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▶ 後藤 潤司の特許一覧

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  • 特開-五.十.そろばん 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053854
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】五.十.そろばん
(51)【国際特許分類】
   G06C 1/00 20060101AFI20230406BHJP
   G09B 19/02 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
G06C1/00 H
G09B19/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021176952
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】521472070
【氏名又は名称】後藤 潤司
(72)【発明者】
【氏名】後藤 潤司
(57)【要約】      (修正有)
【課題】児童は、3年生4年生になってもたし算ひき算で指折り計算を使用し、間違えたり遅くなったりして計算に支障をきたす事が多い、それは計算の勉強に入る時たしたり引いたりする数を、前の数からの序数として数え上げる方法を取っているからだ。
【解決手段】序数にたよらずに計算が出来る様になる「そろばん」であって、数を直接加えたり引いたりするのではなく2つの数を見比べる事によって、新しく簡単で確実な計算方法を見い出していこうとして、5玉と1玉5個を一列に並べそれを上下3段にする事で、様々な数のたし算とひき算の方法を目で見て考えられる様にした。またコマを前後に回転する様にして裏と表で色を変えて、たし算では同じ色、ひき算では違う色を使って区別出来る様にした。くり下がりに使う補数も色を変える事で気付きやすくなる、また1玉を左右に移動させる事で数を分解出来る様にした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体の中に昔の五玉そろばんを横にした様に円板状の5玉1つを独立させ、同じ大きさと形の1玉を5個を横棒で左右からつらぬき並べ前後回転、左右の移動が出来る様にする。裏表を色違いにして軸と穴の間には任意の位置で停められる様に緩衝材を入れる。大型にした時には軸は角の取れた角材、穴は正方形にする。
こうした条件を満たす計算を補助する道具としてのそろばん
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は児童がたし算を学習する際に用いるそろばんである。
【背景技術】
【0002】
これを習得する為の道具には従来からおはじき、ブロック、コマを使ったそろばん等がある。
【発明の概用】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
児童は、たし算ひき算を行う場合、そのままたしたりするから指折り計算から始まる。これは数を序数としてしか捉えられないからであり、十以上の数を扱うと計算に手間取るし、誤りも多い。
今までの「そろばん」や「ブロック」等を使った方法は、こうした序数計算を増長するだけだ。序数に頼らない計算方法はないだろうか。
また、くり上がりくり下がり計算に、せっかく「さくらんぼ計算」を導入しても何故たし算でひき算を、ひき算でたし算を使うのかが理解出来ずに、混乱してしまっている。以上の事を、以前の道具を使って児童 に理解してもらえるのは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
コマやブロックを使って直接数を加えたり、引いたりする序数的計算の説明からの脱却の為に、児童が2つの数を比較して計算方法を考えられる様に、この2つの数を表すコマを同じ面に並べられる様なそろばんを考えた。
その為に、昔使われていた「五玉そろばん」にヒントを得て独立した五玉と1玉5つの組を3組、横に3列に並べてコマは円板上にし、裏表を色分けにする。また、横軸の回りを前後に回転、左右にも動ける様にした。
それにより色の違っている表裏、水平の3種、又位置の変化で数に意味を与えられる様にした。
【0005】
上,中,下,の3段にしたのは、上中2段と下1段を分けて使う事でくり下りの「さくらんぼ計算」に対応出来る様にしたからである。
【0006】
5玉を独立させたのは5以上の数を5との和として分解して補えられる事で、5以上の数のたし算とひき算が楽になる方法を、児童に考えてもらえるからである。
【0007】
10の補数や数字の5との組合せが視覚的にはっきりと見えるので、このそろばんを見ただけで計算の仕方が理解出来るようになる。序数に基ずいた指折り計算をしなくても、計算が容易になる。
【0008】
たし算、ひき算では、5+α、5+βの考えに気付かせればαとβどうしの計算で済んでしまう、という事に気付かせる事ができる。
【0009】
またひき算のくり下がりでの「さくらんぼ計算」における欠点である「ひき算なのにたし算」「何故ひかれる数を分けるのか」といった疑問や混乱を、目で見る数字によって、解決する事が出来る。
【0010】
「減加法」や「減々法」の理解も容易になる、頭の中や指で計算するのではなく式を紙面上で分解して考える様になり、後の2ケタのたし算ひき算や結合法則への理解への流れを作る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】 本発明の正面図
図2】 本発明で使用するコマの正面図と側面図の拡大図
【0012】
以下、本発明の形状を説明する。
(イ)5を表すコマを1個そろばんの左側に独立させ、内枠で区切り、その右に1を表すコマ5個を横に一列に並べる。その円板上の横の中心を同一の軸で貫いて、この6個の組を上.中.下の3段にする。
(ロ)外枠、内枠は上下がコマに触れない位の幅、5玉の左右も少し余裕がある位、1玉の左右はコマが全部で6個入るより少し長めにとる。
(ハ)コマは平らな円板上にし、その裏表は色違いにする。軸の断面は円形でコマの内部の穴はそれより少し大きめの円形で、互いにある程度の摩擦があって、コマが認意の一に止まり停まる様な素材をはさむ
(ニ)五玉は、貨幣の五円玉、五十円玉を連想させる様に中心に穴が空いている様に色分けをする。
図3】 本発明を大型化した時のコマの穴の図
【0013】
教壇で使われている様な大きなものは、軸は角の取れた角棒を用い、コマの内部の穴は、軸の対角線の長さより長い1辺で出来た正方形状の穴にする。コマを水平、垂直で一時停止させる必要があります。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施形態を図4から図9に示す。
【0015】
このそろばんは計算機ではなく、計算を手助けする補助道具です。基本はコマを置くだけで普通のそろばんの様に加えたり引いたりはしません。
【0016】
たし算
1)5以上+5以下≦10
例)6+3
図4の様に上段に5玉と1玉で6を作ります。
中段に1玉を右に1個ずらして3を作ります。使用しない他のコマは全部水平にして目立たなくします。
1玉の1と3で4になり、それと5玉で9になります。
2)5以上+5以上≧10
例)7+8
図5)上段に5玉と1玉で7を作ります。
中段に同じ様に5玉と1玉で8を作ります。
1玉と5玉の間に隙を作れば(5+α)+(5+β)となり
10+(α+β)の形になる。
図6)サクランボ計算を示すには上段の1玉の残り3枚を全部反対の色にします。上段の3枚の色を変えるには中段の3枚が必要となるので15になります。
【0017】
ひき算
1)5以上―5以下
例)7-4
図7の様に上段と中段に五玉を除いた1玉だけで7を表す。引き算なので下段に裏にしたコマで4を表す。5の補数を意識したいので上段の5と下段の4で互に消し合って3を示す。
2)5以上―5以上
例)9-7
図8の様に上段で9を色違いな中段で5を作り、5玉と1玉の間に1個分隙を作れば(5+α)―(5+β)となりα―βが答えとなる。
3)くり下がりのある引き算
「減々法」は後の2ケタ計算のくり下がりを考えると使用頻度が少なくなるので「減加法」のサクランボ計算を取り上げる。
例)13-6
図9の様に上段に10、中段に3を置く、下段に色違いで6を置く。
上段下段を互いに消し合うと上段に4が残り中段の3と合わせて7が示される。
【符号の説明】
1‥‥枠体、2‥‥5玉、3‥‥1玉、4‥‥軸、5‥‥緩衝材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-12-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
図1】本発明の正面図
図2】本発明で使用するコマの正面図と側面図の拡大図
図3】本発明を拡大化した時のコマの穴の図
図4】たし算の例として6+3の形の図
図5】たし算の例として7+8の形の図
図6】7+8の計算でサクランボ計算の形の図
図7】ひき算の例として7-4の形の図
図8】ひき算の例として9-7の形の図
図9】くり下りのある引き算の例として13-6の形の図
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
以下、本発明の形状を説明する。
(イ)5を表すコマを1個そろばんの左側に独立させ、内枠で区切り、その右に1を表すコマ5個を横に一列に並べる。その円板上の横の中心を同一の軸で貫いて、この6個の組を上、中、下の3段にする。
(ロ)外枠、内枠は上下がコマに触れない位の幅、5玉の左右も少し余裕がある位、1玉の左右はコマが全部で6個入るより少し長めにとる。
(ハ)コマは平らな円板状にし、その裏表は色違いにする。軸の断面は円形で、互いにある程度の摩擦があって、コマが認意の位置に止まり停まる様な素材をはさむ。
(ニ)五玉は、貨幣の五円玉、五十円玉を連想させる様に中心に穴が空いている様に色分けする。