(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005394
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】壁面収納棚
(51)【国際特許分類】
E04F 19/08 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
E04F19/08 102K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107260
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】390004145
【氏名又は名称】城東テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】松瀬 徳幸
(57)【要約】
【課題】ビス等の固定具により取り付けても、美麗な仕上がりとすることを可能にする。
【解決手段】壁面収納棚1は、収納棚本体10と、カバー部材20とを有する。収納棚本体10は、前面の周縁から外方に突出するフランジ部15を有する。フランジ部15には、厚み方向に貫通する、複数のビス穴及び複数の下地のぞき穴が形成されている。カバー部材20は、フランジ部15を前面側から覆いつつフランジ部15に装着可能に構成されている。また、カバー部材20は、フランジ部15に装着された状態において、複数のビス穴を覆うことが可能に形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に設けられた開口部に嵌め込んで用いられる、前面が開口する有底箱状の収納棚本体を有する壁面収納棚において、
前記収納棚本体は、前記前面の周縁から外方に突出するフランジ部を有し、
前記フランジ部には、厚み方向に貫通する、複数の固定用穴及び複数の下地のぞき穴が形成されており、
前記フランジ部を前面側から覆いつつ前記フランジ部に装着可能なカバー部材であって、前記フランジ部に装着された状態において、少なくとも前記複数の固定用穴を覆うことが可能なカバー部材をさらに有することを特徴とする壁面収納棚。
【請求項2】
壁面に設けられた開口部に嵌め込んで用いられる、前面が矩形状に開口する有底箱状の収納棚本体を有する壁面収納棚において、
前記収納棚本体は、前記開口を画定する前記前面の4辺周縁のすべてを囲むように外方に突出するフランジ部を有し、
前記4辺のうちの一部の辺に対応する前記フランジ部には、厚み方向に貫通する固定用穴が形成されており、
前記一部の辺に対応する前記フランジ部を前面側から覆いつつ当該フランジ部に装着可能なカバー部材であって、当該フランジ部に装着された状態において、少なくとも前記固定用穴を覆うことが可能なカバー部材をさらに有し、
前記カバー部材の前面は、前記一部の辺に対応する前記フランジ部に装着された状態において、前記4辺のうちの他の辺に対応する前記フランジ部の前面と略同一平面レベルに配置されていることを特徴とする壁面収納棚。
【請求項3】
前記フランジ部には、厚み方向に貫通する下地のぞき穴が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の壁面収納棚。
【請求項4】
前記下地のぞき穴が、前記一部の辺に対応する前記フランジ部に複数形成されていることを特徴とする請求項3に記載の壁面収納棚。
【請求項5】
前記固定用穴が、前記外方に沿って延在する長穴形状を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の壁面収納棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の室内の壁面の開口部に嵌め込まれて用いられる壁面収納棚に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンカウンター、リビング、浴室、洗面脱衣室、トイレ等の壁面に形成された開口部に嵌め込んで用いられる収納棚として、専用の保持具や両面テープにより、壁面の開口部に取り付けられた収納棚が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-249751号公報
【特許文献2】実開平4-107356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の収納棚においては、開口部への取り付けに専用の保持具を用いるため、保持具を壁面側に取り付ける作業やその取付位置を正確に行うための作業などが煩雑となる。また、収納棚側の形状を保持具に合わせた形状にするなど収納棚の加工コストが高くなるという問題が生じる。
また、上記特許文献2に記載の収納棚においては、開口部への取り付けに両面テープを用いるため、壁面側の表面状態に気を遣わなければならないとともに、取付強度、経年劣化による脱落などの問題が生じる。
【0005】
上記問題点を解決するために本発明者は、ビスなどの固定具により取り付け可能な構成とすることで、取り付け及び位置合わせ作業を容易にし、加工コストの上昇の抑制、脱落の抑制を可能にすることを考えたが、当該固定具が露出するため、見た目が悪いという新たな問題が生じた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ビス等の固定具により取り付けても、美麗な仕上がりとすることが可能な壁面収納棚を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の壁面収納棚は、第1の観点では、壁面に設けられた開口部に嵌め込んで用いられる、前面が開口する有底箱状の収納棚本体を有する壁面収納棚において、前記収納棚本体は、前記前面の周縁から外方に突出するフランジ部を有し、前記フランジ部には、厚み方向に貫通する、複数の固定用穴及び複数の下地のぞき穴が形成されており、前記フランジ部を前面側から覆いつつ前記フランジ部に装着可能なカバー部材であって、前記フランジ部に装着された状態において、少なくとも前記複数の固定用穴を覆うことが可能なカバー部材をさらに有する。
【0008】
これによると、収納棚本体が固定用穴を通してビス等の固定具により壁面に固定されても、カバー部材で固定具及び固定用穴を覆うことが可能となる。このため、固定具により取り付けても、美麗な仕上がりとすることが可能となる。また、下地のぞき穴により下地の位置を確認でき、固定具による収納棚本体の留め付けを確実に行うことができる。
【0009】
また、本発明の壁面収納棚は、第2の観点では、壁面に設けられた開口部に嵌め込んで用いられる、前面が矩形状に開口する有底箱状の収納棚本体を有する壁面収納棚において、前記収納棚本体は、前記開口を画定する前記前面の4辺周縁のすべてを囲むように外方に突出するフランジ部を有し、前記4辺のうちの一部の辺に対応する前記フランジ部には、厚み方向に貫通する固定用穴が形成されており、前記一部の辺に対応する前記フランジ部を前面側から覆いつつ当該フランジ部に装着可能なカバー部材であって、当該フランジ部に装着された状態において、少なくとも前記固定用穴を覆うことが可能なカバー部材をさらに有し、前記カバー部材の前面は、前記一部の辺に対応する前記フランジ部に装着された状態において、前記4辺のうちの他の辺に対応する前記フランジ部の前面と略同一平面レベルに配置されている。
【0010】
これによると、収納棚本体が固定用穴を通してビス等の固定具により壁面に固定されても、カバー部材で固定具及び固定用穴を覆うことが可能となる。このため、固定具により取り付けても、美麗な仕上がりとすることが可能となる。また、一部のフランジ部に装着されたカバー部材の前面と、カバー部材が装着されていない他のフランジ部の前面とを略同一平面レベルに配置することが可能となり、より美麗な仕上がりとなる。なお、本発明において、略同一平面レベルとは、壁面収納棚を建物の室内の壁面の開口部に取付けたときに、カバー部材が装着されたフランジ部の前面が、装着されていない他のフランジ部の前面に対して、外観上明らかに突出又は窪んでいない程度の凹凸、或いは機能上安全な程度の突出又は窪みを意味し、建物の分野において許容され得る数ミリ程度の凹凸を包含する。
【0011】
本発明において、前記フランジ部には、厚み方向に貫通する下地のぞき穴が形成されていることが好ましい。これにより、下地のぞき穴により下地の位置を確認でき、固定具による収納棚本体の留め付けを確実に行うことができる。
【0012】
また、本発明において、前記下地のぞき穴が、前記一部の辺に対応する前記フランジ部に複数形成されていることが好ましい。これにより、複数の下地のぞき穴により、下地のぞき穴の並び方向に沿って下地の位置を確認でき、固定具による収納棚本体の留め付けをより一層確実に行うことができる。
【0013】
また、本発明において、前記固定用穴が、前記外方に沿って延在する長穴形状を有することが好ましい。これにより、固定具を斜めに打って斜め留めを行ったときの応力を横へ逃がすことができる。このため、斜め留めを良好に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の壁面収納棚の第1の観点によると、収納棚本体が固定用穴を通してビス等の固定具により壁面に固定されても、カバー部材で固定具及び固定用穴を覆うことが可能となる。このため、固定具により取り付けても、美麗な仕上がりとすることが可能となる。また、下地のぞき穴により下地の位置を確認でき、固定具による収納棚本体の留め付けを確実に行うことができる。
本発明の壁面収納棚の第2の観点によると、収納棚本体が固定用穴を通してビス等の固定具により壁面に固定されても、カバー部材で固定具及び固定用穴を覆うことが可能となる。このため、固定具により取り付けても、美麗な仕上がりとすることが可能となる。また、一部のフランジ部に装着されたカバー部材の前面と、カバー部材が装着されていない他のフランジ部の前面とを略同一平面レベルに配置することが可能となり、より美麗な仕上がりとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る壁面収納棚が採用された建物構造を示す要部斜視図である。
【
図4】
図3に示す収納棚本体の左端部近傍部分を左斜め上から見たときの拡大斜視図である。
【
図5】
図3に示す収納棚本体の左端部近傍部分を右斜め上から見たときの拡大斜視図である。
【
図6】
図2に示す壁面収納棚の左端部近傍部分を後方から見たときの背面図である。
【
図7】
図2に示すカバー部材の左側のカバー部の斜視図であり、(a)は左斜め後方から見たときの斜視図であり、(b)は右斜め後方から見たときの斜視図である。
【
図8】
図3に示す収納棚本体を壁の開口部に挿入した状態の建物構造の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る壁面収納棚1が採用された建物構造について、
図1を参照しつつ以下に説明する。
【0017】
建物構造100は、
図1に示すように、室内の壁101と、壁101に形成された開口部102(
図8参照)に嵌め込まれた壁面収納棚1とを有している。壁101は、室内の一部を画定する壁面101aを有し、当該壁面101aには開口部102が形成されている。なお、壁101は、キッチンカウンター、リビング、浴室、洗面脱衣室、トイレ等、いずれの壁であってもよい。そして、壁面収納棚1は、壁面101a側に開口しており、室内側から物を置くことが可能に構成されている。なお、
図1には、壁101の壁面101a側を前方とし、壁101の厚み方向を前後方向Aとして示す。また、
図1には、前後方向Aに直交する水平方向を左右方向Bとして示し、前後方向A及び左右方向Bと直交する方向を上下方向Cとして示す。また、
図2~
図8にも、説明の便宜上、
図1に示す前後方向A、左右方向B及び上下方向Cを適宜反映して示す。
【0018】
<壁面収納棚1>
次に、壁面収納棚1について、図面を参照しつつ以下に説明する。壁面収納棚1は、
図2に示すように、収納棚本体10と、カバー部材20とを含む。収納棚本体10は、その前面が矩形状に開口する有底箱形状を有している。つまり、収納棚本体10は、前方に向かって開口する凹部11を有し、その凹部11の前端に開口12を有する。本実施形態においては、収納棚本体10の前面部分のほぼ全体が開口12となるような形状であるため、開口12を画定する4辺部分が前面に該当する。なお、変形例として、収納棚本体10の開口12と後述のフランジ部15との間に幅広であって環状の前面部分を有していてもよい。また、収納棚本体10は、左右方向Bに沿って長尺に形成されており、開口12が左右方向Bに長尺な矩形形状を有する。
【0019】
収納棚本体10は、
図3に示すように、フランジ部15を有する。フランジ部15は収納棚本体10の前面の周縁(開口12の周縁)から外方に突出して形成されている。また、フランジ部15は、収納棚本体10の開口12を画定する4辺周縁のすべてを囲むように環状に形成されている。フランジ部15は、左右方向Bに平行に延在する一対の第1フランジ部分16と、上下方向Cに平行に延在する一対の第2フランジ部分17とを有する。一対の第1フランジ部分16は、開口12を画定する上下の2辺のうち、上辺から上方に突出する上フランジ部分と、下辺から下方に突出する下フランジ部分とで構成されている。これら上フランジ部分と下フランジ部分は、収納棚本体10の中心を通る左右方向Bに平行な中心線に対して線対称に配置されている。一対の第1フランジ部分16は、四角断面形状を有しており、その前面16aが平面となっている。
【0020】
一対の第2フランジ部分17は、
図3に示すように、開口12を画定する左右の2辺のうち、左辺から左方に突出する左フランジ部分と、右辺から右方に突出する右フランジ部分とで構成されている。これら左フランジ部分と右フランジ部分は、収納棚本体10の中心を通る上下方向Cに平行な中心線に対して線対称に配置されている。本実施形態においては、一対の第2フランジ部分17のうちの左フランジ部分について説明し、右フランジ部分の詳細の説明は省略する。
【0021】
第2フランジ部分(左フランジ部分)17には、
図4及び
図5に示すように、厚み方向(前後方向A)に貫通した、4つのビス穴(固定用穴)18と、2つの下地のぞき穴19とが形成されている。また、第2フランジ部分17の上下方向Cの中央外側(中央左側)には、切り欠き部31が形成されている。2つの下地のぞき穴19は、上下方向Cにおいて、切り欠き部31を挟む位置に配置されている。各下地のぞき穴19は、上下方向Cに沿って長尺な矩形形状を有する。4つのビス穴18は、上下方向Cにおいて、2つの下地のぞき穴19を挟む位置に2つずつ配置されている。各ビス穴18は、左右方向Bに沿って延在する長穴形状を有する。つまり、ビス穴18は、形成される第2フランジ部分17の開口12の周縁から突出する方向に沿って延在して形成されている。
【0022】
第2フランジ部分17の上下方向Cの中央内側(開口12寄りであって中央右側)には、
図5に示すように、厚み方向に貫通する貫通部32が形成されている。貫通部32の後方部分には、後述の係止爪23aによって係止される被係止部33が形成されている。被係止部33は、上下方向Cに沿って延在する棒状部材であって、貫通部32を画定する上下の壁面32aに接続されている。また、第2フランジ部分17の周縁部の後方部分には、
図4及び
図6に示すように、後述の係止爪24a,25a,26aによって係止される4つの被係止溝34が形成されている。
【0023】
また、第2フランジ部分17は、
図4に示すように、その前面17aが第1フランジ部分16の前面16aよりも後方に一段下がった位置に配置されるように、形成されている。より詳細には、第2フランジ部分17にカバー部材20が装着されたときに、カバー部材20の前面20aと第1フランジ部分16の前面16aとが略同一平面レベル(すなわち、略面一)となるように、第2フランジ部分17が開口12の周縁から突出して形成されている。なお、本実施形態においてカバー部材20の前面20aは、第1フランジ部分16の前面16aより1mm突出している(前方に出っ張って位置している)。変形例として、前面20aは前面16aよりもやや後方に位置していてもよい。
【0024】
カバー部材20は、
図2に示すように、2つのカバー部21を有する。2つのカバー部21は、第2フランジ部分17の左フランジ部分及び右フランジ部分に着脱可能に構成されている。これら2つのカバー部21も、収納棚本体10の中心を通る上下方向Cに平行な中心線に対して線対称に配置されている。本実施形態においては、左フランジ部分に着脱可能なカバー部21について説明し、右フランジ部分に着脱可能なカバー部21の詳細の説明は省略する。
【0025】
カバー部21は、
図7に示すように、後方に向かって開口する凹部22が形成された箱形状を有している。カバー部21の凹部22を画定する右側壁23は、2つの切り欠き23aと、嵌合片23bとを有する。2つの切り欠き23aは、右側壁23の上下方向Cの中央部分、すなわち、嵌合片23bを挟む位置に配置されている。嵌合片23bは、右側壁23に2つの切り欠き23aが形成されることで残った部分であり、第2フランジ部分17の貫通部32に嵌め込むことが可能に構成されている。また、嵌合片23bには、
図7(a)に示すように、2つの係止爪23cが形成されている。これら係止爪23cは、嵌合片23bから左方に突出して形成され、上下方向Cに互いに離隔して配置されている。また、2つの係止爪23cは、嵌合片23bを貫通部32に嵌め込んだときに、被係止部33と係止可能に構成されている。
【0026】
カバー部21の凹部22を画定する左側壁24、上側壁25及び下側壁26には、
図6及び
図7に示すように、4つの係止爪24a,25a,26aが形成されている。左側壁24には、2つの係止爪24aが左側壁24から右方に突出して形成されている。これら2つの係止爪24aは、上下方向Cに沿って互いに離隔して配置されている。上側壁25には、1つの係止爪25aが上側壁25から下方に突出して形成されている。下側壁26には、1つの係止爪26aが下側壁26から上方に突出して形成されている。これら4つの係止爪24a,25a,26aは、カバー部21を第2フランジ部分17に装着したときに、4つの被係止溝34に係止可能に構成されている。
【0027】
また、カバー部21は、
図2に示すように、第2フランジ部分17に装着された状態において、カバー部材20の前面20a(カバー部21の前面)と第1フランジ部分16の前面16aとが同一平面レベルとなるように、形成されている。また、カバー部21は、第2フランジ部分17に装着された状態において、第2フランジ部分17の前面17a全体(すなわち、ビス穴18、下地のぞき穴19、切り欠き部31など全体)を覆うことが可能なように形成されている。
【0028】
続いて、壁101に壁面収納棚1を取り付けるときの状況について、
図1及び
図8を参照しつつ以下に説明する。まず、壁101に形成された開口部102に、
図8に示すように、収容棚本体10を挿入し、フランジ部15を壁面101aに当接させる。そして、下地のぞき穴19から下地となる壁面101aを確認しながら、収納棚本体10の位置決めをする。この後、収納棚本体10を位置決めした状態で、壁面101aの各ビス穴18と対向する部分に下穴を形成する。
【0029】
次に、各ビス穴18から下穴にビス(固定具)をねじ込んで、収納棚本体10を壁101に留め付ける。このとき、ビス穴18が長穴形状を有しているため、ビスを斜め外側に打って斜め留めを行ったときの応力を横へ逃がすことができる。このため、斜め留めを良好に行うことが可能となる。また、本実施形態においては、ビスで収納棚本体10を壁101に固定することが可能であるため、ビスを緩めることで、収納棚本体10の設置位置の微調整を行うことが可能となる。
【0030】
次に、カバー部材20の2つのカバー部21を、一対の第2フランジ部分17に装着する。つまり、カバー部21の嵌合片23bを第2フランジ部分17の貫通部32に嵌め込み、係止爪23cを被係止部33に係止させる。このとき、4つの係止爪24a,25a,26aを、第2フランジ部分17の4つの被係止溝34に係止させる。こうして、カバー部材20で、一対の第2フランジ部分17の前面17a全体を覆い、壁101への壁面収納棚1の取り付けが完了する。
【0031】
以上に述べたように、収納棚本体10がビス穴(固定用穴)18を通してビス(固定具)により壁面101aに固定されても、カバー部材20でビス及びビス穴18を覆うことが可能となる。このため、ビスにより取り付けても、美麗な仕上がりとすることが可能となる。また、下地のぞき穴19により下地の位置を確認でき、ビスによる収納棚本体10の留め付けを確実に行うことができる。
【0032】
また、カバー部材20は、第2フランジ部分17に装着された状態において、その前面20aと第1フランジ部分16の前面16aとが同一平面レベルとなるように、形成されている。これにより、壁面収納棚1がより美麗な仕上がりとなる。
【0033】
また、第2フランジ部分17に下地のぞき穴19が形成されていることで、下地のぞき穴19により壁面101a(下地)の位置を確認でき、ビスによる収納棚本体10の留め付けを確実に行うことができる。
【0034】
また、下地のぞき穴19が、各第2フランジ部分17に2つ形成されている。これにより、複数の下地のぞき穴19により、下地のぞき穴19の並び方向(上下方向C)に沿って壁面101a(下地)の位置を確認でき、ビスによる収納棚本体10の留め付けをより一層確実に行うことができる。
【0035】
本実施形態では、左右両側のフランジ部分17の各々の上下2箇所にビス穴18を2つずつ長穴として設けているが、これは下地材の接合部にビスが干渉すると下地材の接合部を広げたり、締結を緩めたりする可能性があるのを、下地材の組み方に応じて各箇所の2つのビス穴18において接合部に干渉しない位置を選択可能とするためである。
【0036】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、カバー部材20のカバー部21は、第2フランジ部分17に装着された状態において、第2フランジ部分17の前面17a全体を覆っているが、ビス穴18だけを覆っていてもよい。これにおいても、上述と同様に、収納棚本体10をビスにより取り付けても、美麗な仕上がりとすることが可能となる。
【0037】
また、各第1フランジ部分16が、第2フランジ部分17と同様な固定用穴としてのビス穴18が1以上設けられていてもよい。この場合、カバー部材20が、各第1フランジ部分16を覆うことが可能に構成されておればよい。また、第1フランジ部分16にビス穴18が形成され、カバー部材20で覆うことが可能な構成であれば、第2フランジ部分17が、カバー部材20で覆われない第1フランジ部分16と同様なものであってもよい。
【0038】
また、上述の実施形態における各フランジ部分17には、2つの下地のぞき穴19が形成されているが、1又は3以上形成されていてもよい。また、フランジ部15に下地のぞき穴19が形成されていなくてもよい。また、ビス穴18が長穴形状以外の形状を有していてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 壁面収納棚
10 収納棚本体
12 開口
15 フランジ部
16 第1フランジ部分(フランジ部)
16a 前面
17 第2フランジ部分(フランジ部)
18 ビス穴(固定用穴)
19 下地のぞき穴
20 カバー部材
20a 前面
101a 壁面
102 開口部