(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055003
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】サツマイモの育苗方法
(51)【国際特許分類】
A01G 22/25 20180101AFI20230410BHJP
A01G 9/00 20180101ALI20230410BHJP
【FI】
A01G22/25 Z
A01G9/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164082
(22)【出願日】2021-10-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】521434355
【氏名又は名称】株式会社しろはとファーム
(74)【代理人】
【識別番号】100196335
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 正樹
(72)【発明者】
【氏名】永尾 俊一
【テーマコード(参考)】
2B022
2B327
【Fターム(参考)】
2B022AA01
2B022AB13
2B327NA07
2B327ND03
2B327NE02
(57)【要約】
【課題】作業者の負担を軽減でき、かつ、疫病の被害を最小限に抑えることが可能となるサツマイモの育苗方法を提供する。
【解決手段】サツマイモの育苗方法には、準備工程と、土入れ工程と、伏せ込み工程と、芽出し工程と、苗切工程とが含まれる。準備工程では、作業者と対向するサイズの大型のコンテナ1を準備する。土入れ工程では、大型のコンテナ1に土を投入する。伏せ込み工程では、作業者は、土が投入された状態のコンテナ1の土の上面に種芋を伏せ込む。これにより、作業者は、しゃがみ込むことなく、立った状態でコンテナ1内の土に対して種芋を伏せ込む作業を行うことができる。また、種芋において疫病が発生したとしても、その影響の範囲を当該コンテナ1内に抑えることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に設置した状態において作業者と対向する大型のコンテナであり、上面が開口部として形成され、かつ、内部に収容空間が形成されたボックス状の農業用コンテナを用意する準備工程と、
準備された前記農業用コンテナの前記収容空間に土を投入する土入れ工程と、
土が投入された状態の前記農業用コンテナにおける土の上面にサツマイモの種芋を伏せ込む伏せ込み工程と、
伏せ込んだ種芋から発芽させ、発芽した苗を成長させる芽出し工程と、
苗を種芋から切り離す苗切工程と、を含むサツマイモの育苗方法。
【請求項2】
前記農業用コンテナの前記収容空間の容積が0.60~2.40立方メートルである、請求項1に記載のサツマイモの育苗方法。
【請求項3】
前記農業用コンテナは、フォークリフトのフォークを差し込むための係合部が形成されており、当該係合部がフォークリフトのフォークにより持ち上げられることにより運搬される大型のコンテナである、請求項1又は2に記載のサツマイモの育苗方法。
【請求項4】
前記土入れ工程では、前記農業用コンテナに投入された状態の土の上面の高さが、設置面から50~110cmまでの間に位置するように、前記農業用コンテナに土を投入する、請求項1~3のいずれか一項に記載のサツマイモの育苗方法。
【請求項5】
前記準備工程で準備された前記農業用コンテナに対して、前記収容空間の底部を上方に位置させるように底上げを行う底上げ工程をさらに含み、
前記土入れ工程では、底上げが行われた前記収容空間に対して土を投入する、請求項1~4のいずれか一項に記載のサツマイモの育苗方法。
【請求項6】
前記伏せ込み工程では、前記農業用コンテナにおける土の上面において、隣り合う種芋が密接するように、複数の種芋を密集状態で伏せ込む、請求項1~5のいずれか一項に記載のサツマイモの育苗方法。
【請求項7】
前記準備工程では、前記農業用コンテナを複数準備し、
前記土入れ工程では、複数の前記農業用コンテナのそれぞれに対して土を投入し、
前記伏せ込み工程では、土が投入された状態の複数の前記農業用コンテナのそれぞれの土の上面にサツマイモの種芋を伏せ込み、
前記芽出し工程では、種芋が伏せ込まれた複数の前記農業用コンテナを上下に積層した状態で保管する、請求項1~6のいずれか一項に記載のサツマイモの育苗方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サツマイモの育苗方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、サツマイモの栽培においては、種芋から発芽させ、発芽した苗を切り取って圃場に植え付けるという方法が行われている。また、種芋を用いたサツマイモの栽培方法が種々提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
一般的な従来のサツマイモの栽培方法としては、作業者は、まず、種芋を屋外に設けられた育苗用の圃場に伏せ込み、当該伏せ込んだ種芋から苗を発芽させる。そして、その苗をある程度の大きさに成長させた後に切り取り、この切り取った苗を栽培用の圃場に植え付けるという方法を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の方法では、作業者の作業負担が大きいという不具合が生じていた。具体的には、作業者は、種芋を伏せ込む際に地面(路地)に対して作業を行うため、長時間しゃがみ込んだ体勢を維持しながら作業を行う必要がある。このような作業は、作業者の身体に大きな負担となり、特に高齢者が作業する場合には過度の負担を生じさせるものとなっていた。さらに、種芋から発芽した苗を切り取る作業においても同様の身体的負担が生じていた。
【0006】
また、種芋を一様に圃場に伏せ込むため、基腐病等の疫病が発生した場合に、土壌を介して広範囲で疫病が伝染する可能性があり、その場合には甚大な被害をもたらすこととなっていた。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、作業者の負担を軽減でき、かつ、疫病の被害を最小限に抑えることが可能となるサツマイモの育苗方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係るサツマイモの育苗方法は、準備工程と、土入れ工程と、伏せ込み工程と、芽出し工程と、苗切工程と、を含むサツマイモの育苗方法である。前記準備工程では、地面に設置した状態において作業者と対向する大型のコンテナであり、上面が開口部として形成され、かつ、内部に収容空間が形成されたボックス状の農業用コンテナを用意する。前記土入れ工程では、準備された前記農業用コンテナの前記収容空間に土を投入する。前記伏せ込み工程では、土が投入された状態の前記農業用コンテナにおける土の上面にサツマイモの種芋を伏せ込む。前記芽出し工程では、伏せ込んだ種芋から発芽させ、発芽した苗を成長させる。前記苗切工程では、苗を種芋から切り離す。
【0009】
このような方法によれば、サツマイモの苗を育苗する際には、まず、作業者と対向するサイズの大型の農業用コンテナを準備し、その農業用コンテナに土(土壌)を投入する。そして、作業者は、土が投入された状態の農業用コンテナの土の上面に種芋を伏せ込む。
【0010】
そのため、作業者は、しゃがみ込むことなく、立った状態で農業用コンテナ内の土に対して種芋を伏せ込む作業を行うことができる。
【0011】
その結果、しゃがみ込んだ体勢を維持しながら長時間作業を行うという工程を改善でき、負担の少ない体勢で作業を行うことができる。よって、作業者の負担(身体的負担)を軽減できる。
【0012】
また、伏せ込んだ種芋から発芽して苗が成長すると、作業者は、種芋から苗を切り離す。このときも、作業者は、しゃがみ込むことなく、立った状態で農業用コンテナに対向して、農業用コンテナ内の種芋から苗を切り離す作業を行うことができる。
【0013】
そのため、しゃがみ込んだ体勢を維持しながら長時間作業を行うという工程を改善でき、負担の少ない体勢で作業を行うことができる。よって、作業者の負担(身体的負担)を軽減できる。
【0014】
また、種芋は、農業用コンテナに投入された土の上面に伏せ込まれる。
そのため、仮に伏せ込んだ種芋において疫病が発生したとしても、その影響の範囲を当該農業用コンテナ内に抑えることができる。
【0015】
具体的には、苗を育苗するための土は、区画された空間である収容空間(農業用コンテナの収容空間)に投入されており、外部と離間(分離)している。その結果、疫病が発生した場合であっても、疫病が伝染する範囲をその種芋が伏せ込まれた農業用コンテナ内に抑えることができる。
よって、疫病の被害を最小限に抑えることが可能となる。
【0016】
(2)また、前記サツマイモの育苗方法において、前記農業用コンテナの前記収容空間の容積が0.60~2.40立方メートルであってもよい。
【0017】
このような方法によれば、農業用コンテナを作業に適したサイズで構成することができる。
そのため、作業者は、負担の少ない体勢で農業用コンテナに対して作業を行うことができる。
【0018】
(3)また、前記サツマイモの育苗方法において、前記農業用コンテナは、フォークリフトのフォークを差し込むための係合部が形成されており、当該係合部がフォークリフトのフォークにより持ち上げられることにより運搬される大型のコンテナであってもよい。
【0019】
このような方法によれば、農業用コンテナを作業に適した大型のサイズで構成することができる。また、フォークリフトを用いて農業用コンテナの運搬を行うことができる。
そのため、作業者の負担を一層軽減できる。
【0020】
(4)また、前記サツマイモの育苗方法において、前記土入れ工程では、前記農業用コンテナに投入された状態の土の上面の高さが、設置面から50~110cmまでの間に位置するように、前記農業用コンテナに土を投入してもよい。
【0021】
このような方法によれば、農業用コンテナに投入された土の上面を、作業者にとって作業の行いやすい位置(高さ)に配置できる。
そのため、作業者は、負担の少ない体勢で農業用コンテナに対して作業を行うことができる。
【0022】
(5)また、前記サツマイモの育苗方法において、底上げ工程をさらに含んでもよい。前記底上げ工程では、前記準備工程で準備された前記農業用コンテナに対して、前記収容空間の底部を上方に位置させるように底上げを行う。前記土入れ工程では、底上げが行われた前記収容空間に対して土を投入してもよい。
【0023】
このような方法によれば、農業用コンテナに投入する土の量を少なくできる。
そのため、農業用コンテナに土を投入する作業を簡易なものとすることができる(土を投入する際の作業負担を軽減できる)。
【0024】
また、土を投入した後の農業用コンテナの重量が大きくなりすぎることを抑制できる。
そのため、伏せ込み工程が完了した後の農業用コンテナを移動する際の作業負担を軽減できる。
【0025】
(6)また、前記サツマイモの育苗方法において、前記伏せ込み工程では、前記農業用コンテナにおける土の上面において、隣り合う種芋が密接するように、複数の種芋を密集状態で伏せ込んでもよい。
【0026】
このような方法によれば、発芽する苗全体の量を増やすことができ、苗の収穫量を増やすことができる。
【0027】
また、一般的なサツマイモの育苗方法においては、疫病が発生した際に疫病が伝染しにくくなるように、隣り合う種芋の間の距離として一定間隔を設けている。
【0028】
一方、本発明の方法では、苗を育苗するための土は、区画された空間である収容空間(農業用コンテナの収容空間)に投入されており、外部と離間(分離)している。そのため、複数の種芋が密集するように伏せ込んだ状態で疫病が発生したとしても、疫病が伝染する範囲をその種芋が伏せ込まれた農業用コンテナ内に抑えることができる。
【0029】
すなわち、本発明の方法によれば、疫病の被害を最小限に抑えながら、苗の収穫量を増やすことができる。
【0030】
(7)また、前記サツマイモの育苗方法において、前記準備工程では、前記農業用コンテナを複数準備してもよい。前記土入れ工程では、複数の前記農業用コンテナのそれぞれに対して土を投入してもよい。前記伏せ込み工程では、土が投入された状態の複数の前記農業用コンテナのそれぞれの土の上面にサツマイモの種芋を伏せ込んでもよい。前記芽出し工程では、種芋が伏せ込まれた複数の前記農業用コンテナを上下に積層した状態で保管してもよい。
【0031】
このような方法によれば、スペースを有効活用して大量の農業用コンテナを保管できる。
そのため、サツマイモの育苗方法において用いる農業用コンテナの数を増やすことができる。その結果、苗の収穫量を増やすことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、作業者の負担を軽減できる。また、疫病の被害を最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施形態に係るサツマイモの育苗方法において用いるコンテナを示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサツマイモの育苗方法の流れを示したフローチャートである。
【
図3】コンテナに底上げ部材を投入した状態を示した側断面図である。
【
図4】コンテナに土を投入した状態を示した側断面図である。
【
図5】コンテナ内の土にサツマイモの種芋を伏せ込んだ状態を示した平面図である。
【
図6】複数のコンテナを積層させた状態を示した側断面図である。
【
図7】種芋から発芽した苗が成長した状態のコンテナを示した側断面図である。
【
図8】コンテナを底上げする方法の変形例を示した側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
1.コンテナの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係るサツマイモの育苗方法において用いるコンテナ1を示した斜視図である。
【0035】
図1に示すように、コンテナ1は、農業用コンテナであって、地面に設置した状態において作業者と対向するサイズの大型のコンテナである。具体的には、コンテナ1は、通常、収穫した農作物を入れるために用いられる大型コンテナであって、ボックス状に形成されている。コンテナ1は、鉄やスチール等で形成される金属製コンテナであって、一般的に、鉄コンテナや、スチールコンテナ、メッシュコンテナ等と称されている。
【0036】
コンテナ1は、上面が開口したボックス状に形成されており、幅方向の寸法が前後方向の寸法よりも大きくなる平面視長方形状を有している。コンテナ1は、枠2と、支持枠3と、複数のメッシュ4とを備えている。
【0037】
枠2は、ボックス状の各辺に対応する部分に設けられた基礎の骨組みを構成する部材である。枠2の前方部分の下方部分は、係合部30となっている。係合部30は、フォークリフトのフォーク50(
図3参照)を差し込むためのものである。具体的には、係合部30には、複数の開口31が形成されている。この例では、係合部30には、横長の開口31が幅方向に並ぶように3つ形成されている。後述するように、コンテナ1を運搬する際には、フォークリフトが用いられる。そして、その際には前方側から、係合部30(開口31)にフォークリフトのフォーク50(荷役自動車の荷役用のつめ)が差し込まれてコンテナ1が持ち上げられる(
図3参照)。
【0038】
枠2で形成されたボックス状の側面部分及ぶ底面部分には、支持枠3が設けられている。支持枠3は、枠2に設けられた補助枠である。支持枠3には、メッシュ4が取り付けられている(底面部分は図示せず)。また、枠2で形成されたボックス状の上面部分は、開口部5として開放されている(コンテナ1の上面は、開口部5として形成されている)。また、コンテナ1の内部の空間は、収容空間6として区画されている。
【0039】
コンテナ1の幅方向の大きさ(寸法)L1は、120~185cmであり、好ましくは、150~180cmであり、より好ましくは、165~175cmcmである。
【0040】
コンテナ1の前後方向の大きさ(寸法)L2は、85~130cmであり、好ましくは、90~120cmであり、より好ましくは、90~110cmである。
【0041】
コンテナ1の高さ(上下方向の寸法)L3は、65~145cmであり、好ましくは、70~100cmであり、より好ましくは、75~90cmである。
【0042】
コンテナ1の内部の空間(収容空間6)の容積(容量)は、例えば、0.60~2.40立方メートルであり、好ましくは、0.70~1.50立方メートルであり、より好ましくは、0.90~1.20立方メートルである。
【0043】
コンテナ1に対して一般的な身長(身長が150~170cm)の作業者が立った状態で対向した場合には、
図4に示すように、コンテナ1の側面部分は、作業者に対して対向している。具体的には、作業者が立って対向した状態においては、コンテナ1の上端部の高さ(高さ方向の位置)は、作業者の腰の高さ(位置)から胸の高さ(位置)までの間に位置している。
【0044】
なお、コンテナ1の構成は、上面が開口したボックス状に形成されるものであって、地面に設置した状態において作業者と対向するサイズの大型のものであればよく、各部材の形状は種々に変更可能である。
【0045】
2.育苗方法
(1)育苗方法の流れ
図2は、本発明の一実施形態に係るサツマイモの育苗方法の流れを示したフローチャートである。本発明のサツマイモの育苗方法では、まず、大型のコンテナ1を準備する(準備工程:ステップS101)。具体的には、まず、作業者が作業を行う場所に大型のコンテナ1が設置される(
図1参照)。このとき、複数のコンテナ1が設置される。なお、このときのコンテナ1の運搬は、フォークリフトを用いて行う。
【0046】
次いで、作業者は、各コンテナ1における収容空間6の底部を上方に位置させるように、各コンテナ1の底上げを行う(底上げ工程:ステップS102)。
【0047】
そして、作業者は、底上げされた状態の各コンテナ1(収容空間6)に育苗用の土(土壌)を投入する(土入れ工程:ステップS103)。次いで、作業者は、各コンテナ1内の土にサツマイモの種芋を伏せ込む(伏せ込み工程:ステップS104)。種芋が伏せ込まれた状態の複数のコンテナ1は、サツマイモの苗を育苗するのに適した環境条件の場所に移動され、その場所において、上下方向に積層される(ステップS105)。そして、この状態のコンテナ1が一定期間保管される(ステップS106)。この間に、各コンテナ1に伏せ込まれた種芋から発芽し、発芽した苗が成長する(芽出し工程)。
【0048】
次いで、積層された各コンテナ1が地面に下ろされる。そして、芽出し工程とは異なる環境で、一定期間各コンテナ1が保管される。この間に、各コンテナ1から発芽した苗がさらに生育する(生育工程:ステップS107)。その後、成長した苗が種芋から切り離される(苗切工程:ステップS108)。このようにして、サツマイモの苗が収穫される。収穫された苗は、栽培用の圃場に植え付けられる。
【0049】
その後は、ステップS107~S108の作業が繰り返される。すなわち、一つの種芋に対して、生育工程及び苗切工程が複数回繰り返して行われる。そして、複数回の苗切が完了した後の種芋は、堆肥として再利用される。
【0050】
(2)具体的手順
以下では、図面を参照しながらサツマイモの育苗方法について詳しく説明する。
図3は、コンテナ1に底上げ部材10を投入した状態を示した側断面図である。上記したように、本発明のサツマイモの育苗方法では、まず、準備工程として、コンテナ1を複数準備する。その後、作業者は、底上げ工程として、各コンテナ1における収容空間6の底部を上方に位置させるように、各コンテナ1の底上げを行う。
【0051】
具体的には、
図3に示すように、作業者は、コンテナ1の収容空間6に底上げ部材10を投入する。底上げ部材10は、コンテナ1内に投入可能なものであって、コンテナ1内の一部を占めるものであればよく、パレット等の部材を用いることもできる。この例では、底上げ部材10として、プラスチック製の小型の箱状部材11と、シート12とが用いられている。
【0052】
作業者は、まず、コンテナ1の内部(収容空間6)に複数の箱状部材11を配置する。具体的には、作業者は、まず、コンテナ1の底面に対して複数の箱状部材11を並べ、さらにその上に複数の箱状部材11を並べる。また、さらに底上げが必要な場合には、複数の箱状部材11をさらに積み重ねる。なお、底上げの程度によっては、箱状部材11が一段であってもよい。そして、積み重ねた複数の箱状部材11の上面を覆うようにシート12を被せる。このようにコンテナ1の内部が底上げ部材10(箱状部材11及びシート12)によって底上げされる。
【0053】
このようにして、収容空間6の底部が上方に押し上げられ(収容空間6の底部が上方に位置し)、コンテナ1内において、底上げ部材10の上方(シート12の上方)の空間が収容空間6となる。そして、コンテナ1内に底上げ部材10が投入されることにより、コンテナ1内は、底上げ部材10が配置される下方側の底上げ領域(底上げ空間)と、底上げ部材10の上方(底上げ領域の上方)に位置する収容空間6とに区画される。
【0054】
底上げ部材10の上面の高さ(コンテナ1内に底上げ部材10を配置した後における底上げ部材10の上面の高さ)は、20~70cmであり、好ましくは、30~60cmであり、より好ましくは、40~50cmである。
【0055】
図4は、コンテナ1に土を投入した状態を示した側断面図である。
上記した底上げ工程の後、
図4に示すように、コンテナ1内(収容空間6)に育苗用の土(土壌)を投入する(土入れ工程)。
【0056】
コンテナ1に土が投入された状態において、土の上面までの高さL4は、50~110cmであり、好ましくは、60~90cmであり、より好ましくは、70~80cmである。これにより、土の上面の位置(高さ)が、作業者の腰付近の高さとなる。
【0057】
また、コンテナ1に土が投入された状態において、土の上面の位置(高さ方向の位置)は、コンテナ1に対して一般的な身長(身長が150~170cm)の作業者が対向した状態(作業者が立って対向した状態)において、作業者の腰の高さ(位置)から胸の高さ(位置)までの間に位置している。
【0058】
図5は、コンテナ1内の土にサツマイモの種芋Aを伏せ込んだ状態を示した平面図である。
上記した土入れ工程の後、
図5に示すように、作業者は、コンテナ1内の土にサツマイモの種芋Aを伏せ込む(伏せ込み工程)。
【0059】
具体的には、作業者は、種芋Aの長さ方向(長尺方向)がコンテナ1の幅方向に沿うようにして、コンテナ1内の土の上面に複数の種芋Aを並べる。このとき、作業者は、複数の種芋Aが土上面に密集するように敷き詰める(密集状態で並べる)。
【0060】
具体的には、作業者は、隣り合う種芋A(前後方向において隣り合う種芋A、及び、幅方向において隣り合う種芋A)が互いに密接するように、複数の種芋Aを密集状態で土の上面に並べる。
【0061】
このときの前後方向(種芋Aの短手方向:
図5における左右方向)における隣り合う種芋Aの間の距離(寸法)は、一つの種芋Aの厚み(種芋Aの径)よりも小さい。具体的には、前後方向(
図5における左右方向)における隣り合う種芋Aの間の距離(寸法)は、1~5cmであり、好ましくは、1~3cmであり、より好ましくは、1~1.5cmである。
【0062】
また、幅方向(種芋Aの長手方向:
図5における上下方向)における隣り合う種芋Aの間の距離(寸法)は、3~10cmであり、好ましくは、3~7cmであり、より好ましくは、3~5cmである。
【0063】
このように複数の種芋Aをコンテナ1内に並べた後、作業者は、各種芋Aが土で覆われるように各種芋Aの上面に土を被せる。このようにして、伏せ込み工程が完了する。
【0064】
図6は、複数のコンテナ1を積層させた状態を示した側断面図である。
上記した伏せ込み工程の後、複数のコンテナ1は、サツマイモの苗を育苗するのに適した環境条件の場所に移動され、その場所において、上下方向に積層される(
図6参照)。
【0065】
なお、コンテナ1の移動は、フォークリフトを用いて行う。具体的には、コンテナ1を運搬する際、コンテナ1を積層させる際、積層されたコンテナ1を下す際には、フォークリフトを用いてコンテナ1を動かす。その際には、前方側から、フォークリフトのフォーク50が係合部30の開口31に差し込まれる(
図3参照)。そして、コンテナ1は、フォークリフト(フォーク50)により持ち上げられ、所定の場所に移動(運搬)される。
【0066】
この例では、伏せ込み工程が完了したコンテナ1は、温度及び湿度管理が可能な倉庫内に移動される。そして、その倉庫内において、上下方向に積層されて保管される。
【0067】
このとき、倉庫内の湿度(コンテナ1の周囲の空気の湿度)は、一定の湿度(高湿度)に保たれる。また、倉庫内の温度(コンテナ1の周囲の空気の温度)は、一定の温度に保たれる。このように、コンテナ1を倉庫内で管理することにより、外気に影響されることなく、種芋Aの周囲の空気の温度及び湿度を一定の値に保つことができる。これにより、苗を短期間で成長させることができるとともに、成長期間にばらつきが生じることを抑制できる。
そして、この状態で一定期間(例えば、5~7日間)保管される。この期間中に、種芋Aから発芽して、苗が成長する(芽出し工程)。
【0068】
芽出し工程が完了すると、積層された各コンテナ1が地面に下ろされ、芽出し工程とは異なる環境で、一定期間各コンテナ1が保管される(生育工程)。生育工程としては、コンテナ1をビニールハウスに移動し、ビニールハウス内で一定期間保管する方法や、外気温が15℃以上である場合に屋外で保管する方法などが挙げられる。生育工程の期間は、例えば、1カ月~3カ月である。また、生育工程においては、コンテナ1の近傍に水平方向に延びる灌水用のチューブが所定の高さで設けられる。そして、このチューブからコンテナ1に水が供給される。このように、芽出し工程の後、異なる環境に移して生育工程を行うことで、苗がさらに生育(成長)する。
【0069】
図7は、種芋Aから発芽した苗が成長した状態のコンテナ1を示した側断面図である。
上記した生育工程の後、
図7において破線で示すように、成長した苗が種芋Aから切り離される(苗切工程)。収穫された苗は、栽培用の圃場に植え付けられる。
【0070】
苗切工程では、例えば、複数のコンテナ1が一方向に沿って並べられ、その上方に一方向(コンテナ1が並ぶ方向と並行)に延びるレール(図示せず)が設けられる。そして、レール上にボックスを設けておき、種芋Aから切り離した苗をこのボックス内に入れる。苗が収容されたボックスは、レールに沿わせるようにして移動され、その後、所定の場所に集められる。このようにレールを用いて苗を運ぶことで、苗切工程における作業者の負担をさらに軽減することができる。
【0071】
その後は、上記したように、一つの種芋Aに対して、生育工程及び苗切工程が複数回繰り返して行われる。また、苗切工程が完了する度に、コンテナ1内に堆肥等の養分が供給される。これにより、コンテナ1内の土が少ない場合であっても、種芋Aに対して十分な養分を与えることができる。
【0072】
3.作用効果
(1)本実施形態によれば、サツマイモの育苗方法には、準備工程と、土入れ工程と、伏せ込み工程と、芽出し工程と、苗切工程とが含まれる。具体的には、まず、
図3に示すように、作業者と対向するサイズの大型のコンテナ1を準備する。そして、
図4に示すように、コンテナ1に土(土壌)を投入する。次いで、作業者は、
図5に示すように、土が投入された状態のコンテナ1の土の上面に種芋Aを伏せ込む。
【0073】
そのため、作業者は、しゃがみ込むことなく、立った状態でコンテナ1内の土に対して種芋Aを伏せ込む作業を行うことができる。
【0074】
その結果、しゃがみ込んだ体勢を維持しながら長時間作業を行うという工程を改善でき、負担の少ない体勢で作業を行うことができる。よって、作業者の負担(身体的負担)を軽減できる。
【0075】
また、伏せ込んだ種芋Aから発芽して苗が成長すると、作業者は、種芋Aから苗を切り離す。このときも、作業者は、しゃがみ込むことなく、立った状態でコンテナ1に対向して、コンテナ1内の種芋から苗を切り離す作業を行うことができる。
【0076】
そのため、しゃがみ込んだ体勢を維持しながら長時間作業を行うという工程を改善でき、負担の少ない体勢で作業を行うことができる。よって、作業者の負担(身体的負担)を軽減できる。
【0077】
また、種芋Aは、
図5に示すように、コンテナ1に投入された土の上面に伏せ込まれる。
そのため、仮に伏せ込んだ種芋Aにおいて疫病が発生したとしても、その影響の範囲を当該コンテナ1内に抑えることができる。
【0078】
具体的には、苗を育苗するための土は、区画された空間である収容空間6に投入されており、外部と離間(分離)している。その結果、疫病が発生した場合であっても、疫病が伝染する範囲をその種芋が伏せ込まれたコンテナ1内に抑えることができる。
よって、疫病の被害を最小限に抑えることが可能となる。
【0079】
(2)また、本実施形態によれば、準備した状態のコンテナ1の収容空間6の容積は、0.60~2.40立方メートルである。
【0080】
そのため、コンテナ1のサイズが作業に適したものとなる。
その結果、作業者は、負担の少ない体勢でコンテナ1に対して作業を行うことができる。
【0081】
(3)また、本実施形態によれば、
図1に示すように、コンテナ1には、フォークリフトのフォーク(
図3参照)を差し込むための係合部30が形成されている。そして、コンテナ1は、フォークリフト(フォーク50)により持ち上げれて運搬される。すなわち、コンテナ1は、フォークリフトにより持ち上げられて運搬されるサイズの大型のコンテナである。
【0082】
そのため、コンテナ1のサイズが作業に適したものとなる。
また、フォークリフトを用いてコンテナ1の運搬を行うことができるため、作業者の負担を一層軽減できる。
【0083】
(4)また、本実施形態によれば、サツマイモの育苗方法における土入れ工程では、
図4に示すように、コンテナ1に投入された状態の土の上面の高さL4が、設置面(地面)から50~110cmまでの間に位置するように、コンテナ1に土が投入される。
【0084】
そのため、コンテナ1に投入された土の上面を、作業者にとって作業の行いやすい位置(高さ)に配置できる。
その結果、作業者は、負担の少ない体勢でコンテナ1に対して作業を行うことができる。
【0085】
(5)また、本実施形態によれば、サツマイモの育苗方法における底上げ工程では、
図3に示すように、準備されたコンテナ1に対して、収容空間6の底部を上方に位置させるように底上げを行う。そして、土入れ工程では、底上げが行われた収容空間6に対して土が投入される。
【0086】
そのため、コンテナ1に投入する土の量を少なくできる。
その結果、コンテナ1に土を投入する作業を簡易なものとすることができる(土を投入する際の作業負担を軽減できる)。
【0087】
また、土を投入した後のコンテナ1の重量が大きくなりすぎることを抑制できる。
そのため、伏せ込み工程が完了した後のコンテナ1を移動する際の作業負担を軽減できる。
【0088】
(6)また、本実施形態によれば、サツマイモの育苗方法における伏せ込み工程では、
図5に示すように、コンテナ1における土の上面において、隣り合う種芋Aが密接するように、複数の種芋Aを密集状態で伏せ込む。
そのため、発芽する苗全体の量を増やすことができ、苗の収穫量を増やすことができる。
【0089】
また、一般的なサツマイモの育苗方法においては、疫病が発生した際に疫病が伝染しにくくなるように、隣り合う種芋の間の距離として一定間隔を設けている。
【0090】
一方、本実施形態の方法では、苗を育苗するための土は、区画された空間である収容空間6(コンテナ1内)に投入されており、外部と離間(分離)している。そのため、複数の種芋Aが密集するように伏せ込んだ状態で疫病が発生したとしても、疫病が伝染する範囲をその種芋が伏せ込まれたコンテナ1内に抑えることができる。
【0091】
すなわち、本実施形態の方法によれば、疫病の被害を最小限に抑えながら、苗の収穫量を増やすことができる。
【0092】
(7)また、本実施形態によれば、サツマイモの育苗方法において、準備工程では、コンテナ1が複数準備され、土入れ工程では、複数のコンテナ1のそれぞれに対して土が投入され、伏せ込み工程では、土が投入された状態の複数のコンテナ1のそれぞれの土の上面にサツマイモの種芋Aが伏せ込まれ、芽出し工程では、種芋Aが伏せ込まれた複数のコンテナ1が積層状態で保管される(
図6参照)。
【0093】
そのため、スペースを有効活用して大量のコンテナ1を保管できる。
その結果、サツマイモの育苗方法において用いるコンテナ1の数を増やすことができる。よって、苗の収穫量を増やすことができる。
【0094】
4.変形例
以上の実施形態では、サツマイモの育苗方法における底上げ工程において、コンテナ1内に底上げ部材10を配置することにより収容空間6を押し上げるとして説明した。しかし、
図8に示すように、コンテナ1を設置する場所に複数のパレット20を積み重ね、その上にコンテナ1を設置することにより収容空間6を上方に位置させるようにしてもよい。この場合、複数のパレット20が底上げ部材となる。すなわち、底上げ部材の上にコンテナ1を配置してもよい。
【0095】
この場合、コンテナ1の前面の一部が、変位板21となっていることが好ましい。変位板21は、一端部(
図8においては上端部)を中心として回転可能に構成されている。変位板21が時計回りに回転することにより、コンテナ1の前面側の開口40が閉鎖される。また、変位板21が反時計回りに回転することにより、コンテナ1の前面側の開口40が開放される。コンテナ1に対して作業をする際には、変位板21を反時計回りに回転させて開口40を開放する(
図8の状態とする)。そして、この状態で、作業者は、開口40を介してコンテナ1に対して作業を行う。これにより、コンテナ1が高い位置に配置されても、コンテナ1に対する作業を円滑に行うことが可能となる。
【0096】
このように、複数のパレット20を積み重ね、その上にコンテナ1を設置することでコンテナ1(収容空間6)の底上げを行うことにより、コンテナ1内に投入する土の量を少なく抑えることができる。また、コンテナ1やパレット20の運搬はフォークリフトによって行うため、底上げ工程での人手作業を少なくすることができ、作業者の負担を軽減できる。
【符号の説明】
【0097】
1 コンテナ
5 開口部
6 収容空間
20 パレット
30 係合部
31 開口
50 フォーク
A 種芋
【手続補正書】
【提出日】2022-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口し、上下方向の寸法が65~145cmであり、容積が0.60~2.40立方メートルである収容空間が内部に区画されたボックス状に形成され、かつ、フォークリフトのフォークを差し込むための係合部が形成され、当該係合部がフォークリフトのフォークにより持ち上げられることにより運搬される農業用コンテナを複数用意する準備工程と、
準備された複数の前記農業用コンテナのそれぞれの前記収容空間に対して、土の上面の高さが地面から50~110cmまでの間に位置するように土を投入する土入れ工程と、
土が投入された状態の複数の前記農業用コンテナのそれぞれの土の上面にサツマイモの種芋を伏せ込む伏せ込み工程と、
上方側に位置する前記農業用コンテナが下方側に位置する前記農業用コンテナの上に直接載せられるようにして、種芋が伏せ込まれた複数の前記農業用コンテナをフォークリフトを用いて上下方向に積層し、当該積層状態を保って倉庫内で保管し、倉庫内において、伏せ込んだ種芋から発芽させ、発芽した苗を成長させる芽出し工程と、
前記芽出し工程の後、フォークリフトを用いて複数の前記農業用コンテナを地面に下ろし、苗をさらに生育させる生育工程と、
前記生育工程の後、苗を種芋から切り離す苗切工程と、を含むサツマイモの育苗方法。
【請求項2】
前記準備工程で準備された複数の前記農業用コンテナのそれぞれに対応させて底上げ部材を配置し、当該底上げ部材の上に前記農業用コンテナを設置する底上げ工程をさらに含み、
前記土入れ工程では、底上げが行われた前記農業用コンテナの前記収容空間に対して土を投入する、請求項1に記載のサツマイモの育苗方法。
【請求項3】
上面が開口し、上下方向の寸法が65~145cmであり、容積が0.60~2.40立方メートルである収容空間が内部に区画されたボックス状に形成され、かつ、フォークリフトのフォークを差し込むための係合部が形成され、当該係合部がフォークリフトのフォークにより持ち上げられることにより運搬される農業用コンテナを用意する準備工程と、
前記準備工程で準備された前記農業用コンテナの前記収容空間に対して、底上げ部材を投入する底上げ工程と、
前記底上げ部材が投入された状態の前記収容空間に対して、土の上面の高さが地面から50~110cmまでの間に位置するように土を投入する土入れ工程と、
土が投入された状態の前記農業用コンテナにおける土の上面にサツマイモの種芋を伏せ込む伏せ込み工程と、
伏せ込んだ種芋から発芽させ、発芽した苗を成長させる芽出し工程と、
苗を種芋から切り離す苗切工程と、を含むサツマイモの育苗方法。
【請求項4】
前記準備工程では、前記農業用コンテナを複数準備し、
前記底上げ工程では、複数の前記農業用コンテナのそれぞれの前記収容空間に対して底上げ部材を投入し、
前記土入れ工程では、複数の前記農業用コンテナのそれぞれの前記収容空間に対して土を投入し、
前記伏せ込み工程では、土が投入された状態の複数の前記農業用コンテナのそれぞれの土の上面にサツマイモの種芋を伏せ込み、
前記芽出し工程では、上方側に位置する前記農業用コンテナが下方側に位置する前記農業用コンテナの上に直接載せられるようにして、種芋が伏せ込まれた複数の前記農業用コンテナをフォークリフトを用いて上下方向に積層し、当該積層状態を保って倉庫内で保管し、倉庫内において、伏せ込んだ種芋から発芽させ、発芽した苗を成長させ、
前記芽出し工程の後、フォークリフトを用いて複数の前記農業用コンテナを地面に下ろし、苗をさらに生育させる生育工程をさらに含み、
前記苗切工程では、前記生育工程の後、苗を種芋から切り離す、請求項3に記載のサツマイモの育苗方法。
【請求項5】
前記伏せ込み工程では、前記農業用コンテナにおける土の上面において、隣り合う種芋が密接するように、複数の種芋を密集状態で伏せ込む、請求項1~4のいずれか一項に記載のサツマイモの育苗方法。