(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054804
(43)【公開日】2023-04-14
(54)【発明の名称】触媒反応管
(51)【国際特許分類】
A23P 30/00 20160101AFI20230407BHJP
A47J 43/00 20060101ALI20230407BHJP
A23P 10/00 20160101ALI20230407BHJP
【FI】
A23P30/00
A47J43/00
A23P10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004838
(22)【出願日】2023-01-17
(62)【分割の表示】P 2022560816の分割
【原出願日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】P 2020185159
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 邦弘
(72)【発明者】
【氏名】猪野 大輔
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰宏
(57)【要約】
【課題】食品に使用する反応物を効果的に改質することができる食品加工装置に用いられる触媒反応管を提供する。
【解決手段】食品加工装置100に用いられる触媒反応管であって、反応管7、反応管7の内部に設けられた光源8、反応管7と光源8の間に設けられた断熱部14を含み、反応管7の外表面に光触媒が設けられ、反応管7は光源8から照射された光を透過し、反応管7は第1端を有し、第1端は閉じられており、断熱部14の熱伝導率は反応管7の熱伝導率よりも小さい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品加工装置に用いられる触媒反応管であって、
反応管、前記反応管の内部に設けられた光源、前記反応管と前記光源の間に設けられた断熱部を含み、
前記反応管の外表面に光触媒が設けられ、
前記反応管は前記光源から照射された光を透過し、
前記反応管は第1端を有し、前記第1端は閉じられており、
前記断熱部の熱伝導率は前記反応管の熱伝導率よりも小さい、
触媒反応管。
【請求項2】
前記断熱部は、プラスチック、および、グラスウールのうちの少なくとも1つにより構成される
請求項1に記載の触媒反応管。
【請求項3】
前記光源は、紫外線を発光するLED(Light Emitting Diode)および/または紫外線を発光する蛍光灯を含む
請求項1または2に記載の触媒反応管。
【請求項4】
前記光源は、前記蛍光灯を含み、
前記蛍光灯は、水銀化合物が収容され、前記反応管の前記第1端である底面と対向する収容部を有し、
前記断熱部は、前記底面および前記収容部と接触している
請求項3に記載の触媒反応管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食品加工装置に用いられる触媒反応管に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光触媒を食品の製造過程で用いて、加熱しない常温下において、醸造物中の微生物を殺菌する製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の装置または製造方法には改善の余地がある。例えば、食品に使用する反応物を効果的に改質することが難しいという課題がある。
【0005】
本開示の一態様は、このような事情に鑑みてなされたものであり、食品に使用する反応物を効果的に改質することができる食品加工装置に用いられる触媒反応管を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る触媒反応管は、食品加工装置に用いられる触媒反応管であって、反応管、前記反応管の内部に設けられた光源、前記反応管と前記光源の間に設けられた断熱部を含み、前記反応管の外表面に光触媒が設けられ、前記反応管は前記光源から照射された光を透過し、前記反応管は第1端を有し、前記第1端は閉じられており、前記断熱部の熱伝導率は前記反応管の熱伝導率よりも小さい。
【0007】
本開示の一態様の食品加工装置は、食品に用いる液状の反応物を貯める内部空間を有する反応槽と、前記反応槽内の前記反応物を冷却する冷却部と、前記内部空間に配置される触媒反応部と、を具備し、前記触媒反応部は、反応管、前記反応管の内部に設けられた光源、前記反応管と前記光源の間に設けられた断熱部を含み、前記反応管の外表面に光触媒が設けられ、前記反応管は前記光源から照射された光を透過し、前記反応管は第1端を有し、前記第1端は前記反応管の底面であり、前記第1端は閉じられており、前記断熱部の熱伝導率は前記反応管の熱伝導率よりも小さい。
【0008】
なお、この包括的又は具体的な態様は、方法、システム、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、方法、システム、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様の触媒反応管が用いられた食品加工装置は、安定して運転させることができ、食品に使用する反応物を効果的に改質することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1の食品加工装置の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る触媒反応部の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態2の食品加工装置の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態2に係る触媒反応部の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態2に係る食品加工装置の機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2の食品加工装置の動作の第1の例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態2の食品加工装置の動作の第2の例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態3の食品加工装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(開示の基礎となった知見)
本発明者らは、「背景技術」の欄において記載した、食品の製造装置または製造方法に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0012】
食品の製造において、製造効率を向上する、栄養成分の含有性を良くする等の目的で、食品に使用する原料を改質することは広く行われている。
【0013】
食品の原料の改質する手法として、触媒を用いる手法があり、例えば、マーガリンの製造において、原料となる油脂成分を水素化するためニッケル触媒を用いる手法がある。食品の製造に固定化した酵素を用いることも、触媒利用の一つとすることができる。
【0014】
食品の原料を改質する観点ではないが、製造過程での殺菌目的で触媒を用いることもあり、例えば、特許文献1では、光触媒を食品の製造過程で用いて、加熱しない常温下において、醸造物中の微生物を殺菌する製造方法が検討されている。
【0015】
従来の触媒を用いる手法は、食品に使用する原料として単一成分の原料の改質には効果的ではあるが、化学工学的な手法の延長であるため装置構成に制限があり、多用途への展開に用いる触媒に適した構成に対応するためには改善の余地がある。
【0016】
従来の光触媒を用いた製造方法に用いる装置も殺菌目的であるため、食品の原料を改質することに適した構成に対応するには改善の余地がある。特に、食品加工装置を常温以下で運転させることが必要な場合、光触媒を備える触媒反応部の温度が低下する。触媒反応部に効率よく光を照射するための光源が、光触媒の近傍に設けられていれば、触媒反応部の温度が低下することに伴って、光源の温度が低下し、光源による発光強度が低下する。これにより、食品に使用する反応物の反応速度が低下する。
【0017】
本発明者らは、触媒反応部の温度が低下すると食品に使用する反応物の反応速度が低下することを見出し、反応物の反応速度の低下を抑制することで、食品に使用する反応物を効果的に改質することができる食品加工装置を見出すに至った。
【0018】
本開示の一態様は、このような事情に鑑みてなされたものであり、新たに食品の原料を改質する光触媒を用いた食品加工装置を提供する。
【0019】
本開示の一態様に係る食品加工装置は、食品に用いる液状の反応物を貯める内部空間を有する反応槽と、前記反応槽内の前記反応物を冷却する冷却部と、前記内部空間に配置される触媒反応部と、を具備し、前記触媒反応部は、反応管、前記反応管の内部に設けられた光源、前記反応管と前記光源の間に設けられた断熱部を含み、前記反応管の外表面に光触媒が設けられ、前記反応管は前記光源から照射された光を透過し、前記反応管は第1端を有し、前記第1端は前記反応管の底面であり、前記第1端は閉じられており、前記断熱部の熱伝導率は前記反応管の熱伝導率よりも小さい。
【0020】
これによれば、反応槽内の反応物が冷却部によって冷却される場合であっても、光源および反応管の間に断熱部が配置されるため、光源の温度が冷却部の影響で冷却されることを抑制することができる。このため、光源の発光強度の低下を抑制でき、反応物の反応速度の低下を抑制することができる。よって、食品に使用する反応物を効果的に改質することができる。
【0021】
前記断熱部は、プラスチック、および、グラスウールのうちの少なくとも1つにより構成されてもよい。
【0022】
このため、光源および反応管の間を効果的に断熱することができる。
【0023】
前記光源は、紫外線を発光するLED(Light Emitting Diode)および/または紫外線を発光する蛍光灯を含んでもよい。
【0024】
このため、光触媒による反応物の反応を効果的に促進させることができる。
【0025】
前記光源は、前記蛍光灯を含み、前記蛍光灯は、水銀化合物が収容され、前記底面と対向する収容部を有し、前記断熱部は、前記底面および前記収容部と接触していてもよい。
【0026】
このため、温度低下による発光強度の低下を招きやすい収容部および反応管の底面との間を断熱することができ、蛍光灯の発光強度の低下を効果的に抑制することができる。
【0027】
さらに、前記反応管の内側の温度を検知する反応管温度検知部と、前記反応管温度検知部により検知された温度に基づき、前記光源の発光強度および/または発光時間を制御する制御部と、を備えてもよい。
【0028】
これによれば、反応管の内側の温度に基づいて、光源を制御するため、食品の反応物の反応量を適切に制御することができる。
【0029】
前記制御部は、前記反応管温度検知部により検知された温度が予め定められた第1基準温度より低い場合、前記光源の発光強度を前記第1基準温度より高い場合の発光強度よりも上げる、および/または、前記光源の発光時間を所定の発光時間よりも長くする制御を行ってもよい。
【0030】
このため、食品の反応物の反応量の低下を適切に抑制することができる。
【0031】
前記制御部は、前記反応管温度検知部により検知された温度が前記第1基準温度より高い場合、前記光源の発光強度を前記第1基準温度より低い場合の発光強度よりも下げる、および/または、前記光源の発光時間を前記所定の発光時間以下にする制御を行ってもよい。
【0032】
このため、食品の反応物の反応量を適切に制御することができる。
【0033】
さらに、前記反応管の内側の温度を検知する反応管温度検知部と、回転または往復動による動作を行うことで前記反応槽内の前記反応物を撹拌する撹拌部と、前記反応管温度検知部により検知された温度が予め定められた第1基準温度より低い場合、前記撹拌部の動作量を前記第1基準温度より高い場合の動作量よりも増加させる制御を行う制御部と、を備えてもよい。
【0034】
これによれば、反応管の内側の温度に基づいて、撹拌部の動作量を制御するため、食品の反応物の反応量を適切に制御することができる。
【0035】
さらに、前記反応槽内の前記反応物の温度を検知する反応槽温度検知部を備え、前記制御部は、前記反応槽温度検知部により検知された温度が予め定められた第2基準温度となるように前記冷却部を動作させ、前記反応管温度検知部により検知された温度が予め定められた第3基準温度より低い場合、前記光源の発光を停止してもよい。
【0036】
これによれば、反応管の内側の温度が第3基準温度となった場合に、例えば異常が発生したと判断して、光源の発光を停止することができる。
【0037】
さらに、前記反応槽内の前記反応物の温度を検知する反応槽温度検知部を備え、前記制御部は、前記反応槽温度検知部により検知された温度が予め定められた第2基準温度となるように前記冷却部を動作させ、前記反応管温度検知部により検知された温度が予め定められた第3基準温度より低い場合、前記光源の発光を停止し、前記第2基準温度は、前記第1基準温度より低い温度であり、前記第3基準温度は、前記第1基準温度と前記第2基準温度との間の温度であってもよい。
【0038】
これによれば、反応管の内側の温度が第3基準温度となった場合に、例えば異常が発生したと判断して、光源の発光を停止することができる。
【0039】
以下、添付図面を参照しつつ、実施の形態の具体例について説明する。
【0040】
以下で説明する具体例は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。よって、以下で示される形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態等は、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。以下の構成要素のうち、本態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。図面において同じ符号が付いたものは説明を省略する場合がある。図面は理解しやすくするためにそれぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比等については正確な表示ではない場合がある。
【0041】
(実施の形態1)
食品加工装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態の食品加工装置100の一例を示す図である。
【0042】
図1に示すように、食品加工装置100は、反応槽1と、撹拌部2と、触媒反応部6と、冷却部10と、反応槽温度検知部11とを備える。
【0043】
反応槽1は、食品に用いる液状の反応物を貯める第1空間S1を有する。反応槽1は、例えば、有底円筒形の容器である。なお、反応槽1は、液状の反応物を貯める第1空間S1を有する有底筒形の容器であればよく、円筒形でなくてもよい。反応槽1には、反応槽1の上部の開口を塞ぐ蓋部5が設けられている。蓋部5は、円板状の部材であり、撹拌体4の回転軸3、複数の触媒反応部6、および、反応槽温度検知部11によって貫通される貫通孔を有する。
【0044】
撹拌部2は、回転することで反応槽1内の反応物を撹拌する撹拌体4を有する。撹拌部2は、撹拌部2の回転軸3が反応槽1の円筒の中心軸に一致するように配置される。撹拌部2は、回転軸3を回転させる、図示しないモータを含む。
【0045】
ここで、撹拌体4の具体例について説明する。
【0046】
撹拌体4は、例えば、傾斜パドル翼で実現されてもよい。撹拌体4は、反応物の粘性、撹拌部2の消費動力等の動作処理条件を考慮して最適処理条件となるように、プロペラ翼、ディスクタービン翼、および遠心式撹拌体のいずれか1つで実現されてもよい。なお、食品加工装置100に複数の撹拌体4が用いられる場合には、撹拌体4は、傾斜パドル翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼および遠心式撹拌体のうちの少なくとも1つを含んでいればよい。
【0047】
触媒反応部6は、食品加工装置100に複数設けられる。複数(本実施の形態では6個)の触媒反応部6は、攪拌体4の回転軸3の軸方向から見た場合に、撹拌体4の回転軸3の周囲に、互いに間隔を空けた状態で配置される。6個の触媒反応部6の外側は、反応槽1の内壁面により取り囲まれる。つまり、触媒反応部6は、反応槽1の内部空間S1に配置される。これにより、撹拌部2によって反応槽1の内部の反応物が撹拌された場合に、撹拌された反応物は、複数の触媒反応部6の間を移動することができる。
【0048】
ここで、
図2を用いて、触媒反応部6の構成の詳細について説明する。
図2は、実施の形態1に係る触媒反応部6の構成の一例を示す図である。
【0049】
複数の触媒反応部6のそれぞれは、
図2に示すように、反応管7と、光源8と、断熱部14とを有する。触媒反応部6は、さらに、反応管7の底面7cとは反対側の端部(他端)の開口部と、光源8との間を封止する封止部13を有していてもよい。これにより、反応管7は、密閉され、反応管7の内部の気密性が保たれている。反応管7の内部には、乾燥気体が充填されていてもよい。
【0050】
反応管7は、光触媒が設けられた外表面、および、一端が封止された底面7cを有し、光を透過する。反応管7は、具体的には、有底円筒形のガラス基材7aと、ガラス基材7aの外表面に設けられた光触媒の薄膜7bとを有する。ガラス基材7aは、ガラス基材7aの円筒形の筒軸方向が撹拌体4の回転軸3に沿った向きで配置される。
【0051】
ガラス基材7aの外表面に設けられる光触媒の薄膜7bは、例えば、一般的なゾルゲル法で形成される。光触媒の薄膜7bは、具体的には、TiO 2により構成される。光触媒の薄膜7bの形成方法において用いられるゾルゲル液を、ガラス基材7aの外表面に塗布し、ゾルゲル液が塗布された状態のガラス基材7aを、回転機を用いて回転させる。これにより、ガラス基材7aの外表面の全体に亘って、ゾルゲル液が均一に塗布される。ゾルゲル液が塗布されたガラス基材7aは、ゾルゲル液が乾燥した後に、電気炉において乾燥後、500℃以上の高温で加熱されることで、ガラス基材7aの外表面に光触媒の薄膜7bが焼成される。
【0052】
光源8は、反応管7の内側から光触媒に光を照射する。光源8は、ガラス基材7aの底面7cとは反対側の開放部分からガラス基材7aの内部に挿入されている。光源8は、光触媒での励起子の発生を効果的に行うため、具体的には、260nm~400nm程度を中心波長とする光源を含む。光源8は、例えば、紫外線315nm~400nmの波長域(UV-A)の波長を中心波長とする蛍光灯を含む。このため、光触媒による反応物の反応を効果的に促進させることができる。
【0053】
蛍光灯で構成される光源8は、水銀化合物が収容される収容部8aを有する。収容部8aは、反応管7の底面7cと対向する。光源8は、ガラス基材7aの外表面に設けられた薄膜7bに光を効果的に照射するため、反応管7の薄膜7bに対向するように、配置されてもよい。なお、光源8は、例えば、高圧水銀ランプ、紫外線発光のLED(Light Emitting Diode)等を含んでもよい。
【0054】
断熱部14は、光源8および反応管7の間に配置され、かつ、反応管7よりも熱伝導率が小さい部材である。断熱部14は、反応管7の底面7cおよび光源8の収容部8aの間に設けられ、底面7cおよび収容部8aと接触している。これにより、温度低下による発光強度の低下を招きやすい収容部8aおよび反応管7の底面7cの間を断熱することができ、反応管7の温度が低下することによる光源8の発光強度の低下を効果的に抑制することができる。
【0055】
断熱部14は、例えば、厚さ約20mmのフッ素樹脂のブロックにより構成されてもよい。なお、断熱部14は、例えば、プラスチック、および、グラスウールのうちの少なくとも1つにより構成されていればよい。このため、光源8および反応管7の間を効果的に断熱することができる。
【0056】
冷却部10は、反応槽1内の反応物を冷却する。冷却部10は、複数の触媒反応部6の外側を囲んで配置される。具体的には、冷却部10は、反応槽1を囲む外壁10aと、反応槽1と外壁10aとの間の第2空間S2を流通する冷却媒体(冷媒)とを有する。
【0057】
冷却部10は、反応槽温度検知部11で検出された温度に基づいて動作することにより、反応物の温度を調整する。具体的には、冷却部10は、第1温度よりも高い温度の反応物を第1温度に冷却する場合、第1温度以下の冷媒を第2空間S2に流通させる。これにより、冷却部10は、冷媒と反応物とを反応槽1を挟んで熱交換させることで反応物を冷却する。反応物と熱交換することで、温度が上昇した冷媒は、例えば、第2空間S2外に配置されている図示しない熱交換器において第1温度以下に冷却され、その後に第2空間S2に戻るように図示しない配管で接続されていてもよい。冷媒は、例えば、図示しない循環ポンプなどにより第2空間S2と上記熱交換器との間を循環していてもよい。この場合、冷却部10は、循環ポンプの動作を開始させることにより、反応物の冷却を開始してもよい。
【0058】
反応槽温度検知部11は、反応槽1内に配置され、反応物の温度を検出する。反応槽温度検知部11は、例えば、サーミスタ、熱電対などにより構成される。反応槽温度検知部11は、蓋部5を貫通しており、例えば、蓋部5に固定されている。
【0059】
次に、食品加工装置100の動作について、
図1および
図2を用いて説明する。
【0060】
まず、食品加工装置100では、反応槽1に、食品の原料となる反応物が投入される。次に、食品加工装置100は、光触媒処理を開始する。具体的には、光触媒処理では、食品加工装置100は、触媒反応部6の光源8を点灯することで、反応管7の内部から光触媒の薄膜7bへの光照射を開始する。光触媒処理では、食品加工装置100は、撹拌部2のモータを駆動させることにより撹拌体4の回転軸3を回転させ、反応槽1内の反応物の撹拌を行う。合わせて、光触媒処理では、食品加工装置100は、冷却部10の循環ポンプを駆動させることで、冷却部10の第2空間S2へ冷却媒体を供給する。
【0061】
このとき、食品加工装置100は、反応物の温度を反応槽温度検知部11で検出し、反応物が予め設定した温度になるように、第2空間S2に供給する、冷却媒体の温度及び/または冷却媒体の供給量を調整する。食品加工装置100は、例えば、第2空間S2外に設置されている熱交換器での熱交換量を調整することで冷却媒体の温度を調整する。食品加工装置100は、具体的には、熱交換器が空冷であれば熱交換器における空冷を促進するファンの風量を調整することで冷却媒体の温度を調整してもよいし、熱交換器が水冷であれば熱交換器における水冷を促進するポンプによる水量を調整することで冷却媒体の温度を調整してもよい。食品加工装置100は、反応槽1の外側の第2空間S2と熱交換器との間で冷却媒体を循環させるための循環ポンプによる循環量を調製することで冷却媒体の第2空間への供給量を調整してもよい。このように、冷却媒体の温度及び/または供給量は、熱交換器、循環ポンプおよび配管を含む恒温水循環装置(図示せず)等を用いて調整することができる。
【0062】
例えば、食品加工装置100における反応物の反応がビール酵母の発酵であれば、低温(例えば5℃程度)で熟成させてもよい。この場合、冷却部10において目標とされる予め設定される温度は、5℃である。
【0063】
食品加工装置100では、光照射された光触媒と食品の原料となる反応物とを接触させ、光触媒によって反応物を改質させる。例えば、ビールの原料を改質する場合、麦汁中の糖分をあらかじめ分解させることで、発酵期間を短くすることができる。
【0064】
この動作において、食品加工装置100は、反応槽1の反応物を冷却しており、低温の反応物への熱伝導により触媒反応部6の反応管7の内表面の温度は低くなる。これにより、光源8は、光源8の温度変化に応じて発光効率が変化する。光源8は、低温環境では、発光効率が低下し光触媒への発光強度が低下する。特に、食品加工装置100では、反応物が冷却されて低温になるため、光源8と反応管7とが接触していると光源8の温度が大きく低下する。その結果、発光強度が低下して光触媒における励起子の発生状態が低下することで、反応物の反応性に悪影響が出る。そこで、本実施の形態1の触媒反応部6では、反応管7の底面7cと光源8との間に断熱部14を設けることで、反応物の温度低下による光源8の発光強度が低下することを抑制している。
【0065】
なお、本実施の形態1の触媒反応部6の構成の効果を検証するために、以下の実験を行った。具体的には、実験では、反応物としてギ酸濃度10ppmのギ酸の水溶液を用い、冷却部10を作動させて反応物を約5℃に調整し、触媒反応部6の光源8を作動させて光触媒によるギ酸の分解性を確認した。その結果、触媒反応部6に断熱部14を設置しない場合と比較して、ギ酸分解の反応速度定数が(本実験で実施した条件では、約20%)向上することが確認できた。
【0066】
本実施の形態に係る食品加工装置100によれば、反応槽1内の反応物が冷却部10によって冷却される場合であっても、光源8および反応管7の間に断熱部14が配置されるため、光源8の温度が冷却部10の影響で冷却されることを抑制することができる。このため、光源8の発光強度の低下を抑制でき、反応物の反応速度の低下を抑制することができる。よって、食品に使用する反応物を効果的に改質することができる。すなわち、食品加工装置100は、簡単な構成で、安定した運転を実現でき、特に、食品に使用する冷却が必要な原料の効果的な改質を可能とする効果を奏する。
【0067】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る食品加工装置200について、
図3を用いて説明する。
図3は、実施の形態2の食品加工装置200の一例を示す図である。
【0068】
実施の形態2に係る食品加工装置200は、実施の形態1おける食品加工装置100と比較して、触媒反応部6aの構成が異なる。食品加工装置200は、食品加工装置200が備えるセンサの検知結果に応じて、撹拌部2、光源8および冷却部10を制御する点が異なる。
【0069】
以下、具体的に説明する。
【0070】
図4を用いて、触媒反応部6aの構成の詳細について説明する。
図4は、実施の形態2に係る触媒反応部6aの構成の一例を示す図である。
【0071】
触媒反応部6aは、実施の形態1の触媒反応部6の構成に、さらに、反応管7の内側の温度を検知する反応管温度検知部16を有する。反応管温度検知部16は、例えば、封止部13を貫通し、封止部13に固定されている。反応管温度検知部16の周囲は、封止部13により封止されており、反応管7の内部の気密性は保たれている。触媒反応部6aの反応管温度検知部16以外の構成は、触媒反応部6の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
次に、
図5を用いて、食品加工装置200が備える制御部15について説明する。
図5は、実施の形態2に係る食品加工装置200の機能ブロック図である。
【0073】
図5に示すように、食品加工装置200は、制御部15を備えていてもよい。制御部15は、食品加工装置200の動作を制御する。制御部15は、反応槽温度検知部11および反応管温度検知部16の検知結果を取得し、取得した検知結果に応じて、撹拌部2、光源8および冷却部10の少なくとも1つを制御する。制御部15は、例えば、反応管温度検知部16により検知された温度に基づき、光源8の発光強度および/または発光時間を制御する。制御部15は、例えば、プロセッサ、および、プロセッサにより実行されるプログラムを格納しているメモリにより実現されてもよい。制御部15は、例えば、専用回路により実現されてもよい。
【0074】
次に、食品加工装置200の動作について、
図6を用いて説明する。
図6は、実施の形態2の食品加工装置200の動作の第1の例を示すフローチャートである。
【0075】
まず、制御部15は、光触媒処理を開始する(S11)。光触媒処理は、実施の形態1で説明した処理と同様であるため説明を省略する。
【0076】
次に、制御部15は、反応管温度検知部16により検知された第1検知温度が予め定められた第1基準温度より低いか否かを判定する(S12)。
【0077】
制御部15は、反応管温度検知部16により検知された第1検知温度が予め定められた第1基準温度より低いと判定した場合(S12でYes)、光源8の発光強度を第1基準温度より高い場合の発光強度よりも上げる、および/または、光源8の発光時間を所定の発光時間よりも長くする制御を行う(S13)。
【0078】
制御部15は、例えば、光源8へ供給する電力を、第1検知温度が第1基準温度以上である場合に光源8へ供給する電力よりも増加させることで、光源8の発光強度を上げてもよい。第1基準温度は、反応管温度検知部16により検知された第1検知温度と、光源8の発光強度とを予め測定しておき、光触媒へ照射する発光強度が所定の強度よりも低下する温度を基準にして設定された温度であってもよい。なお、制御部15は、光源8の発光時間を所定の発光時間よりも長くする場合、所定の発光時間よりも長い発光時間に、光触媒処理において設定されている発光時間を更新する。光源8による発光時間を増加させることは、反応時間を増加させることを意味する。制御部15は、発光強度が初期の発光強度の1/2になった場合、発光時間を初期に設定されている発光時間の2倍の長さに変更することで、発光強度が低下しても同等の反応性を確保できる。なお、制御部15は、光源8の発光強度を上げる制御と、光源8の発光時間を所定の発光時間よりも長い発光時間に増加させる制御とのいずれか1つの制御を行ってもよいし、両方の制御を併用してもよい。
【0079】
制御部15は、反応管温度検知部16により検知された第1検知温度が予め定められた第1基準温度以上であると判定した場合(S12でNo)、または、ステップS13の後で、光触媒処理が開始されてから所定時間経過したか否かを判定する(S14)。具体的には、制御部15は、光触媒処理が開始されるとカウントを開始しており、カウントが所定時間と等しいか否かを判定することで、光触媒処理が開始されてから所定時間経過したか否かを判定する。なお、所定時間は、光触媒処理において設定されている発光時間であり、制御部15が有する図示しないメモリに記憶されている。
【0080】
制御部15は、光触媒処理が開始されてから所定時間経過したと判定した場合(S14でYes)、光触媒処理を停止する(S15)。制御部15は、光触媒処理が開始されてから所定時間経過してないと判定した場合(S14でNo)、ステップS12に戻る。
【0081】
なお、制御部15は、ステップS13が行われて、発光強度が上げられた、または、発光時間が長く設定された後で、ステップS12において、第1検知温度が第1基準温度以上となった場合、光源8の発光強度を第1基準温度より低い場合の発光強度よりも下げる、および/または、光源8の発光時間を所定の発光時間以下にする制御を行ってもよい。この場合、制御部15は、光源8の発光強度をステップS13が行われる前の元の発光強度に戻す、および/または、光源8の発光時間をステップS13が行われる前の元の発光時間に戻す制御を行ってもよい。
【0082】
なお、制御部15は、ステップS11とステップS12との間において、第1検知温度が第1基準温度とは異なる基準温度以上となったか否かを判定し、第1検知温度が異なる基準温度以上となった場合に、上述した光源8の発光強度を下げる、および/または、光源8の発光時間を所定の発光時間以下にする制御を行ってもよい。この制御部15による判定は、ステップS14でNoと判定された場合に行われてもよい。
【0083】
反応物が極低温になると、反応管7が冷却され、実施の形態1での触媒反応部6のように断熱部14を設けた場合でも、光源8の温度が大きく低下する場合がある。その結果、光源8の発光強度が低下して光触媒における励起子の発生状態が変化することで、反応物の反応性に影響が出るおそれがある。本実施の形態に係る食品加工装置200の動作の第1の例によれば、反応管7の内側の温度に基づいて、光源8を制御するため、食品の反応物の反応量をより適切に制御することができる。
【0084】
本実施の形態に係る食品加工装置200において、制御部15は、反応管温度検知部16により検知された第1検知温度が予め定められた第1基準温度より低い場合、光源8の発光強度を上げる、および/または、光源8の発光時間を所定の発光時間よりも長くする制御を行う。このため、食品の反応物の反応量の低下を適切に抑制することができる。
【0085】
次に、食品加工装置200の動作の第2の例について説明する。第2の例は、反応物の反応に必要な発光強度が得られないほど光源8の発光強度が低下する温度に低下した場合に、光触媒処理が開始されてから所定時間経過していなくても光源8による発光を停止する制御を行う例である。
【0086】
食品加工装置200の制御部15は、冷却部10を動作させることで、反応物の温度を第1基準温度より低い第2基準温度に調整している。第2基準温度は、実施の形態1で説明したように、冷却部10において目標とされる予め設定される温度であり、例えば5℃である。
【0087】
図7は、実施の形態2の食品加工装置200の動作の第2の例を示すフローチャートである。
【0088】
まず、制御部15は、光触媒処理を開始する(S21)。
【0089】
次に、制御部15は、第1検知温度が第1基準温度より低いか否かを判定する(S22)。
【0090】
制御部15は、第1検知温度が第1基準温度より低いと判定した場合(S22でYes)、光源8の発光強度を上げる、および/または、光源8の発光時間を所定の発光時間よりも長くする制御を行う(S23)。
【0091】
なお、ステップS21~S23は、それぞれ、ステップS11~S13と同じである。
【0092】
制御部15は、第1検知温度が第1基準温度以上であると判定した場合(S22でNo)、または、ステップS23の後で、第1検知温度が第3基準温度より低いか否かを判定する(S24)。第3基準温度は、第1基準温度と第2基準温度との間の温度である。第3基準温度は、反応物の反応に必要な発光強度が得られなくなる光源8の温度と、反応管温度検知部16での検知温度との相関を予め測定し、光源8により反応物の反応に必要な発光強度が得られなくなる温度を基準にして設定された温度であってもよい。
【0093】
制御部15は、第1検知温度が第3基準温度以上であると判定した場合(S24でNo)、光触媒処理が開始されてから所定時間経過したか否かを判定する(S25)。
【0094】
制御部15は、第1検知温度が第3基準温度より低いと判定した場合(S24でYes)、または、光触媒処理が開始されてから所定時間経過したと判定した場合(S25でYes)、光触媒処理を停止する(S26)。制御部15は、光触媒処理が開始されてから所定時間経過してないと判定した場合(S25でNo)、ステップS22に戻る。なお、ステップS25およびS26は、それぞれ、ステップS14およびS15と同じである。
【0095】
本実施の形態に係る食品加工装置200の第2の例の動作によれば、制御部15は、反応槽温度検知部11により検知された温度が予め定められた第2基準温度となるように冷却部10を動作させる。制御部15は、反応管温度検知部16により検知された温度が予め定められた第3基準温度より低い場合、光源8の発光を停止する。このため、反応管7の内側の温度が第3基準温度となった場合に、例えば異常が発生したと判断して、光源8の発光を停止することができる。これにより、反応物の反応が促進されにくい条件で、光触媒処理を継続することを抑制することができる。
【0096】
第2基準温度は、第1基準温度より低い温度であり、第3基準温度は、第1基準温度と第2基準温度との間の温度である。このため、制御部15は、齟齬なく運転制御を実行することができる。
【0097】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る食品加工装置について説明する。実施の形態3に係る食品加工装置では、実施の形態2に係る食品加工装置200における光源8の発光強度および/または発光時間を変更する制御を行う代わりに、撹拌部2の動作量を変更する制御を行う。
【0098】
実施の形態3に係る食品加工装置の構成は、実施の形態2に係る食品加工装置200と同様である。なお、触媒反応部6aの代わりに、実施の形態1の触媒反応部6が用いられてもよい。
【0099】
実施の形態3に係る食品加工装置200の動作について、
図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態3の食品加工装置200の動作を示すフローチャートである。
【0100】
まず、制御部15は、光触媒処理を開始する(S31)。
【0101】
次に、制御部15は、第1検知温度が第1基準温度より低いか否かを判定する(S32)。
【0102】
なお、ステップS31およびS32は、それぞれ、
図6のステップS11およびS12と同じである。
【0103】
制御部15は、第1検知温度が第1基準温度より低いと判定した場合(S32でYes)、撹拌部2の動作量を第1基準温度より高い場合の動作量よりも増加させる制御を行う(S33)。なお、撹拌部2の動作量とは、動作速度であり、例えば、撹拌部2の回転速度である。
【0104】
制御部15は、第1検知温度が第1基準温度以上であると判定した場合(S32でNo)、または、ステップS33の後で、光触媒処理が開始されてから所定時間経過したか否かを判定する(S34)。なお、制御部15は、第1検知温度が第1基準温度と等しいと判定した場合、ステップS33およびステップS34のいずれか一方が行われていればよい。
【0105】
制御部15は、光触媒処理が開始されてから所定時間経過したと判定した場合(S34でYes)、光触媒処理を停止する(S35)。制御部15は、光触媒処理が開始されてから所定時間経過してないと判定した場合(S34でNo)、ステップS32に戻る。
【0106】
なお、制御部15は、ステップS33が行われて、撹拌部2の動作量が増加された後で、ステップS32において、第1検知温度が第1基準温度以上となった場合、撹拌部2の動作量を第1基準温度より低い場合の動作量よりも減少させる制御を行ってもよい。この場合、制御部15は、撹拌部2の動作量をステップS33が行われる前の元の動作量に戻す制御を行ってもよい。
【0107】
反応物が極低温になると、反応管7が冷却され、実施の形態1での触媒反応部6のように断熱部14を設けた場合でも、光源8の温度が大きく低下する場合がある。その結果、光源8の発光強度が低下して光触媒における励起子の発生状態が変化することで、反応物の反応性に影響が出るおそれがある。本実施の形態に係る食品加工装置200によれば、反応管7の内側の温度が第1基準温度よりも低い場合に、撹拌部2の動作量を増加させるため、反応物と触媒反応部6との間の接触性を向上させることができる。これにより、光源8の温度が低下した場合であっても、光触媒で発生させた励起子と反応物との反応確率を大きくさせることで、反応物の反応性を維持することができる。よって、食品の反応物の反応量をより適切に制御することができる。
【0108】
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る食品加工装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本開示の一態様は、例えば、食品の原料を改質する光触媒を用いた食品加工装置に利用できる。
【符号の説明】
【0110】
1 反応槽
2 撹拌部
3 回転軸
4 撹拌体
5 蓋部
6、6a 触媒反応部
7 反応管
7a ガラス基材
7b 薄膜
7c 底面
8 光源
8a 収容部
10 冷却部
10a 外壁
11 反応槽温度検知部
13 封止部
14 断熱部
15 制御部
16 反応管温度検知部
100、200 食品加工装置