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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053882
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】尿器とその使用方法と尿器部材
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/451 20060101AFI20230406BHJP
   A61G 9/00 20060101ALI20230406BHJP
   A47K 11/06 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
A61F5/451 Z
A61G9/00 F
A47K11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071210
(22)【出願日】2022-04-23
(31)【優先権主張番号】P 2021163163
(32)【優先日】2021-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】593008427
【氏名又は名称】日本電子精機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】305033011
【氏名又は名称】株式会社高木包装
(74)【代理人】
【識別番号】100183575
【弁理士】
【氏名又は名称】老田 政憲
(72)【発明者】
【氏名】藤江 建朗
(72)【発明者】
【氏名】丸野 正徳
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 美香
(72)【発明者】
【氏名】東 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】細田 基則
(72)【発明者】
【氏名】岡本 純子
【テーマコード(参考)】
2D036
4C098
4C341
【Fターム(参考)】
2D036HA54
2D036HA63
2D036HA69
2D036HA77
4C098AA09
4C098CC31
4C098CD01
4C098CE13
4C098CE16
4C341JK04
4C341JK08
4C341JK11
4C341JK12
4C341JK14
(57)【要約】
【課題】寝たきり状態の患者にでも、うまくフィットし、使用される尿器を提供すること。
【解決手段】上記目的を達成するため、本体部と、袋部と、上記本体部の内面に配置された吸収材と、を有する尿器であり、上記本体部は、筒状の枠体と、上記枠体の一方面から突出し、手で把持されるハンド部と、を有し、上記袋部は、上記枠体の他方面を覆う尿器を用いる。また、上記尿器の上記敷き部を、上記ハンド部を手でつかんで上記尿器を人の股に密接する尿器の使用方法を用いる。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
袋部と、
前記本体部の内面に配置された吸収材と、を有する尿器であり、
前記本体部は、
筒状の枠体と、
前記枠体の一方面から突出し、手で把持されるハンド部と、を有し、
前記袋部は、前記枠体の他方面を覆う尿器。
【請求項2】
前記枠体の一方面から突出し、人に敷かれる敷き部をさらに有する請求項1記載の尿器。
【請求項3】
前記枠体の一方面から突出し、前記人と接する第1あて部をさらに有する請求項1に記載の尿器。
【請求項4】
前記枠体の一方面から突出し、前記人と接する第2あて部をさらに有する請求項3に記載の尿器。
【請求項5】
前記第1あて部は、前記枠体の内側へ曲げられ、前記第2あて部は、前記枠体の外側へ曲げられる請求項4に記載の尿器。
【請求項6】
前記枠体は、シートを折ったものであり、前記敷き部のところで張り合わされている請求項2に記載の尿器。
【請求項7】
前記枠体の側面に折部がある請求項1に記載の尿器。
【請求項8】
前記枠体に折り返した第1傾斜部がある請求項1に記載の尿器。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の尿器の前記ハンド部を手でつかんで前記尿器を人の股に密接させる尿器の使用方法。
【請求項10】
本体部と、
袋部と、を含む尿器に使用される尿器部材であり、
前記本体部は、
筒状の枠体と、
前記枠体の一方面から突出し、手で把持されるハンド部と、を有し、
前記袋部は、前記枠体の他方面を覆い、
吸収材が前記本体部の内面に配置され尿器として使用される尿器部材。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的な医療現場における患者等が使用する尿器と使用方法に関する。特に、寝たきり状態の患者の採尿に好適に使用できる使い捨ての尿器と使用方法に関する。なお、医療現場には、老人ホームなど施設が含まれ、患者には、病気でない患者も含まれる。一般家庭で使用する場合も含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な医療現場における患者等に用いられている使いすて尿器としては、特許文献1~3のものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-100447号公報
【特許文献2】実開平01-107321号公報
【特許文献3】特開2006-296780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1~3に尿器では、寝たきり状態の患者にはうまくフィットせず、使用されなかった。
よって、本発明の課題は、寝たきり状態の患者にでも、うまくフィットし、使用される尿器とその使用方法と尿器部材とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本体部と、袋部と、上記本体部の内面に配置された吸収材と、を有する尿器であり、上記本体部は、筒状の枠体と、
上記枠体の一方面から突出し、手で把持されるハンド部と、を有し、上記袋部は、上記枠体の他方面を覆う尿器を用いる。
また、上記尿器の上記ハンド部を手でつかんで上記尿器を人の股に密接させる尿器の使用方法を用いる。
また、本体部と、袋部と、を含む尿器に使用される尿器部材であり、上記本体部は、筒状の枠体と、上記枠体の一方面から突出し、手で把持されるハンド部と、を有し、上記袋部は、上記枠体の他方面を覆い、吸収材が上記本体部の内面に配置され尿器として使用される尿器部材を用いる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の尿器は、寝たきり状態の患者にでも、うまくフィットし、使用される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1の尿器の斜視図
図2】実施の形態1の尿器の使用を説明する斜視図
図3】実施の形態1の尿器の本体部の正面図
図4】(a)~(b)実施の形態1の尿器の正面図
図5】実施の形態1の尿器の製造を説明する平面図
図6】(a)~(b)実施の形態1の尿器の製造を説明する正面図
図7】実施の形態2の尿器の本体部のシート段階の平面図
図8】(a)実施の形態2の尿器の本体部の正面図、(b)~(c)実施の形態2の尿器の本体部の第2開口の正面図
図9】(a)実施の形態3の尿器の本体部の正面図、(b)~(c)実施の形態3の尿器の本体部の第2開口の正面図
図10】実施の形態3の尿器の斜視図
図11】(a)~(b)実施の形態4の尿器の斜視図
図12】(a)実施の形態5の本体部の正面図(b)実施の形態5の第2折部32の拡大図
図13】(a)実施の形態5のシートの平面図、(b)~(e)実施の形態5のシートの部分拡大図
図14】実施の形態5の本体部の斜視図
図15】(a)実施の形態5の変形例のシートの平面図、(b)実施の形態5の変形例の本体部の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
図1に実施の形態の尿器100の斜視図を示す。
尿器100は、本体部19と袋部14と吸収材13との3つの部材を含む。
本体部19は、人に装着される部分で、枠体17とハンド部10と敷き部11と第1あて部12aを含む。後で説明するが、本体部19を1つのシート材料から作製されるのが好ましい。簡易的で安価に作製できる。なお、本体部19は、以下の実施の形態のものでもよい。
【0009】
枠体17は、本体部19のメインの部分で、筒状の形状であり、開口を有する。一方の開口が、第1開口9aで、他方が第2開口9bである。開口の形状は方形、長方形であるが、楕円、多角形、楕円に一部直線部分があってもよい。枠体17の側面は、長方形であるが、台形、三角形でも、一部に凹凸があってもよい。
第1開口9aの辺(第1辺38a)に、突起状のハンド部10、突起状の敷き部11と、を有する。枠体17は、直方体形状の筒で、ハンド部10と敷き部11とは対向して配置されるのが好ましい。
【0010】
ハンド部10は、第1辺38から突出しており、手で持つところで、使用する人の上面に位置する。貫通孔16を設け、指などを入れて使用するのが好ましい。長方形形状のシート状である。半円形状、半楕円形状でもよい。
敷き部11は、第1辺38から突出しており、お尻に敷く部分である。長方形形状のシート状である。半円形状、半楕円形状でもよい。
第1あて部12aは、太ももと接触する部分である。必須ではないがあった方が、尿器100が人にフィットし好ましい。第1あて部12aは、第1開口9aの辺(第1辺38a)から突出している。第1あて部12aは、ハンド部10と敷き部11との間の第1辺38a上で、敷き部11側に1対(2個)ある。第1あて部12aは、シート状で人にソフトに接するので、人に違和感を与えない。第2開口9bの側の第2辺38bには、突出しているものなどないが、あってもよい。
【0011】
吸収材13は、敷き部11と枠体17の内側とにわたって配置されるシート状のものである。尿を受け止め、吸収保持する材料である。スポンジやナプキン、布、おむつなどでなどである。おむつのように、疎水性、水を通さないシートの上面に吸収材料を配置したものが好ましい。吸水材料の例として、ポリオレフィン不織布と綿状パルプに包まれた高分子吸水材(高分子ポリマー)からできている。おしっこは、まずポリオレフィン不織布と呼ばれる部分で広がり、素早く綿状パルプと高分子吸水材へと送り込まれ、吸収される。
ポリオレフィン不織布以外のレーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの不織布でもよい。
袋部14は、尿が飛び散るのを受け止める部分である。第2開口9bを覆うように、枠体17の外周に配置される。ビニールなどの袋で、尿を通さない袋である。図1では、理解しやすいように点線で示している。図1では、直方体形状で書かれているが、袋なので、単に、第2開口9bを覆えばよい。
【0012】
<使用状態>
図2に尿器100の使用状態を示す。
尿器100を、人25の股23にセットする方法を説明する。人25は、あおむけに寝ている人である。ハンド部10を利用し、人25にセットする。人25は、本人でもよいし、介護者などが、人25へ装着してもよい。人25は、女性でも男性でもよい。人25の大きさにより、尿器100は、複数のサイズがあるのがよい。大中小、LMSなどである。
【0013】
第1あて部12aは、複数あり、右足21、左足22の太ももにそれぞれ接触させる。
尿器100を人25にセット後、人25は、尿をする。その後、尿器100を取り外し廃棄する。尿の量を測定するには、取り外した尿器100を測定すればよい。なお、尿器100は、あらかじめ重量がわかっているとする。
【0014】
廃棄において、袋部14の中に本体部19を入れ込んで、袋部14の開口を閉じて捨てることができる。袋部14の内部が密閉され好ましい。
ハンド部10、敷き部11とで、尿器100は、人25に容易に装着される。さらに、ハンド部10を利用して取り外しやすい。
【0015】
図2からわかるように、枠体17の第1開口9a側の第1辺38aは、人25にフィットするように、半円状、円弧状が好ましい。両端のハンド部10と敷き部11へ向けて、2つの辺が弓のように凹形状となっている。ハンド部10が上方と、敷き部11が下方で、上下方向に辺が半円、弓状、円弧状である。なお、第1あて部12aは、第1辺38aから突出している。
敷き部11は、その両端に、水平方向へ広がる端部11a、11bを有するのが好ましい。人25の下に敷かれやすい。端部11a、11bは、長方形でなく、水平方向端部が丸みを帯びた形状が好ましい。人25に敷かれやすい。
【0016】
<吸収材13>
図3は、本体部19の正面図である。ハンド部10を上方に、敷き部11を下方に広げた状態の正面図である。
図4(a)は、図3の本体部19に1つの吸収材13をセットした状態の正面図である。吸収材13としては、紙オムツ、吸収可能なポリマー材料、スポンジ、ナフキンなどを使用できる。
【0017】
本体部19には、固定部15があり、吸収材13を本体部19へ固定しやすい。固定部15は、本体部19にコの字状に切り欠きを設けたもので、切り欠きの内側が、内側と外側へ移動でき、開閉できる。直方体形状の筒の枠体17の側面に対向して2か所設けている。この固定部15の開閉に吸収材13をはさみこみ固定できる。なお、固定部15があると接着剤などを使用しなくともよいので好ましい。ただし、接着材、両面テープなどで吸収材13を本体部19へ固定してもよい。
なお、固定部15は、図2からわかるように、枠体17の対向する2つの側面にある。枠体17の下方側にある。
【0018】
図4(b)は、複数の吸収材を用いた例である。この場合、第1吸収材13aと第2吸収材13bとを用いた。敷き部11上の方の第2吸収材13bは、人25のお尻などに触れるので、感覚的によいものがよく、紙オムツ、ナプキンの材料、女性がよく使用する吸収パッドなどを用いる。一方、第2開口9b側の第1吸収材13aは、人25に触れず、尿を吸収できるものなら何でもよい。第2吸収材13bは、高価であるが、全体でなく、一部、又は半分程度に用いるのでコスト的にもよい。
【0019】
<製法>
図5で製法を説明する。図5は、1枚のシートからトムソン刃などで抜き出したシート101である。このシート101を矢印の方向に、複数個所で折り曲げ、筒状にすると本体部19ができる。矢印方向は、第2開口9bの外周にそった方向であり、矢印方向に、シート101を折り曲げ本体部19を作製する。
シート101は、尿器100となった時の強度の点、加工性、価格面などの点からダンボールが好ましい。厚紙でもよい。また、リサイクルできるプラスチックシートを用いてもよい。
【0020】
シート101には、敷き部11、ハンド部10、第1あて部12a、固定部15となる部分が設けられている。
図6(a)は、シート101を折り、左右両端の斜線の部分(図5)を重ね張り合わせたものを、平面状にしたものである。図6(a)の状態のものを袋部14へ挿入したのが図6(b)である。
【0021】
ここで、本体部19には、第1凹部41と第2凹部42とがある。これは、本体部19を袋部14へ入れる場合に、袋部14と本体部19とが破損せず入れれるためにある。
この第1凹部41と第2凹部42とは、最終、本体部10において、第2開口9bの歯四角径の対向する2つのコーナーに位置する。
なお、流通時、販売時には、袋部14と本体部19とを一体として、図6(b)のようにしてもよいし、袋部14と本体部19とを別々にして、使用時に各人が組み合わせてもよい。
【0022】
(実施の形態2)(折り目)
実施の形態2を図7で説明する。説明しないことは実施の形態1と同様である。実施の形態2は、実施の形態1と異なり、シート101に第1折部31、第2折部32、第4折部34、第5折部35を有する。
図7は、本体部19を組み立てる前のシート101の状態の平面図である。実施の形態1の図5に相当する図である。
【0023】
第1折部31は、矢印方向に平行、又は、垂直方向の折部である。組み立てられた本体部19でも、第1開口9a、又は、第2開口9bの辺に平行、又は、垂直である。この第1折部31に沿って、シート101を折って直方体形状の枠体17ができる。折部で折っているので、安定し、しっかりし、ばらつきのない枠体17ができる。
【0024】
第2折部32は、矢印方向に平行でなく、垂直でない折部である。組み立てられた本体部19でも、第1開口9a、又は、第2開口9bの辺に平行でなく、垂直でない。この第2折部32は、枠体17を組み立てる時に折る折部でない。枠体17が使用される時に人と接触し変形しやすいように設けられている。本体部19において、第2折部32は、第1あて部12aの上下に2本あるのがよい。敷き部11に向かって、斜めに直線的に設けられている。
【0025】
第4折部34は、第1あて部12aを折り返ししやすくなるように設けている。枠体17となる部分と第1あて部12aとを分けている。枠体17の半円の辺に沿って設けられている。矢印方向に平行でなく、垂直でない折部である。組み立てられた本体部19でも、第1開口9a、又は、第2開口9bの辺に平行でなく、垂直でない。
第5折部35は、敷き部11を折り返ししやすくなるように設けている。枠体17となる部分と敷き部11とを分けている。矢印方向に平行である。
なお、第1折部31、第2折部32、第4折部34、第5折部35、以下の第3折部33は、例えば、その部分を他の部分より厚みを薄くすることで折りやすくしている。または、点線状の切り欠きとしてもよい。または、事前に折り、折目としてもよい。その部分が他の部分より折れやすくなっている線状の部分であればよい。
【0026】
このシート101を組み立てると図8(a)となる。この時の第2開口9bの正面図は、図8(b)である。ここで本体部19の上下に力を加えると図8(c)のようになる。これは、第2折部32のところで折曲がりやすく第2開口9bが広がる。
結局、第2折部32は、枠体17の左右に2つあり、左右で2対となっている。
2対の第2折部32間に、第1あて部12aがある。第2折部32の1対は、途中に、固定部15がある。固定部15は、切り欠きを有するので、第2折部32で枠体17が折れ変形しやすい。
【0027】
<効果>
実施の形態1の効果に加え、第1折部31により、本体部19を組み立てやすい。第2折部32により、枠体17が変形しやすく人25にフィットしやすい。第4折部34により、第1あて部12aが曲がりやすく、人25にフィットしやすい。
【0028】
(実施の形態3)傾斜部
実施の形態3を図9(a)~図9(c)、図10で説明する。説明しないことは実施の形態1または2と同様である。
実施の形態3では、実施の形態2の尿器100に、第3折部33を設けた。図9(a)は、本体部19を組み立てる前のシート101の時の平面図である。第3折部33を設けている。
【0029】
図9(b)~図9(c)は、実施の形態3の尿器の本体部19の第2開口16の正面図である。シート101を組み立てると、まず、図9(b)となる。その後、第1傾斜部30aを第2開口9bへ押し込めば、第3折部33が折れて図9(c)となる。
図10に実施の形態3の本体部19の斜視図を示す。本体部19の上部の第1傾斜部30aが、第3折部33により尿器100の内部へ入り込んでいる。第1傾斜部30aの周辺は、特に、強度的に強く、本体部19の取り扱いがしやすい。
【0030】
<効果>
実施の形態1、2の効果に加え、本体部19には、図9(b)より、第1傾斜部30aがあるので強度的に優れ、使用しやすい。
実施の形態2に第3折部33を設けたが、実施の形態1に第3折部33を設けてもよい。
【0031】
(実施の形態4)
実施の形態4の本体部19を図11(a)~図11(b)で説明する。説明しないことは実施の形態1~3と同様である。実施の形態4の尿器100は、主に男性用である。本体部19は、上記と同様に袋部14,吸収材13と組み合わされ尿器となる。
図11(a)では、実施の形態3の尿器100に対して、敷き部11がない。男性の場合、男性の生殖器が、尿器100の内側へ入り込める。そのため、敷き部11が無くともよい。
【0032】
図11(b)では、図11(a)の例に対して、第2折部32で折り、尿器100の内部に第2傾斜部30bを設けている。尿器100の下部のコーナー部、内側へ折られ第4折部34ができている。第2傾斜部30bに、男性の生殖器が、位置すると、尿を適切に集めることができる。
【0033】
第1傾斜部30aと第2傾斜部30bとの2つの傾斜部が、対角に存在し、強度的に強くなる。
傾斜部は、側面から見て4つのコーナー部分のいずれかにあればよい。さらに、上記のように2つあるとよりよく、さらに対角に2つあるとさらによい。
なお、男性用として説明したが、実施の形態1~3の尿器100を男性が使用してもよい。実施の形態4の尿器100を男性専用とするのが好ましい。
【0034】
<効果>
実施の形態1、2の効果に加え、図9(c)は、図9(b)より、傾斜部30があるので強度的に優れ、使用しやすい。
実施の形態2に第3折部33を設けたが、実施の形態1に第3折部33を設けてもよい。
実施の形態1~4は、それぞれの一部分を他の実施の形態へ組み合わせることができる。逆に、実施の形態1~4は、それぞれの一部分(他の実施の形態の特徴部分)を無くしてもよい。
【0035】
(実施の形態5)第1あて部12a、第2あて部12b
図12図14にて、実施の形態5の本体部19を説明する。説明しない事項は、上記と同様である。本体部19は、上記と同様に袋部14,吸収材13と組み合わされ尿器となる。
図12は、本体部19の正面図である。図13(a)は、本体部19となる前のシート101の平面図である。図13(b)~(e)は、シート101の部分拡大図である。図14は、本体部19の斜視図である。
【0036】
実施の形態5の本体部19は、上記実施の形態の本体部19と異なり、以下が異なる。
(1) 第2あて部12bがある。
第2あて部12bは、第1あて部12aと同様に、太ももと接触する部分である。必須ではないがあった方が、尿器100が人にフィットし好ましい。第1あて部12a、第2あて部12bは、第1開口9aの辺(第1辺38a)において、ハンド部10と敷き部11との間にある。第1あて部12aは、敷き部11側、第2あて部12bは、ハンド部10側にある。第1開口9aを挟んでそれぞれ1対ある。第1あて部12a、第2あて部12bは、シート状で人にソフトに接するので、人に違和感を与えない。
また、第2あて部12bには、図13(c)に示すように、枠体17の上辺(第1辺38a)に、切り欠き20を有する。また、第1辺38aより内側の枠体17に第6折部36がある。結果、図14に示すように、外側に広がりやすい。第1あて部12aは、第1開口9aの内側へ向けて折られ、第2あて部12bは、第1開口9aの外側へ折られるが好ましい。人に対して密着し保持されやすい。なお、第1あて部12aは、第1開口9aの外側へ向けて折られ、第2あて部12bは、第1開口9aの内側へ折られてもよいし、両方、内側でも、両方、外側へ折られてもよい。
【0037】
(2)第1あて部12aの第4折部34が、第1辺38aより第1あて部12a側にある。
図13(b)に示すように、第1あて部12aの第4折部34が、第1あて部12a側にある。このことで、図12に示すように、第1あて部12aは、第1辺38aに対して、垂直でなく、少しRを帯びて曲がる。結果、人と第1あて部12aとが接触する場合に、人に圧されるように接触し、密着できる。なお、第4折部34は、直線より、上側に凸状が好ましい。より第1あて部12aがRを帯びて曲がりやすい。
なお、第1、2あて部は、必須ではなく、少なくとも1つ以上あるのが好ましい。
【0038】
(3)断面形状に傾斜部37がある。
図13(d)と図13(e)に、シート101の一部の断面形状を示す。
図13(d)は、領域A以外での断面形状である。図13(e)は、領域Aでの断面形状である。シート101を組み立て、本体部19となった時の外側のコーナーに傾斜部37がある。領域Aでは、特に、人と接触する可能性が高い。そのため、コーナー部分を無くするように傾斜部37を設けている。人が触ってもケガをしない。なお、他の部分にも、傾斜部37を設けてもよい。傾斜部37は、内側のシート101の面、外側のシート101の面に対して、垂直でなく、ある角度を有している。
【0039】
(4)逃がし部18がある。
枠体17の上面に、逃がし部18がある。第1折部31が折り曲がる時に、その折り曲がり(第3折部33)が集中するところに、逃がし部18を設けている。この場合、逃がし部18は、一例として、円形の貫通穴である。四角でも多角形、楕円の貫通穴でもよく、凹部、凸部でもよい。また、その部分だけシート101の厚みを薄くしてもよい。この逃がし部18により、第1折部31が折り曲がりやすい。
【0040】
(5)貫通穴16
貫通穴16は、上記実施の形態でもあった。しかし、実施の形態5では、枠体17の側にある。上記の実施の形態では、枠体17から飛び出していた。枠体17の第1開口9a側の辺から吐出したところに貫通穴16があった。この実施の形態5では、枠体17内に貫通穴16がある。このことにより、人25に、尿器100をあてる時に、貫通穴16から覗いて、男性器の位置を確認できる。結果、尿を確実に受けることができる。
また、貫通穴16のある部分は、シート101が2重に重なる部分である。貫通穴16に指などを入れて扱いやすい。
(6)第1凹部41
実施の形態3の図9の第1凹部41と同様に、図13,14にも第1凹部41がある。
【0041】
(7)第2折部32
図12(b)に第2折部32の拡大図を示す。図12(a)の点線で囲んだ部分である。第2折部32は、3本の折り目からなり、第2a折部32aと第2c折部32cが外側へ折れ、その間の第2折部32bが内側(第2開口9b側)へ折れ、形状が安定する。この3つの折部は、位置の順に折れる方向が異なるのが好ましい。
実施の形態5の変形例を図15(a)、図15(b)で説明する。図15(a)は、図13(a)の変形例のシート101である。図15(b)は、図14の本体部19の変形例の本体部19である。
図15(a)からわかるように、この変形例では、敷き部11が端部で、ハンド部10が中央である。敷き部11が2重となる。敷き部11は、大きな貫通孔16がなく、接着剤などで2重の敷き部11間を固定しやすい。
【0042】
(全体として)
各実施の形態は組み合わせることができる。たとえば、図14の第2あて部12bを他の実施の形態の本体部19へ組み合わせてもよい。固定部15、端部11b、折部なども同様である。また当然に、図11の例と他の実施の形態の一部とを組み合わせることもできる。さらに、各実施の形態の一部を除外して、実施の形態を組み合わせることもできる。寝たきりの人だけでなく、怪我した人、身体障害者、高齢者も利用できる。
吸収材13、第1吸収材13a、第2吸収材13bがない尿器部材として販売し、病院や各種施設において、吸収材を尿器部材に実施の形態のようにセットして使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の尿器は、トイレに行くことの難しい患者用の尿器が必要とされる分野に有用である。
【符号の説明】
【0044】
9a 第1開口
9b 第2開口
10 ハンド部
11 敷き部
11a、11b 端部
12a 第1あて部
12b 第2あて部
13 吸収材
13a 第1吸収材
13b 第2吸収材
14 袋部
15 固定部
16 貫通孔
17 枠体
18 逃がし部
19 本体部
20 切り欠き
21 右足
22 左足
23 股
25 人
30 傾斜部
30a 第1傾斜部
30b 第2傾斜部
31 第1折部
32 第2折部
32a 第2a折部
32b 第2b折部
32c 第2c折部
33 第3折部
34 第4折部
35 第5折部
36 第6折部
37 傾斜部
38a 第1辺
38b 第2辺
41 第1凹部
42 第2凹部
100 尿器
101 シート

図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
図10
図11
図12
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図15