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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053599
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/04 20060101AFI20230406BHJP
   F03B 17/06 20060101ALI20230406BHJP
   F03B 7/00 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
F03D3/04 B
F03B17/06
F03B7/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162735
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】517002867
【氏名又は名称】濱田 三志
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】濱田 三志
【テーマコード(参考)】
3H072
3H074
3H178
【Fターム(参考)】
3H072AA06
3H072AA13
3H072AA26
3H072BB15
3H072CC01
3H072CC71
3H074AA08
3H074AA12
3H074BB11
3H074CC02
3H074CC12
3H178AA13
3H178AA33
3H178AA43
3H178AA63
3H178BB31
3H178CC01
3H178CC16
3H178CC21
3H178DD26X
(57)【要約】
【課題】 石等がブレードに衝突しにくく、且つ発電効率向上させることができる発電装置を提供する。
【解決手段】 本発明の発電装置2は、流体の進行方向に直交し、且つ水平方向にのびる回転軸10と、回転軸から放射状にのびる複数のブレード20と、ブレードを内包するケース30とを備えるタービン1と、回転軸の回転エネルギーを電力に変換する発電機40とを備える。ケースはメッシュ状の円筒形である本体部31と、本体部の両端の開口を閉じる円形板32とを備えており、円形板が回転軸に固定されており、ブレードの一部が回転軸に直接接合されており、流体を本体部の上部又は下部のいずれか一方のみに当てる。流体によってブレードだけでなくケースも回転するので回転軸を効率的に回転させることができ、発電効率を向上させることができる。また、流体に混ざっている石等はケースに衝突し、ケースの内部に至らないためブレードが損傷する事態を抑制できる。
【選択図】図2





【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の進行方向に直交する方向にのびる回転軸と、
前記回転軸から放射状にのびる複数のブレードと、
前記ブレードを内包するケースとを備えており、
前記ケースはメッシュ状の円筒形である本体部と、前記本体部の両端の開口を閉じる円形板とを備えており、
前記円形板が前記回転軸に固定されていることを特徴とするタービン。
【請求項2】
前記本体部の一部にのみ前記流体を導入するためのダクトを備えることを特徴とする請求項1に記載のタービン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のタービンと、
前記回転軸の回転エネルギーを電力に変換する発電機を備えることを特徴とする発電装置。
【請求項4】
前記流体が液体の場合に、
前記液体の表面に浮遊した状態で、前記ケースの下部のみが前記液体に浸るように前記タービンを保持する浮遊体を備えることを特徴とする請求項3に記載の発電装置。
【請求項5】
前記タービンが車両のタイヤの前方に配置され、更に、前記ケースの下部のみが前記車両のボディから下方に露出するように配置されることを特徴とする請求項3に記載の発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電に使用するタービン及び発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体(液体や気体)が持つエネルギーを回転エネルギーに変換するタービンを用いた発電装置が知られている。
例えば特許文献1には車両に取り付けて走行風を利用してブレードを回転させる発電装置が開示されている。また、特許文献2にはラジアル形風車とクロスフロー風車を同軸上に配置した発電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3986548号公報
【特許文献2】特開2002-257027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タービンは流体のエネルギーをブレードで受けるため、流体中に混ざっている石やゴミ(以下、「石等」という)がブレードに衝突してブレードが破損したり、ギヤ等に挟まってしまったりする結果、発電装置の出力低下や停止を招くという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題を考慮して、石等がブレードに衝突しにくく、且つ発電効率が向上させることができるタービン及び発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のタービンは、流体の進行方向に直交する方向にのびる回転軸と、前記回転軸から放射状にのびる複数のブレードと、前記ブレードを内包するケースとを備えており、前記ケースはメッシュ状の円筒形である本体部と、前記本体部の両端の開口を閉じる円形板とを備えており、前記円形板が前記回転軸に固定されていることを特徴とする。
また、前記本体部の一部にのみ前記流体を導入するためのダクトを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の発電装置は、上記タービンと、前記回転軸の回転エネルギーを電力に変換する発電機を備えることを特徴とする。
また、前記流体が液体の場合に、前記液体の表面に浮遊した状態で、前記ケースの下部のみが前記液体に浸るように前記タービンを保持する浮遊体を備えることを特徴とする。
また、前記タービンが車両のタイヤの前方に配置され、更に、前記ケースの下部のみが前記車両のボディから下方に露出するように配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のタービンは流体によってブレードだけでなくケースも回転するので回転軸を効率的に回転させることができ、発電効率を向上させることができる。
また、流体に混ざっている石等はケースに衝突し、ケースの内部に至らないためブレードが損傷する事態を抑制できる。
ダクトを設けることで本体部の一部のみに流体を導入することができるので更に回転軸を効率的に回転させることができる。
浮遊体を使用することで川や海で水流を利用して発電することができる。
タービンを車両のタイヤの前方に配置することで車両の走行風を利用して発電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】回転軸、ブレード及びケースの斜視図
図2】発電装置の正面図(a)及び回転軸が回転する様子を示す側面図(b)~(d)
図3】ダクトの斜視図(a)及び縦断面図(b)
図4】発電装置を浮遊体に取り付けた状態を示す斜視図
図5】発電装置を車両に取り付けた状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
本発明のタービン及び発電装置の第1の実施の形態について説明する。
図1及び図2に示すようにタービン1は回転軸10、ブレード20及びケース30を備えている。
【0011】
回転軸10は流体の進行方向に直交する方向にのびる部材である。回転軸10の一方の端部又は両方の端部に発電機40を取り付けることで、増速器(図示略)を介して回転軸10の回転エネルギーを電力に変換する発電装置2を構成することができる。回転軸10はスタンド11によって軸回りに回転自在となるように支持される。なお、以下の図面中に発電機40の図示を省略している場合がある。
流体としては液体や気体が挙げられ、液体としては水、気体としては空気やガスが挙げられるがこれらに限定されず、その流れによってブレード20を回転させることができる物質であればよい。
【0012】
ブレード20は回転軸10から放射状にのびる部材である。ブレード20の枚数は限定されないが、回転軸10に対して放射状に等角度で取り付けることができる枚数が好ましい。
ケース30はブレード20を内包する部材であり、本体部31と円形板32から成る。
本体部31はメッシュ状の円筒形である。本体部31の素材としてはプラスチック等の樹脂やステンレス等の金属が挙げられる。
円形板32は円筒形の本体部31の両端の開口を閉じる部材である。円形板32の周縁部分が本体部31の端部に固定されている。円形板32の中心部分は回転軸10が貫通した状態で回転軸10に固定されている。つまり、ケース30自体が回転軸10に固定されていることになる。
【0013】
図2(b)に示すように流体をブレード20に当てると、流体から外力P1を受けたブレード20が回転し始め、回転軸10が軸回りに回転する。また、図2(c)に示すように流体はケース30にも当たるので、流体から外力P2を受けたケース30も回転し始め、回転軸10が軸回りに回転する。このように、本発明では図2(d)に示すように流体のエネルギーをブレード20とケース30の両者で受けて回転軸10を回転させるので発電効率を向上させることができる。
また、流体に混ざっている石等はケース30に衝突し、ケース30の内部に至らないためブレード20が損傷する事態を抑制できる。
【0014】
[第2の実施の形態]
次に本発明のタービン及び発電装置の第2の実施の形態について説明するが、上記第1の実施の形態と同様の構成になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように本実施の形態ではタービン3がダクト50を備える点が特徴である。
ダクト50は本体部31の一部のみに流体を導入するための部材である。具体的には、ダクト50は両端が解放された筒状体であり、流体導入側の端部51の径が流体排出側の端部52の径と比較して相対的に大きくなっている。なお、両端部51,52は必ずしも円形でなくてもよく、流体導入側の端部51の開口面積が流体排出側の端部52の開口面積と比較して相対的に大きくなっていればよい。ケース30はダクト50の長手方向のほぼ中央部に配置され、ケース30の下部がダクト50内に露出するように配置される。これによりダクト50内を進行する流体が本体部31の下部のみに当たることになる。
【0015】
流体はダクト50の流体導入側の端部51から内部に進行するにつれて速度が増加していく。更に流体が気体の場合は内部に進行するにつれて圧縮されていく。したがって、回転軸10の回転速度を増加させることができる。
また、流体導入側の端部51の上端の位置をケース30の上端よりも高くしておくことで、ダクト50の外を流れる流体がケース30の上部に当たらないようにしている。流体がケース30の上部にも当たってしまうと、ダクト50内を進行する流体によって図3(b)の反時計回りに回転しているブレード20及びケース30を、ケース30の上部に当たる流体が押しとどめてしまうためである。このように流体導入側の端部51の上端の位置をケース30の上端よりも高くしておくことで、回転軸10の回転速度を更に増加させることができる。
【0016】
[第3の実施の形態]
次に本発明のタービン及び発電装置の第3の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同様の構成になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように本実施の形態では発電装置2が浮遊体60を備える点が特徴である。
浮遊体60は流体(水)の表面に浮遊する物体であり、素材としてはプラスチック等の樹脂や木材が挙げられる。
浮遊体60はケース30の下部のみが水に浸るようにタービン1を保持する。
【0017】
浮遊体60の四隅に貫通穴61を設けており、各貫通穴61に杭62を通してある。川の流れを利用する場合には杭62を川底に打ち付けて固定しておく。これにより浮遊体60は川の流れに応じて杭62に案内されながら矢印Aに示す方向に上下動するので、安定的に発電することができる。
【0018】
[第4の実施の形態]
次に本発明のタービン及び発電装置の第4の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同様の構成になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように本実施の形態では発電装置2が車両70に取り付けられる点が特徴である。
タービン1は車両70のタイヤ71の前方に配置される。一般的な自動車の場合、前輪の前方と後輪の前方にタービン1を取り付けることができる。
ケース30の下部のみが車両70のボディから下方に露出するように配置することで、車両70の走行により生じる走行風をケース30の下部のみに当てて効率よく発電することができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は石等がブレードに衝突しにくく、且つ発電効率が向上させることができるタービン及び発電装置であり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0020】
P1 外力
P2 外力
1 タービン
2 発電装置
3 タービン
10 回転軸
11 スタンド
20 ブレード
30 ケース
31 本体部
32 円形板
40 発電機
50 ダクト
51 流体導入側の端部
52 流体排出側の端部
60 浮遊体
61 貫通穴
62 杭
70 車両
71 タイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の進行方向に直交し、且つ水平方向にのびる回転軸と、
前記回転軸から放射状にのびる複数のブレードと、
前記ブレードを内包するケースとを備えており、
前記ケースはメッシュ状の円筒形である本体部と、前記本体部の両端の開口を閉じる円形板とを備えており、
前記円形板が前記回転軸に固定されており、
前記ブレードの一部が前記回転軸に直接接合されており、
前記流体を前記本体部の上部又は下部のいずれか一方のみに当てることを特徴とするタービン。
【請求項2】
前記本体部の一部にのみ前記流体を導入するためのダクトを備えることを特徴とする請求項1に記載のタービン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のタービンと、
前記回転軸の回転エネルギーを電力に変換する発電機を備えることを特徴とする発電装置。
【請求項4】
前記流体が液体の場合に、
前記液体の表面に浮遊した状態で、前記ケースの下部のみが前記液体に浸るように前記タービンを保持する浮遊体を備えることを特徴とする請求項3に記載の発電装置。
【請求項5】
前記タービンが車両のタイヤの前方に配置され、更に、前記ケースの下部のみが前記車両のボディから下方に露出するように配置されることを特徴とする請求項3に記載の発電装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明のタービンは、流体の進行方向に直交し、且つ水平方向にのびる回転軸と、前記回転軸から放射状にのびる複数のブレードと、前記ブレードを内包するケースとを備えており、前記ケースはメッシュ状の円筒形である本体部と、前記本体部の両端の開口を閉じる円形板とを備えており、前記円形板が前記回転軸に固定されており、前記ブレードの一部が前記回転軸に直接接合されており、前記流体を前記本体部の上部又は下部のいずれか一方のみに当てることを特徴とする。
また、前記本体部の一部にのみ前記流体を導入するためのダクトを備えることを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の進行方向に直交し、且つ水平方向にのびる回転軸と、
前記回転軸から放射状にのびる複数のブレードと、
前記ブレードを内包するケースとを備えるタービンと
前記回転軸の回転エネルギーを電力に変換する発電機とを備えており、
前記ケースはメッシュ状の円筒形である本体部と、前記本体部の両端の開口を閉じる円形板とを備えており、
前記円形板が前記回転軸に固定されており、
前記ブレードの一部が前記回転軸に直接接合されており、
前記流体を前記本体部の上部又は下部のいずれか一方のみに当てることを特徴とする発電装置
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、発電装置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明はこのような問題を考慮して、石等がブレードに衝突しにくく、且つ発電効率向上させることができる発電装置を提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の発電装置は、流体の進行方向に直交し、且つ水平方向にのびる回転軸と、前記回転軸から放射状にのびる複数のブレードと、前記ブレードを内包するケースとを備えるタービンと前記回転軸の回転エネルギーを電力に変換する発電機とを備えており、前記ケースはメッシュ状の円筒形である本体部と、前記本体部の両端の開口を閉じる円形板とを備えており、前記円形板が前記回転軸に固定されており、前記ブレードの一部が前記回転軸に直接接合されており、前記流体を前記本体部の上部又は下部のいずれか一方のみに当てることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明は石等がブレードに衝突しにくく、且つ発電効率向上させることができる発電装置であり、産業上の利用可能性を有する。