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特開2023-54866無人航空機に対する着陸場への着陸許可情報の管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054866
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】無人航空機に対する着陸場への着陸許可情報の管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20230410BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230410BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20230410BHJP
   B64F 1/36 20170101ALI20230410BHJP
【FI】
G08G5/00 A
G08G1/09 F
B64C39/02
B64F1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163812
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000108498
【氏名又は名称】タイガースポリマー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今泉 寛
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181BB04
(57)【要約】
【課題】 複数の無人航空機に対する複数の着陸場への着陸許可情報を、適切に管理する。
【解決手段】 管理システム10は、複数の無人航空機D1,D2,・・に対する、複数の着陸場P1,P2・・への着陸許可情報を管理する。管理システム10の航空機情報取得部101は、無人航空機に関する機体情報を取得し、着陸場情報取得部102は、着陸場に関する着陸場情報を取得し、集配情報取得部103は、集配する無人航空機の機体識別番号と着陸場の着陸場識別番号の組み合わせを含む集配指示情報を取得する。着陸可否判断部104は、機体情報および着陸場情報に基づいて、集配指示情報で特定された無人航空機を着陸場に着陸させて良いかを判断し、着陸させて良い場合には、当該無人航空機に当該着陸場への着陸を許可するとともに、他の無人航空機には当該着陸場への着陸を不許可とする。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無人航空機に対する、複数の着陸場への着陸許可情報を管理する管理システムであって、
管理システムは、航空機情報取得部と、着陸場情報取得部と、集配情報取得部と、着陸可否判断部とを有し、
前記航空機情報取得部は、機体識別番号を含む、無人航空機の機体に関する機体情報を取得し、
前記着陸場情報取得部は、着陸場識別番号を含む、着陸場に関する着陸場情報を取得し、
前記集配情報取得部は、無人航空機による荷物の集配指示情報を取得し、
前記集配指示情報には荷物の集配を行うべき無人航空機の機体識別番号と着陸場の着陸場識別番号の組み合わせが含まれ、
前記着陸可否判断部は、前記機体情報および前記着陸場情報に基づいて、集配指示情報で特定された機体識別番号の無人航空機を、集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場に着陸させて良いかを判断し、
着陸させて良い場合には、当該機体識別番号の無人航空機に当該着陸場識別番号の着陸場への着陸許可の判断をするとともに、他の無人航空機には当該着陸場識別番号の着陸場への着陸不許可の判断を行う、
管理システム。
【請求項2】
管理システムは、さらに、接近可否判断部を有し、
前記接近可否判断部は、前記集配指示情報により特定された着陸場識別番号の着陸場から、他の着陸場までの距離情報を取得するとともに、所定の判定基準に従い距離が近いと判断される着陸場を近隣着陸場として特定し、
当該機体識別番号の無人航空機に対し、特定された近隣着陸場に接近許可の判断をする一方で、距離が近いと判断されなかった着陸場には接近不許可の判断をする、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
管理システムは、さらに、航空機経路計画部および、接近可否判断部を有し、
前記航空機情報取得部は、さらに、無人航空機の現在位置情報を取得し、
前記着陸場情報取得部は、着陸場情報として着陸場の位置情報を取得し、
前記航空機経路計画部は、無人航空機の現在位置情報と着陸場の位置情報を用いて、無人航空機の飛行経路を計画し、
前記接近可否判断部は、前記集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場とは異なる着陸場に対し、前記飛行経路との間の距離を取得し、所定の判定基準に従い飛行経路に近いと判断される着陸場を経路接近着陸場として特定し、
当該機体識別番号の無人航空機に対し、特定された経路接近着陸場に接近許可の判断をする一方で、飛行経路への距離が近いと判断されなかった着陸場には接近不許可の判断をする、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項4】
前記着陸場情報取得部は、さらに、前記集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場の使用状況を取得し、
当該着陸場が他の無人航空機により使用状態にある場合には、
前記着陸可否判断部は、当該機体識別番号の無人航空機に対し、当該着陸場識別番号の着陸場に着陸不許可の判断をする、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の管理システム。
【請求項5】
前記管理システムは、さらに、着陸情報取得部を有し、
前記着陸情報取得部は、前記集配指示情報で特定された機体識別番号の無人航空機が前記集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場に着陸した旨の着陸情報を取得し、
前記着陸情報に基づいて、前記着陸可否判断部は、当該機体識別番号の無人航空機に当該着陸場識別番号の着陸場への着陸許可を取り消す、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理システムは、さらに、着陸情報取得部を有し、
前記着陸情報取得部は、前記集配指示情報で特定された機体識別番号の無人航空機が前記集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場に着陸した旨の着陸情報を取得し、
前記着陸情報に基づいて、前記接近可否判断部は、当該機体識別番号の無人航空機に対する接近許可を取り消す、
請求項2または請求項3に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機に対する着陸場への着陸許可情報、すなわち、無人航空機が着陸場に着陸してよいかどうかの許可情報を管理する、管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるドローンと呼ばれるような、無人航空機の活用が検討されている。例えば、無人航空機により荷物の配送業務や集荷業務を行う検討がされている。荷物の配送業務では、荷物を積んだ無人航空機が、配送先の着陸場まで飛行して着陸し、荷物を届ける。
【0003】
ドローンの着陸を支援するために、着陸を支援するシステムが検討されている。例えば、特許文献1には、無人航空機を誘導するための誘導マーカを着陸地点に表示させる提示制御部を有する、無人航空機着陸管理装置の技術が開示されている。
特許文献1の技術では、無人航空機を誘導して停止場(着陸場)に適切に着陸させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-109781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無人航空機を配達等に活用する場合、複数の無人航空機が複数の着陸場の間を飛び回ることになることが予想される。仮に、複数の無人航空機が同じ着陸場に同時に着陸しようとすると、接触等の事故が生じやすくなる。
【0006】
また、着陸場が多くなり、着陸場の密度が高くなってくると、無人航空機が目的の着陸場に着陸するために、他の着陸場に接近せざるを得ない場合が生じうる。この場合、他の着陸場において、騒音やプライバシー等の問題が生じうる。
【0007】
本発明の目的は、複数の無人航空機に対する複数の着陸場への着陸許可情報を、適切に管理することにある。また、本発明の他の目的は、複数の無人航空機に対する複数の着陸場への接近許可情報を、適切に管理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者は、鋭意検討の結果、無人航空機による集配指示情報を着陸許可の管理に活用すると、着陸許可情報の管理が適切に行われうることを知見し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明は、複数の無人航空機に対する、複数の着陸場への着陸許可情報を管理する管理システムであって、管理システムは、航空機情報取得部と、着陸場情報取得部と、集配情報取得部と、着陸可否判断部とを有し、前記航空機情報取得部は、機体識別番号を含む、無人航空機の機体に関する機体情報を取得し、前記着陸場情報取得部は、着陸場識別番号を含む、着陸場に関する着陸場情報を取得し、前記集配情報取得部は、無人航空機による荷物の集配指示情報を取得し、前記集配指示情報には荷物の集配を行うべき無人航空機の機体識別番号と着陸場の着陸場識別番号の組み合わせが含まれ、前記着陸可否判断部は、前記機体情報および前記着陸場情報に基づいて、集配指示情報で特定された機体識別番号の無人航空機を、集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場に着陸させて良いかを判断し、着陸させて良い場合には、当該機体識別番号の無人航空機に当該着陸場識別番号の着陸場への着陸許可の判断をするとともに、他の無人航空機には当該着陸場識別番号の着陸場への着陸不許可の判断を行う、管理システムである(第1発明)。
【0010】
第1発明において、好ましくは、管理システムは、さらに、接近可否判断部を有し、前記接近可否判断部は、前記集配指示情報により特定された着陸場識別番号の着陸場から、他の着陸場までの距離情報を取得するとともに、所定の判定基準に従い距離が近いと判断される着陸場を近隣着陸場として特定し、当該機体識別番号の無人航空機に対し、特定された近隣着陸場に接近許可の判断をする一方で、距離が近いと判断されなかった着陸場には接近不許可の判断をする(第2発明)。また、第1発明において、好ましくは、管理システムは、さらに、航空機経路計画部および、接近可否判断部を有し、前記航空機情報取得部は、さらに、無人航空機の現在位置情報を取得し、前記着陸場情報取得部は、着陸場情報として着陸場の位置情報を取得し、前記航空機経路計画部は、無人航空機の現在位置情報と着陸場の位置情報を用いて、無人航空機の飛行経路を計画し、前記接近可否判断部は、前記集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場とは異なる着陸場に対し、前記飛行経路との間の距離を取得し、所定の判定基準に従い飛行経路に近いと判断される着陸場を経路接近着陸場として特定し、当該機体識別番号の無人航空機に対し、特定された経路接近着陸場に接近許可の判断をする一方で、飛行経路への距離が近いと判断されなかった着陸場には接近不許可の判断をする(第3発明)。
【0011】
また、第1発明ないし第3発明のいずれかにおいて、好ましくは、前記着陸場情報取得部は、さらに、前記集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場の使用状況を取得し、当該着陸場が他の無人航空機により使用状態にある場合には、前記着陸可否判断部は、当該機体識別番号の無人航空機に対し、当該着陸場識別番号の着陸場に着陸不許可の判断をする(第4発明)。また、第1発明において、好ましくは、前記管理システムは、さらに、着陸情報取得部を有し、前記着陸情報取得部は、前記集配指示情報で特定された機体識別番号の無人航空機が前記集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場に着陸した旨の着陸情報を取得し、前記着陸情報に基づいて、前記着陸可否判断部は、当該機体識別番号の無人航空機に当該着陸場識別番号の着陸場への着陸許可を取り消す(第5発明)。また、第2発明もしくは第3発明において、好ましくは、前記管理システムは、さらに、着陸情報取得部を有し、前記着陸情報取得部は、前記集配指示情報で特定された機体識別番号の無人航空機が前記集配指示情報で特定された着陸場識別番号の着陸場に着陸した旨の着陸情報を取得し、前記着陸情報に基づいて、前記接近可否判断部は、当該機体識別番号の無人航空機に対する接近許可を取り消す(第6発明)。
【発明の効果】
【0012】
本発明の管理システム(第1発明)によれば、複数の無人航空機に対する複数の着陸場への着陸許可情報を、適切に管理できる。また、第4発明によれば、複数の無人航空機が同じ着陸場に着陸しようとすることが未然に防止され、より適切に着陸許可情報を管理できる。また、第5発明によれば、配達を終えた無人航空機が特定の着陸場を長時間占有してしまうことが未然に防止され、より適切に着陸許可情報を管理できる。
【0013】
さらに、第2発明もしくは第3発明のようにした場合には、複数の無人航空機に対する複数の着陸場への接近許可情報を、適切に管理できるとの効果も得られる。また、第6発明によれば、配達を終えた無人航空機に対し接近許可が出され続けることが未然防止され、より適切に接近許可情報を管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】着陸許可情報の管理システムの概念図である。
図2】各無人航空機に対し各着陸場への着陸許可/不許可が与えられた着陸許可情報のイメージを示す表である。
図3】各無人航空機に対し各着陸場への接近許可/不許可が与えられた接近許可情報のイメージを示す表である。
図4】着陸許可情報の管理システムの構成を示す概念図である。
図5】管理システムの着陸可否判断部の動作を示すフロー図である。
図6】着陸可否判断部の動作により生ずる着陸許可/不許可のイメージを示す表である。
図7】管理システムの接近可否判断部の動作を示すフロー図である。
図8】接近可否判断部の動作により生ずる接近許可/不許可のイメージを示す表である。
図9】管理システムの航空機経路計画部と接近可否判断部の動作を示すフロー図である。
図10】接近可否判断部の動作により生ずる接近許可/不許可の他のイメージを示す表である。
図11】管理システムの着陸情報取得部と着陸可否判断部および接近可否判断部の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面を参照しながら、無人航空機による宅配作業を例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
【0016】
図1は、着陸許可情報の管理システムの概念図である。第1実施形態の管理システム10は、複数の無人航空機D1,D2,・・・や、複数の着陸場P1,P2,・・・と通信して、複数の無人航空機に対する、複数の着陸場への着陸許可情報を管理する。図1には白抜き矢印で情報通信を示している。通信は無線通信であってもよく、有線通信であってもよい。情報ネットワークを介して通信を行ってもよい。また、管理システム10と、無人航空機や着陸場との間の通信は、必ずしも直接行わなければならないわけではなく、例えば、無人航空機は、着陸場を介して間接的に管理システム10と通信するなど、間接的に通信するものであってもよい。
【0017】
図2は、各無人航空機D1,D2,・・・に対する、各着陸場P1,P2,・・・への着陸許可/不許可が与えられた着陸許可情報のイメージを示す表である。管理システム10は、どの無人航空機がどの着陸場に着陸許可/不許可であるのかという、着陸許可情報を管理する。表中での列が、個々の無人航空機D1,D2,・・・に対応し、表中での行が、個々の着陸場P1,P2,・・・に対応している。表中の行と列の各交点において、POは着陸許可であることを示し、表中のXは着陸不許可であることを示す。図2では、無人航空機D1が着陸場P4にのみ着陸許可され、無人航空機D2が着陸場P2にのみ着陸許可され、他の無人航空機は、いずれの着陸場にも着陸不許可とされた状態を示している。
【0018】
各無人航空機D1,D2,・・・は、着陸許可が与えられた着陸場に対しては、着陸してもよいように制御され、着陸が不許可とされた着陸場に対しては、着陸しないよう制御される。例えば、無人航空機D1が着陸場P1に着陸しようとする際には、無人航空機D1もしくは着陸場P1から、管理システム10に着陸可否の問い合わせがされ、管理システム10から、無人航空機D1の着陸場P1への着陸は不許可との着陸許可情報が返されると、無人航空機D1は着陸場P1に着陸しないように制御される。あるいは、無人航空機D2が着陸場P2に着陸しようとする際には、無人航空機D2もしくは着陸場P2から、管理システム10に着陸可否の問い合わせがされ、管理システム10から、無人航空機D2の着陸場P2への着陸は許可との着陸許可情報が返されると、無人航空機D2は着陸場P2に着陸するように制御される。
【0019】
また、必須ではないが、管理システム10は、さらに、複数の無人航空機に対する、複数の着陸場への接近許可情報を管理してもよい。
【0020】
図3は、各無人航空機D1,D2,・・・に対する、各着陸場P1,P2,・・・への接近許可/不許可が与えられた接近許可情報のイメージを示す表である。この場合、管理システム10は、どの無人航空機がどの着陸場に接近許可/不許可であるのかという、接近許可情報を管理する。表中での列が、個々の無人航空機に対応し、表中での行が、個々の着陸場に対応している。表中の行と列の各交点において、COは接近許可であることを示し、表中のXXは接近不許可であることを示す。図3では、無人航空機D1が着陸場P3,P4にのみ接近許可され、無人航空機D2が着陸場P1,P2,P3にのみ接近許可され、他の無人航空機は、いずれの着陸場にも接近不許可とされた状態を示している。
【0021】
各無人航空機D1,D2,・・・は、接近許可が与えられた着陸場に対しては、接近してもよいよう制御され、接近が不許可とされた着陸場に対しては、接近しないよう制御される。例えば、無人航空機D1が着陸場P1に接近しようとする際には、管理システム10に接近可否の問い合わせがされ、管理システム10から、無人航空機D1の着陸場P1への接近は不許可との接近許可情報が返されると、無人航空機D1は着陸場P1に接近しないように制御される。あるいは、無人航空機D2が着陸場P2に接近しようとする際には、管理システム10に接近可否の問い合わせがされ、管理システム10から、無人航空機D2の着陸場P2への接近は許可との着陸許可情報が返されると、無人航空機D2は着陸場P2に接近してもよいように制御される。
【0022】
図4は、着陸許可情報の管理システム10の構成を示す概念図である。
本実施形態の着陸許可情報の管理システム10は、航空機情報取得部101と、着陸場情報取得部102と、集配情報取得部103と、着陸可否判断部104とを有する。
必須ではないが、管理システム10は、さらに、着陸許可情報記憶部107や、着陸許可情報送信部108を有していてもよい。
また、必須ではないが、管理システム10は、さらに、接近可否判断部105や、航空機経路計画部106を有していてもよい。また、必須ではないが、管理システム10は、さらに、着陸情報取得部109を有していてもよい。
図4では、これら各機能部を四角で囲って表示し、各機能部に関連して取り扱われる情報を括弧<>で囲って表示している。
【0023】
図4に示した各機能部は、管理システムを構成するソフトウェアやハードウェアにより実現される。図4では各機能部を互いに独立した機能部のように記載しているが、各機能部の構成要素が、異なる機能部の間で共有されていてもよい。各機能部は、必要に応じて呼び出され、必要とされる情報をやり取りするよう構成されていてもよい。また、図1図4では、管理システム10と、無人航空機D1,D2,・・・および着陸場P1,P2,・・・が独立していて、互いに通信でやり取りする例を示しているが、これは必須ではない。例えば、管理システムの着陸可否判断部が、着陸場P2に実装されたハードウェアとソフトウェアで実現されるなど、管理システムの構成要素が、無人航空機や着陸場に実装されていてもよい。また、管理システム10は、情報ネットワークで接続された複数のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0024】
管理システム10は、上述した各機能部のほかに、管理システムを機能させるうえで必要となる他の機能部を有していてもよい。他の機能部としては、電源部や非常電源部、記憶部、バックアップ部、外部情報ネットワーク接続部、コマンド受付部、作動状態表示部などが例示される。
【0025】
以下、各機能部の動作や、管理システムでの情報処理の流れを説明する。
航空機情報取得部101は、機体識別番号を含む、無人航空機の機体に関する機体情報を取得する。機体情報としては、機体識別番号のほか、無人航空機の型式や、大きさ、重量、最大重量、騒音レベル、自律運転の可否および方式、誘導運転の可否および方式、現在位置、飛行可能距離/時間などが含まれていてもよい。機体情報により、個別の無人航空機に関する情報と機体識別番号とが紐付けられる。
【0026】
ここで、機体識別番号とは、個々の無人航空機を識別するために割り振られる識別番号のことである。機体識別番号は、数字だけで構成されていてもよいが、他の識別番号などとの区別や機種判断等が容易なように、アルファベットや記号等と数字の組み合わせで構成されていてもよい。本実施形態では、機体識別番号は、D1,D2,D3,D4・・・と、個別の機体に割り振られている。
【0027】
これら機体情報をあらかじめデータベースに登録しておくとともに、現在位置や飛行可能時間などの適時更新が必要な情報を更新するようにしておいて、航空機情報取得部101がデータベースに問い合わせることにより、機体識別番号に対応する無人航空機の最新の機体情報が得られるようにしてもよい。あるいは、航空機情報取得部101が、個々の無人航空機に問い合わせることにより、あるいは、無人航空機の側から航空機情報取得部101に通知されることにより、機体情報が取得されてもよい。
【0028】
着陸場情報取得部102は、着陸場識別番号を含む、着陸場に関する着陸場情報を取得する。着陸場情報としては、着陸場識別番号のほか、着陸場の型式や、場所、大きさ、許容できる無人航空機の重量、誘導運転の可否および方式、推奨される着陸経路、推奨される離陸経路、現在の使用状況、予約状況、近接する他の着陸場の着陸場識別番号、天候(風雨、霧)などが含まれていてもよい。着陸場情報により、個別の着陸場に関する情報と着陸場識別番号とが紐付けられる。
【0029】
ここで、着陸場識別番号とは、個々の着陸場を識別するために割り振られる識別番号のことである。着陸場識別番号は、数字だけで構成されていてもよいが、他の識別番号などとの区別や着陸場の種類の判断等が容易なように、アルファベットや記号等と数字の組み合わせで構成されていてもよい。本実施形態では、着陸場識別番号は、P1,P2,P3,P4・・・と、個別の着陸場に割り振られている。
【0030】
これら着陸場情報をあらかじめデータベースに登録しておくとともに、現在の使用状況や予約状況、天候などの適時更新が必要な情報を更新するようにしておいて、着陸場情報取得部102がデータベースに問い合わせることにより、着陸場識別番号に対応する着陸場の最新の着陸場情報が得られるようにしてもよい。あるいは、着陸場情報取得部102が、個々の着陸場に問い合わせることにより、あるいは、着陸場の側から着陸場情報取得部102に通知されることにより、着陸場情報が取得されてもよい。
【0031】
集配情報取得部103は、無人航空機による荷物の集配指示情報を取得する。集配指示情報には荷物の集配を行うべき無人航空機の機体識別番号と着陸場の着陸場識別番号の組み合わせが含まれる。例えば、無人航空機D2が着陸場P2に配達に行く場合には、集配指示情報には、機体識別番号「D2」と着陸場識別番号「P2」の組み合わせが含まれる。集配指示情報には、配達なのか集荷なのかの情報や、着陸予定時刻等の情報が含まれてもよい。
【0032】
管理システム10は、集配情報取得部103が取得した機体識別番号(例えばD2)および着陸場識別番号(例えばP2)に対応する個別の機体情報や着陸場情報を、航空機情報取得部101と着陸場情報取得部102を通じて取得し、以下に説明される他の機能部の処理に利用する。
【0033】
着陸可否判断部104は、取得した機体情報および着陸場情報に基づいて、集配指示情報で特定された機体識別番号(例えばD2)の無人航空機を、集配指示情報で特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場に着陸させて良いかを判断する。このステップは、集配指示情報の機体と着陸場の組み合わせに対する着陸許可の判断ステップである。
【0034】
集配指示情報の機体と着陸場の組み合わせに対する着陸許可の判断ステップにおいては、着陸可否判断部104の着陸可否判断の判断手順およびその基準は特に限定されないが、以下のようなものであってもよい。
例えば、着陸場(P2)の現在の使用状況を確認して、他の機体(例えば機体識別番号D4)により着陸場が使用中であれば「着陸不許可」の判断をし、着陸場が使用中でなければ「着陸許可」の判断をするようにしてもよい。
【0035】
あるいは、例えば、集配指示情報で特定された機体識別番号(例えばD2)の無人航空機の大きさや最大重量を機体情報から抽出し、集配指示情報で特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場の大きさや許容重量を着陸場情報から抽出して、これら大きさや重量を比較して、当該無人航空機D2を当該着陸場P2に対し「着陸許可/不許可」の判断をするようにしてもよい。
【0036】
図5には、着陸可否判断部104における可否判断のフローの一例を示す。図5の例では、まず、着陸場の使用状況を確認した上で、当該着陸場(P2)が使用中であれば、「着陸不許可」の判断をする。当該着陸場(P2)が使用中でなければ、次のステップに進み、当該無人航空機(D2)の大きさや重量と、当該着陸場(P2)の大きさや許容重量との比較を行い、無人航空機(D2)が着陸場(P2)に収まる大きさかどうかや、無人航空機(D2)が着陸場(P2)の許容重量を超えていないかをチェックして、当該無人航空機(D2)を当該着陸場(P2)に着陸させて良いかどうかの判断が行われる。この部分までが、集配指示情報の機体と着陸場の組み合わせに対する着陸許可の判断ステップに相当する
【0037】
そして、集配指示情報の機体と着陸場の組み合わせに対する着陸許可/不許可の判断がされた後、着陸させて良い場合には、着陸可否判断部104は当該機体識別番号(D2)の無人航空機に当該着陸場識別番号(P2)の着陸場への着陸許可の判断をするとともに、他の無人航空機には当該着陸場識別番号(P2)の着陸場への着陸不許可の判断をする。すなわち、着陸許可された無人航空機の機体識別番号(この例ではD2)とは異なる機体識別番号(この例では、D1,D3,D4・・・)の無人航空機に対しては、当該着陸場識別番号(P2)の着陸場へ着陸不許可すなわち着陸禁止の判断がなされる。図5の例では、後半の処理の部分で、異なる機体識別番号の無人航空機に対する着陸不許可の判断が行われている。
【0038】
その結果、着陸可否判断部104は、図6に示されるような、集配指示情報で特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場に対する、個々の無人航空機D1,D2,・・・の着陸許可/不許可の情報を生成することになる。
【0039】
一方、着陸可否判断部104が、集配指示情報で特定された機体識別番号(例えばD2)の無人航空機を、集配指示情報で特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場に着陸不許可と判断した場合には、当該機体識別番号(D2)の無人航空機を当該着陸場識別番号(P2)の着陸場に着陸不許可とする情報が生成され、他の無人航空機に対する着陸許可/不許可の情報は、特に生成されない。
【0040】
必須ではないが、管理システム10は、着陸許可情報記憶部107を有していてもよい。着陸許可情報記憶部107は、図2に例示されたような、個々の無人航空機D1,D2,・・・に対する個々の着陸場P1,P2,・・・の「着陸許可/不許可」に関する情報を記憶、更新し、保持する。個々の無人航空機や個々の着陸場は、着陸許可情報記憶部107にアクセスすることにより、着陸の可否を知ることができる。着陸許可情報記憶部107は、管理システム10の外部のシステムに対し、情報の参照が可能なようにアクセスが解放されていてもよい。
【0041】
管理システム10が着陸許可情報記憶部107を有する場合には、着陸可否判断部104は、生成した着陸許可/不許可の情報(例えば図6に示される情報)を用いて、着陸許可情報記憶部107が管理している「着陸許可/不許可」に関する着陸許可情報(例えば図6に示される情報マトリクス)を更新してもよい。なお、着陸許可情報記憶部107は、独立した1つのメモリやディスクドライブ装置などのハードウェアを利用するものであってもよいが、管理システムに含まれる複数のハードウェア(例えば無人航空機や着陸場に実装されたメモリ等)に分散して実装されたものであってもよい。
【0042】
また、必須ではないが、管理システム10は、着陸許可情報送信部108を有していてもよい。着陸許可情報送信部108は、着陸可否判断部104が生成した着陸許可/不許可の情報や、着陸許可情報記憶部107に記憶されている情報を、個別の無人航空機や個別の着陸場、もしくはそれらの一方に、送信するものであってもよい。
【0043】
着陸可否判断部104が生成した着陸許可/不許可の情報が、適切に無人航空機や着陸場に伝達される限りにおいて、着陸許可情報記憶部107や着陸許可情報送信部108は必須ではなく、他の機能部や方法によって、着陸許可/不許可の情報が伝達されてもよい。また、着陸許可情報記憶部107や着陸許可情報送信部108に相当する機能が、着陸可否判断部104に含まれていてもよい。
【0044】
また、以下に説明するように、管理システム10は、個別の無人航空機に対し、個別の着陸場への接近の許可/不許可を判断し、接近許可情報を管理するよう構成してもよい。
必須ではないが、この場合、管理システム10は、さらに、接近可否判断部105を有していてもよい。
【0045】
集配指示情報により特定された無人航空機と着陸場の組み合わせ(例えばD2とP2)に対し着陸許可の判断がなされた場合において、必須ではないが、接近可否判断部105は、集配指示情報により特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場から、他の着陸場(例えば、P1,P3,P4,・・・)までの距離情報を取得するとともに、所定の判定基準に従い距離が近いと判断される着陸場を近隣着陸場として特定し、集配指示情報により特定された識別番号の無人航空機(例えばD2)に対し、特定された近隣着陸場に「接近許可」の判断をする一方で、距離が近いと判断されなかった着陸場には「接近不許可」の判断をするように構成してもよい。
【0046】
この場合の、接近可否判断部105における処理のフローを、図7に例示する。
図7の例では、集配指示情報により、機体識別番号D2と着陸場識別番号P2の組み合わせが与えられ、機体識別番号D2の無人航空機が、着陸場識別番号P2の着陸場に着陸することが予定され、許可されている。
【0047】
接近可否判断部105は、まず、着陸場情報取得部102から着陸場情報を取得し、集配指示情報により特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場から、他の着陸場(例えば、P1,P3,P4,・・・)までの距離情報を取得する。距離情報は、着陸場間の距離そのものであってもよいし、着陸場間の距離を段階的にランク付けした指標であってもよい。例えば、着陸場間の距離を、10m以下、10m超30m以下、30m超50m以下、50m超100m以下、100超、の5段階に、ランク付けした指標であってもよい。
【0048】
これら、着陸場間の距離や指標は、着陸場情報に含まれる着陸場の位置情報を用いて、接近可否判断部105の中で計算するようにしてもよいが、これら着陸場間の距離情報は、あらかじめ計算しておいて、着陸場情報に付随する情報として記憶しておき、着陸場情報取得部102から接近可否判断部105に着陸場の間の距離情報を渡すようにしてもよい。なお、距離情報は、着陸場を上空から俯瞰した際の水平方向の距離であってもよく、着陸場の間を3次元的に直線で結んだ空間的な距離であってもよい。
図7の実施形態では、集配指示情報により特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場から他の着陸場(P1,P3,P4,・・,Pn,・・)までの空間的距離(L1,L3,L4,・・,Ln,・・)が距離情報として得られている。
【0049】
次に、他の着陸場までの距離情報に基づいて、所定の判定基準に従い距離が近いと判断される着陸場を近隣着陸場として特定する。
例えば、判定基準となる距離L0(例えば30m)が定められており、この基準距離L0と、着陸場間の距離を比較して、着陸場の間が近いか否かを判断し、かかる着陸場を近隣着陸場として特定してもよい。この場合、判定基準となる基準距離は、個々の着陸場によって異なっていてもよく、着陸場情報には、その着陸場の近接判定に利用されるべき基準距離L0の情報が含まれていてもよい。また、無人航空機の大きさや出力、騒音レベル等と関連付けて、基準距離L0を決定するようにしてもよい。
【0050】
また、他の着陸場までの距離情報が、ランク付けした指標で得られる場合には、どのランクまでを近いと判定するかという判定基準を定めることにより、着陸場の間が近いか否かを判断してもよい。例えば、距離ランクが10m以下の着陸場と、10m超30m以下の着陸場といった距離ランクの着陸場を、近隣着陸場として特定してもよい。
【0051】
接近可否判断部105は、集配指示情報により特定された機体識別番号(例えばD2)の無人航空機に対し、集配指示情報により特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場への接近許可を着陸許可と対応させて判断する。すなわち、着陸許可判断がされていれば、接近許可の判断をし、着陸不許可の判断であれば、接近不許可の判断をする。
さらに、接近可否判断部105は、特定された近隣着陸場に接近許可の判断をする。すなわち、着陸すべき着陸場(P2)に近い近隣着陸場に対して、当該無人航空機(D2)の接近許可の判断がなされる。一方で、着陸すべき着陸場(P2)に距離が近いと判断されなかった着陸場には、当該無人航空機(D2)の接近不許可の判断がなされる。
【0052】
図7の例では、着陸場間の距離(L1,L3,L4,・・・)と基準距離L0(例えばL0=30m)を比較し、距離が近いと判断された着陸場(この例ではP1、P3)が近隣着陸場として特定され、無人航空機D2に接近許可の判断がされる。一方、距離が遠いと判断された着陸場(この例ではP4、P5,・・・)に対して、無人航空機D2に接近不許可の判断がされる。そして、接近可否判断部105により、図8に示したような、特定の無人航空機に対し、各着陸場への接近許可(CO)/不許可(XX)の情報が生成され、図3に示したような接近許可情報に上書き、反映される。
【0053】
また、管理システム10が、接近可否判断部105を有する場合には、必須ではないが、管理システムは、さらに、航空機経路計画部106を有していてもよい。
【0054】
この場合、航空機情報取得部101は、さらに、当該無人航空機の現在位置情報を取得し、着陸場情報取得部102は、着陸場情報として着陸場の位置情報を取得し、航空機経路計画部106は、無人航空機の現在位置情報と着陸場の位置情報を用いて、無人航空機の飛行経路を計画する。
【0055】
航空機経路計画部106における飛行経路の計画の具体的方法は、特に限定されない。飛行経路の計画は、例えば、無人航空機の現在位置と着陸場の位置を上空から俯瞰して直線的に結ぶように計画してもよい。また、着陸場のそれぞれにおいて、着陸時および離陸時の飛行経路をあらかじめ定めておいて、それを含むように全体の飛行経路を計画してもよい。また、地面や海面、塔やタワー、高層ビルディング、送電線等の障害物に関する情報や、空港等の立ち入り禁止エリアに関する情報を、飛行経路の計画に活用することが好ましい。
【0056】
航空機経路計画部106によって、無人航空機の飛行経路が計画されると、接近可否判断部105は、集配指示情報で特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場とは異なる着陸場(P1,P3,P4,・・,Pn,・・)に対し、飛行経路との間の距離(LL1,LL3,LL4,・・,LLn,・・)を取得する。距離の取得は、1本の3次元的な経路として得られる飛行経路に対し、各着陸場が最も接近する距離を求める、算術計算もしくは数値シミュレーションにより行うことができる。
【0057】
そして、航空機経路計画部106は、所定の判定基準に従い、飛行経路に近いと判断される着陸場を経路接近着陸場として特定する。図9の例では、近いと判断する基準の接近距離をLL0(例えば30m)と定めて、各着陸場(P1,P3,P4,・・,Pn,・・)と飛行経路との間の距離(LL1,LL3,LL4,・・,LLn,・・)を基準距離LL0と比較し、距離が近いと判断された着陸場(この例ではP3、P5)が経路接近着陸場として特定されている。
【0058】
そして、航空機経路計画部106は、当該機体識別番号(D2)の無人航空機に対し、特定された経路接近着陸場に接近許可の判断をする一方で、飛行経路への距離が近いと判断されなかった着陸場には接近不許可の判断をする。
図9の例では、経路接近着陸場であると判断された着陸場(P3,P5)に対し、無人航空機D2の接近許可の判断がなされる。一方、距離が遠いと判断された着陸場(この例ではP1,P4、P6,・・・)に対して、無人航空機D2に接近不許可許可の判断がされる。そして、接近可否判断部105により、図10に示したような、特定の無人航空機(D2)に対し、各着陸場への接近許可(CO)/不許可(XX)の情報が生成され、図3に示したような接近許可情報に上書き、反映される。
【0059】
上記実施形態の、着陸許可情報の管理システムの作用および効果について説明する。
上記実施形態の着陸許可情報の管理システムは、複数の無人航空機に対する、複数の着陸場への着陸許可情報を管理するものであり、上記実施形態の着陸許可情報の管理システムによれば、複数の無人航空機に対する複数の着陸場への着陸許可情報を、適切に管理できる。すなわち、集配指示情報に基づいて特定される無人航空機(D2)と着陸場(P2)の組み合わせに対する着陸の可否判断が、着陸可否判断部104においてなされるとともに、他の無人航空機(D1,D3,D4・・・)に対しては、当該着陸場への着陸が不許可とされるので、複数の無人航空機に対する複数の着陸場への着陸許可情報を、効率的に一元管理できる。また、特定の着陸場への着陸許可を複数の無人航空機に対して与えてしまうことが予防されるので、無人航空機同士が着陸場上空で接触するといった事故の抑制も期待できる。
【0060】
特に、上記実施形態の管理システムにおいて説明したように、管理システムが、さらに、集配指示情報で特定された着陸場(P2)の使用状況を取得して、当該着陸場が他の無人航空機(例えばD4)により使用状態にある場合には、着陸可否判断部104は、当該無人航空機D2に対し、当該着陸場(P2)に着陸不許可の判断をするようにした場合には、複数の無人航空機に対して特定の着陸場への着陸許可を与えてしまうことがより確実に予防される。
【0061】
また、さらに、管理システムが接近可否判断部105を有し、接近可否判断部105において、無人航空機(D2)が着陸しようとする着陸場(P2)に近い近隣着陸場を特定し、かかる近隣着陸場に対しては、当該無人航空機の接近許可を与え、近くない着陸場に対しては接近不許可とするようにすれば、着陸場(P2)に着陸しようとする際に接近する必要のある他の着陸場に対してのみ、接近許可を与えることができ、無人航空機の円滑な着陸動作に必要な接近許可を与えながら、接近する必要のない着陸場には接近不許可として、騒音問題やプライバシーの問題を生じにくくできる。すなわち、複数の無人航空機に対する複数の着陸場への接近許可情報を、適切に管理することができる。
【0062】
また、さらに、管理システムが航空機経路計画部106を有し、接近可否判断部105において、無人航空機(D2)に計画された飛行経路に近い経路接近着陸場を特定し、かかる経路接近着陸場に対しては、当該無人航空機の接近許可を与え、飛行経路に近くない着陸場に対しては接近不許可とするようにすれば、無人航空機の飛行経路に対し接近する必要のある他の着陸場に対してのみ、接近許可を与えることができ、無人航空機の円滑な飛行に必要な接近許可を与えながら、接近する必要のない着陸場には接近不許可として、騒音問題やプライバシーの問題を生じにくくできる。すなわち、複数の無人航空機に対する複数の着陸場への接近許可情報を、適切に管理することができる。
【0063】
また、このように、着陸の許可/不許可の情報とともに、接近の許可/不許可の情報を管理すれば、目的とする着陸場(例えばP2)への着陸の許可が得られているのに、特定の着陸場(例えばP3)への接近許可が出ていないため、予定していた飛行経路や着陸経路に無人航空機が侵入できず、円滑な荷物の配送の妨げとなることが抑制できる。
【0064】
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
【0065】
上記した実施形態の着陸許可情報の管理システム10は、必須ではないが、着陸情報取得部109を有していてもよい。着陸情報取得部109を有する管理システムにおける動作フローの例を図11に示す。着陸情報取得部109は、集配指示情報で特定された機体識別番号(例えばD2)の無人航空機が、当該集配指示情報で特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場に着陸した旨の着陸情報を取得する。着陸情報には、無人航空機(D2)が着陸場(P2)に着陸した旨の情報だけでなく、無人航空機(D2)が着陸場(P2)に着陸した後、離陸した旨の情報を含んでいてもよい。
【0066】
管理システム10の着陸可否判断部104は、着陸情報取得部109が取得した着陸情報に基づいて、当該機体識別番号(D2)の無人航空機に対する当該着陸場識別番号(P2)の着陸場への着陸許可を取り消す。
【0067】
無人航空機(D2)が着陸場(P2)に向かう間に出されていた着陸許可は、無人航空機(D2)が着陸場(P2)に着陸したことによってもはや必要なくなる。着陸後に、着陸情報に基づいて、かかる着陸許可を取り消すことにより、別の無人航空機(例えばD3)の当該着陸場(P2)への着陸を計画することが可能となり、無人航空機や着陸場の運用をより効率的なものとできる。すなわち、配達を終えた無人航空機が特定の着陸場を長時間占有した状態となってしまうことが未然に防止され、より適切に着陸許可情報を管理できる。
【0068】
無人航空機の事故抑制を図りながら、無人航空機や着陸場の運用を効率化する観点からは、無人航空機が着陸した旨の情報を、着陸情報取得部109が取得してから、所定の時間(例えば10分以上)経過してから、あるいは、無人航空機が着陸した後に離陸した旨の情報を、着陸情報取得部109が取得してから、当該機体識別番号(D2)の無人航空機に対する当該着陸場識別番号(P2)の着陸場への着陸許可を取り消すことが好ましい。このようにすれば、無人航空機(D2)が着陸場(P2)付近にいる間に、別の無人航空機に着陸場(P2)への着陸許可が出されてしまう可能性を低くでき、着陸許可情報の管理がより好ましいものとなる。
【0069】
また、管理システム10が、さらに、着陸情報取得部109を有する場合には、必須ではないが、着陸情報取得部109は、集配指示情報で特定された機体識別番号(例えばD2)の無人航空機が集配指示情報で特定された着陸場識別番号(例えばP2)の着陸場に着陸した旨の着陸情報を取得し、当該着陸情報に基づいて、管理システム10の接近可否判断部105は、当該機体識別番号(D2)の無人航空機に対して出されていた接近許可を取り消すことが好ましい。
【0070】
このようにすることにより、集配のための着陸を終えた無人航空機(D2)に対し、接近許可が出され続けることが未然防止され、無人航空機の円滑な運用と、騒音防止やプライバシーへの配慮とを両立させて、より適切に接近許可情報を管理できる。
接近可否判断部105による、接近許可を取り消し、当該無人航空機を接近不許可とする処理は、好ましくは、着陸情報取得部109が着陸情報を取得した後、所定の時間(例えば10分)が経過した後に、なされることが好ましい。
【0071】
上記した実施形態の管理システム10は、複数の無人航空機や複数の着陸場を運用管理するシステム、例えば、無人航空機や着陸場の管制システムやUTMなどと、通信可能とされ、着陸許可情報や接近許可情報をこれらシステムと共有できることが好ましい。また、管理システム10は、無人航空機や着陸場の管制システムや他の上位システムの一部(サブシステム)であってもよい。
【0072】
なお、必須ではないが、管理システム10は、複数の無人航空機D1,D2,D3,・・・に対する複数の着陸場P1,P2,P3,・・・への着陸許可/不許可を、独占的にもしくは優越的に行えるものであることが、着陸許可情報の管理の観点からは好ましい。
なお、管理システム10が管理する着陸許可/不許可の情報は、無人航空機や着陸場を管制する他のシステムによって変更、上書きされるものであってもよい。
【0073】
また、必須ではないが、着陸許可情報を管理する管理システム10は、複数の無人航空機D1,D2,D3,・・・の運行計画を行うシステムや、各無人航空機D1,D2,D3,・・・の飛行制御を行うシステムと連動するものであることが好ましい。連動により、運航計画や飛行制御に対し、着陸許可情報や接近許可情報を反映させることができ、複数の無人航空機や着陸場の運用の効率や、安全性が高められうる。
【0074】
また、無人航空機による荷物の配送は、宅配便の荷物の各家庭への配送といった場面を含むが、これに限定はされない。例えば、病院等の公共機関に対する医薬品等の配送の場面や、車両の故障現場や事故現場への部品配送や故障品の回収の場面、宅配便の荷物の各家庭からの集荷の場面などにも応用できる。
【0075】
また、着陸場は、位置等を個別に特定できる限りにおいて、限定されない。例えば、住所が同じであるビルディングに対し、3階と5階と屋上の3か所に、個別の着陸場識別番号を割り当てた着陸場を設けて、これら着陸場に対し、着陸や接近の許可/不許可の管理をすることができる。こうした、近接して配置された着陸場に対し、着陸や接近の許可/不許可を連動させて判断できると、無人航空機の運用が効率化できて好ましい。
また、船舶や鉄道車両、空母等の移動可能な着陸場についても、着陸や接近の許可情報の管理を行うことができる。
【0076】
また、上記実施形態の管理システム10の説明では、管理システム10と無人航空機D1,D2,D3・・・、着陸場P1,P2,P3・・・が互いに独立していて、相互に通信するようなシステムを例示して説明したが、管理システムと、無人航空機や着陸場が互いに独立していることは必須ではない。すなわち、管理システムが、無人航空機や着陸場に設けられたハードウェアやソフトウェアの一部を含むように構成されていてもよい。
【0077】
例えば、管理システム10の着陸可否判断部104や航空機経路計画部106が、無人航空機に搭載されたコンピュータ上に実装されるように、管理システムが構成されていてもよい。この場合、個々の無人航空機に搭載されたコンピュータ上に着陸可否判断部104や航空機経路計画部106を設け、その機体に関する判断や計画をするように、分散処理を行ってもよい。
【0078】
あるいは、例えば、着陸可否判断部104が、着陸場に備えられたコンピュータ上に実装されるように、管理システムが構成されていてもよい。また、管理システム10の着陸許可情報記憶部107が、着陸場に備えられたコンピュータ上に実装されるように、管理システムが構成されていてもよい。それぞれの着陸場に当該着陸場に関する着陸許可情報を記憶させるようにして、着陸許可情報記憶部107が分散して実装されるようにしてもよい。
【0079】
管理システムを構成する各機能部、すなわち、航空機情報取得部101、着陸場情報取得部102、集配情報取得部103、着陸可否判断部104、接近可否判断部105、航空機経路計画部106、着陸許可情報記憶部107、着陸許可情報送信部108、着陸情報取得部109は、それぞれ、1つのハードウェア(コンピュータやメモリ、ディスクドライブ装置、入出力装置等)上に実装され、動作するものであってもよいが、それは必須ではない。これら機能部は、情報ネットワークを介して接続される複数のハードウェアにまたがるように実装され動作するよう、分散処理が可能な構成とされていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
着陸許可情報を管理する管理システムは、複数の無人航空機に対する複数の着陸場への着陸情報を管理でき産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0081】
D1,D2,・・・ 無人航空機
P1,P2,・・・ 着陸場
10 管理システム
101 航空機情報取得部
102 着陸場情報取得部
103 集配情報取得部
104 着陸可否判断部
105 接近可否判断部
106 航空機経路計画部
107 着陸許可情報記憶部
108 着陸許可情報送信部
109 着陸情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11