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特開2023-53939泡入り飲料、特に泡入りビールをタップするためのタップユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053939
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】泡入り飲料、特に泡入りビールをタップするためのタップユニット
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/14 20060101AFI20230406BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
B67D1/14 Z
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022158769
(22)【出願日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】102021000025277
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】522388604
【氏名又は名称】チェリ エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】CELLI S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】トノニ アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】チェッカリーニ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】パロポリ アンドレア マリア
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA05
3E082BB03
3E082CC01
3E082DD01
3E082EE02
3E082FF03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】泡入り飲料、特に泡入りビールをタッピングするためのタッピングユニットを提供する。
【解決手段】タッピングユニット1は、飲料の量を受け取るための入口L11と、出口L12とを有する第1ラインL1と、第1ラインL1とは異なり、飲料の量を受け取るための入口L21と、出口L22とを有する、第2ラインL2と、第1ラインL1上に配置された第1バルブV1と、第2ラインL2上に配置された第2バルブV2と、第1バルブV1と第2バルブV2とに接続された論理制御ユニットUと、を備え、論理制御ユニットUは、少なくとも飲料の量が第1ラインL1の出口L12に存在するように、第1バルブV1を開くための第1制御信号を送信し、少なくとも泡の量が第2ラインL2の出口L22に存在するように、第2バルブV2を開くための少なくとも第2制御信号を送信するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡(F)入り飲料(B)、特に泡(F)入りビール(B)をタッピングするためのタッピングユニット(1)であって、前記タッピングユニット(1)は、
前記飲料(B)の量を受け取るための入口(L11)と、出口(L12)とを有する第1ライン(L1)と、
前記第1ライン(L1)とは異なり、前記飲料(B)の量を受け取るための入口(L21)と、出口(L22)とを有する、第2ライン(L2)と、
前記第1ライン(L1)上に配置された第1バルブ(V1)と、
前記第2ライン(L2)上に配置された第2バルブ(V2)と、
前記第1バルブ(V1)と前記第2バルブ(V2)とに接続された論理制御ユニット(U)と、を備え、
前記論理制御ユニットは、
少なくとも飲料(B)の量が前記第1ライン(L1)の前記出口(L12)に存在するように、前記第1バルブ(V1)を開くための第1制御信号を送信し、
少なくとも泡(F)の量が前記第2ライン(L2)の前記出口(L22)に存在するように、前記第2バルブ(V2)を開くための少なくとも第2制御信号を送信するように構成される、タッピングユニット(1)。
【請求項2】
前記第1ライン(L1)は、第1の直径を有するダクトであり、前記第2ライン(L2)は、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有するダクトである、先の請求項に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項3】
前記第1ライン(L1)は、前記第2ライン(L2)の形状とは異なる形状を有する、先の請求項のいずれか一項に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項4】
少なくとも前記第2バルブ(V2)は、比例弁であり、
前記論理制御ユニット(U)は、前記第2ライン(L2)の前記出口(L22)に所定の量の泡(F)が存在するように、前記第2バルブ(V2)に送信される前記第2制御信号を変調して前記第2バルブ(V2)の開度を調整するように構成される、先の請求項のいずれか一項に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項5】
前記第2制御信号が前記論理制御ユニット(U)によって変調される前に、所定の量の飲料(B)が前記第2ライン(L2)の出口(L22)に存在するように、前記第2バルブ(V2)を所定の時間開いた状態に維持するように構成される、請求項4に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項6】
前記論理制御ユニット(U)は、前記第2制御信号が変調されると、前記第1バルブ(V1)を閉じるように構成される、請求項4に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項7】
前記タッピングユニット(1)は、前記第1ライン(L1)の前記出口(L12)および前記第2ライン(L2)の前記出口(L22)に接続された出口ダクト(COUT)を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項8】
前記タッピングユニット(1)は、
前記第1ライン(L1)の前記出口(L12)に接続され、前記飲料(B)用の第1出口ダクト(COUT1)と、
前記第2ライン(L2)の前記出口(L22)に接続され、前記泡(F)用の第2出口ダクト(COUT2)と、を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項9】
前記タッピングユニット(1)は、前記論理制御ユニット(U)を作動させるための活性化手段(10)を備え、前記活性化手段(10)は、好ましくは、レバー(R)もしくはボタン、またはクラウドを介して前記論理制御ユニット(U)に接続可能なさらなる論理制御ユニットを備え、前記論理制御ユニット(U)は、前記さらなる論理制御ユニットによって送信される1または複数の信号/制御信号を受信するように構成される、先の請求項のいずれか一項に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項10】
前記タッピングユニット(1)は、
グラス(G)の充填レベルに関連する値を測定するためのレベルセンサ(S1)と、
および/または
前記泡(F)の経時的な安定性に関連する値を測定するための測定装置(S2)と、を備え、
前記論理制御ユニット(U)は、
前記グラス(G)の前記充填レベルに関連する前記値を取得し、前記値および/または前記泡(F)の経時的な安定性に関連する前記値を送信し、
前記グラス(G)の前記充填レベルに関連する前記値および/または前記泡(F)の経時的な安定性に関連する前記値を、携帯端末(D)または中央制御ユニットに送信するように構成される、先の請求項のいずれか一項に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項11】
前記レベルセンサ(S1)は、静電容量式センサまたは光電センサであり、
および/または
前記測定装置(S2)は、Nibem測定装置である、先の請求項に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項12】
前記タッピングユニット(1)は、
それぞれが飲料(B)のそれぞれの種類に関連付けられた1つまたは複数の固有の識別コードが記憶される記憶手段(M)を備え、
前記論理制御ユニット(U)は、前記飲料(B)の種類ごとに、前記グラス(G)の前記充填レベルに関連する前記値および/または前記泡(F)の経時的な安定性に関連する前記値を前記記憶手段(M)に記憶するように構成される、請求項10または11に記載のタッピングユニット(1)。
【請求項13】
分配される前記飲料(B)を受け取るための入口(21A)と、前記タッピングユニット(1)の前記第1ライン(L1)の前記入口(L11)および前記第2ライン(L2)の前記入口(L21)の両方に接続される出口(21B)とを有する入口ダクト(CIN)を備える、カラムディスペンサー(2)。
【請求項14】
請求項13に記載のカラムディスペンサー(2)と、
飲料(B)を収容する容器(3)であって、前記容器(3)が入口(31A)および出口(31B)を有し、前記出口(31B)が前記入口ダクト(CIN)の入口(21A)に接続される、前記容器(3)と、
前記容器(3)の前記入口(31A)に接続され、前記容器(3)内に存在する飲料(B)の量を、前記容器(3)の出口(31B)を介して前記カラムディスペンサー(2)の方へポンピングするポンピング装置(4)と、を備え、
前記カラムディスペンサー(2)は、前記ポンピング装置(4)を介して飲料(B)の量がポンピングされると、前記飲料(B)の量が前記カラムディスペンサー(2)の入口ダクト(CIN)に入り、前記入口ダクト(CIN)の入口(21A)を通って前記カラムディスペンサー(2)に入り、前記入口ダクト(CIN)の出口(21A)を通って、前記タッピングユニット(1)の前記第1ライン(L1)の入口(L11)および前記第2ライン(L2)の入口(L21)に達するように、前記入口ダクト(CIN)の前記出口(21A)を介して前記カラムディスペンサーから出てくる、ディスペンシングシステム。
【請求項15】
泡(F)入り飲料(B)、特に泡(F)入りビール(B)をタッピングするための方法であって、前記方法は、
A)タッピングユニット(1)は、
前記飲料(B)の量を受け取るための入口(L11)と、出口(L12)とを有する第1ライン(L1)と、
前記第1ライン(L1)とは異なり、飲料(B)の量を受け取るための入口(L21)と、出口(L22)とを有する、第2ライン(L2)と、
前記第1ライン(L1)上に配置された第1バルブ(V1)と、
前記第2ライン(L2)上に配置された第2バルブ(V2)と、
前記第1バルブ(V1)と第2バルブ(V2)とに接続された論理制御ユニット(U)と、を備え、
B)前記第1ライン(L1)の出口(L12)に少なくとも飲料(B)の量が存在するように、前記第1バルブ(V1)を開き、
C)前記第2ライン(L2)の出口(L22)に少なくとも泡(F)の量が存在するように、前記第2バルブ(V2)を開く、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡入り飲料をタッピングするためのシステムの分野に関し、特に、泡入り飲料をタッピングするためのタッピングユニットに関するものである。
【0002】
より詳細には、本発明は、2つの別個のライン備えるように構想されたタッピングユニットの構造に関するものであり、それぞれの量の飲料を通過させるための第1ラインと第2ラインと、各ラインがそれぞれの入口と出口と、それぞれのライン上に配置された第1バルブおよび第2バルブと、少なくとも飲料の量が第1ラインの出口に存在するように、第1バルブを制御し、少なくとも泡の量が第2ラインの出口に存在するように第2バルブを制御するように構成された論理制御ユニットによって制御されるように構成されるように考えられたタッピングユニットの構造に関する。
【0003】
すなわち、タッピングユニットは、それぞれの飲料の量を通過させるための第1の流路と第2の流路(これらは互いに異なる)からなり、少なくともある量の飲料が第1の流路から出て、少なくともある量の泡が第2の流路から出るように構成され、タッピングユニットが泡入り飲料をタッピングするように構成されている。
【0004】
泡入りビールをタッピングするためのタッピングユニットに関する説明である。
【0005】
それにもかかわらず、タッピングユニットは、泡入り飲料であれば、本発明の範囲から外れることなく使用することができる。
【背景技術】
【0006】
1杯のビールを楽しむということは、その泡の中にある香りを楽しむということでもある。
【0007】
発酵により、ビール内部には大量の二酸化炭素が発生し、ビールをタップすると、この大量の二酸化炭素から複数の気泡が放出される。
【0008】
気泡はホップの樹脂や麦芽のタンパク質を伴って表面に浮上しやすく、互いにくっつくことで典型的な泡を作り出す。
【0009】
このように、泡はタップだけでなく、ビールの種類によっても変化する。
【0010】
泡の重要な役割は、ビールを酸化から守ることである。
【0011】
しかし、グラスに注がれたビールの泡がかなり多い状態を好まない人も多い(これは、例えば、ビールを早くタップしたことが原因である場合がある。)
【0012】
したがって、泡は、グラスに注がれたビールの中に適切な割合で存在しなければならない。
【0013】
飲料、特にビールをタッピングするために、異なる方式が知られている。
【0014】
既知のタイプのタッピングシステムの一例は、タッピングユニットを含む。
【0015】
タッピングユニットは、
タッピングされる飲料のための入口ダクトおよび飲料のための出口ダクトと、
入口ダクトと出口ダクトとの間に配置されたタッピング装置と、備える。
【0016】
タッピング装置は、タッピングユニットを介した飲料のタッピングを開始および中断するための制御レバーと、制御レバーに動作可能に接続され、入口ダクトと出口ダクトとを流体連通させてタッピング装置の開閉を引き起こす1つまたは複数の可動シール要素と、を備える。
【0017】
制御レバーは、飲料タッピング方法を比例的に管理するように構成された電子制御ボードによって電子的に制御される少なくとも1つの第1比例アクチュエータによって可動である1つまたは複数の可動シール要素に動作可能に接続される。
【0018】
各比例アクチュエータは、形状記憶で製造されたそれぞれの作動要素が設けられており、作動要素は、対照的なばねを備えたワイヤで構成される。
【0019】
電子制御ボードは、作動要素を動かすのに必要な電流を管理し、電流が印加されたときのワイヤの電気抵抗を読み取ることによって間接的に決定された流体の物理パラメータを取得して処理するように構成されており、物理パラメータは、圧力、流量、温度グループから選択される。
【0020】
しかしながら、このような既知のタイプのタッピングシステムの欠点は、タッピングユニットがビールのタッピング専用に考案されていることである。
【0021】
したがって、泡の量を得るためには、オペレータが経験に基づいて操作レバーを手動で操作する必要があり、泡の量が多すぎたり少なすぎたりする危険性がある。
【0022】
実際には、操作者は、操作レバーを手動で第1の方向に動かしてビールをタッピングし、第1の方向と反対の第2の方向に動かして泡の量を得る。
【0023】
従って、泡の量を自動的に得ることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的は、欠点を克服することであり、泡入り飲料、特に泡入りビールをタッピングするためのタッピングユニットであって、泡が自動的に得られるタッピングユニットを提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、泡入り飲料、特に泡を入りビールをタッピングするための方法であって、泡が自動的に得られる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の目的は、泡入り飲料、特に泡入りビールをタッピングするためのタッピングユニットであって、タッピングユニットは、
飲料の量を受け取るための入口と、出口とを有する第1ラインと、
第1ラインとは異なり、飲料の量を受け取るための入口と、出口とを有する、第2ラインと、
第1ライン上に配置された第1バルブと、
第2ライン上に配置された第2バルブと、
第1バルブと第2バルブとに接続された論理制御ユニットと、を備え、
論理制御ユニットは、
少なくとも飲料の量が第1ラインの出口に存在するように、第1バルブを開くための第1制御信号を送信し、
少なくとも泡の量が第2ラインの出口に存在するように、第2バルブを開くための少なくとも第2制御信号を送信するように構成される。
【0027】
本発明のタッピングユニットの他の好ましい実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0028】
また、本発明の目的は、タッピングユニットを含んでなるカラムディスペンサー(Colonna spillatore)、およびカラムディスペンサーを備えるタッピングシステムである。
【0029】
さらに、本発明の目的は、泡入り飲料、特に泡入りビールをタッピングするための方法である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
次に、本発明を、その好ましい実施形態に従って、例示的ではあるが非限定的に、特に添付の図を参照しながら説明する。
図1図1は、本発明における泡入り飲料をタッピングするためのタッピングユニットを示す概略図である。
図2図2は、本発明における飲料と泡とをタッピングするためのタッピングユニットの第1実施形態の概略図である。
図3】本発明における泡入り飲料をタッピングするためのタッピングユニットの第2実施形態を示す概略図である。
図4図4は、本発明におけるタッピングユニットを備えるカラムディスペンサーの概略図である。
図5】カラムディスペンサーと、カラムディスペンサーに接続されたビールを収容する容器と、容器に接続され、容器内に存在するビールの量をカラムディスペンサー内に汲み上げるための汲み上げ装置とを備えるタッピングシステムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、飲料Bを泡Fでタッピングするための参照番号1で示されるタッピングユニットの概略図である。
【0032】
説明する例では、飲料Bはビールである。
【0033】
図1では、グラスGにビールBと「ビールの頭」を形成する泡Fの量が入っている様子が示されている。
【0034】
図2に示す第1実施形態において、タッピングユニット1は、
-飲料Bの量を受け取るための入口L11と、出口L12とを有する第1ラインL1と、
-第1ラインL1とは異なり、飲料Bの量を受け入れるための入口L21と、出口L22とを有する第2ラインL2と、
-第1ラインL1上に配置された第1バルブV1と、
-第2ラインL2上に配置された第2バルブV2と、を備える。
【0035】
さらに、タッピングユニット1は、第1バルブV1および第2バルブV2に接続された論理制御ユニットUを備え、
論理制御ユニットUは、
少なくとも飲料Bの量が第1ラインL1の出口L12に存在するように、第1バルブV1に第1制御信号を送信して第1バルブV1を開き、
少なくとも泡Fの量が第2ラインL2の出口L22に存在するように、第2バルブV2に第2制御信号を送信して第2バルブV2を開く。
【0036】
上述したラインを参照して、記載された実施形態では、第1ラインL1は、第1の直径を有するダクトであり、第2ラインL2は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有するダクトである。
【0037】
第2ラインL2の第2の直径が第1ラインL1の第1の直径より小さいことに起因して、第2バルブV2が開いているとき、実質的に乱流運動が発生し(すなわち、運動は層流運動ではない)、したがって、大量の泡が生成される。
【0038】
「実質的な乱流運動」という表現は、層流運動と乱流運動との間の遷移運動、または乱流運動を意味する。
【0039】
2つのラインL1、L2の直径が異なるという事実は、それぞれのラインが、飲料Bおよび泡Fのタップにそれぞれ適合されることを可能にする。
【0040】
さらに、図示しないが、第1ラインL1は、第2ラインL2の形状とは異なる形状を有することができる。
【0041】
換言すれば、第1ラインL1は、出口で少なくとも飲料Bの量を得るように設計することができ、第2ラインL2は、出口で少なくとも泡Fの量を得るように設計することができる。
【0042】
実際には、第1ラインL1の出口L12において、さらなる泡の量が存在することができ(飲料Bの量に加える)、第2ラインL2の出口L22において、さらなる飲料の量が存在することができる(泡Fの量に加える)ことは排除されない。
【0043】
さらに、第1ラインL1の入口L11と第2ラインL2の入口L21は、第1接続要素13によってカラムディスペンサー2(後述)の入口ダクトCINに接続されている。
【0044】
図2に示すように、2つのラインL1、L2は、平行または実質的に平行である。
【0045】
図2に示すように、各場合において、2つラインL1、L2は、同軸ではない。
【0046】
特に、記載された第1実施形態において、接続要素13は、T字型の要素である。
【0047】
上述したバルブを参照すると、記載された実施形態では、第1バルブV1は比例弁であり、第2バルブV2は比例弁である。
【0048】
しかしながら、両バルブが比例弁である必要はない。
【0049】
少なくとも第2バルブV2が比例弁であればよい。
【0050】
有利なことに、比例弁を使用することにより、論理制御ユニットUは、所望の特徴に従って飲料の量をタップすることが可能になる。
【0051】
それぞれのラインに配置された2つのバルブを用いることで、論理制御ユニットUによる制御を簡略化することができる。
【0052】
実際、論理制御ユニットUは、第1バルブV1および第2バルブV2を互いに独立して制御することができる。
【0053】
したがって、論理制御ユニットによって、第1バルブV1を横断する単位時間当たりの飲料の量を、第2バルブV2を横断する単位時間当たりの飲料の量とは独立して調整して、所望の量の泡、または例えば泡Fを形成するガス気泡の密度および/または寸法などの所望の特徴を有する所望の量の泡を得ることが可能である。
【0054】
論理制御ユニットUは、第2ラインL2の出口L22に所定の量の泡Fが存在するように、第2バルブV2に送信される少なくとも第2制御信号を変調して当該第2バルブV2の開度を調整するように構成されている。
【0055】
第1制御信号および第2制御信号は、それぞれの電圧信号とすることができる。
【0056】
第2制御信号は、第2ラインL2の出口L22における泡Fの量が所定の量の泡となるように、論理制御ユニットUによって変調することができる。
【0057】
さらに、第2制御信号は、論理制御ユニットUによって変調される前に、所定の量の飲料Bが第2ラインL2の出口L22に存在するように、第2バルブV2を所定の時間だけ開いた状態に維持するように構成することができる。
【0058】
この目的のために、タッピングユニット1は、記憶手段M(例えばメモリ)を構成することができ、プリセット期間は、記憶手段Mに記憶されることができる。
【0059】
説明する実施形態では、論理制御ユニットUは、記憶手段Mに接続されている。
【0060】
それでも、記憶手段Mは、本発明の範囲を逸脱することなく、論理制御ユニットUに含むことができる。
【0061】
第2制御信号が論理制御ユニットUによって変調された場合、論理制御ユニットUは、第1バルブV1を閉じるように構成されることが好ましい。
【0062】
タッピングユニット1は、論理制御ユニットUを活性化させるための活性化手段を備える。
【0063】
説明した第1実施形態では、活性化手段は、レバーRで構成される。
【0064】
第1の代替案(図示せず)において、活性化手段は、本発明の範囲から逸脱することなく、ボタンで構成することができる。
【0065】
第2の代替案(図示せず)において、活性化手段は、クラウドによって論理制御ユニットUに接続可能な更なる論理制御ユニットで構成することができる。
【0066】
さらなる論理制御ユニットは、(クラウドによって)1つまたは複数の信号/制御信号を論理制御ユニットUに送信するように構成することができ、後者は、さらなる論理制御ユニットによって送信された1つまたは複数の信号を受信するように構成することができる。
【0067】
さらなる論理制御ユニットは、インターネット接続によってクラウドにアクセスするように構成され、コンピュータまたは例えばスマートフォンやタブレットのようなモバイル電子デバイスの内部に配置することができる。
【0068】
さらに、さらなる論理制御ユニットは、それぞれのプリセットパラメータを参照する1つ以上のパラメータまたは1つ以上の更新値を論理制御ユニットUに送信するように構成することができ、論理制御ユニットUは、パラメータおよび更新値を記憶手段Mに格納するように構成することができる。
【0069】
さらに、説明した第1実施形態において、タッピングユニット1は、グラスGの充填値に関連する値を測定するためのレベルセンサS1を備え、論理制御ユニットUは、
グラスGの充填値に関連する値を取得し、
グラスGの充填値に関連する値を携帯端末Dに送信するように構成される。
【0070】
特に、レベルセンサS1は、容量センサまたは光電センサであってもよい。
【0071】
有利には、レベルセンサによってグラスの充填値を制御することが可能であり、飲料がグラスから溢れるほどグラスが充填され、その結果、飲料が無駄になることを防止することが可能である。
【0072】
レベルセンサS1に加えてまたは代替的に、タッピングユニット1は、泡Fの経時的な安定性に関連する値を測定するための測定装置S2を備えることができ、論理制御ユニットUは、
泡Fの経時的な安定性に関連する値を取得し、
泡Fの経時的な安定性に関連する値を携帯端末Dに送信するように構成される。
【0073】
特に、測定装置S2は、Nibem測定装置とすることができる。
【0074】
したがって、測定装置S2を使用すると、グラス中の泡の持続時間、すなわち持続性を測定することが可能である。
【0075】
泡入りビールについて、この測定装置S2によって得られる値は、長時間にわたってコンパクトな状態を維持する泡の能力を示している。
【0076】
有利には、オペレータは、泡が一定時間コンパクトなままであることを保証して、泡入りビールのグラスを提供することができる。
【0077】
説明する第1実施形態では、タッピングユニット1は、レベルセンサS1と、泡の経時的な安定性を測定するための測定装置S2との両方を備える。
【0078】
さらに、グラスGの充填値に関連する値および/または泡Fの経時的な安定性に関連する値は、本発明の範囲から逸脱することなく、論理制御ユニットによって、携帯端末Dではなく中央制御ユニット(図示せず)に送信することが可能である。
【0079】
有利には、グラスGの充填値に関連する値および/または泡Fの経時的な安定性に関連する値を携帯端末Dまたは中央制御ユニットに送信することができるという事実は、値を携帯端末または中央制御ユニットに含まれる表示手段(例えばディスプレイ)上に表示することを可能にし、好ましくは携帯端末または中央制御ユニットに配置されたさらなる記憶手段(例えばさらなるメモリ)中に記憶することによって、充填レベルおよび/または泡の安定性を経時的に監視することができるようにする。
【0080】
タッピングユニット1の記憶手段Mに、それぞれが飲料Bの種類のそれぞれと関連付けられた1つ以上の固有の識別コードが記憶され、論理制御ユニットUが、飲料Bの種類ごとに、グラスGの充填量と関連付けられた値および/または泡Fの経時的な安定性と関連付けられる値を記憶手段Mに記憶するよう構成されることが好ましい。
【0081】
有利には、各飲料のグラスGの充填レベルの値および/または泡Fの経時的な安定性の値を記憶することができるという事実は、各飲料について、タップされた飲料の体積が同じであることを考慮して、各飲料がグラスをどれだけ充填するかについての情報、および/または飲料の泡が経時的にどのように変化するかの情報を得る可能性をオペレータに提供する。
【0082】
図2に示すように、説明した第1実施形態では、タッピングユニット1は、第1ラインL1の出口L12と第2ラインL2の出口L22とに接続された(単一の)出口ダクトCOUTを備える。
【0083】
第1ラインL1の出口L12と第2ラインL2の出口L22とは、第2接続要素14によって出口ダクトCOUTに接続される。
【0084】
特に、説明した第1実施形態において、第2の接続要素14は、T字型要素である。
【0085】
さらに、図2に示すように、ノズルNは、出口ダクトCOUTの一端に位置する。
【0086】
図3は、タッピングユニット1の第2実施形態を示している。
【0087】
第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、タッピングユニット1は、それぞれのラインに接続されるそれぞれの出口ダクトを備える。
【0088】
従って、第1実施形態とは異なり、第2接続要素14は存在しない。
【0089】
特に、タッピングユニット1は、
第1ラインL1の出口L12に接続された、飲料Bのための第1出口ダクトCOUT1と、
第2ラインL2の出口L22に接続された、泡Fのための第2出口ダクトCOUT2と、を備える。
【0090】
説明した第2実施形態では、第1出口ダクトCOUT1は、第1ラインL1の第1の直径と同じ直径を有し、第2出口ダクトCOUT2は、第2ラインL2の第2の直径と同じ直径を有する。
【0091】
それにもかかわらず、第1出口ダクトCOUT1の直径および第2出口ダクトCOUT2の直径が、第1ラインL1の第1の直径および第2ラインL2の第2の直径にそれぞれ等しい必要はない。
【0092】
実際には、第1出口ダクトCOUT1は、第1ラインL1の第1の直径とは異なる直径を有することができ、第2出口ダクトCOUT2は、本発明の範囲から逸脱することなく、第2ラインL2の第2の直径とは異なる直径を有することができる。
【0093】
さらに、図3に示すように、それぞれのノズルは、それぞれの出口ダクトの一端に位置する:第1ノズルN1は、第1出口ダクトCOUT1の一端に位置し、第2ノズルN2は、第2出口ダクトCOUT2の一端に位置する。
【0094】
第1ノズルN1は、第1出口ダクトCOUT1の端部に配置されるように形成され、第2ノズルN2は、第2出口ダクトCOUT2の端部に配置されるように形成されている。
【0095】
図4は、上述したタッピングユニット1を備えるカラムディスペンサー2を示す図である。
【0096】
カラムディスペンサーは、タッピングされる飲料Bを受け入れるための入口21Aと、タッピングユニット1の第1ラインL1の入口L11と第2ラインL2の入口L21との両方に接続された出口21Bとを有するダクトまたは入口ダクトCINを更に備える。
【0097】
入口ダクトCINは、カラムディスペンサー2のケーシングの内部に配置される。
【0098】
図5は、泡入り飲料をタッピングするためのタッピングシステムを示す。
タッピングシステムは、
カラムディスペンサー2(タッピングユニット1を備える)と、
カラムディスペンサー2に接続された、飲料Bを収容する容器3と、
容器3に接続され、容器3内に存在する飲料Bの量をカラムディスペンサー2に向けてポンピングするポンピング装置4と、を備える。
【0099】
特に、容器3は、ポンピング装置4に接続された入口31Aと、カラムディスペンサー2の入口ダクトCINの入口21Aに接続された出口31Bを有する。
【0100】
タッピングシステムが使用されているとき、ポンピング装置4は、容器3内に存在する飲料の量を、カラムディスペンサー2内にポンピングする。
【0101】
飲料Bの量は、容器3の出口31Bを出て、カラムディスペンサー2の入口ダクトCINの入口に達し、入口ダクトCINを介して、タッピングユニット1に達し、それに応じて第1ラインL1の入口L11と第2ラインL2の入口L21とに達する。
【0102】
論理制御ユニットUによって制御されるバルブV1、V2を介して、飲料Bの量が第1ラインL1の出口L12から出て、泡Fの量が第2ラインL2の出口L22から出る。
【0103】
このようにして、タッピングユニットの下方に配置されたグラスGは、飲料Bの量と泡Fの量を受け取ることになる。
【0104】
本発明はまた、泡入り飲料をタッピングするための方法に関する。
【0105】
本方法は、
A)タッピングユニット1は、
飲料Bの量を受け取るための入口L11と、出口L12とを有する、第1ラインL1と、
第1ラインL1とは異なる第2ラインL2であって、飲料Bの量を受け取るための入口L21と、出口L22とを有する、第2ラインL2と、
第1ラインL1上に配置された第1バルブV1と、
第2ラインL2上に配置された第2バルブV2と、を備え、
B)少なくとも飲料Bの量が第1ラインL1の出口L12に存在するように、第1バルブV1を開き、
C)第2ラインL2の出口L22に少なくとも量の泡Fが存在するように、第2のバルブV2を開くことを備える。
[発明の効果]
【0106】
有利には、本発明の目的であるタッピングユニット1は、泡F入りの飲料Bを得ることを可能にし、この場合、泡Fは自動的に得られる。
【0107】
2つの別個のラインL1、L2と、それぞれがそれぞれライン上に配置されている互いに異なる2つのバルブV1、V2の存在と、バルブのそれぞれの開閉を互いに独立して制御するように構成された制御論理Uの存在により、飲料Bの量が第1ラインL1から出て、泡Fの量が第2ラインL2から出る。
【0108】
タッピングユニット1が1つの出口ダクトCOUT1(飲料および泡用)のみを有するか、または2つの出口ダクトCOUT1、COUT2(飲料B用の出口ダクトCOUT1および泡F用の出口ダクトCOUT2)を有するかにかかわらず、泡F入り飲料Bの量は、タッピングユニット1により取得される。
【0109】
本発明は、その好ましい実施形態に従って、例示的であるが非限定的な方法で説明されてきたが、当業者によって、それによって添付の請求項によって定義されるような相対的な保護範囲から外れることなく、変形および/または修正がなされ得ることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】