(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054865
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】半導体熱源装置
(51)【国際特許分類】
H02N 11/00 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
H02N11/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163809
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】306019535
【氏名又は名称】今井 直孝
(72)【発明者】
【氏名】今井 直孝
(57)【要約】
【課題】簡単な構成の機械で、熱源を得る。
【解決手段】半導体を高周波数で作動させ発熱させる。熱電発電機を用いて、発熱した熱の一部を電力として回収し、その電力を用いて半導体を高周波数でさせることにより熱源を得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体(1)を、絶縁材(2)を介して熱電発電機 高温端(3)に固定し、起動用電源又は蓄電池(4)からの電力を高周波発振器(5)を用いて、半導体(1)を高周波数で作動させ発熱させ、その熱の一部を熱電発電機(6)により電力として回収し、その電力により高周波発振器(5)を用いて、半導体(1)を高周波数で作動させることにより発熱させ、熱源を得る半導体熱源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体を高周波数で作動させ、熱源とする装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
推進力発生装置や遠心力推進装置等、消費電力が一定で一方向力Fを発生させる装置が考案されているが、実用には至っていない。そこで、消費電力が一定で、レールに対して一方向力Fを発生させる装置、すなわちリニアモーターカーを例として説明する。リニアモーターの場合は、速度が速くなるほど磁場の変化率が大きくなるため効率が良くなるが、これを無視して消費電力が一定で、レールに対して一方向力Fを発生させる装置として説明する。
【0003】
リニアモーターカーを真空のチューブ内、即ち空気抵抗の無い状態で走行させ、時刻t=0に運転を開始するものとする。
F : リニアモーターがレールに対して発生させる力
m : リニアモーターカーの車体重量
a : リニアモーターカーの加速度 とすると
F = ma
で、リニアモーターカーは、運転開始から等加速度運動を始める。
【0004】
リニアモーターを消費電力が一定で、レールに対して一方向力Fを発生させる装置としているから
E1 : 運転開始からの消費電力(消費エネルギー)
K : 定数
t : 運転開始からの時刻 とすると
E1 = Kt
運転開始からの消費電力(消費エネルギー)E1は運転開始からの時刻tの一次関数となる。
【0005】
リニアモーターカーは、運転開始から等加速度運動をしているから
ν
: 運転開始からt秒後のリニアモーターカーの速度
a
: リニアモーターカーの加速度
t
: 運転開始からの時刻
E
2 : 運転開始からt秒後のリニアモーターカーの運動エネルギー
m
: リニアモーターカーの車体重量 とすると
ν = at
E
2 = 1/2 mν
2
= 1/2 ma
2t
2
運転開始からt秒後のリニアモーターカーの運動エネルギーE
2は運転開始からの時刻tの二次関数となる。
リニアモーターカーの運動エネルギーと、加速で消費するエネルギーの関係を
図1に示す。
【0006】
図1に示す消費エネルギーと運動エネルギーが反転する時刻t
01に於けるリニアモーターカーの速度ν
01
ν
01 = at
01
を反転速度と呼ぶ。又この時の時刻t
01を反転時刻と呼ぶ。
運動エネルギーが、機械的損失・摩擦による損失・回生ブレーキによる損失等、損失分消費エネルギーより大きくなる時刻t
02に於けるリニアモーターカーの速度ν
02
ν
02 = at
02
を臨界速度と呼ぶ。又この時の時刻t
02を臨界時刻と呼ぶ。
運動エネルギーが、損失+発電機出力分消費エネルギーより大きくなる時刻 t
03に於けるリニアモーターカーの速度ν
03
ν
03 = at
03
を定格運転速度と呼ぶ。又この時の時刻t
03を定格運転時刻と呼ぶ。
速度0⇔定格運転速度間で加速回収を繰り返すことも可能であるが、臨界速度付近⇔定格運転速度間で加速回収を繰り返した方が、より効率的になる。定格運転速度から回収されるエネルギーを余剰エネルギーと呼ぶ。
運動エネルギーと加速に際し消費したエネルギーの比率
運動エネルギー / 消費エネルギー をエネルギー比と呼ぶ。
真空チューブ中で走行するリニアモーターカーのエネルギー比は、運転開始直後は、1以下になる。リニアモーターカーの速度が、反転速度を超えると、1以上となる。
【0007】
車輪等を備えた台車(イ)車輪等を駆動するためのモーター又は、リニアモーター(ロ)モーター又は、リニアモーターの電源となる蓄電池(ハ)運動エネルギーを回収するための回生ブレーキ(ニ)加速回収を制御するための制御装置(ホ)以上で構成された装置を、真空容器又は、減圧容器内に設置された直線、曲線或いは、円状の路面又は、軌道(ヘ)上で定格運転速度まで加速し、余剰エネルギーの回収を繰り返すことにより発電が可能となる。
【0008】
パソコンのCPU等、高周波数で作動する半導体が発熱することが知られている。これは、半導体内で電子が臨界速度以上まで加速され、制動される際に回収された余剰エネルギーが、熱として放出されているものと推定される。すなわち、半導体の作動周波数が大きい程、加速回収の回数が多くなり、多くの余剰エネルギーが得られることになる。得られた余剰エネルギーの一部を熱電発電機により電力として回収して、その電力で半導体を高周波数で作動させれば閉鎖サイクルとして熱源が得られることになる。
【0009】
現状では、熱電発電機の熱効率は3~20%程度です。仮に、熱電発電機の熱効率を10%とすると、半導体の消費電力の10倍以上の余剰エネルギーが得られれば、半導体熱源装置は作動することになります。将来、熱電発電機の熱効率を30~70%程度に改善することが出来れば、半導体熱源装置は発電機・電源としての使用も可能になると思われます。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
簡単な構成の機械で、熱源を得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
半導体を高周波数で作動させ、熱として余剰エネルギーを得る。熱電発電機により熱として得られた余剰エネルギーの一部を電力に変換する。熱電発電機によって得られた電力により半導体を高周波数で作動させ熱源を得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、簡単な構成の機械で、熱源を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は真空チューブ内で等加速度運動したリニアモーターカーの加速の際に消費するエネルギーと、運動エネルギーの関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
半導体を高周波数で作動させ発熱させる。熱電発電機を用いて、発熱した熱の一部を電力として回収し、その電力を用いて半導体を高周波数でさせることにより、熱源を得る。
【実施例0015】
半導体(1)を、絶縁材(2)を介して熱電発電機 高温端(3)に固定し、起動用電源又は蓄電池(4)からの電力を高周波発振器(5)を用いて、半導体(1)を高周波数で作動させ発熱させ、その熱の一部を熱電発電機(6)により電力として回収し、その電力により高周波発振器(5)を用いて、半導体(1)を高周波数で作動させることにより発熱させ、熱源を得る。