IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社片岡製作所の特許一覧

<>
  • 特開-レーザ処理装置 図1
  • 特開-レーザ処理装置 図2
  • 特開-レーザ処理装置 図3
  • 特開-レーザ処理装置 図4
  • 特開-レーザ処理装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053778
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】レーザ処理装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/064 20140101AFI20230406BHJP
   B23K 26/046 20140101ALI20230406BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20230406BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
B23K26/064 A
B23K26/046
G02B26/10 104Z
G02B13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163016
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】598072179
【氏名又は名称】株式会社片岡製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悦史
(72)【発明者】
【氏名】山村 健
(72)【発明者】
【氏名】林 佳佑
【テーマコード(参考)】
2H045
2H087
4E168
【Fターム(参考)】
2H045AB01
2H045AB03
2H045CA63
2H045CA64
2H045DA02
2H045DA04
2H045DA21
2H045DA22
2H045DA26
2H087KA26
2H087LA22
2H087LA25
2H087MA05
2H087NA03
2H087PA01
2H087PA03
2H087PA17
2H087PB01
2H087PB03
2H087QA01
2H087QA03
2H087QA05
2H087QA07
2H087QA13
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA25
2H087QA33
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA45
4E168CB04
4E168DA02
4E168DA03
4E168DA13
4E168EA03
4E168EA07
4E168EA08
4E168EA15
4E168EA17
(57)【要約】
【課題】互いに波長の異なる複数のレーザ光を重畳しガルバノスキャナを介して被処理物上の任意の箇所に好適に照射できるレーザ処理装置を提供する。
【解決手段】互いに波長の異なる複数のレーザ光L1、L2を同一の光軸上に重畳するコンバイナ部3と、前記コンバイナ部3により重畳されるレーザ光L1、L2の焦点距離を調節するフォーカスシフタ部4と、前記フォーカスシフタ部4の下流にあって被処理物Wに向かうレーザ光L1、L2の光軸の向きを変位させるガルバノスキャナ部5とを具備し、前記フォーカスシフタ部4による焦点距離の調節と前記ガルバノスキャナ部5による光軸の向きの変位とを同期させるレーザ処理装置0を構成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに波長の異なる複数のレーザ光を同一の光軸上に重畳するコンバイナ部と、
前記コンバイナ部により重畳されるレーザ光の焦点距離を調節するフォーカスシフタ部と、
前記フォーカスシフタ部の下流にあって被処理物に向かうレーザ光の光軸の向きを変位させるガルバノスキャナ部と
を具備し、
前記フォーカスシフタ部による焦点距離の調節と前記ガルバノスキャナ部による光軸の向きの変位とを同期させるレーザ処理装置。
【請求項2】
前記ガルバノスキャナ部と被処理物との間にレーザ光を通過させるレンズが存在しない請求項1記載のレーザ処理装置。
【請求項3】
前記フォーカスシフタ部は、レーザ光の光軸に沿って進退することで同レーザ光の焦点距離を調節するレンズを有しており、
前記コンバイナ部を、前記フォーカスシフタ部が有する前記レンズよりも下流に配置する請求項1または2記載のレーザ処理装置。
【請求項4】
前記フォーカスシフタ部は、前記コンバイナ部により重畳されるレーザ光の径を拡張するレンズと、同レンズを通過したレーザ光の径を縮小するレンズとを有しており、当該レーザ光の光軸に沿った両レンズの相対距離を前記ガルバノスキャナ部による光軸の向きの変位に同期して拡縮させるものである請求項1、2または3記載のレーザ処理装置。
【請求項5】
被処理物に対してレーザ光を照射することで溶接を行うためのものであって、
青色レーザ光と赤外レーザ光とを重畳したレーザ光を前記コンバイナ部、前記フォーカスシフタ部及び前記ガルバノスキャナ部を介して被処理物に照射する請求項1、2、3または4記載のレーザ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を被処理物(または、被加工物、ワーク)の任意の箇所に照射して所望の処理を被処理物に施すレーザ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被処理物上の任意の箇所にレーザ光を照射するレーザ処理装置として、ガルバノスキャナを用いてレーザビームの光軸を変位させるものが公知である。ガルバノスキャナは、レーザ光を反射するミラーと、そのミラーの角度を高速かつ高精度で回動させるサーボモータまたはステッピングモータを要素とする。
【0003】
ガルバノスキャナのミラーの方向、ひいてはレーザ光軸の向きが変位すると、レーザ光軸と被処理物とが交わる角度が変化し、同時にミラーから被処理物までの光路長が拡縮する。そこで、一般に、ガルバノスキャナのミラーと被処理物との間にfθレンズまたはテレセントリックレンズを介設し、当該レンズを通過したレーザ光の焦点が常に被処理物の上表面に適切に集光されるようにしている(以上、例えば下記特許文献を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5519123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
銅板や銅端子等の溶接処理では、波長が相異する二種以上のレーザ光を重畳して被処理物上の任意の箇所に照射したいことがある。典型的には、青色レーザ光と赤外レーザ光とを重畳した上で、被処理物上の溶接箇所に照射する。銅は青色光をよく吸収するが、既存の青色レーザ光源の出力は必ずしも充分に大きくないことから、高出力の赤外レーザ光源を併用するのである。
【0006】
既に述べた通り、ガルバノスキャナは通常、fθレンズとともに使用される。だが、レーザ光を透過させるレンズにあっては、普遍の物理法則として不可避的に色収差が発生する(光の屈折率が、その光の波長に依存することによる)。それ故、波長の異なる複数のレーザ光を重畳したものをfθレンズを介して被処理物に照射しようとすると、ある波長のレーザ光の照射位置と、それに重畳したはずの他の波長のレーザ光の照射位置とが、被処理物上でずれてしまう。そのずれによって、所望のレーザ処理または加工の結果を得られない懸念が生じる。
【0007】
従って、従来は、ガルバノスキャナを用いることができず、代わりにXYステージ(被処理物を支持、またはレーザ加工ノズルを支持する)を用いて、被処理物をレーザ光軸に対して相対的に移動させるようにしていた。
【0008】
なお、色収差の比較的少ないガラス材料のレンズも存在しているものの、レーザ光が吸収されると熱レンズ効果として屈折率の変化が発生するため、kWクラスの高出力レーザに適用することは事実上困難である。
【0009】
本発明は、互いに波長の異なる複数のレーザ光を重畳しガルバノスキャナを介して被処理物上の任意の箇所に好適に照射できるレーザ処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、互いに波長の異なる複数のレーザ光を同一の光軸上に重畳するコンバイナ部と、前記コンバイナ部により重畳されるレーザ光の焦点距離を調節するフォーカスシフタ部と、前記フォーカスシフタ部の下流にあって被処理物に向かうレーザ光の光軸の向きを変位させるガルバノスキャナ部とを具備し、前記フォーカスシフタ部による焦点距離の調節と前記ガルバノスキャナ部による光軸の向きの変位とを同期させるレーザ処理装置を構成した。
【0011】
前記ガルバノスキャナ部と被処理物との間には、レーザ光を通過させるレンズが存在しないことが理想的である。尤も、各レーザ光の照射位置のずれが無視できる程度にしか色収差(熱レンズ効果を含む)が発生しないのであれば、ガルバノスキャナ部と被処理物との間に(波長の相異なる複数のレーザ光を重畳した)レーザ光を透過させる何らかのレンズを介在させることを妨げない。
【0012】
前記フォーカスシフタ部は、レーザ光の光軸に沿って進退することで同レーザ光の焦点距離を調節するレンズを有する。このフォーカスシフタ部のレンズの下流に、前記コンバイナ部を配置すれば、当該レンズにて焦点距離を調節した後、複数のレーザ光をコンバイナ部にて重畳することになる。これにより、レンズで発生する色収差の問題を確実に回避できる。
【0013】
前記フォーカスシフタ部は、例えば、前記コンバイナ部により重畳されるレーザ光の径を拡張するレンズと、同レンズを通過したレーザ光の径を縮小するレンズとを有し、当該レーザ光の光軸に沿った両レンズの相対距離を前記ガルバノスキャナ部による光軸の向きの変位に同期して拡縮させるものとする。
【0014】
本発明に係るレーザ処理装置は、例えば、被処理物に対してレーザ光を照射することで溶接を行うために用いられる。このレーザ処理装置は、例えば、青色レーザ光と赤外レーザ光とを重畳したレーザ光を、前記コンバイナ部、前記フォーカスシフタ部及び前記ガルバノスキャナ部を介して被処理物に照射する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、互いに波長の異なる複数のレーザ光を重畳しガルバノスキャナを介して被処理物上の任意の箇所に好適に照射できるレーザ処理装置を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態のレーザ処理装置の構成を模式的に示す図。
図2】同レーザ処理装置のフォーカスシフタ部の機能を説明する図。
図3】同レーザ処理装置のガルバノスキャナ部の機能を説明する図。
図4】本発明の変形例の一に係るレーザ処理装置の構成を模式的に示す図。
図5】本発明の変形例の一に係るレーザ処理装置の構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態のレーザ処理装置0は、互いに波長が相異なる複数のレーザ光L1、L2を、重畳した上で被処理物(または、被加工物、ワーク)W上の任意の箇所に照射することができるものである。
【0018】
図1ないし図3に示す本実施形態のレーザ処理装置0は、それぞれ波長の異なる複数のレーザ光L1、L2を出力するレーザ光源1、2と、レーザ光源1、2から供給される複数のレーザ光L1、L2を同一の光軸上に重畳するコンバイナ部3と、コンバイナ部3の下流にあって同一の光軸上に重畳されたレーザ光L1、L2の焦点距離を調節するフォーカスシフタ部4と、フォーカスシフタ部4の下流にあって被処理物Wに向かうレーザ光L1、L2の光軸の向きを変位させるガルバノスキャナ部5とを具備する。
【0019】
本レーザ処理装置0は、被処理物Wである銅板や被処理物W上の銅接点等にレーザ光L1、L2を照射してこれを溶接する、レーザ溶接処理を実行することを主に想定している。本レーザ処理装置0は、例えば、波長約450nmの青色レーザ光L1を出力する光源1と、波長約1070nmの近赤外レーザ光L2を出力する光源2とを両備し、それら各光源1、2から供給される両レーザ光L1、L2をまずコンバイナ部3において重畳する。
【0020】
図1に示すように、コンバイナ部3は、例えば、光源1、2から供給されるレーザ光L1、L2を各々平行光化するレンズ(コリメーションレンズ等)31、32と、レンズ31、32を通過した各レーザ光L1、L2の光軸を一致させるために必要なミラー(ビームスプリッタ、ハーフミラー、コンバイナ等を含む)33、34とを有する。勿論、コンバイナ部3が、上記以外の光学要素、光ファイバその他を有していても構わない。また、各光源1、2から供給されるレーザ光L1、L2の波長は、特段限定されない。青色レーザ光L1に代えて、緑色レーザ光を採用してもよいし、レーザ光L2とは波長の異なる(例えば、約808nmの)近赤外レーザ光を採用してもよい。加えて、コンバイナ部3において、波長が相異する三種以上のレーザ光を重畳することもあり得る。
【0021】
図2に示すように、フォーカスシフタ部4は、コンバイナ部3において重畳したレーザ光L1、L2の径を拡張するレンズ(凹レンズ、特に両凹レンズ等)41と、当該レンズ41を通過したレーザ光L1、L2の径を縮小するレンズ(複数枚の凸レンズ、特にコリメーションレンズや集光レンズとなる平凸レンズ等)42、43とを有する。勿論、フォーカスシフタ部4が、上記以外の光学要素、光ファイバその他を有していても構わない。
【0022】
フォーカスシフタ部4は、コンバイナ部3からもたらされるレーザ光L1、L2の焦点距離Fを可変調整する。そのために、図2に示す例では、凹レンズ41と凸レンズ42とのレーザ光L1、L2軸に沿った相対距離Dを可変調整できるよう、凹レンズ41及び/または凸レンズ42のうち少なくとも一方を、リニアモータ台車その他適宜の駆動機構に支持させて光軸方向に沿って進退移動可能としている。因みに、終端の集光レンズ43は光軸方向に沿って進退移動しなくてもよい。
【0023】
図2中の(A)に示すように、凹レンズ41と凸レンズ42との距離Dが狭くなるほど、フォーカスシフタ部4のレンズ41、42、43を通過したレーザ光L1、L2の焦点距離Fは長くなる。即ち、レーザ光L1、L2の焦点が、フォーカスシフタ部4の終端のレンズ43から離反する。
【0024】
逆に、図2中の(B)に示すように、凹レンズ41と凸レンズ42との距離Dが広くなるほど、フォーカスシフタ部4のレンズ41、42、43を通過したレーザ光L1、L2の焦点距離Fは短くなる。即ち、レーザ光L1、L2の焦点が、フォーカスシフタ部4の終端のレンズ43に接近する。
【0025】
なお、レンズ41、42、43においても色収差は発生し得る。であるから、実際には、各レーザ光源1、2から出力されるレーザ光L1、L2を通過させるレンズ31及び/またはレンズ32の位置を調整することを通じて、重畳されるレーザ光L1の焦点とレーザ光L2の焦点とを合わせるようにする。
【0026】
図1及び図3に示すように、ガルバノスキャナ部5は、フォーカスシフタ部4からもたらされるレーザ光L1、L2を反射するミラー53、54を、サーボモータ、ステッピングモータ等51、52の駆動機構を介して回動させる既知のものである。要するに、ガルバノスキャナ部5は、ミラー53、54が反射するレーザ光L1、L2の光軸の向きを変位させることができる。本実施形態におけるガルバノスキャナ部5は、被処理物Wに向かうレーザ光L1、L2の光軸を被処理物W上のX軸方向に沿って変化させるX軸ガルバノスキャナ51、53と、同レーザ光L1、L2の光軸を被処理物W上のY軸方向に沿って変化させるY軸ガルバノスキャナ52、54とを両備し、レーザ光L1、L2を被処理物Wに対してXY二次元方向に走査し、以てレーザ光L1、L2の被処理物W上における照射位置を二次元的に制御できる。
【0027】
本実施形態のレーザ処理装置0の特徴として、フォーカスシフタ部4による焦点距離Fの調節と、ガルバノスキャナ部5による光軸の向きの変位とを同期させることが挙げられる。
【0028】
ガルバノスキャナ部5のミラー53、54を経由したレーザ光L1、L2の光軸の被処理物Wに対する角度θが垂直に近いほど、ミラー53から被処理物Wまでの光路長は短くなる。よって、レーザ光L1、L2軸の被処理物Wに対する角度θが垂直(90°に)に近づくほど、フォーカスシフタ部4が具現する焦点距離Fを短くするように、フォーカスシフタ部4及びガルバノスキャナ部5を同期制御する。
【0029】
翻って、ガルバノスキャナ部5のミラー53、54を経由したレーザ光L1、L2の光軸の被処理物Wに対する角度θが垂直から傾いているほど、ミラー53から被処理物Wまでの光路長は長くなる。よって、レーザ光L1、L2軸の被処理物Wに対する角度θが傾斜する(90°から遠ざかる)ほど、フォーカスシフタ部4が具現する焦点距離Fを長くするように、フォーカスシフタ部4及びガルバノスキャナ部5を同期制御することになる。
【0030】
上述したフォーカスシフタ部4のレンズ41、42ガルバノスキャナ部5のミラー53、54との同期制御を通じて、被処理物W上の任意の箇所にレーザ光L1、L2を照射することができ、しかもそのレーザ光L1、L2の焦点を被処理物Wの所望の処理対象面に的確に合わせることができる。
【0031】
ガルバノスキャナ部5のミラー53、54と被処理物Wとの間には、レーザ光L1、L2を通過させるレンズ(fθレンズ等)が存在しないことが望ましい。さすれば、ガルバノスキャナ部5により光軸の方向が操作されたレーザ光L1、L2がレンズを通過するときに生じる色収差の問題を確実に回避できる。つまり、ある波長のレーザ光L1が被処理物Wに当たる位置と、これに重畳させたレーザ光L2が被処理物Wに当たる位置との間にずれが生じずに済む。従って、所望するレーザ処理または加工の結果を得られるようになる。
【0032】
但し、各レーザ光L1、L2の照射位置のずれが無視できる程度にしか色収差が発生しないのであれば、ガルバノスキャナ部5のミラー53、54と被処理物Wとの間にレーザ光L1、L2を透過させる何らかのレンズを介在させることを妨げない。
【0033】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態では、フォーカスシフタ部4の要素である両凹レンズ41、コリメーションレンズ42及び集光レンズ43がおしなべてコンバイナ部3の要素であるミラー33、34の下流に所在していたが、それら光学要素33、34、41、42、43の配列は、図1に示すものに限定されない。
【0034】
図4に示す本発明の変形例では、レーザ光源1から出力されるレーザ光L1の光軸、レーザ光源2から出力されるレーザ光L2の光軸のそれぞれの上に、両凹レンズ41及びコリメーションレンズ42が並ぶ。要するに、両凹レンズ41及びコリメーションレンズ42が二枚ずつ存在する。
【0035】
そして、両凹レンズ41及びコリメーションレンズ42を通過したレーザ光L1及びレーザ光L2を、コンバイナ部3の要素であるミラー33、34を介して互いに重畳した後、集光レンズ43を通過させて最終的に集光し、ガルバノスキャナ部5に入力する。
【0036】
図4に示す変形例にあっても、上記実施形態と同様、凹レンズ41と凸レンズ42とのレーザ光L1、L2軸に沿った相対距離Dを可変調整できるようにする。そのために、各レーザ光L1、L2軸上の凹レンズ41及び/または凸レンズ42のうち少なくとも一方を、リニアモータ台車その他適宜の駆動機構に支持させて光軸方向に沿って進退移動可能としている。
【0037】
例えば、光軸L1上に存在する凹レンズ41と光軸L2上に存在する凹レンズ41とを一軸で同時に制御し、これら凹レンズ41がともに光軸方向に沿って進退できるようにする。光軸L1、L2上に各々存在する凸レンズ42の光軸方向に沿った位置は、予めレーザ光L1、L2の波長に合わせて調整しておく。
【0038】
上記の相対距離Dの調整、換言すればフォーカスシフタ部4による焦点距離Fの調節と、ガルバノスキャナ部5による光軸の向きの変位とを同期させることは言うまでもない。
【0039】
図1に示す例では、波長の互いに異なるレーザ光L1、L2をコンバイナ部3のミラー33、34にて重畳した後、その焦点距離をフォーカスシフタ部4のレンズ41、42、43で調節していた。対して、図4に示す変形例では、各レーザ光L1、L2の焦点距離をフォーカスシフタ部4のレンズ41、42で調節した後、それらレーザ光L1、L2をコンバイナ部3のミラー33、34にて重畳する。これにより、レンズ41、42における色収差の発生を好適に回避でき、ガルバノスキャナ5を用いてより一層精度よくレーザ光L1、L2を被処理物W上の所望の照射位置に照射できるようになる。
【0040】
図5に示す本発明の変形例では、レーザ光源1から出力されるレーザ光L1の光軸、レーザ光源2から出力されるレーザ光L2の光軸のそれぞれの上に、両凹レンズ41、コリメーションレンズ42及び集光レンズ43が並ぶ。要するに、両凹レンズ41、コリメーションレンズ42及び集光レンズ43が二枚ずつ存在する。
【0041】
そして、両凹レンズ41、コリメーションレンズ42及び集光レンズ43を通過したレーザ光L1及びレーザ光L2を、コンバイナ部3の要素であるミラー33、34を介して互いに重畳した後、ガルバノスキャナ部5に入力する。
【0042】
図5に示す変形例にあっても、上記実施形態と同様、凹レンズ41と凸レンズ42とのレーザ光L1、L2軸に沿った相対距離Dを可変調整できるようにする。そのために、各レーザ光L1、L2軸上の凹レンズ41及び/または凸レンズ42のうち少なくとも一方を、リニアモータ台車その他適宜の駆動機構に支持させて光軸方向に沿って進退移動可能としている。
【0043】
例えば、光軸L1上に存在する凹レンズ41と光軸L2上に存在する凹レンズ41とを一軸で同時に制御し、これら凹レンズ41がともに光軸方向に沿って進退できるようにする。光軸L1、L2上に各々存在する凸レンズ42の光軸方向に沿った位置は、予めレーザ光L1、L2の波長に合わせて調整しておく。
【0044】
上記の相対距離Dの調整、換言すればフォーカスシフタ部4による焦点距離Fの調節と、ガルバノスキャナ部5による光軸の向きの変位とを同期させることは言うまでもない。
【0045】
図5に示す変形例では、各レーザ光L1、L2の焦点距離をフォーカスシフタ部4のレンズ41、42、43で調節した後、それらレーザ光L1、L2をコンバイナ部3のミラー33、34にて重畳する。これにより、レンズ41、42、43における色収差の発生を好適に回避でき、ガルバノスキャナ5を用いてより一層精度よくレーザ光L1、L2を被処理物W上の所望の照射位置に照射できるようになる。
【0046】
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0047】
0…レーザ処理装置
3…コンバイナ部
4…フォーカスシフタ部
5…ガルバノスキャナ部
L1、L2…レーザ光
W…被処理物
図1
図2
図3
図4
図5