IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ZMPの特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置 図1
  • 特開-情報処理装置 図2
  • 特開-情報処理装置 図3
  • 特開-情報処理装置 図4
  • 特開-情報処理装置 図5
  • 特開-情報処理装置 図6
  • 特開-情報処理装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053864
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20230406BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20230406BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20230406BHJP
   G06Q 10/0875 20230101ALI20230406BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
H05K13/02 Z
B65G1/00 501C
G06Q10/08 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189256
(22)【出願日】2021-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2021163098
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501055145
【氏名又は名称】株式会社ZMP
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】谷口 恵恒
【テーマコード(参考)】
3F022
5E353
5L049
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022DD01
3F022LL02
3F022LL05
3F022MM11
3F022MM22
5E353AA01
5E353CC01
5E353CC03
5E353CC22
5E353CC25
5E353DD02
5E353EE03
5E353EE23
5E353EE36
5E353EE37
5E353HH01
5E353HH11
5E353LL04
5E353NN18
5E353QQ23
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】チップマウンタへの部品供給における労働負荷を軽減する。
【解決手段】情報処理装置は、電子部品をプリント基板に配置するチップマウンタから、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を受け付ける部品情報受付手段と、前記電子部品または前記プリント基板の保管エリアに関する情報を記憶する記憶手段と、前記部品情報および前記保管エリアに関する情報に基づいて、前記部品情報の対象部品を前記保管エリアから前記チップマウンタに運ぶよう自動搬送装置に指示する移動指示手段と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品をプリント基板に配置するチップマウンタから、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を受け付ける部品情報受付手段と、
前記電子部品または前記プリント基板の保管エリアに関する情報を記憶する記憶手段と、
前記部品情報および前記保管エリアに関する情報に基づいて、前記部品情報の対象部品を前記保管エリアから前記チップマウンタに運ぶよう自動搬送装置に指示する移動指示手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記移動指示手段は、
前記自動搬送装置に対して、前記保管エリアに移動するよう指示し、
前記保管エリアにおいて、前記自動搬送装置が新たな前記電子部品または前記プリント基板を搭載した場合に、前記チップマウンタに移動するよう、前記自動搬送装置に対して指示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記部品情報受付手段は、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を、前記チップマウンタによって前記電子部品が実装された完成基板の数量に基づいて算出す、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記自動搬送装置が前記電子部品または前記プリント基板を前記チップマウンタに対して搬送した回数をカウントするカウント手段と、
前記回数に応じて、前記自動搬送装置を利用するユーザに対する課金額を算出する算出手段と、をさらに有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の部品補給システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
保持台と、前記保持台を移動させるための複数の車輪と、を備える自動搬送装置と、を有する部品供給システムであって、
前記情報処理装置は、前記部品情報を前記自動搬送装置に送信する送信手段をさらに有し、
前記自動搬送装置は、前記部品情報の対象部品と、搭載された新たな前記電子部品または前記プリント基板とが同一であるか否かを判定する判定手段を有する、
部品補給システム。
【請求項6】
前記自動搬送装置は、新たな前記電子部品または前記プリント基板を、前記チップマウンタに設置する設置手段をさらに有する、
請求項5に記載の部品補給システム。
【請求項7】
前記部品補給システムは、前記電子部品または前記プリント基板を保管し、排出する自動排出装置をさらに備え、
前記送信手段は、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を、前記自動排出装置に送信し、
前記自動排出装置は、送信された前記部品情報に基づいて、前記部品情報に対応する前記電子部品または前記プリント基板を排出する排出手段を有する、
請求項5または6に記載の部品供給システム。
【請求項8】
電子部品をプリント基板に配置するチップマウンタから、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を受け付ける部品情報受付ステップと、
前記部品情報、および記憶手段から取得される前記電子部品または前記プリント基板の保管エリアに関する情報に基づいて、前記部品情報の対象部品を前記保管エリアから前記チップマウンタに運ぶよう指示する移動指示ステップと、
を有する情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
電子部品をプリント基板に配置するチップマウンタから、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を受け付ける部品情報受付ステップと、
前記部品情報、および記憶手段から取得される前記電子部品または前記プリント基板の保管エリアに関する情報に基づいて、前記部品情報の対象部品を前記保管エリアから前記チップマウンタに運ぶよう指示する移動指示ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板に電子部品を搭載(実装)するためのチップマウンタにおいて、部品の供給が必要になった場合、作業者が部品の保管エリアまで直接行き、その保管エリアから該当する部品をチップマウンタまで運ぶということが行われている。そして、作業者は、供給が必要になった部品をチップマウンタに供給する。その際、誤った部品が供給されることを回避する技術として、特許文献1には、定められた部品照合作業が行われないと、部品の供給を行えないようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-43886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、部品の供給が必要になった場合に、作業者が部品の保管エリアまで直接行き、そして、部品を装置まで運ぶことが頻繁に生じると、運搬による労働負荷が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、チップマウンタへの部品供給における労働負荷を軽減することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
電子部品をプリント基板に配置するチップマウンタから、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を受け付ける部品情報受付手段と、
前記電子部品または前記プリント基板の保管エリアに関する情報を記憶する記憶手段と、
前記部品情報および前記保管エリアに関する情報に基づいて、前記部品情報の対象部品を前記保管エリアから前記チップマウンタに運ぶよう自動搬送装置に指示する移動指示手段と、
を有する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、チップマウンタへの部品供給における労働負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】部品補給システムの概要を説明する図である。
図2】部品補給システムの構成の概略を示す図である。
図3】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】部品補給処理の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】自動搬送装置および自動排出装置の一例を示す図である。
図7】自動排出装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
<概要>
以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る部品補給システムの概要を説明するための図である。本実施形態では、チップマウンタCMからの要求に応じて、自動搬送装置2が電子部品やプリント基板を当該チップマウンタCM(または、クリームはんだ印刷機SP)に補給(搬送)する例について説明する。
【0010】
図1の例では、サーバ1は、チップマウンタCMから部品(後述する電子部品またはプリント基板等)の供給依頼を受け付けると、自動搬送装置2に対して、部品保管エリアからチップマウンタCMに、対応する部品を搬送するよう指示する。
ここで、部品の供給依頼には、部品情報が含まれる。部品情報としては、例えば、要求対象の電子部品またはプリント基板の識別情報、要求元のチップマウンタCMの識別情報、および、部品残数または部品切れ情報等が挙げられる。部品切れ情報としては、例えば、部品切れが起きたことや、部品残数(例えば、リールの残テープ数)が所定数以下になったことを示す情報が挙げられる。
本実施形態では、サーバ1は、チップマウンタCMから、チップマウンタサーバMSを経由して、部品の供給依頼を受け付けるものとする。なお、サーバ1は、チップマウンタCMから、直接、部品の供給依頼を受け付けてもよい。
なお、サーバ1とチップマウンタサーバMSとを、1つのサーバとして捉えることもできる。
なお、チップマウンタCMの識別情報に加えて、当該チップマウンタCMにおいて、要求対象の部品に対応するフィーダの箇所を示す情報も供給依頼に含まれていてもよい。これにより、例えば、人がチップマウンタCMに対してリールを装着する場合に、当該人の操作端末等に、フィーダの箇所を示す情報を表示することで、当該人に対してリールを装着するフィーダの箇所を示すことができる。また、例えば、自動搬送装置2がチップマウンタCMに対してリールを装着する場合に、自動搬送装置2に対してフィーダの箇所を示すことができる。よって、要求対象の部品をチップマウンタCMに搭載する場合に誤って異なるフィーダに対してリールを装着することを抑制できる。
【0011】
チップマウンタCMとは、電子部品をプリント基板に配置(搭載;実装)するための装置(電子部品実装機)である。本実施形態では、チップマウンタCMは、表面実装(SMT;Surface mount technology)により、電子部品をプリント基板の表面(片面または両面)に実装する表面実装装置である例について説明する。本実施形態では、クリームはんだ印刷機SPが、プリント基板上に、メタルマスクを用いてクリームはんだを印刷する。そして、チップマウンタCMが、1つ以上の(1種類以上の)電子部品を搭載する。そして、リフロー炉RFが、クリームはんだを加熱することにより、プリント基板と電子部品とを密着(固定)させる。これらの一連の処理は、チップマウンタサーバMSによって制御される。
なお、本実施形態では、表面実装を例に説明するが、電子部品の実装方法は表面実装に限定されず、例えば、挿入実装、混載実装等でもよい。
なお、図1の例では、3台のクリームはんだ印刷機SP、チップマウンタCM、リフロー炉RFが稼働している例について示しているが、数や種類は特に限定されない。また、図1に示す搬送ルートは一例であって、自動搬送装置2は、複数のチップマウンタCM等に対して、電子部品やプリント基板等を搬送してもよい。
【0012】
プリント基板とは、プリント配線板(PWB;printed wiring board)と、プリント回路板(PCB;printed circuit board)とを含むものである。
プリント配線板BBとは、絶縁体でできた板の表面や内部に導体の配線が施されたものである。プリント配線板は、ベアボード、生板、生基板とも称される。本実施形態では、プリント配線基板を「生基板」と称する。
プリント回路板ABとは、プリント配線板に電子部品がはんだ付けされて、電子回路として動作するようになったものである。プリント回路板は、アセンブリされた基板と捉えることもできる。また、プリント配線板は多層プリント配線板も含まれるものとする。本実施形態では、プリント回路板を「完成基板」と称する。
【0013】
電子部品とは、本実施形態では、上述の実装において用いられるもの(例えば、図1の部品EC)であって、例えば、電子回路の部品(例えば、ICチップ、コンデンサ、抵抗等)や、はんだ(例えば、クリームはんだ)、メタルマスク等を含む広い概念である。本実施形態では、電子部品として、電子回路の部品を例に説明する。
通常、ICチップ、コンデンサ、抵抗等の電子部品は、リールに包装されていることが多い。リールは、同一種類の部品が一定ピッチで複数収納されており、部品収納テープをリール状にしたものである。電子部品は、部品収納テープを部品収納ピッチ単位で間欠送りすることにより1個ずつ供給される。よって、チップマウンタCMには、上述の電子部品を含むリールが供給される。
なお、電子部品の梱包形態はリールに限定されず、例えば、トレー、スティック等に梱包されていてもよい。
【0014】
自動搬送装置2は、サーバ1からの指示に基づいて、チップマウンタCMが設けられる施設(例えば、工場)内を移動する装置である。自動搬送装置2は、無人自動運転が可能な自動運転車両であって、走行部(例えば、複数の車輪)と、当該走行部を自動運転制御する制御部と、各種操作を行なう操作部と、保持台とを少なくとも備え、当該自動搬送装置2を特定するための識別情報が付されると共に、さらに撮像部を備えている。自動搬送装置2における構成の詳細については、図6を用いて後述する。
本実施形態では、自動搬送装置2は、サーバ1からの指示に基づいて、電子部品を部品保管エリアから各チップマウンタCMに搬送する。
また、自動搬送装置2は、サーバ1からの指示に基づいて、生基板を生基板保管エリアから各チップマウンタCM(表面実装の場合には、クリームはんだ印刷機SP)に搬送する。
さらに、自動搬送装置2は、サーバ1からの指示に基づいて、完成基板を各チップマウンタCM(またはリフロー炉RFを経た保管場所)から次工程のエリア(例えば、検査場、倉庫等)に搬送する。
上述の部品保管エリアにおいて、自動搬送装置2が電子部品を取得する方法は特に限定されない。例えば、作業者によって電子部品が搭載されてもよく、後述する自動排出装置3によって排出口から排出された電子部品を直接受け取ってもよい。なお、自動排出装置3に搭載されるソーターによって複数の排出口のいずれかに選別された電子部品を直接受け取ってもよい。
なお、図1において、自動搬送装置2は、搬送ルートR1~R3等に示す搬送ルートを移動するものとする。なお、自動搬送装置2は、役割別(搬送ルート別)に複数台設けられていてもよく、1つ以上の自動搬送装置2が、複数の役割を担ってもよい。すなわち、複数の搬送ルートにまたがって移動してもよい。
また、自動搬送装置2は、新たな電子部品またはプリント基板を、チップマウンタCM等に設置するアーム(設置手段)を備えていてもよい。これにより、電子部品をチップマウンタCMに設定するという作業員の労力を削減することができる。なお、設置する手段は、アームに限定されず、例えば、リールをチップマウンタCMに設置するための供給装置であってもよい。
【0015】
自動排出装置3は、電子部品またはプリント基板を保管(搭載)し、サーバ1からの指示(排出指示)に基づいて、電子部品またはプリント基板を排出する装置である。本実施形態では、自動排出装置3は、チップマウンタCMが設けられる施設内の、部品保管エリアや生基板保管エリア等に設けられるものとする。自動排出装置3における構成の詳細については、図7を用いて後述する。
本実施形態では、自動排出装置3は、複数の電子部品を格納可能な格納部と、当該電子部品を排出する排出口が備えられているものとする。そして、自動排出装置3は、サーバ1からの排出指示に基づいて、対応する電子部品を排出する。
なお、自動排出装置3には、複数種類の電子部品またはプリント基板を搭載してもよい。
また、排出口には、ソーターが備えられていてもよく、この場合、部品の種類や、サーバ1からの排出指示に応じて、排出先を振り分けられてもよい。例えば、自動排出装置3に、4つの排出口A~Dが設けられていてもよい。これにより、サーバ1から同タイミングで、複数の部品の排出指示があった場合でも、適切な部品を適切な排出口に排出することができる。
以下、本実施形態に係る部品補給システムの詳細について説明する。
【0016】
<システム構成>
図2は、本実施形態に係る部品補給システムのシステム構成の概要を示す図である。本実施形態に係る部品補給システムは、チップマウンタサーバMSと、チップマウンタCMと、サーバ1と、自動搬送装置2と、自動排出装置3とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
サーバ1は、自動搬送装置2と自動排出装置3の各動作と協働して各種処理を実行する。
【0017】
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0018】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0019】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0020】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0021】
なお、図示はしないが、自動搬送装置2は、図3に示すハードウェア構成を有し、さらに、上述の走行部(駆動系(モータ、その駆動回路を含む)、操舵系等)と、当該走行部を自動運転制御する制御部と、各種操作を行なう操作部と、保持台とを少なくとも備えている。自動搬送装置2におけるCPU22、記憶部23、通信部24は、上述のCPU11、記憶部18、通信部19と同様であるため説明を割愛する。
なお、図示はしないが、自動排出装置3は、図3に示すハードウェア構成を有し、さらに、電子部品等を格納する格納部と、当該格納部から排出口へ搬送する搬送部と、電子部品等を排出する排出口を備えている。自動排出装置3におけるCPU25、記憶部26、通信部27は、上述のCPU11、記憶部18、通信部19と同様であるため説明を割愛する。
【0022】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係るサーバ1、自動搬送装置2、および自動排出装置3における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0023】
≪サーバ1の機能構成≫
サーバ1のCPU11においては、動作する際に、部品情報受付部31、ルート決定部32、移動指示送信部33、排出指示送信部34、カウント部35、料金算出部36等が機能する。
【0024】
部品情報受付部31は、本実施形態では、チップマウンタCMから、電子部品またはプリント基板(以降、電子部品等と称する)の供給依頼を受け付ける。
ここで、供給依頼には、部品情報が含まれる。部品情報としては、上述のとおり、要求対象の電子部品等の識別情報、要求元のチップマウンタCMの識別情報、および、部品残数または部品切れ情報等が挙げられる。
部品残数は、例えば、リールに含まれる要求対象の電子部品の残数、またはリールの残テープ量を示す情報である。
部品切れ情報としては、例えば、部品切れが起きたことや、部品残数(例えば、リールの残テープ数)が所定数以下になったことを示す情報が挙げられる。例えば、部品情報受付部31は、受け付けた部品残数が所定数(所定値)以下になった場合に、上述の部品切れが起きたことを検出してもよい。
部品情報受付部31は、受け付けた部品情報を、後述する部品情報DB42に格納する。
なお、部品情報受付部31は、電子部品が実装された完成基板(プリント回路板)の数量を受け付け、当該完成基板の数量に基づいて、電子部品等における部品残数または部品切れを検出してもよい。すなわち、部品情報受付部31は、電子部品等における部品残数または部品切れ情報は、チップマウンタCMによって電子部品が実装された完成基板の数量に基づいて決定されてもよい。例えば、1つの完成基板に実装される電子部品の数や、1つのリールに含まれる電子部品の数を予め記憶部18に格納しておくことで、受け付けた完成基板の数量に基づいて、部品残数や部品切れを検出することができる。
なお、上述の供給依頼に、要求元のチップマウンタCMの識別情報が含まれていない場合に、当該要求元のチップマウンタCMを識別する識別部(不図示)が設けられていてもよい。
【0025】
ルート決定部32は、上述の部品情報のうち、要求対象の電子部品等の識別情報と、要求元のチップマウンタCMの識別情報とに基づいて、自動搬送装置2の搬送ルートを決定する。
ルート決定部32によって決定される搬送ルートとしては、例えば、図1に示す搬送ルートR1~R3が挙げられる。
搬送ルートR1は、自動搬送装置2の現在地から、部品保管エリアまたは生基板保管エリア(以降、保管エリアと称する。)への搬送ルートである。
搬送ルートR2は、保管エリアから要求元のチップマウンタCMへの搬送ルートである。
搬送ルートR3は、要求元のチップマウンタCMから自動搬送装置2の待機場所への搬送ルートである。
ここで、保管エリア内における電子部品等の配置場所は、本実施形態では、電子部品等の情報と紐づけられて、後述する保管情報DB43に格納されているものとする。ルート決定部32は、保管情報DB43を参照して、要求対象の電子部品等の情報から保管エリア内における電子部品等の配置場所を取得するものとする。
また、チップマウンタCMの配置場所は、本実施形態では、後述するマウンタ情報DB41に格納されているものとする。ルート決定部32は、マウンタ情報DB41を用いて、要求元のチップマウンタCMの識別情報から、当該チップマウンタCMの配置場所を取得するものとする。
なお、ルート決定部32は、障害物を避けるように搬送ルートを決定するとよい。障害物は、例えば、工場内のカメラで撮像された画像情報に基づいて検出するとよい。
なお、自動搬送装置2の現在地は、ビーコンシステムや、ICタグを用いて取得されてもよく、工場のカメラで撮像された画像情報に基づいて取得されてもよい。
なお、ルート決定部32は、完成基板を、チップマウンタCMから次工程の場所へ運ぶための搬送ルートを決定してもよい。
【0026】
移動指示送信部33は、上述の通り決定された搬送ルートで電子部品等を搬送するよう、自動搬送装置2に対して移動指示を送信する。移動指示には、上述の部品情報(要求対象の電子部品等に関する情報)が含まれるとよい。
移動指示送信部33は、例えば、待機場所から保管エリアに移動するよう、自動搬送装置2に対して指示を送信する。
そして、移動指示送信部33は、保管エリアにおいて、自動搬送装置2が要求対象の電子部品等を受け取った場合(新たな電子部品等を搭載した場合)に、保管エリアからチップマウンタCMに移動するよう自動搬送装置2に対して指示を送信する。
さらに、移動指示送信部33は、チップマウンタCMにおいて、自動搬送装置2が要求対象の電子部品等を降ろした場合に、チップマウンタCMから所定の待機場所に移動するよう、自動搬送装置2に対して指示を送信する。
なお、移動指示送信部33は、搬送ルートを送信しなくてもよく、保管エリアの位置、およびチップマウンタCMの位置を送信してもよい。この場合、自動搬送装置2は、自律走行によって、電子部品等を搬送する。
【0027】
排出指示送信部34は、要求対象の電子部品等を排出するよう、自動排出装置3に対して排出指示を送信する。排出指示には、要求対象の電子部品等における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報が含まれているとよい。なお、本実施形態では、自動排出装置3は、上述の排出指示を受け付けると、自律的に要求対象の電子部品等を排出するよう動作するものとする。
例えば、排出指示送信部34は、自動排出装置3の排出口に、自動搬送装置2が到着したタイミングで、要求対象の電子部品等を排出するよう指示するよい。これにより、排出口から排出された電子部品等を自動搬送装置2が直接受け取ることができる。そして、保管エリアで電子部品等を自動搬送装置2に載せるための作業者の負担を軽減(削減)させることができる。
【0028】
カウント部35は、自動搬送装置2が電子部品等をチップマウンタCM等に対して搬送した回数をカウントする。例えば、カウント部35は、自動搬送装置2が複数存在する場合は、各自動搬送装置2が電子部品等をチップマウンタCM等に対して搬送した回数をカウントする。また、カウント部35は、自動搬送装置2がプリント回路板ABを次工程に搬送した回数もカウントするものとする。なお、カウント部35は、自動搬送装置2の走行距離をカウントしてもよい。
【0029】
料金算出部36は、カウントされた搬送回数(または走行距離)に応じて、料金を算出する。ここで、料金としては、例えば、自動搬送装置2を貸し出す事業者が請求するレンタル料等が挙げられる。すなわち、料金算出部36は、自動搬送装置2を利用するユーザに対する課金額を算出する。
【0030】
また、図4に示すサーバ1の記憶部18においては、マウンタ情報DB41、部品情報DB42、保管情報DB43等が設けられる。
【0031】
マウンタ情報DB41は、チップマウンタCMに関する情報が格納されるデータベースである。チップマウンタCMに関する情報としては、識別情報、位置情報、メーカー等が挙げられる。
【0032】
部品情報DB42は、部品情報受付部31が受け付けた部品情報が格納されるデータベースである。部品情報としては、要求番号(キー情報)、および、上述のとおり、要求対象の電子部品等の識別情報、要求元のチップマウンタCMの識別情報、および、部品残数または部品切れ情報等が挙げられる。
【0033】
保管情報DB43は、保管エリアに関する情報が格納されるデータベースである。保管エリアに関する情報としては、例えば、電子部品等の識別情報、電子部品等の保管場所(例えば、電子部品等が格納される自動排出装置3の位置)等が含まれる。
【0034】
≪自動搬送装置2の機能構成≫
自動搬送装置2のCPU22においては、動作する際に、移動指示受付部51、駆動制御部52、部品検出部53、搬送通知部54等が機能する。
【0035】
移動指示受付部51は、サーバ1から、移動指示を受け付ける。移動指示には、例えば、要求対象の電子部品等の識別情報、当該電子部品等が格納される保管エリアの情報、搬送ルート等が含まれる。保管エリアの情報として、電子部品等が排出される排出口の位置が含まれるとよい。
【0036】
駆動制御部52は、移動指示に基づいて、自動搬送装置2の各駆動ユニットを制御し、移動を実現させる。駆動制御部52には、上述の操舵部が含まれているものとする。
また、駆動制御部52は、自動搬送装置2に備えられるアーム(設置手段)が備えられている場合に、当該アームを制御して、搬送した電子部品等をチップマウンタCMに設置するよう制御する。
【0037】
部品検出部53は、自動搬送装置2の保持台に電子部品等が配置されたことを検出する。部品検出部53は、例えば、所定の加速度センサやタッチセンサ等を用いて重量の測定や等を行うことにより、保持台に電子部品等が配置されたことを検出検知する。なお、部品検出部53は、保持台を撮像した画像解析や、ICタグによる通信を用いて、保持台に電子部品等が配置されたことを検出検知してもよい。
また、部品検出部53は、配置(搭載)された電子部品等が、要求対象の電子部品等(部品情報の対象部品)であるか否かを検出する。例えば、部品検出部53は、配置された電子部品等に貼り付けられたICタグと無線によって通信を行う通信部(不図示)を用いて、電子部品等の識別情報を取得して、配置された電子部品等が、要求対象の電子部品等であるか否かを検出する。部品検出部53は、部品情報の対象部品と、搭載された新たな電子部品等とが同一であるか否かを判定していると捉えることもできる。
なお、部品検出部53は、電子部品等が保持台に搭載されたことを、サーバ1に通知してもよい。
【0038】
搬送通知部54は、サーバ1に対して、電子部品等を搬送した旨を通知する。また、搬送通知部54は、自動搬送装置2が、所定箇所(例えば、保管エリア、チップマウンタCM、待機場所等)に移動した際に、当該所定箇所に移動した旨を通知する。
【0039】
また、図4に示す自動搬送装置2の記憶部23においては、移動指示情報DB61、ルート情報DB62等が設けられる。
【0040】
移動指示情報DB61は、サーバ1から送信された移動指示に関する情報が格納される。
【0041】
ルート情報DB62は、サーバ1から送信されたルート情報が格納される。
【0042】
≪自動排出装置3の機能構成≫
自動排出装置3のCPU25においては、動作する際に、排出指示受付部71、排出部72、排出通知部73等が機能する。
【0043】
排出指示受付部71は、サーバ1から、電子部品等の排出指示を受け付ける。
【0044】
排出部72は、排出指示に応じて、電子部品等を排出口に排出する。なお、排出口には、ソーターが設けられていてもよく、この場合、排出部72は、部品の種類や、サーバ1からの排出指示に応じて、排出先を振り分けられてもよい。なお、排出部72は、サーバ1から送信された部品情報(排出指示)に基づいて、当該部品情報に対応する電子部品等を排出していると捉えることもできる。
【0045】
排出通知部73は、サーバ1に対して、電子部品等を排出した旨を通知する。
【0046】
また、図4に示す自動搬送装置2の記憶部26においては、排出指示情報DB81等が設けられる。
【0047】
排出指示情報DB81は、サーバ1から送信された排出指示に関する情報が格納される。
【0048】
<処理内容>
図5は、本実施形態に係る部品補給処理の一例を示す図である。
【0049】
ステップS1において、部品情報受付部31は、自動搬送装置2から電子部品等の供給依頼を受け付ける。
【0050】
ステップS2おいて、部品情報受付部31は、供給依頼を行ったチップマウンタCMを特定する。例えば、部品情報受付部31は、供給依頼に含まれるチップマウンタCMの識別情報に基づいて、供給依頼を行ったチップマウンタCMを特定するとよい。
【0051】
ステップS3において、ルート決定部32は、要求対象の電子部品等の保管場所を特定する。本実施形態では、ルート決定部32は、保管情報DB43を用いて、要求対象の電子部品等の情報から保管エリア内における電子部品等の配置場所を取得するものとする。
【0052】
ステップS4において、ルート決定部32は、上述の部品情報のうち、要求対象の電子部品等の識別情報と、要求元のチップマウンタの識別情報とに基づいて、自動搬送装置2の搬送ルートを決定する。
【0053】
ステップS5において、移動指示送信部33は、自動搬送装置2に対して、部品情報および搬送ルートを送信して、保管エリアへ移動するよう移動指示する。
【0054】
ステップS6において、自動搬送装置2の駆動制御部52は、移動指示に基づいて、自動搬送装置2の各駆動ユニットを制御し、保管エリアに移動する。
【0055】
ステップS7において、自動搬送装置2の搬送通知部54は、サーバ1に対して、保管エリアへ移動したことを通知する。
【0056】
ステップS8において、排出指示送信部34は、要求対象の電子部品等を排出するよう、自動排出装置3に対して排出指示を送信する。
【0057】
ステップS9において、自動排出装置3の排出部72は、排出指示に応じて、電子部品等を排出口に排出する。
【0058】
ステップS10において、自動排出装置3の排出通知部73は、サーバ1に対して、電子部品等を排出した旨を通知する。
【0059】
ステップS11において、自動搬送装置2の部品検出部53は、保持台に電子部品等が搭載されたことを検出する。
【0060】
ステップS12において、自動搬送装置2の部品検出部53は、搭載された電子部品等が、要求対象の電子部品等(部品情報の対象部品)であるか否かを検出する。
【0061】
ステップS13において、自動搬送装置2の部品検出部53は、電子部品等が保持台に搭載されたことを、サーバ1に通知する。
【0062】
ステップS14において、移動指示送信部33は、保管エリアからチップマウンタCMに移動するよう自動搬送装置2に対して移動指示を送信する。
【0063】
ステップS15において、自動搬送装置2の駆動制御部52は、移動指示に基づいて、自動搬送装置2の各駆動ユニットを制御し、チップマウンタCMに移動する。
【0064】
ステップS16において、自動搬送装置2の駆動制御部52は、自動搬送装置2に備えられるアームを制御して、搬送した電子部品等をチップマウンタCMに設置するよう制御する。
【0065】
ステップS17において、自動搬送装置2の搬送通知部54は、サーバ1に対して、電子部品等を搬送した旨を通知する。
【0066】
ステップS18において、カウント部35は、自動搬送装置が電子部品等をチップマウンタCMに対して搬送した回数をカウントする。ここでは、カウント部35は、搬送回数をプラス1にする。
【0067】
ステップS19において、料金算出部36は、カウントされた搬送回数(または走行距離)に応じて、料金を算出する。
【0068】
図6は、本実施形態に係る自動搬送装置2の一例を示す図である。図6の例では、自動搬送装置2は、保持台91、複数の車輪92、ハンドル部93、操作部94、各種センサ95等を備える。
保持台91には、部品等が搭載される。車輪92は、上述の駆動制御部52によって各種駆動ユニットを制御することにより、謝陳に動力が伝達されて回転することで、自動搬送装置2を前進させたり後退させたりする。ハンドル部93は、ユーザによって把持される部材である。操作部94は、ユーザの所望の方向に自動搬送装置2を進ませるための操作部である。各種センサ95は、例えば、障害物センサ等である。
【0069】
図7は、本実施形態に係る自動排出装置3の一例を示す図である。図7の(A)では、自動排出装置3は、格納部96、排出口97等を備える。格納部96には、複数の電子部品を格納されている。排出口97は、電子部品等を排出する。
図7の(B)は、サーバ1からの排出指示に基づいて、電子部品等(部品EC)を排出している例を示している。なお、排出口97には、ベルト部が備えられていてもよく、これにより、排出された電子部品等を自動搬送装置2に直接搭載させることができる。
図7の(C)は、図7の(B)に示す自動排出装置3の別の例であって、自動排出装置3にソーターが備えられている。これにより、排出口97a~97dの何れかに電子部品等が排出されるように自動仕分けを行うことができる。
【0070】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、電子部品等を保管エリアからチップマウンタに対して搬送する作業を、作業者に代わり自動搬送装置2が行うことができる。これにより、作業者が保管エリアとチップマウンタとの間を往復する手間を省くことができる。
【0071】
また、上述の実施形態によれば、チップマウンタの識別情報を取得または検出することにより、マウンタの種類や台数が複数存在する場合でも、誤って別のマウンタに対して電子部品を搬送することを抑制することができる。
【0072】
また、上述の実施形態によれば、自動搬送装置が搭載された電子部品の識別情報を認識することにより、誤って別の電子部品等をチップマウンタに搬送するミスを抑制することができる。すなわち、誤ったリールをチップマウンタに装着することによって、当該誤ったリールに対応する電子部品を実装した完成基板が生じてしまうことを抑制することができる。
なお、電子部品の識別情報を認識することは必須ではなく、サーバおよび自動搬送装置によって補充される部品を搬送することで、作業者が誤った電子部品を搬送するという人的ミスを防ぐことができる。
【0073】
また、上述の実施形態によれば、自動排出装置により要求対象の電子部品を排出して、排出された電子部品等を自動搬送装置2が直接受け取ることで、保管エリアにおいて、作業者が電子部品等を自動搬送装置2に搭載する手間を省くことができる。
【0074】
また、上述の実施形態によれば、自動搬送装置により搬送された電子部品等が、当該自動搬送装置に備えられるアームによってチップマウンタに補給されることにより、作業者が、電子部品等をチップマウンタに補給する手間を省くことができる。
【0075】
また、上述の実施形態によれば、自動搬送装置によって搬送された回数や、走行距離に応じて、レンタル料やリース料などを算出することで、自動搬送装置を提供する業者は、自動搬送装置を使用するユーザに対して、適切な請求額を算出することができる。
【0076】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、
上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0077】
(変形例)
なお、上述の実施形態では、1つの搬送指示に基づいて、1つの電子部品等を搬送する例について説明したが、これに限定されず、2つ以上の電子部品の搬送を、1つの搬送指示に基づいて行われてもよい。すなわち、サーバは、複数の電子部品等をまとめて搬送するよう自動搬送装置に対して指示してもよい。
複数の電子部品等をまとめて搬送することにより、1つずつ搬送する場合と比較して、電子部品等の搬送距離を短くすることができ、搬送時間を低減させることができる。また、サーバ側で制御して、ソフトウェアにより各種制御を実行させることで、より安価な自動搬送装置を提供することができる。
【0078】
また、上述の実施形態では、1つの自動搬送装置が各種電子部品等を搬送する例について説明したが、これに限定されず、複数の自動搬送装置が、複数のチップマウンタに対して電子部品等を搬送してもよい。このとき、所定のエリアごとに搬送する自動搬送装置を分けてもよい。
これにより、効率的に電子部品等をチップマウンタ等に対して搬送することができる。
【0079】
また、上述の実施形態では、サーバで決定された搬送ルートを、自動搬送装置が移動する例について説明したが、これに限定されず、例えば、自動搬送装置は、自律走行を行ってもよい。例えば、自動搬送装置は、地面に設けられるランドマーク(二次元コードや記号、絵等)に基づいて、工場内を自律走行して、目的地(保管エリアやチップマウンタ)まで移動することができる。
これにより、サーバ側で搬送ルートを管理する必要がなくなり、自動搬送装置は、適宜最適なルートで電子部品等を搬送することができる。
【0080】
(その他)
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0081】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0082】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0083】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0084】
換言すると、本発明が適用される部品補給システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、電子部品をプリント基板に配置するチップマウンタから、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を受け付ける部品情報受付手段(例えば、図4の部品情報受付部31)と、
前記電子部品または前記プリント基板の保管エリアに関する情報(例えば、図4の部品情報DB42、保管情報DB43)を記憶する記憶手段と、
前記部品情報および前記保管エリアに関する情報に基づいて、前記部品情報の対象部品を前記保管エリアから前記チップマウンタに運ぶよう自動搬送装置に指示する移動指示手段(例えば、図4の移動指示送信部33)と、
を有する情報処理装置である。
これにより、チップマウンタへの部品供給における労働負荷を軽減する。
【0085】
また、前記移動指示手段は、
前記自動搬送装置に対して、前記保管エリアに移動するよう指示し、
前記保管エリアにおいて、前記自動搬送装置が新たな前記電子部品または前記プリント基板を搭載した場合に、前記チップマウンタに移動するよう、前記自動搬送装置に対して指示してもよい。
これにより、サーバの搬送指示によって、自動搬送装置が電子部品をピックアップする保管エリアの場所、およびチップマウンタの場所に移動することができるため、電子部品の取り違えや、誤って別のチップマウンタに電子部品を搭載してしまうことを抑制することができる。
【0086】
また、前記部品情報受付手段は、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を、前記チップマウンタによって前記電子部品が実装された完成基板の数量に基づいて算出するとよい。
これにより、完成基板における生基板の数量や、電子部品の数量はある程度予測できるので、これに応じて、補充すべき電子部品等の情報を予め決定(予測)することができる。
【0087】
前記自動搬送装置が前記電子部品または前記プリント基板を前記チップマウンタに対して搬送した回数をカウントするカウント手段(例えば、図4のカウント部35)と、
前記回数に応じて、前記自動搬送装置を利用するユーザに対する課金額を算出する算出手段(例えば、図4の料金算出部36)と、をさらに有するとよい。
これにより、自動搬送装置によって搬送された回数や、走行距離に応じて、レンタル料やリース料などを算出することで、自動搬送装置を提供する業者は、自動搬送装置を使用するユーザに対して、適切な請求額を算出することができる。
【0088】
上述の記載の情報処理装置と、
保持台と、前記保持台を移動させるための複数の車輪と、を備える自動搬送装置と、を有する部品供給システムであって、
前記情報処理装置は、前記部品情報を前記自動搬送装置に送信する送信手段(例えば、図4の移動指示送信部33)をさらに有し、
前記自動搬送装置は、前記部品情報の対象部品と、搭載された新たな前記電子部品または前記プリント基板とが同一であるか否かを判定する判定手段(例えば、図4の部品検出部53)を有する、
部品補給システムである。
これにより、誤って別の電子部品等をチップマウンタに搬送するミスを抑制することができる。
【0089】
また、前記自動搬送装置は、新たな前記電子部品または前記プリント基板を、前記チップマウンタに設置する設置手段(例えば、ロボットアーム)をさらに有するとよい。
これにより、作業者が、電子部品等をチップマウンタに補給する手間を省くことができる。
【0090】
また、前記部品補給システムは、前記電子部品または前記プリント基板を保管し、排出する自動排出装置をさらに備え、
前記送信手段(例えば、図4の排出指示送信部34)は、前記情報処理装置は、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を、前記自動排出装置に送信し、
前記自動排出装置は、送信された前記部品情報に基づいて、前記部品情報に対応する前記電子部品または前記プリント基板を排出する排出手段(例えば、図4の排出部72)を有するとよい。
これにより、保管エリアにおいて、作業者が電子部品等を自動搬送装置2に搭載する手間を省くことができる。
【0091】
また、一態様は、
電子部品をプリント基板に配置するチップマウンタから、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を受け付ける部品情報受付ステップと、
前記部品情報、および記憶手段から取得される前記電子部品または前記プリント基板の保管エリアに関する情報に基づいて、前記部品情報の対象部品を前記保管エリアから前記チップマウンタに運ぶよう指示する移動指示ステップと、
を有する情報処理装置の制御方法である。
【0092】
また、一態様は、
電子部品をプリント基板に配置するチップマウンタから、前記電子部品または前記プリント基板における部品残数または部品切れ情報を含む部品情報を受け付ける部品情報受付ステップと、
前記部品情報、および記憶手段から取得される前記電子部品または前記プリント基板の保管エリアに関する情報に基づいて、前記部品情報の対象部品を前記保管エリアから前記チップマウンタに運ぶよう指示する移動指示ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラムである。
【符号の説明】
【0093】
1:サーバ 2:自動搬送装置 3:自動排出装置
11:CPU 18:記憶部 19:通信部
22:CPU 23:記憶部 24:通信部
25:CPU 26:記憶部 27:通信部
31:部品情報受付部 32:ルート決定部 33:移動指示送信部
34:排出指示送信部 35:カウント部 36:料金算出部
41:マウンタ情報DB 42:部品情報DB42 43:保管情報DB
51:移動指示受付部 52:駆動制御部 53:部品検出部
54:搬送通知部 61:移動指示情報DB 62:ルート情報DB
71:排出指示受付部 72:排出部 73:排出通知部
81:排出指示情報DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7