特開 2023-53694 空調支持装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023053694

(43)【公開日】2023-04-13

(54)【発明の名称】空調支持装置

(51)【国際特許分類】

   F24F 13/02 20060101AFI20230406BHJP

   F16L 3/26 20060101ALI20230406BHJP

【ＦＩ】

F24F13/02 F

F16L3/26

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021162884

(22)【出願日】2021-10-01

(71)【出願人】

【識別番号】591029921

【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100085556

【弁理士】

【氏名又は名称】渡辺 昇

(74)【代理人】

【識別番号】100115211

【弁理士】

【氏名又は名称】原田 三十義

(72)【発明者】

【氏名】村田 孝友

(72)【発明者】

【氏名】廣井 秀明

(72)【発明者】

【氏名】京井 貴史

【テーマコード（参考）】

3H023

3L080

【Ｆターム（参考）】

3H023AB05

3H023AC04

3L080AA09

3L080AC01

3L080AD02

(57)【要約】

【課題】空調部材を建物の天井に簡易に設置でき、設置施工時間を短縮する。
【解決手段】発泡樹脂からなる四角形断面の空調部材１０を、連結金具３０を介して、全ネジからなる吊り材２に連結して支持する。連結金具３０のＬ字アングル部３１を空調部材１０のコーナー１７に宛がい、差込爪３４，３５を空調部材１０に差し込む。Ｌ字アングル部３１の垂直片３３から水平片３２とは反対側へ水平に連結突片３６を突出させる。吊り材２を、連結突片３６の案内開口３６ｃから切り欠き孔３６ａに挿し入れ、受けナット３に連結突片３６を載せる。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

発泡樹脂からなる四角形断面の空調部材を全ネジからなる吊り材に連結して支持する装置であって、
水平片及び垂直片を有して前記空調部材のコーナーに宛がわれるＬ字状のアングル部と、前記アングル部の水平片から垂直片と平行に突出されて前記空調部材に差し込まれる差込爪と、前記垂直片から水平片とは反対側へ水平に突出されて前記吊り材に螺合された受けナットに載せられる連結突片とを含む連結金具を備え、
前記連結突片には切り欠き孔が形成され、前記切り欠き孔が、前記連結突片の縁に達して前記吊り材を受け入れ可能な案内開口を有していることを特徴とする空調支持装置。

【請求項2】

前記空調部材の上下のコーナーにそれぞれ前記連結金具が配置され、上側のコーナーの連結金具においては前記差込爪がアングル部の水平片から下へ突出され、下側のコーナーの連結金具においては前記差込爪がアングル部の水平片から上へ突出されていることを特徴とする請求項１に記載の空調支持装置。

【請求項3】

前記連結突片の前記縁における前記案内開口を挟んで両側部には、下方へ突出する一対の係止爪が形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の空調支持装置。

【請求項4】

前記連結金具のアングル部には、前記差込爪として、前記空調部材の壁厚より大きな突出長さの大差込爪と、前記空調部材の壁厚より小さな突出長さの小差込爪とが互いに平行に設けられており、
前記大差込爪が、前記空調部材の前記コーナーの縦壁に差し込まれ、
前記小差込爪が、前記空調部材の前記コーナーの横壁に差し込まれることを特徴とする請求項１～３の何れか１項に記載の空調支持装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、空調チャンバー、空調ダクト等の空調部材を支持する装置に関し、特に、発泡樹脂製の空調部材に適した空調支持装置に関する。

【背景技術】

【0002】

発泡樹脂製の四角形断面の空調ダクト、空調チャンバー等の空調部材は公知である（特許文献１等参照）。一般に、この種の空調部材は、建物の天井裏、天井下などに架設されている。例えば、天井材から全ネジからなる複数の吊り材が吊り下げられている。これら吊り材のうち、対をなす２つの吊り材の下端部どうし間に支持梁が架け渡されている。２つの吊り材及び支持梁からなる吊りフレームが、支持梁と直交する方向に間隔を置いて複数配置されている。空調部材が、複数の吊りフレームに架け渡されるようにして、各吊りフレームの支持梁上に載せられている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２１－１３４９６０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

建物の天井において、前記吊り材及び支持梁からなる複数の吊りフレームを組み立てるのは煩雑であり、時間を要する。このため、空調部材の設置施工に長時間かかっている。
本発明は、かかる事情に鑑み、空調部材を建物の天井に簡易に設置でき、設置施工時間を短縮可能な空調支持装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

前記課題を解決するため、本発明装置は、発泡樹脂からなる四角形断面の空調部材を全ネジからなる吊り材に連結して支持する装置であって、
水平片及び垂直片を有して前記空調部材のコーナーに宛がわれるＬ字状のアングル部と、前記アングル部の水平片から垂直片と平行に突出されて前記空調部材に差し込まれる差込爪と、前記垂直片から水平片とは反対側へ水平に突出されて前記吊り材に螺合された受けナットに載せられる連結突片とを含む連結金具を備え、
前記連結突片には切り欠き孔が形成され、前記切り欠き孔が、前記連結突片の縁に達して前記吊り材を受け入れ可能な案内開口を有していることを特徴とする。
また、本発明に係る空調支持構造は、発泡樹脂からなる四角形断面の空調部材と、
前記空調部材を全ネジからなる吊り材に連結して支持する連結金具と、
を備え、前記連結金具が、
水平片及び垂直片を有して前記空調部材のコーナーに宛がわれたＬ字状のアングル部と、前記アングル部の水平片から垂直片と平行に突出されて前記空調部材に差し込まれた差込爪と、前記垂直片から水平片とは反対側へ水平に突出された連結突片とを含み、
前記連結突片には切り欠き孔が形成され、前記切り欠き孔が、前記連結突片の縁に達する案内開口を有し、
前記吊り材が前記案内開口から前記切り欠き孔に受け入れられ、かつ前記吊り材に螺合された受けナットに前記連結突片が載せられていることを特徴とする。

【0006】

前記空調部材の設置施工の際は、全ネジからなる吊り材に受けナットを予め取り付けておく。そして、連結金具を吊り材の側方から吊り材に近づけて、連結突片の案内開口を通して、吊り材を切り欠き孔に側方から差し入れる。連結突片を受けナットに載せることで、連結金具を吊り材に支持させる。これと前後して、空調部材のコーナーをアングル部に宛がい、差込爪を空調部材に差し込む。これによって、空調部材を、連結金具及び受けナットを介して吊り材に吊り支持させることができる。連結金具の吊り材への取り付け作業及び空調部材と連結金具との連結作業は、共に簡単な作業であり、短時間で行うことができる。したがって、本発明によれば、支持梁を含む吊りフレームによる従来の支持構造（特許文献１等参照）よりも、施工時間を大幅に短縮できる。

【0007】

前記空調部材の上下のコーナーにそれぞれ前記連結金具が配置され、上側のコーナーの連結金具においては前記差込爪がアングル部の水平片から下へ突出され、下側のコーナーの連結金具においては前記差込爪がアングル部の水平片から上へ突出されていることが好ましい。
下側の連結金具によって、空調部材の荷重を受けることができる。上側の連結金具によって、空調部材を上から押さえることができ、地震等による振動が加わっても、空調部材が連結金具の差込爪から抜けるのを防止でき、空調部材の支持状態を維持できる。

【0008】

前記連結突片の前記縁における前記案内開口を挟んで両側部には、下方へ突出する一対の係止爪が形成されていることが好ましい。
係止爪によって受けナットを係止でき、連結金具が吊り材から外れるのを防止できる。

【0009】

前記連結金具のアングル部には、前記差込爪として、前記空調部材の壁厚より大きな突出長さの大差込爪と、前記空調部材の壁厚より小さな突出長さの小差込爪とが互いに平行に設けられており、
前記大差込爪が、前記空調部材の前記コーナーの縦壁に差し込まれ、
前記小差込爪が、前記空調部材の前記コーナーの横壁に差し込まれていることが好ましい。
これによって、大差込爪を空調部材の縦壁（側板）の内部に埋め込むことができる。また、小差込爪を空調部材の横壁の内部に埋め込むことができる。かつ、小差込爪の先端部が、横壁を貫通して空調部材の内部に突出するのを防止できる。
下側の連結金具においては、前記小差込爪が差し込まれる横壁は、空調部材の底板である。
上側の連結金具においては、前記小差込爪が差し込まれる横壁は、空調部材の天板である。

【発明の効果】

【0010】

本発明によれば、空調部材を建物の天井に簡易に設置でき、設置施工時間を短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】図１は、本発明の一実施形態に係る空調支持構造の正面断面図である。

【図2】図２は、前記空調支持構造の斜視図である。

【図3】図３（ａ）は、前記空調支持構造における上側の連結金具の斜視図である。図３（ｂ）は、前記空調支持構造における下側の連結金具の斜視図である。

【図4】図４は、図１の円部ＶＩの拡大断面図である。

【図5】図５は、図１の円部Ｖの拡大断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図１に示すように、空調設備における空調支持構造１は、支持対象のミキシングチャンバー１０（空調部材）と、空調支持装置３を備えている。図１及び図２に示すように、ミキシングチャンバー１０は、四角形断面の長箱形状に形成されている。ミキシングチャンバー１０の両側の長手側壁１２には、空調空気導入口４１及び外気導入口４２がそれぞれ設けられ、端壁１４には送出口４３が設けられ、内部には隔壁１５が設けられている。ミキシングチャンバー１０は、図示しない空調機（エアコン）からの空調空気と外気をそれぞれ取り込んで、送出しながら混ぜる機能を有する。

【0013】

図１に示すように、ミキシングチャンバー１０の壁材（壁１１～１５の材料）は、両面がアルミクロスシート（図示省略）で覆われた発泡樹脂ボード１０ａによって構成されている。発泡樹脂ボード１０ａは、自立性、保形性を有している。発泡樹脂ボード１０ａの樹脂成分は、例えば断熱性に優れたポリイソシアヌレートであるが、これに限らず、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、フェノール等であってもよい。

【0014】

ミキシングチャンバー１０は、次のような空調支持装置３によって支持されている。
図１及び図２に示すように、建物の天井には、全ネジからなる吊り材２が複数本、垂設されている。各吊り材２に上下に対をなす２つの連結金具２０，３０が取り付けられている。これら連結金具２０，３０を介して、ミキシングチャンバー１０が吊り材２に連結されて支持されている。

【0015】

図３（ａ）に示すように、上側の連結金具２０は、アングル部２１と、大小の差込爪２４，２５と、連結突片２６を含む。アングル部２１は、水平片２２、及び該水平片２２と直交する垂直片２３を有し、Ｌ字状の板状に形成されている。垂直片２３は、水平片２２から鉛直下方へ延びている。

【0016】

水平片２２に大小の差込爪２４，２５が設けられている。これら大小の差込爪２４，２５は、それぞれ垂直片２３と平行に対面する細長板状に形成され、水平片２２から鉛直下方へ突出されている。各差込爪２４，２５の先端部は、下へ向かうにしたがって幅が漸次小さくなり、先細に形成されている。大小の差込爪２４，２５は、互いに平行をなしている。

【0017】

図３（ａ）及び図４に示すように、大差込爪２４における水平片２２から下方への突出長さは、小差込爪２５の突出長さより大きく、かつミキシングチャンバー１０の天板１１の壁厚より大きい。一方、小差込爪２５の突出長さは、ミキシングチャンバー１０の天板１１の壁厚より小さい。

【0018】

大差込爪２４は、小差込爪２５よりも垂直片２３の近くに配置されている。大差込爪２４と垂直片２３との間の距離は、ミキシングチャンバー１０の長手側壁１２の壁厚より小さく、好ましくは長手側壁１２の壁厚の半分程度である。小差込爪２５と垂直片２３との間の距離は、長手側壁１２の壁厚より大きい。

【0019】

図３（ａ）に示すように、垂直片２３の下端部に連結突片２６が連なっている。連結突片２６は、垂直片２３と直交するとともに、水平片２２とは反対側へ水平に突出されている。連結突片２６には切り欠き孔２６ａが形成されている。切り欠き孔２６ａは、連結突片２６における垂直片２３とは反対側へ延びて、反対側の縁２６ｅに達している。連結突片２６の縁２６ｅには、切り欠き孔２６ａの案内開口２６ｃが形成されている。案内開口２６ｃの幅及び切り欠き孔２６ａの直径は、吊り材２の直径（ネジ山径）より大きい。したがって、吊り材２が、連結突片２６の側方から案内開口２６ｃを経て切り欠き孔２６ａに受け入れ可能である。連結突片２６の縁２６ｅにおける案内開口２６ｃを挟んで両側部には、一対の係止爪２７が形成されている。これら係止爪２７は、連結突片２６から下方へ突出されている。

【0020】

図１及び図２に示すように、上側の連結金具２０は、ミキシングチャンバー１０の長手側壁１２と天板１１とで作る上側のコーナー１６に配置されている。図４に示すように、アングル部２１が、コーナー１６に宛がわれ、差込爪２４，２５がコーナー１６に差し込まれている。詳しくは、大差込爪２４は、長手側壁１２（縦壁）の上側部分に差し込まれている。小差込爪２５は、天板１１（横壁）に差し込まれている。何れの差込爪２４，２５においても、ミキシングチャンバー１０の壁内に埋まっており、ミキシングチャンバー１０の内部空間には飛び出ていない。

【0021】

図４に示すように、切り欠き孔２６ａに吊り材２が通されている。吊り材２の中間部にはナット５１，５２が螺合されている。連結突片２６が、下側の受けナット５２に載せられ、かつ上側の押えナット５１によって上から押えられている。これらナット５１，５２によって、連結突片２６が挟み付けられている。係止爪２７が、受けナット５２と係止されている。

【0022】

図３（ｂ）に示すように、下側の連結金具３０は、アングル部３１と、大小の差込爪３４，３５と、連結突片３６を含む。アングル部３１は、水平片３２、及び該水平片３２と直交する垂直片３３を有し、Ｌ字状の板状に形成されている。垂直片３３は、水平片３２から鉛直上方へ延びている。

【0023】

水平片３２に大小の差込爪３４，３５が設けられている。これら大小の差込爪３４，３５は、それぞれ垂直片３３と平行に対面する細長板状に形成され、水平片３２から鉛直上方へ突出されている。各差込爪３４，３５の先端部は、上へ向かうにしたがって幅が漸次小さくなり、先細に形成されている。大小の差込爪３４，３５は、互いに平行をなしている。

【0024】

図３（ｂ）及び図５に示すように、大差込爪３４の突出長さは、小差込爪３５の突出長さより大きく、かつミキシングチャンバー１０の底板１３の壁厚より大きい。一方、小差込爪３５の突出長さは、ミキシングチャンバー１０の底板１３の壁厚より小さい。

【0025】

大差込爪３４は、小差込爪３５よりも垂直片３３の近くに配置されている。大差込爪３４と垂直片３３との間の距離は、ミキシングチャンバー１０の長手側壁１２の壁厚より小さく、好ましくは長手側壁１２の壁厚の半分程度である。小差込爪３５と垂直片３３との間の距離は、長手側壁１２の壁厚より大きい。

【0026】

図３（ｂ）に示すように、垂直片３３の上端部に連結突片３６が連なっている。連結突片３６は、垂直片３３と直交するとともに、水平片３２とは反対側へ水平に突出されている。連結突片３６には切り欠き孔３６ａが形成されている。切り欠き孔３６ａは、連結突片３６における垂直片３３とは反対側へ延びて、反対側の縁３６ｅに達している。連結突片３６の縁３６ｅには、切り欠き孔３６ａの案内開口３６ｃが形成されている。案内開口３６ｃの幅及び切り欠き孔３６ａの直径は、吊り材３の直径（ネジ山径）より大きい。したがって、吊り材２が、連結突片３６の側方から案内開口３６ｃを経て切り欠き孔３６ａに受け入れ可能である。連結突片３６の縁３６ｅにおける案内開口３６ｃを挟んで両側部には、一対の係止爪３７が形成されている。これら係止爪３７は、連結突片３６から下方へ突出されている。

【0027】

図１及び図２に示すように、下側の連結金具３０は、ミキシングチャンバー１０の長手側壁１２と底板１３とで作る下側のコーナー１７に配置されている。図５に示すように、アングル部３１が、コーナー１７に宛がわれ、差込爪３４，３５がコーナー１７に差し込まれている。詳しくは、大差込爪３４は、長手側壁１２（縦壁）の下側部分に差し込まれている。小差込爪３５は、底板１３（横壁）に差し込まれている。何れの差込爪３４，３５においても、ミキシングチャンバー１０の壁内に埋まっており、ミキシングチャンバー１０の内部空間には飛び出ていない。

【0028】

図５に示すように、切り欠き孔３６ａに吊り材２が通されている。吊り材２の下端部にはナット５３，５４が螺合されている。連結突片３６が、下側の受けナット５４に載せられ、かつ上側の押えナット５３によって上から押えられている。これらナット５３，５４によって、連結突片３６が挟み付けられている。係止爪３７が、受けナット５４と係止されている。

【0029】

ミキシングチャンバー１０は、次のようにして建物の天井に設置される。
予め、全ネジからなる吊り材２にナット５１～５４を予め螺合しておく。
下側の連結金具３０を吊り材２の側方から吊り材２に近づけて、吊り材２の下端部を、案内開口３６ｃから切り欠き孔３６ａに差し入れる。そして、連結突片３６を受けナット５４に載せる。係止爪３７が受けナット５４に引っ掛かることで、連結金具３０が吊り材２から外れるのを防止できる。
次に、ミキシングチャンバー１０の下側のコーナー１７をアングル部３１に宛がい、差込爪３４，３５を壁１２，１３に差し込む。これによって、ミキシングチャンバー１０を、連結金具３０を介して吊り材２に吊り支持させることができる。連結金具３０によって、ミキシングチャンバー１０の荷重を受けることができる。差込爪３４，３５は、壁１２，１３内に埋まり、ミキシングチャンバー１０の空気流路内に飛び出ることが無いから、空気流路内の熱が連結金具３０を伝って逃げるのを防止でき、断熱性を確保できる。
さらに、受けナット５４によって連結突片３６を昇降させ、ミキシングチャンバー１０の高さ調節及び水平度調節を行なう。
その後、押さえナット５３と受けナット５４により、連結突片３６を強く挟み付ける。これによって、ミキシングチャンバー１０を、連結金具３０を介して吊り材２に固定する。

【0030】

続いて、上側の連結金具２０を吊り材２の側方から吊り材２に近づけて、吊り材２の中間部を、案内開口２６ｃから切り欠き孔２６ａに差し入れる。そして、連結突片２６を受けナット５２に載せる。係止爪２７が受けナット５２に引っ掛かることで、連結金具２０が吊り材２から外れるのを防止できる。
これと前後して、アングル部２１をミキシングチャンバー１０の上側のコーナー１６に宛がうとともに、差込爪２４，２５を壁材１２，１１に差し込む。差込爪２４，２５は、壁１２，１１内に埋まり、ミキシングチャンバー１０の空気流路内に飛び出ることが無いから、空気流路内の熱が連結金具２０を伝って逃げるのを防止でき、断熱性を確保できる。
更に、連結突片２６をナット５１，５２で挟み付けることによって、連結金具２０を吊り材２に固定する。これによって、ミキシングチャンバー１０を連結金具２０により上から押さることができる。地震等による振動が加わっても、ミキシングチャンバー１０が連結金具２０，３０の差込爪２４，２５，３４，３５から抜けるのを防止でき、ミキシングチャンバー１０の支持状態を維持できる。

【0031】

なお、施工手順は、適宜変更できる。予め、ミキシングチャンバー１０のコーナー１６，１７に連結金具２０，３０の差込爪２４，２５，３４，３５を差し込むことによって、ミキシングチャンバー１０に連結金具２０，３０を取り付けた後、連結金具２０，３０を吊り材２に固定することもできる。したがって、施工の自由度を高めることができる。

【0032】

連結金具２０の吊り材２への取り付け作業及びミキシングチャンバー１０と連結金具２０との連結作業は、共に簡単な作業であり、短時間で行うことができる。したがって、空調支持構造１によれば、従来の吊りフレームによる支持構造（特許文献１等参照）よりも、施工時間を大幅に短縮できる。

【0033】

本発明は、実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、上下の連結金具２０，３０のうち、上側の連結金具２０を省略してもよく、空調支持装置３が下側の連結金具３０だけで構成されていてもよい。
或いは、上下の連結金具２０，３０のうち、下側の連結金具３０を省略し、これに代えて、別の支持手段によって空調部材を下から支持してもよい。
空調部材は、ミキシングチャンバー１０に限らず、分配チャンバーでもよく、空調ダクトでもよい。

【産業上の利用可能性】

【0034】

本発明は、例えば、空調チャンバー（ミキシングチャンバー、分配チャンバー等）や空調ダクトなどの空調部材を建物に設置する施工技術に適用できる。

【符号の説明】

【0035】

１ 空調支持構造
２ 吊り材
３ 空調支持装置 （上下の連結金具）
１０ ミキシングチャンバー（空調部材）
１０ａ 発泡樹脂ボード
１１ 天板（横壁）
１２ 長手側壁（縦壁）
１３ 底板（横壁）
１４ 端壁
１５ 隔壁
１６ 上側のコーナー
１７ 下側のコーナー
２０ 上側の連結金具
２１ アングル部
２２ 水平片
２３ 垂直片
２４ 大差込爪（差込爪）
２５ 小差込爪（差込爪）
２６ 連結突片
２６ａ 切り欠き孔
２６ｃ 案内開口
２６ｅ 縁
２７ 係止爪
３０ 下側の連結金具
３１ アングル部
３２ 水平片
３３ 垂直片
３４ 大差込爪（差込爪）
３５ 小差込爪（差込爪）
３６ 連結突片
３６ａ 切り欠き孔
３６ｃ 案内開口
３７ 係止爪
４１ 空調空気導入口
４２ 外気導入口
４３ 送出口
５１ 押さえナット
５２ 受けナット
５３ 押さえナット
５４ 受けナット

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】