(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053780
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】メンテナンス支援プログラム、メンテナンス支援システム及びメンテナンス支援装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20230406BHJP
B27C 9/00 20060101ALI20230406BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20230406BHJP
B23Q 17/24 20060101ALI20230406BHJP
G05B 19/409 20060101ALI20230406BHJP
G05B 19/18 20060101ALI20230406BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20230406BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B27C9/00
B23Q17/00 D
B23Q17/24 Z
G05B19/409 B
G05B19/18 W
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163020
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】390017385
【氏名又は名称】宮川工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 英将
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀年
【テーマコード(参考)】
3C029
3C100
3C269
5L049
【Fターム(参考)】
3C029EE01
3C029EE20
3C029FF05
3C100AA38
3C100AA53
3C100AA63
3C100BB13
3C100BB34
3C100CC02
3C100CC07
3C100CC14
3C100EE20
3C269AB27
3C269BB10
3C269KK08
3C269MN07
3C269MN46
3C269QB03
3C269QC01
3C269QD02
3C269QE02
3C269QE10
3C269QE11
3C269QE21
3C269QE26
3C269QE34
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】プレカット加工機においてトラブルが発生している位置を迅速かつ容易に特定できるメンテナンス支援プログラム、メンテナンス支援システム及びメンテナンス支援装置を提供すること。
【解決手段】画像表示エリア32cには、キーワード入力エリア32aで入力された箇所のプレカット加工機20の周囲画像Pa及び詳細画像Pdが表示される。周囲画像Paは当該箇所を含む機械図面なので、その描写がシンプル且つプレカット加工機20の構造が明確に表される。作業員Hは周囲画像Paによりトラブルが発生箇所の大まかな位置を把握できる。また詳細画像Pdは当該箇所を実際に撮影した写真なので、作業員は詳細画像Pdによりトラブル発生箇所の位置をより具体的に把握できる。周囲画像Pa及び詳細画像Pdにより、作業員Hはプレカット加工機20のトラブル発生箇所の位置を迅速かつ容易に特定できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と表示部とを備えたコンピュータに、プレカット加工機における指定された箇所の画像を出力する画像出力処理を実行させるメンテナンス支援プログラムであって、
前記記憶部を、前記プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と当該箇所の詳細画像とを記憶する画像記憶手段として動作させ、
指定された前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所取得ステップと、
前記画像記憶手段から、前記箇所取得ステップで取得された箇所に該当する周囲画像および詳細画像を検索する画像検索ステップと、
その画像検索ステップで検索された周囲画像および詳細画像を前記表示部に表示し又は他のコンピュータに送信する画像出力ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするメンテナンス支援プログラム。
【請求項2】
前記画像出力ステップは、前記画像検索ステップで検索された周囲画像と詳細画像とを並べた画像を前記表示部に表示し又は前記他のコンピュータに送信することを特徴とする請求項1記載のメンテナンス支援プログラム。
【請求項3】
記憶部と表示部とを備えたコンピュータに、プレカット加工機における指定された箇所の画像を出力する画像出力処理を実行させるメンテナンス支援プログラムであって、
前記記憶部を、前記プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と当該箇所の詳細画像とを記憶する画像記憶手段として動作させ、
指定された前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所取得ステップと、
前記画像記憶手段から、前記箇所取得ステップで取得された箇所に該当する周囲画像を検索する画像検索ステップと、
その画像検索ステップで検索された周囲画像を前記表示部に表示し又は他のコンピュータに送信する画像出力ステップと、
その画像出力ステップによって前記表示部に表示され又は前記他のコンピュータに送信された周囲画像において指定された位置を取得する位置取得ステップと、
前記画像記憶手段から、前記位置取得ステップで取得された位置に該当する箇所の詳細画像を取得する詳細画像検索ステップと、
その詳細画像検索ステップで検索された詳細画像を前記表示部に表示し又は前記他のコンピュータに送信する詳細画像出力ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするメンテナンス支援プログラム。
【請求項4】
前記プレカット加工機は、トラブルが発生した場合、そのトラブル発生箇所を外部に送信するものであり、
前記箇所取得ステップは、前記プレカット加工機から送信されたトラブル発生箇所を取得するものであり、
前記画像検索ステップは、前記画像記憶手段から、前記箇所取得ステップによって取得されたトラブル発生箇所に該当する周囲画像、または、その周囲画像および詳細画像を検索するものであり、
前記画像出力ステップは、前記画像検索ステップで検索されたトラブル発生箇所に該当する周囲画像、または、その周囲画像および詳細画像を前記表示部に表示し又は前記他のコンピュータに送信するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のメンテナンス支援プログラム。
【請求項5】
前記プレカット加工機は、トラブルが発生した場合、そのトラブル発生箇所の情報を含む箇所画像を表示するものであり、
前記箇所取得ステップは、前記プレカット加工機に表示される箇所画像に基づくトラブル発生箇所を取得するものであり、
前記画像検索ステップは、前記画像記憶手段から、前記箇所取得ステップによって取得された箇所画像に基づくトラブル発生箇所に該当する周囲画像、または、その周囲画像および詳細画像を検索するものであり、
前記画像出力ステップは、前記画像検索ステップで検索された箇所画像に基づくトラブル発生箇所に該当する周囲画像、または、その周囲画像および詳細画像を前記表示部に表示し又は前記他のコンピュータに送信するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のメンテナンス支援プログラム。
【請求項6】
前記周囲画像は前記プレカット加工機の該当箇所を含む機械図面に基づく画像であり、
前記詳細画像は前記プレカット加工機の該当箇所を撮影した写真に基づく画像であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のメンテナンス支援プログラム。
【請求項7】
サーバと、端末とから構成されるメンテナンス支援システムであって、
前記サーバは、
プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と当該箇所の詳細画像とを記憶する画像記憶手段と、
前記端末から送信された前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所受信手段と、
前記画像記憶手段から、前記箇所受信手段で取得された箇所に該当する周囲画像および詳細画像を検索する画像検索手段と、
その画像検索手段で検索された周囲画像および詳細画像を前記端末に送信する画像送信手段とを備え、
前記端末は、
前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所取得手段と、
その箇所取得手段で取得された前記プレカット加工機の箇所を前記サーバに送信する箇所送信手段と、
前記サーバから周囲画像および詳細画像を受信する画像受信手段と、
その画像受信手段で受信した周囲画像および詳細画像を表示する画像表示手段と、
を備えていることを特徴とするメンテナンス支援システム。
【請求項8】
前記メンテナンス支援システムは、更に前記プレカット加工機を備え、
前記プレカット加工機は、
トラブルが発生した場合、そのトラブル発生箇所を取得するトラブル箇所取得手段と、
そのトラブル箇所取得手段で取得されたトラブル発生箇所を前記端末に送信するトラブル箇所送信手段とを備え、
前記端末は、
前記プレカット加工機からトラブル発生箇所を受信する箇所受信手段を備え、
前記端末の箇所取得手段は、前記箇所受信手段で受信したトラブル発生箇所を取得するものであり、
前記端末の画像受信手段は、前記箇所受信手段で受信したトラブル発生箇所に該当する周囲画像および詳細画像を前記サーバから受信するものであり、
前記端末の画像表示手段は、前記画像受信手段で受信したトラブル発生箇所に該当する周囲画像および詳細画像を表示するものであることを特徴とする請求項7記載のメンテナンス支援システム。
【請求項9】
前記メンテナンス支援システムは、更に前記プレカット加工機を備え、
前記プレカット加工機は、
トラブルが発生した場合、そのトラブル発生箇所を取得するトラブル箇所取得手段と、
そのトラブル箇所取得手段で取得されたトラブル発生箇所の情報を含む箇所画像を表示する箇所画像表示手段とを備え、
前記端末は、
前記プレカット加工機に表示される箇所画像を取得する箇所画像取得手段を備え、
前記端末の箇所取得手段は、前記箇所画像取得手段で取得された箇所画像から前記プレカット加工機のトラブル発生箇所を取得するものであり、
前記端末の画像受信手段は、前記サーバから、前記箇所画像取得手段で取得した箇所画像に基づくトラブル発生箇所の周囲画像および詳細画像を受信するものであり、
前記端末の画像表示手段は、前記画像受信手段で受信した箇所画像に基づくトラブル発生箇所に該当する周囲画像および詳細画像を表示するものであることを特徴とする請求項7又は8に記載のメンテナンス支援システム。
【請求項10】
プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と当該箇所の詳細画像とを記憶する画像記憶手段と、
指定された前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所取得手段と、
前記画像記憶手段から、前記箇所取得手段で取得された箇所に該当する周囲画像および詳細画像を検索する画像検索手段と、
その画像検索手段で検索された周囲画像および詳細画像を表示し又は送信する画像出力手段と、
を備えていることを特徴とするメンテナンス支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメンテナンス支援プログラム、メンテナンス支援システム及びメンテナンス支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加工データに基づき、木材を切断等して横架材等の構造材を加工(プレカット加工)する加工機100が開示されている。加工機100には、表示部100Dが設けられ、加工データの処理順を予約する予約編集画面等の各種の設定を行う画面や、加工機100の状態を表す画面等が表示される。このような表示部100Dの表示により、作業員は加工機100の設定状態や動作状態を把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-079386号公報(例えば、段落0040-0042,0074,0078)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表示部100Dは加工機100に設けられるため、その表示面の大きさに制約がある。よって、加工機100においてトラブルが発生した場合、表示部100Dには、そのトラブルが発生した箇所の名称は表示できるが、それ以上の詳細な情報を表示することは困難である。一方、加工機100のサイズは大きいので、作業員が表示部100Dに表示される箇所の名称を見ても、トラブルが発生した位置を具体的に把握できず、該当位置に向かうことができないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、プレカット加工機においてトラブルが発生している位置を迅速かつ容易に特定できるメンテナンス支援プログラム、メンテナンス支援システム及びメンテナンス支援装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明のメンテナンス支援プログラムは、記憶部と表示部とを備えたコンピュータに、プレカット加工機における指定された箇所の画像を出力する画像出力処理を実行させるプログラムであって、前記記憶部を、前記プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と当該箇所の詳細画像とを記憶する画像記憶手段として動作させ、指定された前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所取得ステップと、前記画像記憶手段から、前記箇所取得ステップで取得された箇所に該当する周囲画像および詳細画像を検索する画像検索ステップと、その画像検索ステップで検索された周囲画像および詳細画像を前記表示部に表示し又は他のコンピュータに送信する画像出力ステップと、を前記コンピュータに実行させるものである。
【0007】
本発明の別のメンテナンス支援プログラムは、記憶部と表示部とを備えたコンピュータに、プレカット加工機における指定された箇所の画像を出力する画像出力処理を実行させるプログラムであって、前記記憶部を、前記プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と当該箇所の詳細画像とを記憶する画像記憶手段として動作させ、指定された前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所取得ステップと、前記画像記憶手段から、前記箇所取得ステップで取得された箇所に該当する周囲画像を検索する画像検索ステップと、その画像検索ステップで検索された周囲画像を前記表示部に表示し又は他のコンピュータに送信する画像出力ステップと、その画像出力ステップによって前記表示部に表示され又は前記他のコンピュータに送信された周囲画像において指定された位置を取得する位置取得ステップと、前記画像記憶手段から、前記位置取得ステップで取得された位置に該当する箇所の詳細画像を取得する詳細画像検索ステップと、その詳細画像検索ステップで検索された詳細画像を前記表示部に表示し又は前記他のコンピュータに送信する詳細画像出力ステップと、を前記コンピュータに実行させるものである。
【0008】
本発明のメンテナンス支援システムは、サーバと、端末とから構成されるシステムであって、前記サーバは、プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と当該箇所の詳細画像とを記憶する画像記憶手段と、前記端末から送信された前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所受信手段と、前記画像記憶手段から、前記箇所受信手段で取得された箇所に該当する周囲画像および詳細画像を検索する画像検索手段と、その画像検索手段で検索された周囲画像および詳細画像を前記端末に送信する画像送信手段とを備え、前記端末は、前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所取得手段と、その箇所取得手段で取得された前記プレカット加工機の箇所を前記サーバに送信する箇所送信手段と、前記サーバから周囲画像および詳細画像を受信する画像受信手段と、その画像受信手段で受信した周囲画像および詳細画像を表示する画像表示手段と、を備えている。
【0009】
また本発明のメンテナンス支援装置は、プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と当該箇所の詳細画像とを記憶する画像記憶手段と、指定された前記プレカット加工機の箇所を取得する箇所取得手段と、前記画像記憶手段から、前記箇所取得手段で取得された箇所に該当する周囲画像および詳細画像を検索する画像検索手段と、その画像検索手段で検索された周囲画像および詳細画像を表示し又は送信する画像出力手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載のメンテナンス支援プログラムによれば、プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と、当該箇所の詳細画像とが記憶される。指定されたプレカット加工機の箇所が取得され、その箇所に該当する周囲画像および詳細画像が取得され、取得された周囲画像および詳細画像が表示部に表示され又は他のコンピュータに送信される。
【0011】
作業員は、表示され又は送信される周囲画像によってプレカット加工機においてトラブルが発生している大まかな位置を把握できる。更に作業員は、表示され又は送信される詳細画像によってトラブルが発生している位置の周囲から原因となる具体的な位置を容易に特定できる。これらにより、作業員はトラブルが発生している位置を迅速かつ容易に特定し、トラブル解決のためのメンテナンスを促進させることができるという効果がある。
【0012】
請求項2記載のメンテナンス支援プログラムによれば、請求項1記載のメンテナンス支援プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。指定された箇所の周囲画像と詳細画像とが並べられた画像が表示され又は送信される。作業員は、かかる画像によって、当該箇所を含む周囲画像と、当該箇所の詳細画像とを容易に対比できるので、トラブルが発生している位置をより迅速かつ容易に特定できるという効果がある。
【0013】
請求項3記載のメンテナンス支援プログラムによれば、プレカット加工機の箇所ごとにそのプレカット加工機の当該箇所を含む周囲画像と、当該箇所の詳細画像とが記憶される。指定されたプレカット加工機の箇所が取得され、その箇所に該当する周囲画像が取得され、表示部に表示され又は他のコンピュータに送信される。かかる周囲画像によって作業員は、プレカット加工機においてトラブルが発生している大まかな位置を把握できる。
【0014】
更にその周囲画像において指定された位置の詳細画像が表示部に表示され又は他のコンピュータに送信される。即ち作業員が周囲画像で大まかに把握した位置を指定することで、その位置に該当する詳細画像が表示され又は送信されるので、かかる詳細画像を確認した作業員は、トラブルが発生している位置をより具体的に特定できる。このように周囲画像と詳細画像とが段階的に表示されることで、トラブルが発生している位置をスムーズに特定できるという効果がある。
【0015】
請求項4記載のメンテナンス支援プログラムによれば、請求項1から3のいずれかに記載のメンテナンス支援プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。プレカット加工機は、トラブルが発生した場合、そのトラブル発生箇所を外部に送信するものであり、そのプレカット加工機から送信されたトラブル発生箇所に該当する周囲画像、または、その周囲画像および詳細画像が表示され又は送信される。これにより、作業員がプレカット加工機の箇所を手入力することなく、プレカット加工機においてトラブル発生箇所の周囲画像、または、その周囲画像および詳細画像が表示され又は送信されるので、トラブル発生箇所の特定に関する作業員の手間を軽減できるという効果がある。
【0016】
請求項5記載のメンテナンス支援プログラムによれば、請求項1から4のいずれかに記載のメンテナンス支援プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。プレカット加工機は、トラブルが発生した場合、そのトラブル発生箇所の情報を含む箇所画像を表示するものであり、その箇所画像に基づくトラブル発生箇所の周囲画像、または、その周囲画像および詳細画像が表示され又は送信される。これにより、作業員がプレカット加工機の箇所を手入力することなく、プレカット加工機においてトラブル発生箇所の周囲画像、または、その周囲画像および詳細画像が表示され又は送信されるので、トラブル発生箇所の特定に関する作業員の手間を軽減できるという効果がある。
【0017】
請求項6記載のメンテナンス支援プログラムによれば、請求項1から5のいずれかに記載のメンテナンス支援プログラムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。周囲画像として、プレカット加工機の該当箇所を含む機械図面に基づく画像が表示され又は送信される。機械図面は、描写がシンプルで且つプレカット加工機の構造を表すので、作業員は当該箇所を含む機械図面に基づく周囲画像を見ることで、トラブルが発生している箇所等の大まかな位置をより容易に把握できるという効果がある。
【0018】
また、詳細画像として、該当箇所を撮影した写真に基づく画像が出力されることで、作業員はプレカット加工機においてトラブルが発生している位置をより具体的に把握できる。これにより、作業員はプレカット加工機においてトラブルが発生している位置を特定し、トラブル解決のためのメンテナンスを促進させることができるという効果がある。
【0019】
請求項7記載のメンテナンス支援システムによれば、請求項1記載のメンテナンス支援プログラムと同様の効果を奏する。請求項8記載のメンテナンス支援システムによれば、請求項4記載のメンテナンス支援プログラムと同様の効果を奏する。請求項9記載のメンテナンス支援システムによれば、請求項5記載のメンテナンス支援プログラムと同様の効果を奏する。
【0020】
請求項10記載のメンテナンス支援装置によれば、請求項1記載のメンテナンス支援プログラムと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】メンテナンス支援システムの概要を説明する図である。
【
図2】(a)は、メニュー画面を表す図であり、(b)は、アルバムトップ画面を表す図であり、(c)は、アルバム表示画面を表す図である。
【
図3】(a)は、アルバム表示画面において、キーワード入力エリアに入力された箇所に該当する画像を表示する場合を表す図であり、(b)は、周囲画像を拡大表示した場合を表す図であり、(c)は、詳細画像を拡大表示した場合を表す図である。
【
図4】(a)は、マニュアルトップ画面を表す図であり、(b)は、検索結果画面を表す図であり、(c)は、詳細表示画面を表す図である。
【
図5】(a)は、メンテナンス画面を表す図であり、(b)は、メール画面を表す図である。
【
図6】メンテナンス支援システムの電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】(a)は、アルバムデータを模式的に示す図であり、(b)は、マニュアルデータを模式的に示す図である。
【
図8】サーバのメイン処理のフローチャートである。
【
図11】(a)は、メンテ履歴処理のフローチャートであり、(b)は、メール処理のフローチャートである。
【
図12】変形例におけるメンテナンス支援システムの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、本実施形態におけるメンテナンス支援システムSを説明する。
図1は、メンテナンス支援システムSの概要を説明する図である。メンテナンス支援システムSは、プレカット加工機20における指定された箇所の画像を表示することで、作業員Hによるプレカット加工機20のメンテナンスを支援するシステムである。本実施形態におけるプレカット加工機20は、CAD等の加工データに基づき、木材を切断等して羽柄材、横架材等の構造材を加工(プレカット加工)する装置である。
【0023】
メンテナンス支援システムSは、携帯端末1とサーバ50とから構成され、これらはインターネットNを介して通信可能に構成される。携帯端末1は、画像を表示するプレカット加工機20の箇所を作業員Hから取得し、取得された箇所に該当する画像を後述のサーバ50から取得して表示する情報処理装置(コンピュータ)である。
【0024】
携帯端末1には、作業員Hからの指示を入力するタッチパネル2と、サーバ50から取得された画像等を表示するLCD3とが設けられる。タッチパネル2はLCD3上に重ね合わせて設けられ、LCD3に表示されるキーや文字列の入力エリア等を作業員Hが触れることで、タッチパネル2への指示が入力される。
【0025】
サーバ50は、プレカット加工機20の箇所ごとの画像等が記憶される情報処理装置である。サーバ50は、携帯端末1から受信したプレカット加工機20の箇所に該当する画像を自身が記憶している画像の中(具体的には
図7(a)で後述のアルバムデータ52b)から検索し、携帯端末1に送信する。
【0026】
プレカット加工機20には、表示装置21が設けられる。表示装置21には、加工データの処理順を設定する画面やトラブルが発生した場合にそのトラブルが発生したプレカット加工機20の箇所(以下「トラブル発生箇所」という)の名称を表示する画面等が表示される。ここで「プレカット加工機20の箇所の名称」として、予めプレカット加工機20の箇所(例えば、プレカット加工機20に設けられるセンサやバルブ、木材を切削する切削部材等)ごとに一意な(重複しない)文字列が設定される。
【0027】
詳細は後述するが、メンテナンス支援システムSの動作モードとして「アルバム機能」が設けられ、そのアルバム機能においては、携帯端末1に入力されたプレカット加工機20の箇所の名称に応じた画像がサーバ50で検索され、検索された画像が携帯端末1のLCD3に表示される。
【0028】
メンテナンス支援システムSのアルバム機能によって、プレカット加工機20の表示装置21に表示されるトラブル発生箇所の名称を検索することで、携帯端末1のLCD3に当該箇所の画像が表示される。作業員Hは、LCD3に表示される画像を確認することで、プレカット加工機20のトラブル発生箇所が把握しやすくなるので、作業員Hによるトラブルを解決するためのメンテナンスを促進させることができる。或いは、作業員Hがプレカット加工機20の定期検査の際に、アルバム機能で検査箇所の名称を検索することで、LCD3に検査箇所の画像が表示される。かかる画像により作業員Hは検査箇所を把握し、定期検査をスムーズに行うことができる。
【0029】
次に、携帯端末1のLCD3に表示される画面を参照しながら、メンテナンス支援システムSの動作モードを説明する。
図2(a)は、メニュー画面30を表す図である。本実施形態では、メンテナンス支援システムSの動作モードとして、上記したアルバム機能の他に、マニュアル機能と、メンテナンス履歴機能と、メール機能とが設けられる。
【0030】
マニュアル機能は、プレカット加工機20の操作方法やトラブルの解決方法が記載されたマニュアルを表示する動作モードである。以下、マニュアル機能において、プレカット加工機20の操作方法やトラブルの解決方法のことを「マニュアル」という。
【0031】
メンテナンス履歴機能は、カレンダー上にプレカット加工機20のトラブル内容や部品交換の履歴を記録する動作モードである。メール機能は、プレカット加工機20に関する問い合わせ等の文章や画像や動画等の添付ファイルを、電子メールとしてプレカット加工機20の製造メーカや納入業者等の既定のメールアドレスに送信する動作モードである。
【0032】
メニュー画面30は、これら動作モードのうち、動作させる動作モードを作業員Hが選択するための画面である。なお、メニュー画面30等の携帯端末1のLCD3に表示される画面はサーバ50で作成され、携帯端末1に送信されるものとする。メニュー画面30には、アルバムキー30aと、マニュアルキー30bと、メンテナンス履歴キー30cと、メールキー30dとが設けられる。
【0033】
アルバムキー30aは、動作モードをアルバム機能に切り替えるものである。タッチパネル2を介してアルバムキー30aが選択された場合に、LCD3に後述のアルバムトップ画面31(
図2(b)参照)が表示される。
【0034】
マニュアルキー30bは、動作モードをマニュアル機能に切り替えるものである。タッチパネル2を介してマニュアルキー30bが選択された場合に、LCD3に後述のマニュアルトップ画面33(
図4(a)参照)が表示される。メンテナンス履歴キー30cは、動作モードをメンテナンス履歴機能に切り替えるものであり、タッチパネル2を介してメンテナンス履歴キー30cが選択された場合に、LCD3に後述のメンテナンス履歴画面36(
図5(a)参照)が表示される。メールキー30dは、動作モードをメール機能に切り替えるものであり、タッチパネル2を介してメールキー30dが選択された場合に、LCD3に後述のメール画面39(
図5(b)参照)が表示される。
【0035】
まず、アルバム機能を説明する。
図2(b)は、アルバムトップ画面31を表す図である。アルバムトップ画面31はアルバム機能における入り口の画面であり、機械種別入力エリア31aと、機種入力エリア31bと、次へキー31cとが設けられる。機械種別入力エリア31aは、アルバム機能において画像を表示するプレカット加工機20が加工する構造材の種類(羽柄材、横架材等)を入力するエリアである。以下、プレカット加工機20が加工する構造材の種類のことを「機械種別」という。
【0036】
機種入力エリア31bは、アルバム機能において画像を表示するプレカット加工機20の機種名を入力するエリアである。タッチパネル2を介して機械種別入力エリア31a及び機種入力エリア31bで入力された機械種別および機種名に該当するプレカット加工機20の画像が、サーバ50から取得されて表示される。
【0037】
次へキー31cは、機械種別入力エリア31a及び機種入力エリア31bにおける機械種別および機種名の入力内容を確定し、アルバム表示画面32を表示するものである。次に、そのアルバム表示画面32を説明する。
【0038】
図2(c)は、アルバム表示画面32を表す図である。アルバム表示画面32は、機械種別入力エリア31a及び機種入力エリア31bで指定された機械種別および機種名に該当するプレカット加工機20の画像を表示する画面である。アルバム表示画面32には、キーワード入力エリア32aと、検索キー32bと、画像表示エリア32cとが設けられる。
【0039】
キーワード入力エリア32aは、画像を表示するプレカット加工機20の箇所の名称を入力するものである。検索キー32bは、サーバ50に記憶される画像から、機械種別入力エリア31a及び機種入力エリア31bで指定された機械種別および機種名に該当し、且つキーワード入力エリア32aで入力されたプレカット加工機20の箇所の名称に該当する画像の検索を指示するものである。
【0040】
画像表示エリア32cは、検索キー32bによる指示で検索された上記のアルバムトップ画面31で指定された機械種別および機種名と、キーワード入力エリア32aで入力された箇所とに該当する画像である周囲画像Paと詳細画像Pdとを表示するものである。
【0041】
周囲画像Paは、キーワード入力エリア32aで入力された箇所を含む機械図面に基づく画像である。本実施形態では、周囲画像Paとして2次元形式(2DCAD)の機械図面が用いられる。詳細画像Pdは、キーワード入力エリア32aで入力された箇所で実際に撮影された写真に基づく画像である。
【0042】
なお、周囲画像Paは2次元形式の機械図面に限られず、例えば3次元形式(3DCAD)の機械図面でも良いし、その他の形式の機械図面でも良いし、該当箇所を含む写真でも良い。また、詳細画像Pdは、該当箇所を実際に撮影された写真に基づく画像に限られず、例えば、該当箇所をスケッチした画像でも良いし、該当箇所の2次元形式または3次元形式等の機械図面でも良い。
【0043】
サーバ50において、検索された1又は複数の周囲画像Pa及び詳細画像Pdを1ページに並べた画像が作成され、その画像が画像表示エリア32cに表示される。この際、作成された画像の大きさが画像表示エリア32cの表示領域よりも大きい場合は、タッチパネル2を介した作業員Hからの画像表示エリア32cへのドラッグ操作により、画像表示エリア32cの表示領域で表示される当該画像の位置が変更される。
【0044】
また、
図2(c)に示すように、キーワード入力エリア32aが未入力(空白)である場合、画像表示エリア32cには、サーバ50に記憶される、機械種別入力エリア31a及び機種入力エリア31bで指定された機械種別および機種名のプレカット加工機20の全ての周囲画像Pa及び詳細画像Pdが表示される。
【0045】
一方で、キーワード入力エリア32aに箇所の名称が入力された場合の画像表示エリア32cの表示を、
図3を参照して説明する。
図3(a)は、アルバム表示画面32において、キーワード入力エリア32aに入力された箇所に該当する画像を表示する場合を表す図である。
図3(a)においては、キーワード入力エリア32aにプレカット加工機20の箇所の名称「X183」が入力され、その状態で検索キー32bが操作された場合を表す。これによる検索の結果、画像表示エリア32cには箇所「X183」が含まれる周囲画像Paと、箇所「X183」の詳細画像Pdとが並べられて表示される。
【0046】
周囲画像Paは、指定された箇所を含む機械図面に基づく画像なので、その描写がシンプルで且つプレカット加工機20の構造が明確に表される。よって、作業員Hはかかる周囲画像Paを見ることで、自身が指定したトラブル発生箇所(
図3(a)における箇所「X183」)の大まかな位置を容易に把握できる。更に周囲画像Paには、箇所ごとに、箇所とその箇所の名称とを表す箇所表示Ptが表示される。これにより作業員Hは、周囲画像Paの機械図面においてトラブル発生箇所の位置をより直感的に把握することができる。
【0047】
そして、周囲画像Paと共に表示される詳細画像Pdは、指定されたトラブル発生箇所において実際に撮影された写真で構成されるので、トラブルが発生箇所の具体的な位置をより容易に特定できる。これら周囲画像Pa及び詳細画像Pdが表示されることで、作業員Hは、プレカット加工機20においてトラブル発生箇所の位置を迅速かつ容易に特定できる。
【0048】
更にこれら周囲画像Pa及び詳細画像Pdが、並べられた画像として表示される。これにより、作業員Hは、自身が指定したトラブル発生箇所およびその周囲が表示される周囲画像Paと、当該トラブル発生箇所の詳細が表示される詳細画像Pdとを容易に対比できるので、当該トラブル発生箇所の位置をより正確に特定し、当該トラブル箇所のメンテナンスを促進させることができる。
【0049】
なお、この場合の「並べられた画像」とは、
図3(a)のように周囲画像Paと詳細画像Pdとを隣り合わせした画像のみならず、周囲画像Paと詳細画像Pdとを間を空けて配置した画像(例えば、周囲画像Paを左上に配置し、詳細画像Pdをその周囲画像Paと間を空けて右下に配置した画像)も含まれる。
【0050】
更に「並べられた画像」とは、周囲画像Paと詳細画像Pdとがいずれも画像表示エリア32cの表示領域内に配置される画像のみならず、周囲画像Paと詳細画像Pdとが同一のページに配置される画像であって、これら周囲画像Pa及び詳細画像Pdのうち一方が画像表示エリア32cの表示領域内に配置され、他方が当該表示領域外に配置されるような画像も含まれる。
【0051】
また、画像表示エリア32cに表示される周囲画像Paや詳細画像Pdは、拡大して表示できるように構成される。
図3(b)は、周囲画像Paを拡大表示した場合を表す図であり、
図3(c)は、詳細画像Pdを拡大表示した場合を表す図である。作業員が、
図3(a)において画像表示エリア32cに表示される周囲画像Paや詳細画像Pdを選択操作した場合、
図3(b),(c)に示すように選択された周囲画像Paや詳細画像Pdが拡大して表示される。これにより、例えば、周囲画像Paの箇所表示Ptや詳細画像Pdに表示される部品の組付け状態をより具体的に把握することができる。
【0052】
次に、マニュアル機能を説明する。
図4(a)は、マニュアルトップ画面33を表す図である。マニュアルトップ画面33は、マニュアル機能の入り口の画面であり、機械種別入力エリア33aと、機種入力エリア33bと、カテゴリー指定エリア33cと、キーワード入力エリア33dと、検索キー33eとが設けられる。
【0053】
機械種別入力エリア33aは、マニュアルを表示する対象のプレカット加工機20の機械種別を入力するエリアであり、機種入力エリア33bは、マニュアルを表示する対象のプレカット加工機20の機種名を入力するエリアである。
【0054】
カテゴリー指定エリア33cは、マニュアルのカテゴリーを指定するエリアである。マニュアル機能におけるカテゴリーとは、プレカット加工機20の自動運転に関する「自動運転」やプレカット加工機20の停止に関する「停止」等、マニュアルの分類を表すものである。
【0055】
カテゴリー指定エリア33cには、カテゴリー毎にチェックボックスが設けられ、タッチパネル2を介してチェックボックスを選択することで、表示するマニュアルのカテゴリーが指定される。また、キーワード入力エリア33dは、マニュアルに含まれる文字列を入力するものである。
【0056】
検索キー33eは、サーバ50に記憶されるマニュアルから、機械種別入力エリア33a、機種入力エリア33b、カテゴリー指定エリア33c及びキーワード入力エリア33dで設定された各種情報に該当するマニュアルの検索および取得をサーバ50に指示し、サーバ50から取得されたマニュアルの一覧が表示される検索結果画面34(
図4(b)参照)を表示させるものである。
【0057】
次に、
図4(b)を参照して、その検索結果画面34を説明する。
図4(b)は、検索結果画面34を表す図である。
図4(b)に示す通り、検索結果画面34には、結果一覧表示エリア34aが設けられる。結果一覧表示エリア34aは、マニュアルトップ画面33の検索キー33eにより検索されたマニュアルの一覧が表示されるエリアである。
【0058】
結果一覧表示エリア34aには、検索されたマニュアルごとに結果キー34a1,34a2,34a3,・・・(以下まとめて「結果キー34ax」という)が表示される。結果キー34axには、それぞれに該当するマニュアルの件名が表示される。結果キー34axが操作された場合、該当するマニュアルが表示される詳細表示画面35(
図4(c)参照)が表示される。
【0059】
次に、
図4(c)を参照して、その詳細表示画面35を説明する。
図4(c)は、詳細表示画面35を表す図である。
図4(c)に示す通り、詳細表示画面35には、検索結果画面34で操作された結果キー34axに該当するマニュアルの件名が表示される件名表示エリア35aと、当該マニュアルの対象となる事柄の原因等の内容が表示される内容表示エリア35bと、当該マニュアルにおける具体的な操作方法やトラブルの解決方法が表示される対応表示エリア35cとが設けられる。
【0060】
このように、マニュアル機能においてはプレカット加工機20の機械種別、機種や入力されたキーワードに該当するマニュアルが表示される。これにより、作業員Hは、プレカット加工機20の製造メーカや納入業者に問い合わせることなく、プレカット加工機20のマニュアルを把握することができる。特に、上記したアルバム機能によって、トラブル発生箇所の位置を把握し、更にその位置で発生しているトラブルの解決方法をマニュアル機能で把握することで、トラブルの解決を迅速に行うことができる。
【0061】
次に、
図5(a)を参照して、メンテナンス履歴機能を説明する。
図5(a)は、メンテナンス履歴画面36を表す図である。
図5(a)に示す通り、メンテナンス履歴画面36には、カレンダー表示エリア36aと、前月キー36bと、次月キー36cとが設けられる。カレンダー表示エリア36aは、指定された月のカレンダーが表示されるエリアである。カレンダー表示エリア36aのカレンダーには、日ごとにプレカット加工機20に行ったメンテナンスの内容や、発生したトラブルの内容を書き込むことができる。以下、カレンダーに書き込まれるメンテナンスの内容やトラブルの内容のことを「メンテナンス履歴」という。
【0062】
前月キー36bは、カレンダー表示エリア36aに表示されているカレンダーを1月前のものに変更するキーであり、次月キー36cは、カレンダー表示エリア36aに表示されているカレンダーを1月先のものに変更するキーである。
【0063】
メンテナンス履歴機能のカレンダーは携帯端末1の他、プレカット加工機20の製造メーカや納入業者でも閲覧できるように構成される。カレンダーに記録されるメンテナンス履歴を参照することで、製造メーカ等はプレカット加工機20のメンテナンスを行ったり、トラブルが発生する時期を予測することができる。これにより、製造メーカ等が前もって作業員Hにプレカット加工機20のメンテナンスを促すことができるので、プレカット加工機20のトラブルの発生を未然に防止できる。
【0064】
次に、
図5(b)を参照して、メール機能を説明する。
図5(b)は、メール画面37を表す図である。
図5(b)に示す通り、メール画面37には、電子メールのタイトルを入力するタイトル入力エリア37aと、電子メールの本文を入力する本文入力エリア37bと、電子メールの添付ファイル(例えば画像、動画等)を選択するファイル添付エリア37cと、電子メールの送信を指示する送信キー37dとが設けられる。
【0065】
送信キー37dが操作されることで、タイトル入力エリア37aで入力されたタイトルと、本文入力エリア37bで入力された本文と、ファイル添付エリア37cで指定された添付ファイルとによる電子メールが作成され、予め設定された製造メーカや納入業者のメールアドレスに送信される。
【0066】
作業員Hは、アルバム機能やメンテナンス履歴機能によって、プレカット加工機20で発生したトラブルの解決を図ると共に、メール機能によってトラブルの内容を製造メーカや納入業者に連絡する。これにより、製造メーカや納入業者は、作業員Hのプレカット加工機20でのトラブルを把握し、メンテナンス要員の派遣や交換部品の発注を迅速に行うことができる。更にメール機能で送信する電子メールに、プレカット加工機20においてトラブル発生箇所の位置における画像や動画を添付ファイルとして添付することで、製造メーカや納入業者はトラブルの内容をより正確に把握し、トラブルの解決を促進することができる。
【0067】
次に、
図6,7を参照して、メンテナンス支援システムSの電気的構成を説明する。
図6は、メンテナンス支援システムSの電気的構成を示すブロック図である。まず携帯端末1の電気的構成を説明する。携帯端末1は、CPU10と、フラッシュROM11と、RAM12とを有し、これらはバスライン13を介して入出力ポート14にそれぞれ接続されている。入出力ポート14には、更に上記したタッチパネル2及びLCD3と、画像を撮影するカメラ15と、通信部16とが接続されている。
【0068】
CPU10は、バスライン13により接続された各部を制御する演算装置である。フラッシュROM11は、CPU10により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性のメモリであり、携帯制御プログラム11aが記憶される。
【0069】
携帯制御プログラム11aは、携帯端末1の電源投入後にCPU10によって実行されるプログラムである。携帯制御プログラム11aによって、携帯端末1の各部の制御が実行され、例えば携帯制御プログラム11aには、タッチパネル2を介した作業員Hの指示が取得され、取得された指示が後述の通信部16を介してサーバ50に送信され、サーバ50から受信した画像がLCD3に表示される処理が含まれる。
【0070】
通信部16は、外部の機器と通信するための装置である。携帯端末は、通信部16を介してインターネットNに接続され、そのインターネットNを介してサーバ50と通信される。
【0071】
次に、サーバ50の電気的構成を説明する。サーバ50は、CPU51と、ハードディスク・ドライブ52(以下「HDD52」と略す)と、CPU51のプログラムの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリであるRAM53とを有し、これらはバスライン54を介して入出力ポート55にそれぞれ接続されている。入出力ポート55には、通信部56も接続されている。
【0072】
CPU51は、バスライン54により接続された各部を制御する演算装置である。HDD52は、CPU51により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、メンテナンス支援プログラム52aと、アルバムデータ52bと、マニュアルデータ52cと、メンテナンスデータ52dとが記憶される。CPU51によってメンテナンス支援プログラム52aが実行されると、
図8のメイン処理が実行される。
【0073】
アルバムデータ52bには、アルバム機能で用いられる周囲画像Pa及び詳細画像Pdが記憶され、マニュアルデータ52cには、マニュアル機能で用いられるマニュアルが記憶される。
図7を参照して、アルバムデータ52b及びマニュアルデータ52cを説明する。
【0074】
図7(a)は、アルバムデータ52bを模式的に示す図である。アルバムデータ52bには、アルバム機能で用いられる周囲画像Pa及び詳細画像Pdが記憶される。
図7(a)には、そのアルバムデータ52bに記憶される画像の実データ(画像データ)と、その画像の名称である画像ファイル名とを模式的に示している。
【0075】
本実施形態において、画像ファイル名は、画像の種類(周囲画像Paを表す「周囲画像」または詳細画像Pdを表す「詳細画像」)、機械種別、機種名、プレカット加工機20の箇所の名称(X1等)、画像ファイルの拡張子(.jpg等)の順に設定される。アルバムデータ52bから画像を検索する場合、この画像ファイル名の機械種別、機種名およびプレカット加工機20の箇所の名称に基づいて検索される。
【0076】
図7(b)は、マニュアルデータ52cを模式的に示す図である。マニュアルデータ52cには、マニュアル毎に、対応する機械種別、機種名、カテゴリー、キーワード、件名、内容および具体的な操作方法やトラブルの解決方法(対応)が対応付けられて記憶される。
【0077】
図6に戻る。メンテナンスデータ52dには、カレンダー機能におけるメンテナンス履歴が記憶される。メンテナンスデータ52dには、日ごとに対応するメンテナンス履歴が記憶される。カレンダー機能でカレンダーが表示される際に、表示されるカレンダーの期間に該当するメンテナンス履歴がメンテナンスデータ52dから取得され、取得されたメンテナンス履歴がカレンダーと共に表示される。
【0078】
通信部56は、外部の機器と通信するための装置である。サーバ50は、通信部16を介してインターネットNに接続され、そのインターネットNを介して携帯端末1と通信される。また、通信部56を介して送信された電子メールが、インターネットNを介して製造メーカや納入業者のPC100に送信される。
【0079】
次に、
図8~11を参照して、サーバ50のCPU51で実行される処理を説明する。
図8は、サーバ50のメイン処理のフローチャートである。サーバ50のメイン処理は、サーバ50の電源投入後に実行される処理である。なお、
図8~11においては、サーバ50の処理に関連して実行される携帯端末1の処理も併せて説明する。
【0080】
サーバ50のメイン処理は、まず携帯端末1から動作モードが受信したかを確認する(S1)。S1の処理に先立ち、サーバ50からメニュー画面30(
図2(a)参照)が携帯端末1に送信される。携帯端末1に表示されたメニュー画面30のアルバムキー30a、マニュアルキー30b、メンテナンス履歴キー30c及びメールキー30dのうち、タッチパネル2を介して選択されたものに該当する動作モードがサーバ50に送信される。S1の処理においては、このように携帯端末1から送信された動作モードが確認される。
【0081】
S1の処理において、動作モードを受信した場合は(S1:Yes)、受信した動作モードを確認する(S2)。S2の処理において、動作モードがアルバム機能である場合は(S2:「アルバム機能」)、アルバム処理(S3)を実行し、動作モードがマニュアル機能である場合は(S2:「マニュアル機能」)、マニュアル処理(S4)を実行し、動作モードがメンテナンス履歴機能である場合は(S2:「メンテナンス履歴機能」)、メンテ履歴処理(S5)を実行し、動作モードがメール機能である場合は(S2:「メール機能」)、メール処理(S6)を実行する。ここで、
図9~
図11を参照して、アルバム処理、マニュアル処理、メンテ履歴処理およびメール処理を説明する。
【0082】
図9は、アルバム処理のフローチャートである。アルバム処理は、メンテナンス支援システムSにおけるアルバム機能を実現するための処理である。アルバム処理はまず、携帯端末1にアルバムトップ画面31(
図2(b)参照)を送信する(S10)。S10の処理によって携帯端末1に送信されたアルバムトップ画面31が、携帯端末1のLCD3に表示される。
【0083】
S10の処理の後、携帯端末1からアルバムトップ画面31の次へキー31cが操作された旨を受信したかを確認する(S11)。S2の処理において、次へキー31cが操作された旨を受信していない場合は(S11:No)、S11の処理を繰り返す。一方で、S11の処理において、次へキー31cが操作された旨を受信した場合は(S11:Yes)、携帯端末1から機械種別入力エリア31a及び機種入力エリア31bで入力された機械種別および機種名を取得する(S12)。
【0084】
S12の処理の後、携帯端末1にアルバム表示画面32(
図2(c),
図3参照)を送信する(S13)。S13の処理によって携帯端末1に送信されたアルバム表示画面32が、携帯端末1のLCD3に表示される。
【0085】
S13の処理の後、携帯端末1からアルバム表示画面32の検索キー32bが操作された旨を受信したかを確認する(S14)。S14の処理において、検索キー32bが操作された旨を受信していない場合は(S14:No)、S14の処理を繰り返す。一方で、S14の処理において、検索キー32bが操作された旨を受信した場合は(S14:Yes)、携帯端末1からキーワード入力エリア32aで入力されたプレカット加工機20の箇所の名称を取得する(S15)。
【0086】
S15の処理の後、S15の処理で取得された箇所の名称の文字数を確認する(S16)。S16の処理において、箇所の名称の文字数が1文字以上の場合は(S16:「1文字以上」)、アルバムデータ52b(
図7(a)参照)に記憶される画像のうち、画像ファイル名にS12の処理で取得された機械種別および機種名と、S15の処理で取得された箇所の名称とを含む画像を携帯端末1に送信する(S17)。
【0087】
これによって、携帯端末1のLCD3に表示される画像表示エリア32cには、機械種別入力エリア31a及び機種入力エリア31bで入力された機械種別および機種名と、キーワード入力エリア32aで入力されたプレカット加工機20の箇所の名称に該当する周囲画像Pa及び詳細画像Pdが表示される。
【0088】
一方で、S16の処理において、箇所の名称の文字数が0文字の場合は(S16:「0文字」)、アルバムデータ52bに記憶される画像のうち、画像ファイル名にS12の処理で取得された機械種別および機種名が含まれる全画像を携帯端末1に送信する(S18)。これによって、携帯端末1のLCD3に表示される画像表示エリア32cには、機械種別入力エリア31a及び機種入力エリア31bで入力された機械種別および機種名に該当する全ての周囲画像Pa及び詳細画像Pdが表示される。
【0089】
S16,S17の処理の後、携帯端末1から画像表示エリア32cに表示される画像が選択された旨を受信したかを確認する(S19)。S19の処理において、画像が選択された旨を受信した場合は(S19:Yes)、選択された画像を拡大したものを携帯端末1に送信する(S20)。これによって、携帯端末1のLCD3に表示されるアルバム表示画面32には、選択された画像が拡大表示される(
図3(b),(c)参照)。
【0090】
S19の処理において、画像が選択された旨を受信していない場合は(S19:No)、S20の処理をスキップする。S19,S20の処理の後、携帯端末1からアルバム機能を続行する旨を受信したかを確認する(S21)。S21の処理において、アルバム機能を続行する旨を受信した場合は(S21:Yes)、S10以下の処理を繰り返す。一方で、S21の処理において、アルバム機能を続行する旨を受信していない場合は(S21:No)、アルバム処理を終了する。
【0091】
次に、
図10を参照して、S4のマニュアル処理を説明する。
図10は、マニュアル処理のフローチャートである。マニュアル処理は、メンテナンス支援システムSにおけるマニュアル機能を実現するための処理である。マニュアル処理はまず、携帯端末1にマニュアルトップ画面33(
図4(a)参照)を送信する(S30)。S30の処理によって携帯端末1に送信されたマニュアルトップ画面33が携帯端末1のLCD3に表示される。
【0092】
S30の処理の後、携帯端末1からマニュアルトップ画面33の検索キー33eが操作された旨を受信したかを確認する(S31)。S31の処理において、検索キー33eが操作された旨を受信していない場合は(S31:No)、S31の処理を繰り返す。
【0093】
一方で、S31の処理において、検索キー33eが操作された旨を受信した場合は(S31:Yes)、携帯端末1から機械種別入力エリア33a、機種入力エリア33b、カテゴリー指定エリア33c及びキーワード入力エリア33dで入力された機械種別、機種名、カテゴリー及びキーワードを取得する(S32)。
【0094】
S32の処理の後、マニュアルデータ52c(
図7(b)参照)に記憶されるマニュアルのうち、S32の処理で取得された機械種別、機種名、カテゴリー及びキーワードに該当するものを取得し(S33)、取得されたマニュアルの件名を結果キー34axに付した検索結果画面34(
図4(b)参照)を作成し、携帯端末1に送信する(S34)。これによって、携帯端末1のLCD3には、検索結果画面34が表示される。
【0095】
S34の処理の後、携帯端末1から検索結果画面34の結果キー34axが選択された旨を受信したかを確認する(S35)。S35の処理において、結果キー34axが選択された旨を受信していない場合は(S35:No)、S35の処理を繰り返す。
【0096】
S35の処理において、結果キー34axが選択された旨を受信した場合は(S35:Yes)、S33の処理で取得されたマニュアルのうち、選択された結果キー34axに該当するマニュアルによる詳細表示画面35(
図4(c)参照)を作成し、携帯端末1に送信する(S36)。これによって、携帯端末1のLCD3には、詳細表示画面35が表示される。
【0097】
S36の処理の後、携帯端末1からマニュアル機能を続行する旨を受信したかを確認する(S37)。S37の処理において、マニュアル機能を続行する旨を受信した場合は(S37:Yes)、S30以下の処理を繰り返す。一方で、S37の処理において、マニュアル機能を続行する旨を受信していない場合は(S37:No)、マニュアル処理を終了する。
【0098】
次に、
図11(a)を参照して、S5のメンテ履歴処理を説明する。
図11(a)は、メンテ履歴処理のフローチャートである。メンテ履歴処理は、メンテナンス支援システムSにおけるメンテナンス履歴機能を実現するための処理である。メンテ履歴処理はまず、携帯端末1にメンテナンス履歴画面36(
図5(a)参照)を送信する(S50)。S50の処理によって携帯端末1に送信されたメンテナンス履歴画面36が、携帯端末1のLCD3に表示される。
【0099】
S50の処理の後、携帯端末1からメンテナンス履歴画面36のカレンダー表示エリア36aで表示するカレンダーの期間を取得する(S51)。具体的には、携帯端末1からメンテナンス履歴画面36の前月キー36b又は次月キー36cが操作された場合に、その操作によって指定された期間(月)の情報が取得される。
【0100】
S51の処理の後、取得された期間のカレンダーと、メンテナンスデータ52d(
図6参照)における取得された期間のメンテナンス履歴とを携帯端末1に送信する(S52)。これによって、携帯端末1のLCD3に表示されるメンテナンス履歴画面36には、作業員Hが指定した期間(月)のカレンダーと、そのカレンダー上に付されたメンテナンス履歴とが表示される。
【0101】
S52の処理の後、携帯端末1からメンテナンス履歴を受信したかを確認する(S53)。S53の処理において、メンテナンス履歴を受信した場合は(S53:Yes)、メンテナンスデータ53bに、メンテナンス履歴と、メンテナンス履歴と共に携帯端末1から受信したメンテナンス履歴を記録した日時とを保存する(S54)。
【0102】
S53の処理において、メンテナンス履歴を受信していない場合は(S53:No)、S54の処理をスキップする。
【0103】
S53,54の処理の後、携帯端末1からメンテナンス履歴機能を続行する旨を受信したかを確認する(S55)。S55の処理において、メンテナンス履歴機能を続行する旨を受信した場合は(S55:Yes)、S50以下の処理を繰り返す。一方で、S55の処理において、メンテナンス履歴機能を続行する旨を受信していない場合は(S55:No)、メンテ履歴処理を終了する。
【0104】
次に、
図11(b)を参照して、S6のメール処理を説明する。
図11(b)は、メール処理のフローチャートである。メール処理は、メンテナンス支援システムSにおけるメール機能を実現するための処理である。メール処理はまず、携帯端末1にメール画面37(
図5(b)参照)を送信する(S60)。S60の処理によって携帯端末1に送信されたメール画面37が、携帯端末1のLCD3に表示される。
【0105】
S60の処理の後、携帯端末1から送信キー37dが操作された旨を受信したかを確認する(S61)。S61の処理において、送信キー37dが操作された旨を受信していない場合は(S61:No)、S61の処理を繰り返す。
【0106】
一方で、S61の処理において、送信キー37dが操作された旨を受信した場合は(S61:Yes)、携帯端末1からタイトル入力エリア37a、本文入力エリア37b及びファイル添付エリア37cで設定されたタイトル、本文および添付ファイルを取得し、電子メールを作成する(S62)。
【0107】
S62の処理の後、作成された電子メールを既定のメールアドレスに送信する(S63)。これによって、作成された電子メールが製造メーカや納入業者のPC100(
図6参照)に送信される。
【0108】
S63の処理の後、携帯端末1からメール機能を続行する旨を受信したかを確認する(S64)。S64の処理において、メール機能を続行する旨を受信した場合は(S64:Yes)、S60以下の処理を繰り返す。一方で、S64の処理において、メール機能を続行する旨を受信していない場合は(S64:No)、メール処理を終了する。
【0109】
図8に戻る。S1の処理において、動作モードを受信していない場合(S1:No)、又は、S3~S6の処理の後、サーバ50に関するその他の処理を行い(S7)、S1以下の処理を繰り返す。
【0110】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0111】
上記実施形態では、アルバム機能において、アルバム表示画面32の画像表示エリア32cに該当する周囲画像Paと詳細画像Pdとを並べて表示した(
図3(a)参照)。しかし、これに限られず、該当する周囲画像Paが表示された後に、詳細画像Pdを表示しても良い。
【0112】
具体的に、まず、指定された機械種別、機種名および箇所の名称を含む周囲画像Paのみを検索し、画像表示エリア32cに表示する。その画像表示エリア32cの周囲画像Paの位置は、タッチパネル2によって指定可能に構成され、周囲画像Paのプレカット加工機20の箇所がタッチパネル2を介して指定された場合に、周囲画像Paの表示に代えて、その指定された箇所に該当する詳細画像Pdを検索し、画像表示エリア32cに表示すれば良い。
【0113】
なお、周囲画像Paからの箇所の取得手法としては、周囲画像Paに表示される箇所表示Ptが指定された場合に、その箇所表示Ptに表示されている名称から箇所を取得しても良いし、周囲画像Paに表示されるプレカット加工機20の箇所ごとにその箇所の識別情報(例えば、名称等)を記憶させ、周囲画像Pa上のプレカット加工機20の箇所が指定された場合に、該当する識別情報を取得し、その識別情報から箇所を取得しても良い。
【0114】
このように、まず先に指定された箇所の周囲画像Paが表示されることで、作業員Hはプレカット加工機20においてトラブル発生箇所の大まかな位置を把握できる。そして、その周囲画像Paにおいて指定された位置に該当する詳細画像Pdが、周囲画像Paに代わって表示される。作業員Hは、先に表示された周囲画像Paで大まかなに把握した位置を指定することで、その位置に該当する詳細画像Pdが表示されるので、かかる詳細画像Pdを確認した作業員Hは、トラブル発生箇所の位置をより具体的に特定できる。このように周囲画像Paと詳細画像Pdとが段階的に表示されることで、トラブル発生箇所の位置を直感的かつスムーズに特定できる。
【0115】
上記実施形態では、アルバム機能において、アルバム表示画面32のキーワード入力エリア32aでプレカット加工機20の箇所の名称を、携帯端末1のタッチパネル2から入力したが、これに限られない。例えば、サーバ50にキーボードやマウス等の入力装置を設け、その入力装置からプレカット加工機20の箇所の名称を入力しても良い。
【0116】
また、
図12に示すように、プレカット加工機20をメンテナンス支援システムSに含め、プレカット加工機20から箇所を受信しても良い。
【0117】
具体的には、プレカット加工機20をインターネットNに接続させ、プレカット加工機20でトラブルが発生した場合に、そのトラブル発生箇所をインターネットN経由で携帯端末1に送信する。携帯端末1は、キーワード入力エリア32aで箇所の名称を入力させる代わりに、プレカット加工機20から受信したトラブル発生箇所をサーバ50に送信することで、そのトラブル発生箇所に該当する周囲画像Pa及び詳細画像Pdを取得し、画像表示エリア32cに表示すれば良い。
【0118】
これにより、作業員Hがキーワード入力エリア32aに箇所の名称を手入力することなく、プレカット加工機20においてトラブル発生箇所の周囲画像Pa及び詳細画像Pdが表示されるので、トラブル発生箇所の特定に関する作業員Hの手間を軽減できる。
【0119】
なお、プレカット加工機20からのトラブル発生箇所は、携帯端末1で受信するものに限られず、サーバ50で受信しても良い。この場合、
図9のアルバム処理のS15の処理において、プレカット加工機20からの受信したトラブル発生箇所を取得すれば良い。
【0120】
また、プレカット加工機20にトラブル発生箇所の情報を含んだ画像を表示させ、その画像を携帯端末1で取得することで、トラブル発生箇所を取得しても良い。具体的には、プレカット加工機20をメンテナンス支援システムSに含め、プレカット加工機20でトラブルが発生した場合に、そのトラブル発生箇所の情報を2次元コード(例えばQRコード(登録商標))とした箇所画像を表示装置21に表示させる。そして、携帯端末1のカメラ15で表示装置21に表示される箇所画像を撮影し、その箇所画像を解析してトラブル発生箇所を取得し、そのトラブル発生箇所をサーバ50に送信することで、そのトラブル発生箇所に該当する周囲画像Pa及び詳細画像Pdを取得し、画像表示エリア32cに表示すれば良い。
【0121】
これによっても、作業員Hがキーワード入力エリア32aに箇所の名称を手入力することなく、プレカット加工機20においてトラブル発生箇所の周囲画像Pa及び詳細画像Pdが表示されるので、トラブル発生箇所の特定に関する作業員Hの手間を軽減できる。
【0122】
なお、表示装置21に表示される箇所画像は2次元コードに限られず、例えば、1次元コード等の他の形式でも良いし、箇所の名称の文字列を画像としたものを用いても良い。箇所画像を、箇所の名称の文字列による画像とした場合は、OCRやAI等の既知の画像解析手法によって箇所画像からトラブル発生箇所を取得すれば良い。
【0123】
更に上記のように、プレカット加工機20からトラブル発生箇所を送信し、又は、表示装置21で箇所画像を表示した際に、プレカット加工機20から製造メーカや納入業者に、トラブルが発生した旨の連絡とトラブル発生箇所に該当する部品の発注とをインターネットN経由で送信しても良い。これにより、トラブル発生箇所のメンテナンスや部品交換を迅速に行い、プレカット加工機20のトラブルを迅速に解決できる。
【0124】
一方で製造メーカ等においては、実際にプレカット加工機20を訪問して点検することなくトラブル発生箇所を把握できるので、プレカット加工機20の対応を行っている作業員Hに、メンテナンス支援システムSのアルバム機能において参照すべき周囲画像Pa及び詳細画像Pdを伝達したり、マニュアル機能において参照すべきマニュアルを伝達することができる。これによっても、プレカット加工機20のトラブルを迅速に解決できる。
【0125】
なお、製造メーカや納入業者へのトラブルが発生した旨とトラブル発生箇所に該当する部品の発注との送信は、プレカット加工機20からトラブル発生箇所を受信し、又は、表示装置21に表示された箇所画像を取得した際に、携帯端末1又はサーバ50から行っても良い。
【0126】
上記実施形態では、アルバム機能のアルバム表示画面32(
図2(c),
図3参照)において、指定された機械種別、機種名および箇所の周囲画像Pa及び詳細画像Pdを表示したが、これに限られない。例えば、アルバム表示画面32に、これらの画像と共に指定された機械種別、機種名および箇所に該当するマニュアルをマニュアルデータ52cから取得して表示しても良い。これにより、周囲画像Pa及び詳細画像Pdによってトラブルが発生した箇所を特定できると共に、これらの画像と共に表示されるマニュアルによって当該箇所のトラブルの解決方法等を取得できるので、トラブルをより迅速に解決することができる。
【0127】
また、アルバム表示画面32にメール機能のメール画面37を表示するキーを設け、当該キーが操作された場合、アルバム表示画面32に表示されていた周囲画像Pa及び詳細画像Pdを添付ファイルに設定するように構成しても良い。これにより、作業員Hが周囲画像Pa及び詳細画像Pdについて製造メーカや納入業者に電子メールで問い合わせする場合に、添付ファイルを改めて設定する手間を省くことができる。
【0128】
上記実施形態では、マニュアル機能の詳細表示画面35(
図4(c)参照)において、指定された機械種別、機種名、カテゴリー及びキーワードに該当するマニュアルを表示したが、これに限られない。例えば、詳細表示画面35に、マニュアルと共に表示されるマニュアルの文章に含まれる箇所の周囲画像Pa及び詳細画像Pdを、アルバムデータ52bから取得して表示しても良い。これにより、作業員Hがマニュアルの記載内容と周囲画像Pa及び詳細画像Pdとを参照することで、作業員Hのトラブルの解決方法をより具体的に把握することができる。
【0129】
上記実施形態では、メンテナンス履歴機能において、文字列によるメンテナンス履歴をメンテナンスデータ52dに記憶したが、これに限られない。例えば、文字列によるメンテナンス履歴と共に、そのメンテナンス履歴の文字列に該当する周囲画像Pa及び詳細画像Pdをアルバムデータ52bから取得してメンテナンスデータ52dに記憶する。そして、カレンダー表示エリア36aを表示する際、メンテナンスデータ52dに記憶される文字列によるメンテナンス履歴と対応する周囲画像Pa及び詳細画像Pdとを表示しても良い。これにより、カレンダー表示エリア36aに表示されるメンテナンス履歴の内容を、より直感的かつ具体的に把握できる。
【0130】
上記実施形態では、プレカット加工機20の箇所を名称で識別したが、これに限られない。例えば、プレカット加工機20の箇所ごとに数字を割り振り、当該数字によってプレカット加工機20の箇所を識別しても良いし、プレカット加工機20の箇所ごとに記号(〇、△、*等)を割り振り、当該記号によってプレカット加工機20の箇所を識別しても良い。
【0131】
上記実施形態では、マニュアル機能において、指定された機械種別、機種名、カテゴリー及びキーワードに該当するマニュアルを表示したが、これに限られない。例えば、これらの条件に加えて、作業員Hがメンテナンスするプレカット加工機20の機種に該当するマニュアルのみを表示しても良い。これにより、実際に納入されていないプレカット加工機20の機種のマニュアルが表示されないので、作業員Hが誤ったマニュアルを参照してしまう事態を防止できる。
【0132】
上記実施形態では、取得した周囲画像Pa及び詳細画像Pdを画像表示エリア32cに表示したが、これに限られない。例えば、取得した周囲画像Pa及び詳細画像Pdをサーバ50及び携帯端末1以外の他の情報処理装置に送信しても良いし、サーバ50又は携帯端末1にプリンタを接続し、取得した周囲画像Pa及び詳細画像Pdを印刷しても良い。
【0133】
また、上記実施形態では、アルバムデータ52bに周囲画像Pa及び詳細画像Pdを両方記憶したが、これに限られず、周囲画像Pa又は詳細画像Pdのいずれか一方のみを記憶しても良い。この場合、画像表示エリア32cには、アルバムデータ52bに記憶された周囲画像Pa又は詳細画像Pdのいずれか一方のみが表示される。
【0134】
上記実施形態では、周囲画像Paには箇所表示Ptを設け、詳細画像Pdには箇所表示Ptを省略したが、これに限られない。周囲画像Paから箇所表示Ptを省略してもよいし、詳細画像Pdに箇所表示Ptを設けても良い。
【0135】
また、箇所表示Ptの表示を、キーワード入力エリア32aで指定された箇所によらず一定としたが、これに限られない。例えば、箇所表示Ptのうち、キーワード入力エリア32aで指定された箇所に該当する箇所表示Ptの色や大きさ等の表示態様を変更しても良い。これにより、周囲画像Paに複数表示される箇所表示Ptのうち、キーワード入力エリア32aで指定した箇所表示Ptを一目で把握し、当該箇所の位置を迅速に特定することができる。
【0136】
上記実施形態では、メンテナンス支援システムSの動作モードとして、アルバム機能、マニュアル機能、メンテナンス履歴機能およびメール機能を設けたが、これに限られず、これらのうちの一部の動作モードを省略しても良いし、これら以外の動作モードを設けても良い。
【0137】
上記実施形態では、メンテナンス支援プログラム51aを実行するコンピュータとしてサーバ50を例示したが、これに限られず、メンテナンス支援プログラム51aを携帯端末1やタブレット端末等の他のコンピュータで実行しても良い。メンテナンス支援プログラム51aを携帯端末1で実行する場合には、アルバムデータ52b、マニュアルデータ52c及びメンテナンスデータ52dを携帯端末1のフラッシュROM11に記憶させ、
図8~
図11の処理において、携帯端末1から取得する情報をタッチパネル2から取得し、アルバムトップ画面31や、周囲画像Pa等をLCD3に表示すれば良い。
【0138】
また、メンテナンス支援プログラム51aや、アルバムデータ52b、マニュアルデータ52c及びメンテナンスデータ52dをROM等に記憶し、メンテナンス支援プログラム51aのみを実行する専用装置に、本発明を適用しても良い。かかる専用装置が「メンテナンス支援装置」とされる。
【符号の説明】
【0139】
20 プレカット加工機
52a メンテナンス支援プログラム
S メンテナンス支援システム
50 サーバ(コンピュータ)
52 HDD(記憶部)
52b アルバムデータ(画像記憶手段)
1 携帯端末(端末、コンピュータ)
3 LCD(表示部)
S15 箇所取得ステップ、箇所取得手段、箇所受信手段
S17,S18 画像検索ステップ、画像出力ステップ、画像検索手段、画像出力手段