(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053795
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】コネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/244 20210101AFI20230406BHJP
H01R 43/26 20060101ALI20230406BHJP
H01R 13/629 20060101ALI20230406BHJP
H02J 7/00 20060101ALN20230406BHJP
B62J 43/16 20200101ALN20230406BHJP
B60K 1/04 20190101ALN20230406BHJP
B62J 43/23 20200101ALN20230406BHJP
【FI】
H01M50/244 Z
H01R43/26
H01R13/629
H02J7/00 301B
B62J43/16
B60K1/04 A
B62J43/23
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163054
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000109819
【氏名又は名称】デンヨー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 修
(72)【発明者】
【氏名】後藤 絢
(72)【発明者】
【氏名】梅村 博和
(72)【発明者】
【氏名】増田 利弘
【テーマコード(参考)】
3D235
5E021
5E063
5G503
5H040
【Fターム(参考)】
3D235BB20
3D235BB24
3D235CC15
3D235FF43
3D235HH02
3D235HH61
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC31
5E021HB20
5E063KA01
5E063XA20
5G503FA03
5H040AA07
5H040AS22
5H040DD22
5H040DD28
(57)【要約】
【課題】操作部の操作速度が過剰であってもコネクタの変位速度を所定の速度以下にすることができるコネクタ駆動構造を提供すること。
【解決手段】コネクタ駆動構造1は、操作部41と、操作部41の動きに連動する駆動部43Aと、駆動部43Aに弾性支持されたコネクタ49と、コネクタ49に支持されるダンパ48と、バッテリ載置台31と、を備えている。駆動部43Aは、操作部41の操作で、バッテリ載置台に接近する接近位置と、バッテリ載置台から離れる離間位置との間で変位する。コネクタ49は、コネクタ端子49aと、コネクタ端子49aを保持する端子保持部49cと、を備えている。ダンパ48の一端が端子保持部49cに支持され、ダンパ48の他端がバッテリ載置台31に当接するように配設されている。
【選択図】
図12A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、
前記操作部の動きに連動する駆動部と、
少なくとも1つの弾性部材を介して前記駆動部に支持されたコネクタと、
前記コネクタに支持される少なくとも1つのダンパと、
バッテリ載置台と、
を備え、
前記駆動部は、前記操作部の操作によって、前記バッテリ載置台に接近する接近位置と、前記バッテリ載置台から離れる離間位置との間で変位し、
前記コネクタは、コネクタ端子と、前記コネクタ端子を保持する端子保持部と、を備え、
前記ダンパの一端が前記端子保持部に支持され、前記ダンパの他端が前記バッテリ載置台に当接する、
コネクタ駆動構造。
【請求項2】
前記ダンパは、前記端子保持部及び前記バッテリ載置台の少なくとも一方に固定されている、
請求項1に記載のコネクタ駆動構造。
【請求項3】
前記ダンパは、前記端子保持部に固定された有底筒状のダンパ保持部材に支持され、
前記ダンパの一端が、前記ダンパ保持部材の底部に当接し、前記ダンパの全長の少なくとも一部が、前記ダンパ保持部材に収容されている、
請求項1に記載のコネクタ駆動構造。
【請求項4】
前記ダンパ保持部材の底部は、前記ダンパ保持部材と螺合する調節ねじによって構成されている、
請求項3に記載のコネクタ駆動構造。
【請求項5】
前記ダンパ保持部材は、前記駆動部に形成された孔または切欠部を通じて前記駆動部の下側に延出している、
請求項3または請求項4に記載のコネクタ駆動構造。
【請求項6】
前記孔または切欠部に、樹脂製のカラーを設けた、
請求項5に記載のコネクタ駆動構造。
【請求項7】
前記弾性部材は、コイルばねであり、
前記弾性部材に前記ダンパ保持部材が挿通されている、
請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載のコネクタ駆動構造。
【請求項8】
前記バッテリ載置台は、前記コネクタの変位方向に延在する昇降ガイドを有し、
前記昇降ガイドは、前記端子保持部に形成されたガイド挿通孔に挿通されている、
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のコネクタ駆動構造。
【請求項9】
前記バッテリ載置台は、前記コネクタの変位方向に延在するガイド部を有し、
前記ガイド部は、ダンパ保持部材の内周形状より小さな外周形状であり、かつ、ダンパの外周形状より大きな内周形状を有した中空状の部材であり、
当該ガイド部は、前記駆動部が離間位置にあるとき、全長の少なくとも一部が前記ダンパ保持部材に収容される、
請求項3ないし請求項7のいずれか1項に記載のコネクタ駆動構造。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のコネクタ駆動構造を備えた電源装置であって、
前記バッテリ載置台に、バッテリを搭載している、
電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動式の機械等に電力を供給する電源装置は、一般に、バッテリを載置するバッテリケースと、バッテリケース内に載置されたバッテリの端子部にケース側接続端子を挿入するための操作部と、を有している。バッテリをバッテリケースに脱着可能に収容したものとしては、例えば、特許文献1に記載された車両のバッテリ収納装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のバッテリ収納装置では、バッテリの端子部にケース側接続端子を挿入する操作を行う際の操作スピードを適度な大きさにコントロールすることが好ましい。
【0005】
しかし、操作スピードは、使用者の腕力や姿勢等によって様々であるため、操作スピードのコントロールを使用者に求めることは難しい。
【0006】
そこで、本発明は、コネクタの変位速度を所定の速度以下にすることができるコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、本発明に係るコネクタ駆動構造は、操作部と、前記操作部の動きに連動する駆動部と、少なくとも1つの弾性部材を介して前記駆動部に支持されたコネクタと、前記コネクタに支持される少なくとも1つのダンパと、バッテリ載置台と、を備え、前記駆動部は、前記操作部の操作によって、前記バッテリ載置台に接近する接近位置と、前記バッテリ載置台から離れる離間位置との間で変位し、前記コネクタは、コネクタ端子と、前記コネクタ端子を保持する端子保持部と、を備え、前記ダンパの一端が前記端子保持部に支持され、前記ダンパの他端が前記バッテリ載置台に当接する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作部の操作速度が過剰であっても、コネクタの変位速度を所定の速度以下にすることができるコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の一例を示す斜視図である。
【
図5B】逆さにしたバッテリ保持体の斜視図である。
【
図6】操作部、リンクプレート及び駆動部の連結状態を示す斜視図である。
【
図7】ガイド部材、ダンパ、ダンパ保持部材、コネクタ、駆動部等の分解斜視図である。
【
図8A】駆動部保持部の設置状態を示す要部斜視図である。
【
図8B】駆動部と駆動部保持部の設置状態を示す要部縦断面図である。
【
図9】コネクタを取り付けた可動部を示す要部拡大斜視図である。
【
図10】(a)は、操作部を解除位置(後方向)に操作したときの操作機構の状態を示す側面図、(b)は、操作部を固定位置(前方向)に操作したときの操作機構の状態を示す側面図である。
【
図11A】バッテリをバッテリ収容体内に入れるときのコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図11B】バッテリをバッテリ載置台上に載せたときのコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図11C】操作部を固定位置に操作したときのコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図11D】操作部を固定位置に操作した直後のコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図11E】操作部を解除位置に操作したときのコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図11F】操作部を解除位置に操作した直後のコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図12A】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第1変形例を示す図であり、操作部を解除位置に操作して、バッテリをバッテリ収容体内に入れたときのコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図12B】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第1変形例を示す図であり、バッテリをバッテリ載置台上に載せたときのコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図12C】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第1変形例を示す図であり、操作部を固定位置に操作したときのコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図12D】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第1変形例を示す図であり、操作部を固定位置に操作した直後のときのコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図12E】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第1変形例を示す図であり、操作部を解除位置に操作したときのコネクタの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図13A】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第2変形例を示す図であり、ダンパの設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図13B】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第2変形例を示す図であり、ダンパの設置状態を示す要部拡大側面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第3変形例を示す図であり、ダンパの設置状態を示す要部拡大側面図である。
【
図15】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第4変形例を示す図であり、ダンパの設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図16A】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第5変形例を示す図であり、ダンパ保持部材の設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図16B】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第5変形例を示す図であり、ダンパ保持部材の設置状態を示す要部拡大側面図である。
【
図16C】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第5変形例を示すダンパ保持部材の拡大斜視図である。
【
図17】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第6変形例を示す図であり、(a)はコネクタの拡大平面図、(b)はコネクタの拡大正面図、(c)はダンパ保持部材の拡大斜視図である。
【
図18】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第7変形例を示すダンパ保持部材の拡大斜視図である。
【
図19】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第8変形例を示す図であり、(a)は有底円筒形状のダンパ保持部材の拡大斜視図、(b)は有底角筒形状のダンパ保持部材の拡大斜視図である。
【
図20A】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第9変形例の駆動部の設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図20B】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第9変形例の駆動部の設置状態を示す一部断面を有する要部拡大斜視図である。
【
図20C】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第9変形例の変形例を示す一部断面を有する要部拡大斜視図である。
【
図21A】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第10変形例のカラーの設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図21B】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第10変形例のカラーの設置状態を示す要部拡大斜視図である。
【
図21C】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第10変形例の変形例を示す要部拡大斜視図である。
【
図22A】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第11変形例の昇降ガイドの設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図22B】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第11変形例の昇降ガイドの設置状態を示す要部拡大斜視図である。
【
図23A】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第12変形例を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【
図23B】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第12変形例を示す要部拡大側面図である。
【
図24】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第13変形例を示す図であり、(a)は操作部を解除位置(下方向)に操作したときの操作機構の状態を示す側面図、(b)は操作部を固定位置(上方向)に操作したときの操作機構の状態を示す側面図である。
【
図25】本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の第14変形例を示す図であり、(a)はアクチュエータを解除位置(下方向)に作動させたときの状態を示す側面図、(b)はアクチュエータを固定位置(上方向)に作動させたときの状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、
図1~
図11Fを参照して本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及び電源装置100の一例を説明する。実施形態において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、
図1に示す操作部41が回動する方向を「前」、「後」、操作部41の回動軸41d,41d(
図2参照)がある方向を「左」「右」、鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」として説明する。
【0011】
≪電源装置≫
図1に示す電源装置100は、バッテリ10の直流電流を図示せぬ装置に供給して駆動させるための電流供給装置である。電源装置100によって駆動される装置は、バッテリ10の直流電流を受けて作動する装置であればよく、構造、使用用途、種類等は特に限定されない。電源装置100によって電流を供給されて駆動される装置の一例を挙げると、LEDランプを点灯して照明するLED投光器(LED照明装置)である。以下、電源装置100の一例として、バッテリ10の電流をLED投光器(図示省略)に供給する場合を例に挙げて説明する。
【0012】
電源装置100は、バッテリ載置台31、バッテリ載置台31に搭載したバッテリ10、コネクタ駆動構造1等を搭載している。また、電源装置100は、複数個を組にして使用してもよいし、一つの電源装置100を単独で使用してもよい。
【0013】
なお、複数の電源装置100を組にして使用する場合、台車に複数搭載してそれぞれの電源装置100を電気的に接続したり、筐体内に複数入れてそれぞれを電気的に接続したりして使用する。
【0014】
≪コネクタ駆動構造≫
図2に示すように、コネクタ駆動構造1は、操作部41と、駆動部43と、弾性部材SPと、コネクタ49と、ダンパ48と、バッテリ載置台31と、を主に備えて構成されている。コネクタ駆動構造1は、操作部41の操作に連動して昇降する駆動部43にコネクタ49を弾性支持し、コネクタ49の上昇スピードをダンパ48で抑制する構成となっている。
【0015】
≪バッテリ≫
図3A及び
図3Bに示すように、バッテリ10は、充電することが可能な蓄電池である。バッテリ10は、例えば、上下に長い直方体に形成されている。バッテリ10は、例えば、10Kg程度の重量を有するものから成る。
図3Aに示すように、バッテリ10の上面には、持ち運びする際に、作業者が握るための把手13が設けられている。
図3Bに示すように、バッテリ10の下面には、脚部11と、バッテリ側コネクタ12と、が設けられている。
【0016】
図1に示すように、バッテリ10は、バッテリ収容体2内に出し入れ(引き上げ、引き下げ)自在に挿入されている。バッテリ10を充電する際には、操作部41を操作してバッテリ10の雌端子12a(
図2参照)をコネクタ端子49aから離間させてから、把手13を引き上げて、バッテリ収容体2内からバッテリ10を引き出し、その後、図示せぬ充電器を用いてバッテリ10を充電する。充電が完了したバッテリ10は、バッテリ収容体2内に収容した状態で使用される。
なお、バッテリ10は、バッテリ収容体2内に出し入れ可能なものであればよく、その形状等は特に限定されない。
【0017】
図3Bに示すように、脚部11は、バッテリ10を下側から支える部位である。脚部11は、バッテリ10の下面の四隅に突設された4つの凸部から成る。
【0018】
バッテリ側コネクタ12は、駆動部43の上方に配置されたケース側のコネクタ49(
図2参照)が係合することで、電気的に接続される電気接続具である。
図3Bまたは
図7に示すように、バッテリ側コネクタ12は、コネクタ端子49aが係合する雌端子12aと、ガイドピン49eが係合するガイドピン係合部12bと、カプラ49gが係合するカプラ係合孔12cと、を有する。
【0019】
雌端子12aは、コネクタ端子49aと同数の複数の端子から成る。雌端子12aは、バッテリ側コネクタ12内に適当な間隔で横一列に配置されている。
ガイドピン係合部12bは、雌端子12aの左右両側に配置された二つの係合部から成る。
カプラ係合孔12cは、バッテリ側コネクタ係合孔31cと同形状の貫通孔から成る。
【0020】
図3Aに示すように、把手13は、側面視して、バッテリ10の上面から略逆凹状に突出して形成されている。把手13は、例えば、金属製丸棒を略コ字状に曲げて形成されている。
【0021】
≪バッテリ収容体≫
図4に示すように、バッテリ収容体2は、バッテリ10(
図3A参照)を収容するための樹脂製の箱体である。バッテリ収容体2は、上下に開口2e,2fを有する角筒部2aを有する筒体から成る。バッテリ収容体2は、角筒部2aと、拡開部2bと、フランジ部2cと、複数の係止爪2dと、開口2e,2fと、を有している。バッテリ収容体2は、
図5Aに示すバッテリ保持体3内に配置される。より具体的に、バッテリ収容体2は、バッテリ保持体3の上フレーム33及び縦フレーム32の内側においてバッテリ載置台31上に載置される。バッテリ収容体2の係止爪2d(
図4参照)は、バッテリ載置台31の係止孔31bに係止される。
【0022】
なお、
図4に示すバッテリ収容体2は、一例であって、樹脂製のものに限定されず、金属製であってもよい。また、バッテリ収容体2の形状は、バッテリ4(
図3A参照)を収容できるものであればよく、特に限定されない。
【0023】
図4に示すように、角筒部2aは、バッテリ10(
図3A参照)を収容する収容空間S1を形成する角筒形状の部位である。
拡開部2bは、角筒部2aの略中央部から上側の開口2eに亘って拡開されて形成された部位である。バッテリ収容体2は、拡開部2bを有していることで、上側の開口2eの開口面積が下側の開口2fの開口面積よりも大きくなっている。これにより、収容空間S1内にバッテリ10(
図1参照)を挿入し易くなる。つまり、拡開部2bの内壁面の上部は、バッテリ10の側方の外周面との間に、クリアランスを隔てて対向しており、バッテリ10を角筒部2a内に挿入するときのガイドの役目を果たす。
【0024】
上側の開口2eは、バッテリ10をバッテリ収容体2内に挿入したり、取り出したりするための出し入れ口である。本実施形態では、上側の開口2eの周縁(拡開部2bの上縁)にフランジ部2cを形成することで、開口2eの強度を高めている。
【0025】
図4または
図5Aに示すように、角筒部2aの下縁部(下側の開口2f)には、係止爪2dが形成されている。係止爪2dは、四角形を呈する角筒部2aの下縁部の各辺の中央部に形成されている。係止爪2dは、バッテリ保持体3のバッテリ載置台31に形成された係止孔31bに係合する。下側の開口2fは、バッテリ載置台31によって閉塞される。つまり、バッテリ載置台31は、バッテリ収容体2の底面を形成する。
【0026】
≪バッテリ保持体≫
図1に示すように、バッテリ保持体3は、バッテリ10を載置するための部材である。バッテリ保持体3は、バッテリ10が載置されるバッテリ載置台31と、バッテリ載置台31の外周部に立設された複数の縦フレーム32と、複数の縦フレーム32の上端部に固定された上フレーム33と、を備えて成る。バッテリ保持体3の上部(上フレーム33)には、操作部41の基端部が回動自在に軸支されている。
【0027】
<バッテリ載置台>
図5A及び
図5Bに示すように、バッテリ載置台31は、下面31aと、係止孔31bと、バッテリ側コネクタ係合孔31cと、縦フレーム係合部31d,31eと、ガイド部材固定孔31fと、縁部31gと、突出片31hと、駆動部保持部固定孔31iと、切欠溝31jと、を有する。バッテリ載置台31は、金属製の板部材を折り曲げて形成されている。
【0028】
下面31aは、バッテリ収容体2の下端部が載設される四角形の平らな面である。下面31a、縁部31g及び突出片31hは、金属製板部材によって一体形成されている。
【0029】
係止孔31bは、バッテリ収容体2の下端の係止爪2dが係止される貫通孔である(
図4参照)。係止孔31bは、例えば、下面31aの外周部において、前側中央部、左側中央部及び右側中央部の三か所に形成されている。
【0030】
バッテリ側コネクタ係合孔31cは、バッテリ側コネクタ12のカプラ係合孔12cに合致する貫通孔である(
図3B参照)。バッテリ側コネクタ係合孔31cは、カプラ係合孔12cに対向配置された同形状の貫通孔から成る。バッテリ側コネクタ係合孔31cは、バッテリ載置台31の前後の側面に沿って左右方向に長い長円形に形成されている。
【0031】
図2に示すように、バッテリ側コネクタ係合孔31cの下側周縁には、ガイド部材47の基板部47aがねじ止めされている。ガイド部材47は、バッテリ側コネクタ係合孔31cに合致するケース側コネクタ挿通孔47dを有している。バッテリ挿入時において、バッテリ側コネクタ係合孔31c内には、雌端子12a、ガイドピン係合部12b及びカプラ係合孔12cが配置されている。操作部41を起立方向(矢印b方向)または傾倒方向(矢印a方向)に操作すると、雌端子12a、ガイドピン係合部12b及びカプラ係合孔12cに対し、コネクタ端子49a、ガイドピン49e及びカプラ49gが挿入または離脱される。
【0032】
図5Bに示す縦フレーム係合部31d,31eは、縦フレーム32の下端部が係合する貫通孔あるいは切欠溝である。
ガイド部材固定孔31fは、ガイド部材47(
図7参照)を固定するねじ部材(図示省略)が締結されるねじ孔である。ガイド部材固定孔31fは、バッテリ側コネクタ係合孔31cの左右両側近傍に配置されている。
縁部31gは、下面31aの外周部を上方向に折り曲げて形成した補強部である。
【0033】
突出片31hは、縦フレーム32の下端部を支持するための部位である。突出片31hは、縁部31gからさらに上方向に突出して形成されている。
切欠溝31jは、リンクプレート42の下端部と、駆動部43の上端部と、が上下動自在に配置される溝である。切欠溝31jは、バッテリ載置台31の後側寄りの左右端部に形成されている。
【0034】
<縦フレーム>
図5A及び
図5Bに示すように、縦フレーム32は、バッテリ載置台31と上フレーム33とを連結するための柱の役目をするフレーム部材であり、バッテリ収容体2(
図4参照)を囲むように配設されている。縦フレーム32は、バッテリ載置台31の外周部から垂直に延在して枠状の上フレーム33に接合されている。縦フレーム32は、バッテリ載置台31及び上フレーム33の前側中央部、左側中央部、右側中央部、後側左端部、及び、後側右端部に配置されている。バッテリ載置台31及び上フレーム33の前側中央部、左側中央部、及び、右側中央部に配置された縦フレーム32は、溝形鋼形状の金属製部材から成る。バッテリ載置台31及び上フレーム33の後側左端部、及び、後側右端部に配置された縦フレーム32は、等辺山形鋼形状の金属製部材から成る。
【0035】
<上フレーム>
図1に示すように、上フレーム33は、各縦フレーム32の上端部と、操作部41の左右端部と、を支持するための四角形の枠状フレーム部材である。上フレーム33は、バッテリ載置台31の縁部31gに対して、水平に対向配置されている。
図5A及び
図5Bに示すように、上フレーム33は、縦断面視してL字状に形成されている。上フレーム33は、縦フレーム32の上端部が係合する切欠部33aと、操作部41を回動自在に軸支する回動軸41dが固定される駆動部軸支孔33bと、を有している(
図1参照)。
【0036】
切欠部33aは、縦フレーム32の上端部が係合する切欠溝である。切欠部33aは、上フレーム33の前側中央部、左側中央部、右側中央部、後側左端部、及び、後側右端部に形成されている。
駆動部軸支孔33bは、上フレーム33の左辺及び右辺の後寄りの位置に形成されている。
【0037】
≪操作機構≫
図2に示すように、操作機構4は、操作部41を操作することで、コネクタ49を上昇または下降させて、そのコネクタ49をバッテリ側コネクタ12に接続または離脱させるための操作装置である。操作機構4は、操作部41と、リンクプレート42と、駆動部43と、駆動部保持部44と、ダンパ保持部材45と、カラー46と、ガイド部材47と、ダンパ48と、コネクタ49と、を備えて構成されている。
【0038】
<操作部>
図1及び
図2に示すように、操作部41は、駆動部43及びコネクタ49を上昇及び下降させるための操作を行う操作手段である。なお、操作部41は、駆動部43を上下方向に変位させることができる機構であればよく、形状、構造、材質、種類等は特に限定されない。
以下、操作部41の一例として、回動レバーから成る場合を例に挙げて説明する。
【0039】
図1または
図6に示すように、操作部41は、バッテリ収容体2を跨ぐように配置された略逆凹形状(略逆U字形状)のレバーである。操作部41は、取手41aと、取手41aの両端に形成された軸孔41bと、軸孔41bの周辺から連結部材42aの設置孔方向に延設されたリンク部41cと、軸孔41bを通じてフレーム33の駆動部軸支孔33bに挿入される回動軸41dと、を有する。操作部41は、回動軸41dを中心に前後方向に回動操作することで、リンクプレート42を介在して駆動部43をバッテリ載置台31に接近する接近位置と、バッテリ載置台31から離れる離間位置との間で変位可能に配置されている。
【0040】
<リンクプレート>
図6に示すように、リンクプレート42は、操作部41と駆動部43とを連結するための部材である。リンクプレート42の上端部には、操作部41の下端部を回動自在に連結する連結部材42aが軸入されている。リンクプレート42の下端部には、駆動部43の上端部を回動自在に連結する連結部材42bが軸入されている。
【0041】
<駆動部>
図2または
図6に示すように、駆動部43は、コネクタ49を上昇、下降させるための部材であり、操作部41を前後方向(矢印b,a方向)に回動操作することに連動して上下に移動する。駆動部43は、操作部41を後方向(矢印a方向)に傾倒操作すると、バッテリ載置台31から離れる離間位置に移動し、操作部41を前方向(矢印b方向)に回動操作すると、バッテリ載置台31に接近する接近位置に移動する。駆動部43は、正面視して略凹形状(略U字形状)の金属製のフレーム部材から成る。駆動部43は、バッテリ載置台31の下面31aと平行なコネクタ支持板部43aと、コネクタ支持板部43aの左右両端から垂直に上方向に延設された操作力受板部43bと、から主に構成されている。
【0042】
図7に示すように、コネクタ支持板部43aは、コネクタ49を載設するための水平な平板部である。コネクタ支持板部43aには、電線接続部配置孔43cとカラー設置孔43dとが形成されている。電線接続部配置孔43cには、電線接続部49hが上下動自在に挿入され、カラー設置孔43dには、ダンパ保持部材45が上下動自在に挿入される。
図2に示すように、コネクタ支持板部43aの前後方向の幅W1は、駆動部保持部44の前後方向のW3よりも幅広に形成されている。
【0043】
図1及び
図2に示すように、操作力受板部43bは、リンクプレート42の下端部が連結部材42bによって、回動自在に連結される連結部である。操作力受板部43bは、バッテリ載置台31の切欠溝31j内、及び、バッテリ収容体2の左右側面の下部外側を上下方向に移動自在に配置されている。
【0044】
<駆動部保持部>
図2に示すように、駆動部保持部44は、駆動部43の上下動する範囲(
図10に示す高さH1)を規制するための部材である。駆動部保持部44は、ガイド部44aと、切欠部44bと、底板部44cと、固定用突出片44dと、を有する左右一対の金属製板部材から成る。なお、駆動部保持部44は省略してもよい。
【0045】
図2、
図8A及び
図8Bに示すように、ガイド部44aは、駆動部43の操作力受板部43bが移動する上下方向の範囲を規制するための部位である。ガイド部44aは、平面視してコ字形状(略U字形状)に形成されている。
図2に示すように、ガイド部44aの内壁の前後方向のW3は、操作力受板部43bの前後方向の幅W2よりも大きく形成されて、コネクタ支持板部43aの前後方向の幅W1よりも小さく形成されている。このため、ガイド部44a内に係合された操作力受板部43bは、ガイド部44aの上辺と下辺との間を上下動可能に係合されている。このようにして駆動部43は、上下動の変位範囲が規制されている。
【0046】
なお、駆動部43は、操作機構4の操作部41及びリンクプレート42と一緒に動く。このため、操作部41またはリンクプレート42の動作を規制することで、駆動部43の上下動の変位範囲を規定してもよい。
【0047】
切欠部44bは、駆動部43が上下動する範囲を規制するための部位である。
図8A、
図8Bに示すように、切欠部44bは、ガイド部44aの前部及び後部の下部にコ字状に切欠形成されている。コネクタ支持板部43aの左右端部は、左右の切欠部44bに配置されており、前述の通りガイド部44aの内壁の前後方向のW3は、コネクタ支持板部43aの前後方向の幅W1よりも小さく形成されているため、上下動時に、コネクタ支持板部43aの左右端部が切欠部44bの上下辺に当接するので、上下変位範囲(高さH1)だけ上下動可能である(
図2参照)。
【0048】
図2に示すように、底板部44cは、ガイド部44aを補強するための部位である。底板部44cは、ガイド部44aの下端部に四角形の底板面を形成するように形成されている。
固定用突出片44dは、駆動部保持部44をバッテリ載置台31の突出片31hにねじ止めするためのブラケット部である。固定用突出片44dは、ガイド部44aの前部及び後部に突出形成された矩形の片から成る。固定用突出片44dには、複数のねじ挿通孔が形成されている。
【0049】
<ダンパ保持部材>
図7あるいは
図9に示すように、ダンパ保持部材45は、ダンパ48を保持するための部材であり、コネクタ49の左右の端部に配置されている。ダンパ保持部材45は、有底形状の筒部45aと、筒部45aの上側開口縁に形成された鍔部45bと、筒部45aの底部45cと、底部45cに設けられた調節ねじ5と、を有して構成されている。
【0050】
筒部45aには、ガイド部47b及びダンパ48が遊挿されている。ガイド部47bは、筒部45a及びダンパ48に対して上下動可能である。
【0051】
鍔部45bは、ダンパ保持部材45を端子保持部49cの上面49iに係止させるための部位である。鍔部45bは、端子保持部49cの左右に形成された孔49dの開口縁上にそれぞれ載設されている。
【0052】
調節ねじ5は、ダンパ48の上下方向の位置を調整するための部材である。調節ねじ5は、ダンパ保持部材45の内底に形成された雌ねじ部(図示省略)に螺合されて、回動させることで上下動するイモねじ等のねじ部材から成る。
【0053】
<弾性部材>
図7及び
図9に示すように、弾性部材SPは、駆動部43がコネクタ49を弾性支持するための部材である。弾性部材SPは、駆動部43の変位を受けると、その変位に比例する復元力を変位方向に生じさせるエネルギーを蓄える部材であって、例えば、コイルばねから成る。弾性部材SPは、端子保持部49cの下面とカラー46の鍔部46bとの間において、ダンパ保持部材45の筒部45aの外周部に上下動自在に外嵌されている。
なお、弾性部材SPは、弾性を有するものであればよく、コイルばね以外の板ばね、ゴム等であってもよい。
【0054】
<カラー>
図7または
図9に示すように、カラー46は、ダンパ保持部材45の筒部45aを保持するための部材である。カラー46は、左右一対のカラー設置孔43dにそれぞれ係止する鍔部46bと、駆動部43のカラー設置孔43dに挿入される円筒部46aと、を有する左右一対の鍔付円筒体から成る。
【0055】
<ガイド部材>
図7に示すように、ガイド部材47は、コネクタ49の上昇及び下降をガイドするための部材である。ガイド部材47は、基板部47aと、ガイド部47bと、載置台被固定孔47cと、ケース側コネクタ挿通孔47dと、ガイド部設置孔47eと、切欠溝47fと、を有している。
【0056】
なお、ガイド部材47は、コネクタ49の昇降をガイドする機能を有するものであれば、その外周形状は特に限定されない。
【0057】
図2に示すように、基板部47aは、バッテリ載置台31のバッテリ側コネクタ係合孔31cの下面外周部に固定される。基板部47aは、バッテリ側コネクタ係合孔31cに沿って左右方向に長い矩形の平板から成る。
【0058】
図7または
図9に示すように、ガイド部47bは、基板部47aの下面の左右から下方向にそれぞれ突設されている。左右のガイド部47bは、バッテリ載置台31の下面31aからコネクタ49の変位方向に平行に延在する。ガイド部47bは、中空状の部材(本実施形態では筒状の部材)から成る。ガイド部47b内には、ダンパ48のピストンロッド48dが挿入されている。ガイド部47bは、ダンパ保持部材45の筒部45a内に上下動自在に挿入されている。ガイド部47bの外周形状は、ダンパ保持部材45の内周形状より小さな相似形で、ガイド部47bの内周形状は、ダンパ48の外周形状より大きい。ガイド部47bは、駆動部43が離間位置にあるとき、全長の少なくとも一部がダンパ保持部材45内に収容される。
【0059】
ガイド部設置孔47eは、ガイド部47bが挿着される円形の貫通孔から成る。ガイド部設置孔47eは、基板部47aの左右両端部に形成されている。
切欠溝47fは、ガイド部材47の作成時に、ガイド部設置孔47eに嵌挿されたガイド部47bを基板部47aに溶接するために設けられている。切欠溝47fは、ガイド部設置孔47eの左右の縁から基板部47aの左右端部に亘って切断するように形成されている。切欠溝47fを設けると、ガイド部設置孔47e内にガイド部47bを嵌めて溶接する際に溶接する箇所を小さくでき、基板部47aとガイド部47bの垂直度を確保しやすい。また、ガイド部47b内部にスパッタが生じづらい箇所を溶接するため、スパッタ除去にかかる工数を削減できる。
【0060】
載置台被固定孔47cには、基板部47aをバッテリ載置台31(
図2参照)に固定するためのねじ部材(図示省略)が挿入される。載置台被固定孔47cは、基板部の左右端部に形成されている。ガイド部材47は、取り外し可能な一つの部品としてバッテリ載置台31の下面31aにねじ止めされている。このようにすることで、直接ガイド部47bをバッテリ載置台31に溶接する場合に比べて、ガイド部材47は、左右のガイド部47bの寸法精度を向上させることができると共に、ガイド部47bが摩耗した際に、容易に交換できる。
【0061】
図9に示すように、ケース側コネクタ挿通孔47dは、コネクタ端子49a、ガイドピン49e及びカプラ49gが挿入される貫通孔である。
図2に示すように、ケース側コネクタ挿通孔47dは、同形状のバッテリ側コネクタ係合孔31cの下側に合致するように配置されている。
【0062】
<コネクタ>
図2に示すように、コネクタ49は、バッテリ10の雌端子12aに接続される。
図7に示すように、コネクタ49は、コネクタ端子49aと、端子支持部49bと、端子保持部49cと、孔49dと、ガイドピン49eと、ガイドピン保持部49fと、カプラ49gと、電線接続部49hと、を備えている。
なお、コネクタ49の形状、構造等は、適宜変更してもよい。
【0063】
コネクタ端子49aは、複数の雄型端子から成る。コネクタ端子49aの上部は、端子保持部49cから上方向に突設され、コネクタ端子49aの下端は、電線接続部49hに配置されている。
【0064】
端子支持部49bは、各コネクタ端子49aの基端部に形成されて、各コネクタ端子49aの基端部を支持するための突起である。端子支持部49bは、端子保持部49cの上面から適当な間隔で突出形成されている。
【0065】
図7に示すように、端子保持部49cは、各コネクタ端子49aをインサート成形した基板形状の樹脂製の平板部分である。端子保持部49cは、弾性部材SP及びカラー46を介在して駆動部43上に弾性支持されている。
【0066】
孔49dは、ダンパ保持部材45の筒部45aが挿入される貫通孔である。孔49dは、端子保持部49cの左右端部にそれぞれ形成されている。孔49dに挿設されたダンパ保持部材45には、ダンパ48が挿入される。ダンパ保持部材45は、弾性部材SPと、カラー46とに挿入される。このため、コネクタ49は、弾性部材SPによって駆動部43上に弾性支持され、かつ、ガイド部47bに沿って上下動可能である。
【0067】
ガイドピン49eは、コネクタ端子49aの移動をガイドするための部材である。ガイドピン49eは、端子保持部49cの左右端部寄りの位置から上方向に突設された棒状部材から成る。ガイドピン49eは、コネクタ49が上昇した際に、バッテリ10のガイドピン係合部12b内に挿入されるように配置されている。このため、コネクタ49は、雄コネクタを形成している。
【0068】
ガイドピン保持部49fは、各ガイドピン49eの基端部に形成されて、各ガイドピン49eの基端部を支持するための突起である。ガイドピン保持部49fは、端子保持部49cの上面から適当な間隔で突出形成されている。
【0069】
カプラ49gは、コネクタ端子49aの移動をガイドする突起であり、コネクタ49が上昇した際に、カプラ係合孔12c内に係合する。カプラ49gは、各コネクタ端子49aの後側を適当な空間を介して覆うように、端子保持部49cから上方向に突設された板状の部材から成る。なお、ガイドピン49e、カプラ49gは省略してもよい。
【0070】
電線接続部49hは、バッテリ10の雌端子12aに接続されたコネクタ端子49aを、LED投光器(図示省略)に電気的に接続するための接続部である。電線接続部49hには、LED投光器(図示省略)のリード線に接続するための電線等(図示省略)が延出されている。
【0071】
<ダンパ>
図2、
図7あるいは
図9に示すように、ダンパ48は、コネクタ49に支持される部材である。ダンパ48は、操作部41の操作によって上昇するコネクタ49の上昇速度(コネクタ端子49aが雌端子12aに挿入される挿入速度)を低減させる機能がある。
【0072】
ダンパ48は、シリンダ48cと、ピストン(図示省略)と、ピストンロッド48dと、オイル(図示省略)と、スプリング(図示省略)と、を備えて構成されている。
図7に示すように、ダンパ48は、コネクタ49の左右に二つ配置した場合を例示しているが、少なくとも一つ以上あればよい。
【0073】
また、ダンパ48は、コネクタ49を下方向に付勢するものであればよく、その構造等は特に限定されない。以下、ダンパ48の一例として、油圧ダンパであるソフトアブソーバー(商品名)を使用した場合を例に挙げて説明する。
【0074】
図7または
図11Aに示すように、ダンパ48は、ダンパ保持部材45に挿入される。ダンパ48の下端の当接面48aは、調節ねじ5の上端部5aに当接する。
【0075】
図11Aに示すように、ダンパ48の上端部(ピストンロッド48dの上端部)には、円柱形状の部材が設けられている。ダンパ48の上端の当接面48bは、バッテリ載置台31の下面31aに当接する。
【0076】
図7及び
図11Aに示すように、シリンダ48cは、不図示のピストンと、オイルと、スプリングを収容した有底の円筒状の外筒部材である。シリンダ48cは、ダンパ保持部材45の筒部45a内に挿入される。シリンダ48cの下面は、調節ねじ5の上端部5aに当接する。
【0077】
ピストン(図示省略)は、シリンダ48c内に上昇、下降可能な状態に収容された円柱形状の部材である。ピストン(図示省略)は、例えば、シリンダ48c内を圧縮側圧力室と、伸び側圧力室と、に仕切るように配置されている。ピストン(図示省略)には、圧縮側圧力室と伸び側圧力室との間でオイル(図示省略)を通流させるための調圧弁(図示省略)が設けられている。なお、調圧弁(図示省略)は、ピストン(図示省略)の外周面とシリンダ48cの内壁との間に設けた隙間や、ピストン(図示省略)に設けた小さな貫通孔であってもよい。
【0078】
ピストンロッド48dは、シリンダ48cに対して上下動する棒状部材である。ピストンロッド48dの下端部は、ピストン(図示省略)に連結されている。
オイル(図示省略)は、シリンダ48c内に封入された粘性流体である。ダンパ48は、不図示のオイルが調整弁、または、流路面積の小さな孔を通る際に生じる粘性抵抗によって、ピストン及びピストンロッド48dの直線の動きに制動を掛ける構造になっている。
【0079】
不図示のスプリングは、シリンダ48c内に配設されたピストン(ピストンロッド48d)に復元力を与えるためのばね力を有する部材である。スプリング(図示省略)は、シリンダ48cの内底とピストン(図示省略)との間に介在された圧縮コイルばねから成る。このため、ダンパ48は、ピストン(図示省略)が、オイル中を変位することによる抵抗力と、ピストンロッド48dの変位に対応して伸縮するスプリング(図示省略)による復元力と、の組み合わせにより抵抗力を発生する。
【0080】
なお、ダンパ48は、ダンパ48自身が復元力を生じさせる機能を有することは必須ではない。例えば、ダンパ48はピストンの変位方向に粘性抵抗による抵抗力のみを生じさせるものを用い、ダンパ保持部材45(ダンパ当接部材)と、バッテリ載置台31との間にばね等の弾性部材をダンパ48内のスプリングに替えて配設してもよい。この場合でもコネクタ端子49aをバッテリ側コネクタ12の雌端子12aから抜く際の引抜力を生じさせることができる。また、ダンパ48はピストンの変位方向に粘性抵抗による抵抗力のみを生じさせるものを用い、弾性部材SPの上下端を、駆動部43のコネクタ支持板部43aとコネクタ49Aの端子保持部49cとの当接部にそれぞれ固定してもよい。この場合、
図11Eのように駆動部43が下降した際に弾性部材SPが自然長以上に伸びることで、コネクタ端子49aをバッテリ側コネクタ12の雌端子12aから抜く際の引抜力を生じさせることができる。また、ダンパ内部、外部に関わらず、コネクタ端子49aをバッテリ側コネクタ12の雌端子12aから抜くだけの引抜力を生じさせる弾性部材を必ずしも配設する必要はない。その場合、使用者がバッテリ10を引き上げることに伴い、コネクタ端子49aがバッテリ側コネクタ12の雌端子12aから外れる。
【0081】
≪コネクタ駆動構造及びそれを備えた電源装置の作用≫
次に、
図1~
図11Fを参照しながら本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の作用を説明する。
【0082】
図10(b)に示す電源装置100を使用してバッテリ10の電流をLED投光器(図示省略)に供給する場合は、まず、操作部41を後方向(矢印a方向)に操作して、解除位置状態にする。すると、取手41aは、
図10(a)に示すように、バッテリ10に真上から離れてバッテリ10の後側上方に回動する。駆動部43は、操作部41の回動に連動しているため、高さH1だけ下降する。コネクタ49は、
図11Aに示すように、駆動部43が下降したことに連動して下降し、コネクタ端子49aがバッテリ側コネクタ12の雌端子12aから離間する。
【0083】
次に、
図10(a)の解除位置状態のバッテリ10の把手13を掴んでバッテリ10を、バッテリ収容体2内から引き上げる。引き上げたバッテリ10は、適当な充電器を用いて充電する。
バッテリ10の充電が完了したら、
図11Aに示すように、バッテリ10をバッテリ収容体2内にゆっくりと挿入する。なお、バッテリ10を挿入する際は、操作部41は、
図10(a)に示す解除位置の状態にしておく。
【0084】
バッテリ10を挿入すると、
図11Bに示すように、脚部11がバッテリ載置台31上に当接して、バッテリ載置台31上に載置される。そして、ガイドピン係合部12bには、ガイドピン49eの上端部が係合する。このとき、操作部41(
図10(a)参照)は、解除位置の状態にある。このため、操作機構4の駆動部43のコネクタ支持板部43aは、切欠部44bの下辺に当接した下降状態にある。
【0085】
次に、
図10(a)の解除位置にある操作部41を、前方向(矢印b方向)に操作して
図10(b)に示す固定位置の状態にする。すると、操作部41及びリンクプレート42に連動して、
図11Cに示すように、駆動部43が上昇する。なお、切欠部44bの下辺に当接していた駆動部43のコネクタ支持板部43aは、切欠部44bの上辺に当接する。駆動部43の上昇に伴い、カラー46と端子保持部49cとの間で弾性部材SPが圧縮され、その後、弾性部材SPのばね力(復元力)により端子保持部49cが上昇する。
【0086】
上昇した端子保持部49cは、ダンパ保持部材45、ダンパ48及びガイドピン49eを上昇させる。ダンパ48は、上昇したダンパ保持部材45によってシリンダ48cが押し上げられることで、ピストン(図示省略)が下降するので、コネクタ49の上昇移動を緩和させる。このため、コネクタ49の上昇距離eは、操作機構4のリンクプレート42及び駆動部43の上昇距離fよりも小さい。また、上昇した端子保持部49cは、カプラ係合孔12c内に進入する。コネクタ端子49aは、バッテリ側コネクタ12の雌端子12aの近傍位置まで上昇する。
【0087】
駆動部43の上昇によって圧縮された弾性部材SPは、
図11Dに示すように、復元力で、ダンパ48を圧縮させながらコネクタ49をさらに距離gだけ上昇させる。すると、コネクタ端子49aは、バッテリ側コネクタ12の雌端子12a内に挿入される。このため、雌端子12aとコネクタ端子49aとが接続されて、バッテリ10は、LED投光器(図示省略)に電力の供給が可能となる。
【0088】
なお、このときのコネクタ49を上昇させる力は、(2個の弾性部材SPの復元力)-(2個のダンパ48の抵抗力)となる。このため、コネクタ駆動構造1(電源装置100)は、ダンパ48を設けた分だけ、弾性部材SPの復元力によってコネクタ端子49aが雌端子12aに接続されるときの衝撃力を緩和される。
【0089】
つまり、コネクタ駆動構造1は、ダンパ48と弾性部材SPを備えていることで、使用者が操作部41を操作する操作速度が速すぎる場合でも、コネクタ端子49aが雌端子12aに挿入される挿入速度を一定値以下のゆっくりした速度に抑える。さらに、コネクタ端子49aを、バッテリ側コネクタ12の雌端子12aに接続させるときに、コネクタ端子49a及び雌端子12aが接続時の衝撃で変形したり、破損したりするのを抑制することができる。
【0090】
バッテリ10を充電する場合は、
図10(b)の固定状態の操作部41を後方向(矢印a方向)に操作して、
図10(a)に示す解除状態にする。すると、操作部41の取手41aは、バッテリ10の上方位置から後方へ移動して離間されるため、バッテリ10をバッテリ収容体2内に出し入れ可能となる。
【0091】
また、操作部41(
図10(a)参照)を解除位置に回動操作すると、
図11Eに示すように、駆動部43は、操作部41及びリンクプレート42に連動して、高さH1だけ矢印h方向に移動する。このため、駆動部43のカラー46は、弾性部材SPと共に下降する。弾性部材SPは、下降することで、端子保持部49cから離間して自然長になる。このとき、コネクタ端子49aは、雌端子12a内に挿入されたままの状態である。また、ガイドピン49eも、ガイドピン係合部12b内に挿入されたままの状態である。
【0092】
弾性部材SPが端子保持部49cから離間した後、
図11Fに示すように、ダンパ48に内設したスプリング(図示省略)の復元力により、調節ねじ5が下方に押される。つまり、ダンパ保持部材45には、ダンパ48により下方向の力が付与される。
【0093】
このため、ダンパ保持部材45に下方向の力が付与されると、鍔部45bを介してコネクタ49の端子保持部49cが下方向に押され、コネクタ端子49aをバッテリ側コネクタ12の雌端子12aから引く抜く力が生じる。そして、ダンパ48による下方向の力によって雌端子12aからコネクタ端子49aが自動的に抜けて、前記した
図11Bの状態に戻る。
【0094】
この状態から把手13を持ってバッテリ10を引き上げると、バッテリ10は、バッテリ載置台31から上昇して、バッテリ収容体2内から引き出すことができる。
【0095】
このように、本発明に係るコネクタ駆動構造1のバッテリ載置台31は、
図2に示すように、コネクタ49の変位方向に延在するガイド部47bを有し、ガイド部47bは、ダンパ保持部材45の内周形状より小さな外周形状であり、かつ、ダンパ48の外周形状より大きな内周形状を有した中空状の部材であり、当該ガイド部47bは、駆動部43が離間位置にあるとき、全長の少なくとも一部がダンパ保持部材45に収容される。
【0096】
かかる構成によれば、ガイド部47bによってコネクタ49の移動をガイドすることができる。このため、ガイド部47bは、コネクタ49をスムーズに上昇、下降させることができる。
また、ダンパ48は、ガイド部47bとダンパ保持部材45との中に収容されており、外に露出していないので、外部との接触によるダンパ48の破損や、塵埃等の蓄積によるダンパ48の機能不全を防止することができる。
また、コネクタ駆動構造1では、ガイド部47b及びダンパ48をダンパ保持部材45内に収容して同軸上に配置しているので、部品の設置スペースを削減して、コネクタ駆動構造1全体の構成をコンパクトにすることができる。
【0097】
また、
図7に示すように、ダンパ保持部材45の底部45cには、ダンパ保持部材45と螺合する調節ねじ5が配置されている。
【0098】
かかる構成によれば、調節ねじ5を回動させることで、調節ねじ5の上端部5aからバッテリ載置台31の下面31aまでの距離と、シリンダ48cの位置と、を小刻みに調節することができる。このように、調節ねじ5を設けると、操作機構4の各部の公差による寸法のずれを吸収することができる。また、調節ねじ5は、ダンパ48のストローク長ST1を調節することができると共に、コネクタ端子49aとバッテリ載置台31との間隔を調節することができる。
【0099】
また、
図9に示すように、弾性部材SPは、コイルばねであり、ダンパ保持部材45の周域に配設されている。すなわち、弾性部材SPの内部空間にダンパ保持部材45が配設されている。
【0100】
かかる構成によれば、弾性部材SPの内部空間を有効活用できるので、操作機構4全体の構成をコンパクトにすることができる。また、ダンパ保持部材が45は、弾性部材SPの伸縮時のガイドとして機能するので、弾性部材SPの圧縮時に横倒れや径方向のズレが発生せず、自然長に戻る際も、位置ずれが生じない。
【0101】
また、
図1及び
図2に示すように、コネクタ駆動構造1を搭載した電源装置100は、バッテリ載置台31にバッテリ10を搭載し得る構成となっている。
【0102】
かかる構成によれば、バッテリ載置台31に搭載されるバッテリ10へのコネクタ49の接合、離間をスムーズに行うことができる。
【0103】
[第1変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
【0104】
図12Aは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第1変形例を示す図であり、操作部41を解除位置に操作して、バッテリ10をバッテリ収容体2内に入れたときのコネクタ49Aの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
図12Bは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第1変形例を示す図であり、バッテリ10をバッテリ載置台31上に載せたときの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
図12Cは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第1変形例を示す図であり、操作部41を固定位置に操作したときのコネクタ49Aの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
図12Dは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第1変形例を示す図であり、操作部41を固定位置に操作した直後のときのコネクタ49Aの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
図12Eは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第1変形例を示す図であり、操作部41を解除位置に操作したときのコネクタ49Aの状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【0105】
前記実施形態では、ダンパ48の一例として、
図7及び
図11Aに示すように、ダンパ保持部材45内に配置した場合を説明した。しかし、ダンパ48の配置は、これに限定されるものではない。
【0106】
図12Aに示すように、ダンパ48は、コネクタ端子49aが雌端子12aに挿入されるときの挿入速度を抑制する配置であればよい。例えば、ダンパ48は、バッテリ載置台31と、コネクタ49Aの端子保持部49cとの間に配置してもよい。つまり、ダンパ48の一端(当接面48a)が、バッテリ載置台31の下面31aと対向する端子保持部49cの上面49iに当接し、他端(当接面48b)が、バッテリ載置台31の下面31aに当接するものであってもよい。
【0107】
この場合、ダンパ48は、当接面48a,48bの少なくとも一方を端子保持部49cまたはバッテリ載置台31に固定するとよい。このようにすると、操作機構4の動作中にダンパ48が移動することを規制することができる。
【0108】
図12A~
図12Bの形態によれば、前記実施形態で説明したダンパ保持部材45と、カラー46とを不要にして、コネクタ駆動構造1Aを簡素化することができる。
【0109】
また、コネクタ49Aは、端子保持部49cの上面49iと、コネクタ端子49aまでの高さを調整するための端子ブロック49Ajを設けてもよい。端子ブロック49Ajは、例えば、端子保持部49cと端子支持部49bとに樹脂で一体成形される。
このようにしても、コネクタ端子49aは、ダンパ48がストローク長ST1の下限(つまり最も短くなるとき)へと変位するまでに、バッテリ側コネクタ12の雌端子12aと結合される。
【0110】
また、前記実施形態では、
図7及び
図11Aに示すように、ダンパ保持部材45に弾性部材SPを外装した場合を例示したが、このような形態に限定されるものではない。弾性部材SPは、
図12Aに示すように、単に、端子保持部49cと駆動部43Aのコネクタ支持板部43Aaとの間に介在させてもよい。この構成でも、コネクタ49Aは、駆動部43Aに弾性支持される。
このようにすることで、弾性部材SPを支持するカラー46及びダンパ保持部材45を不要にすることができるため、部品点数を削減して、構造を簡素化することができる。
【0111】
また、駆動部43Aのコネクタ支持板部43Aaには、電線接続部配置孔43cが形成されているだけで、実施形態で説明したカラー設置孔43d(
図7参照)は形成されていない。なお、電線接続部配置孔43cは、切欠であってもよい。
【0112】
次に、
図12A~
図12Eを参照してコネクタ駆動構造1A及びそれを備えた電源装置100Aの作用を説明する。
【0113】
図12Aに示すように、電源装置100AによってLED投光器(図示省略)に電流を供給する場合は、まず、操作部41(
図1参照)を解除位置状態に操作して、充電したバッテリ10をバッテリ収容体2内に挿入する。
【0114】
すると、バッテリ10は、
図12Bに示すように、下降して脚部11がバッテリ載置台31上に当接して、バッテリ載置台31上に載置される。このとき、操作機構4は、操作部41(
図1参照)を解除位置の状態にしたことで、駆動部43Aのコネクタ支持板部43Aaが、切欠部44bの下辺に当接した下降状態にある。
【0115】
次に、解除位置状態の操作部41(
図1参照)を固定位置の状態に操作する。すると、リンクプレート42及び駆動部43Aは、
図12Cに示すように、切欠部44bの下辺に当接していた駆動部43Aのコネクタ支持板部43Aaが切欠部44bの上辺に当接する位置まで上昇する。駆動部43Aの上昇に伴い、コネクタ支持板部43Aaと端子保持部49cとの間で弾性部材SPが圧縮され、その後、弾性部材SPのばね力(復元力)によって端子保持部49cが上昇する。
【0116】
上昇した端子保持部49cは、ダンパ48及びコネクタ49Aを上昇させる。ダンパ48は、上昇した端子保持部49cによってシリンダ48cが押し上げられることで、ピストン(図示省略)が下降するので、コネクタ49Aの上昇移動を緩和させる。
【0117】
駆動部43Aの上昇により圧縮された弾性部材SPは、
図12Dに示すように、復元力で、ダンパ48を圧縮させながらコネクタ49Aをさらに上昇させる。すると、弾性部材SPが自然長まで伸び切り、かつ、ダンパ48が縮み切るまでに、コネクタ端子49aは、バッテリ側コネクタ12の雌端子12a内に挿入される(なお、この要件を満たすようにするためには、コネクタ49Aの長さと、ダンパ48のストローク長ST1を適宜設定する必要がある)。このため、コネクタ端子49aと雌端子12aとが接続されて、バッテリ10は、LED投光器(図示省略)に電力の供給が可能となる。
【0118】
弾性部材SPが伸び切るまでにコネクタ端子49aと雌端子12aとが結合するよう各部の長さを設定すれば、結合後も、弾性部材SPのばね力によってコネクタ49Aに適当な結合保持力を与えることができる。
【0119】
コネクタ駆動構造1A(電源装置100A)は、ダンパ48を設けた分だけ弾性部材SPによるコネクタ端子49aが、雌端子12aに接続されるときの挿入速度を抑えて衝撃力及び急激な変位を緩和させることができる。
【0120】
また、操作部41(
図1参照)を解除位置に操作すると、
図12Eに示すように、駆動部43Aは、操作部41(
図1参照)の回動に連動して、リンクプレート42を介在して高さH1だけ下降する。弾性部材SPは、駆動部43Aが下降することで、端子保持部49cから離間して自然長になる。このとき、コネクタ端子49aは、雌端子12a内に挿入されたままの状態である。また、ガイドピン49eも、ガイドピン係合部12b内に挿入されたままの状態である。
【0121】
ダンパ48は、弾性部材SPが端子保持部49cから離間した後、ダンパ48に内設したスプリング(図示省略)の復元力により、ダンパ48の下端にある端子保持部49cを下側に押すことで、コネクタ端子49aを雌端子12aから引き抜く。このため、コネクタ端子49aは、ダンパ48による下方向の力によって雌端子12aから自動的に抜けて、前記した
図12Bの状態に戻る。
【0122】
このようにコネクタ駆動構造1Aは、ダンパ48をバッテリ載置台31と端子保持部49cとの間に介在し、弾性部材SPを端子保持部49cとコネクタ支持板部43Aaとの間に介在しても、実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0123】
図12Aに示すように、コネクタ駆動構造1の第1変形例は、操作部41と、操作部41の動きに連動する駆動部43Aと、少なくとも1つの弾性部材SPを介して駆動部43Aに弾性支持されたコネクタ49Aと、コネクタ49Aに支持される少なくとも1つのダンパ48と、バッテリ載置台31と、を備えている。駆動部43Aは、操作部41の操作によって、バッテリ載置台31に接近する接近位置と、バッテリ載置台31から離れる離間位置との間で変位する。コネクタ49Aは、コネクタ端子49aと、コネクタ端子49aを保持する端子保持部49cとを備えている。ダンパ48の一端(当接面48a)は、端子保持部49cに支持され、ダンパ48の他端(当接面48b)は、バッテリ載置台31の下面31aに当接する。
【0124】
かかる構成によれば、操作部41(
図1参照)の操作に対してコネクタ49Aが即時に応答しなくなる。つまり、駆動部43A上に弾性部材SPを介在して支持されるコネクタ49Aとの急上昇は、コネクタ49Aとバッテリ載置台31との間に配設されたダンパ48の抵抗力によって規制することができる。このため、コネクタ49Aは、駆動部43Aの上昇変位を吸収した弾性部材SPの復元力によって、ダンパ48の抗力と拮抗しながら上昇するので、コネクタ49Aの上昇速度を抑制することができる。
このように、コネクタ駆動構造1Aは、操作部41の操作速度によらずコネクタ49Aの変位速度を一定にできるので、操作部41の操作速度が過剰であっても、コネクタ49Aの変位速度を所定の速度以下とすることができる。
【0125】
[第2変形例]
図13Aは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第2変形例を示す図であり、ダンパ48の設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
図13Bは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第2変形例を示す図であり、ダンパ48の設置状態を示す要部拡大側面図である。
【0126】
図11Aに示したダンパ48は、上端側をガイド部47b内に挿入し、下端側をカラー46、及び、端子保持部49cの孔49dに挿入した場合を例示したが、このような構成に限定されるものではない。
【0127】
図13A及び
図13Bに示すように、ダンパ48は、バッテリ載置台31と端子保持部49Bcとの間に介在していればよい。この場合、ダンパ48は、駆動部43Bから前後方向等にずらした位置に配置して、駆動部43Bに対して非貫通に配置してもよい。
【0128】
また、駆動部43Bには、弾性部材SPを支持する弾性部材支持部43Baを設けてもよい。弾性部材支持部43Baは、弾性部材SPを下側から受け止める受部43Bbと、受部43Bbの上面中央部に立設された支持部43Bcと、を有して成る。支持部43Bcは、端子保持部49Bcの挿通孔49Bc1を貫通しており、支持部43Bcの上端がコネクタ支持板部43Baに固定されている。
【0129】
このように、第2変形例のコネクタ駆動構造1Bによれば、弾性部材SPが弾性部材支持部43Baにガイドされながら伸縮するので、脱落するのを防止することができる。
【0130】
[第3変形例]
図14は、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第3変形例を示す図であり、ダンパ48の設置状態を示す要部拡大側面図である。
【0131】
図13Bに示した第2変形例では、ダンパ48を、駆動部43Bから離間させて駆動部43Bに非貫通状態に配置した場合を説明したが、ダンパ48の配置は変更してもよい。
【0132】
図14に示すように、ダンパ48は、駆動部43Cのコネクタ支持板部43aに形成した貫通孔43Ca1に上下動自在に貫通して配置してもよい。
すなわち、ダンパ48を貫通孔43Ca1に挿入し、ダンパ48の下端の当接面48aを端子保持部49Cc上に載置し、ダンパ48の上端の当接面48bをバッテリ載置台31の下面31aに固定する。ダンパ48は、側面視して駆動部43Cの支持部43Bcの軸線上に配置する。
【0133】
第3変形例のコネクタ駆動構造1Cによれば、ダンパ48、駆動部43C及びコネクタ49Cをコンパクトに配置して小型化を図ることができる。
【0134】
[第4変形例]
図15は、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第4変形例を示す図であり、ダンパ48の設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
【0135】
図15に示すように、ダンパ48は、端子保持部49c及びバッテリ載置台31の少なくとも一方に固定してもよい。
つまり、第4変形例では、ダンパ48の一端が端子保持部49cに当接して配置されている。ダンパ48は、上端の当接面48aを端子保持部49cに固定するか、下端の当接面48bをバッテリ載置台31に固定するとよい。
【0136】
かかる構成によれば、ダンパ48を保持するための部材を解消して、部品点数を削減することができる。このため、第4変形例のコネクタ駆動構造1Dは、構造を簡素化して、スリム化を図ることができる。
また、ダンパ48は、端子保持部49c側の当接面48aと、バッテリ載置台31側の当接面48bとの少なくとも一方を固定していることで、簡素な固定構造にすることができる。
【0137】
[第5変形例]
図16Aは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第5変形例を示す図であり、ダンパ保持部材45Eの設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
図16Bは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第5変形例を示す図であり、ダンパ保持部材45Eの設置状態を示す要部拡大側面図である。
図16Cは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第5変形例を示すダンパ保持部材45Eの拡大斜視図である。
【0138】
また、
図16A~
図16Cに示すように、ダンパ48Eは、有底筒状のダンパ保持部材45Eによって支持されている。ダンパ48Eの一端(下側の当接面48a)は、ダンパ保持部材45Eの底部45Ecと当接し、ダンパ48Eの全長の少なくとも一部は、ダンパ保持部材45Eに収容されている。
【0139】
ダンパ保持部材45Eは、
図16Cに示すように、底部45Ecを有する筒部45Eaと、筒部45Eaの上端部に鍔部45Ebを有する筒体から成る。鍔部45Eは、端子保持部49cの孔49dの上側開口縁に係止される。
図16A及び
図16Bに示すように、ダンパ保持部材45Eは、端子保持部49cの下側に延在するので、ダンパ48Eの設置スペースは、バッテリ載置台31と端子保持部49cとの離隔距離に制約されない。つまり、ダンパ48Eの上下方向の長さを、適当な長さにすることができる。
なお、ダンパ48Eは、ダンパ保持部材45Eと共にコネクタ49Aの昇降に応じて昇降する。
【0140】
かかる構成によれば、ダンパ48Eの全長の一部をダンパ保持部材45Eに収容しているため、適当な長さのダンパ48Eを使用できる。また、ダンパ保持部材45Eの底部45Ecに調節ねじ(
図7参照)が無い分だけ、部品点数を削減できる
【0141】
[第6変形例]
図17は、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第6変形例を示す図であり、(a)はコネクタ49Fの拡大平面図、(b)はコネクタ49Fの拡大平面図、(c)はダンパ保持部材45Fの拡大斜視図である。
【0142】
前記第5変形例のダンパ保持部材45Eは、鍔部45Ebを有していたが、これを省略し、
図17(a)、(b)、(c)に示すダンパ保持部材45Fのように、有底の円筒形状のものとしてもよい。
ダンパ保持部材45Fは、コネクタ49Fの端子保持部49Fcの孔49dに挿着するか、または、端子保持部49Fcに一体形成する。
【0143】
このようにすることで、ダンパ保持部材45Fの形状を簡素化することができる。また、ダンパ保持部材45Fをコネクタ49Fに一体形成すれば、部品点数を削減することができる。
【0144】
[第7変形例]
図18は、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第7変形例を示すダンパ保持部材45Gの拡大斜視図である。
【0145】
前記第6変形例のダンパ保持部材45Fは、
図18に示すダンパ保持部材45Gのように、有底の角筒形状のものであってもよい。
ダンパ保持部材45Gは、上端部をコネクタ49の端子保持部49cに形成した円形または四角形の孔49dに挿着するか、あるいは、端子保持部49cに一体形成する(
図17(a)、(b)参照)。
【0146】
このようにすることで、ダンパ保持部材45Fの形状を簡素化することができる。
【0147】
[第8変形例]
図19は、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第8変形例を示す図であり、(a)は有底円筒形状のダンパ保持部材45Hの拡大斜視図、(b)は有底角筒形状のダンパ保持部材45Iの拡大斜視図である。
【0148】
前記実施形態のダンパ保持部材45は、
図7に示すような鍔部45bを有する筒状のものに限定されるものではない。
図19(a)に示すように、調節ねじ5を有するダンパ保持部材45Hは、第6変形例(
図17(c)参照)と同様に、鍔部45b(
図7参照)が無い有底円筒形状のものであってもよい。また、
図19(b)に示すように、調節ねじ5を有するダンパ保持部材45Iは、第7変形例(
図18参照)と同様に、鍔部45b(
図7参照)が無い有底角筒形状のものであってもよい。
【0149】
この場合、ダンパ保持部材45H,45Iは、上端部をコネクタ49の端子保持部49cに形成した孔49dに挿着するか、または、端子保持部49cに一体形成するなどして、一体化されている(
図17(a)、(b)参照)。
【0150】
このようにすることで、本発明の第8変形例のコネクタ駆動構造1H,1Iは、ダンパ保持部材45H,45Iの形状を簡素化することができる。また、ダンパ保持部材45H,45Iは、コネクタ49(
図9参照)に一体形成することで、部品点数を削減することができる。
【0151】
[第9変形例]
図20Aは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第9変形例の駆動部43Jの設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
図20Bは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第9変形例の駆動部43Jの設置状態を示す一部断面を有する要部拡大斜視図である。
図20Cは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第9変形例の変形例を示す一部断面を有する要部拡大斜視図である。
【0152】
図20A、
図20Bあるいは
図20Cに示すように、ダンパ保持部材45は、駆動部43J,43Kに形成された孔43Jeまたは切欠部43Keを通じて駆動部43J,43Kの下側に延出していてもよい。
【0153】
この場合、
図20A及び
図20Bに示す駆動部43Jは、コネクタ支持板部43Jaと、操作力受板部43Jbとを有する。コネクタ支持板部43Jaには、電線接続部配置孔43Jcと、孔43Jeとが形成されている。電線接続部配置孔43Jcには、電線接続部49hが上下動可能に挿入される。孔43Jeは、コネクタ支持板部43Jaに前後方向に中央部に形成された円形の貫通孔から成る。孔43Jeには、ダンパ保持部材45の筒部45aが上下動自在に挿入される。孔43Jeは、端子保持部49cの孔49dの軸線上に、筒部45aの上下動をカイドすることが可能な大きさに形成する。
【0154】
また、駆動部43Jの孔43Jeは、ダンパ保持部材45の上下動をガイドするものであればよい。このため、孔43Jeは、
図20Cに示すように、駆動部43Kのコネクタ支持板部43Kaに形成した切欠部43Keであってもよい。
【0155】
切欠部43Keは、コネクタ支持板部43Kaの前後方向の端部(例えば、後端部)に形成された半円形の切欠溝から成る。切欠部43Keは、端子保持部49Kcの孔49Kdの軸線上に、筒部45aの上下動をカイドすることが可能な大きさに形成する。このため、端子保持部49Kcの前後方向の幅は、
図20Bに示す端子保持部49cの前後方向の幅よりも、
図20Cに示す切欠部43Keをコネクタ支持板部43Kaの後端部寄りの位置に形成した分だけ幅広になっている。また、ダンパ保持部材45及びダンパ48の軸線は、側面視して、コネクタ49Kの上下方向の中心線からずれた位置に配置されている。
【0156】
図20A~
図20Cに示すように、駆動部43J,43Kは、ダンパ保持部材45を上下動可能に配置して上下動をガイドするものであれば、孔43Jeを有するものでも、切欠部43Keを有するものでもよい。また、孔43Je、切欠部43Keの形状は円形、半円形に限定されるものではなく、ダンパ保持部材45の外周形状に合わせて適宜選択してもよい。
【0157】
駆動部43J,43Kに、孔43Jeまたは切欠部43Keを形成すれば、ダンパ48の設置スペースを確保しつつ、駆動部43J,43Kをバッテリ載置台31に近づけて配置することが可能となる。このため、コネクタ駆動構造1K,1J全体の構成を小型化することができる。また、コネクタ駆動構造1K,1Jは、孔43Jeまたは切欠部43Keがコネクタ49,49のガイドとして働くので、コネクタ49,49Kのズレを抑制することができる。
【0158】
[第10変形例]
図21Aは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第10変形例のカラー46の設置状態を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
図21Bは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第10変形例のカラー46の設置状態を示す要部拡大斜視図である。
図21Cは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第10変形例の変形例を示す要部拡大斜視図である。
【0159】
【0160】
図21A及び
図21Bに示すように、駆動部43Jの孔43Jeは、端子保持部49cの孔49dの軸線上に形成する。孔43Jeには、鍔付円筒形状のカラー46を設ける。カラー46は、円筒部46aと、鍔部46bとを備えている。鍔部46bは、孔43Jeの開口縁部に形成される。
【0161】
また、
図21Cに示すように、駆動部43Kの切欠部43Keは、端子保持部49Kcの孔49Kdの軸線上に形成する。切欠部43Keには、半円筒形状のカラー46Mを設ける。カラー46Mは、半円筒部46Maと、半リング状鍔部46Mbと、を備えている。
【0162】
コネクタ駆動構造1L,1Mによれば、駆動部43J,43Kの孔43Jeまたは切欠部43Keに樹脂製のカラー46,46Mを設けているので、ダンパ保持部材45をスムーズに摺動させることができる。また、コネクタ駆動構造1L,1Mを繰り返して使用して部材が摩耗した場合であっても、カラー46,46Mのみの交換で済むため、操作機構4のメンテナンス費用を削減することができる。また、カラー46,46Mを樹脂製にすれば、部品のコストを低減することができると共に、軽量化を図ることができる。なお、カラー46,46Mの内周、外周形状は円形、半円形に限定されるものではなく、ダンパ保持部材45の外周形状や孔43Je、切欠部43Keの形状に合わせて適宜選択してもよい。
【0163】
[第11変形例]
図22Aは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第11変形例の昇降ガイド34の設置状態を示す要部拡大断面図である。
図22Bは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第11変形例の昇降ガイド34の設置状態を示す要部拡大斜視図である。
【0164】
図22A及び
図22Bに示すように、コネクタ49の変位方向と平行な方向に延在する昇降ガイド34をバッテリ載置台31に設けてもよい。昇降ガイド34は、例えば、端子保持部49cに形成されたガイド挿通孔49Pkに挿通される。
【0165】
昇降ガイド34は、コネクタ49P及び駆動部43Pを横振れなく昇降させるための部材である。昇降ガイド34は、バッテリ載置台31の下面31aからコネクタの変位方向(下方向)に延設された部材から成る。昇降ガイド34の上端は、バッテリ保持体3の下面31aに固定する。端子保持部49Pcには、ガイド挿通孔49Pkが形成されており、コネクタ支持板部43aには、ガイド挿通孔43Peが形成されている。ガイド挿通孔49Pk及びガイド挿通孔43Peには、昇降ガイド34が挿通される。昇降ガイド34の外周面の形状は、ガイドの役割を果たすものであればどのような形状でもよく、例えば、ガイド挿通孔49Pk及びガイド挿通孔43Peと同様に、横断面視して円形のものから成る。また、ガイド挿通孔49Pk及びガイド挿通孔43Peも昇降ガイド34をガイドできる形状であればよく、円形に限定されない。
【0166】
なお、昇降ガイド34は、少なくともコネクタ49Pの昇降をガイドするものであればよく、駆動部43Pのガイド挿通孔43Peを省略し、駆動部43Pをガイドしない構成としてもよい。また、昇降ガイド34の断面形状及び太さは、特に限定されず、多角形やそれ以外の形状のものであってもよい。
【0167】
バッテリ載置台31は、昇降ガイド34を有しているので、コネクタ49Pを安定的に昇降させることができる。昇降ガイド34は、端子保持部49cのガイド挿通孔49Pkに挿通されているので、コネクタ49Pのコネクタ端子49aに横ズレが生じ難い。
【0168】
[第12変形例]
図23Aは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第12変形例を示す一部断面を有する要部拡大正面図である。
図23Bは、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第12変形例を示す要部拡大側面図である。
【0169】
図23A及び
図23Bに示すように、ダンパ保持部材45と駆動部43とは、干渉しないように前後方向にずらして配置してもよい。
【0170】
コネクタ49Qの端子保持部49Qcに形成する孔49dは、駆動部43から後方向に離間して配置する。このようにしても、ダンパ保持部材45Qは、コネクタ49Qと一体となって上下動する。
【0171】
このように第12変形例のコネクタ駆動構造1Qを構成しても、前記した実施形態同様に作動する。
【0172】
[第13変形例]
図24は、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第13変形例を示す図であり、(a)は操作部41Rを解除位置(下方向)に操作したときの操作機構4Rの状態を示す側面図、(b)は操作部41Rを固定位置(上方向)に操作したときの操作機構4Rの状態を示す側面図である。
【0173】
図24(a)、(b)に示すように、操作機構4Rは、操作部41Rを引き上げ操作する引き上げ式のものであってもよい。
操作機構4Rは、引き上げあるいは押し下げて操作する操作部41Rと、操作部41Rと一体に上下動するリンクプレート42Rと、操作部41Rと一体に上下動する駆動部43Rと、を備えて構成されている。なお、操作部41Rとリンクプレート42Rと駆動部43Rとは、一つの部材で一体成形したものであってもよい。
【0174】
操作機構4Rは、このように構成しても、実施形態の操作機構4と同様に作動する。また、操作機構4Rは、操作部41Rとリンクプレート42Rと駆動部43Rとを一つの部材で構成することで、部品点数及び組付工数を削減することができる。
【0175】
[第14変形例]
図25は、本発明の実施形態に係るコネクタ駆動構造1及びそれを備えた電源装置100の第14変形例を示す図であり、(a)はアクチュエータ42Sを解除位置(下方向)に作動させたときの状態を示す側面図、(b)はアクチュエータ42Sを固定位置(上方向)に作動させたときの状態を示す側面図である。
【0176】
図25(a)、(b)に示すように、操作機構4Sは、アクチュエータ42Sを駆動させることで駆動部43Sを上下動させるスイッチ操作式のものであってもよい。
操作機構4Sは、スイッチから成る操作部41Sと、操作部41Sを操作することで駆動するアクチュエータ42Sと、アクチュエータ42Sによって上下動する駆動部43Sと、を備えて構成されている。
【0177】
操作部41Sは、駆動信号を発信してアクチュエータ42Sを駆動させる開閉器であってもよい。操作部41Sは、例えば、押釦スイッチ、レバースイッチ、スライドスイッチ等のスイッチから成る。
アクチュエータ42Sは、例えば、ソレノイドやモータ駆動装置等から成り、駆動することで、駆動部43Sを適当な速度で上昇、下降させる。
【0178】
操作機構4Sは、このように構成しても、実施形態の操作機構4と同様に作動する。操作機構4Sは、電動式のアクチュエータ42Sを使用することで、リンク構造を用いないコネクタ駆動構造を構成することができる。
【0179】
[その他の変形例]
また、実施形態で説明したコネクタ49は、
図1及び
図2に示すように、駆動部43の上側変位に対して弾性部材SPが縮むように駆動部43に支持されているが、これに限定されるものではない。駆動部43は、駆動部43の上側変位に対して弾性部材SPが延びるように支持されていてもよい。このような場合も、弾性部材SPは、駆動部43の変位に対して比例する復元力を発生するので、機能的に問題はない。
【0180】
また、バッテリ収容体2とバッテリ保持体3とは、実施形態ではそれぞれ別体で形成した場合を例に挙げて説明したが、一つの部材で一体形成したものであってもよい。つまり、バッテリ保持体3の縦フレーム32と上フレーム33は、無くてもよい。
この場合、バッテリ収容体2は、底部にバッテリ載置台31を設けて有底角筒体にする。バッテリ収容体2の上部側面には、回動式の操作部41を回動操作可能に軸支すればよい。
また、バッテリ収容体2の左右側面には、操作部41の形態に応じて、操作機構4を上下動可能にするための切欠溝31jを適宜形成する。
【符号の説明】
【0181】
1 コネクタ駆動構造
4,4R,4S 操作機構
5 調節ねじ
10 バッテリ
31 バッテリ載置台
31a 下面
34 昇降ガイド
41,41R,41S 操作部
43,43A,43B,43C,43J,43K,43P,43R,43S 駆動部
43d,43Je 孔
43Ke 切欠部
45,45E,45F,45G,45H,45I,45Q ダンパ保持部材
45c,45Ec 底部
46,46M カラー
47 ガイド部材
48 ダンパ
48a 当接面(下端)
48b 当接面(上端)
49,49A,49B,49C,49F,49K,49P,49Q コネクタ
49a コネクタ端子
49b 端子支持部
49c,49Bc,49Cc,49Fc,49Kc,49Pc,49Qc 端子保持部
49d 孔
49i 上面
49Pk ガイド挿通孔
SP 弾性部材
100 電源装置