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特開2023-54062薬剤撮影補助装置、薬剤撮影装置、薬剤鑑別方法及び薬剤鑑別システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054062
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】薬剤撮影補助装置、薬剤撮影装置、薬剤鑑別方法及び薬剤鑑別システム
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20230406BHJP
   G16H 20/10 20180101ALI20230406BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230406BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
G16H20/10
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018738
(22)【出願日】2023-02-09
(62)【分割の表示】P 2019086515の分割
【原出願日】2019-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(72)【発明者】
【氏名】西山 太樹
(72)【発明者】
【氏名】安岡 啓太
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で患者の持参薬の鑑別結果を取得できるようにするための、薬剤鑑別
システムを提供する。
【解決手段】薬剤撮影装置1は、薬剤が載置される載置部11と、携帯端末16を設置可
能な上方支持部13とを有する。携帯端末16は、前記載置部11に載置された薬剤を撮
影する撮影部17を備える。撮影された画像データは、外部のサーバへ送信され、外部の
サーバにおいて画像データ内の薬剤の鑑別処理を行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤が載置される載置部と、
前記載置部に載置された薬剤を撮影する撮影部を備えた携帯端末であって、撮影した画
像データをサーバに送信する携帯端末を設置可能な第1支持部と、
を備えた薬剤撮影補助装置。
【請求項2】
前記載置部と前記第1支持部との間に設置された第1照明部をさらに備えた、請求項1
に記載の薬剤撮影補助装置。
【請求項3】
前記第1支持部に設置した前記携帯端末からの撮影方向とは異なる方向から前記載置部
に載置された薬剤の撮影が可能となる位置に、前記携帯端末を設置可能な第2支持部をさ
らに備えた、請求項1または2に記載の薬剤撮影補助装置。
【請求項4】
前記載置部と前記第2支持部との間に設置された第2照明部をさらに備えた、請求項3
に記載の薬剤撮影補助装置。
【請求項5】
前記載置部は、前記薬剤を収容するシャーレ部を備える、請求項1~4のいずれか一項
に記載の薬剤撮影補助装置。
【請求項6】
前記シャーレ部の底面に凹凸形状の部材を備える、請求項5に記載の薬剤撮影補助装置
【請求項7】
前記シャーレ部の蓋部であって、前記薬剤を前記シャーレ部の底面と当該蓋部との間で
固定可能な蓋部をさらに備えた、請求項5または6に記載の薬剤撮影補助装置。
【請求項8】
薬剤が載置される載置部と、
前記載置部に載置された薬剤を撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影した画像データをサーバに送信する送信部と、
を備える薬剤撮影装置。
【請求項9】
前記載置部と前記撮影部の間に設置された照明部をさらに備える、請求項8に記載の薬
剤撮影装置。
【請求項10】
前記サーバから、前記画像データ中の薬剤の鑑別結果を受信する受信部と、
前記鑑別結果を表示する表示部とをさらに備える、請求項8または9に記載の薬剤撮影
装置。
【請求項11】
薬剤撮影装置と、前記薬剤撮影装置と通信可能なサーバとを備え、
前記薬剤撮影装置は、薬剤を載置する載置部と、薬剤を撮影する撮影部と、前記撮影部
で撮影された薬剤の画像データを前記サーバに送信する送信部と、を有し、
前記サーバは、薬剤の画像データと薬剤情報とを対応付けた対応データを格納する格納
部と、前記対応データに基づいて前記携帯端末から送信された画像データ中の薬剤の鑑別
処理を行う鑑別処理部と、
を有する薬剤鑑別システム。
【請求項12】
携帯端末により、薬剤撮影装置の載置部に載置された薬剤を撮影し、
前記携帯端末が、撮影した薬剤の画像データをサーバに送信し、
前記サーバが、薬剤の画像データと薬剤情報とを対応付けた対応データに基づいて、前
記携帯端末から送信された画像データ中の薬剤の鑑別処理を行う、
薬剤鑑別方法。
【請求項13】
患者情報をサーバに入力する入力工程と、
薬剤撮影装置の載置部に載置された薬剤を撮影し、薬剤の画像データと薬剤情報とを対
応付けた対応データに基づいて、前記撮影した画像データ中の薬剤の鑑別を行う一次鑑別
工程と、
前記一次鑑別工程で鑑別された鑑別結果を前記サーバに登録する登録工程と、
前記サーバが薬剤鑑別に対する資格を有する有資格者を認証する認証工程と、
前記サーバが、前記サーバに入力された前記患者情報と、前記サーバに登録された前記
鑑別結果とに基づいて、前記認証工程において認証された有資格者に前記鑑別結果を確認
させ、前記鑑別結果の確認結果をサーバに登録させる二次鑑別工程と、
を備え、
前記入力工程、前記一次鑑別工程及び前記登録工程は、薬剤鑑別に対する資格を有さな
い者によって行われる薬剤鑑別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤撮影補助装置、薬剤撮影装置、薬剤鑑別方法及び薬剤鑑別システムに関
する。
【背景技術】
【0002】
患者が医療機関で受診する場合において、その患者に対して他の医療機関で処方された
薬がある場合には、医師はその薬が何であるかを把握しておく必要がある。そのため、患
者は、他の医療機関で処方された薬に関する情報を医師に提示する必要がある。患者がお
薬手帳を持参していれば、お薬手帳に記載された情報に基づいて薬を特定することは容易
である。また、患者が薬を包装された状態で持参した場合も、包装に付されている情報(
薬名や識別コード等)に基づき、薬を特定することができる。しかし、このような薬に関
する情報がない場合、例えば患者が薬を裸の状態で持参するような場合には、薬の外観だ
けを手掛かりに薬の種類を特定する必要がある。このような作業は薬剤鑑別作業と呼ばれ
、薬剤師等の有資格者によって行われる必要がある。薬剤鑑別作業は、薬剤の大きさ、形
状、色等を手掛かりに、手作業で行われるのが一般的である。この薬剤鑑別作業において
薬剤の種類を正確に素早く鑑別するために、画像処理機能を用いて薬剤を自動で鑑別する
システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/152225号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば特許文献1において開示されている従来の持参薬鑑別装置は、多数の薬
剤の鑑別を行うシステムであるため、一般的に高価でかつ装置の大きさも比較的大きなも
のとなり、一つの医療機関に何台も設置するのは難しい。また、従来の持参薬鑑別装置は
、一般的に装置として物理的に大きく、また重量も重い。そのため、従来の持参薬鑑別装
置を移動させて利用するのは難しく、通常は患者の持参薬を、特定の場所に設置されてい
る持参薬鑑別装置まで運んで鑑別し、鑑別報告書を作成する必要がある。また鑑別作業は
薬剤師等の有資格者によって行われる必要があり、従来の持参薬鑑別装置を用いる場合に
は、薬剤の撮影等の作業を行う必要があるため、有資格者の作業負担が増大する。
【0005】
本発明は、より簡易な構成で薬剤の鑑別処理を可能とするための、薬剤撮影補助装置、
薬剤撮影装置、薬剤鑑別方法及び薬剤鑑別システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る薬剤撮影補助装置は、
薬剤が載置される載置部と、
前記載置部に載置された薬剤を撮影する撮影部を備えた携帯端末であって、撮影した画
像データをサーバに送信する携帯端末を設置可能な第1支持部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より簡易な構成で各患者の持参薬の鑑別処理を可能とするための、薬
剤撮影補助装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システムの概略構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る薬剤撮影装置を上方から平面視した場合の例を示す図である。
図3】薬剤撮影装置の断面図の一例を示す図である。
図4】薬剤撮影装置の断面図の一例を示す図である。
図5】薬剤撮影装置の上方に携帯端末を設置した場合の断面図の一例を示す図である。
図6】薬剤撮影装置の上方に携帯端末を設置した場合の断面図の一例を示す図である。
図7】薬剤撮影装置の下方に携帯端末を設置した場合の断面図の一例を示す図である。
図8A】載置部を上方から平面視した場合の一例を示す図である。
図8B】載置部の断面図の一例を示す図である。
図9A】載置部のトレイ部を上方から平面視した場合の一例を示す図である。
図9B】載置部を上方から平面した場合の一例を示す図である。
図9C】載置部の断面図の一例を示す図である。
図10】薬剤撮影装置の断面図の一例を示す図である。
図11A】蓋部及び取手部を備えた載置部を上方から平面視した場合の一例を示す図である。
図11B】蓋部及び取手部を備えた載置部の断面図の一例を示す図である。
図12A】薬剤を載置した載置部を上方から平面視した図である。
図12B】薬剤を載置した載置部を下方から平面視した図である。
図13】ドーム形状の照明部を備える薬剤撮影装置の断面図を示す図である。
図14】載置部に設置する凹凸シートの一例を示す図である。
図15】携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図16】薬剤撮影装置における処理フローの一例を示す図である。
図17】鑑別結果の一例を示す図である。
図18】本発明の実施形態における薬剤鑑別システムとオペレータ、有資格者の作業分担を説明するための図である。
図19】サーバにおける薬剤鑑別処理フローの一例を示す図である。
図20】薬剤鑑別の詳細フローの一例を示す図である。
図21】薬剤鑑別業務フローの一例を示す図である。
図22】鑑別処理を実施する鑑別ウィンドウの例を示す図である。
図23】本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システムを示す図である。
図24A】本発明の第2の実施形態に係る薬剤撮影装置を上方から平面視した場合の図である。
図24B】本発明の第2の実施形態に係る薬剤撮影装置の断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分
には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム100の概略構成を示す図で
ある。薬剤鑑別システム100は、少なくとも1つの薬剤撮影装置1とサーバ2とを備え
る。薬剤撮影装置1は、ネットワーク3を介してサーバ2と通信可能である。薬剤鑑別シ
ステム100において、薬剤撮影装置1で撮影した薬剤の画像データは、薬剤撮影装置1
からネットワーク3を通じてサーバ2に送信される。サーバ2は、薬剤撮影装置1から送
信された画像データに基づいて薬剤の鑑別を行う。鑑別結果は、サーバ2からネットワー
ク3を通じて薬剤撮影装置1に送信される。
【0011】
<薬剤撮影装置の機能及び構成>
図2は、図1に示す薬剤撮影装置1の平面図である。図3及び図4は、図2に示す一点
鎖線I及びIIにおける薬剤撮影装置1の断面図である。図2に示すように、薬剤撮影装
置1は、薬剤を載置する透明な載置部11と、上方照明部12と、上方支持部13とを備
えている。載置部11は、後に詳しく説明するが、薬剤撮影装置1に対して抜き差しが可
能に構成されている。上方支持部13は、薬剤を撮影するための携帯端末を、載置部11
の上方において支持する機構である。上方照明部12は、載置部11を上方から照明する
。携帯端末は、上方支持部13により支持された状態で、載置部11に載置された薬剤を
上方から撮影することができる。携帯端末の詳細については後述する。
【0012】
図3及び図4に示すように、薬剤撮影装置1は、下方照明部14及び下方支持部15を
さらに備えている。下方支持部15は、載置部11の下方において携帯端末を固定する機
構である。下方照明部14は、載置部11に載置された薬剤を下方から照明する。携帯端
末は、下方支持部15により支持された状態で、載置部11に載置された薬剤を下方から
撮影することができる。
【0013】
上方支持部13に携帯端末16を設置した状態をそれぞれ図5及び図6に示す。携帯端
末16は、携帯端末16は、画像を撮影する機能と、撮影した画像をサーバ2へ送信する
機能とを備えていれば、任意の携帯型端末で構成できる。例えばスマートフォンを、携帯
端末16として用いることができる。図5及び図6において、参照符号17は、携帯端末
16のカメラを示す。上方支持部13は、図2に示すように、薬剤撮影装置1の平面視に
おいて、互いに対向する一対の長辺のそれぞれに沿って(すなわちX方向に沿って)設け
られている。上方支持部13は、図4に示すように、薬剤撮影装置1の側壁の内面から突
出するように形成されている。薬剤撮影装置1は、図2及び図3に示すように、平面視に
おいて短辺側の側面の一方(すなわちX方向正側の側面)が開口するよう構成されている
。したがって、図5においてX方向正側から負側へ向けて携帯端末16を差し込むことに
より、携帯端末16を上方支持部13上に設置することができる(図6参照)。
【0014】
下方支持部15も、上方支持部13と同様に、薬剤撮影装置1の平面視において、互い
に対向する一対の長辺に沿って設けられている。下方支持部15も、図5に示すように、
薬剤撮影装置1の側壁の内面から突出するように形成されている。下方支持部15の下側
に携帯端末16を差し込むことにより、図7に示すように、携帯端末16を載置部11の
下方に固定することができる。なお、この場合は、携帯端末16のカメラ17が上向きに
なるようにする。
【0015】
すなわち、薬剤撮影装置1を操作する作業者は、載置部11の上方及び下方から、携帯
端末16を用いて、載置部11に載置された薬剤の表面及び裏面を撮影することができる
。例えば、まず、上方支持部13に設置した携帯端末16により載置部11の上方から薬
剤の表面を撮影する。次に、携帯端末16を薬剤撮影装置1から抜き取り、携帯端末16
を上下反転させて下方支持部15に差し込み、載置部11の下方から薬剤の裏面を撮影す
る。なお、薬剤撮影装置1に携帯端末16を差し込むための開口部は、薬剤撮影装置1の
平面視における長辺側(すなわちY方向において対向する側面の一方)にあっても良い。
あるいは、上方支持部13の上部にカバーがない構成とし、載置部11に載置された薬剤
を上方から撮影する際に、携帯端末16を上から上方支持部13に設置する方法でもよい
。また、薬剤撮影装置1の底面がない構成とし、載置部11に載置された薬剤を下方から
撮影する際に、携帯端末16に薬剤撮影装置1を上から被せる形で設置する方法でもよい
【0016】
携帯端末16は、端末に設けられた操作ボタンを操作することによってカメラ17が画
像を撮影する構成であってもよいし、あるいは、リモートコントローラによって撮影を行
う構成であってもよい。
【0017】
薬剤撮影装置1は、さらに、図3及び図4等に示すように、載置部11の抜き差しをガ
イドするためのレール部23を備えている。図8A及び図8Bに示すように、載置部11
は、トレイ部111とシャーレ部112とを有する。トレイ部111は、透明な板状部材
である。シャーレ部112は、例えば透明な筒状の部材であり、トレイ部111の表面に
固定されている。トレイ部111上のシャーレ部112の位置および底面積は、シャーレ
部112の底面の全体がカメラ17の撮影範囲内に入るように設定されている。これによ
り、シャーレ部112に投入された薬剤をカメラ17で確実に撮影することができる。な
お、本実施例において、載置部11は、平板状のトレイ部111にシャーレ部112を搭
載する構成としているが、この載置部11の構成は本発明を限定するものではない。例え
図9Aないし図9Cに示すように、孔114を有するトレイ部113にシャーレ部11
2を嵌め込んだ構成を用いることも可能である。
【0018】
図3及び図4に示すように、レール部23は、上下一対のレールを有する。載置部11
は、この一対のレール間にトレイ部111の端部が挟み込まれた状態でX方向前後にスラ
イドさせることにより、薬剤撮影装置1に対して抜き差しすることができる。
【0019】
また、図10に示すように、薬剤を固定するための蓋部18をさらに備えた構成とする
ことも可能である。図11A及び図11Bに、蓋部18を有する載置部11の例を示す。
この例では、図11Bに示すように、シャーレ部112の側面の内側にらせん状の溝部2
0が設けられている。蓋部18は、平坦な円板状に構成されており、円板の端部が溝部2
0に嵌合する。蓋部18には、取手部19が設けられている。蓋部18をシャーレ部11
2の上面に嵌め込み、取手部19を操作して蓋部18を回転させることにより、蓋部18
をシャーレ部112にねじ込むことができる。シャーレ部112内の薬剤の表面に接する
まで蓋部18をねじ込むことにより、薬剤が、蓋部18とシャーレ部112の底面との間
で固定される。これにより、撮影時や、携帯端末16の抜き差しの際の薬剤の位置ずれを
防ぐことができ、より正確な画像が取得可能となる。なお、蓋部18及び取手部19は、
トレイ部111やシャーレ部112と同様に透明部材で形成される。また、蓋部18は薬
剤の破損を防ぐため、熱可塑性ポリウレタン(TPU)樹脂等の柔らかい素材で構成する
ことが望ましい。
【0020】
図12A及び図12Bは、載置部11に薬剤を載置して上方及び下方から平面視した状
態をそれぞれ示す。載置部11に透明の部材を用いることで、上方及び下方の両方から撮
影した薬剤の鮮明な画像データが取得できる。
【0021】
次に上方照明部12及び下方照明部14について説明する。上方照明部12は、携帯端
末16を載置部11の上方に設置し、上方から薬剤を撮影する際に用いられる。一方、下
方照明部14は、携帯端末16を載置部11の下方に設置し、下方から薬剤を撮影する際
に用いられる。上方照明部12及び下方照明部14は、図4に示すように、薬剤撮影装置
1の、Y方向において対向する一対の側面の内側に固定されている。
【0022】
上方照明部12及び下方照明部14としては、例えば薬剤撮影の際にハレーション(照
明の映り込み)が発生しにくい拡散照明が用いられる。上方照明部12及び下方照明部1
4として、例えばリング状の照明を用いることができる。この場合、薬剤を全方位から照
らすことができ、薬剤の鮮明な画像が取得できる。なお、上方照明部12及び下方照明部
14の形状は本発明の内容を限定するものではない。例えば、四角等の多角形の照明を用
いることも可能である。あるいは、線状光源または点状光源を複数用いる構成でもよい。
また、図13に示すように、上方照明部21及び下方照明部22としてドーム形状の照明
装置を用いることができる。ドーム形状の照明装置とは、ドーム型の反射板を備え、照明
対象である薬剤に対して全方向から均一な光が照射できる照明装置である。具体的には、
図13に示す上方照明部21の円形リング照明から上向きに光が照射され、上方反射部2
1a内で反射した反射光が、照明対象に照射される。下方照明部22の場合も同様に、下
方照明部22の円形リング照明から下向きに光が照射され、下方反射部22a内で反射し
た反射光が、照明対象に照射される。また、ドーム形状の照明装置は、ドーム部分に光源
が均一に配置された構成(図示なし)であっても良い。ドーム形状の照明を用いることで
、撮影対象の薬剤に対し、全方向の均一な照射が可能となる。
【0023】
本発明の実施形態に係る薬剤撮影装置1を用いることで、載置部11に載置された薬剤
の位置を変えることなく、上方向及び下方向から載置部11に載置された薬剤の表面及び
裏面を撮影することができ、薬剤の鑑別に必要な画像データの取得が可能となる。
【0024】
また、載置部11のシャーレ部112の底面に図14に示すような凹凸シート23を設
置することができる。ただし、この凹凸シート23は、本発明の実施形態において必須で
はなく、また、本発明の実施形態を限定するものでもない。薬剤が転がり易い形状の場合
や、薬剤の裏表の撮影をするに際し載置部11を抜き差しする場合において、薬剤の位置
ずれを防ぐために凹凸シート23を設けることが好ましい。例えば、複数の薬剤を撮影す
る際において、携帯端末16の抜き差し等により発生する薬剤撮影装置1の振動による薬
剤の位置ずれを防ぎ、表面及び裏面の薬剤の画像の対応づけがより正確に行えるようにな
る。また、この凹凸シート23の形状は、例えば、図14に示すようなハニカム状(ハチ
の巣形状)とすることができるが、この凹凸シート23の形状は、本発明の実施を限定す
るものではない。例えば、三角形、四角形(格子状)、その他の多角形や円形状の凹凸シ
ートを設置するのでもよい。凹凸シート23は、透明であっても良いが、薬剤の色と識別
するために黒色等の有色のシートを用いてもよい。さらに、凹凸シート23は薬剤の破損
を防ぐため、ゴム等の柔らかい素材で形成されるのが望ましい。ただし、凹凸シート23
の素材は本発明の実施形態を限定するものではなく、硬い素材で形成した凹凸シート23
を用いることも可能である。
【0025】
薬剤は表面と裏面とで刻印や印字される内容が異なり、薬剤の表面と裏面の情報が異な
ることが多い。そのため、薬剤の表面及び裏面の情報を正確に取得することで、薬剤の種
別をより正確に特定することができるようになる。この薬剤の表面及び裏面の情報を正確
に取得する方法としては、上述の通り、携帯端末16により、薬剤を上方及び下方から撮
影する方法がある。また、薬剤の表面及び裏面の画像データ取得の別の手段として、携帯
端末16を上部又は下部で固定し、薬剤の表裏を入れ替えて薬剤の表面及び裏面を撮影す
る手段を用いることも可能である。この場合は、薬剤の表面を撮影した後、載置部11を
薬剤撮影装置1から抜き取り、シャーレ部112内で薬剤の表裏を入れ替えてから、載置
部11を再び薬剤撮影装置1に差し込み、携帯端末16にて薬剤の裏面を撮影する。薬剤
の表と裏を入れ替える際、薬剤の位置が変わると薬剤の表面の画像と裏面の画像の対応が
取れなくなるため、同じ位置で薬剤を裏返す必要がある。このため、例えば図14に示し
たような凹凸シート23を用いることにより、薬剤の位置が大きくは変わらずに撮影する
ことが可能となる。また、薬剤が円筒形状のカプセル剤のような場合は、カプセル剤がシ
ャーレ上で転がり易いため、シャーレの底面に波板形状の凹凸シート(図示なし)を設置
し、その上にカプセル剤を置くことで、カプセル剤の向きが変わらずに撮影することがで
きる。さらに上記波板形状の凹凸シートに仕切りを設けることでカプセル剤の長手方向の
ずれを防ぐことが可能となる。
【0026】
<携帯端末の機能及び構成>
次に、携帯端末16の機能及び構成について説明する。携帯端末16は、少なくとも撮
影機能、データ送信機能、データ受信機能を有する。例えば、携帯端末16は、カメラ機
能を有する携帯電話機、スマートフォン及びPDA(Personal Digital Assistant, Pers
onal Data Assistant)のような携帯情報端末を用いることができる。図15に携帯端末
16のハードウェアの構成の一例を示す。
【0027】
図15に示すように、携帯端末16は、制御部161、メモリ162、カメラインタフ
ェース(I/F)163、ネットワークI/F164、入力部165、および表示部16
6を有する。
【0028】
制御部161は、例えば、オペレーティングシステムを動作させて携帯端末16全体を
制御する。制御部161は、メモリ162に格納されたプログラムに基づいて動作し、各
部の制御を行う。
【0029】
メモリ162は、読み取り可能な記憶媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory
)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable
Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などで構成される。メモリ16
2には、例えば、制御部161が各部を制御するためのプログラム等が格納されている。
【0030】
カメラI/F163は、携帯端末16に搭載されたカメラ17によって撮影された画像
データを携帯端末16に取り込むためのインタフェースである。取り込まれた画像データ
は、制御部161等によって適切なデータ形式に加工され、ネットワークI/F164を
通じて、サーバ2に送信される。
【0031】
ネットワークI/F164は、有線及び/又は無線ネットワークを介して薬剤撮影装置
1とサーバ2との通信を行うためのインタフェース部である。
【0032】
入力部165は、外部からの入力を受ける入力デバイスであり、例えば、タッチパネル
やタッチペン、ボタンキー、キーボード、マウスなどである。
【0033】
表示部166は、例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスであり、制御部161から
の制御により、表示デバイス上に例えば、文字、画像、カメラI/F163から取り込ま
れた画像データ等を表示する。本発明の実施形態においては、サーバ2から送信されてき
た薬剤鑑別結果を表示する。
【0034】
<サーバの機能及び構成>
次に、本発明の実施形態に係るサーバ2の機能と構成について説明する。図1に示す薬
剤鑑別システム100は、ネットワーク3を通じて、薬剤撮影装置1から、当該薬剤撮影
装置1において撮影された薬剤の画像データがサーバ2へ送信される。サーバ2は、あら
かじめ薬剤の画像データと薬剤情報とを対応付けた対応データを格納する格納部4にアク
セス可能である。サーバ2は、薬剤撮影装置1から送信されてきた画像データを受信し、
格納部4に格納された対応データに基づいて薬剤の鑑別を行う。
【0035】
ここで、格納部4に格納された画像データと薬剤情報とを対応付けた対応データは、あ
らかじめ薬剤の画像データと薬剤情報との対応関係を学習させた学習済モデルを用いるこ
とが可能である。この学習済モデルを用いることで、より精度の高い照合処理が可能とな
る。
【0036】
学習済モデルは、ニューラルネットワークモデルを用いて生成することが可能であり、
ニューラルネットワークモデルには、ディープニューラルネットワーク(DNN)、畳み
込みニューラルネットワーク(CNN)、または再帰型ニューラルネットワーク(RNN
)等が適用できるが、このニューラルネットワークモデルの種類は本発明を限定するもの
ではない。
【0037】
次に、サーバ2での薬剤の画像データの鑑別結果を用いて、有資格者により鑑別の確認
が行われる。鑑別処理の詳細については後述する。
【0038】
さらに、サーバ2は、有資格者により行われた確認結果を、画像データを送信してきた
薬剤撮影装置1に返信する。
【0039】
<薬剤鑑別処理>
次に、本発明の実施形態における薬剤鑑別の処理について説明する。図16は、薬剤撮
影装置1における処理フローを示す図である。なお、薬剤撮影装置1の操作は、薬剤の鑑
別処理を直接的に行うものではないため、有資格者でない者によっても行うことが可能で
ある。ここで有資格者でない者(非薬剤師)は、例えば調剤事務員や薬剤テクニシャンで
ある。まず、ステップS101において、薬剤撮影装置1は、入力部165において患者
情報の入力を受け付ける。次に、ステップS102において、薬剤撮影装置1は、携帯端
末16によって、載置部11に載置された薬剤の撮影を行う。携帯端末16は、載置部1
1に載置された薬剤の表面及び裏面の撮影を行う。撮影後、薬剤撮影装置1は、薬剤の画
像データを、サーバ2へ送信する(ステップS103)。その後、薬剤撮影装置1は、サ
ーバ2から鑑別結果が送信されてくるのを待つ(ステップS104)。薬剤撮影装置1は
、サーバ2から鑑別結果を受信すると、受信した鑑別結果を表示部166に表示する(ス
テップS105)。図17に、ステップS105において表示される鑑別結果の例を示す
【0040】
図18に、薬剤鑑別システム100の使用形態の一例を示す。端末オペレータ5は、そ
れぞれの薬剤撮影装置1を操作する。端末オペレータ5は、前述のように、薬剤師等の資
格を必要としない。一方、有資格者6は、薬剤鑑別に必要な薬剤師等の資格を有する者で
ある。なお、図18の例では、サーバ2の近傍に有資格者6が居るように図示されている
。しかし、有資格者6は、サーバ2からの出力を見られる場所であれば、サーバ2の近傍
に限らず、任意の場所で鑑別作業を行うことができる。例えば、サーバ2からの出力を、
ネットワーク3を介して、有資格者6が操作可能な端末に送信するように構成しても良い
【0041】
薬剤鑑別システム100においては、端末オペレータ5は、薬剤撮影装置1を用いて、
薬剤画像の撮影および撮影画像の送信と、鑑別結果の受信のみを行う。つまり、端末オペ
レータ5は、実際の鑑別作業を行わない。従って、端末オペレータ5は薬剤師等の有資格
者でなくても良いので、従来の薬剤鑑別装置と比べて有資格者の作業負担を軽減すること
ができる。なお、図16に示す薬剤撮影装置1における処理フローは、図18に示す端末
オペレータ5が、携帯端末16の撮影、画像データ送信、及び鑑別結果受信、の各機能を
個別に操作し実行する実施形態でもよい。あるいは、携帯端末16で動作する専用のアプ
リケーションプログラム等によって、一連の動作が自動的に制御されるように構成しても
良い。この場合、端末オペレータ5は、載置部11への薬剤の載置や、携帯端末16や載
置部11の抜き差し等を、アプリケーションプログラムからの指示にしたがって行うだけ
でよい。
【0042】
図19は、サーバ2における薬剤の鑑別処理の処理フローの例を示す。まず、サーバ2
は、サーバ2へのアクセス権を持つ者(鑑別処理を行う者)によるログインを受け付ける
(ステップS201)。その後、サーバ2は、薬剤撮影装置1から、画像データが送信さ
れてくるのを待つ(ステップS202)。サーバ2は、画像データを受信すると、鑑別処
理を行う(ステップS203)。この鑑別処理は、格納部4の対応情報を参照することに
より、画像データ内の薬剤に対応する薬剤情報を特定する。なお、サーバ2は、薬剤撮影
装置1から送信されてくる画像データを一時的に保持するバッファを有し、薬剤撮影装置
1からサーバ2に送信されてきた順に、画像データに対する鑑別処理を行う。
【0043】
図20は、サーバ2における薬剤鑑別処理の詳細の例を示す。図20の処理は、サーバ
2のプロセッサが所定のプログラムに基づいて動作することによって、実行される。まず
、サーバ2は、受信した画像データの画像補正を行う(ステップS301)。具体的には
、薬剤の表面画像と裏面画像の座標軸を合わせる処理を行う。次に、サーバ2は、薬剤の
表面画像と裏面画像とのそれぞれから、薬剤領域抽出を行う(ステップS302)。具体
的には、各画素の明るさを、閾値で2値化して、閾値未満を背景領域、閾値以上を薬剤領
域とし、閾値以上の領域を分離することにより、薬剤領域を抽出する。その後、サーバ2
は、表面画像と裏面画像との間で、領域の対応づけを行う(ステップS303)。具体的
には、サーバ2は、表面画像においてある1つの薬剤が占有する薬剤領域と、裏面画像に
おいてこの薬剤が占有する薬剤領域とを対応づける。最後に、サーバ2は、上述の処理を
行った画像データと格納部4の対応データとの間でテンプレートマッチング(パターンマ
ッチング)を行い、薬剤の鑑別を行う(ステップS304)。すなわち、格納部4には、
対応データとして、様々な薬剤について、表面画像および裏面画像、並びに当該薬剤の薬
剤情報(識別記号や薬品名等)が対応付けて格納されている。サーバ2は、このマッチン
グで検出された薬剤情報を、後述の鑑別ウィンドウに表示する。ここで、マッチングの結
果が一意に定まらない場合は、マッチングの確度(蓋然性)が高い薬剤情報を複数表示す
る。この際に、マッチングの確度を表す数値と共に、薬剤情報を表示してもよい。
【0044】
図22に、サーバ2の鑑別ウィンドウに示される鑑別結果の一例を示す。なお、図22
に示す鑑別ウィンドウ200は、鑑別結果を表示するための領域204・205に加えて
、鑑別対象の薬剤を撮影画像内で特定するための領域201~203も有している。領域
203には、例えば上方から撮影した画像が表示される。有資格者6は、入力デバイスを
用いて、領域203において、画像内の薬剤のいずれかを選択することができる。薬剤の
いずれかが選択されると、領域201には、選択された薬剤の表面画像が表示される。領
域202には、選択された薬剤の裏面画像が表示される。領域204には、上記のステッ
プS304の処理の結果(候補薬品リスト)として、マッチングで検出された1つまたは
複数の薬剤情報が表示される。例えば、候補薬品リストには、格納部4に登録された薬剤
の画像、識別記号及び薬品名等が表示される。この候補薬品リストにおいては、例えば、
上から下に向かって、鑑別結果として正しい可能性の高い薬剤から低い薬剤の順にソート
されて表示される。領域205には、有資格者6が候補薬品リストに表示された薬剤の中
から選択した薬剤が表示される。領域205には、領域204に表示される項目と同様に
、薬剤の画像、識別記号及び薬品名が表示され、さらに対象となる薬剤の個数も表示され
る。なお、領域204の候補薬品リストからの選択までの処理を資格のない者(作業補助
者)が行い、領域205に表示された薬剤情報の確認処理のみを有資格者6が行うように
してもよい。
【0045】
有資格者によって確認処理が行われた後、サーバ2は、鑑別処理結果を、画像データが
送信されてきた薬剤撮影装置1へ送信する(ステップS204)。サーバ2は、最後に鑑
別処理の終了判定を行い(ステップS205)、鑑別を継続する場合は、ステップS20
2に戻り、画像データが送信されてくるのを待つ。鑑別終了の場合は、有資格者6がログ
アウトする(ステップS206)ことにより、サーバ2の処理が終了する。
【0046】
上述のように、サーバ2は、薬剤撮影装置1から送られてくる画像データに基づいて自
動で候補薬品リストを抽出する。その候補薬品リストから、有資格者6または作業補助者
が該当薬剤を選択し、最後に有資格者6が鑑別結果を確認する。これにより、有資格者に
よる鑑別作業の負担が軽減される。
【0047】
サーバ2での鑑別処理の結果に基づいて、例えば有資格者により鑑別報告書を作成して
もよい。この際、有資格者としてのコメント等も報告書に組み込むことができる。また、
患者の持参薬の薬歴を作成する場合には、鑑別された薬剤情報を患者の薬歴に追記する。
もしくは、薬歴が無い新規患者の場合は薬歴があらたに作成される。さらに、鑑別結果に
基づいて、薬剤を再分包する場合には、鑑別結果を患者情報とともに調剤機器(図示しな
い)に送付し、調剤機器において薬剤の分包が行われる。具体的には、鑑別結果に基づい
て医師が判断及び処方した情報を、調剤機器に送信又は調剤機器に直接入力し、処方情報
が入力された調剤機器(分包機)によって薬剤の分包が行われる。また、患者が持参した
元の分包形態に戻すような場合においても同様に、元の処方情報を調剤機器(分包機)に
送信又は調剤機器に直接入力し、処方情報が入力された調剤機器(分包機)によって薬剤
の分包が行われる。
【0048】
サーバ2における鑑別処理では、鑑別対象の薬剤に対する候補薬品リストが抽出される
ため、その候補薬品リストから対象薬剤を選択することは、単に薬剤の画像から薬剤を特
定するのに比べ容易であり、鑑別の資格を有さない作業補助者でも可能となる。従って、
例えば薬剤撮影装置1及びサーバ2の操作を薬剤鑑別の資格を有さない作業補助者が行っ
てもよい。この場合、この作業補助者が作成した鑑別報告書を、鑑別の資格を有する薬剤
師等が確認する。そして、結果に対して問題がなければ、作業補助者が鑑別結果の印刷や
、調剤機器への送付を行う作業形態をとることも可能である。この作業形態をとることで
、薬剤師等の作業負担がさらに軽減できる。
【0049】
図21に薬剤鑑別システム100を用いた薬剤鑑別業務フローの一例を示す。図21
示す持参薬鑑別業務フローは、ステップS401からステップS406までの一次鑑別を
鑑別の資格を有さない作業補助者が行い、ステップS407からステップS414までの
二次鑑別を鑑別の資格を有する薬剤師等が行う場合の鑑別業務フローを示す図である。
【0050】
まず、作業補助者が薬剤鑑別システム100にログインする(ステップS401)。例
えば図18に示す薬剤鑑別システム100においては、薬剤鑑別装置1にログイン機能を
設けてもよく、あるいはサーバ2においてログイン機能を設ける形態でもよい。次にステ
ップS402において情報入力を行う。ここで入力する情報は、例えば患者情報、薬剤情
報、お薬手帳のコード情報、その他薬剤に関する用法や服用開始時期、終了時期、残量な
どである。情報入力後、実薬確認(ステップS403)を実施する。ここで実施される実
薬確認は、図18に示す薬剤鑑別装置1及びサーバ2を用いて上述の図16図19及び
図20に示すフローの内容が実施される。実薬確認(ステップS403)の実施の結果、
作業補助者は例えば図17に示す鑑別結果を取得する。この実薬確認の結果を踏まえ、作
業補助者は薬剤の重複の整理や用法、用量或いは、薬効別に分類する等の整理を行い(ス
テップS404)、鑑別結果を薬剤鑑別システム100に登録する(ステップS405)
。最後に薬剤鑑別システム100からログアウトを行い(ステップS406)、一次鑑別
が終了する。
【0051】
次に、資格を有する薬剤師等の二次鑑別者による二次鑑別について説明する。まずステ
ップS407にて二次鑑別者が薬剤鑑別システム100にログインする。ここで、二次鑑
別におけるログイン(ステップS407)は、上述の作業補助者によるログイン(ステッ
プS401)とは異なるものであり、二次鑑別の処理に対して二次鑑別者の特権を持った
者のみがログインできるものである。すなわち、ログインしようとしている者が二次鑑別
の資格を有する者か否かの認証を行い、ステップS407にてログインしようとする者が
二次鑑別の資格を有する者であると確認できた場合にログインできるものとする。ここで
ログイン(ステップS407)における認証は、例えば、あらかじめサーバ2に登録され
た二次鑑別の資格を有する者のリストを照合することで行われる。次にステップS408
において患者情報の確認を行う。ここで確認する患者情報は、例えばステップS402に
おいて作業補助者が入力した情報である。
【0052】
その後、ステップS409において薬品確認を行う。薬品確認は、ステップS405で
登録された鑑別データ、患者情報、薬剤情報及び薬剤画像などを用いて二次鑑別者が一次
鑑別の結果である薬品名、用法、用量、その他入力された情報等のチェックを行い、正し
く鑑別が実行されていることを確認できた場合は、薬品確認の結果をサーバ2に登録する
。この時、作業補助者により撮影された薬剤の画像と、作業補助者による一次鑑別におい
て特定された薬剤の画像と、その薬剤に関する医薬品情報とを、薬品確認用の画面として
一つの画面に表示し、二次鑑別者による薬品確認をしやすくしてもよい。更に、鑑別した
医薬品の副作用等をチェックした結果や、鑑別した医薬品の同効薬を表示してもよい。こ
れにより、例えば、患者が持参した医薬品と同じ種類のものが持参した病院にはない場合
に、持参した医薬品と同じ効能を有する薬剤を検索して表示することで、医師に対して医
薬品の処方の支援をすることができる。
【0053】
この薬品確認(ステップS409)の結果を踏まえ、医師への照会等に基づく持参薬の
中止や変薬が必要になった場合の中止薬、代替薬検討(ステップS410)を行う。さら
に、鑑別結果に基づいて、上述の報告書作成(ステップS411)、薬歴作成(ステップ
S412)及び調剤用データ作成(ステップS413)を行う。最後にログアウト(ステ
ップS414)を行い、二次鑑別を終了する。
【0054】
このように、図21に示す薬剤鑑別業務フローは、患者情報及び薬剤情報の入力、実薬
確認、データの整理、及び鑑別結果の登録等の一次鑑別を鑑別の資格を有さない作業補助
者が実施し、その鑑別結果の確認や報告書の作成、再分包等の指示は、資格を有する薬剤
師等のみが薬剤鑑別システムにログインして行えるというものである。従って、作業につ
いて資格が必要な作業と資格が必要でない作業とに明確に分担することが可能となり、薬
剤師等の作業負担が軽減できるとともに、鑑別結果の確認等の作業についての信頼性を高
めることができる。
【0055】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、薬剤撮影装置1においてスマートフォン等の携帯端末16を用い
て薬剤を撮影し、撮影した薬剤の画像データをサーバ2に送信し、サーバ2で行った薬剤
鑑別結果を受信する形態を例示した。しかし、薬剤撮影装置を、撮影、送信及び受信機能
を内蔵した専用の装置とした形態でもよい。以下、この発明の第2の実施形態にかかる薬
剤撮影装置について、第1の実施形態と異なる構成について説明する。第1の実施形態と
同様の機能および構成を有する部材については、第1の実施形態と同じ参照符号を付記し
、詳細な説明を省略する。
【0056】
図23は、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム300の概略構成を示す。
薬剤鑑別システム300は、第1の実施形態の薬剤撮影装置1の代わりに、少なくとも1
つの薬剤撮影装置7を備える。
【0057】
図24Aは、薬剤撮影装置7の平面図である。また、図24Bは、図24Aの一点鎖線
VIにおける薬剤撮影装置7の断面図を示す。図24A及び図24Bに示す通り、薬剤撮影
装置7は、載置部11、上方照明部12、カメラ(撮影部)73、及び表示部74を備え
る。また、図24A及び図24Bには表れていないが、薬剤撮影装置7は、サーバ2との
送受信を行う通信部を備えている。すなわち、薬剤撮影装置7は、第1の実施形態におい
て携帯端末16が備えていたカメラ17を代替するカメラ73を備えている。また、薬剤
撮影装置7は、第1の実施形態においては携帯端末16に設けられていた各種の機能ブロ
ック(図15参照)を、内蔵している。
【0058】
薬剤撮影装置7は、載置部11に載置された薬剤を撮影部73で撮影し、撮影した画像
データをサーバ2に送信する。サーバ2における処理は第1の実施形態と同じであるため
説明は省略する。薬剤撮影装置7は、サーバ2から鑑別結果を受信する。
【0059】
また、薬剤撮影装置7は、表示部74を備えており、受信した鑑別結果を表示部74に
表示する。図24A及び図24Bにおいては、薬剤撮影装置7の上面に表示部74を備え
る例を示したが、薬剤撮影装置7にディスプレイポート(図示なし)を備え、外付けのデ
ィスプレイ(図示なし)に鑑別結果を表示する形態をとることができる。また、薬剤撮影
装置7にUSB等のホストインタフェース(図示なし)を備え、外部コンピュータ(図示
なし)と接続することも可能である。この場合には、外部コンピュータにより薬剤撮影装
置7の操作が可能となり、また、外部コンピュータに接続されたディスプレイ(図示なし
)に鑑別結果が表示できる。
【0060】
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明
は、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した
実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0061】
例えば、第1の実施形態で説明した薬剤撮影装置1において、載置部11、上方照明部
12、上方支持部13、下方照明部14、および下方支持部15は、薬剤撮影補助装置を
構成する。しかし、薬剤撮影補助装置は、下方照明部14および下方支持部15を有しな
い構成であっても良い。あるいは、薬剤撮影補助装置は、上方照明部12および上方支持
部13を有しない構成であっても良い。また、薬剤撮影補助装置は、上方照明部12およ
び下方照明部14を有しない構成であっても良い。
【0062】
なお、本発明は、以下のように説明することもできる。
【0063】
本発明の第1の側面に係る薬剤撮影補助装置(第1の構成)は、
薬剤が載置される載置部と、
前記載置部に載置された薬剤を撮影する撮影部を備えた携帯端末であって、撮影した画
像データをサーバに送信する携帯端末を設置可能な第1支持部とを備える。
【0064】
この第1の構成では、第1支持部に携帯端末を設置し、載置部に載置された薬剤を携帯
端末の撮影部により撮影することができる。撮影した画像データは、サーバに送信される
。サーバにおいて薬剤の鑑別処理を行うこととすれば、従来のように専用の薬剤鑑別装置
を用いなくても、鑑別対象の薬剤の撮影を、この薬剤撮影補助装置を用いて簡易に行うこ
とができる。携帯端末としては、撮影機能とサーバへの画像データの送信機能を備えた任
意の携帯端末を利用することができる。また、この第1の構成の薬剤撮影補助装置による
薬剤の画像データの取得は、有資格者でなくても実施可能であるため、薬剤師等の有資格
者の作業負担が軽減できる。
【0065】
前記第1の構成において、前記載置部と前記第1支持部との間に設置された第1照明部
をさらに備えた構成(第2の構成)としてもよい。この第2の構成によれば、載置部に載
置された薬剤を第1照明部で照明することにより、鮮明な画像データを得ることができる
【0066】
前記第1または第2の構成において、前記第1支持部に設置した前記携帯端末からの撮
影方向とは異なる方向から前記載置部に載置された薬剤の撮影が可能となる位置に、前記
携帯端末を設置可能な第2支持部をさらに備えた構成(第3の構成)としてもよい。この
第3の構成によれば、複数の方向から薬剤の画像データを撮影することができるので、鑑
別の精度を向上させることができる。
【0067】
前記第3の構成において、前記載置部と前記第2支持部との間に設置された第2照明部
をさらに備えた構成(第4の構成)としてもよい。この第4の構成によれば、載置部に載
置された薬剤を第2照明部で照明することにより、鮮明な画像データを得ることができる
【0068】
前記第1~第4のいずれかの構成において、前記載置部は、前記薬剤を収容するシャー
レ部を備える構成(第5の構成)としてもよい。この第5の構成によれば、シャーレ部に
薬剤を収容することで、薬剤が載置部上で移動することを抑制できる。この結果、より鮮
明な画像データを得ることができる。
【0069】
前記第5の構成において、前記シャーレ部の底面に凹凸形状の部材を備えた構成(第6
の構成)としてもよい。この第6の構成によれば、シャーレ部内で薬剤が移動することを
抑制できるので、より鮮明な画像データを得ることができる。
【0070】
前記第5または第6の構成において、前記シャーレ部の蓋部であって、前記薬剤を前記
シャーレ部の底面と当該蓋部との間で固定可能な蓋部をさらに備えた構成(第7の構成)
としてもよい。この第7の構成によれば、シャーレ部の蓋部と底面との間で薬剤を固定す
ることができるので、撮影時等に薬剤がシャーレ部内で動くことが抑制され、より鮮明な
画像データを得ることができる。
【0071】
本発明の第2の側面に係る薬剤撮影装置は、
薬剤が載置される載置部と、
前記載置部に載置された薬剤を撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影した画像データをサーバに送信する送信部と、を備える(第8の構成
)。
【0072】
この第8の構成によれば、鑑別対象の薬剤を載置部に載置し、撮影した画像データをサ
ーバに送信することができる。サーバにおいて薬剤の鑑別処理を行うこととすれば、従来
のように専用の薬剤鑑別装置を用いなくても、鑑別対象の薬剤の撮影は、この薬剤撮影装
置を用いて簡易に行うことができる。また、この第8の構成の薬剤撮影装置による薬剤の
画像データの取得は、有資格者でなくても実施可能であるため、薬剤師等の有資格者の作
業負担が軽減できる。
【0073】
前記第8の構成において、前記載置部と前記撮影部の間に設置された照明部をさらに備
えた構成(第9の構成)としてもよい。この第9の構成によれば、載置部に載置された薬
剤を照明部で照明することにより、鮮明な画像データを得ることができる。
【0074】
前記第8または第9の構成において、前記サーバから、前記画像データ中の薬剤の鑑別
結果を受信する受信部と、前記鑑別結果を表示する表示部とをさらに備えた構成(第10
の構成)としてもよい。この第10の構成によれば、薬剤撮影装置において、鑑別結果を
表示させて確認することができる。
【0075】
本発明の第3の側面は、
薬剤撮影装置と、前記薬剤撮影装置と通信可能なサーバとを備え、
前記薬剤撮影装置は、薬剤を載置する載置部と、薬剤を撮影する撮影部と、前記撮影部
で撮影された薬剤の画像データを前記サーバに送信する送信部と、を有し、
前記サーバは、薬剤の画像データと薬剤情報とを対応付けた対応データを格納する格納
部と、前記対応データに基づいて前記携帯端末から送信された画像データ中の薬剤の鑑別
処理を行う鑑別処理部と、を有する薬剤鑑別システムである。
【0076】
この薬剤鑑別システムによれば、鑑別対象の薬剤を載置部に載置し、撮影した画像デー
タをサーバに送信することができる。サーバにおいて薬剤の鑑別処理を行うので、従来の
ように専用の薬剤鑑別装置を用いなくても、鑑別対象の薬剤の撮影は、薬剤撮影装置を用
いて簡易に行うことができる。また、薬剤撮影装置による薬剤の画像データの取得は、有
資格者でなくても実施可能であるため、薬剤師等の有資格者の作業負担が軽減できる。
【0077】
本発明の第4の側面は、
携帯端末の撮影部により、薬剤撮影装置の載置部に載置された薬剤を撮影し、
前記携帯端末が、撮影した薬剤の画像データをサーバに送信し、
前記サーバが、薬剤の画像データと薬剤情報とを対応付けた対応データに基づいて、前
記携帯端末から送信された画像データ中の薬剤の鑑別処理を行う、薬剤鑑別方法である。
【0078】
この薬剤鑑別方法によれば、薬剤撮影装置において、鑑別対象の薬剤を載置部に載置し
、撮影した画像データをサーバに送信することができる。サーバにおいて薬剤の鑑別処理
を行うので、従来のように専用の薬剤鑑別装置を用いなくても、鑑別対象の薬剤の撮影は
、薬剤撮影装置を用いて簡易に行うことができる。また、薬剤撮影装置による薬剤の画像
データの取得は、有資格者でなくても実施可能であるため、薬剤師等の有資格者の作業負
担が軽減できる。
【0079】
本発明の第5の側面は、
患者情報をサーバに入力する入力工程と、
薬剤撮影装置の載置部に載置された薬剤を撮影し、薬剤の画像データと薬剤情報とを対
応付けた対応データに基づいて、前記撮影した画像データ中の薬剤の鑑別を行う一次鑑別
工程と、
前記一次鑑別工程で鑑別された鑑別結果を前記サーバに登録する登録工程と、
前記サーバが薬剤鑑別に対する資格を有する有資格者を認証する認証工程と、
前記サーバが、前記サーバに入力された前記患者情報と、前記サーバに登録された前記
鑑別結果とに基づいて、前記認証工程において認証された有資格者に前記鑑別結果を確認
させ、前記鑑別結果の確認結果をサーバに登録させる二次鑑別工程と、
を備え、
前記入力工程、前記一次鑑別工程及び前記登録工程は、薬剤鑑別に対する資格を有さな
い者によって行われる薬剤鑑別方法である。
【0080】
この薬剤鑑別方法によれば、薬剤鑑別に対する資格を有さない者が患者情報の入力、薬
剤を撮影し、薬剤の一次鑑別及び一次鑑別結果の登録を行う。また、薬剤鑑別に対する資
格を有する有資格者が、一次鑑別結果の確認(二次鑑別)を行う。よって、有資格者によ
る作業負担が軽減される。また、二次鑑別は、サーバにより認証された有資格者のみが行
えるため、二次鑑別結果の信頼性を高めることができる。
【符号の説明】
【0081】
1…薬剤撮影装置、2…サーバ、3…ネットワーク、4…格納部、5…端末オペレータ
、6…有資格者、7…薬剤撮影装置、11…載置部、12…上方照明部、13…上方支持
部、14…下方照明部、15…下方支持部、16…携帯端末、17…カメラ、18…蓋部
、19…取手部、20…溝部、21…上方照明部、21a…上方反射部、22…下方照明
部、22a…下方反射部、23…レール部、73…撮影部、74…表示部、100…薬剤
鑑別システム、111…トレイ部、112…シャーレ部、113…トレイ部、114…孔
、161…制御部、162…メモリ、163…カメラI/F、164…ネットワークI/
F、165…入力部、166…表示部、200…鑑別ウィンドウ、300…薬剤鑑別シス
テム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
【手続補正書】
【提出日】2023-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤撮影装置と通信可能なコンピュータであって、
薬剤の画像データと薬剤情報とを対応付けた対応データを格納する格納部と、
前記対応データに基づいて前記薬剤撮影装置から送信された画像データ中の薬剤の鑑別処理を行う鑑別処理部と、を備える
コンピュータ。
【請求項2】
前記鑑別処理は、アクセス権を有するユーザのログインを受け付けた後に行われる
請求項1に記載のコンピュータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンピュータと通信可能な薬剤撮影装置であって、
薬剤が載置される載置部と、
前記載置部に載置された前記薬剤を撮影する撮影部と、
前記載置部と前記撮影部の間に設置された照明部と、
前記撮影部で撮影した画像データをコンピュータに送信する送信部と、
前記コンピュータから、前記画像データ中の薬剤の鑑別結果を受信する受信部と、
前記鑑別結果を表示する表示部と、を備え
前記照明部は、撮影部によって撮影可能な開口を有す
薬剤撮影装置。
【請求項4】
前記照明部は拡散照明である
請求項3に記載の薬剤撮影装置。
【請求項5】
前記照明部はリング状の照明である
請求項4に記載の薬剤撮影装置。
【請求項6】
前記載置部の前記薬剤が載置される側の少なくとも一部に有色の領域が設けられている
請求項3~5のいずれか一項に記載の薬剤撮影装置。
【請求項7】
薬剤撮影装置と、
前記薬剤撮影装置と通信可能なコンピュータと、を備え、
前記薬剤撮影装置は、
薬剤が載置される載置部と、
前記載置部に載置された前記薬剤を撮影する撮影部と、
前記載置部と前記撮影部の間に設置された照明部と、
前記撮影部で撮影した画像データを前記コンピュータに送信する送信部と、
前記コンピュータから、前記画像データ中の薬剤の鑑別結果を受信する受信部と、
前記鑑別結果を表示する表示部と、を含み、
前記照明部は、撮影部によって撮影可能な開口を有し、
前記コンピュータは、
薬剤の画像データと薬剤情報とを対応付けた対応データを格納する格納部と、
前記対応データに基づいて前記携帯端末から送信された画像データ中の薬剤の鑑別処理を行う鑑別処理部と、を含む
薬剤鑑別システム。
【請求項8】
薬剤撮影装置を用いた薬剤鑑別方法であって、
前記薬剤撮影装置は、
薬剤が載置される載置部と、
前記載置部に載置された前記薬剤を撮影する撮影部と、
前記載置部と前記撮影部の間に設置された照明部と、
前記撮影部で撮影した画像データをコンピュータに送信する送信部と、
前記コンピュータから、前記画像データ中の薬剤の鑑別結果を受信する受信部と、
前記鑑別結果を表示する表示部と、を含み、
前記照明部は、撮影部によって撮影可能な開口を有し、
前記撮影部が、前記載置部に載置された前記薬剤を前記開口を介して撮影する工程と
前記送信部が、撮影した前記薬剤の画像データをコンピュータに送信する工程と
前記コンピュータが、薬剤の画像データと薬剤情報とを対応付けた対応データに基づいて、前記薬剤撮影装置から送信された画像データ中の薬剤の鑑別処理を行う工程と
前記受信部が、前記コンピュータから前記鑑別処理の結果を受信する工程と、
前記表示部が、前記鑑別処理の結果を表示する工程と、を備える
薬剤鑑別方法。
【請求項9】
患者情報をコンピュータに入力する入力工程と、
請求項8に記載の薬剤鑑別方法を実行させて前記鑑別処理によって鑑別された鑑別結果を得る一次鑑別工程と、
前記一次鑑別処理で鑑別された鑑別結果を前記コンピュータに登録する登録工程と、
前記コンピュータが薬剤鑑別に対する資格を有する有資格者を認証する認証工程と、
前記コンピュータが、前記コンピュータに入力された前記患者情報と、前記コンピュータに登録された前記鑑別結果とに基づいて、前記認証工程において認証された有資格者に前記鑑別結果を確認させ、前記鑑別結果の確認結果をコンピュータに登録させる二次鑑別工程と、を備え、
前記入力工程、前記一次鑑別工程及び前記登録工程は、薬剤鑑別に対する資格を有さない者によって行われる
薬剤鑑別方法。