(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054310
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】通知装置、第1観察装置、通知方法、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/07 20060101AFI20230406BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
G08G1/07 C
G08G1/09 F
G08G1/09 C
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027270
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2019052761の分割
【原出願日】2019-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】木内 大樹
(57)【要約】
【課題】装置に対する通知技術の利便性の向上を図ることが可能な技術を提供する。
【解決手段】第1路側機を備える通知装置は、取得部、第1判定部及び通信部を備える。取得部は、第1路側機の周辺の道路上の水位を示す水位情報を取得する。第1判定部は、水位情報に基づいて、水位が高いか否かを判定する。通信部は、水位が高いと判定された場合、通知装置以外の装置に対する通知を行う。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1観察装置を備える通知装置であって、
前記第1観察装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高い場合、前記通知装置以外の装置に対する通知を行う通信部を備え、
前記道路上の水に浮遊物が存在する場合、前記第1観察装置は、前記第1観察装置の周辺の信号機を制御する、通知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合、前記道路において前記水位が高い場所での車両の進行方向を特定する特定部をさらに備え、
前記通知装置以外の前記装置は、前記第1観察装置よりも、前記進行方向とは逆方向側に位置する第2観察装置を含む、通知装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記通知装置以外の前記装置は、前記第1観察装置の周辺に位置する車両を含む、通知装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記通知装置以外の前記装置は、前記第1観察装置の周辺に位置する、人が所持する電子機器を含む、通知装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記道路上の水に前記浮遊物が存在する場合、前記通信部は、前記浮遊物が存在することを前記通知装置以外の装置に通知する、通知装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合であって、前記道路に側溝が存在する場合、前記通信部は、前記道路に前記側溝が存在することを前記通知装置以外の装置に通知する、通知装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合であって、前記道路に側溝が存在する場合、前記第1観察装置は、前記側溝に関する注意情報を表示する、通知装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合であって、前記道路に側溝が存在する場合、前記通信部は、雨が降っていないときの前記道路の様子が写る撮影画像を前記通知装置以外の装置に送信する、通知装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合であって、前記道路に側溝が存在する場合、前記第1観察装置は、雨が降っていないときの前記道路の様子が写る撮影画像を表示する、通知装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合であって、前記道路にマンホールが存在する場合、前記通信部は、前記道路に前記マンホールが存在することを前記通知装置以外の装置に通知する、通知装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合であって、前記道路にマンホールが存在する場合、前記第1観察装置は、前記マンホールに関する注意情報を表示する、通知装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合であって、前記道路にマンホールが存在する場合、前記通信部は、雨が降っていないときの前記道路の様子が写る撮影画像を前記通知装置以外の装置に送信する、通知装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合であって、前記道路にマンホールが存在する場合、前記第1観察装置は、雨が降っていないときの前記道路の様子が写る撮影画像を表示する、通知装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合、前記第1観察装置は、前記水位に関する注意情報を表示する、通知装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記通知装置は、前記第1観察装置だけで構成されている、通知装置。
【請求項16】
請求項1から請求項14のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記通知装置は、前記第1観察装置と、前記第1観察装置と通信可能な情報処理装置とを備える、通知装置。
【請求項17】
請求項16に記載の通知装置が備える第1観察装置。
【請求項18】
観察装置を備える通知装置での通知方法であって、
前記観察装置の周辺の道路の水位がしきい値よりも高い場合、前記通知装置以外の装置に対する通知を行う工程と、
前記道路上の水に浮遊物が存在する場合、前記観察装置が、前記観察装置の周辺の信号機を制御する工程と
を備える、通知方法。
【請求項19】
装置を備える制御装置であって、
前記装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高く、当該道路上の水に浮遊物が存在する場合、前記装置の周辺の信号機を制御する制御部を備える、制御装置。
【請求項20】
装置を備える制御装置での制御方法であって、
前記装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高く、当該道路上の水に浮遊物が存在する場合、前記装置の周辺の信号機を制御する工程を備える、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、装置に対する通知技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、道路の冠水を検出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-124602号公報
【特許文献2】特開2018-84977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置に対する通知技術については、その利便性の向上が望まれる。
【0005】
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、装置に対する通知技術の利便性を向上することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
通知装置、第1観察装置、通知方法、制御装置及び制御方法が開示される。一の実施の形態では、通知装置は、第1観察装置を備える通知装置である。通知装置は、第1観察装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高い場合、通知装置以外の装置に対する通知を行う通信部を備える。道路上の水に浮遊物が存在する場合、第1観察装置は、第1観察装置の周辺の信号機を制御する。
【0007】
また、一の実施の形態では、第1観察装置は、上記の通知装置が備える第1観察装置である。上記の通知装置は、第1観察装置と通信可能な情報処理装置をさらに備える。
【0008】
また、通知方法は、観察装置を備える通知装置での通知方法である。通知方法は、観察装置の周辺の道路の水位がしきい値よりも高い場合、通知装置以外の装置に対する通知を行う工程を備える。通知方法は、道路上の水に浮遊物が存在する場合、観察装置が、観察装置の周辺の信号機を制御する工程を備える。
【0009】
また、制御装置は、装置を備える制御装置である。制御装置は、装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高く、当該道路上の水に浮遊物が存在する場合、装置の周辺の信号機を制御する制御部を備える。
【0010】
また、制御方法は、装置を備える制御装置での制御方法である。制御方法は、装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高く、当該道路上の水に浮遊物が存在する場合、装置の周辺の信号機を制御する工程を備える。
【発明の効果】
【0011】
装置に対する通知技術の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】携帯型電子機器の外観の一例を示す斜視図である。
【
図4】携帯型電子機器の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】路側機の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】車両に搭載される電子機器の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】センター装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】路側機の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】路側機の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】車載機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】路側機の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<通信システムの概要>
図1及び2は通信システム1の一例を示す図である。通信システム1は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)で使用されるシステムである。具体的には、通信システム1は、ITSの安全運転支援通信システムとして使用されることが可能である。安全運転支援通信システムは、安全運転支援システムと呼ばれたり、安全運転支援無線システムと呼ばれたりする。
【0014】
図1に示されるように、通信システム1は、複数の携帯型電子機器2と、複数の路側機3と、複数の電子機器40がそれぞれ搭載された複数の車両4と、センター装置5とを備える。センター装置5は情報処理装置であると言える。複数の携帯型電子機器2と、複数の路側機3と、複数の電子機器40と、センター装置5とは、ネットワーク6に接続されている。複数の携帯型電子機器2と、複数の路側機3と、複数の電子機器40と、センター装置5とは、ネットワーク6を通じて互いに通信することが可能である。車両4は、それに搭載された電子機器40によって、携帯型電子機器2等の他の装置と通信することが可能である。ネットワーク6には、中継装置及びインターネット等が含まれる。以後、携帯型電子機器2を単に電子機器2と呼ぶことがある。また、車両4に搭載された電子機器40を車載機器40と呼ぶことがある。携帯型電子機器2は携帯機器とも言える。
【0015】
図2に示されるように、路側機3は道路7に設置される。道路7は、アンダーパスであってもよいし、アンダーパス以外の道路であってもよい。アンダーパスとは、立体交差において掘り下げ式となっている下側の道路を意味する。アンダーパスはくぐり抜け式通路と呼ばれることがある。
【0016】
図2の例では、路側機3は、道路7に含まれる車道8に設けられた横断歩道80の近くに位置する。
図2に示される車道8は、片側1車線の車道であって、第1車線8aと、当該第1車線8aの対向車線となる第2車線8bとを備える。路側機3は、例えば、第1車線8aの近くに位置する。
【0017】
また
図2の例では、道路7は、車道8に沿って車道8に併設された2つの歩道9を含む。2つの歩道9は、第1車線8aに沿って第1車線8aに併設された歩道9aと、第2車線8bに沿って第2車線8bに併設された歩道9bとを備える。
【0018】
ここで、本例では、歩道とは、車道に沿って当該車道に併設された、歩行者が通行するための道路であるとする。また、車道を横切る横断歩道は、歩道とは別のものであって、車道に含まれるものとする。
【0019】
車道8の上方には、車両4の横断歩道80の通行を制御するための2つの車両用信号機10が位置する。2つの車両用信号機10は、第1車線8aの上方に位置し、第1車線8aを走行する車両4の運転者が視認可能な車両用信号機10aと、第2車線8bの上方に位置し、第2車線8bを走行する車両4の運転者が視認可能な車両用信号機10bとを備える。
【0020】
また、車道8の近くには、歩行者の横断歩道80の通行を制御するための2つの歩行者用信号機11が位置する。2つの歩行者用信号機11は、第1車線8a側の歩道9aの上方に位置する歩行者用信号機11aと、第2車線8b側の歩道9bの上方に位置する歩行者用信号機11bとを備える。横断歩道80を歩道9b側から歩道9a側に向かって横断する歩行者は歩行者用信号機11aを視認可能である。一方で、横断歩道80を歩道9a側から歩道9b側に向かって横断する歩行者は歩行者用信号機11bを視認可能である。
【0021】
通信システム1では、路側機3と、車道8を走る自動車等の車両4と、歩道9を歩くユーザ20が所持する電子機器2とが、互いに通信を行うことが可能である。ユーザ20は、人であって、歩行者であるとも言える。また、複数の車両4は、互いに通信することが可能である。路側機3と車両4との間の通信、車両4間の通信、路側機3と歩行者の電子機器2との間の通信、歩行者の電子機器2と車両4の間の通信は、それぞれ、路車間通信、車車間通信、路歩間通信、歩車間通信と呼ばれる。以後、ユーザ20を歩行者20と呼ぶことがある。
【0022】
電子機器2は、ユーザ20からの所定の入力に応じて、当該電子機器2の位置情報等をセンター装置5等に送信することが可能である。ユーザ20は、例えば、自身にトラブルが発生した場合に、電子機器2に対して所定の入力を行う。センター装置5は、電子機器2のユーザ20にトラブルが発生した場合に所定の処理を行うことが可能である。歩行者20によって所持される電子機器2は、歩端末と呼ばれることがある。
【0023】
路側機3は、
図2に示されるように、後述するカメラ320及び表示部340を備える。表示部340は、第1車線8aを走行する車両4の運転者が視認可能な第1表示画面340aと、第2車線8bを走行する車両4の運転者が視認可能な第2表示画面340bとを備える。
【0024】
横断歩道80の近くに位置する路側機3は、当該横断歩道80の車両4の通行を制御するための車両用信号機10a及び10bと、当該横断歩道80の歩行者の通行を制御するための歩行者用信号機11a及び11bとを制御することが可能である。路側機3は、その周辺に位置する車両用信号機10a及び10b及び歩行者用信号機11a及び11bを制御することが可能であると言える。
【0025】
また路側機3は、例えば、車両用信号機10及び歩行者用信号機11の灯火に関する情報及び道路規制に関する情報などを車両4及び電子機器2に通知することが可能である。また、路側機3は、その周辺の車両4及び歩行者を検知することが可能である。横断歩道80の近くに位置する路側機3は、例えば、横断歩道80を渡る歩行者を検知することが可能である。そして、路側機3は、検知した車両4及び歩行者に関する情報を、車両4及び電子機器2に通知することが可能である。また、路側機3は、車両4及び電子機器2から通知される情報を、他の車両4及び電子機器2に通知することが可能である。
【0026】
車両4は、自身の位置、速度及びウィンカーに関する情報などを、車載機器40を使用して、他の車両4、路側機3及び電子機器2に対して通知することが可能である。そして、車両4は、他の装置から通知される情報に基づいて警告等の各種通知を運転者に行うことによって、運転者の安全運転を支援することが可能である。車両4は、車載機器40が備えるスピーカ及び表示装置等を利用して、運転者に各種通知を行うことが可能である。
【0027】
このように、通信システム1では、路車間通信、車車間通信、路歩間通信及び歩車間通信が行われることによって、車両4の運転者の安全運転が支援される。
【0028】
なお
図2の例では、車両4として、自動車の車両が示されているが、車両4は、自動車以外の車両であってもよい。例えば、車両4は、バスの車両であってもよいし、路面電車の車両であってもよい。また、路側機3が設置される道路7は
図2の例に限られない。例えば、道路7は、横断歩道80を備えなくてもよいし、歩道9を備えなくてもよい。
【0029】
<電子機器の構成例>
図3は電子機器2の外観の一例を示す斜視図である。
図4は電子機器2の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図3に示されるように、電子機器2は、当該電子機器2の外装を成すケース21を備える。ケース21は、例えば、やや細長い板状を成しており、ユーザ20が片手でそれを所持することが可能な形状となっている。電子機器2は、例えば、子供あるいはお年寄りに所持される機器である。なお、電子機器2のユーザ20は、子供及びお年寄り以外であってもよい。また、ケース21の形状は
図3の例には限られない。
【0030】
電子機器2は、ケース21以外にも、
図4に示されるように、制御部200、通信部210、操作ボタン220、衛星信号受信部230、ブザー250、表示部240及びタッチパネル260を備える。制御部200、通信部210、操作ボタン220、衛星信号受信部230、ブザー250、表示部240及びタッチパネル260は、ケース21内に収納されている。
図3に示されるように、ユーザ20が操作ボタン220を操作できるように、操作ボタン220の表面の一部はケース21から露出している。また、表示部240の表示画面250aは、ケース21から露出している。
【0031】
制御部200は、電子機器2の他の構成要素を制御することによって、電子機器2の動作を統括的に管理することが可能である。制御部200は制御装置あるいは制御回路とも言える。制御部200は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0032】
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路IC及び/又はディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
【0033】
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
【0034】
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
【0035】
本例では、制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201及び記憶部202を備える。記憶部202は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの、CPU201が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部202が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROM(フラッシュメモリ)である。記憶部202には、電子機器2を制御するための制御プログラム202a等が記憶されている。制御部200の各種機能は、CPU201が記憶部202内の制御プログラム202aを実行することによって実現される。
【0036】
なお、制御部200の構成は上記の例に限られない。例えば、制御部200は、複数のCPU201を備えてもよい。また制御部200は、少なくとも一つのDSP(Digital Signal Processor)を備えてもよい。また、制御部200の全ての機能あるいは制御部200の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また、記憶部202は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。記憶部202は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)などを備えていてもよい。
【0037】
通信部210は、有線及び無線の少なくとも一方でネットワーク6に接続されている。電子機器2の通信部210は、ネットワーク6を通じて、他の電子機器2、路側機3、車載機器40及びセンター装置5と通信することが可能である。また、通信部210は、路側機3とネットワーク6を介さずに直接無線通信することが可能である。通信部210は、例えば、ITSに割り当てられている700MHz帯を使用して、路側機3と直接無線通信を行うことが可能である。通信部210は、他の装置から受信した情報を制御部200に出力する。通信部210は、制御部200からの情報を他の装置に送信する。通信部210は通信回路とも言える。以後、単に700MHz帯と言えば、ITSに割り当てられている700MHz帯を意味する。
【0038】
電子機器2の通信部210は、他の電子機器2、車載機器40及びセンター装置5の少なくとも一つと、ネットワーク6を介さずに直接通信することが可能であってもよい。この場合、通信部210は、例えば、700MHz帯を使用して、他の電子機器2、車載機器40及びセンター装置5の少なくとも一つと直接無線通信を行ってもよい。また、通信部210は、携帯電話システムの基地局と無線通信することが可能であってもよい。この場合には、通信部210は、基地局を通じて、インターネットに接続された機器(例えば、携帯電話機及びウェブサーバ等)と通信することが可能である。また通信部210は、近距離無線通信を行うことが可能であってもよい。例えば、通信部210は、Bluetooth(登録商標)に準拠して無線通信することが可能であってもよい。また通信部210は、WiFi等の無線LAN(Local Area Network)を用いて無線通信を行うことが可能であってもよい。また通信部210は、他の無線通信方式に基づいて無線通信することが可能であってもよい。
【0039】
操作ボタン220は、ユーザ20にトラブルが発生した場合に当該ユーザ20が操作するボタンである。ユーザ20は、操作ボタン220を操作することによって、ユーザ20にトラブルが発生したことを電子機器2に対して通知することができる。操作ボタン220は、例えば押しボタンである。電子機器2を所持する子供あるいはお年寄りは、例えば、不審者に襲われた場合、急に体調を壊して動けなくなった場合、交通事故に巻きまれた場合などに、操作ボタン220を操作する。操作ボタン220が操作させると、操作ボタン220から操作信号が制御部200に出力される。制御部200は、操作ボタン220から操作信号が入力されると、操作ボタン220が操作されたと判断する。
【0040】
衛星信号受信部230は、測位衛星が送信する衛星信号を受信することが可能である。衛星信号受信部230は衛星信号受信回路とも言える。衛星信号受信部230は、受信した衛星信号に基づいて、電子機器2の絶対的な位置(言い換えれば、絶対座標系の位置)を示す位置情報を取得することが可能である。衛星信号受信部230は、電子機器2の位置情報を取得する位置取得部あるいは位置取得回路であると言える。衛星信号受信部230が取得する位置情報は、例えば、緯度、経度及び高度で表される。以後、衛星信号受信部230を単に受信部230と呼ぶことがある。
【0041】
受信部230は、例えばGPS受信機であって、GPS(Global Positioning System)の測位衛星からの無線信号を受信することが可能である。受信部230は、受信した無線信号に基づいて、電子機器2の現在位置を、例えば緯度、経度及び高度で算出し、算出した緯度、経度及び高度を含む位置情報を制御部200に出力する。受信部230は、位置情報を繰り返し取得する。電子機器2の位置情報は、当該電子機器2を持つユーザ20の位置を示す位置情報であるとも言える。
【0042】
なお受信部230は、GPS以外のGNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの信号に基づいて電子機器2の位置情報を求めてもよい。例えば、受信部230は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、IRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)、COMPASS、Galileoあるいは準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellites System)の測位衛星からの信号に基づいて電子機器2の位置情報を求めてもよい。
【0043】
ブザー250は、制御部200による制御によって、音を出力したり、音の出力を停止したりする。
【0044】
表示部240は、例えば、液晶ディスプレイあるいは有機ELディスプレイである。表示部240は、制御部200によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。
【0045】
タッチパネル260は、表示部240の表示画面250aに対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル260は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。ユーザ20が指等の操作子によって、表示画面250aに対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号をタッチパネル260は制御部200に入力することが可能である。制御部200は、タッチパネル260からの電気信号に基づいて、表示画面250aに対して行われた操作の内容を特定することが可能である。そして制御部200は、特定した操作内容に応じた処理を行うことが可能である。
【0046】
本例では、操作ボタン220が操作されると、制御部200は、ユーザ20にトラブルが発生したことを示すトラブル発生情報を生成する。そして、制御部200は、通信部210に、生成したトラブル発生情報を周辺の路側機3に送信させる。このとき、通信部210は、例えば、700MHz帯を使用して、周辺の路側機3に対してトラブル発生情報をブロードキャストする。トラブル発生情報には、例えば、受信部230で取得される位置情報と、電子機器2の識別情報とが含まれる。路側機3は、電子機器2からトラブル発生情報を受信すると、受信したトラブル発生情報をセンター装置5に送信する。なお、電子機器2は、トラブル発生情報を、ネットワーク6を通じてセンター装置5に送信してもよい。
【0047】
電子機器2の構成は、上記の例に限られない。例えば、電子機器2はスピーカを備えてもよい。また電子機器2は、スマートフォン等の携帯電話機であってもよい。また、電子機器2は、例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル機器などであってよい。電子機器2として採用されるウェアラブル機器は、リストバンド型あるいは腕時計型などの腕に装着するタイプであってもよいし、ヘッドバンド型あるいはメガネ型などの頭に装着するタイプであってもよいし、服型などの体に装着するタイプであってもよい。
【0048】
<路側機の構成例>
図5は路側機3の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示されるように、路側機3は、制御部300、通信部310、カメラ320、センサー330及び表示部340を備える。制御部300は、路側機3の他の構成要素を制御することによって、路側機3の動作を統括的に管理することが可能である。制御部300は制御装置あるいは制御回路とも言える。制御部300は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。電子機器2の制御部200が備えるプロセッサについての上記の説明は、制御部300が備えるプロセッサについても適用することができる。
【0049】
本例では、制御部300は、CPU301及び記憶部302を備える。記憶部302は、ROM及びRAMなどの、CPU301が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部302が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROMである。記憶部302には、路側機3を制御するための制御プログラム302a等が記憶されている。制御部300の各種機能は、CPU301が記憶部302内の制御プログラム302aを実行することによって実現される。
【0050】
なお、制御部300の構成は上記の例に限られない。例えば、制御部300は、複数のCPU301を備えてもよい。また制御部300は、少なくとも一つのDSPを備えてもよい。また、制御部300の全ての機能あるいは制御部300の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また、記憶部302は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。
【0051】
通信部310は、有線及び無線の少なくとも一方でネットワーク6に接続されている。路側機3の通信部310は、ネットワーク6を通じて、他の路側機3、電子機器2、車載機器40及びセンター装置5と通信することが可能である。また、路側機3の通信部310は、他の路側機3、電子機器2及び車載機器40とネットワーク6を介さずに直接無線通信することが可能である。通信部310は、例えば、700MHz帯を使用して、路側機3の周辺の車載機器40と、路側機3の周辺の電子機器2と直接無線通信を行うことが可能である。また、路側機3の通信部310は、例えば、700MHz帯を使用して、当該路側機3の隣の路側機3と直接無線通信を行うことが可能である。通信部310は、他の装置から受信した情報を制御部300に出力する。通信部310は、制御部300からの情報を他の装置に送信する。通信部310は通信回路とも言える。
【0052】
また通信部310は、車両用信号機10及び歩行者用信号機11に接続されている。制御部300は、通信部310を介して、車両用信号機10及び歩行者用信号機11を制御することが可能である。
【0053】
なお、路側機3の通信部210は、センター装置5と、ネットワーク6を介さずに直接通信することが可能であってもよい。この場合、通信部210は、例えば700MHz帯を使用して、センター装置5と直接無線通信を行ってもよい。また、通信部310は、携帯電話システムの基地局と無線通信することが可能であってもよい。また通信部310は、近距離無線通信を行うことが可能であってもよい。また通信部310は、WiFi等の無線LANを用いて無線通信を行うことが可能であってもよい。また通信部310は、他の無線通信方式に基づいて無線通信することが可能であってもよい。
【0054】
カメラ320は、車道8あるいは歩道9の上方に位置する。カメラ320は、路側機3の周辺の道路7の様子を撮影することが可能である。言い換えれば、カメラ320は、車両用信号機10及び歩行者用信号機11の周辺の道路7の様子を撮影することが可能である。カメラ320で得られる撮影画像には、路側機3の周辺の道路7の様子が写っている。本例では、カメラ320は、横断歩道80の様子と、その周辺の様子とを撮影することが可能である。カメラ320の撮影範囲は、例えば、路側機3の通信エリアよりも狭くなっている。カメラ320は、一方の歩道9aにおける、横断歩道80の周辺の部分の様子と、他方の歩道9bにおける、横断歩道80の周辺の部分の様子とを撮影することが可能である。カメラ320で生成された画像は制御部300に入力される。カメラ320は、例えば動画を撮影することが可能である。制御部300は、カメラ320に撮影を実行させたり、撮影を停止させたりすることができる。制御部300は、カメラ320に常に撮影を実行させてもよいし、所定の条件が成立したときにカメラ320に撮影を実行させてもよい。なお、カメラ320の撮影範囲は上記の限りではない。
【0055】
センサー330は、路側機3の周辺の道路の状況を検出することが可能である。センサー330は、例えば、レーダーセンサ及び赤外線センサー等を備えている。センサー330は、例えば、路側機3の周辺の歩行者及び車両4を検出することが可能である。センサー330は、検出結果を制御部300に出力する。
【0056】
表示部340は、
図2に示されるように、第1表示画面340a及び第2表示画面340bを備える。表示部340は、制御部300によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を、第1表示画面340a及び第2表示画面340bのそれぞれにおいて独立して表示することが可能である。表示部340は、
図2に示されるように、車道8の上方に位置する。これにより、車道8上の車両4の運転者は、表示部340で表示される情報を視認することができる。表示部340は、発光体として、例えば発光ダイオードを備える。なお、表示部340は発光ダイオード以外の発光体を備えてもよい。例えば、表示部340は液晶ディスプレイであってもよいし、有機ELディスプレイであってもよい。
【0057】
<車載機器の構成例>
図6は車載機器40の構成の一例を示す図である。車載機器40は、例えば、カーナビゲーション装置と、ラジオ等を含む音響機器とを備える。車載機器40は、カーナビゲーション装置及び音響機器のうち、カーナビゲーション装置だけを備えてもよいし、音響機器だけを備えてもよい。また、車載機器40は、車両4のライト及び方向指示器等を制御する車両制御機能を有してもよい。
【0058】
図6に示されるように、車載機器40は、例えば、制御部400、通信部410、表示部440、タッチパネル430、衛星信号受信部420、スピーカ450、センサー460及びカメラ470を備える。
【0059】
制御部400は、車載機器40の他の構成要素を制御することによって、車載機器40の動作を統括的に管理することが可能である。制御部400は制御装置あるいは制御回路とも言える。制御部400は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。電子機器2の制御部200が備えるプロセッサについての上記の説明は、制御部400が備えるプロセッサについても適用することができる。
【0060】
本例では、制御部400は、CPU401及び記憶部402を備える。記憶部402は、ROM及びRAMなどの、CPU401が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部402が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROMである。記憶部402には、車載機器40を制御するための制御プログラム402a等が記憶されている。制御部400の各種機能は、CPU401が記憶部402内の制御プログラム402aを実行することによって実現される。
【0061】
なお、制御部400の構成は上記の例に限られない。例えば、制御部400は、複数のCPU401を備えてもよい。また制御部400は、少なくとも一つのDSPを備えてもよい。また、制御部400の全ての機能あるいは制御部400の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また、記憶部402は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。
【0062】
通信部410は、有線及び無線の少なくとも一方でネットワーク6に接続されている。車載機器40の通信部410は、ネットワーク6を通じて、他の車載機器40、路側機3、電子機器2及びセンター装置5と通信することが可能である。また、通信部410は、路側機3とネットワーク6を介さずに直接無線通信することが可能である。通信部410は、例えば、700MHz帯を使用して、車両4の周辺の路側機3と直接無線通信を行うことが可能である。通信部410は、他の装置から受信した情報を制御部400に出力する。通信部410は、制御部400からの情報を他の装置に送信する。通信部410は通信回路とも言える。
【0063】
なお、車載機器40の通信部410は、他の車載機器40、電子機器2及びセンター装置5の少なくとも一つと、ネットワーク6を介さずに直接通信することが可能であってもよい。この場合、車載機器40の通信部410は、例えば、700MHz帯を使用して、他の車載機器40、電子機器2及びセンター装置5の少なくとも一つと直接無線通信を行ってもよい。また、通信部410は、携帯電話システムの基地局と無線通信することが可能であってもよい。また通信部410は、近距離無線通信を行うことが可能であってもよい。また通信部410は、WiFi等の無線LANを用いて無線通信を行うことが可能であってもよい。また通信部410は、他の無線通信方式に基づいて無線通信することが可能であってもよい。
【0064】
表示部440は、例えば、液晶ディスプレイあるいは有機ELディスプレイである。表示部440は、制御部400によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。
【0065】
タッチパネル430は、表示部440の表示画面に対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル430は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。車載機器40のユーザが指等の操作子によって、表示部440の表示画面に対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号をタッチパネル430は制御部400に入力することが可能である。制御部400は、タッチパネル430からの電気信号に基づいて、表示画面に対して行われた操作の内容を特定することが可能である。そして制御部400は、特定した操作内容に応じた処理を行うことが可能である。
【0066】
衛星信号受信部420は、測位衛星が送信する衛星信号を受信することが可能である。衛星信号受信部420は衛星信号受信回路とも言える。衛星信号受信部420は、受信した衛星信号に基づいて、車両4の絶対的な位置(言い換えれば、絶対座標系の位置)を示す位置情報を取得することが可能である。衛星信号受信部420は、車両4の位置情報を取得する位置取得部あるいは位置取得回路であると言える。衛星信号受信部420が取得する位置情報は、例えば、緯度、経度及び高度で表される。以後、衛星信号受信部420を単に受信部420と呼ぶことがある。
【0067】
受信部420は、例えばGPS受信機であって、GPSの測位衛星からの無線信号を受信することが可能である。受信部420は、受信した無線信号に基づいて、車両4の現在位置を、例えば緯度、経度及び高度で算出し、算出した緯度、経度及び高度を含む位置情報を制御部200に出力する。受信部420は、位置情報を繰り返し取得する。
【0068】
なお受信部420は、GPS以外のGNSSの測位衛星からの信号に基づいて電子機器2の位置情報を求めてもよい。例えば、受信部420は、GLONASS、IRNSS、COMPASS、Galileoあるいは準天頂衛星システムの測位衛星からの信号に基づいて車両4の位置情報を求めてもよい。
【0069】
スピーカ450は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ450は、制御部400からの電気的な音信号を音に変換し、それによって得られた音を車載機器40の外部に出力することが可能である。
【0070】
センサー460は、例えば、複数種類のセンサーを備える。センサー460は、例えば、加速度センサー、地磁気センサー及びジャイロセンサー等を備える。制御部400は、加速度センサー、地磁気センサー及びジャイロセンサーでの検出結果に基づいて、車両4の進行方向等を特定することが可能である。また制御部400は、加速度センサー、地磁気センサー及びジャイロセンサーでの検出結果に基づいて、受信部420で取得される位置情報を補正することが可能である。センサー460が備えるセンサーの種類はこの限りではない。
【0071】
カメラ470は、車両4の周辺を撮影することが可能である。カメラ470は、例えば、車両4の前方の様子を撮影することが可能である。カメラ470は、制御部400による制御によって、例えば動画を撮影する。制御部400は、カメラ470に常に撮影を実行させてもよいし、所定の条件が成立したときにカメラ470に撮影を実行させてもよい。カメラ470は、ドライブレコーダと呼ばれるカメラであってもよいし、他のカメラであってもよい。
【0072】
以上のような構成を備える車載機器40では、通信部410が、路側機3の通信部310が送信する情報を受信する。車載機器40では、制御部400が、受信部420及びセンサー460で得られた各種情報等に基づいて、車両4に関する車両情報を生成する。車載機器40は、生成した車両情報及び路側機3からの情報等に基づいて、車両4の運転者に対して警告等の通知を行う。車載機器40は、表示部440及びスピーカ450等を用いて、車両4の運転者に対して警告等の通知を行うことができる。
【0073】
<センター装置の構成例>
図7はセンター装置5の構成の一例を示すブロック図である。
図7に示されるように、センター装置5は、制御部500及び通信部510を備える。制御部500は、センター装置5の他の構成要素を制御することによって、センター装置5の動作を統括的に管理することが可能である。制御部500は制御装置あるいは制御回路とも言える。制御部500は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。電子機器2の制御部200が備えるプロセッサについての上記の説明は、制御部500が備えるプロセッサについても適用することができる。
【0074】
本例では、制御部500は、CPU501及び記憶部502を備える。記憶部502は、ROM及びRAMなどの、CPU501が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部502が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROMである。記憶部502には、センター装置5を制御するための制御プログラム502a等が記憶されている。制御部500の各種機能は、CPU501が記憶部502内の制御プログラム502aを実行することによって実現される。
【0075】
なお、制御部500の構成は上記の例に限られない。例えば、制御部500は、複数のCPU501を備えてもよい。また制御部500は、少なくとも一つのDSPを備えてもよい。また、制御部500の全ての機能あるいは制御部500の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また、記憶部502は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。
【0076】
通信部510は、有線及び無線の少なくとも一方でネットワーク6に接続されている。通信部510は、ネットワーク6を通じて、電子機器2、路側機3及び車載機器40と通信することが可能である。通信部510は、他の装置から受信した情報を制御部500に出力する。通信部510は、制御部500からの情報を他の装置に送信する。通信部510は通信回路とも言える。
【0077】
なお、通信部510は、携帯電話システムの基地局と無線通信することが可能であってもよい。また通信部510は、近距離無線通信を行うことが可能であってもよい。また通信部510は、WiFi等の無線LANを用いて無線通信を行うことが可能であってもよい。また通信部510は、他の無線通信方式に基づいて無線通信することが可能であってもよい。
【0078】
以上のような構成を有するセンター装置5は、トラブル発生情報を受信すると、所定の処理を実行する。センター装置5では、電子機器2が送信するトラブル発生情報を通信部510が受信すると、制御部500は、当該電子機器2のユーザ20にトラブルが発生したと判断する。そして、制御部500は、発生したトラブルに応じる処理を行う。
【0079】
例えば、制御部500は、受信されたトラブル発生情報に含まれる位置情報が示す位置においてトラブルが発生したことを通知するトラブル通知情報を生成する。そして、制御部500は、通信部510に、生成したトラブル通知情報を、所定の通信装置に対して送信させる。通信部510は、トラブル通知情報を例えば警察署あるいは交番が有する通信装置に送信してもよい。このとき、通信部510は、トラブルが発生したユーザ20の位置に最も近い警察署あるいは交番の通信装置にトラブル通知情報を送信してもよい。警察署あるいは交番が備える通信装置がトラブル通知情報を受信すると、例えば、トラブルが発生したユーザ20が存在する場所まで警察官が駆けつけることになる。また、通信部510はトラブル通知情報を警備会社が有する通信装置に送信してもよい。警備会社が備える通信装置がトラブル通知情報を受信すると、例えば、トラブルが発生したユーザ20が存在する場所まで警備員が駆けつけることになる。また、通信部510は、受信したトラブル発生情報に含まれる識別情報に対して予め連絡先の装置が対応付けられている場合には、当該連絡先の装置にトラブル通知情報を送信してもよい。ユーザ20が子供である場合、連絡先の装置としては、例えば、ユーザ20の親の携帯電話機あるいは学校の通信装置が考えられる。また、ユーザ20がお年寄りである場合、連絡先の装置としては、例えば、ユーザ20の子供の携帯電話機あるいは老人ホーム等の施設の通信装置が考えられる。
【0080】
なお、センター装置5がトラブル発生情報を受信したときの当該センター装置5の動作は上記の限りではない。また、電子機器2は、操作ボタン220が操作されたときに、トラブル発生情報を送信しているが、電子機器2に対する他の入力に応じてトラブル発生情報を送信してもよい。例えば、電子機器2がマイクを備える場合を考える。この場合、電子機器2は、ユーザ20が発する所定の音声がマイクに入力されたとき、トラブル発生情報を送信してもよい。他の例として、電子機器2が、当該電子機器2の振動を検出する加速度センサーを備える場合を考える。この場合、電子機器2は、ユーザ20が電子機器2に加える所定の振動を加速度センサーが検出したとき、トラブル発生情報を送信してもよい。
【0081】
<通信システムの動作例>
大雨が降った場合などにおいては、道路7が冠水することがある。特にアンダーパスにおいては冠水が発生しやすい。道路7の冠水は、当該道路7上の車両4にとって危険である可能性がある。また、道路7の冠水は、当該道路7上の歩行者にとっても危険である可能性がある。
【0082】
本例の通信システム1は、道路7上の水位が高い場合、車両4及び電子機器2等に対して通知を行うことが可能である。これにより、冠水した道路7上の水位が高い場合には、車両4の運転者及び電子機器2のユーザ20に対して注意を促すことが可能となる。よって、車両4の運転者及び歩行者の安全性を向上することができる。本例では、路側機3が、その周辺の道路7上の水位が高い場合に、車両4等に対して通知を行う通知装置として機能する。以後、当該通知装置を外部通知装置と呼ぶことがある。
【0083】
図8及び9は外部通知装置が行う水位判定処理の一例を示すフローチャートである。本例では、水位判定処理は路側機3で実行される。路側機3は、
図8及び9に示される水位処理を繰り返し実行する。以後、説明の対象の路側機3を対象路側機3と呼ぶことがある。また、対象路側機3のカメラ320で得られる撮影画像をカメラ画像と呼ぶことがある。
【0084】
図8に示されるように、ステップs1において、対象路側機3の制御部300は、対象路側機3の周辺の道路7上の水位を示す水位情報を取得する。以後、対象路側機3の周辺の道路7上の水位を対象水位と呼ぶことがある。また、対象水位を示す水位情報を対象水位情報と呼ぶことがある。また、対象路側機3の周辺の道路7を対象道路7と呼ぶことがある。
【0085】
制御部300は、例えば、カメラ320で得られるカメラ画像に基づいて対象水位情報を取得することができる。本例では、雨が降っていないときの対象道路7の様子が写るカメラ画像が基準カメラ画像として記憶部302に記憶されている。制御部300は、基準カメラ画像と、対象道路7の現在の様子が写るカメラ画像とを比較する。そして、制御部300は、その比較結果に基づいて、カメラ320の撮影範囲内での、道路7の路面から水面までの高さを求める。制御部300は、求めた高さを対象水位情報として使用する。本例では、対象水位情報は数値で表される。なお、雨が降っていない場合等においては、対象水位情報が零となることがある。
【0086】
ステップs1の後、ステップs2において、制御部300は、ステップs1で取得した対象水位情報に基づいて、対象水位が高いか否かを判定する。ステップs1では、例えば、制御部300は、対象水位情報と所定のしきい値と比較し、その比較結果に基づいて、対象水位が高いか否かを判定する。制御部300は、対象水位情報が表す数値がしきい値よりも大きい場合、対象水位が高いと判定する。一方で、制御部300は、対象水位情報が表す数値がしきい値以下の場合、対象水位が高くないと判定する。しきい値は、例えば、道路7の路面から水面までの高さがそれを超えれば車両4の走行に影響が生じる可能性が高い値に設定される。しきい値は、例えば10cm~15cmに設定される。
【0087】
ステップs2においてNOと判定されると、水位判定処理が終了する。一方で、ステップs2においてYESと判定されると、ステップs3が実行される。ステップs3において、制御部300は、対象道路7にマンホールが存在するか否かを判定する。制御部300は、例えば、カメラ画像に基づいて、対象道路7にマンホールが存在するか否かを判定することができる。制御部300は、上述の基準カメラ画像に対して画像処理を行うことによって、基準カメラ画像においてマンホールが写るか否かを判定する。基準カメラ画像にマンホールが写っていると判定される場合には、制御部300は、対象道路7にマンホールが存在すると判定する。制御部300は、例えば、人工知能(AI)を用いて、基準カメラ画像にマンホールが写っているか否かを判定してもよい。例えば、制御部300は、ニューラルネットワークを用いて、基準カメラ画像にマンホールが写っているか否かを判定してもよい。
【0088】
ステップs3が実行されると、対象道路7にマンホールが存在するか否かにかかわらず、ステップs4が実行される。ステップs4において、制御部300は、対象道路7に側溝が存在するか否かを判定する。制御部300は、ステップs3と同様に、基準カメラ画像に対して画像処理を行うことによって、基準カメラ画像において側溝が写るか否かを判定する。基準カメラ画像に側溝が写っていると判定される場合には、制御部300は、対象道路7に側溝が存在すると判定する。
【0089】
なお、カメラ320の撮影範囲内においてマンホールが存在するか否かを示す第1情報と、カメラ320の撮影範囲内において側溝が存在するか否かを示す第2情報とを記憶部302に予め記憶させてもよい。この場合、ステップs3において、制御部300は、記憶部302内の第1情報に基づいて、対象道路7にマンホールが存在するか否かを判定することができる。また、ステップs4において、制御部300は、記憶部302内の第2情報に基づいて、対象道路7に側溝が存在するか否かを判定することができる。
【0090】
ステップs4が実行されると、対象道路7に側溝が存在するか否かにかかわらず、ステップs5が実行される。ステップs5において、制御部300は、対象道路7上の水に浮遊物が存在するか否かを判定する。ステップs5において、制御部300は、例えば、対象道路7の現在の様子が写るカメラ画像に対して画像処理を行って、当該カメラ画像に、道路7上の水に浮かぶ浮遊物が写っているか否かを判定する。制御部300は、ニューラルネットワークを用いた機械学習等の人工知能を用いて、カメラ画像に浮遊物が写っているか否かを判定してもよい。制御部300は、カメラ画像に浮遊物が写っていると判定すると、対象道路7上の水に浮遊物が存在すると判定する。浮遊物には、例えば、草木、ゴミ箱、マンホールの蓋及び側溝の蓋等が含まれる。
【0091】
ステップs5においてYESと判定されると、ステップs6が実行される。一方で、ステップs5においてNOと判定されると、ステップs7が実行される。ステップs6において、制御部300は、通信部310を介して、対象路側機3の周辺の信号機を制御する。具体的には、制御部300は、通信部310を介して、対象路側機3の周辺の車両用信号機10及び歩行者用信号機11を制御する。ステップs6では、制御部300は、例えば、車両用信号機10a及び10bのそれぞれを強制的に赤色で点滅させる。そして、制御部300は、歩行者用信号機11a及び11bのそれぞれを消灯させる。これにより、対象道路7上の水位が高い場合に、車両4の運転者に対して注意を促すことが可能となる。よって、車両4の運転者の安全性を向上させることが可能となる。ステップs6が実行されると、ステップs7が実行される。なお、制御部300は、車両用信号機10a及び10bのそれぞれを黄色で点滅させてもよい。
【0092】
ステップs7において、制御部300は、対象水位に関する第1注意情報を表示部340に表示させる。第1注意情報は、対象水位が高いことへの注意を促す情報である。第1注意情報としては、例えば、近くの路面の水位が高いことへの注意を促す第1注意喚起用文字列及び図形が採用される。第1注意喚起用文字列としては、例えば、「近くの路面が冠水しています。注意してください。」という文字列が採用される。第1注意情報は、対象道路7での冠水への注意を促す情報であるとも言える。また、第1注意情報は、対象路側機3の周辺の道路7上の水位が高いことを通知する情報であるとも言える。対象路側機3が第1注意情報を表示することによって、対象路側機3の周辺の車両4の運転者と対象路側機3の周辺の歩行者は危険回避措置をとることができる。例えば、運転者は、車両4に、減速、停止あるいは方向転換等を実行させることができる。また、歩行者20は、歩行経路の変更等を実行して、冠水している道路7への進入を防止することができる。よって、運転者及び歩行者の安全性が向上する。
【0093】
また、ステップs3においてYESと判定された場合には、ステップs7において、制御部300は、マンホールに関する第2注意情報を第1注意情報とともに表示部340に表示させる。第2注意情報は、マンホールへの注意を促す情報である。第2注意情報としては、例えば、近くのマンホールへの注意を促す第2注意喚起用文字列及び図形が採用される。第2注意喚起用文字列としては、例えば、「近くにマンホールがあります。注意してください。」という文字列が採用される。
【0094】
また、制御部300は、ステップs3においてYESと判定された場合には、雨が降っていないときの対象道路7の様子が写る撮影画像を、第1及び第2注意情報とともに表示部340に表示させる。この撮影画像は、例えば静止画である。以後、この撮影画像を、特定撮影画像と呼ぶことがある。特定撮影画像は記憶部302に記憶されている。特定撮影画像は、対象路側機3のカメラ320で得られた画像であってもよいし、他のカメラで得られた画像であってもよい。また、特定撮影画像は動画であってもよい。特定撮影画像は一種の情報であると言える。
【0095】
制御部300は、ステップs4においてYESと判定された場合には、ステップs7において、側溝に関する第3注意情報を第1注意情報とともに表示部340に表示させる。第3注意情報は、側溝への注意を促す情報である。第3注意情報としては、例えば、近くの側溝への注意を促す第3注意喚起用文字列及び図形が採用される。第3注意喚起用文字列としては、例えば、「近くに側溝があります。注意してください。」という文字列が採用される。また、制御部300は、ステップs4においてYESと判定された場合には、特定撮影画像を第1及び第3注意情報とともに表示部340に表示させる。
【0096】
制御部300は、ステップs5においてYESと判定された場合には、ステップs7において、浮遊物に関する第4注意情報を第1注意情報とともに表示部340に表示させる。第4注意情報は、浮遊物への注意を促す情報である。第4注意情報としては、例えば、近くの浮遊物への注意を促す第4注意喚起用文字列及び図形が採用される。第4注意喚起用文字列としては、例えば、「近くに浮遊物が存在します。注意してください。」という文字列が採用される。
【0097】
なお、ステップs3、ステップs4及びステップs5のそれぞれにおいてYESと判定された場合には、表示部340は、第1~第4注意情報及び特定撮影画像を一緒に表示する。
【0098】
このように、本例では、対象道路7上の水位が高いと判定された場合であって、対象道路7にマンホールが存在する場合、対象路側機3は、マンホールに関する注意情報を表示する。これにより、対象路側機3の周辺に存在する車両4の運転者と、対象路側機3の周辺に存在する歩行者は、周辺の道路7にマンホールが存在することを容易に知ることができる。
【0099】
また、本例では、対象道路7上の水位が高いと判定された場合であって、対象道路7に側溝が存在する場合、対象路側機3は、側溝に関する注意情報を表示する。これにより、対象路側機3の周辺に存在する車両4の運転者と、対象路側機3の周辺に存在する歩行者は、周辺の道路7に側溝が存在することを容易に知ることができる。
【0100】
ここで、道路7上の水位が高い場合には、当該道路7のマンホール及び側溝の蓋がずれたり、当該蓋が外れて水中に浮遊したりすることがある。また、側溝に蓋が無い場合には、道路7上の水によって側溝の凹みが視認できない可能性がある。このような場合に、当該道路7上を車両4が走行したり、当該道路7上を人が移動したりすることは危険である。車両4の運転者は、周辺の道路7にマンホールが存在することを知ることによって、当該マンホールに注意して車両4を走行させることができる。また、歩行者は、周辺の道路7にマンホールが存在することを知ることによって、当該マンホールに注意して移動することができる。また、車両4の運転者は、周辺の道路7に側溝が存在することを知ることによって、当該側溝に注意して車両4を走行させることができる。また、歩行者は、周辺の道路7に側溝が存在することを知ることによって、当該側溝に注意して移動することができる。よって、運転者及び歩行者の安全性が向上する。
【0101】
また、本例では、対象道路7上の水位が高いと判定された場合であって、対象道路7にマンホールが存在する場合に、雨が降っていないときの対象道路7の様子が写る撮影画像(つまり、特定撮影画像)を対象路側機3が表示する。これにより、対象路側機3の周辺に存在する車両4の運転者と、対象路側機3の周辺に存在する歩行者は、当該撮影画像から、マンホールの位置を確認することができる。よって、運転者及び歩行者の安全性がさらに向上する。
【0102】
また、本例では、対象道路7上の水位が高いと判定された場合であって、対象道路7に側溝が存在する場合に、雨が降っていないときの対象道路7の様子が写る撮影画像を対象路側機3が表示する。これにより、対象路側機3の周辺に存在する車両4の運転者と、対象路側機3の周辺に存在する歩行者は、当該撮影画像から、側溝の位置を確認することができる。よって、運転者及び歩行者の安全性がさらに向上する。
【0103】
また、本例では、対象道路7上の水位が高いと判定された場合であって、対象道路7上の水に浮遊物が存在すると判定された場合に、浮遊物に関する注意情報を対象路側機3が表示する。これにより、対象路側機3の周辺に存在する車両4の運転者と、対象路側機3の周辺に存在する歩行者は、周辺の道路7上の水に浮遊物が存在することを容易に知ることができる。よって、運転者は浮遊物に注意して車両4を走行させることができる。また、歩行者は浮遊物に注意して移動することができる。よって、運転者及び歩行者の安全性がさらに向上する。
【0104】
ステップs7の後、ステップs8において、制御部300は、対象路側機3の周辺の車両4に対する通知を行うための第1通知情報を生成する。そして、制御部300は、通信部310に、第1通知情報を周辺の車両4に対して送信させる。このとき、通信部310は、例えば700MHz帯を使用して、第1通知情報を周辺の車両4に対してブロードキャストする。以後、特に説明しなくても、通信部310による周辺の車両4に対する情報の送信は、700MHz帯を使用したブロードキャストであるとする。
【0105】
第1通知情報には、対象路側機3の周辺の道路7で冠水が発生していることを通知する冠水通知情報が含まれる。また、ステップs3においてYESと判定された場合には、第1通知情報には、対象道路7にマンホールが存在することを通知するマンホール通知情報が含まれる。マンホール通知情報には特定撮影画像が含まれる。また、ステップs4においてYESと判定された場合には、第1通知情報には、対象道路7に側溝が存在することを通知する側溝通知情報が含まれる。側溝通知情報には特定撮影画像が含まれる。また、ステップs5においてYESと判定された場合には、第1通知情報には、対象道路7上の水に浮遊物が存在することを通知する浮遊物通知情報が含まれる。
【0106】
車両4では、車載機器40の通信部410が対象路側機3からの第1通知情報を受信する。
図10は、第1通知情報を受信した車載機器40の動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示されるように、ステップs31において、車載機器40の制御部400は、通信部410で受信された第1通知情報に基づいて、車両4の運転者に対する通知を行う。具体的には、制御部400は、第1通知情報に含まれる冠水通知情報に基づいて、車両4の周辺の道路7で冠水が発生していることを、スピーカ450及び表示部440の少なくとも一方を使用して運転者に通知する。これにより、車両4の運転者は、周辺の道路7で冠水が発生していることを容易に知ることができる。表示部440が使用される場合には、表示部440は、例えば、上述の第1注意情報を表示する。スピーカ450が使用される場合には、スピーカ450は、例えば、上述の第1注意喚起用文字列が読み上げられることによって得られる音声を出力する。
【0107】
第1通知情報にマンホール通知情報が含まれる場合には、ステップs31において、制御部400は、マンホール通知情報に含まれる特定撮影画像を表示部440に表示させる。また、制御部400は、スピーカ450及び表示部440の少なくとも一方を使用して、車両4の周辺の道路7にマンホールが存在することを運転者に通知する。表示部440が使用される場合には、表示部440は、例えば、上述の第2注意情報を特定撮影画像及び第1注意情報とともに表示する。スピーカ450が使用される場合には、スピーカ450は、例えば、上述の第2注意喚起用文字列が読み上げられることによって得られる音声を出力する。
【0108】
第1通知情報に側溝通知情報が含まれる場合には、ステップs31において、制御部400は、側溝通知情報に含まれる特定撮影画像を表示部440に表示させる。また、制御部400は、スピーカ450及び表示部440の少なくとも一方を使用して、車両4の周辺の道路7に側溝が存在することを運転者に通知する。表示部440が使用される場合には、表示部440は、例えば、上述の第3注意情報を特定撮影画像及び第1注意情報とともに表示する。スピーカ450が使用される場合には、スピーカ450は、例えば、上述の第3注意喚起用文字列が読み上げられることによって得られる音声を出力する。
【0109】
第1通知情報に浮遊物通知情報が含まれる場合には、ステップs31において、制御部400は、スピーカ450及び表示部440の少なくとも一方を使用して、車両4の周辺の道路7上の水に浮遊物が存在することを運転者に通知する。表示部440が使用される場合には、表示部440は、例えば、上述の第4注意情報を第1注意情報とともに表示する。スピーカ450が使用される場合には、スピーカ450は、例えば、上述の第4注意喚起用文字列が読み上げられることによって得られる音声を出力する。
【0110】
なお、第1通知情報に、マンホール通知情報、側溝通知情報及び浮遊物通知情報が含まれる場合、制御部400は、表示部440に、第1~第4注意情報及び特定撮影画像を一緒に表示させてもよい。
【0111】
このように、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7にマンホールが存在する場合、当該路側機3の周辺の車両4に対して、当該道路7にマンホールが存在することが通知される。したがって、車両4の運転手は、当該車両4の周辺の道路7上の水位が高い場合に、当該道路7にマンホールが存在することを容易に知ることが可能となる。よって、車両4の運転者は、周辺の道路7上の水位が高い場合に、当該道路7のマンホールに注意して走行することが可能となる。よって、運転者の安全性が向上する。
【0112】
また、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7に側溝が存在する場合、当該路側機3の周辺の車両4に対して、当該道路7に側溝が存在することが通知される。したがって、車両4の運転者は、当該車両4の周辺の道路7上の水位が高い場合に、当該道路7に側溝が存在することを容易に知ることが可能となる。よって、車両4の運転者は、周辺の道路7上の水位が高い場合に、当該道路7の側溝に注意して走行することが可能となる。よって、運転者の安全性が向上する。
【0113】
また、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7にマンホールが存在する場合、当該道路7の周辺の車両4に対して、雨が降っていないときの当該道路7の様子が写る撮影画像が送信される。車両4が当該撮影画像を表示することによって、運転者は、雨が降っていないときの当該道路7の様子を知ることができる。よって、運転者は、当該道路7のマンホールの位置を容易に確認することが可能となる。その結果、運転者の安全性が向上する。
【0114】
また、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7に側溝が存在する場合、当該道路7の周辺の車両4に対して、雨が降っていないときの当該道路7の様子が写る撮影画像が送信される。車両4が当該撮影画像を表示することによって、運転者は、当該道路7の側溝の位置を容易に確認することが可能となる。よって、運転者の安全性が向上する。
【0115】
また、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7上の水に浮遊物が存在する場合、当該路側機3の周辺の車両4に対して、当該道路7上の水に浮遊物が存在することが通知される。したがって、車両4の運転者は、当該車両4の周辺の道路7上の水に浮遊物が存在することを容易に知ることが可能となる。よって、車両4の運転者は、周辺の道路7上の水の浮遊物に注意して走行することが可能となる。よって、運転者の安全性が向上する。
【0116】
ステップs31の後、ステップs32において、制御部400は、車両4のアイドリングストップ機能を有効にするか否かを選択するための第1選択画面600を表示部440に表示させる。アイドリングストップ機能とは、車両が、停車時にエンジンを自動的に停止し、発進時に自動的にエンジンを再始動する機能である。アイドリングストップ機能は、単にアイドルストップと呼ばれたり、アイドルリダクションと呼ばれたり、ノーアイドルと呼ばれたりする。
【0117】
図11は第1選択画面600の一例を示す図である。
図11に示される第1選択画面600には、アイドリングストップ機能を有効にさせる場合に操作される操作ボタン601が含まれる。また、第1選択画面600には、アイドリングストップ機能を無効にさせる場合に操作される操作ボタン602が含まれる。操作ボタン601が操作されると、制御部400は、車両4のエンジン等を制御する車両制御装置に対して、アイドリングストップ機能を有効にすることを指示する。これにより、第1通知情報を受信した車両4においてアイドリングストップ機能が有効となる。一方で、制御部400は、操作ボタン602が操作されると、車両制御装置に対して、アイドリングストップ機能を無効にすることを指示する。これにより、第1通知情報を受信した車両4においてアイドリングストップ機能が無効となる。
【0118】
ここで、水位が高い道路7上に存在する車両4のエンジンが停止すると、当該エンジンが故障する可能性がある。アイドリングストップ機能が有効となっている場合には、水位が高い道路7上で車両4のエンジンが停止する可能性がある。したがって、アイドリングストップ機能が有効となっている場合には、エンジンが故障する可能性がある。第1選択画面600に含まれる操作ボタン602が操作されることによって、アイドリングストップ機能が無効となることから、水位が高い道路7上で車両4が停車したとしても自動的にエンジンが停止する可能性が低減する。よって、車両4のエンジンが故障する可能性が低減する。
【0119】
第1選択画面600の操作ボタン601及び602のいずれか一方が操作された後、ステップs33において、制御部400は、アイドリングストップ機能が無効にされたか否かを判定する。つまり、制御部400は、操作ボタン602が操作されたか否かを判定する。制御部400は、アイドリングストップ機能が無効にされたと判定すると、ステップs34を実行する。つまり、制御部400は、操作ボタン602が操作されると、ステップs34を実行する。一方で、制御部400は、アイドリングストップ機能が有効にされたと判定すると、
図10の処理を終了する。
【0120】
ステップs34において、制御部400は、アイドリング回転数を上げるか否かを選択するための第2選択画面610を表示部440に表示させる。アイドリング回転数とは、アイドリングのときのエンジンの回転数を意味する。アイドリングとは、エンジンに負荷をかけずに当該エンジンを低速で空転させることを意味する。したがって、アイドリング回転数は、エンジンに負荷をかけずに当該エンジンを低速で空転させる場合の当該エンジンの回転数と言える。
【0121】
図12は第2選択画面610の一例を示す図である。
図12に示される第2選択画面610には、アイドリング回転数を上げる場合に操作される操作ボタン611が含まれる。また、第2選択画面610には、アイドリング回転数を上げない場合に操作される操作ボタン612が含まれる。操作ボタン611が操作されると、制御部400は、車両4のエンジン等を制御する車両制御装置に対して、アイドリング回転数を、初期値よりも大きい所定の値に設定することを指示する。これにより、第1通知情報を受信した車両4においてアイドリング回転数が大きくなる。一方で、制御部400は、操作ボタン612が操作されると、車両制御装置に対して、アイドリング回転数を初期値に設定することを指示する。これにより、第1通知情報を受信した車両4でのアイドリング回転数は初期値となる。
【0122】
ここで、水位が高い道路7上で停車する車両4がアイドリングをしている場合に、その車両4のアイドリング回転数が小さいときには、当該車両4のエンジンが停止して、当該エンジンが故障する可能性がある。第2選択画面610に含まれる操作ボタン611が操作されることによって、アイドリング回転数が増加することから、水位が高い道路7上で車両4がアイドリングしている場合であっても、その車両4のエンジンが停止する可能性を低減することができる。よって、車両4のエンジンが故障する可能性を低減することができる。操作ボタン611及び612の一方が操作されると、
図10の処理が終了する。
【0123】
図8に戻って、ステップs8の後には、ステップs9が実行される。ステップs9において、制御部300は、通信部310に、ステップs8で生成した第1通知情報を周辺の電子機器2に対して送信させる。このとき、通信部310は、例えば700MHz帯を使用して、第1通知情報を周辺の電子機器2に対してブロードキャストする。以後、特に説明しなくても、通信部310による周辺の電子機器2に対する情報の送信は、700MHz帯を使用したブロードキャストであるとする。
【0124】
電子機器2では、通信部210が対象路側機3からの第1通知情報を受信すると、制御部200は、第1通知情報に基づく処理を実行する。具体的には、制御部200は、第1通知情報に含まれる冠水通知情報に基づいて、周辺の道路7で冠水が発生していることを例えばブザー250を鳴らしてユーザ20に通知する。制御部200は、第1注意情報を表示部240に表示させて、周辺の道路7で冠水が発生していることをユーザ20に通知してもよい。
【0125】
第1通知情報にマンホール通知情報が含まれる場合には、制御部200は、マンホール通知情報に含まれる特定撮影画像を表示部240に表示させる。また、制御部200は、例えばブザー250を鳴らして、電子機器2の周辺の道路7にマンホールが存在することを運転者に通知する。また、制御部200は、表示部240に上述の第2注意情報を表示させて、電子機器2の周辺の道路7にマンホールが存在することをユーザ20に通知してもよい。
【0126】
第1通知情報に側溝通知情報が含まれる場合には、制御部200は、側溝通知情報に含まれる特定撮影画像を表示部240に表示させる。また、制御部200は、例えばブザー250を鳴らして、電子機器2の周辺の道路7に側溝が存在することを運転者に通知する。また、制御部200は、表示部240に上述の第3注意情報を表示させて、電子機器2の周辺の道路7に側溝が存在することをユーザ20に通知してもよい。
【0127】
第1通知情報に浮遊物通知情報が含まれる場合には、制御部200は、例えばブザー250を鳴らして、電子機器2の周辺の道路7上の水に浮遊物が存在することを運転者に通知する。また、制御部200は、表示部240に上述の第4注意情報を表示させて、電子機器2の周辺の道路7上の水に浮遊物が存在することをユーザ20に通知してもよい。
【0128】
なお、第1通知情報に、マンホール通知情報、側溝通知情報及び浮遊物通知情報が含まれる場合、制御部200は、表示部240に、第1~第4注意情報及び特定撮影画像を一緒に表示させてもよい。
【0129】
このように、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7にマンホールが存在する場合、当該路側機3の周辺の電子機器2に対して、当該道路7にマンホールが存在することが通知される。したがって、電子機器2のユーザ20は、当該電子機器2の周辺の道路7上の水位が高い場合に、当該道路7のマンホールに注意して移動することが可能となる。
【0130】
また、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7に側溝が存在する場合、当該路側機3の周辺の電子機器2に対して、当該道路7に側溝が存在することが通知される。したがって、電子機器2のユーザ20は、当該電子機器2の周辺の道路7上の水位が高い場合に、当該道路7の側溝に注意して移動することが可能となる。
【0131】
また、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7にマンホールが存在する場合、当該道路7の周辺の電子機器2に対して、雨が降っていないときの当該道路7の様子が写る撮影画像が送信される。電子機器2が当該撮影画像を表示することによって、ユーザ20は、当該道路7のマンホールの位置を容易に確認することが可能となる。よって、ユーザ20の安全性が向上する。
【0132】
また、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7に側溝が存在する場合、当該道路7の周辺の電子機器2に対して、雨が降っていないときの当該道路7の様子が写る撮影画像が送信される。電子機器2が当該撮影画像を表示することによって、ユーザ20は、当該道路7の側溝の位置を容易に確認することが可能となる。よって、ユーザ20の安全性が向上する。
【0133】
また、本例では、路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定された場合であって、当該道路7上の水に浮遊物が存在する場合、当該路側機3の周辺の電子機器2に対して、当該道路7上の水に浮遊物が存在することが通知される。したがって、電子機器2のユーザは、当該電子機器2の周辺の道路7上の水の浮遊物に注意して移動することが可能となる。よって、ユーザ20の安全性が向上する。
【0134】
ステップs9の後、ステップs10が実行される。ステップs10において、制御部300は、まず、対象道路7において水位が高い場所での車両4の進行方向を特定する。以後、当該進行方向を特定進行方向と呼ぶことがある。
【0135】
本例では、制御部300は、第1車線8a及び第2車線8bのそれぞれにおいて水位が高いか否かを判定する。制御部300は、第1車線8aでの水位が高いと判定する場合には、第1車線8aでの車両4の進行方向を特定進行方向とする。また、制御部300は、第2車線8bでの水位が高いと判定する場合には、第2車線8bでの車両4の進行方向を特定進行方向とする。第1車線8a及び第2車線8bのそれぞれにおいて水位が高いと判定される場合には、2種類の特定進行方向が特定される。記憶部302内には、第1車線8aでの車両4の進行方向を示す情報と、第2車線8bでの車両4の進行方向を示す情報とが記憶されている。
【0136】
制御部300は、カメラ画像に基づいて、第1車線8a及び第2車線8bのそれぞれにおいて水位が高いか否かを判定することができる。制御部300は、上述のステップs2と同様にして、基準カメラ画像と、対象道路7の現在の様子が写るカメラ画像とを比較する。そして、制御部300は、その比較結果に基づいて、カメラ320の撮影範囲内での、第1車線8aの路面から水面までの高さを求める。制御部300は、カメラ画像において第1車線8aが写る領域については、記憶部302内の、道路情報を含む地図情報に基づいて特定することができる。制御部300は、求めた高さが、ステップs2で使用されるしきい値よりも大きい場合、第1車線8aでの水位が高いと判定する。同様にして、制御部300は、カメラ320の撮影範囲内での、第2車線8bの路面から水面までの高さを求める。そして、制御部300は、求めた高さが、ステップs2で使用されるしきい値よりも大きい場合、第2車線8bでの水位が高いと判定する。
【0137】
制御部300は、特定進行方向を特定すると、ステップs10において、対象路側機3よりも、特定進行方向とは逆方向側に位置する路側機3を、通知先の路側機3として決定する。制御部300は、例えば、対象路側機3の隣の路側機3であって、対象路側機3よりも、特定進行方向とは逆方向側に位置する路側機3を、通知先の路側機3として決定する。第1車線8a及び第2車線8bのそれぞれにおいて水位が高いと判定される場合には、2つの路側機3が通知先の路側機3として決定される。
【0138】
以後、対象路側機3の隣の路側機3であって、対象路側機3よりも、特定進行方向とは逆方向側に位置する路側機3を、手前の路側機3と呼ぶことがある。また、対象路側機3の隣の路側機3であって、対象路側機3よりも特定進行方向側に位置する路側機3を、先の路側機3と呼ぶことがある。
【0139】
ステップs10において、対象路側機3は、手前の路側機3に対して、対象路側機3の周辺の道路7で冠水が発生していることを通知する。これにより、ステップs10の処理が終了する。ステップs10において、制御部300は、通信部310に、冠水通知情報を含む第1通知情報と、手前の路側機3の識別情報と、水位が高いと判定した車線を示す車線情報とを、例えば700MHz帯を使用して周辺の路側機3に対してブロードキャストさせる。対象路側機3の記憶部302には、手前の路側機3の識別情報と、先の路側機3の識別情報とが記憶されている。
【0140】
ここで、700MHz帯を使用した通信の通信距離はあまり大きくなく、路側機3が700MHz帯を使用してブロードキャストした情報は、当該路側機3の隣の路側機3には届くものの、さらに隣の路側機3までは届かない。対象路側機3の通信部310がブロードキャストした識別情報、第1通知情報及び車線情報は、手前の路側機3と、先の路側機3とで受信される。識別情報、第1通知情報及び車線情報を受信した路側機3は、受信した識別情報と、記憶部302内の自身の識別情報とを比較する。この比較は制御部300で行われる。制御部300は、比較の結果、両方の識別情報が一致する場合には、受信した第1通知情報及び車線情報が自分宛ての情報であるとして、受信した第1通知情報及び車線情報を記憶部302に記憶する。一方で、制御部300は、両方の識別情報が一致しない場合には、受信した第1通知情報及び車線情報が自分宛ての情報ではないとして、第1通知情報及び車線情報を破棄する。本例では、手前の路側機3は、受信した第1通知情報及び車線情報が自分宛ての情報であるとして、第1通知情報及び車線情報を記憶部302に記憶する。これにより、対象路側機3から手前の路側機3に対して、対象路側機3の周辺の道路7で冠水が発生していることが通知される。一方で、先の路側機3は、受信した第1通知情報及び車線情報が自分宛ての情報ではないとして、第1通知情報及び車線情報を破棄する。したがって、先の路側機3に対しては、結果として、対象路側機3の周辺の道路7で冠水が発生していることが通知されない。
【0141】
例えば、
図13に示される対象路側機3Aが、その周辺の第1車線8aの水位が高いと判定した場合、路側機3Bが手前の路側機3となり、路側機3Cが先の路側機3となる。したがって、対象路側機3Aから、路側機3Bに対して、対象路側機3Aの周辺の道路7で冠水が発生していることが通知される。一方で、路側機3Cには、対象路側機3Aの周辺の道路7で冠水が発生していることは通知されない。
【0142】
また、対象路側機3Aが、その周辺の第2車線8bの水位が高いと判定した場合、路側機3Cが手前の路側機3となり、路側機3Bが先の路側機3となる。したがって、対象路側機3Aから、路側機3Cに対して、対象路側機3Aの周辺の道路7で冠水が発生していることが通知される。一方で、路側機3Bには、対象路側機3Aの周辺の道路7で冠水が発生していることは通知されない。
【0143】
また、対象路側機3Aが、その周辺の第1車線8a及び第2車線8bのそれぞれの水位が高いと判定した場合、路側機3B及び3Cのそれぞれが手前の路側機3となる。この場合には、対象路側機3は、第1通知情報と、路側機3Bの識別情報と、第1車線8aを示す車線情報とを送信する。また、対象路側機3は、第1通知情報と、路側機3Cの識別情報と、第2車線8bを示す車線情報とを送信する。これにより、対象路側機3Aから、路側機3B及び3Cの両方に対して、対象路側機3Aの周辺の道路7で冠水が発生していることが通知される。
【0144】
図14は、第1通知情報及び車線情報を受信した手前の路側機3の動作の一例を示すフローチャートである。
図14に示されるように、ステップs41において、手前の路側機3の制御部300は、第1通知情報に含まれる冠水通知情報に基づいて、対象水位に関する第5注意情報を表示部340に表示させる。このとき、表示部340は、手前の路側機3が受信した車線情報が第1車線8aを示す場合には、第1車線8aを走行する車両4の運転者が視認可能な第1表示画面340aに第5注意情報を表示する。一方で、表示部340は、手前の路側機3が受信した車線情報が第2車線8bを示す場合には、第2車線8bを走行する車両4の運転者が視認可能な第2表示画面340bに第5注意情報を表示する。第5注意情報としては、例えば、前方の路面の水位が高いことへの注意を促す第5注意喚起用文字列及び図形が採用される。第5注意喚起用文字列としては、例えば、「前方の路面が冠水しています。注意してください。」という文字列が採用される。手前の路側機3が第5注意情報を表示することによって、手前の路側機3の周辺の車両4の運転者と手前の路側機3の周辺の歩行者は危険回避措置をとることができる。よって、運転者及び歩行者の安全性が向上する。
【0145】
また、手前の路側機3の制御部300は、第1通知情報にマンホール通知情報が含まれる場合には、マンホール通知情報に含まれる特定撮影画像を第5注意情報とともに表示部340に表示させる。これにより、手前の路側機3の周辺の車両4の運転者と手前の路側機3の周辺の歩行者は、道路7のマンホールの位置を確認することができる。また、制御部300は、マンホールに関する第6注意情報を第5注意情報及び特定撮影画像とともに表示部340に表示させる。表示部340は、手前の路側機3が受信した車線情報が第1車線8aを示す場合には、第1表示画面340aに第6注意情報及び特定撮影画像を表示する。一方で、表示部340は、手前の路側機3が受信した車線情報が第2車線8bを示す場合には、第2表示画面340bに第6注意情報及び特定撮影画像を表示する。第6注意情報としては、例えば、前方のマンホールへの注意を促す第6注意喚起用文字列及び図形が採用される。第6注意喚起用文字列としては、例えば、「前方にマンホールがあります。注意してください。」という文字列が採用される。これにより、手前の路側機3の周辺の車両4の運転者と手前の路側機3の周辺の歩行者はマンホールに注意することができる。
【0146】
また、手前の路側機3の制御部300は、第1通知情報に側溝通知情報が含まれる場合には、側溝通知情報に含まれる特定撮影画像を第5注意情報とともに表示部340に表示させる。これにより、手前の路側機3の周辺の車両4の運転者と手前の路側機3の周辺の歩行者は、道路7の側溝の位置を確認することができる。また、制御部300は、側溝に関する第7注意情報を第5注意情報及び特定撮影画像とともに表示部340に表示させる。表示部340は、手前の路側機3が受信した車線情報が第1車線8aを示す場合には、第1表示画面340aに第7注意情報及び特定撮影画像を表示する。一方で、表示部340は、手前の路側機3が受信した車線情報が第2車線8bを示す場合には、第2表示画面340bに第7注意情報及び特定撮影画像を表示する。第7注意情報としては、例えば、前方の側溝への注意を促す第7注意喚起用文字列及び図形が採用される。第7注意喚起用文字列としては、例えば、「前方に側溝があります。注意してください。」という文字列が採用される。これにより、手前の路側機3の周辺の車両4の運転者と手前の路側機3の周辺の歩行者は側溝に注意することができる。
【0147】
また、手前の路側機3の制御部300は、第1通知情報に浮遊物通知情報が含まれる場合には、浮遊物に関する第8注意情報を第5注意情報とともに表示部340に表示させる。表示部340は、手前の路側機3が受信した車線情報が第1車線8aを示す場合には、第1表示画面340aに第8注意情報を表示する。一方で、表示部340は、手前の路側機3が受信した車線情報が第2車線8bを示す場合には、第2表示画面340bに第8注意情報像を表示する。第8注意情報としては、例えば、前方の浮遊物への注意を促す第8注意喚起用文字列及び図形とが採用される。第8注意喚起用文字列としては、例えば、「前方に浮遊物が存在します。注意してください。」という文字列が採用される。これにより、手前の路側機3の周辺の車両4の運転者と手前の路側機3の周辺の歩行者は浮遊物に注意することができる。
【0148】
なお、第1通知情報に、マンホール通知情報、側溝通知情報及び浮遊物通知情報が含まれる場合には、表示部340は、第5~第8注意情報及び特定撮影画像を一緒に表示する。
【0149】
ステップs41の後、ステップs42において、手前の路側機3の制御部300は、通信部310に、第1通知情報を周辺の車両4に対して送信させる。その後、ステップs43において、制御部300は、通信部310に、第1通知情報を周辺の電子機器2に対して送信させる。
【0150】
車両4では、車載機器40の通信部410が手前の路側機3からの第1通知情報を受信する。車載機器40の制御部400は、通信部410で受信された第1通知情報に基づく処理を実行する。具体的には、制御部400は、第1通知情報に含まれる冠水通知情報に基づいて、前方で冠水が発生していることを、スピーカ450及び表示部440の少なくとも一方を使用して運転者に通知する。これにより、車両4の運転者は、前方で冠水が発生していることを知ることができる。表示部440が使用される場合には、表示部440は、例えば上述の第5注意情報を表示する。スピーカ450が使用される場合には、スピーカ450は、例えば、上述の第5注意喚起用文字列が読み上げられることによって得られる音声を出力する。
【0151】
また、第1通知情報にマンホール通知情報が含まれる場合には、車載機器40の制御部400は、マンホール通知情報に含まれる特定撮影画像を表示部440に表示させる。これにより、車両4の運転者は、道路7のマンホールの位置を確認することができる。また、制御部400は、スピーカ450及び表示部440の少なくとも一方を使用して、前方にマンホールが存在することを運転者に通知する。表示部440が使用される場合には、表示部440は、例えば、上述の第6注意情報を特定撮影画像及び第5注意情報とともに表示する。スピーカ450が使用される場合には、スピーカ450は、例えば、上述の第6注意喚起用文字列が読み上げられることによって得られる音声を出力する。これにより、車両4の運転者はマンホールに注意することができる。
【0152】
また、第1通知情報に側溝通知情報が含まれる場合には、車載機器40の制御部400は、側溝通知情報に含まれる特定撮影画像を表示部440に表示させる。これにより、車両4の運転者は側溝の位置を確認することができる。また、制御部400は、スピーカ450及び表示部440の少なくとも一方を使用して、前方に側溝が存在することを運転者に通知する。表示部440が使用される場合には、表示部440は、例えば、上述の第7注意情報を特定撮影画像及び第5注意情報とともに表示する。スピーカ450が使用される場合には、スピーカ450は、例えば、上述の第7注意喚起用文字列が読み上げられることによって得られる音声を出力する。これにより、車両4の運転者は側溝に注意することができる。
【0153】
また、第1通知情報に浮遊物通知情報が含まれる場合には、車載機器40の制御部400は、スピーカ450及び表示部440の少なくとも一方を使用して、前方に浮遊物が存在することを運転者に通知する。表示部440が使用される場合には、表示部440は、例えば、上述の第8注意情報を第5注意情報とともに表示する。スピーカ450が使用される場合には、スピーカ450は、例えば、上述の第8注意喚起用文字列が読み上げられることによって得られる音声を出力する。これにより、車両4の運転者は浮遊物に注意することができる。
【0154】
なお、手前の路側機3から第1通知情報を受信した車載機器40は、上述の
図10のステップs32~s34を実行してもよい。
【0155】
手前の路側機3からの第1通知情報を受信した電子機器2では、制御部200は、第1通知情報に基づく処理を実行する。具体的には、制御部200は、第1通知情報に含まれる冠水通知情報に基づいて、少し離れた場所で冠水が発生していることを例えばブザー250を鳴らしてユーザ20に通知する。制御部200は、対象水位に関する第9注意情報を表示部240に表示させて、少し離れた場所で冠水が発生していることをユーザ20に通知してもよい。第9注意情報としては、例えば、少し離れた場所での水位が高いことへの注意を促す第9注意喚起用文字列及び図形が採用される。第9注意喚起用文字列としては、例えば、「少し離れた場所で冠水が発生しています。注意してください。」という文字列が採用される。これにより、手前の路側機3の周辺の電子機器2のユーザ20は危険回避措置をとることができる。
【0156】
また、第1通知情報にマンホール通知情報が含まれる場合には、制御部200は、マンホール通知情報に含まれる特定撮影画像を表示部240に表示させる。また、制御部200は、例えばブザー250を鳴らして、少し離れた場所にマンホールが存在することを運転者に通知する。また、制御部200は、マンホールに関する第10注意情報を表示部240に表示させて、少し離れた場所にマンホールが存在することをユーザ20に通知してもよい。第10注意情報としては、例えば、少し離れた場所にあるマンホールへの注意を促す第10注意喚起用文字列及び図形が採用される。第10注意喚起用文字列としては、例えば、「少し離れた場所にマンホールがあります。注意してください。」という文字列が採用される。これにより、手前の路側機3の周辺の電子機器2のユーザ20はマンホールに注意することができる。
【0157】
また、第1通知情報に側溝通知情報が含まれる場合には、制御部200は、側溝通知情報に含まれる特定撮影画像を表示部240に表示させる。また、制御部200は、例えばブザー250を鳴らして、少し離れた場所に側溝が存在することを運転者に通知する。また、制御部200は、側溝に関する第11注意情報を表示部240に表示させて、少し離れた場所に側溝が存在することをユーザ20に通知してもよい。第11注意情報としては、例えば、少し離れた場所にある側溝への注意を促す第11注意喚起用文字列及び図形が採用される。第11注意喚起用文字列としては、例えば、「少し離れた場所に側溝があります。注意してください。」という文字列が採用される。これにより、手前の路側機3の周辺の電子機器2のユーザ20は側溝に注意することができる。
【0158】
また、第1通知情報に浮遊物通知情報が含まれる場合には、制御部200は、例えばブザー250を鳴らして、少し離れた場所に浮遊物が存在することを運転者に通知する。また、制御部200は、浮遊物に関する第12注意情報を表示部240に表示させて、少し離れた場所に浮遊物が存在することをユーザ20に通知してもよい。第12注意情報としては、例えば、少し離れた場所にある浮遊物への注意を促す第12注意喚起用文字列及び図形が採用される。第12注意喚起用文字列としては、例えば、「少し離れた場所に浮遊物があります。注意してください。」という文字列が採用される。これにより、手前の路側機3の周辺の電子機器2のユーザ20は浮遊物に注意することができる。
【0159】
以上のように、本例では、路側機3を備える外部通知装置が、当該路側機3の周辺の道路7上の水位が高いと判定した場合、当該外部通知装置以外の装置に対して通知を行う。これにより、道路7の冠水により道路7が危険な状態である場合に、外部通知装置以外の装置に対して通知を行うことが可能となる。よって、外部通知装置による通知技術の利便性が向上する。
【0160】
ステップs10の後、
図9に示されるように、ステップs21が実行される。ステップs21において、対象路側機3の制御部300は、上述のステップs1と同様にして、現在の対象水位を示す対象水位情報を取得する。そしてステップs22において、制御部300は、上述のステップs2と同様に、ステップs21で取得した対象水位情報に基づいて、現在の対象水位が高いか否かを判定する。ステップs22においてYESと判定されると、ステップs21が再度実行される。つまり、対象水位が依然として高い場合には、ステップs21が再度実行される。一方で、ステップs22においてNOと判定されると、ステップs23が実行される。つまり、対象水位が低くなるとステップs23が実行される。
【0161】
ステップs23において、制御部300は、対象路側機3の周辺の道路7での冠水による危険性が無くなったと判断して、表示部340が上述のステップs7で表示した情報のすべての表示を表示部340に消去させる。このとき、制御部300は、表示部340に、冠水による危険性が無くなったことを示す危険解除情報を一定時間表示させてもよい。危険解除情報としては、例えば、「冠水による危険性が無くなりました。」という文字列が採用される。
【0162】
ステップs23の後、ステップs24において、制御部300は、対象路側機3の周辺の道路7での冠水による危険性が無くなったことを通知する第2通知情報を生成する。そして、制御部300は、通信部310に、第2通知情報を周辺の車両4に対して送信させる。その後、ステップs25において、制御部300は、通信部310に、ステップs24で生成した第2通知情報を周辺の電子機器2に対して送信させる。
【0163】
第2通知情報を車載機器40で受信した車両4では、車載機器40の制御部400が、第1通知情報の受信に応じて表示部440が表示した情報のすべての表示を表示部440に消去させる。つまり、制御部400は、上述の
図10のステップs31で表示部440が表示した情報のすべての表示を表示部440に消去させる。このとき、制御部400は、表示部440に危険解除情報を一定時間表示させてもよい。また、制御部400は、上述のステップs34で表示した第2選択画面610の操作ボタン611が操作されて、アイドリング回転数が大きくなっている場合には、アイドリング回転数を初期値に戻すように車両制御装置に指示してもよい。
【0164】
また、第2通知情報を受信した電子機器2では、制御部200が、第1通知情報の受信に応じて表示部240が表示した情報のすべての表示を表示部240に消去させる。このとき、制御部200は、表示部240に危険解除情報を一定時間表示させてもよい。
【0165】
ステップs25の後、ステップs26において、対象路側機3の制御部300は、通信部310に、第2通知情報と手前の路側機3の識別情報とを、例えば700MHz帯を使用して周辺の路側機3に対してブロードキャストさせる。ステップs26の後、水位判定処理が終了する。
【0166】
なお、
図8のステップs6が実行された場合であって、
図9のステップs22においてNOと判定された場合、対象路側機3は、車両用信号機10及び歩行者用信号機11の灯火を通常状態に戻す。
【0167】
第2通知情報を受信した手前の路側機3では、制御部300は、第1通知情報の受信に応じて表示部340が表示した情報のすべての表示を表示部340に消去させる。つまり、制御部300は、上述の
図14のステップs41で表示部340が表示した情報のすべての表示を表示部340に消去させる。このとき、制御部300は、表示部340に危険解除情報を一定時間表示させてもよい。また、手前の路側機3の制御部300は、通信部310に、第2通知情報を周辺の車両4に対して送信させる。また、制御部300は、通信部310に、第2通知情報を周辺の電子機器2に対して送信させる。
【0168】
手前の路側機3からの第2通知情報を車載機器40で受信した車両4では、車載機器40の制御部400が、第1通知情報の受信に応じて表示部440が表示した情報のすべての表示を表示部440に消去させる。このとき、制御部400は、表示部440に危険解除情報を一定時間表示させてもよい。
【0169】
また、手前の路側機3からの第2通知情報を受信した電子機器2では、制御部200が、第1通知情報の受信に応じて表示部240が表示した情報のすべての表示を表示部240に消去させる。このとき、制御部200は、表示部240に危険解除情報を一定時間表示させてもよい。
【0170】
上記の例では、対象路側機3は基準カメラ画像が用いて対象水位情報を取得していたが、対象水位情報の取得方法はこの限りではない。例えば、対象路側機3のカメラ320の撮影範囲内の電柱あるいは壁に対して、その高さ方向に並ぶ複数のマークが示されている場合を考える。この場合、例えば、対象路側機3の記憶部302には、複数のマークのそれぞれについて、対象道路7から当該マークまでの高さが記憶される。制御部300は、対象道路7の現在の様子が写るカメラ画像に対して画像処理を行って、水に浸かっている最も高い位置のマークを特定する。そして、制御部300は、特定したマークの高さを記憶部302から取得する。制御部300は、取得した高さを対象水位情報として使用する。また、制御部300は、水に浸かっている最も高い位置のマークが、下から何番目のマークであるのかを示す情報を対象水位情報としてもよい。例えば、水に浸かっている最も高い位置のマークが、下から5番目のマークである場合、“5”という数値を対象水位情報としてもよい。この場合、制御部300は、対象水位情報が示す数値がしきい値よりも大きい場合、対象水位が高いと判定する。
【0171】
また、対象路側機3は、その周辺の道路7の水位を検出する水位センサーから対象水位情報を取得してもよい。水位センサーは、対象路側機3と一体に設けられてもよいし、対象路側機3と別体に設けられてもよい。水位センサーは、超音波式であってもよいし、その他の方式であってもよい。
【0172】
上記の例では、対象路側機3は特定撮影画像を表示していたが、表示しなくてもよい。同様に、対象路側機3の周辺の車両4は特定撮影画像を表示しなくてもよい。また、対象路側機3の周辺の電子機器2は特定撮影画像を表示しなくてもよい。また、手前の路側機3は特定撮影画像を表示しなくてもよい。また、手前の路側機3の周辺の車両4は特定撮影画像を表示しなくてもよい。また、手前の路側機3の周辺の電子機器2は特定撮影画像を表示しなくてもよい。
【0173】
また、
図8及び
図9に示される水位判定処理の一部は実行されなくてもよい。例えば、ステップs3~s5の一部が実行されなくてもよい。また、ステップs7~s10の一部が実行されなくてもよい。また、ステップs21~s26が実行されなくてもよい。また、ステップs23~s26の一部が実行されなくてもよい。
【0174】
また、
図10の処理において、ステップs31、s32,s34の一部が実行されなくてもよい。また、
図14の処理において、ステップs41~s43の一部が実行されなくてもよい。
【0175】
また、水位判定処理の一部については、センター装置5で実行されてもよい。この場合、外部通知装置は路側機3とセンター装置5とで構成される。例えば、センター装置5はステップs1~s5の少なくとも一つを実行してもよい。センター装置5がステップs1を実行する場合、例えば、通信部510は、対象路側機3から基準カメラ画像と、対象路側機3の周辺の道路7の現在の様子が写るカメラ画像とを受け取る。そして、制御部500は、通信部510が受け取った2つの画像を比較し、その比較結果に基づいて、対象水位情報を取得する。センター装置5がステップs1を実行する場合、制御部500は、対象路側機3の周辺の道路7上の水位を示す水位情報を取得する取得部として機能する。
【0176】
センター装置5がステップs3を実行する場合、制御部500は、対象路側機3からのカメラ画像に基づいて、対象路側機3の周辺の道路7にマンホールが存在するか否かを判定してもよい。センター装置5がステップs4を実行する場合、制御部500は、対象路側機3からの基準カメラ画像に基づいて、対象路側機3の周辺の道路7に側溝が存在するか否かを判定してもよい。センター装置5がステップs5を実行する場合、例えば、通信部510は対象路側機3から、その周辺の道路7の現在の様子が写るカメラ画像を受け取る。そして、制御部500は、通信部510が受け取ったカメラ画像に基づいて、対象路側機3の周辺の道路7上の水に浮遊物が存在するか否かを判定する。センター装置5がステップs5を実行する場合、制御部500は、対象路側機3の周辺の道路7上の水に浮遊物が存在するか否かを判定する判定部として機能する。
【0177】
また、センター装置5は、ステップs8を実行してもよい。この場合、車両4はその位置情報を繰り返しセンター装置5に送信する。また、対象路側機3はその位置情報と第1通知情報をセンター装置5に送信する。センター装置5の制御部500は、対象路側機3の位置情報と、各車両4の位置情報とに基づいて、対象路側機3の周辺の車両4を特定する。そして、センター装置5の通信部510は、特定した周辺の車両4に対して第1通知情報を送信する。センター装置5は、同様にして、
図9のステップs24の処理を実行してもよい。センター装置5は、同様にして、
図14のステップs42の処理を実行してもよい。
【0178】
また、センター装置5は、ステップs9を実行してもよい。この場合、電子機器2はその位置情報を繰り返しセンター装置5に送信する。また、対象路側機3は、その位置情報と第1通知情報をセンター装置5に送信する。センター装置5の制御部500は、対象路側機3の位置情報と、各電子機器2の位置情報とに基づいて、対象路側機3の周辺の電子機器2を特定する。そして、センター装置5の通信部510は、特定した周辺の電子機器2に対して第1通知情報を送信する。センター装置5は、同様にして、
図9のステップs25を実行してもよい。センター装置5は、同様にして、
図14のステップs43を実行してもよい。
【0179】
また、センター装置5は、ステップs10を実行してもよい。この場合、例えば、対象路側機3は、その位置情報と、基準カメラ画像と、対象道路7の現在の様子が写るカメラ画像と、第1通知情報とをセンター装置5に送信する。また、センター装置5は、各路側機3の位置情報と、第1車線8aでの車両4の進行方向と、第2車線8bでの車両4の進行方向とを記憶している。ステップs10において、センター装置5の制御部500は、基準カメラ画像と、対象道路7の現在の様子が写るカメラ画像と、記憶部502内の、道路情報を含む地図情報とに基づいて、特定進行方向を特定する。そして、制御部500は、特定進行方向に基づいて手前の路側機3を特定する。制御部500は、通信部510に、特定した手前の路側機3に対して第1通知情報及び車線情報を送信させる。センター装置5がステップs10を実行する場合、制御部500は、対象路側機3の周辺の道路7において水位が高い場所での車両4の進行方向を特定する特定部として機能する。センター装置5は、ステップs10を実行する場合、
図9のステップs26を実行してもよい。この場合、対象路側機3は、第2通知情報をセンター装置5に送信する。ステップs10において、センター装置5の通信部510は、第2通知情報を手前の路側機3に対して送信する。
【0180】
以上のように、通信システム1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0181】
2 携帯型電子機器
3 路側機
4 車両
5 センター装置
7 通知装置
300,500 制御部
310,510 通信部
【手続補正書】
【提出日】2023-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1観察装置を備える通知装置であって、
前記第1観察装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高い場合、前記通知装置以外の装置に対する通知を行う通信部を備え、
前記水位が前記しきい値より高く、前記道路上の水に浮遊物が存在する場合、前記第1観察装置は、前記第1観察装置の周辺の信号機を制御する、通知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高く、前記道路上の水に前記浮遊物が存在する場合、前記通信部は、前記浮遊物が存在することを前記通知装置以外の装置に通知する、通知装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高く、前記道路に側溝又はマンホールが存在する場合、前記通信部は、前記道路に前記側溝又はマンホールが存在することを前記通知装置以外の装置に通知する、通知装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高く、前記道路に側溝又はマンホールが存在する場合、前記第1観察装置は、前記側溝又はマンホールに関する注意情報を表示する、通知装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高く、前記道路に側溝又はマンホールが存在する場合、前記通信部は、雨が降っていないときの前記道路の様子が写る撮影画像を前記通知装置以外の装置に送信する、通知装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高く、前記道路に側溝又はマンホールが存在する場合、前記第1観察装置は、雨が降っていないときの前記道路の様子が写る撮影画像を表示する、通知装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記水位が前記しきい値より高い場合、前記第1観察装置は、前記水位に関する注意情報を表示する、通知装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記通知装置は、前記第1観察装置だけで構成されている、通知装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の通知装置であって、
前記通知装置は、前記第1観察装置と、前記第1観察装置と通信可能な情報処理装置とを備える、通知装置。
【請求項10】
請求項9に記載の通知装置が備える第1観察装置。
【請求項11】
観察装置を備える通知装置での通知方法であって、
前記観察装置の周辺の道路の水位がしきい値より高い場合、前記通知装置以外の装置に対する通知を行う工程と、
前記水位が前記しきい値より高く、前記道路上の水に浮遊物が存在する場合、前記観察装置が、前記観察装置の周辺の信号機を制御する工程と
を備える、通知方法。
【請求項12】
装置を備える制御装置であって、
前記装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高く、当該道路上の水に浮遊物が存在する場合、前記装置の周辺の信号機を制御する制御部を備える、制御装置。
【請求項13】
装置を備える制御装置での制御方法であって、
前記装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高く、当該道路上の水に浮遊物が存在する場合、前記装置の周辺の信号機を制御する工程を備える、制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
通知装置、第1観察装置、通知方法、制御装置及び制御方法が開示される。一の実施の形態では、通知装置は、第1観察装置を備える通知装置である。通知装置は、第1観察装置の周辺の道路上の水位がしきい値より高い場合、通知装置以外の装置に対する通知を行う通信部を備える。水位がしきい値より高く、道路上の水に浮遊物が存在する場合、第1観察装置は、第1観察装置の周辺の信号機を制御する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、通知方法は、観察装置を備える通知装置での通知方法である。通知方法は、観察装置の周辺の道路の水位がしきい値より高い場合、通知装置以外の装置に対する通知を行う工程を備える。通知方法は、水位がしきい値より高く、道路上の水に浮遊物が存在する場合、観察装置が、観察装置の周辺の信号機を制御する工程を備える。