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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054713
(43)【公開日】2023-04-14
(54)【発明の名称】障害物検知装置
(51)【国際特許分類】
   B61L 29/00 20060101AFI20230407BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20230407BHJP
   G01S 7/497 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
B61L29/00 A
G01S17/931
G01S7/497
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163739
(22)【出願日】2021-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(72)【発明者】
【氏名】豊田 明久
(72)【発明者】
【氏名】竜本 ジョ
【テーマコード(参考)】
5H161
5J084
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161MM05
5H161MM14
5H161NN12
5H161PP07
5H161PP16
5H161QQ01
5H161QQ03
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB01
5J084AB07
5J084AD01
5J084AD03
5J084BA03
5J084BA49
5J084BA56
5J084EA20
5J084EA29
(57)【要約】
【課題】安全性を担保しつつ、装置に異常が発生している可能性がある場合にそのことを速やかに外部に報知することを可能とする障害物検知装置を提供する。
【解決手段】障害物検知装置10は、レーザ光を監視領域MAで走査して反射光を受光するレーザ測距センサ11,12と、監視領域MAを挟んでレーザ測距センサ11,12の反対側に配置された光反射部13,14とを含み、走査レーザ光の反射位置が監視領域MA内の場合に障害物がある旨を外部に報知し、光反射部方向のレーザ光の反射光に基づきレーザ測距センサ11,12又は光反射部13,14に異常が発生している可能性があると判定するとその旨及び障害物がある旨を外部に報知するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を監視領域で走査して反射光を受光するレーザ測距センサと、前記監視領域を挟んで前記レーザ測距センサの反対側に配置された光反射部とを含み、
走査レーザ光の反射位置が前記監視領域内の場合に障害物がある旨を外部に報知し、光反射部方向のレーザ光の反射光に基づき前記レーザ測距センサ又は前記光反射部に異常が発生している可能性があると判定するとその旨及び障害物がある旨を外部に報知する、障害物検知装置。
【請求項2】
前記光反射部方向のレーザ光の反射位置が前記光反射部に対応する位置でない場合に前記レーザ測距センサ又は前記光反射部に異常が発生している可能性があると判定する、請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項3】
前記光反射部方向のレーザ光の反射位置が前記光反射部に対応する位置であるが、反射光の強度が所定レベル未満である場合には前記レーザ測距センサ又は前記光反射部に異常が発生している可能性があると判定する、請求項2に記載の障害物検知装置。
【請求項4】
前記走査レーザ光の反射位置が前記監視領域内にあり且つ一定時間以上実質的に変化しない場合に障害物がある旨を外部に報知する、請求項1~3のいずれか一つに記載の障害物検知装置。
【請求項5】
前記レーザ測距センサは、前記監視領域内において前記レーザ光を水平面内で走査し、
前記光反射部は、互いに間隔をあけて配置されると共に同じ高さ位置に保持された複数のリフレクタを含む、請求項1~4のいずれか一つに記載の障害物検知装置。
【請求項6】
前記監視領域は、踏切道に設定された領域である、請求項1~5のいずれか一つに記載の障害物検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域における障害物の有無を検知する障害物検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の障害物検知装置の一例として、特許文献1に記載された踏切障害物の検知装置が知られている。特許文献1に記載された踏切障害物の検知装置は、踏切道に近接して配置されるセンサ回路と、踏切道制御部とを有して構成されている。前記センサ回路は、反射基準点で所定ビームサイズとなるレーザ光を放射可能で、且つ、放射したレーザ光の反射光を受信可能なレーザセンサと、レーザセンサを回転させると共に、所定タイミング毎に、レーザ光を間欠的に放射させる駆動部と、レーザセンサの出力に基づいて特定されるレーザ光の反射点が、所定の監視エリアに位置することを示す第1信号と、レーザセンサの出力の判定結果として、前記反射基準点が検出されないことを示す第2信号とを出力する目標監視部と、レーザセンサが正常動作していないことを示す第3信号を出力する異常判定部とを有し、前記踏切道制御部は、前記センサ回路が出力する第1信号、第2信号、及び第3信号を判定して、必要時には、踏切道に障害物が存在することを列車に通報すると共に、前記センサ回路や前記反射基準点の異常を外部に通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6179014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された踏切障害物の検知装置において、前記異常判定部は、監視エリア以外に向かって放射される放射レーザ光によりレーザセンサの異常判定を行っている。このため、前記異常判定部は、反射基準点の異常判定を行うことができない。
【0005】
また、特許文献1に記載された踏切障害物の検知装置において、前記目標監視部は、レーザセンサの放射角が監視領域角の範囲に含まれる所定の目標判定角である場合にレーザ光の反射点が反射基準点に位置すると特定されると、第1信号も第2信号も出力することなく処理を終える一方、レーザセンサの放射角が目標判定角である場合にレーザ光の反射点が監視エリアに位置すると特定されると、第1信号を出力し、そうでない場合は第2信号を出力するように構成されている。このため、例えば監視エリアの目標判定角に相当する位置に物体が存在する場合には前記目標監視部から前記第2信号が出力されないことになる。
【0006】
つまり、特許文献1に記載された踏切障害物の検知装置では、反射基準点に異常が発生している場合であっても、そのことが外部に報知されない場合がある。換言すれば、特許文献1に記載された踏切障害物の検知装置は、装置に異常が発生していることを外部に報知する機会を逸失してしまう可能性がある。
【0007】
特許文献1に記載された踏切障害物の検知装置を含むいわゆる障害物検知装置は、一般に、安全性を担保するために設けられるものであるところ、このような装置では、装置が正常に動作していることが前提であり、装置に異常が発生している場合はもちろん、装置に異常が発生している可能性がある場合にも、そのことを速やかに外部に報知して適切な対処を促すことが求められる。
【0008】
そこで、本発明は、安全性を担保しつつ、装置に異常が発生している可能性がある場合にそのことを速やかに外部に報知することを可能とする障害物検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によると、障害物検知装置は、レーザ光を監視領域に走査して反射光を受光するレーザ測距センサと、前記監視領域を挟んで前記レーザ測距センサの反対側に配置された光反射部とを含み、走査レーザ光の反射位置が前記監視領域内の場合に障害物がある旨を外部に報知し、光反射部方向のレーザ光の反射光に基づき前記レーザ測距センサ又は前記光反射部に異常が発生している可能性があると判定するとその旨及び障害物がある旨を外部に報知するように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、安全性を担保しつつ、装置に異常が発生している可能性がある場合にそのことを速やかに外部に報知することを可能とする障害物検知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る障害物検知装置が設置された踏切道を示す図である。
図2】障害物検知装置の概略平面図である。
図3】障害物検知装置等の制御系概略構成を示すブロック図である。
図4】障害物検知装置の処理部が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図5図4のステップS2で行われるセンサ診断処理の一例を示すフローチャートである。
図6図4のステップS3で行われる全体診断処理の一例を示すフローチャートの一部である。
図7図4のステップS3で行われる全体診断処処理の一例を示すフローチャートの一部である。
図8図4のステップS3で行われる全体診断処理の一例を示すフローチャートの一部である。
図9図4のステップS4で行われる障害物判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る障害物検知装置10が設置された踏切道RCを示す図であり、図2は、障害物検知装置10の概略平面図であり、図3は、障害物検知装置10等の制御系構成を示すブロック図である。
【0014】
まず、実施形態に係る障害物検知装置10が設置された踏切道RCについて簡単に説明する。
【0015】
図1を参照すると、踏切道RCには踏切警報機21,21及び踏切遮断機22,22が設置されている。但し、図1には、線路T1,T2の奥側の踏切警報機21,21、踏切遮断機22,22、及び道路Rのみが示されており、線路T1,T2の手前側の踏切警報機21,21、踏切遮断機22,22及び道路Rについては省略されている。また、図1には示されていないが、線路T1、T2における踏切道RCよりも列車の走行方向上流側には列車が踏切道RCに接近していることを検知するための第1列車検知部51(図3参照)が設置されており、線路T1、T2における踏切道RCよりも列車の走行方向下流側には列車が踏切道RCを通過したことを検知するための第2列車検知部52(図3参照)が設置されている。第1列車検知部51及び第2列車検知部52は、特に限定されるものではないが、軌道回路や地上子などによって構成され得る。
【0016】
踏切警報機21,21及び踏切遮断機22,22の動作は、踏切制御装置23によって制御される。踏切制御装置23には第1列車検知部51の列車検知信号(以下「第1列車検知信号」という)及び第2列車検知部52の列車検知信号(以下「第2列車検知信号」という)が入力される(図3参照)。そして、踏切制御装置23は、第1列車検知部51の第1列車検知信号に基づき列車が踏切道RCに接近していると判定すると、踏切警報機21,21を作動させて列車が踏切道RCに接近していることを周囲に警告し、及び踏切遮断機22,22の遮断桿22a,22aを下降させて人や自動車等が道路Rから踏切道RCに進入することを阻止する。また、踏切制御装置23は、第2列車検知部52の第2列車検知信号に基づき列車が踏切道RCを通過したと判定すると、踏切警報機21,21の作動を停止させると共に踏切遮断機22,22の遮断桿22a,22aを上昇させて人や自動者等が道路Rから踏切道RCに進入することを可能とする。
【0017】
次に、実施形態に係る障害物検知装置10について説明する。
【0018】
障害物検知装置10は、主に踏切道RCに対して設定された監視領域MA(図2参照)における障害物の有無を検知するように構成されている。本実施形態において、監視領域MAは、踏切道RCの全部又は大部分を含む平面視で略矩形状の領域として設定されており、監視領域MAの4つの角部C1~C4は、踏切道RCの外側に位置している。
【0019】
図1図3を参照すると、障害物検知装置10は、第1レーザ測距センサ11と、第2レーザ測距センサ12と、第1光反射部13と、第2光反射部14と、特殊信号発光機15,15と、処理部16と、無線通信部17とを含む。
【0020】
第1レーザ測距センサ11は、いわゆるToF(Time of Flight)センサであり、監視領域MAの外側であって且つ監視領域MAの第1角部C1の近い位置に配置されている。また、第1レーザ測距センサ11は、支柱によって第1所定高さに保持されている。第1レーザ測距センサ11は、監視領域MA内においてレーザ光を踏切道RCの路面に平行な面(すなわち、水平面)内で走査すると共に、走査レーザ光の反射光を受光することが可能に構成されている。また、第1レーザ測距センサ11は、自己診断のための診断用反射光を生成し、及び受光することが可能に構成されている。
【0021】
より具体的には、本実施形態において、第1レーザ測距センサ11は、(1)踏切道RCの路面に平行な面(水平面)に沿って出射方向を変化させてレーザ光を出射すること、(2)出射したレーザ光の反射光を受光すること、(3)レーザ光の出射タイミングと当該レーザ光の反射光の受光タイミングとの時間差に基づき当該レーザ光の反射位置までの距離を算出すること、(4)出射したレーザ光を内部の反射面等で反射させることによって診断用反射光を生成し、且つ生成された診断用反射光を受光すること、及び(5)受光された反射光の強度(光強度)を測定すること、が可能に構成されている。
【0022】
第2レーザ測距センサ12は、第1レーザ測距センサ11と同様、いわゆるToFセンサであり、監視領域MAの外側であって且つ第1角部C1の対角に位置する第3角部C3に近い位置に配置されている。つまり、第2レーザ測距センサ12は、監視領域MAを挟んで第1レーザ測距センサ11の斜め向かいに位置している。第2レーザ測距センサ12は、支柱によって第2所定高さに保持されており、監視領域MA内においてレーザ光を踏切道RCの路面に平行な面(すなわち、水平面)内で走査すると共に、走査レーザ光の反射光を受光することが可能に構成されている。また、第2レーザ測距センサ12は、自己診断のための診断用反射光を生成し、及び受光することが可能に構成されている。なお、前記第2所定高さは、前記第1所定高さと異なることが好ましいが、前記第1所定高さと同じであってもよい。
【0023】
より具体的には、本実施形態において、第2レーザ測距センサ12は、第1レーザ測距センサ11と同様に、(1)踏切道RCの路面に平行な面(水平面)に沿って出射方向を変化させてレーザ光を出射すること、(2)出射したレーザ光の反射光を受光すること、(3)レーザ光の出射タイミングと当該レーザ光の反射光の受光タイミングとの時間差に基づき当該レーザ光の反射位置までの距離を算出すること、(4)出射したレーザ光を内部の反射面等で反射させることによって診断用反射光を生成し、且つ生成された診断用反射光を受光すること、及び(5)受光された反射光の強度(光強度)を測定すること、が可能に構成されている。
【0024】
第1光反射部13は、監視領域MAを挟んで第1レーザ測距センサ11の反対側に配置されている。つまり、第1光反射部13は、監視領域MAに対して第2レーザ測距センサ12と同じ側に配置されている。第1光反射部13は、第1レーザ測距センサ11から出射された、自身に向かうレーザ光を反射可能に構成されている。
【0025】
第1光反射部13は、図2中に白抜き矢印で示された、踏切道RCにおける人や自動車等の移動方向に互いに間隔をあけて配置された複数のリフレクタで構成されている。特に限定されるものではないが、本実施形態において、第1光反射部13は、3つのリフレクタ(第1~第3リフレクタ31~33)で構成されている。第1リフレクタ31は、監視領域MAの第2角部C2に近い位置に配置され、第3リフレクタ33は、監視領域MAの第3角部C3及び第2レーザ測距センサ12に近い位置に配置され、第2リフレクタ32は、第1リフレクタ31と第3リフレクタ33との中間位置に配置されている。第1~第3リフレクタ31~33は、それぞれ支柱によって、第1レーザ測距センサ11と同じ前記第1所定高さに保持されている。
【0026】
第2光反射部14は、監視領域MAを挟んで第2レーザ測距センサ12の反対側に配置されている。つまり、第2光反射部14は、監視領域MAに対して第1レーザ測距センサ11と同じ側に配置されている。第2光反射部14は、第2レーザ測距センサ12から出射された、自身に向かうレーザ光を反射可能に構成されている。
【0027】
第2光反射部14は、第1光反射部13と同様、踏切道RCにおける人や自動車等の移動方向に互いに間隔をあけて配置された複数のリフレクタ、ここでは3つのリフレクタ(第4~第6リフレクタ34~36)で構成されている。第4リフレクタ34は、監視領域MAの第4角部C4に近い位置に配置され、第6リフレクタ36は、監視領域MAの第1角部C1及び第1レーザ測距センサ11に近い位置に配置され、第5リフレクタ35は、第4リフレクタ34と第6リフレクタ36との中間位置に配置されている。第4~第6リフレクタ34~36は、それぞれ支柱によって、第2レーザ測距センサ12と同じ前記第2所定高さに保持されている。
【0028】
特殊信号発光機15,15は、監視領域MAを挟んで配置されている。特殊信号発光機15,15は、発光することにより、線路T1,T2を踏切道RCに向かって走行してくる列車に対して停止信号を現示するように構成されている。
【0029】
処理部16は、監視領域MAの範囲(境界)に関する情報や、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の位置情報などを記憶している。具体的には、処理部16は、第1レーザ測距センサ11から見た監視領域MAの境界上の各点の方向及び各点までの距離と、第1レーザ測距センサ11から見た第1光反射部13(第1~第3リフレクタ31~33)の方向及び第1レーザ測距センサ11から第1光反射部13(第1~第3リフレクタ31~33)までの距離とを記憶している。また、処理部16は、第2レーザ測距センサ12から見た監視領域MAの境界上の各点の方向及び各点までの距離と、第2レーザ測距センサ12から見た第2光反射部14(第4~第6リフレクタ34~36)の方向及び第2レーザ測距センサ12から第2光反射部14(第4~第6リフレクタ34~36)までの距離とを記憶している。
【0030】
また、処理部16には、踏切制御装置23から第1列車検知部51の第1列車検知信号及び第2列車検知部52の第2列車検知信号が入力されると共に、第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12からレーザ光の出射方向、レーザ光の反射位置までの距離、及びレーザ光の反射光の強度が入力される。
【0031】
処理部16は、主に列車が踏切道RCに接近したときに、監視領域MA内に障害物があるか否かを判定し、監視領域MA内に障害物があると判定した場合にはその旨を外部に報知するように構成されている(障害物判定処理)。処理部16によるこの障害物判定処理は、踏切道RCに接近した列車(列車が複数ある場合を含む)が踏切道RCを通過するまで継続して実施される。
【0032】
具体的には、本実施形態において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12から入力された情報に基づき、監視領域MA内に障害物があるか否かを判定する。そして、処理部16は、監視領域MA内に障害物があると判定した場合、障害物があることを示す障害物検知信号と、特殊信号発光機15,15を動作させる動作制御信号とを出力する。より詳細には、処理部16は、監視領域MA内に障害物があると判定した場合、前記障害物検知信号を無線通信部17から発信することにより、障害物があることを踏切道RCに近づいてくる列車に報知し、及び、前記障害物検知信号を無線通信部17から最寄りの駅や管理センター等に送信することにより、障害物があることを最寄りの駅や管理センター等に報知する。また、処理部16は、監視領域MA内に障害物があると判定した場合、前記動作制御信号を特殊信号発光機15,15に送信して特殊信号発光機15,15を発光させる(停止信号を現示させる)ことにより、障害物があることを踏切道RCに向かって走行してくる列車(及びその乗務員)に報知する。
【0033】
また、処理部16は、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13(第1~第3リフレクタ31~33)、及び第2光反射部14(第4~第6リフレクタ34~36)に関する診断を行い、これらに異常が発生している可能性があると判定した場合にはその旨を外部に報知するように構成されている。
【0034】
具体的には、本実施形態において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12から入力された情報に基づき、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14に異常が発生している可能性があるか否かを判定する。そして、処理部16は、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の少なくとも1つに異常が発生している可能性があると判定した場合、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の少なくとも1つに異常が発生している可能性があることを示す異常判定信号を出力する。より詳細には、処理部16は、無線通信部17から前記異常判定信号を最寄りの駅や管理センター等に送信することにより、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の少なくとも1つに異常が発生している可能性があること、換言すれば、障害物検知装置10に異常が発生している可能性があることを最寄りの駅や管理センターなどに報知する。
【0035】
さらに、処理部16は、列車が踏切道RCに接近しているときに、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の少なくとも1つに異常が発生している可能性があると判定した場合には、その旨を外部に報知することに加え、障害物がある旨を外部に報知するように構成されている。その理由は、次のとおりである。第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の少なくとも1つに異常が発生している可能性がある場合には前記障害物判定処理が適正に行われないおそれがある。このため、前記障害物判定処理で障害物がないと判定されたとしても、監視領域MA内に障害物がある可能性を完全には否定できない。したがって、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の少なくとも1つに異常が発生している可能性がある場合には、安全性確保の面から、監視領域MA内に障害物があるものとして処理した方がよいからである。
【0036】
具体的には、本実施形態において、処理部16は、列車が踏切道RCに接近しているときに、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の少なくとも1つに異常が発生している可能性があると判定した場合、前記異常判定信号、前記障害物検知信号、及び前記動作制御信号を出力する。つまり、処理部16は、無線通信部17から前記異常判定信号を最寄りの駅や管理センター等に送信し、前記障害物検知信号を無線通信部17から発信し、前記障害物検知信号を無線通信部17から最寄りの駅や管理センター等に送信し、及び前記動作制御信号を特殊信号発光機15,15に送信する。
【0037】
図4図9を参照して処理部16が行う処理についてさらに説明する。図4図9は、処理部16が行う処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、例えば、障害物検知装置10の起動処理が完了して第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12が通常動作を開始すると、開始される。
【0038】
図4のステップS1において、処理部16は、列車が踏切道RCに接近しているか否かを判定する。この判定は、第1列車検知部51の前記第1列車検知信号が入力されたか否かに基づいて行われる。そして、列車が踏切道RCに接近していない場合、すなわち、第1列車検知部51の前記第1列車検知信号が入力されていない場合、処理部16は、ステップS2においてセンサ診断処理(図5参照)を行う。他方、列車が踏切道RCに接近している場合、すなわち、第1列車検知部51の前記第1列車検知信号が入力された場合、処理部16は、並列処理として、ステップS3において全体診断処理(図6参照)を行うと共に、ステップS4において障害物判定処理(図7参照)を行う。
【0039】
なお、ここではステップS3及びステップS4を並列処理としているが、ステップS3及びステップS4を順に処理するようにしてもよい。
【0040】
図5は、図4のステップS2で行われるセンサ診断処理の一例を示すフローチャートである。このセンサ診断処理では、第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12の診断が行われる。
【0041】
図5のステップS21において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12から診断用反射光の強度を入力する。
【0042】
ステップS22において、処理部16は、診断用反射光の強度が第1所定レベル以上であるか否かを判定する。そして、第1レーザ測距センサ11の診断用反射光の強度及び第2レーザ測距センサ12の診断用反射光の強度が前記第1所定レベル以上である場合、処理部16は本フローを終了する。
【0043】
他方、第1レーザ測距センサ11の診断用反射光の強度及び/又は第2レーザ測距センサ12の診断用反射光の強度が前記第1所定レベル未満である場合にはステップS23に進み、処理部16は、第1レーザ測距センサ11及び/又は第2レーザ測距センサ12に異常が発生している可能性があると判定する(センサ異常判定)。そして、ステップS24において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11及び/又は第2レーザ測距センサ12に異常が発生している可能性があることを示す第1異常判定信号を出力する。具体的には、処理部16は、前記第1異常判定信号を無線通信部17から最寄りの駅や管理センター等に送信する。
【0044】
ここで、処理部16は、診断用反射光の強度と前記第1所定レベルとの比較結果に基づき、異常が発生している可能性のあるレーザ測距センサを特定し、特定されたレーザ測距センサを示す情報を第1異常判定信号に含ませるのが好ましい。また、処理部16は、診断用反射光の強度が複数回連続して前記第1所定レベル未満である場合に、該当するレーザ測距センサに異常が発生している可能性があると判定してもよい。
【0045】
図6図8は、図4のステップS3において行われる全体診断処理の一例を示すフローチャートである。この全体診断処理では、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13(第1~第3リフレクタ31~33)、及び第2光反射部14(第4~第6リフレクタ34~36)についての全体的な診断が行われる。
【0046】
図6のステップS31において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12からレーザ光の出射方向、レーザ光の反射位置までの距離、及びレーザ光の反射光の強度を入力する。
【0047】
ステップS32において、処理部16は、レーザ光の出射方向が光反射部の方向であるか否かを判定する。具体的には、処理部16は、第1レーザ測距センサ11のレーザ光の出射方向が、第1光反射部13の方向であるか否か、すなわち、第1レーザ測距センサ11から見て第1~第3リフレクタ31~33のいずれかの方向であるか否かを判定する。また、処理部16は、第2レーザ測距センサ12のレーザ光の出射方向が、第2光反射部14の方向であるか否か、すなわち、第2レーザ測距センサ12から見て第4~第6リフレクタ34~36のいずれかの方向であるか否かを判定する。
【0048】
そして、レーザ光の出射方向が光反射部の方向である場合、すなわち、第1レーザ測距センサ11のレーザ光の出射方向が第1光反射部13の方向である場合又は第2レーザ測距センサ12のレーザ光の出射方向が第2光反射部14の方向である場合にはステップS33に進む。他方、レーザ光の出射方向が光反射部の方向でない場合、すなわち、第1レーザ測距センサ11のレーザ光の出射方向が第1光反射部13の方向でなく、且つ第2レーザ測距センサ12のレーザ光の出射方向が第2光反射部14の方向でない場合にはステップS36に進む。
【0049】
ステップS33において、処理部16は、レーザ光の反射位置までの距離が光反射部までの距離に一致しているか(厳密に一致している必要はなく、概ね一致していればよい。以下、同じ。)を判定する。具体的には、第1レーザ測距センサ11のレーザ光の出射方向が第1リフレクタ31の方向である場合、処理部16は、第1レーザ測距センサ11のレーザ光の反射位置までの距離が第1レーザ測距センサ11から第1リフレクタ31までの距離に一致しているか否かを判定する。なお、説明は省略するが、第1レーザ測距センサ11のレーザ光の出射方向が第2、第3リフレクタ32,33の方向である場合についても同様である。また、第2レーザ測距センサ12のレーザ光の出射方向が第5リフレクタ35の方向である場合、処理部16は、第2レーザ測距センサ12のレーザ光の反射位置までの距離が第2レーザ測距センサ12から第5リフレクタ35までの距離に一致しているか否かを判定する。なお、説明は省略するが、第2レーザ測距センサ12のレーザ光の出射方向が第4、第6リフレクタ34、36の方向である場合についても同様である。
【0050】
そして、レーザ光の反射位置までの距離が光反射部までの距離に一致している場合にはステップS34に進む。他方、レーザ光の反射位置までの距離が光反射部までの距離に一致しない場合にはステップS37(図7)に進む。
【0051】
なお、例えば、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、及び第1~第6リフレクタ31~36の少なくとも1つの設置状態(向き等)が本来の状態から変化してしまった場合、第1レーザ測距センサ11及び/又は第2レーザ測距センサ12が少なくとも1つのリフレクタで反射された反射光を受光できなくなるため、レーザ光の反射位置までの距離が光反射部までの距離に一致しなくなる。
【0052】
ステップS34において、処理部16は、反射光の強度が第2所定レベル以上であるか否かを判定する。そして、反射光の強度が前記第2所定レベル以上である場合にはステップS35に進む。他方、反射光の強度が前記第2所定レベル未満である場合にはステップS37(図7)に進む。ここで、前記第2所定レベルは、前記第1所定レベルと同じレベルであってもよいし、異なるレベルでもよい。また、前記第2所定レベルは、リフレクタ毎に設定されてもよい。
【0053】
ステップS35において、処理部16は、反射光の強度が第3所定レベル(>第2所定レベル)以上であるか否かを判定する。そして、反射光の強度が前記第3所定レベル以上である場合にはステップS36に進む。他方、反射光の強度が前記第3所定レベル未満である場合にはステップS41(図8)に進む。
【0054】
なお、例えば、第1レーザ測距センサ11及び/又は第2レーザ測距センサ12のレーザ出力性能が低下した場合、第1光反射部13(第1~第3リフレクタ31~33)が汚れた場合、及び/又は第2光反射部14(第4~第6リフレクタ34~36)が汚れた場合に反射光の強度が前記第2所定レベル未満又は前記第3所定レベル未満になり得る。また、濃霧や豪雨が発生した場合にも反射光の強度が前記第2所定レベル未満又は前記第3所定レベル未満になり得る。
【0055】
ステップS36において、処理部16は、列車(列車が複数ある場合を含む)が踏切道RCを通過したか否かを判定する。この判定は、第2列車検知部52の列車検知信号が入力されたか否かに基づいて行われる。そして、列車が踏切道RCを通過した場合には本フローを終了する。他方、列車が踏切道RCを通過していない場合にはステップS31に戻り、処理部16は本フローの処理を継続する。
【0056】
ステップS37(図7)において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13(第1~第3リフレクタ31~33)、及び第2光反射部14(第4~第6リフレクタ34~36)の少なくとも1つに異常が発生している可能性があると判定する(異常判定)。
【0057】
そして、ステップS38において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の少なくとも1つに異常が発生している可能性があることを示す第2異常判定信号を出力する。具体的には、処理部16は、前記第2異常判定信号を無線通信部17から最寄りの駅や管理センター等に送信する。
【0058】
また、ステップS39において、処理部16は、前記障害物検知信号及び前記動作制御信号が出力済みであるか否かを判定する。そして、前記障害物検知信号及び前記動作制御信号が出力済みである場合にはフローを終了する。他方、障害物検知信号及び動作制御信号が出力済みでない場合にはステップS40に進み、処理部16は、前記障害物検知信号及び前記動作制御信号を出力する。具体的には、処理部16は、前記障害物検知信号を無線通信部17から発信し、前記障害物検知信号を無線通信部17から最寄りの駅や管理センター等に送信し、及び動作制御信号を特殊信号発光機15,15に送信する。
【0059】
ここで、ステップS39は、主に並列処理される障害物判定処理において前記障害物検知信号及び前記動作制御信号が出力済みである場合に、これらの信号の重複出力を避けるために設けられている。したがって、これらの信号の重複出力が問題とならない場合、ステップS39は省略され得る。
【0060】
ステップS41(図8)において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13(第1~第3リフレクタ31~33)、及び第2光反射部14(第4~第6リフレクタ34~36)の少なくとも1つが軽故障状態にあると判定する(軽故障判定)。換言すれば、処理部16は、障害物検知装置10の性能が低下していると判定する。
【0061】
そして、この場合、装置の点検や修理が必要であると考えられるため、ステップS42において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部13、及び第2光反射部14の少なくとも1つが軽故障状態にあることを示す軽故障判定信号を出力する。具体的には、処理部16は、軽故障判定信号を無線通信部17から最寄りの駅や管理センター等に送信する。
【0062】
図9は、図4のステップS4において行われる障害物判定処理の一例を示すフローチャートである。この障害物判定処理では、上述のように、監視領域MA内に障害物があるか否かが判定される。
【0063】
図9のステップS51において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12からレーザ光の出射方向、及びレーザ光の反射位置までの距離を入力する。
【0064】
ステップS52において、処理部16は、レーザ光の反射位置が監視領域MA内であるか否かを判定する。そして、レーザ光の反射位置が監視領域MA内である場合にはステップS53に進む。他方、レーザ光の反射位置が監視領域MA外である場合にはステップS60に進む。
【0065】
ステップS53において、処理部16は、レーザ光の反射位置が前回と同じ位置であるか否かを判定する。そして、レーザ光の反射位置が前回と同じ位置である場合にはステップS54に進む。他方、レーザ光の反射位置が前回と異なる場合にはレーザ光の反射位置を記憶してステップS51に戻る。
【0066】
ステップS54において、処理部16は、レーザ光の反射位置が複数回(例えば、3回)連続して同じ位置であるか否かを判定する。そして、レーザ光の反射位置が複数回連続して同じ位置である場合にはステップS55に進む。他方、レーザ光の反射位置が複数回連続して同じ位置でない場合には、当該レーザ光の反射位置の回数をカウントアップしてステップS51に戻る。
【0067】
ステップS55において、処理部16は、レーザ光の反射位置に基づき、レーザ光を反射した物体(反射物)を、監視領域MAに設定された物体追跡範囲の最小単位であるメッシュに割り当てる。具体的には、本実施形態では、監視領域MAがN×M個のメッシュに分割されており、これらのメッシュのうち、レーザ光の反射位置に対応する(前記反射物が属する)メッシュを特定する。
【0068】
ステップS56において、処理部16は、前記反射物が同一メッシュ又は隣接メッシュに一定時間以上滞在しているか否かを判定する。そして、前記反射物が同一メッシュ又は隣接メッシュに一定時間以上滞在している場合にはステップS57に進む。他方、前記反射物が同一メッシュ又は隣接メッシュに一定時間以上滞在していない場合にはステップS51に戻る。
【0069】
ステップS57において、処理部16は、監視領域MA内に障害物があると判定する(障害物検知)。
【0070】
また、ステップS58において、処理部16は、前記障害物検知信号及び前記動作制御信号が出力済みであるか否かを判定する。そして、前記障害物検知信号及び前記動作制御信号が出力済みである場合にはフローを終了する。他方、前記障害物検知信号及び動作制御信号が出力済みでない場合にはステップS59に進み、処理部16は、前記障害物検知信号及び前記動作制御信号を出力する。このステップS58、S59の処理は、図7のステップS39、S40の処理と同じである。
【0071】
ここで、ステップS58は、主に並列処理される全体診断処理において前記障害物検知信号及び前記動作制御信号が出力済みである場合に、これらの信号の重複出力を避けるために設けられている。したがって、これらの信号の重複出力が問題とならない場合、ステップS58は省略され得る。
【0072】
ステップS60において、処理部16は、列車(列車が複数ある場合を含む)が踏切道RCを通過したか否かを判定する。そして、列車が踏切道RCを通過した場合には本フローを終了し、列車が踏切道RCを通過していない場合にはステップS51に戻り、処理部16は、本フローの処理を継続する。このステップS60の処理は、図6のステップS36の処理と同じである。
【0073】
以上説明したように、実施形態に係る障害物検知装置10は、第1レーザ測距センサ11が監視領域MAで走査したレーザ光の反射位置が監視領域MA内である場合、及び/又は、第2レーザ測距センサ12が監視領域MAで走査したレーザ光の反射位置が監視領域MA内である場合、障害物がある旨を外部に報知するように構成されている。より具体的には、実施形態に係る障害物検知装置10は、レーザ光の反射位置が監視領域MA内にあり且つ一定時間以上実質的に変化しない場合に障害物がある旨を外部に報知するように構成されている。また、実施形態に係る障害物検知装置10は、第1レーザ測距センサ11から出射された第1光反射部13(第1~第3リフレクタ31~33)方向のレーザ光の反射光及び第2レーザ測距センサ12から出射された第2光反射部14(第4~第6リフレクタ34~36)方向のレーザ光の反射光に基づき、第1レーザ測距センサ11、第2レーザ測距センサ12、第1光反射部、及び第2光反射部14の少なくとも1つに異常が発生している可能性があると判定した場合、その旨を外部に報知すると共に障害物がある旨を外部に報知するように構成されている。
【0074】
このため、実施形態に係る障害物検知装置10によれば、装置に異常が発生している可能性がある場合にそのことを速やかに外部に報知して適切な対処を促すことができる。また、レーザ光の反射位置が監視領域MA内である場合はもちろん、装置に異常が発生している可能性がある場合にも障害物がある旨が外部に報知されるので、従来技術に比べて高い安全性が担保され得る。
【0075】
なお、上述の実施形態において、処理部16は、第1レーザ測距センサ11の前記診断用反射光の強度及び第2レーザ測距センサ12の前記診断用反射光の強度に基づいて第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12の診断を行っている。しかし、これに限られるものではなく、処理部16は、他の方法によって第1レーザ測距センサ11及び第2レーザ測距センサ12の診断を行ってもよい。
【0076】
また、上述の実施形態において、障害物検知装置10(処理部16)は、前記障害物検知信号、前記第1異常判定信号、前記第2異常判定信号、及び故障判定信号を無線通信によって送信するようしている。しかし、これに限られるものではなく、処理部16は、前記障害物検知信号、前記第1異常判定信号、前記第2異常判定信号、及び故障判定信号の全部又は一部を有線通信によって送信するようにしてもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形及び変更が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0078】
10…障害物検知装置、11…第1レーザ測距センサ、12…第2レーザ測距センサ、13…第1光反射部、14…第2光反射部、15…特殊信号発光機、16…処理部、17…無線通信部、21…踏切警報機、22…踏切遮断機、23…踏切制御装置、31~36…第1~第6リフレクタ、RC…踏切道、MA…監視領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9