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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054986
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】自動販売機商品販売システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230410BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20230410BHJP
   G06Q 10/087 20230101ALI20230410BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07F9/00 L
G07F9/00 P
G06Q10/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164050
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】397011111
【氏名又は名称】株式会社マースウインテック
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】井出 平三郎
(72)【発明者】
【氏名】本山 直樹
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044CA02
3E044CC03
3E044DD10
3E044EA08
3E044EA20
3E044EB02
5L049BB46
5L049BB63
(57)【要約】
【課題】自動販売機に待ち行列が発生することがなく、利用者が落ち着いた状態で商品の購入手続きを行うことを可能にした自動販売機商品販売システムを提供すること。
【解決手段】自動販売機200と、管理サーバ300と、ウェブサーバ400と、利用者端末500と、を具備し、自動販売機200の制御部240は、利用者による入力部230の操作によって売切販売商品の購入希望を受け付けると、ネットワークNWを介して接続可能な売切販売商品を含む販売ウェブサイトHWSにアクセスするためのアクセスコードACを自動販売機200の表示部220に出力させ、端末制御部540は、コード読取部520がアクセスコードACを読み取りすると、ウェブサーバ記憶部410のウェブコンテンツデータWCを端末表示部510に販売ウェブサイトHWSとして表示させることを特徴とする自動販売機商品販売システム100である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続可能であって、少なくとも販売商品の収容庫、入力部、表示部および制御部を有する自動販売機と、
前記ネットワークに接続可能であって、少なくともサーバ記憶部およびサーバ制御部を有する管理サーバと、
前記ネットワークに接続可能であって、少なくとも販売ウェブサイトのウェブコンテンツデータが記憶されているウェブサーバ記憶部と、ウェブサーバ制御部を有するウェブサーバと、
前記ネットワークに接続可能であって、少なくとも端末表示部、コード読取部および端末制御部を有する利用者端末と、を具備し、
前記制御部は、利用者による前記入力部の操作によって売切販売商品の購入希望を受け付けると、前記ネットワークを介して接続可能な前記売切販売商品を含む前記販売ウェブサイトにアクセスするためのアクセスコードを前記表示部に出力させ、
前記端末制御部は、前記コード読取部が前記アクセスコードを読み取りすると、前記ウェブサーバ記憶部の前記ウェブコンテンツデータを前記端末表示部に前記販売ウェブサイトとして表示させることを特徴とする自動販売機商品販売システム。
【請求項2】
前記入力部は、前記販売商品の選択ボタンおよび前記表示部に表示された画像ボタンであって、
前記制御部は、前記売切販売商品が発生した場合には、前記売切販売商品に対応する前記選択ボタンに売り切れ表示を行い、
前記制御部は、前記利用者が前記売り切れ表示されている前記選択ボタンを操作すると、前記表示部に前記売切販売商品の購入意思を確認するための前記画像ボタンを出力させ、
前記利用者が前記画像ボタンにより前記購入意思を前記自動販売機に送信すると、前記制御部は前記表示部に前記アクセスコードを出力させることを特徴とする請求項1記載の自動販売機商品販売システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記自動販売機の故障を検出した場合、前記表示部に前記アクセスコードを出力させることを特徴とする請求項1または2記載の自動販売機商品販売システム。
【請求項4】
前記サーバ制御部は、前記ネットワークに接続されている各前記自動販売機の前記収容庫に収容されている前記販売商品の在庫状態を集計した各前記自動販売機の在庫状態集計データを、前記在庫状態集計データの更新毎に前記サーバ記憶部に記憶させていて、
前記アクセスコードによって前記販売ウェブサイトにアクセスした前記利用者端末の前記端末制御部は、前記端末表示部に前記在庫状態集計データを表示させることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の自動販売機商品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動販売機商品販売システムに関し、より詳細には、自動販売機において売り切れた販売商品が生じた際には、売切販売商品の販売をする販売サイトに利用者を誘導することにより販売機会の損失を防止するための自動販売機商品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人で商品を販売する自動販売機は公知である。近年においては、自動販売機の利用者をインターネット上の商品販売サイトに誘導することを可能にした構成(特許文献1:特開2020-87220号公報)を有する自動販売機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-87220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている自動販売機は、自動販売機に収容することができない販売商品を自動販売機で取り扱うために、自動販売機の表示部に販売商品の写真等を表示することで、利用者をインターネット上の販売サイトに誘導するための構成例が開示されている。しかしながら特許文献1に開示されている構成では、インターネット上の販売サイトでの販売商品の購入手続きを自動販売機で行うため、販売商品が人気商品である場合等においては自動販売機の前に多数の待ち行列が発生するおそれがある。このような状況においては、自動販売機を操作する利用者も落ち着いて商品の購入手続きをすることができないといった課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明においては、自動販売機の利用者に自動販売機で売り切れた売切商品をインターネット上の販売サイトで販売する際における販売商品の購入手続きを、利用者端末で行うことで自動販売機の前に待ち行列が発生せず、利用者が落ち着いた状態で商品の購入手続きを行うことを可能にした自動販売機商品販売システムの提供を目的としている。
【0006】
すなわち本発明は、ネットワークに接続可能であって、少なくとも販売商品の収容庫、入力部、表示部および制御部を有する自動販売機と、前記ネットワークに接続可能であって、少なくともサーバ記憶部およびサーバ制御部を有する管理サーバと、前記ネットワークに接続可能であって、少なくとも販売ウェブサイトのウェブコンテンツデータが記憶されているウェブサーバ記憶部と、ウェブサーバ制御部を有するウェブサーバと、前記ネットワークに接続可能であって、少なくとも表示部、コード読取部および端末制御部を有する利用者端末と、を具備し、前記制御部は、利用者による前記入力部の操作によって売切販売商品の購入希望を受け付けると、前記ネットワークを介して接続可能な前記売切販売商品を含む前記販売ウェブサイトにアクセスするためのアクセスコードを前記表示部に出力させ、前記端末制御部は、前記コード読取部が前記アクセスコードを読み取りすると、前記ウェブサーバ記憶部の前記ウェブコンテンツデータを前記表示部に前記販売ウェブサイトとして表示させることを特徴とする自動販売機商品販売システムである。
【0007】
これにより、自動販売機の利用者に自動販売機で売り切れた売切販売商品をインターネット上の販売ウェブサイトに誘導する際に、利用者端末での購入手続きをさせることで自動販売機の前に待ち行列が発生することがなく、利用者が落ち着いた状態で売切販売商品の購入手続きを行うことが可能になる。
【0008】
また、前記入力部は、前記販売商品の選択ボタンおよび前記表示部に表示された画像ボタンであって、前記制御部は、前記売切販売商品が発生した場合には、前記売切販売商品に対応する前記選択ボタンに売り切れ表示を行い、前記制御部は、前記利用者が前記売り切れ表示されている前記選択ボタンを操作すると、前記表示部に前記売切販売商品の購入意思を確認するための前記画像ボタンを出力させ、前記利用者が前記画像ボタンにより前記購入意思を前記自動販売機に送信すると、前記制御部は前記表示部に前記アクセスコードを出力させることが好ましい。
【0009】
これにより、制御部は、利用者が売切販売商品の購入意思を有しているときのみ表示部にアクセスコードを表示させることができ、悪戯操作に対しての自動販売機の応答を不要にしている。
【0010】
また、前記制御部は、前記自動販売機の故障を検出した場合、前記表示部に前記アクセスコードを出力させることが好ましい。
【0011】
これにより、自動販売機の故障による販売商品の販売機会損失を防ぐことができる。
【0012】
また、前記サーバ制御部は、前記ネットワークに接続されている各前記自動販売機の前記収容庫に収容されている前記販売商品の在庫状態を集計した各前記自動販売機の在庫状態集計データを、前記在庫状態集計データの更新毎に前記サーバ記憶部に記憶させていて、前記アクセスコードによって前記販売ウェブサイトにアクセスした前記利用者端末の前記端末制御部は、前記端末表示部に前記在庫状態集計データを表示させることが好ましい。
【0013】
これにより、利用者は目の前の自動販売機において売り切れている販売商品の近隣自動販売機における在庫状況を把握することができ、インターネット上の販売ウェブサイトでの購入をすることなく直ちに目当ての販売商品を入手することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明における自動販売機商品販売システムの構成によれば、自動販売機の利用者に自動販売機で売り切れた売切販売商品をインターネット上の販売ウェブサイトに誘導する際に、利用者端末での購入手続きをさせることで自動販売機の前に待ち行列が発生することがなく、利用者が落ち着いた状態で売切販売商品の購入手続きを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態における自動販売機商品販売システムの概略構成図である。
図2】本実施形態における自動販売機の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態における管理サーバの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態におけるウェブサーバの構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態における利用者端末の構成を示すブロック図である。
図6】本実施形態における自動販売機商品販売システムにおける概略処理内容を示すフローである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本実施形態における自動販売機商品販売システム100について図面を参照しながら説明を行う。図1は、本実施形態における自動販売機商品販売システム100の概略構成を示したものである。自動販売機商品販売システム100は、インターネットに代表されるネットワークNWに接続可能な自動販売機200と、ネットワークNWに接続可能な管理サーバ300と、ネットワークNWに接続可能なウェブサーバ400と、ネットワークNWに接続可能な商品を購入する顧客としての利用者が携帯している利用者端末500と、を有している。
【0017】
本実施形態における自動販売機200は、図2に示すように、少なくとも販売商品を収容する収容庫210、使用者へのメッセージ等を出力する表示部220、および自動販売機200に利用者からの意思を入力する入力部230および制御部240を具備する。ネットワークNWへの接続は、自販機ネットワーク通信手段205により行われている。自販機ネットワーク通信手段205は、いわゆるフリーWi-Fi(Wi-Fiは登録商標)環境を自動販売機200の周辺に提供するようにしてもよい。本実施形態における自動販売機200は公知の基本構成を有しているが、ここでは本発明に直接影響を及ぼさない公知の基本構成についての詳細な説明は省略する。
【0018】
収容庫210には収容庫210に収容されている販売正品の在庫数を検出する在庫数検出手段212が配設されている。在庫数検出手段212は、収容庫210の在庫数に変化が生じた都度、最新の在庫数データZDを制御部240に送信する。制御部240は在庫数データZDを受信すると、在庫数データZDを直ちに管理サーバ300に送信する。在庫数検出手段212により検出された最新の在庫数データZDは、制御部240に送信された後に自販機ネットワーク通信手段205を介して管理サーバ300に送信される形態が採用されている。また、在庫数検出手段212は、自販機ネットワーク通信手段205を介して管理サーバ300に直接、最新の在庫数データZDを送信することもできる。
【0019】
本実施形態における表示部220はLEDディスプレーを例示することができるが、これに限定されるものではない。表示部220には、売切販売商品の購入希望が入力された際に、売切販売商品のインターネットサイトでの購入希望を確認するメッセージ、購入希望の意思を入力するための画像ボタン234、および販売ウェブサイトHWSに購入希望者を誘導させるためのアクセスコードAC等が出力される。また、入力部230としては、自動販売機200の筐体表面に物理的に設けられた販売商品の選択ボタン232や表示部220であるディスプレーに出力された画像ボタン234を例示することができる。
【0020】
また、本実施形態における制御部240は、少なくともCPUに代表される演算手段242および演算手段242を作動させるための制御プログラムPGMで構成されており、自動販売機200の動作を制御している。制御プログラムPGMは、自販機記憶部244に予め記憶させておくことができる。自販機記憶部244は不揮発性であることが好ましく、ランダムアクセス可能であることがより好ましい。自販機記憶部244には、在庫数検出手段212により検出された最新の在庫数データZDが更新可能な状態で記憶させることができる。
【0021】
本実施形態における管理サーバ300は、図3に示すように、ネットワークNWに接続するためのサーバネットワーク通信手段305の他に少なくともサーバ記憶部310とサーバ制御部320を有する公知構成のものを用いることができる。ここでは、公知の構成部分についての詳細な説明を省略している。サーバ制御部320は、サーバ記憶部310に記憶されているサーバ制御プログラムSPGMに基づいて管理サーバ300の動作を制御している。また、サーバ制御部320は、サーバ制御プログラムSPGMに基づいて、ネットワークNWから通信してきた利用者端末500のサーバ記憶部310へのアクセス権の有無に応じて外部からのサーバ記憶部310へのアクセスの可否等を制御している。
【0022】
サーバ制御部320は、サーバネットワーク通信手段305を介して各自動販売機200の制御部240から送信された収容庫210に収容されている販売商品毎の最新の在庫数データZDを逐次受信し、サーバ記憶部310に記憶させている。それぞれの自動販売機200から受信した在庫数データZDは、サーバ制御部320によって自動販売機200毎にまとめられ、在庫状態集計データZSDとしてサーバ記憶部310に記憶されている。サーバ制御部320は、管理下にあるそれぞれの自動販売機200の在庫状態集計データZSDを販売商品別に仕分けた商品別在庫状態集計データSSDを作成すると共にサーバ記憶部310に記憶させておくこともできる。在庫状態集計データZSDおよび商品別在庫状態集計データSSDは、後述する販売ウェブサイトHWSからの利用者の要望に応じて閲覧可能になっている。
【0023】
本実施形態におけるウェブサーバ400は、図4に示すように、ネットワークNWに接続するためのウェブサーバネットワーク通信手段405の他に少なくともウェブサーバ記憶部410とウェブサーバ制御部420を有する公知構成のものを用いることができる。ここでは、公知の構成部分についての詳細な説明を省略している。本実施形態におけるウェブサーバ400は、少なくとも販売ウェブサイトHWSを構成するウェブコンテンツデータWCがウェブサーバ記憶部410に記憶されている。ウェブサーバ制御部420は、ウェブサーバ記憶部410に記憶されているウェブサーバ制御プログラムWPGMに基づいてウェブサーバ400の動作を制御している。また、ウェブサーバ制御部420は、ウェブサーバ記憶部410へのアクセス権の有無に応じて外部からのウェブサーバ記憶部410へのアクセスの可否等を制御している。
【0024】
利用者端末500は、図5に示すように、ネットワークNWに接続するための端末ネットワーク通信手段505の他に端末表示部510、コード読取部520、端末記憶部530および端末制御部540を有している。端末表示部510としては端末ディスプレーを例示することができる。また本実施形態におけるコード読取部520には、二次元バーコードが読み取り可能なカメラが用いられている。端末制御部540は、図示しない演算手段と端末記憶部530に記憶されている端末制御プログラムTPGMとにより構成され、演算手段が端末制御プログラムTPGMに基づいて利用者端末500の動作を制御している。また、端末制御部540は、端末記憶部530に記憶されている二次元バーコード読取アプリケーションBAPによりコード読取部520が読み取った二次元バーコードを所定の文字列(ここではURL)に変換する。
【0025】
アクセスコードACがURLに変換された後、端末制御部540によって端末記憶部530に記憶されているウェブブラウザが起動される。つづいて端末制御部540は、URLをウェブブラウザの入力欄に入力し端末ネットワーク通信手段505を介してウェブサーバ400のウェブサーバ記憶部410に記憶されているウェブコンテンツデータWCに利用者端末500をアクセスさせる。端末制御部540は、ウェブコンテンツデータWCを用いてウェブブラウザに販売ウェブサイトHWSを表示させる。販売ウェブサイトHWSが端末表示部510に表示された後は、利用者による操作に基づいて商品の購入手続きが行われることになる。
【0026】
次に本実施形態における自動販売機商品販売システム100の具体的な動作内容について図6を参照しながら説明する。利用者が自動販売機200で販売をしている商品を購入する(S-1)と、制御部240は、在庫数検出手段212に収容庫210の在庫数を確認させ、自販機記憶部244および管理サーバ300に在庫数データZDを送信(S-2)する。制御部240は、在庫数データZDのいずれかが0であるか否かを確認(J-1)し、在庫数データZDがいずれも0でない場合(No)には(S-1)に戻って通常の商品販売を継続させる。いずれかの在庫数データZDが0である場合(Yes)には、制御部240は、在庫数データZDが0になっている売切販売商品に対応する選択ボタン232に『売り切れ』の表示を出力(S-3)させる。
【0027】
そして制御部240は、初期投入金額の残金が売切販売商品の購入可能代金以上である等の継続的な商品購入が可能であるか否かの判断(J-2)を行う。継続的な商品購入が可能でない場合(No)は返金(E-1)して、自動販売機200を待機状態にさせる(END)。これに対して継続的な商品購入が可能である場合(Yes)には制御部240は、商品販売を継続させるため、所定時間入力を待機させると共に図示しないタイマを起動させると共にカウントダウンを開始(S-4)する。
【0028】
制御部240は、カウントダウン値が0になるまでの間に利用者による選択ボタン232の操作(押下)の有無を確認(J-3)する。制御部240は、入力部230からの入力がない場合(No)には、返金(E-1)して、自動販売機200を待機状態にさせる(END)。これに対して、制御部240が利用者による選択ボタン232の操作を検出する(Yes)と、制御部240は、操作された選択ボタン232に対応する商品の在庫が無いかを確認(J-4)し、在庫がある場合(No)には(S-1)に戻って通常の商品販売を継続させる。これに対して操作された選択ボタン232に対応する商品の在庫が無い場合(Yes)には、制御部240が表示部220に売切販売商品の購入手続継続の要否を問う画像ボタン234を表示(S-5)させる。この後制御部240は、画像ボタン234の操作による売切販売商品の購入意思の有無確認(J-5)を行う。
【0029】
なお、画像ボタン234は、購入意思がある旨を入力する購入意思有りボタンと購入意思がない旨を入力する購入意思無しボタンをそれぞれ出力することができる。また、画像ボタン234は、購入意思の有無のいずれか一方を入力するボタンのみを出力することもできる。この場合、入力制限時間を設定し、入力制限時間を経過した場合、購入意思がない旨の入力がなされるように設定することが好ましい。
【0030】
制御部240は、画像ボタン234の操作が購入意思のないものであるとき(No)は、返金(E-1)して、自動販売機200を待機状態にさせる(END)。これに対して制御部240は、画像ボタン234の操作が購入意思を有するとき(Yes)は、表示部220に売切販売商品を含む商品の販売ウェブサイトHWSへ誘導するための二次元バーコードからなるアクセスコードACを所要時間にわたって出力する(S-6)。制御部240は表示部220にアクセスコードACを出力した際に、自動販売機200に投入されていた商品購入用代金を代金の一部として領収する処理を行ってもよいし、釣銭返却口への返却する処理を行ってもよい。また、制御部240は、表示部220へのアクセスコードACを出力させてから所要時間経過した後、アクセスコードACの出力の停止と、自動販売機200を待機状態にさせる(END)。
【0031】
利用者が利用者端末500のコード読取部520としての撮像カメラでアクセスコードACを読み取る(S-7)と、端末制御部540は、二次元バーコード読取アプリケーションBAPに基づいてアクセスコードACを所定のURLに変換(S-8)する処理を行う。また、端末制御部540は利用者端末500のウェブブラウザを起動させると共に端末ネットワーク通信手段505を介して変換処理した所定のURLであるウェブサーバ400のウェブサーバ記憶部410のウェブコンテンツデータWCにアクセスする(S-9)。端末制御部540は、ウェブコンテンツデータWCに基づいて端末表示部510に販売ウェブサイトHWSを表示させる(S-10)。このとき、ウェブサーバ制御部420は、アクセスコードACから利用者端末500によるウェブサーバ400へのアクセス権の有無を確認し、アクセスコードACの有効時間が経過している等アクセス権がない場合(不正アクセスである場合)にはウェブサーバ400へのアクセスを拒否する処理を行うこともできる。
【0032】
ウェブサーバ制御部420は、ウェブコンテンツデータWCにアクセスさせた自動販売機200をアクセスコードACから特定すると共に、ウェブサーバネットワーク通信手段405を介して特定した自動販売機200の制御部240に通常販売モードに切り替えるコマンドを送信して待機状態にする(END)こともできる。このように利用者端末500のウェブブラウザに販売ウェブサイトHWSが表示されれば、利用者は自動販売機200から離れた状態で売切販売商品の購入を継続することができる。これにより自動販売機200の前に待ち行列が作られることがなく、次の利用者に自動販売機200での販売商品の購入を行わせることができ、自動販売機200を効率的に稼働させることができる。また、利用者自身も待ち行列のプレッシャーを感じることなく、自身のペースで販売ウェブサイトHWSでの売切販売商品を含む販売商品の購入手続きを行うことができる。
【0033】
販売ウェブサイトHWSにおける販売商品の購入手続きは公知のウェブショッピングサイトと同様にして行うことができるため、販売商品の決済方法および受取方法等の決定を含む具体的な購入手続きについての説明は省略する。なお、制御部240が自動販売機200に投入されていた商品購入用代金を代金の一部として領収する処理を行っている場合には、領収した金額を控除した金額で決済処理が行われる。
【0034】
また、アクセスコードACから販売ウェブサイトHWSにアクセスした利用者は、販売ウェブサイトHWSを操作することで、サーバ記憶部310に記憶されている在庫状態集計データZSDや商品別在庫状態集計データSSDを端末表示部510に表示することができる。また、在庫状態集計データZSDや商品別在庫状態集計データSSDは利用者端末500の位置情報に基づいて、利用者端末500の周辺における自動販売機200を地図データに重ねて表示することもできる。地図上に表示された自動販売機200をタップ(クリック)すれば、その自動販売機200における在庫状態集計データZSDを出力させることもできる。
【0035】
また、販売ウェブサイトHWSにおいて、商品別在庫状態集計データSSDまたは近隣自販機検索用に紐づけされたボタンをタップすれば、端末表示部510に、売切販売商品の在庫を有する自動販売機200を在庫数と共に地図データに重ねて表示させることもできる。このとき、売切販売商品の在庫数だけでなく、売切販売製品を在庫している自動販売機200に収容されている全ての販売商品の在庫数の表示を行うこともできる。
【0036】
このように、自動販売機200における売切販売商品の購入を希望する利用者に対し、売切販売商品を含む販売商品の販売ウェブサイトHWSへの誘導を行うことにより、利用者の満足度を向上させることができる。一方、自動販売機200の運営事業者においては、自動販売機200の在庫切れによる販売機会の損失を防止することができる点で好都合である。また、売切販売商品を含む販売商品の販売ウェブサイトHWSに利用者を誘導することで、ついで買いによる売り上げアップを期待することができる点においても好都合である。
【0037】
以上に本発明にかかる自動販売機商品販売システム100について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、利用者が自動販売機200で売切販売商品の選択ボタン232を操作した後、制御部240は表示部220に売切販売商品が売り切れていることを表示すると共に、売切販売商品の購入手続きの意思を確認する表示を行っているが、この売切販売商品購入の意思確認表示は省略することもできる。利用者が売切販売商品の選択ボタン232を操作した場合、制御部240は表示部220に販売ウェブサイトHWSにアクセスさせるためのアクセスコードACを直ちに表示させるようにしてもよい。この場合、予め設定したアクセスコード表示時間内に利用者端末500によるアクセスが行われなかった場合、制御部240は商品購入代金の返却処理を行い、当該利用者による購入手続き前の自動販売機200の状態に戻す処理を行ってもよい。
【0038】
また、本実施形態における制御部240は、悪戯の防止のため利用者による売切販売商品の販売金額以上の金銭が自動販売機200に投入されているときのみに、表示部220にアクセスコードACを表示させているが、この形態に限定されるものではない。制御部240は金銭が投入されていない状態であっても、表示部220にアクセスコードACを表示させることもできる。
【0039】
また、制御部240は自動販売機200に故障や電力供給の停止(停電)が発生したことを故障発生検出センサまたは給電センサ(いずれも図示せず)により検出した場合、通常の商品販売モードを停止し、表示部220に販売ウェブサイトHWSへのアクセスコードACを常時出力させる処理を行うこともできる。特に、電力供給の停止が原因であるアクセスコードACの常時出力を行う場合には、表示部220の明るさを通常時よりも低下させる等して自動販売機200に内蔵してある図示しないバッテリによる電力供給を長持ちさせることが好ましい。この形態により、自動販売機200が故障したことによる販売機会の損失を最小限に抑えることができる。
【0040】
また、自動販売機200の本体外表面(側面が好ましい)に管理者連絡先を表示しておき、管理者または管理サーバ300のサーバ制御部320が利用者からの故障発生の連絡を受けたときは、管理者またはサーバ制御部320が制御部240に自販機商品販売コマンドを送信してもよい。制御部240が自販機商品販売コマンドを受信した場合には、自動販売機200による通常の商品販売モードを停止し、表示部220に販売ウェブサイトHWSへのアクセスコードACを出力させる処理を行うことが好ましい。この形態によっても、自動販売機200が故障したことによる販売機会の損失を最小限に抑えることができる。
【0041】
また、自動販売機200には、図示しない自販機カメラを設置しておき、自動販売機200を操作する利用者等の撮影を行い、制御部240が撮影データを管理サーバ300に送信する形態を採用することもできる。サーバ記憶部310には、過去に管理下等にある自動販売機200で悪戯被害に遭った際の利用者の画像データを特定利用者画像データまたは、画像データから作成した特定利用者顔認識データをサーバ記憶部310に蓄積しておくこともできる。管理サーバ300のサーバ制御部320は、自動販売機200から送信された撮影データの顔認識データを作成すると共に、サーバ記憶部310の特定利用者顔認識データとの一致度を算出し、予め設定した一致度以上であった場合、自動販売機200から警報音を出すようにしてもよい。
【0042】
また、制御部240は自販機カメラにより撮影された画像データを自販機記憶部244に記憶させることもできる。この場合、予めネットワークNWを介して自販機記憶部244に特定利用者画像データまたは特定利用者顔認識データを記憶させておくことが好ましい。この形態によれば、自動販売機200の制御部240が画像データに基づいて顔認識データを作成すると共に、自販機記憶部244の特定利用者顔認識データとの一致度を算出し、予め設定した一致度以上であった場合、自動販売機200の表示部220から警報音を出すこともできる。
【0043】
また、本実施形態においては、管理サーバ300とウェブサーバ400とを別体にした構成例について説明しているが、管理サーバ300とウェブサーバ400とを一体にした形態を採用することもできる。
【0044】
また本実施形態における入力部230は、自動販売機200に配設された物理的な選択ボタン232と表示部220に表示させた画像ボタン234とを有する構成について説明しているがこの形態に限定されるものではない。購入を希望する商品を選択するためのボタンと売切販売商品の継続購入の意思を入力するための意思確認ボタンはいずれも物理的なボタンすることもできるし、両者とも画像ボタン234にした形態を採用することもできる。すなわち入力部230の具体的な形態は特に限定されるものではない。
【0045】
さらには、以上に説明した本実施形態の構成に対し、明細書中に記載されている選択可能な構成部分については、その構成を省略した形態を採用することもできる。また、明細書中に記載した変形例や、他の公知の構成を適宜組み合わせた形態を採用することもできる。
【符号の説明】
【0046】
100:自動販売機商品販売システム
200:自動販売機
205:自販機ネットワーク通信手段
210:収容庫,212:在庫数検出手段
220:表示部
230:入力部,232:選択ボタン,234:画像ボタン
240:制御部,242:演算手段,244:自販機記憶部
PGM:制御プログラム,AC:アクセスコード,ZD:在庫数データ
300:管理サーバ
305:サーバネットワーク通信手段
310:サーバ記憶部
SPGM:サーバ制御プログラム
ZSD:在庫状態集計データ,SSD:商品別在庫状態集計データ
320:サーバ制御部
400:ウェブサーバ
405:ウェブサーバネットワーク通信手段
410:ウェブサーバ記憶部
WPGM:ウェブサーバ制御プログラム,WC:ウェブコンテンツデータ
420:ウェブサーバ制御部
500:利用者端末
505:端末ネットワーク通信手段
510:端末表示部
520:コード読取部
530:端末記憶部
BAP:二次元バーコード読取アプリケーション,TPGM:端末制御プログラム
540:端末制御部
NW:ネットワーク,HWS:販売ウェブサイト
図1
図2
図3
図4
図5
図6