置と、前記音声データを入力する音声入力装置と、前記音声データを出力する音声出力装置と、前記施設の状況を撮影する撮影部と、を備え、前記表示装置、前記音声入力装置、前記音声出力装置、及び前記撮影部は、前記フレーム部に設置され、前記撮影部の高さを調整可能に保持する高さ調整部をさらに備えることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る遠隔コミュニケーション用什器は、前記撮影部の角度を調整する角度調整部をさらに備えるようにしてもよい。
【0009】
本発明に係る遠隔コミュニケーション用什器は、前記表示装置と、前記音声入力装置と、前記音声出力装置と、を収容する筐体部をさらに備え、前記筐体部が、前記撮影部と、は個別に前記フレーム部に設置されるようにしてもよい。
【0010】
本発明に係る遠隔コミュニケーション用什器では、前記撮影部は、前記表示装置よりも高い位置に配置されるようにしてもよい。
【0011】
本発明に係る遠隔コミュニケーション用什器では、前記遠隔コミュニケーション用什器は、前記筐体部の下方に作業台部をさらに備えるようにしてもよい。
【0012】
本発明に係る遠隔コミュニケーション用什器では、前記遠隔コミュニケーション用什器は、使用状態を表示する、使用状態表示部をさらに備えるようにしてもよい。
【0013】
本発明に係る遠隔コミュニケーション用什器では、前記フレーム部は、左右一対の支柱部と、該左右一対の支柱部同士を接続する延伸部を有し、前記撮影部は、前記延伸部に設置されるようにしてもよい。
【0014】
本発明に係る遠隔コミュニケーション用什器では、前記フレーム部は、前記フレーム部を前記施設の床面に設置する脚部を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の構成によれば、遠隔コミュニケーション用什器が表示装置と、音声入力装置と、音声出力装置と撮影部を備えており、遠隔地の利用者が使用する遠隔端末との間で映像データ及び音声データによる相互通信を行うことができるので、施設の利用者と遠隔地の利用者の間のコミュニケーションを効率よく支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施例に係るコミュニケーション用什器の外観を示す図である。
【
図2】同実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器を用いた情報システムの構成を示す図である。
【
図3】同実施例に係る施設状況一覧画面の構成を示す図である。
【
図4】同実施例に係る施設状況詳細画面の構成を示す図である。
【
図5】同実施例に係るチャット開始確認画面の構成を示す図である。
【
図6】同実施例に係るチャット画面の構成を示す図である。
【
図7】同実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器画面
【
図8】本発明の第2の実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器の外観を示す図である。
【
図9】本発明の第3の実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器の外観を示す図である。
【
図10】本発明の第4の実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例における、遠隔コミュニケーション用什器1の外観を示す斜視図である。
図1で示すように、遠隔コミュニケーション用什器1は、上下方向に延設されるフレーム部2と、筐体部7と、撮影部11と、使用状態表示部12と、を備えている。
【0018】
フレーム部2は、上下方向に延設され、後述する筐体部7と、撮影部11と、使用状態表示部12を支持する構造部材である。本実施例では、フレーム部2は、上下方向に延設される左右一対の支柱部3同士が、上端側の第1延伸部4aと、下端側の第3延伸部4cにより接続された形状に構成されている。
【0019】
また、第1延伸部4aと第3延伸部4cの間には、後述する撮影部11を設置する第2延伸部4bが設けられている。左右一対の支柱部3それぞれの内側には、第2延伸部4bの高さ方向の位置を調整する高さ調整部5が設けられており、第2延伸部4bは、高さ方向の取付位置を高さ調整部5により調整することで、撮影部11の高さを調整することができる。
【0020】
なお、高さ調整部5の具体的な機構は周知の機構を任意に選択して良く、例えば、左右一対の支柱部3の内側にロック機構を有するスライドレールを設けて、当該スライドレールに第2延伸部4bを固定するようにしてもよいし、或いは、第2延伸部4bと左右一対の支柱部3は螺子による固定とし、左右一対の支柱部3それぞれの内側に、当該螺子を螺合する螺子孔を所定間隔で複数設けることで第2延伸部4bの高さ方向位置を調整可能としてもよい。
【0021】
筐体部7は、映像データを表示するディスプレイからなる表示装置8と、音声データを入力するマイクからなる音声入力装置9と、音声データを出力するスピーカからなる音声出力装置10を備えている。
【0022】
本実施例では、筐体部7は左右一対の支柱111の間に設けられており、前述の第3延伸部4cに載置されている。なお、前述の高さ調整部5により撮影部11の高さ方向位置が調整可能であるのと同様に、筐体部7についても高さ方向の位置を調整可能に構成してもよい。
【0023】
撮影部11は、映像データを撮影するカメラからなる装置である。本実施例では、撮影部11は、前述の筐体部7よりも高い位置に配置され、具体的には、第2延伸部4bに角度調整部6を介して設けられている。角度調整部6は、撮影部11を第2延伸部11bに設置する角度を調整する。角度調整部6の具体的な構成は任意に選択してよいが、本実施例では、角度調整部6はボールジョイントにより構成されており、三次元の任意方向、すなわち、上下及び/又は左右方向に撮影部11を回動させることで、撮影部11の角度を調整する。
【0024】
使用状態表示部12は、遠隔コミュニケーション用什器1の使用状態を表示する。本実施例における使用状態表示部12は、第1延伸部4aの下端側に設けられたLEDランプと、該LEDランプを覆うカバーによって構成されており、遠隔コミュニケーション用什器1の使用状態をLEDランプの発光により表示する。
【0025】
本実施例において、前述の使用状態とは、遠隔コミュニケーション用什器1が遠隔端末14と相互通信を行っているか否かを示す状態である。前述のように、本実施例における使用状態表示部12はLEDランプを備えており、遠隔コミュニケーション用什器1が遠隔端末14と相互通信を行っている状態ではLEDランプが点灯する。一方で、遠隔コミュニケーション用什器1が遠隔端末14と相互通信を行っていない状態ではLEDランプは消灯する。なお、使用状態としてどのような状態を表示するかは任意に変更してよく、例えば、遠隔端末14との相互通信を行っている状態ではLEDランプを点灯させると共に、遠隔端末14から音声データが送信された場合、すなわち、遠隔端末14の利用者が発話している状態では、当該発話に合わせてLEDランプを点滅させるようにしてもよい。
【0026】
図2は、本実施例における、遠隔コミュニケーション用什器1を用いた情報システムの構成を示す図である。
図2で示すように、遠隔コミュニケーション用什器1は、オフィスその他の施設13の任意の場所に配置されており、ネットワーク15を介して、遠隔端末14と映像データ及び音声データによる相互通信をする装置である。なお、施設13に配置する遠隔コミュニケーション用什器1は、1台のみでもよいし、あるいは、2台以上を配置するようにしてもよい。また、ネットワーク15は周知のコンピュータネットワークを用いてよく、例えばインターネットのような広域ネットワークを用いてもよいし、或いはLAN(Local Area Network)を用いてもよいし、広域ネットワークを用いて構築されたVPN(Virtual Private Network)を用いてもよい。
【0027】
遠隔端末14は、施設13内に居ない利用者が使用する端末である。遠隔端末14は、例えばスマートフォンやタブレット型コンピュータ、或いはラップトップ型又はデスクトップ型のコンピュータを用いて構成してよい。本実施例では、遠隔端末14として使用するコンピュータのHDD(Hard Disk Drive)その他の補助記憶装置に、当該コンピュータを遠隔端末14として機能させるプログラムが記憶されており、当該プログラムをコンピュータのメモリにロードしてCPU(中央演算装置)が実行することにより、コンピュータが遠隔端末14として機能するように構成されている。
【0028】
なお、遠隔端末14は前述のように周知のコンピュータを用いて構成してよいが、遠隔コミュニケーション用什器1と映像データ及び音声データによる相互通信を行うために、映像データとして遠隔端末14を使用する利用者を撮影する撮影装置14aと、映像データや文字、画像等を表示する表示装置14bと、音声データとして遠隔端末14の利用者の発話その他の音声を集音する音声入力装置14cと、音声データを出力する音声出力装置14dを備えている。なお、撮影装置14a~音声出力装置14dは周知の入出力デバイスを用いてよく、また、遠隔端末14として用いるコンピュータが備えているデバイスを用いてもよいし、或いは、コンピュータが撮影装置14aを備えていない場合に、コンピュータと周知のカメラその他の撮影装置を組み合わせて遠隔端末14を構成するようにしてもよい。
【0029】
本実施例では、前述のように、施設13内に複数の遠隔コミュニケーション用什器1が設置されている。遠隔端末14は、施設13内の任意の遠隔コミュニケーション用什器1を選択して相互通信を行うことができる。また、一の遠隔コミュニケーション用什器1は、同時に2以上の遠隔端末14と相互通信を行うことができるように構成されている。
【0030】
図3は、本実施例において、遠隔端末14の表示装置14bに表示される、施設状況一覧画面W100の構成を示す図である。
図3で示すように、本実施形態の一例における施設状況一覧画面W100は、施設映像領域W110と、地図領域W120から構成されている。
【0031】
施設映像領域W110は、施設13に設置された遠隔コミュニケーション用什器1によって撮影された映像データのサムネイルを一覧表示する領域である。前述のように、本実施例では施設13に複数の遠隔コミュニケーション用什器1が設置されており、各コミュニケーション什器100ごとに、名称W111と、サムネイル映像W112が表示される。
【0032】
また、本実施例では、サムネイル映像W112に施設13内の利用者が含まれる場合、すなわち、サムネイル化したリアルタイム映像に上記利用者が映っている場合には、サムネイル画像W112に当該利用者を特定する利用者特定情報として氏名W113が重畳表示される。
【0033】
地図領域W120は、施設13の地図を表示する領域である。本実施形態の一例における地図領域W120は、施設の地
図W121に、遠隔コミュニケーション用什器1の設置場所を示すコミュニケーション端末アイコンW122と、施設13内の利用者の位置を示す利用者アイコンW123が重畳表示される。
【0034】
施設状況一覧画面W100において、遠隔端末14を利用者が操作して、一覧表示されたサムネイル映像W112、又は、地
図W121に重畳表示されたコミュニケーション端末アイコンW122を選択すると、遠隔端末14の表示装置14bには後述する施設状況詳細画面が表示される。
【0035】
図4は、本実施例における施設状況詳細画面W200の構成を示す図である。
図4で示すように、施設状況詳細画面W200は、映像データW210と、チャット開始ボタンW220を備えている。
【0036】
映像データW210は、前述の施設状況一覧画面W100において、遠隔端末14の利用者が選択した一の遠隔コミュニケーション用什器1が撮影する映像データである。また、本実施形態の一例では、映像データW210に施設13内の利用者が含まれる場合、すなわち、映像データに施設13内の利用者が映っている場合に、当該利用者を特定する利用者特定情報として氏名W211が重畳表示される。
【0037】
チャット開始ボタンW220は、遠隔端末14と選択した遠隔コミュニケーション用什器1の間でチャット、すなわち、映像データ及び音声データを用いた相互通信を開始するボタンである。利用者が遠隔端末14を操作してチャット開始ボタンW220を押下すると、遠隔端末14は後述するチャット開始確認画面を表示装置14bに表示する。
【0038】
図5は、本実施形態の一例における、チャット開始確認画面W300の構成を示す図である。
図5で示すように、チャット開始確認画面W300は、映像データW310と、音声切り替えボタンW321と、映像切り替えボタンW322と、チャット開始確認ボタンW323と、を備えている。
【0039】
映像データW310は、チャットを行う遠隔コミュニケーション用什器が撮影する映像データである。前述の施設状況一覧画面W100におけるサムネイルW112、及び、施設状況詳細画面W200の映像データW210と同じく、チャット開始確認画面W300の映像データW310も、当該映像データに施設13内の利用者が含まれる場合には、当該利用者を特定する利用者特定情報として氏名W311が重畳表示される。
【0040】
音声切り替えボタンW321は、遠隔端末14の音声入力装置14cによる集音を開始又は停止するボタンであり、映像切り替えボタンW322は、遠隔端末14の撮影装置14aによる撮影を開始又は停止するボタンである。
【0041】
チャット確認開始ボタンW323は、コミュニケーション什器100との間でチャット、すなわち、映像データ及び音声データによる相互通信を開始するボタンである。なお、前述の通り、本実施例では音声切り替えボタンW321及び映像切り替えボタンW322により、遠隔端末14からの映像データ及び音声データの送信を行うか否かは遠隔端末14の利用者により任意に選択することができる。
【0042】
前述のチャット開始確認画面W300において、チャット開始確認ボタンW323が押下されると、遠隔端末14の表示装置14bにはチャット画面W400が表示される。
図6は、本実施例におけるチャット画面W400の構成を示す図であり、
図6で示すように、チャット画面W400は、施設側映像データW410と、遠隔端末側映像データW420と、音声切り替えボタンW431と、映像切り替えボタンW432と、画面共有ボタンW433と、チャット停止ボタンW434を備えている。
【0043】
施設側映像データW410は、遠隔端末14とチャットを行う遠隔コミュニケーション用什器1が撮影する映像データである。
【0044】
チャット画面W400における施設側映像データW410は、前述の施設状況一覧画面W100におけるサムネイル画像W112、施設状況詳細画面W200における映像データW210、チャット開始確認画面W300における映像データW310と同様に、映像データに施設13内の利用者が含まれる場合は、当該利用者を特定する利用者特定情報として氏名W411が重畳表示される。
【0045】
遠隔端末映像データW420は、遠隔端末14が撮影する映像データである。本実施例では、一の遠隔コミュニケーション用什器1に対して、一又は二以上の遠隔端末14が同時に相互通信を行うことができる。遠隔端末映像データW420は、同時に相互通信する遠隔端末14毎に、当該遠隔端末14が撮影する映像データが表示される。
【0046】
音声切り替えボタンW431は、遠隔端末14の音声入力装置14cによる集音を開始又は停止するボタンであり、映像切り替えボタンW432は、遠隔端末14の撮影装置14aによる撮影を開始又は停止するボタンである。
【0047】
画面共有ボタンW433は、遠隔端末14の表示装置14bに出力されている画面を遠隔コミュニケーション用什器1、及び、同時に相互通信している他の遠隔端末14と共有するボタンである。
【0048】
チャット停止ボタンW434は、チャットすなわち遠隔端末14と遠隔コミュニケーション用什器1の映像データ及び音声データによる相互通信を停止するボタンである。
【0049】
図7は、本実施例における遠隔コミュニケーション用什器画面W500の構成を示す図である。施設状況一覧画面W100、施設状況詳細画面W200、チャット開始確認画面W300、及び、チャット画面W400は、遠隔端末14に表示される画面であるが、一方で、遠隔コミュニケーション用什器1の表示装置14bには、
図7で示すように、遠隔コミュニケーション用什器画面W500が表示される。本実施例における遠隔コミュニケーション用什器画面W500には、背景画像W510と、遠隔利用者アイコンW520が表示される。
【0050】
遠隔利用者アイコンW520は、遠隔コミュニケーション用什器1と相互通信する遠隔端末14の利用者を示すアイコンである。本実施例では、当該利用者の顔写真を遠隔利用者アイコンW520として用いている。なお、遠隔コミュニケーション用什器1がいずれの遠隔端末14ともチャットを行っていない状態では、遠隔コミュニケーション用什器画面W500には背景画像W510のみが表示され、遠隔利用者アイコンW520は表示されない。また、本実施例では、一の遠隔コミュニケーション用什器1が、二以上の遠隔端末14と相互通信することができるように構成されており、二以上の遠隔端末14とチャットを行っている状態では、チャットを行っている全ての遠隔端末14について、当該遠隔端末14の利用者を表す遠隔利用者アイコンW520が表示される。なお、本実施例における遠隔コミュニケーション用什器画面W500では、相互通信する相手方となる遠隔端末14の利用者を遠隔利用者アイコンW520により表示しているが、これに代えて、或いは、これと併せて、遠隔端末14の撮影装置14aにより撮影された映像データを表示するようにしてもよい。
【0051】
本実施例の説明は以上である。次いで、本発明の他の実施例について説明する。
図8は、本発明の第2の実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器1aの外観を示す図である。
図8で示すように、第2の実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器1aは、施設13の床面等に直接設置できるように、フレーム部2がスタンド形状に形成されている。
【0052】
フレーム部2は、左右一対の支柱部3aを備えている。支柱部3aの上端側、及びその下方側に第1延伸部4a及び第2延伸部4bを備えていることは第1の実施例と同様であるが、第2の実施例では、下端側は床面に遠隔コミュニケーション用什器1aを設置するための脚部16を備えている。
【0053】
また、第1の実施例においては、筐体部7の下端側には第3延伸部4cが設けられているが、第2の実施例では筐体部7の下端側には作業台部17aが設けられている。作業台部17aは、左右方向の幅は筐体部7と略同一に形成されている。なお、第3延伸部4cについては、これを設けるか否かは任意に選択してよく、左右一対の支柱部3aの任意の高さ位置に第3延伸部4cを設けて、当該第3延伸部4cに作業台部17a及び筐体部7を載置するように構成してもよいし、或いは、作業台部17aが十分な強度を有している場合には、第3延伸部4cに代えて作業台部17aを設置し、作業台部17aがフレーム2の構造体の一部を構成するようにしてもよい。
【0054】
図9は、本発明の第3の実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器1bの外観を示す図である。第3の実施例は、第2の実施例における作業台部17aに代えて、より天板面積の大きな作業台部17bを備えており、遠隔コミュニケーション用什器1b全体としてハイテーブルとしても使用できるように構成したものである。なお、フレーム2については第2の実施例と同様の構成であり、左右の支柱部3aの下端側に、遠隔コミュニケーション用什器1bを施設13の床面等に設置するための脚部16が設けられている。
【0055】
図10は、本発明の第4の実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器1cの外観を示す図である。第4の実施例に係る遠隔コミュニケーション用什器1cは、施設13の空間を仕切る一対のパーティション部18を備えている。
【0056】
パーティション部18は、略矩形状の背面部18aと、背面部18aの左右双方に設けた略矩形状の側面部18bと、背面部18aの上方に設けた略矩形状の上面部18cを備えており、2枚のパーティション部18を向かい合わせて設置することにより、遠隔コミュニケーション用什器1cを含む空間を、施設13の利用者が水平方向に少なくとも2以上の方向Dに出入り可能なように仕切るように構成されている。
【0057】
また、パーティション18の一方は、背面部18aにフレーム部2が設けられており、当該フレーム部2に、筐体7及び作業台部17cを設置する構造体として機能するように構成されている。第4の実施例においては、筐体7と撮影部11の間には、表示装置8よりも大型のディスプレイから構成される第2表示装置19が設けられている。第2表示装置19は、パーティション18で仕切られた施設13の利用者に向けたデジタルサイネージとして使用する他、遠隔コミュニケーション用什器1cの使用状態を表示する使用状態表示部12として使用してもよい。
【0058】
本発明の実施形態の説明は以上である。なお、本発明の実施の形態はこれに限られない。例えば、本発明の第1~第4の実施例では、表示装置8と、音声入力装置9と音声出力装置10が筐体部7に設置されているが、これを筐体部7に納めず、それぞれをフレーム部2の任意の場所に設置するように構成してもよい。
【0059】
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 遠隔コミュニケーション用什器
2 フレーム部
3 支柱部
4a 第1延伸部
4b 第2延伸部
4c 第3延伸部
5 高さ調整部
6 角度調整部
7 筐体部
8 表示装置
9 音声入力装置
10 音声出力装置
11 撮影部
12 使用状態表示部
13 施設
14 遠隔端末
14a 撮影装置
14b 表示装置
14c 音声入力装置
14d 音声出力装置