(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055072
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】状態診断装置
(51)【国際特許分類】
B65G 43/02 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
B65G43/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164179
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591104815
【氏名又は名称】株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】前田 宗彦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 栄治
(72)【発明者】
【氏名】國分 良太
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 哲也
【テーマコード(参考)】
3F027
【Fターム(参考)】
3F027AA01
3F027DA21
3F027FA01
(57)【要約】
【課題】複数のセンサ部と効率よく通信を行い、診断対象物の状態の診断を行う。
【解決手段】状態診断装置1は、複数の第1マイク部11と、第1マイク中継器21と、第1イーサネットハブ31と、状態診断部40とを備えている。複数の第1マイク部11は、デイジーチェーン接続の態様によって互いに接続されている。第1マイク中継器21は、第1マイク部11に接続されている。第1マイク中継器21は、他の第2マイク中継器22と共にスター型接続の態様によって第1イーサネットハブ31に接続されている。第1イーサネットハブ31は、他の第2イーサネットハブ32と共にカスケード接続の態様によって状態診断部40と接続されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に沿って延在する診断対象物の状態を診断する状態診断装置であって、
第1センサケーブルによって互いに接続され、前記診断対象物の状態を検出する複数の第1センサ部と、
第2センサケーブルによって互いに接続され、前記診断対象物の状態を検出する複数の第2センサ部と、
第3センサケーブルによって互いに接続され、前記診断対象物の状態を検出する複数の第3センサ部と、
第4センサケーブルによって互いに接続され、前記診断対象物の状態を検出する複数の第4センサ部と、
第1中間ケーブルによって、複数の前記第1センサ部の少なくともいずれかに接続された第1中継器と、
第2中間ケーブルによって、複数の前記第2センサ部の少なくともいずれかに接続された第2中継器と、
第3中間ケーブルによって、複数の前記第3センサ部の少なくともいずれかに接続された第3中継器と、
第4中間ケーブルによって、複数の前記第4センサ部の少なくともいずれかに接続された第4中継器と、
第1中継ケーブルによって前記第1中継器と接続され且つ第2中継ケーブルによって前記第2中継器と接続された第1通信ハブと、
第3中継ケーブルによって前記第3中継器と接続され且つ第4中継ケーブルによって前記第4中継器と接続された第2通信ハブと、
通信ケーブルによって前記第1通信ハブ及び前記第2通信ハブに接続され、前記第1センサ部の検出情報、前記第2センサ部の検出情報、前記第3センサ部の検出情報、及び前記第4センサ部の検出情報の少なくともいずれかに基づいて、前記診断対象物の状態を診断する診断部と、
を備え、
複数の前記第1センサ部は、前記第1センサケーブルによってデイジーチェーン接続又はバス型接続の態様で互いに接続され、
複数の前記第2センサ部は、前記第2センサケーブルによってデイジーチェーン接続又はバス型接続の態様で互いに接続され、
複数の前記第3センサ部は、前記第3センサケーブルによってデイジーチェーン接続又はバス型接続の態様で互いに接続され、
複数の前記第4センサ部は、前記第4センサケーブルによってデイジーチェーン接続又はバス型接続の態様で互いに接続され、
前記第1中継器及び前記第2中継器は、それぞれ前記第1中継ケーブル及び前記第2中継ケーブルによって、前記第1通信ハブに対してスター型接続の態様で接続され、
前記第3中継器及び前記第4中継器は、それぞれ前記第3中継ケーブル及び前記第4中継ケーブルによって、前記第2通信ハブに対してスター型接続の態様で接続され、
前記第1通信ハブ及び前記第2通信ハブは、前記通信ケーブルによって、前記診断部に対してカスケード接続の態様で接続されている、状態診断装置。
【請求項2】
第1中継器は、前記第1センサ部との接続部として、第1センサ接続部と第2センサ接続部とを有しており、
前記第1中間ケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルとを有しており、
複数の前記第1センサ部のうち、1以上の前記第1センサ部を含む第1グループの前記第1センサ部が前記第1ケーブルを介して前記第1センサ接続部に接続され、
複数の前記第1センサ部のうち、前記第1グループの前記第1センサ部とは異なる1以上の前記第1センサ部を含む第2グループの前記第1センサ部が、前記第2ケーブルを介して前記第2センサ接続部に接続されている、請求項1に記載の状態診断装置。
【請求項3】
前記診断対象物は、被搬送物の搬送方向に沿って延在するコンベアであり、
複数の前記第1センサ部及び前記第1中継器は、前記コンベアの一方の側部側に配置され、
複数の前記第2センサ部、前記第2中継器、及び前記第1通信ハブは、前記コンベアの他方の側部側に配置されている、請求項1又は2に記載の状態診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断対象物の状態を診断する状態診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、コンベアの状態を監視するシステムが記載されている。このような長尺状のコンベアを監視する場合、コンベアの状態を検出するセンサをコンベアの延在方向に沿って複数設ける必要がある。このため、特許文献1では、複数設けられたセンサ同士をデイジーチェーン接続の態様で互いに接続することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、コンベア等の診断対象物の長さが長くなるほど、多数のセンサを設ける必要がある。このように多数のセンサを設ける場合、これらのセンサと、センサの検出情報を処理する処理部との間の通信の接続方法について改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、診断処理を行う診断部と複数のセンサ部との間で効率よく通信を行い、診断対象物の状態の診断をより適切に行うことが可能な状態診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、所定方向に沿って延在する診断対象物の状態を診断する状態診断装置であって、第1センサケーブルによって互いに接続され、診断対象物の状態を検出する複数の第1センサ部と、第2センサケーブルによって互いに接続され、診断対象物の状態を検出する複数の第2センサ部と、第3センサケーブルによって互いに接続され、診断対象物の状態を検出する複数の第3センサ部と、第4センサケーブルによって互いに接続され、診断対象物の状態を検出する複数の第4センサ部と、第1中間ケーブルによって、複数の第1センサ部の少なくともいずれかに接続された第1中継器と、第2中間ケーブルによって、複数の第2センサ部の少なくともいずれかに接続された第2中継器と、第3中間ケーブルによって、複数の第3センサ部の少なくともいずれかに接続された第3中継器と、第4中間ケーブルによって、複数の第4センサ部の少なくともいずれかに接続された第4中継器と、第1中継ケーブルによって第1中継器と接続され且つ第2中継ケーブルによって第2中継器と接続された第1通信ハブと、第3中継ケーブルによって第3中継器と接続され且つ第4中継ケーブルによって第4中継器と接続された第2通信ハブと、通信ケーブルによって第1通信ハブ及び第2通信ハブに接続され、第1センサ部の検出情報、第2センサ部の検出情報、第3センサ部の検出情報、及び第4センサ部の検出情報の少なくともいずれかに基づいて、診断対象物の状態を診断する診断部と、を備え、複数の第1センサ部は、第1センサケーブルによってデイジーチェーン接続又はバス型接続の態様で互いに接続され、複数の第2センサ部は、第2センサケーブルによってデイジーチェーン接続又はバス型接続の態様で互いに接続され、複数の第3センサ部は、第3センサケーブルによってデイジーチェーン接続又はバス型接続の態様で互いに接続され、複数の第4センサ部は、第4センサケーブルによってデイジーチェーン接続又はバス型接続の態様で互いに接続され、第1中継器及び第2中継器は、それぞれ第1中継ケーブル及び第2中継ケーブルによって、第1通信ハブに対してスター型接続の態様で接続され、第3中継器及び第4中継器は、それぞれ第3中継ケーブル及び第4中継ケーブルによって、第2通信ハブに対してスター型接続の態様で接続され、第1通信ハブ及び第2通信ハブは、通信ケーブルによって、診断部に対してカスケード接続の態様で接続されている。
【0007】
この状態診断装置では、診断対象物の状態を診断するために設けられた第1センサ部等の各機器が、デイジーチェーン接続又はバス型接続、スター型接続、及びカスケード接続の態様でそれぞれ接続されている。これにより、この状態診断装置は、センサ部の検出情報の劣化を抑制できる等、複数のセンサ部の検出情報を診断部まで適切に送信することができる。このように、この状態診断装置は、診断処理を行う診断部と複数のセンサ部との間で効率よく通信を行い、診断対象物の状態の診断をより適切に行うことができる。
【0008】
上記の状態診断装置において、第1中継器は、第1センサ部との接続部として、第1センサ接続部と第2センサ接続部とを有しており、第1中間ケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルとを有しており、複数の第1センサ部のうち、1以上の第1センサ部を含む第1グループの第1センサ部が第1ケーブルを介して第1センサ接続部に接続され、複数の第1センサ部のうち、第1グループの第1センサ部とは異なる1以上の第1センサ部を含む第2グループの第1センサ部が、第2ケーブルを介して第2センサ接続部に接続されていてもよい。この場合、状態診断装置は、第1センサ部が複数設けられている場合であっても、第1中間ケーブル(第1ケーブル、第2ケーブル)の長さが長くなることを抑制しつつ、これらの第1センサ部を第1中継器に接続することができる。これにより、この状態診断装置は、第1センサ部の検出情報の劣化を抑制できる等、第1センサ部の検出情報をより適切に診断部まで送信することができる。
【0009】
上記の状態診断装置において、診断対象物は、被搬送物の搬送方向に沿って延在するコンベアであり、複数の第1センサ部及び第1中継器は、コンベアの一方の側部側に配置され、複数の第2センサ部、第2中継器、及び第1通信ハブは、コンベアの他方の側部側に配置されていてもよい。この場合、状態診断装置は、コンベアの両脇に第1センサ部及び第2センサ部が配置される場合であっても、例えば、コンベアの上側又は下側を通るように第1中継ケーブルを設置するだけで、複数の第1センサ部の検出情報を第1通信ハブが設置された側に送信することができる。このように、この状態診断装置は、コンベアを横切るケーブルの本数を抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、診断処理を行う診断部と複数のセンサ部との間で効率よく通信を行い、診断対象物の状態の診断をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る状態診断装置の概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、第1マイク中継器と複数の第1マイク部との接続の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1に示されるように、本実施形態に係る状態診断装置1は、被搬送物を搬送するコンベア100(診断対象物)の状態を診断する。コンベア100は、被搬送物の搬送方向(矢印Aで示され方向)に沿って延在する長尺状(一例として数百メートル)となっている。状態診断装置1は、コンベア100の延在方向における各部の状態を診断する。
【0014】
状態診断装置1は、複数のマイク部10、複数のマイク中継器20、複数のイーサネットハブ30(イーサネット:登録商標)、状態診断部(診断部)40、及びこれらを接続する複数のケーブルCを備えている。以下では、複数のイーサネットハブ30の一部である第1イーサネットハブ(第1通信ハブ)31周り及び第2イーサネットハブ(第2通信ハブ)32周りの構成を代表させて説明する。
【0015】
まず、第1イーサネットハブ31周りの構成について説明する。状態診断装置1は、第1イーサネットハブ31に対して直接接続される複数のマイク中継器20として、第1マイク中継器21、第2マイク中継器22、第3マイク中継器23、及び第4マイク中継器24を備えている。なお、第1イーサネットハブ31に対して直接接続されるマイク中継器20の数は、第1マイク中継器21~第4マイク中継器24の4台に限定されない。
【0016】
また、状態診断装置1は、第1マイク中継器21に対して直接接続されるマイク部10として、複数の第1マイク部(第1センサ部)11を備えている。同様に、状態診断装置1は、第2マイク中継器22に対して直接接続されるマイク部10として、複数の第2マイク部12を備えている。状態診断装置1は、第3マイク中継器23に対して直接接続されるマイク部10として、複数の第3マイク部(第2センサ部)13を備えている。状態診断装置1は、第4マイク中継器24に対して直接接続されるマイク部10として、複数の第4マイク部14を備えている。
【0017】
本実施形態において、第1マイク部11~第4マイク部14は、それぞれ8個ずつ設けられている。但し、第1マイク部11~第4マイク部14の数は、8個ずつに限定されない。例えば、一つのマイク中継器20に対して接続されるマイク部10の数が多くなると、ケーブルの長さが長くなり、通信速度が低下することがある。このため、第1マイク部11~第4マイク部14は、例えば、通信速度が確保できる数が用いられてもよい。
【0018】
複数の第1マイク部11、複数の第2マイク部12、第1マイク中継器21、及び第2マイク中継器22は、コンベア100の一方の側部100a側に配置されている。また、複数の第3マイク部13、複数の第4マイク部14、第3マイク中継器23、第4マイク中継器24、及び第1イーサネットハブ31は、コンベア100の他方の側部100b側に配置されている。つまり、第1マイク部11及び第2マイク部12と、第3マイク部13及び第4マイク部14とが、コンベア100の両脇(コンベア100の左右側)にそれぞれ配置されている。
【0019】
まず、複数の第1マイク部11と第1マイク中継器21との接続状態について説明する。
図2に示されるように、第1マイク部11は、コンベア100の状態を検出する。本実施形態において第1マイク部11は、コンベア100の状態としてコンベア100で発生する音(例えば、コンベア100に設けられたローラで発生する音等)を検出する。第1マイク部11は、検出した検出情報を状態診断部40に送信することができる。第1マイク部11は、例えば、音を検出するセンサであるマイク、A/D変換器(アナログ/デジタル変換器)、及び通信を行うための通信部を備えている。
【0020】
状態診断装置1は、ケーブルCとして、第1マイクケーブル(第1センサケーブル)C11及び第1マイク・中継器ケーブル(第1中間ケーブル)C21を備えている。複数の第1マイク部11は、第1マイクケーブルC11によって、デイジーチェーン接続の態様で互いに接続されている。第1マイク中継器21は、第1マイク・中継器ケーブルC21によって、複数の第1マイク部11の少なくともいずれかと接続されている。第1マイク部11と第1マイク中継器21とは、例えば、シリアル通信によって通信を行ってもよい。
【0021】
ここで、複数の第1マイク部11は、1以上の第1マイク部11を含む第1グループG1と、第1グループG1の第1マイク部11とは異なる1以上の第1マイク部11を含む第2グループG2とに分けられる。本実施形態では、第1グループG1及び第2グループG2に対して、それぞれ4個ずつ第1マイク部11が含まれている。第1グループG1の4個の第1マイク部11は、第1マイクケーブルC11によって、デイジーチェーン接続の態様で互いに接続されている。第2グループG2の4個の第1マイク部11は、第1マイクケーブルC11によって、デイジーチェーン接続の態様で互いに接続されている。
【0022】
第1マイク中継器21は、第1マイク部11との接続部として、第1センサ接続部21aと第2センサ接続部21bとを有している。つまり、第1マイク中継器21は、第1マイク部11と通信を行うためのチャンネルを2つ備えている。第1マイク・中継器ケーブルC21は、第1ケーブルC21aと、第2ケーブルC21bとを有している。
【0023】
第1グループG1の第1マイク部11の一つが、第1ケーブルC21aを介して第1マイク中継器21の第1センサ接続部21aに接続されている。なお、第1ケーブルC21aは、第1グループG1の複数の第1マイク部11のうち、デイジーチェーン接続における一方の端部に位置する第1マイク部11と、第1マイク中継器21の第1センサ接続部21aとを接続する。
【0024】
同様に、第2グループG2の第1マイク部11の一つが、第2ケーブルC21bを介して第1マイク中継器21の第2センサ接続部21bに接続されている。なお、第2ケーブルC21bは、第2グループG2の複数の第1マイク部11のうち、デイジーチェーン接続における一方の端部に位置する第1マイク部11と、第1マイク中継器21の第2センサ接続部21bとを接続する。
【0025】
図1及び
図2に示されるように、複数の第1マイク部11は、コンベア100の一方の側部100aの近傍において、コンベア100の延在方向に沿って並べて配置されている。また、第1グループG1の第1マイク部11と、第2グループG2の第1マイク部11とは、コンベア100の延在方向に沿って並んでいる。第1マイク中継器21は、第1グループG1の第1マイク部11と、第2グループG2の第1マイク部11との間に位置している。つまり、第1マイク中継器21は、コンベア100の延在方向に沿って並ぶ複数の第1マイク部11の中央位置に配置されている。
【0026】
第2マイク部12及び第2マイク中継器22は、それぞれ、第1マイク部11及び第1マイク中継器21と同様の構成となっている。また、複数の第2マイク部12と第2マイク中継器22との接続の態様は、複数の第1マイク部11と第1マイク中継器21との接続の態様と同様となっている。つまり、状態診断装置1は、ケーブルCとして、第2マイクケーブルC12及び第2マイク・中継器ケーブルC22を備えている。複数の第2マイク部12は、第2マイクケーブルC12によって、デイジーチェーン接続の態様で互いに接続されている。第2マイク中継器22は、第2マイク・中継器ケーブルC22によって、複数の第2マイク部12の少なくともいずれかと接続されている。
【0027】
第3マイク部13及び第3マイク中継器23は、それぞれ、第1マイク部11及び第1マイク中継器21と同様の構成となっている。また、複数の第3マイク部13と第3マイク中継器23との接続の態様は、複数の第1マイク部11と第1マイク中継器21との接続の態様と同様となっている。つまり、状態診断装置1は、ケーブルCとして、第3マイクケーブル(第2センサケーブル)C13及び第3マイク・中継器ケーブル(第2中間ケーブル)C23を備えている。複数の第3マイク部13は、第3マイクケーブルC13によって、デイジーチェーン接続の態様で互いに接続されている。第3マイク中継器23は、第3マイク・中継器ケーブルC23によって、複数の第3マイク部13の少なくともいずれかと接続されている。
【0028】
第4マイク部14及び第4マイク中継器24は、それぞれ、第1マイク部11及び第1マイク中継器21と同様の構成となっている。また、複数の第4マイク部14と第4マイク中継器24との接続の態様は、複数の第1マイク部11と第1マイク中継器21との接続の態様と同様となっている。つまり、状態診断装置1は、ケーブルCとして、第4マイクケーブルC14及び第4マイク・中継器ケーブルC24を備えている。複数の第4マイク部14は、第4マイクケーブルC14によって、デイジーチェーン接続の態様で互いに接続されている。第4マイク中継器24は、第4マイク・中継器ケーブルC24によって、複数の第4マイク部14の少なくともいずれかと接続されている。
【0029】
次に、第1イーサネットハブ31と、第1マイク中継器21~第4マイク中継器24との接続の態様について説明する。状態診断装置1は、ケーブルCとして、第1中継器・ハブケーブル(第1中継ケーブル)C31、第2中継器・ハブケーブルC32、第3中継器・ハブケーブル(第2中継ケーブル)C33、及び第4中継器・ハブケーブルC34を備えている。第1中継器・ハブケーブルC31~第4中継器・ハブケーブルC34は、例えば、ツイストペアケーブルであってもよい。
【0030】
第1マイク中継器21~第4マイク中継器24は、それぞれ、第1イーサネットハブ31と通信を行うための接続部を1つ(1チャンネル)備えている。第1イーサネットハブ31は、第1マイク中継器21~第4マイク中継器24と通信を行うための接続部を4つ(4チャンネル)備えている。第1イーサネットハブ31は、第1マイク中継器21~第4マイク中継器24と、例えばイーサネットの規格によって通信を行う。
【0031】
第1イーサネットハブ31は、第1中継器・ハブケーブルC31によって第1マイク中継器21と接続されている。また、第1イーサネットハブ31は、第2中継器・ハブケーブルC32、第3中継器・ハブケーブルC33、及び第4中継器・ハブケーブルC34によって、第2マイク中継器22、第3マイク中継器23、及び第4マイク中継器24とそれぞれ接続されている。第1マイク中継器21~第4マイク中継器24は、第1中継器・ハブケーブルC31~第4中継器・ハブケーブルC34によって、第1イーサネットハブ31に対してスター型接続の態様で接続されている。
【0032】
なお、第1中継器・ハブケーブルC31及び第2中継器・ハブケーブルC32は、例えば、コンベア100の上側又は下側を通ってコンベア100を横切るように設置されている。
【0033】
次に、第2イーサネットハブ32周りの構成について説明する。第2イーサネットハブ32に対しては、第1イーサネットハブ31に対して接続されたマイク部10及びマイク中継器20と同じ構成のマイク部10及びマイク中継器20が接続されている。また、第2イーサネットハブ32に対して接続されるマイク部10及びマイク中継器20の接続の態様は、第1イーサネットハブ31に接続されるマイク部10及びマイク中継器20と同じ接続の態様となっている。
図1において、第1イーサネットハブ31に接続される各構成要素と同じ符号を第2イーサネットハブ32周りの各構成要素に付し、第2イーサネットハブ32周りの構成の詳細な説明を省略する。
【0034】
つまり、第2イーサネットハブ32には、第1マイク中継器(第3中継器)21が第1中継器・ハブケーブル(第3中継ケーブル)C31を介して接続され、第2マイク中継器22が第2中継器・ハブケーブルC32を介して接続され、第3マイク中継器(第4中継器)23が第3中継器・ハブケーブル(第4中継ケーブル)C33を介して接続され、及び第4マイク中継器24が第4中継器・ハブケーブルC34を介して接続されている。
【0035】
また、第1マイク中継器21を介して第2イーサネットハブ32に接続される複数の第1マイク部(第3センサ部)11は、第1マイクケーブル(第3センサケーブル)C11によって、デイジーチェーン接続の態様で互いに接続されている。第2イーサネットハブ32に接続される第1マイク中継器21は、第1マイク・中継器ケーブル(第3中間ケーブル)C21によって、複数の第1マイク部11の少なくともいずれかと接続されている。同様に、第3マイク中継器23を介して第2イーサネットハブ32に接続される複数の第3マイク部(第4センサ部)13は、第3マイクケーブル(第4センサケーブル)C13によって、デイジーチェーン接続の態様で互いに接続されている。第2イーサネットハブ32に接続される第3マイク中継器23は、第3マイク・中継器ケーブル(第4中間ケーブル)C23によって、複数の第3マイク部13の少なくともいずれかと接続されている。
【0036】
第2イーサネットハブ32に接続される第2マイク部12及び第2マイク中継器22、並びに、第4マイク部14及び第4マイク中継器24も、第1イーサネットハブ31側と同様の構成となっている。
【0037】
代表させて説明した第1イーサネットハブ31及び第2イーサネットハブ32以外の他のイーサネットハブ30についても、第1イーサネットハブ31に接続されたマイク部10及びマイク中継器20と同様に、それぞれマイク部10及びマイク中継器20が接続されている。
【0038】
次に、状態診断部40について説明する。状態診断部40は、第1イーサネットハブ31及び第2イーサネットハブ32を含む複数のイーサネットハブ30と、通信ケーブルC40によって接続されている。第1イーサネットハブ31及び第2イーサネットハブ32を含む複数のイーサネットハブ30は、通信ケーブルC40によって、状態診断部40に対してカスケード接続の態様で接続されている。通信ケーブルC40は、例えば、光ファイバケーブルであってもよい。
【0039】
状態診断部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)を備える電子制御ユニットとして構成されている。
【0040】
状態診断部40は、第1イーサネットハブ31及び第2イーサネットハブ32を含むイーサネットハブ30のそれぞれから、各イーサネットハブ30に対して接続された第1マイク部11の検出情報、第2マイク部12の検出情報、第3マイク部13の検出情報、及び第4マイク部14の検出情報を取得することができる。例えば、状態診断部40は、第1マイク中継器21~第4マイク中継器24にアクセスし、第1マイク部11~第4マイク部14の検出情報を受信する。
【0041】
状態診断部40は、取得した第1マイク部11の検出情報、第2マイク部12の検出情報、第3マイク部13の検出情報、及び第4マイク部14の検出情報の少なくともいずれかに基づいて、コンベア100の状態を診断する。例えば、状態診断部40は、受信した検出情報(音情報)に基づいて、周知の種々の方法を用いてコンベア100の状態を診断することができる。
【0042】
なお、例えば、マイク中継器20は、状態診断部40からの制御に従って、状態診断部40と通信を行うマイク部10のスイッチングを行ってもよい。これにより、状態診断部40は、例えば通信の帯域幅内での通信が可能となる。なお、マイク中継器20は、自身に接続されたマイク部10の検出情報をバッファリングしていてもよい。この場合、状態診断部40は、各マイク中継器20にアクセスし、バッファリングされた検出情報を受信してもよい。
【0043】
以上のように、状態診断装置1では、コンベア100の状態を診断するために設けられたマイク部10、マイク中継器20、イーサネットハブ30、及び状態診断部40の各機器が、デイジーチェーン接続、スター型接続、及びカスケード接続の態様でそれぞれ接続されている。このように、状態診断装置1は、種々の接続の態様を用いて各機器同士を接続することにより、例えば数百メートルにわたって延在するコンベア100に対し、少ない配線により、さらに圧縮等による劣化無しにマイク部10の検出情報を状態診断部40に送信することができる。これにより、状態診断装置1は、マイク部10の検出情報の劣化を抑制できる等、複数のマイク部10の検出情報を状態診断部40まで適切に送信することができる。従って、この状態診断装置1は、診断処理を行う状態診断部40と複数のマイク部10との間で効率よく通信を行い、コンベア100の状態の診断をより適切に行うことができる。
【0044】
上記の状態診断装置1において、例えば、第1マイク中継器21では、複数の第1マイク部11のうち、第1グループG1の第1マイク部11が第1センサ接続部21aに接続され、第2グループG2の第1マイク部11が第2センサ接続部21bに接続されている。この場合、状態診断装置1は、第1マイク部11が複数設けられている場合であっても、第1マイク・中継器ケーブルC21(第1ケーブルC21a、第2ケーブルC21b)の長さが長くなることを抑制しつつ、これらの第1マイク部11を第1マイク中継器21に接続することができる。これにより、状態診断装置1は、送信に伴う第1マイク部11の検出情報の劣化を抑制できる等、第1マイク部11の検出情報をより適切に状態診断部40まで送信することができる。同様に、状態診断装置1は、第2マイク部12~第4マイク部14の検出情報をより適切に状態診断部40まで送信することができる。
【0045】
例えば、第1マイク部11及び第1マイク中継器21は、コンベア100の一方の側部100a側に配置されている。第1マイク中継器21が接続される第1イーサネットハブ31は、コンベア100の他方の側部100b側に配置されている。第1マイク中継器21と第1イーサネットハブ31とは、第1中継器・ハブケーブルC31を介して互いに接続されている。この場合、状態診断装置1は、コンベア100の両脇にマイク部10が配置される場合であっても、例えば、コンベア100の上側又は下側を通るように第1中継器・ハブケーブルC31を設置するだけで、複数の第1マイク部11の検出情報を第1イーサネットハブ31が設置されたコンベア100の他方の側部100b側に送信することができる。このように、状態診断装置1は、コンベア100を横切るケーブルの本数を抑制することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1マイク中継器21に接続される複数の第1マイク部11は、バス型接続の態様で互いに接続されていてもよい。同様に、複数の第2マイク部12、複数の第3マイク部13、及び複数の第4マイク部14についても、バス型接続の態様で互いに接続されていてもよい。
【0047】
状態診断装置1は、マイク部10に代えて、振動計、温度計、カメラ等、コンベア100の状態を検出可能な種々のセンサ部(第1センサ部~第4センサ部)を用いてもよい。そして、状態診断装置1の状態診断部40は、これらのセンサ部から受信した検出情報に基づいてコンベア100の状態を診断してもよい。
【0048】
また、上述した各機器間での通信形態(通信規格)については種々の形態を採用することができる。例えば、マイク部10及びマイク中継器20等の電源は、これらに接続されるケーブルCに重畳されていてもよい。この場合、状態診断装置1は、電源専用の配線を省略することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 状態診断装置
11 第1マイク部(第1センサ部、第3センサ部)
13 第3マイク部(第2センサ部、第4センサ部)
21 第1マイク中継器(第1中継器、第3中継器)
21a 第1センサ接続部
21b 第2センサ接続部
23 第3マイク中継器(第2中継器、第4中継器)
31 第1イーサネットハブ(第1通信ハブ)
32 第2イーサネットハブ(第2通信ハブ)
40 状態診断部(診断部)
C11 第1マイクケーブル(第1センサケーブル、第3センサケーブル)
C13 第3マイクケーブル(第2センサケーブル、第4センサケーブル)
C21 第1マイク・中継器ケーブル(第1中間ケーブル、第3中間ケーブル)
C21a 第1ケーブル
C21b 第2ケーブル
C23 第3マイク・中継器ケーブル(第2中間ケーブル、第4中間ケーブル)
C31 第1中継器・ハブケーブル(第1中継ケーブル、第3中継ケーブル)
C33 第3中継器・ハブケーブル(第2中継ケーブル、第4中継ケーブル)
C40 通信ケーブル
100 コンベア(診断対象物)