(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054494
(43)【公開日】2023-04-14
(54)【発明の名称】液晶表示装置及び線欠陥検出方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20230407BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20230407BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20230407BHJP
G01R 31/00 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 691D
G09G3/20 670A
G09G3/20 623C
G09G3/20 622C
G02F1/133 505
G02F1/133 530
G01R31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163375
(22)【出願日】2021-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】518078142
【氏名又は名称】上海天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100174067
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】一樂 剛
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 幸浩
【テーマコード(参考)】
2G036
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2G036AA25
2G036BA33
2H193ZA04
2H193ZJ02
2H193ZK02
2H193ZK09
2H193ZK14
2H193ZK16
2H193ZP03
5C006AA22
5C006AC25
5C006AC27
5C006AC28
5C006AF53
5C006AF64
5C006AF73
5C006AF78
5C006BB16
5C006BC03
5C006BC11
5C006BF08
5C006BF15
5C006EB01
5C006EC02
5C006FA31
5C006FA41
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD15
5C080DD22
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ05
5C080JJ06
5C080KK20
5C080KK21
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で、液晶表示装置における線欠陥を検出する。
【解決手段】液晶表示装置10は、液晶パネル20と、液晶パネル20を駆動するドライバ30と、を備える。液晶パネル20は、マトリクス状に配置された複数のセンサ電極SEと、複数の液晶駆動配線と、を備える。ドライバ30は、液晶パネル20に画像を表示する表示処理と、液晶パネル20におけるタッチを検出するタッチ検出処理と、液晶パネル20における線欠陥の有無を判定する線欠陥判定処理と、を実行する制御部33を備える。制御部33は、線欠陥判定処理において、各センサ電極に駆動信号を印加し、駆動信号が印加された際に各センサ電極から検出された検出値が予め定められた判定基準に合致するか否かを判定し、複数のセンサ電極のうちの、検出値が前記判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、線欠陥が生じていると判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、前記液晶パネルを駆動するドライバと、を備える液晶表示装置であって、
前記液晶パネルは、
前記液晶パネルにおけるタッチを検出するための、マトリクス状に配置された複数のセンサ電極と、
前記液晶パネルに画像を表示するための複数の液晶駆動配線と、を備え、
前記ドライバは、
前記液晶パネルに前記画像を表示する表示処理と、前記液晶パネルにおける前記タッチを検出するタッチ検出処理と、前記液晶パネルにおける線欠陥の有無を判定する線欠陥判定処理と、を実行する制御部、を備え、
前記制御部は、前記線欠陥判定処理において、各センサ電極に駆動信号を印加し、前記駆動信号が印加された際に前記各センサ電極から検出された検出値が予め定められた判定基準に合致するか否かを判定し、前記複数のセンサ電極のうちの、前記検出値が前記判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、前記線欠陥が生じていると判定する、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記線欠陥判定処理において、各液晶駆動配線に一定の電位が印加されている時に前記各センサ電極に前記駆動信号を印加し、前記検出値が前記判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、前記線欠陥として、前記線状に分布している前記センサ電極に対向する液晶駆動配線に断線が生じていると判定する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記タッチ検出処理において、前記各液晶駆動配線に一定の電位が印加されている時に前記各センサ電極に前記駆動信号を印加し、前記駆動信号が印加された際に前記各センサ電極から検出された検出値に基づいて前記タッチを検出し、
前記線欠陥判定処理において前記複数の液晶駆動配線のうちの複数のデータ線に印加される電位と前記駆動信号の電位との差は、前記タッチ検出処理において前記複数のデータ線に印加される電位と前記駆動信号の電位との差よりも、大きい、
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記線欠陥判定処理において、前記検出値に基づいて、該検出値が検出されたセンサ電極に形成された寄生容量が減少したと判定した場合に、該検出値が前記判定基準に合致すると判定する、
請求項2又は3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記線欠陥判定処理において、前記駆動信号に同期したタイミングで、前記複数の液晶駆動配線のうちの1本の液晶駆動配線の電位を変動させ、前記1本の液晶駆動配線に対向する各センサ電極の、前記タイミングにおける前記検出値が前記判定基準に合致するか否かを判定し、前記検出値が前記判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、前記線欠陥として、前記1本の液晶駆動配線に断線又は短絡が生じていると判定する個別判定処理を、各液晶駆動配線に対して実行する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記個別判定処理において、前記タイミングにおける前記検出値の変動量が予め定められた判定値以下である場合に、該検出値が前記判定基準に合致すると判定する、
請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記線欠陥判定処理において、前記複数の液晶駆動配線のうちの1本おきに配置された液晶駆動配線がハイインピーダンス状態である時に前記各センサ電極に駆動信号を印加し、前記検出値が前記判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、前記線欠陥として、前記線状に分布しているセンサ電極に対向する液晶駆動配線に同じ種類の配線間の短絡が生じていると判定する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記線欠陥判定処理において、前記検出値に基づいて、該検出値が検出されたセンサ電極に形成された寄生容量が増加したと判定した場合に、該検出値が前記判定基準に合致すると判定する、
請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記線欠陥判定処理において、前記検出値に基づいて、該検出値が検出されたセンサ電極に形成された寄生容量の両端の電位差が減少したと判定した場合に、該検出値が前記判定基準に合致すると判定し、前記検出値が前記判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、前記線欠陥として、前記線状に分布しているセンサ電極に対向する液晶駆動配線に異なる種類の配線間の短絡が生じていると判定する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記線欠陥判定処理において、前記検出値として、前記駆動信号が印加された際における前記各センサ電極の電荷量を検出する、
請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
マトリクス状に配置された複数のセンサ電極と、複数の液晶駆動配線と、を備える液晶表示装置における線欠陥を検出する線欠陥検出方法であって、
各センサ電極に駆動信号を印加し、
前記駆動信号が印加された際に前記各センサ電極から検出された検出値が予め定められた判定基準に合致するか否かを判定し、
前記複数のセンサ電極のうちの、前記検出値が前記判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、前記線欠陥が生じていると判定する、
線欠陥検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示装置及び線欠陥検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に生じる線欠陥を検出する手法が知られている。例えば、非特許文献1は、液晶表示パネルの欠陥を検出するために、液晶表示パネルの駆動配線の終端側に回路を設けて、電圧及び電流の変化を検出する手法を開示している。特許文献1は、アクティブマトリクス方式の液晶パネルを有する液晶表示装置において、故障検査回路によりソース線又はゲート線の検査を行う手法を開示している。特許文献2は、液晶ディスプレイにおいて、走査線又は信号線の断線又は短絡の検査を行う手法を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】AM-FPD 2018, Special Symposium 2-2, Evolution of In-Vehicle Display Technology and Innovation of the Cockpit System, Y.Muto, Panasonic Corp., Japan
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/079636号
【特許文献2】特開平10-97203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1及び特許文献1,2に開示された手法では、線欠陥を検出するために、特別な回路を設ける必要がある。そのため、回路規模が大きくなる。更に線欠陥検出回路とソース線、ゲート線を結ぶ配線も必要になり、線欠陥検出回路に接続される配線のために表示パネルの外形サイズが大きくなってしまうという課題がある。このような事情のもと、簡単な構成で、液晶表示装置における線欠陥を検出する手法が求められている。
【0006】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、液晶表示装置における線欠陥を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係る液晶表示装置は、
液晶パネルと、前記液晶パネルを駆動するドライバと、を備える液晶表示装置であって、
前記液晶パネルは、
前記液晶パネルにおけるタッチを検出するための、マトリクス状に配置された複数のセンサ電極と、
前記液晶パネルに画像を表示するための複数の液晶駆動配線と、を備え、
前記ドライバは、
前記液晶パネルに前記画像を表示する表示処理と、前記液晶パネルにおける前記タッチを検出するタッチ検出処理と、前記液晶パネルにおける線欠陥の有無を判定する線欠陥判定処理と、を実行する制御部、を備え、
前記制御部は、前記線欠陥判定処理において、各センサ電極に駆動信号を印加し、前記駆動信号が印加された際に前記各センサ電極から検出された検出値が予め定められた判定基準に合致するか否かを判定し、前記複数のセンサ電極のうちの、前記検出値が前記判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、前記線欠陥が生じていると判定する。
【0008】
本開示の第2の観点に係る線欠陥検出方法は、
マトリクス状に配置された複数のセンサ電極と、複数の液晶駆動配線と、を備える液晶表示装置における線欠陥を検出する線欠陥検出方法であって、
各センサ電極に駆動信号を印加し、
前記駆動信号が印加された際に前記各センサ電極から検出された検出値が予め定められた判定基準に合致するか否かを判定し、
前記複数のセンサ電極のうちの、前記検出値が前記判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、前記線欠陥が生じていると判定する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、線欠陥判定処理において、各センサ電極に駆動信号を印加し、駆動信号が印加された際に各センサ電極から検出された検出値が予め定められた判定基準に合致するか否かを判定し、複数のセンサ電極のうちの、検出値が判定基準に合致するセンサ電極が線状に分布している場合に、線欠陥が生じていると判定する。これにより、タッチ検出処理と同じ回路を利用して線欠陥判定処理を実行することができるため、簡単な構成で、液晶表示装置における線欠陥を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る液晶表示装置の概略構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る液晶表示装置における液晶駆動配線を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係る液晶表示装置における液晶パネルの断面を示す概略図である。
【
図4】実施の形態1に係る液晶表示装置におけるドライバの構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1に係る液晶表示装置により実行される表示処理のタイミングチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る液晶表示装置により実行されるタッチ検出処理のタイミングチャートである。
【
図7】実施の形態1においてタッチ検出時におけるセンサ電極及び液晶駆動配線を示す模式図である。
【
図8】実施の形態1においてタッチ検出時におけるセンサ電極1個当たりの等価回路を示す図である。
【
図9】実施の形態1に係る液晶表示装置により実行される線欠陥判定処理のタイミングチャートである。
【
図10】実施の形態1において断線時におけるセンサ電極及び液晶駆動配線を示す模式図である。
【
図11】実施の形態1において断線時に寄生容量が変化するセンサ電極を示す図である。
【
図12】実施の形態1において断線時におけるセンサ電極1個当たりの等価回路を示す図である。
【
図13】実施の形態1において駆動信号が印加された場合におけるセンサ電極の電圧値の波形を示す図である。
【
図14】実施の形態1に係る液晶表示装置により実行される線欠陥判定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】実施の形態2に係る液晶表示装置により実行される線欠陥判定処理のタイミングチャートである。
【
図16】実施の形態2において通常時におけるセンサ電極1個当たりの等価回路を示す図である。
【
図17】実施の形態2において駆動信号が印加された場合におけるセンサ電極の電圧値の波形を示す図である。
【
図18】実施の形態2において断線時におけるセンサ電極1個当たりの等価回路を示す図である。
【
図19】実施の形態2において短絡時におけるセンサ電極1個当たりの等価回路を示す図である。
【
図20】実施の形態2に係る液晶表示装置により実行される線欠陥判定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図21】実施の形態3におけるセンサ電極1個当たりの等価回路を示す図である。
【
図22】実施の形態3において短絡時におけるセンサ電極1個当たりの等価回路を示す図である。
【
図23】実施の形態4において短絡時におけるセンサ電極1個当たりの等価回路を示す図である。
【
図24】実施の形態4におけるセンサドライバの構成を示す図である。
【
図25】実施の形態4において駆動信号が印加された場合におけるセンサ電極の電荷量の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態に係る液晶表示装置及び線欠陥検出方法について、図面を参照して説明する。
【0012】
<実施の形態1>
まず、
図1及び
図2を参照して、実施の形態1に係る液晶表示装置10の構成を説明する。液晶表示装置10は、一例として、車載用又は航空機用の表示装置であるが、その用途はこれに限定されるものではない。
【0013】
図1及び
図2に示すように、液晶表示装置10は、液晶パネル20と、液晶パネル20を駆動するドライバ30と、を備える。ここで、
図1は、液晶パネル20におけるタッチ検出に関する構成を概略的に示す図であり、
図2は、液晶パネル20における表示に関する構成を概略的に示す図である。
【0014】
液晶パネル20は、画像を表示する機能とタッチを検出する機能とを備えるインセル型のタッチパネルである。インセル型とは、液晶材を挟持して液晶パネルを構成する2枚の基板のいずれかにタッチ検出用の電極を有する構成である。
図1に示すように、液晶パネル20は、複数のセンサ電極SEと、複数のセンサ配線SLと、を備える。
【0015】
複数のセンサ電極SEのそれぞれは、タッチ検出領域に対するタッチを検出するための電極である。ここで、タッチとは、検出対象物がセンサ電極SEに接触すること、又は、検出対象物とセンサ電極SEとの間で寄生容量が形成される程度に検出対象物がセンサ電極SEに近接することを意味する。検出対象物は、具体的には、液晶表示装置10のユーザの指である。なお、検出対象物は、指に限らず、センサ電極SEとの間で寄生容量を形成できるものであれば、生体の一部、スタイラスペン、タッチペン等であっても良い。
【0016】
複数のセンサ電極SEは、液晶パネル20の表面におけるほぼ全面にマトリクス状に配置されており、液晶パネル20の表面に対する検出対象物のタッチを検出する。また、複数のセンサ電極SEは、ゲート線GL及びデータ線DLとの間に寄生容量が形成される程度にゲート線GL及びデータ線DLに近接した位置に配置されている。個々のセンサ電極SEは、タッチ電極とも呼ばれ、縦横1~5mmの矩形状の透明な電極である。なお、
図1では、一例として、複数のセンサ電極SEが5行4列に配置されているが、複数のセンサ電極SEの配置はこれに限るものではない。
【0017】
各センサ電極SEは、
図1において破線で示すセンサ配線SLを介してドライバ30に電気的に接続されている。1つのセンサ配線SLは、1つのセンサ電極SEに接続されている。各センサ電極SEは、センサ配線SLを介してドライバ30から駆動信号の入力を受け、駆動信号に対する応答信号である出力信号をドライバ30に出力する。
【0018】
また、
図2に示すように、液晶パネル20は、液晶パネル20に画像を表示するための液晶駆動配線として、複数のゲート線GLと複数のデータ線DLとを備える。
図3の断面図に示すように、各データ線DL及び各ゲート線GLは、センサ電極SE及びセンサ配線SLの下側に配置されている。なお、煩雑さを避けるため、
図2では、センサ配線SLを省略している。
【0019】
複数のゲート線GLのそれぞれは、第1方向であるX方向(横方向又は行方向)に走るように配置されている。複数のゲート線GLのそれぞれには、ゲート信号が印加される。複数のデータ線DLのそれぞれは、第1方向と交差する第2方向であるY方向(縦方向又は列方向)に走るように配置されている。複数のデータ線DLのそれぞれには、画像信号(映像信号)に該当するデータ電圧が印加される。なお、データ線DLは、ソース線とも呼ばれる。また、ゲート線GLとデータ線DLとを区別せずに称する場合には、液晶駆動配線と呼ぶ。
【0020】
ゲート線GLとデータ線DLとが交差する位置には、サブピクセルSPが配置されている。サブピクセルSPは、一例として光の三原色である赤・緑・青(RGB)のうちの決められた色に発光する微細な素子である。サブピクセルSPは三原色と他の発光色を組み合わせても良く、また三原色以外の色の組合せであっても良い。なお、
図2では煩雑さを避けるために1個のサブピクセルSPのみ示しているが、実際には、各ゲート線GLと各データ線DLとが交差する位置のそれぞれにサブピクセルSPが配置されている。
【0021】
各データ線DLは、図示せぬTFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)を介してサブピクセルSPに接続されている。各ゲート線GLは、TFTのゲートに接続されている。なお、データ線DLは、RGBのそれぞれに対応するサブピクセルSPの数だけ必要であるため、ゲート線GLの3倍の密度で配置されている。
【0022】
次に、
図4を参照して、ドライバ30の構成について説明する。ドライバ30は、液晶パネル20と電気的に接続されており、液晶パネル20を駆動するための回路である。ドライバ30は、液晶ドライバ31と、センサドライバ32と、制御部33と、を備える。
【0023】
液晶ドライバ31は、液晶パネル20に画像を表示させるための回路である。液晶ドライバ31は、各ゲート線GL及び各データ線DLと電気的に接続されている。液晶ドライバ31は、制御部33からの制御信号に応じて、各ゲート線GL及び各データ線DLに各種の信号を出力する。
【0024】
センサドライバ32は、液晶パネル20におけるタッチの有無とタッチ位置を検出するための回路である。センサドライバ32は、各センサ配線SLと電気的に接続されており、センサ配線SLを介して各センサ電極SEに個別に接続されている。センサドライバ32は、制御部33からの制御信号に応じて、各センサ電極SEに各種の信号を出力する。
【0025】
制御部33は、液晶ドライバ31及びセンサドライバ32と内部バスを介して接続されており、ドライバ30の制御に係る処理及び演算を実行する。制御部33は、一例として、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。制御部33において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、液晶表示装置10全体を制御する。
【0026】
図4に示すように、制御部33は、機能的に、液晶制御部35と、センサ制御部37と、判定部39と、を備える。これら各部の機能は、制御部33において、CPUがROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、実現される。
【0027】
液晶制御部35は、液晶ドライバ31を制御することにより、液晶パネル20に画像を表示する表示処理を実行する。具体的に説明すると、液晶制御部35は、入力画像データを外部から受け付けて、受け付けた入力画像データを制御信号に変換し、制御信号を液晶ドライバ31に出力する。液晶ドライバ31は、液晶制御部35から出力された制御信号に従って、各ゲート線GL及び各データ線DLに、画像を表示するための駆動信号を出力する。
【0028】
また、液晶制御部35は、表示処理を実行する期間である表示期間(液晶駆動期間)のブランク期間を示す同期信号をセンサ制御部37に出力する。ここで、表示期間のブランク期間(表示ブランク期間)は、連続する2つの表示期間の間の、表示処理が実行されていない期間を意味する。
【0029】
センサ制御部37は、センサドライバ32を制御することにより、液晶パネル20におけるタッチを検出するタッチ検出処理を実行する。具体的に説明すると、センサ制御部37は、タッチ検出処理を実行する期間であるタッチ検出期間において、制御信号をセンサドライバ32に出力する。センサドライバ32は、センサ制御部37から出力された制御信号に従って、各センサ電極SEに駆動信号を出力する。
【0030】
センサ制御部37は、各センサ電極SEから検出された検出値をセンサドライバ32から受信し、判定部39に出力する。また、センサ制御部37は、センサ電極SEに出力された駆動信号に同期した同期信号及び制御信号を、液晶制御部35に出力する。
【0031】
判定部39は、各センサ電極SEの検出値をセンサ制御部37から受信し、受信した検出値に基づいて、液晶パネル20におけるタッチの有無及びタッチの位置を判定する。また、判定部39は、液晶パネル20における線欠陥の有無を判定する。判定部39は、タッチ及び線欠陥の判定結果を、外部に出力する。
【0032】
制御部33は、表示処理とタッチ検出処理とを予め定められた時間毎に交互に繰り返す。以下、表示処理及びタッチ検出処理の詳細について説明する。
【0033】
(表示処理)
図5に、表示処理においてセンサ電極SE、ゲート線GL及びデータ線DLに印加される信号のタイミングチャートを示す。
【0034】
表示処理を実行する場合、センサ制御部37は、センサ配線SLに駆動電圧を印加せず、基準電圧Vcを印加する。言い換えると、表示処理において、センサ制御部37は、ノイズ源となるパルスを出力せず、センサ配線SLに対して一定の電位を印加する。或いは、センサ制御部37は、センサ配線SLをハイインピーダンス状態に設定しても良い。
【0035】
一方で、表示処理において、液晶制御部35は、各ゲート線GLにゲート信号を順次印加する。ゲート信号は、データ電圧を書き込むサブピクセルSPに接続されたTFTをオンするためのパルス状の信号である。液晶制御部35は、行方向に走る複数のゲート線GLに1本ずつゲート信号を印加することにより、各ゲート線GLに接続されたTFTを行ごとに順次オンする。
【0036】
次に、液晶制御部35は、各データ線DLに画像信号を印加する。具体的には、液晶制御部35は、各データ線DLに対して、書き込み対象の行における画像を定義するデータ電圧であって、ゲート信号が印加された行の各サブピクセルSPの階調を指示するデータ電圧を印加する。より詳細には、隣り合うデータ線DLで極性が異なるため、液晶制御部35は、データ電圧として、偶数番目のデータ線DLと奇数番目のデータ線DLとで正負が逆の電圧を印加する。
【0037】
各データ線DLに印加されたデータ電圧は、対応する行のTFTを介してサブピクセルSPに印加される。これにより、各サブピクセルSPの階調が設定され、その階調が1フレーム期間維持される。液晶制御部35は、このような動作を全サブピクセルSPに対して繰り返すことにより、液晶パネル20に画像を表示する。
【0038】
(タッチ検出処理)
図6に、タッチ検出処理においてセンサ電極SE、ゲート線GL及びデータ線DLに印加される信号のタイミングチャートを示す。なお、実施の形態1に係る液晶表示装置10は、自己容量方式で、タッチを検出する。
【0039】
タッチ検出処理を実行する場合、液晶制御部35は、各液晶駆動配線に一定の電位を印加する。ここで、一定の電位は、パルス等が加えられず、時間によって実質的に変動しない電位を意味する。具体的に説明すると、液晶制御部35は、各データ線DLに対して黒電位(VDcenter付近)の一定の電位を印加する。或いは、液晶ドライバ31は、各データ線DLをフローティング状態で固定しても良い。また、液晶制御部35は、各ゲート線GLに対してゲート信号を出力せず、各ゲート線GLの電位をオフ電位VGLで固定する。
【0040】
このように各液晶駆動配線に一定の電位が印加されている時に、センサ制御部37は、各センサ電極SEに駆動信号を印加する。ここで、駆動信号は、正極性の駆動パルスの列から構成される信号である。各駆動パルスは、矩形状のパルスである。駆動パルスのパルス幅は、例えば3~7μsであって、パルス周期は、例えばパルス幅の3倍である。センサ制御部37は、このような駆動信号を、液晶パネル20に設けられた複数のセンサ電極SEのそれぞれに対して、並行に、すなわち同じタイミングで一斉に印加する。
【0041】
駆動パルスのLow電圧は基準電圧Vcであり、駆動パルスのパルス波高に相当するHigh電圧(駆動電圧)は、検出対象物の近接を検出できる程度の電圧(例えば5V)に設定されている。ただし、駆動電圧の値は限定されるものではない。基準電圧Vcは、例えば、接地電圧、電源電圧等の直流固定電圧である。ただし、センサ電極SEがフローティング状態になることを防止し、放射される電磁ノイズを抑えることができれば、基準電圧Vcはどのような電圧でもよい。
【0042】
各センサ電極SEに駆動信号を印加すると、センサ制御部37は、駆動信号が印加された際に各センサ電極SEから検出された検出値を取得する。具体的に説明すると、センサドライバ32は、駆動信号が印加された際における各センサ電極SEの電圧値を検出する。センサ制御部37は、検出値として、センサドライバ32により検出された各センサ電極SEの電圧値(出力電圧)を取得し、判定部39に出力する。判定部39は、駆動信号に対する各センサ電極SEの検出値に基づいて、液晶パネル20におけるタッチを検出する。
【0043】
図7に示すように、各センサ電極SEには、対向する位置を通る複数のゲート線GL及び複数のデータ線DLとの間に寄生容量C1,C2が形成されている。検出対象物である人間の指がセンサ電極SEに接触又は近接すると、指と少なくとも1個のセンサ電極SEとの間に寄生容量C3が形成され、寄生容量C3を介して過渡的に電流が流れる。このとき形成される寄生容量C3の大きさは、指とセンサ電極SEとの間の距離に応じて変化する。このように、センサ電極SEにタッチされると、そのセンサ電極SEに形成される寄生容量が増加する。
【0044】
より詳細に説明すると、
図8に示す等価回路のように、あるセンサ電極SEに対して指でタッチされた場合、そのセンサ電極SEには、対向する位置を通る複数のゲート線GL及び複数のデータ線DLとの間の寄生容量C1,C2に加えて、更に寄生容量C3が並列に形成される。そのため、センサ電極SEにタッチされた場合、タッチされていない場合に比べて、そのセンサ電極SEに形成される寄生容量は、寄生容量C3の分だけ増加する。
【0045】
判定部39は、駆動信号が印加された際における各センサ電極SEの検出値が、寄生容量C3が増加したことを示す判定基準に合致したか否かを判定する。そして、判定部39は、あるセンサ電極SEの検出値が判定基準に合致した場合に、そのセンサ電極SEにタッチされたと判定する。
【0046】
具体的に説明すると、判定部39は、検出値として、駆動信号が印加された際における各センサ電極SEの電圧値をモニタする。そして、判定部39は、各センサ電極SEの充電時間、具体的には、駆動信号が印加された場合における各センサ電極SEの電圧値が、予め定められた閾値以上に上昇する時間を測定する。
【0047】
センサ電極SEにタッチされた場合、タッチされていない場合に比べて、そのセンサ電極SEに形成される寄生容量が増加するため、駆動パルスによってそのセンサ電極SEに充電される充電時間が増加する。そのため、判定部39は、あるセンサ電極SEにおいて測定された充電時間が予め定められた基準値よりも大きい場合、そのセンサ電極SEに対する検出対象物のタッチがあると判定する。
【0048】
少なくとも1個のセンサ電極SEにタッチが有ると判定した場合、判定部39は、検出した寄生容量の分布からタッチの位置を特定する。言い換えると、判定部39は、マトリクス状に配置された複数のセンサ電極SEにおける、タッチが有ると判定された少なくとも1個のセンサ電極SEの分布に基づいて、検出対象物がタッチされた位置座標を特定する。このように、判定部39は、各センサ電極SEに形成された寄生容量の変化に基づいて、タッチの有無及びタッチの位置を判定する。
【0049】
(線欠陥判定処理)
以上のような表示処理及びタッチ検出処理に加えて、制御部33は、線欠陥判定処理を実行する。ここで、線欠陥(ラインディフェクト)は、表示上に生じる欠陥(表示不良)を意味する。線欠陥は、具体的には、ゲート線GL又はデータ線DLの断線、短絡等を含む。実施の形態1に係る液晶表示装置10は、線欠陥として、ゲート線GL又はデータ線DLの断線が生じているか否かを判定する。
【0050】
図9に、実施の形態1における線欠陥判定処理においてセンサ電極SE、ゲート線GL及びデータ線DLに印加される信号のタイミングチャートを示す。制御部33は、液晶表示装置10が起動してから最初の表示処理が実行されるまでの期間と、2つの表示処理の間の期間である表示ブランク期間と、の少なくとも一方の期間において、線欠陥判定処理を実行する。
【0051】
線欠陥判定処理を実行する場合、液晶制御部35は、各液晶駆動配線に対して一定の電位、すなわち時間によって実質的に変動しない電位を印加する。このとき、液晶制御部35は、寄生容量C1,C2の検出精度を高めるため、各ゲート線GL及び各データ線DLに対して、センサ電極SEに印加される駆動信号の電位、すなわち駆動パルスのHigh電圧に対応する電位(例えば5V)となるべく離れた電位を印加する。
【0052】
具体的に説明すると、液晶制御部35は、タッチ検出処理と同様に、各ゲート線GLに対してゲート信号を印加せず、オフ電位VGLを印加する。これにより、各ゲート線GLと各センサ電極SEとの間には、オフ電位VGLと駆動信号の電位との電位差が確保される。
【0053】
一方で、液晶制御部35は、タッチ検出処理では各データ線DLに対して黒電位を印加したのに対して、線欠陥判定処理では、各データ線DLに対して白電位(最大/最小VD)を印加する。より詳細には、液晶ドライバ31は、隣り合うデータ線DL間での極性の違いを考慮して、偶数番目のデータ線DLに対して正の白電位(最大電位、例えば10.2V)を印加し、奇数番目のデータ線DLに対して負の白電位(最小電位、例えば0.2V)を印加する。このように、液晶制御部35は、線欠陥判定処理において各データ線DLに印加される電位と駆動信号の電位との差が、タッチ検出処理において各データ線DLに印加される電位と駆動信号の電位との差よりも、大きくなるように、各データ線DLに電位を印加する。
【0054】
このように各液晶駆動配線に一定の電位が印加されている時に、センサ制御部37は、各センサ電極SEに駆動信号を印加する。センサ制御部37は、タッチ検出処理と同様に、正極性の駆動パルスを、液晶パネル20に設けられた複数のセンサ電極SEのそれぞれに対して、並行に、すなわち同じタイミングで一斉に印加する。
【0055】
各センサ電極SEに駆動信号を印加すると、センサ制御部37は、駆動信号に応答して各センサ電極SEから検出される検出値を取得する。具体的に説明すると、センサドライバ32は、各センサ電極SEに駆動信号を印加した際における各センサ電極SEの電圧値を検出する。センサ制御部37は、検出値として、センサドライバ32により検出された各センサ電極SEの電圧値を取得し、判定部39に出力する。
【0056】
判定部39は、線欠陥判定処理において、駆動信号に対する各センサ電極SEの検出値が予め定められた判定基準に合致するか否かを判定する。ここで、判定基準は、液晶パネル20に線欠陥が生じていることを示す基準である。実施の形態1において、判定基準は、センサ電極SEに形成されている寄生容量C1又はC2が、断線により減少したことを示す基準である。
【0057】
より詳細に説明すると、
図10に示すように、いずれかのゲート線GL又はデータ線DLにおいて断線が生じると、液晶ドライバ31から断線箇所までは電荷が移動するが、断線箇所から先の電荷移動が無くなる。そのため、断線箇所から先に位置する少なくとも1個のセンサ電極SEにおいて、電荷移動が無くなった配線分の寄生容量C1又はC2が変化し、充電時間、蓄積電荷量等の検出結果に影響が出る。
【0058】
例えば、
図11に示すように、1本のゲート線GLに断線が生じた場合、断線箇所から先に位置する太線で囲った複数のセンサ電極SEとそのゲート線GLとの間に形成されていた寄生容量C1が検出されなくなる。そのため、
図12に示す等価回路のように、断線箇所から先に位置するセンサ電極SEに形成される寄生容量は、断線が生じたゲート線GLとの間の寄生容量C1の分だけ減少する。なお、
図11及び
図12は、ゲート線GLで断線が生じた場合の例を説明しているが、データ線DLで断線が生じた場合も同様である。
【0059】
判定部39は、駆動信号が印加された際に各センサ電極SEから検出された電圧値に基づいて、各センサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2が減少したか否かを判定する。具体的には、判定部39は、各センサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2が、通常時に比べて、又は、他のセンサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2に比べて、相対的に減少したか否かを判定する。そして、判定部39は、電圧値が検出されたセンサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2が減少した場合に、その電圧値が判定基準に合致すると判定する。
【0060】
具体的に説明すると、判定部39は、駆動信号が印加された場合における各センサ電極SEの電圧値をモニタする。そして、判定部39は、各センサ電極SEの充電時間、具体的には、駆動信号が印加された場合における各センサ電極SEの電圧値が、予め定められた閾値以上に上昇する時間を測定する。
【0061】
図13に、センサ電極SEに駆動信号(実線で示す矩形状のパルス信号)が印加された場合におけるセンサ電極SEの電圧値の波形を示す。
図13では、通常時、すなわちタッチされておらず、且つ、断線が生じていない場合におけるセンサ電極SEの電圧値の波形を点線で示している。また、タッチ検出時、すなわちそのセンサ電極SEに指等によりタッチされた場合におけるセンサ電極SEの電圧値の波形を、破線で示している。更に、断線時、すなわちそのセンサ電極SEと対向するゲート線GL又はデータ線DLのいずれかに断線が生じた場合におけるセンサ電極SEの電圧値の波形を、破線で示している。
【0062】
タッチ検出時は、
図7及び
図8に示したように、センサ電極SEに形成される寄生容量は、タッチによる寄生容量C3の分だけ、通常時に比べて増加する。そのため、駆動信号による充電時間は、通常時に比べて長くなる。これに対して、断線時は、
図10から
図12に示したように、センサ電極SEに形成される寄生容量は、断線したゲート線又はデータ線の寄生容量C1又はC2の分だけ、通常時に比べて減少する。そのため、駆動信号による充電時間は、通常時に比べて短くなる。
【0063】
判定部39は、各センサ電極SEについて、このような充電時間が予め定められた判定値(第1の判定値)以下であるか否かを判定する。そして、判定部39は、充電時間が判定値以下である場合に、寄生容量C1又はC2が減少したと判定し、検出値(電圧値)が判定基準に合致すると判定する。
【0064】
このように検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在する場合、判定部39は、それが線状に分布しているか否かを判定する。ここで、線状に分布しているセンサ電極SEとは、マトリクス状に配置された複数のセンサ電極SEのうちの、縦方向又は横方向(ゲート線GL又はデータ線DLに沿った方向)に連続して並んだ2個以上のセンサ電極SEを意味する。
図11の例では、検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEとして、断線箇所から先に位置する太線で囲った3個のセンサ電極SEが、線状に分布している。
【0065】
検出値が判定基準に合致する2個以上のセンサ電極SEが線状に分布している場合、判定部39は、液晶パネル20に線欠陥が生じていると判定する。具体的には、判定部39は、線欠陥として、複数の液晶駆動配線のうちの、線状に分布しているセンサ電極SEに対向する液晶駆動配線に断線が生じていると判定する。
【0066】
例えば、検出値が判定基準に合致する2個以上のセンサ電極SEが横方向(行方向)に線状に分布している場合、判定部39は、それらのセンサ電極SEに対向する位置に配置された複数のゲート線GLのうちのいずれかに断線が生じていると判定する。或いは、検出値が判定基準に合致する2個以上のセンサ電極SEが縦方向(列方向)に線状に分布している場合、判定部39は、それらのセンサ電極SEに対向する位置に配置された複数のデータ線DLのうちのいずれかに断線が生じていると判定する。
【0067】
より詳細には、判定部39は、断線箇所として、線状に分布している2個以上のセンサ電極SEのうちの、配線上でドライバ30に最も近いセンサ電極SEの領域内で断線が生じていると判定する。これにより、センサ電極SEのサイズの単位で、断線が生じた箇所を特定することができる。
【0068】
指等によるタッチが検出された場合、マトリクス状に配置された複数のセンサ電極SEのうちの、タッチが検出された少なくとも1個のセンサ電極SEの寄生容量が増加する。そのため、タッチ検出時は、寄生容量の変化は点状に現れる。これに対して、断線が生じた場合、マトリクス状に配置された複数のセンサ電極SEのうちの、断線が生じた配線に沿って配置された少なくとも1個のセンサ電極SEの寄生容量が減少する。そのため、断線時は、寄生容量の変化は、線状に現れる。このように、寄生容量が変化したセンサ電極SEの分布からタッチと断線とを区別することが可能である。
【0069】
なお、センサ制御部37は、外来ノイズ等の影響による検出ばらつきの対策として、各センサ電極SEに複数個の駆動パルスを印加する。一例として、
図9では、8回の駆動パルスを印加した場合を示している。そして、判定部39は、複数個の駆動パルスに対する検出値に基づいて、線欠陥の有無を判定する。これにより、線欠陥の検出精度を高めることができる。
【0070】
次に、
図14に示すフローチャートを参照して、実施の形態1における線欠陥判定処理の流れについて説明する。
図14に示す線欠陥判定処理は、液晶表示装置10が起動してから最初の表示処理が実行されるまでの期間と、表示ブランク期間と、の少なくとも一方の期間において、実行される。
【0071】
線欠陥判定処理を開始すると、液晶制御部35は、液晶ドライバ31を制御して、各ゲート線GL及び各データ線DLに一定の電位を印加する(ステップS11)。具体的に説明すると、液晶制御部35は、センサ電極SEに印加される駆動信号となるべく離れた電位を印加するため、各ゲート線GLに対してオフ電位VGLを印加し、各データ線DLに対して最大電位又は最小電位を印加する。
【0072】
この状態で、センサ制御部37は、センサドライバ32を制御して、各センサ電極SEに駆動信号として駆動パルスの列を印加する(ステップS12)。そして、センサ制御部37は、印加した駆動信号に対する各センサ電極SEの検出値を取得する(ステップS13)。
【0073】
各センサ電極SEの検出値を取得すると、判定部39は、取得した検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在するか否かを判定する(ステップS14)。具体的に説明すると、判定部39は、各センサ電極SEの電圧値の値をモニタする。そして、判定部39は、各センサ電極SEが閾値以上に充電される充電時間が、予め定められた判定値以下であるか否かを判定する。
【0074】
検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在する場合(ステップS14;YES)、判定部39は、更に、検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが線状に分布しているか否かを判定する(ステップS15)。検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが線状に分布している場合(ステップS15;YES)、判定部39は、線欠陥が生じていると判定する(ステップS16)。具体的に説明すると、判定部39は、線状に分布している2個以上のセンサ電極SEに対向する位置を通るいずれかのゲート線GL又はデータ線DLに断線が生じていると判定する。
【0075】
これに対して、検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在しない場合(ステップS14;NO)、判定部39は、正常である、すなわち線欠陥は生じていないと判定する(ステップS17)。また、検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在しても、それが線状に分布していない場合(ステップS15;NO)にも、判定部39は、正常であると判定する。以上により、
図14に示した線欠陥判定処理は終了する。
【0076】
以上説明したように、実施の形態1に係る液晶表示装置10は、線欠陥判定処理において、各センサ電極SEに駆動信号を印加し、駆動信号が印加された際に各センサ電極SEから検出された検出値が、予め定められた判定基準に合致するか否かを判定する。そして、液晶表示装置10は、複数のセンサ電極SEのうちの、検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが線状に分布している場合に、線欠陥が生じていると判定する。
【0077】
このように、実施の形態1に係る液晶表示装置10は、各センサ電極SEから検出された検出値に基づいて線欠陥の有無を判定するため、タッチ検出処理と同じ回路を利用して線欠陥判定処理を実行することができる。そのため、簡単な構成で、液晶表示装置10における線欠陥を検出することができる。
【0078】
特に、線欠陥は、液晶モジュールに生じる不良の半数近くを占める不良であって、表示上は明確な異常として視認及び検知され易い。しかしながら、線欠陥による駆動回路の負荷変化は僅かであり、この負荷変化による線欠陥の検出は容易ではない。実施の形態1では、センサ電極SEと液晶駆動配線との間の寄生容量C1,C2が、正常時と断線時とで変化することに着目し、タッチパネルの検出回路を利用して僅かな容量変化を検出する。これにより、線欠陥を検出するための特別な回路を設けることなく、液晶表示装置10における線欠陥を検出することができる。また、線欠陥を検出するための特別な回路を設ける必要が無いので、検出回路とデータ線DL、ゲート線GLとを結ぶ新たな配線領域を設ける必要もないので、液晶パネル20の外形が増加することも防ぐことができる。
【0079】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1と同様の構成及び機能は、適宜説明を省略する。
【0080】
上述した実施の形態1の手法では、センサ電極SEのサイズの単位で断線を検出することはできるが、センサ電極SEに対向する位置に配置された複数の液晶駆動配線のうちのどの配線に断線が生じているかを判定することは難しい。また、実施の形態1の手法では、断線を検出することはできるが、配線間の短絡を検出することは難しい。これに対して、実施の形態2に係る液晶表示装置10は、線欠陥として断線及び短絡を、個々の配線単位で検出する。
【0081】
図15に、実施の形態2における線欠陥判定処理においてセンサ電極SE、ゲート線GL及びデータ線DLに印加される信号のタイミングチャートを示す。
【0082】
線欠陥判定処理を実行する場合、センサ制御部37は、実施の形態1と同様に、各センサ電極SEに駆動信号を印加する。センサ制御部37は、タッチ検出処理と同様に、正極性の駆動パルスを、液晶パネル20に設けられた複数のセンサ電極SEのそれぞれに対して、並行に、すなわち同じタイミングで一斉に印加する。
【0083】
一方で、線欠陥判定処理において、液晶制御部35は、各ゲート線GL及び各データ線DLの電位を、1本ずつ、各センサ電極SEに印加した駆動信号に同期したタイミングで変動させる。具体的に説明すると、液晶制御部35は、各ゲート線GL及び各データ線DLにパルス信号を印加することにより、電位を変動させる。
【0084】
より詳細には、液晶制御部35は、各ゲート線GLに対して、オン電位VGHのパルス信号を順次印加し、各データ線DLに対して、白電位(最大電位又は最小電位)のパルス信号を順次印加する。液晶制御部35は、センサ制御部37から出力される同期信号に基づいて、センサ制御部37が各センサ電極SEに駆動信号を印加したタイミングを把握する。
【0085】
各センサ電極SEに駆動信号を印加すると、センサ制御部37は、駆動信号が印加された際に各センサ電極SEから検出された検出値を取得する。具体的に説明すると、センサ制御部37は、検出値として、センサドライバ32により検出された各センサ電極SEの電圧値を取得し、判定部39に出力する。
【0086】
判定部39は、線欠陥判定処理において、各センサ電極SEの、対向するゲート線GL又はデータ線DLの電位を変動させたタイミングにおける検出値が、予め定められた判定基準に合致するか否かを判定する。実施の形態2において、判定基準は、液晶駆動配線における電位変動が、断線又は短絡により減少した又は無くなったことを示す基準である。
【0087】
図16に、断線も短絡も生じていない場合におけるセンサ電極SE1個当たりの等価回路を示す。ゲート線GL又はデータ線DLのいずれか1本にパルス信号が印加された場合、パルス信号による電位変動のAC(Alternative Current:交流)成分が寄生容量C1又はC2を通過し、パルス信号が印加されたゲート線GL又はデータ線DLと対向する位置に配置されたセンサ電極SEに流れる。その結果、そのセンサ電極SEの電圧値は、寄生容量C1又はC2を通過するAC成分による影響を受けて変動する。
【0088】
図17に、センサ電極SEに駆動信号(実線で示す矩形状のパルス信号)が印加された場合における電圧値の波形を示す。
図17では、通常時、すなわちセンサ電極SEの対向電極のいずれにも電位変動が無い場合におけるセンサ電極SEの電圧値の波形を点線で示している。一方で、センサ電極SEの対向電極のいずれかに電位変動があった場合におけるセンサ電極SEの電圧値の波形を破線で示している。なお、センサ電極SEの対向電極は、センサ電極SEに対向する位置を通る複数のゲート線GL及び複数のデータ線DLを意味する。
【0089】
センサ電極SEの対向電極の電位が変動した場合、
図17に破線で示すように、センサ電極SEの電圧値は、通常時に比べて、寄生容量C1又はC2を通過したAC成分の影響を受けて変動する。判定部39は、このような対向電極の電位変動時におけるセンサ電極SEの電圧値の変動量に基づいて、断線又は短絡の有無を判定する。
【0090】
例えば、
図18に示すように、ゲート線GL又はデータ線DLのいずれかで断線が生じた場合、液晶ドライバ31から断線箇所までは電荷が移動するが、断線箇所から先の電荷移動が無くなる。そのため、断線したゲート線GL又はデータ線DLにパルス信号が印加されても、断線箇所から先にはパルス信号が到達しない。この場合、寄生容量C1又はC2を通過するAC成分は無いため、センサ電極SEの電圧値の波形は、通常時と同様になる。
【0091】
これに対して、
図19に示すように、いずれかのゲート線GL又はデータ線DLにおいて短絡が生じた場合、そのゲート線GL又はデータ線DLに印加されたパルス信号による電位変動は、短絡により阻害される。そのため、正常な配線にパルス信号を印加した場合に比べて、寄生容量C1又はC2を通過するAC成分は鈍化し、又は無くなる。その結果として、センサ電極SEの電圧値の変動量は減少し、通常時に近くなる。
【0092】
なお、
図18及び
図19は、ゲート線GLで断線又は短絡が生じた場合の例を説明しているが、データ線DLで短絡断線が生じた場合も同様である。また、判定部39により判定される短絡は、2本のゲート線GLの間の短絡、又は、2本のデータ線DLの間の短絡に限らず、ゲート線GLとデータ線DLとの間の短絡、ゲート線GL又はデータ線DLとCOM電極(コモン電極)との間の短絡等であっても良い。ここで、COM電極は、液晶駆動用に必要な中間電位が印加される共通電極である。
【0093】
判定部39は、パルス信号により電位が変動された液晶駆動配線に対向する位置に設けられた各センサ電極SEについて、このような電圧値の変動量を測定する。具体的には、判定部39は、各センサ電極SEの電圧値の変動量として、通常時の電圧値との差分、又は、他のセンサ電極SEの電圧値との差分を測定する。
【0094】
そして、判定部39は、各センサ電極SEの電圧値の変動量が予め定められた判定値(第2の判定値)以下であるか否かを判定する。判定の結果、判定部39は、変動量が判定値以下である場合に、その液晶駆動配線における電位変動が、断線又は短絡により減少した又は無くなったと判定し、検出値(電圧値)が判定基準に合致すると判定する。
【0095】
このように検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在する場合、判定部39は、それが線状に分布しているか否かを判定する。検出値が判定基準に合致する2個以上のセンサ電極SEが、電位を変動させた液晶駆動配線が配置された方向に沿って線状に分布している場合、判定部39は、電位を変動させた液晶駆動配線に断線又は短絡が生じていると判定する。
【0096】
これに対して、判定部39は、変動量が判定値よりも大きい場合、すなわち、センサ電極SEの検出値が液晶駆動配線の電位変動に起因する変動を示す場合、検出値が判定基準に合致しないと判定する。この場合、判定部39は、その液晶駆動配線は正常であり、断線も短絡も生じていないと判定する。
【0097】
制御部33は、線欠陥判定処理において、このような個々の液晶駆動配線(ゲート線GL又はデータ線DL)に対してパルス信号を印加し、断線又は短絡の有無を判定する個別判定処理を、各液晶駆動配線に対して実行する。これにより、制御部33は、個々の液晶駆動配線の単位で、断線又は短絡の有無を判定する。
【0098】
なお、線欠陥判定処理において、液晶制御部35は、外来ノイズ等の影響による検出ばらつきの対策として、1本の液晶駆動配線(ゲート線GL又はデータ線DL)当たりに対して、複数個の駆動パルスを印加する。そして、判定部39は、複数個の駆動パルスに対する電圧値に基づいて、線欠陥の有無を判定する。これにより、線欠陥の検出精度を高めることができる。ここで、
図15では、煩雑さを避けるため、1本の液晶駆動配線当たりに2個ずつ駆動パルスを印加した場合を示しているが、液晶制御部35は、例えば、1本の液晶駆動配線当たりに8個ずつ駆動パルスを印加しても良い。
【0099】
また、ゲート線GLにパルス信号を印加すると、ゲート線GLの電位変動により表示が劣化する可能性がある。そのため、ゲート線GLの電位変動による表示の劣化がない場合を除いて、実施の形態2における線欠陥判定処理は、表示ブランク期間に実行されることは難しい。更には、実施の形態2における線欠陥判定処理では、各ゲート線GL及び各データ線DLに対して1本ずつ順次パルス信号を印加するため、実施の形態1における線欠陥判定処理に比べて処理時間を要する。そのため、実施の形態2における線欠陥判定処理は、液晶表示装置10が起動してから最初の表示処理が実行されるまでの期間に実行されることが好適である。
【0100】
次に、
図20に示すフローチャートを参照して、実施の形態2における線欠陥判定処理の流れについて説明する。
【0101】
線欠陥判定処理を開始すると、液晶制御部35は、液晶ドライバ31を制御して、いずれか1本のゲート線GL又はデータ線DLの電位を変動させる(ステップS21)。具体的に説明すると、液晶制御部35は、複数のゲート線GL及び複数のデータ線DLのうちからいずれか1本の配線を選択し、選択した配線にパルス信号を印加する。
【0102】
パルス信号の印加と同期したタイミングで、センサ制御部37は、センサドライバ32を制御して、各センサ電極SEに駆動信号として駆動パルスの列を印加する(ステップS22)。そして、センサ制御部37は、印加した駆動信号に対する各センサ電極SEの検出値を取得する(ステップS23)。
【0103】
各センサ電極SEの検出値を取得すると、判定部39は、取得した検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在するか否かを判定する(ステップS24)。具体的に説明すると、判定部39は、電位を変動させたゲート線GL又はデータ線DLに対向する位置に設けられた各センサ電極SEの電圧値の変動量が、判定値以下であるか否かを判定する。
【0104】
検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在する場合(ステップS24;YES)、判定部39は、更に、検出値が判定基準に合致する2個以上のセンサ電極SEが、選択されたゲート線GL又はデータ線DLの方向に沿って線状に分布しているか否かを判定する(ステップS25)。
【0105】
検出値が判定基準に合致する2個以上のセンサ電極SEが、選択されたゲート線GL又はデータ線DLの方向に沿って線状に分布している場合(ステップS25;YES)、判定部39は、選択されたゲート線GL又はデータ線DLに線欠陥が生じていると判定する(ステップS26)。
【0106】
これに対して、検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在しない場合(ステップS24;NO)、判定部39は、選択されたゲート線GL又はデータ線DLは正常である、すなわち線欠陥は生じていないと判定する(ステップS27)。また、検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在しても、それが線状に分布していない場合(ステップS25;NO)にも、判定部39は、選択されたゲート線GL又はデータ線DLは正常であると判定する。
【0107】
次に、制御部33は、全てのゲート線GL及びデータ線DLに対して処理を実行したか否かを判定する(ステップS28)。未処理のゲート線GL又はデータ線DLが存在する場合(ステップS28;NO)、制御部33は、未処理のゲート線GL又はデータ線DLを1本新たに選択し、処理をステップS21に戻す。そして、制御部33は、新たに選択した1本の配線に対して、ステップS21~S27の処理を実行する。このようにして、制御部33は、全てのゲート線GL及びデータ線DLに対して、1本ずつ、線欠陥の有無を判定する。
【0108】
最終的に、全てのゲート線GL及びデータ線DLに対して処理を実行すると(ステップS28;YES)、
図20に示した線欠陥判定処理は終了する。
【0109】
以上説明したように、実施の形態2に係る液晶表示装置10は、各センサ電極SEに印加した駆動信号に同期したタイミングで、複数の液晶駆動配線のうちの1本の液晶駆動配線の電位を変動させ、その液晶駆動配線に対向するセンサ電極SEの検出値が判定基準に合致する場合、その液晶駆動配線に断線又は短絡が生じていると判定する。実施の形態2に係る液晶表示装置10は、このような個別判定処理を、各液晶駆動配線に対して実行する。
【0110】
このように、実施の形態2に係る液晶表示装置10は、複数の液晶駆動配線に対して1本ずつ線欠陥の有無を判定するため、実施の形態1の線欠陥判定処理に比べて時間を要するが、個々の液晶駆動配線の単位で、線欠陥の有無を判定することができる。また、線欠陥として、断線だけでなく短絡の有無を判定することができる。
【0111】
なお、制御部33は、実施の形態2における線欠陥判定処理を、ゲート線GL及びデータ線DLの全てに対して実行することに限らない。例えば、制御部33は、実施の形態1における線欠陥判定処理によりセンサ電極SEのサイズの単位で線欠陥を検出した後で、実施の形態2における線欠陥判定処理を実行しても良い。具体的に説明すると、制御部33は、第1に、実施の形態1における線欠陥判定処理により、検出値が判定基準に合致する2個以上のセンサ電極SEに対向する複数の液晶駆動配線のいずれかに線欠陥が生じていると判定する。その後、制御部33は、第2に、その複数の液晶駆動配線のそれぞれに対して実施の形態2における個別判定処理を実行し、その複数の液晶駆動配線のうちから、線欠陥が生じている液晶駆動配線を特定する。これにより、配線単位で線欠陥を検出するための時間を短縮することができる。
【0112】
また、制御部33は、同じセンサ電極SEに対向する複数の液晶駆動配線に対して、互いに異なる条件のパルス信号を印加することにより、1本ずつ電位変動の条件を変えても良い。これにより、同じセンサ電極SEに対向する複数の液晶駆動配線に対して同じタイミングでパルス信号を印加しても、駆動信号が印加された際におけるセンサ電極SEの電圧値に対する影響が、複数の液晶駆動配線のうちのどの液晶駆動配線の電位変動に起因するものであるかを区別することが可能になる。そのため、全ての液晶駆動配線に対して1本ずつ順にパルス信号を印加する場合に比べて、線欠陥の検出時間を短縮することができる。
【0113】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態1,2と同様の構成及び機能は、適宜説明を省略する。
【0114】
上述した実施の形態1の手法では、短時間で断線を検出することができるが、配線の短絡を検出することが難しい。これに対して、実施の形態3に係る液晶表示装置10は、同じ種類の配線間の短絡、具体的には2本のゲート線GL間の短絡、及び、2本のデータ線DL間の短絡を検出する。
【0115】
図21に、実施の形態3の線欠陥判定処理において、センサ電極SE1個当たりの等価回路を示す。液晶制御部35は、複数の液晶駆動配線(ゲート線GL及びデータ線DL)のうちの1本おきに配置された液晶駆動配線を、ハイインピーダンス(Hi-Z)状態に設定する。ここで、ハイインピーダンス状態とは、電気信号に対して高い抵抗を示す状態を意味する。
【0116】
液晶ドライバ31は、複数の液晶駆動配線のそれぞれを他の配線と切り離す機能を備える。液晶制御部35は、液晶ドライバ31を制御して、ゲート線GL及びデータ線DLを1本おきに他の配線と切り離すことにより、ハイインピーダンス状態に設定する。
【0117】
液晶制御部35は、ハイインピーダンス状態でない他の液晶駆動配線に対して、実施の形態1と同様に、一定の電位を印加する。具体的に説明すると、液晶制御部35は、ハイインピーダンス状態でない各ゲート線GLに対して、オフ電位VGL(例えば-7V)の電位を印加する。また、液晶制御部35は、ハイインピーダンス状態に設定しない各データ線DLに対して、正の白電位(最大電位、例えば10.2V)又は負の白電位(最小電位、例えば0.2V)を印加する。なお、
図21では正の白電位(10.2V)を印加した例を示しているが、正の白電位と負の白電位のどちらを印加するかはデータ線DLの極性に依存する。
【0118】
このようにゲート線GL及びデータ線DLが1本おきにハイインピーダンス状態に設定され、且つ、他の配線に一定の電位が印加されている時に、センサ制御部37は、各センサ電極SEに駆動信号を印加する。センサ制御部37は、実施の形態1と同様に、正極性の駆動パルスを、液晶パネル20に設けられた複数のセンサ電極SEのそれぞれに対して、並行に、すなわち同じタイミングで印加する。
【0119】
各センサ電極SEに駆動信号を印加すると、センサ制御部37は、駆動信号が印加された際に各センサ電極SEから検出された検出値を取得する。具体的に説明すると、センサ制御部37は、検出値として、駆動信号が印加された際における各センサ電極SEの電圧値を取得し、判定部39に出力する。
【0120】
判定部39は、駆動信号に対する各センサ電極SEの検出値が予め定められた判定基準に合致するか否かを判定する。実施の形態3において、判定基準は、センサ電極SEに形成されている寄生容量C1又はC2が、短絡により増加したことを示す基準である。
【0121】
より詳細に説明すると、各センサ電極SEと一定の電位が印加されているゲート線GL及びデータ線DLとの間には、寄生容量C1又はC2が形成される。一方で、ハイインピーダンス状態のゲート線GL及びデータ線DLには電荷が供給されないため、各センサ電極SEとハイインピーダンス状態のゲート線GL及びデータ線DLとの間には、寄生容量C1又はC2が形成されない。
【0122】
ここで、
図22に示すように、2本のゲート線GLの間で短絡が生じた場合、一定の電位が印加されたデータ線DLから、ハイインピーダンス状態のデータ線DLに電荷が供給される。そのため、短絡した2本のゲート線GLに対向する位置にあるセンサ電極SEに形成される寄生容量C1,C2は、1個の寄生容量C1の分だけ増加する。2本のデータ線DLの間で短絡が生じた場合も同様に、短絡した2本のデータ線DLに対向する位置にあるセンサ電極SEに形成される寄生容量C1,C2は、1個の寄生容量C2の分だけ増加する。
【0123】
判定部39は、駆動信号が印加された際に各センサ電極SEから検出された電圧値に基づいて、各センサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2が増加したか否かを判定する。具体的には、判定部39は、各センサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2が、同じ条件(すなわち1本おきの液晶駆動配線がハイインピーダンス状態に設定された条件)の通常時に比べて、又は、同じ条件の他のセンサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2に比べて、相対的に増加したか否かを判定する。そして、判定部39は、電圧値が検出されたセンサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2が増加した場合に、その電圧値が判定基準に合致すると判定する。
【0124】
判定部39は、実施の形態1と同様に、駆動信号が印加された場合における各センサ電極SEの電圧値をモニタし、充電時間を測定する。判定部39は、各センサ電極SEについて、充電時間が判定値(第3の判定値)以上であるか否かを判定する。そして、判定部39は、充電時間が判定値以上である場合に、寄生容量C1又はC2が増加したと判定し、検出値(電圧値)が判定基準に合致すると判定する。
【0125】
このように検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在する場合、判定部39は、実施の形態1と同様に、それが線状に分布しているか否かを判定する。検出値が判定基準に合致する2個以上のセンサ電極SEが線状に分布している場合、判定部39は、線状に分布しているセンサ電極SEに対向するゲート線GL又はデータ線DLに短絡が生じていると判定する。具体的には、判定部39は、短絡として、同種の配線間における短絡、すなわち2本のゲート線GLの間における短絡、又は、2本のデータ線DLの間における短絡が生じていると判定する。
【0126】
以上説明したように、実施の形態3に係る液晶表示装置10は、複数の液晶駆動配線のうちの1本おきに配置された液晶駆動配線がハイインピーダンス状態である時に各センサ電極SEに駆動信号を印加し、その際に各センサ電極SEから検出された検出値に基づいて、短絡の有無を判定する。これにより、同種の配線間の短絡を、センサ電極SEのサイズの単位で短時間に検出することができる。
【0127】
なお、実施の形態3における線欠陥判定処理は、ゲート線GLを駆動させる必要があるため、表示ブランク期間に実行することは難しい。そのため、制御部33は、実施の形態3における線欠陥判定処理を、例えば、液晶表示装置10が起動してから最初の表示処理を開始するまでの期間に実行する。
【0128】
<実施の形態4>
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態1から3と同様の構成及び機能は、適宜説明を省略する。
【0129】
上述した実施の形態3の手法では、同じ種類の配線間の短絡を検出した。これに対して、実施の形態4に係る液晶表示装置10は、異なる種類の配線間の短絡、具体的には、ゲート線GLとデータ線DLとの間の短絡、ゲート線GLとCOM電極との間の短絡、及び、データ線DLとCOM電極との間の短絡を検出する。
【0130】
図23に、実施の形態4の線欠陥判定処理において、センサ電極SE1個当たりの等価回路を示す。液晶制御部35は、各液晶駆動配線に対して、実施の形態1と同様に、一定の電位を印加する。具体的に説明すると、液晶制御部35は、各ゲート線GLに対して、オフ電位VGL(例えば-7V)の電位を印加する。また、液晶制御部35は、各データ線DLに対して、正の白電位(最大電位、例えば10.2V)又は負の白電位(最小電位、例えば0.2V)を印加する。
【0131】
このように各ゲート線GL及び各データ線DLに一定の電位が印加されている時に、センサ制御部37は、各センサ電極SEに駆動信号を印加する。センサ制御部37は、実施の形態1と同様に、正極性の駆動パルスを、液晶パネル20に設けられた複数のセンサ電極SEのそれぞれに対して、並行に、すなわち同じタイミングで印加する。
【0132】
各センサ電極SEに駆動信号を印加すると、センサ制御部37は、駆動信号に対する各センサ電極SEの検出値を取得する。ここで、実施の形態1から3では、センサ制御部37は、検出値として、各センサ電極SEの電圧値を取得した。これに対して、実施の形態4では、センサ制御部37は、検出値として、各センサ電極SEの電荷量を取得する。
【0133】
図24に、実施の形態4におけるセンサドライバ32の構成を示す。センサドライバ32は、駆動信号印加部321と、電荷量検出部322と、スイッチ323と、を備える。駆動信号印加部321は、センサ制御部37からの制御信号に従って、各センサ電極SEに駆動信号を印加する。スイッチ323は、駆動信号の印加時には、センサドライバ32と各センサ電極SEとの間の経路を、駆動信号印加部321と各センサ電極SEとを接続する経路に切り替える。
【0134】
電荷量検出部322は、駆動信号が印加された際に各センサ電極SEに蓄積された電荷量を検出する。スイッチ323は、電荷量の検出時には、センサドライバ32と各センサ電極SEとの間の経路を、電荷量検出部322と各センサ電極SEとを接続する経路に切り替える。センサ制御部37は、検出値として、電荷量検出部322により検出された各センサ電極SEの電荷量を取得し、判定部39に出力する。
【0135】
判定部39は、駆動信号に対する各センサ電極SEの検出値が予め定められた判定基準に合致するか否かを判定する。実施の形態4において、判定基準は、センサ電極SEに形成されている寄生容量C1又はC2の両端の電位差が、短絡により減少したことを示す基準である。
【0136】
より詳細に説明すると、各センサ電極SEと一定の電位が印加されているゲート線GL及びデータ線DLとの間には、寄生容量C1又はC2が形成される。短絡が生じていない場合、寄生容量C1又はC2の両端の電位差は、ゲート線GL及びデータ線DLに印加された一定の電位と、センサ電極SEに印加される駆動信号の電位(例えば5V)と、の差になる(
図23の例では-12V、-4.8V及び5.2V)。
【0137】
ここで、
図23に示すように、ゲート線GLとデータ線DLとの間で短絡が生じた場合、短絡した配線間を電荷が流れるため、短絡した配線間で電位が同じになる。
図23の例では、短絡したゲート線GL及びデータ線DLの電位は、短絡する前のそれぞれの電位である-7Vと10.2Vとの中間電位である1.6Vになる。その結果、短絡したゲート線GL及びデータ線DLとセンサ電極SEとの間の電位差(
図23の例では-3.4V)の絶対値は、短絡していないゲート線GL及びデータ線DLとセンサ電極SEとの間の電位差(
図23の例では-12V、-4.8V及び5.2V)の絶対値に比べて、減少する。
【0138】
なお、ゲート線GLとCOM電極との間で短絡が生じた場合、及び、データ線DLとCOM電極との間で短絡が生じた場合も同様に、短絡した配線とセンサ電極SEとの間の電位差の絶対値は減少する。
【0139】
判定部39は、駆動信号が印加された際に各センサ電極SEから検出された電荷量に基づいて、各センサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2の両端の電位差が減少したか否かを判定する。具体的には、判定部39は、各センサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2の両端の電位差が、通常時に比べて、又は、他のセンサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2の両端の電位差に比べて、相対的に減少したか否かを判定する。そして、判定部39は、電荷量が検出されたセンサ電極SEに形成された寄生容量C1又はC2の両端の電位差が減少した場合に、その電荷量が判定基準に合致すると判定する。
【0140】
具体的に説明すると、判定部39は、駆動信号が印加された場合における各センサ電極SEの電荷量をモニタする。そして、判定部39は、各センサ電極SEの放電時間、具体的には、駆動信号が印加された場合における各センサ電極SEの電荷量が、ピーク値から予め定められた閾値以下に減少する時間を測定する。
【0141】
図25に、センサ電極SEに駆動信号(実線で示す矩形状のパルス信号)が印加された場合におけるセンサ電極SEの電荷量の波形を示す。
図25では、通常時、すなわち短絡が生じていない場合におけるセンサ電極SEの電荷量の波形を点線で示している。また、異種配線間で短絡が生じた場合におけるセンサ電極SEの電荷量の波形を、破線で示している。
【0142】
異種配線間で短絡が生じた場合、通常時に比べて、センサ電極SEに形成される寄生容量C1,C2間の電位差が減少する。センサ電極SEに充電される電荷量は、寄生容量と電位差との積(Q=C×V)により表されるため、電位差が減少するとそれに伴って減少する。そのため、異種配線間で短絡が生じた場合、通常時に比べて、駆動信号による充電時間及び放電時間は短くなる。
【0143】
判定部39は、各センサ電極SEについて、このような放電時間が予め定められた判定値(第4の判定値)以下であるか否かを判定する。そして、判定部39は、放電時間が判定値以下である場合に、寄生容量C1又はC2の両端の電位差が減少したと判定し、検出値(電荷量)が判定基準に合致すると判定する。
【0144】
このように検出値が判定基準に合致するセンサ電極SEが存在する場合、判定部39は、実施の形態1と同様に、それが線状に分布しているか否かを判定する。検出値が判定基準に合致する2個以上のセンサ電極SEが線状に分布している場合、判定部39は、線状に分布しているセンサ電極SEに対向するゲート線GL又はデータ線DLに短絡が生じていると判定する。具体的には、判定部39は、短絡として、異種の配線間における短絡、すなわちゲート線GLとデータ線DLとの間の短絡、ゲート線GLとCOM電極との間の短絡、及び、データ線DLとCOM電極との間の短絡を検出する。
【0145】
以上説明したように、実施の形態4に係る液晶表示装置10は、各センサ電極SEに駆動信号を印加し、その際に各センサ電極SEから検出された電荷量に基づいて、寄生容量C1又はC2の両端の電位差が減少したか否かを判定する。これにより、液晶パネル20に生じた異種配線間の短絡を検出することができる。
【0146】
<変形例>
以上本開示の実施の形態を説明したが、本開示は実施の形態に限定されるものではない。各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0147】
例えば、上記実施の形態1から3では、判定部39は、タッチ検出処理及び線欠陥判定処理において、駆動信号が印加された際に各センサ電極SEから検出された検出値として電圧値を取得し、各センサ電極SEにおける充電時間に基づいて、タッチ及び線欠陥の有無を判定した。しかしながら、判定部39は、各センサ電極SEに形成された寄生容量の変化を検出することが可能であれば、充電時間以外の指標を用いても良い。例えば、判定部39は、各センサ電極SEにおける放電時間に基づいて、タッチ及び線欠陥の有無を判定しても良い。或いは、センサ制御部37は、各センサ電極SEの検出値として、電圧値の代わりに、センサ電極SEに駆動パルスを印加した際にそのセンサ電極SEに流れる電流量を取得しても良い。そして、判定部39は、電流量に基づいて、タッチ及び線欠陥の有無を判定しても良い。また、例えば、特許第6615683号公報、特開2019-211898号公報等に開示されている容量検出方法を、本開示におけるタッチ検出処理及び線欠陥判定処理に適用しても良い。
【0148】
上記実施の形態では、液晶パネル20はインセル型のタッチパネルであるとして説明した。しかしながら、液晶パネル20は、センサ電極SEと液晶駆動配線との間に寄生容量が形成されるものであれば、インセル型のタッチパネルに限らず、例えばオンセル型のタッチパネルであっても良い。また、線欠陥の検出と判別のみを目的とするのであれば、タッチ検出処理を省略できることは言うまでもない。
【0149】
上記実施の形態では、データ線DL、ゲート線GLならびにTFTを配置する側にセンサ電極SEを配置する構成とした。こうした配置構成の場合、例えば、FFS(Fringe Field Switching)モードなどの横電界方式を採用する液晶パネルであれば、TFTを配置する基板側に共通電極が配置されるので、共通電極をセンサ電極SEとして用いることができる。
【0150】
また、上記実施の形態で説明した線欠陥を検出する方法は、液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置等にも適用可能である。たとえばTFT基板の下地層部分にITO(Indium Tin Oxide)などを用いてセンサ電極SEを配置したり、TFT形成層とEL発光層の間に形成される平坦化層にセンサ電極SEを配置したりすることも可能である。
【0151】
上記実施の形態では、制御部33において、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって、液晶制御部35、センサ制御部37及び判定部39の各部として機能した。しかしながら、制御部33は、CPUの代わりに、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、各種制御回路等の専用のハードウェアを備え、専用のハードウェアが、液晶制御部35、センサ制御部37及び判定部39の各部として機能しても良い。この場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現しても良いし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現しても良い。また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現しても良い。
【0152】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0153】
10 液晶表示装置、20 液晶パネル、30 ドライバ、31 液晶ドライバ、32 センサドライバ、33 制御部、35 液晶制御部、37 センサ制御部、39 判定部、321 駆動信号印加部、322 電荷量検出部、323 スイッチ、DL データ線、GL ゲート線、SP サブピクセル、SE センサ電極、SL センサ配線。