(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053648
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】電線敷設用電路及び船舶
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20230406BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20230406BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20230406BHJP
B63J 99/00 20090101ALI20230406BHJP
【FI】
H02G3/04 056
H02G3/30
F16B5/02 J
B63J99/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162813
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】502116922
【氏名又は名称】ジャパンマリンユナイテッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【弁理士】
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】上野 慎也
【テーマコード(参考)】
3J001
5G357
5G363
【Fターム(参考)】
3J001FA07
3J001GA02
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA07
3J001HA10
3J001JA10
3J001KA05
5G357BA04
5G357BB01
5G357BC05
5G363AA16
5G363DA18
5G363DC06
(57)【要約】
【課題】部品点数及び作業工数の削減を図ることができる電線敷設用電路及び船舶を提供する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る電線敷設用電路1は、電線Cを敷設する構造物Sの表面に配置される少なくとも一対の支持部材2と、電線Cを支持する支持金物3と、支持部材2に支持金物3を接続するボルト締結部4と、を備えている。また、電線敷設用電路1は、ボルト締結部4における支持金物3と支持部材2との間に所定の空間を形成する一対の脚部5を備えることを特徴としている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線を敷設する構造物の表面に配置される少なくとも一対の支持部材と、前記電線を支持する支持金物と、前記支持部材に前記支持金物を接続するボルト締結部と、を備えた電線敷設用電路であって、
前記ボルト締結部における前記支持金物と前記支持部材との間に所定の空間を形成する一対の脚部を備える、
ことを特徴とする電線敷設用電路。
【請求項2】
前記支持金物は、前記電線の敷設方向に沿って配置された一対のランナーバーと、該一対のランナーバーに直交するように配置された複数のハンガーと、を備え、前記脚部は前記ランナーバーに形成されている、請求項1に記載の電線敷設用電路。
【請求項3】
前記脚部は、前記ランナーバーを構成する溝形鋼、C形鋼又は溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼により形成される、請求項2に記載の電線敷設用電路。
【請求項4】
前記ランナーバーは、溝の開放側が前記支持部材側に配置され、前記溝の底部に前記ハンガーが接続されている、請求項3に記載の電線敷設用電路。
【請求項5】
前記ボルト締結部は、前記支持部材と前記ランナーバーとを締結する構造又は前記支持部材と前記ランナーバーと前記ハンガーとを締結する構造である、請求項2に記載の電線敷設用電路。
【請求項6】
前記ハンガーは、前記電線を支持する支持部と、前記ランナーバーに接続される屈曲部と、を備えている、請求項2に記載の電線敷設用電路。
【請求項7】
前記ハンガーは、前記構造物の表面側に凸となるように配置されている、請求項6に記載の電線敷設用電路。
【請求項8】
前記支持金物は、前記電線を支持する支持部と、該支持部の両端に形成された屈曲部と、を備え、前記脚部は前記屈曲部に形成されている、請求項1に記載の電線敷設用電路。
【請求項9】
前記支持金物は、前記構造物の表面側に凸となるように配置されている、請求項8に記載の電線敷設用電路。
【請求項10】
前記脚部は、前記支持部材に形成されている、請求項1に記載の電線敷設用電路。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか一項に記載の電線敷設用電路を備えた、ことを特徴とする船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線敷設用電路及び船舶に関し、特に、構造物の表面から離れた位置に電線を敷設するための電線敷設用電路及びかかる電線敷設用電路を備えた船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶の居住区画や機関室区画等の構造物に電線を敷設する際、天井や壁面に沿って電線を敷設することが多い。例えば、特許文献1に記載されたように、互いに平行に配列された親桁(以下、「ランナーバー」と称する。)と、ランナーバー間に一定間隔をおいて直交するように架設された子桁(以下、「ハンガー」と称する。)と、ランナーバー及びハンガーにより構成される梯子部材を構造物に取り付けるための支持部材と、を備えた電線敷設用電路が使用される。一般に、電線は、ハンガー上に配線されバンド等の固定部材により固縛される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した支持部材とランナーバーとをボルト・ナットで締結した場合、構造物から伝達される振動によりボルトが緩む可能性があることからスプリングワッシャーが必要となる。特に、船舶では支持部材の本数が多いことから、スプリングワッシャーを使用した場合には、部品点数が増加し、作業工数が増大するという問題があった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、部品点数及び作業工数の削減を図ることができる電線敷設用電路及び船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、電線を敷設する構造物の表面に配置される少なくとも一対の支持部材と、前記電線を支持する支持金物と、前記支持部材に前記支持金物を接続するボルト締結部と、を備えた電線敷設用電路であって、前記ボルト締結部における前記支持金物と前記支持部材との間に所定の空間を形成する一対の脚部を備える、ことを特徴とする電線敷設用電路が提供される。
【0007】
前記支持金物は、前記電線の敷設方向に沿って配置された一対のランナーバーと、該一対のランナーバーに直交するように配置された複数のハンガーと、を備え、前記脚部は前記ランナーバーに形成されていてもよい。
【0008】
前記脚部は、前記ランナーバーを構成する溝形鋼、C形鋼又は溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼により形成されていてもよい。
【0009】
前記ランナーバーは、溝の開放側が前記支持部材側に配置され、前記溝の底部に前記ハンガーが接続されていてもよい。
【0010】
前記ボルト締結部は、前記支持部材と前記ランナーバーとを締結する構造であってもよいし、前記支持部材と前記ランナーバーと前記ハンガーとを締結する構造であってもよい。
【0011】
前記ハンガーは、前記電線を支持する支持部と、前記ランナーバーに接続される屈曲部と、を備えていてもよい。このとき、前記ハンガーは、前記構造物の表面側に凸となるように配置されていてもよい。
【0012】
前記支持金物は、前記電線を支持する支持部と、該支持部の両端に形成された屈曲部と、を備え、前記脚部は前記屈曲部に形成されていてもよい。このとき、前記支持金物は、前記構造物の表面側に凸となるように配置されていてもよい。
【0013】
前記脚部は、前記支持部材に形成されていてもよい。
また、本発明によれば、上述した何れかの構成を含む電線敷設用電路を備えた、ことを特徴とする船舶が提供される。
【発明の効果】
【0014】
上述した本発明に係る電線敷設用電路及び船舶によれば、ボルト締結部における支持金物と支持部材との間に所定の空間を形成する一対の脚部を配置したことにより、脚部によりボルト締結部にばね力を作用させることができ、緩み止めのスプリングワッシャーを省略することができる。したがって、本発明によれば、部品点数及び作業工数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る電線敷設用電路の概観を示す斜視図であり、(A)は梯子状電路、(B)は単独電路、を示している。
【
図2】第一実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【
図3】第二実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【
図4】第三実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【
図5】第四実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【
図6】第五実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【
図7】第六実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【
図8】第七実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【
図9】第八実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【
図10】第九実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【
図11】第十実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について
図1(A)~
図11(C)を用いて説明する。ここで、
図1は、本実施形態に係る電線敷設用電路の概観を示す斜視図であり、(A)は梯子状電路、(B)は単独電路、を示している。
【0017】
本発明の一実施形態に係る電線敷設用電路1は、例えば、
図1(A)及び
図1(B)に示したように、電線Cを敷設する構造物の表面に配置される少なくとも一対の支持部材2と、電線Cを支持する支持金物3と、支持部材2に支持金物3を接続するボルト締結部4と、を備えている。なお、
図1(A)及び
図1(B)では、説明の便宜上、支持金物3に配置される電線Cの一部のみを点線で図示してある。
【0018】
支持部材2は、構造物の表面に固定される鋼材である。構造物は、例えば、船舶の船体である。本実施形態では、構造物の天井に支持部材2を配置する場合を図示しているが、壁面や床面に配置してもよい。なお、構造物は船舶の船体に限定されるものではない。
【0019】
図1(A)に示した支持金物3は、電線Cの敷設方向に沿って配置された一対のランナーバー31と、一対のランナーバー31に直交するように配置された複数のハンガー32と、を備えている。
図1(A)に示した支持金物3は、ランナーバー31及びハンガー32により梯子状に形成されている。かかる梯子状の支持金物3を備えた電路を本明細書では梯子状電路と称することとする。
【0020】
電線Cは、例えば、バンドによってハンガー32に固縛される。ハンガー32には、バンドを挿通するための長孔が形成されている。ハンガー32の両端は、ランナーバー31に溶接されていてもよいし、ボルト等により締結されていてもよい。なお、
図1(A)及び
図1(B)では、説明の便宜上、バンドの図を省略してある。
【0021】
また、
図1(B)に示した支持金物3は、電線Cを支持する支持部33と、支持部33の両端に形成された屈曲部34と、を備えている。
図1(B)に示した支持金物3は、狭い場所等に使用されるものであり、換言すれば、
図1(A)に示したランナーバー31を省略してハンガー32のみによって支持金物3を構成したものである。
【0022】
図1(A)及び
図1(B)に示した電線敷設用電路1は、ボルト締結部4における支持金物3と支持部材2との間に所定の空間Gを形成する一対の脚部5を備えることを特徴としている。最初に、電線敷設用電路1が
図1(A)に示した梯子状電路である場合について、
図2(A)~
図7(C)を参照しつつ説明する。
【0023】
図2は、第一実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【0024】
図2(A)に示した第一実施形態は、支持部材2とランナーバー31とをボルト41及びナット42により締結することによってボルト締結部4が構成されている。ランナーバー31は、例えば、電線Cの敷設方向に長い溝形鋼により形成されており、溝を形成する両端が屈曲されて脚部5が構成されている。ランナーバー31は、溝形鋼の溝の開放側が外側に配置され、溝形鋼の底部にハンガー32が接続されている。
【0025】
ハンガー32は、例えば、電線Cを支持する支持部32aと、ランナーバー31に接続される屈曲部32bと、を備えた略U字形状を有している。ハンガー32は、構造物Sの表面と反対側に凸(構造物Sの表面側に凹)となるようにランナーバー31に固定されている。
【0026】
本実施形態では、一対の支持部材2の内側にランナーバー31を接触させてボルト41及びナット42を締結することによって支持金物3が支持部材2に固定される。このとき、ランナーバー31を構成する溝形鋼の屈曲部(脚部5)が支持部材2に接触し、溝形鋼の溝により所定の空間が形成される。
【0027】
このように、脚部5によりボルト締結部4に空間Gを形成することにより、ボルト締結部4にばね力を作用させることができ、緩み止めのスプリングワッシャーを省略することができ、電線敷設用電路1の部品点数及び作業工数の削減を図ることができる。
【0028】
図2(B)に示した第一変形例は、ランナーバー31をC形鋼(リップ溝形鋼)により形成したものである。かかる構成によっても、C形鋼の屈曲部(脚部5)によりボルト締結部4にばね力を作用させることができる。
【0029】
図2(C)に示した第二変形例は、ランナーバー31を溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼により形成したものである。かかる構成によっても、特殊形鋼の屈曲部(脚部5)によりボルト締結部4にばね力を作用させることができる。
【0030】
図3は、第二実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。なお、上述した第一実施形態と同じ部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0031】
図3(A)に示した第二実施形態に係る電線敷設用電路1は、
図2(A)に示したハンガー32を構造物Sの表面側に凸となるようにランナーバー31に固定したものである。ハンガー32を構造物Sの表面側に凸に配置した場合、電線Cを敷設する空間Gの凹凸を低減することができ、電線Cを敷設しやくすることができる。
【0032】
また、ハンガー32を構造物Sの表面側に凸に配置した場合、ハンガー32のランナーバー31に対する取付角度を傾斜させることにより、電線Cの支持面を傾斜させることができ、支持金物3の端部における電線Cを案内しやすくすることができる。
【0033】
図3(B)に示した第二実施形態の第一変形例に係る電線敷設用電路1は、
図2(B)に示したハンガー32を構造物Sの表面側に凸となるようにランナーバー31に固定したものである。
【0034】
図3(C)に示した第二実施形態の第二変形例に係る電線敷設用電路1は、
図2(C)に示したハンガー32を構造物Sの表面側に凸となるようにランナーバー31に固定したものである。
【0035】
図4は、第三実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。なお、上述した第一実施形態と同じ部品については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0036】
図4(A)に示した第三実施形態に係る電線敷設用電路1は、支持部材2とハンガー32との位置が重複する場合に、支持部材2とハンガー32との間にランナーバー31を挟んでボルト41及びナット42を締結したものである。かかる構成によっても、ランナーバー31の屈曲部(脚部5)によりボルト締結部4にばね力を作用させることができる。なお、その他の構成は、
図2(A)に示した第一実施形態と同じである。
【0037】
図4(B)に示した第三実施形態の第一変形例に係る電線敷設用電路1は、ランナーバー31をC形鋼(リップ溝形鋼)により形成したものである。
図4(C)に示した第三実施形態の第二変形例に係る電線敷設用電路1は、ランナーバー31を溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼により形成したものである。
【0038】
図5は、第四実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。なお、上述した第三実施形態と同じ部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0039】
図5(A)に示した第四実施形態に係る電線敷設用電路1は、
図4(A)に示した第三実施形態と同様に、支持部材2とハンガー32との位置が重複する場合に、支持部材2とハンガー32との間にランナーバー31を挟んでボルト41及びナット42を締結したものである。
【0040】
また、
図4(A)に示した第三実施形態では、ハンガー32を構造物Sの表面と反対側に凸(構造物Sの表面側に凹)となるように配置しているが、ハンガー32は、
図5(A)に示した第四実施形態のように、構造物Sの表面側に凸となるように配置してもよい。
【0041】
図5(A)に示した第四実施形態は、ランナーバー31を溝形鋼により形成したものである。また、
図5(B)に示した第四実施形態の第一変形例は、ランナーバー31をC形鋼により形成したものであり、
図5(C)に示した第四実施形態の第二変形例は、ランナーバー31を溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼により形成したものである。
【0042】
図6は、第五実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。なお、上述した第三実施形態と同じ部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0043】
図6(A)に示した第五実施形態に係る電線敷設用電路1は、ランナーバー31を構成する溝形鋼の溝の開放側をハンガー32の屈曲部32bに接触させてボルト41及びナット42を締結したものである。支持部材2とハンガー32との位置が重複する場合には、
図5(A)に示したように、脚部5の先端をハンガー32側に向けて支持金物3を構成してもよい。
【0044】
図6(B)に示した第五実施形態の第一変形例に係る電線敷設用電路1は、ランナーバー31をC形鋼(リップ溝形鋼)により形成したものである。
図6(C)に示した第五実施形態の第二変形例に係る電線敷設用電路1は、ランナーバー31を溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼により形成したものである。
【0045】
図7は、第六実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。なお、上述した第五実施形態と同じ部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0046】
図6(A)に示した第五実施形態では、ハンガー32を構造物Sの表面と反対側に凸となるように配置した場合を図示しているが、
図7(A)に示した第六実施形態のように、ハンガー32は構造物Sの表面側に凸となるように配置してもよい。
【0047】
このように、ハンガー32を構造物Sの表面側に凸に配置した場合、ハンガー32のランナーバー31に対する取付角度を傾斜させることにより、電線Cの支持面を傾斜させることができ、支持金物3の端部における電線Cを案内しやすくすることができる。
【0048】
特に、支持部材2とハンガー32との位置が重複する場合には、ハンガー32をボルト41及びナット42で支持部材2に接続することができ、取付角度を容易に変更することができる。
【0049】
次に、電線敷設用電路1が
図1(B)に示した単独電路である場合について、
図8(A)~
図11(C)を参照しつつ説明する。
【0050】
図8は、第七実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
図9は、第八実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【0051】
図8(A)に示した第七実施形態及び
図9(A)に示した第八実施形態に係る電線敷設用電路1は、屈曲部34に脚部5を形成したものである。脚部5は、屈曲部34とプレス成形等により一体に形成されていてもよいし、溶接等により屈曲部34に後付けされる構成であってもよい。
【0052】
図8(A)に示した第七実施形態では、支持金物3を構造物Sの表面と反対側に凸(構造物Sの表面側に凹)となるように構成している。また、
図9(A)に示した第八実施形態では、支持金物3を構造物Sの表面側に凸となるように構成している。
【0053】
支持金物3を構造物Sの表面側に凸に配置した場合、電線Cを敷設する空間Gの凹凸を低減することができ、電線Cを敷設しやくすることができる。また、支持金物3の支持部材2に対する取付角度を傾斜させることにより、電線Cの支持面を傾斜させることができ、支持金物3の端部における電線Cを案内しやすくすることができる。
【0054】
また、
図8(A)に示した第七実施形態では、脚部5が溝形鋼と同等の形状となるように構成されている。
図8(B)に示した第七実施形態の第一変形例では、脚部5がC形鋼と同等の形状となるように構成されている。
図8(C)に示した第七実施形態の第二変形例では、脚部5が溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼と同等の形状となるように構成されている。
【0055】
また、
図9(A)に示した第八実施形態では、脚部5が溝形鋼と同等の形状となるように構成されている。
図9(B)に示した第八実施形態の第一変形例では、脚部5がC形鋼と同等の形状となるように構成されている。
図9(C)に示した第八実施形態の第二変形例では、脚部5が溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼と同等の形状となるように構成されている。
【0056】
図10は、第九実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
図11は、第十実施形態のボルト締結部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は第一変形例、(C)は第二変形例、である。
【0057】
図10(A)に示した第九実施形態及び
図11(A)に示した第十実施形態に係る電線敷設用電路1は、支持部材2に脚部5を形成したものである。脚部5は、支持部材2とプレス成形等により一体に形成されていてもよいし、溶接等により支持部材2に後付けされる構成であってもよい。
【0058】
図10(A)及び
図11(A)に示した実施形態では、脚部5が溝形鋼と同等の形状となるように構成されている。
図10(B)及び
図11(B)に示した変形例では、脚部5がC形鋼と同等の形状となるように構成されている。
図10(C)及び
図11(C)に示した変形例では、脚部5が溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼と同等の形状となるように構成されている。
【0059】
なお、
図10(A)~
図10(C)に示した第九実施形態及びその変形例では、支持金物3を構造物Sの表面と反対側に凸(構造物Sの表面側に凹)となるように配置している。また、
図11(A)~
図11(C)に示した第十実施形態及びその変形例では、支持金物3を構造物Sの表面側に凸となるように配置している。
【0060】
支持金物3を構造物Sの表面側に凸に配置した場合、電線Cを敷設する空間Gの凹凸を低減することができ、電線Cを敷設しやくすることができる。また、支持金物3の支持部材2に対する取付角度を傾斜させることにより、電線Cの支持面を傾斜させることができ、支持金物3の端部における電線Cを案内しやすくすることができる。
【0061】
なお、
図10(A)~
図11(C)に示した実施形態及び変形例では、電線敷設用電路1が単独電路の場合を想定しているが、電線敷設用電路1は支持金物3がランナーバー31を有する梯子状電路であってもよい。
【0062】
また、上述した第一実施形態~第十実施形態(変形例を含む)では、脚部5が、溝形鋼、C形鋼若しくは溝形鋼の屈曲部の先端を丸めた特殊形鋼である場合又はこれらの形鋼と同等の形状を有する場合について説明しているが、ボルト締結部4にばね力を作用可能な空間Gを形成することができれば脚部5の構成は図示した構成に限定されるものではない。
【0063】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0064】
1 電線敷設用電路
2 支持部材
3 支持金物
4 ボルト締結部
5 脚部
31 ランナーバー
32 ハンガー
32a 支持部
32b 屈曲部
33 支持部
34 屈曲部
41 ボルト
42 ナット