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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005425
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】水晶デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/05 20060101AFI20230111BHJP
   G01P 15/09 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
H03H9/05
G01P15/09 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107316
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】阿部 朋仁
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108AA01
5J108BB02
5J108CC04
5J108DD02
5J108EE03
5J108EE07
5J108EE18
5J108GG16
5J108HH05
(57)【要約】
【課題】 バラつきが小さく、良好な加速度感度特性を備えた水晶デバイスを提供する。
【解決手段】 パッケージ10内に設けられた台座11に、水晶片20が接着剤によって4点で接着される水晶デバイスであって、水晶片20の両短辺の中点を結ぶ中心線mと、前記水晶片の中心Qと各接着点とを結ぶ直線とが、それぞれ22°以上30°以下の角度θで交わるようにしたことで、応力の影響を低減する水晶デバイスとしている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ内に設けられた台座に、水晶片が4点で接着される水晶デバイスであって、
前記水晶片の両短辺の中点を結ぶ中心線と、前記中心線の中央の点と前記各接着点とを結ぶ直線とが成す角度が、それぞれ22°以上30°以下であることを特徴とする水晶デバイス。
【請求項2】
中心線と、前記中心線の中央の点と各接着点とを結ぶ直線とが成す角度が、それぞれ25°以上28°以下であることを特徴とする請求項1記載の水晶デバイス。
【請求項3】
請求項1又は2記載の水晶デバイスを備えたことを特徴とする水晶振動子。
【請求項4】
発振周波数を増幅する発振回路と、請求項1又は2記載の水晶デバイスとを備えたことを特徴とする水晶発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶デバイスに係り、特にバラつきが小さく良好な加速度感度特性を備えた水晶デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
[先行技術の説明]
セラミックパッケージに水晶片を実装した水晶デバイスには、パッケージに固定された台座の上に水晶片を搭載した台座付き水晶デバイスがある。
台座付き水晶デバイスでは、水晶片と台座とを接着剤を用いて4点で接着固定するものがあった。
【0003】
このような水晶デバイスでは、接着点数が多いため、製造工程におけるバラつきが出やすく、接着位置・接着寸法が特性を決定する重要な要因となっている。
具体的には、水晶片の中心から見た接着点の角度のバラつきが、加速度感度に大きな影響を与えている。
【0004】
[水晶振動子輪郭への応力による影響:図10
図10は、水晶振動子輪郭に対する応力の影響を示す説明図である。
図10に示すように、理論上は、X軸からの回転角に応じた応力の影響を見ると、Z′軸方向から約30°の位置(X軸からの回転角60°及び120°の位置)に応力感度が零となる点が存在することが知られている。
ここで、X′軸は、水晶結晶のX軸を回転軸として、Z軸を35度15分回転させたものであり、ATカットの水晶片の短辺方向に相当する。
【0005】
[関連技術]
尚、台座付き水晶デバイスに関する従来技術としては、特開2019-057871号公報「水晶デバイス」(特許文献1)がある。
特許文献1には、台座を用いて、特性向上及びコスト低減を図りやすい構造とした水晶デバイスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-057871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来の台座付き水晶デバイスでは、台座と水晶片との接着点が4点と多いため、水晶片の中心から見た接着点の角度にバラつきが生じやすく、加速度感度の特性が劣化したり、特性のバラつきが大きくなってしまうという問題点があった。
【0008】
尚、特許文献1には、水晶片が台座に4点で接着され、水晶片の両短辺の中点を通る中心線と、中心線の中点と各接着点とを結ぶ直線とが22°以上30°以下の角度で交わる水晶デバイスは記載されていない。
【0009】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、バラつきが小さく良好な加速度感度特性を備えた水晶デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、パッケージ内に設けられた台座に、水晶片が4点で接着される水晶デバイスであって、水晶片の両短辺の中点を結ぶ中心線と、中心線の中央の点と各接着点とを結ぶ直線とが成す角度が、それぞれ22°以上30°以下であることを特徴としている。
【0011】
また、本発明は、上記水晶デバイスにおいて、中心線と、中心線の中央の点と各接着点とを結ぶ直線とが成す角度が、それぞれ25°以上28°以下であることを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、水晶振動子において、上記水晶デバイスを備えたことを特徴としている。
【0013】
また、本発明は、水晶発振器において、発振周波数を増幅する発振回路と、上記水晶デバイスを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、パッケージ内に設けられた台座に、水晶片が4点で接着される水晶デバイスであって、水晶片の両短辺の中点を結ぶ中心線と、中心線の中央の点と各接着点とを結ぶ直線とが成す角度が、それぞれ22°以上30°以下である水晶デバイスとしているので、バラつきが小さく良好な加速度感度特性を備えた水晶デバイスを実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本水晶デバイス(1)の構成を示す平面図である。
図2】本水晶デバイス(2)の構成を示す平面図である。
図3】本水晶デバイス(3)の構成を示す平面図である。
図4】本水晶デバイス(1)~(3)の加速度感度の測定結果を示す説明図である。
図5】加速度感度のバラつきを示す説明図である。
図6】水晶片の辺比による加速度感度への影響を示す説明図である。
図7】本水晶デバイスの周波数温度特性の測定結果を示す説明図である。
図8】25℃におけるヒステリシス分布を示す説明図である。
図9】25℃における温度特性のヒステリシスの平均値を示す説明図である。
図10】水晶振動子輪郭への応力による影響を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る水晶デバイス(本水晶デバイス)は、パッケージ内に水晶片が搭載される台座を備え、水晶片が台座に4点で接着され、水晶片の両短辺の中点を通る中心線と、中心と各接着点とを結ぶ直線とが22°以上30°以下の角度で交わるものであり、バラつきが小さく良好な加速度感度特性を備えた水晶デバイスを実現することができるものである。
【0017】
[本水晶デバイスの構成:図1図3
本水晶デバイスは、水晶片と台座との接着位置、特に中心線に対して水晶片の中心から見た接着点の角度を22°~30°の範囲とすることで、加速度感度特性を良好にし、バラつきを抑えるものである。
【0018】
図1は、本水晶デバイス(1)の構成を示す平面図、図2は、本水晶デバイス(2)の構成を示す平面図、図3は、本水晶デバイス(3)の構成を示す平面図である。
本水晶デバイス(1)~(3)は、同型の製品を用いた水晶デバイスで接着位置を変えたものである。具体的には、水晶片の中心Qと接着点とを結ぶ線と、水晶片の短辺を2分する線分である中心線mが交わる角度(接着角度θ)を3種類に変えて本水晶デバイス(1)~(3)としている。
本水晶デバイス(1)~(3)は、基本的な構成は同じであるため、本水晶デバイス(1)を例として、本水晶デバイスの構成を図1を用いて説明する。
【0019】
図1に示すように、本水晶デバイスは、凹部を備え、凹部に台座11が形成されたパッケージ10と、台座11の上に搭載された水晶片20とを備え、水晶片20は接着剤30によって台座11に固定されている。
つまり、水晶片20は4点で台座11に接着されている。
【0020】
パッケージ10は、セラミック等の絶縁材料が積層された構成であり、水晶片20を収納する凹部を備える。
ここで、本水晶デバイスのパッケージサイズは、3.2mm×2.5mm、水晶片20のサイズは、短辺が1.4mm、長辺が2.1mmである。
【0021】
台座11は、矩形の水晶版を切り出し、一部に凹部を形成した形状ないし凹部を持たない平板形状であり、上面に水晶片20が搭載される。また、台座11の四隅には金から成る電極パターン11a~11dが形成されている。
接着剤30は、導電性接着剤又は非導電性接着剤であり、水晶片20を台座11上の電極パターン11a~11dに固定する。
【0022】
水晶片20は、略矩形形状であり、表面に励振電極21aが形成され、裏面に励振電極21bが形成されている。
表面の励振電極21aの引き出し部22aは、図1の左側の短辺方向に引き出されている。
裏面の励振電極21bは図1では見えていないが、引き出し部22bが左側の短辺方向に引き出されている。
【0023】
水晶片20は、左側の短辺に近い部分で2か所、右側の短辺に近い部分で2か所が接着剤30によって台座11に固定されている。
具体的には、水晶片20の左側の短辺は、台座11の電極パターン11a,11bに固定され、右側の短辺は、電極パターン11c,11dに固定されている。
尚、電極パターン11a,11bは、水晶片20に形成された励振電極21a,21bの引き出し部22a,22bと導電性接着剤により接続され、更にパッケージ10に形成された配線パターンを介して発振用のICに接続される。
水晶片20と電極パターン11c、11dとの接続は、導電性接着剤でも非導電性接着剤でもよい。
【0024】
本水晶デバイス(1)~(3)の作成では、台座11と水晶片20との接着角度θを調整するため、測定しやすい接着点距離Pの値を変化させて作成した。
図1に示すように、本水晶デバイス(1)では、接着点距離Pを1050μmとした。
本水晶デバイス(1)~(3)に使用した製品では、接着点距離Pが1050μmの水晶デバイス(1)場合、水晶片20の中心Qと各接着点とを結ぶ線が中心線m(水晶片20の両短辺の中点を通る線分)と交わる接着角度θの平均は28.1°であった。
尚、中心Qは、中心線の中点となっている。
【0025】
本水晶デバイス(2)は、図1に示した本水晶デバイス(1)と同型の製品を用いて、台座11に水晶片20を接着する際の接着位置を変更したものである。
具体的には、本水晶デバイス(2)では、接着点距離Pを960μmとし、4つの接着角度θの平均は26.9°であった。
【0026】
同様に、本水晶デバイス(3)では、図3に示すように、接着点距離Pを850μmとし、接着角度θの平均は24.6°であった。
つまり、接着点距離Pの長さは本水晶デバイス(1)>本水晶デバイス(2)>本水晶デバイス(3)であり、接着角度θの大きさも同じ順となっている。
【0027】
[加速度感度測定結果:図4
これらの3つの水晶デバイスについて、加速度感度の測定を行った結果を図4に示す。図4は、本水晶デバイス(1)~(3)の加速度感度の測定結果を示す説明図であり、図4(1)は本水晶デバイス(1)の測定結果、図4(2)は本水晶デバイス(2)の測定結果、図4(3)は本水晶デバイス(3)の測定結果を示すものである。
図4において、0.1(ppb/G)の線は基準となる加速度感度を示す基準線である。
また、図4(1)では、本水晶デバイス(1)について1サンプルの測定を行った結果を示しており(S11)、図4(2)では本水晶デバイス(2)について、図4(3)では、本水晶デバイス(3)について、それぞれ2サンプルの測定を行った結果を示している(S21,S22,S31,S33)。
【0028】
図4に示すように、本水晶デバイス(1)、(2)、(3)ではいずれも良好な加速度感度となっている。
図4(1)(2)(3)を比較すると、接着角度θが小さくなるにしたがって加速度感度が小さく良好となっている。接着角度θが最も小さい本水晶デバイス(3)では、特に良好な特性が得られている。
【0029】
[加速度感度のバラつき:図5
次に、本水晶デバイス(1)~(3)の加速度感度のバラつきについて、図5を用いて説明する。図5は、加速度感度のバラつきを示す説明図である。
本水晶デバイス(1)~(3)について、サンプル数を増やして発振周波数500Hzにおける加速度感度の測定を行い、バラつきを検証した。
図5に示すように、本水晶デバイス(1)~(3)の加速度感度のバラつきは、いずれも良好であり、また、バラつきの程度も同程度である。
【0030】
図4図5より、水晶片20と台座11との接着点での平均の接着角度θが24.6°~28.1°の範囲とすれば、水晶片20にかかる応力の影響を抑えて、加速度感度特性を良好にすると共にバラつきも小さくできることが明らかとなったものである。
【0031】
[辺比による影響:図6
次に、水晶片20の辺比(Z′方向の長さ(w)/厚み(t))がZ′方向の加速度感度に与える影響について図6を用いて説明する。図6は、水晶片の辺比による加速度感度への影響を示す説明図である。
ここでは、辺比が32.9~98.7の6種類の水晶片20について、接着角度θに対する加速度感度をシミュレーションにより算出した。対応する加速度感度の算出結果を図6のR1~R6に示す。
【0032】
図6のR1に示すように、辺比が小さい水晶片20は、接着角度θによる加速度感度の違いが大きく、辺比が大きくなるほど、接着角度θによる差異は小さくなる。
また、水晶片20の辺比によって加速度感度特性が最も小さくなる接着角度θが異なることがわかる。
例えば、辺比が32.9(R1)の場合には加速度感度特性最も良好となる接着角度θは27°であるが、辺比が49.4以上(R2~R6)の場合、26°が最も特性が良い。
【0033】
サンプルを用いた測定及びシミュレーション結果より、本水晶デバイスのように水晶片20と台座11とを接着する接着点と中心とを結ぶ線が、水晶片の中心線と交差する接着角度θを22°~30°の範囲とすることで、製品によって様々な辺比の水晶片を用いる場合でも、バラつきが小さく、良好な加速度感度特性が得られるものである。
特に、接着角度θを25°~28°とするのが望ましく、最も良好な特性となる効果がある。
【0034】
[周波数温度特性測定結果:図7
次に、本水晶デバイスの周波数温度特性の測定結果について図7を用いて説明する。図7は、本水晶デバイスの周波数温度特性の測定結果を示す説明図であり、図7(1)は本水晶デバイス(1)の測定結果、図7(2)は本水晶デバイス(2)の測定結果、図7(3)は本水晶デバイス(3)の測定結果を示すものである。
【0035】
尚、図7では、本水晶デバイス(1)~(3)のそれぞれ約50個のサンプルについて、温度を-45℃から100℃まで上昇させた場合と、100℃から-45℃まで下降させた場合の各温度における周波数のずれ(ΔF/F[ppm])を1つのグラフで示している。
各図において、上下2つのグループの内、下の方のグループが温度を上げていった場合の温度特性、上の方のグループが温度を下げていった場合の温度特性を示す。
【0036】
また、図7において実線で示した枠は温度特性の基準範囲であり、上下の曲線間の隔たりが小さいほどヒステリシスが小さいことになる。
図7(1)~(3)を比較すると、接着角度θが小さい本水晶デバイス(3)において、温度特性が良好でヒステリシスも小さいことがわかる。
図7(1)~(3)では、いずれも高温側では上下のグラフが接近しており、特に(3)では上下のグラフが交差している。
【0037】
[25℃におけるヒステリシス分布:図8
次に、図7の温度特性測定結果に基づいて、常温(25℃)におけるヒステリシス分布を算出した。図8は、25℃におけるヒステリシス分布(サンプル数)を示す説明図であり、図8(1)は本水晶デバイス(1)のヒステリシス分布、(2)は本水晶デバイス(2)のヒステリシス分布、(3)は本水晶デバイス(3)のヒステリシス分布を示す。
図8に示すように、25℃におけるヒステリシスの分布は、本水晶デバイス(1)>本水晶デバイス(2)>本水晶デバイス(3)の順で小さい方にシフトしており、接着角度θが最も小さい本水晶デバイス(3)のヒステリシスが最小となっている。
【0038】
[25℃におけるヒステリシス(平均値):図9
図8のヒステリシス分布に基づいて、3種類の本水晶デバイス(1)~(3)の温度特性のヒステリシスの25℃における平均値を算出した。
図9は、25℃における温度特性のヒステリシスの平均値を示す説明図である。尚、図9の横軸は、接着点距離Pを示しており、1100μmは本水晶デバイス(1)、960μmは本水晶デバイス(2)、850μmは本水晶デバイス(3)に相当している。
【0039】
図9に示すように、25℃において、本水晶デバイス(1)~(3)はいずれも良好なヒステリシスとなっているが、接着点距離P(接着角度θ)が小さくなるにつれて、より良好な特性が得られている。
図7図9に示した測定結果から、水晶片20と台座11とを接着する接着点と、中心線の中点とを結ぶ線が、中心線と交わる接着角度θを22°~30°の範囲とした本水晶デバイスでは、良好な周波数温度特性が得られ、特に、θを25°程度とすると、常温(25℃)でのヒステリシスを一層向上させることができる効果がある。
【0040】
[製品への応用]
尚、本実施の形態では、水晶振動子を例として説明したが、パッケージ凹部内の台座の下側にICを設けた発振器や、H型パッケージの2つの凹部の一方に水晶片20を搭載し、他方にICを設けた発振器にも適用可能である。
例えば、TCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator;温度補償水晶発振器)、ICXO(クロック用水晶発振器)、SPXO(Simple Packaged Crystal Oscillator;パッケージ水晶発振器)、VCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator;電圧制御水晶発振器)に適用できるものである。
【0041】
尚、製品を製造する際には、予め使用する水晶片20の辺比に応じて、最適な接着角度θを計算により(又は実験的に)求めておき、実際の水晶片20の寸法や台座11の位置に応じて、当該最適な接着角度となる接着点距離Pを設定しておくとよい。
最適な接着点間距離Pを設定しておくことで、角度測定をしなくても、寸法測定のみで、容易に接着角度を所望の範囲内とすることができるものである。
【0042】
[実施の形態の効果]
本水晶デバイスによれば、パッケージ10内に水晶片20が搭載される台座11を備え、水晶片20が台座11に4点で接着され、水晶片20の両短辺の中点を結ぶ中心線mと、水晶片20の中心Qと各接着点とを結ぶ直線とが22°以上30°以下の角度で交わるようにしているので、バラつきが小さく良好な加速度感度特性を備えた水晶デバイスを実現することができる効果がある。
【0043】
また、本水晶振動子によれば、水晶片20の両短辺の中点を結ぶ中心線mと、水晶片20の中心Qと各接着点とを結ぶ直線とが22°以上25°以下の角度で交わるものとすることで、加速度感度特性に加えて、周波数温度特性及びヒステリシスを良好にすることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、バラつきが小さく良好な加速度感度特性を備えた水晶デバイスに適している。
【符号の説明】
【0045】
10…パッケージ、 11…台座、 11a,11b,11c,11d…電極パターン、 20…水晶片、 21a,21b…励振電極、 22a、22b…引き出し部、 30…接着剤、 m…中心線、 Q…水晶片の中心、 θ…接着角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10