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  • 特開-検出装置、及び、検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054952
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】検出装置、及び、検出方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230410BHJP
   G01V 1/00 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G01V1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163990
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】720009479
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大黒 智貴
(72)【発明者】
【氏名】日月 伸也
【テーマコード(参考)】
2G105
5H181
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB01
2G105CC04
2G105DD01
2G105EE02
2G105FF16
2G105GG03
2G105GG05
2G105HH08
5H181AA01
5H181CC27
5H181DD02
(57)【要約】
【課題】車両等の移動体の移動の誤検出を防止すること。
【解決手段】検出装置は、平行して並んでいる、車両(移動体)が移動する2つの車線(移動路、道路)を挟んで対向して設置された2つの振動センサー1、2と、制御部と、を備える。振動センサー1、2は、車線(移動路、道路)を移動する車両(移動体)による振動を信号に変換する。制御部は、振動センサー1、2が変換した信号に基づいて、車両(移動体)が前記2つの車線(移動路、道路)のいずれを移動したかを検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行して並んでいる、移動体が移動する2つの移動路を挟んで対向して設置された2つの振動センサーと、
制御部と、を備え、
前記振動センサーは、前記移動路を移動する前記移動体による振動を信号に変換し、
前記制御部は、前記振動センサーが変換した信号に基づいて、前記移動体が前記2つの移動路のいずれを移動したかを検出することを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記制御部は、検出した前記移動体を計数することを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記振動センサーが変換した信号から特徴量を抽出し、
抽出した特徴量に基づいて、前記移動体が前記2つの移動路のいずれを移動したかを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記制御部は、機械学習モデルである分類器に基づいて、抽出した特徴量を分類することを特徴とする請求項3に記載の検出装置。
【請求項5】
前記制御部は、抽出した特徴量を、前記振動センサーから近い前記移動路を前記移動体が移動した第1分類、前記振動センサーから遠い前記移動路を前記移動体が移動した第2分類、雑音である第3分類に分類することを特徴とする請求項3又は4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記移動路は、前記2つの振動センサーのうち、一方の前記振動センサーに近い、第1移動路と、一方の前記振動センサーから遠い、第2移動路と、を含み、
前記制御部は、
一方の前記振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第1分類であり、他方の前記振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第2分類である場合、前記移動体が前記第1移動路を移動したと判断し、
一方の前記振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第2分類であり、他方の前記振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第1分類である場合、前記移動体が前記第2移動路を移動したと判断することを特徴とする請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記2つの振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第3分類である場合、雑音であると判断することを特徴とする請求項5又は6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記分類器は、混合ガウスモデルを用いて作成されることを特徴とする請求項3に記載の検出装置。
【請求項9】
前記振動センサーから近い前記移動路を前記移動体が移動した第1分類、前記振動センサーから遠い前記移動路を前記移動体が移動した第2分類、雑音である第3分類のいずれかに分類される複数の特徴量が、混合ガウスモデルに入力されることで、尤度が算出されることを特徴とする請求項8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記制御部は、識別モデルに基づいて、抽出した特徴量を分類することを特徴とする請求項3に記載の検出装置。
【請求項11】
前記移動路は、前記2つの振動センサーのうち、一方の前記振動センサーに近い、第1移動路と、一方の前記振動センサーから遠い、第2移動路と、を含み、
前記制御部は、識別モデルに基づいて、抽出した特徴量を、前記第1移動路を前記移動体が移動した第1クラス、前記第2移動路を前記移動体が移動した第2クラス、雑音である第3クラスに分類することを特徴とする請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記識別モデルは、DNN(Deep Neural Network)を用いて構築されることを特徴とする請求項10又は11に記載の検出装置。
【請求項13】
前記移動路は、道路であり、
前記2つの移動路は、対向二車線道路、又は、片側一車線道路であることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項14】
前記移動体は、車両であることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項15】
平行して並んでいる、移動体が移動する2つの移動路を挟んで対向して設置された2つの振動センサーを備える検出装置の検出方法であって、
前記振動センサーは、前記移動路を移動する前記移動体による振動を信号に変換し、
前記振動センサーが変換した信号に基づいて、前記移動体が前記2つの移動路のいずれを移動したかを検出することを特徴とする検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動を検出する検出装置、及び、検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路を通過する車両をカウントする装置がある。例えば、特許文献1には、振動センサーを用いて、車両の種類(乗用車、トラック、トラクタ等)を類別する車両類別装置が開示されている。上述の車両をカウントする装置において、1つの振動センサーで、車両の通過を計測しているものもある。図7は、1つの振動センサーで車両の通過を計測する概念を示す図である。この場合、図7に示すように、計測対象車線の対向車線に、大型車両等、道路に与える振動が大きい車両が通過した際、誤カウント(誤検出)してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05-174293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の装置では、車両等の移動体の移動(通過)を誤検出するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、車両等の移動体の移動の誤検出を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の検出装置は、平行して並んでいる、移動体が移動する2つの移動路を挟んで対向して設置された2つの振動センサーと、制御部と、を備え、前記振動センサーは、前記移動路を移動する前記移動体による振動を信号に変換し、前記制御部は、前記振動センサーが変換した信号に基づいて、前記移動体が前記2つの移動路のいずれを移動したかを検出することを特徴とする。
【0007】
本発明では、2つの振動センサーから取得された信号に基づいて、移動体が2つの移動路のいずれを移動したかが検出されるため、車両等の移動体の移動の誤検出を防止することができる。
【0008】
第2の発明の検出装置は、第1の発明の検出装置において、前記制御部は、検出した前記移動体を計数することを特徴とする。
【0009】
第3の発明の検出装置は、第1又は第2の発明の検出装置において、前記制御部は、前記振動センサーが変換した信号から特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて、前記移動体が前記2つの移動路のいずれを移動したかを検出することを特徴とする。
【0010】
第4の発明の検出装置は、第3の発明の検出装置において、前記制御部は、機械学習モデルである分類器に基づいて、抽出した特徴量を分類することを特徴とする。
【0011】
第5の発明の検出装置は、第3又は第4の発明の検出装置において、前記制御部は、抽出した特徴量を、前記振動センサーから近い前記移動路を前記移動体が移動した第1分類、前記振動センサーから遠い前記移動路を前記移動体が移動した第2分類、雑音である第3分類に分類することを特徴とする。
【0012】
第6の発明の検出装置は、第5の発明の検出装置において、前記移動路は、前記2つの振動センサーのうち、一方の前記振動センサーに近い、第1移動路と、一方の前記振動センサーから遠い、第2移動路と、を含み、前記制御部は、一方の前記振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第1分類であり、他方の前記振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第2分類である場合、前記移動体が前記第1移動路を移動したと判断し、一方の前記振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第2分類であり、他方の前記振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第1分類である場合、前記移動体が前記第2移動路を移動したと判断することを特徴とする。
【0013】
第7の発明の検出装置は、第5又は第6の発明の検出装置において、前記制御部は、前記2つの振動センサーからの信号に基づく分類結果が、第3分類である場合、雑音であると判断することを特徴とする。
【0014】
第8の発明の検出装置は、第3の発明の検出装置において、前記分類器は、混合ガウスモデルを用いて作成されることを特徴とする。
【0015】
第9の発明の検出装置は、第8の発明の検出装置において、前記振動センサーから近い前記移動路を前記移動体が移動した第1分類、前記振動センサーから遠い前記移動路を前記移動体が移動した第2分類、雑音である第3分類のいずれかに分類される複数の特徴量が、混合ガウスモデルに入力されることで、尤度が算出されることを特徴とする。
【0016】
第10の発明の検出装置は、第3の発明の検出装置において、前記制御部は、識別モデルに基づいて、抽出した特徴量を分類することを特徴とする。
【0017】
第11の発明の検出装置は、第10の発明の検出装置において、前記移動路は、前記2つの振動センサーのうち、一方の前記振動センサーに近い、第1移動路と、一方の前記振動センサーから遠い、第2移動路と、を含み、前記制御部は、識別モデルに基づいて、抽出した特徴量を、前記第1移動路を前記移動体が移動した第1クラス、前記第2移動路を前記移動体が移動した第2クラス、雑音である第3クラスに分類することを特徴とする。
【0018】
第12の発明の検出装置は、第10又は第11の発明の検出装置において、前記識別モデルは、DNN(Deep Neural Network)を用いて構築されることを特徴とする。
【0019】
第13の発明の検出装置は、第1~第12のいずれかの発明の検出装置において、前記移動路は、道路であり、前記2つの移動路は、対向二車線道路、又は、片側一車線道路であることを特徴とする。
【0020】
第14の発明の検出装置は、第1~第13のいずれかの発明の検出装置において、前記移動体は、車両であることを特徴とする。
【0021】
第15の発明の検出方法は、平行して並んでいる、移動体が移動する2つの移動路を挟んで対向して設置された2つの振動センサーを備える検出装置の検出方法であって、前記振動センサーは、前記移動路を移動する前記移動体による振動を信号に変換し、前記振動センサーが変換した信号に基づいて、前記移動体が前記2つの移動路のいずれを移動したかを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、車両等の移動体の移動の誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る2つの振動センサーを用いて車両の通過を検出する概念を示す図である。
図2】分類結果の組み合わせと、判断結果と、の対応関係を示す図である。
図3】算出された分布の模式図である。
図4】算出された分布の模式図である。
図5】DNNへの入力と出力との関係を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る検出装置の処理動作を示すフローチャートである。
図7】1つの振動センサーで車両の通過を計測する概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る検出装置は、道路(移動路)を通過(移動)する車両(移動体)を検出し、検出した車両をカウント(計数)する。検出装置は、制御部、2つの振動センサー等を備える。制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等である。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る2つの振動センサーを用いて車両の通過を検出する概念を示す図である。図1に示すように、2つの振動センサー1、2は、平行して並んでいる、車両(移動体)が通過(移動)する2つの車線(移動路、道路)(Lane1、Lane2)を挟んで対向して設置されている。言い換えれば、2つの振動センサー1、2は、対向二車線道路、又は、片側一車線道路を挟んで対向して設置されている。2つの振動センサー1、2は、それぞれ、車線を通過する車両による振動を音声信号に変換する。
【0026】
(第1実施形態)
制御部は、2つの振動センサー1、2が変換した音声信号から、特徴量を抽出する。なお、特徴量の抽出には、従来の手法が用いられる。制御部は、機械学習モデルである分類器に基づいて、抽出した特徴量を分類する。具体的には、制御部は、抽出した特徴量を、振動センサーから近い車線(Lane1、又は、Lane2)を車両が通過したNear side(第1分類)、振動センサーから遠い車線を通過したFar side(第2分類)、雑音であるNoise(第3分類)に分類する。
【0027】
対向二車線道路、又は、片側一車線道路は、振動センサー1に近い、Lane1(第1移動路)と、振動センサー1から遠い、Lane2(第2移動路)と、を含んでいる。制御部は、分類結果に基づいて、車両がLane1、Lane2のいずれを通過したかを検出する。制御部は、図2に示すように、振動センサー1、2からの音声信号に基づく分類結果の組み合わせによって、車両がLane1、Lane2のいずれを通過したかを検出する。
【0028】
詳細に説明すると、制御部は、振動センサー1からの音声信号に基づく分類結果が、Near sideであり、振動センサー2からの音声信号に基づく分類結果が、Far sideである場合、車両がLane1を通過したと判断する。また、制御部は、振動センサー1からの音声信号に基づく分類結果が、Far sideであり、振動センサー2からの音声信号に基づく分類結果が、Near sideである場合、車両がLane2を移動したと判断する。また、制御部は、2つの振動センサー1、2からの音声信号に基づく分類結果が、Noiseである場合、雑音であると判断する。
【0029】
分類器の作成には、GMM(Gaussian mixture model:混合ガウスモデル)が用いられる。GMMモデルは、各分類結果を生成する特徴量が、正規分布(ガウス分布)に基づいていると仮定したうえで、特徴量の分布を算出する機械学習アルゴリズムである。本実施形態では、振動センサーから近い車線を車両が通過したNear side(第1分類)、振動センサーから遠い車線を車両が通過したFar side(第2分類)、雑音であるNoise(第3分類)のいずれかに分類される複数の特徴量が、混合ガウスモデルに入力されることで、特徴量の分布が算出される。言い換えれば、予め、Near side、Far side、Noiseと分類したいデータ(特徴量)を複数用意し、GMMに入力することで、その分布を算出する。
【0030】
図3、及び、図4は、算出された分布の模式図である。P(x | Near side)は、Near sideと分類したい特徴量が、図示する分布の中に存在していることを示す。P(x | Far side)、P(x | Noise)に関しても、同様である。この分布を用いることで、未知の特徴量の分類が可能となる。以下に、未知の特徴量x’を、既知の特徴量の分布P(x | Near side)、P(x | Far side)、P(x | Noise)を用いて分類する例を示す。この例では、未知の特徴量x’は、Near sideの分布内に存在することから、Near sideに分類される。
【0031】
以下、既知の特徴量の分布を用いて、未知の特徴量を分類し、車両通過の判断が可能であることを説明する。振動センサー1から取得した特徴量を、x1’、振動センサー2から取得した特徴量を、x2’とする。それぞれ、同時系列で取得された特徴量であるとすると、未知の特徴量x1’、x2’がLane1を車両が通過したと判断されるためには、以下の式を満たせばよい。
P (Near side | x1’) * P (Far side | x2’) > P (Far side | x1’) * P (Near side | x2’)
【0032】
すなわち、x1’がNear sideであり、且つ、x2’がFar sideである確率が、x1’がFar sideであり、且つ、x2’がNear sideである確率を上回ればよい。上記の式をベイズの定理を用いて変形すると、以下の式が得られる。
{P (x1’ | Near side) * P (Near side)} / P (x1’) * {P (x2’ | Far side) * P (Far side)} / P (x2’) > {P (x1’ | Far side) * P (Far side)} / P (x1’) * {P (x2’ | Near side) * P (Near side)} / P (x2’)
【0033】
上記の式において、両辺に存在する項をそれぞれキャンセルすると、以下の式がえられる。
P (x1’ | Near side) * P (x2’ | Far side) > P (x1’ | Far side) * P (x2’ | Near side)
ここで、上式の各項は、GMMの分布から導出可能であることから、本実施形態により、Lane1を車両が通過したことの判定を行えることが示された。Lane2を車両が通過したことの判定、及び、雑音の判定についても、同様に示すことができる。
【0034】
(第2実施形態)
第2実施形態では、特徴量を分類するために、識別モデルが使用される。識別モデルとは、特徴量が各クラスに属する確率をモデル化したものである。入力は、特徴量であり、出力は、各クラスに属する確率である。第2実施形態では、DNN(Deep Neural Network)を用いて識別モデルを構築し、音声信号から抽出した特徴量を、Lane1(Lane1を車両が通過)(第1クラス)、Lane2(Lane2を車両が通過)(第2クラス)、Noise(雑音)(第3クラス)の3つのクラスに分類する。
【0035】
振動センサー1から取得された特徴量をx1、振動センサー2から取得された特徴量をx2とすると、DNNへの入力と出力との関係は、図5に示すとおりである。P (Lane1 | x1)は、振動センサー1により取得された特徴量x1がLane1である確率を示している。P (Lane2 | x1)は、振動センサー1により取得された特徴量x1がLane2である確率を示している。P (Noise | x1)は、振動センサー1により取得された特徴量x1が雑音である確率を示している。P (Lane1 | x2)は、振動センサー2により取得された特徴量x2がLane1である確率を示している。P (Lane2 | x2)は、振動センサー2により取得された特徴量x2がLane2である確率を示している。P (Noise | x2)は、振動センサー2により取得された特徴量x2が雑音である確率を示している。
【0036】
特徴量のベクトルX1とX2のうち、同時系列で同じ車両が通過した際の特徴量をx1、x2とすると、x1とx2とが、Lane1である確率と、Lane2である確率とは、それぞれ、以下の式で求めることができる。
Lane1である確率:P (Lane1 | x1) * P (Lane1 | x2) または log P (Lane1 | x1) + log P (Lane1 | x2)
Lane2である確率:P (Lane2 | x1) * P (Lane2 | x2) または log P (Lane2 | x1) + log P (Lane2 | x2)
上記のうち、確率が高い方が、車両が通過した車線であると推定できる。
【0037】
(第1実施形態、及び、第2実施形態)
図5は、本発明の実施形態に係る検出装置の処理動作を示すフローチャートである。振動センサー1、2は、道路の振動を音声信号に変換する(S1)。制御部は、振動センサー1、2が変換した音声信号から、特徴量を検出する(S2)。制御部は、抽出した特徴量から、車両が通過した車線を判別し、車両をカウントする(S3)。
【0038】
本実施形態では、一度で2車線分の車両のカウントが可能になる。従来、道路における車両のカウントでは、片側の車線のみではなく、両側の車線を対象とすることが一般的であるため、本実施形態は、実情に即している。また、従来の課題として存在した、対向車線に大型車両などが通過した場合における誤カウントを防止し、車両カウントの精度向上を見込むことができる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態では、2つの振動センサー1、2から取得された信号に基づいて、車両(移動体)が2つの道路(移動路、車線)のいずれを通過(移動)したかが検出されるため、車両等の移動体の移動の誤検出を防止することができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0041】
上述の実施形態では、移動体として、車両、移動路として、道路を例示した。これに限らず、移動体は、例えば、人であってもよいし、移動路は、移動体が移動可能なものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、移動体の移動を検出する検出装置、及び、検出方法に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0043】
1、2 振動センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7