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特開2023-550情報処理装置、収納管理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000550
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、収納管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101442
(22)【出願日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】390017891
【氏名又は名称】シヤチハタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 元
(74)【代理人】
【識別番号】100217191
【弁理士】
【氏名又は名称】林 信吾
(72)【発明者】
【氏名】影山 伴廣
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA10
3F522BB01
3F522CC09
3F522EE13
3F522FF37
3F522GG15
3F522GG23
3F522HH02
3F522HH37
3F522LL36
(57)【要約】
【課題】収納物と収納場所(収納位置)の対応関係をわかりやすくして収納物の管理性を向上させること。
【解決手段】収納装置の引き出しに収められた書類がカメラで撮影されると、当該撮影により得られた画像データがサーバ装置に送信される。サーバ装置では、収納装置からの画像データに基づいて、今回撮影された書類のイメージ情報及びテキスト情報が取得され、この取得された情報と、当該書類が収められた引き出しの引き出しIDとが関連付けられて収納管理DBに記憶される。そして、収納管理DBに記憶されている情報に基づいて、引き出しに収められている書類及び当該書類が収められている引き出しに関する閲覧情報が生成され、端末装置に表示出力される。この端末装置に表示される閲覧情報を通じて、引き出しに収められている書類のタイトルとその書類が収められている引き出し位置を端末装置のユーザに知らせることが可能となる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の収納部に収められた収納物をカメラで撮影して得られる画像データに基づく処理を実行可能な情報処理装置であって、
前記画像データに基づいて、前記カメラで撮影された前記収納物に関する収納物情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された前記収納物に関する収納物情報と、当該収納物が収められた前記収納部に対応する識別情報とを関連付けて所定の記憶部に記憶する情報記憶手段と、
前記記憶部に記憶されている前記収納物情報及び前記識別情報に基づいて、前記収納部に収められている前記収納物及び当該収納物が収められている前記収納部に関する特定情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された前記特定情報を所定の出力部に出力する情報出力手段と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記収納物情報は、前記カメラで撮影された前記収納物を表す画像に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記収納物情報は、前記カメラで撮影された前記収納物に文字が含まれる場合の前記画像データから認識される文字に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記収納物情報は、前記カメラで撮影された前記収納物の特定位置に文字が含まれる場合の前記画像データから認識される前記特定位置の文字に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記収納物情報は、前記カメラで撮影された前記収納物に文字が含まれる場合の前記画像データから認識される文字のうち特定文字に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部に記憶される前記収納物情報を、前記収納物の種類に応じて分類する情報分類手段を備える
ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部に記憶される情報に関し、所定の入力部により入力された情報を追加する情報追加手段を備える
ことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
一又は複数の収納部を含んで構成される収納装置と、前記収納装置と通信可能に接続される情報処理装置と、を備えるシステムであって、
前記収納装置は、
カメラと、
前記収納部に収められた収納物を前記カメラで撮影して得られる画像データを前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記送信手段により送信された前記画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記画像データに基づいて、前記カメラで撮影された前記収納物に関する収納物情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された前記収納物に関する収納物情報と、当該収納物が収められた前記収納部に対応する識別情報とを関連付けて所定の記憶部に記憶する情報記憶手段と、
前記記憶部に記憶されている前記収納物情報及び前記識別情報に基づいて、前記収納部に収められている前記収納物及び当該収納物が収められている前記収納部に関する特定情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された前記特定情報を所定の出力部に出力する情報出力手段と、を備える
ことを特徴とする収納管理システム。
【請求項9】
前記情報処理装置は、前記記憶部に記憶される前記収納物情報を、前記収納物の種類に応じて分類する情報分類手段を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の収納管理システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、前記記憶部に記憶される情報に関し、所定の入力部により入力された情報を追加する情報追加手段を備える
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の収納管理システム。
【請求項11】
所定の収納部に収められた収納物をカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カメラで撮影された収納物に関する収納物情報を取得する情報取得手段、
前記情報取得手段により取得された前記収納物に関する収納物情報と、当該収納物が収められた前記収納部に対応する識別情報とを関連付けて所定の記憶部に記憶する情報記憶手段、
前記記憶部に記憶されている前記収納物情報及び前記識別情報に基づいて、前記収納部に収められている前記収納物及び当該収納物が収められている前記収納部に関する特定情報を生成する情報生成手段、
前記情報生成手段により生成された前記特定情報を所定の出力部に出力する情報出力手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、収納管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種書類や文具等を収納する引き出しを複数備え、机上等に載置して使用することが可能な収納ケースが知られている(例えば特許文献1を参照)。この種の収納ケースは、例えば、書類等の収納対象物(収納物)を引き出し単位で分類して収納(保管)することができるので、家庭やオフィス等における身の回りの整理整頓に役立つものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-70322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、収納物の収納(保管)期間が長くなったり、収納ケース(引き出し)に収納される収納物が入れ替わったり、収納ケースの利用者が多数存在したりする等、収納ケースの利用状況(利用環境)によっては、どの引き出しにどの収納物が収納されているのかが分かり難くなるという問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、収納物と収納場所(収納位置)の対応関係をわかりやすくして収納物の管理性を向上させることが可能な情報処理装置、収納管理システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
【0007】
第1の発明に係る情報処理装置は、
所定の収納部に収められた収納物をカメラで撮影して得られる画像データに基づく処理を実行可能な情報処理装置であって、
前記画像データに基づいて、前記カメラで撮影された前記収納物に関する収納物情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された前記収納物に関する収納物情報と、当該収納物が収められた前記収納部に対応する識別情報とを関連付けて所定の記憶部に記憶する情報記憶手段と、
前記記憶部に記憶されている前記収納物情報及び前記識別情報に基づいて、前記収納部に収められている前記収納物及び当該収納物が収められている前記収納部に関する特定情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された前記特定情報を所定の出力部に出力する情報出力手段と、を備える
ことを要旨とする。
【0008】
本情報処理装置によれば、所定の収納部に収められた収納物がカメラで撮影されることで得られる画像データに基づいて、その撮影された収納物に関する収納物情報が取得され、この取得された収納物に関する収納物情報と、当該収納物が収められた収納部に対応する識別情報とが関連付けられて所定の記憶部に記憶される。そして、記憶部に記憶されている収納物情報及び識別情報に基づいて、収納部に収められている収納物及び当該収納物が収められている収納部に関する特定情報が生成され、この生成された特定情報が所定の出力部に出力される。この出力される特定情報により、収納部に収められている収納物と当該収納物が収められている収納部に関する情報を外部に知らせることが可能となる。これにより、収納物と収納部(収納場所)の対応関係をわかりやすくして収納物の管理性を向上させることが可能となる。
【0009】
第2の発明に係る収納管理システムは、
一又は複数の収納部を含んで構成される収納装置と、前記収納装置と通信可能に接続される情報処理装置と、を備えるシステムであって、
前記収納装置は、
カメラと、
前記収納部に収められた収納物を前記カメラで撮影して得られる画像データを前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記送信手段により送信された前記画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記画像データに基づいて、前記カメラで撮影された前記収納物に関する収納物情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された前記収納物に関する収納物情報と、当該収納物が収められた前記収納部に対応する識別情報とを関連付けて所定の記憶部に記憶する情報記憶手段と、
前記記憶部に記憶されている前記収納物情報及び前記識別情報に基づいて、前記収納部に収められている前記収納物及び当該収納物が収められている前記収納部に関する特定情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された前記特定情報を所定の出力部に出力する情報出力手段と、を備える
ことを要旨とする。
【0010】
本システムによれば、収納装置の収納部に収められた収納物がカメラで撮影され、当該撮影により得られた画像データが、その収納装置と接続された情報処理装置に送信される。情報処理装置では、収納装置からの画像データに基づいて、今回撮影された収納物に関する収納物情報が取得され、この取得された収納物に関する収納物情報と、当該収納物が収められた収納部に対応する識別情報とが関連付けられて所定の記憶部に記憶される。そして、記憶部に記憶されている収納物情報及び識別情報に基づいて、収納部に収められている収納物及び当該収納物が収められている収納部に関する特定情報が生成され、この生成された特定情報が所定の出力部に出力される。この出力される特定情報により、収納部に収められている収納物と当該収納物が収められている収納部に関する情報を外部に知らせることが可能となる。これにより、収納物と収納部(収納場所)の対応関係をわかりやすくして収納物の管理性を向上させることが可能となる。
【0011】
なお、上記各発明において、所定の出力部は、例えば、情報処理装置又は情報処理装置と通信可能に接続される他の装置が備える表示部やスピーカ部、発光部等により構成することができる。そして情報出力手段は、表示部に表示出力する手段、スピーカ部に音出力する手段、発光部に光出力する手段等により構成することができる。
【0012】
また、上記各発明において、前記収納物情報は、前記カメラで撮影された前記収納物を表す画像に関する情報を含むこととしてもよい。
【0013】
こうすれば、カメラで撮影された収納物を表す画像に関する情報を含む収納物情報が所定の記憶部に記憶される。このため、収納物情報に基づいて生成される特定情報に、収納物の外観に関する情報を含ませることが可能となる。これにより、出力部に出力される特定情報を通じて、収納部に収められている収納物の外観に関する情報を外部に知らせることが可能となり、延いては、収納物の視覚的な理解を容易にすることが可能となる。
【0014】
また、上記各発明において、前記収納物情報は、前記カメラで撮影された前記収納物に文字が含まれる場合の前記画像データから認識される文字に関する情報を含むこととしてもよい。
【0015】
こうすれば、カメラで撮影された収納物に文字が含まれる場合、その収納物を撮影して得られる画像データから認識される文字に関する情報を含む収納物情報が所定の記憶部に記憶される。このため、収納物情報に基づいて生成される特定情報に、収納物の文字に関する情報を含ませることが可能となる。これにより、出力部に出力される特定情報を通じて、収納部に収められている収納物の文字に関する情報を外部に知らせることが可能となり、延いては、収納物の内容に関する理解を容易にすることが可能となる。
【0016】
また、上記各発明において、前記収納物情報は、前記カメラで撮影された前記収納物の特定位置に文字が含まれる場合の前記画像データから認識される前記特定位置の文字に関する情報を含むこととしてもよい。
【0017】
こうすれば、カメラで撮影された収納物の特定位置に文字が含まれる場合、その収納物を撮影して得られる画像データから認識される特定位置の文字に関する情報を含む収納物情報が所定の記憶部に記憶される。このため、収納物情報に基づいて生成される特定情報に、収納物の特定位置の文字に関する情報を含ませることが可能となる。これにより、出力部に出力される特定情報を通じて、収納部に収められている収納物の特定位置の文字に関する情報を外部に知らせることが可能となり、延いては、収納物の内容に関する理解を容易にすることが可能となる。
【0018】
また、上記各発明において、前記収納物情報は、前記カメラで撮影された前記収納物に文字が含まれる場合の前記画像データから認識される文字のうち特定文字に関する情報を含むこととしてもよい。
【0019】
こうすれば、カメラで撮影された収納物に文字が含まれる場合、その収納物を撮影して得られる画像データから認識される文字のうち特定文字に関する情報を含む収納物情報が所定の記憶部に記憶される。このため、収納物情報に基づいて生成される特定情報に、収納物の特定文字に関する情報を含ませることが可能となる。これにより、出力部に出力される特定情報を通じて、収納部に収められている収納物の特定文字に関する情報を外部に知らせることが可能となり、延いては、収納物の内容に関する理解を容易にすることが可能となる。
【0020】
なお、特定文字とは、例えば、特定の意味を表す文字、特定の大きさ(文字サイズ)の文字、特定の書体(フォント)の文字等、収納物の区別や識別等に繋がる文字を指す。
【0021】
また、上記各発明において、情報処理装置は、前記記憶部に記憶される前記収納物情報を、前記収納物の種類に応じて分類する情報分類手段を備えることとしてもよい。
【0022】
こうすれば、所定の記憶部に記憶される収納物情報(及び当該収納物情報に関連付けられる識別情報)を収納物の種類に応じて分類することができるので、記憶部に記憶される情報の把握や検索が容易となる。また、情報生成手段により生成される特定情報(換言すると、出力部に出力される特定情報)にその分類を反映させることが可能となる。これにより、収納物の管理性をより向上させることが可能となる。
【0023】
また、上記各発明において、情報処理装置は、前記記憶部に記憶される情報に関し、所定の入力部により入力された情報を追加する情報追加手段を備えることとしてもよい。
【0024】
こうすれば、所定の記憶部に記憶される情報(例えば、収納物情報及び/又は識別情報)に関し、所定の入力部により入力された情報を追加することができるので、記憶部に記憶される情報をカスタマイズすることが可能となる。また、情報生成手段により生成される特定情報(換言すると、出力部に出力される特定情報)にそのカスタマイズを反映させることも可能となる。これにより、収納物の管理性をより向上させることが可能となる。
【0025】
第3の発明に係るプログラムは、
所定の収納部に収められた収納物をカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カメラで撮影された収納物に関する収納物情報を取得する情報取得手段、
前記情報取得手段により取得された前記収納物に関する収納物情報と、当該収納物が収められた前記収納部に対応する識別情報とを関連付けて所定の記憶部に記憶する情報記憶手段、
前記記憶部に記憶されている前記収納物情報及び前記識別情報に基づいて、前記収納部に収められている前記収納物及び当該収納物が収められている前記収納部に関する特定情報を生成する情報生成手段、
前記情報生成手段により生成された前記特定情報を所定の出力部に出力する情報出力手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0026】
本プログラムによれば、コンピュータを上記各手段として機能させることができる。これにより、収納物と収納部(収納場所)の対応関係をわかりやすくして収納物の管理性を向上させることが可能となる。なお、本プログラムは、記録媒体に記録して、又は、ネットワークを介して伝送することにより、提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上の本発明によれば、収納物と収納場所(収納位置)の対応関係をわかりやすくして収納物の管理性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施例に係るシステムの構成図である。
図2】収納装置の斜視図である。
図3】収納装置の内部構造を示す概略図である。
図4】カメラによる撮影の概要を示す説明図である。
図5】収納装置のブロック図である。
図6】サーバ装置のブロック図である。
図7】端末装置のブロック図である。
図8】収納物撮影処理のフローチャートである。
図9】収納管理処理のフローチャートである。
図10】収納管理DB閲覧処理のフローチャートである。
図11】(A)は歪み補正処理前の撮影データの一例を示す図であり、(B)は歪み補正処理後の撮影データの一例を示す図である。
図12】収納管理テーブルの一例を示す図である。
図13】閲覧情報の表示例を示す図である。
図14】変形例1の収納管理テーブルの一例を示す図である。
図15】変形例2の閲覧情報の表示例を示す図である。
図16】変形例2の情報追加画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【実施例0030】
本実施例は、図1に示すように、収納装置1とサーバ装置2と端末装置3とが通信回線としてのインターネット等のネットワーク4を介して接続されるシステムに本発明を適用した例である。本実施例に係るシステム(「本システム」ともいう。)は、本発明の「収納管理システム」の一態様を示すものである。以下、本システムを構成する各装置について説明する。
【0031】
[収納装置]
収納装置1は、机上等に載置して使用可能な引き出し式の収納ケースに、書類等の収納物を撮影する機能(「撮影機能」ともいう。)、及び収納物を撮影して得られる画像データをサーバ装置2に送信する機能(「送信機能」ともいう。)を付加したものである。
【0032】
図2に示すように、収納装置1は、箱型のケース本体6と、ケース本体6の前面開口から出し入れ可能な引き出し7とを備える収納ケース5により、その外観が構成される。本実施例では、ケース本体6内に5個の引き出し7a~7eが上下方向(鉛直方向)に並んで設けられる(5段の収納ケース)。引き出し7は、四角形状の底面の周縁4辺に側壁を有し上面(天面)が開放したトレー状の部材(収納トレー)である。引き出し7は本発明の「収納部」の一例に相当する。
【0033】
なお、引き出し7(収納部)の数は、少なくとも1個であればよく、5個未満であっても6個以上であってもよい。また本実施例の収納ケース5は、複数の引き出し7が上下方向に並んで設けられるものとしているが、左右方向(水平方向)に並んで設けられるものであってもよい。また本実施例では複数の引き出し7が一列に設けられるものとしているが、二列以上に設けられるものであってもよい。
【0034】
ケース本体6及び引き出し7は、何れもプラスチック製であり、ケース本体6は黒色等の不透明とされ、引き出し7は無色透明とされる。引き出し7を無色透明とするのは、後述するように、引き出し7に収められた書類等の収納物をカメラ9で撮影するのに適しているからである。
【0035】
なお、ケース本体6は不透明でなくてもよく、例えば透明又は半透明とすることも可能である。また引き出し7は無色透明でなくてもよく、例えば有色透明又は不透明とすることも可能である。さらにケース本体6及び引き出し7はプラスチック製でなくてもよく、金属や木材等の他の素材で形成することも可能である。
【0036】
図3は、収納装置1(収納ケース5)の内部構造の概略を示す。同図に示すように、ケース本体6の側壁内面には、引き出し7の底面左右両端を支持する支持レール8が設けられている。支持レール8(8a~8e)は、5個(5段)の引き出し7a~7eの各々に対して設けられるもので、それぞれ左右側壁の内面に対向して設けられる。
【0037】
ケース本体6内に位置する引き出し7は、支持レール8に沿ってケース本体6内を前後方向に移動可能(スライド可能)となっており、これによりケース本体6の前面開口から出し入れ可能となっている。
【0038】
ケース本体6の後方内部にはカメラ9が設けられている。本実施例では、5個(5段)の引き出し7a~7eの各々に対してカメラ9a~9eが設けられている。本実施例のカメラ9は、画角が約165度の超広角レンズを備えるデジタル式の小型カメラであり、ケース本体6内に引き出し7の全体を収めた状態(引き出し7を閉じた状態)で、当該引き出し7に収められた書類等の収納物の略全体を撮影することができる状態で設けられる。なお、引き出し7内に書類等の収納物が複数重ねて収められる場合、一番上の収納物が撮影対象となる。
【0039】
本実施例では、ケース本体6の後方側であって引き出し7の斜め上方にカメラ9が設けられるため、例えば、図4に示すように、撮影対象となる引き出し7内に置かれた書類等の収納物を、ケース本体6(引き出し7)の後方斜め上方から撮影することとなる。このため、撮影結果(撮影内容)には遠近による台形の歪み(台形歪み)が生じた状態となる(例えば図11(A)を参照)。この歪みを補正する処理が後述のサーバ装置2で行われる。
【0040】
本実施例のように、ケース本体6の後方内部にカメラ9を設けることで、例えば、ケース本体6内における引き出し7の位置するスペース(収納スペース)が減少するのを防ぐことが可能となる。また、ケース本体6内における引き出し7の移動の妨げとならないようにすることが可能となる。さらに、ケース本体6の後面を開閉可能とする等、カメラ9のメンテナンス性の向上を図りやすくすることが可能となる。
【0041】
なお、カメラ9の設置態様(設置個所、設置角度、設置個数等)は本実施例に限定されるものではなく、収納装置1(収納ケース5)の種類、用途、大きさ、引き出し7の数(段数)等に応じて適宜変更可能である。また、カメラ9の設置個数は、引き出し7の数(段数)と同じとしても異ならせてもどちらでもよく、引き出し7の数(段数)よりも少なくしてもよい。
【0042】
図3に戻り、ケース本体6の側壁内面には、引き出し7の内部を照らすLED10(「発光体」又は「発光部」ともいう。)が複数設けられている。LED10(10a~10e)は、5個(5段)の引き出し7a~7eの各々に対して設けられるもので、引き出し7に収められた収納物(書類等)をカメラ9で撮影する際に発光(点灯)するように構成されている(図4を参照)。これは、カメラ9による撮影時における引き出し7内(ケース本体6内)の明るさ(光量)を確保して、当該カメラ9で撮影して得られる画像データが不鮮明になるのを防ぐためである。LED10が発する光は、無色透明の引き出し7の側壁を介して引き出し7内を照らすようになっている。
【0043】
本実施例では、引き出し7のスムーズな移動をLED10が妨げることのないようにするために、ケース本体6の側壁内面にLED配設用の凹部(図示せず)を設け、当該凹部にLED10が設けられるものとしている。LED10は、ケース本体6の左右側壁のうち一方又は両方の側壁に設けることができる。なお、LED10を設ける位置や数は、収納装置1(収納ケース5)の大きさや撮影に必要な光量等に応じて適宜設定可能である。
【0044】
また図3に示すように、ケース本体6の後方側の側壁内面には、引き出し7の開閉を検知可能なセンサ11が設けられている。センサ11(11a~11e)は、5個(5段)の引き出し7a~7eの各々に対して設けられるもので、例えば、非接触式のフォトセンサにより構成される。
【0045】
前述のカメラ9及びLED10は、それぞれセンサ11による引き出し7の開閉検知に基づいて駆動される。具体的には、例えば、ケース本体6内に引き出し7の全体が収まった状態(引き出し7が閉じた状態、これを「閉状態」ともいう。)では、引き出し7の一端(後端)に設けられた検知片がセンサ11内に位置して(図3を参照)、センサ11の出力信号(「検知信号」ともいう。)がOFFとなる。一方、ケース本体6の前面開口から引き出し7が引き出された状態(引き出し7が開いた状態、これを「開状態」ともいう。)では、検知片がセンサ11から外れてセンサ11内に位置せず、センサ11の検知信号がONとなる。このセンサ11の検知信号のONからOFFへの変化、すなわち、引き出し7の開状態から閉状態への変化を契機として、LED10が駆動されて発光するとともに、カメラ9が駆動されて引き出し7内の収納物が撮影される。なお、LED10は撮影に要する所定時間(撮影時間)だけ発光する。
【0046】
また図3に示すように、ケース本体6の底部に形成された空間6aには、カメラ9、LED10及びセンサ11等の制御を行う制御基板12が設けられる。
【0047】
以上が収納装置1の主な構成要素であるが、収納装置1はその他にも、収納装置1が備える電気的構成要素(カメラ9、LED10、センサ11、制御基板12等)に対して電力を供給するバッテリ16(図5を参照)や、収納装置1の電源をオン/オフするための図示しない電源スイッチ等を備えている。バッテリ16は、例えばケース本体6の底部の空間6aに収容される。また電源スイッチは、例えばケース本体6の上面(天面)や後面等の外面に設けられる。
【0048】
次に、収納装置1の電気的構成について図5を参照しながら説明する。同図に示すように、収納装置1の電気的構成要素は、カメラ9、LED10、センサ11、制御基板12、バッテリ16等を含んで構成される。
【0049】
制御基板12は、制御部13、記憶部14及び通信部15等を含み、当該制御基板12にカメラ9、LED10、センサ11等が接続される。
【0050】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含むマイコンにより構成され、収納装置1の電気的な機能(撮影機能、送信機能等)を実現するための各種制御を、所定のプログラムにしたがって実行する。そのプログラムには、後述する収納物撮影処理(S100)の実行に係るプログラムが含まれる。また、ROMは、例えばフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリであり、RAMは、例えばSRAMやDRAM等の揮発性メモリである。
【0051】
記憶部14は、EEPROM等の不揮発性メモリにより構成され、制御部13からの指示に応じて各種の情報が読み書きされる。
【0052】
本実施例では、収納装置1を識別するための収納装置IDが収納装置1に対して付与(設定)されており、記憶部14には、その収納装置IDが記憶される。収納装置IDは、例えば、収納装置の製造番号等、個々の収納装置を特定可能とする収納装置固有の情報とすることができる。
【0053】
また本実施例では、収納装置1(収納ケース5)が備える5個の引き出し7a~7eの各々に対して引き出しIDが付与(設定)されており、記憶部14には、その引き出しIDが記憶される。引き出しIDは、5個の引き出し7a~7eをそれぞれ識別するための情報である。例えば、上下方向に並ぶ5個の引き出し7a~7eのうち、上から1段目(最上段)の引き出し7aの引き出しIDを「01」、2段目の引き出し7bの引き出しIDを「02」、3段目の引き出し7cの引き出しIDを「03」、4段目の引き出し7dの引き出しIDを「04」、5段目(最下段)の引き出し7eの引き出しIDを「05」とすることができる。引き出しIDは、収納装置1(収納ケース5)が備える引き出し7の数(段数)に応じて適宜設定可能である。引き出しIDは本発明の「識別情報」の一例に相当する。
【0054】
通信部15は、インターネット等のネットワーク4を介してサーバ装置2等の他の装置(外部装置)とデータ通信を行うものであり、例えば、IEEE802.11規格に準拠した無線通信を実行する。本実施例では、収納装置1は、端末装置3と通信(接続)せず、サーバ装置2と通信可能(接続可能)に構成されている(図1を参照)。
【0055】
バッテリ16は、充電可能な電池(二次電池)等により構成されるもので、収納装置1が備えるカメラ9、LED10、センサ11、制御基板12(制御部13、記憶部14、通信部15)等の各構成要素に対して電力を供給する。
【0056】
[サーバ装置]
図6に示すように、サーバ装置2は、少なくとも制御部21、記憶部22及び通信部23を含んで構成される。
【0057】
制御部21は、サーバ装置2の作動を制御するための各種処理を実行するものであり、CPU、ROM、RAM等により構成される。制御部21のROMには、サーバ装置2を作動させるOS(Operating System)や各種プログラム等、サーバ装置2の作動に必要なデータが記憶される。制御部21のROMに記憶されるプログラムには、後述する収納管理処理(S200)及び収納管理DB閲覧処理(S300)の実行に係るプログラムが含まれる。
【0058】
記憶部22は、EEPROM等の不揮発性メモリやハードディスクドライブ(HDD)等の補助記憶装置により構成され、制御部21からの指示に応じて各種の情報が読み書きされる。
【0059】
記憶部22には、収納装置1のカメラ9で撮影された収納物(例えば書類)に関する情報等を管理する収納管理データベース(以下「収納管理DB」と表記する。)が記憶される。収納管理DBへのデータの記憶(登録)及びデータの内容等については後述する。収納管理DBは本発明の「記憶部」の一例に相当する。
【0060】
通信部23は、インターネット等のネットワーク4を介して収納装置1や端末装置3等の他の装置(外部装置)とデータ通信を行うものであり、例えば、IEEE802.11規格に準拠した無線通信を実行する。
【0061】
以上の構成を有するサーバ装置2は、本発明の「情報処理装置」の一例に相当する。なお、サーバ装置2は、クラウド型のサーバやオンプレミス型のサーバにより構成することができる。またサーバ装置2は、複数存在していてもよいし、いわゆる仮想化されたサーバであってもよい。
【0062】
[端末装置]
端末装置3は、ネットワーク4を介してサーバ装置2に接続し、収納管理DBの閲覧等(収納装置1に収納されている収納物に関する情報の閲覧等)を行うための装置である。本実施例では、スマートフォンやタブレット等の携帯型端末装置(携帯端末)により端末装置3が構成される。なお、ノート型や据置型のパーソナルコンピュータ(PC)により端末装置3を構成することもできる。端末装置3のことを「ユーザ端末」又は「ユーザ装置」ともいう。
【0063】
図7に示すように、端末装置3(携帯端末)は、制御部31、記憶部32、表示部33、操作入力部34、通信部35及びバッテリ36等を含んで構成される。
【0064】
制御部31は、端末装置3の作動を制御するための各種処理を実行するものであり、CPU等により構成される。
【0065】
記憶部32は、端末装置3を作動させるOSや端末装置3で実行可能な各種アプリケーションプログラム等、端末装置3の作動に必要な各種データを記憶するもので、不揮発性メモリであるROM、揮発性メモリであるRAM等により構成される。
【0066】
記憶部32に記憶されるアプリケーションプログラム(アプリケーションソフトウェア)には、サーバ装置2に接続して、収納管理DBの閲覧等を可能とするアプリケーション(「閲覧アプリ」ともいう。)のプログラムが含まれる。
【0067】
端末装置3のユーザは、例えば、端末装置3を操作して、閲覧アプリの提供事業者(収納装置1の製造販売事業者等)が管理するサーバに接続し、閲覧アプリの作動に必要なデータ(プログラム等)をダウンロードして端末装置3にインストールすることで、端末装置3で閲覧アプリを実行(使用)することが可能となる。閲覧アプリは、例えば、前述の収納装置IDと関連付けて(紐づけて)、その収納装置IDに対応する収納装置1に対して使用可能となるように構成することができる。
【0068】
表示部33は、各種の画像や画面、文字等を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイ等により構成される。この表示部33はタッチパネル機能を備えている。表示部33のことを「表示パネル」ともいう。
【0069】
操作入力部34は、端末装置3を使用するユーザが各種の入力を行うために操作するボタンやスイッチ等により構成される。操作入力部34による入力には、タッチパネル機能を備えた表示部33に表示されるボタン、アイコン、キーボード、入力領域等による入力が含まれる。操作入力部34による入力に基づく信号(操作信号、指示信号)は、制御部31に入力される。
【0070】
通信部35は、インターネット等のネットワーク4を介してサーバ装置2等の他の装置(外部装置)とデータ通信を行うものであり、例えば、IEEE802.11規格に準拠した無線通信を行う。本実施例では、端末装置3は、サーバ装置2と通信可能(接続可能)とされており、収納装置1とは通信(接続)しないように構成されている(図1を参照)。
【0071】
バッテリ36は、充電可能な電池(二次電池)等により構成されるもので、端末装置3が備える制御部31、記憶部32、表示部33、操作入力部34、通信部35等の各構成要素に対して電力を供給する。
【0072】
[収納物撮影処理]
次に、収納装置1の制御部13が実行する収納物撮影処理(S100)について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。以下では、収納装置1(収納ケース5)に収納される収納物(引き出し7に収められる収納物)、すわわち、カメラ9の撮影対象となる収納物が所定の書類である場合を例に説明する。なお、本明細書においてS100等の「S」(フローチャート中の「S」)はステップを意味する。
【0073】
図8に示すように、収納物撮影処理(S100)ではまず、収納装置1(収納ケース5)の引き出し7a~7eの何れかが開閉されたか否かを判定する(S101)。この判定は、センサ11の検知信号に基づいて行われる。具体的には、引き出し7a~7eの各々に対応するセンサ11a~11eのうち何れかの検知信号がONからOFFに変化した場合に、その変化のあったセンサに対応する引き出しが開閉されたと判定する。例えば、センサ11aの検知信号がONからOFFに変化した場合、引き出し7aが開閉されたと判定し、センサ11bの検知信号がONからOFFに変化した場合、引き出し7bが開閉されたと判定する。
【0074】
S101で引き出し7a~7eの何れも開閉されていないと判定した場合(S101でNO)、S103以降の処理を行うことなく収納物撮影処理(S100)を終える。一方、引き出し7a~7eの何れかが開閉されたと判定した場合(S101でYES)、カメラ9a~9eのうち、今回開閉された引き出しに対応するカメラを駆動して、その引き出し内を撮影する(S103)。なお、S103の撮影時には、LED10a~10eのうち、今回開閉された引き出しに対応するLEDを駆動して、撮影する引き出し内を照明する。
【0075】
ここで、引き出し7には、書類の撮影される側(例えば、記載面や印刷面等)を表にし、かつ、書類の上辺をケース本体6(引き出し7)の後方側(奥側)に向けて、書類が収められる。そしてS103では、引き出し内の最も上に位置する書類が撮影される。
【0076】
次いでS105では、サーバ装置2に向けて送信するデータ(「送信用データ」ともいう。)をRAMの送信バッファにセットする(S105)。送信用データは、本収納装置1の収納装置IDと、S103の撮影により得られた画像データ(「撮影データ」ともいう。)と、S103の撮影の対象となった引き出し(今回開閉された引き出し)の引き出しIDと、を含むデータである。
【0077】
次いで、S105でセットした送信用データをサーバ装置2へ送信し(S107)、収納物撮影処理(S100)を終える。S107の処理は本発明の「送信手段」の一例に相当する。
【0078】
[収納管理処理]
次に、サーバ装置2の制御部21が実行する収納管理処理(S200)について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0079】
図9に示すように、収納管理処理(S200)ではまず、前述のS107の処理により収納装置1から送信されるデータ(送信用データ)を受信したか否かを判定する(S201)。そして、収納装置1からのデータを受信していないと判定した場合(S201でNO)、S203以降の処理を行うことなく収納管理処理(S200)を終える。
【0080】
一方、収納装置1からのデータを受信したと判定した場合(S201でYES)、その受信したデータから収納物に関する情報(「収納物情報」ともいう。)を取得する(S203)。S201の処理は本発明の「受信手段」の一例に相当し、S203の処理は本発明の「情報取得手段」の一例に相当する。
【0081】
S201で受信したデータには、収納装置IDと撮影データと引き出しIDとが含まれるところ、S203では、そのうちの撮影データに基づいて収納物情報を取得する。本実施例では、その収納物情報として、撮影データに含まれる書類(収納物、撮影対象)を表す画像に関する情報(「イメージ情報」ともいう。)と、その書類(表)に記されている文字に関する情報(「テキスト情報」ともいう。)を取得する。なお、本明細書でいう文字には、例えば、漢字、仮名、ローマ字、アルファベット等はもちろんのこと、数字や記号等、文字列を構成し得るものが含まれる。
【0082】
ここで、本実施例の収納装置1は、前述したように、ケース本体6の後方(引き出し7の後方斜め上)にカメラ9(9a~9e)を備えている(図3図4を参照)。このため、カメラ9で撮影して得られる画像データ(撮影データ)に表われる撮影対象の収納物(本例では書類)は、例えば図11(A)に示すように、ケース本体6の後方側(奥側)から前方側(手前側)、すなわち、引き出し7の後方側(奥側)から前方側(手前側)へ向かって徐々に小さくなり、遠近感による歪みが生じる。
【0083】
本実施例では、その遠近感による歪みを補正する処理(「歪み補正処理」ともいう。)を、S201で受信した撮影データに対して行い、歪み補正処理後のデータ(「歪み補正後画像データ」ともいう。)に関する情報をイメージ情報(収納物情報)として取得する(S203)。歪み補正後画像データの一例(イメージ)を図11(B)に示す。歪み補正処理は、例えば台形補正機能により行うことができる。
【0084】
またS203では、歪み補正後画像データから文字を認識する処理(「文字認識処理」ともいう。)を行い、その認識された文字に関する情報(テキストデータ)をテキスト情報(収納物情報)として取得する(S203)。文字認識処理は、例えばOCR機能により行うことができる。
【0085】
本実施例では、S203によるテキスト情報の取得に際し、歪み補正後画像データから認識された文字のうち特定の文字に関する情報をテキスト情報として取得する。具体的には、書類(紙面)の中心より上方に相対的に大きく又は太く記されることの多い表題(タイトル)に相当する文字(文字列)が含まれている場合の当該「表題」と、書類中に施設名に相当する文字(文字列)が含まれている場合の当該「施設名」と、書類中に日付に相当する文字(文字列)が含まれている場合の当該「日付」とを、テキスト情報として取得する。こうした特定の文字の認識(抽出)は、例えばOCR機能を用いたキーワード抽出により行うことができる。
【0086】
このように本実施例では、S203で収納物情報を取得するにあたり、歪み補正処理と文字認識処理を行うものとしている。つまり、情報取得手段として機能する制御部21(サーバ装置2)は、歪み補正処理を行う手段(「歪み補正手段」ともいう。)及び文字認識処理を行う手段(「文字認識手段」ともいう。)としても機能する。
【0087】
次いでS205では、S201で受信したデータから収納装置ID及び引き出しIDを取得する(S205)。そして、S203で取得した収納物情報と、S205で取得した収納装置ID及び引き出しIDを、新たに管理するデータとして収納管理DBに保存(記憶)し(S207)、収納管理処理(S200)を終える。
【0088】
本実施例では、S207で収納物情報を収納管理DBに保存する際、歪み補正後画像データそのもの(画像ファイル)は記憶部22の所定記憶領域に保存(記憶)し、その歪み補正後画像データ(画像ファイル)のファイル名及び保存先を特定可能とする情報(「画像ファイル情報」ともいう。)を、イメージ情報(収納物情報)として収納管理DBに保存(記憶)するものとしている。これは、収納管理DBの閲覧や検索等に係る処理速度の向上や処理負担の軽減を図るためである。なお、歪み補正後画像データそのもの(画像ファイル)をイメージ情報(収納物情報)として収納管理DBに保存することも可能である。
【0089】
収納管理DBは、例えば、図12に示す収納管理テーブルを備えて構成される。同図に示すように、収納管理テーブルは、収納装置ID、イメージ情報、テキスト情報1、テキスト情報2、テキスト情報3及び引き出しIDの各データを保存するように構成される。
【0090】
収納装置IDは、前述のように収納装置1を識別するための情報(「収納装置識別情報」ともいう。)である。
【0091】
イメージ情報は、収納物情報の一種であり、引き出し7に収められた(収納装置1に収納された)収納物(本例では書類)を表す画像に関する情報である。なお、前述したように本実施例では、歪み補正後画像データの画像ファイル情報がイメージ情報として収納管理テーブル(収納管理DB)に保存されるが、歪み補正後画像データそのもの(画像ファイル)が収納管理テーブル(収納管理DB)に保存されるようにしてもよい。
【0092】
テキスト情報は、収納物情報の一種であり、引き出し7に収められた(収納装置1に収納された)収納物(本例では書類)に含まれる文字に関する情報である。前述したように本実施例では、歪み補正後画像データから認識された文字のうち特定の文字に関する情報がテキスト情報として取得され(S203)、収納管理テーブル(収納管理DB)に保存される(S207)。
【0093】
具体的には、「表題」に相当する文字(文字列)のテキスト情報が「テキスト情報1」として保存され、「施設名」に相当する文字(文字列)のテキスト情報が「テキスト情報2」として保存され、「日付」に相当する文字(文字列)のテキスト情報が「テキスト情報3」として保存される。なお、歪み補正後画像データから認識された文字に「表題」や「施設名」や「日付」に相当する文字(文字列)が含まれていない場合、収納管理テーブルのテキスト情報1~3の該当するフィールド(領域)に情報は保存されない。
【0094】
なお、歪み補正後画像データから認識された全ての文字に関する情報をテキスト情報として取得し、収納管理テーブル(収納管理DB)に保存(記憶)するようにしてもよい。
【0095】
引き出しIDは、前述のように引き出し7(収納場所、収納位置)を識別するための情報(「引き出し識別情報」ともいう。)である。
【0096】
このように収納管理DBには、収納管理テーブルに従って、収納物情報(イメージ情報、テキスト情報1~3)と引き出しID(引き出し識別情報)とが、収納装置ID(収納装置)ごとに関連付けられて(紐づけられて)記憶される(S207)。S207の処理は本発明の「情報記憶手段」の一例に相当する。
【0097】
なお、本実施例では、収納装置IDが異なる複数の収納装置の収納物に関する情報を同じ収納管理テーブルに保存(記憶)するものとしているが、収納装置ID(収納装置)ごとに収納管理テーブルを異ならせてもよい。すなわち、収納装置ID(収納装置)の数に応じた数の収納管理テーブルを設けてもよい。
【0098】
また、収納管理テーブルの構成(テーブル内容)は本実施例に限定されるものではなく、収納装置の種類(用途)や収納物の種類等に応じて適宜変更可能である。すなわち、収納物と収納場所(収納位置)の対応関係を明らかにする観点から、少なくとも、収納物を識別可能な情報と、その収納場所(収納位置)を識別可能な情報とを関連付けて保存(記憶)することが可能な構成であればよい。
【0099】
[収納管理DB閲覧処理]
次に、サーバ装置2の制御部21が実行する収納管理DB閲覧処理(S300)について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。なお、収納管理DB閲覧処理(S300)は、閲覧アプリがインストールされた端末装置3からの指示に基づいて実行される処理である。具体的には、閲覧アプリがインストールされた端末装置3のユーザが閲覧アプリを操作して、収納管理DBの閲覧等に係るデータ通信をサーバ装置2との間で行うにあたり、サーバ装置2側で収納管理DB閲覧処理(S300)が実行される。
【0100】
図10に示すように、収納管理DB閲覧処理(S300)ではまず、収納管理DBの閲覧要求が端末装置3から送られてきたか否かを判定する(S301)。端末装置3のユーザは、閲覧アプリを操作して収納管理DBの閲覧要求をサーバ装置2に対して送信することができるようになっている。S301では、その閲覧要求を受信したか否かを判定する。
【0101】
収納管理DBの閲覧要求を受信していないと判定した場合(S301でNO)、後述のS309の処理に進み、受信したと判定した場合(S301でYES)、その閲覧要求に対応する閲覧対象のデータ(「閲覧対象データ」ともいう。)を、収納管理DB(収納管理テーブル)の中から特定する(S303)。
【0102】
閲覧対象データは、端末装置3のユーザが閲覧アプリを通じて確認しようとしている特定の収納装置1に収納された収納物に関する情報である。このことからS303では、その収納装置1を識別可能とする収納装置ID(収納装置識別情報)に基づいて、収納管理DB(収納管理テーブル)の中から閲覧対象データを特定する。
【0103】
具体的には、図12に示す収納管理テーブルを例に説明すると、例えば、収納装置IDが「A00001」である場合、この収納装置ID「A00001」に対応する全ての収納物情報(イメージ情報、テキスト情報1~3)及び引き出しID(引き出し識別情報)が、閲覧対象データとなる。
【0104】
なお、S303では、例えば、閲覧アプリに収納装置IDが紐づけられている場合、その収納装置IDに基づいて閲覧対象データを特定することができる。また例えば、閲覧アプリを起動する際や閲覧要求を送信する際に、収納装置IDの入力を必要とする構成とし、その入力された収納装置IDに基づいて閲覧対象のデータを特定することができる。なお、収納装置IDの入力は、端末装置3の操作入力部34(タッチパネル機能)により行うことができる。
【0105】
次いでS305では、S303で特定した閲覧対象データに基づいて閲覧情報を生成する(S305)。そして、S305で生成した閲覧情報を端末装置3の表示部33に出力する(S307)。閲覧情報は、端末装置3の表示部33に表示出力するための情報である。
【0106】
具体的には、図12に示す収納管理テーブルを例に説明すると、例えば、収納装置ID「A00001」に対応する閲覧対象データである「イメージ情報」、「テキスト情報1~3」及び「引き出しID」のうち、「イメージ情報」、「テキスト情報1」、「引き出しID」に基づいて閲覧情報を生成し、この閲覧情報を端末装置3の表示部33に表示させることができる(S305、S307)。
【0107】
なお、閲覧情報は本発明の「特定情報」の一例に相当し、S305の処理は本発明の「情報生成手段」の一例に相当し、S307の処理は本発明の「情報出力手段」の一例に相当する。
【0108】
ここで、端末装置3の表示部33に表示される閲覧情報の例を図13に示す。同図に示すように、表示部33に表示される閲覧情報は、「イメージ」、「タイトル」及び「引き出し位置」の項目からなり、各項目について、収納管理テーブル(収納管理DB)の記憶内容に基づく情報が表示されるものとして構成される。具体的に、項目「イメージ」は収納管理テーブルの「イメージ情報」に基づいて表示され、項目「タイトル」は収納管理テーブルの「テキスト情報1」に基づいて表示され、項目「引き出し位置」は収納管理テーブルの「引き出しID」に基づいて表示される(図12を参照)。
【0109】
なお、前述したように本実施例では、歪み補正後画像データのファイル名等を示す画像ファイル情報がイメージ情報として収納管理テーブルに保存(記憶)されるため、閲覧情報の項目「イメージ」には画像ファイル情報が表示されるものとなっている。
【0110】
このように本実施例の閲覧情報は、収納物(本例では書類)の内容(種類)と、その収納物の収納場所(収納位置)との対応関係を示す(明らかにする)情報とされる。このため、端末装置3(閲覧アプリ)のユーザは、表示部33に表示された閲覧情報を通じて、収納装置1に収納されている収納物(本例では書類)の内容(種類)や、その収納場所(収納位置)を把握することが可能となる。
【0111】
なお、収納管理テーブル(収納管理DB)の記憶内容に基づいて生成・出力される閲覧情報は本実施例に限定されるものでなく、例えば、収納管理テーブル(収納管理DB)に記憶される「イメージ情報」、「テキスト情報1~3」及び「引き出しID」のすべてに基づいて閲覧情報を生成し、これを出力するようにしてもよい。また、本実施例の閲覧情報を構成するイメージ(イメージ情報)、タイトル(テキスト情報1)及び引き出し位置(引き出しID)のうち、イメージ(イメージ情報)を閲覧情報から除外したり、タイトル(テキスト情報1)に替えてテキスト情報2に基づく情報(施設名)を閲覧情報に含めたりする等してもよい。すなわち閲覧情報は、収納装置1に収納されている収納物とその収納場所(収納位置)が明らかになる情報であればよく、少なくとも一の収納物情報と引き出しID(識別情報)とに基づく情報を含むものであればよい。
【0112】
図10に戻り、次いでS309では、閲覧情報に含まれるイメージの表示要求が端末装置3から送られてきたか否かを判定する(S309)。端末装置3のユーザは、端末装置3の表示部33に表示中の閲覧情報(図13を参照)のうち、項目「イメージ」に表示される画像ファイル情報(「img00001」等の文字)を表示パネル上でタップすることで、その画像ファイル情報に対応する画像データ(歪み補正後画像データ)の表示要求をサーバ装置2に対して送信することができるようになっている。S309では、その表示要求を受信したか否かを判定する。
【0113】
イメージの表示要求を受信していないと判定した場合(S309でNO)、後述のS313の処理に進み、受信したと判定した場合(S309でYES)、その表示要求に係る画像ファイル情報に対応する歪み補正後画像データを記憶部22から読み出し、該読み出した画像データを端末装置3の表示部33に出力する(S311)。これにより端末装置3のユーザは、表示部33に表示された歪み補正後画像データを通じて、収納物(本例では書類)の具体的な内容を視認することが可能となる。
【0114】
次いでS313では、端末装置3の表示部33に表示中の閲覧情報(閲覧対象データ)に関し所定の検索条件に基づく検索要求が端末装置3から送られてきたか否かを判定する(S313)。
【0115】
図13に示すように、本実施例では、端末装置3の表示部33に閲覧情報が表示(出力)される際、閲覧情報が表示される表示部33の下部領域に、検索キーワードを入力可能な入力領域330と、検索実行の指示入力を行うための検索ボタン331が表示される。端末装置3のユーザは、入力領域330に検索キーワードとなる任意の文字を入力して検索ボタン331を表示パネル上でタップすることで、その検索キーワード(検索条件)に基づく検索の実行要求(つまり、検索要求)をサーバ装置2に対して送信することができるようになっている。S313では、その検索要求を受信したか否かを判定する。
【0116】
検索要求を受信していないと判定した場合(S313でNO)、S315以降の処理を行うことなく収納管理DB閲覧処理(S300)を終え、受信したと判定した場合(S313でYES)、表示部33に表示(出力)した閲覧情報の生成元である閲覧対象データ、すなわち、前述のS303で特定した閲覧対象データについて、入力領域330に入力された検索キーワードに基づく検索を実行する(S315)。そして、その検索結果を端末装置3の表示部33に出力する(S317)。
【0117】
S317により検索結果が出力されると、端末装置3の表示部33には、検索実行前に表示されていた閲覧情報のうち、検索キーワード(検索条件)に一致する情報のみが表示される。
【0118】
例えば、図13に示す閲覧情報を例に説明すると、検索キーワードとして「行事」の文字を入力領域330に入力して検索ボタン331をタップした場合、閲覧情報(閲覧対象データ)のうち「行事」の文字が含まれる情報(タイトル「7月行事予定」及び「年間行事予定」の情報)が検索結果として表示部33に表示(出力)される。また例えば、検索キーワードとして「2段目」を入力領域330に入力して検索ボタン331をタップした場合、閲覧情報(閲覧対象データ)のうち引き出し位置が2段目の情報(タイトル「連絡書」及び「7月行事予定」の情報)が検索結果として表示部33に表示(出力)される。
【0119】
なお、ここでは端末装置3の表示部33に表示された閲覧情報の「タイトル」や「引き出し位置」が検索対象となる例を説明したが、検索対象は、閲覧情報を構成する項目だけでなく、閲覧対象データ全体とすることができる。すなわち、収納管理テーブルのテキスト情報2やテキスト情報3を検索対象に含めることができる。したがって、例えば、図13に示す閲覧情報が表示された場合において、その表示された情報のなかに存在しない「学校」の文字を入力領域330に入力して検索ボタン331をタップすると、収納管理テーブルのテキスト情報2に記憶されている情報をもとに(図12を参照)、タイトル(テキスト情報1)が「学年だより」、「連絡書」及び「7月行事予定」の情報が検索結果として表示部33に表示(出力)される。
【0120】
[実施例の作用効果]
以上に説明した実施例によれば、収納装置1の引き出し7(所定の収納部)に収められた書類(収納物)がカメラ9で撮影され、当該撮影により得られた画像データが、その収納装置1とネットワーク4(インターネット)を介して接続されたサーバ装置2(情報処理装置)に送信される。サーバ装置2では、収納装置1からの画像データに基づいて、今回撮影された書類(収納物)のイメージ情報及びテキスト情報(収納物情報)が取得され、この取得された収納物情報と、当該書類が収められた引き出し7に対応する引き出しID(識別情報)とが関連付けられて収納管理DB(所定の記憶部)に記憶される。そして、収納管理DBに記憶されている収納物情報及び識別情報のうち、閲覧対象データとなる情報に基づいて、引き出し7に収められている書類及び当該書類が収められている引き出し7に関する閲覧情報(特定情報)が生成され、この生成された閲覧情報が端末装置3の表示部33(所定の出力部)に表示出力される。この表示部33に表示される閲覧情報により、引き出し7に収められている書類のタイトルとその引き出し位置(収納部に収められている収納物と当該収納物が収められている収納部に関する情報)を端末装置3のユーザに知らせることが可能となる。これにより、収納装置1に収納される書類(収納物)とその書類の所在(収納場所)の対応関係をわかりやすくして書類の管理性を向上させることが可能となる。
【0121】
また上記実施例によれば、収納装置1のカメラ9で撮影された書類を表す画像に関するイメージ情報が収納物情報として収納管理DBに記憶される。このため、閲覧対象データに含まれる収納物情報に基づいて生成される閲覧情報に、引き出し7に収められている書類を視覚的に表す情報(収納物の外観に関する情報)を含ませることが可能となる。これにより、端末装置3の表示部33に表示出力される閲覧情報を通じて、引き出し7に収められている(収納装置1に収納されている)書類の視覚的な情報(収納物の外観に関する情報)を端末装置3のユーザに知らせることが可能となり、延いては、収納装置1に収納されている書類(収納物)の視覚的な理解を容易にすることが可能となる。
【0122】
特に、上記実施例では、カメラ9で撮影された書類の画像データに対して歪み補正処理が行われ、その歪み補正処理後の画像データ(歪み補正後画像データ)に関するイメージ情報が収納物情報として収納管理DBに記憶される。これにより、端末装置3の表示部33に表示出力される閲覧情報を通じて、引き出し7に収められている書類を端末装置3(表示部33)上で極力忠実に表現することが可能となる。
【0123】
また上記実施例によれば、カメラ9で撮影された書類の画像データ(歪み補正後画像データ)から認識された表題(タイトル)や施設名、日付等に相当する文字(文字列)に関するテキスト情報、すなわち、書類(紙面)の特定位置に記されている文字や書類に記されている特定文字に関するテキスト情報が、収納物情報として収納管理DBに記憶される。このため、閲覧対象データに含まれる収納物情報に基づいて生成される閲覧情報に、引き出し7に収められている書類の内容を表す情報を含ませることが可能となる。これにより、端末装置3の表示部33に表示出力される閲覧情報を通じて、引き出し7に収められている(収納装置1に収納されている)書類の内容に関する情報(収納物の文字に関する情報、収納物の特定位置の文字に関する情報、収納物の特定文字に関する情報)を端末装置3のユーザに知らせることが可能となり、延いては、収納装置1に収納されている書類(収納物)の内容に関する理解を容易にすることが可能となる。
【0124】
なお、本発明の実施の形態として、上記実施例をベースとして幾つかの変形例が考えられる。以下、変形例について説明する。
【0125】
[変形例1]
上記実施例では、収納管理DBの同じ収納管理テーブルに、内容が異なる複数種の書類(例えば、行事予定の書類と領収書等)に関する情報(収納物情報)が記憶されるものとしていた(図12を参照)。これに対し、例えば、収納物の種類ごとにテーブルを分けて、収納管理DBに記憶される情報を収納物の種類に応じて分類することも可能である。
【0126】
具体的には、例えば、収納管理DBのテーブルとして、図14に示すように、学校関係の書類に関する情報が記憶される収納管理テーブルAと、生活費関係の書類に関する情報が記憶される収納管理テーブルBと、医療関係の書類に関する情報が記憶される収納管理テーブルCとを設ける。なお、これらのテーブルは収納装置の種類(用途)や収納物の種類等に応じて適宜変更可能である。
【0127】
そして、サーバ装置2(制御部21)による収納管理処理(S200)のなかで、S203の収納物情報の取得に際して行われる文字認識処理の結果に応じて、S203で取得した収納物情報(及びS205で取得した引き出しID)を、対応するテーブルに振り分けて記憶する(S207)。このように、収納管理DBに記憶される収納物情報を、テーブルの種類、すなわち、収納物の種類に応じて分類する処理(「分類機能」ともいう。)は、本発明の「情報分類手段」の一例に相当する。
【0128】
このような変形例1によれば、収納管理DBに記憶される収納物情報(及び当該収納物情報に関連付けられる識別情報)を収納物(例えば書類)の種類に応じて分類することができるので、収納管理DBに記憶される情報の把握や検索が容易となる。また、サーバ装置2(制御部21)による収納管理DB閲覧処理(S300)のなかで閲覧情報を生成して出力する際(S305、S307)、その閲覧情報に収納物の分類(テーブルの分類)を反映させることが可能となる。これにより、収納物の管理性をより向上させることが可能となる。
【0129】
[変形例2]
上記実施例では、収納管理DB閲覧処理(S300)のS305で生成されてS307で出力される閲覧情報が端末装置3の表示部33に表示される(図13を参照)。これに対し、その閲覧情報の表示態様を、図15に示すように、閲覧情報で示される各収納物に対応する情報追加ボタン332が表示されるものとし、何れかの情報追加ボタン332を表示パネル上でタップすることで、そのタップした情報追加ボタン332に対応する収納物に関し、ユーザが任意に情報を追加できるようにすることも可能である。
【0130】
具体的には、閲覧情報とともに表示部33に表示された複数の情報追加ボタン332のうち、情報を追加する収納物に対応する情報追加ボタン332を表示パネル上でタップすると(つまり、情報を追加する収納物を選択すると)、図16に示すように、閲覧情報が表示されている表示部33に情報追加画面400が重畳して表示されるように構成する。図16では、2つの情報入力領域401,402が設けられた情報追加画面400を例示しているが、情報入力領域の数は、追加可能な情報の数(レコード数)に応じて適宜変更可能である。なお、情報入力領域に入力可能な情報は、例えば文字である。
【0131】
そして、情報追加画面400内の情報入力領域に任意の文字を入力して登録ボタン403を表示パネル上でタップすると、その情報入力領域に入力された情報が端末装置3からサーバ装置2に送られ、サーバ装置2の制御部21は、その送られてきた情報を、収納管理DB内の収納管理テーブルのうち、端末装置3側で情報追加ボタン332がタップされた収納物に対応するレコードに追加する処理を実行するように構成する。なお、情報入力領域への入力は、端末装置3の操作入力部34(タッチパネル機能)により行われる。
【0132】
例えば、図15に示す閲覧情報のうち一番上のイメージ「img00001」(タイトル「学年だより」)に対応する情報追加ボタン332がタップされ、これにより表示された情報追加画面400の情報入力領域401に「6/30期限の提出物あり」と入力されて登録ボタン403がタップされると、サーバ装置2の制御部21は、収納管理DB内の収納管理テーブル(図12を参照)のうち、イメージ情報「img00001」(テキスト情報1「学年だより」)のレコードに、情報入力領域401に入力された情報である「6/30期限の提出物あり」の情報(テキスト)を記憶(追加記憶)する。
【0133】
このようなユーザによる任意の情報の記憶(追加記憶)は、例えば、図12に示す収納管理テーブルにおいて、収納装置ID、引き出しID、イメージ情報、テキスト情報1~3のカラムに加え、ユーザが入力した情報に対応するカラムとして「任意テキスト情報1」及び「任意テキスト情報2」を予め設けておき、情報入力領域401に入力された情報は「任意テキスト情報1」、情報入力領域402に入力された情報は「任意テキスト情報2」にそれぞれ記憶されるようにすることで実現可能である。
【0134】
このように、収納管理DB(収納管理テーブル)に記憶される情報に関し、端末装置3のユーザが入力した情報をサーバ装置2(制御部21)が追加する処理(「情報追加機能」ともいう。)は、本発明の「情報追加手段」の一例に相当する。
【0135】
このような変形例2によれば、収納管理DB(収納管理テーブル)に記憶される情報に関し、端末装置3の操作入力部34(所定の入力部)により入力された情報を追加することができるので、収納管理DB(収納管理テーブル)に記憶される情報をカスタマイズすることが可能となる。また、サーバ装置2(制御部21)による収納管理DB閲覧処理(S300)のなかで閲覧情報を生成して出力する際(S305、S307)、その閲覧情報にユーザが入力した情報(カスタマイズの内容)を反映させることも可能となる。これにより、収納物の管理性をより向上させることが可能となる。
【0136】
[変形例3]
上記実施例では、収納管理DB閲覧処理(S300)のS305で生成されてS307で出力される閲覧情報が端末装置3の表示部33に表示され、その表示された閲覧情報(閲覧対象データ)に関し所定の検索条件(検索キーワード)に基づく情報検索を行うことが可能となっている(図10図13等を参照)。これに関連して、端末装置3の表示部33に表示中の閲覧情報で示される収納物の収納場所(収納位置)や、検索結果として出力された情報で示される収納物の収納場所(収納位置)を、ユーザの視覚等に訴える態様で通知することも可能である。
【0137】
具体的には、例えば、収納装置1(収納ケース5)の引き出し7a~7eの各々に対応して発光するLED等の発光部を、引き出しの前面など、収納装置1の外側からその発光が認識できる態様で設ける。そして、端末装置3の表示部33に表示中の閲覧情報のうち、何れかの収納物に対応する情報(イメージ、タイトル又は引き出し位置の情報)を表示部33上(表示パネル上)でタップすると、そのタップした収納物の情報が端末装置3からサーバ装置2へ送られ、これを受けたサーバ装置2の制御部21が、その収納物に対応する引き出しIDに基づいて、対応する引き出しの発光部を発光させる信号(「発光指示信号」ともいう。)を収納装置1に対して出力し、対応する発光部を発光させるように構成する。
【0138】
このように、端末装置3からの情報(要求)を受けてサーバ装置2(制御部21)が収納装置1に対して発光指示信号を出力し、対象となる引き出しの発光部を発光させる処理は、収納物の収納場所(収納位置)を通知する手段(通知手段)としてサーバ装置2(制御部21)が機能するものである(通知機能)。
【0139】
このような変形例3によれば、端末装置3の表示部33に表示された閲覧情報を通じて、収納装置1に収納されている収納物やその収納場所(収納位置)を把握可能とするだけでなく、その収納物が収納されている収納装置1の実際の収納場所(収納位置)をユーザの視覚に訴えるかたちで通知することが可能となる。これにより、収納物の収納場所(収納位置)を強調して示すことが可能となり、収納装置1の機能性を高めることが可能となる。
【0140】
なお、変形例3では、発光部の発光による通知を例示したが、通知の態様は発光に限られず、例えば、収納装置1にスピーカ(音出力部)を設け、音声やブザー音、チャイム音等の音により通知することも可能である。また、各引き出しに振動モータ(振動部)を設け、振動モータの振動により通知することも可能である。すなわち、収納物の収納場所(収納位置)を通知する通知部として、発光部や音出力部、振動部等を設けることが可能である。
【0141】
また、収納物に関する情報として日付の情報が収納管理DB(収納管理テーブル)に記憶される場合、その日付の情報を変形例3の通知機能に利用して、収納物に関する期限管理やアラート等を行うことが可能である。
【0142】
具体的には、例えば、RTC(リアルタイムクロック)等のカレンダー機能(「計時手段」ともいう。)をサーバ装置2(制御部21)に設け、収納管理DB(収納管理テーブル)に記憶されている日付の情報(「収納物日付情報」ともいう。)と、カレンダー機能による計時情報(計時結果)とに基づいて、発光部等による通知を行うことができる。すなわち、収納物に関する情報に日付の情報が含まれる場合に、その日付の情報と、計時手段による計時情報(計時結果)とに基づいて、所定の通知部を作動させる通知手段を備えることができる。この場合、例えば、収納物日付情報が、カレンダー機能により得られる日付の情報(計時情報)に一致する場合や、カレンダー機能に基づき算出される収納物日付情報の日付までの残り期間が所定期間となった場合に、その収納物日付情報に対応する収納物の収納場所(収納位置)を通知するように構成することができる。
【0143】
以上、本発明の実施の形態として実施例及び変形例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0144】
例えば、前述の実施例では、収納装置1(収納ケース5)に収納される(引き出し7に収められる)収納物が書類である場合について説明したが、収納物は書類の他、写真、文具、事務用品、日用品、雑貨等、収納ケース5に収納する(引き出し7に収める)ことのできるものであれば、その種類は特に問わない。
【0145】
また、収納物が文字を含まない類のものである場合、S203の収納物情報の取得に際して文字認識処理を行わなくてもよい。つまり、必ずしも文字認識手段を備える必要はない。さらに、カメラ9で撮影して得られる画像データ(撮影データ)の画像から特徴をつかみ収納物を認識(識別)する画像認識処理を行うようにしてもよい(画像認識手段)。この場合、例えば、収納物の物品名、種類、形状、色等に関する情報を収納物情報することができる。また画像認識処理は文字認識を含むものとすることができる。
【0146】
また、本発明のシステムや情報処理装置に係る技術的思想は、机上等に載置して使用され書類等を収納する収納ケース(書類ケース)に限らず、ものを収納する機能を備える様々な器具等に適用可能である。例えば、衣類等を収納する衣類ケースやタンス、食品や飲料等を収納する冷蔵庫、書物を収納する書棚(本棚)等、もの(収納物)を種類別に分けて収納することが可能な収納器具に適用可能である。
【0147】
また、前述の実施例に係るシステムは、収納装置1とサーバ装置2がネットワーク4を介して接続されるとともに、サーバ装置2と端末装置3がネットワーク4を介して接続される構成としていたが(図1を参照)、サーバ装置2を備えずに、収納装置1と端末装置3とがネットワーク4を介して通信可能に接続される構成とすることも可能である。
【0148】
サーバ装置2を備えないシステム構成とする場合、収納装置1の記憶部14に収納管理DBを設け、収納装置1の制御部13が前述の収納管理処理(S200)及び収納管理DB閲覧処理(S300)を実行するように構成することができる。あるいは、端末装置3の記憶部32に収納管理DBを設け、端末装置3の制御部31が前述の収納管理処理(S200)及び収納管理DB閲覧処理(S300)を実行するように構成することができる。これらの構成によっても、前述の実施例や変形例と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0149】
なお、収納装置1の制御部13が収納管理処理(S200)及び収納管理DB閲覧処理(S300)を実行する場合、収納装置1(制御部13)が本発明の「情報処理装置」の一例に相当する。また、端末装置3の制御部31が収納管理処理(S200)及び収納管理DB閲覧処理(S300)を実行する場合、端末装置3(制御部31)が本発明の「情報処理装置」の一例に相当する。
【符号の説明】
【0150】
1 収納装置、2 サーバ装置、3 端末装置、4 ネットワーク、5 収納ケース、6 ケース本体、7 引き出し、8 支持レール、9 カメラ、10 LED、11 センサ、12 制御基板、13 制御部、14 記憶部、15 通信部、16 バッテリ、21 制御部、22 記憶部、23 通信部、31 制御部、32 記憶部、33 表示部、34 操作入力部、35 通信部、36 バッテリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図16