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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054739
(43)【公開日】2023-04-14
(54)【発明の名称】19の倍数の判別カードおよび用具
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/02 20060101AFI20230407BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
G09B19/02 G
G09B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021178287
(22)【出願日】2021-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】592234425
【氏名又は名称】中元 恒
(71)【出願人】
【識別番号】593142204
【氏名又は名称】中元 保子
(72)【発明者】
【氏名】中元 恒
(72)【発明者】
【氏名】中元 保子
【テーマコード(参考)】
2C028
【Fターム(参考)】
2C028AA07
2C028CA01
(57)【要約】
【課題】 2桁以上のある自然数が19の倍数か否かを判別するには、計算に手間がかかることが多かった。本発明は、2桁以上の自然数について、19の倍数を判別するに際し、比較的簡単に判別できるようになった。そこで、計算資料、教育資料や計数処理に役立てたり、素数の19の倍数の判別に利用できるほか、因数分解にも役立てることが可能となった。
【解決手段】 2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、19の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=19N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、a+2b=19(2N-a)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的に19になるので、もとの自然数が19の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数についてこのような操作の繰り返しを利用することによって、19の倍数を簡単に判別するカードや計算資料、教育資料、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、電子媒体、映像などの用具及び筆記資料、表示資料を提供できるようになった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、19の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=19N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a+2b)=19(2N-a)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的に19になるので、もとの自然数が19の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a+2b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a+2b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a+2b)の操作を行って、得られる数字が2桁の19になるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用する、19の倍数を判別するカード及び用具。
【請求項2】
2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、19の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=19N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a+2b)=19(2N-a)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的に19になるので、もとの自然数が19の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a+2b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a+2b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a+2b)の操作を行って、得られる数字が2桁の19になるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用する、19の倍数を判別するカード及び計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像などの用具。
【請求項3】
2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、19の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=19N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a+2b)=19(2N-a)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的に19になるので、もとの自然数が19の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a+2b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a+2b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a+2b)の操作を行って、得られる数字が2桁の19になるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用する、19の倍数を判別する筆記資料および表示資料。
【請求項4】
2桁以上(上限は特に制限なしで何桁でも可能)の自然数(10a+b)について、19の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=19N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a+2b)=19(2N-a)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的に19になるので、もとの自然数が19の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a+2b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a+2b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a+2b)の操作を行って、得られる数字が2桁の19になるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用して、19の倍数を判別することを表示する書類、書籍、メール、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像並びに画像。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2桁以上の自然数(上限は特に制限なしで何桁でも可能)を因数分解したり、その約数を見つけたり、素数の判別や計数処理に役立ち、19の倍数か否かを判別することや、更に計数処理に応用できるカードや計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像などの用具及び筆記資料、表示資料、更に、19の倍数を判別することを表示する書類、書籍、メール、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像や画像に関する。
【背景技術】
【0002】
大きい数字(ある自然数)を因数分解したり、約したりすることはよく行われることであり、従来より、2、3、4、5、6、8、9、11等の素数やその数倍の数字を判別することはよく知られている。
【0003】
また、7の倍数を判別することは、例えば、特開平06-149149などの特許文献に記載されている。
【0004】
しかし、19の倍数を判別することはあまり知られていないが、例えば以下に示す特許文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06-118869号公報
【特許文献2】特開平07-230244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の先行技術文献よりも、2桁以上の19の倍数を簡単に判別することができるものであり、特に、桁数の多い自然数について、19の倍数か否かを判別するのに役立てたり、計数処理に利用したり、素数の判別や因数分解などに役立てるものである。
従来の先行技術文献でも19の倍数を判別することができたが、さらに簡単に判別できるようにすることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、19N(Nは1以上の整数、以下同じ)で表される19の倍数の自然数を
(10a+b)(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、以下同じ)で表すとすると、10a+b=19Nより、b=19N-10aになる。すると、a+2b=19(2N-a)となるので、a+2bは19の倍数になる。そのため、このような1回の操作で(10a+b)の自然数の数字の桁数が基本的に1桁少なくなる。そこで、1桁少なくなった数字に、上記の操作を繰り返すと、桁数が基本的にさらに1桁少なくなる。その操作を何回も繰り返すと最後には桁数が2桁の19になるので、もとの自然数(10a+b)は、(a+2b)の操作の繰り返しで19の倍数であることが判明する。
【0008】
本発明は上記の方法を応用した2桁以上の19の倍数を判別するカードや計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像などの用具あるいは筆記資料、表示資料、並びに、19の倍数を判別することを表示する書類、書籍、メール、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像や画像として利用するものであり、その材料は特に制限はなく、公知のものが使用でき、その大きさも利用目的によって自由に設定することができる。
【0009】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は2桁以上の自然数(桁数の上限は特に制限なしで何桁でも可能)に利用できるものであり、本発明では、例示として、2~10桁の数字で行った。
【実施例0010】
19の倍数の2桁~3桁の自然数(19、38,57、76,95、114、133、152、171、190)について、上記の(a+2b)の操作を行うと、それぞれ(19、19、19、19、19、19、19、19、19、19)となるので、最終的には、19になる。
【実施例0011】
自然数が4桁の5054が19の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは505、bは4になる。上記の(a+2b)は(505+2×4=513)になる。さらにこの513についてaは51、bは3なので、a+2b=51+2×3=57なる。ついで、この57について、aは5、bは7なので、a+2bは5+2×7=19になる。そこで、5054は19の倍数であることがわかる。
【実施例0012】
自然数が6桁の520638が19の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは52063、bは8になる。上記の(a+2b)は(52063+2×8=52079)になり、この52079についての(a+2b)は(5207+2×9=5225)、この5225についての(a+2b)は(522+2×5=532)になり、ついで、532についての(a+2b)は(53+2×2=57)。57についての(a+2b)は(5+2×7)=19になる。そこで、520638が19の倍数であることがわかる。
【実施例0013】
自然数が7桁の8678991が19の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは867899、bは1になる。そこで、上記の(a+2b)は(867899+2×1=867901)になり、この867901についての(a+2b)は(86790+2×1=86792)になる。同様にすると、順に86792のaは8679、bは2なので(a+2b)=8679+2×2=8683。8683のaは868、bは3なので、(a+2b)は(868+2×3=874)。同様の操作で874は(87+2×4=95)になる。次に、95についての(a+2b)は(9+2×5=19)になる。そこで、8678991は19の倍数であることが分かる。
【実施例0014】
自然数が8桁の71818461が19の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは7181846、bは1になる。この71818461について、上述した(a+2b)の操作をすると、(7181846+2×1=7181848)になり、7181848についての同様な操作で718200、同様にすると、順に718200は71820、71820は7182、7182は722、722は76、76は19になる。そこで、71818461は19の倍数であることが分かる。
【実施例0015】
自然数が10桁の6786028125が19の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは678602812、bは5になる。この6786028125について、(a+2b)の操作をすると、678602822、次いで678602822について同様の(a+2b)の操作をすると67860286、同様な操作で、この67860286は6786040、同様にして順に6786040は678604、678604は67868、67868は6802、6802は684、684は76、76は19になる。そこで、6786028125は19の倍数であることが分かる。
【比較例1】
【0016】
自然数が4桁の9999が19の倍数か否か判別する。9999について、(10a+b)のaは999、bは9になる。この9999について、(a+2b)の操作をすると1017になり、この1017についての同様の操作で115になる。次にこの115は21になので、9999は19の倍数でないことが分かる。
【比較例2】
【0017】
自然数が7桁の4854063が19の倍数か否かを判別する。4854063について、(10a+b)のaは485406、bは3になる。この4854063について、(a+2b)の操作をすると485412、485412についての同様の操作で48545、同様にして順に48545は4864、4864は496になる。496は61、61は19の倍数でないので、4854063は19の倍数でないことが分かる。
【比較例3】
【0018】
自然数が10桁の6121824991が19の倍数か否かを判別する。6121824991について、(10a+b)のaは612182499、bは1になる。この6121824991について、(a+2b)の操作をすると612182501、612182501についての同様の操作で61218252、同様にして順に61218252は6121829、6121829は612200、612200は61220、61220は6122、6122は616、616は73、73は13になる。13は19の倍数でないので、6121824991は19の倍数でないことが分かる。
【発明の効果】
【0019】
以上のごとく、本発明は2桁以上の(10a+b)(aは1以上の整数、bはゼロ又は1桁の整数)で表される自然数について、19の倍数か否かを従来よりも容易に判別できるので、ある自然数が素数か否かを判別するのに役立つほか、計数処理に利用したり、因数分解がやりやすくなるため、教育、計算機分野ばかりでなく計数処理を扱う分野など、その他の産業分野にも幅広い利用が可能である。