(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053638
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】キャスタ及び移動体
(51)【国際特許分類】
B60B 33/00 20060101AFI20230406BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
B60B33/00 Z
B60B33/00 F
A47C7/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162797
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大石 傑
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084JC01
(57)【要約】
【課題】利便性が向上したキャスタなどを提供する。
【解決手段】キャスタ100は、対象物に取付けられるキャスタであって、車輪151と、対象物に取り付け可能に構成され、上方向及び下方向に移動可能な取り付けピン110と、取り付けピン110の下方向の移動に伴って下方向に移動する可動部130と、可動部130の下方向の移動に伴い圧縮され、当該圧縮による反発力により可動部130を元の位置に復帰させる復帰ばね140と、可動部130の移動、及び、可動部130の復帰に伴って発電する発電部170と、発電部170により生成される電力に基づく信号を送信する送信部180とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に取り付けられるキャスタであって、
車輪と、
前記対象物に取り付け可能に構成され、上方向及び下方向に移動可能な取り付けピンと、
前記取り付けピンの前記下方向の移動に伴って前記下方向に移動する可動部と、
前記可動部の前記下方向の移動に伴い圧縮され、当該圧縮による反発力により前記可動部を元の位置に復帰させる復帰ばねと、
前記可動部の移動、及び、前記可動部の復帰に伴って発電する発電部と、
前記発電部により生成される電力に基づく信号を送信する送信部とを備える
キャスタ。
【請求項2】
前記発電部は、前記可動部の移動、及び、前記可動部の復帰のそれぞれにおいて異なる電気信号を出力し、
前記送信部は、前記可動部の移動時、及び、前記可動部の復帰時のそれぞれにおいて、互いに異なる信号を送信する
請求項1に記載のキャスタ。
【請求項3】
第1押圧部、及び、第2押圧部を有する押圧部と、
一端が前記可動部と接続され、前記可動部の移動に伴って回転する回転部とを備え、
前記第1押圧部は、前記可動部の移動時に前記可動部により前記下方向に押下され、
前記第2押圧部は、前記可動部の復帰時に前記回転部の他端により前記下方向に押下され、
前記発電部は、前記第1押圧部及び前記第2押圧部が押下されることで発電する
請求項1又は2に記載のキャスタ。
【請求項4】
前記可動部は、前記取り付けピンの軸方向を回転軸とし回転可能であり、
前記復帰ばねの上端と当接し、前記可動部とねじ締結される調整部を備え、
前記調整部は、前記可動部の前記回転軸での回転により前記復帰ばねの初期的なばね圧を調節する
請求項1~3のいずれか1項に記載のキャスタ。
【請求項5】
前記取り付けピンの前記軸方向におけるストローク量は、2mm以下である
請求項4に記載のキャスタ。
【請求項6】
前記復帰ばねは、前記取り付けピンに所定以上の荷重が加わったときに圧縮される
請求項1~5のいずれか1項に記載のキャスタ。
【請求項7】
前記車輪は2つ配置され、
前記発電部及び前記送信部は、2つの前記車輪の間に配置される
請求項1~6のいずれか1項に記載のキャスタ。
【請求項8】
物体が載置される載置体と脚部とを含む対象物と、
前記取り付けピンによって前記脚部に着脱自在に取り付けられる請求項1~6のいずれか1項に記載の1以上のキャスタとを備える
移動体。
【請求項9】
前記脚部には、前記1以上のキャスタと1以上の他のキャスタとを含む複数のキャスタが取り付けられ、
前記1以上の他のキャスタは、前記車輪、前記取り付けピン、前記可動部、前記復帰ばね、前記発電部、及び、前記送信部のうち前記車輪、前記取り付けピン、前記可動部、及び、前記復帰ばねのみを有する
請求項8に記載の移動体。
【請求項10】
前記移動体は、椅子であり、
前記載置体は、前記椅子の座部であり、
前記送信部は、前記座部に所定以上の荷重が加わることで人が着座したことを示す信号を送信し、かつ、前記所定以上の荷重が取り除かれることで前記人が離座したことを示す信号を送信する
請求項8又は9に記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャスタ及び当該キャスタを備える移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器、各種電気機器を遠隔操作するための操作用機器などに用いられる小型の発電装置が知られている。特許文献1には、スイッチ、センサなどに応用可能な発電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/083339号
【特許文献2】国際公開第2019/073767号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、キャスタが設けられる椅子、台車などの物体が載置される移動体の利便性が向上することが望まれる。例えば、特許文献1に開示されている発電装置を移動体に用いることで、当該移動体の利便性が向上し得る。しかしながら、特許文献1には、発電装置を移動体に取り付けることに関する技術は開示されていない。
【0005】
そこで、本開示は、利便性が向上したキャスタ及び移動体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るキャスタは、対象物に取り付けられるキャスタであって、車輪と、前記対象物に取り付け可能に構成され、上方向及び下方向に移動可能な取り付けピンと、前記取り付けピンの前記下方向の移動に伴って前記下方向に移動する可動部と、前記可動部の前記下方向の移動に伴い圧縮され、当該圧縮による反発力により前記可動部を元の位置に復帰させる復帰ばねと、前記可動部の移動、及び、前記可動部の復帰に伴って発電する発電部と、前記発電部により生成される電力に基づく信号を送信する送信部とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る移動体は、物体が載置される載置体と脚部とを含む対象物と、前記取り付けピンによって前記脚部に着脱自在に取り付けられる上記に記載の1以上のキャスタとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、利便性が向上したキャスタなどを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る椅子の外観を示す斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、実施の形態1に係るキャスタの外観を示す側面図である。
【
図2B】
図2Bは、実施の形態1に係るキャスタの外観を示す正面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係るキャスタの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係るキャスタの負荷時の状態を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係るキャスタの無負荷時の状態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2に係るキャスタの部分分解斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2に係る調整部の取り付けを説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施の形態2に係るキャスタの斜視断面図である。
【
図9A】
図9Aは、実施の形態2に係るキャスタのばね圧調整を説明するための第1図である。
【
図9B】
図9Bは、実施の形態2に係るキャスタのばね圧調整を説明するための第2図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2に係るキャスタの可動部の回転方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係るキャスタは、対象物に取り付けられるキャスタであって、車輪と、前記対象物に取り付け可能に構成され、上方向及び下方向に移動可能な取り付けピンと、前記取り付けピンの前記下方向の移動に伴って前記下方向に移動する可動部と、前記可動部の前記下方向の移動に伴い圧縮され、当該圧縮による反発力により前記可動部を元の位置に復帰させる復帰ばねと、前記可動部の移動、及び、前記可動部の復帰に伴って発電する発電部と、前記発電部により生成される電力に基づく信号を送信する送信部とを備える。
【0011】
これにより、キャスタは、対象物に物体が載置されたとき、及び、対象物から物体が取り除かれたときのそれぞれにおいて発電し、信号を送信することができる。つまり、キャスタは、対象物に電源、センサなどが備わっていなくても、物体が載置されたとき、及び、物体が取り除かれたときに、遠隔のユーザに知らせることが可能である。よって、利便性が向上したキャスタを実現することができる。
【0012】
また、例えば、前記発電部は、前記可動部の移動、及び、前記可動部の復帰のそれぞれにおいて異なる電気信号を出力し、前記送信部は、前記可動部の移動時、及び、前記可動部の復帰時のそれぞれにおいて、互いに異なる信号を送信してもよい。
【0013】
これにより、キャスタは、対象物に物体が載置されたのか、対象物から物体が取り除かれたのかを信号により送信することができる。つまり、キャスタは、物体が載置されたのか、及び、物体が取り除かれたのかを、遠隔のユーザに知らせることが可能である。よって、より利便性が向上したキャスタを実現することができる。
【0014】
また、例えば、第1押圧部、及び、第2押圧部を有する押圧部と、一端が前記可動部と接続され、前記可動部の移動に伴って回転する回転部とを備え、前記第1押圧部は、前記可動部の移動時に前記可動部により前記下方向に押下され、前記第2押圧部は、前記可動部の復帰時に前記回転部の他端により前記下方向に押下され、前記発電部は、前記第1押圧部及び前記第2押圧部が押下されることで発電してもよい。
【0015】
これにより、キャスタは、押圧部と回転部とを備えるといった簡易な構成で、対象物に物体が載置されたとき、及び、対象物から物体が取り除かれたときのそれぞれにおいて発電することができる。
【0016】
また、例えば、前記可動部は、前記取り付けピンの軸方向を回転軸とし回転可能であり、前記復帰ばねの上端と当接し、前記可動部とねじ締結される調整部を備え、前記調整部は、前記可動部の前記回転軸での回転により前記復帰ばねの初期的なばね圧を調節してもよい。
【0017】
これにより、キャスタは、対象物の重さに応じて無負荷時の復帰ばねのばね圧を調整することができるので、対象物の重さに依存せずに物体の載置を検知可能である。よって、キャスタにおける物体の載置の検知性能を向上させることができる。
【0018】
また、例えば、前記取り付けピンの前記軸方向におけるストローク量は、2mm以下であってもよい。
【0019】
これにより、対象物に物体を載置したときに取り付けピンが2mm以下しか下方向に移動しないので、使用者が違和感を持つことを抑制することができる。
【0020】
また、例えば、前記復帰ばねは、前記取り付けピンに所定以上の荷重が加わったときに圧縮されてもよい。
【0021】
これにより、キャスタは、対象物に物体が載置されても所定以上の荷重が加わっていない場合に信号を送信しない。所定以上の荷重が対象物の種類、用途などに応じて適宜決定されることで、キャスタによる誤検知を抑制することができる。よって、キャスタにおける物体の載置の検知性能をさらに向上させることができる。
【0022】
また、例えば、前記車輪は2つ配置され、前記発電部及び前記送信部は、2つの前記車輪の間に配置されてもよい。
【0023】
これにより、本開示に係るキャスタの高さを発電部及び送信部を備えていない他のキャスタと同等にすることができる。よって、既存の対象物に取り付けられている複数のキャスタのうちの1つを本開示に係るキャスタに交換することが可能になるので、キャスタの利便性をさらに向上させることができる。
【0024】
また、移動体は、物体が載置される載置体と脚部とを含む対象物と、前記取り付けピンによって前記脚部に着脱自在に取り付けられる上記に記載の1以上のキャスタとを備える。
【0025】
これにより、利便性が向上した移動体を実現することができる。
【0026】
また、例えば、前記脚部には、前記1以上のキャスタと1以上の他のキャスタとを含む複数のキャスタが取り付けられ、前記1以上の他のキャスタは、前記車輪、前記取り付けピン、前記可動部、前記復帰ばね、前記発電部、及び、前記送信部のうち前記車輪、前記取り付けピン、前記可動部、及び、前記復帰ばねのみを有してもよい。
【0027】
これにより、対象物に物体が載置されたときに、複数のキャスタが同様に沈み込むので、使用者が違和感を持つことをより抑制することができる。
【0028】
また、例えば、前記移動体は、椅子であり、前記載置体は、前記椅子の座部であり、前記送信部は、前記座部に所定以上の荷重が加わることで人が着座したことを示す信号を送信し、かつ、前記所定以上の荷重が取り除かれることで前記人が離座したことを示す信号を送信してもよい。
【0029】
これにより、キャスタは、人の着座と離座とを遠隔のユーザに知らせることが可能である。よって、利便性が向上した椅子を実現することができる。
【0030】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0031】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0032】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0033】
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、右手系の三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、Z軸方向を可動部の移動方向としている。Z軸方向は、移動体が設置される設置面(例えば、床面)に対して垂直な方向(上下方向)であり、例えば、鉛直方向である。また、X軸方向及びY軸方向は、互いにZ軸方向と直交する方向である。
【0034】
また、本明細書において、平行、同一などの要素間の関係性を示す用語、及び、矩形、円形、U字などの要素の形状を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(例えば、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0035】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係るキャスタ及び椅子について、
図1~
図5を参照しながら説明する。
【0036】
[1-1.椅子の構成]
本実施の形態に係るキャスタを備える椅子の構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る椅子1の外観を示す斜視図である。
【0037】
図1に示すように、椅子1は、座部10と、背もたれ部20と、肘置き部30と、脚部40と、複数のキャスタ100とを備える。なお、以降において、肘置き部30が並ぶ方向を左右とする。椅子1は、移動体の一例である。また、以降において、座部10、背もたれ部20、肘置き部30及び脚部40を椅子本体とも記載する。椅子本体は、キャスタ100が取り付けられる対象物の一例である。
【0038】
座部10は、椅子1に着座する人の臀部及び大腿部を支える。座部10は、平坦な面(座面)を有する。座面は、例えば、設置面と平行な面である。座部10は、例えば、クッション性を有していてもよい。なお、本実施の形態では、座部10には、人の着座を検知するためのセンサ(例えば、感圧センサ)などは設けられていない。これにより、座部10にセンサが設けられていることに起因する人が着座するときの違和感を抑制することができる。つまり、本実施の形態に係る椅子1は、座り心地が低下することなく、後述するように人の着座を検知可能である。座部10は載置体の一例であり、人は載置体に載置される物体の一例であり、着座することは載置することの一例である。
【0039】
背もたれ部20は、座部10の端から立設して設けられ、着座する人の背部を支える。背もたれ部20は、例えば、クッション性を有していてもよい。また、背もたれ部20は、リクライニング可能であってもよい。
【0040】
肘置き部30は、座部10に固定して設けられ、着座する人の前腕を支える。肘置き部30は、平坦な面を有する。肘置き部30は、例えば、クッション性を有していてもよい。
【0041】
脚部40は、座部10を支持し、かつ、椅子1を移動可能とするためのキャスタ100が取り付けられる部分である。脚部40は、支柱41と、脚羽根42とを有し、脚羽根42の中心部に支柱41が立設する。支柱41の上端側に座部10などが回転可能に取り付けられる。支柱41には、座部10を昇降可能に支持する上下昇降機構が設けられていてもよい。脚羽根42は、キャスタ100の取り付けピン110(
図2A~
図3などを参照)が挿入される凹部を有している。
【0042】
キャスタ100は、椅子1を移動可能とするために、設置面に転動可能に接地するように脚部40に取り付けられている。キャスタ100は、電池を有したり外部から電力供給を受けたりすることなく、人の着座及び離座の少なくとも一方を検知し、検知情報を無線通信で外部の受信装置に送信可能に構成される。本実施の形態では、キャスタ100は、人の着座及び離座の両方を検知可能に構成される。
【0043】
これにより、椅子1のユーザから遠隔にいる人(例えば、受信装置を所持する管理者、保護者など)に、ユーザの着座状態を知らせることができる。また、受信装置において着座状態の履歴が記録されることで、椅子1の使用頻度の算出、椅子1の消耗度の推定、椅子1(人員)の配置の最適化に当該履歴を利用することができる。また、受信装置において着座状態が表示されることで、着座状態を容易に可視化することができる。また、キャスタ100は、電池を有していないので、電池交換などのメンテナンスが不要であり、かつ、電池から電力を得るための配線が不要である。キャスタ100の構成は、後述する。
【0044】
キャスタ100は、椅子1に予め取り付けられていてもよい。キャスタ100は、例えば、ユーザが椅子1を購入する時点で当該椅子1に取り付けられていてもよい。キャスタ100は、例えば、椅子1の製造段階で椅子1に取り付けられていてもよい。また、キャスタ100は、後付けで椅子1に取り付けられてもよい。キャスタ100は、例えば、ユーザが使用中の椅子1のキャスタと交換する形で取り付けられてもよい。これにより、椅子自体を交換することなく、キャスタの交換だけで着座検知及び離座検知が可能な椅子1を実現することができる。つまり、低コストで手間がかからずに、着座検知及び離座検知が可能な椅子1を実現することができる。
【0045】
なお、
図1では、椅子1に5つのキャスタ100が設けられる例を示しているが、キャスタ100の数は特に限定されない。椅子1が備えるキャスタ100の数は、4つであってもよいし、6つ以上であってもよい。
【0046】
上記のように構成される椅子1は、例えば、事務用椅子であるがこれに限定されず、人が座る移動可能な椅子であればよい。
【0047】
[1-2.キャスタの構成]
次に、上記のキャスタ100の構成について、
図2A~
図5を参照しながら説明する。
図2Aは、本実施の形態に係るキャスタ100の外観を示す側面図である。
図2Bは、本実施の形態に係るキャスタ100の外観を示す正面図である。
図3は、本実施の形態に係るキャスタ100の分解斜視図である。
図4は、本実施の形態に係るキャスタ100の負荷時の状態を示す断面図である。
図5は、本実施の形態に係るキャスタ100の無負荷時の状態を示す断面図である。なお、
図4及び
図5では、便宜上、本体部150の断面ハッチングの図示を省略している。なお、側面図は、X軸プラス側からX軸マイナス側に向かってキャスタ100を見たときの図であり、正面図は、Y軸プラス側からY軸マイナス側に向かってキャスタ100を見たときの図である。
【0048】
本実施の形態に係るキャスタ100は、人の着座及び離座のそれぞれにおいて発電し、所定の信号(無線通信信号)を送信可能に構成されている点に特徴を有する。
【0049】
図2A~
図5に示すように、キャスタ100は、取り付けピン110と、キャップ120と、可動部130と、復帰ばね140と、本体部150と、回転部160と、発電部170と、送信部180と、押圧部190と、ビスS1及びS2とを備える。キャスタ100は、人の着座及び離座のそれぞれにおいて発電するための沈み込み機構を有し、本実施の形態では、沈み込み機構は、可動部130と、復帰ばね140とにより構成される。
【0050】
取り付けピン110は、キャスタ100を椅子1の脚部40に取り付けるための部材である。取り付けピン110が脚羽根42の凹部に挿入されることで、キャスタ100が脚部40に着脱自在に取り付けられる。
【0051】
取り付けピン110は、取り付けピン110の軸方向(Z軸方向)に沿って上方向及び下方向に移動可能である。取り付けピン110の軸方向におけるストローク量は、数ミリmmであり、例えば、2mm以下である。つまり、取り付けピン110は、人が着座したときに最大で数ミリ(例えば2mm)しか下方向に移動しない。取り付けピン110の沈み込み量が数ミリ(例えば2mm)と少ないことで、人が着座時に違和感を持ちにくく、無意識下の中で人の着座を検知可能なキャスタ100を実現することができる。
【0052】
取り付けピン110は、円柱状であり、軸方向に長尺である。取り付けピン110は、金属又は樹脂により形成される。
【0053】
キャップ120は、可動部130及び復帰ばね140を本体部150に収容するための蓋である。キャップ120は、可動部130の上方向への移動を規制する機能を有する。
【0054】
キャップ120はリング状であり、可動部130の上端が位置し、かつ、取り付けピン110の下部が挿通される開口121、及び、キャップ120を本体部150に取り付けるためのビスS1が挿通される貫通孔122が形成されている。キャップ120は、樹脂又は金属により形成される。
【0055】
可動部130は、取り付けピン110の軸方向における下方向(Z軸マイナス方向)の移動に伴って当該下方向に移動する。可動部130は、下方向に移動することで、X軸プラス側からX軸マイナス側を見た場合、回転部160を回転軸J2中心に反時計回りに回転させるように取り付けられている。可動部130は、上部131と下部132とを有する。上部131と下部132とは、一体形成されている。なお、可動部130は、復帰ばね140の反発力に耐え得る材料で形成される。可動部130は、硬質な樹脂又は金属により形成される。
【0056】
上部131は、下部132より直径が大きい円筒状の部分である。上部131は、上端に軸方向に延在する凹部134が形成されており、凹部134内に取り付けピン110の下部を収容する。凹部134を形成する底面と、取り付けピン110の底面とは、当接している。凹部134の大きさ(直径、深さなど)は、取り付けピン110の大きさに応じた大きさである。
【0057】
また、上部131の下面は、復帰ばね140の上端と接触している。可動部130は、下方向の移動に伴い、復帰ばね140を下方向に圧縮する。
【0058】
下部132は、上部131より直径が小さい円柱状の部分である。下部132は、復帰ばね140の内部を挿通する。下部132の下側には、周状に凹部133が形成されている。凹部133は、回転部160と可動部130と接続するために設けられ、具体的には回転部160の凸部161が取り付けられる。
【0059】
復帰ばね140は、可動部130の下方向の移動に伴い圧縮し、取り付けピン110への負荷が取り除かれる(例えば、人が離座する)と当該圧縮による反発力により可動部130を元の位置に復帰させる。本実施の形態では、復帰ばね140は、圧縮コイルばねである。なお、復帰ばね140は、圧縮コイルばねであることに限定されない。復帰ばね140は、弾性体の一例である。
【0060】
復帰ばね140は、取り付けピン110に所定以上の荷重が加わったときに圧縮するように強度が調整されていてもよい。言い換えると、復帰ばね140は、座部10に所定以上の重さの物体が載置されたときに圧縮するように強度が調整されていてもよい。キャスタ100が椅子1に用いられる場合、所定以上の荷重は、人の体重に応じて決定される。これにより、座部10に荷物などの人より軽い物体が載置されたときに、取り付けピン110が下方向に移動することを抑制することができる。つまり、キャスタ100の誤検知を抑制することができる。また、復帰ばね140は、取り付けピン110のストローク量が2mm以下となるように調整されていてもよい。なお、強度の調整とは、復帰ばね140のばね定数、長さ、巻き数などを調整することを含む。
【0061】
本体部150は、取り付けピン110により、水平面(X-Y平面)内で回動可能に脚部40に取り付けられる。本体部150は、水平方向(
図2Aの例ではX軸方向)に沿った回転軸J1を中心として回転可能に取り付けられる車輪151を有する。車輪151は、本体部150の左右に一つずつ設けられるが、車輪151の数はこれに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0062】
本体部150には、上面に軸方向に延在する凹部152が形成されており、本体部150は、凹部152内に可動部130及び復帰ばね140を収容する。また、本体部150には、ビスS1を用いてキャップ120を本体部150に取り付けるための取り付け用のビス孔153が形成されている。凹部152は、少なくとも一部が第1押圧部191(
図4及び
図5を参照)の位置まで貫通している。
【0063】
回転部160は、Y軸マイナス側の端部に一対の凸部161を有する。凸部161は、回転部160のY軸プラス側の端部に形成された内側に突出する突起である。凸部161は、可動部130の凹部133に嵌合する。これにより、回転部160は、可動部130の上下方向に移動に伴って回転軸J2を中心として回転する。
【0064】
このように、回転部160は、一端(Y軸マイナス側の端部)が可動部130と接続され、可動部130の移動に伴って回転する。回転部160のX軸プラス側の端部は、第1押圧部191及び第2押圧部192のうち第2押圧部192とのみ接触するように配置される。また、回転部160は、例えば、回転軸J2を中心として回転可能に発電部170に取り付けられる。
【0065】
発電部170、送信部180及び押圧部190としては、例えば、国際公開第2019/073767号(特許文献2)に開示されている発電装置を適用することが可能である。以下、発電部170、送信部180及び押圧部190について簡単に説明する。
【0066】
発電部170は、可動部130の下方向への移動、及び、可動部130の復帰(上方向への移動)に伴って発電する。本実施の形態では、発電部170は、可動部130の移動、及び、可動部130の復帰のそれぞれにおいて、互いに異なる電気信号(例えば、極性が逆向きとなる誘導起電力)を出力する。このように、発電部170は、可動部130の上下方向の移動に伴って発電する。つまり、発電部170は、座部10に人が着座したとき、及び、人が離座したときのそれぞれで発電する。発電部170は、人が座部10に座った重みで発電するとも言える。なお、発電部170は、車輪151の回転を用いた発電を行わない。発電部170は、ビスS2を用いて本体部150に固定される。
【0067】
図4及び
図5に示すように、発電部170は、ばね部材171と、可動部材172と、永久磁石173及び174と、コイル175と、コア176と、ケース177とを有する。
【0068】
ばね部材171は、押圧部190からの力を可動部材172に伝達するための部材である。押圧部190が移動する(回転する)と、ばね部材171は押圧部190からの力を受けて変形し(圧縮され)、これによりばね部材171には弾性エネルギーが蓄えられる。ばね部材171は、このように押圧部190からの力を受けて蓄えたエネルギー(弾性エネルギー)を、可動部材172に向けて解放することにより、押圧部190からの力を可動部材172に伝達するように構成される。
【0069】
ばね部材171は、押圧部190の回転軸J3を中心とするシーソーの動きを、可動部材172のY軸方向の動きに変換する。ばね部材171は、弾性を有する板材、例えば、ステンレス(SUS)などの金属板にて構成される。つまり、本実施の形態では、ばね部材171は板ばねである。ばね部材171は、中央部分が厚み方向(上下方向)に凸となるように所定の曲率で円弧状に湾曲する形状を有する。言い換えると、ばね部材171は、U字状の湾曲部を有する。
【0070】
可動部材172は、ばね部材171からの力によりY軸方向に沿って可動可能に構成される。可動部材172は、第1押圧部191の下方の位置から永久磁石174の位置まで、Y軸方向に長尺である。可動部材172には、永久磁石173及び174が固定される。つまり、可動部材172は、ばね部材171からの力によりY軸方向に沿って永久磁石173及び174とともに移動可能に構成される。可動部材172は、例えば、樹脂により形成される。
【0071】
永久磁石173及び174は、コイル175及びコア176を挟むように可動部材172に固定される。永久磁石173及び174は、いずれも矩形板状に形成されている。本実施の形態では、永久磁石173は、X軸プラス側の面がN極、X軸マイナス側の面がS極となるように磁極性が設定されており、永久磁石174は、X軸プラス側の面がS極、X軸マイナス側の面がN極となるように磁極性が設定されている。
【0072】
永久磁石173のN極及びS極のそれぞれには、コイル175から突出したコア176と接触可能な一対のヨーク(図示しない)が永久磁石173と接触して設けられている。当該一対のヨークは、永久磁石173のN極と接触する第2のN極側ヨーク(永久磁石173のX軸プラス側の配置されるヨーク)と、永久磁石173のS極と接触する第2のS極側ヨーク(永久磁石173のX軸マイナス側の配置されるヨーク)とを含む。
【0073】
永久磁石174のS極及びN極のそれぞれには、コイル175から突出したコア176と接触可能な一対のヨーク(図示しない)が永久磁石174と接触して設けられている。当該一対のヨークは、永久磁石174のS極と接触する第1のS極側ヨーク(永久磁石174のX軸プラス側の配置されるヨーク)と、永久磁石174のN極と接触する第1のN極側ヨーク(永久磁石174のX軸マイナス側の配置されるヨーク)とを含む。
【0074】
永久磁石173は、永久磁石173の一対のヨークがコア176に接触する位置に可動部材172を保持する吸着力を発生する。
【0075】
永久磁石174は、永久磁石174の一対のヨークがコア176に接触する位置に可動部材172を保持する吸着力を発生する。
【0076】
可動部材172と、永久磁石173及び永久磁石173の一対のヨークと、永久磁石174及び永久磁石174の一対のヨークとは、押圧部190の回転に伴って一体でY軸方向に移動する。
【0077】
コイル175は、コイルボビンに巻き付けられた導線によって構成される。コイル175は、送信部180の信号処理回路に電気的に接続されている。
【0078】
コア176は、例えば珪素鋼板などの磁性材料にて構成されている。コア176は、X軸方向に長尺であり、コイル175の内部を貫通する。コア176はコイル175よりX軸方向の長さが長く、コア176の両端は、コイル175から突出するように配置される。
【0079】
コイル175とコア176とは、ケース177に対して固定さてれおり、押圧部190の回転に伴ってY軸方向に移動しない。
【0080】
ケース177は、ばね部材171と、可動部材172と、永久磁石173及び174と、コイル175と、コア176と、押圧部190とを収容する収容体である。ケース177は、上方に開口を有する箱状である。ケース177は、例えば、樹脂により形成される。
【0081】
送信部180は、発電部170により生成される電力に基づく信号をキャスタ100の外部の受信装置に無線通信で送信する。送信部180は、発電部170により電力が生成されるたびに信号をキャスタ100の外部の受信装置に送信する。受信装置は、予め設定されている。受信装置は、例えば、ユーザ、又は、ユーザの管理者の携帯端末であってもよい。
【0082】
送信部180は、カバー181と、プリント基板182と、アンテナ183と、プリント基板182に実装される種々の電子部品(図示しない)とを有している。プリント基板182と、アンテナ183と、電子部品とは電気的に接続されており、信号処理回路を形成する。
【0083】
カバー181は、信号処理回路を覆うように設けられる。カバー181は、例えば、樹脂により形成される。
【0084】
プリント基板182に実装される電子部品は、例えば、電源回路、制御回路、メモリ及び送信回路などを構成する。アンテナ183は、プリント基板182の上面に実装されている。
【0085】
信号処理回路は、発電部170で発生した電力を電源として用いて動作する。さらに、信号処理回路は、発電部170で発生する電力を電気信号として用い、この電気信号に応じて検知情報を生成する。信号処理回路は、コイル175に流れる電流の向きを検知可能に構成される。信号処理回路は、例えば、電流の向きを検知するCT(Current Trasformer)センサを含んで構成されてもよい。そして、信号処理回路は、コイル175に電流が発生した場合、発生した電流の向きを判定し、判定結果に応じた検知情報を生成する。信号処理回路は、発生した電流の向きごとに互いに異なる情報を含む検知情報を生成する。本実施の形態では、信号処理回路は、電流の向きに応じて、着座を検知したことを示す情報、及び、離座を検知したことを示す情報のいずれかを含む検知情報を生成する。
【0086】
信号処理回路は、生成した検知情報を、電波を伝送媒体とする無線通信によって、アンテナ183からキャスタ100の外部の受信装置に送信する。信号処理回路は、可動部130の移動時、及び、可動部130の復帰時のそれぞれにおいて、互いに異なる信号を送信する。互いに異なる信号は、例えば、可動部130の移動時、及び、可動部130の復帰時のそれぞれに対応する信号である。信号処理回路は、例えば、座部10に所定以上の荷重が加わることで人が着座したことを示す信号を送信し、かつ、所定以上の荷重が取り除かれることで人が離座したことを示す信号を送信する。
【0087】
なお、信号処理回路の通信方式は、例えばWiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、特定小電力無線などであるが、特に限定されない。なお、特定小電力無線は、免許及び登録を必要としない小電力無線であって、例えば日本国においては、420MHz帯又は920MHz帯の電波を使用する小電力無線である。
【0088】
押圧部190は、可動部130及び回転部160により回転軸J3を中心に回転可能にケース177に取り付けられる。押圧部190は、回転することにより、永久磁石173及び174のうちどちらの永久磁石のヨークがコア176と接触するかを切り替えることが可能である。
【0089】
押圧部190は、第1押圧部191及び第2押圧部192を有している。第1押圧部191及び第2押圧部192は互いにY軸方向に離間している。
図4及び
図5の例では、第1押圧部191は、第2押圧部192よりY軸マイナス側に位置している。
【0090】
第1押圧部191は、押圧部190のY軸マイナス側の端部から可動部130側(Z軸プラス側)に突出して設けられ、可動部130のZ軸マイナス側の端部と接触している。第1押圧部191は、例えば、着座時、及び、離座時のそれぞれにおいて、可動部130のZ軸マイナス側の端部と接触している。第1押圧部191は、可動部130の下方向への移動時に可動部130により下方向に押下される。これにより、押圧部190は
図4の例では回転軸J3を中心に反時計回りに移動(回転)する。
【0091】
第2押圧部192は、押圧部190のY軸プラス側の端部から回転部160側(Z軸プラス側)に突出して設けられ、回転部160のY軸プラス側の部分と接触している。第2押圧部192は、例えば、着座時、及び、離座時のそれぞれにおいて、回転部160のY軸プラス側の部分と接触している。第2押圧部192は、可動部130の復帰時に回転部160のY軸プラス側の部分により下方向に押下される。第2押圧部192は、復帰ばね140による可動部130の上方向への移動に伴い、回転部160のY軸プラス側の部分(回転部160の他端の一例)により下方向に押下されるとも言える。これにより、押圧部190は
図4の例では回転軸J3を中心に時計回りに回転する。
【0092】
このように、第1押圧部191は、人が着座したときの応力により回転し、第2押圧部192は、人が離座したときの復帰ばね140の反発力により回転する。また、第1押圧部191が押下されたときと、第2押圧部192が押下されたときとで、押圧部190は、互いに反対方向に回転する。
【0093】
図2Aに示すように、発電部170及び送信部180は、上下方向において、車輪151の回転軸J1と、車輪151の最下端(設置面と接触する部分)との間の位置に配置される。発電部170及び送信部180は、設置面とは接触していない。
【0094】
図2Bに示すように、発電部170及び送信部180は、2つの車輪151の間に配置される。発電部170及び送信部180は、キャスタ100に埋め込まれている(一体化されている)とも言える。発電部170及び送信部180の幅(X軸方向の長さ)は、例えば、15mm程度である。これにより、キャスタ100の高さを発電部170及び送信部180を備えていない他のキャスタ(通常のキャスタ)と同等にすることができるので、キャスタ100の汎用性が向上する。また、発電部170及び送信部180に人の足などの障害物が接触することにより、発電部170及び送信部180が故障するリスクを低減することができる。
【0095】
なお、椅子1は、複数のキャスタのうち、上記に示すキャスタ100を少なくとも1つ備えていればよい。複数のキャスタのうち、キャスタ100以外の1以上の他のキャスタは、車輪151、取り付けピン110、可動部130、復帰ばね140、発電部170及び送信部180のうち車輪151、取り付けピン110、可動部130及び復帰ばね140のみを有していてもよい。1以上の他のキャスタは、例えば、キャスタ100が有する構成のうち、発電部170及び送信部180を有していない構成であってもよい。つまり、1以上の他のキャスタは、沈み込み機構を有し、発電機能及び送信機能を有していない構成であってもよい。
【0096】
[1-3.キャスタの動作]
次に、上記のように構成されるキャスタ100の着座時、及び、離座時の動作について、
図4及び
図5を参照しながら説明する。
【0097】
[1-3-1.着座時の動作]
まずは、上記のように構成されるキャスタ100の着座時(負荷時)の動作について、
図4を参照しながら説明する。なお、以下において、コア176と永久磁石174の一対のヨークとが接触するときの可動部材172の位置を第1位置とし、コア176と永久磁石173の一対のヨークとが接触するときの可動部材172の位置を第2位置として説明する。第1位置と第2位置とは、Y軸方向の位置であり、可動部材172は、第1位置と第2位置との間を移動可能である。また、可動部材172は、人が着座していないとき(無負荷時)、第1位置に保持されている。
【0098】
人が椅子1に着座すると、脚部40から取り付けピン110に下方向に応力(負荷)が加わり、取り付けピン110は、軸方向の下方向に移動する。具体的には、取り付けピン110は、人が椅子1に着座すると、可動部130を押すことで可動部130とともに下方向に移動する。このとき、復帰ばね140は、可動部130の上部131の底面に押されて圧縮される。
【0099】
可動部130は、下方向に移動することで、押圧部190の第1押圧部191を下方側に押す。これにより、押圧部190は、回転軸J3を中心に回転(
図4の例では、反時計回りに回転)する。ばね部材171は、第1押圧部191が下方向に移動することで、Y軸マイナス側の端部が押されてばね部材171の両端の間隔が狭くなって湾曲部が曲率半径を小さくするように変形する(圧縮される)。そのため、ばね部材171に弾性エネルギーが蓄積され、ばね部材171には復元力が発生する。
【0100】
可動部材172は、永久磁石174の生じる吸着力によって第1位置に保持されているので、永久磁石174の吸着力よりばね部材171の復元力の方が大きくなると、永久磁石174による可動部材172の保持状態が解除され、ばね部材171の弾性エネルギーが解放される。このとき、ばね部材171の復元力が可動部材172をY軸プラス側に移動させる。その結果、可動部材172は、可動範囲の終端位置である第2位置まで、比較的高速に移動する。可動部材172が第1位置から第2位置に移動すると、可動部材172に保持されている永久磁石173の一対のヨークの運動エネルギーが電気エネルギーに変換され、発電部170にて電力が発生する。
【0101】
発電部170は、永久磁石173及び174の一対のヨークの移動に伴って、コア176を通る磁束の向きが変化することにより、コイル175から電力を発生する。例えば、可動部材172が第1位置にある状態では、コア176に永久磁石174の一対のヨークが接触するので、第1のN極側ヨーク、コア176、及び、第1のS極側ヨークにより、永久磁石174の生じる磁束を通す磁路が形成される。これにより、コア176を通る磁束の向きはX軸マイナス側からX軸プラス側に向かう向きになる。
【0102】
取り付けピン110に下方向の応力が加わることで、可動部材172が第1位置から第2位置に移動すると、コア176に永久磁石173の一対のヨークが接触するので、第2のN極側ヨーク、コア176、及び、第2のS極側ヨークにより、永久磁石173の生じる磁束を通す磁路が形成される。これにより、コア176を通る磁束の向きはX軸プラス側からX軸マイナス側に向かう向きになる。発電部170は、可動部材172の移動に伴ってコイル175中の磁場が変化することにより、コイル175に誘導電流が流れる、電磁誘導によって発電を行う。
【0103】
また、このとき、回転部160は、可動部130の下方向への移動に伴い、回転軸J2を中心に回転(
図4の例では、反時計回りに回転)する。これにより、第1押圧部191が押下されることによる押圧部190の回転(
図4の例では、反時計回りに回転)が回転部160により阻害されることを抑制することができる。
【0104】
なお、可動部材172は、永久磁石173の吸着力により、人が離座するまで第2位置で保持され続ける。
【0105】
[1-3-2.離座時の動作]
次に、上記のように構成されるキャスタ100の離座時(無負荷時)の動作について、
図5を参照しながら説明する。
【0106】
人が椅子1から離座すると、復帰ばね140の反発力により可動部130に上方向への力が加わり、可動部130は、軸方向の上方向に移動する。具体的には、可動部130は、人が椅子1から離座すると、取り付けピン110を押すことで取り付けピン110とともに上方向に移動する。このとき、復帰ばね140は、圧縮されている状態から解放される。復帰ばね140は、人が着座する前の状態に戻る。
【0107】
復帰ばね140は、椅子本体の重さが取り付けピン110に加わっている状態で、反発力により、取り付けピン110及び可動部130を上方向に押し上げ可能なように設計されている。
【0108】
可動部130は、上方向に移動することで、押圧部190の第2押圧部192を下方側に押す。具体的には、可動部130が上方向に移動することで、可動部130と嵌合する回転部160のY軸マイナス側の部分(凸部161が形成されている部分)が可動部130とともに上方向に移動する。これにより、押圧部190は、回転軸J3を中心に回転(
図4の例では、時計回りに回転)する。ばね部材171は、第2押圧部192が下方向に移動することで、Y軸プラス側の端部が押されてばね部材171の両端の間隔が狭くなって湾曲部が曲率半径を小さくするように変形する(圧縮される)。そのため、ばね部材171に弾性エネルギーが蓄積され、ばね部材171には復元力が発生する。
【0109】
可動部材172は、永久磁石173の生じる吸着力によって保持されているので、永久磁石173の吸着力よりばね部材171の復元力の方が大きくなると、永久磁石173による可動部材172の保持状態が解除され、ばね部材171の弾性エネルギーが解放される。このとき、ばね部材171の復元力が可動部材172をY軸マイナス側に移動させる。その結果、可動部材172は、可動範囲の終端位置である第1位置まで、比較的高速に移動する。可動部材172が第2位置から第1位置に移動すると、可動部材172に保持されている永久磁石174の一対のヨークの運動エネルギーが電気エネルギーに変換され、発電部170にて電力が発生する。
【0110】
可動部材172が第2位置にある状態では、コア176に永久磁石173の一対のヨークが接触しているので、第2のN極側ヨーク、コア176、及び、第2のS極側ヨークにより、永久磁石173の生じる磁束を通す磁路が形成される。これにより、コア176を通る磁束の向きはX軸プラス側からX軸マイナス側に向かう向きになる。
【0111】
可動部130に上方向の力が加わることで、可動部材172が第2位置から第1位置に移動すると、コア176に永久磁石174の一対のヨークが接触するので、第1のN極側ヨーク、コア176、及び、第1のS極側ヨークにより、永久磁石174の生じる磁束を通す磁路が形成される。これにより、コア176を通る磁束の向きはX軸マイナス側からX軸プラス側に向かう向きになる。発電部170は、可動部材172の移動に伴ってコイル175中の磁場が変化することにより、コイル175に誘導電流が流れる。ここで生じる誘導電流は、着座時に生じる誘導電流と電流の向きが反対である。
【0112】
なお、可動部材172は、永久磁石174の吸着力により、次に人が着座するまで第1位置で保持され続ける。
【0113】
以上のように、本実施の形態に係るキャスタ100は、人の着座に伴う応力により取り付けピン110及び可動部130が下方向に移動し、第1押圧部191を押し下げ、人の離座時の復帰ばね140の反発力により取り付けピン110及び可動部130が上方向に移動することで回転部160が
図4の例では時計回りに回転し、第2押圧部192を押し下げる。これにより、発電部170は、第1押圧部191が押下され押圧部190が回転したとき、及び、第2押圧部192が押下され押圧部190が回転したときのそれぞれで発電する。言い換えると、発電部170は、可動部材172のY軸方向の移動に伴い、着座時、及び、離座時のそれぞれにおいて、コイル175から電力を発生可能である。
【0114】
上記のように、着座時と離座時とで、コイル175に流れる誘導電流の向きが異なる。言い換えると、着座時と離座時とで、発生する誘導起電力の極性が逆向きとなる。送信部180の信号処理回路は、コイル175と電気的に接続されており、当該誘導電流の向きをCTセンサなどにより検知し、検知結果に応じた信号を外部の受信装置に送信する。
【0115】
このように、本実施の形態に係るキャスタ100は、人が着座したことを検知する着座検知機能、及び、人が離座したことを検知する離座検知機能を有する。例えば、キャスタ100から送信される信号が出欠確認に用いられることで、人が出欠確認を行う手間を省くことができる。例えば、キャスタ100から送信される信号がWeb会議の出欠確認に用いられることで、出欠確認を行うための通信量を削減することが可能である。
【0116】
また、カメラ、赤外線などを用いたセンサ又はウェアラブルデバイス装着により、着座及び離座を検知可能することはであるが、これらは作業阻害、長時間装着によるモチベーション維持に課題がある。本実施の形態に係るキャスタ100は、人に意識させることなく、着座及び離座の検知することができるので、これらの課題が生じない。
【0117】
(実施の形態2)
以下では、本実施の形態に係るキャスタについて、
図6~
図10を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0118】
[2-1.キャスタの構成]
まずは、本実施の形態に係るキャスタの構成について、
図6~
図8を参照しながら説明する。
図6は、本実施の形態に係るキャスタ100aの部分分解斜視図である。
図7は、本実施の形態に係る調整部300の取り付けを説明するための図である。
図8は、本実施の形態に係るキャスタ100aの斜視断面図である。なお、
図8では、便宜上、本体部250のハッチングの図示を省略している。本実施の形態に係るキャスタ100aは、復帰ばね140のばね圧を調整する機構を備える点において、実施の形態1に係るキャスタ100と相違する。
【0119】
キャスタ100aは、様々な椅子に取り付けられ得るので、キャスタ100aが取り付けられる椅子本体の重さは様々である。この場合、椅子本体の重さの違いにより人が着座していない状態での復帰ばね140のばね圧に差が生じるので、人の着座の検知、つまり発電部170による発電の有無に影響を及ぼし得る。そこで、本実施の形態では、人の着座をより正確に検知するために、椅子本体の重さに依存せずに着座を検知可能なキャスタ100aについて説明する。
【0120】
図6~
図8に示すように、キャスタ100aは、キャップ220と、取り付けピン部210を含む可動部230と、復帰ばね140と、本体部250と、回転部160と、発電部170と、送信部180と、押圧部190と、ビスS1及びS2と、調整部300とを備える。キャスタ100aは、復帰ばね140のばね圧を調整する機構として調整部300を備える。
【0121】
キャップ220は、ビスS1が挿通される貫通孔の位置が実施の形態1のキャップ120と異なるが、機能はキャップ120と同様である。キャップ220は、リング状である。
【0122】
キャップ220の表面には、さらに目盛が設けられていてもよい。例えば、Z軸方向から見た場合の取り付けピン部210の貫通孔234の方向に応じた目盛が、キャップ220の表面に設けられていてもよい。目盛は、例えば、椅子本体の重さを示していてもよいし、推定されるばね圧を示していてもよい。また、目盛は、数値ではなく、椅子本体の識別情報(例えば、型番)であってもよい。
【0123】
可動部230は、取り付けピン部210と、上部231と、下部232とを有する。取り付けピン部210と、上部231と、下部232とは、例えば、一体形成されている。可動部230は、取り付けピン部210の軸方向(Z軸方向)を回転軸とし回転可能である。
【0124】
取り付けピン部210は、キャスタ100aを椅子1の脚部40に取り付けるための部分であり、実施の形態1における取り付けピン110と同様の機能を有する。また、取り付けピン部210には、X軸方向に貫通する貫通孔234が形成されている。貫通孔234は、ばね圧を調整するための工具400(
図10を参照)を挿通するために設けられる。貫通孔234は、各部材を組み立てたときにキャップ220より上方の位置に設けられる。貫通孔234の形状は、円形状であるがこれに限定されず、工具400の形状に応じた形状であればよい。
【0125】
上部231は、実施の形態1の上部131に相当する。上部231は、例えば、柱状であり、凹部は形成されていない。
【0126】
下部232は、実施の形態1の下部132に加えて、雄ねじのねじ山235が形成されている。ねじ山235は、調整部300の内面に形成された雌ねじのねじ山320とねじ嵌合する(ねじ締結する)ために形成されている。ねじ山235とねじ山320とのねじ嵌合により、可動部230に調整部300が保持される。
【0127】
可動部230は、上部231と下部232との境界に、可動部230の外周面から径方向外側の突出する周状の突起である凸部236を有する。凸部236は調整部300の凸部330と当接することで、調整部300の上方向への移動を規制する。
【0128】
調整部300は、復帰ばね140のばね圧を調整するための部品である。調整部300は、円筒状であり、可動部230の軸方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔310が形成されている。貫通孔310には、可動部230の下部232が挿通される。また、調整部300の内面には、上記でも説明した雌ねじのねじ山320が形成されている。ねじ山320は、例えば、タップ加工により形成されるが、形成方法はこれに限定されない。
【0129】
調整部300は、可動部230の外周面からZ軸方向に沿って突出する突起である凸部330を有する。凸部330は、例えば、2つ設けられるが、数は特に限定されない。凸部330は、本体部250に設けられる凹部258内に配置される。
【0130】
調整部300の下面には復帰ばね140の上端が当接する。また、調整部300は、可動部230の上方向及び下方向の移動に伴い、上方向及び下方向に移動する。また、調整部300は、可動部230の回転軸での回転により上下に移動することで復帰ばね140の初期的なばね圧を調節する。なお、初期的とは、人が着座していない無負荷な状態を意味する。
【0131】
調整部300は、復帰ばね140の反発力に耐え得る材料で形成される。調整部300は、硬質な樹脂又は金属により形成される。
【0132】
本体部250は、形状が実施の形態1の本体部150と異なるが、本体部150と同様の機能を有する。また、本体部250は、上面において上方に突出する円周状の突起であり、一部に凹部256が形成された凸部255を有する。凹部256には、ビスS1の一部が位置する。
【0133】
また、本体部250は、凹部152を形成する内面257の一部が切り欠かれた形状を有する。つまり、本体部250には、内面側に凹部258が形成されている。凹部258内には、調整部300の凸部330が配置される。凸部330と凹部258とは、凹凸嵌合するとも言える。これにより、調整部300が可動部230の軸方向を中心に回転する場合、凸部330が凹部258内の壁に当接するので、調整部300の回転が規制される。このように、調整部300は、可動部230の軸方向を中心とした回転が規制された状態で、本体部250に収容される。
【0134】
また、本体部250は、車輪151が回転する回転軸部254が露出している。
【0135】
図8に示すように、凹部258は、各部材を組み立てたときに空間が形成される。つまり、凹部258の深さdは、調整部300の厚みtより大きい。この深さdと厚みtとの差が、調整部300の移動可能範囲である。
【0136】
上記のように構成されるキャスタ100aは、可動部230を軸方向を中心に回転させることで、可動部230の位置は固定された状態で、本体部250に収容されている調整部300の位置を上方向及び下方向に移動させることができる。
【0137】
[2-2.復帰ばねのばね圧の調整方法]
次に、上記のように構成されるキャスタ100aにおける、復帰ばね140のばね圧の調整方法について、
図9A~
図10を参照しながら説明する。
図9Aは、本実施の形態に係るキャスタ100aのばね圧調整を説明するための第1図である。
図9Bは、本実施の形態に係るキャスタ100aのばね圧調整を説明するための第2図である。
図9Aでは、椅子本体が軽いときの調整方法を示し、
図9Bでは、椅子本体が重いときの調整方法を示す。なお、
図9A及び
図9Bは、
図8に示す破線枠の領域を図示している。また、
図9A及び
図9Bでは、回転軸部254などの図示を省略している。
【0138】
図9Aに示すように、椅子本体が軽い場合、復帰ばね140の初期的なばね圧は低く設定されるので、取り付けピン部210(可動部230)を工具400などにより軸方向を中心に回転(例えば、時計回りに回転)させることで、調整部300が上方向に移動し、復帰ばね140が配置されるスペースが広くなるので、復帰ばね140の歪み量が低減し、その結果ばね圧が低減する。
【0139】
図9Bに示すように、椅子本体が重い場合、復帰ばね140の初期的なばね圧は高く設定されるので、取り付けピン部210(可動部230)を工具400などにより軸方向を中心に回転(例えば、反時計回りに回転)させることで、調整部300が下方向に移動し、復帰ばね140が配置されるスペースが狭くなるので、復帰ばね140の歪み量が増加し、その結果ばね圧が増加する。
【0140】
使用前に椅子本体の重さに応じて調整部300を上方向又は下方向に移動させることにより、椅子本体の重さに依存せずに人の着座を検知可能なキャスタ100aを実現することができる。
【0141】
ここで、可動部230の回転方法の一例について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、本実施の形態に係るキャスタ100aの可動部230の回転方法の一例を示す図である。
【0142】
図10に示すように、可動部230の回転(取り付けピン部210の回転)は、6角レンチなどの棒状の工具400を貫通孔234に挿入して行われる。可動部230が軸方向を回転軸として回転するように工具400を回転させることで、ばね圧を高くする場合であっても容易に可動部230を回転させることができる。つまり、ばね圧を高くする場合であっても容易に調整することができる。
【0143】
(その他の実施の形態)
以上、一つ又は複数の態様に係るキャスタなどについて、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この各実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれてもよい。
【0144】
例えば、上記各実施の形態では、キャスタが椅子に取り付けられる例について説明したが、キャスタが椅子以外のものに取り付けられてもよい。キャスタは、例えば、物体が載置され移動可能な移動体に取り付けられてもよい。移動体は、例えば、キャスタつきの台車、ワゴン、テーブル、置台、ラック、スーツケース、ベビーカ及び車椅子などであってもよい。例えば、移動体が台車である場合、荷物、電気機器などは物体の一例である。この場合、キャスタは、物体の有無の検知を行うことが可能である。
【0145】
また、上記各実施の形態では、キャスタは、人の着座及び離座のそれぞれにおいて発電し、信号を送信する例について説明したが、着座及び離座の一方において信号を送信すればよい。キャスタは、着座検知機能、及び、離座検知機能の少なくとも一方の機能を有するように構成されていればよい。キャスタは、例えば、台車に取り付けられる場合、物体の重量が所定の重量を超えた場合に可動部が第1押圧部を下方向に押圧し発電部が発電するように構成されてもよい、この場合、キャスタは、上記実施の形態における着座検知機能に相当する機能のみを有していてもよい。
【0146】
また、上記各実施の形態では、送信部は、人の着座及び離座のそれぞれにおいて互いに異なる信号を送信する例について説明したが、人の着座及び離座のそれぞれにおいて同一の信号を送信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本開示は、物体が載置されるキャスタつきの移動体に有用である。
【符号の説明】
【0148】
1 椅子
10 座部
20 背もたれ部
30 肘置き部
40 脚部
41 支柱
42 脚羽根
100、100a キャスタ
110 取り付けピン
120、220 キャップ
121 開口
122、234、310 貫通孔
130、230 可動部
131、231 上部
132、232 下部
133、134、152、256、258 凹部
140 復帰ばね
150、250 本体部
151 車輪
153 ビス孔
160 回転部
161、236、255、330 凸部
170 発電部
171 ばね部材
172 可動部材
173、174 永久磁石
175 コイル
176 コア
177 ケース
180 送信部
181 カバー
182 プリント基板
183 アンテナ
190 押圧部
191 第1押圧部
192 第2押圧部
210 取り付けピン部
235、320 ねじ山
254 回転軸部
257 内面
300 調整部
400 工具
d 深さ
J1、J2、J3 回転軸
S1、S2 ビス
t 厚み