(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054719
(43)【公開日】2023-04-14
(54)【発明の名称】トートバッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 3/00 20060101AFI20230407BHJP
【FI】
A45C3/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163756
(22)【出願日】2021-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】599072530
【氏名又は名称】株式会社山利製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】小西 康行
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045CE08
3B045FA06
(57)【要約】
【課題】底襠の襠幅を無段階で調節できるトートバッグを提供する。
【解決手段】略矩形状の前生地11aと、その前生地11aと左右の側縁11cおよび底部11dで連続する後生地11bとからなる袋本体11と、袋本体11の底部11dの左右のコーナー部15a、15bの内面に接続された連結ベルト12と、袋本体11を持ち運ぶための持ち手(提げ手)13と、前記連結ベルト12の長さを連続的に調節するためのアジャスタ16とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状の前生地と、その前生地と左右の側縁および底部で連続する後生地とからなる袋本体と、
袋本体の底部の左右のコーナー部の内面に接続された連結ベルトと、
袋本体を持ち運ぶための持ち手と、
前記連結ベルトの長さを連続的に調節するためのアジャスタとを備えているトートバッグ。
【請求項2】
前記連結ベルトとコーナー部の間、または連結ベルトの途中が分離され、分離されている部位同士がバックルによって着脱自在に連結される、請求項1記載のトートバッグ。
【請求項3】
前記連結ベルトが、一重の部分と、折り返されて二重にされた部分とを有し、
前記アジャスタが、二重にされた部分の長さを調節し、その状態を維持するものである、請求項1または2記載のトートバッグ。
【請求項4】
前記アジャスタが、矩形状の枠と、その枠の内部を2つのスリットに分ける横材とからなる、8字状ないし日字状を呈している、請求項3記載のトートバッグ。
【請求項5】
前記バックルがサイドリリースタイプのワンタッチバックルである請求項2記載のトートバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は底襠の襠幅を調節することができるトートバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、底部の左右の角部の内側にスナップボタンなどの係合部を配置し、底襠上の2か所に係合部と係合する被係合部を設けたバッグを開示している。このバッグは、スナップボタンをフリーにした第一調整状態(
図5)と、スナップボタンを被係合部に係合させて底襠の幅を広げた第二調整状態(
図6)と、スナップボタン同士を係合させてさらに底襠の幅を広げた第三調整状態(
図7)とをとることができる。
【0003】
特許文献2は、襠無しの袋物本体の外側の下端の一端に引掛環を設け、他端に掛け外し型のフックを設けた袋物を開示している。この袋物は、引掛環にフックを結合させることにより、角底を作ることができる(第4図)。
【0004】
特許文献3は、袋の底の両端の角にボタンかけ(ループ状の紐)を設け、袋の両脇(側襠)に間隔をあけてボタンを複数個、縦に設けた手提げ袋を開示している。この手提げ袋は、底の角のボタンかけをいずれかのボタンに掛けると、底襠と側襠が形成される。掛けるボタンの高さにより、襠幅を変更することができる。
【0005】
特許文献4は、鞄主体の後板と底襠板との縫着部に緊締帯の一端を固定し、底襠板を横切るように前側に通され、第二仕切板に開穿した貫通孔を通して上方に延ばし、緊締帯の他端部の係止具を、第二仕切板に設けた係止具に任意の高さに係止できるようにした手提げ鞄を開示している。係止具としては面ファスナー、バックルなどを例示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-180694号公報
【特許文献2】実開昭58-95725号公報
【特許文献3】実開昭62-100021号公報
【特許文献4】実開昭63-50219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のバッグは、左右のスナップをそれぞれ底襠に設けた被係合部に取り付けたり、その状態から外したりする必要があるので、切り替え操作が煩雑である。また、襠幅は段階的に調節できるが、中間の幅の品物を収容するときは品物が不安定になる。
【0008】
特許文献2の袋物は、袋の外側に引掛環とフックからなる調節部があるので、品物を収容した状態で襠幅を調節できる。また、1個所の調節作業で襠有と襠無しを切り替えることができる。しかし襠幅を調節することができない。
【0009】
特許文献3の手提げ袋も外側に調節部があるので、品物を収容した状態で襠幅を調節でき、しかも複数の襠幅に調節できる。しかし襠幅を連続的に調節することはできない。
【0010】
特許文献4の手提げ鞄は、柔軟な布からなる袋ではなく、皮革などの比較的硬い素材で構成した鞄である。そのため、襠幅を変えるには、底襠を蛇腹状に形成する必要がある。
【0011】
本願発明は、底襠の襠幅を連続的に、すなわち無段階で調節することができるトートバッグを提供することを技術課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のトートバッグ10、10A、10B、10Cは、略矩形状の前生地11aと、その前生地11aと左右の側縁11cおよび底部11dで連続する後生地11bとからなる袋本体11と、袋本体11の底部11dの左右のコーナー部15a、15bの内面に接続された連結ベルト12、12A、12B、12Cと、袋本体11を持ち運ぶための持ち手(提げ手13)と、前記連結ベルト12、12A、12B、12Cの長さを連続的に調節するためのアジャスタ16とを備えていることを特徴としている。持ち手には、提げ手のほか、ショルダーベルト、背負いベルトなどが含まれる。
【0013】
このようなトートバッグにおいては、前記連結ベルト12とコーナー部15a、15bの間、または連結ベルト12の途中が分離され、分離されている部位同士がバックル14によって着脱自在に連結されるものが好ましい。
【0014】
また、前記連結ベルト12、12A、12B、12Cは、一重の部分と、折り返されて二重にされた部分とを有し、前記アジャスタ16は、二重にされた部分の長さを調節し、その状態を維持するものが好ましい。その場合、前記アジャスタ16が、矩形状の枠19と、その枠の内部を2つのスリット16a、16bに分ける横材23とからなる、8字状ないし日字状を呈しているものが好ましい。また、前記バックル14を有するトートバッグ10においては、前記バックル14がサイドリリースタイプのワンタッチバックルであるものが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のトートバッグは、袋本体の底部の左右のコーナー部の内面に接続された連結ベルトの長さを連続的に調節するためのアジャスタを備えているので、連結ベルトを長く調節すると底襠が狭くなり、短くすると底襠が広くなる。そして連結ベルトの長さを連続的に調節できるので、底襠の幅も連続的に調節することができる。そのため、トートバッグに収容する品物の幅に底襠の幅を合わせることができ、品物を安定して収容できる。
【0016】
このようなトートバッグにおいて、前記連結ベルトとコーナー部の間、または連結ベルトの途中が分離されるとともに、分離されている部位同士がバックルによって着脱自在に連結される場合は、連結ベルトの長さを適切な長さに調節し、その後、バックルを連結することにより底襠を形成することができる。その場合は所望の幅の底襠を容易に形成することができる。
【0017】
前記連結ベルトが、一重の部分と折り返されて二重にされた部分とを有し、前記アジャスタが、二重にされた部分の長さを調節し、その状態を維持するものである場合は、調節した底襠の幅を安定して維持することができる。
【0018】
前記アジャスタが、矩形状の枠と、その枠の内部を2つのスリットに分ける横材とからなる、8字状ないし日字状を呈している場合は、連結ベルトを2つのスリットに通すことにより、連結ベルトと横材との摩擦力で連結ベルトをしっかりと連結することができる。また、収容物の重量で摩擦力が強くなり、底襠の幅を安定して維持することができる。
【0019】
前記バックルがサイドリリースタイプのワンタッチバックルである場合は、バックルの連結および解除の操作が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のトートバッグの一実施形態を示しており、
図1Aはそのトートバッグの一部切り欠き正面図、
図1Bは側面図である。
【
図6】本発明のトートバッグの他の実施形態を示しており、
図6Aは要部断面図、
図6Bは
図6AのVI-VI線断面図である。
【
図7】
図7Aおよび
図7Bはそれぞれ本発明のトートバッグのさらに他の実施形態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示すトートバッグ10は、袋本体11と、その袋本体11の内部の底部に配置された連結ベルト12と、袋本体11の上端に設けられる提げ手13とからなる。連結ベルト12は左右に分離されており、分離された部位同士、すなわち左片12aと右片12bの内側の端部同士がバックル14によって着脱自在とされている(
図2A~C参照)。
【0022】
図2A、
図2Bに示すように、連結ベルト12の左片12aの他端は袋本体11の左のコーナー部15aに接続され、右片12bの他端は右のコーナー部15bに接続されている。この実施形態では、右片12bがバックル14の右部材18と一体化したアジャスタ16によって連続的に長さ調節自在とされている。
【0023】
袋本体11は布製であり、略矩形状の前生地11aと後生地11bとからなり、側縁11c同士および底部11dで連続している。この実施形態では、1枚の縦長の布生地を中央で折り返し、側縁11c同士を縫い合わせて袋状に構成している。また、上端部も折り返して提げ手13を縫い付ける補強部11eとしている。提げ手13は、布生地を筒状に縫い合わせたもので、両端を補強部11eに縫い付けている。提げ手13に代えて、ショルダーベルトや背負いベルトを採用することもできる。袋本体11を構成する布生地は柔軟なものが用いられる。ただしいくらか張りがある生地のほうが、形成される襠が安定する。布生地としては、ポリプロピレン製の布生地が好ましい。ただし他の化学繊維や、木綿、麻などの天然繊維などを採用してもよい。
【0024】
連結ベルト12は、ショルダーバッグの肩紐などに用いられているナイロン製のベルトなど、強度が高く、柔軟なものが用いられる。厚さは0.5~2mm程度、幅は10~30mm程度である。ただし柔軟な紐などであってもよい。
【0025】
この実施形態では、
図2A、
図2Bに示すように、連結ベルト12の左片12aは、バックル14の左部材17のスリット17aに通されて、輪の状態にして袋本体11の底部11dの左のコーナー部15aに縫い付けられている(
図3B参照)。ただし左片12aの一端を左のコーナー部15aに接続し、他端をバックル14の左部材17に接続するようにしてもよい。
【0026】
連結ベルト12の右片12bは、一端が右のコーナー部15bに縫い付けられ、下からアジャスタ16の内側の第1スリット16aに通されて上側で折り返され、ついで上から外側の第2スリット16bに通されて連結ベルト12の他の部分の上に重ねられながら、右側に向かって延びている(
図3B参照)。
【0027】
バックル14は、
図3A、
図3Bに示すような、左部材(雄部材)17と右部材(雌部材)18とからなる、いわゆるサイドリリースバックルである。左部材17は、矩形状の枠19と、その枠19から右に向かって互いに平行に延びる一対の爪片20、20と、それらの爪片20、20の間に平行に延びるガイド片21とを有する。爪片20は、バネ部20aと、その先端に連続する係合部22とからなる。係合部22の根元部には右部材18と係合する係止段部22aが形成されている。この実施形態では、安定した係合のため、係止段部22aは係合部22の表裏に設けられている(
図3B参照)。
【0028】
右部材18には、左部材17の爪片20およびガイド片21を挿入するための空洞18aが形成されている。そして右部材18の側部には一対の円弧状の切り欠き18bが形成され、それにより空洞18aが側方に開口している(
図3B参照)。切り欠き18bによる開口18cは、左部材17と右部材18を結合したとき、バネ部20aの弾発力で係合部22が露出する部位である(
図2C参照)。開口18cの縁部の一部は、露出した係合部22の根元部の係止段部22aと係合する顎18dとされている。それにより左部材17の爪片20を右部材18の空洞18aに嵌入したとき、爪片20が内向きに撓み、係合部22が開口18cから露出した瞬間にバネ部20aの反発力で係合部22が拡がり、係止段部22aが顎部18dとパチンと係合する。
【0029】
係合部22の外側は円弧状に突出している。そのため、左部材17の爪片20を右部材18に挿入するとき、空洞18aの入り口の内縁と当接し、爪片20の弾発力に抗して係合部22を内向きに押すテーパー面として作用する。また、係合状態の係合部22の外側の円弧状の部位は、指で摘まむ押さえ部22bである。一対の押さえ部22bを内向きに押すことにより、連結状態にあるバックル14の爪片20の係合を解除することができる。解除後は、指が円弧状の面の上をすべることにより、左部材17が空洞18aから押し出される。
【0030】
ガイド片21は、断面矩形状を呈し、バックル14の右部材18に形成されたガイド突起18eによってガイドされ、左部材17と右部材18の着脱をガイドする。
【0031】
アジャスタ16は、矩形状の枠19と、その枠19の内部を2つのスリット16a、16bに分ける横材23とからなり、平面形状は8字状ないし漢字の「日」字状を呈する。この実施形態では、横材23は下方に向かって幅が狭くなる断面略三角形状であり、アジャスタ16の裏面側までは達していない(
図3B参照)。アジャスタ16の裏面側では、枠19で囲まれる開口19aが開いている。枠19の横材23と対向する内面19bは、横材23の傾斜面23aと平行になるように傾斜している。それにより連結ベルト12の右片12bを屈曲させながら通す通路となる。横材23の表面には摩擦力を増大する滑り止め23bが形成されている。
【0032】
上記のアジャスタ16に対し、連結ベルト12の右片12bは、前述のように一端が右のコーナー部15bに縫い付けられ、中間部がアジャスタ16の下面側から第1スリット16aに通され、横材23の上面に沿って湾曲し、第2スリット16bに上から挿入され、斜め下に通され、下端から外部に出て屈曲され、右側に延びている部分12cが右片12bの他の部分に重ねられている。
【0033】
この実施形態では、左部材17および右部材18のいずれにも枠19と横材23が設けられているが、左部材17では枠19が連結ベルト12との連結に利用されているだけであり、右部材18の枠19と横材23のみ、連結ベルト12の長さを調節するアジャスタ16として使用されている。この連結ベルト12は、アジャスタ16に係合している折り返し部の位置をずらし、重なって右側に延びている部分12cの長さを調節することにより、連結ベルト12の長さ(有効長さ)を調節することができる。左部材17の枠19と横材23をアジャスタとして利用することも可能である。
【0034】
つぎに上記のように構成されるトートバッグ10の底襠の幅の調節の手順を説明する。
図1Aのようにバックル14を分離している状態では、
図1Bのように前生地11aと後生地11bがほぼ密着しており、底襠や側襠は形成されていない。
図2Aでは連結ベルト12は袋本体11の底部11dに平坦な状態で載置されているように記載しているが、実際には捻じれたり、横向きになったり、途中で折り返されたりしている。袋体11についても、
図2Aでは底襠があるように記載しているが、実際には、はっきりした底襠や側襠があるわけではない。
【0035】
ついでアジャスタ16で連結ベルト12の長さを調節し、
図2Cのように、バックル14の左部材17と右部材18を連結する。それにより
図4Aおよび
図4Cのように、左右のコーナー部15a、15bが内側に引っ張り込まれ、底部11dの両端の内面に三角形状に突出する部位24が生じ、
図4Bのように底襠25が形成される。この状態で箱状の品物を袋本体11に入れると、安定して収容することができる。なお、布生地にある程度張りがあれば、折り目が崩れにくいので、はっきりとした底襠25が形成されやすい。そして底襠25を基準として縦方向に折り目が生ずると、
図4Bの想像線Pのように、側襠を形成することができる。
【0036】
底襠25の襠幅Wを広げたい場合は、アジャスタ16で連結ベルト12の長さを短くする。この長さ調節は無段階でできる。この場合、一旦バックル14を分離してから調節すると、作業が容易である。連結ベルト12の長さを短くすると、
図5A~Cに示すように、底襠25の襠幅Wを広げることができる。使用後、襠なしの元の状態に戻したいときは、バックル14の押さえ部(
図2Cの符号22b)を指で摘まむように押し込む。それにより前述のように左部材17を右部材18から外すことができ、簡単に元の状態に戻すことができる。そのため簡単に折り畳むこともできる。
【0037】
図6A、
図6Bは、バックルを用いない連結ベルト12Aを備えたトートバッグ10Aを示している。このトートバッグ10Aでは、連結ベルト12Aの一端が左のコーナー部15aに連結され、連結ベルト12Aの途中がアジャスタ16を経由して、右のコーナー部15bに取り付けた矩形状のリング30に上から通されて折り返され、アジャスタ16から出てくる部位の下側を通り、他端がアジャスタ16の横材23に接続されている。アジャスタ16は矩形状の枠19と、枠19の中央を横切る横材23とからなる。連結ベルト12の中間部は、アジャスタ16の第1スリット16aに下から挿入され、横材23の上面で湾曲し、第2スリット16bに上から挿入されて右のコーナー部15bに向かって延び、前述のようにリング30で折り返される。なお、上下が逆であってもよい。
【0038】
このトートバッグ10Aでは、アジャスタ16の枠19を指で摘み、連結ベルト12に沿って移動させることにより、連結ベルト12の長さを調節することができる。
【0039】
このトートバッグ10Aは、アジャスタ16によって連結ベルト12の長さを調節する点で
図1Aのトートバッグ10と同様である。他方、連結ベルト12が左片と右片に分割されておらず、連続する1本のベルトで構成している。そのため、連結部が少なく、丈夫である。また構成が簡易で製造も容易である。連結ベルト12Aの本来の長さ(折り返しを含む長さ)は、袋本体11に底襠を設けない状態(
図6A参照)における左右のコーナー部15a、15b同士の距離S以上としている。そのため、連結ベルト12Aを充分に伸ばすだけで、分離しなくても袋本体11を扁平にすることができる。そしてバックルを用いないので、安価に製造することができる。
【0040】
図7Aに示すように、連結ベルト12Bを左片12aと右片12bに分離し、左片12aを左のコーナー部15aに接続し、右片12bを右のコーナー部15bに接続するとともに、アジャスタ16で左片12aと右片12bを長さ調節自在に連結するようにしてもよい。
図7Aでは、左のコーナー部15aに接続した左片12aの他端側をアジャスタ16の第1スリット16aと第2スリット16bに屈曲させながら通し、右のコーナー部15bに接続した右片12bの他端をアジャスタ16の横材23に接続している。右片12bの他端は枠19に接続してもよい。
【0041】
この場合は、左片12aをアジャスタ16から抜き取ることができるので、左片12aと右片12bを分離することができる。ただし左片12aを再度アジャスタ16に通すことが煩雑であるので、左片12aの自由端にアジャスタ16からの抜け止め(想像線Q)を設けるのが好ましい。
【0042】
また、
図7Bに示すように、連結ベルト12Cの左片12aをアジャスタ16の枠19に接続し、右片12bをアジャスタ16の下側から内側の第1スリット16aに挿入し、折り返して上側から第2スリット16bに挿入し、右のコーナー部15bの方向に延ばすようにしてもよい。この実施形態は、
図1A、
図1Bの連結ベルト12から、アジャスタ16部分以外のバックル14を除いたものと実質的に同じである。
【0043】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されず、発明の範囲内で種々変更することができる。たとえばサイドリリースバックルに代えて、前面の押しボタンの押し込み/解除によってベルトのロック/解除を行う、いわゆるフロントリリースバックルを採用することもできる。
【0044】
さらにアジャスタに代えて、ズボンのバックルなどに用いられている、金具でベルトを挟着して固定する、いわゆるフリーサイズバックルを採用することもできる。また、袋本体の上端の開口をスライドファスナーで開閉自在とすることもできる。なお、明細書では図面の表示に合わせるため、「左」、「右」で分けているが、左右は逆であってもよい。また、連結ベルトとアジャスタの関係では、上下が逆であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
10、10A、10B、10C トートバッグ
11 袋本体
11a 前生地
11b 後生地
11c 側縁
11d 底部
11e 補強部
12、12A、12B、12C 連結ベルト
12a 左片
12b 右片
12c 右側に延びている部分
13 提げ手(持ち手)
14 バックル
15a 左のコーナー部
15b 右のコーナー部
16 アジャスタ
16a 第1スリット
16b 第2スリット
17 バックルの左部材
17a スリット
18 バックルの右部材
18a 空洞
18b 切り欠き
18c 開口
18d 顎
18e ガイド突起
19 枠
19a 枠で囲まれる開口
19b 内面
20 爪片
20a バネ部
21 ガイド片
22 係合部
22a 係止段部
22b 押さえ部
23 横材
23a 傾斜面
23b 滑り止め
24 三角形状に突出する部位
25 底襠
P 側襠
W 襠幅
30 リング