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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005353
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
A61H7/00 323H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107199
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD02
4C100AD22
4C100AF02
4C100AF03
4C100CA03
4C100DA05
4C100DA06
4C100DA10
4C100DA11
4C100EA01
4C100EA11
(57)【要約】
【課題】少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることで外部から受ける刺激の量を調整するとともに、使用者の上半身を前方及び/又は側方からマッサージすることができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【解決手段】背凭れ部は、少なくとも使用者の上半身を前方及び/又は側方からマッサージするためのマッサージ部と、少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることができる仕切り部と、マッサージ部を取り付けるための側壁と、を有し、側壁は、背凭れ部の上方に取り付けられ、仕切り部は、背凭れ部の上方であって、側壁に対して左右方向に重なる位置に配置されており、背凭れ部は、仕切り部の位置を変更可能な第一位置変更手段を有し、第一変更手段によって、仕切り部の位置を背凭れ部に対して左右方向に変更することで、使用者の前方の視界の一部を遮ることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、背凭れ部と、を有する椅子型マッサージ機であって、
前記背凭れ部は、
少なくとも使用者の上半身を前方及び/又は側方からマッサージするためのマッサージ部と、
少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることができる仕切り部と、
前記マッサージ部を取り付けるための側壁と、を有し、
前記側壁は、使用者の肩部又は上腕部に対向するように前記背凭れ部の上方に取り付けられ、
前記仕切り部は、前記背凭れ部の上方であって、前記側壁に対して左右方向に重なる位置に配置されており、
前記背凭れ部は、前記仕切り部の位置を変更可能な第一位置変更手段を有し、
前記第一変更手段によって、前記仕切り部の位置を前記背凭れ部に対して左右方向に変更することで、使用者の前方の視界の一部を遮ることを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項2】
前記仕切り部は、第一仕切り部と、前記第一仕切り部に取り付けられた第二仕切り部と、第二位置変更手段と、を有し、
前記第二仕切り部は、前記第一仕切り部に対して移動可能に取り付けられており、
前記第二位置変更手段によって、前記第二仕切り部の位置を第一仕切り部に対して変更することで、使用者の前方の視界の一部を遮ることを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項3】
前記第二位置変更手段は、前記第二仕切り部の位置を前記第一仕切り部に対して左右方向に変更することを特徴とする請求項1に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
第三位置変更手段を更に有し、前記第三位置変更手段は、前記第二仕切り部の位置を前記第一仕切り部に対して前後方向に変更することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項5】
第四位置変更手段を更に有し、前記第四位置変更手段は、前記第二仕切り部の位置を前記第一仕切り部に対して上下方向に変更することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
前記第一位置変更手段及び/又は前記第二位置変更手段及び/又は前記第三位置変更手段及び/又は前記第四位置変更手段は、エアセルであることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項7】
前記第一位置変更手段は、前記仕切り部を前記背凭れ部に対して接近する方向に付勢する第一付勢手段を更に有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項8】
前記第二位置変更手段は、前記第二仕切り部を前記第一仕切り部に対して接近する方向に付勢する第二付勢手段を更に有することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項9】
前記第一付勢手段及び/又は前記第二付勢手段は、バネであることを特徴とする請求項7又は8に記載の椅子型マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被施療者の身体を支持する身体支持部に支持された被施療者の頭部を覆うフードと、該フードに設けられた発光装置とを備え、被施療者の上腕部及び肩の側部を覆うような位置に設けられたクッション部の内部に空気袋が設けられたマッサージ機が知られている(例えば、特許文献1の図参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-29804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のマッサージ機は、施療中の被施療者に対して視覚的な刺激を与えるために、発光装置を設けたフードを前方へ回動させて被施療者の頭部の上方及び前方をフードで覆い、被施療者の視界全体を遮った状態で発光装置を駆動させるものである。また、マッサージ機には、被施療者が着座したときに、被施療者の上腕部及び肩の側部を覆うような位置にクッション部が設けられており、クッション部の内部には、複数の空気袋が設けられている。
マッサージ機のフードとクッション部とは、上下方向に重なっているため、クッション部より下方にフードを移動させることができず、クッション部とフードとの間に隙間が生じてしまい、視界を十分に遮ることができないという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることで外部から受ける刺激の量を調整するとともに、使用者の上半身を前方及び/又は側方からマッサージすることができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、座部と、背凭れ部と、を有する椅子型マッサージ機であって、前記背凭れ部は、少なくとも使用者の上半身を前方及び/又は側方からマッサージするためのマッサージ部と、少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることができる仕切り部と、前記マッサージ部を取り付けるための側壁と、を有し、前記側壁は、使用者の肩部又は上腕部に対向するように前記背凭れ部の上方に取り付けられ、前記仕切り部は、前記背凭れ部の上方であって、前記側壁に対して左右方向に重なる位置に配置されており、前記背凭れ部は、前記仕切り部の位置を変更可能な第一位置変更手段を有し、前記第一変更手段によって、前記仕切り部の位置を前記背凭れ部に対して左右方向に変更することで、使用者の前方の視界の一部を遮ることを特徴とすることを特徴とする。
このような構成とすることにより、仕切り部の位置を背凭れ部に対して左右方向に変更することで、少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることで外部から受ける刺激の量を調整することができるとともに、使用者の上半身を前方/及び側方からマッサージすることができる。
【0006】
また、前記仕切り部は、第一仕切り部と、前記第一仕切り部に取り付けられた第二仕切り部と、第二位置変更手段と、を有し、前記第二仕切り部は、前記第一仕切り部に対して移動可能に取り付けられており、前記第二位置変更手段によって、前記第二仕切り部の位置を第一仕切り部に対して変更することで、使用者の前方の視界の一部を遮ることが好ましい。
このような構成とすることにより、第二仕切り部の位置を第一仕切り部に対して変更することで使用者の前方の視界の一部を遮り、外部から受ける刺激の量を調整することができる。
【0007】
また、前記第二位置変更手段は、前記第二仕切り部の位置を前記第一仕切り部に対して左右方向に変更することが好ましい。
このような構成とすることにより、第二仕切り部の位置を第一仕切り部に対して左右方向に変更することができる。
【0008】
また、第三位置変更手段を更に有し、前記第三位置変更手段は、前記第二仕切り部の位置を前記第一仕切り部に対して前後方向に変更することが好ましい。
このような構成とすることにより、第二仕切り部の位置を第一仕切り部に対して前後方向に変更することができる。
【0009】
また、第四位置変更手段を更に有し、前記第四位置変更手段は、前記第二仕切り部の位置を前記第一仕切り部に対して上下方向に変更することが好ましい。
このような構成とすることにより、第二仕切り部の位置を第一仕切り部に対して上下方向に変更することができる。
【0010】
また、前記第一位置変更手段及び/又は前記第二位置変更手段及び/又は前記第三位置変更手段及び/又は前記第四位置変更手段は、エアセルであることが好ましい。
このような構成とすることにより、簡単な構造で仕切り部又は第二仕切り部の位置を変更することができる。
【0011】
また、前記第一位置変更手段は、前記仕切り部を前記背凭れ部に対して接近する方向に付勢する第一付勢手段を更に有することが好ましい。
このような構成とすることにより、仕切り部を背凭れ部に対して接近する方向に付勢することができる。
【0012】
また、前記第二位置変更手段は、前記第二仕切り部を前記第一仕切り部に対して接近する方向に付勢する第二付勢手段を更に有することが好ましい。
このような構成とすることにより、第二仕切り部を第一仕切り部に対して接近する方向に付勢することができる。
【0013】
また、前記第一付勢手段及び/又は前記第二付勢手段は、バネであることが好ましい。
このような構成とすることにより、簡単な構造で仕切り部又は第二仕切り部を付勢することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、椅子型マッサージ機に着座した使用者の前方の視界の一部を遮ることで外部から受ける刺激の量を調整し、使用者に対してリラックス感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る椅子型マッサージ機の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る椅子型マッサージ機を平面から見た図であり、(a)は仕切り部を閉じた状態を示す図であり、(b)は仕切り部を開いた状態(その1)を示す図であり、(c)は仕切り部を開いた状態(その2)を示す図である。
図3】椅子型マッサージ機のブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る椅子型マッサージ機の仕切り部又は第一仕切り部周辺の拡大図であり、(a)は図2(a)のP2を拡大した図であり、(b)は図2(b)のP3を拡大した図である。
図5】本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機の斜視図である。
図6】本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機を平面から見た図であり、(a)は第一仕切り部と第二仕切り部が付勢手段により付勢された状態を示す図であり、(b)は第一仕切り部と第二仕切り部が位置変更手段により位置変更された状態を示す図である。
図7】本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機の第一仕切り部と第二仕切り部を側面から見た図であり、(a)は駆動機構を使用して第二仕切り部が後方に位置した状態を示す図であり、(b)は駆動機構を使用して第二仕切り部が前方に位置した状態を示す図であり、(c)は駆動機構を使用して第二仕切り部が後方に位置した状態を示す図であり、(d)は駆動機構を使用して第二仕切り部が前方に位置した状態を示す図である。
図8】本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機の仕切り部を側面から見た図であり、(a)は駆動機構を使用して第二仕切り部が中央に位置した状態を示す図であり、(b)は駆動機構を使用して第二仕切り部が上方に位置した状態を示す図であり、(c)は駆動機構を使用して第二仕切り部が下方に位置した状態を示す図であり、(d)は駆動機構を使用して第二仕切り部が中央に位置した状態を示す図であり、(e)は駆動機構を使用して第二仕切り部が上方に位置した状態を示す図であり、(f)は駆動機構を使用して第二仕切り部が下方に位置した状態を示す図である。
図9】本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機の第二仕切り部周辺の拡大図であり、(a)は図6(a)のP1を拡大した図であり、(b)は図6(a)の状態から第二仕切り部の前端を前方に移動させた状態を示す図である。
図10】本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機を平面から見た図であり、(a)は仕切り部の前側を左右方向内側に90°曲げた状態を示す図であり、(b)は仕切り部の前側を左右方向内側に45°曲げた状態を示す図であり、(c)は仕切り部の前側周辺P4の拡大図である。
図11】本発明の他の実施形態に係る仕切り部周辺P1の拡大図であり、(a)は第二仕切り部が第一仕切り部に対して接近した状態を示す図であり、(b)は第二仕切り部が第一仕切り部に対して離反した状態を示す図である。
図12】本発明の他の実施形態に係る椅子型マッサージ機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[椅子型マッサージ機の全体構成]
以下、本発明の椅子型マッサージ機1の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る椅子型マッサージ機1の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る椅子型マッサージ機1を平面から見た図であり、(a)は仕切り部7を閉じた状態を示す図であり、(b)は仕切り部7を開いた状態(その1)を示す図であり、(c)は仕切り部7を開いた状態(その2)を示す図である。より詳しくは、(b)は、背凭れ部3の側部に設けられた第一位置変更手段a1を駆動させることで仕切り部7の位置を変更した状態である。(c)は、背凭れ部3の側部に設けられた第一位置変更手段a1と取付部41に設けられた第一位置変更手段a1とを駆動させることで仕切り部7の位置を変更した状態である。なお、詳細については後述する。図3は、椅子型マッサージ機1のブロック図である。
なお、以下の説明で用いる方向の概念は、図1に示す起立姿勢の椅子型マッサージ機1に着座した使用者から見たときの方向の概念と一致するものとし、その他の場合は適宜説明するものとする。
【0017】
図1図3に示すとおり、本発明の椅子型マッサージ機1は、主として、使用者が着座する座部2と、座部2の後部にリクライニング可能に設けられた使用者の上半身を支持する背凭れ部3と、座部2の前部に上下揺動可能に設けられた使用者の脚及び/又は足を支持するフットレスト4と、座部2の左右両側に設けられた肘掛部5と、背凭れ部3の上方に左右一対設けられた仕切り部7と、で構成されている。仕切り部7は、背凭れ部3に対する位置を変更することで少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることができる。仕切り部7については後述する。
【0018】
座部2、背凭れ部3、フットレスト4は、使用者の身体を背面側から支持する身体支持部として機能する。椅子型マッサージ機1の各所(例えば、座部2やフットレスト4など)には、使用者の身体を押圧することでマッサージを行うエアセルからなるマッサージ部を設けてもよい。
【0019】
背凭れ部3は、座部2の下方に設けられたアクチュエータ11(図3参照)により、座部2に対して前後にリクライニング可能に構成されており、図1に示す起立姿勢から背凭れ面が床面と略水平となるリクライニング姿勢までの間の任意の位置で停止できるようになっている。フットレスト4は、座部2の下方に設けられたアクチュエータ12(図3参照)により、座部2に対して上下に揺動可能に構成されており、図1に示す垂下姿勢から膝を伸ばした状態で下腿が支持される上昇姿勢までの間の任意の位置で停止できるようになっている。
【0020】
座部2の下方には、マッサージ部8や位置変更手段aに対してエアを給排気するポンプ10a及びバルブ10bを有する給排気装置10と、椅子型マッサージ機1の各種動作を制御する制御部9と、が設けられている。制御部9は、プログラマブルなマイコン等を有しており、各アクチュエータ11,12、マッサージユニット6、給排気装置10の駆動を制御する。制御部9には、使用者が操作するコントローラ14が電気的に接続されている。椅子型マッサージ機1は、予め定められたプログラム(マッサージコース)に従って動作する他、使用者によるコントローラ14からの指示に従って動作する。
【0021】
[背凭れ部の構成]
図1図3に示すとおり、背凭れ部3は、使用者の上半身を支持する。背凭れ部3は、左右中央に形成された前後方向に開口する開口部3bを有し、正面視で略門型をなしている。開口部3bには、身長方向に延設されたガイドレール(図示せず)を介して上下方向に昇降自在に取り付けられたマッサージユニット6が設けられている。マッサージユニット6は、揉みマッサージ及び/又は叩きマッサージを行うマッサージ部として機能する。開口部3bは、カバー部材(図示せず)により前方から覆われている。マッサージユニット6の施療子が開口部3bより前方へ突出しており、カバー部材(図示せず)を介して使用者の胴体を後方からマッサージできるようになっている。
【0022】
背凭れ部3の前面の上方には、少なくとも使用者の上半身を前方及び/又は側方からマッサージするためのマッサージ部8と、マッサージ部8を取り付けるための側壁99と、少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることができる仕切り部7と、が設けられている。仕切り部7は、側壁99に対して左右方向に重なる位置に配置されている。マッサージ部8は、空気の給排気により膨張収縮するエアセルで構成されている。背凭れ部3の側部には、仕切り部7の位置を変更可能な第一位置変更手段a1が設けられている。マッサージ部8と側壁99と仕切り部7と第一位置変更手段a1については後述する。
なお、背凭れ部3の前面に使用者の背面をマッサージするマッサージ部(図示せず)を設けてもよい。
【0023】
[座部の構成]
図1に示すとおり、座部2は、使用者が着座する着座面を有する。座部2の左右両側には、肘掛部5が設けられている。座部2の前部には、上下揺動可能に設けられた使用者の脚及び/又は足を支持するフットレスト4が取り付けられている。座部3の後部には、リクライニング可能に設けられた使用者の上半身を支持する背凭れ部3が取り付けられている。
座部2に、使用者の臀部及び/又は大腿部を下方(背面)からマッサージする臀部マッサージ部(図示せず)を左右一対設けてもよい。臀部マッサージ部(図示せず)を左右一対設ける場合には、左右それぞれ独立して駆動するように構成することが好ましい。また、臀部マッサージ部(図示せず)は、エアの給排気により膨張収縮するエアセルにより構成することが好ましい。
そうすることで、簡単な構造で使用者の臀部及び/又は大腿部を下方(背面)からマッサージすることができる。
【0024】
[フットレストの構成]
図1に示すとおり、フットレスト4は、座部2に対して上下揺動自在に取り付けられている。フットレスト4は、使用者の下腿の背面に対向して設けられた底壁4aと、底壁4aの左右両端から前方に向かって立設された側壁4bと、底壁4aの左右中央から前方に向かって立設された中央壁4cと、使用者の足裏を支持する左右一対の足裏支持部4dと、で構成されている。
【0025】
側壁4bの内側面に、下腿の外側面をマッサージする脚マッサージ部(図示せず)を設けてもよい。また、中央壁4cの両外側面に、下腿の内側面をマッサージする脚マッサージ部(図示せず)を設けてもよい。また、足裏支持部4dに、足裏マッサージ部(図示せず)を設けてもよい。脚マッサージ部(図示せず)及び足裏マッサージ部(図示せず)は、エアの給排気により膨張収縮するエアセルで構成されていることが好ましい。なお、足裏マッサージ部(図示せず)は、ローラーであってもよい。
【0026】
[マッサージユニットの構成]
以下、マッサージユニット6の構成について説明する。
マッサージユニット6は、マッサージモータM1と、昇降モータM2と、進退駆動部6aと、センサ6bと、を有する(図3参照)。マッサージユニット6は、左右で対をなすアームと、アームの先端に取り付けられた施療子とを、を有する(図1参照)。マッサージモータM1を駆動させることにより、左右の施療子を近接離反させる揉み動作、及び左右の施療子を交互に使用者側へ進退させる叩き動作を行わせることができる。
【0027】
また、昇降モータM2を駆動させることにより、マッサージユニット6をラックピニオン等よりなる昇降機構(図示せず)を介して、ガイドレール(図示せず)上を移動させることができる。
そうすることで、マッサージユニット6は、椅子型マッサージ機1に着座した使用者の身長方向に沿って上方又は下方へ移動して、身体に対する位置を変更したり、ローリングマッサージを行ったりすることができる。
【0028】
また、進退駆動部6aを駆動させることにより、マッサージユニット6を使用者に対して接近する方向に進出させたり、使用者に対して離反する方向に後退させたりすることができる。
そうすることで、使用者に対するマッサージの強さを調整することができる。
なお、進退駆動部6aは、エアセルにより構成されていてもよいし、ラック&ピニオンにより構成されていてもよい。マッサージユニット6全体を進退させることができる構成であればよい。また、マッサージユニット6全体ではなく、施療子が取り付けられたアーム単体を左右それぞれ進退するように構成してもよい。
【0029】
センサ6bは、椅子型マッサージ機1に着座した使用者の肩位置を検出する。使用者の肩位置をセンサ6bで検出することで、マッサージユニット6を使用者の身長に適した範囲で上下に昇降させることができる。
【0030】
[側壁の構成]
図1、2に示すとおり、側壁99は、背凭れ部3に取り付けられている。具体的には、側壁99は、使用者の肩部又は上腕部に対向するように背凭れ部3の上方に取り付けられている。また、側壁99は、前方に突出して取り付けられており、側壁99の内側面(使用者に当接する側)には、少なくとも使用者の上半身を前方及び/又は側方からマッサージするためのマッサージ部8が取り付けられている。マッサージ部8は、エアの給排気により膨張収縮するエアセルで構成されている。エアセルを膨張させることで、使用者の上半身を前方及び/又は側方からマッサージすることができる。
なお、側壁99の左右方向に重なる位置には、仕切り部7が配置されている。仕切り部7については後述する。
【0031】
[仕切り部の構成]
図4は、本発明の一実施形態に係る椅子型マッサージ機1の仕切り部7又は第一仕切り部7a周辺の拡大図であり、(a)は図2(a)のP2を拡大した図であり、(b)は図2(b)のP3を拡大した図である。
【0032】
図1、2に示すとおり、仕切り部7は、左右対称の形状をなしている(図2参照)。仕切り部7は、左右対称であるため、右側の仕切り部7について説明するものとし、左側の仕切り部7についての説明は省略する。
仕切り部7は、背凭れ部3の上方であって、側壁99に対して左右方向に重なる位置に配置されている。仕切り部7は、板状の部材で構成されており、平面から見て左側が開口した略コの字型である。仕切り部7は、第一付勢手段15aと取付部41とによって、背凭れ部3に対して取り付けられている。より詳しくは、第一付勢手段15aによって背凭れ部3の側面(より詳しくは、背凭れ部3に取り付けられた側壁99の外側面)に取り付けられている。取付部41によって、背凭れ部3の背面に取り付けられている。なお、取付部41を背凭れ部3側面に設けてもよい。
仕切り部7と背凭れ部3(より詳しくは、背凭れ部3に取り付けられた側壁99)との間には、仕切り部7の位置を背凭れ部3に対して左右方向に変更するための第一位置変更手段a1が設けられている。第一位置変更手段a1については後述する。
【0033】
仕切り部7と側壁99との間には、仕切り部7を背凭れ部3に接近する方向に付勢する第一付勢手段15aとしてのバネが設けられている。仕切り部7と側壁99との間に第一付勢手段15aを設けることで、第一位置変更手段a1の駆動を停止(エアセルを収縮)させると、第一付勢手段15aにより、仕切り部7は背凭れ部3に接近する方向に位置を変更する。そうすることで、使用者の前方の視界の一部を遮ることができる。
なお、第一付勢手段15aをバネで構成しているのは一例であり、仕切り部7を背凭れ部3に接近する方向に付勢することができる構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0034】
仕切り部7の後側は、背凭れ部3に対して取り付けられている。具体的には、取付部41を介して左右方向に位置変更可能に取り付けられている。取付部41の内部に、機械式の第一位置変更手段a1を設けてもよい(図4参照)。詳細については後述する。
【0035】
仕切り部7の内側面(使用者に対向する面。より詳しくは、使用者の前面)に、使用者に対してリラックス効果を与える感覚刺激装置100を取り付けてもよい(図1等参照)。感覚刺激装置100は、例えば、光によりリラックス効果を与えるLEDである。また、画像や映像を表示するディスプレイである。また、音楽や音声によりリラックス効果を与えるスピーカーである。なお、使用者の感覚(特に、視覚、聴覚、嗅覚)を刺激することができるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0036】
例えば、仕切り部7により使用者の前方の視界の一部を遮り、外部から受ける刺激の量を調整した状態でLEDを点灯させる。そうすることで、非日常的な空間を作り出すことができるため、使用者をよりリラックスさせることができる。また、仕切り部7により使用者の前方の視界の一部を遮り、外部から受ける刺激の量を調整した状態でディスプレイとスピーカーを駆動させる。そうすることで、まるで映画館で映像を見ているかのような臨場感を使用者に対して与えることができる。
【0037】
また、マッサージ動作(マッサージコース)と感覚刺激装置100(例えば、LED)とが連動するように構成してもよい。例えば、朝用マッサージコースと夜用マッサージコースを設ける。朝用マッサージコースを選択した場合には、LEDの光がコース開始とともに徐々に強くなるようにする。そうすることで、使用者に対して強い光をいきなり与えることによるダメージを防ぎつつ、マッサージ動作と光により、使用者を活動状態へとスムーズに導くことができる。また、夜用マッサージコースを選択した場合には、ブルーライトなど目に対して刺激の強い可視光線をカットしたLEDの光に調整することで、使用者をリラックス状態へとスムーズに導くことができる。
【0038】
なお、仕切り部7の形状は一例であり、少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることができる形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、使用者の上方まで覆うようなカプセル形状であってもよい。カプセル形状にすることで、使用者の前方の視界の一部を遮るだけでなく、使用者が上方から受ける刺激の量を抑制することができる。
また、図10に示すように仕切り部7の前側に、仕切り部7の形状を変更するための位置変更手段(駆動機構C4)を設けてもよい。そうすることで、使用者が椅子型マッサージ機1に着座又は離脱する際に妨げとなるのを防ぐことができる。なお、自動で仕切り部7の位置を変更することができるようにしてもよい。詳細は後述する。
【0039】
[第一位置変更手段の構成]
第一位置変更手段a1は、仕切り部7の位置を背凭れ部3に対して左右方向に変更するものである。第一位置変更手段a1には、仕切り部7を背凭れ部3に対して接近する方向に付勢する第一付勢手段15aが設けられている。図2、3に示すとおり、第一位置変更手段a1は、エアセルと第一付勢手段15aとで構成されている。
エアセルは、前後方向前側が膨張するように、前後方向後側を支点として背凭れ部3と仕切り部7との間に取り付けられている。より詳しくは、エアセルは背凭れ部3に対して取り付けられている。なお、エアセルは仕切り部7に取り付けられていてもよい。また、エアセルの取付方法は一例であり、仕切り部7の位置を背凭れ部3に対して左右方向に変更することができる方法であれば良い。例えば、前後方向前側を支点としてもよい。
エアセルを膨張させると、エアセルが仕切り部7に当接し、仕切り部7の位置を背凭れ部3に対して離反する方向に移動させることができる。仕切り部7は第一付勢手段15aにより背凭れ部3に対して接近する方向に付勢されているため、エアセルを収縮させると、仕切り部7は、背凭れ部3に対して接近する方向に移動する。
なお、第一位置変更手段a1をエアセルで構成したのは一例であり、背凭れ部3に対する仕切り部7の位置を左右方向に変更することができるものであれば、どのような構成であってもよい。
【0040】
また、第一位置変更手段a1は、機械式であってもよい。図4に示すとおり、椅子型マッサージ機1は、取付部41の内部に機械式の第一位置変更手段a1(駆動機構C1)が設けられている。駆動機構C1は、モータ20aと、ピニオン20bと、ラック20cと、から構成されている。モータ20aの駆動は、制御部9により制御される。モータ20aとピニオン20bは、取付部41の内部に設けられている。ラック20cは、仕切り部7の内部に設けられている。ピニオン20bはラック20cと噛み合っている。モータ20aを駆動(正転)させることで、ピニオン20bが反時計回りに回転し、ピニオン20bと噛み合っているラック20cが背凭れ部3に対して離反する方向に移動する。そうすることで、仕切り部7を背凭れ部3に対して離反する方向に移動させることができる。モータ20aを駆動(反転)させることで、ピニオン20bが時計回りに回転し、ピニオン20bと噛み合っているラック20cが背凭れ部3に対して接近する方向に移動する。そうすることで、仕切り部7を背凭れ部3に対して接近する方向に移動させることができる。
【0041】
第一位置変更手段a1を機械式の駆動機構C1で構成することにより、駆動機構C1を停止した状態であっても、第一付勢手段15aの影響を受けることなく、仕切り部7の位置を停止した位置で維持させることができる。
また、仕切り部7の内部に設けるラック20cの長さを長くすることで、仕切り部7の移動範囲を大きくすることができる。そうすることで、第一位置変更手段a1をエアセルで構成した場合と比べ、省スペース化を図ることができる。なお、背凭れ部3に設ける第一位置変更手段a1は、エアセルだけであってもよいし、駆動機構C1だけであってもよいし、エアセルと駆動機構C1を併用してもよい。
【0042】
図5は、本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機1Bの斜視図である。図6は、本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機1Bを平面から見た図であり、(a)は第一仕切り部7aと第二仕切り部7bが付勢手段により付勢された状態を示す図であり、(b)は第一仕切り部7aと第二仕切り部7bが位置変更手段により位置変更された状態を示す図である。より詳しくは、第一仕切り部7aは、第一付勢手段15aにより背凭れ部3に対して接近する方向に付勢されている。第二仕切り部7bは、第二付勢手段15bにより第一仕切り部7aに対して接近する方向に付勢されている。第一仕切り部7aは、第一位置変更手段a1により位置を変更することができる。第二仕切り部7bは、第二位置変更手段a2により位置を変更することができる、
椅子型マッサージ機1Bの仕切り部は、第一仕切り部7aと第二仕切り部7bとから構成されている。第二仕切り部7bは、第一仕切り部7aに対して移動可能に取り付けられている。仕切り部の構成以外は、椅子型マッサージ機1と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0043】
[第一仕切り部の構成]
図5~9に示すとおり、第一仕切り部7aは、左右対称の形状をなしている。第一仕切り部7aは、左右対称であるため、右側の第一仕切り部7aについて説明するものとし、左側の第一仕切り部7aについての説明は省略する。
第一仕切り部7aは、背凭れ部3の上方であって、側壁99に対して左右方向に重なる位置に配置されている。第一仕切り部7aは、板状の部材で構成されており、平面から見て略L字型である。第一仕切り部7aは、取付部41によって、背凭れ部3に対して取り付けられている。より詳しくは、取付部41によって、背凭れ部3の背面に取り付けられている。なお、第一仕切り部7aと側壁99との間には、第一仕切り部7aの位置を背凭れ部3に対して接近する方向に付勢する第一付勢手段15aが設けられている。第一仕切り部7aと第二仕切り部7bとの間には、第二仕切り部7bの位置を変更するための第二位置変更手段a2が設けられている。なお、取付部41は、背凭れ部3の側面に取り付けられていてもよい。第二位置変更手段a2については後述する。
【0044】
第一仕切り部7aと背凭れ部3(より詳しくは、背凭れ部3に取り付けられた側壁99)との間には、第一仕切り部7aの位置を背凭れ部3に対して左右方向に変更するための第一位置変更手段a1が設けられている。第一位置変更手段a1は、エアセルである。第一変更手段a1を駆動させることで、第一仕切り部7aの位置を背凭れ部3に対して左右方向に変更することができる。より詳しくは、第一位置変更手段a1を駆動(エアセルを膨張)させることで、第一仕切り部7aの位置を背凭れ部3に対して離反する方向に変更する。第一位置変更手段a1の駆動を停止(エアセルを収縮)させることで、第一付勢手段15aによって第一仕切り部7aの位置を背凭れ部3に対して接近する方向変更する。第一位置変更手段a1については、本発明の一実施形態と同じ構成のため、説明を省略する。
【0045】
[第二仕切り部の構成]
図5~9に示すとおり、第二仕切り部7bは、左右対称の形状をなしている。第二仕切り部7bは、左右対称であるため、右側の第二仕切り部7bについて説明するものとし、左側の第二仕切り部7bについての説明は省略する。
第二仕切り部7bは、背凭れ部3の上方であって、第一仕切り部7aに対して左右方向に重なる位置に配置されている。第二仕切り部7bは、板状の部材で構成されている。第二仕切り部7bは、平面から見て、後側は第一仕切り部7aに対して取り付けられており、前側は背凭れ部3に対して内側に約30°傾斜した略くの字型をなしている。第二仕切り部7bと第一仕切り部7aとの間には、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して接近する方向に付勢する第二付勢手段15bが設けられている。第二仕切り部7bは第一仕切り部7aに対して移動可能に取り付けられているため、第二位置変更手段a2を駆動させることで、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して変更することができる。
そうすることで、使用者の前方の視界の一部を遮ることができる。第二位置変更手段a2については後述する。
【0046】
椅子型マッサージ機1Bは、第三位置変更手段a3と第四位置変更手段a4を更に有する。第三位置変更手段a3は、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して前後方向に移動させるためのものである。第四位置変更手段a4は、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して上下方向に変更するものである。第三位置変更手段a3と第四位置変更手段a4については後述する。
【0047】
図9は、本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機1Bの第二仕切り部7b周辺の拡大図であり、(a)は図6(a)のP1を拡大した図であり、(b)は図6(a)の状態から第二仕切り部7bの前端を前方に移動させた状態を示す図である。
図9に示すように、第二仕切り部7bは、分割して構成されていてもよい。具体的には、第二仕切り部7bの前部が伸びるように分割されている。第二仕切り部7bの前部には、第二仕切り部7cが取り付けられている。第二仕切り部7bと第二仕切り部7cとの間には、第二仕切り部7cを第二仕切り部7bに対して伸縮させるためのアクチュエータ74が設けられている。アクチュエータ74は、制御部9により制御される。アクチュエータ74を駆動することで、第二仕切り部7cを第二仕切り部7bに対して離反する方向又は接近する方向に移動させることができる。
【0048】
[第二位置変更手段の構成]
第二位置変更手段a2は、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して左右方向に変更するものである。第二位置変更手段a2には、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して接近する方向に付勢する第二付勢手段15bが設けられている。図6、9に示すとおり、第二位置変更手段a2は、エアセルと第二付勢手段15bとで構成されている。
エアセルは、前後方向前側が膨張するように、前後方向後側を支点として第一仕切り部7aと第二仕切り部7bとの間に取り付けられている。より詳しくは、エアセルは、第一仕切り部7aに対して取り付けられている。なお、エアセルは第二仕切り部7bに取り付けられていてもよい。また、エアセルの取付方法は一例であり、仕切り部7の位置を背凭れ部3に対して左右方向に変更することができる方法であれば良い。例えば、前後方向前側を支点としてもよい。
エアセルを膨張させると、エアセルが第二仕切り部7bに当接し、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して離反する方向に移動させることができる。第二仕切り部7bは第二付勢手段15bにより第一仕切り部7aに対して接近する方向に付勢されているため、エアセルを収縮させると、第二仕切り部7bは、第一仕切り部7aに対して接近する方向に移動する。
【0049】
図7は、本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機1Bの第一仕切り部7aと第二仕切り部7bを側面から見た図であり、(a)は駆動機構C6を使用して第二仕切り部7bが後方に位置した状態を示す図であり、(b)は駆動機構C6を使用して第二仕切り部7bが前方に位置した状態を示す図であり、(c)は駆動機構C7を使用して第二仕切り部7bが後方に位置した状態を示す図であり、(d)は駆動機構C7を使用して第二仕切り部7bが前方に位置した状態を示す図である。つまり、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して前後方向に変更するものである。
図8は、本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機1Bの仕切り部を側面から見た図であり、(a)は駆動機構C2を使用して第二仕切り部7bが中央に位置した状態を示す図であり、(b)は駆動機構C2を使用して第二仕切り部7bが上方に位置した状態を示す図であり、(c)は駆動機構を使用して第二仕切り部の位置が下方に位置した状態を示す図であり、(d)は駆動機構C3を使用して第二仕切り部7bが中央に位置した状態を示す図であり、(e)は駆動機構C3を使用して第二仕切り部7bが上方に位置した状態を示す図であり、(f)は駆動機構C3を使用して第二仕切り部7bが下方に位置した状態を示す図である。
【0050】
[第三位置変更手段の構成]
第三位置変更手段a3は、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して前後方向に変更するものである。図7に示すとおり、第三位置変更手段a3は、機械式であってもよいし、エアセルであってもよい。
図7(a)(b)は、機械式の駆動機構C6により、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して前後方向に変更するものである。駆動機構C6は、モータ(図示せず)と、ピニオン18と、ラック19と、で構成されている。モータ(図示せず)の駆動は、制御部9により制御される。モータ(図示せず)とピニオン18は、第一仕切り部7aの内部に設けられており、ラック19は、第二仕切り部7bに設けられている。ピニオン18とラック19は噛み合っている。第二仕切り部7bは、第一仕切り部7aに上下一対設けられたレール17によって保持されている。
【0051】
モータ(図示せず)を駆動(正転)させることで、ピニオン18が時計回りに回転し、ピニオン18と噛み合っているラック19が第一仕切り部7aに対して前方へ移動する。そうすることで、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して前方へ移動させることができる。モータ(図示せず)を駆動(反転)させることで、ピニオン18が反時計回りに回転し、ピニオン18と噛み合っているラック19が第一仕切り部7aに対して後方に移動する。そうすることで、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して後方へ移動させることができる。なお、駆動機構C6を使用する場合、付勢手段16は設けられていなくてもよい。
【0052】
図7(c)(d)は、エアセルの駆動機構C7により、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して前後方向に変更するものである。駆動機構C7は、エアセル16bと、付勢手段16aと、で構成されている。エアセル16bの駆動は、制御部9により制御される。エアセル16bと付勢手段16aは、第一仕切り部7aと第二仕切り部7bの間に設けられている。第二仕切り部7bは、第一仕切り部7aに上下一対設けられたレール17によって保持されている。
【0053】
エアセル16bを膨張させることで、第二仕切り部7bが前方へ押出され、第一仕切り部7aに対して前方へ移動する。そうすることで、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して前方へ移動させることができる。エアセル16bを収縮させることで、付勢手段16aにより、第二仕切り部7bが後方へ引き戻され、第一仕切り部7aに対して後方へ移動する。そうすることで、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して後方へ移動させることができる。
【0054】
[第四位置変更手段の構成]
第四位置変更手段a4は、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して上下方向に変更するものである。図8に示すとおり、第四位置変更手段a4は、機械式であってもよいし、エアセルであってもよい。
図8(a)~(c)は、機械式の駆動機構C2により、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して上下方向に変更するものである。駆動機構C2は、モータ30aと、ピニオン30bと、ラック30cと、で構成されている。モータ30aの駆動は、制御部9により制御される。モータ30aとピニオン30bは、第一仕切り部7aの内部に設けられており、ラック30cは、第二仕切り部7bに設けられている。ピニオン30bとラック30cは噛み合っている。第二仕切り部7bは、第一仕切り部7aに上下一対設けられたレール(図示せず)によって保持されていてもよい。
【0055】
モータ30aを駆動(正転)させることで、ピニオン30bが時計回りに回転し、ピニオン30bと噛み合っているラック30cが第一仕切り部7aに対して下方へ移動する(図8(a)(c)参照)。そうすることで、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して下方へ移動させることができる。モータ30aを駆動(反転)させることで、ピニオン30bが反時計回りに回転し、ピニオン30bと噛み合っているラック30cが第一仕切り部7aに対して上方に移動する。そうすることで、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して上方へ移動させることができる(図8(a)(b)参照)。
【0056】
図8(d)~(f)は、エアセルの駆動機構C3により、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して上下方向に変更するものである。駆動機構C3は、エアセル31a、31cと、付勢手段31bと、で構成されている。エアセル31a、31cの駆動は、制御部9により制御される。エアセル31a、31cと付勢手段31bは、第一仕切り部7aの側部に設けられている。第二仕切り部7bは、第一仕切り部7aに上下一対設けられたレール(図示せず)によって保持されていてもよい。
【0057】
エアセル31aを膨張させることで、第二仕切り部7bが下方へ押出され、第一仕切り部7aに対して下方へ移動する(図8(d)(f)参照)。そうすることで、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して下方へ移動させることができる。エアセル31cを膨張させることで、第二仕切り部7bが上方へ押出され、第一仕切り部7aに対して上方へ移動する(図8(d)(e)参照)。そうすることで、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して上方へ移動させることができる。
なお、エアセル31aとエアセル31cの左右両側には、付勢手段31bとしてのバネが一対取り付けられている。そのため、エアセル31aを収縮させることにより、第二仕切り部7bが上方へ引き戻され、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して上方へ移動させることができる。また、エアセル31cを収縮させることにより、第二仕切り部7bが下方へ引き戻され、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して下方へ移動させることができる。
【0058】
第一位置変更手段a1と、第二位置変更手段a2と、第三位置変更手段a3と、第四位置変更手段a4と、をそれぞれ組み合わせることで、仕切り部7の位置を背凭れ部3に対して前後左右上下方向に変更することができ、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して前後左右上下方向に変更することができる。
【0059】
図10は、本発明の別実施形態に係る椅子型マッサージ機1Cを平面から見た図であり、(a)は仕切り部7の前側を左右方向内側に90°曲げた状態を示す図であり、(b)は仕切り部7の前側を左右方向内側に45°曲げた状態を示す図であり、(c)は仕切り部7の前側周辺P4の拡大図である。
図10(a)(b)に示すとおり、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1との違いは、仕切り部7の形状を変更することにより、背凭れ部3に対する仕切り部7の位置(より詳しくは、仕切り部7の前側の位置)を変更するものである。
【0060】
図10(c)に示すとおり、仕切り部7の内部には、仕切り部7の前側の位置を変更するための駆動機構C4が設けられている。駆動機構C4は、一例として、ラチェット機構50である。なお、仕切り部7の前側の位置を変更することができる機構であれば、どのような機構(手動・自動を問わない)であってもよい。
【0061】
ラチェット機構50は、第一ラチェット部材51と、第二ラチェット部材52と、係止爪53と、付勢手段54と、で構成されている。第一ラチェット部材51は、板状の部材の先端に円状の部材が取り付けられた長靴のような形状をなしている。円状の部材の周囲には、係止爪53を係止するための受け部としての歯が複数設けられている。円状の部材の中心には、軸B5が取り付けられている。第一ラチェット部材51は、軸B5を支点として揺動することができる。
第二ラチェット部材52は、第一ラチェット部材51の後側に位置しており、軸B5を介して第一ラチェット部材51と連結されている。第二ラチェット部材52には、第一ラチェット部材51の歯と噛み合う係止爪53と、係止爪53を付勢する付勢手段としてのトーションバネ54が取り付けられている。係止爪53は、トーションバネ54により、第一ラチェット部材51の歯に接近する方向に付勢されている。
【0062】
使用者が仕切り部7の前側を左右方向内側へ移動させると、仕切り部7の前側の移動に伴って第一ラチェット部材51が軸B5を支点に揺動を開始する。係止爪53は、第一ラチェット部材51の歯に接近する方向に付勢されている。そのため、係止爪53は、第一ラチェット部材51の揺動に伴って、係止する歯を変更していく。そうすることで、仕切り部7の前側を使用者の任意の角度で固定することができる。
なお、第一ラチェット部材51の歯は、円状の部材の周囲の一部に設けられているため、仕切り部7の前側を所定角度以上にすると、係止爪53が係止される歯がなくなり、仕切り部7の前側の係止を解除することができる。
【0063】
図10の別実施形態においては、背凭れ部3に対する仕切り部7の位置を変更する場合について説明したが、仕切り部7を第一仕切り部7aと第二仕切り部7bとで構成し、各仕切り部7a、7bの位置をそれぞれ変更することができるように構成してもよい。
【0064】
図11は、本発明の他の実施形態に係る仕切り部周辺P1の拡大図であり、(a)は第二仕切り部7bが第一仕切り部に対して接近した状態を示す図であり、(b)は第二仕切り部7bが第一仕切り部に対して離反した状態を示す図である。
【0065】
図11に示すとおり、第二位置変更手段a2は、複数のリンク部材からなるリンク機構40で構成されている。具体的には、第一仕切り部7aの内側に取り付けられたリンク部材40eと、リンク部材40eと連結された第一リンク棒40fと、第一リンク棒40fと連結された第二リンク棒40gと、リンク機構40を駆動させるための駆動機構C5と、から構成されている。
【0066】
リンク部材40eは、前後方向に長寸の板状の部材で構成されている。リンク部材40eの前側には、前後方向に伸びる孔40dが設けられている。孔40dには、軸B1が挿通されている。軸B1には、取付部40cを介して第一リンク棒40fが連結されている。リンク部材40eの後側には、軸B3が連結されている。軸B3には、第二リンク棒40gが連結されている。第一リンク棒40fと第二リンク棒40gについては後述する。
【0067】
第一仕切り部7aの内部には、リンク機構40(第二位置変更手段a2)を駆動させるための駆動機構C5が設けられている。駆動機構C5は、モータ40aと、モータ40aの駆動力を伝達するための伝達部材40bと、伝達部材40bに取り付けられた取付部40cと、から構成されている。伝達部材40bは、例えば、ベルトである。取付部40cには、軸B1が取り付けられている。軸B1には、第一リンク棒40fが連結されている。モータ40aを駆動することで、取付部40c(より詳しくは、軸B1)が孔40dに沿って移動し、第一リンク棒40fを移動させることができる。
【0068】
第一リンク棒40fの前端は、リンク部材40eと連結されている。より詳しくは、軸B1に取り付けられた取付部40cと連結されている。第一リンク棒40fの後端は、軸B2を介して第二リンク棒40gの前端と連結されている。第二リンク棒40gの後端は、軸B3を介してリンク部材40eと連結されている。
【0069】
モータ40aを駆動(正転)させると、モータ40aの駆動力が伝達部材40bを介して取付部40cに伝達される。孔40dには、軸B1が挿通されているため、取付部40cは、孔40dに沿って後方へ移動を開始する。第一リンク棒40fの後端は、軸B2を介して第二リンク棒40gと連結されているため、取付部40cが後方へ移動すると、第一リンク棒40fの後端が第二仕切り部7bに対して接近する方向へ移動する。第二リンク棒40gの後端は、軸B3を介してリンク部材40eと連結されているため、第一リンク棒40fの後端が第二仕切り部7bに対して接近する方向へ移動するのに追従して、第二リンク棒40gの前端も第二仕切り部7bに対して接近する方向へ移動する。
【0070】
第一リンク棒40fの後端と第二リンク棒40gの前端が第二仕切り部7bに対して接近する方向へ移動することで、第一リンク棒40fと第二リンク棒40gが連結された軸B2付近が第二仕切り部7bに当接する。軸B2付近が第二仕切り部7bに当接することで、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して左右方向内側(使用者に接近する方向)に変更することができる。
【0071】
また、モータ40aを駆動(反転)させると、モータ40aの駆動力が伝達部材40bを介して取付部40cに伝達される。孔40dには、軸B1が挿通されているため、取付部40cは、孔40dに沿って前方へ移動を開始する。第一リンク棒40fの後端は、軸B2を介して第二リンク棒40gと連結されているため、取付部40cが前方へ移動すると、第一リンク棒40fの後端が第二仕切り部7bに対して離反する方向へ移動する。第二リンク棒40gの後端は、軸B3を介してリンク部材40eと連結されているため、第一リンク棒40fの後端が第二仕切り部7bに対して離反する方向へ移動するのに追従して、第二リンク棒40gの前端も第二仕切り部7bに対して離反する方向へ移動する。
【0072】
第一仕切り部7aと第二仕切り部7bとの間には、第二仕切り部7bを第一仕切り部7aに対して接近する方向に付勢する第二付勢手段15bとしてのバネが取り付けられている。そのため、第一リンク棒40fと第二リンク棒40gが左右方向内側へ移動すると、第二付勢手段15bにより第二仕切り部7bが第一仕切り部7aに対して接近する方向に移動する。つまり、第一リンク棒40fと第二リンク棒40gが連結された軸B2付近が第二仕切り部7bに当接した状態のまま左右方向内側に移動することになる。そうすることで、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して左右方向外側に変更することができる。
なお、第二位置変更手段a2としてリンク機構40を採用した場合について説明したが、第二位置変更手段a2の構成は一例であり、第二仕切り部7bの位置を第一仕切り部7aに対して変更させることができる構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0073】
図12は、本発明の他の実施形態に係る椅子型マッサージ機1Cを示す斜視図である。
本実施形態においては、背凭れ部3に側壁99と仕切り部7を設けた場合について説明したが、仕切り部を取り付ける場所は、この限りではない。図12に示すとおり、使用者の身体を支持する身体支持部に取り付けられていればよい。例えば、肘掛部5とフットレスト4のそれぞれに仕切り部を設けることで、椅子型マッサージ機に着座した使用者は、繭に包み込まれているような感覚で、マッサージを受けることができる。なお、図12の椅子型マッサージ機1Cのように、座部や背凭れ部、フットレストを一体的に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、少なくとも使用者の前方の視界の一部を遮ることで外部から受ける刺激の量を調整するとともに、使用者の上半身を前方及び/又は側方からマッサージすることができるマッサージ機に適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 椅子型マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
7 仕切り部
8 マッサージ部
99 側壁
a1 第一位置変更手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12