(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053849
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】補助スコープ及び時刻記録システム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/015 20060101AFI20230406BHJP
G07C 1/00 20060101ALI20230406BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20230406BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20230406BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20230406BHJP
【FI】
G06K7/015
G07C1/00 G
G07C1/00 C
G06K7/14 017
G06K7/10 372
G06K7/10 436
G03B17/56 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163170
(22)【出願日】2021-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】521432270
【氏名又は名称】株式会社KURANDO
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】岡澤 一弘
【テーマコード(参考)】
2H105
3E138
【Fターム(参考)】
2H105CC04
2H105CC05
3E138AA01
3E138BA02
3E138BB07
(57)【要約】
【課題】識別情報が記録された識別画像の読取り精度向上に寄与することのできる、補助スコープ及びその補助スコープを用いる時刻記録システムを提供すること。
【解決手段】カメラ2cを有するタブレット端末2に装着して用いる補助スコープ4であって、ホルダー部4aとアーム部4bとフレーム部4cとを有し、ホルダー部4aは、タブレット端末2に装着するための部分であり、アーム部4bは、フレーム部4cをカメラ2cの視野内においてカメラ2cから所定距離離れた状態に配置するための部分であり、フレーム部4cは、バーコード7をカメラ2cで撮像可能な位置に保持するために中空の枠部4eを有する部分であり、バーコード7は、枠部4eにかざしたときにカメラ2cによって情報を読み取ることが可能な識別情報5が画像として表示されたものである。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部を有する情報端末に装着して用いる補助スコープであって、ホルダー部とアーム部とフレーム部とを有し、
前記ホルダー部は、前記情報端末に装着するための部分であり、
前記アーム部は、前記フレーム部を前記撮像部の視野内において前記撮像部から所定距離離れた状態に配置するための部分であり、
前記フレーム部は、識別画像を前記撮像部で撮像可能な位置に保持するために中空の枠部を有する部分であり、
前記識別画像は、当該識別画像を前記枠部にかざしたときに前記撮像部によって情報を読み取ることが可能な識別情報が画像として表示されたものである、補助スコープ。
【請求項2】
前記アーム部が、前記フレーム部と前記撮像部との間の距離を調整可能な伸縮部を有する、請求項1に記載の補助スコープ。
【請求項3】
前記ホルダー部が、前記情報端末の周縁を把持する把持部又は前記情報端末の周縁に係合する係合部を有する、請求項1又は請求項2に記載の補助スコープ。
【請求項4】
前記アーム部が、折畳み部を有する、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の補助スコープ。
【請求項5】
前記情報端末が、前記撮像部の撮像方向に略直交する面内において延びる表示画面を有しており、
前記ホルダー部が前記情報端末に装着された状態において、
前記情報端末の前記表示画面と略平行する面内において前記枠部が呈する面が延びるように配置され、かつ、
前記撮像部の視野の中心近傍に前記枠部の中心が位置するように配置される、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の補助スコープ。
【請求項6】
前記情報端末と、請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の補助スコープとを用いる時刻記録システムであって、
前記情報端末は、演算処理部と、前記撮像部と、計時部と、記録部とを有し、
前記撮像部は、前記枠部にかざした前記識別画像を撮像して当該識別画像に対応する識別情報を読み取り、
前記計時部は、前記識別情報を読み取った時刻を計時し、
前記演算処理部は、前記情報端末に前記補助スコープが装着されていることが検出された場合に前記識別情報と前記時刻とを関連付けて前記記録部へ記録を行い、前記情報端末に前記補助スコープが装着されていることが検出されない場合に前記記録部への記録を行わない、時刻記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助スコープ及び時刻記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従業員や労働者の出退勤の記録がパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)やタブレット端末等の情報端末を用いて行われている。これによれば、従業員等を識別するための識別情報が記録された社員証等のカードを当該従業員等が情報端末の読取り部にかざすだけで、その識別情報と出勤時刻や退勤時刻(すなわち、識別情報が読み取られた時刻)とが相互に紐付けられて情報端末内に記録される。
【0003】
このような情報端末を用いて出退勤を記録するシステムとして、例えば特許文献1に記載のものがある。この特許文献1には、作業者の携帯電話機に作業者IDを基に生成されたQRコード(登録商標)画像のデータを送信しておき、読み取り装置が、作業者の携帯電話機の表示画面に表示されたQRコードを読み取り、管理PCが、読み取ったQRコードから勤怠関連の情報及び読み取り時刻を取得して勤怠管理サーバに送信し、勤怠管理サーバが、作業者ID及び勤務形態の情報毎に読み取り時刻を記憶する勤怠管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示のものは、読取り装置でQRコードを読み取る際に、両者の位置関係や距離が規定されていない。QRコードは画像情報であるため、その読取りは光学センサやカメラ等の光学的な読み取り方式によって行われることとなる。そのため、QRコードの正確な読取りのためには、QRコードと読取り装置との位置関係や距離が適正な範囲に維持される必要がある。しかし、特許文献1の勤怠管理システムでは、両者の位置関係や距離が規定されていないため、QRコードの読取り不良が生じる虞があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、識別情報が記録された識別画像の読取り精度向上に寄与することのできる、補助スコープ及びその補助スコープを用いる時刻記録システムを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての補助スコープは、以下の構成を有する。
【0008】
撮像部を有する情報端末に装着して用いる補助スコープであって、ホルダー部とアーム部とフレーム部とを有し、
前記ホルダー部は、前記情報端末に装着するための部分であり、
前記アーム部は、前記フレーム部を前記撮像部の視野内において前記撮像部から所定距離離れた状態に配置するための部分であり、
前記フレーム部は、識別画像を前記撮像部で撮像可能な位置に保持するために中空の枠部を有する部分であり、
前記識別画像は、当該識別画像を前記枠部にかざしたときに前記撮像部によって情報を読み取ることが可能な識別情報が画像として表示されたものである、補助スコープ。
【0009】
また、本発明の他の例示的側面としての時刻記録システムは、以下の構成を有する。
【0010】
前記情報端末と、前記補助スコープとを用いる時刻記録システムであって、
前記情報端末は、演算処理部と、撮像部と、計時部と、記録部とを有し、
前記撮像部は、前記枠部にかざした前記識別画像を撮像して当該識別画像に対応する識別情報を読み取り、
前記計時部は、前記識別情報を読み取った時刻を計時し、
前記演算処理部は、前記情報端末に前記補助スコープが装着されていることが検出された場合に前記識別情報と前記時刻とを関連付けて前記記録部へ記録を行い、前記情報端末に前記補助スコープが装着されていることが検出されない場合に前記記録を行わない、時刻記録システム。
【0011】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、識別情報が記録された識別画像の読取り精度向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1に係る打刻システムの全体構成図である。
【
図2】
図1に示すタブレット端末の概略構成図である。
【
図3】
図2に示す出退勤データベースのデータ構造図である。
【
図4】実施形態1に係る補助スコープ及びカードの外観図である。
【
図5】実施形態2に係る補助スコープのアーム部の部分拡大図である。
【
図6】実施形態3に係る補助スコープを側方から見た概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態1について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る打刻システム(時刻記録システム)Sの全体構成図である。打刻システムSは、タブレット端末(情報端末)2及び補助スコープ4を有して大略構成される。
【0015】
<タブレット端末2>
タブレット端末2は、スマートフォンと同様のいわゆる携帯情報端末と呼ばれるものの一種である。
図2にその概略構成を示すように、タブレット端末2は、CPU(演算処理部)2a、メモリ(記録部)2b、カメラ(撮像部)2c、タッチパネル(表示部及び入力部)2d、タイマー(計時部)2eを有する。メモリ2b、カメラ2c、タッチパネル2dは、
図2に示すように、各々がCPU2aと接続されている。タブレット端末2は、一般に大略長方形状の平板形状を呈しておりその表面側にタッチパネル2d及びカメラ2cが配置されている。
【0016】
CPU2aは、タッチパネルからの入力信号や接続された外部機器(不図示)からの入力信号に基づいて各種演算処理を実行する。CPU2aによる演算処理は、メモリ2b内に格納された各種プログラムの機能により実現される。
【0017】
メモリ2bは、プログラムやデータを記録する記録部であり、本実施形態1のタブレット端末2では、打刻プログラム(時刻記録プログラム)Pが格納されている。また、打刻プログラムPによって生成される従業員等の識別情報5(
図3参照)とその従業員の出勤時刻6aや退勤時刻6b等の時刻情報6とが相互に関連付けられて出退勤データベースDとして格納される。ここで従業員等とは、必ずしも企業に勤務する従業員に限定する趣旨でなく、労働者、学生、担当者、プロジェクトメンバー等、種々の属性に応じた個人を意味する。
【0018】
カメラ2cは、画像を撮像するための撮像部であって、例えば、タブレット端末2の周縁近傍であってタッチパネル2dの枠外部に配置されている。本実施形態1では、カメラ2cは、タブレット端末2の本体と一体とされており、その撮像方向がタブレット端末2の表面と直交する方向であって、タブレット端末2の表面側に向くように配置されている。
【0019】
カメラ2cで撮像された画像の情報は、カメラ2cと接続されたCPU2aへと送信され、CPU2aによって画像処理が実行される。本実施形態1の打刻プログラムPによって、識別画像としてのバーコード7(
図4参照)が撮像されると、そのバーコード7内に記録された識別情報5がCPU2aによって読み取られ、時刻情報6と関連付けられて出退勤データベースD内に格納されるようになっている。
【0020】
なお、バーコード7は、従業員等ごとに割り当てられた識別情報5が画像として表示されたものである。バーコード7は、例えば従業員等が所持管理する社員証や会員証等のカード8の表面に画像形成されている。カード8の材質は、紙、樹脂、金属のいずれでもよく、それらの表面に印刷、刻印、表面処理等の方式でバーコード7が画像形成される。
【0021】
バーコードの一例としてQRコード(登録商標)のような2次元バーコードが適用可能であるがこれに限られず、1次元バーコードも適用可能である。識別画像は、必ずしもバーコードである必要がなく、数字列、文字列、顔写真、キャラクター図形等を識別画像として利用することも可能である。
【0022】
タッチパネル2dは、タブレット端末2の表面側に配置された表示画面であり、多くは液晶や有稀EL等で構成され、CPU2aによる演算処理の進捗状況や演算処理結果を表示する機能を有する。また、タッチパネル2dは、情報入力部としても機能し、そのパネル面に指先等で触れることで、文字入力、アイコン選択等の情報入力が可能とされている。
【0023】
タイマー2eは、タブレット端末2が内部に有する時計であり、時間を計測したり現在時刻を出力したりする機能を有する。タイマー2eからCPU2aに向けて現在時刻が送信可能とされている。
【0024】
図3は、メモリ2b内に格納された出退勤データベースDのデータ構造を示すデータ構造図である。出退勤データベースD内には、識別情報5と時刻情報6としての出勤時刻6a、退勤時刻6bとが関連付けられて格納されている。識別情報5は、従業員等ごとのバーコード7から読み取られたもので、従業員等ごとに異なる識別情報5が割り当てられている。時刻情報6はタイマー2eによって計時されてCPU2aへ送信された情報である。
【0025】
打刻プログラムPの機能に基づいて、出退勤データベースDが構築されることにより、従業員等ごとの出勤時刻6a、退勤時刻6bを管理することができる。出勤時刻6aと退勤時刻6bとの時間差分に基づき、当該従業員等の勤務時間を算出することもできる。図示も詳細な説明も省略するが、もちろん、出勤時刻6a、退勤時刻6bだけでなく、種々の時刻を記録することにより、休憩時間、一時外出時間、業務ごとに従事した時間等の情報を管理することもできる。
【0026】
<補助スコープ4>
図4は、本実施形態1に係る補助スコープ及びこの打刻システムSで用いられるカード8の外観図である。補助スコープ4は、タブレット端末2に装着して用いるためのもので、ホルダー部4aとアーム部4bとフレーム部4cとを有する。
【0027】
ホルダー部4aは、タブレット端末2に装着するための部分であり、例えば、図に示すように、タブレット端末2の厚さに対応するサイズの凹部を有する略コの字状断面を呈して、そのままタブレット端末2の周縁2fに差込み可能となっていてもよい。このように構成することで、ホルダー部4aは、タブレット端末2の周縁2fに差し込むだけで周縁2fと係合するので、ホルダー部4aは、周縁2fへの係合部として機能することとなる。
【0028】
ホルダー部4aの一部にカメラ2cの視野を確保するための透光部4dが形成されていてもよい。透光部4dは貫通穴として形成されてもよいし、
図4に示すように、切欠部として形成されてもよいし、カメラ2cの視野を確保するように一部が透光部材(例えば、透光性のある樹脂等)により形成されていてもよい。これにより、ホルダー部4aが大型であっても、カメラ2cの視野を遮ることなくホルダー部4aの周縁2fへの装着が可能となる。
【0029】
また、ホルダー部4aは、タブレット端末2の周縁2fを把持する把持部として機能するように構成されてもよい。ホルダー部4aがバネ等の弾性部材を有してクリップのように周縁2fを挟持及び開放可能であるように構成されれば、周縁2fへの補助スコープ4の装着がより強固となる。
【0030】
アーム部4bは、後述するフレーム部4cをカメラ2cの視野内においてカメラ2cから所定距離離れた状態に配置するための部分である。フレーム部4cの枠部4eにかざした識別画像がカメラ2cにより鮮明に撮像できるように、アーム部4bは、ホルダー部4aとフレーム部4cとを接続しつつ、フレーム部4cがカメラ2cから所定距離離れるように維持する。そのため、補助スコープ4の周縁2fへの装着状態において、アーム部4bは、タブレット端末2の表面から略垂直に立設されることとなる。なお、この「所定距離」は、実質的に「アーム部4bの長さ」と呼び替えても略問題がない。
【0031】
所定距離、すなわち、補助スコープ4の装着状態でのカメラ2cとフレーム部4cとの離間距離がどの程度であれば適切であるかについては、カメラ2cの焦点距離やカメラ2cの撮像方向、視野角等に依存する。例えば、一般的なタブレット端末2に用いる補助スコープ4において、所定距離は5cm程度~20cm程度の範囲内に設定されることが多い。
【0032】
フレーム部4cは、バーコード7をカメラ2cで撮像可能な位置に保持するための部分である。フレーム部4cは、図に示すように、大略四角形状の平板部として構成され、その中央は中空部4fとされており、中空部4fを囲むように枠部4eが設置されている。枠部eが呈する面(平板面)は、タッチパネル2dと略平行する面内に延びるように配置されている。すなわち、フレーム部4cは、アーム部4bが延びる方向に対して、略直角に屈曲して設けられている。枠部4eに従業員等が自身の管理するカード8をかざし、カード8の表面に印刷されたバーコード7が中空部4fから露出するように位置すれば、カメラ2cでバーコード7が撮像できるような位置関係となっている。
【0033】
すなわち、補助スコープ4をタブレット端末2の周縁2fに装着すると、枠部4eがカメラ2cの視野内に含まれ、かつ枠部4eの中心がカメラ2cの視野の中心近傍に位置するようになっている。その結果、中空部4fの中心もカメラ2cの視野の中心近傍に位置することとなる。アーム部4bにより、フレーム部4cがカメラ2cから所定距離、すなわち、バーコード7が鮮明に撮像できる範囲の距離に配置されるので、枠部4eにかざしたバーコード7内から、高い認識率で識別情報5を読み取ることができる。
【0034】
<打刻プログラムP>
次に、この打刻システムSの動作について説明する。打刻システムSの動作は、打刻プログラムPによって実現される。したがって、打刻プログラムPによる打刻(時刻記録)の手順について説明する。
【0035】
上述したように、打刻プログラムPはメモリ2b内に格納されている。タブレット端末2のスイッチをオンにすると、そのタッチパネル2dに打刻プログラムPの起動開始に対応するアイコンが表示される。そのアイコンをタッチ(クリック)することで、打刻プログラムPが起動する。打刻プログラムPが起動すると、CPU2aは、識別情報5の読取りを待機する状態となる(読取待機工程)。タブレット端末2の使用者が、周縁2fに補助スコープ4を装着すると、バーコード7の撮像準備が完了する。
【0036】
ここで、打刻プログラムPの機能に基づいて、補助スコープ4の装着が検知されるようになっていてもよい。すなわち、打刻プログラムPの起動だけでは読取待機工程とならず、それに加えて補助スコープ4の装着が検知された後に読取待機工程となるように構成されていてもよい。または、打刻プログラムPの起動によって読取待機工程となった場合でも、補助スコープ4の装着が検知されなければ、バーコード7からの識別情報5の読取り(後述の読取工程。)が実行されないように構成されていてもよい。これにより、補助スコープ4の非装着時にカメラ2cの視野内にバーコード7が存在しても、バーコード7からの識別情報5の読取りを開始しないようにすることができる。補助スコープ4が装着されていない状態、すなわちバーコード7からの識別情報5の認識率が低い状態での読取りを回避することができるので、識別情報5の誤認識を低減することができる。
【0037】
補助スコープ4のタブレット端末2への装着の検知は、種々の方策により実現することができる。例えば、タブレット端末2の周縁2fに補助スコープ4の装着の有無を検知するセンサを配置する方策であってもよい。また、補助スコープ4の枠部4eに検知マーク4gが配置されており、カメラ2cによって視野内に(又は視野内における特定の視野範囲内に)その検知マーク4gの存在が検知されると補助スコープ4が装着されたと認識する方策であってもよい。また、枠部4eの形状そのものをカメラ2c及びCPU2aによって画像認識し、カメラ2cの視野内に(又は視野内における特定の視野範囲内に)枠部4eの存在が検知されると補助スコープ4が装着されたと認識する方策であってもよい。
【0038】
補助スコープ4の枠部4eにカード8がかざされ、その中空部4fにバーコード7が位置するとカメラ2cによってバーコード7が撮像される(撮像工程)。撮像されたバーコード7の情報はCPU2aへと送信され、CPU2aの演算処理により、バーコード7内の識別情報5が読み取られる(読取工程)。
【0039】
なお、CPU2aによる識別情報5の読取りのタイミングで、CPU2aはタイマー2eから現在時刻の時刻情報6を取得する(計時工程)。CPU2aは、識別情報5と時刻情報6とを関連付けて、出退勤データベースD内へと格納する(格納工程)。ここで、予め、打刻プログラムPにおいて自動的に又は使用者による設定に基づいて、「出勤時刻」が選択されていれば、出退勤データベースDには、時刻情報6が出勤時刻6aとして格納される。打刻プログラムPにおいて自動的に又は使用者による設定に基づいて、「退勤時刻」が選択されていれば、出退勤データベースDには、時刻情報6が退勤時刻6bとして格納される。
【0040】
[実施形態2]
図5は、本発明の実施形態2に係る補助スコープ4のアーム部4bの部分拡大図である。実施形態2の補助スコープ4は、フレーム部4cとカメラ2cとの間の距離を調整可能な伸縮部9を有して構成される。実施形態2の補助スコープ4において、以下に説明する部分以外の構成及び機能は実施形態1の補助スコープ4と同様であるので、同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
実施形態2において、補助スコープ4のアーム部4bは、ホルダー部4a側から延びる第1アーム部材9aとフレーム部4c側から延びる第2アーム部材9bとを有して構成される。第1アーム部材9aと第2アーム部材9bとが相互に図中矢印X方向にスライドすることにより伸縮部9が構成される。
【0042】
この伸縮部9により、カメラ2cとフレーム部4cとの間の距離の調整が可能となる。例えば、タブレット端末2の機種によって、カメラ2cの焦点距離が異なり、鮮明な撮像に最適なカメラ2cからの所定距離が異なる場合がある。アーム部4bが伸縮部9を有することで、焦点距離の異なる複数種類のカメラ2cに幅広く対応することができ、カメラ2cの焦点距離によらず鮮明なバーコード7の撮像が可能となる。
【0043】
なお、伸縮部の構成は
図5において図示したものに限られない。例えば、第1アーム部材9aと第2アーム部材9bとに、カメラ2cとフレーム部4cとの所定距離を複数段階で実現する係合部が設けられ、かつ、第1アーム部材9aと第2アーム部材9bとの間に所定距離を延長する方向に双方のアーム部材9a、9bを付勢するバネが配置されてもよい。また、アーム部4bが複数のアーム部材9a、9bで構成されるのでなく、長さ調整可能な蛇腹状の部材で構成されることにより、伸縮部9が実現されてもよい。
【0044】
[実施形態3]
図6は、本発明の実施形態2に係る補助スコープ4を側方から見た概略構成図である。実施形態3の補助スコープ4は、ホルダー部4a、アーム部4b、フレーム部4cが折り畳み可能な折り畳み部10を有して構成される。実施形態3の補助スコープ4において、以下に説明する部分以外の構成及び機能は実施形態1の補助スコープ4と同様であるので、同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
実施形態3の補助スコープ4は、アーム部4bとホルダー部4aとの間に折り畳み部10を有する。この折り畳み部10は、アーム部4bに対してホルダー部4aを
図6中矢印Y方向に回転可能に連結する回転軸構造である。アーム部4bに対してホルダー部4aを矢印Y方向に回転して折り畳むことにより、補助スコープ4はコンパクトになり、可搬性が向上する。また、折り畳み部10は、ロック機構(不図示)を有しており、アーム部4bに対してホルダー部4aを-Y方向に回転させて起立させた状態で、両者をロックすることができるようになっていてもよい。補助スコープ4の使用中に不意にアーム部4bとホルダー部4aとが折り畳まれてしまうことが防止できる。
【0046】
同様に、実施形態3の補助スコープ4は、アーム部4bとフレーム部4cとの間に折り畳み部10を有する。この折り畳み部10は、アーム部4bに対してフレーム部4cを
図6中矢印Z方向に回転可能に連結する回転軸構造である。アーム部4bに対してフレーム部4cを矢印Z方向に回転して折り畳むことにより、補助スコープ4はコンパクトになり、持ち運びが便利となる。また、折り畳み部10は、ロック機構(不図示)を有しており、アーム部4bに対してフレーム部4cを-Z方向に回転させて起立させた状態で、両者をロックすることができるようになっていてもよい。補助スコープ4の使用中に不意にアーム部4bとフレーム部4cとが折り畳まれてしまうことが防止できる。
【0047】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【0048】
なお、本発明は、以下の趣旨を含む。
【0049】
[趣旨1]
撮像部を有する情報端末に装着して用いる補助スコープであって、ホルダー部とアーム部とフレーム部とを有し、
前記ホルダー部は、前記情報端末に装着するための部分であり、
前記アーム部は、前記フレーム部を前記撮像部の視野内において前記撮像部から所定距離離れた状態に配置するための部分であり、
前記フレーム部は、識別画像を前記撮像部で撮像可能な位置に保持するために中空の枠部を有する部分であり、
前記識別画像は、当該識別画像を前記枠部にかざしたときに前記撮像部によって情報を読み取ることが可能な識別情報が画像として表示されたものである、補助スコープ。
【0050】
[趣旨2]
前記アーム部が、前記フレーム部と前記撮像部との間の距離を調整可能な伸縮部を有してもよい。
【0051】
[趣旨3]
前記ホルダー部が、前記情報端末の周縁を把持する把持部又は前記情報端末の周縁に係合する係合部を有してもよい。
【0052】
[趣旨4]
前記アーム部が、折畳み部を有してもよい。
【0053】
[趣旨5]
前記情報端末が、前記撮像部の撮像方向に略直交する面内において延びる表示画面を有しており、
前記ホルダー部が前記情報端末に装着された状態において、
前記情報端末の前記表示画面と略平行する面内において前記枠部が呈する面が延びるように配置され、かつ、
前記撮像部の視野の中心近傍に前記枠部の中心が位置するように配置されてもよい。
【0054】
[趣旨6]
前記情報端末と、上記の補助スコープとを用いる時刻記録システムであって、
前記情報端末は、演算処理部と、前記撮像部と、計時部と、記録部とを有し、
前記撮像部は、前記枠部にかざした前記識別画像を撮像して当該識別画像に対応する識別情報を読み取り、
前記計時部は、前記識別情報を読み取った時刻を計時し、
前記演算処理部は、前記情報端末に前記補助スコープが装着されていることが検出された場合に前記識別情報と前記時刻とを関連付けて前記記録部へ記録を行い、前記情報端末に前記補助スコープが装着されていることが検出されない場合に前記記録部への記録を行わない、時刻記録システム。
【符号の説明】
【0055】
2:タブレット端末(情報端末) 2a:CPU(演算処理部)
2b:メモリ(記録部) 2c:カメラ(撮像部)
2d:タッチパネル(表示画面) 2e:タイマー(計時部)
2f:周縁 4:補助スコープ
4a:ホルダー部 4b:アーム部
4c:フレーム部 4d:透光部
4e:枠部 4f:中空部
4g:検知マーク 5:識別情報
6:時刻情報 6a:出勤時刻
6b:退勤時刻 7:バーコード(識別画像)
8:カード 9:伸縮部
9a:第1アーム部材 9b:第2アーム部材
10:折り畳み部 D:出退勤データベース
P:打刻プログラム(時刻記録プログラム) S:打刻システム(時刻記録システム)
X、Y、Z:矢印