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特開2023-54448搬送ロボット及び搬送ロボット用の側面カバー
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  • 特開-搬送ロボット及び搬送ロボット用の側面カバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054448
(43)【公開日】2023-04-14
(54)【発明の名称】搬送ロボット及び搬送ロボット用の側面カバー
(51)【国際特許分類】
   B61D 47/00 20060101AFI20230407BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
B61D47/00 A
B61B13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163297
(22)【出願日】2021-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093388
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 喜三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206302
【弁理士】
【氏名又は名称】落志 雅美
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 信也
【テーマコード(参考)】
3D101
【Fターム(参考)】
3D101BA02
3D101BB36
(57)【要約】      (修正有)
【課題】走行能力向上、走行振動、騒音の低下、メンテナンス性の向上や部品共通化によるコストダウンを達成する搬送ロボットを提供する。
【解決手段】搬送物搭載板(2)と底板(3)及び支柱(4a~4d)とから構成されて、前記搬送物搭載板(2)と前記底板(3)との間に配置された前記支柱(4)により形成される空間Sにモータや車輪(5、6)を備えた搬送ロボット(1)であって、前記空間Sを囲むように側面カバー(8)が取り付けられ、前記側面カバー(8)が伸縮性生地で構成されてなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場の組立ライン等で用いられる搬送ロボットであって、
部品等を搭載する搬送物搭載板(2)と、
底板(3)と、
前記搬送物搭載板(2)と前記底板(3)を接続する支柱(4)と、
前記搬送物搭載板(2)と前記底板(3)との間に前記支柱(4)とで構成される空間Sを囲む側面カバー(8)と、
前記底板(3)に設けられた車輪(5)と
を備えたことを特徴とする搬送ロボット。
【請求項2】
前記側面カバー(8)が伸縮性生地からなる基布(8a)で構成され、
前記側面カバー(8)は、
前記基布(8a)の上端に伸縮性を有する紐体(H)等を通す長孔(8b)と、
前記基布(8a)の下方に設けられた孔(8c)と、
を備えてなることを特徴とする請求項1記載の搬送ロボット。
【請求項3】
前記側面カバー(8)の上部が、固定ポール(20)により搬送物搭載板(2)の上部に固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送ロボット。
【請求項4】
前記側面カバー(8)の上部が、搬送物搭載板(2)に設けられた溝(2a)に差し込まれるとともに、搬送物搭載板の枠(2b)に保護部材(21)が差し込まれて固定されることを特徴とする請求項1又は2記載の搬送ロボット。
【請求項5】
前記側面カバー(8)の下部が、当該側面カバー(8)の下方に設けられた孔(8c)が前記底板(3)に設けられたフック(3a)に引っ掛けて固定されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1に記載する搬送ロボット。
【請求項6】
部品等を搭載する搬送物搭載板(2)と、底板(3)と、搬送物搭載板(2)と底板(3)を接続する支柱(4)とからなる工場の組立ライン等で用いられる搬送ロボットの前記搬送物搭載板(2)と前記底板(3)に上端と下端が固定され、前記搬送物搭載板(2)と前記底板(3)との間に配置された前記支柱(4)により形成される空間Sを囲む伸縮性生地により構成されることを特徴とする搬送ロボット用の側面カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、工場の組立ライン等で用いられる搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場の組立ラインにおいては、搬送用ロボット(車両)(AGV:Automated Guided Vehicle、自動搬送車。誘導体に沿って誘導走行する。)を用いて各組立ラインに必要な部品の搬送が行われている。また、大規模集配センターなどでは、搬送用ロボット(自立走行するロボット)(AMR:Autonomous Mobile Robot、自律走行搬送ロボット。ガイドレスで走行。)を用いて多数の配送先の払い出し場所へ届けるべく集配センター内を走行して宅配の送付段ボールなどを載置し搬送が行われることが検討されている。これらAGVとAMRをまとめて搬送ロボットと定義する。
搬送ロボットAGVは、工場や倉庫等所定の地域内の床面に磁気テープ等からなる誘導帯を貼り付けて形成された誘導路を走行する。搬送ロボットAMRは、集配センターの所定の地域内の位置や通るべき通路などを誘導帯なしで自立判断し、障害物も避けながら走行する。
そして、制御設定に基づいて前記誘導路に沿って、種々の部品等を積載するステーションであるバッファステーションまで移動し、そこで荷物(部品の収容された箱等)を積み、これを定められた降ろしステーションである生産ライン等のステーションまで運搬し、そこで荷物を降ろす作業を行うものである。
【0003】
従来の搬送ロボットは、例えば、特許第3433662号公報に開示されるように、台車10が上部に設けた搬送物搭載板10aと、前後端に設けた前側板10b及び後側板10cと、両側端に設けた右側板10d及び左側板10eとを備えて構成される。搬送物搭載板10aには、バッファステーションや荷下ろしステーションとの積み下ろしの移載装置(例えば駆動ローラコンベヤやベルトコンベヤなど)が搭載されていても良い。
そして、後側板10cには、制御ボックス10fが後方に向けて取り付けられ、台車10内部には、後側仕切り板10gと前側仕切り板10hが設けられ、両仕切り板10g,10hによって台車10内は、前側、中間及び後側の3つの空間R1,R2,R3に分離されて構成される。
【0004】
そして、前記右側板10d及び前記左側板10eの前後中間位置には、回転軸11a,11bが両側板10d,10eを貫通して設けられ、両側板に設けたベアリング10d1 ,10e1 により回転自在に支持される。
前記両回転軸11a,11bの外端には、右駆動輪(RW)12aと左駆動輪(LW)12bが固定されており、回転軸11a,11bの内端にはプーリ13a,13bが固定されている。
【0005】
そして、前側仕切り板10hの空間R2側の左右中央には、前側取付板14aが設けられ、前側取付板14aには、右側直流モータ15aが固定され、後側仕切り板10gの空間R2側の左右中央には、後側取付板14bが設けられ、後側取付板14bには、左側直流モータ15bが固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3433662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の技術による搬送ロボットには、以下のような課題があった。
すなわち、前側板10b及び後側板10cと、両側端に設けた右側板10d及び左側板10eからなる搬送ロボットのボディ側面は、金属や樹脂等の剛体からなる側板で構成されているために、走行体の駆動装置が大きくなり重量が増加し、そのため走行振動や騒音が発生する。
また、搬送ロボットのメンテナンス時には側板(側面カバー)を取り外す必要があるが、側板(側面カバー)の取り外しが困難であった。
さらに、高さの異なる搬送ロボットを製造する場合には、搬送ロボットの高さに応じてサイズごとの側板(側面カバー)を設計製作がする必要があり、金型等のイニシャル費が発生するのでコスト増となる。
加えてボディ側面が積載物から垂れた液などで汚れた場合の側板部分の洗浄が困難であるという問題もあった。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、搬送ロボットの軽量化による走行能力向上、走行振動、騒音の低下、メンテナンス性の向上や部品共通化によるコストダウンを可能とする意匠性に優れた搬送ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題を下記の手段より解決した。
〔1〕工場の組立ライン等で用いられる搬送ロボットであって、
部品等を搭載する搬送物搭載板(2)と、底板(3)と、前記搬送物搭載板(2)と前記底板(3)を接続する支柱(4)と、前記搬送物搭載板(2)と前記底板(3)との間に前記支柱(4)とで構成される空間Sを囲む側面カバー(8)と、前記底板(3)に設けられた車輪(5)とを備えたことを特徴とする搬送ロボット。
〔2〕前記側面カバー(8)が伸縮性生地からなる基布(8a)で構成され、
前記側面カバー(8)は、前記基布(8a)の上端に伸縮性を有する紐体(H)等を通す長孔(8b)と、前記基布(8a)の下方に設けられた孔(8c)とを備えてなることを特徴とする前記〔1〕に記載の搬送ロボット。
【0010】
〔3〕前記側面カバー(8)の上部が、固定ポール(20)により搬送物搭載板(2)の上部に固定されることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の搬送ロボット。
〔4〕前記側面カバー(8)の上部が、搬送物搭載板2に設けられた溝(2a)に差し込まれるとともに、搬送物搭載板の枠(2b)に保護部材(21)が差し込まれて固定されることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の搬送ロボット。
〔5〕前記側面カバー(8)の下部が、当該側面カバー(8)の下方に設けられた孔(8c)が前記底板(3)に設けられたフック(3a)に引っ掛けて固定されることを特徴とする前記〔1〕~〔4〕のいずれか1に記載する搬送ロボット。
【0011】
〔6〕部品等を搭載する搬送物搭載板(2)と、底板(3)と、搬送物搭載板(2)と底板(3)を接続する支柱(4)とからなる工場の組立ライン等で用いられる搬送ロボットの前記搬送物搭載板(2)と前記底板(3)に上端と下端が固定され、前記搬送物搭載板(2)と前記底板(3)との間に配置された前記支柱(4)により形成される空間Sを囲む伸縮性生地により構成されることを特徴とする搬送ロボット用の側面カバー
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる搬送ロボットによれば、ボディ側面を軽量化できるのでその分、搬送台車全体の軽量化を達成することでき、走行振動や騒音の低下を達成することができる。
また、ボディ側面に剛性のある部材を使用する必要がなく搬送ロボット全体を軽量化できるので、モータを小型化することができ、省エネを達成することができる。
さらに、ボディ側面を構成する側面カバーが簡単に取り外しすることができるので、内部のメンテナンス性が向上する。
そして、本発明にかかる側面カバーは、伸縮性を有しているので、高さの異なる搬送ロボットにも使え、部品共通化ができ、高さの異なる搬送ロボットごとにボディ側面用の部材を用意する必要もなく、製造コストの低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明にかかる搬送ロボットの一実施例を示す説明用斜視図である。
図2】本発明の搬送ロボットの側面カバーの実施例の説明用図面である。
図3】本発明の搬送ロボットの側面カバーの取付工程を表す説明用略図である。
図4】本発明の搬送ロボットの側面カバーの取付手段の一実施例を表す説明用図面である。
図5図4に示す側面カバーの取付手段を取り付けた状態を表す説明用図面である。
図6】本発明の搬送ロボットの側面カバーの取付手段の他の実施例を表す説明用図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態を、実施例の図に基づいて説明する。
図1は本発明の搬送ロボットの一実施例を示す説明用斜視図であり、(a)は、側面カバーを取り付けた状態を示す図、(b)は側面カバーを取り外した状態を示す図、図2は本発明の搬送ロボットの側面カバーの実施例の説明用図面、図3は側面カバーの取付工程を示す説明用図面、図4は本発明の搬送ロボットの側面カバーの取付手段の一実施例を表す説明用図面、図5図4に示す側面カバーの取付手段を取り付けた状態を表す説明用図面、図6は本発明の搬送ロボットの側面カバーの取付手段の他の実施例を表す説明用図面である。
【0015】
図1図6において、1は搬送ロボットであり、2は搬送物搭載板、3は底板、4は支柱、5は車輪、6は前車輪、8は側面カバーである。
図1(a)及び(b)に示すように、本発明にかかる搬送ロボット1は、前記搬送物搭載板2と底板3と、前記搬送物搭載板2と前記底板3を接続する支柱4及び前記搬送物搭載板2と前記底板3との間に配置された前記支柱4とで構成される空間Sを囲む側面カバー8と、前記底板3に設けられた車輪5とを備えて構成される。
搬送ロボット1は、図1(b)に示すように、搬送物搭載板2と底板3と、前支柱4a、4b、後支柱4c、4dとからなる支柱4とで構成され、前記搬送物搭載板2と前記底板3との間に配置され、前記搬送物搭載板2を支持し底板と接合される前記支柱4により保持される高さにより形成される空間S内にセンサ、車輪駆動モータ、制御システム等が設置される構成となっている。
【0016】
前記底板3は、板金等の鋼材あるいは樹脂材で構成され、その下面に側面カバー8を固定するフック3aが設けられる(図6参照)。前記底板3の形状は特に限定されるものではなく、板体や、円柱、角柱等、側面カバー8の下端部を取り付けられる任意の形状であってよい。
また、本発明の実施態様においては、搬送物搭載板2と底板3とを前支柱4a、4b、後支柱4c、4dとが中空の柱体で形成され、前記搬送物搭載板2と前記底板3を連結する構成となっている。搬送ロボットの目的である所定の搬送物を搬送物搭載板2に搭載しながら所定の速度での搬送のための加減速などに耐えられるよう、各支柱と底板3と搬送物搭載板2とで剛体をなす必要がある。ところが、通常は同じ剛体の材料で側板とし各支柱にボルト止めされるのだが、この金属などの剛体側板の重量のために、搬送ロボットの総重量がさらにかさみ、モータも車輪もさらには支柱や底板も増強されて総重量がさらに増える。
今回は、特に構造体でなくてもよく剛体でなくても良い側板を、軽い重量の材料としたことで、従来の側板を用いた搬送ロボット車両に比べ軽量化を実現している。
【0017】
図2は、本発明の搬送ロボットの側面カバーを表す説明用図面であり、同図(A)は側面カバー8全体を表す略図、同図(B)は側面カバー8の詳細構成を表す図である。
本発明において、前記側面カバー8はおよそ20~30%の伸縮性を備える伸縮性生地で構成される。
本実施の態様においては、難燃性ストレッチ素材(例えば、ストレッチフィルム(株式会社キヌガワ京都製)が用いられているが、これに限定されるものではなく、搬送物搭載板2に上端部を固定し、底板3の下面まで伸長させ、下端部を底板3に固定することができる程度の伸縮性を備えた生地であればよい。
【0018】
このように、本発明にかかる搬送ロボット1は、その側面が、鋼材や樹脂材による側壁に代えて、伸縮性生地からなる基布8aで形成するように構成される。
側面を構成する側面カバー8は、前記空間Sを囲むように上端部と下端部を固定して側面を覆い、搬送ロボット1の側面を形成しているので、前記搬送ロボット1の側面の重量は基布8aの重量となり、鋼材や樹脂材の場合に比して格段に軽量であり、搬送ロボット1全体の軽量化に寄与する。
例えば、本実施の形態においては、搬送ロボット1全体の重量を、例えば、ある寸法の50kg最大重量の搬送物を想定した搬送ロボットの場合は、側板重量を10kg重から1kg重に減じることができ、そのための構成材の寸法見直しなどで、ロボット重量全体を150kg重から15kg重減の135kg重にすることができ、それにより空間S内に設置される駆動用のモータ容量も小型化でき、より搬送ロボット1の軽量化が実現される。
【0019】
前記側面カバー8を構成する伸縮性生地として挙げられる難燃性ストレッチ素材は、上下に引っ張った際、テンションがかかり、固定される上端部と下端部の間に3次曲面が形成され、意匠性の高い側面を表現できる。
図2(B)において、8aは側面カバーを構成する基布、8bは前記基布8aの上端に設けられた伸縮性を有する紐体、例えばゴム紐H等を通す長孔、8cは、基布8aの下方に設けられた孔、8dは基布8aの下部に設けられた底板取付部であり、本実施例では、タグのような形状で構成される。
前記側面カバー8は、前記底板3に備えられたフック3aに、前記基布8aの下方に設けられた孔8cを引っ掛けて装着される。また、さらに底板取付部8dを底板3にビス、ボタン、ホッチキス等で取り付けて固定すると、底板3へ強固に安定して取付ることができる構成となっている。
本実施の形態において、前記側面カバー8は、基布8aの左右両端を接合し、中空の円柱状に形成されるが、空間Sを囲むようにして搬送ロボット1の側面全体を覆うことができれば、複数枚の矩形の基布8をそれぞれ上部、下部を固定する構成であってもよい。
【0020】
本実施の形態における前記円柱状に縫製された側面カバー8は、例えば、図3に示す工程にしたがって搬送ロボット1の側面に取り付けることができる。
図3は本発明の搬送ロボットに側面カバー8を取り付ける工程を表す説明用略図であり、同図(A)は側面カバー8の上端を搬送物搭載板2(搬送物搭載板2に設けられた枠等)に取り付けた状態、同図(B)は側面カバー8の上端を搬送物搭載板2に取り付けた状態から前記側面カバー8の下端を底板3方向に引き下げ、底板3に被せる状態、同図(C)は側面カバー8の下端を底板3に引っ掛けて被せて固定して搬送ロボット1に装着し、側面を形成した状態である。
このように、本発明に係る搬送ロボット1は、その側面を側面カバー8を伸長させて装着して形成されるので、装着や取り外しが容易で誰でも簡単にでき、また側面カバー8は洗濯が可能であり、清潔できれいな状態を維持しやすく、メンテナンス作業もしやすく衛生的である。
【0021】
図4は側面カバーの取付手段の一実施例、図5は、図4に示す取付手段を使用した状態を表す説明用図面である。
図4及び図5において、20は、スチールやSUS430等の磁性体で構成された固定ポールであり、本発明の実施態様においては、固定ポール20は、ポール部材20a、20b、20c、20d、20e、20fの6本のポール部材からなり、各ポール部材同士は磁石21で固定して固定ポール20が形成されている。
前記固定ポール20による側面カバー8の取付は、図5に示すように、側面カバー8を搬送ロボット1の搬送物搭載板2に接して取り付けた後に、前記固定ポール20で側面カバー8全体を囲むようにして側面カバー8を搬送ロボット1に固定して取り付けられている。固定ポール20で側面カバー8を取り付ける場合は、搬送物搭載板2に側面カバー8を取り付けるための溝や枠を形成することなく、固定ポール20の脱着だけで、側面カバー8を固定できる。
【0022】
他方、図6は、側面カバーの取付手段の他の実施例の説明用図面である。
同図において、2aは搬送物搭載板2に設けられた溝、2bは搬送物搭載板の枠、21は弾性材からなる保護部材である。
他の実施例において、側面カバー8は、その上端部が前記搬送物搭載板2に形成された溝2aに差し込まれ、弾性材で断面U字状に形成された保護部材21を搬送物搭載板2の枠2bに装着することで、側面カバー8の上端部を搬送物搭載板2の全周に固定する構成となっている。
あらかじめ、搬送物搭載板2に溝2aや枠2bを設けておくことで、側面カバー8が所定の位置にしっかり装着でき、取付、取り外しがしやすい構成となっている。
【0023】
このように、本発明にかかる側面カバー8は、その上端部を搬送物搭載板2に固定した状態で、側面カバー8の下端部を引っ張り、前記側面カバー8の下方に設けられた孔8cを、底板3に設けられたフック3aに引っ掛けることで強固に安定して搬送ロボット1に固定される。
したがって、搬送ロボット1の高さや幅を変更しても、伸縮性を備える側面カバー8が伸び縮みし、その形状変更に追従するので、搬送ロボット1の設計がしやすくなり、また部材数を少なくすることができ、大幅なコストダウンを図ることができるものとなっている。
なお、側面カバー8の搬送物搭載板2への取付は、上記方法に限定されるものではなく、伸縮性生地で構成される側面カバー8がしっかりと空間Sを取り囲むように固定できる手段であればよい。
【符号の説明】
【0024】
1:搬送ロボット
2:搬送物搭載板
3:底板
4:支柱
5:車輪
6:前車輪
8:側面カバー
8a:基布
8b:長孔
8c:孔
8d:底板取付部
20:固定ポール
H:伸縮性を有する紐体
図1
図2
図3
図4
図5
図6