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特開2023-53667車両誘導装置、車載装置、方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053667
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】車両誘導装置、車載装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20230406BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230406BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/09 F
B60W30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162848
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 彰
(72)【発明者】
【氏名】脊尾 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】寺井 晴子
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 彰夫
(72)【発明者】
【氏名】竹田 厳太朗
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BA60
3D241CE05
3D241DC25Z
3D241DC33Z
3D241DC35Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181DD10
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF22
5H181KK01
5H181KK07
5H181KK10
(57)【要約】
【課題】車両の大きさに応じた大きさの駐車枠に当該車両を駐車させることができる車両誘導装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る車両誘導装置は、特定部と、第1の決定部と、誘導部とを備える。特定部は、車両が撮影された画像、または車両より受信したサイズ情報に基づいて、車両の大きさを特定する。第1の決定部は、特定部が特定した車両の大きさに応じて、車両が駐車可能な駐車空間において車両が駐車する駐車枠の大きさを決定する。誘導部は、当該駐車枠に、車両を誘導する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が撮影された画像、または前記車両より受信したサイズ情報に基づいて、前記車両の大きさを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記車両の大きさに応じて、前記車両が駐車可能な駐車空間において前記車両が駐車する駐車枠の大きさを決定する第1の決定部と、
前記駐車枠に、前記車両を誘導する誘導部と、
を備える車両誘導装置。
【請求項2】
前記第1の決定部は、さらに、前記特定部が特定した前記車両の大きさに応じて、前記車両が駐車可能な駐車空間において前記車両が駐車する駐車枠の位置を決定し、
前記誘導部は、前記第1の決定部が大きさおよび位置を決定した前記駐車枠に、前記車両を誘導する、
請求項1に記載の車両誘導装置。
【請求項3】
前記車両を前記駐車枠に駐車させる走行経路を決定する第2の決定部、を備え、
前記誘導部は、前記車両に搭載された車載装置に、前記駐車枠までの走行経路を示す走行経路情報を送信することにより、前記第2の決定部により決定された前記走行経路に沿って前記車両を走行させる、
請求項1または2に記載の車両誘導装置。
【請求項4】
前記誘導部は、前記車両に搭載された、前記車両の駐車支援を実行する車載装置に前記駐車枠の位置および大きさを示す情報を送信することにより、前記車両を誘導する、
請求項1または2に記載の車両誘導装置。
【請求項5】
前記誘導部は、前記車両に搭載された、前記車両の駐車支援を実行する車載装置に前記駐車枠の位置および大きさを示す画像データを送信することにより、前記車両を誘導する、
請求項1または2に記載の車両誘導装置。
【請求項6】
前記第1の決定部は、前記駐車空間に駐車している複数の駐車車両のうち、いずれかの駐車車両が出庫した場合、出庫していない残りの駐車車両の大きさ、位置関係、出庫予定時刻、出庫順、用途、および特性の少なくとも何れか1つに応じて、前記残りの駐車車両の各々に設定された駐車枠の位置を変更し、
前記誘導部は、前記残りの駐車車両のうち、駐車枠が変更された駐車車両を、変更後の駐車枠に誘導する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の車両誘導装置。
【請求項7】
前記第1の決定部は、前記車両の出庫予定時刻または出庫順に応じて、前記車両が駐車する前記駐車枠の位置を決定する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の車両誘導装置。
【請求項8】
前記第1の決定部は、前記車両の用途または特性に応じて、前記車両が駐車する前記駐車枠の位置を決定する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の車両誘導装置。
【請求項9】
前記駐車空間は、予め前記駐車枠が設けられていない空間であり、複数の車両が駐車可能な大きさを有する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の車両誘導装置。
【請求項10】
車両に搭載可能な車載装置であって、
前記車両の大きさに応じて前記車両が駐車する駐車枠の大きさを決定する車両誘導装置と直接的または間接的に通信する通信部を備え、
前記通信部は、前記車両誘導装置から、前記車両の大きさに応じて決められた前記駐車枠までの走行経路を示す走行経路情報、前記駐車枠の位置および大きさを示す情報、または前記駐車枠の位置および大きさを示す画像データを受信する、
車載装置。
【請求項11】
前記車両誘導装置から送信された走行経路情報に基づいて、前記車両を前記駐車枠まで自動走行させる走行制御部、を備える、
請求項10に記載の車載装置。
【請求項12】
前記車両誘導装置から送信された前記駐車枠の位置および大きさを示す情報に基づいて、前記車両を前記駐車枠に移動させる走行経路を決定する走行経路決定部と、
前記走行経路決定部によって決定された走行経路に基づいて、前記車両を自動走行させる走行制御部と、を備える、
請求項10に記載の車載装置。
【請求項13】
前記車両誘導装置から送信された前記駐車枠の位置および大きさを示す画像データを、表示部に表示させる表示制御部、を備える、
請求項10に記載の車載装置。
【請求項14】
車両が撮影された画像、または前記車両より受信したサイズ情報に基づいて、前記車両の大きさを特定する特定ステップと、
特定された前記車両の大きさに応じて、前記車両が駐車可能な駐車空間において前記車両が駐車する駐車枠の大きさを決定する第1の決定ステップと、
前記駐車枠に、前記車両を誘導する誘導ステップと、
を含む方法。
【請求項15】
車両が撮影された画像、または前記車両より受信したサイズ情報に基づいて、前記車両の大きさを特定する特定ステップと、
特定された前記車両の大きさに応じて、前記車両が駐車可能な駐車空間において前記車両が駐車する駐車枠の大きさを決定する第1の決定ステップと、
前記駐車枠に、前記車両を誘導する誘導ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両誘導装置、車載装置、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場に設けられた管理装置による制御によって車両を自動的に駐車させる自動バレー駐車の技術、および車両に搭載された車載装置によって駐車支援等の車両を駐車場に駐車させる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-195357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の車両を駐車場に駐車させる技術においては、予め複数の駐車枠が決められた駐車場において、いずれかの駐車枠に車両を駐車させることを前提としていた。このような駐車場では、駐車枠の大きさが予め定められているため、小さい車両でも規定の大きさの駐車枠を占有することになる等、駐車空間の効率的な利用が困難な場合があった。
【0005】
本開示は、車両の大きさに応じた大きさの駐車枠に当該車両を駐車させることができる車両誘導装置、車載装置、方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る車両誘導装置は、特定部と、第1の決定部と、誘導部とを備える。特定部は、車両が撮影された画像、または車両より受信したサイズ情報に基づいて、車両の大きさを特定する。第1の決定部は、特定部が特定した車両の大きさに応じて、車両が駐車可能な駐車空間において車両が駐車する駐車枠の大きさを決定する。誘導部は、当該駐車枠に、車両を誘導する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る車両誘導装置、車載装置、方法、およびプログラムによれば、車両の大きさに応じた大きさの駐車枠に当該車両を駐車させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る車載装置を備える車両の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る車両の運転席近傍の構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る車両誘導装置が設置される駐車空間の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る車載装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る車載装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る車両誘導装置の機能の一例を示すブロック図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る画像認識による車両の大きさの計測のキャリブレーションに用いられるマーカの一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る駐車枠の一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る駐車枠の配置の一例を示すブロック図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る駐車枠の配置の他の一例を示すブロック図である。
図11図11は、第1の実施形態に係る駐車枠の配置のさらに他の一例を示すブロック図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る車載装置の機能の一例を示すブロック図である。
図13図13は、第1の実施形態に係る車載装置および車両誘導装置によって実行される駐車支援処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図14図14は、第1の実施形態に係る車両誘導装置によって実行される駐車車両の再配置の処理の流れの一例を示す図である。
図15図15は、第2の実施形態に係る車両誘導装置の機能の一例を示すブロック図である。
図16図16は、第2の実施形態に係る車載装置の機能の一例を示すブロック図である。
図17図17は、第2の実施形態に係る車載装置および車両誘導装置によって実行される駐車支援処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図18図18は、第3の実施形態に係る車両誘導装置の機能の一例を示すブロック図である。
図19図19は、第3の実施形態に係る車載装置の機能の一例を示すブロック図である。
図20図20は、第3の実施形態に係る表示装置に表示された地図画像の一例を示す図である。
図21図21は、第3の実施形態に係る車載装置および車両誘導装置によって実行される駐車支援処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図22図22は、車両誘導装置および車載装置が適用可能な場所の一例を示す図である。
図23図23は、平日と休日で異なる大きさの車両が駐車する駐車空間の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る車両誘導装置、車載装置、方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る車載装置100を備える車両1の一例を示す図である。図1に示すように、車両1は、車体12と、車体12に所定方向に沿って配置された2対の車輪13とを備える。2対の車輪13は、1対のフロントタイヤ13f及び1対のリアタイヤ13rを備える。
【0011】
図1に示すフロントタイヤ13fは、本実施形態における第1の車輪の一例である。また、リアタイヤ13rは、本実施形態における第2の車輪の一例である。なお、図1に示す車両1は、4つの車輪13を備えるが、車輪13の数はこれに限定されるものではない。例えば、車両1は2輪車であっても良い。
【0012】
車体12は、車輪13に結合され、車輪13によって移動可能である。この場合、2対の車輪13が配置される所定方向が車両1の走行方向となる。車両1は、不図示のギヤの切り替え等により前進または後退することができる。また、車両1は、操舵により右左折することもできる。
【0013】
また、車体12は、フロントタイヤ13f側の端部である前端部Fと、リアタイヤ13r側の端部である後端部Rを有する。車体12は上面視で略矩形をしており、略矩形状の4つの角部を端部と呼ぶ場合もある。また、図1では図示を省略するが、車両1は、表示装置、スピーカ、および操作部を備える。
【0014】
車体12の前後端部F,Rであって、車体12の下端付近には1対のバンパー14が設けられている。1対のバンパー14のうち、フロントバンパー14fは車体12の下端部付近の前面全体と側面の一部を覆う。1対のバンパー14のうち、リアバンパー14rは車体12の下端部付近の後面全体と側面の一部を覆う。
【0015】
車体12の所定の端部には、超音波等の音波の送受波を行う送受波部15f,15rが配置される。例えば、フロントバンパー14fには1つ以上の送受波部15fが配置され、リアバンパー14rには1つ以上の送受波部15rが配置される。以下、送受波部15f,15rを特に限定しない場合には、単に送受波部15という。また、送受波部15の数および位置は、図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、左右の側方に送受波部15を備えても良い。
【0016】
本実施形態においては、超音波を使用したソナーを送受波部15の一例として説明するが、送受波部15は、電磁波を送受波するレーダーであっても良い。あるいは、車両1は、ソナーとレーダーの両方を備えても良い。また、送受波部15を単にセンサと称しても良い。
【0017】
送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の障害物を検出する。また、送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の障害物と車両1との距離を計測する。
【0018】
また、車両1は、車両1の前方を撮影する第1の車載カメラ16a、車両1の後方を撮影する第2の車載カメラ16b、車両1の左側方を撮影する第3の車載カメラ16c、および車両1の右側方を撮影する第4の車載カメラを備える。第4の車載カメラは図示を省略する。
【0019】
以下、第1の車載カメラ16a、第2の車載カメラ16b、第3の車載カメラ16c、および第4の車載カメラを特に区別しない場合には単に車載カメラ16という。車載カメラの位置及び数は図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、また、第1の車載カメラ16aおよび第2の車載カメラ16bの2台のみを備えても良い。あるいは、車両1は、上述の例の他に、さらに他の車載カメラを有しても良い。
【0020】
車載カメラ16は、車両1の周囲の映像を撮影可能であり、例えば、カラー画像を撮影するカメラである。なお、車載カメラ16が撮影する画像は、動画でも良いし、静止画でも良い。また、車載カメラ16は、車両1に内蔵されたカメラであっても良いし、車両1に後付けされたドライブレコーダーのカメラ等であっても良い。
【0021】
また、車両1には、車載装置100が搭載される。車載装置100は、車両1に搭載可能な情報処理装置であり、例えば、車両1の内部に設けられたECU(Electronic Control Unit)、もしくはOBU(On Board Unit)である。あるいは、車載装置100は、車両1のダッシュボード付近に設置された外付けの装置であっても良い。なお、車載装置100はカーナビゲーション装置等を兼ねても良い。車載装置100は、本実施形態における車載装置の一例である。
【0022】
次に、本実施形態の車両1の運転席近傍の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る車両1の運転席130a近傍の構成の一例を示す図である。
【0023】
図2に示すように、車両1は運転席130a、および助手席130bを備える。また、運転席130aの前方にはフロントガラス180、ダッシュボード190、ステアリングホイール140、表示装置120、および操作ボタン141が設けられる。
【0024】
表示装置120は、車両1のダッシュボード190に設けられたディスプレイである。表示装置120は、一例として、図2に示すようにダッシュボード190の中央に位置する。表示装置120は例えば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。また、表示装置120は、タッチパネルを兼ねても良い。表示装置120は、本実施形態における表示部の一例である。
【0025】
また、ステアリングホイール140は、運転席130aの正面に設けられ、ドライバ(運転者)によって操作可能である。ステアリングホイール140の回転角度、つまり操舵角は、操舵輪であるフロントタイヤ13fの向きの変化と電気的または機械的に連動する。なお、操舵輪はリアタイヤ13rでも良いし、フロントタイヤ13fとリアタイヤ13rの両方が操舵輪であっても良い。
【0026】
操作ボタン141は、ユーザによる操作を受け付け可能なボタンである。なお、本実施形態においてユーザは、例えば車両1の運転者である。なお、操作ボタン141の位置は図2に示す例に限定されるものでなく、例えばステアリングホイール140に設けられても良い。操作ボタン141は、本実施形態における操作部の一例である。また、表示装置120がタッチパネルを兼ねる場合は、表示装置120が操作部の一例であっても良い。また、不図示のタブレット端末、スマートフォン、リモートコントローラ、または電子キー等の、車両1の外部から車両1に対して信号を送信可能な操作端末を、操作部の一例としても良い。
【0027】
本実施形態の車載装置100は、後述の車両誘導装置による制御信号に基づいて、自動走行する機能を備える。この際、車両1の運転者は車両1から降車していても良い。
【0028】
図3は、第1の実施形態に係る車両誘導装置200が設置される駐車空間90の一例を示す図である。
【0029】
駐車空間90は、予め規定の駐車枠が設けられていない空間であり、複数の車両が駐車可能な大きさを有する。図3に示す例では、駐車空間90は、運動場が臨時の駐車場に転用された平地である。
【0030】
一般に、常設の駐車場では、白線、ブロック、ポール等により個々の駐車枠が仕切られている。これに対して、運動場などが臨時の駐車場として用いられる場合、初期状態においては、駐車枠は定められていない。このため、例えば管理者が新たに物理的に白線を引く等の手間が発生する場合がある。あるいは、何ら駐車枠を設定しない状態で各車両が自由に駐車すると、出庫が困難な車両が発生する場合や、駐車空間のスペースを有効活用できない場合がある。本実施形態の車両誘導装置200は、このような駐車枠が定められていない駐車空間において、管理者等が物理的に白線等で駐車枠を設けなくとも、車両の駐車枠を管理することができる。
【0031】
なお、駐車空間90として使用可能な場所は運動場に限定されない。例えば、広場、河川敷、イベント会場、港、船内の空間、および道路等を駐車空間90としても良い。なお、道路を駐車空間90とする場合は、例えば、側道や片側車線が駐車空間90として用いられることを想定する。なお、駐車空間90における駐車枠の配置は、車両同士が平行する配置に限定されるものではなく、斜め駐車または縦列駐車用の配置であってもよい。また、「予め規定の駐車枠が設けられていない」とは、白線等の駐車枠の印が何ら設けられていない場合だけではなく、白線等で駐車枠の印が設けられていても、駐車空間90の使用にあたり当該印を無視する場合も含む。
【0032】
車両誘導装置200は、例えば、サーバ装置またはPC(Personal Computer)であり、駐車空間90内のカメラ5と有線または無線手段によって接続される。なお、車両誘導装置200の設置場所は特に限定しない。例えば、車両誘導装置200は、駐車空間90内に設けられてもよいし、駐車空間90近傍の管理施設等に設けられても良い。
【0033】
駐車空間90には、カメラ5が設置される。カメラ5は、駐車空間90に元々設置されていた固定カメラでも良いし、運動場などを駐車空間90として使用するために新たに仮設されたカメラでも良い。なお、カメラ5は、防犯カメラまたは監視カメラ等を兼ねてもよい。
【0034】
カメラ5は、駐車空間90全体、および駐車空間90の入口に位置する車両1を撮影可能な位置に設置される。なお、図3では、1台のカメラ5を図示するが、1つの駐車空間90に複数のカメラ5が設置されても良い。
【0035】
図3に示す例では、車両誘導装置200とカメラ5とは、ケーブル3により、通信可能に接続している。なお、車両誘導装置200とカメラ5との通信手法は直接的な有線接続に限定されるものではなく、無線通信でも良いし、他の情報処理装置等を介して間接的に接続しても良い。
【0036】
図3は、車両1が駐車空間90の入口で停止した状態を示す。また、駐車空間90内には既に駐車済みの他の車両1a~1dが存在する。車両誘導装置200は、車両1および他の車両1a~1dの各々の大きさに応じて、各車両1,1a~1dが駐車する駐車枠の大きさを決定する。本実施形態において、車両誘導装置200が決定する駐車枠とは、物理的に白線等で区切られる領域ではなく、駐車空間90内の位置座標として仮想的に定義される領域である。このため、駐車枠の大きさは一律ではなく、各車両1,1a~1dの大きさに応じて可変である。なお、車両誘導装置200が決定する駐車枠を、仮想駐車枠と称してもよい。また、本実施形態においては、駐車枠の大きさに加えて、さらに、駐車枠の位置も車両1および他の車両1a~1dの各々の大きさに応じて可変であるものとする。なお、駐車枠の位置は必ずしも車両の大きさに応じた可変性を有さなくともよく、少なくとも駐車枠の大きさが車両の大きさに応じて可変であればよい。
【0037】
図3に示すように、車両誘導装置200は、各車両1a~1dの各々に設定した駐車枠900a~900dの大きさおよび位置を示す情報を、地図情報9として記憶する。なお、駐車枠900a~900dの位置とは、駐車空間90内における駐車枠900a~900dの位置座標である。以下、個々の駐車枠900a~900dを区別しない場合には単に駐車枠900という。
【0038】
本実施形態の車両誘導装置200は、地図情報9を用いて、車両1を駐車枠に誘導する。本実施形態においては、誘導の手法として、自動バレーパーキングの技術を採用する。車両誘導装置200は、車両1に搭載された車載装置100に、駐車枠900までの走行経路を示す走行経路情報を送信することにより、車両1を駐車枠900に誘導する。
【0039】
次に、図4、5を用いて、本実施形態の車載装置100および車両誘導装置200のハードウェア構成について説明する。
【0040】
図4は、第1の実施形態に係る車載装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、車載装置100は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM11B、RAM11C、デバイスI/F(インタフェース)11D、CAN(Controller Area Network)I/F11E、NW(NetWork) I/F11F、HDD11G等がバス11Hにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0041】
CPU11Aは、ECU全体を制御する演算装置である。なお、CPU11Aは、本実施形態の車載装置100におけるプロセッサの一例であり、他のプロセッサまたは処理回路がCPU11Aの代わりに設けられても良い。
【0042】
ROM11B、RAM11C、およびHDD11Gは、記憶部として機能する。例えば、ROM11Bは、CPU11Aによる各種処理を実現するプログラム等を記憶する。RAM11Cは、例えば車載装置100の主記憶装置であり、CPU11Aによる各種処理に必要なデータを記憶する。
【0043】
デバイスI/F11Dは、各種のデバイスと接続可能なインタフェースである。例えば、デバイスI/F11Dは、GPS装置11lと接続し、GPS装置11lから、車両1の現在位置を示す位置情報を取得する。当該位置情報は、例えば、車両1の絶対位置を示す緯度と経度の値である。
【0044】
GPS装置11lは、GPSアンテナ11Jが受信したGPS信号に基づいて車両1の位置を表すGPS座標を特定する装置である。GPSアンテナ11Jは、GPS信号を受信可能なアンテナである。
【0045】
また、デバイスI/F11Dは、車載カメラ16および送受波部15から画像および検知結果等を取得する。
【0046】
CAN I/F11Eは、車両1内のCANを介して車両1に搭載された他のECUとの間で情報の送受信をするためのインタフェースである。なお、CAN以外の通信規格を採用しても良い。
【0047】
NW I/F11Fは、インターネット等のネットワークを介して車両誘導装置200等の外部の情報処理装置と通信可能な通信装置である。車両誘導装置200と車載装置100との間の無線通信には、例えば、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の公衆回線、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離通信等が採用されてもよい。また、車載装置100のNW I/F11Fは、直接的に車両誘導装置200と無線通信してもよいし、他の情報処理装置等の機器を介して、間接的に車両誘導装置200と無線通信してもよい。
【0048】
図5は、第1の実施形態に係る車両誘導装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、車両誘導装置200は、CPU21A、ROM21B、RAM21C、デバイスI/F21D、NW I/F21E、HDD21F等がバス21Gにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0049】
なお、図4,5に示す車載装置100および車両誘導装置200のハードウェア構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【0050】
次に、本実施形態の車両誘導装置200が備える機能について説明する。
【0051】
図6は、第1の実施形態に係る車両誘導装置200の機能の一例を示すブロック図である。図6に示すように、車両誘導装置200は、通信部201、取得部202、特定部203、駐車枠決定部204、走行経路決定部205、および記憶部250を備える。
【0052】
記憶部250は、例えばROM21B、RAM21C、またはHDD21Fによって構成される。なお、図6では1つの記憶部250が車両誘導装置200に含まれるように記載したが、複数の記憶媒体が記憶部250として機能しても良い。
【0053】
通信部201、取得部202、特定部203、駐車枠決定部204、および走行経路決定部205は、例えば、ROM21BまたはHDD21Fに記憶されたプログラムをCPU21Aが読み出すことにより、実行される機能である。あるいは、これらの機能を備えるワードウェア回路が車両誘導装置200に設けられても良い。
【0054】
通信部201は、NW I/F21Eを介して車載装置100と通信する。例えば、通信部201は、車両1が車両誘導装置200の通信圏内に入った場合に、車両1に搭載された車載装置100から車両1の車両情報を受信する。車両情報は、例えば、車両1を特定可能なID等の識別情報を含む。
【0055】
また、通信部201は、車両1に搭載された車載装置100に、後述の駐車枠決定部204により決定された駐車枠までの走行経路を示す走行経路情報を送信することにより、当該走行経路に沿って車両1を走行させる。本実施形態において、車載装置100に走行経路情報を送信することは、駐車枠に車両1を誘導することの一例である。通信部201は、本実施形態における誘導部の一例である。
【0056】
取得部202は、カメラ5から、カメラ5が撮影した画像を取得する。
【0057】
特定部203は、カメラ5によって車両1が撮影された画像に基づいて、車両1の大きさを特定する。例えば、特定部203は、画像認識の手法により、画像に描出された車両1を認識し、認識した車両1の大きさを推定する。本実施形態において、車両1の大きさは、少なくとも、車両1の車体12の縦および横の長さである。また、車両1の大きさに、車両1の高さが含まれても良い。例えば、駐車空間90が屋内である場合、駐車枠の決定に車両1の高さの情報が有益な場合がある。
【0058】
また、特定部203は、車両1の大きさを推定するために、実際の運用の開始前に予め計測基準のキャリブレーションをしていても良い。
【0059】
図7は、第1の実施形態に係る画像認識による車両1の大きさの計測のキャリブレーションに用いられるマーカ600の一例を示す図である。図7に示す例では、キャリブレーション用の車両60の上面にマーカ600が設置されている。マーカ600は、規定の大きさのプレート等である。カメラ5が駐車空間90に設置された後、カメラ5が当該マーカ600を載せた車両60を撮影する。この際、車両60は、例えば駐車空間90の入口等、実際の運用の際に車両1が撮影される位置に停止する。本実施形態では、マーカ600が撮影された画像を基準画像という。
【0060】
図6に戻り、特定部203は、基準画像に基づいて、画像上の長さと、実際の長さの縮尺関係を認識する。このようなキャリブレーションにより、特定部203は、車両1が撮影された画像に基づいて、車両1の大きさを特定することができる。なお、当該キャリブレーションの手法は一例であり、車両1の大きさの特定は他の手法を採用しても良い。
【0061】
駐車枠決定部204は、特定部203が特定した車両1の大きさに応じて、駐車空間90において車両1が駐車する駐車枠900の大きさを決定する。また、本実施形態においては、駐車枠決定部204は、特定部203が特定した車両1の大きさに応じて、駐車空間90において車両1が駐車する駐車枠900の位置についても決定する。駐車枠決定部204は、本実施形態に係る第1の決定部の一例である。
【0062】
図8は、第1の実施形態に係る駐車枠900a~900eの一例を示す図である。図8に示す例では、駐車枠決定部204は、車両1a~1dについては既に駐車枠900a~900dを決定している。図8に示すように、駐車枠900a~900dの大きさは、車両1a~1dのそれぞれの大きさに応じて異なる大きさとなっている。
【0063】
また、駐車枠決定部204は、各車両1a~1dへの駐車枠900a~900dの割当ての前に、駐車空間90の範囲を特定する。例えば、駐車枠決定部204は、カメラ5によって駐車空間90が撮影された画像に基づいて駐車空間の範囲を特定する。駐車枠決定部204は、例えば、画像認識により駐車空間90として使用される平面の外郭を認識することで、駐車空間90の範囲を特定してもよい。例えば、運動場全体が駐車空間90として使用される場合は、運動場の周囲に設けられたフェンスが駐車空間90の外郭となる。あるいは、駐車空間90として用いられる領域の外端に、規定のポール、白線、またはパイロン(traffic cone)等が設けられても良い。この場合、駐車枠決定部204は、このような規定のポール、白線、またはパイロン等を認識することにより、駐車空間90の範囲を特定する。なお、駐車空間90の範囲を特定する手法はこれらの例に限定されるものではない。
【0064】
また、駐車枠決定部204は、特定した駐車空間90において駐車枠900を設けない領域を決定する。駐車枠900を設けない領域は、例えば木やその他の物体等の障害物が存在する領域である。また、駐車枠決定部204は、車両1,1a~1dの走行経路用の領域950についても、駐車枠900を設けない領域として決定しても良い。駐車枠決定部204は、特定した駐車空間90の範囲、および当該範囲のうち駐車枠900を設けない領域を、地図情報9として記憶部250に保存する。なお、駐車枠決定部204は、各車両1,1a~1dの駐車枠900a~900eを決定する毎に、当該決定した駐車枠900を地図情報9に保存する。また、車両1,1a~1dの走行経路用の領域950については、駐車枠決定部204は、例えば、運用開始前に走行経路用の領域950を仮決めし、各車両1,1a~1dの駐車枠900a~900eの位置および大きさに応じて走行経路用の領域950の位置および大きさを変更してもよい。
【0065】
図8に示すように車両1が新たに駐車空間90に進入する場合、駐車枠決定部204は、車両1に対して割当てる駐車枠900eの大きさおよび位置を決定する。例えば、駐車枠決定部204は、駐車枠900eの大きさを、特定部203が特定した車両1の縦および横の長さに応じて決定する。駐車枠900eの大きさは、車両1のサイズと同じであってもよい、車両1のサイズから規定のマージンをもつものでもよい。例えば、駐車枠決定部204は、車両1の縦および横の長さに規定のマージンの長さをそれぞれ追加した長さを、駐車枠900eの縦および横の長さとして決定する。なお、駐車空間90が室内であり、場所によって天井の高さが異なる場合には、駐車枠決定部204は、特定部203が特定した車両1の高さに応じて駐車枠900eの高さを決定しても良い。
【0066】
そして、駐車枠決定部204は、駐車空間90のうち、障害物が存在する領域ではなく、かつ、駐車枠900a~900d以外の領域で、駐車枠900eの位置を決定する。この際、駐車枠決定部204は、駐車空間90のスペースを有効利用できるよう、空き空間が少なくなるように駐車枠900eの位置を決定する。
【0067】
また、駐車枠決定部204は、車両1の大きさだけではなく、さらに他の要素に基づいて駐車枠900eの大きさおよび位置を決定しても良い。例えば、駐車枠決定部204は、車両1の出庫予定時刻、出庫順、用途、および特性のいずれか、あるいは全てを加味して駐車枠900eの大きさおよび位置を決定しても良い。
【0068】
車両1の出庫予定時刻は、例えば車両1が「入庫時刻から何時間後に出庫する」または「何時に出庫する」という情報である。当該出庫予定時刻を示す情報は、例えば車両1の運転者が車載装置100に入力する。車載装置100から車両誘導装置200に送信される車両情報に、出庫予定時刻を示す情報が含まれても良い。
【0069】
出庫順は、例えば駐車空間90に入庫した順に各車両1,1a~1dが出庫すると仮定した推定出庫順である。
【0070】
用途は、例えば荷物の運搬等である。例えば駐車空間90がイベント会場である場合、イベントの設営のために荷物を運搬する車両については、車両の車体12の大きさに加えて、荷物の出し入れのための作業スペース分を追加した駐車枠900を要する。このため、駐車枠決定部204は、車両1の用途に応じて駐車枠900の大きさを変更する。車載装置100から車両誘導装置200に送信される車両情報に、用途を示す情報が含まれても良い。駐車枠決定部204は、例えば、荷物搬入車用の駐車枠900の大きさは、小型乗用自動車用の駐車枠900の1.5倍の大きさを割り当てる。
【0071】
特性は、例えば車椅子を載せている等である。車両1が車椅子を載せている場合は、車両の車体12の大きさに加えて、車椅子の出し入れのためのスペース分を追加した駐車枠900を要する。車載装置100から車両誘導装置200に送信される車両情報に、特性を示す情報が含まれても良い。
【0072】
また、車両1が駐車空間90に駐車することが予め定められている場合は、車両誘導装置200の記憶部250に、車両1の識別情報と、車両1の出庫予定時刻、出庫順、用途、および特性が対応付けられて記憶されていても良い。あるいは、上述の特定部203が、車両1の車体12等に貼られた車椅子マーク、または荷物を運搬する車両用の許可証等を、カメラ5が撮影した画像から画像認識することにより、用途または特性を特定しても良い。
【0073】
なお、図8では、駐車枠決定部204は、駐車枠900a~900eを同じ向きで並べているが、駐車枠900の配置はこれに限定されるものではない。図9~11は、駐車枠900の配置のバリエーションの一例である。
【0074】
図9は、第1の実施形態に係る駐車枠900の配置の一例を示すブロック図である。図9に示すように、駐車枠決定部204は、駐車枠900f~900mの縦横の向きを統一せずに配置しても良い。
【0075】
図10は、第1の実施形態に係る駐車枠900の配置の他の一例を示すブロック図である。図10に示す例では、車両1eは車椅子を載せている。このため、駐車枠決定部204は、車両1eの駐車枠900nを、他の駐車枠900f~900i,900k~900mよりも大きくしている。
【0076】
図11は、第1の実施形態に係る駐車枠900の配置のさらに他の一例を示すブロック図である。図11に示すように、駐車枠決定部204は、各駐車枠900o~900vと、各駐車枠900o~900vに駐車する車両の入出庫用スペース950a~950hとをセットで決定しても良い。
【0077】
また、駐車枠決定部204は、駐車空間90に駐車している複数の車両1a~1dのうち、いずれかの車両1a~1dが出庫した場合、残った車両の再配置をする。例えば、車両1bが出庫した場合、駐車枠決定部204は、出庫していない残りの車両1a,1c,1dの大きさ、位置関係、出庫予定時刻、出庫順、用途、および特性の少なくとも何れか1つに応じて、残りの駐車車両1a,1c,1dの各々に設定された駐車枠900a,900c,900dの位置を変更する。
【0078】
図6に戻り、走行経路決定部205は、車両1を駐車枠900に駐車させる走行経路を決定する。走行経路決定部205は、本実施形態における第2の決定部の一例である。
【0079】
例えば、図8に示す例では、走行経路決定部205は、車両1を、駐車空間90の入口から駐車枠900eに移動させる走行経路800を決定する。走行経路決定部205は、決定した走行経路800を通信部201に送出する。通信部201は、当該走行経路800を示す走行経路情報を車載装置100に送信する。
【0080】
次に、本実施形態の車載装置100が備える機能について説明する。
【0081】
図12は、第1の実施形態に係る車載装置100の機能の一例を示すブロック図である。図12に示すように、車載装置100は、通信部101、取得部102、受付部103、表示制御部104、走行制御部105、および記憶部150を備える。
【0082】
記憶部150は、例えばROM11B、RAM11C、またはHDD11Gによって構成される。なお、図12では1つの記憶部150が車載装置100に含まれるように記載したが、複数の記憶媒体が記憶部150として機能しても良い。
【0083】
通信部101、取得部102、受付部103、表示制御部104、および走行制御部105は、例えば、ROM11BまたはHDD11Gに記憶されたプログラムをCPU11Aが読み出すことにより、実行される機能である。あるいは、これらの機能を備えるワードウェア回路が車載装置100に設けられても良い。
【0084】
通信部101は、NW I/F11Fを介して、車両誘導装置200と、直接的または間接的に通信する。例えば、通信部101は、車両1の周囲に車両情報をブロードキャストしていても良い。この場合、車両1が車両誘導装置200の通信圏内に入った場合に、車両1の車両情報が車両誘導装置200に受信される。あるいは、通信部101は、車両1の運転者の操作に応じて、車両情報を送信しても良い。
【0085】
通信部101は、車両誘導装置200から、車両1の大きさに応じて決められた駐車枠900aeまでの走行経路800を示す走行経路情報を受信する。
【0086】
取得部102は、デバイスI/FおよびCAN I/Fを介して。各種の情報を取得する。例えば、取得部102は、デバイスI/F11Dを介して、車載カメラ16から車両1の周囲を撮影した画像を取得する。また、取得部102は、デバイスI/F11Dを介して、送受波部15から車両1の車両1の周囲の障害物の検知結果を取得する。
【0087】
受付部103は、操作ボタン141を介して車両1の運転者からの各種の操作を受け付ける。また、表示装置120がタッチパネルを備える場合、受付部103は、当該タッチパネルに入力された車両1の運転者からの各種の操作を受け付ける。
【0088】
表示制御部104は、表示装置120に各種の画像およびGUI(Graphical User Interface)を表示させる。
【0089】
走行制御部105は、車両誘導装置200から送信された走行経路情報に基づいて、車両1を駐車枠900eまで自動走行させる。走行制御部105は、車両1の操舵、制動、および加減速を制御する。また、走行制御部105は、車載カメラ16が車両1の周囲を撮影した画像、および送受波部15が検知した車両1の周囲の障害物との距離に基づいて、車両1の走行を制御する。また、走行制御部105は、車載カメラ16が車両1の周囲を撮影した画像、およびGPS位置情報に基づいて、自己位置推定をして走行経路800との位置ズレを補正しても良い。なお、自己位置推定の手法はこれに限定されない。例えば、走行制御部105は、Wi-Fi(登録商標)の電波強度に基づく自己位置推定、また、周囲の車両の大きさまたは周囲の車両に対する車両1の相対位置に基づく自己位置推定を行ってもよい。
【0090】
次に、以上のように構成された車載装置100および車両誘導装置200によって実行される処理の流れについて説明する。
【0091】
図13は、第1の実施形態に係る車載装置100および車両誘導装置200によって実行される駐車支援処理の流れの一例を示すシーケンス図である。このシーケンス図の処理の前提として、車両1が駐車空間90の入口で停止しているものとする。
【0092】
まず、車載装置100の通信部101は、車両1の車両情報を送信する(S1)。そして、車両誘導装置200の通信部201は、車両1から送信された車両1の車両情報を受信する。
【0093】
そして、車両誘導装置200の取得部202は、カメラ5から、カメラ5が車両1を撮影した画像を取得する(S2)。
【0094】
車両誘導装置200の特定部203は、カメラ5が車両1を撮影した画像から、車両1の大きさを特定する(S3)。
【0095】
そして、車両誘導装置200の駐車枠決定部204は、特定部203が特定した車両1の大きさに応じて、駐車空間90において車両1が駐車する駐車枠900eの大きさおよび位置を決定する(S4)。駐車枠決定部204は、決定した駐車枠900eの大きさおよび位置を、記憶部250に記憶された地図情報に追加する。
【0096】
そして、車両誘導装置200の走行経路決定部205は、車両1を、駐車空間90の入口から駐車枠900eに移動させる走行経路800を決定する(S5)。
【0097】
通信部201は、走行経路決定部205によって決定された走行経路800を示す走行経路情報を車載装置100に送信する(S6)。車載装置100の通信部101は、車両誘導装置200から走行経路情報を受信する。
【0098】
そして、車載装置100の走行制御部105は、車両誘導装置200から送信された走行経路情報に基づいて、車両1を駐車枠900eまで自動走行させる(S7)。車両1が自動走行により駐車枠900eに駐車すると、このシーケンス図の処理は終了する。
【0099】
また、新たに他の車両が駐車空間90の入口に到着すると、当該処理は繰り返し実行される。車両誘導装置200の駐車枠決定部204は、新たに他の車両が駐車空間90に進入する場合に、当該他の車両の大きさに応じて、駐車空間90において他の車両が駐車する他の駐車枠の大きさおよび位置を決定し、決定した他の駐車枠の大きさおよび位置により、記憶部250に記憶された地図情報9を更新する。
【0100】
次に、本実施形態の車両誘導装置200によって実行される駐車車両の再配置の処理の流れについて説明する。
【0101】
図14は、第1の実施形態に係る車両誘導装置200によって実行される駐車車両の再配置の処理の流れの一例を示す図である。当該処理は、駐車空間90が運用されている間、継続して実行される。
【0102】
車両誘導装置200の特定部203は、カメラ5によって撮影された画像に基づいて、いずれかの車両1,1a~1dが駐車空間90から出庫したか否かを判定する(S401)。なお、車両1,1a~1dの出庫の判定の手段は画像認識に限定されるものではなく、例えば、車載装置100の通信部101から出庫を示す信号が車両誘導装置200に送信されても良い。
【0103】
いずれの車両1,1a~1dも駐車空間90から出庫しない場合(S401“No”)、S401の処理が繰り返される。
【0104】
また、いずれかの車両1,1a~1dが駐車空間90から出庫した場合(S401“Yes”)、駐車枠決定部204は、残車両の入替えの要否を判定する(S402)。例えば、車両1,1a~1dが駐車空間90に駐車した状態から、車両1bが出庫した場合、駐車枠決定部204は、出庫していない残りの車両1,1a,1c,1dの大きさ、位置関係、出庫予定時刻、出庫順、用途、および特性の少なくとも何れか1つに応じて、出庫していない残りの車両1,1a,1c,1dの各々に設定された駐車枠900a,900c,900d,900eの位置の入替え要否を判定する(S402)。
【0105】
例えば、駐車枠決定部204は、駐車枠900a,900c,900d,900eの位置を変更しない場合と、変更する場合とのいずれが駐車空間90のスペースの有効利用または出庫時の車両移動の省力化に寄与するかを比較し、駐車枠900a,900c,900d,900eの位置を変更する場合の方が駐車空間90のスペースの有効利用または出庫時の車両移動の省力化が可能と判定した場合、駐車枠900a,900c,900d,900eの入替えが必要であると判定する。また、変更後の配置が複数パターンある場合は、駐車枠決定部204は、各パターンの駐車空間90のスペースの有効利用または出庫時の車両移動の省力化に寄与の度合を比較し、最も寄与の度合の高いパターンを特定する。なお、入替え要否の判定基準は駐車空間90のスペースの有効利用、および出庫時の車両移動の省力化に限定されるものではない。
【0106】
そして、駐車枠決定部204は、出庫していない残りの車両1,1a,1c,1d、すなわち残車両の駐車枠900a,900c,900d,900eの入替えが必要であると判定した場合(S403“Yes”)、入替え後の駐車枠900a,900c,900d,900eの位置を決定する(S404)。
【0107】
複数の駐車枠900の大きさが異なる場合、駐車枠決定部204は、1つの駐車枠900と複数の駐車枠900とを入れ替えてもよい。例えば、荷物搬入車用の駐車枠900の大きさが小型乗用自動車用の駐車枠900の1.5倍の大きさである場合、2台の荷物搬入車が出庫した後に、駐車枠決定部204は、荷物搬入車2台分の2つの駐車枠900が設けられていた場所に、小型乗用自動車3台分の駐車枠900を設定し、3台の小型乗用自動車を誘導してもよい。なお、再配置の処理に限らず、駐車空間90に新たに入庫する車両に駐車枠を割り当てる場合にも、駐車枠決定部204は、荷物搬入車2台分の2つの駐車枠900が設けられていた場所に、小型乗用自動車3台分の駐車枠900を設定し、3台の小型乗用自動車を誘導してもよい。
【0108】
走行経路決定部205は、入替え後の駐車枠900a,900c,900d,900eの位置に、各車両1,1a,1c,1dを走行させる走行経路を決定する(S405)。
【0109】
通信部201は、各車両1,1a,1c,1dのうち移動対象の車両に、走行経路情報を送信する(S406)。なお、各車両の走行経路が重複しない場合は、走行経路決定部205は、一度に各車両に走行経路情報を送信してもよい。また、各車両の走行経路が重複する場合は、走行経路決定部205は、各車両に順に走行経路情報を送信する。また、車両1,1a,1c,1dのうち、移動対象でないものがあれば、通信部201は、当該移動対象ではない車両には走行経路情報を送信しない。
【0110】
走行経路決定部205は、車両1,1a,1c,1dの全てが入替え後の駐車枠900a,900c,900d,900eに駐車した場合、残車両の入替えが完了したと判定する(S407)。走行経路決定部205は、残車両の入替えの完了の有無を、例えば、カメラ5が駐車空間90を撮影した画像に基づいて判定しても良いし、各車両1,1a,1c,1dから駐車完了の信号を受信して判定しても良い。
【0111】
走行経路決定部205が、残車両の入替えが完了したと判定するまでは(S407“No”)、S406~S407の処理が繰り返される。
【0112】
また、駐車枠決定部204は、駐車枠900a,900c,900d,900eの位置を変更する場合と変更しない場合とで駐車空間90のスペースの有効利用または出庫時の車両移動の省力化の度合が変化しない、あるいは変更しない方が良いと判定した場合、残車両の駐車枠900a,900c,900d,900eの入替えが必要ないと判定する(S403“No”)。この場合、S401の処理に戻る。
【0113】
そして、残車両の入替えが完了したと判定した後、駐車空間90の使用が終了していない場合(S408“No”)、S401に戻る。また、駐車空間90の使用が終了する場合、当該処理は終了する。駐車空間90の使用の終了は、例えば、管理者が車両誘導装置200を操作して決定しても良い。
【0114】
このように、本実施形態の車両誘導装置200は、車両1が撮影された画像に基づいて、車両1の大きさを特定し、特定した車両1の大きさに応じて、駐車空間90において車両が駐車する駐車枠900eの大きさを決定する。そして、車両誘導装置200は、大きさおよび位置を決定した駐車枠900eに、車両1を誘導する。このため、本実施形態の車両誘導装置200によれば、車両1の大きさに応じた大きさの駐車枠900eに当該車両1を駐車させることができる。
【0115】
また、本実施形態の車両誘導装置200は、さらに、特定した車両1の大きさに応じて、車両1が駐車する駐車枠900の位置を決定する。つまり、本実施形態の車両誘導装置200は、車両1の大きさに応じて駐車空間90における複数の駐車枠900の配置を変更可能である。このため、本実施形態の車両誘導装置200によれば、駐車空間90内のスペースを有効に活用することができる。
【0116】
また、本実施形態の車両誘導装置200は、車両1を駐車枠900eに駐車させる走行経路800を決定し、車両1に搭載された車載装置100に、駐車枠900eまでの走行経路800を示す走行経路情報を送信することにより、走行経路800に沿って車両1を走行させる。このため、本実施形態の車両誘導装置200は、車両1を駐車枠900eまで自動走行させる自動バレーシステムとして機能する。
【0117】
また、本実施形態の車両誘導装置200は、駐車空間90に駐車している複数の駐車車両1,1a,1c,1dのうち、いずれかの駐車車両が出庫した場合、出庫していない残りの駐車車両の大きさ、位置関係、出庫予定時刻、出庫順、用途、および特性の少なくとも何れか1つに応じて、残りの駐車車両の各々に設定された駐車枠の位置を変更する。また、本実施形態の車両誘導装置200は、残りの駐車車両のうち、駐車枠が変更された駐車車両を、変更後の駐車枠に誘導する。このため、本実施形態の車両誘導装置200によれば、駐車空間90内の車両が出庫した場合に、残車両を適切に再配置することができる。
【0118】
また、本実施形態の車両誘導装置200は、車両1の出庫予定時刻または出庫順に応じて、車両1が駐車する駐車枠900eの位置を決定してもよい。また、本実施形態の車両誘導装置200は、車両1の用途または特性に応じて、車両1が駐車する駐車枠900eの位置を決定してもよい。このため、本実施形態の車両誘導装置200によれば、車両1の大きさに加えて、さらに他の条件を加味して車両1の駐車枠900eを適切に決定することができる。
【0119】
また、本実施形態の車両誘導装置200は、駐車空間90が撮影された画像に基づいて駐車空間90の範囲を特定し、駐車空間90において駐車枠900を設けない領域を決定し、決定した内容を地図情報として記憶部250に保存する。
【0120】
本実施形態の車載装置100は、車両誘導装置200と直接的または間接的に通信する。本実施形態の車載装置100は、車両誘導装置200から、車両1の大きさに応じて決められた駐車枠900eまでの走行経路800を示す走行経路情報を受信する。そして、本実施形態の車載装置100は、車両誘導装置200から送信された走行経路情報に基づいて、車両1を駐車枠900eまで自動走行させる。このため、本実施形態の車載装置100によれば、予め白線等が設けられていない駐車空間90において、車両1の大きさに応じて決められた駐車枠900eに車両1を駐車させることができる。
【0121】
なお、本実施形態においては、車両1は車体12に結合された車輪13によって自走するものとして説明したが、車体12が自動搬送台車などに載置されて移動する構成も車両1の一例に含まれるものとする。
【0122】
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、車両誘導装置200が、車両1が駐車枠900eまで走行する走行経路を決定していた。この第2の実施形態では、車載装置100が走行経路を決定する。
【0123】
図15は、第2の実施形態に係る車両誘導装置200の機能の一例を示すブロック図である。
【0124】
図15に示すように、本実施形態の車両誘導装置200は、通信部1201、取得部202、特定部203、駐車枠決定部204、および記憶部250を備える。取得部202、特定部203、駐車枠決定部204、および記憶部250は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0125】
本実施形態の通信部1201は、第1の実施形態と同様の機能に加えて、車載装置100に駐車枠900eの位置および大きさを示す情報を送信することにより、車両1を誘導する。通信部1201は、本実施形態における誘導部の一例である。
【0126】
本実施形態において、駐車枠900eの位置および大きさを示す情報は、例えば記憶部250に記憶された地図情報9である。なお、通信部1201は、記憶部250に記憶された地図情報9に、車両1に割当てられた駐車枠900eを他の駐車枠900と区別可能な情報を付加した上で車載装置100に送信する。なお、駐車枠900eの位置および大きさを示す情報は、駐車枠決定部204が生成しても良い。
【0127】
図16は、第2の実施形態に係る車載装置100の機能の一例を示すブロック図である。
【0128】
図16に示すように、本実施形態の車載装置100は、通信部1101、取得部102、受付部103、表示制御部104、走行制御部1105、走行経路決定部106、および記憶部150を備える。取得部102、受付部103、表示制御部104、および記憶部150は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0129】
通信部1101は、第1の実施形態と同様の機能に加えて、車両誘導装置200から、駐車枠900eの位置および大きさを示す情報を受信する。
【0130】
走行経路決定部106は、車両誘導装置200から送信された駐車枠900eの位置および大きさを示す情報に基づいて、車両1を駐車枠900eに移動させる走行経路を決定する。
【0131】
走行制御部1105は、走行経路決定部106によって決定された走行経路に基づいて、車両1を自動走行させる。自動走行の手法については、第1の実施形態と同様である。
【0132】
図17は、第2の実施形態に係る車載装置100および車両誘導装置200によって実行される駐車支援処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0133】
S1の車両情報の送信処理から、S4の駐車枠900eの決定処理までは、図13で説明した第1の実施形態の処理と同様である。
【0134】
次に、本実施形態の車両誘導装置200の通信部1201は、車載装置100に駐車枠900eの位置および大きさを示す情報、例えば地図情報9を送信する(S101)。車載装置100の通信部1101は、車両誘導装置200から地図情報9を受信する。
【0135】
そして、本実施形態の車載装置100の走行経路決定部106は、地図情報9に基づいて、車両1を駐車枠900eに移動させる走行経路を決定する(S102)。
【0136】
そして、本実施形態の車載装置100の走行制御部1105は、走行経路決定部106が決定した走行経路に基づいて、車両1を駐車枠900eまで自動走行させる(S103)。車両1が自動走行により駐車枠900eに駐車すると、このシーケンス図の処理は終了する。
【0137】
このように、本実施形態の車両誘導装置200は、車両1に駐車枠900eの位置および大きさを示す情報を送信することにより、車両1を誘導する。このため、本実施形態の車両誘導装置200によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏した上で、車両1が自動バレーによる制御に対応していない場合であっても、車両1に搭載された車載装置100の駐車支援機能を活用して車両1を駐車枠900eに駐車させることができる。
【0138】
また、本実施形態の車載装置100は、車両誘導装置200から送信された駐車枠900eの位置および大きさを示す情報に基づいて、車両1を駐車枠900eに移動させる走行経路を決定し、決定した走行経路に基づいて、車両1を自動走行させる。このため、本実施形態の車載装置100によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏した上で、車両1が自動バレーによる制御に対応していない場合であっても、車両誘導装置200に指定された駐車枠900eに、車両1を駐車させることができる。
【0139】
(第3の実施形態)
上述の第1、2の実施形態では、車両1が自動走行により駐車枠900eに移動していた。この第3の実施形態では、運転者が手動で車両1を走行させる場合に対応する。
【0140】
図18は、第3の実施形態に係る車両誘導装置200の機能の一例を示すブロック図である。
【0141】
図18に示すように、本実施形態の車両誘導装置200は、通信部2201、取得部202、特定部203、駐車枠決定部204、走行経路決定部1205、および記憶部250を備える。取得部202、特定部203、駐車枠決定部204、および記憶部250は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0142】
本実施形態の通信部2201は、第1の実施形態と同様の機能に加えて、車載装置100に駐車枠900eの位置および大きさを示す画像データを送信することにより、車両1を誘導する。通信部2201は、本実施形態における誘導部の一例である。
【0143】
また、本実施形態の走行経路決定部1205は、第1の実施形態と同様に、車両1を駐車枠900に駐車させる走行経路800を決定する。本実施形態においては、走行経路決定部1205が決定する走行経路800は、車両1の運転者の手動運転の参考にするための推奨走行経路である。
【0144】
本実施形態において、駐車枠900eの位置および大きさを示す画像データは、例えば地図情報9を表す画像データ、および走行経路800を表す画像データである。本実施形態においては、地図情報9を表す画像データ、および走行経路800を表す画像データを総称して、地図画像データという。地図画像データは、駐車枠決定部204または走行経路決定部1205により生成される。
【0145】
なお、車両誘導装置200は、走行経路決定部1205を備えなくとも良い。この場合、地図画像データは走行経路800を示す画像データを含まない。
【0146】
図19は、第3の実施形態に係る車載装置100の機能の一例を示すブロック図である。
【0147】
図19に示すように、本実施形態の車載装置100は、通信部2101、取得部102、受付部103、表示制御部2104、および記憶部150を備える。取得部102、受付部103、および記憶部150は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0148】
通信部2101は、第1の実施形態と同様の機能に加えて、車両誘導装置200から、駐車枠900eの位置および大きさを示す情報、例えば地図画像データを受信する。
【0149】
表示制御部2104は、第1の実施形態と同様の機能に加えて、車両誘導装置200から受信した地図画像データを、地図画像として表示装置120に表示させる。
【0150】
図20は、第3の実施形態に係る表示装置120に表示された地図画像121の一例を示す図である。図20に示す例では、地図画像121は、駐車空間90を示す駐車空間画像91、走行経路用の領域950を示す走行領域画像951、既に他の車両1a~1dが駐車する駐車枠900a~900dを示す駐車済み駐車枠画像901a~901d、車両1に割当てられた駐車枠900eを示す目標駐車枠画像901e、車両1の現在位置を示すアイコン画像122、および走行経路800を示す走行経路画像801を含む。なお、地図画像121は、さらに、他の車両1a~1dを示すアイコン画像を含んでも良い。
【0151】
車両1の運転者は、地図画像121を見ることにより、駐車枠900eの位置および大きさを把握することができる。
【0152】
なお、本実施形態では車両誘導装置200が地図画像データを生成するものとしたが、車載装置100の表示制御部2104が地図画像データを生成してもよい。また、表示制御部2104は、車両1の移動に伴って、地図画像121上のアイコン画像122を移動させても良い。
【0153】
図21は、第3の実施形態に係る車載装置100および車両誘導装置200によって実行される駐車支援処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0154】
S1の車両情報の送信処理から、S4の駐車枠900eの決定処理までは、図13で説明した第1の実施形態の処理と同様である。
【0155】
また、車両誘導装置200の走行経路決定部1205は、推奨する走行経路800を決定する(S201)。そして、走行経路決定部1205は、記憶部250に記憶された地図情報9および走行経路800に基づいて、地図画像データを生成する。
【0156】
車両誘導装置200の通信部2201は、車載装置100に駐車枠900eの位置および大きさを示す画像データ、例えば地図画像データを送信する(S201)。車載装置100の通信部2101は、車両誘導装置200から地図画像データを受信する。
【0157】
そして、車両誘導装置200の表示制御部2104は、車両誘導装置200から受信した地図画像データに基づく地図画像121を表示装置120に表示させる(S203)。
【0158】
そして、車両1の運転者は、地図画像121を参考に、手動走行により、車両1を駐車枠900eに駐車させる(S204)。
【0159】
このように、本実施形態の車両誘導装置200は、車両1に駐車枠900eの位置および大きさを示す画像データを送信することにより、車両1を誘導する。このため、本実施形態の車両誘導装置200によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏した上で、車両1が自動走行機能を備えない場合であっても、運転者が車両1を駐車枠900eに駐車させることを支援することができる。
【0160】
また、本実施形態の車載装置100は、車両誘導装置200から送信された駐車枠900eの位置および大きさを示す画像データを、表示装置120に表示させる。
【0161】
駐車空間90は駐車枠900eを示す白線等の物理的な目印を有さないため、運転者が実空間を見ても、駐車枠900eの位置および大きさを把握することは困難である。本実施形態の車載装置100は、駐車枠900eの位置および大きさを示す画像データを表示することにより、運転者が駐車枠900eの位置および大きさを視覚的に把握可能にする。
【0162】
上述の各実施形態では、運動場が臨時の駐車場に転用された駐車空間90を例として説明したが、他の場所においても、各実施形態の車両誘導装置200および車載装置100は適用可能である。
【0163】
図22は、車両誘導装置200および車載装置100が適用可能な場所の一例を示す図である。図22に示す例では、港の積荷スペースを第1の駐車空間90a、複数の車両が積載される船の船上の空間を第2の駐車空間90bとする。例えば、複数の車両が船に積載されて出荷される場合を想定する。
【0164】
第1の駐車空間90aには第1のカメラ5a、第2の駐車空間90bには第2のカメラ5bがそれぞれ設置される。第2のカメラ5bは、例えば船上の空間の天井に取り付けられた魚眼カメラである。なお、設置されるカメラの種類は、第1の駐車空間90aおよび第2の駐車空間90bの広さおよび形状に応じて適宜変更可能である。
【0165】
車両誘導装置200は、例えば、船上に搭載される。船が港に接岸すると、車両誘導装置200は、第1の駐車空間90aに設置された第1のカメラ5aおよび船上に設置された第2のカメラ5bから取得した画像に基づいて、地図情報9を生成する。
【0166】
なお、港の積荷スペースと、船上でそれぞれ別個の車両誘導装置200が設けられても良い。
【0167】
車両誘導装置200は、第1の駐車空間90aに駐車させる各車両の大きさに応じて、駐車枠900aa~900alを設定し、各駐車枠900aa~900alに車両を駐車させる。
【0168】
また、車両誘導装置200は、第2の駐車空間90bに駐車させる各車両の大きさに応じて、駐車枠900am~900arを設定し、各駐車枠900am~900arに車両を駐車させる。
【0169】
また、第2の駐車空間90bの入り口にはゲート700が設けられ、車両誘導装置200は、当該ゲート700を通過して第2の駐車空間90bに駐車させる車両を管理する。なお、船上に複数のフロアがある場合、車両誘導装置200の駐車枠決定部204は、ゲート700またはフロアの階数に対応付けて複数の駐車空間を管理し、各駐車空間に複数の駐車枠を設定してもよい。
【0170】
また、同一の駐車空間90を、時間的な区切りによって異なる態様で使用しても良い。
【0171】
図23は、平日と休日で異なる大きさの車両が駐車する駐車空間90の一例を示す図である。図23に示す例では、駐車空間90は、平日は大型車両の駐車を禁止し、小型車または中型車等の通常車両のみを駐車可能としている。また、当該駐車空間90は、休日には大型車両専用の駐車場となる。
【0172】
車両誘導装置200は、車両の大きさに応じて駐車枠900の位置および大きさを変更できるため、駐車空間90を利用する車両の大きさが平日と休日で異なる場合においても、柔軟に対応することができる。
【0173】
また、駐車空間90の入口か進入しようとする車両が、利用時間における駐車可能な車両ではない場合、車両誘導装置200は、駐車空間90に設置されたスピーカ等を介して、駐車禁止であることを示す通知を出力しても良い。また、車両誘導装置200の通信部201は、駐車禁止の車両1に搭載された車載装置100に、駐車禁止であることを示す通知を送信しても良い。
【0174】
(変形例1)
上述の各実施形態では、駐車空間90に設置されたカメラ5を、防犯カメラまたは監視カメラ等の固定カメラ、または新たに仮設されたカメラと説明したが、専用のカメラの代わりに、車両に設置されたドライブレコーダー等をカメラ5として活用しても良い。
【0175】
また、後付されたドライブレコーダーではなく、車両1の自己位置推定または障害物検知に使用される車載カメラ16をカメラ5として活用しても良い。
【0176】
本件例では、駐車空間90の運用中は、カメラ5の代わりとなるドライブレコーダー等を備える車両を駐車空間90に停車させておく。このような構成により、駐車空間90の運用のための事前準備を簡易化することができる。
【0177】
(変形例2)
上述の各実施形態では、車両誘導装置200の特定部203は、画像認識により車両1の大きさを特定していたが、車両1の大きさの特定手法はこれに限定されない。
【0178】
例えば、車両誘導装置200の通信部201は、車載装置100から車両1の大きさを示すサイズ情報を受信しても良い。
【0179】
サイズ情報は、例えば、車両1の縦および横の長さを示す。また、サイズ情報は、さらに、車両1の高さの情報を含んでも良い。特定部203は、サイズ情報に基づいて、車両1の大きさを特定する。
【0180】
また、車両誘導装置200の通信部201は、車両1から車両1の車種を示す情報を、サイズ情報として受信しても良い。この場合、車両誘導装置200の記憶部250は、車種とサイズとを対応付けた車種別サイズデータベースを記憶しているものとする。特定部203は、車両1の車種を示す情報で車種別サイズデータベースを検索することにより、車両1の大きさを特定する。
【0181】
あるいは、特定部203は、画像認識により車両1の車種を認識しても良い。
【0182】
また、サイズ情報は、“軽四車両”、“普通乗用自動車”等の車両1の大きさを表す区分であってもよい。あるいは、サイズ情報は、車両1のナンバープレートに記載された分類番号であってもよい。例えば、分類番号が5ナンバーである場合、車両1は“小型乗用自動車および小型乗合自動車”であり、全長4700mm以下、全幅1700mm以下、かつ、全高2000mm以下となる。また、分類番号が3ナンバーである場合、車両1は、“普通乗用自動車”となり、全長4701mm以上、全幅1701mm以上、全高2001mm以上となる。
【0183】
また、駐車枠900の大きさは、例えば、軽四車両用、5ナンバー用、3ナンバー用など、車両1のサイズを表す区分または分類番号に応じて予め一様の値が定められていてもよい。例えば、車両1のサイズを表す区分または分類番号と、当該区分または分類番号に対応する駐車枠900の大きさとが対応付けられて記憶部250に記憶されていてもよい。また、区分または分類番号に対応する各駐車枠900の大きさに従って、駐車空間90内の各駐車枠900の配置を定義した複数のパターンの地図情報9が予め記憶部250に記憶されていてもよい。この場合、駐車枠決定部204は、記憶部250に記憶された複数のパターンの地図情報9のうち車両1の区分または分類番号に対応する地図情報9を読み出して、当該車両1に割り当てる駐車枠900を決定する。
【0184】
(変形例3)
上述の各実施形態では、車両誘導装置200は駐車空間90内または駐車空間90の近傍に設置されるものとしたが、車両誘導装置200の設置場所はこれに限定されない。
【0185】
例えば、車両誘導装置200は、クラウド環境上に設けられても良い。この場合、カメラ5、および車載装置100はインターネット等のネットワークを介して当該クラウド環境と通信する。
【0186】
また、カメラ5が車両誘導装置200の機能を備えても良い。
【0187】
(変形例4)
車両誘導装置200は上述の各実施形態で説明した機能に加えて、さらに防犯装置、または交通安全装置としての機能を備えても良い。例えば、車両誘導装置200の特定部203は、駐車空間90内に歩行者が進入した場合に、カメラ5が撮影した画像から当該歩行者を検知する機能を備えても良い。また、車両誘導装置200の通信部201は、外部の警報装置等に歩行者の検知結果を送信しても良い。
【0188】
(変形例5)
また、車両誘導装置200は、各種の処理にAI(Artificial Intelligence)技術を適用してもよい。例えば、駐車空間90に駐車している車両の再配置処理に、深層学習等の学習済モデルを採用しても良い。
【0189】
(変形例6)
また、車両誘導装置200による車両1の誘導手法は、上述の例に限定されるものではない。例えば、車両誘導装置200の通信部201は、車両1の操舵、制動、および加減速を制御する制御信号を車載装置100に送信することにより、車両1を駐車枠900eに誘導してもよい。この場合、車両誘導装置200の走行経路決定部205は、車両1から車両1の位置を示すGPS位置情報を取得し、車両1の実際の位置を把握した上で、走行経路800を補正してもよい。
【0190】
また、車両誘導装置200は、駐車空間90に備えられたレーダー、あるいは車両1に備えられた送受波部15により特定された車両1の位置に基づいて、車両1の走行経路800を補正し、補正後の走行経路800を車両1に送信しても良い。
【0191】
また、各種のマーカが車両1の誘導に用いられてもよい。マーカは、物理的に存在するリアルなものと、バーチャルなものとの2種類があるが、いずれも採用可能である。例えば、リアルなマーカは、車両1が当該マーカとの通信、または当該マーカを車載カメラ16で撮影こと等により位置を認識可能となる物体である。駐車空間90の主要な位置に、リアルなマーカを管理者等が予め設置することにより、車両1の走行の目印にすることができる。
【0192】
また、バーチャルなマーカは、地図の特定点を表す情報である。例えば、車載装置100と車両誘導装置200とが複数のバーチャルなマーカを共通して保持しておき、車両誘導装置200は、当該複数のバーチャルなマーカを車両1の誘導の際の目印として使用してもよい。また、リアルなマーカとバーチャルなマーカとが組み合わされて使用されてもよい。
【0193】
(変形例7)
なお、車両誘導装置200は、各車両に割り当てた駐車枠900の大きさおよび駐車時間に基づいて、駐車料金を課金してもよい。例えば、車両誘導装置200は、図6図15、または図18に記載した構成に加えて、駐車料金を課金する課金部を備えてもよい。なお、課金部は、駐車枠900の大きさと駐車時間の両方に基づいて駐車料金を決定してもよいし、駐車枠900の大きさと駐車時間のいずれか一方に基づいて駐車料金を決定してもよい。
【0194】
上述の各実施形態の車載装置100および車両誘導装置200で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0195】
また、上述の各実施形態の車載装置100および車両誘導装置200で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上述の各実施形態の車載装置100および車両誘導装置200で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0196】
また、上述の各実施形態の車載装置100および車両誘導装置200で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0197】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0198】
1,1a~1e 各車両
5,5a,5b カメラ
9 地図情報
60 キャリブレーション用の車両
90 駐車空間
90a 第1の駐車空間
90b 第2の駐車空間
100 車載装置
101,1101,2101 通信部
102 取得部
103 受付部
104,2104 表示制御部
105,1105 走行制御部
106 走行経路決定部
120 表示装置
121 地図画像
150 記憶部
200 車両誘導装置
201,1201 通信部
202 取得部
203 特定部
204 駐車枠決定部
205,1205 走行経路決定部
250 記憶部
600 マーカ
800 走行経路
900,900a~900v,900aa~900ar 駐車枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23