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特開2023-54679逆止弁及びそれを備えたポンプ、洗濯機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054679
(43)【公開日】2023-04-14
(54)【発明の名称】逆止弁及びそれを備えたポンプ、洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20230407BHJP
   A47L 15/44 20060101ALI20230407BHJP
   F16K 15/06 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
A47L15/44
F16K15/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163673
(22)【出願日】2021-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 晋作
(72)【発明者】
【氏名】外薗 洸佑
(72)【発明者】
【氏名】辻 啓吾
【テーマコード(参考)】
3B082
3B166
3H058
【Fターム(参考)】
3B082CC02
3B082CC05
3B166AA04
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA82
3B166BA83
3B166BA84
3B166CA04
3B166CA11
3B166CA18
3B166CB02
3B166CB03
3B166CB04
3B166CB12
3B166CB13
3B166CC02
3B166CD02
3B166CD05
3B166CD15
3B166DC03
3B166DC12
3B166DC23
3B166DC40
3B166DC44
3B166DC47
3B166DE01
3B166FA01
3B166FA06
3B166FA12
3B166FA14
3B166FB01
3B166FB05
3B166FB09
3B166GA02
3B166GA06
3B166GA12
3B166GA14
3B166GA22
3B166GA42
3B166GA44
3B166GA46
3B166JM03
3H058AA05
3H058BB33
3H058CA04
3H058CA33
3H058CD05
3H058EE14
(57)【要約】
【課題】流れる液剤が固着するのを低減する逆止弁及びポンプ、洗濯機を提供する。
【解決手段】本開示に係る逆止弁は、弁体と、弁体が取り付けられたシャトルと、シャトルと共に弁体を上流側に付勢するようにシャトルに取り付けられた弾性部材と、シャトルをガイドする第1のガイドを有し、弁体を内部に収容する収容部と、シャトルをガイドする第2のガイドと、を備える。第1のガイドは、弁体よりも上流側に配置されている。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体と、
前記弁体が取り付けられたシャトルと、
前記シャトルと共に前記弁体を上流側に付勢するように前記シャトルに取り付けられた弾性部材と、
前記シャトルをガイドする第1のガイドを有し、前記弁体を内部に収容する収容部と、
前記シャトルをガイドする第2のガイドと、を備え、
前記第1のガイドは、前記弁体よりも上流側に配置されている、
逆止弁。
【請求項2】
前記収容部は、
液剤が流入する上流側の流入部と、
前記流入部の下流に形成され、前記シャトルを内包する筒部と、を備え、
前記流入部の開口径は、前記筒部の内径の最大値の半分よりも小さい、
請求項1に記載の逆止弁。
【請求項3】
前記弁体が取り付けられた前記シャトルにおいて、前記シャトルの上流側の先端から前記シャトルおよび前記弁体の外径が流入側の開口径以上の長さを有する部分の下流側端部までの、液剤の流れ方向における長さが、前記シャトルの全長の半分よりも大きい、
請求項1または2に記載の逆止弁。
【請求項4】
前記シャトルは、
前記弁体が取り付けられる部分よりも下流側に前記弁体の外径よりも径方向外側に延びる肩部と、
前記肩部の下流側端部から下流側に延びる胴部と、を有する、
請求項3に記載の逆止弁。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の逆止弁を、吸入側逆止弁及び吐出側逆止弁として有するポンプであって、
前記ポンプは、洗濯機に液剤を投入するために用いられ、第1の流路を介して前記液剤を吸い込み、吸い込んだ液剤を第2の流路へ吐出し、
前記ポンプは、前記第1の流路と前記第2の流路とにそれぞれ連通するポンプ室を有し、
前記吸入側逆止弁は、前記第1の流路と前記ポンプ室との連通を開閉し、前記第1の流路から前記ポンプ室へと液剤を流し、
前記吐出側逆止弁は、前記ポンプ室と前記第2の流路との連通を開閉し、前記ポンプ室から前記第2の流路へと液剤を流す、
ポンプ。
【請求項6】
請求項5に記載のポンプを有する液剤投入装置と、
筐体内に弾性支持された外槽と、
前記外槽に供給される液剤を収容するタンクと、を備え、
前記第1の流路は、前記タンクから前記液剤が吐出する吐出部と連通する、
洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、逆止弁及びそれを備えたポンプ、洗濯機に関し、特に液剤自動投入装置に用いられる逆止弁及びポンプと、それを備えた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には液剤を収容するタンクと、タンク内の液剤を自動供給する液剤自動投入装置とを搭載する洗濯機が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された洗濯機は、ピストンポンプユニットにより、吸入水路から所定量の液剤をシリンダ内へ吸引し、吸引した液剤を吐出水路へ吐出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-37358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の洗濯機において、吐出側逆止弁が空気に触れているので液剤が逆止弁に固着する場合があった。
【0006】
したがって、本開示の目的は、上記課題を解決することにあって、流れる液剤が固着するのを低減する逆止弁及びそれを備えたポンプ、洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の逆止弁は、弁体と、弁体が取り付けられたシャトルと、シャトルと共に弁体を上流側に付勢するようにシャトルに取り付けられた弾性部材と、シャトルをガイドする第1のガイドを有し、弁体を内部に収容するスリーブと、シャトルをガイドする第2のガイドと、を備える。第1のガイドは、弁体よりも上流側に配置されている。
【0008】
本開示の一態様のポンプは、上述した逆止弁を、吸入側逆止弁及び吐出側逆止弁として有するポンプである。ポンプは、洗濯機に液剤を投入するために用いられ、第1の流路を介して液剤を吸い込み、吸い込んだ液剤を第2の流路へ吐出する。ポンプは、第1の流路と第2の流路とにそれぞれ連通するポンプ室を有する。吸入側逆止弁は、第1の流路とポンプ室との連通を開閉し、第1の流路からポンプ室へと液剤を流す。吐出側逆止弁は、ポンプ室と第2の流路との連通を開閉し、ポンプ室から第2の流路へと液剤を流す。
【0009】
本開示の一態様の洗濯機は、上述したポンプを有する液剤投入装置と、筐体内に弾性支持された外槽と、外槽に供給される液剤を収容するタンクと、を備える。第1の流路は、タンクから液剤が吐出する吐出部と連通する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、流れる液剤が固着するのを低減する逆止弁及びそれを備えたポンプ、洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示に係る実施形態1の洗濯機の模式断面図
図2】洗濯機の模式正面図
図3】自動投入ユニットの斜視図
図4】自動投入ユニットの斜視図
図5】自動投入ユニットの上面図
図6】自動投入ユニットの一部の斜視図
図7】ケースの斜視図
図8】タンク、液剤投入装置、及び液剤吐出流路の部分分解図
図9】単一のタンクと液剤投入装置の分解図
図10】単一のタンクと液剤投入装置の分解図
図11】単一のタンクと液剤投入装置の縦断面図
図12】液剤投入装置の模式縦断面図
図13】ピストンの斜視図
図14】ピストンの分解斜視図
図15】液剤の吸い込み及び吐出の流れを示す説明図
図16】液剤の吸い込み及び吐出の流れを示す説明図
図17】液剤の吸い込み及び吐出の流れを示す説明図
図18】液剤の吸い込み及び吐出の流れを示す説明図
図19】閉状態の逆止弁の縦断面図
図20】シャトルの斜視図
図21A】開状態の逆止弁の縦断面図
図21B】下流側から見た逆止弁の外観斜視図
図22】変形例によるポンプの模式縦断面図
図23】変形例によるポンプの模式縦断面図
図24】変形例1による自動投入ユニットの模式断面図
図25】変形例2による自動投入ユニットの模式断面図
図26】変形例2による液剤投入装置の模式縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
本開示の実施形態1に係る洗濯機について図を参照して説明する。
【0013】
[全体構成]
図1は、本開示に係る実施形態1の洗濯機1を示す模式断面図である。図2は洗濯機1の模式正面図である。本実施形態の洗濯機1は、液剤の自動投入機能を有する洗濯乾燥機である。本明細書にて、液剤とは、衣類等の洗濯物15を洗浄するために用いられる液剤であり、洗剤、柔軟剤、中性洗剤等を含む。
【0014】
図1に示すように、洗濯機1は、筐体2と、外槽3と、内槽4と、駆動部5と、自動投入ユニット6と、接続流路8と、給水口10と、排水弁11と、制御部(図示せず)と、を備える。
【0015】
<筐体>
筐体2は、洗濯機1の外観を形成する部材である。筐体2の前面には、開口20と、開口20を覆う開閉自在な扉21とが設けられている。
【0016】
<外槽>
外槽3は、筐体2の内部に設けられ、洗濯水を溜める機能を有する大略円筒状の部材である。外槽3は、水槽と称してもよい。外槽3は、筒部34と、筒部34の一端を閉じる底部36とを有する。外槽3の中心軸V0は、底部36の中心を通過する。中心軸V0は、水平に対して傾斜される。外槽3は、ダンパ30とコイルスプリング(図示せず)によって弾性支持され、洗濯、脱水時の振動をダンパ30とコイルスプリングによって吸収する。外槽3は、筐体2の開口20に面する位置に開口31を有し、ベローズ32によって、筐体2の開口20と密閉されて連結される。外槽3にはさらに通水のための開口33、35が設けられる。開口33は、接続流路8に接続される開口であり、開口35は外槽3の水を外部に排水するための排水口である。
【0017】
また、後述において、中心軸V0に沿った水平方向を前後方向M(図1)として、中心軸V0を含む平面に直交する水平方向を幅方向K(図2)とする。前後方向Mは、開口31に向かう前側M1と底部36に向かう後側M2を有し、幅方向Kは、中心軸V0から離れる外側K1と中心軸V0に向かう中心側K2を有する。
【0018】
<内槽>
内槽4は、外槽3の内側において中心軸V0周りで回転可能に設けられ、衣類等の洗濯物15を収容する大略円筒状の部材である。内槽4は、ドラムと称してもよい。内槽4には多数の貫通孔40が形成される。貫通孔40は内槽4と外槽3とを連通させ、洗濯水が内槽4から外槽3へ、及び、外槽3から内槽4に移動することを可能にする。内槽4はさらに、筐体2の開口20及び外槽3の開口31に面する位置に、開口41を有する。
【0019】
<駆動部>
駆動部5は、内槽4を回転駆動させる部材である。駆動部5は例えば、内槽4を回転させる動力部を有する。動力部は、例えば、モータを有する。
【0020】
<自動投入ユニット>
自動投入ユニット6は、所定量の液剤を、液剤を貯蔵するタンクから、外槽3に自動で投入するためのユニットである。自動投入ユニット6は、液剤を手動投入しない場合に、洗い工程やすすぎ工程等の際に、例えば、洗濯物15の量や種類に応じて、適切な種類の液剤を適切な量において、外槽3に投入する。自動投入ユニット6は、液剤を外槽3に供給するために、接続流路8を介して外槽3に接続される。
【0021】
自動投入ユニット6は、ケース61と、タンク62A、62B、62C(図3)と、液剤投入装置63A、63B、63C(液剤投入装置63B、63C図示せず)と、液剤吐出流路64と、手動投入部65と、給水電磁弁66を備える。
【0022】
図2に示すように自動投入ユニット6は、筐体2の内部において、外槽3の斜め上方に設けられる。ケース61の底面55は、外槽3の筒部34の外周に沿った形状を有する。底面55は、外側K1に向かって下方に傾斜される。さらに、図1に示すように、底面55は、後側M2に向かって下方に傾斜される。自動投入ユニット6の上部は、筐体2の上面に設けられた開閉可能なカバー60に面する。
【0023】
<接続流路>
接続流路8は、自動投入ユニット6から外槽3へ液剤を流すための流路である。接続流路8は、自動投入ユニット6の液剤出口81から外槽3の開口33まで下方に延びる。
【0024】
<給水口>
給水口10は、自動投入ユニット6を介して外槽3に水を供給するホースを接続するための接続口である。給水口10は、筐体2の上部に設けられる。
【0025】
<排水弁>
排水弁11は、開閉可能に構成され、開かれると、外槽3に溜められた水を外槽3の開口35を通じて排水するための弁である。排水弁11は、筐体2の下部に設けられる。
【0026】
<制御部>
制御部(図示せず)は、洗濯機1の運転を制御する部材である。制御部は、駆動部5、自動投入ユニット6の液剤投入装置63A、63B、63C、給水口10、及び排水弁11等の洗濯機1の構成要素を制御する。制御部は、例えば、プログラムを記憶したメモリ(図示せず)と、CPUなどのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)とを備え、プロセッサがプログラムを実行することでこれらの要素として機能してもよい。
【0027】
続いて、自動投入ユニット6の構成要素について、図3から図6を参照しながら説明する。図3及び図4は、自動投入ユニット6の斜視図である。図5は、自動投入ユニット6の上面図である。図6は、自動投入ユニット6の一部の斜視図である。
【0028】
<ケース>
図3に示すように、ケース61は、自動投入ユニット6を構成するタンク62A、62B、62Cと、手動投入部65と、を収容する部材である。ケース61の底面55は、点線によって模式的に示す外槽3の外郭に沿って、外側K1に傾斜している。ケース61の上部は開口している。
【0029】
ここで、ケース61の前側M1の面を前面56として、ケース61の後側M2の面を背面57とする。図4及び図6に示すように、ケース61の背面57には、液剤投入装置63A、63B、63C(図6)と、液剤吐出流路64と、給水電磁弁66(図4)と、接続流路8(図4)とが接続される。
【0030】
図5に示すように、ケース61の上部には、供給流路67が形成される。供給流路67は、ケース61の外周に沿って、複数の独立した経路を形成する。それぞれの経路は、水を給水電磁弁66からケース61の内部に供給する。
【0031】
<タンク>
ケース61には、3つのタンク62A、62B、62Cが幅方向Kに並んで配置された状態で収容される。タンク62A、62B、62Cは、洗い工程及びすすぎ工程で使用する液剤を貯蔵する容器である。タンク62A、62B、62Cは、略直方体の形状を有し、略直方体の長手方向は前後方向Mと平行である。
【0032】
タンク62A、62B、62Cは、ケース61から取り外し可能である。ケース61から手動投入部65を取り出した状態において、ケース61の前側M1に空いたスペースがある。これにより、タンク62A、62B、62Cを前側M1に引いて液剤投入装置63A、63B、63C(図6)から取り外し、上方に取り出すことができる。
【0033】
<液剤投入装置>
図6に示すように、液剤投入装置63A、63B、63Cは、タンク62A、62B、62Cから既定量の液剤を吸い出して、液剤吐出流路64に吐出する装置である。液剤投入装置63A、63B、63Cは、ケース61の背面57を介して、それぞれのタンク62A、62B、62Cに接続される。タンク62Aには液剤投入装置63Aが接続され、タンク62Bには液剤投入装置63Bが接続され、タンク62Cには液剤投入装置63Cが接続される。液剤投入装置63A、63B、63Cは、幅方向Kに並んで配置される。
【0034】
ケース61、タンク62A、62B、62C、及び液剤投入装置63A、63B、63Cの詳細構造については後述する。
【0035】
<液剤吐出流路>
図6に示すように、液剤吐出流路64は、液剤及び水を、ケース61を介して外槽3に供給する流路部材である。液剤吐出流路64は、ケース61の背面57に設けられ、3つの液剤投入装置63A、63B、63Cに接続される。液剤吐出流路64は、外側K1に向かって下方に傾斜して延びる。液剤吐出流路64を流れる流体は、液剤吐出流路64の傾斜に応じて一方向に流れる。
【0036】
<手動投入部>
図5に示すように、手動投入部65は、洗濯運転の度に、使用者が1回分の洗濯処理剤としての液剤を、手動で投入するための機構である。手動投入される液剤は、投入された量において、ケース61から接続流路8(図1)を介して外槽3(図1)に流入する。手動投入部65に投入される液剤は、液体または粉末状であってもよい。手動投入部65は、ケース61内において、タンク62A、62B、62Cの前側M1で、取り外し可能に収容される。
【0037】
<給水電磁弁>
図4及び図5に示すように、給水電磁弁66は、3つの電磁弁によって構成され、それぞれの弁の開閉によって、給水先となる供給流路67(図5)の経路を変更する。水は、ケース61を介して外槽3に流入する。
【0038】
続いて、自動投入ユニット6のケース61の構造について、図7を参照しながらより詳細に説明する。図7はケース61の斜視図である。
【0039】
図7に示すように、ケース61は、内底面B1、B2、B3を有する。内底面B1、B2、B3は外側K1に沿って順番に並ぶ。内底面B1は、タンク62A(図6)の直下に位置する面であり、内底面B2は、タンク62B(図6)の直下に位置する面であり、内底面B3は、タンク62C(図6)の直下に位置する面である。言い換えれば、内底面B1、B2、B3はそれぞれタンク62A、62B、62Cを収容するそれぞれの領域を形成する。
【0040】
ケース61の背面57には、タンク接続口77A、77B、77Cと、第1ケース接続口78と、第2ケース接続口79と、液剤出口81とが形成される。
【0041】
タンク接続口77A、77B、77Cは、ケース61に収容されたタンク62A、62B、62Cと、ケース61の外部に配置された液剤投入装置63A、63B、63Cとの接続のために設けられた開口である。
【0042】
また、第1ケース接続口78は、供給流路67から流れる水を液剤吐出流路64に流入させる開口である。第2ケース接続口79は、液剤吐出流路64からの水と、自動投入される液剤をケース61に流入させる開口である。液剤出口81は、第2ケース接続口79ケース61に流入した流体と、手動投入部65からの流体を、接続流路8を通じて外槽3に向かって排出する開口である。第1ケース接続口78は、第2ケース接続口79より高い位置に設けられる。
【0043】
ここで、タンク62A、62B、62Cの容積について説明する。図5に戻ると、タンク62A、62B、62Cの上面は共通した形状を有する。タンク62A、62B、62Cの幅方向K及び前後方向Mにおける寸法は互いに一致してもよい。上面の形状が共通しているため、タンク62A、62B、62Cの容積は、それぞれの深さに応じて、外側K1に沿って増加する。
【0044】
3つのタンク62A、62B、62Cには、異なるまたは同一の液剤が収容されてもよい。液剤の種類及びタンク62A、62B、62Cの容積を考慮して、液剤の使用頻度が低いものから順に、タンク62A、62B、62Cに収容されてもよい。例えば、タンク62Aには中性洗剤が貯蔵され、タンク62Bには柔軟剤が貯蔵され、タンク62Cには洗剤が貯蔵される。
【0045】
続いて、タンク62A、62B、62Cに接続される液剤投入装置63A、63B、63Cについて、図8を参照しながらより詳細に説明する。図8は、タンク62A、62B、62C、液剤投入装置63A、63B、63C、及び液剤吐出流路64の部分分解図である。図9は、タンク62A、62B、62C、液剤投入装置63A、63B、63C、及び液剤吐出流路64の背面図である。ここで、タンク62、液剤投入装置63、及び接続部76を、それぞれ、タンク62A、62B、62C、液剤投入装置63A、63B、63C、及び接続部76A、76B、76Cの総称とする。
【0046】
図8に示すように、タンク62の接続部76の深さの変化に応じて、液剤投入装置63A、63B、63Cは、外側K1に低くなる。液剤投入装置63の後述する液剤流入口91が、タンク62の短手方向を含む面に形成された接続部76に対向するように、液剤投入装置63A、63B、63Cは配置される。本実施形態では、液剤投入装置63A、63B、63Cは階段状に配置される。
【0047】
さらに、タンク62は、本体87と蓋88とを備える。本体87の上部は開口しており、蓋88に覆われている。蓋88は、本体87に取り外し可能に保持される。前述のように、タンク62の上面は共通の形状を有しており、よって、本体87の上面は共通の形状を有する。また、蓋88を保持するための構造も共通である。そのため、それぞれのタンク62の蓋88を共通で形成することが可能であり、蓋88は交換可能である。より具体的には、任意のタンク62A、62B、62Cの蓋88は、他のタンク62A、62B、62Cにも取り付け可能である。一方で、蓋88に付される色、模様、文字等、その他タンク62の識別性を向上させる表示は、異なってもよい。蓋88は、タンク62の前側M1に、蓋88に対して開閉可能な小蓋88Aを有する。
【0048】
1つの任意のタンク62に接続された液剤投入装置63を例として、図9図10図11を参照しながら、1つの液剤投入装置63の構造についてより詳細に説明する。図9は、単一のタンク62と液剤投入装置63の分解図である。図10は、単一のタンク62と液剤投入装置63の分解図である。図11は、外側K1から見た液剤投入装置63の模式断面図である。
【0049】
図9及び図10に示すように、液剤投入装置63は、前後方向Mに沿ってタンク62の背面90に着脱可能に接続される。言い換えれば、タンク62と、タンク62に接続された液剤投入装置63は、それぞれ前後方向Mに沿って配置される。
【0050】
図9に示すように、液剤投入装置63は、動力部71と、減速機構72と、ポンプ73と、接続部材94とを備える。動力部71は、減速機構72を回転軸V1の周りで回転駆動する電子部品である。減速機構72は、動力部71の周囲に配置されており、複数の減速ギア(図示せず)と、動力部71より小さい回転速度を回転する出力軸V2とを備える機構である。出力軸V2は、回転軸V1と平行である。減速機構72を設けることによって、汎用の動力部71を液剤投入装置63に適用することができ、自動投入ユニット6のコストを抑えることができる。動力部71と減速機構72とは、併せてモータと称してもよい。減速機構72の出力軸V2、即ちモータは、偏心カムを介して、幅方向Kからポンプ73に接続される。ポンプ73は、タンク62からの液剤を吸い上げて吐出する容積型ポンプである。動力部71の回転軸V1が回転すると、減速機構72の出力軸V2が回転し、ポンプ73における後述するピストン83が上下運動する。
【0051】
接続部材94は、液剤投入装置63をタンク62に接続する部材である。接続部材94は、内部にタンク62からポンプ73のポンプ室84へ液剤が流れる入口流路85の一部である第1の流路85aを含む。入口流路85は、接続部材94内に形成された第1の流路85aと、ポンプケース93内に形成された第3の流路84fとで構成される。
【0052】
接続部材94の一方は、ポンプ73のポンプケース93に固定されており、他方はタンク62の接続部76に着脱可能である。このように、接続部材94が、ポンプケース93に直接接続されている場合、第1の流路85aをより短くすることができる。
【0053】
接続部材94は、タンク62において、液剤が吐出する吐出部としても機能する接続部76に配置されたタンク吐出弁62dを閉状態から開状態へ移動させるピン94aを有する。接続部材94がタンク62の接続部76に装着されると、接続部材94のピン94aが、逆止弁であるタンク吐出弁62dをタンク62の前面側へ移動させる。これにより、タンク吐出弁62dが閉状態から開状態へ変化し、タンク62内の液剤の圧力により液剤が接続部76から第1の流路85aへ流れる。
【0054】
ポンプ73について図12を参照してより詳細に説明する。ポンプ73は、ピストン83と、ポンプ室84と、ポンプケース93と、吸入側逆止弁95と、吐出側逆止弁96と、を備える。
【0055】
ピストン83は、減速機構72の出力軸V2に接続され、出力軸V2の回転に伴ってポンプ室84内を、第1の運動方向N1と、第2の運動方向N2とに、往復運動する部材である。例えば、第1の運動方向N1は上方向であり、第2の運動方向N2は下方向であるので、ピストン83の往復運動方向Nは、に上下方向である。また、ピストン83の往復運動方向Nは、上下方向に限らず、水平方向でもよいし、傾斜方向でもよい。可動部としてのピストン83の往復運動により、ポンプ室84内の内圧が変動する。ピストン83は、シール83eを介してポンプケース93と接続している。
【0056】
固定部としてのポンプケース93は、ポンプ室84を内部に有し、さらに、第3の流路84fと、吐出側逆止弁96が配置される第2の流路86とを有するケースである。ポンプ室84は、ポンプケース93とピストン83とに囲まれた空間であり、液剤が吸い上げられる空間S1と、吸入側逆止弁95が配置される第3の流路84fと、を有する。ポンプケース93は、ピストン83の摺動面83dと対向するシリンダ84aと、ピストン83の底面83aと対向する底面84bとを有する。ポンプ室84において、ピストン83の底面83aと、シリンダ84aと、底面84bとで囲まれた空間に、第3の流路84fから液剤が吸い上げられる。
【0057】
入口流路85は、液剤流入口91を通じてタンク62から液剤を吸い上げるために、タンク62とポンプ室84の下部とを接続する流路である。液剤流入口91はタンク62の接続部76に挿入される。第2の流路86は、ポンプ室84内の液剤を液剤吐出流路64に排出するため、ポンプ室84の下部と液剤吐出流路64とを接続し、上下方向に延びる流路である。入口流路85がタンク62の接続部76から吸入側逆止弁95まで、直線状に配置されているので、入口流路85をより短くすることができる。本実施形態では、入口流路85は、水平に配置されているが、数度程度の傾斜を有して配置されてもよい。吸入側逆止弁95は、第1の流路85aからポンプ室84への一方向にだけ液剤の通過を可能にする。また、吐出側逆止弁96は、ポンプ室84から第2の流路86への一方向にだけ液剤の通過を可能にする。
【0058】
ポンプ室84においてシリンダ84aの一部及びポンプケース93の底面84bの一部に、第3の流路84fと連通する吸入側の開口84cが形成されている。断面視で、ポンプケース93の底面84bと、ピストン83の下死点におけるピストン83の底面83aとの間に、第3の流路84fの一端部84faが位置する。別の言い方をすると、第3の流路84fの径方向のピストン83側の端部と、ポンプケース93の底面84bと、ピストン83の下死点におけるピストン83の底面83aとが略同一高さに位置する。これにより、第3の流路84fを短くすることができ、液剤の吸い込み揚程を低減することができるので、粘度の高い液剤であっても安定した液剤の吐出量を実現することができる。なお、ポンプケース93の底面84bと、ピストン83の下死点におけるピストン83の底面83aとの間とは、ポンプケース93の底面84bの位置及びピストン83の下死点におけるピストン83の底面83aの位置も含まれる。したがって、第3の流路84fの一端部84faが、ピストン83の下死点におけるピストン83の底面84bと同一平面に位置する場合や、第3の流路84fの一端部84faが、ポンプ室84におけるピストン83の底面83aと対向する底面84bと同一平面に位置する場合も含まれる。
【0059】
第3の流路84fの一端部84faは、ポンプケース93のシリンダ84aに接続し、第3の流路84fの他端部84fbが、ピストン83の第2の運動方向N2側に対向するポンプケース93の底面84bに接続する。ポンプケース93は、吸入側逆止弁95の開閉方向と対向する曲げ部84eを有する。したがって、曲げ部84eは、第1の流れ方向F1とも対向する。曲げ部84eは、例えば、曲面であり、その両端部として接続部分84ea及び他端部84fbを有する。断面視で、ポンプケース93における第1の流れ方向F1と平行な面84gと接続する、曲げ部84eの接続部分84eaは曲率を有する。また、ピストン83の第2の運動方向N2側に対向するポンプケース93の底面84bと接続する、曲げ部84eの接続部分でもある他端部84fbも、曲率を有する。
【0060】
曲げ部84eの両端部が曲率を有するので、第3の流路84fからピストン83側に流れる液剤の剥離防止をすることができる。すなわち、曲げ部84eの両端部での渦の発生を抑制し、圧力損失が増大するのを低減することができる。また、曲げ部84eが曲面で形成されているので、直線状の斜面で形成されている場合と比べて、経路断面積の急変を防止することができ、圧力損失の増大を低減することができる。
【0061】
また、ポンプケース93の底面84bの一部に、第2の流路86と連通する吐出側開口84dが形成されている。断面視で、第3の流路84fの一端部84faは、閉じた状態の吐出側逆止弁96のポンプ室84側の端部よりもピストン83側に位置する。これにより、第3の流路84fの一端部84faと、ピストン83の底面83aと、吐出側逆止弁96のポンプ室84側の端部とを近接することができるので、第3の流路84fの出口から吐出側逆止弁96までの経路を短くすることができ、液剤の圧力損失を小さくすることができる。この結果、ピストン83が受ける負荷を小さくすることができ、液剤の吐出量をより安定化することができる。また、吸入側開口84cは吐出側開口84dよりも大きいので、液剤をポンプ室84へ吸い込むときの圧力損失を低減することができる。
【0062】
吸入側逆止弁95は、ピストン83が下死点から上昇することによりポンプ室内の圧力が負圧になると、開状態になる。吸入側逆止弁95が開状態になると、第1の流路85aからポンプケース93内の第3の流路84f内に液剤が流れ込み、さらに、ポンプ室84に吸い上げられる。ピストン83が上死点から下降することにより、ポンプ室84内の圧力が正圧になり、吸入側逆止弁95が閉状態になる。
【0063】
第2の流路86には、吐出側逆止弁96が配置されている。吐出側逆止弁96は、ピストン83が下死点から上昇することによりポンプ室84内の圧力が負圧になると、閉状態になる。ピストン83が上死点から下降することにより、ポンプ室84内の圧力が正圧になり、吐出側逆止弁96が開状態になる。吐出側逆止弁96が開状態になると、ポンプ室84に吸い上げられた液剤が液剤吐出流路64に排出される。
【0064】
ポンプ73において、吸入側逆止弁95による液剤の吸い込み方向と、吐出側逆止弁96による液剤の吐出方向とが、交差するので、第1の流路85aの途中で経路を曲げるよりも、液剤の吸い込み方向からピストン83側へ曲げられた流路を短くすることができ、液剤の吸い込み揚程をより小さくすることができる。また、タンク62からポンプ室84までの入口流路85とポンプ室84から液剤が吐出される第2の流路86が同一平面に存在し、かつ、入口流路85と第2の流路86とが平行でない場合、タンク62から液剤の直線的な流れに沿って吸入側逆止弁95を配置することができ、液剤の吸い込み揚程をより小さくすることができる。本実施形態では、吸入側逆止弁95による液剤の吸い込み方向と、吐出側逆止弁96による液剤の吐出方向とは直交している。
【0065】
吸入側逆止弁95は、開状態または閉状態において、その一部が、ピストン83を第2の運動方向N2へ投影した投影領域Arに含まれる。これにより、ピストン83と吸入側逆止弁95との距離を短くすることができ、第3の流路84fからピストン83と底面84bとの間の空間S1への液剤の吸い込み揚程を小さくすることができる。
【0066】
次に、図13及び図14を参照してピストン83の説明をする。図13はピストンの斜視図であり、図14はピストンの分解斜視図である。
【0067】
ピストン83は、ピストン本体83bと、蓋83cとを有する。ピストン本体83bは、底部に凹部83baを有する。蓋83cは、凹部83baを覆うように固定されている。ピストン本体83b及び蓋83cはどちらも樹脂製であり、例えば、ポリアセタール樹脂(POM)である。
【0068】
ピストン本体83bの底部に凹部83baを有することで、ピストン本体83bを金型成形により作成する場合でも寸法精度を高く形成することができる。しかしながら、ピストン本体83bだけで往復運動する場合、凹部83baに空気が溜まり、吸い上げる液剤量のばらつきの要因の1つになる。そこで、凹部83baに蓋83cを超音波により溶着することで、空気の溜まる凹部83baを閉じることができ、吸い上げる液剤量のばらつきを低減することができる。
【0069】
[動作]
以上のような構成において、次に自動投入ユニット6の動作の一例について、図4図6、及び図15図18を参照して説明する。図15図18は、液剤の吸い込み及び吐出の流れを示す説明図である。
【0070】
自動投入ユニット6は、洗濯機1の洗い工程と、すすぎ工程との際に動作する。自動投入ユニット6の動作は、制御部によって制御される。制御部は、例えば、給水電磁弁66の開閉、及び投入する液剤の種類、投入量や投入のタイミング等を制御する。
【0071】
洗い工程及びすすぎ工程において、自動投入ユニット6は、外槽3に水及び液剤を供給する。洗い工程において、洗剤の自動または手動投入を実行するために、図4において、給水電磁弁66の第1電磁弁(図示せず)が開放される。図6において、ケース61に流入した水は、液剤出口81から接続流路8を通じて外槽3に流入する。
【0072】
続いて、自動投入される液剤の流れについて、詳細に説明する。選択された運転コースに基づいて、制御部からの指令により、対応する液剤が収容されるタンク62に接続される液剤投入装置63が駆動される。図12に示すように、液剤投入装置63における動力部71が回転し、動力部71の回転が、減速機構72を介して減速され、ポンプ73のピストン83に伝達される。
【0073】
図15に示すように、ピストン83が下死点P1の位置にいる状態では、ポンプ室84内の液剤からの圧力により、吸入側逆止弁95が閉じた状態であるので、第1の流路85aの液剤は、吸入側逆止弁95から第3の流路84fに流れることができない。
【0074】
図16に示すように、ピストン83が下死点P1から第1の運動方向N1の方向に上昇すると、ポンプ室84内が負圧になるので、吸入側逆止弁95が開いた状態になり、吐出側逆止弁96は閉じた状態になる。これにより、接続部材94の第1の流路85aの液剤がポンプケース内93内の第3の流路84fに流入し、さらに、開口84cを通ってポンプ室84に吸い上げられる。吸い上げられた液剤はポンプ室84に貯められる。
【0075】
図17に示すように、ピストン83が上死点P2に上昇すると、ポンプ室84内への液剤の吸い上げが停止する。
【0076】
図18に示すように、ピストン83が上死点P2から第2の運動方向N2に下降すると、ポンプ室84内が正圧になるので、吸入側逆止弁95が閉じた状態になり、吐出側逆止弁96は開いた状態になる。これにより、ポンプ室84内に吸い上げられた液剤は、第3の流路84fの方に流れることができないので、ポンプ室84から開口84dを通って、第2の流路86へ吐出される。第2の流路86へ吐出された液剤は液剤吐出流路64に流れる。
【0077】
図6に示すように、液剤は、傾斜された液剤吐出流路64を重力に沿って流れる。液剤は、液剤吐出流路64において、流れる水と合流してもよい。液剤は、図7に示す第2ケース接続口79からケース61の投入流路(図示省略)を経て液剤出口81に導かれ、接続流路8を介して外槽3に流入する。
【0078】
ポンプ73のピストン83が下死点P1まで下降すると、再び図15に示すように、第2の流路86への液剤の吐出が停止する。
【0079】
また、選択された運転コースに基づいて、外槽3に投入される液剤が決定される。運転コースとして洗いが選択されると、洗い工程における制御部12の動作によって、洗剤が収容されるタンク62C(図9)に接続される液剤投入装置63C(図9)が駆動される。運転コースとしておしゃれ着洗いが選択されると、中性洗剤が外槽3に投入されてもよい。この場合、中性洗剤が収容されるタンク62Aの液剤投入装置63Aが駆動される。すすぎ工程の場合、制御部の動作によって、柔軟剤S2が収容されるタンク62Bの液剤投入装置63Bが駆動される。
【0080】
洗い工程及びすすぎ工程を繰り返すと、タンク62に収容される液剤の量が減少する。洗濯機1の使用者は、タンク62に液剤を補充することができる。タンク62がケース61に配置された場合において、図8に示すように、小蓋88Aを開けて、液剤を補充することができる。一方で、タンク62をケース61から取り出した場合において、蓋88を取り外して、または小蓋88Aを開けて、液剤を補充することができる。
【0081】
<逆止弁>
次に、吸入側逆止弁95及び吐出側逆止弁96の構造について図19から図21Bを参照して説明する。吸入側逆止弁95及び吐出側逆止弁96は、共に同じ構造のものを用いている。ここで、逆止弁97を、それぞれ、吸入側逆止弁95、及び吐出側逆止弁96の総称とする。図19は閉状態の逆止弁97の縦断面図であり、図20は、逆止弁のシャトルの斜視図である。図21Aは開状態の逆止弁97の縦断面図である。図21Bは下流側から見た逆止弁97の外観斜視図である。
【0082】
逆止弁97は、弁体98と、シャトル99と、弾性部材100と、第1のガイド102を有するスリーブ101と、第2のガイド103とを備える。
【0083】
弁体98は、スリーブ101内へ液剤の流入を開閉する。弁体98は、シャトル99において、径方向に凹んだ凹部99aに取り付けられており、シャトル99の直線移動と共に移動する。弁体98は、例えば、Oリングである。
【0084】
スリーブ101は、弁体98及びシャトル99を収容し、逆止弁97に流入する液剤の流路を形成する。弁体98及びシャトル99はスリーブ101に対して可動する可動体であり、スリーブ101は弁体98及びシャトル99に対して可動しない固定体として機能する。弁体98がスリーブ101の内面に当接することで逆止弁97が閉状態になる。また、弁体98がスリーブ101の内面から離れることで逆止弁97が開状態になる。
【0085】
スリーブ101は、液剤が流入する上流側の開口101aと、流入部としての開口101aから下流方向に延びシャトル99の移動をガイドする第1のガイド102と、第1のガイド102の下流側端部から径方向の外側に傾斜する第1の傾斜部101bと、第1の傾斜部101bの下流側端部からさらに外側に傾斜した第2の傾斜部101cと、第2の傾斜部101cの下流側端部から下流側に直線状に延びる円筒部101dを有する。円筒部101dは、筒状であればよいので、円筒の他にも角筒形状でもよい。スリーブ101は、例えば、樹脂製である。スリーブ101は、Oリング104を介してポンプケース93に固定されている。
【0086】
液剤が流入するスリーブ101の上流側の開口径L1が、弁体98の外径L2よりも小さい。したがって、スリーブ101へ流入する液剤の圧力を高くすることができ、シャトル99へ印加される圧力を大きくすることができる。
【0087】
シャトル99は、上流側から流れる液剤の圧力により下流側に移動し、液剤の流れがなくなると、取り付けられた弾性部材100により上流側に移動する。シャトル99は、凹部99aと、頭部99bと、リブ99cと、肩部99dと、胴部99eと、シャフト99fと、ストッパーリブ99gと、を有する。
【0088】
十字形状のリブ99cは、弁体98の上流側の頭部99bから、さらに上流側に延びている。リブ99cの外側面の一部は、スリーブ101の第1のガイド102と少なくとも一部が接触することにより、第1のガイド102に沿ってシャトル99が案内されて移動可能である。これにより、第1のガイド102は、シャトル99の必要以上の傾きを抑制する。液剤がリブ99cの十字形状に沿って流れるので、シャトル99の頭部99bを均等に押すことができる。
【0089】
弁体98が取り付けられたシャトル99において、中央部は頭部99bから下流側にかけて径方向外側に拡がり、流入側の開口径L1以上の長さを有する部分となる。シャトル99の上流側の先端99hからシャトル99の外径および弁体98の外径が流入側の開口径L1以上の長さを有する部分の下流側端部99kまでの、液剤の流れ方向における長さL5が、シャトル99の前記流れ方向における全長L6の半分よりも大きい。シャトル99の上流側の先端99hからシャトル99の外径および弁体98の外径が流入側の開口径L1以上の長さを有する部分の下流側端部99kまでは、液剤から圧力及び摩擦力を受ける部分の長さとなり、この部分の長さが全長の半分よりも大きいので、粘度の低い液剤であっても弾性部材100の弾性力に対抗してシャトル99を下流方向に押すことができる。
【0090】
シャトル99の外側面の一部は、弁体98の外径L2よりも径方向の外側にある。肩部99dは、弁体98が取り付けられている凹部99aから下流方向に円錐台形状に拡がっている。したがって、肩部99dは、弁体98が取り付けられる凹部99aよりも下流側に弁体98の外径L2よりも径方向外側に延びている。肩部99dにより、スリーブ101内の流路を狭めているので、シャトル99の肩部99dがスリーブ101の開口101aから流入した液剤の圧力を受け、胴部99eが液剤の摩擦力を受けるので、シャトル99を速く開状態にすることができる。
【0091】
また、逆止弁97を吐出側逆止弁96として用いる場合、胴部99eの周辺は空気と触れることがある。したがって、胴部99eをリブ形状とした場合液剤が固着することがあるが、胴部99eが円筒形状と単純な形状であるのでリブ形状よりも液剤の固着を低減することができる。
【0092】
弾性部材100は、シャトル99を上流方向に付勢する。弾性部材100は、例えば、コイルバネである。弾性部材100は、上流側がシャトル99の胴部99eの内側のシャフト99fに取り付けられ、下流側が第2のガイド103に取り付けられている。逆止弁97を吐出側逆止弁として用いる場合、弾性部材100の弾性力は、シリンダ84a内が正圧状態におけるピストン83による液剤の圧力と液剤の重力との合力よりも小さく設定されている。
【0093】
図21A及び図21Bに示すように、第2のガイド103は、弁体98よりも下流側に配置され、シャトル99の下部を案内する。第2のガイド103は円筒部103aと、外側円筒部103bと、リブ103cとを有し、円筒部103aの中にシャトル99のシャフト99fの下部が挿入されている。したがって、弁体98の開閉に伴って円筒部103a内をシャトル99が直線方向に往復移動する。第2のガイド103の径方向外側の外側円筒部103bは、スリーブ101の円筒部101dの下部に嵌め合わされている。リブ103cは、外側円筒部103bと円筒部103aとを接続し、円筒部103aを支持している。逆止弁97へ流入した液剤は、円筒部103a、外側円筒部103b、及びリブ103cに囲まれた開口105から吐出される。
【0094】
逆止弁97は、第1のガイド102に加えて第2のガイド103を有していることで、シャトル99の下部を支持することができ、シャトル99が移動する際のがたつきを抑制することができる。このように、シャトル99の上流側と下流側の2箇所でガイドすることによって、シャトル99及び弁体98の並進性を確保し、弁体98のシール性を向上することができる。また、逆止弁97を吐出側逆止弁96として用いる場合、円筒部103aの周辺は空気と触れることがあるので、円筒部103aに液剤が固着する場合がある。円筒部103aが液剤の流れる方向に沿って延びているので、液剤の移動方向を遮る方向に固着することがない。したがって、円筒部103aに液剤が固着したとしても、固着を引き剥がすために必要な力が小さいので、次に液剤が流れるときに液剤の固着が剥がされる。また、円筒部103aとシャトル99とは遊嵌して摺動するように形成されているので、円筒部103aと外側円筒部103bとの間隙にシャトル99が位置することもない。また、液剤吐出流路64を流れる水の跳ね返りによって円筒部103a及びリブ103cが洗われるので、液剤が円筒部103a及びリブ103cに固着するのを防止することができる。
【0095】
スリーブ101の上流側の開口径L1を小さくすることで、スリーブ101に流入する液剤の圧力を高めることができ、特に、粘度の低い液剤が流れてくる場合でも、シャトル99のストロークを増加することができる。これにより、開状態の弁体98とスリーブ101の第1の傾斜部101b及び第2の傾斜部101cとの間の距離を確保することができ、液剤中に混入した異物が挟まるのを防止することができる。なお、タンク62内には異物を除去するフィルタが配置されており、開状態の弁体98とスリーブ101の第1の傾斜部101b及び第2の傾斜部101cとの間の距離は、このフィルタの孔の大きさ以上の長さであるので、フィルタを通り抜けた異物が挟まるのを防止することができる。フィルタの孔の直径は例えば、0.6mmである。
【0096】
本実施の形態では、逆止弁97において、スリーブ101は、弁体98及びシャトル99に対して可動しない固定体として機能していたが、これに限らない。ポンプ73のポンプ室84と連続または接続されたポンプケース93をスリーブ101の代わりに固定体として用いてもよい。
【0097】
[効果]
実施形態1に係る逆止弁97によれば、以下の効果を奏することができる。
【0098】
上述したように、本実施形態の逆止弁97は、弁体98と、弁体98が取り付けられたシャトル99と、シャトル99と共に弁体98を上流側に付勢するようにシャトル99に取り付けられた弾性部材100と、シャトル99をガイドする第1のガイド102を有し、弁体98を内部に収容するスリーブ101と、シャトル99をガイドする第2のガイド103と、を備える。第1のガイド102は、弁体98よりも上流側に配置されている。
【0099】
第1のガイド102が、弁体98よりも上流側に配置されているので、第1のガイド102は常に液剤が充填されているので、第1のガイド102が空気に触れることがなく、液剤が第1のガイド102に固着するのを防ぐことができる。したがって、液剤が固着するのを低減することができ、逆止弁97の信頼性を向上させることができる。また、逆止弁97は、第1のガイド102に加えて第2のガイド103を有していることで、シャトル99を2カ所で支持することができ、シャトル99が移動する際のがたつきを抑制することができる。
【0100】
また、スリーブ101は、液剤が流入する上流側の開口101aと、開口101aの下流に形成され、シャトル99を内包する円筒部103aと、を備え、開口101aの開口径L1は、円筒部101dの内径の最大値L4の半分よりも小さい。これにより、スリーブ101に流入する液剤の圧力を大きくすることができ、シャトル99を下流方向に速く押し下げることができる。特に、液剤の粘度が低い場合、スリーブ101に流入する液剤の圧力が小さいので有効である。
【0101】
シャトル99の外側面の一部が弁体98の外径L2よりも径方向の外側にある。これにより、スリーブ101内に流入した液剤から受ける力を大きくすることができる。
【0102】
また、弁体98が取り付けられたシャトル99において、シャトル99の上流側の先端99hからシャトル99の外径および弁体98の外径が流入側の開口径L1以上の長さを有する部分の下流側端部99kまでの、液剤の流れ方向における長さL5が、シャトル99の前記流れ方向における全長L6の半分よりも大きい。このように、液剤の流れ方向において、シャトル99における、液剤から圧力及び摩擦力を受ける部分の長さが、全長の半分よりも大きいので、粘度の低い液剤であっても弾性部材100の弾性力に対抗してシャトル99を下流方向に押すことができる。
【0103】
シャトル99は、弁体98が取り付けられる凹部99aよりも下流側に弁体98の外径L2よりも径方向外側に延びる肩部99dと、肩部99dの下流側端部から下流側に延びる胴部99eと、を有する。シャトル99の肩部99dがスリーブ101の開口101aから流入した液剤の圧力を受け、さらに胴部99eが液剤の摩擦力を受けるので、シャトル99を閉状態から開状態へ速く移動させることができる。胴部99eの下流側端部99kは、第2のガイド103の円筒部103aの上端よりも上流側に位置している。
【0104】
シャトル99は、弁体98が取り付けられる凹部99aよりも上流側に十字状形状のリブ99cを有する。シャトル99の頭部99bに十字状形状のリブ99cが形成されているので、流入した液剤がリブ99cの形状に沿ってシャトル99の頭部99bに圧力を加えるので、シャトル99を下流方向に均等に押し下げることができる。
【0105】
本実施形態のポンプ73は、逆止弁97を、吸入側逆止弁95及び吐出側逆止弁96として有する。ポンプ73は、洗濯機1に液剤を投入するために用いられ、第1の流路85aを介して液剤を吸い込み、吸い込んだ液剤を第2の流路86へ吐出する。ポンプ73は、第1の流路85aと第2の流路86とにそれぞれ連通するポンプ室84を有する。吸入側逆止弁95は、第1の流路85aとポンプ室84との連通を開閉し、第1の流路85aからポンプ室84へと液剤を流す。吐出側逆止弁96は、ポンプ室84と第2の流路86との連通を開閉し、ポンプ室84から第2の流路86へと液剤を流す。
【0106】
本実施形態の洗濯機1は、ポンプ73を有する液剤投入装置63と、筐体2内に弾性支持された外槽3と、外槽3に供給される液剤を収容するタンク62と、を備える。第1の流路85aは、タンク62から液剤が吐出する接続部76と連通する。
【0107】
このような構成によって、液剤投入装置63は、液剤の固着を低減することができるポンプ73を有しているので、洗濯機1は、液剤投入装置63において、信頼性を向上させることができる。
【0108】
なお、本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0109】
なお、実施形態1において、自動投入ユニット6が3つのタンク62を有する場合について説明したが、このような場合に限定されない。自動投入ユニット6が2つのタンク62または4つ以上のタンク62を有してもよい。
【0110】
なお、実施形態1において、ポンプ73がピストンポンプとして説明したが、これに限定されない。ポンプ73は、容積型ポンプであればよいので、例えば、図22及び図23に示すように、べローズポンプであってもよい。
【0111】
図22及び図23は、変形例におけるポンプ473を示す模式縦断面図である。図22は下死点P1に位置している可動部482を示し、図23は上死点P2に位置している可動部482を示す。
【0112】
ポンプ473は、ベローズポンプである。ポンプ473は、往復運動方向Nに沿って移動する可動部482を備える。可動部482は、出力軸V2の回転によって往復運動するロッド482aと、ロッド482aの往復運動により伸縮する、蛇腹形状のベローズ483と、ロッド482aの下端と接続し、ポンプケース493の底面84bと対向する面483aと、を有する。ベローズ483の一端は面483aと接続し、他端はポンプケース493に連続に接続されている。可動部482は、第1の運動方向N1と第2の運動方向N2に往復運動することでポンプ室484の容積を拡大及び縮小させる。
【0113】
なお、実施形態1において、タンク62と液剤投入装置63との接続方向が前後方向Mであると説明したが、これに限定されない。例えば、後述の変形例1のように、タンク62と液剤投入装置63との接続方向は上下方向に沿ってもよい。
【0114】
[変形例1]
図24は、変形例1による自動投入ユニット106の模式断面図である。図24に示すように、変形例1では、ケース161からタンク162を上下方向(Z方向)に取り外す点において、実施形態1の自動投入ユニット6と異なる。タンク162を上下方向に取り外すためには、液剤投入装置163と接続する接続部176は、タンク162の底面に配置される。変形例1において、液剤投入装置163はタンク162の下方に配置される。下方に直線状に延びる接続部材194が、タンク162の底面に配置された接続部176とポンプ73のポンプ室84とに接続されているので、入口流路185がタンク162から下方向に延びている。変形例1のシリンダ84aは水平方向(X方向)に沿って延び、ピストン83の第1の運動方向及び第2の運動方向は水平方向である。変形例1の吸入側逆止弁95の開閉方向は上下方向であり、吐出側逆止弁96の開閉方向は水平方向である。このような構成においても、吸い込み揚程を低減し液剤の吐出量の安定化を実現できる。
【0115】
なお、実施形態において、液剤投入装置63が、出口側において、液剤吐出流路64に接続される例について説明したが、これに限定されない。例えば、後述の変形例2のように、液剤投入装置63は、出口側において、タンク62の直下におけるケース61に接続されてもよい。
【0116】
[変形例2]
図25は、変形例2による自動投入ユニット206の模式断面図である。図25に示すように、変形例2では、液剤投入装置263が、出口側において、直接ケース261に接続される点において、実施形態1の自動投入ユニット6と異なる。このような構成においても、吸い込み揚程を低減し液剤の吐出量の安定化を実現できる。また、実施形態1の液剤吐出流路64を設ける代わりに、ケース261において、タンク262の直下の内底面B200が液剤吐出流路264を形成する。このような構成によって、自動投入ユニット206の構造を簡略化し、部品点数及び製造コストを抑えることができる。
【0117】
変形例2において、液剤投入装置263は、ポンプ273がタンク262の下方に配置されている。L字形状の接続部材294が、タンク262の接続部76とポンプ273のポンプ室284に接続されているので、入口流路285がタンク262から水平方向に延び、さらに下方に延びている。変形例2のピストン83の第1の運動方向は下方向であり、第2の運動方向は上方向である。変形例2の吸入側逆止弁295の開閉方向は上下方向であり、吐出側逆止弁296の開閉方向は水平方向である。
【0118】
図26は、変形例2による液剤投入装置263の模式縦断面図である。ポンプ273は、吐出側逆止弁296から第2の流路286へ液剤が流れる第2の流れ方向F2と、第2の運動方向N2との第2の関係において、第2の流れ方向F2と第2の運動方向N2とが異なる。このような構成によって、実施形態1と同様に、第2の流路286とピストン83の運動方向との異方向構成をポンプ273自体に内包することで、タンク262と、液剤投入装置263と、第2の流路286より下流の経路との収納を省スペース化することができる。また、異方向構成をポンプ273自体に内包することで、タンク262からポンプ273を経て第2の流路286まで流れる液剤の圧力損失を低減するポンプ273の最適なレイアウトを選択することができる。また、洗濯機1用のこのようなポンプ273を用いることで、タンク262と、液剤投入装置263と、第2の流路286より下流の経路との収納を省スペース化することができる。
【0119】
第2の流路286の一端部284faが、ポンプケース293に接続し、第2の流路286の他端部284fbが、ポンプケース293の底面284bに接続する。第2の流路286の一端部284faは、ポンプケース293の第1の面としての底面284bと、ピストン83の下死点におけるピストン83の第2の運動方向N2側との間に位置する。
【0120】
第2の流れ方向F2と第2の運動方向N2とが異なる場合、吐出側逆止弁296は、開状態または閉状態において、その一部が、ピストン83を第2の運動方向N2へ投影した投影領域Arに含まれる。これにより、ピストン83と吐出側逆止弁296との距離を短くすることができ、ピストン83と底面284bとの間の空間S1から吐出側逆止弁296へ圧力損失を小さくすることができる。
【0121】
また、第2の流れ方向F2と第2の運動方向N2とが異なる場合、ポンプケース293は、第2の流れ方向F2の逆方向と対向する曲げ部284eを有する。曲げ部284eは、ポンプケース293における第2の流れ方向F2と平行な面284gと接続する接続部分284ea、及び、底面284bと接続する他端部284fbを有する。接続部分284ea、及び、他端部284fbは、曲率を有する。
【0122】
曲げ部284eの両端部が曲率を有するので、ピストン83と底面284bとの間の空間S1から吐出側逆止弁296に流れる液剤の剥離防止をすることができる。すなわち、曲げ部284eの両端部での渦の発生を抑制し、圧力損失が増大するのを低減することができる。また、曲げ部284eが曲面で形成されているので、直線状の斜面で形成されている場合と比べて、経路断面積の急変を防止することができ、圧力損失の増大を低減することができる。
【0123】
第1の関係における第1の流れ方向F1と第1の運動方向N1とが同じ場合、ポンプケース293の底面284bの一部に、吸入側逆止弁295が配置されている空間(第3の流路284f)とピストン83とポンプケース293の底面284bとの間の空間S1とを連通する吸入側の開口84cが形成されている。
【0124】
このような構成においても、吸い込み揚程を低減し液剤の吐出量の安定化を実現できる。また、入口流路285が曲がっているが、下方に延びている部分を流れる液剤は、重力の影響により正の圧力を受ける。したがって、ポンプ273の吸い込み性能としては有益である。また、実施形態1の液剤吐出流路64を設ける代わりに、ケース261において、タンク262の直下の内底面B200が液剤吐出流路264を形成する。このような構成によって、自動投入ユニット206の構造を簡略化し、部品点数及び製造コストを抑えることができる。
【0125】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本開示の洗濯機は、液剤投入に関する構成の機能を向上させることができるため、家庭用の洗濯機、業務用の洗濯機、任意の種類の洗濯乾燥機(例えば家庭用のドラム式洗濯機)、あるいは、食器洗い機、食器洗い乾燥機として有用である。また、本開示のポンプは、これらの洗濯機、洗濯乾燥機、あるいは、食器洗い機、食器洗い乾燥機用として有用である。
【符号の説明】
【0127】
1 洗濯機
2 筐体
3 外槽
4 内槽
6 自動投入ユニット
8 接続流路
61 ケース
62 タンク
63 液剤投入装置
64 液剤吐出流路
66 給水電磁弁
71 動力部
73 ポンプ
76 接続部
77、78、79 接続口
83 ピストン
83a 底面
83b 本体
83ba 凹部
83c 蓋
84 ポンプ室
84a シリンダ
84b 底面
84c、84d 開口
85 入口流路
85a 第1の流路
86 第2の流路
93 ポンプケース
94 接続部材
95 吸入側逆止弁
96 吐出側逆止弁
97、97A、97B 逆止弁
98 弁体
99 シャトル
99a 凹部
99b 頭部
99c リブ
99d 肩部
99e 胴部
99f シャフト
99g ストッパーリブ
99h 先端部
99k 下流側端部
100 弾性部材
101 スリーブ
101a 開口径
101b 第1の傾斜部
101c 第2の傾斜部
101d 円筒部
102 第1のガイド
103、103A、103B 第2のガイド
103a 円筒部
104 Oリング
K 幅方向
M 前後方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図21B
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