(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005453
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】グリップ装置及び部品実装装置
(51)【国際特許分類】
B23P 21/00 20060101AFI20230111BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
B23P21/00 305A
H05K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107380
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大志
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353HH11
5E353HH51
5E353JJ26
5E353JJ50
5E353QQ16
(57)【要約】
【課題】グリップ装置の可動ストロークを長くして、部品に対する汎用性を高めること。
【解決手段】グリップ装置は、本体部材と、本体部材に上下方向にガイドされる第1可動部材と、相互に接近又は離隔するように本体部材に左右方向にガイドされる一対の第2可動部材と、一対のリンク部材と、を備える。リンク部材は、本体部材に回動可能に連結されるジョイント部と、ジョイント部から延伸し第1可動部材に相対移動可能に連結される第1リンク部と、ジョイント部から第1リンク部とは異なる方向に延伸し第2可動部材に相対移動可能に連結される第2リンク部と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部材と、
前記本体部材に上下方向にガイドされる第1可動部材と、
相互に接近又は離隔するように前記本体部材に左右方向にガイドされる一対の第2可動部材と、
一対のリンク部材と、を備え、
前記リンク部材は、前記本体部材に回動可能に連結されるジョイント部と、前記ジョイント部から延伸し前記第1可動部材に相対移動可能に連結される第1リンク部と、前記ジョイント部から前記第1リンク部とは異なる方向に延伸し前記第2可動部材に相対移動可能に連結される第2リンク部と、を含む、
グリップ装置。
【請求項2】
前記第1リンク部と前記第2リンク部とは、相互に直交するように配置される、
請求項1に記載のグリップ装置。
【請求項3】
前記本体部材は、本体ピンを有し、
前記ジョイント部は、前記本体ピンに回動可能に支持される、
請求項1又は請求項2に記載のグリップ装置。
【請求項4】
前記本体部材は、上下方向に長いガイド孔を有し、
前記第1可動部材は、前記ガイド孔の内面に上下方向にガイドされるピストンロッドと、前記ピストンロッドの下部に配置される第1スライドピンと、を有し、
前記第1リンク部は、前記第1スライドピンが配置され前記第1リンク部の延伸方向に長い第1リンク開口を有し、
前記第1スライドピンは、前記第1リンク部と相対移動可能に前記第1リンク開口に配置される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のグリップ装置。
【請求項5】
前記本体部材は、上下方向に長い本体開口を有し、
前記ガイド孔の下端部と前記本体開口の上端部とが接続され、
前記第1スライドピンは、前記本体開口において上下方向に移動する、
請求項4に記載のグリップ装置。
【請求項6】
前記本体部材は、左右方向に長いメインガイド開口を有し、
前記第2可動部材は、ベース部と、前記ベース部から突出する第2スライドピンと、前記ベース部の下部から下方に突出するフィンガ部と、を有し、
前記第2スライドピンは、前記メインガイド開口に配置され、前記メインガイド開口にガイドされながら左右方向に移動し、
前記第2リンク部は、前記第2スライドピンが配置され前記第2リンク部の延伸方向に長い第2リンク開口を有し、
前記第2スライドピンは、前記第2リンク部と相対移動可能に前記第2リンク開口に配置される、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のグリップ装置。
【請求項7】
前記本体部材は、左右方向に長いサブガイド開口を有し、
前記サブガイド開口は、前記メインガイド開口よりも上方に設けられ、
前記第2可動部材は、前記ベース部から突出するスライダ部を有し、
前記スライダ部は、前記サブガイド開口に配置され、前記サブガイド開口にガイドされながら左右方向に移動する、
請求項6に記載のグリップ装置。
【請求項8】
前記サブガイド開口は、左右方向に長い長方形状であり、
前記スライダ部は、四角柱状である、
請求項7に記載のグリップ装置。
【請求項9】
前記サブガイド開口と前記メインガイド開口とは、実質的に平行であり、
左右方向において、前記サブガイド開口の寸法と前記メインガイド開口の寸法とは、等しく、
左右方向において、前記サブガイド開口の位置と前記メインガイド開口の位置とは、等しい、
請求項7又は請求項8に記載のグリップ装置。
【請求項10】
一対の前記第2可動部材は、前記第1可動部材が下方に移動したときに、相互に接近して部品を保持し、前記第1可動部材が上方に移動したときに、相互に離隔して部品を解放する、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のグリップ装置。
【請求項11】
前記本体部材に配置されるコイルばねを備え、
前記コイルばねは、前記第1可動部材が上方に移動するように弾性力を発生し、
前記第1可動部材は、第1可動部材の上端部に供給された空気の力により下方に移動する、
請求項10に記載のグリップ装置。
【請求項12】
部品を供給する部品供給装置と、
基板を支持する基板支持装置と、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のグリップ装置を有し、前記グリップ装置に保持された前記部品を前記基板に実装する実装ヘッドと、を備える、
部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、グリップ装置及び部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような挟持手段が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グリップ装置(挟持手段)で部品を保持する場合、様々な大きさの部品を保持できることが要望される。グリップ装置の可動ストロークが小さいと、様々な大きさの部品を保持することが困難となり、部品に対する汎用性が低くなる。
【0005】
本明細書で開示する技術は、グリップ装置の可動ストロークを長くして、部品に対する汎用性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、部品実装装置に使用されるグリップ装置を開示する。グリップ装置は、本体部材と、本体部材に上下方向にガイドされる第1可動部材と、相互に接近又は離隔するように本体部材に左右方向にガイドされる一対の第2可動部材と、一対のリンク部材と、を備える。リンク部材は、本体部材に回動可能に連結されるジョイント部と、ジョイント部から延伸し第1可動部材に相対移動可能に連結される第1リンク部と、ジョイント部から第1リンク部とは異なる方向に延伸し第2可動部材に相対移動可能に連結される第2リンク部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本明細書で開示する技術によれば、グリップ装置の可動ストロークが長くなり、部品に対する汎用性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る部品実装装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るグリップ装置を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るグリップ装置を示す斜視断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るグリップ装置を示す正面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るグリップ装置を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るグリップ装置の動作を示す正面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るグリップ装置の動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態においては、3次元直交座標系を設定し、3次元直交座標系を参照しながら各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸に平行な方向をX軸方向とする。所定面内においてX軸と直交するY軸に平行な方向をY軸方向とする。X軸及びY軸のそれぞれと直交するZ軸に平行な方向をZ軸方向とする。X軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθX方向とする。Y軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθY方向とする。Z軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθZ方向とする。X軸及びY軸を含む平面は、XY平面である。Y軸及びZ軸を含む平面は、YZ平面である。Z軸及びX軸を含む平面は、ZX平面である。所定面は、XY平面である。実施形態において、所定面は、水平面に平行であることとする。X軸方向は、前後方向である。Y軸方向は、左右方向である。Z軸方向は、上下方向である。+X方向は、前方である。-X方向は、後方である。+Y方向は、左方である。-Y方向は、右方である。+Z方向は、上方である。-Z方向は、下方である。
【0010】
[部品実装装置]
図1は、実施形態に係る部品実装装置1を模式的に示す図である。部品実装装置1は、部品Cを基板Pに実装する。
図1に示すように、部品実装装置1は、部品供給装置2と、基板支持装置3と、実装ヘッド4と、制御装置5とを備える。
【0011】
部品供給装置2は、部品Cを供給する。部品供給装置2は、複数の部品Cを支持するトレイを含む。なお、部品供給装置2は、部品Cが保持されているテープをテープリールから繰り出すフィーダを含んでもよい。
【0012】
基板支持装置3は、基板Pを支持する。基板Pは、基板搬送装置(不図示)により基板支持装置3に搬送される。基板搬送装置は、基板Pを搬送するコンベアベルトを含む。基板支持装置3は、基板搬送装置により搬送された基板Pを固定するクランプ機構を含む。
【0013】
実装ヘッド4は、部品Cを保持するグリップ装置6を有する。実装ヘッド4は、グリップ装置6に保持された部品Cを基板Pに実装する。実装ヘッド4は、ヘッド移動装置7により、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動する。
【0014】
グリップ装置6は、ロッド8を介して実装ヘッド4に支持される。実装ヘッド4にグリッパ移動装置9が設けられる。グリップ装置6は、グリッパ移動装置9により、実装ヘッド4に対してZ軸方向及びθZ方向のそれぞれに移動する。グリッパ移動装置9は、ロッド8を移動することにより、グリップ装置6を移動する。
【0015】
グリップ装置6は、実装ヘッド4に複数設けられる。グリッパ移動装置9は、複数のグリップ装置6のそれぞれに設けられる。複数のグリップ装置6は、別々に移動可能である。
【0016】
グリップ装置6は、ヘッド移動装置7及びグリッパ移動装置9により、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びθZ方向の4つの方向に移動可能である。実装ヘッド4は、部品供給装置2と基板支持装置3との間を移動可能である。実装ヘッド4は、部品供給装置2から供給された部品Cをグリップ装置6で保持した後、基板支持装置3に支持されている基板Pに搬送する。実装ヘッド4は、グリップ装置6に保持されている部品Cを基板Pに実装する。
【0017】
[グリップ装置]
図2は、実施形態に係るグリップ装置6を示す斜視図である。
図3は、実施形態に係るグリップ装置6を示す斜視断面図である。
図4は、実施形態に係るグリップ装置6を示す正面図である。
図5は、実施形態に係るグリップ装置6を示す断面図である。
【0018】
図2、
図3、
図4、及び
図5に示すように、グリップ装置6は、本体部材10と、第1可動部材20と、第2可動部材30と、リンク部材40と、コイルばね50とを有する。
【0019】
本体部材10は、シリンダ部11と、カップ部12と、支持部13とを含む。
【0020】
シリンダ部11は、実質的に筒状である。シリンダ部11の中心軸MXは、上下方向に延伸する。シリンダ部11は、内部空間14を有する。シリンダ部11の内部空間14は、小径部14Aと、中径部14Bと、大径部14Cとを含む。小径部14Aは、中径部14Bよりも上方に配置される。中径部14Bは、大径部14Cよりも上方に配置される。小径部14Aの内径は、中径部14Bの内径よりも小さい。中径部14Bの内径は、大径部14Cの内径よりも小さい。小径部14Aの中心軸と中径部14Bの中心軸と大径部14Cの中心軸とは、一致する。小径部14Aの上端部に開口11Aが設けられる。小径部14Aの下端部と中径部14Bの上端部との境界に支持面11Bが設けられる。中心軸MXと直交する面内において、支持面11Bは、中心軸MXを囲むリング状である。支持面11Bは、下方を向く。中径部14Bの下端部と大径部14Cの上端部と境界に支持面11Cが設けられる。中心軸MXと直交する面内において、支持面11Cは、中心軸MXを囲むリング状である。支持面11Cは、下方を向く。大径部14Cの下端部に開口11Dが設けられる。
【0021】
カップ部12は、シリンダ部11の下部に固定される。カップ部12は、筒部12Aと、フランジ部12Bとを有する。筒部12Aは、シリンダ部11の下部の周囲に配置される。筒部12Aは、シリンダ部11の下部に装着される。フランジ部12Bは、筒部12Aの上部に接続される。フランジ部12Bは、中心軸MXの放射方向外側に延びるように設けられる。
【0022】
支持部13は、シリンダ部11の下部に固定される。支持部13は、円筒部13Aと、プレート部13Bとを有する。円筒部13Aは、開口11Dを介して大径部14Cに挿入される。円筒部13Aの内側にガイド孔15が設けられる。ガイド孔15は、上下方向に長い。円筒部13Aの中心軸は、上下方向に延伸する。シリンダ部11の中心軸MXと円筒部13Aの中心軸とは、一致する。
【0023】
プレート部13Bは、円筒部13Aの下部に接続される。左右方向において、円筒部13Aの中心とプレート部13Bの中心とは、一致する。プレート部13Bは、前面と後面とを有する。プレート部13Bの前面及び後面のそれぞれとYZ平面とは、実質的に平行である。プレート部13Bは、第1プレート部131と、第2プレート部132とを含む。第1プレート部131は、第2プレート部132よりも上方に配置される。第1プレート部131は、円筒部13Aの下部に接続される。左右方向において、第1プレート部131の中心と第2プレート部132の中心とは、一致する。左右方向において、第1プレート部131の寸法は、第2プレート部132の寸法よりも小さい。
【0024】
プレート部13Bは、上下方向に長い本体開口16を有する。本体開口16は、プレート部13Bの前面とプレート部13Bの後面とを貫くように形成される。本体開口16の上端部は、ガイド孔15の下端部に接続される。すなわち、ガイド孔15と本体開口16とは、繋がる。本体開口16の下端部は、プレート部13Bの下端部よりも上方に配置される。上下方向において、本体開口16の下端部は、第2プレート部132に配置される。
【0025】
本体開口16は、上下方向に長い長方形状である。左右方向において、本体開口16は、プレート部13Bの中央部に形成される。左右方向において、ガイド孔15の中心と本体開口16の中心とは、一致する。左右方向において、ガイド孔15の寸法は、本体開口16の寸法よりも小さい。
【0026】
プレート部13Bは、左右方向に長いサブガイド開口17と、左右方向に長いメインガイド開口18とを有する。サブガイド開口17は、メインガイド開口18よりも上方に設けられる。サブガイド開口17は、左右方向に一対設けられる。メインガイド開口18は、左右方向に一対設けられる。サブガイド開口17及びメインガイド開口18のそれぞれは、第2プレート部132に設けられる。サブガイド開口17は、第2プレート部132の前面と後面とを貫くように形成される。メインガイド開口18は、第2プレート部132の前面と後面とを貫くように形成される。
【0027】
サブガイド開口17は、サブガイド開口17Lと、サブガイド開口17Lよりも右方に設けられるサブガイド開口17Rとを含む。左側のサブガイド開口17Lは、左右方向において第2プレート部132の中心よりも左方に設けられる。右側のサブガイド開口17Rは、左右方向において第2プレート部132の中心よりも右方に設けられる。
【0028】
サブガイド開口17は、左右方向に長い長方形状である。上下方向及び左右方向のそれぞれにおいて、サブガイド開口17Lの寸法とサブガイド開口17Rの寸法とは、等しい。上下方向において、サブガイド開口17Lの位置とサブガイド開口17Rの位置とは、等しい。
【0029】
本体開口16の下部は、サブガイド開口17Lとサブガイド開口17Rとの間に配置される。サブガイド開口17Lの右端部は、本体開口16よりも左方に配置される。サブガイド開口17Rの左端部は、本体開口16よりも右方に配置される。すなわち、本体開口16とサブガイド開口17とは、繋がらない。サブガイド開口17Lの左端部は、第2プレート部132の左端部よりも右方に配置される。サブガイド開口17Rの右端部は、第2プレート部132の右端部よりも左方に配置される。
【0030】
メインガイド開口18は、メインガイド開口18Lと、メインガイド開口18Lよりも右方に設けられるメインガイド開口18Rとを含む。左側のメインガイド開口18Lは、左右方向において第2プレート部132の中心よりも左方に設けられる。右側のメインガイド開口18Rは、左右方向において第2プレート部132の中心よりも右方に設けられる。
【0031】
メインガイド開口18は、左右方向に長い角丸長方形状である。上下方向及び左右方向のそれぞれにおいて、メインガイド開口18Lの寸法とメインガイド開口18Rの寸法とは、等しい。上下方向において、メインガイド開口18Lの位置とメインガイド開口18Rの位置とは、等しい。
【0032】
本体開口16の下端部は、メインガイド開口18よりも上方に配置される。メインガイド開口18Lの左端部は、第2プレート部132の左端部よりも右方に配置される。メインガイド開口18Rの右端部は、第2プレート部132の右端部よりも左方に配置される。
【0033】
左側のサブガイド開口17Lと左側のメインガイド開口18Lとは、実質的に平行である。左右方向において、サブガイド開口17Lの寸法とメインガイド開口18Lの寸法とは、実質的に等しい。左右方向において、サブガイド開口17Lの位置とメインガイド開口18Lの位置とは、実質的に等しい。
【0034】
右側のサブガイド開口17Rと右側のメインガイド開口18Rとは、実質的に平行である。左右方向において、サブガイド開口17Rの寸法とメインガイド開口18Rの寸法とは、実質的に等しい。左右方向において、サブガイド開口17Rの位置とメインガイド開口18Rの位置とは、実質的に等しい。
【0035】
また、プレート部13Bは、本体ピン19を有する。本体ピン19は、一対設けられる。プレート部13Bの第1プレート部131に支持孔13Cが形成される。支持孔13Cは、本体開口16の左方及び右方のそれぞれに形成される。支持孔13Cは、第1プレート部131の前面と後面とを貫くように形成される。本体ピン19は、第1プレート部131の支持孔13Cに挿入される。本体ピン19は、本体開口16の左方に配置される本体ピン19Lと、本体開口16の右方に配置される本体ピン19Rとを含む。
【0036】
第1可動部材20は、本体部材10に上下方向にガイドされる。本体部材10は、第1可動部材20が配置される移動空間を有する。移動空間は、本体部材10の内部に設けられる。移動空間は、シリンダ部11の内部空間14、円筒部13Aのガイド孔15、及びプレート部13Bの本体開口16を含む。第1可動部材20は、移動空間の内面の少なくとも一部に上下方向にガイドされる。
【0037】
第1可動部材20は、ピストン21と、ピストンロッド22と、第1スライドピン23とを有する。
【0038】
ピストン21は、中径部14Bに配置される。ピストン21は、中径部14Bにおいて上下方向に移動する。ピストン21は、中径部14Bの内面に上下方向にガイドされる。
【0039】
ピストン21は、大径部21Aと、小径部21Bとを含む。大径部21Aは、小径部21Bよりも上方に配置される。大径部21Aの外径は、小径部21Bの外径よりも大きい。大径部21Aの中心軸と小径部21Bの中心軸とは、一致する。大径部21Aの下端部と小径部21Bの上端部との境界に支持面21Cが設けられる。中心軸MXと直交する面内において、支持面21Cは、中心軸MXを囲むリング状である。支持面21Cは、下方を向く。
【0040】
ピストンロッド22は、ピストン21から下方に突出する。ピストンロッド22の少なくとも一部は、中径部14Bに配置される。ピストンロッド22の少なくとも一部は、大径部14Cに配置される。ピストンロッド22の少なくとも一部は、ガイド孔15に配置される。ピストンロッド22の少なくとも一部は、本体開口16に配置される。ピストンロッド22は、ガイド孔15の内面に上下方向にガイドされる。
【0041】
第1スライドピン23は、ピストンロッド22の下部に配置される。第1スライドピン23は、ピストンロッド22の下部に固定される。ピストンロッド22の下部に支持孔22Aが形成される。支持孔22Aは、ピストンロッド22の前面と後面とを貫くように形成される。第1スライドピン23は、ピストンロッド22の支持孔22Aに挿入される。第1スライドピン23の前端部は、ピストンロッド22の前面から前方に突出する。第1スライドピン23の後端部は、ピストンロッド22の後面から後方に突出する。ピストンロッド22が上下方向に移動することにより、第1スライドピン23は、本体開口16において上下方向に移動する。第1スライドピン23の前端部は、プレート部13Bの前面よりも前方に突出する。第1スライドピン23の後端部は、プレート部13Bの後面よりも後方に突出する。
【0042】
第2可動部材30は、左右方向に一対設けられる。第2可動部材30は、第2可動部材30Lと、第2可動部材30Lよりも右方に設けられる第2可動部材30Rとを含む。左側の第2可動部材30Lは、左右方向においてプレート部13Bの中心よりも左側に設けられる。右側の第2可動部材30Rは、左右方向においてプレート部13Bの中心よりも右側に設けられる。
【0043】
一対の第2可動部材30は、相互に接近又は離隔するように本体部材10に左右方向にガイドされる。
【0044】
第2可動部材30は、ベース部31と、スライダ部32と、第2スライドピン33と、フィンガ部34とを有する。
【0045】
ベース部31は、プレート状である。ベース部31は、スライダ部32及び第2スライドピン33のそれぞれを支持する。第2可動部材30Lのベース部31の少なくとも一部は、プレート部13Bよりも後方に配置される。第2可動部材30Rのベース部31の少なくとも一部は、プレート部13Bよりも前方に配置される。
【0046】
スライダ部32は、第2プレート部132に対向するベース部31の対向面からX軸方向に突出する。第2可動部材30Lのスライダ部32は、前方を向くベース部31の対向面から前方に突出する。第2可動部材30Rのスライダ部32は、後方を向くベース部31の対向面から後方に突出する。
【0047】
スライダ部32は、四角柱状である。スライダ部32は、サブガイド開口17に配置される。第2可動部材30Lのスライダ部32は、サブガイド開口17Lに配置される。第2可動部材30Rのスライダ部32は、サブガイド開口17Rに配置される。スライダ部32は、サブガイド開口17にガイドされながら左右方向に移動することができる。
【0048】
第2スライドピン33は、スライダ部32よりも下方に配置される。第2スライドピン33は、第2プレート部132に対向するベース部31の対向面からX軸方向に突出する。第2可動部材30Lの第2スライドピン33は、前方を向くベース部31の対向面から前方に突出する。第2可動部材30Rの第2スライドピン33は、後方を向くベース部31の対向面から後方に突出する。
【0049】
第2スライドピン33は、円柱状である。第2スライドピン33は、メインガイド開口18に配置される。第2可動部材30Lの第2スライドピン33は、メインガイド開口18Lに配置される。第2可動部材30Rの第2スライドピン33は、メインガイド開口18Rに配置される。第2スライドピン33は、メインガイド開口18にガイドされながら左右方向に移動することができる。
【0050】
フィンガ部34は、ベース部31の下部から下方に突出する。フィンガ部34は、プレート部13Bよりも下方に配置される。左側の第2可動部材30Lと右側の第2可動部材30Rとが接近した場合、第2可動部材30Lのフィンガ部34と第2可動部材30Rのフィンガ部34とにより部品Cが挟まれる。一対のフィンガ部34により部品Cが挟まれることにより、部品Cがグリップ装置6に保持される。左側の第2可動部材30Lと右側の第2可動部材30Rとが離隔した場合、左側の第2可動部材30Lのフィンガ部34と右側の第2可動部材30Rのフィンガ部34とにより挟まれていた部品Cがグリップ装置6から解放される。
【0051】
リンク部材40は、一対設けられる。リンク部材40の少なくとも一部は、本体部材10に連結される。リンク部材40の少なくとも一部は、第1可動部材20に連結される。リンク部材40の少なくとも一部は、第2可動部材30に連結される。リンク部材40は、左側の第2可動部材30Lに連結されるリンク部材40Lと、右側の第2可動部材30Lに連結されるリンク部材40Rとを含む。左側のリンク部材40Lは、プレート部13Bよりも前方に配置される。右側のリンク部材40Rは、プレート部13Bよりも後方に配置される。
【0052】
リンク部材40は、ジョイント部41と、第1リンク部42と、第2リンク部43とを有する。
【0053】
ジョイント部41は、本体部材10に回動可能に連結される。ジョイント部41は、本体ピン19に回動可能に支持される。リンク部材40Lのジョイント部41は、本体ピン19Lに回動可能に支持される。リンク部材40Rのジョイント部41は、本体ピン19Rに回動可能に支持される。ジョイント部41は、本体ピン19が配置される開口41Aを有する。ジョイント部41は、本体ピン19に支持された状態で、回動軸RXを中心に回動可能である。回動軸RXは、X軸に平行である。
【0054】
第1リンク部42及び第2リンク部43のそれぞれは、ジョイント部41から延伸するように設けられる。第1リンク部42及び第2リンク部43のそれぞれは、YZ平面において延伸する。第2リンク部43は、ジョイント部41から第1リンク部42とは異なる方向に延伸する。第1リンク部42は、ジョイント部41から中心軸MXに向かって延伸するように設けられる。第2リンク部43は、ジョイント部41から下方に向かって延伸するように設けられる。実施形態において、第1リンク部42と第2リンク部43とは、実質的に直交する。第1リンク部42と第2リンク部43とは、相互に直交するように配置される。
【0055】
第1リンク部42は、第1スライドピン23が配置される第1リンク開口44を有する。第1リンク開口44は、第1リンク部42の延伸方向に長い角丸長方形状である。第1スライドピン23と第1リンク開口44とは、相対移動可能である。第1スライドピン23は、第1リンク部42と相対移動可能に第1リンク開口44に配置される。リンク部材40Lの第1リンク開口44には、第1スライドピン23の前端部が配置される。リンク部材40Rの第1リンク開口44には、第1スライドピン23の後端部が配置される。
【0056】
第2リンク部43は、第2スライドピン33が配置される第2リンク開口45を有する。第2リンク開口45は、第2リンク部43の延伸方向に長い溝状である。第2スライドピン33と第2リンク開口45とは、相対移動可能である。第2スライドピン33は、第2リンク部43と相対移動可能に第2リンク開口45に配置される。リンク部材40Lの第2リンク開口45には、第2可動部材30Lの第2スライドピン33が配置される。リンク部材40Rの第2リンク開口45には、第2可動部材30Rの第2スライドピン33が配置される。
【0057】
コイルばね50は、内部空間14に配置される。コイルばね50は、ピストンロッド22の周囲に配置される。コイルばね50の上端部は、ピストン21の支持面21Cに接触可能である。コイルばね50の下端部は、円筒部13Aの上端部に接触する。コイルばね50は、圧縮コイルばねである。コイルばね50は、第1可動部材20が上方に移動するように弾性力(付勢力)を発生する。
【0058】
実施形態において、コイルばね50の外周面と大径部14Cの内周面との間にブッシュ60が配置される。ブッシュ60は、円筒部13Aの上端部に支持される。ブッシュ60は、コイルばね50の下部を保持する。ブッシュ60により、コイルばね50が中心軸MXの径方向に動くことが抑制される。
【0059】
[動作]
次に、グリップ装置6の動作について説明する。開口11Aを介して内部空間14に空気が供給される。内部空間14に空気が供給されると、一対の第2可動部材30が相互に離隔する。内部空間14に対する空気の供給が停止されると、一対の第2可動部材30が相互に接近する。
図2から
図5は、内部空間14に対する空気の供給が停止され、一対の第2可動部材30が相互に接近している状態を示す。空気の供給が停止されている状態においては、コイルばね50の弾性力により、第1可動部材20が本体部材10に対して上方に移動する。
図3及び
図5に示すように、第1可動部材20は、ピストン21が支持面11Cに当たるまで上方に移動する。
【0060】
図6は、実施形態に係るグリップ装置6の動作を示す正面図である。
図7は、実施形態に係るグリップ装置6の動作を示す断面図である。
【0061】
図6及び
図7に示すように、開口11Aを介して内部空間14に空気が供給される。空気は、第1可動部材20の上端部に供給される。第1可動部材20は、第1可動部材20の上端部に供給された空気の力により下方に移動する。ピストン21は、中径部14Bの内面にガイドされながら下方に移動する。ピストンロッド22は、ガイド孔15の内面にガイドされながら下方に移動する。コイルばね50の上端部とピストン21の支持面21Cとが接触した状態で第1可動部材20が下方に移動すると、コイルばね50は、圧縮される。
【0062】
第1可動部材20が下方に移動すると、第1スライドピン23も下方に移動する。第1スライドピン23は、リンク部材40の第1リンク開口44に相対移動可能に配置されている。また、ジョイント部41は、本体ピン19に回動可能に支持されている。第1スライドピン23は、第1リンク開口44をスライド可能である。第1スライドピン23が下方に移動することにより、リンク部材40は、第1リンク部42の先端部が下方に移動するように回動軸RXを中心に回動する。
【0063】
第2スライドピン33は、リンク部材40の第2リンク開口45に相対移動可能に配置されている。第2スライドピン33は、第2リンク開口45をスライド可能である。第1リンク部42の先端部が下方に移動するようにリンク部材40が回動することにより、第2リンク部43の先端部は、中心軸MXから離隔するように移動する。
【0064】
第2スライドピン33は、本体部材10のメインガイド開口18に相対移動可能に配置されている。第2スライドピン33は、メインガイド開口18をスライド可能である。第2リンク部43の先端部が中心軸MXから離隔するように移動することにより、第2スライドピン33は、メインガイド開口18にガイドされながら、第2リンク部43と一緒に中心軸MXから離隔する移動する。第2スライドピン33が中心軸MXから離隔する移動することにより、第2可動部材30は、中心軸MXから離隔するように移動する。
【0065】
第2可動部材30が中心軸MXから離隔するように移動するとき、第2スライドピン33のみならず、スライダ部32も中心軸MXから離隔するように移動する。スライダ部32は、本体部材10のサブガイド開口17に相対移動可能に配置されている。スライダ部32は、サブガイド開口17をスライド可能である。第2リンク部43の先端部が中心軸MXから離隔するように移動することにより、スライダ部32は、サブガイド開口17にガイドされながら、第2リンク部43と一緒に中心軸MXから離隔するように移動する。第2可動部材30は、サブガイド開口17及びメインガイド開口18のそれぞれにガイドされながら、安定して移動することができる。
【0066】
左側のリンク部材40Lにおいて、第1リンク部42の先端部が下方に移動するようにリンク部材40Lが回動軸RXを中心に回動すると、第2リンク部43が左方に移動する。リンク部材40Lの第2リンク部43が左方に移動すると、第2可動部材30Lの第2スライドピン33がメインガイド開口18Lにガイドされながら左方に移動する。また、第2可動部材30Lのスライダ部32がサブガイド開口17Lにガイドされながら左方に移動する。これにより、第2可動部材30Lは、左方に移動する。
【0067】
右側のリンク部材40Rにおいて、第1リンク部42の先端部が下方に移動するようにリンク部材40Rが回動軸RXを中心に回動すると、第2リンク部43が右方に移動する。リンク部材40Rの第2リンク部43が右方に移動すると、第2可動部材30Rの第2スライドピン33がメインガイド開口18Rにガイドされながら右方に移動する。また、第2可動部材30Rのスライダ部32がサブガイド開口17Rにガイドされながら右方に移動する。これにより、第2可動部材30Rは、右方に移動する。
【0068】
このように、内部空間14に空気が供給され、第1可動部材20が下方に移動すると、一対の第2可動部材30は、相互に離隔する。
【0069】
一対の第2可動部材30のフィンガ部34により部品Cが挟まれた状態で、一対の第2可動部材30が相互に離隔すると、部品Cは、グリップ装置6から解放される。
【0070】
図2から
図5に示すように、内部空間14に対する空気の供給が停止されると、コイルばね50の弾性力により、第1可動部材20が本体部材10に対して上方に移動する。第1可動部材20が上方に移動すると、第1スライドピン23も上方に移動する。第1スライドピン23が上方に移動することにより、リンク部材40は、第1リンク部42の先端部が上方に移動するように回動軸RXを中心に回動する。
【0071】
第1リンク部42の先端部が上方に移動するようにリンク部材40が回動することにより、第2リンク部43の先端部は、中心軸MXに接近するように移動する。第2リンク部43の先端部が中心軸MXに接近するように移動することにより、第2スライドピン33は、メインガイド開口18にガイドされながら、第2リンク部43と一緒に中心軸MXに接近するように移動する。第2スライドピン33が中心軸MXに接近するように移動することにより、第2可動部材30は、中心軸MXに接近するように移動する。
【0072】
第2可動部材30が中心軸MXから接近するように移動するとき、第2スライドピン33のみならず、スライダ部32も中心軸MXに接近するように移動する。スライダ部32は、本体部材10のサブガイド開口17に相対移動可能に配置されている。スライダ部32は、サブガイド開口17をスライド可能である。第2リンク部43の先端部が中心軸MXに接近離隔するように移動することにより、スライダ部32は、サブガイド開口17にガイドされながら、第2リンク部43と一緒に中心軸MXに接近するように移動する。第2可動部材30は、サブガイド開口17及びメインガイド開口18のそれぞれにガイドされながら、安定して移動することができる。
【0073】
左側のリンク部材40Lにおいて、第1リンク部42の先端部が上方に移動するようにリンク部材40Lが回動軸RXを中心に回動すると、第2リンク部43が右方に移動する。リンク部材40Lの第2リンク部43が右方に移動すると、第2可動部材30Lの第2スライドピン33がメインガイド開口18Lにガイドされながら右方に移動する。また、第2可動部材30Lのスライダ部32がサブガイド開口17Lにガイドされながら右方に移動する。これにより、第2可動部材30Lは、右方に移動する。
【0074】
右側のリンク部材40Rにおいて、第1リンク部42の先端部が上方に移動するようにリンク部材40Rが回動軸RXを中心に回動すると、第2リンク部43が左方に移動する。リンク部材40Rの第2リンク部43が左方に移動すると、第2可動部材30Rの第2スライドピン33がメインガイド開口18Rにガイドされながら左方に移動する。また、第2可動部材30Rのスライダ部32がサブガイド開口17Rにガイドされながら左方に移動する。これにより、第2可動部材30Rは、左方に移動する。
【0075】
このように、内部空間14に対する空気の供給が停止され、第1可動部材20が上方に移動すると、一対の第2可動部材30は、相互に接近する。
【0076】
一対の第2可動部材30の間に部品Cが配置された状態で、一対の第2可動部材30が相互に接近すると、部品Cは、一対のフィンガ部34により挟まれる。部品Cは、グリップ装置6に保持される。
【0077】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、グリップ装置6は、本体部材10と、本体部材10に上下方向にガイドされる第1可動部材20と、相互に接近又は離隔するように本体部材10に左右方向にガイドされる一対の第2可動部材30と、一対のリンク部材40と、を備える。リンク部材40は、本体部材10に回動可能に連結されるジョイント部41と、ジョイント部41から延伸し第1可動部材20に相対移動可能に連結される第1リンク部42と、ジョイント部41から第1リンク部42とは異なる方向に延伸し第2可動部材30に相対移動可能に連結される第2リンク部43と、を含む。
【0078】
リンク部材40が設けられることにより、第1可動部材20が上下方向に移動すると、一対の第2可動部材30が相互に離隔又は接近するように左右方向に移動することができる。すなわち、リンク部材40が設けられることにより、第1可動部材20と第2可動部材30とは、相互に直交する方向に移動することができる。リンク部材40が設けられることにより、第1可動部材20の可動ストロークに対して第2可動部材30の可動ストロークが長くなる。例えば第1リンク部42のリンク比率が調整されることにより、第2可動部材30の可動ストロークが長くなる。第2可動部材30の可動ストロークが長くなるので、グリップ装置6は、様々な大きさの部品Cを保持することができる。したがって、部品Cに対するグリップ装置6の汎用性が高まる。
【0079】
第1リンク部42と第2リンク部43とは、相互に直交するように配置される。これにより、第1可動部材20が上下方向に移動すると、リンク部材40の回動により、第2可動部材30が左右方向に大きく移動することができる。
【0080】
本体部材10は、本体ピン19を有する。ジョイント部41は、本体ピン19に回動可能に支持される。これにより、リンク部材40は、本体ピン19に支持された状態で本体部材10に対して円滑に回動することができる。
【0081】
本体部材10は、上下方向に長いガイド孔15を有する。第1可動部材20は、ガイド孔15の内面に上下方向にガイドされるピストンロッド22と、ピストンロッド22の下部に配置される第1スライドピン23と、を有する。第1リンク部42は、第1スライドピン23が配置され第1リンク部42の延伸方向に長い第1リンク開口44を有する。第1スライドピン23は、第1リンク部42と相対移動可能に第1リンク開口44に配置される。これにより、第1可動部材20が上下方向に移動すると、第1スライドピン23と第1リンク開口44とが相互にスライドしながら、第1リンク部42が上下方向に移動することができる。したがって、第1可動部材20の上下方向の移動により、リンク部材40が円滑に回動される。
【0082】
本体部材10は、上下方向に長い本体開口16を有する。ガイド孔15の下端部と本体開口16の上端部とが接続される。第1スライドピン23は、本体開口16において上下方向に移動する。これにより、第1スライドピン23は、第1リンク部42に連結された状態で、上下方向に円滑に移動することができる。
【0083】
本体部材10は、左右方向に長いメインガイド開口18を有する。第2可動部材30は、ベース部31と、ベース部31から突出する第2スライドピン33と、ベース部31の下部から下方に突出するフィンガ部34と、を有する。第2スライドピン33は、メインガイド開口18に配置され、メインガイド開口18にガイドされながら左右方向に移動する。第2リンク部43は、第2スライドピン33が配置され第2リンク部43の延伸方向に長い第2リンク開口45を有する。第2スライドピン33は、第2リンク部43と相対移動可能に第2リンク開口45に配置される。これにより、リンク部材40が回動すると、第2スライドピン33と第2リンク開口45とが相互にスライドしながら、第2可動部材30が左右方向に移動することができる。したがって、リンク部材40の回動により、第2可動部材30が左右方向に円滑に移動される。
【0084】
本体部材10は、左右方向に長いサブガイド開口17を有する。サブガイド開口17は、メインガイド開口18よりも上方に設けられる。第2可動部材30は、ベース部31から突出するスライダ部32を有する。スライダ部32は、サブガイド開口17に配置され、サブガイド開口17にガイドされながら左右方向に移動する。これにより、第2可動部材30は、メインガイド開口18及びサブガイド開口17のそれぞれにガイドされる。したがって、第2可動部材30は、左右方向に円滑に移動することができる。
【0085】
サブガイド開口17は、左右方向に長い長方形状である。スライダ部32は、四角柱状である。これにより、第2可動部材30が左右方向に移動するときのガタつきが抑制される。
【0086】
サブガイド開口17とメインガイド開口18とは、実質的に平行である。左右方向において、サブガイド開口17の寸法とメインガイド開口18の寸法とは、等しい。左右方向において、サブガイド開口17の位置とメインガイド開口18の位置とは、等しい。これにより、第2可動部材30は、メインガイド開口18及びサブガイド開口17のそれぞれにガイドされながら、左右方向に大きく移動することができる。
【0087】
一対の第2可動部材30は、第1可動部材20が下方に移動したときに、相互に接近して部品Cを保持する。第1可動部材20が上方に移動したときに、相互に離隔して部品Cを解放する。これにより、グリップ装置6は、部品Cを保持したり解放したりすることができる。
【0088】
グリップ装置6は、本体部材10に配置されるコイルばね50を備える。コイルばね50は、第1可動部材20が上方に移動するように弾性力を発生する。第1可動部材20は、第1可動部材20の上端部に供給された空気の力により下方に移動する。これにより、内部空間14に対する空気の供給と停止とが実施されることにより、第1可動部材20が上下方向に移動することができる。
【符号の説明】
【0089】
1…部品実装装置、2…部品供給装置、3…基板支持装置、4…実装ヘッド、5…制御装置、6…グリップ装置、7…ヘッド移動装置、8…ロッド、9…グリッパ移動装置、10…本体部材、11…シリンダ部、11A…開口、11B…支持面、11C…支持面、11D…開口、12…カップ部、12A…筒部、12B…フランジ部、13…支持部、13A…円筒部、13B…プレート部、13C…支持孔、131…第1プレート部、132…第2プレート部、14…内部空間、14A…小径部、14B…中径部、14C…大径部、15…ガイド孔、16…本体開口、17…サブガイド開口、17L…サブガイド開口、17R…サブガイド開口、18…メインガイド開口、18L…メインガイド開口、18R…メインガイド開口、19…本体ピン、19L…本体ピン、19R…本体ピン、20…第1可動部材、21…ピストン、21A…大径部、21B…小径部、21C…支持面、22…ピストンロッド、22A…支持孔、23…第1スライドピン、30…第2可動部材、30L…第2可動部材、30R…第2可動部材、31…ベース部、32…スライダ部、33…第2スライドピン、34…フィンガ部、40…リンク部材、40L…リンク部材、40R…リンク部材、41…ジョイント部、41A…開口、42…第1リンク部、43…第2リンク部、44…第1リンク開口、45…第2リンク開口、50…コイルばね、60…ブッシュ、C…部品、MX…中心軸、P…基板、RX…回動軸。