(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054946
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
G01G19/387 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163979
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】上垣内 暁
(72)【発明者】
【氏名】古川 拓磨
(57)【要約】
【課題】テストモードに切り替えなくても、通常運転時にホッパから物品が排出されない原因を把握する。
【解決手段】組合せ計量装置1は、複数の計量ホッパ6と計量部11と制御部20とを備える。制御部20は、複数の計量ホッパ6のうち、ゼロ点調整の対象として設定したゼロ点ホッパに貯留された物品Mをゼロ点ホッパのゲート62の開閉により排出した後、ゼロ点ホッパへの物品Mの供給を禁止した状態で取得されるゼロ点ホッパの重量値が予め設定した許容範囲内にある場合、ゼロ点ホッパの重量値をゼロ点として記憶し、ゼロ点ホッパの重量値が許容範囲を超えている場合、物品Mがゼロ点ホッパから排出されない原因を判定する判定動作モードへ移行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される物品をゲートの一時的な閉状態で貯留し、その後に前記ゲートを開状態として当該物品を排出する複数のホッパと、
前記ホッパの重量値を取得する取得部と、
前記取得部で取得した複数の前記ホッパの各重量値における前記物品に関する重量値に基づいて、予め設定された目標重量値の組合せを計算する制御部と、を備え、
前記制御部は、
複数の前記ホッパのうち、ゼロ点調整の対象として設定したゼロ点ホッパに貯留された前記物品を前記ゲートの開閉により排出した後、前記ゼロ点ホッパへの物品の供給を禁止した状態で取得される前記ゼロ点ホッパの重量値が予め設定した許容範囲内にある場合、前記ゼロ点ホッパの重量値をゼロ点として記憶し、前記ゼロ点ホッパの重量値が前記許容範囲を超えている場合、前記物品が前記ゼロ点ホッパから排出されない原因を判定する判定動作モードへ移行する、組合せ計量装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記判定動作モードにおいて、1ないし複数回の前記ゲートのさらなる開閉により前記ゼロ点ホッパの重量値が前記許容範囲内に収まった場合、前記ゲートの開閉時間が適正でないと判定する、請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記判定動作モードにおいて、前記ゲートの開閉時間が適正でないと判定した場合、前記ゲートのさらなる開閉後の前記ゼロ点ホッパの重量値を記憶し、
記憶された複数の前記ゼロ点ホッパの重量値に基づいて、前記ゲートの開閉時間を調整する、請求項2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記制御部は、直近に記憶された規定数の前記ゼロ点ホッパの重量値の中で、前記許容範囲を超えている前記ゼロ点ホッパの重量値の数が所定割合以上の場合、前記ゲートの開閉における開状態の時間を長くする、請求項3に記載の組合せ計量装置。
【請求項5】
供給ゲートの一時的な閉状態で前記物品を貯留し、その後に前記供給ゲートを開状態として当該物品を前記ゼロ点ホッパに供給する供給ホッパを備え、
前記制御部は、前記ゼロ点ホッパの前記ゲートの開閉における開状態の時間を長くした場合、前記供給ホッパの前記供給ゲートの開閉における開状態の時間も長くする、請求項4に記載の組合せ計量装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記判定動作モードにおいて、前記ゲートのさらなる開閉を所定回数繰り返しても、前記ゼロ点ホッパの重量値が前記許容範囲内に収まらない場合、前記物品が前記ゼロ点ホッパに付着していると判定する、請求項2~5の何れか一項に記載の組合せ計量装置。
【請求項7】
前記制御部は、直近に記憶された規定数の前記ゼロ点ホッパの重量値の中で、前記許容範囲を超えている前記ゼロ点ホッパの重量値の数が0の場合、前記ゲートの開閉における開状態の時間を短くする、請求項1~5の何れか一項に記載の組合せ計量装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記ゲートの開閉時間を調整する機能モードとして、少なくとも第1モードと第2モードとが選択可能に構成されており、
前記第1モードが選択されている場合、前記ゲートの開閉における開状態の時間を短くすることを禁止し、前記第2モードが選択されている場合、前記ゲートの開閉における開状態の時間を短くすることを許容する、請求項7に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ計量装置は、供給される物品をゲートの一時的な閉状態で貯留し、その後にゲートを開状態として当該物品を排出する複数のホッパと、ホッパの重量値を取得する取得部と、取得部で取得した複数のホッパの各重量値における物品に関する重量値に基づいて、予め設定された目標重量値の組合せを計算する制御部と、を備える。
【0003】
このような組合せ計量装置では、例えば目標重量値がホッパの容量に対して相対的に大きくなると、標準的な開閉時間でゲートを開閉しても、ホッパから物品が排出されずに残り、それによって計量精度が低下する可能性がある。この点、下記特許文献1に記載の組合せ秤では、装置のテストモード(非稼働時)において、一つのホッパに所定質量の物品を供給して排出し、排出後のホッパ内に物品が残っていればゲートの開閉時間を長くし、残っていなければゲートの開閉時間を短くするという処理を繰り返し、ゲートの開閉時間を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ホッパ内に物品が付着している場合、上述した組合せ計量装置では、ゲートの開閉時間が短くなり過ぎて、ゲートの開閉時間を適正な値に調整できないおそれがある。よって、ホッパから物品が排出されない場合には、直ちにゲートの開閉時間を調整するのではなく、その原因を把握することが望まれる。また、上述した組合せ計量装置では、通常運転時とは別に実施されるテストモードにてゲートの開閉時間を調整するため、テスト用の物品を用意し、それを各ホッパに所定量ずつ供給してテスト運転しなければならない煩わしさがある。
【0006】
そこで、本発明の一側面は、テストモードに切り替えなくても、通常運転時にホッパから物品が排出されない原因を把握することが可能な組合せ計量装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る組合せ計量装置は、供給される物品をゲートの一時的な閉状態で貯留し、その後にゲートを開状態として当該物品を排出する複数のホッパと、ホッパの重量値を取得する取得部と、取得部で取得した複数のホッパの各重量値における物品に関する重量値に基づいて、予め設定された目標重量値の組合せを計算する制御部と、を備え、制御部は、複数のホッパのうち、ゼロ点調整の対象として設定したゼロ点ホッパに貯留された物品をゲートの開閉により排出した後、ゼロ点ホッパへの物品の供給を禁止した状態で取得されるゼロ点ホッパの重量値が予め設定した許容範囲内にある場合、ゼロ点ホッパの重量値をゼロ点として記憶し、ゼロ点ホッパの重量値が許容範囲を超えている場合、物品がゼロ点ホッパから排出されない原因を判定する判定動作モードへ移行する。
【0008】
この組合せ計量装置では、ホッパの重量値のゼロ点を調整するために通常運転時に行われるゼロ点調整を利用し、ホッパに物品が残る場合の原因を究明することができる。すなわち、ゼロ点ホッパのゲート開閉後の重量値が許容範囲内であれば、当該重量値をゼロ点とするゼロ点調整を行うが、そうでない場合(物品がゼロ点ホッパに残っている場合)には、判定動作モードへ移行し、物品がゼロ点ホッパから排出されない原因を判定することができる。したがって、テストモードに切り替えなくても、通常運転時にホッパから物品が排出されない原因を把握することが可能となる。例えば把握した原因に基づいて、装置を適正な状態に、例えばホッパの開閉時間を適正な値に調整することが可能となる。
【0009】
本発明の一側面に係る組合せ計量装置では、制御部は、判定動作モードにおいて、1ないし複数回のゲートのさらなる開閉によりゼロ点ホッパの重量値が許容範囲内に収まった場合、ゲートの開閉時間が適正でないと判定してもよい。この場合、さらなるゲートの開閉により、ゼロ点ホッパ内の物品は全て排出されたと推定されるから、ゲートの開閉時間が適正でないことを、物品がホッパから排出されない原因として把握することができる。これは、ホッパ内に占める物品の容量に対し、ゲートの開閉時間が短い場合には、当該ホッパのゲートをさらに開閉すれば、ホッパ内の物品は全て排出されるためである。
【0010】
本発明の一側面に係る組合せ計量装置では、制御部は、判定動作モードにおいて、ゲートの開閉時間が適正でないと判定した場合、ゲートのさらなる開閉後のゼロ点ホッパの重量値を記憶し、記憶された複数のゼロ点ホッパの重量値に基づいて、ゲートの開閉時間を調整してもよい。これにより、ゲートの開閉により、ゼロ点ホッパから、毎回どの程度の物品が排出されるかを見極めてから、ゲートの開閉時間を調整することが可能となる。
【0011】
本発明の一側面に係る組合せ計量装置では、制御部は、直近に記憶された規定数のゼロ点ホッパの重量値の中で、許容範囲を超えているゼロ点ホッパの重量値の数が所定割合以上の場合、ゲートの開閉における開状態の時間を長くしてもよい。この場合、ホッパから物品が確実に排出されるようにゲートの開閉時間を調整することが可能となる。
【0012】
本発明の一側面に係る組合せ計量装置は、供給ゲートの一時的な閉状態で物品を貯留し、その後に供給ゲートを開状態として当該物品をゼロ点ホッパに供給する供給ホッパを備え、制御部は、ゼロ点ホッパのゲートの開閉における開状態の時間を長くした場合、供給ホッパの供給ゲートの開閉における開状態の時間も長くしてもよい。これにより、供給ホッパから物品が確実に排出されるように供給ゲートの開閉時間も調整することが可能となる。
【0013】
本発明の一側面に係る組合せ計量装置では、制御部は、判定動作モードにおいて、ゲートのさらなる開閉を所定回数繰り返しても、ゼロ点ホッパの重量値が許容範囲内に収まらない場合、物品がゼロ点ホッパに付着していると判定してもよい。これにより、物品のホッパへの付着を、物品がホッパから排出されない原因として把握することができる。これは、物品がホッパへ付着している場合には、当該ホッパのゲートを所定回数開閉しても、付着した物品はホッパから排出されにくいためである。
【0014】
本発明の一側面に係る組合せ計量装置では、制御部は、直近に記憶された規定数のゼロ点ホッパの重量値の中で、許容範囲を超えているゼロ点ホッパの重量値の数が0の場合、ゲートの開閉における開状態の時間を短くしてもよい。この場合、物品を排出する前のゼロ点ホッパの重量値は、大小さまざまであったにも関わらず、それらの物品は、そのときのホッパの開状態の時間で全て排出されているから、その開時間を短くしても、ゼロ点ホッパには、物品は残らないだろうとの推定により、ゲートの開閉時間を短縮することができる。
【0015】
本発明の一側面に係る組合せ計量装置では、制御部は、ゲートの開閉時間を調整する機能モードとして、少なくとも第1モードと第2モードとが選択可能に構成されており、第1モードが選択されている場合、ゲートの開閉における開状態の時間を短くすることを禁止し、第2モードが選択されている場合、ゲートの開閉における開状態の時間を短くすることを許容してもよい。これにより、ゲートの開状態の時間を長くすることのみが可能な制御と、ゲートの開状態の時間を長く及び短くすることが可能な制御と、を選択的に実施することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一側面によれば、テストモードに切り替えなくても、通常運転時にホッパから物品が排出されない原因を把握することが可能な組合せ計量装置を提供することができる。その結果、例えば、把握した当該原因に応じて自動的に対処することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態に係る組合せ計量装置の概略構成図である。
【
図3】
図3は、
図2のゼロ点調整部による処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図2の判定動作モード実行部による処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図2のゲート開閉時間調整部による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の概略構成図である。
図1に示されるように、組合せ計量装置1は、投入シュート2と、分散フィーダ3と、複数の放射フィーダ4と、複数のプールホッパ(供給ホッパ)5と、複数の計量ホッパ(ホッパ)6と、集合シュート8と、タイミングホッパ9と、計量部(取得部)11と、制御部20と、インターフェース30と、を備える。組合せ計量装置1は、物品Mを複数の計量ホッパ6に供給して計量し、得られた複数の計量ホッパ6の各物品の計量値に基づいて複数の計量ホッパ6の組合せを求め、求めた組合せの中から目標重量値に近い物品Mの組合せを選び、選んだ当該組合せに係る複数の計量ホッパ6から物品を排出するサイクルを繰り返す。
【0020】
組合せ計量装置1は、搬送コンベア50によって供給される物品Mを目標重量値となるように計量して製袋包装機60に供給する。なお、製袋包装機60は、フィルムを所定容量の袋に成形しつつ、組合せ計量装置1から排出された物品Mを袋詰めにする。搬送コンベア50は、組合せ計量装置1に物品Mを供給する外部装置である。物品Mは、例えば農産物、水産物、加工食品等のように、単体質量にばらつきのある物品である。
【0021】
投入シュート2は、搬送コンベア50の搬送端50aの下方に配置される。投入シュート2は、搬送コンベア50の搬送端50aから落下した物品Mを受けて下方に排出する。分散フィーダ3は、上方から供給される物品Mを周縁に向けて搬送する。分散フィーダ3は、投入シュート2の下方に配置される。分散フィーダ3は、中央部分が高く且つ周縁が低い末広がりの円錐状の搬送面3aを有する。分散フィーダ3は、電磁バイブレータが振動することにより、搬送面3a上の物品Mを周縁へと搬送する。例えば、分散フィーダ3は、搬送面3aを振動させることで、投入シュート2から搬送面3aの頂部に排出された物品Mを搬送面3aの外縁に向かって分散させる。
【0022】
複数の放射フィーダ4は、分散フィーダ3から搬送される物品Mをさらに放射方向に搬送する。複数の放射フィーダ4は、分散フィーダ3の搬送面3aの外縁に沿って放射状に配置される。放射フィーダ4は、搬送面3aの外縁の下方から外側に延在するトラフ4aを有する。放射フィーダ4は、電磁バイブレータが振動することにより物品Mを搬送する。例えば、放射フィーダ4は、トラフ4aが振動することで、搬送面3aの外縁から排出された物品Mをトラフ4aの先端部に向かって搬送する。
【0023】
複数のプールホッパ5は、鉛直方向の中心線CLを囲むように配置される。各プールホッパ5は、各放射フィーダ4のトラフ4aの先端部の下方に配置される。各プールホッパ5は、開閉可能なゲート(供給ゲート)5aを有する。ゲート5aは、プールホッパ5の底部に位置する。各プールホッパ5は、ゲート5aを閉じることで、対応するトラフ4aの先端部から排出された物品Mを一時的に貯留する。各プールホッパ5は、ゲート5aを開くことで、一時的に貯留した物品Mを下方に排出する。つまり、プールホッパ5は、供給される物品Mをゲート5aの一時的な閉状態で貯留し、その後にゲート5aを開くことにより(開状態として)当該物品Mを下方の計量ホッパ6に供給する。
【0024】
複数の計量ホッパ6は、中心線CLを囲むように配置される。各計量ホッパ6は、各プールホッパ5のゲート5aの下方に配置される。各計量ホッパ6は、物品Mを収納する本体部61と、その底部において開閉可能なゲート62とを有する。ゲート62は、本体部61に設けられる。ゲート62は、計量ホッパ6の底部に位置する。各計量ホッパ6は、ゲート62を閉じることで、対応するプールホッパ5から排出された物品Mを本体部61内に一時的に貯留する。各計量ホッパ6は、ゲート62を開くことで、本体部61内に一時的に貯留した物品Mを下方に排出する。つまり、計量ホッパ6は、供給される物品Mをゲート62の一時的な閉状態で貯留し、その後にゲート62を開状態として当該物品Mを下方へ排出する。
【0025】
集合シュート8は、各計量ホッパ6から排出された物品Mを排出口8aに集合させる。排出口8aは、複数の計量ホッパ6に対して下方の中心線CL上に位置する。集合シュート8は、上段シュート部81と下段シュート部82とを有する。上段シュート部81は、各計量ホッパ6から排出された物品Mを受けて当該物品Mを排出口8a側(すなわち、中心線CL側かつ下側)に滑走させる。下段シュート部82は、下方に向かって先細りの円錐台状の筒体であり、上側の開口82a及び下側の開口82bを有する。下段シュート部82は、下側の開口82bを排出口8aとして、当該排出口8aから物品Mを下方に排出する。
【0026】
タイミングホッパ9は、排出口8aの下方に配置される。タイミングホッパ9は開閉可能なゲート9aを有する。ゲート9aは、タイミングホッパ9の底部に位置する。タイミングホッパ9は、ゲート9aを閉じることで、集合シュート8から排出された物品Mを一時的に貯留する。タイミングホッパ9は、ゲート9aを開くことで、一時的に貯留した物品Mを製袋包装機60に排出する。
【0027】
計量部11は、フレーム12に支持されたケース13内に配置される。計量部11は、複数のロードセル11aを有する。各ロードセル11aは、対応する計量ホッパ6を支持する。計量部11は、各計量ホッパ6に物品Mが一時的に貯留される際に、各計量ホッパの重量値(物品Mの質量に応じた計量値)を計量(取得)する。また、各計量部11に対応させて、プールホッパ5及び計量ホッパ6の各ゲート5a、62を選択的に開閉させる図示しないリンク機構と、当該リンク機構を選択的に動作させる図示しない駆動部と、が設けられる。
【0028】
制御部20は、ケース13内に配置される。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する。制御部20は、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送動作、各プールホッパ5のゲート5aの開閉動作、各計量ホッパ6のゲート62の開閉動作、並びにタイミングホッパ9のゲート9aの開閉動作等、組合せ計量装置1の各部の動作を制御する。制御部20は、製袋包装機60と通信可能に接続される。
【0029】
制御部20は、計量部11によって計量した計量値と、当該計量値に対応する物品Mを貯留する計量ホッパ6とを対応付けて記憶する。制御部20は、計量部11によって計量され、かつ各計量ホッパ6に対応付けられた各物品Mの複数の計量値から、合計値が目標重量値となるように物品Mの計量値の組合せを選択する。より具体的には、制御部20は、各計量部11によって出力されたそれぞれの物品Mの計量値を組み合わせて、組合せ合計値が目標重量値に近く、所定範囲内に収まるような物品Mの組合せを選択する。すなわち、制御部20は、計量部11で取得した複数の計量ホッパ6の各物品Mの重量値に基づいて、予め設定された目標重量値に等しいか、それに近い物品Mの組合せを計算する。そして、制御部20は、計算した当該組合せに係る物品Mの計量ホッパ6から物品Mを排出させる。
【0030】
インターフェース30は、作業者等のユーザから情報の入力を受け付ける装置である。インターフェース30を介して受け付けられる情報は、制御部20に送信される。本実施形態では、インターフェース30は、例えば液晶ディスプレイ等により構成されるタッチパネルディスプレイ(表示部)30tを有する。インターフェース30は、キーボード、マウス、テンキー、マイク等を有してもよい。インターフェース30は、音声を出力するスピーカ等を有してもよい。
【0031】
投入シュート2、分散フィーダ3、複数の放射フィーダ4、複数のプールホッパ5及び複数の計量ホッパ6は、ケース13に直接的に又は間接的に支持される。集合シュート8及びタイミングホッパ9は、フレーム12に直接的に又は間接的に支持される。
【0032】
次に、制御部20について詳細に説明する。
【0033】
図2は、制御部20の機能的な構成を示す図である。
図2に示されるように、制御部20は、記憶部22と、ゼロ点調整部24と、判定動作モード実行部26と、ゲート開閉時間調整部28と、を備える。制御部20は、記憶部22、ゼロ点調整部24、判定動作モード実行部26及びゲート開閉時間調整部28を、各種制御処理を実行する概念的な部分として有する。このような概念的な部分は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成される。
【0034】
記憶部22は、組合せ計量装置1の動作に関する情報を記憶する。記憶部22は、計量部11で計量された計量値及びゼロ点ホッパの重量値を記憶する。ゼロ点ホッパは、ゼロ点調整部24によるゼロ点調整の対象として設定した計量ホッパ6である。記憶部22にには、ゼロ点ホッパに物品Mが貯留されているときの重量値と、ゲート62の開閉によって物品Mが排出された後の重量値とが、識別可能とされている。ただし、1回のゲート62の開閉によって、ゼロ点ホッパ内の全ての物品Mが排出されるとは限らないから、記憶部22では、ゼロ点ホッパのゲート62が開閉される度に、開閉前の計量値と開閉後の計量値とが、識別可能に時系列で記憶される。
【0035】
ゼロ点調整部24は、ゼロ点調整を実行する。ゼロ点調整は、例えば、計量部11において、計量ホッパ6を計量する際のゼロ点(基準重量)を調整する処理である。具体的には、ゼロ点調整部24は、例えば、複数の計量ホッパ6のうちの、前回のゼロ点調整からの物品Mの排出回数が一定回数以上の計量ホッパ6を、ゼロ点ホッパに設定する。ゼロ点調整部24は、ゼロ点ホッパに貯留された物品Mをゲート62の開閉により排出(以下、「排出動作」ともいう)する。ゼロ点調整部24は、排出動作の実行後、プールホッパ5のゲート5aの開閉を停止し、ゼロ点ホッパへの物品Mの供給を禁止する。ゼロ点調整部24は、ゼロ点ホッパへの物品Mの供給を禁止した状態で計量されるゼロ点ホッパの重量値が、予め設定した許容範囲を越えているか否かを判定する。許容範囲は、ゼロ点ホッパに物品Mが残っていないと見做せる重量範囲である。その重量範囲は、例えば運転開始時に、計量ホッパ6に物品Mを供給せずに計量したときの、計量ホッパ6の風袋重量と、その後の時間経過によって想定される誤差、例えば計量部11の増幅回路で発生する温度ドリフトによる誤差や、計量ホッパ6の内面に付着する物品Mの油分等による誤差とを加えた、風袋重量と見做せる重量範囲である。ただし、ここでの誤差は、一例であって、これらには限定されない。
【0036】
ゼロ点調整部24は、ゼロ点ホッパへの物品Mの供給を禁止した状態で計量されるゼロ点ホッパの重量値が許容範囲内の場合、ゼロ点ホッパの当該重量値をゼロ点とすると共に、ゼロ点ホッパの当該重量値を記憶部22に記憶する。このゼロ点を、計量ホッパ6の計量値から減算することにより、計量ホッパ6に供給された物品Mの重量値が算出される。ゼロ点調整部24は、ゼロ点ホッパへの物品Mの供給を禁止した状態で計量されるゼロ点ホッパの重量値が許容範囲を超えている場合、すなわち、物品Mが排出されずに残っている場合、ゼロ点調整エラーが生じたとして、判定動作モード実行部26による判定動作モードへ移行する。
【0037】
判定動作モード実行部26は、判定動作モードを実行する。判定動作モードは、物品Mがゼロ点ホッパから排出されない原因を判定するモードである。判定動作モード実行部26は、判定動作モードにおいて、ゲート62のさらなる開閉(以下、「エラー排出動作」ともいう)を1ないし複数回行う。判定動作モード実行部26は、エラー排出動作を1ないし複数回行った結果、計量部11で計量されたゼロ点ホッパの重量値が許容範囲内に収まった場合、ゲート62の開閉時間が適正でないと判定する。
【0038】
判定動作モード実行部26は、判定動作モードにおいて、ゲート62の開閉時間が適正でないと判定した場合、エラー排出動作の後(ゲート62のさらなる開閉後)のゼロ点ホッパの重量値を記憶部22に記憶する。判定動作モード実行部26は、判定動作モードにおいて、ゲート62を1ないし複数回開閉する場合、エラー排出動作の度に(ゲート62のさらなる開閉の度に)、ゼロ点ホッパの重量値を記憶部22に記憶する。判定動作モード実行部26は、判定動作モードにおいて、エラー排出動作を制限値(所定回数)繰り返しても、ゼロ点ホッパの重量値が許容範囲内に収まらない場合、物品Mがゼロ点ホッパに付着していると判定する。制限値は特に限定されず、例えば15回であってもよい。
【0039】
ゲート開閉時間調整部28は、記憶部22に記憶された複数のゼロ点ホッパの重量値に基づいて、ゲート62の開閉時間を調整する。具体的には、ゲート開閉時間調整部28は、直近に記憶された規定数のゼロ点ホッパの重量値の中で、ゼロ点ホッパの重量値が許容範囲を超えた割合が所定割合以上の場合、ゲート62の開閉時間が短く、物品Mが計量ホッパ6から抜けきらないと推定することができるため、ゲート62の開閉における開状態の時間(開時間)を長くする。ここでの規定数は特に限定されず、例えば100である。所定割合は特に限定されず、例えば1%である。
【0040】
ゲート開閉時間調整部28は、ゲート62の開時間を長くした場合、プールホッパ5のゲート5aの開時間も長くする。ゲート開閉時間調整部28は、直近に記憶された規定数のゼロ点ホッパの重量値の中で、許容範囲を超えているゼロ点ホッパの重量値の数が0の場合、ゲート62の開時間を短くする。ゲート開閉時間調整部28は、全ての計量ホッパ6のゲート62の開時間を一律に調整する。ゲート開閉時間調整部28は、全てのプールホッパ5のゲート5aの開時間を一律に調整する。
【0041】
また、制御部20は、ゲート開閉時間調整部28によりゲート62の開閉時間を自動調整する自動調整モード(機能モード)のON(有効)とOFF(無効)とが、例えばインターフェース30を介して選択可能に構成されている。制御部20は、自動調整モードにおける運転モード(第1モード)と調整モード(第2モード)とが、例えばインターフェース30を介して選択可能に構成されている。制御部20は、運転モードが選択されている場合、ゲート62の開時間を短くすることを禁止する。制御部20は、調整モードが選択されている場合、ゲート62の開時間を短くすることを許容する。
【0042】
次に、制御部20による処理について詳細に説明する。
【0043】
制御部20では、例えば自動調整モードがONの場合に、複数の計量ホッパ6のそれぞれについて、ゼロ点調整部24によりゼロ点調整に係る次の処理を実行する。すなわち、
図3に示されるように、対象とする計量ホッパ6がゼロ点ホッパであるか否かを判定する(ステップS1)。上記ステップS1でNOの場合、そのまま処理を終了し、その後、例えば次の処理周期において上記ステップS1の判定を再び実施する。
【0044】
上記ステップS1でYESの場合、ゼロ点ホッパのゲート62を開閉させる排出動作を行い、ゼロ点ホッパに貯留された物品Mをゼロ点ホッパ外へ排出する(ステップS2)。ゼロ点ホッパの直上に配置されたプールホッパ5のゲート5aの開閉を停止させ、ゼロ点ホッパへの物品Mの供給を禁止する(ステップS3)。プールホッパ5からの物品Mの供給を禁止した状態で、計量部11によりゼロ点ホッパの重量値を計量する(ステップS4)。上記ステップS4で計量されたゼロ点ホッパの重量値に基づいて、ゼロ点調整エラーが生じた否か、つまり、取得されるゼロ点ホッパの重量値が許容範囲を越えているか否かを判定する(ステップS5)。
【0045】
上記ステップS5でNOの場合、上記ステップS4で計量されたゼロ点ホッパの重量値をゼロ点とする(ステップS6)。上記ステップS4で計量されたゼロ点ホッパの重量値を記憶部22に記憶する(ステップS7)。一方、上記ステップS5でYESの場合、判定動作モード実行部26による判定動作モードへ移行する(ステップS8)。上記ステップS7又は上記ステップS8の後、処理を終了し、その後、例えば次の処理周期において上記ステップS1の判定を再び実施する。
【0046】
図4に示されるように、判定動作モード実行部26による判定動作モードでは、ゼロ点ホッパのエラー排出動作の回数が制限値未満であるか否かを判定する(ステップS11)。上記ステップS11でYESの場合、ゼロ点ホッパのエラー排出動作を行う(ステップS12)。計量部11によりゼロ点ホッパの重量値を計量する(ステップS13)。ゼロ点ホッパが空であるか否を判定する(ステップS14)。上記ステップS14では、上記ステップS13で計量されたゼロ点ホッパの重量値が許容範囲を越えているか否かを判定し、当該重量値が許容範囲内に収まった場合、ゼロ点ホッパが空と判定する。
【0047】
上記ステップS14でNOの場合、上記ステップS11に戻る。一方、上記ステップS14でYESの場合、ゼロ点ホッパのゲート62の開閉時間が適正でないと判定する(ステップS15)。上記ステップS12で計量されたゼロ点ホッパの重量値を記憶部22に記憶する(ステップS16)。上記ステップS16では、エラー排出動作が複数回行われる場合には、当該複数回の上記ステップS12で計量されたゼロ点ホッパの重量値のそれぞれが、記憶部22に記憶される。
【0048】
上記ステップS11でNOの場合、ゼロ点ホッパの重量値を記憶部22に記憶ぜずに破棄する(ステップS17)。物品Mがゼロ点ホッパに付着していると判定する(ステップS18)。そして、付着エラーが発生したとして、組合せ計量装置1を停止する(ステップS19)。
【0049】
図5に示されるように、ゲート開閉時間調整部28では、例えば記憶部22に記憶されたゼロ点ホッパの重量値の数が規定数以上の場合、ゲート62の開閉時間の調整に係る次の処理を実行する。すなわち、記憶部22に直近に記憶された規定数のゼロ点ホッパの重量値の中で、許容範囲を超えているゼロ点ホッパの重量値の数が所定割合以上か否かを判定する(ステップS21)。上記ステップS21でYESの場合、計量ホッパ6のゲート62の開時間を長くする(ステップS22)。上記ステップS22では、ゲート62の開時間を例えば10msec長くする。プールホッパ5のゲート5aの開時間を長くする(ステップS23)。上記ステップS23では、ゲート5aの開時間を例えば10msec長くする。記憶部22に記憶されたゼロ点ホッパの重量値をクリア(全消去)する(ステップS24)
【0050】
上記ステップS21でNOの場合、記憶部22に直近に記憶された規定数のゼロ点ホッパの重量値の中で、許容範囲を超えているゼロ点ホッパの重量値の数が0であるか否かを判定する(ステップS25)。上記ステップS25でYESの場合、自動調整モードが調整モードか否かを判定する(ステップS26)。上記ステップS26でYESの場合、計量ホッパ6のゲート62の開時間を短くする(ステップS27)。上記ステップS27では、ゲート62の開時間を例えば10msec短くする。上記ステップS27では、プールホッパ5のゲート5aの開時間を短くはしない。記憶部22に記憶されたゼロ点ホッパの重量値を全消去してクリアする(ステップS28)。そして、上記ステップS24の後、上記ステップS28の後、上記ステップS25でNO、又は上記ステップS26でNOの場合、ゲート開閉時間調整部28による開閉時間の調整を終了する。
【0051】
以上、組合せ計量装置1では、計量ホッパ6の重量値のゼロ点を調整するために通常運転時に行われるゼロ点調整を利用して判定動作モードを実行し、計量ホッパ6に物品Mが残る場合の原因を究明することができる。すなわち、ゼロ点ホッパのゲート62開閉後の重量値が許容範囲内であれば、当該重量値をゼロ点とするゼロ点調整を行うが、そうでない場合(物品Mがゼロ点ホッパに残っている場合)には、判定動作モードへ移行し、物品Mがゼロ点ホッパから排出されない原因を判定することができる。したがって、稼働率の低下を抑制しながら、計量ホッパ6から物品が排出されない原因を把握し、それに基づいて計量ホッパ6の開閉時間を適正な値に調整することが可能となる。
【0052】
組合せ計量装置1では、制御部20は、判定動作モードにおいて、1ないし複数回のゲート62のさらなる開閉によりゼロ点ホッパの重量値が許容範囲内に収まった場合、ゲート62の開閉時間が適正でないと判定する。この場合、さらなるゲート62の開閉により、ゼロ点ホッパ内の物品Mは全て排出されたと推定されるから、ゲート62の開閉時間が適正でないことを、物品Mが計量ホッパ6から排出されない原因として把握することができる。これは、計量ホッパ6内に占める物品Mの容量に対し、ゲート62の開閉時間が短い場合には、当該計量ホッパ6のゲート62をさらに開閉すれば、計量ホッパ6内の物品Mは全て排出されるためである。
【0053】
組合せ計量装置1では、制御部20は、判定動作モードにおいて、ゲート62の開閉時間が適正でないと判定した場合、ゲート62のさらなる開閉後のゼロ点ホッパの重量値を記憶し、記憶された複数のゼロ点ホッパの重量値に基づいて、ゲート62の開閉時間を調整する。これにより、ゲート62の開閉により、ゼロ点ホッパから、毎回どの程度の物品Mが排出されるかを見極めてから、ゲート62の開閉時間を調整することが可能となる。
【0054】
組合せ計量装置1では、制御部20は、記憶部22に直近に記憶された規定数のゼロ点ホッパの重量値の中で、許容範囲を超えているゼロ点ホッパの重量値の数が所定割合以上の場合、ゲート62の開時間を長くする。この場合、計量ホッパ6から物品が確実に排出されるようにゲート62の開閉時間を調整することが可能となる。
【0055】
組合せ計量装置1は、プールホッパ5を備えている。制御部20は、ゼロ点ホッパのゲート62の開時間を長くした場合、それと同様にプールホッパ5のゲート5aの開時間も長くする。これにより、プールホッパ5から物品Mが確実に排出されるようにゲート5aの開閉時間も調整することが可能となる。
【0056】
組合せ計量装置1では、制御部20は、判定動作モードにおいて、ゲート62のさらなる開閉を所定回数繰り返しても、ゼロ点ホッパの重量値が許容範囲内に収まらない場合、物品Mがゼロ点ホッパに付着していると判定する。これにより、物品Mの計量ホッパ6への付着を、物品Mが計量ホッパ6から排出されない原因として把握することができる。これは、物品Mが計量ホッパ6へ付着している場合には、当該計量ホッパ6のゲート62を所定回開閉しても、付着した物品Mはホッパから排出されにくいためである。
【0057】
組合せ計量装置1では、制御部20は、直近に記憶された規定数のゼロ点ホッパの重量値の中で、許容範囲を超えているゼロ点ホッパの重量値の数が0の場合、ゲート62の開時間を短くする。この場合、物品Mを排出する前のゼロ点ホッパに供給されていた物品の量(重量値)は、大小さまざまであったにも関わらず、それらの物品Mは、現状の開状態の時間内に全て排出されているから、そのときのゼロ点ホッパの開時間を短くしても、ゼロ点ホッパには、物品Mは残らないだろうとの推定により、ゲート62の開閉時間を短縮することができる。作業性を向上させることが可能となる。
【0058】
組合せ計量装置1では、制御部20は、ゲート62の開閉時間を調整する自動調整モードとして、運転モードと調整モードとが選択可能に構成されている。運転モードが選択されている場合にはゲート62の開時間を短くすることを禁止し、調整モードが選択されている場合にはゲート62の開時間を短くすることを許容する。これにより、ゲート62の開時間を長くすることのみが可能な制御と、ゲート62の開時間を長く及び短くすることが可能な制御と、を選択的に実施することができる。
【0059】
組合せ計量装置1では、ゲート62の開時間が短いために物品Mの計量ホッパ6からの抜けが悪くなって前のサイクルの物品Mが計量ホッパ6内に残ることを、ゼロ点調整を利用して検出することができる。これにより、この組合せ計量装置1では、ゲート62の開時間の手動調整が不要となる。ゲート62の最小の開時間の探索ができるため、計量値の不安定時間が減少し、稼働率の向上が期待できる。組合せ計量装置1を運転しながら、計量ホッパ6から物品Mが排出されない原因を把握し、それに基づいて組合せ計量装置1を適正な状態に調整することができる。具体的には、通常運転時のゼロ点調整において、計量ホッパ6に物品Mが残ってゼロ点調整ができない場合、その原因を調べ、その原因がゲート62の開閉時間に起因する、と把握した場合は、その開閉時間を適正な値に調整することが可能となる。
【0060】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明の一態様は、上記実施形態に限定されない。
【0061】
上記実施形態では、複数のプールホッパ5及び計量ホッパ6を環状に配置したが、これに限定されず、マトリックス状に配置してもよい。上記実施形態及び上記変形例は、複数のブースタホッパを備えていてもよい。上記実施形態及び上記変形例では、制御部20の機能の一部は、別の制御部により実行されてもよいし、組合せ計量装置1と通信可能なサーバで実行されてもよい。上記実施形態及び上記変形例では、ゲート62の開時間が長くなりすぎないように上限値を設け、ゲート62の開時間の増加を制限してもよい。上記実施形態及び上記変形例では、ゲート62の開時間が短くなりすぎないように下限値を設け、ゲート62の開時間の減少を制限してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…組合せ計量装置、3…分散フィーダ、4…放射フィーダ、5…プールホッパ(供給ホッパ)、5a…ゲート(供給ゲート)、6…計量ホッパ(ホッパ)、11…計量部(取得部)、20…制御部、22…記憶部、24…ゼロ点調整部、26…判定動作モード実行部、28…ゲート開閉時間調整部、30…インターフェース、62…ゲート、M…物品。