(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054961
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置
(51)【国際特許分類】
A01K 1/01 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
A01K1/01 801G
A01K1/01 801E
A01K1/01 801A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164009
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】502134292
【氏名又は名称】ベクトル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 博
(72)【発明者】
【氏名】工藤 哲哉
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101CA08
2B101GB01
(57)【要約】
【課題】本発明は、小動物用自動糞回収機能付きトイレの提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係る小動物用自動糞回収機能付きトイレは、正面側に出入り口部を有し、他側が側壁で囲まれたケース本体と、前記出入り口部の内側に水平状態と起立状態に姿勢を変更可能に設けられ、前記起立状態において前記出入り口部を閉じることが可能とされた床板部と、上面開口型の箱であって、前記ケース本体において前記出入り口部側の底部側、かつ、前記床板部の下方に設置され、水平状態の前記床板部により上面開口部が覆われ、起立状態の前記床板部により上面開口部が開放される糞回収箱と、前記床板部より前記ケース本体の奥側に水平状態と起立状態に姿勢を変更可能に設けられ、前記起立状態において上面を前記糞回収箱の上面開口部に向けて傾斜状態とする糞回収部材を備えたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面側に出入り口部を有し、他側が側壁で囲まれたケース本体と、
前記出入り口部の内側に水平状態と起立状態に姿勢を変更可能に設けられ、前記起立状態において前記出入り口部を閉じることが可能とされた床板部と、
上面開口型の箱であって、前記ケース本体において前記出入り口部側の底部側、かつ、前記床板部の下方に設置され、水平状態の前記床板部により上面開口部が覆われ、起立状態の前記床板部により上面開口部が開放される糞回収箱と、
前記床板部より前記ケース本体の奥側に水平状態と起立状態に姿勢を変更可能に設けられ、前記起立状態において上面を前記糞回収箱の上面開口部に向けて傾斜状態とする糞回収部材を備えたことを特徴とする小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置。
【請求項2】
前記ケース本体に前記床板部と前記糞回収部材を起立させる駆動機構が設けられ、
前記側壁の内側に水平状態の前記床板部及び前記糞回収部材に小動物が侵入した状態を検出する検出センサーが設けられ、該検出センサーに前記小動物が前記出入り口部を通過して前記ケース本体外に移動したことを検出すると、前記駆動機構を作動させて前記前記床板部と前記糞回収部材を起立させる機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載の小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置。
【請求項3】
前記糞回収部材の上面側に水分を吸収自在なトイレシートが設置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置。
【請求項4】
前記糞回収部材が網体であり、該網体は前記小動物の糞を上面に保持可能な網目を有することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置。
【請求項5】
前記側壁の一部に前記糞回収箱を挿通自在とする取出孔が形成され、前記糞回収箱が前記ケース本体に対し前記取出孔を介し出入自在に設けられたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置。
【請求項6】
前記ケース本体内に前記床板部及び前記糞回収部材の水平状態と起立状態を切り換えるために前記床板部及び前記糞回収部材を回動させるモータとクランク機構を備えたことを特徴とする小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫などのペットを屋内で飼育する家庭が増加しているが、飼育のためにペットの糞便を処理する方法として、種々の方法が開発されている。
例えば、以下の特許文献1に開示されているように、ペットの存否を感知する感知ステップと、前記第1の感知ステップに従って前記ペットが感知される場合、回動部の動作有無を判断する第1の判断ステップと、前記第1の判断ステップに従って前記回動部が動作しないと判断される場合、第1の設定値以上の重さがロードセルに印加されるか否かを判断する第2の判断ステップと、前記第2の判断ステップに従って前記第1の設定値以上の重さがロードセルに印加される場合、前記第1の設定値以下の重さがロードセルに印加されるか否かを判断する第3の判断ステップと、前記第3の判断ステップに従って前記第1の設定値以下の重さがロードセルに印加される場合、回動部を動作させる動作ステップと、を含むペットの排便装置を用いてペットの糞便を処理する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、屋内のみで飼育されている犬などペットは、排泄をトイレシートなどの室内トレイで排泄することが多い。
ここで、飼い主が室内にいない場合は、犬の排泄物である糞がトイレシートの上に残ったままとなり、自分糞や子犬の糞を食べてしまう(食糞)ことがあることから、飼い犬自体や食糞の後に顔などを舐められた飼い主への健康にも影響を与えることが懸念される。 特に、飼い主が一人暮らしなど、長時間不在の世帯では、食糞したか否かも判らないため、上記状況になる確率が高く、健康リスクが大きいことが予想される。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、ペットが排泄した糞を自動で回収し、糞をペットから遠ざけることにより、食糞の機会を与えないことを目的とした小動物用自動糞回収機能付きトイレの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)本発明に係る小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置は、正面側に出入り口部を有し、他側が側壁で囲まれたケース本体と、前記出入り口部の内側に水平状態と起立状態に姿勢を変更可能に設けられ、前記起立状態において前記出入り口部を閉じることが可能とされた床板部と、上面開口型の箱であって、前記ケース本体において前記出入り口部側の底部側、かつ、前記床板部の下方に設置され、水平状態の前記床板部により上面開口部が覆われ、起立状態の前記床板部により上面開口部が開放される糞回収箱と、前記床板部より前記ケース本体の奥側に水平状態と起立状態に姿勢を変更可能に設けられ、前記起立状態において上面を前記糞回収箱の上面開口部に向けて傾斜状態とする糞回収部材を備えたことを特徴とする。
【0007】
(2)本発明に係る小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置は、前記ケース本体に前記床板部と前記糞回収部材を起立させる駆動機構が設けられ、前記側壁の内側に水平状態の前記床板部及び前記糞回収部材に小動物が侵入した状態を検出する検出センサーが設けられ、該検出センサーに前記小動物が前記出入り口部を通過して前記ケース本体外に移動したことを検出すると、前記駆動機構を作動させて前記前記床板部と前記糞回収部材を起立させる機能を備えたことを特徴とする。
【0008】
(3)本発明に係る小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置において、前記糞回収部材の上面側に水分を吸収自在なトイレシートが設置されたことが好ましい。
(4)本発明に係る小動物用自動糞回収機能付きトイレにおいて、前記糞回収部材が網体であり、該網体は前記小動物の糞を上面に保持可能な網目を有することが好ましい。
【0009】
(5)本発明に係る小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置において、前記側壁の一部に前記糞回収箱を挿通自在とする取出孔が形成され、前記糞回収箱が前記ケース本体に対し前記取出孔を介し出入自在に設けられたことが好ましい。
(6)本発明に係る小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置において、前記ケース本体内に前記床板部及び前記糞回収部材の水平状態と起立状態を切り換えるために前記床板部及び前記糞回収部材を回動させるモータとクランク機構を備えたことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のトイレ装置によれば、床板部と糞回収部材を水平状態とした初期状態において開放されている出入り口部を介しペットなどの小動物がケース本体内部に侵入し、糞回収部材上に排便または排尿することができる。
小動物は排便後または排尿後、出入り口部を介しケース本体の外部に出ることができる。小動物がケース本体の外部に出た後、床板部を起立させて出入り口部を塞ぎ、糞回収箱の上面開口部を開放し、次いで糞回収部材を起立させると糞回収部材上の糞は糞回収部材の上面に沿って糞回収箱の上面開口部側に落下するので、糞回収箱に糞を回収できる。
糞回収箱への糞の回収後、床板部と糞回収部材を水平状態に戻すことにより、トイレ装置は初期状態に復帰するので、小動物は再び出入り口部を介しケース本体内への侵入が可能となり、必要に応じ小動物が再度排便できる。
【0011】
以上の動作により、小動物の糞を糞回収箱に収容できるとともに、糞回収箱の上面側開口部を床板部で閉じることができる。小動物の排便の度に糞を糞回収箱に収容できるので小動物から糞を遠ざけることができ、食糞を防止できる。また、小動物の食糞を防止できるので、飼い主の健康リスクも低減できる。
【0012】
本発明に係るトイレ装置において、検出センサーと駆動機構により、ケース本体の外に小動物が出たことを検出し、床板部と糞回収部材を起立させる駆動機構を設けると、小動物がケース本体に侵入し、排便後、ケース本体の外に小動物が移動する度に床板部と糞回収部材を自動的に起立させて糞を糞回収箱に回収することができる。
上述の構成により、小動物の糞を糞回収箱に自動的に回収することができるので、飼い主が家を長時間、あるいは、長期間離れていたとして、小動物の糞を確実に回収し、小動物の食糞を阻止できる。
【0013】
本発明に係るトイレ装置において、糞回収部材の上面側に水分を吸収自在なトイレシートを設置しておけば、トイレシートに尿を吸収させることができ、尿の処理が確実にできるようになる。
また、犬などのように、しつけが可能な小動物であれば、トイレシートの上で確実に排便又は排尿するので、尿はトイレシートに確実に吸収させ、糞は確実に糞回収箱に回収できる。
【0014】
本発明に係るトイレ装置において、糞回収部材が小動物の糞を保持可能な網目を有する網体であれば、糞回収部材自体を軽量化できるので、糞回収部材起立のための動力を最小限にできるとともに、網体の上の糞を糞回収箱の上面側開口部に確実に投入し、回収できる。
【0015】
糞回収部材が網体の場合、トイレシートは糞回収部材の下方に設置しても良い。この場合、網体を通過した尿は網体下方のトイレシートに落下して吸収されるとともに、網体上の糞は網体の起立に応じ糞回収箱に落下して糞回収箱に回収される。
【0016】
本発明に係るトイレ装置において、ケース本体に対し糞回収箱を出入自在に設けることにより、糞回収箱をケース本体から取り出し、糞回収箱に回収された糞を簡単に廃棄できるとともに、糞回収箱の洗浄を実施できる。
本発明に係るトイレ装置において、床板部と糞回収部材を回動させるモータとクランク機構を備えることにより、糞回収箱に糞を自動回収することができる。また、床板部の起立によりケース本体の出入り口部を確実に塞ぐことができるので、糞回収部材上の糞を糞回収箱に落下させる場合に小動物がケース本体内に誤って侵入することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る小動物用自動糞回収機能付きトイレ装置と小動物を示す斜視図。
【
図2】同自動糞回収機能付きトイレ装置のケース本体に小動物が入った初期状態を示す斜視図。
【
図3】同自動糞回収機能付きトイレ装置のケース本体に小動物が入って排便している状態を示す斜視図。
【
図4】同自動糞回収機能付きトイレ装置で排便が終了した小動物がケース本体から外に出た状態を示す斜視図。
【
図5】同自動糞回収機能付きトイレ装置から小動物が外に出た後、床板部と糞回収部材が起立した状態を示す斜視図。
【
図6】小動物の糞を糞回収箱に収容した状態を示す斜視図。
【
図7】同自動糞回収機能付きトイレ装置の糞回収箱と糞回収部材を取り出した状態を示す斜視図。
【
図8】同自動糞回収機能付きトイレ装置において、床板部と糞回収部材を起立するために用いるクランク機構とモータの一例を示す構成図。
【
図9】同クランク機構とモータにより床板部と糞回収部材を起立させた初期段階を示す構成図。
【
図10】同クランク機構とモータにより床板部と糞回収部材を45゜程度起立させた中間段階を示す構成図。
【
図11】同クランク機構とモータにより床板部と糞回収部材を起立させた起立最終段階を示す構成図。
【
図12】同自動糞回収機能付きトイレ装置に設置される糞回収部材の一例を示すもので、(a)は表面側を示す斜視図、(b)は裏面側を示す斜視図。
【
図13】同自動糞回収機能付きトイレ装置に設置される糞回収部材の一例を示すもので、(a)は糞回収部材に設置された糞を示す斜視図、(b)は糞回収部材を起立させて糞を落下させる状態を示す斜視図。
【
図14】同自動糞回収機能付きトイレ装置に設置される糞回収部材の一例を示すもので、(a)は糞回収部材に設置された軟質の糞を示す斜視図、(b)は糞回収部材を起立させた状態を示す斜視図。
【
図15】同自動糞回収機能付きトレイ装置の動作に関し前半の動作を示すフロー図。
【
図16】同自動糞回収機能付きトレイ装置の動作に関し後半の動作を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る第1実施形態の自動糞回収機能付きトイレ装置について、図面を適宜参照しながら説明するが、本発明は以下に説明する第1実施形態の構成に制限されるものではない。また、以下に示す図面においては、主要部を示すために一部簡略化して他の構成要素を略した図面とする場合がある。
図1は第1実施形態の自動糞回収機能付きトイレ装置を示すもので、この第1実施形態のトイレ装置1は、平面視四角形状の底板2と、この底板2の3辺に沿って底板2に対し直角に立設された背の高い側壁3と、底板2の残り1辺に沿って立設された背の低い側壁4を有する上面開口型の箱状のケース本体5を備えている。ケース本体5の3方は側壁3により囲まれている。
側壁3の高さは、一例として、飼育対象とする犬などのペット(小動物)Aが座した場合の背の高さの半分程度の高さに形成されている。また、側壁4は、例えば、側壁3の高さの半分より若干低い高さに形成されている。
なお、側壁3と側壁4の高さは、上述の例に限らず、飼育対象とする小動物の大きさに合わせて、適宜設定することができる。例えば、側壁3の高さは、小動物が歩行では容易に乗り越えできない程度の高さを選択することができる。
図1の例では、小動物Aとして犬を想定し、側壁3の高さを表示している。なお、小動物Aは、犬に限らず、猫やウサギ、その他一般に家屋で飼育可能ないずれかのペットを選択できる。
【0019】
側壁4の高さがその左右に設けられている側壁3、3よりも低いため、側壁4の上方で側壁3、3に挟まれた領域にケース本体5の出入口部5Aが形成されている。トイレ装置1において、出入口部5Aが形成されている側をケース本体5の正面側と称する。
従って、
図1に示す状態のケース本体5の出入口部5Aの手前側から出入口部5Aを介しケース本体5の内部側を正面視した場合、出入口部5Aを挟む側壁3、3は、ケース本体5の左右両側に位置する。また、3つの側壁3のうち、残り1つの側壁3はケース本体5の奥側に配置されている。以上の配置であることから、以下の説明において、ケース本体5の出入口部5Aを挟んでいる側壁3、3が隣接されている方向をケース本体5の幅方向と称することがあり、出入口部5Aから他の残り1つの側壁3に向かう方向をケース本体5の奥行き方向と称することがある。
【0020】
ケース本体5の正面手前側には、出入口部5Aに小動物Aが到達しやすいように板材からなる出入口スロープ6が設けられている。出入口スロープ6は例えば平面視矩形状、かつ、出入口部5Aと同等幅の板材からなり、例えば、出入口スロープ6は、ケース本体5の奥行きと同程度か、それより若干短い奥行きを有する。出入口スロープ6は、飼育する小動物Aが出入口部5Aからケース本体5内に侵入する場合に円滑に移動できる程度の傾斜角度を有していることが望ましい。このため、出入口スロープ6の奥行き(長さ)は特に制限されるものではないが、一例として上述の奥行きであることが望ましい。
【0021】
ケース本体5の出入口部5Aより内側には、出入口部5Aと同等幅でケース本体5の奥行きの半分より若干奥行きの短い板状の床板部7が設けられている。床板部7は、通常状態では水平に設置され、出入口部5Aと出入口スロープ6に連続するように設置され、出入口部5Aの左右両側に位置する側壁3、3の間に配置されている。なお、床板部7は、出入口部5Aの底部側に沿って水平に配置された
図8~
図11に示す第1の軸部材8により上下に起立自在に支持されている。第1の軸部材8は、出入口部5Aの内側においてケース本体5の側壁3、3に両端を支持されて水平に架設されている。
【0022】
本実施形態において、第1の軸部材8が床板部7の出入口部側の側端縁に固定され、床板部7は第1の軸部材8を回動支点として上下に回動自在に支持されている。即ち、床板部7は
図1に示す水平に配置された状態から後述する
図5または
図11に示すように鉛直よりも若干低い角度(例えば水平面に対し80°程度)で起立できるように上下に回動自在にそれらの姿勢を変更できるように支持されている。なお、床板部7と糞回収部材10が起立する場合の角度は、上述の角度に限るものではなく、60°~80°などのより低い角度、あるいは90°または90°を若干超える傾斜角度であっても良い。
【0023】
ケース本体5において、床板部7の設置位置より奥側には、床板部7と同等幅で水平状態の床板部7にほぼ面一に連続する矩形網体を備えた糞回収部材10が設置されている。
この糞回収部材10は、四角形状の枠材10Aの内側に網体10Bが張られた構造であり、ケース本体5の内部に水平に張架された
図8~
図11に示す第2の軸部材11により上下に回動自在に支持されている。ケース本体5の内部において、水平状態の床板部7と水平状態の糞回収部材10の境界部に第2の軸部材11が水平に架設されている。第2の軸部材11の両端部は、側壁3、3に支持されている。糞回収部材10の床板部7側の側縁が第2の軸部材11に軸支されている。このため、糞回収部材10は、第2の軸部材11を回動支点として、水平状態から後述する
図5または
図11に示すように鉛直よりも若干低い角度(例えば水平面に対し80°程度)で起立できるように上下に回動自在に支持されている。
【0024】
床板部7と糞回収部材10がいずれも水平に設置された状態では、
図1、
図2等に示すように床板部7の上面と糞回収部材10の上面はほぼ面一になるように連続されている。また、図面では略しているが、糞回収部材10の若干下方に棚板が水平に架設され、この棚板上に吸水自在なトイレシートSが敷設されている。このトイレシートSは、ペット用などとして一般に市販されている吸水性マットからなり、糞回収部材10の網体10Bを通過して落下する尿などを受けて吸収するために設けられている。なお、糞回収部材10とトイレシートSは若干の間隙を空けて上下に配置されている。この間隙は、トイレシートSの上に、仮に小動物Aの軟質糞が落下した場合、この軟質糞が網体10Bの上に露出しない程度の間隙とされる。なお、網体10Bの網目の大きさは、対象とする小動物Aの糞の大きさに合わせ、網体10Bを糞が通過することのない程度の大きさを選定する。
【0025】
ケース本体5の底部側であって、水平状態の床板部7の下方には、浅底の糞回収箱12が設置されている。糞回収箱12は、
図7に示すように、底板12Aとその4辺に立設するように形成された背の低い側板12Bとから構成されている。糞回収箱12は上面開口部12cを有する上面開口型の浅底の箱体である。糞回収箱12において底板12Aの一方の短辺側に位置する側板12Bの表面に、取手13が取り付けられている。
ケース本体5の右側の側壁3において、出入口部5Aに近い位置の底部側に、矩形状の取出孔14が形成され、この取出孔14を介しケース本体5に対し、上述の糞回収箱1が出し入れ自在に収容されている。
図1に示す構成では、上面開口部12cを上に向けた糞回収箱12が取出孔14を挿通自在にケース本体5に挿入されている。
【0026】
ケース本体5の内部には、
図8から
図11に示すように、床板部7と糞回収部材10を上下回動させるためのモータ15とクランク機構(駆動機構)16が設けられている。
モータ15は、回転軸15aを水平向きとして水平状態の糞回収部材10の若干下方に設置されている。更に、回転軸15aの位置は、一方の側壁3に近い位置で水平であり、かつ、
図8に示すようにケース本体5の内部を側面視した場合、水平状態の糞回収部材10の中央部若干下方に配置されている。なお、
図8~
図11ではモータ15を支持する構造については記載していないが、ケース本体5の内部にモータ支持用の架台などが設けられている。
【0027】
クランク機構16は、第1の軸部材8に基端部を連結した第1のアーム17と、第2の軸部材11に基端部を連結した第2のアーム18と、第1のアーム17の先端部17aと第2のアーム18の先端部18a近くを連結した第3のアーム19を有する。これら第1のアーム17と第2のアーム18と第3のアーム19は、
図8に示すようにケース本体5の内部を側面視した場合、一方の側壁3の内面に沿うように配置されている。更に、
図8に示すようにケース本体5の内部を側面視した場合、モータ15の回転軸15aに基端部を連結した第4のアーム20と、この第4のアーム20の先端部20aに一端部を連結した第5のアーム21が設けられている。第5のアーム21の他端部は先の第2のアーム18の先端部18aに連結されている。
【0028】
クランク機構16において、
図8に示すモータ15の回転軸15aを右回りに所定の角度回動すると、回転軸15aに連結されている第4のアーム20も、同じ角度右周りに回動する。また、第4のアーム20が右周りに所定の角度回動すると、第4のアーム20の回動とともに第2のアーム18と第1のアーム17も同じ方向に回動するようになっている。
従って、クランク機構16によれば、モータ15の回転軸15aを
図8の右周りに回動させる(順回転させる)と、クランク機構16を介し床板部7と糞回収部材10を回動させてこれらを水平状態に倒すことができる。
【0029】
逆に、クランク機構16において、
図8に示すモータ15の回転軸15aを左回りに所定の角度回動すると、回転軸15aに連結されている第4のアーム20も、同じ角度左回りに回動する。また、第4のアーム20が左周りに所定の角度回動すると、第4のアーム20の回動とともに第2のアーム18と第1のアーム17も同じ方向に回動するようになっている。
従って、クランク機構16によれば、モータ15の回転軸15aを
図8の左周りに旋回させる(逆回転させる)と、クランク機構16を介し床板部7と糞回収部材10を回動させて水平に対し90°近い角度に起立させることができる。
【0030】
ケース本体5の内部において、出入口部5Aの左右両側に位置する側壁3、3の対向面側に、複数の検出センサーが取り付けられている。
側壁3、3の対向面上部側であって床板部7の奥行き方向中央部上方側に、第1の検出センサー(第1の犬検出センサー)25、25が対向配置されている。側壁3、3の対向面上部側であって糞回収部材10の奥行き方向中央部上方側に、第2の検出センサー(第2の犬検出センサー)26、26が対向配置されている。側壁3、3の対向面上部側であって糞回収部材10の奥側上方に、第3の検出センサー(第3の犬検出センサー)27、27が対向配置されている。
【0031】
対向する第1の検出センサー25、25、第2の検出センサー26、26、第3の検出センサー27、27は、それぞれ発光素子と受光素子の各一対からなる。対向するセンサーは、それらの間にセンサーの光を遮る物体が存在すると物体の存在を検出することができるセンサーである。これらのセンサーは、後述する如く小動物Aの位置を検出し、後述するようにモータ15の回転を制御するための検出結果の信号を発するセンサーである。
【0032】
図8~
図11に示すように、前記糞回収部材10の底面側に、振動用モータ35が取り付けられ、必要に応じて振動用モータ35により網体10Bに振動を印加することができる。また、第4のアーム20の設置位置に近い側壁3の内面側に、第4のアーム20の回動位置を検出する第1のアーム検出センサー(原点センサー)31と第2のアーム検出センサー(エスケープセンサー)32と第3のアーム検出センサー(終点センサー)33が水平に隣接するように設けられている。
【0033】
第1のアーム検出センサー31は、
図8に示すように床板部7と糞回収部材10が水平状態となっている場合に第4のアーム20の回動位置を検出するためのセンサーである。第2のアーム検出センサー32は、第1の検出センサー25、25と第2の検出センサー26、26が回動中の糞回収部材10の存在を検出しても糞回収部材10の回動を停止させずに回動を継続させるためのセンサーである。第3のアーム検出センサー33は、後に説明する
図11のように床板部7と糞回収部材10の起立状態の停止位置を設定するためのセンサーである。
【0034】
上述の第1~第3の検出センサー25、26、27と第1~第3のアーム検出センサー31、32、33とモータ15はケース本体5内に設けられている図示略の制御装置に接続され、それらの動作制御がなされる。この制御装置による上述のセンサー25~27、31~33とモータ15の駆動制御については後に説明する。
【0035】
以上構成のトイレ装置1について、対象とする小動物Aが排便する場合の動作について説明する。
本実施形態のトイレ装置1は、小動物Aを飼育している飼育者の家屋において、床に設置して使用される。トイレ装置1は初期状態において、床板部7と糞回収部材10が水平状態となっている。また、糞回収部材10の下方の図示略の棚板上に
図13、
図14に示すように、トイレシート(トイレ用吸水シート)Sを敷設しておく。
【0036】
通常状態は、床板部7と糞回収部材10が倒れて水平となっている状態である。制御回路は、
図8に示す状態において、第4のアーム20に対し第1のアーム検出センサー(原点センサー)31が反応していることで糞回収部材10が倒れていることを認識する。第1のアーム検出センサー31が第4のアーム20を検出できていない場合は、第1、第2、第3の検出センサー25、26、27が未検出(小動物Aが入っていない状態)であることを確認の上、第1のアーム検出センサー31が第4のアーム20を検出するまでモータを逆回転させ、床板部7と糞回収部材10を水平状態とする。
【0037】
排便しようとする小動物Aは、排便または排尿する場合、
図1~
図3に示すように、ケース本体5の出入口スロープ6から出入口部5Aを通過し、床板部7を通過して糞回収部材10に移動して排便または排尿する。
第1のアーム検出センサー31が第4のアーム20を検出する位置に糞回収部材10がある状態でケース本体5に小動物Aが侵入すると第1、第2、第3の検出センサー25、26、27が小動物Aの侵入を検出する。各センサーの発光素子の光を小動物Aが遮り、受光素子が光を受け取れなくなることで各センサーが小動物Aの存在を検出したと判断できる。
【0038】
小動物Aの排便または排尿が終了すると、小動物Aが第3の検出センサー27の検出領域から第2の検出センサー26、26の検出領域を経て第1の検出センサー25,25の検出領域に移動し、更に出入口部例から外に出ると第1の検出センサー25、2の検出領域外に出るので、小動物Aの排便または排尿が終了し、小動物Aがケース本体5の外に出たことを制御装置が把握できる。
【0039】
第1、第2、第3の検出センサー25、26、27の検出結果から、小動物Aの排便または排尿が終了し、小動物Aがケース本体5の外に出たことを検出したならば、数秒後、例えば6秒後、モータ15の回転軸15aを
図8、
図9、
図10、
図11に示すように左回りに所定の角度回転駆動すると、床板部7と糞回収部材10を90°近くまで起立させることができる。
床板部7と糞回収部材10が立ち上がる途中に第1、第2、第3の検出センサー25、26、27が小動物Aの侵入を検出すると小動物Aがケース本体内に再度浸入したと制御装置が判断し、回転軸15aの回転を停止させ、床板部7と糞回収部材10の立ち上げを中断する。また、第1、第2、第3の検出センサー25、26、27が小動物Aの侵入を検出しなくなった場合は、再度、回転軸15aの回転を開始し、床板部7と糞回収部材10を90°近くまで起立させる。このように、第1、第2、第3の検出センサー25、26、27が小動物Aを検出した場合に床板部7と糞回収部材10の移動を停止することで、小動物Aを床板部7と糞回収部材10の間に挟んでしまう、などの事故を回避できる。
【0040】
しかしながら、床板部7と糞回収部材10が立ち上がる時、第2の検出センサー26または第3の検出センサー27が糞回収部材10を検出してしまうタイミングがある。(
図9または
図10参照)
これを回避するため、第2のアーム検出センサー32を設けており、第3の検出センサー27または第2の検出センサー26が糞回収部材10を検出しても第2のアーム検出センサー32が第4のアーム20の存在を検出していれば制御装置はモータ15を停止せず、床板部7と糞回収部材10の立ち上げを継続する。
【0041】
床板部7と糞回収部材10を
図11に示すように立ち上げ続けると第4のアーム20が回転し、これを第3のセンサー33が検出する。第3のセンサー33の検出により制御回路は、回転軸15aの回転を停止する。モータ15には、ギアヘッド付きモータを使用することで回転軸15aを停止しても糞回収部材10の荷重により回転軸15aが右周りに回転し、糞回収部材10が下がることは無い。
図11に示すように床板部7が立ち上がることにより、床板部7が出入口部5Aを内側から閉じるので、糞回収動作時に小動物Aが誤ってケース本体5に再侵入することを防止できる。
【0042】
起立した床板部7が出入口部5Aを閉じるとともに、糞回収箱12の上面側開口部を開放するので、傾斜した糞回収部材10に載っている糞を糞回収箱12に投入することができる。
正常な硬さの糞Fであれば、糞回収部材10を立ち上げる過程で
図13に示すように糞回収部材10から糞Fは、転がり落ちるが、
図14に示すように粘性のある糞F’では糞回収部材10の網体に付着してしまうおそれがある。この糞F’を糞回収箱12へ確実に落下させるために、糞回収部材10の立ち上がりが終了した時点で振動モータ35を作動させて糞回収部材10の全体を振動させる。これにより粘性のある糞も確実に糞回収箱12に落下させることができる。振動モータ35は数秒間、例えば、3秒程度作動させることができる。
【0043】
振動終了後、数秒間、例えば9秒程度、時間を空けてから、モータ15を逆回転させ、糞回収部材10を下げる。糞回収部材10を下げる途中でも前記と同様にアーム1の回転により第2、第3の検出センサー26、27が糞回収部材10を検出してしまうタイミングがある。これを回避するために第2のアーム検出センサー32を設けてあり、第2、第3の検出センサー26、27が糞回収部材10を検出していても第2のアーム検出センサー32が第4のアーム20を検出していれば、糞回収部材10の立ち上げを継続するようにモータ15を駆動し、モータ15の回転を停止しない。
【0044】
小動物Aが排便または排尿後、ケース本体5の外部に出た状態を
図4に例示し、床板部7と糞回収部材10を90°近くまで起立した状態を
図5に例示する。
図5に示すように起立した床板部7が出入口部5Aを閉じるので、一端排便してケース本体5の外部に出た小動物Aが出入口部5Aからケース本体5の内部に再侵入することはない。
また、小動物Aが排尿のみ行った場合は、糞回収部材10の網体10Bを通過して落下した尿をトイレシートSで吸収することができる。なお、小動物Aの糞が更に軟質であった場合、
図14(b)に示すように網体10部Bを通過した糞F’’がトイレシートSに直接落下するように網体10Bの網目の大きさを調節しても良い。
【0045】
床板部7と糞回収部材10を90°近くまで起立させた後、モータ15は回転軸15aを逆方向に回動させて
図11、
図10、
図9、
図8に示すように床板部7と糞回収部材10を水平の初期状態に戻す。その初期状態を
図6に例示する。
図6に示す状態になると、出入口部5Aを開放しているので、小動物Aは再度出入口部Aからケース本体5の内部に侵入することが可能となるので、必要に応じ、排便まとは排尿できる状態となる。
上述の構成のトイレ装置1では、糞回収後に床板部7と糞回収部材10が元の水平状態に戻り、床板部7が糞回収箱12の上面開口部12cを覆う。このように、ケース本体5に収容されている糞を床板部7で小動物Aから隠すため、衛生的であり、小動物Aによる食糞も防止できる。また、小動物Aの食糞を防止できるので、飼い主の健康リスクも低減できる。
【0046】
糞回収箱12に投入された糞は、
図7に示すように取手13を引いてケース本体5の取出孔14を介し糞回収箱12を引き抜いて取り出すことができるので、廃棄することが容易にできる。糞回収箱12には、新聞紙などを敷いて糞回収箱12の内部を汚れ難くすることが好ましい。糞回収箱12は糞の廃棄後、洗浄を行って清潔な状態を保つことが望ましい。糞の廃棄については、人用のトイレの便器に流すか、ごみ袋に収容し、廃棄することができる。
【0047】
また、糞回収部材10についても、必要な機会に取り外し、洗浄することで清潔な状態を保持することが望ましい。糞回収部材10は、モータ15の回転軸15aに連動するように回転軸15aに取り付けられているが、洗浄用に取り外すための、チャック機構などを介し、回転軸15aに取り付けることが好ましい。また、ケース本体5の底板2上に設置したトイレ用吸収シートも必要な時に交換することが望ましい。
なお、トイレ装置1は、モータ15による糞回収部材10の動作により、糞の回収を繰り返し自動的に実施できるので、屋内で小動物を飼育している場合、飼育者が長時間家を離れていても、繰り返し動作し、糞を回収できる。従って、トイレ装置1は衛生的に繰り返し糞の回収に使用可能であり、飼育者が旅行あるいは仕事などにより長期間家を離れていても、支障なく糞の回収ができる。
【0048】
図15と
図16は、
図1~
図14を基に説明したトイレ装置1の動作の一例について、説明するためのフロー図である。これらのフロー図に示す各ステップに示すように、センサー25、26、27、31、32、33からの情報に基づき、制御装置がモータ15を制御して動作する。
なお、
図15と
図16に示すフロー図においては、記載と説明の簡略化のため、小動物Aを犬に限定し、第1の検出センサー25は犬検出センサー1と略記し、第2の検出センサー26は犬検出センサー2と略記し、第3の検出センサー27は犬検出センサー3と略記している。また、第1のアーム検出センサー31は原点センサーと簡略記載し、第2のアーム検出センサー32はエスケープセンサーと簡略記載し、第3のアーム検出センサー33は終点センサーと簡略記載し、説明する。
【0049】
ステップST1では、原点センサーが第4のアーム20を検出したか否か判断し、検出していると(YESと判断すると)、床板部7と糞回収部材10は水平であると把握できる。ステップST1において、原点センサーが第4のアーム20を検出していない場合、
図16に示す後述のステップST18に移行する。
ステップST2では、犬検出センサー1~3の何れかが犬を検出しているか否か判断し、犬を検出していると(YESと判断すると)、ステップST3においてケース本体5に犬が入ったと判断する。
【0050】
この後、犬検出センサー1~3が全てOFFとなったか否かステップST4にて判断する。ステップST4において犬検出センサー1~3が全てOFFとなっていない場合は、犬検出センサー1~3が全てOFFとなるまで繰り返し犬検出センサー1~3の検出結果を確認する。犬検出センサー1~3が全てOFFとなった場合にステップST5に進む。
ステップST5において犬検出センサー1~3が全てOFFとなった場合、ケース本体5から犬が出たと判断する。
【0051】
ステップST6において制御装置は、6秒経過するまで待機する。
ステップST7において制御装置は、犬検出センサー1~3が全てOFFとなっているか否か再確認する。ステップST7において犬検出センサー1~3が全てOFFとなっていない場合、ステップST4に戻る。
ステップST7において犬検出センサー1~3が全てOFFとなっている場合は、YESと判断し、ステップST8に進み、ステップST8において床板部7(板と表記)と糞回収部材10(網と表記)の立ち上げ開始指令を出し、ステップST9においてモータ15の正転を開始する。
【0052】
ステップST10において、犬検出センサー2又は犬検出センサー3がONであるか否か判断し、NOの場合はステップST9に戻り、YESの場合はステップST11においてエスケープセンサーがONであるか否か判断し、NOの場合にステップST12においてモータ15を停止し、YESの場合に後述するステップST14に移動する。
ステップST13では犬検出センサー1~3の全てがOFFであるか確認し、YESであればステップST14において終点センサーがONであるか否か確認し、YESであればモータ15の回転を停止する。ここでは立上動作が終了し、
図5または
図11に示すように床板部7と糞回収部材10が90°に近い状態まで起立する。
【0053】
ステップ15でモータ15の回転を停止したならば、
図16に示すステップST16において、例えば振動モータ35を3秒間作動させ、糞回収部材10を振動させて糞回収部材10に付着した糞を確実に落下させる。ステップST17ではこの状態のまま9秒間待機する。
次に、ステップST18において、犬検出センサー1~3が全てOFFであるか否か判断する。YESと判断されたならば、ステップST19において床板部7と糞回収部材10を下げるようにモータ15の回転軸15aを先程とは逆回転させる。
ステップST20において、犬検出センサー2又は犬検出センサー3がONであるか否か判断する。ここでYESと判断されたならば、ステップST21においてエスケープセンサーがONであるか否か判断し、NOであればステップST22においてモータ15を停止する。
【0054】
次に、ステップST23において犬検出センサー1~3の全てがOFFであるか否か判断し、YESであれば、ステップST24において原点センサーがONであるか否か判断する。ステップST23において犬検出センサー1~3の全てがOFFであるか否か判断し、NOであれば、ステップST23における判断を繰り返し、YESになるまで犬検出センサー1~3を監視し、YESとなればステップST25に至る。
ステップ24において、原点センサーがONとならない場合、ステップST18に戻り、ステップST18以降の処理を繰り返す。
ステップST25においてモータ15の回転を停止し、床板部7と糞回収部材10の下げ動作完了となるので、床板部7と糞回収部材10は水平状態となり、トイレ装置1は初期状態に復帰する。このため、犬は再度ケース本体5に侵入可能となり、排便または排尿可能となる。
【0055】
以上説明のステップST1~ST25に示す順に処理することで犬の排便と排尿が可能となり、糞回収部材10に付着している糞を糞回収箱12に確実に投入し、保管することができる。糞回収箱12に保管した糞は、糞回収箱12をケース本体5から引き出し、人用のトイレに廃棄するか、ゴミ収容袋に回収し、適切に廃棄することができる。
【符号の説明】
【0056】
A…小動物、1…トイレ装置、2…底板、3…側壁、4…側壁、5…ケース本体、6…出入口スロープ、7…床板部、10…糞回収部材、12…糞回収箱、15…モータ、16…クランク機構(駆動機構)、17…第1のアーム、18…第2のアーム、19…第3のアーム、20…第4のアーム、21…第5のアーム、25…第1の検出センサー(犬検出センサー1)、26…第2の検出センサー(犬検出センサー2)、27…第3の検出センサー(犬検出センサー3)、31…第1のアーム検出センサー(原点センサー)、32…第2のアーム検出センサー(エスケープセンサー)、33…第3のアーム検出センサー(終点センサー)、F、F’、F'’…糞。