(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053841
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】収容装置
(51)【国際特許分類】
A47G 29/124 20060101AFI20230406BHJP
【FI】
A47G29/124
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163144
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】中井 吾郎
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA01
3K100CC10
3K100CD01
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】 収容された物品が差入口から不正に取り出されることが効果的に防がれる収容装置の提供。
【解決手段】箱状体A内の第2収容部C2へ対象物品B2を差し入れるための第2差入口M2と、一端部に通路口部Laを開口し、他端部に第2差入口M2が位置するように、第2差入口M2の外部の側に設けられた、管路状の差入通路Lを有する。差入通路Lは、手で把持され又は押された対象物品B2が、一端部の通路口部Laから挿入され、他端部に位置する第2差入口M2を通じて箱状体A内の第2収容部C2へ差し入れられることを可能とするものであると共に、通路口部Laから挿入された手が第2差入口M2を経て第2収容部C2内へ挿入されて第2収容部C2から対象物品B2が不正に取り出されることを妨げる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物品を受け入れるための所定部分と、
外部と前記所定部分を含む部分とを区画する区画部と、
前記外部から前記所定部分へ対象物品を差し入れるための、前記区画部に設けられた差入口と、
一端部に通路口部を開口し、他端部又はその近傍部に前記差入口が位置するように、前記外部の側に設けられた、差入通路を有し、
前記差入通路は、
手で把持され又は押された対象物品が外部から前記差入口を通じて前記所定部分へ差し入れられる経路を、前記通路口部から挿入され、差入通路を経、差入口を通じるものとすると共に、
外部より前記通路口部及び差入通路を経ずに前記差入口に手を挿入することを防ぎ、
外部より前記通路口部から挿入された手が、前記差入通路を経、前記差入口を通じて前記所定部分内へ到達することを困難とするものであることを特徴とする収容装置。
【請求項2】
上記差入通路は、上記通路口部と差入口を離隔させることにより、外部より前記通路口部から挿入された手が、前記差入口を経て前記所定部分内へ到達することを困難とするものである請求項1記載の収容装置。
【請求項3】
上記差入通路は、上記通路口部から上記差入口へ向かう経路が屈曲することにより、外部より前記通路口部から挿入された手が、前記差入口を経て前記所定部分内へ到達することを困難とするものである請求項1又は2記載の収容装置。
【請求項4】
上記差入通路は、外部より上記通路口部から挿入された手が上記差入口へ向かう方向の範囲を、差入口に直接手を挿入する場合の方向の範囲に比し拘束することにより、前記の外部より前記通路口部から挿入された手が、前記差入口を経て前記所定部分内へ到達することを困難とするものである請求項1乃至3の何れか1項に記載の収容装置。
【請求項5】
上記差入通路が管路状をなすものである請求項1乃至4の何れか1項に記載の収容装置。
【請求項6】
上記差入通路が、通路口部から差入口に向かう経路における少なくとも前半部に、管路状をなす部分を有する請求項4記載の収容装置。
【請求項7】
上記差入通路が、差入口よりも下方に通路口部を開口し、前記通路口部から差入口に至る間に上方に向かうものである請求項1乃至6の何れか1項に記載の収容装置。
【請求項8】
上記差入通路が上記区画部の外部側に沿って形成された請求項1乃至7の何れか1項に記載の収容装置。
【請求項9】
上記差入口が、上記所定部分よりも上方位置に設けられている請求項1乃至8の何れか1項に記載の収容装置。
【請求項10】
外部から差入口を通じて差し入れられた対象物品が所定部分に達するまでに通過する部分として、差入口から所定部分の奥側に向かう向きである所定の向きにおいて全体として下降傾斜する通過路を有する請求項9記載の収容装置。
【請求項11】
上記通過路のうち、上記所定の向きにおける全部又は奥側の部分は、上記所定部分の上側のうち前記所定の向きにおける差入口側の一部を覆うものである請求項10記載の収容装置。
【請求項12】
上記通過路に、対象物品に比し小寸法の物品を落下分離させるための選別分離部を有する請求項10又は11記載の収容装置。
【請求項13】
原位置に復帰し得るように付勢された状態で、前記原位置よりも奥側に移動可能な硬質材料製の遮蔽体であって、上記差入口側に有する遮蔽面が、上記選別分離部の上側よりも奥側に位置するものを有する請求項12記載の収容装置。
【請求項14】
数個以上の上記遮蔽体が、互いに独立的に原位置に復帰し得るように付勢された状態で前記原位置よりも奥側に移動可能なように、上記所定の向きに対し交差する方向において隣接並列している請求項13記載の収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差入口から差し入れられた、配送物等の対象物品を収容するための収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
配送物等の対象物品を収容する収容装置の例としては、特許第3096040号公報や特許第3803676号公報等に示される郵便ポストがある。
【0003】
郵便ポストに対し対象物品である郵便物を差し入れるための差入口(特許第3096040号公報において、ポスト本体1に対し郵便物を差し入れる差入口3)は、従来、最大で幅290mm×厚さ40mmのほぼ横長方形状をなすものである。
【0004】
厚さ4cmを上回る物品(例えば直方体状の箱体)を差入口を通じて収容し得るようにするためには、差入口の厚さを拡大する必要がある。
【0005】
しかしながら、特に屋外で24時間投函できる郵便ポストのような収容装置においては、差入口の拡大、とりわけ厚さの拡大は、収容された物品が差入口を通じて不正に取り出される可能性の増大に繋がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3096040号公報
【特許文献2】特許第3803676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、収容された物品が差入口から不正に取り出されることが効果的に防がれる収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば次のように表すことができる。
【0009】
(1) 対象物品を受け入れるための所定部分と、
外部と前記所定部分を含む部分とを区画する区画部と、
前記外部から前記所定部分へ対象物品を差し入れるための、前記区画部に設けられた差入口と、
一端部に通路口部を開口し、他端部又はその近傍部に前記差入口が位置するように、前記外部の側に設けられた、差入通路を有し、
前記差入通路は、
手で把持され又は押された対象物品が外部から前記差入口を通じて前記所定部分へ差し入れられる経路を、前記通路口部から挿入され、差入通路を経、差入口を通じるものとすると共に、
外部より前記通路口部及び差入通路を経ずに前記差入口に手を挿入することを防ぎ、
外部より前記通路口部から挿入された手が、前記差入通路を経、前記差入口を通じて前記所定部分内へ到達することを困難とするものであることを特徴とする収容装置。
【0010】
(2) 上記差入通路は、上記通路口部と差入口を離隔させることにより、外部より前記通路口部から挿入された手が、前記差入口を経て前記所定部分内へ到達することを困難とするものである上記(1)記載の収容装置。
【0011】
(3) 上記差入通路は、上記通路口部から上記差入口へ向かう経路が屈曲することにより、外部より前記通路口部から挿入された手が、前記差入口を経て前記所定部分内へ到達することを困難とするものである上記(1)又は(2)記載の収容装置。
【0012】
(4) 上記差入通路は、外部より上記通路口部から挿入された手が上記差入口へ向かう方向の範囲を、差入口に直接手を挿入する場合の方向の範囲に比し拘束することにより、前記の外部より前記通路口部から挿入された手が、前記差入口を経て前記所定部分内へ到達することを困難とするものである上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の収容装置。
【0013】
(5) 上記差入通路が管路状をなすものである上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載の収容装置。
【0014】
(6) 上記差入通路が、通路口部から差入口に向かう経路における少なくとも前半部に、管路状をなす部分を有する上記(4)記載の収容装置。
【0015】
(7) 上記差入通路が、差入口よりも下方に通路口部を開口し、前記通路口部から差入口に至る間に上方に向かうものである上記(1)乃至(6)の何れか1項に記載の収容装置。
【0016】
(8) 上記差入通路が上記区画部の外部側に沿って形成された上記(1)乃至(7)の何れか1項に記載の収容装置。
【0017】
(9) 上記差入口が、上記所定部分よりも上方位置に設けられている上記(1)乃至(8)の何れか1項に記載の収容装置。
【0018】
(10) 外部から差入口を通じて差し入れられた対象物品が所定部分に達するまでに通過する部分として、差入口から所定部分の奥側に向かう向きである所定の向きにおいて全体として下降傾斜する通過路を有する上記(9)記載の収容装置。
【0019】
(11) 上記通過路のうち、上記所定の向きにおける全部又は奥側の部分は、上記所定部分の上側のうち前記所定の向きにおける差入口側の一部を覆うものである上記(10)記載の収容装置。
【0020】
(12) 上記通過路に、対象物品に比し小寸法の物品を落下分離させるための選別分離部を有する上記(10)又は(11)記載の収容装置。
【0021】
(13) 原位置に復帰し得るように付勢された状態で、前記原位置よりも奥側に移動可能な硬質材料製の遮蔽体であって、上記差入口側に有する遮蔽面が、上記選別分離部の上側よりも奥側に位置するものを有する上記(12)記載の収容装置。
【0022】
(14) 数個以上の上記遮蔽体が、互いに独立的に原位置に復帰し得るように付勢された状態で前記原位置よりも奥側に移動可能なように、上記所定の向きに対し交差する方向において隣接並列している上記(13)記載の収容装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明の収容装置においては、収容された物品が差入口から不正に取り出されることが効果的に防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図6】収容装置の遮蔽板を省略した要部破砕断面図である。
【
図8】収容装置に対象物品を差し入れる手順の説明図である。
【
図9】収容装置に対象物品を差し入れる経路及び不正な取り出し防止についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[1] 本発明の実施の形態の例としての収容装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
[1-1]
図1乃至
図9に示す収容装置は、箱状体A(区画部)、外部から箱状体Aの内部の所定部分へ対象物品を差し入れるための第1差入口M1及び第2差入口M2、箱状体Aの内部に有する第1収容部C1(所定部分)及び第2収容部C2(所定部分)、並びに、第2差入口M2の外部の側に差入通路Lを有する。
【0027】
(1) 箱状体A
【0028】
箱状体Aは、鋼板を主材料とする中空略直方体形状をなし、箱状体Aの内部は、箱状体Aによって取り囲むように外部から区画されている。
【0029】
(2) 差入口
【0030】
箱状体Aの垂直状の前面部の上部には、縦横寸法が同等の方形状をなし、後方へ凹んだ第1枠状部F1及び第2枠状部F2が左右に並んで設けられている。第1枠状部F1及び第2枠状部F2は何れも区画部を構成する。
図1において向かって左側(以下、箱状体Aについて向かって左側及び向かって右側を、それぞれ、単に「左側」、「右側」とも言う。)の第1枠状部F1及び同じく右側の第2枠状部内のそれぞれ上部に、何れも横長方形状の第1差入口M1及び第2差入口M2を有する。第1枠状部F1及び第2枠状部F2の上側には、雨除け等のための前方突出の庇状部Acが設けられている。
【0031】
(2-1) 第1差入口M1は、水平方向幅290mm×厚さ40mmのほぼ横長方形状をなし、箱状体Aの前面部よりもやや奥側に位置し、やや前傾状をなすように開口する。第1差入口M1は、箱状体Aの内部側に有する第1差入口蓋D1が、上方の回動軸線を中心に回動することにより、開閉される。第1差入口蓋D1には、第1差入口M1を閉じる向きに自重が作用するので、他の外力の作用等がない状態においては、閉蓋状態を維持し、第1差入口蓋D1を箱状体Aの内部側へ押し込むことにより、第1差入口M1が開口する。
【0032】
第1枠状部F1内における第1差入口M1の上側部分である上側部F1aは、第1差入口M1の上側から前方に向かって上向きに傾斜し、第1枠状部F1内における第1差入口M1の下側の上端部分である下側上端部F1bは、第1差入口M1に差し入れられる対象物品を支持し得るように第1差入口M1に向かって比較的に緩く上向きに傾斜している。第1枠状部F1内における下側上端部F1bの下方部分である下側下方部F1cは、下側上端部F1bから第1枠状部F1の下端まで下向きに急傾斜している。
【0033】
第1枠状部F1の両側面部F1dは、第1差入口M1から箱状体Aの前面部に向かって左右にやや広がるように傾斜している。
【0034】
第1差入口M1の主な対象物品は、封筒や葉書等の比較的に薄手のものであって、縦横5乃至6cm程度又はこれよりも大きいもの(大寸法物品)である。縦横5乃至6cm程度よりも小さい物品(タバコ等を含む小寸法の物品)は、第1差入口M1から差し入れられた後、非対象物品として選別分離の対象となり得る。
【0035】
(2-2) 第2差入口M2は、水平方向幅290mm×厚さ75mmのほぼ横長方形状をなし、第1差入口M1よりも更に奥側に位置し、やや前傾状をなすように開口する。第2差入口M2は、箱状体Aの内部側に有する第2差入口蓋D2が、上方の回動軸線を中心に回動することにより、開閉される。第2差入口蓋D2には、第2差入口M2を閉じる向きに自重が作用するので、他の外力の作用等がない状態においては、閉蓋状態を維持し、第2差入口蓋D2を箱状体Aの内部側へ押し込むことにより、第2差入口M2が開口する。
【0036】
第2枠状部F2内における第2差入口M2の上側部分である上側部F2aは、第2差入口M2の上側から前方に向かって上向きに傾斜し、第2枠状部F2内における第2差入口M2の下側の上端部分である下側上端部F2bは、第2差入口M2に差し入れられる対象物品B2を支持し得るように第2差入口M2に向かって比較的に緩く上向きに傾斜している。第2枠状部F2内における下側上端部F2bの下方部分である下側下方部F2cは、下側上端部F2bから第2枠状部F2の下端まで下向きに急傾斜している。
【0037】
第2枠状部F2の両側面部F2dは、第2差入口M2から箱状体Aの前面部に向かって左右に広がるように傾斜している。
【0038】
第2差入口M2の主な対象物品は、厚さが35乃至70mm程度の比較的に厚手のもの(第1差入口M1に差し入れることができないか又は困難な物)である。
【0039】
第2差入口M2の対象物品のうち、
図8及び
図9に示す対象物品Bは、配送目的物が包装された、幅240mm×奥行170mm×高さ70mmの直方体状の箱体である。
【0040】
第2差入口M2から差し入れられた後、非対象物品として選別分離の対象となり得るのは、縦横6cmよりも小さい物品(タバコ等を含む)である。
【0041】
なお、第1差入口M1及び第2差入口M2は、前記のような寸法の水平方向幅及び厚さを有するものに限るものではなく、例えば、両差入口又は一方の厚さ又は水平方向幅がやや減少又は増大したものとすることや、その他の寸法や形状を変更したものとすることもできる。
【0042】
(3) 収容部
【0043】
箱状体Aの内部には、左側に、第1差入口M1を通じて箱状体Aの内部へ差し入れられた対象物品を収容するための第1収容部C1を有し、右側に、第2差入口M2を通じて箱状体Aの内部へ差し入れられた対象物品B2を収容するための第2収容部C2を有する。
【0044】
第1収容部C1は、第1袋状体G1が、上向きに開口する状態で、箱状体Aの内部の左側に設けられた第1枠支持部E1によって支持されてなり、第2収容部C2は、第2袋状体G2が、箱状体Aの内部の右側に第1枠支持部E1と連続して設けられた第2枠支持部E2によって上向きに開口する状態で支持されてなる。
【0045】
第1袋状体G1は、布状材料からなる袋状体の開口縁に沿って設けられた挿通孔に、一対の相対する辺のそれぞれ中央部に設けられたヒンジ部Raにより二つ折りし得る略方形状の第1枠状体R1を構成する線状材が挿通されてなる。
【0046】
第1枠状体R1が略方形状に水平状に開き、第1袋状体G1の開口部の外周部が、箱状体Aの内部の左側に設けられた第1枠支持部E1により水平状に支持されることにより、第1袋状体G1の開口部が上向きに開口して第1収容部C1を構成する。
【0047】
前記両ヒンジ部Raは、所定の180度部分のみ開閉し得、第1袋状体G1を第1枠支持部E1から取り外すことにより、水平状の第1枠状体R1は、ヒンジ部Raが相対的に下降し、ヒンジ部Raを有しない一対の相対する辺が相対的に上昇近接して二つ折り状となし、第1袋状体G1の開口部が閉じた状態とすることができる。
【0048】
第2袋状体G2も、同様の袋状体と第2枠状体R2からなり、第2枠支持部E2により水平状に支持されることにより、第2袋状体G2の開口部が上向きに開口して第2収容部C2を構成する。
【0049】
(4) 差入通路
【0050】
差入通路Lは、箱状体Aの前面部から後方へ凹んだ第2枠状部F2と、透明な合成樹脂材料を用いた通路形成カバー部Kにより、第2差入口M2の外部の側に(すなわち区画部の外部側に沿って)形成されている。
【0051】
通路形成カバー部Kは、第2枠状部F2の上側から前方に水平状に張り出した横長方形の上カバー板部Kaと、上カバー板部Kaの前縁部から前方に向かって下降傾斜して第2枠状部F2の上下中間位置よりもやや下方に至る正面カバー板部Kbと、正面カバー板部Kbの両側縁部と第2枠状部F2の両側縁部と上カバー板部Kaの両側縁部にわたる垂直状の側カバー板部Kcからなる。
【0052】
第2枠状部F2と通路形成カバー部Kにより形成された差入通路Lは、断面略方形状の管路状をなし、第2差入口M2の正面下方に、通路形成カバー部Kの正面カバー板部Kb及び両側カバー板部Kcのそれぞれ下端部と第2枠状部F2の下側下方部F2c及び両側面部F2dに囲まれた通路口部Laを開口する。
【0053】
差入通路Lは、通路口部Laから上方に向かう下部と、通路形成カバー部Kの正面カバー板部Kb及び両側カバー板部Kcのそれぞれ上部並びに上カバー板部Kaと第2枠状部F2の上側部F2aと下側上端部F2bと下側下方部F2cの上部及び両側面部F2dの上部に囲まれて第2差入口M2に通じる上部からなる。
【0054】
通路口部Laにおける第2差入口M2側に向かう差入通路Lの向き(この収容装置において、下側下方部F2cに沿う向きは、垂直上向きに対し約15度後方傾斜[通路口部Laから手を挿入した場合の差入通路Lの形状及び寸法と腕の太さを考慮した最小限の傾斜角は、垂直上向きに対し約55度後方傾斜])と、第2差入口M2を経た後に、箱状体A内において第2収容部C2内に向かう向き(この収容装置においては奥側への下降傾斜である垂直下向きに対し約35度奥側傾斜)がなす角度は約130度[前記のように手を挿入した場合は約90度]である。
【0055】
通路形成カバー部Kは、第2差入口M2に対する雨水等の浸入を防ぐ効果(特に雨風が強い場合)も有する。
【0056】
左右の側カバー板部Kcは、白色や蛍光顔料等による表示等により(特に夜間)視認し易くして通行者が衝突することを防ぐことや、万一の衝突等に備えてクッション性を有するもの(例えば、衝突による怪我を防止し得るクッション性を有するポリエチレンフォームやポリウレタンフォーム等の白色のスポンジ状材料)とすることもできる。
【0057】
差入通路Lは、前記の幅240mm×奥行170mm×高さ70mmの直方体状の対象物品B2を、人の手で下方に開口する一端部の通路口部Laから挿入して上方へ移動させ、差入通路Lの上部において第2枠状部F2の奥の第2差入口M2に向かわせ、第2差入口M2を通じて箱状体A内の(所定部分)へ差し入れることが可能な範囲で各箇所の横断面が小さ目に形成されている。
【0058】
差入通路Lは、下方に開口する通路口部Laから上向きに挿入した腕を、差入通路Lの上部において第2枠状部F2の奥の第2差入口M2に向かわせ、その第2差入口M2を通じて箱状体A内の第2収容部C2へ差し入れる場合に、通路口部Laと差入口M2を離隔させること、その経路が、
図9(1)に示されるように屈曲すること、及び、前記可能な範囲で差入通路Lの各箇所の横断面が小さ目に形成されて、外部より通路口部Laから挿入された手が差入口M2へ向かう方向の範囲を、差入口に直接手を挿入する場合の方向の範囲に比し拘束することなどにより、箱状体A内の差入口M2よりも下方に位置する第2収容部C2への手の挿入を妨げ、仮に挿入できたとしても箱状体Aの内部の物品を取り出すことを妨げるものである。
【0059】
(5) 通過路
【0060】
この収容装置は、外部から第1差入口M1又は第2差入口M2を通じて箱状体Aの内部へ差し入れられた対象物品が、それぞれ第1収容部C1を構成する第1袋状体G1の上向き開口部又は第2収容部C2を構成する第2袋状体G2の上向き開口部に達するまでに通過する部分として、第1差入口M1又は第2差入口M2からそれぞれ箱状体A内の奥側に向かって下降傾斜する第1通過路P1及び第2通過路P2を有する。
【0061】
第1通過路P1及び第2通過路P2は、対象物品が滑落し得る状態で、その対象物品を上側に支持し得るものであり、第1差入口M1又は第2差入口M2から箱状体A内の奥側に向かう向きである所定の向きにおいて、第1差入口M1又は第2差入口M2から箱状体A内の奥側に向かって下降傾斜する。前記所定の向きに直交する水平方向において、第1通過路P1の左右側部は第1差入口M1の左右側端部よりもそれぞれ左右外方に位置し、第2通過路P2の左右側部は第2差入口M2の左右側端部よりもそれぞれ左右外方に位置する。
【0062】
前記所定の向きの第1通過路P1は、奥側の部分が、第1収容部C1の受入部である第1袋状体G1の上向き開口部のうち前記所定の向きにおける第1差入口M1側の一部の上方に位置して前記第1差入口M1側の一部を覆う。
【0063】
前記所定の向きの第2通過路P2は、全ての部分が、第2収容部C2の受入部である第2袋状体G2の上向き開口部のうち前記所定の向きにおける第2差入口M2側の一部の上方に位置して前記第2差入口M2側の一部を覆う。第2通過路P2における選別分離部Sの奥側(
図3、
図8及び
図9における右側)に奥側下降傾斜板部P2bを有することにより、第2差入口M2から手を挿入して第2収容部C2に達することがより効果的に防がれる。
【0064】
第1通過路P1と第2通過路P2の間には垂直状の仕切板部Hが設けられている。
【0065】
(6) 選別分離部S
【0066】
第1通過路P1のうち、前記所定の向きにおける第1差入口M1側の端部近傍部P1a以外の部分、及び、第2通過路P2のうち、前記所定の向きにおける、第2差入口M2側の端部近傍部P2aと奥側下降傾斜板部P2bの間の部分には、それぞれ、火が残っているタバコ等の非対象物品(小寸法の物品)を落下分離させるための選別分離部Sを有する。第1通過路P1における選別分離部Sと第2通過路P2における選別分離部Sは、実質上同一構成であり、各選別分離部Sは、第1通過路P1及び第2通過路P2の全幅にわたる。
【0067】
非対象物品用の受容箱Vの開口部Vpに傾斜板Vaが配設されることにより選別分離部Sが構成される。
【0068】
受容箱Vの上部から開口部Vpへ、複数の同一傾斜板Vaが奥側下方に向かって傾斜突設され、それらの傾斜板Vaは横方向に等間隔に並列している。傾斜板Vaの上面は、略二等辺三角形状(又は等脚台形状)であり、傾斜板Vaの上面の横方向の幅は、主傾斜方向である奥側下方に向かうに従い漸次縮小し、下端が尖端状の自由端部をなす。
【0069】
傾斜板Vaの下端は 受容箱Vの開口部Vpの下縁部Vfの上方におけるやや前方(差入口側)に位置する。また各傾斜板Vaの上面は、中央から(左右)両側方へ、上に凸に湾曲下降傾斜している。
【0070】
傾斜板Vaの上面の主傾斜方向(奥側下方)の俯角は約40度である。
【0071】
傾斜板Va同士の間に形成されている落下間隙Vgは、主傾斜方向における下方に向かうに従い横方向幅が漸次拡大する等脚台形状をなす。また両端に位置する傾斜板Vaの外側の側辺と 受容箱Vの両側板Vsとの間に形成されている落下間隙Vgは、主傾斜方向における下方に向かうに従い横方向幅が漸次拡大する台形状をなす。
【0072】
(7) 遮蔽体
【0073】
(7-1) 箱状体A内の天板Abの下側に設けられた遮蔽板取付部Uのうち第1通過路P1の奥側上方位置に、溶融亜鉛メッキ鋼板製の遮蔽板Y1の上端部が回動自在に支持されている。遮蔽板Y1の上部後側(奥側)には、遮蔽板Y1を前方下降傾斜するよう付勢するための後下方傾斜状の重り体W1が設けられている。遮蔽板Y1は、対象物品が第1通過路P1を通過する状態等を除く通常状態では、遮蔽面(前側面)が傾斜板Vaの下端との間に所定間隔d(この場合、タバコの直径よりやや広い間隔)を挟んだ状態をなす原位置に静止している。
【0074】
原位置における遮蔽板Y1の下端縁は、傾斜板Vaの下端よりやや高い位置(尤も、原位置において高い位置とするものと限るものではない)において受容箱Vの下縁部Vfの上方に位置する。対象物品が第1通過部P1を通過することにより遮蔽板Y1が原位置よりも後方に回動した場合、その遮蔽板Y1は、重り体W1による付勢力により原位置に復帰する。
【0075】
遮蔽板Y1の上端部前側にストッパT1を設けることにより、原位置においてはそのストッパT1が遮蔽板取付部Uに当接して前方回動が防がれ、前記所定間隔dが維持されるものとすることができる。なお、遮蔽板Y1が原位置より前方に移動することを防ぐ手段は、これに限るものではない。
【0076】
(7-2) 箱状体A内の天板Abの下側に設けられた遮蔽板取付部Uのうち第2通過路P2の上方位置に、溶融亜鉛メッキ鋼板製の5個の実質上互いに同一の遮蔽板Y2の各上端部が、互いに独立状に回動自在に支持されている。5枚の比較的に細い幅の遮蔽板Y2は、互いに僅かな間隙を介して前記所定の向きに対し直交する水平方向に並列状をなし、第2通過路P2の全幅にわたる。
【0077】
各遮蔽板Y2の上部後側(奥側)には、遮蔽板Y2を前方下降傾斜するよう付勢するための後下方傾斜状の重り体W2が設けられている。各遮蔽板Y2は、対象物品が第2通過路P2を通過する状態等を除く通常状態では、遮蔽面Y2f(前側面)が傾斜板Vaの下端との間に所定間隔d(この場合、タバコの直径よりやや広い間隔)を挟んだ状態をなす原位置に静止している。
【0078】
原位置における各遮蔽板Y2の下端縁は、傾斜板Vaの下端よりやや高い位置(尤も、原位置において高い位置とするものと限るものではない)において受容箱Vの下縁部Vfの上方に位置する。5個の遮蔽板Y2のうち、対象物品が第2通過路P2を通過することにより原位置よりも後方に回動した遮蔽板Y2は、重り体W2による付勢力により原位置に復帰する。
【0079】
各遮蔽板Y2は、原位置では、それぞれの上端部に設けられたストッパT2が遮蔽板取付部Uに当接して前方回動が防がれ、前記所定間隔dが維持される。
【0080】
(7-3) 第1差入口M1又は第2差入口M2から火のついたタバコ(所定重量より軽い小寸法物品)が投入されると、そのタバコが選別分離部Sにおいて傾斜板Vaの傾斜上面上を上方から下方へ奥側に向かって通過する際に、傾斜板Vaの上面から側方の落下間隙Vgに落下して、或いは直接落下間隙Vgに落下して 受容箱Vに収容され、落下間隙Vgに落下し得ない対象物品(大寸法物品)と分離される。
【0081】
略二等辺三角形状をなす傾斜板Vaの上面の横方向幅が、主傾斜方向における下方に向かうに従い漸次縮小し、側方に、主傾斜方向における下方に向かうに従い横方向幅が漸次拡大する落下間隙Vgを有するので、傾斜板Vaの上面上を下方移動するタバコは、たとえ火をつけられたばかりの長いタバコであっても、下方移動に従いより確実に落下間隙Vgに落下して受容箱Vに収容され、選別分離部Sにおいて対象物品(大寸法物品)とタバコを確実性高く分離することができる。而も、傾斜板Vaの上面が中央から両側方へ上に凸に湾曲下降傾斜しており、その曲率が下方に向かうに従い漸次大きくなるので、傾斜板Vaの上面上を下方移動するタバコは、下方移動に従いより確実に落下間隙Vgに落下する。
【0082】
更に、タバコが落下間隙Vgに落下せずに傾斜板Vaの下方端部に達したとしても、傾斜板Vaの下方端部が尖端状をなすため、小寸法物品は確実性高く落下間隙Vgに落下する。従って、別の対象物品等により遮蔽板Y1又は遮蔽板Y2が後方回動状態にあったとしても、投入されたタバコが落下間隙Vgに落下せずに第1袋状体G1又は第2袋状体G2に到達して収容されている対象物品が燃えたり汚損したりすることは確実性高く防がれる。また、遮蔽板Y1又は遮蔽板Y2が原位置に静止している場合は、タバコが遮蔽板Y1又は遮蔽板Y2に当たったとしても遮蔽板Y1又は遮蔽板Y2は後方へは回動せず、傾斜板Vaの下端との間の所定間隔dより受容箱Vに収容される。
【0083】
(7-4) 一方、第1差入口M1又は第2差入口M2から差し入れられた対象物品(大寸法物品)のうち厚手で所定重量より重いものは、選別分離部Sの傾斜板Va上を上方から下方へ通過し、遮蔽板Y1又は遮蔽板Y2に衝突して遮蔽板Y1又は遮蔽板Y2を後方へ回動させ、受容箱Vの下縁部Vfの上方を通過して受容箱Vの奥側に達し、それぞれ第1収容部C1の第1袋状体G1又は第2収容部C2の第2袋状体G2内に各開口部を通じて落下する。
【0084】
また、第1差入口M1又は第2差入口M2から差し入れられた対象物品(大寸法物品)のうち葉書や薄手の封筒等は、選別分離部Sの傾斜板Va上を上方から下方へ通過し、受容箱Vの下縁部Vfの上方において遮蔽板Y1又は遮蔽板Y2の下端縁の下側を通過して受容箱Vの奥側に達し、第1収容部C1の第1袋状体G1又は第2収容部C2の第2袋状体G2内に各開口部を通じて落下する。
【0085】
(7-5) 第2差入口M2は水平方向幅247mm×厚さ75mmと、厚さが大きいが、第2通過路P2には、互いに独立状に回動自在に支持された、5個の比較的に細い幅の遮蔽板Y2を、互いに僅かな間隙を介して第2通過路P2の全幅にわたり並列状に有する。
【0086】
仮に第2通過路P2の全幅にわたる一つの前後回動する遮蔽板を有する場合に、手を挿入して遮蔽板を奥側へ移動させ、第2収容部C2内の対象物品B2又は第2収容部C2上に溢れた状態の対象物品B2を取り出すことができるような場合であっても、5枚の比較的に細い幅の互いに独立状に回動自在に支持された遮蔽板Y2が、互いに僅かな間隙を介して前記所定の向きに対し直交する水平方向に隣接並列したものとすることにより、対象物品B2を差し入れた場合の
図9(2)に示されるように(或いは対象物品B2の場合以上に)、手を挿入しても奥側へ移動させることができない遮蔽板Y2が原位置又はその付近を維持するので、第2収容部C2から不正取り出しを行なおうとする対象物品B2が第2差入口M2に向かって移動することが、原位置又はその付近を維持する遮蔽板Y2により妨げられて取り出しが防がれ得る。
【0087】
(8) 取り出し部
【0088】
箱状体Aの左側面部に、片開きの開き戸状の開閉部Adを有し、開閉部Adを開いた状態において、対象物品を収容した第1袋状体G1及び第2袋状体G2を取り出すこと、並びに、空の第1袋状体G1及び第2袋状体G2を箱状体A内の第1枠支持部E1及び第2枠支持部E2に支持させることができる。また、開閉部Adを開いた状態において、非対象物品用の受容箱V(非対象物品受容部)の出し入れ及び受容箱V内の非対象物品の廃棄を行うこともできる。
【0089】
[1-2]
図10及び
図11に示す収容装置は、第2枠状部F2を、
図1乃至
図9に示す収容装置よりも箱状体Aの前面部から後方へ全体として一定距離凹んだものとし、下側下方部F2cの下側に、前方に向かって緩く下降傾斜する下側下端部F2eを設けたものとしている。
【0090】
(1)
図10の収容装置は、通路形成カバー部Kの上カバー板部Ka及び側カバー板部Kcが箱状体Aの前面部から前方への突出距離を
図1乃至
図9に示す収容装置よりも低減させることにより、前方に向かって下降傾斜する正面カバー板部Kbの傾斜を維持しつつ、通路形成カバー部K全体の前方突出を抑制して通行者の衝突等を防ごうとするものである。その他の構成は
図1乃至
図9に示す収容装置と同様である。
【0091】
図10の収容装置の差入通路Lは、通路口部Laの後方側の相当部分が第2枠状部F2の凹部に位置するので、通路口部Laから上向きに挿入した腕を、差入通路Lの上部において第2枠状部F2の奥の第2差入口M2に向かわせ、その第2差入口M2を通じて箱状体A内の第2収容部C2へ差し入れることが、より困難になる。
【0092】
(2)
図11の収容装置は、通路形成カバー部Kの上カバー板部Ka及び側カバー板部Kcが箱状体Aの前面部から前方へほとんど突出しないものとし、正面カバー板部Kbを垂直状とすることにより、通路形成カバー部K全体がほとんど前方に突出しないものとして通行者の衝突等が実質上生じない防ごうものとするものである。その他の構成は
図1乃至
図9に示す収容装置と同様である。
【0093】
図11の収容装置の差入通路Lは、通路口部Laのほとんどが第2枠状部F2の凹部に位置するので、通路口部Laから上向きに挿入した腕を、差入通路Lの上部において第2枠状部F2の奥の第2差入口M2に向かわせ、その第2差入口M2を通じて箱状体A内の第2収容部C2へ差し入れることが、更に困難になる。
【0094】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0095】
本発明の収容装置は、対象物品を受け入れるための所定部分、外部と所定部分を含む部分とを区画する区画部、外部から所定部分へ対象物品を差し入れるために区画部に設けられた差入口、前記外部の側に設けられた差入通路を有する。
【0096】
収容装置の例としては、配送の対象となる対象物品を配送業者等による配送のために収集するための郵便ポストやその他の収集ポスト類や、配送先において配送された対象物品を受け入れるための受け入れポスト類を挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0097】
(1) 対象物品
【0098】
本発明の収容装置は、所定形状及び寸法の物品を、対象物品として差入口を通じて収容部に収容し得るものとすることができる。
【0099】
所定形状及び寸法の物品としては、例えば、所定寸法の直方体形状の物品とすることができる。より具体的には、例えば、所定寸法の直方体形状の紙若しくはプラスチック段ボール等の包装箱に、各種物品を収容したものを挙げることができる。
【0100】
対象物品は、所定形状及び寸法の物品に限ること(これをルールとすること)もできるが、例えば、郵便や宅配等の配送の対象となり、且つ、差入口を通じて収容部に収容し得るもの全てを対象物品とすることもできる。
【0101】
非対象物品の例としては、取り扱い対象として小さすぎるもの(例えば一定の縦横寸法より小さいもの)や大きすぎるもの(例えば縦横又は高さが一定より大きいもの)、火が消えていないタバコ等の火気を有する物、引火性の物質や爆発物等の危険物、安全に包装されていない割れ物等を挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0102】
(2) 区画部
【0103】
区画部は、対象物品を受け入れるための所定部分を含む部分を外部から区画するものであり、例えば、所定部分を含む部分を(好ましくは隙間なく)取り囲む箱状体等(例えば、中空略直方体状、中空略多角形柱状体、中空略円柱状体、中空略楕円柱状体等、土地や建物等に固定されたものであってもよく、移動し得るものであってもよい。)において外部と箱状体等の内部を区画する部分、例えば箱状体を構成する外壁部及び底板部、天板部等;建造物等の内部に所定部分を含む部分が位置し、区画部は、建造物の外壁等の建造物等の内部と外部を区画するもの等を挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0104】
(3) 所定部分
【0105】
所定部分は、対象物品を受け入れるための部分である。所定部分の一般的な例は、対象物品を収容するための収容部である。所定部分のその他の例としては、差入口を通じて対象物品を受け入れてその対象物品を別の収容部へ導入する導入路の導入部を挙げることができる。
【0106】
所定部分は、区画部によって外部から区画された部分であり、例えば、所定部分を隙間なく取り囲む箱状体等の内部の全部若しくは部分であるものとすることができる他、例えば、建造物等の内部の一部(例えば、建造物等の外壁等の区画部のうち差入口が設けられた箇所に臨む部分)であるものとすることもできる。
【0107】
(4) 差入口
【0108】
差入口は、外部から所定部分へ対象物品を差し入れるために区画部に設けられている。差入口は、例えば、区画部の厚み内に設けることができる他、厚みから外部側及び内部側の一方又は両方ににわたり設けることや、区画部に対し外部側又は内部側に突出させて設けることもできる。
【0109】
差入口は、所定部分よりも上方位置に設けられていることが、差入口から対象物が落下して所定部分へ受け入れられるものとする上で一般的であり、好ましい。外部からの手が差入口を通じて所定部分に到達し難くする上では、差入口は所定部分よりもできるだけ高い位置であることが好ましい。
【0110】
差入口は区画部に複数設けられてもよく、その複数の差入口は、大きさ若しくは形状が互いに異なるものであってもよい。
【0111】
差入口は、前記所定形状及び寸法の物品を、対象物品として、外部側から所定部分へ差し入れることができるものである。
【0112】
差入口自体(すなわち、差入通路等が存在しない状態で外部に面している場合)は、例えば、ヒトの手、前腕、又は、前腕及び上腕の一部若しくは全部を外部側から挿通し得るものとすることができるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0113】
差入口の横断面形状(対象物品を外部側から所定部分へ差し入れる方向に直交する横断面の形状)は、略長方形状(長方形状や隅部が湾曲した長方形状等)又はその他の多角形状や閉曲線により囲まれた形状、長手方向が水平方向である略長方形状又はその他の形状とすることができるが、これらに限るものではない。
【0114】
例えば 区画部が垂直状又は垂直状に近い形状の部分を有し、その部分に差入口が開口するものである場合、差入口はやや前傾状をなす(差入口の下縁部よりも上縁部の方が前方に位置する)ものであることが好ましく、また、差入口は区画部の前記垂直状又は垂直状に近い形状の部分に対し凹んだ位置又は凹んだ凹部内若しくは凹部内の最も凹んだ位置において開口するものとすることができるがこれに限るものではない。これらの構成は、例えば、雨水等が差入口を通じて区画部内に入り込むことを防ぐ効果を生じ得る。
【0115】
(5) 差入通路
【0116】
差入通路は、一端部に通路口部を開口し、他端部又はその近傍部に差入口が位置するように、収容装置における、区画部により所定部分を含む部分と区画された外部の側に設けられる。
【0117】
(5-1) 通路口部
【0118】
通路口部自体(すなわち、差入通路の通路口部から他端部までの部分や差入口等が存在しない状態である場合)は、例えばヒトの手、前腕、又は、前腕及び上腕の一部若しくは全部を外部側から挿通し得るものとすることができるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0119】
(5-2) 差入通路の機能等
【0120】
差入通路は、手で把持され又は押された対象物品が外部から所定部分へ差し入れられる経路を、一端部の通路口部から差入通路に挿入され、その差入通路を経て、他端部又はその近傍部に位置する差入口を通じるものとするものである。これにより、人(差入者)の手で、対象物品(少なくとも所定形状及び寸法の対象物品、例えば所定寸法の直方体形状の対象物品)が(例えば、手で把持された状態で又は手で押されて)、一端部の通路口部から挿入され、その差入通路を経て、他端部又はその近傍部に位置する差入口を通じて所定部分へ差し入れられることを可能とする。
【0121】
差入通路は、それと共に、外部より前記通路口部及び差入通路を経ずに差入口に手を挿入することを防ぐものである。
【0122】
その上で差入通路は、例えば次の(a)、(b)及び(c)の何れか1つによって、又は、(a)、(b)及び(c)の何れか2つ若しくは3つの組み合わせによって、外部より通路口部から挿入された手が、差入通路を経、差入口を通じて所定部分内へ到達することを困難とする(好ましくは不可能とする)ものである。
【0123】
(a) 通路口部と差入口を離隔させること。例えば、通路口部と差入口の最短距離が100mm以上(好ましくは120mm以上、より好ましくは150mm以上、更に好ましくは200mm以上、一層好ましくは250mm以上)となるように通路口部と差入口を離隔させること。
【0124】
(b) 外部より通路口部から挿入された手が差入口へ向かう経路が屈曲すること。例えば、差入通路の軸線の角度が、一端部の通路口部から所定位置までと、その所定位置から他端部までとで(例えば30度乃至90度)変化(屈曲)すること。屈曲は必ずしも前記経路における1箇所に限らない。また、屈曲は湾曲状をなすものであってもよい。一端部の通路口部と所定位置としては、例えば、通路口部が差入口よりも下方位置で所定位置が差入口の前方位置である場合や、通路口部が差入口の側方位置で所定位置が差入口の前方位置である場合を挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0125】
(c) 外部より通路口部から挿入された手が差入口へ向かう方向の範囲を、差入口に直接手を挿入する場合の方向の範囲に比し拘束すること。例えば、一端部の通路口部から差入通路が傾斜上方(必ずしも傾斜上方に限らない)にのびて他端部に至る場合に、腕の傾斜角を変化させ得る範囲を、差入口に直接手を挿入する場合に比し拘束すること(例えば、直接挿入における80乃至90度の範囲を10度乃至20度のように、10分の1乃至2分の1、好ましくは10分の1乃至3分の1、より好ましくは10分の1乃至4分の1に拘束すること)。
【0126】
(5-3) 管路状差入通路
【0127】
差入通路は、例えば管路状(例えば断面方形状又はその他の形状の管路状)をなすものとすることができる(必ずしも管路状に限るものではない)。管路状を形成する周壁部は、非透水性であることが好ましいが、周壁部の全部又は部分は、例えば、手を出し入れすることができない大きさの透孔を有する格子状やメッシュ状をなし、変形しにくいものでもよい。
【0128】
差入通路が管路状をなす場合(必ずしも差入通路の全部であることを要しない)、前記(a)、(b)及び(c)の1以上によって外部より通路口部から挿入された手が、差入通路を経、差入口を通じて所定部分内へ到達することを困難とする上で好ましい。
【0129】
差入通路の何れかの部分が管路状をなす例としては、通路口部から差入口に向かう経路における少なくとも前半部に、管路状をなす部分を有するものを挙げることができる。この場合、前記(c)によって外部より通路口部から挿入された手が、差入通路を経、差入口を通じて所定部分内へ到達することを困難とする上で好ましい。
【0130】
(5-4) 差入通路の例
【0131】
差入通路の好適な例の一つとして、差入口よりも下方(例えば正面下方又は側部下方)に通路口部を開口し、その通路口部から差入口に至る間に上方(例えば、垂直上方又は差入口の正面に向かって傾斜上方、側方から差入口に向かう傾斜上方)に向かうもの(例えば断面方形状又はその他の形状の管路状をなすもの)を挙げることができる。この場合(特に差入口が所定部分よりも上方位置に設けられているとき)、外部より通路口部から挿入された手が、差入通路を経、差入口を通じて所定部分内へ到達することを困難とする上で効果的である。この場合、通路口部と差入口を中間遮蔽なく直線で結ぶ最小仰角が、例えば30度以上(好ましくは40度以上、より好ましくは50度以上)であるものとすることができる。
【0132】
差入通路は、特に、外部より通路口部から挿入された手が、その差入通路及び差入口を経て(好ましくは差入口よりも下方に位置する)所定部分内へ挿入される場合の経路がより屈曲するものとすることにより、所定部分内への手の挿入を一層効果的に妨げるものであることが好ましい。
【0133】
外部より通路口部から挿入された手が、差入通路及び差入口を経て所定部分内へ向かう場合に、通路口部において差入口側に向かう向きと、差入口を経た後に、区画部により外部から区画された部分において所定部分内に向かう向きがなす角度が、例えば、60度以上であるものとすることができる。その角度は、好ましくは80度以上、より好ましくは100度以上であり、更に好ましくは120度以上であり、160度以下とすることができる。
【0134】
(5-5) 差入通路の形成例
【0135】
差入通路は、区画部の外部側に沿って(好ましくは区画部が差入通路を構成する一部として)形成されたものとすることが、差入通路を設けることにより外部に占める領域が増大すること(例えば区画部から外部への突出部が生じることや突出部が大きくなること等)を可及的に防ぐ上で好ましい。例えば、区画部が垂直状又は垂直状に近い形状の部分を有し、その部分に差入口が開口するものである場合、区画部が垂直状又は垂直状に近い形状の部分に沿ってほぼ上下方向に又はその他の方向に差入通路を形成することができる。
【0136】
区画部の外部側に沿って差入通路を形成する例としては、
差入通路を構成する一部として区画部を利用することなく、区画部の外部側に沿って差入通路を形成するもの;
差入通路を構成する一部として区画部を利用して、区画部の外部側に沿って差入通路を形成するもの
を挙げることができる。
【0137】
後者の例としては、
区画部の一部を構成する凹部(例えば、区画部のうちほぼ垂直面状の部分の一部に形成された凹部[例えば上下方向若しくはその他の方向のほぼ溝状の凹部])を差入通路を構成する一部とし、差入通路を構成する他の部分を区画部以外の部材により構成したもの;
区画部の一部を構成する凹部以外の部分(例えば、区画部のうちほぼ垂直面状の部分)を差入通路を構成する一部とし、差入通路を構成する他の部分を区画部以外の部材により構成したもの;
区画部の一部を構成する凹部と凹部以外の部分を差入通路を構成する一部とし、差入通路を構成する他の部分を区画部以外の部材により構成したもの
を挙げることができ、これらの例のうち、区画部の一部を構成する凹部を差入通路を構成する一部とするものの場合、凹部を深くすることにより、区画部以外の部材により構成した部分が、区画部のうち(当該凹部の周囲の部分等の)凹部以外の部分から外部へ突出する度合いを低減させることやほとんど突出しないものとすることができる。
【0138】
(6) 収容部
【0139】
本発明の収容装置は、差入口を通じて所定部分へ差し入れられた対象物品を収容するための収容部を有するものとすることができる。
【0140】
収容部は、例えば、上方等に開口する袋状又は箱状をなすものとすることができるが、これらに限るものではない。
【0141】
収容部は、例えば、全体が所定部分に位置するものとすることができる他、収容部のうち、少なくとも、差入口を通じて所定部分へ差し入れられた対象物品を直接的に受け入れる受入部が所定部分に位置するものとすることもできる。また、例えば、所定部分へ差し入れられた対象物品を収容部へ導入する導入路の導入部が所定部分に位置するものとすることもできる。
【0142】
差入口から収容部までの距離(差入口から収容部に達するまでに収容部を覆う部分等がある場合はその部分を通過する距離を含む)は、例えば、100乃至400mmとすることができる、好ましくは130乃至300mm、より好ましくは150乃至250mmである。
【0143】
(7) 通過路
【0144】
本発明の収容装置は、差入口が前記所定部分よりも上方位置に設けられており、外部から差入口を通じて差し入れられた対象物品が、所定部分(一般的には収容部、他の例としては収容部へ導入する導入路の導入部)に達するまでに通過する部分として、差入口から所定部分の奥側に向かう向きである所定の向きにおいて全体として下降傾斜する通過路を有するものとすることができる。
【0145】
通過路は、所定の向きにおいて全体として下降傾斜するものであり、所定形状及び寸法の対象物品が滑落し得る状態で、その対象物品を上側に支持し得るものとすることができる。通過路は、その一部(例えば、差入口から所定部分の奥側に向かう向きである所定の向きにおける差入口側の部分又はその他の部分)に水平部分等が存在するものであることを必ずしも妨げない。
【0146】
通過路は、前記所定の向きにおいて、例えば、差入口側の一部(例えば水平部)を除く部分又は全部が差入口から所定部分の奥側に向かって下降傾斜するものとすることができる。
【0147】
通過路のうち前記所定の向きの全部又は奥側の部分は、差入口よりも下方に位置する所定部分のうち前記所定の向きにおける差入口側の一部を覆うように位置するものとすることができる。この場合、差入口から手を挿入して所定部分に達するまでの距離が延びることにより、対象物品が差入口を通じて不正に取り出されることがより効果的に防がれ得る。また、通過路の前記所定の向きの奥側に所定部分が位置するものとすることもできる。
【0148】
(8) 選別分離部
【0149】
本発明の収容装置は、通過路に、火が残っているタバコ等の非対象物品を落下分離させるための選別分離部を有するものとすることができる。
【0150】
通過路のうち、前記所定の向きにおける全部又は特定部分(例えば下降傾斜部の一部を含む部分)を選別分離部とすることができる。前記所定の向きに直交する水平方向においては、通過路及び選別分離部を、差入口の両端よりも外方まで有するものであることが好ましい。
【0151】
選別分離部としては、例えば、上方に開口する開口部や間隙等の落下部を好ましくは数箇所以上有し、上側に支持されて通過しようとする物品のうち、対象物品(例えば、所定形状及び寸法の直方体形状の箱、所定縦横寸法以上の封筒や葉書等の大寸法の物品)は上側に支持された状態で最後まで滑落し得、対象物品よりも小さいタバコ等(小寸法の物品)は、前記開口部や間隙等の落下部に落下分離されるものとすることができる。
【0152】
より具体的には、例えば、上面が傾斜した傾斜体上を上方から下方へ通過する物品のうち対象物品を分離するためのものであって、前記傾斜体の上面は、下方に端部を有すると共に少なくとも前記物品の通過方向である主傾斜方向に下降傾斜し、その主傾斜方向に直交する水平方向である横方向の幅が、主傾斜方向における下方に向かうに従い漸次縮小するものであり、横方向における傾斜体の側方に、主傾斜方向における下方に向かうに従い横方向幅が漸次拡大する落下間隙を有し、前記上面上を上方から下方へ通過する物品のうち対象物品よりも小さいタバコ等が、前記落下間隙に落下することにより分離されるものを挙げることができる。
【0153】
他の例としては、前記所定の向きに沿う数本以上の線材が、間隔おき(例えば一定間隔おき)に平行に配置され、それらの線材は、前記所定の向きにおける一部を除いて又は全部が、前記所定の向きにおける所定部分の奥側に向かって下降傾斜するものであって、それらの平行線材上を上方から下方へ通過する物品のうち対象物品よりも小さいタバコ等が、前記線材同士の間隙に落下することにより分離されるものを挙げることができる。
【0154】
更に、選別分離部において分離された非対象物品を受容する非対象物品受容部(例えば落下分離した非対象物品を上方開口部から受容し得る耐熱防炎材料製の箱状体)又は非対象物品受容部へ導入するための受容口部を有するものとすることができる。
【0155】
(9) 遮蔽体
【0156】
(9-1) 本発明の収容装置は、(好ましくは防炎の)硬質材料製の遮蔽体として、原位置に復帰し得るように付勢された状態で、前記原位置よりも奥側に移動可能な遮蔽体であって、差入口側(前側)に有する遮蔽面が、選別分離部の上側(例えば上面)よりも奥側に位置するものを有するものとすることができる。
【0157】
硬質材料の例としては、溶融亜鉛メッキ鋼板を挙げることができるが、これに限るものではない。
【0158】
遮蔽体を原位置に復帰し得るように付勢する手段としては、回動支持された遮蔽体の奥側に設けた錘部や遮蔽体の奥側に重心位置が設けられた遮蔽体の形状、弾性体による付勢等を挙げることができるが、これらに限られるものではない。
【0159】
(9-2) 選別分離部上を上方から下方へ通過し、原位置に静止した遮蔽体の遮蔽面に衝突した物品が、所定重量より軽い場合には、その遮蔽体は実質上静止状態を維持して当該物品である非対象物品は選別分離部の上方に開口する間隙等を落下して非対象物品受容部に受容されるものとすることができる。前記衝突した物品が所定重量より重い場合には、その遮蔽体は奥側に移動して当該物品である対象物品が選別分離部よりも奥側に達し得る。
【0160】
(9-3) 原位置に位置する遮蔽体の遮蔽面は、前記選別分離部の上側の下端(物品が上方から下方へ通過し得る上側の下端)との間に所定間隔を挟んだ状態をなすものとすることができる。その場合、選別分離部上を上方から下方へ通過し、原位置に静止した遮蔽体の遮蔽面に衝突した物品が、所定重量より軽いシート状物品である場合に、そのシート状物品が前記所定間隔を通過して選別分離部よりも奥側に達し得るものとすることができる。
【0161】
(9-4) 本発明の収容装置においては、数個以上の遮蔽体が、互いに独立的に原位置に復帰し得るように付勢された状態で前記原位置よりも奥側に移動可能なように、前記所定の向きに対し交差する方向(好ましくはほぼ直交する方向)において
(好ましくは選別分離部の両端部若しくは両端部の外方部にわたり、又は、物品の通過経路を限定するために選別分離部を含む部分における前記所定の向きに対し交差もしくは直交する方向の両側に設けられた両側板部の間の全部若しくは一定部分にわたり)、
隣接並列している(好ましくは密に隣接又は小間隙例えばタバコ等が通過し得ない間隙を介して隣接)ものとすることができる。
【0162】
遮蔽体が一つ又は一体的に移動するものの場合に、手を挿入して遮蔽体を奥側へ移動させ、収容部内の対象物品又は収容部上に溢れた状態の対象物品を取り出すことができるような場合であっても、前記所定の向きに対し交差する方向において数個以上の遮蔽体が隣接並列したものとすることにより、手を挿入しても奥側へ移動させることができない遮蔽体が原位置又はその付近を維持するので、不正取り出しを行なおうとする対象物品が差入口に向かって移動することが原位置又はその付近を維持する遮蔽体により妨げられて取り出しが防がれ得る。
【0163】
差入口がほぼ横長方形状をなし、差入口を通じて所定部分に差し入れられた対象物の高さが差入口の厚さよりもやや小さい程度であって片手で把持し得、対象物の幅及び高さが、差入口の厚さよりも大きく且つ片手で把持し得ない寸法である場合、そのような対象物を通路口部及び差入通路を経た片手で対象物を高さ方向に把持して差入口を通過させることにより不正に取り出すことは非常に困難である。前記のような数個以上の遮蔽体が存在する場合は更に困難となる。
【0164】
(10) 取り出し部
【0165】
本発明の収容装置は、収容部に収容された対象物品を取り出すための、又は、(対象物品を収容した状態又は収容していない状態で)収容部自体を取り出すための取り出し部を有するものとすることができる。
【0166】
取り出し部は、例えば(片開き若しくは両開きの)開き戸状又は引き戸状等の開閉部により開閉可能で、開閉部を開いた状態において取り出しが可能なものとすることができるが、取り出し部の構造等はこれらに限るものではない。
【0167】
取り出し部は、例えば、差入口が設けられた部分若しくは部材以外の部分に有するもの、又は差入口が設けられた部分若しくは部材に有するものとすることができる。
【0168】
取り出し部は、例えば、外部から(収容部に収容された対象物品又は収容部自体を)取り出すためのもの、又は、外部から区画された建造物等の内部において(収容部に収容された対象物品又は収容部自体を)取り出すためのものとすることができる。外部から区画された建造物等の内部において(収容部に収容された対象物品又は収容部自体を)取り出すためのものである場合、開閉部により開閉可能で、開閉部を開いた状態において取り出しが可能なものに限らず、開閉部を有せず常時取り出し可能なものとすることもできる。
【0169】
取り出し部の取り出し対象は、収容部及び対象物品に限らず、非対象物品受容部及び非対象物品受容部内の非対象物品等を含むものとすることができる。
【符号の説明】
【0170】
A 箱状体
Ab 天板
Ac 庇状部
Ad 開閉部
B2 対象物品
C1 第1収容部
C2 第2収容部
D1 第1差入口蓋
D2 第2差入口蓋
E1 第1枠支持部
E2 第2枠支持部
F1 第1枠状部
F1a 上側部
F1b 下側上端部
F1c 下側下方部
F1d 側面部
F2 第2枠状部
F2a 上側部
F2b 下側上端部
F2c 下側下方部
F2d 側面部
F2e 下側下端部
G1 第1袋状体
G2 第2袋状体
H 仕切板部
J 側板部
K 通路形成カバー部
Ka 上カバー板部
Kb 正面カバー板部
Kc 側カバー板部
L 差入通路
La 通路口部
M1 第1差入口
M2 第2差入口
P1 第1通過路
P1a 端部近傍部
P2 第2通過路
P2a 端部近傍部
P2b 奥側下降傾斜板部
R1 第1枠状体
R2 第2枠状体
Ra ヒンジ部
S 選別分離部
T1 ストッパ
T2 ストッパ
U 遮蔽板取付部
V 受容箱
Va 傾斜板
Vf 下縁部
Vg 落下間隙
Vp 開口部
Vs 側板
W1 重り体
W2 重り体
Y1 遮蔽板
Y2 遮蔽板
Y2f 遮蔽面
d 所定間隔