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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053691
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】卵容器の荷姿検査装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/10 20060101AFI20230406BHJP
【FI】
B65B57/10 A
B65B57/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162878
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】南部 隆彦
(57)【要約】
【課題】輸送用の入れ物内での卵容器の荷姿を確認できる。
【解決手段】本発明の卵の荷姿検査装置8は、四方を囲む側壁B1を有する輸送用の入れ物B内の卵容器Pの荷姿を検査するものであって、搬送部5と、検出部2と、判断部3とを備える。搬送部5は、複数の卵容器Pが入れられた輸送用の入れ物Bを搬送する。検出部2は、搬送部5で搬送される輸送用の入れ物Bの中に入れられた卵容器Pを検出する。判断部3は、検出部2が検出した情報に基づいて、複数の卵容器Pが所定の荷姿であるか否かを判断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四方を囲む側壁を有する輸送用の入れ物内の卵容器の荷姿を検査する卵容器の荷姿検査装置であって、
複数の卵容器が入れられた前記輸送用の入れ物を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送される前記輸送用の入れ物の中に入れられた卵容器を検出する検出部と、
前記検出部が検出した情報に基づいて、前記複数の卵容器が所定の荷姿であるか否かを判断する判断部とを備える、卵容器の荷姿検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵容器の荷姿検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
荷姿検査装置の一例として、荷物を搬送する搬送システムにおいて、荷物のずれや荷崩れを含む荷姿の異常を検出するものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この荷姿検査装置は、自動倉庫で使用され、パレットに載せられた荷物がスタッカークレーンに積まれた状態での荷姿の異常を検出する。荷姿検査装置は、発光素子と受光素子とを用いた光センサを備える。発光素子は、荷物の一端側に配置され、上下方向に傾斜して発光する。受光素子は、荷物の反対側に配置される。
【0003】
卵もスタッカークレーンに積まれた状態で運ばれることがある(例えば、特許文献2を参照)。卵用のトレイは、トレイ同士が上下で係り合うような構造を有している。そのため、自動倉庫で用いられる場合に荷崩れ等が生じる可能性は低い。
【0004】
一方、卵は、蓋部を備えた容器(例えば、透明のプラスチック製の卵容器)に入れられることもある。容器に入った卵は、容器同士が重ねられた状態で輸送用の入れ物(例えば、段ボール箱)に収納されて運ばれる(例えば、特許文献3を参照)。
【0005】
段ボール箱内では、卵容器が上下方向に複数個積み重ねられるが、個別の卵容器は、とても不安定である。例えば、卵容器は、卵の下側を収容する本体部と、卵の上側を収容する蓋とから構成される。本体部は、卵に沿った凹凸形状をしており、蓋部も卵容器に特有の形状をしている。さらに、本体部と蓋部との接続部分には、外方に突出するフランジが設けられている。また、卵容器は、消費者が蓋部を容易に開放できるような構造になっている。そのため、卵容器を移載する際に、ロボット等を用いて蓋部の上面を吸着して卵容器が持ち上げられると、場合によっては、蓋部と本体部との一部または全部が離れてしまうこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-44007号公報
【特許文献2】特開2017-109821号公報
【特許文献2】特開2019-43591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、卵容器には荷姿が不安定になる要素が複数ある。そのため、例えば、ロボットが段ボール箱内まで卵容器を移載するための動作を完了しても、実際は、卵容器が所定箇所に配置されていなかったり、卵容器が段ボール箱内で傾いていたり、卵容器の蓋部が外れてしまっていたりなど卵容器が所望の状態でない可能性がある。
【0008】
しかしながら、従来は、そのような荷姿の異常を確認することは行われてこなかった。また、特許文献1のようなパレットとは異なり、卵容器が収容される輸送用の入れ物には、特許文献1で開示されているような荷姿検査装置をそのまま適用することは難しい。
【0009】
本発明は、輸送用の入れ物内での卵容器の荷姿を確認できる卵容器の荷姿検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の卵容器の荷姿検査装置は、四方を囲む側壁を有する輸送用の入れ物内の卵容器の荷姿を検査する卵容器の荷姿検査装置であって、複数の卵容器が入れられた輸送用の入れ物を搬送する搬送部と、搬送部で搬送される輸送用の入れ物の中に入れられた卵容器を検出する検出部と、検出部が検出した情報に基づいて、複数の卵容器が所定の荷姿であるか否かを判断する判断部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、輸送用の入れ物内での卵容器の荷姿を確認できる卵容器の荷姿検査装置を提供できる。
【0012】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態にかかる卵容器の荷姿検査装置が適用されるパック集合体の生産システムを示す正面図である。
図2】同実施形態にかかるパック集合体の生産システムを示す側面図である。
図3】同実施形態にかかるパック集合体の生産システムを示すブロック図である。
図4】パック集合体を説明する正面図である。
図5】パック集合体を説明する平面図である。
図6】パック集合体を説明する平面図である。
図7】輸送用の入れ物内の荷姿異常の一例を示す図6に対応する図である。
図8】他の実施形態にかかるパック集合体の生産システムを示す図2に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1図7を参照して説明する。本実施形態にかかる卵容器Pの荷姿検査装置8は、パック集合体Sの生産システム10に用いられる。
【0015】
まず、パック集合体Sについて説明する。パック集合体Sは、例えば、GPセンター(Grading and Packing Center)で作られる。パック集合体Sは、トラックなどに載せられて、消費者が購入可能な店頭へと運ばれる。
【0016】
パック集合体Sは、輸送用の入れ物Bに複数個の卵容器Pが詰められた状態のものである。輸送用の入れ物Bには、一つの平面内に複数個の卵容器Pが並べられるとともに、上下方向に複数個の卵容器Pが積み重ねられる。
【0017】
輸送用の入れ物Bは、四方を囲む側壁B1を有するもので、本実施形態では段ボール箱で説明するが、プラスチック製のコンテナなどであってもよい。輸送用の入れ物Bは、蓋B2を備えていてもよい。
【0018】
卵容器Pは、種々の大きさ、形状のものがあるが、図では、10個入りのもので、蓋部P3の天面が平坦な卵容器Pを示している。卵容器Pは、容器P1に複数個の卵が詰められて、封緘された状態のものである。このような卵容器Pを撮影するにあたっては、輪郭を捉えにくく、また、光沢面を備えており、リブの凹凸により表面が一様ではなく撮影時にぎらつきを生じる。そのため、卵容器Pを撮影するためには特殊な撮影方法または画像処理方法が必要となる。
【0019】
容器P1は、この分野でよく知られるもので、材質または形状が異なる種々のタイプのものを含む。容器P1は、例えば、透明な合成樹脂製のものである。容器P1は、外力により変形する厚さで作られており、複数のリブが設けられている。容器P1は、本体部P2と、蓋部P3とを備える。本体部P2は、卵の下側を収容するもので、卵に沿った凹凸形状をなし、全体的に下方に向かって内側に傾斜した形状をなす。蓋部P3は、卵の上側を収容するもので、上方に向かって内側に傾斜した形状をなす。蓋部P3は、卵に沿った凹凸形状をなしていてもよい。蓋部P3は、上面側に突起を有する。突起は、例えば、天面の各コーナー部分に設けられており、上に積まれた卵容器Pの位置ずれを防止する。
【0020】
卵容器Pは、外方に突出するフランジP4を備える。フランジP4の一辺は、本体部P2と蓋部P3とが一体成形されてつながっている。フランジP4の一辺は、ミシン目が設けられた状態で接続されていてもよい。フランジP4の他の一辺は、図示しないテープを用いて接続されている。フランジP4の他の一辺は、熱溶着で接続されていてもよい。本体部P2と蓋部P3とは、消費者が容易に分離できるような状態で接続されている。
【0021】
輸送用の入れ物Bには、上の段の卵容器Pの本体部P2と下の段の卵容器Pの蓋部P3とが接するように積み重ねられる。上の段と下の段とで、同じ並べ方でもよいし、並べ方が異なっていてもよい。なお、卵容器Pは、卵の下方を収容する部分が凹凸形状をなし、積み重ねられた後に輸送用の入れ物B内で姿勢が変化し得る。言い換えれば、卵容器Pの上に別の卵容器Pが置かれて、非常に不安定な状態で積み重ねられる。例えば、上の卵容器Pの本体部P2が下の卵容器Pの蓋部P3の傾斜面に載せられたり、上の卵容器Pの荷重により下の卵容器Pの蓋部P3が下方に凹んだりする。また、後述する変形可能なフランジP4を備えるため、隣接する卵容器P間の距離が変化し得る。
【0022】
パック集合体Sを生産するための生産システム10は、輸送用の入れ物B内に複数個の卵容器Pを移載して、輸送用の製品であるパック集合体Sを完成させるためのシステムである。パック集合体Sの生産システム10は、移載部1と、検出部2と、判断部3と、第一搬送部4と、第二搬送部5と、製函部6と、封緘部7とを備える。第二搬送部5と、検出部2と、判断部3とは、本実施形態の卵容器Pの荷姿検査装置8を構成する。
【0023】
本実施形態では、卵の荷姿検査装置8は、GPセンター等において生産されるパック集合体Sの生産過程を撮影し、この撮影によって得られた画像データを、所定のモデルにしたがって検査し、その検査結果を出力する。このモデルは、例えば機械学習によって得られたものであり、格納部31に格納されている。生産システム10は、検査結果に基づいて、パック集合体Sに異常があるか否かを判定する。それにより、検出部2よりも下流側に位置する装置、例えば、封緘部7や、パレタイザ(図示しない)へと、当該輸送用の入れ物Bを搬送してもよいか否かを自動的に検出する。パレタイザは、輸送用の入れ物Bを複数集めてパレットなどに載置する。
【0024】
移載部1は、卵容器Pを保持して、第一搬送部4から輸送用の入れ物Bまで卵容器Pを移載する。移載部1は、一回に複数個の卵容器Pを持ち上げて移動させる。移載部1は、例えば、慣用の多関節ロボット(例えば、6軸垂直多関節ロボットなど)を用いる。移載部1は、真空機構(図示しない)に接続され、上下方向に伸縮可能な蛇腹構造を有する複数の吸着部11を備える。移載部1は、吸着部11を用いて卵容器Pの上面を吸着して持ち上げる。本実施形態では、吸着部11が蓋部P3の天面側のみで保持しているため、卵容器Pが持ち上げられると、卵の荷重によって、接続されたフランジP4部分に大きな負荷がかかる。また、移動に伴い横揺れが生じるため、吸着部11の保持状態も安定しない。
【0025】
検出部2は、第二搬送部5で搬送される輸送用の入れ物Bの中に入れられた卵容器Pを検出する。検出部2は、例えば、卵容器Pの画像を撮影するカメラである。検出部2は、第二搬送部5の上方に設けられ、搬送される輸送用の入れ物Bを撮影する。撮影された画像は、判断部3へ送られる。
【0026】
判断部3は、検出部2が検出した情報に基づいて、複数の卵容器Pが所定の荷姿であるか否かを判断する。本実施形態では、判断部3は、検出部2で撮影された画像に基づいて、領域内での異常を検出する。判断部3は、画像データを所定の項目に照らして検査し、その結果(例えば、卵容器Pの荷姿に異常が生じているか否か)を出力する。判断部3による判断は、例えば、機械学習によって得られた所定の学習モデルにしたがって行われる。異常が生じている例としては、卵容器Pが所定箇所に配置されていないこと、卵容器Pが傾いていること、卵容器Pの蓋部P3が外れていることなどが挙げられる。なお、判断部3は、コンピュータを用いて構成されている。
【0027】
判断部3は、検出部2が検出した情報に基づいて、複数の卵容器Pが所定の荷姿であるか否かを判断する。すなわち、画像データに基づいて、輸送用の入れ物B内の卵容器Pの荷姿が正常か異常かを判定する。荷姿が異常の場合は、例えば、以下の第1~第3の場合がある。
【0028】
第1の場合は、卵容器Pが所定箇所に配置されていない場合である。第1の場合の一例を図7に示す。判断部3は、例えば、画像に含まれる卵容器Pの個数から第1の場合を判定することができる。
【0029】
第2の場合は、卵容器Pが傾いている場合である。判断部3は、例えば、画像に含まれる卵容器Pの向きから第2の場合を判定することができる。
【0030】
第3の場合は、卵容器Pの蓋部P3が外れている場合である。判断部3は、例えば、蓋部P3が検出できないこと、または、蓋部P3に設けられたラベルが検出できないこと等から第3の場合を判定することができる。
【0031】
このように、画像データに応じて輸送用の入れ物Bに複数段に積まれる卵容器Pの荷姿を判定することができる。
【0032】
学習モデルは、教師データを用いて予め学習がなされている。輸送用の入れ物B内の卵容器Pの荷姿が正常であると判明している多数の卵容器Pの状態について、画像データが取得され、教師データが作成される。教師データには、輸送用の入れ物B内の卵容器Pの荷姿が正常な状態であることを表す情報と、輸送用の入れ物B内の卵容器Pの荷姿を撮影した画像を表す画像データとが含まれる。教師データに含まれる卵容器Pの荷姿の画像データが入力層の各ノードに入力され、教師データに含まれる情報が示す状態に合致したスコアを出力層の各ノードから出力されるように、各ノードの演算のパラメータが調整される学習がなされている。例えば、学習では、出力層の各ノードの出力値及び教師データから期待される出力値を変数とする誤差関数により誤差を計算し、誤差逆伝搬法によって当該誤差が最小となるように、各ノードの演算のパラメータを調整している。
【0033】
格納部31は、機械学習によって得られた学習モデルを格納する。学習モデルは、画像データに応じて卵容器Pの状態を判定する処理を行うための学習済みのモデルである。学習モデルは、入力層、中間層、出力層を備えたニューラルネットワークを用いる。入力層は、画像データが入力される。例えば、画像に含まれる各画素での画素値が、入力される。出力層は、卵容器Pの状態を出力する。格納部31は、入れ物Bの種類ごと、卵容器Pの種類ごとに記憶、蓄積された画像データが学習された学習モデルを備える。すなわち、各製品アイテムに対応した学習モデルを備える。
【0034】
判断部3は、CPU(Central Processing Unit)、内部メモリ、入出力インターフェース、AD(analogue-to-digital)変換部などの専用のコンピュータまたは汎用のコンピュータによって構成される。内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPUおよびその周辺機器が協働することによって、判断部3としての機能が発揮される。
【0035】
なお、判断部3による判断結果に基づいて、第二搬送部5または検出部2よりも下流側の機器の少なくとも一つに信号を出力する制御部(図示しない)を備えてもよい。具体的には、制御部は、異常であると判定された結果に基づいて、異常信号を出力する。制御部は、第二搬送部5の動作を止める、または、検出部2よりも下流側の機器である封緘部7やパレタイザの動作を止める。
【0036】
第一搬送部4は、卵容器用の搬送部であり、卵容器Pを搬送して、卵容器用の待機部41に供給する。卵容器用の待機部41は、第一搬送部4の下流部分に設けられており、移載部1が卵容器Pを保持可能となるように卵容器Pの移動を制限するストッパ42が設けられている。
【0037】
第二搬送部5は、輸送用の入れ物用の搬送部であり、輸送用の入れ物Bを搬送して、搬送の途中で輸送用の入れ物B内に卵容器Pが入れられる。第二搬送部5は、移載部1が卵容器Pを安定して積み込むことができるように入れ物Bの移動を制限するストッパ(図示しない)が設けられている。
【0038】
製函部6は、段ボール箱を折り畳まれた状態から底を形成した状態にする。製函部6は、第二搬送部5の上流部分に配置される。
【0039】
封緘部7は、図示しないテープなどを用いて段ボール箱の蓋B2を閉めた状態にする。封緘部7は、第二搬送部5の下流部分に配置される。
【0040】
次に、卵容器Pの荷姿検査装置8で実行される、パック集合体Sの生産方法と、画像データに基づく異常検出処理の一例を示す。
【0041】
まず、製函部6で組み立てられた空の輸送用の入れ物Bが、第二搬送部5で所定位置まで搬送される(ステップS1)。移載部1は、卵容器Pを卵容器用の待機部41から持ち上げ、輸送用の入れ物Bの所定位置へ移載する(ステップS2)。移載部1は、卵容器Pの待機部41と、輸送用の入れ物Bとの間を複数回往復する。輸送用の入れ物Bに所定個数の卵容器Pが収容されると、第二搬送部5は、輸送用の入れ物Bを検出部2のある方へ搬送する。
【0042】
検出部2は、次に検査する製品アイテムについて設定処理が行われた状態で待機している。設定処理では、製品アイテムに対応する学習モデルを選択する。格納部31は、パラメータの異なる複数の学習モデルを含んでおり、これらの学習モデルの中から用いるべき学習モデルを選択する。
【0043】
第二搬送部5に設けられたセンサ(図示しない)が、卵容器Pが入った状態の輸送用の入れ物Bの到来を検知すると、検出部2は、輸送用の入れ物B内の卵容器Pを撮影する(ステップS3)。その後、判断部3は、画像データに基づいて、卵容器Pの荷姿の異常の有無を判定する(ステップS4)。判定処理は、学習モデルを用いて判定する処理である。例えば、卵容器Pの荷姿が正常であるか、または異常であるか、のそれぞれの分類に属する可能性を推定結果として取得し、推定結果に基づいて、卵容器Pの荷姿の正常または異常を特定する(ステップS5)。
【0044】
判定結果は、制御部へ出力されてもよい。例えば、ステップS5で、卵容器Pの荷姿が正常であれば、制御部に正常信号を出力して、第二搬送部5の搬送を続ける。一方、卵容器Pの荷姿が異常であれば、制御部がエラー出力を行い、第二搬送部5の搬送を止める。
【0045】
以上説明したように、本実施形態にかかる卵容器Pの荷姿検査装置8は、四方を囲む側壁B1を有する輸送用の入れ物B内の卵容器Pの荷姿を検査する。卵容器Pの荷姿検査装置8は、第二搬送部5と、検出部2と、判断部3とを備える。第二搬送部5は、複数の卵容器Pが入れられた輸送用の入れ物Bを搬送する。検出部2は、第二搬送部5で搬送される輸送用の入れ物Bの中に入れられた卵容器Pを検出する。判断部3は、検出部2が検出した情報に基づいて、複数の卵容器Pが所定の荷姿であるか否かを判断する。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0047】
上記実施形態では、輸送用の入れ物Bへの卵容器Pの移載がすべて完了した後に、第二搬送部5で輸送用の入れ物Bを検出部2へ移動させて、卵容器Pの荷姿を検査するものについて説明したが、本発明の卵容器の荷姿検査装置8は、輸送用の入れ物Bへの移載が完了する前に検査を行うものであってもよい。
【0048】
例えば、検出部2は、移載部1が輸送用の入れ物Bの所定位置へ卵容器Pを載せる動作を行うたびに、すなわち、一回の移載動作ごとに検出するものであってもよい。または、検出部2は、移載部1が複数回動作を行った後に検出してもよい。例えば、検出部2は、輸送用の入れ物Bの一層分の卵容器Pを移載した後に検出する。検出部2は、移載部1に設けられていてもよい。検出部2は、輸送用の入れ物Bが第二搬送部5で搬送されている最中に検出を行ってもよいし、輸送用の入れ物Bが第二搬送部5上で停止した状態で検出を行ってもよい。
【0049】
判断部3は、移載部1が輸送用の入れ物Bの所定位置へ卵容器Pを載せる動作を行うたびに、すなわち、一回の移載動作ごとに判断するものであってもよい。または、判断部3は、移載部1が複数回動作を行った後に判断してもよい。例えば、判断部3は、輸送用の入れ物Bの一層分の卵容器Pを移載した後に判断する。
【0050】
卵容器の荷姿検査装置8は、さらに、判断部3による判断結果に基づいて、移載部1に次の動作を指示する制御部を備えてもよい。具体的には、制御部は、異常がないという検出結果である場合には、次の動作は、移載部1による処理を継続させる動作であり、一方、異常があるという検出結果である場合には、次の動作は、異常信号を出力して、移載部1による処理を停止させる動作である。異常信号は、異常検出時にすぐに出力されるものであってもよいし、1つの輸送用の入れ物Bに対する全ての移載が完了した後に出力されるものであってもよい。
【0051】
輸送用の入れ物Bは、四方を囲む側壁B1を有するものであればどのようなものであってもよく、蓋B2を備えていなくてもよい。また、図8に示すように、輸送用の入れ物Bは、プラスチック製のコンテナであってもよい。なお、図8では、上述した実施形態と同一またはこれに対応する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0052】
卵容器Pは、紙製のパックや紙製のトレイであってもよい。
【0053】
検出部2は、画像を撮影するものには限られず、例えば、光電センサなどを用いるものであってもよい。荷姿の異常は、上述した第1~第3の場合には限られない。また、判断部3は、検出部2とは別の場所にあってもよく、例えば、クラウド上に設けられていてもよい。
【0054】
上述した実施形態では、機械学習を用いた例で説明したが、機械学習を用いることなく、一般的な画像処理を用いて卵容器Pの荷姿の検査を行ってもよい。
【0055】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、卵容器の荷姿検査装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
10…生産システム
1…移載部
2…吸着部
3…判断部
31…格納部
4…第一搬送部
41…待機部
42…ストッパ
5…第二搬送部
6…製函部
7…封緘分
8…卵容器の荷姿検査装置
S…集合体
B…輸送用の入れ物
B1…側壁
B2…蓋
P…卵容器
P1…容器
P2…本体部
P3…蓋部
P4…フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8