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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055081
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/28 20060101AFI20230410BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
B08B9/28
B08B3/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164197
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】高市 翔太
(72)【発明者】
【氏名】菊川 智之
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA21
3B116AB03
3B116AB44
3B116BB23
3B116BB43
3B116BB62
3B201AA21
3B201AB03
3B201AB44
3B201AB48
3B201BB23
3B201BB43
3B201BB62
3B201BB94
3B201CB01
(57)【要約】
【課題】容器の蓋などの洗浄効率を向上させる。
【解決手段】洗浄機10は、洗浄機本体11と、洗浄機本体11に保持された容器1の蓋3の内側に洗浄液を射出するためのノズル15と、蓋3の内側に射出された洗浄液が蓋3と洗浄機本体11との間から漏れないようにシールするためのシール部14と、蓋3がシール部14に接触するように保持するための保持部12と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄機本体と、
前記洗浄機本体に保持された容器の蓋の内側に洗浄液を射出するためのノズルと、
前記蓋の内側に射出された洗浄液が前記蓋と前記洗浄機本体との間から漏れないようにシールするためのシール部と、
前記蓋が前記シール部に接触するように保持するための保持部と、
を備える
洗浄機。
【請求項2】
前記ノズルは、前記蓋が前記容器の本体に装着される際に前記本体の内部に挿入される凸部に洗浄液を射出する
請求項1に記載の洗浄機。
【請求項3】
前記ノズルは、前記凸部の頂面に洗浄液を射出する
請求項2に記載の洗浄機。
【請求項4】
前記ノズルは、前記凸部の側面に洗浄液を射出する
請求項2又は3に記載の洗浄機。
【請求項5】
前記ノズルは、鉛直軸の周りに回転可能に設けられる
請求項1から4のいずれかに記載の洗浄機。
【請求項6】
前記ノズルは、前記凸部の側面に洗浄液を射出する際に前記ノズルに働く力により、鉛直軸の周りに回転可能に設けられる
請求項4に記載の洗浄機。
【請求項7】
前記ノズルは、前記蓋が前記容器の本体に装着される際に前記本体の内部と前記蓋との間をシールするためのパッキンに洗浄液を射出する
請求項1から6のいずれかに記載の洗浄機。
【請求項8】
前記洗浄機本体に保持された前記容器の本体の内部に洗浄液を射出するための第2のノズルと、
前記容器の本体の内部に射出された洗浄液が前記容器の本体と前記洗浄機本体との間から漏れないようにシールするための第2のシール部と、
前記容器の本体が前記第2のシール部に接触するように保持するための第2の保持部と、
を更に備える
請求項1から7のいずれかに記載の洗浄機。
【請求項9】
前記第2のノズルから前記ノズルより多くの洗浄液が射出されるように構成される
請求項8に記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器の蓋などを洗浄するための洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料用などのボトルの蓋などの小物を洗浄するための技術として、特許文献1には、メッシュ状に形成した底部を有する小物カゴを所定位置に配置して、この小物カゴの下方を移動する洗浄ノズルのノズル孔から洗浄水を上向きに噴射する構成を備える食器洗浄機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-171568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、容器の蓋などの洗浄効率を更に向上させることを課題として開発を進め、本開示の洗浄機に想到した。
【0005】
本開示は、容器の蓋などの洗浄効率を向上させるための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における洗浄機は、洗浄機本体と、洗浄機本体に保持された容器の蓋の内側に洗浄液を射出するためのノズルと、蓋の内側に射出された洗浄液が蓋と洗浄機本体との間から漏れないようにシールするためのシール部と、蓋がシール部に接触するように保持するための保持部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、容器の蓋などの洗浄効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】実施の形態1に係る洗浄機により洗浄される容器の構成図
図1B】実施の形態1に係る洗浄機により洗浄される容器の構成図
図2】蓋の内側の構成図
図3】実施の形態1に係る洗浄機の構成図
図4】実施の形態1に係る洗浄機の別の例の構成図
図5】蓋の凸部の頂面に洗浄液が射出される様子を示す図
図6】蓋の凸部の側面に洗浄液が射出される様子を示す図
図7】洗浄液の射出方向とノズルの回転方向との関係を示す図
図8】実施の形態1の洗浄機により洗浄される蓋の別の例を示す図
図9図8に示した蓋の凸部の頂面に洗浄液が射出される様子を示す図
図10】実施の形態1の洗浄機により洗浄される蓋の更に別の例を示す図
図11図8に示した蓋の凸部の頂面及び側面に洗浄液が射出される様子を示す図
図12】実施の形態2に係る洗浄機の構成図
図13A】実施の形態2に係る洗浄機により洗浄される容器の構成図
図13B】実施の形態2に係る洗浄機により洗浄される容器の構成図
図14】実施の形態2に係る洗浄機の構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0010】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、図1~11を用いて、実施の形態1を説明する。実施の形態1に係る洗浄機は、主に飲料用の容器の蓋を洗浄するためのものである。
【0012】
[1-1.構成]
図1A及び図1Bは、実施の形態1に係る洗浄機により洗浄される容器の構成を示す。容器1は、容器本体2と、蓋3とを備える。図1Aは、蓋3が容器本体2に装着された状態を示し、図1Bは、蓋3が容器本体2から取り外された状態を示す。蓋3は、ねじ式の蓋であり、容器本体2の上部には、蓋3に設けられた溝と嵌合する溝4が設けられる。
【0013】
図2は、蓋3の内側の構成を示す。蓋3は、蓋3が容器本体2に装着される際に容器本体2の内部に挿入される凸部5と、蓋3の外側面を構成する縁6とを備える。凸部5の側面には、容器本体2の上部に設けられた溝4と嵌合する溝7が設けられる。
【0014】
図3は、実施の形態1に係る洗浄機の構成を示す。洗浄機10は、洗浄機本体11、保持部12、付勢部13、シール部14、ノズル15を備える。シール部14は、縁6が当接する位置までの長さに設定され、凸部5の側面9とは、隙間を設けている。また、シール部14は、ゴム等の柔軟性を有した物を用いると、洗浄液等の漏れを無くすことができる。更に、蓋3の外径とノズル15の外径とは、ほぼ同じ程度で構成されている。
【0015】
ノズル15は、洗浄機本体11にセットされた蓋3の内側に洗浄液を射出する。ノズル15の上部には、複数のノズル孔16a、16bが設けられる。シール部14は、蓋3の内側に射出された洗浄液が蓋3と洗浄機本体11との間から漏れないようにシールする。保持部12は、蓋3の縁6の下端部がシール部14に接触するように保持する。これにより、洗浄液が蓋3の外側に漏れないようにすることができる。また、容器本体2の飲み口に触れる部分が洗浄機本体11と接触しないようにすることができるので、洗浄機10の衛生面を保つことができる。また、蓋3の外側を濡らさずに蓋3の内側を洗浄することができる。容器1を使用した後に容器本体2と蓋3を洗浄して容器1を再利用する場合などにおいて、特許文献1に記載された食器洗浄機により蓋3を洗浄する場合は、蓋3の外側にも洗浄水が付着するので、蓋3の外側に付着した洗浄水を乾燥させたり拭き取ったりする工程が必要となる。本実施の形態の洗浄機10によれば、蓋3の内側のみを洗浄することができるので、蓋3の外側に付着した洗浄液を乾燥させたり拭き取ったりする工程を省略することができる。また、保持部12には、誘い傾斜面12aと保持傾斜面12bとが具備され、蓋3の側面3aに保持傾斜面12bと同じ角度の傾斜面を設けている。これにより、蓋3を洗浄機本体11に取り付ける際に、誘い傾斜面12aに蓋3の外周が入ると、付勢部13を押し広げ、円滑に動作させることができ、蓋3の縁6がシール部14に接した際には、蓋3の側面3aと保持傾斜面12bとが、しっかり接する。これにより、洗浄の効率を向上させることができる。
【0016】
付勢部13は、ばねなどの弾性体で構成されており、保持部12が蓋3を外側から環囲するように付勢する。これにより、洗浄液が蓋3の内側に当たったときに、蓋3が吹き飛ばされないように保持することができる。
【0017】
なお、蓋3が十分な重さを有していて洗浄中も自重でシール部14に接触し続けることが可能である場合は、蓋3の外側を保持しなくてもよい。この場合、シール部14が保持部としても機能する。
【0018】
図4は、実施の形態1に係る洗浄機の別の例の構成を示す。本図に示す洗浄機10は、図3に示した洗浄機10の構成に加えて、押さえ付け治具17を更に備える。その他の構成は、図3に示した洗浄機10と同様であり、一部の図示を省略している。押さえ付け治具17は、蓋3が洗浄機本体11に保持されているときに、蓋3を上方からシール部14に押さえ付ける。これにより、より確実に洗浄液が蓋3の外側に漏れないようにすることができる。また、洗浄液が蓋3に当たったときに、蓋3が吹き飛ばされないように保持することができる。
【0019】
図5は、蓋3の凸部5の頂面に洗浄液が射出される様子を示す。配管18から供給される洗浄液は、図中矢印で示すように、ノズル15の上部の中央付近に設けられたノズル孔16bから、蓋3の凸部5の頂面8の中央付近に向けて射出される。頂面8の中央付近に当たった洗浄液は、図中矢印で示すように、頂面8に沿って放射状に広がる。洗浄液は、頂面8の周縁付近まで到達するような液圧及び液量でノズル孔16bから射出される。これにより、容器の内容物に触れて汚れやすい凸部5の頂面8を効率良く洗浄することができる。
【0020】
ノズル孔16bから洗浄液が射出されるとき、図中点線矢印で示すように、水流の反力により、ノズル15と配管18との間に設けられたノズルシール部19にノズル15が押し付けられる。これにより、配管18とノズル15との間から洗浄液が漏れるのを防ぐことができる。
【0021】
図6は、蓋3の凸部5の側面に洗浄液が射出される様子を示す。配管18から供給される洗浄液は、図中矢印で示すように、ノズル15の上部の端部付近に設けられたノズル孔16aから、蓋3の凸部5の側面9の下端付近に向けて射出される。側面9の下端付近に当たった洗浄液の少なくとも一部は側面9に沿って上方に流れ、蓋3の頂面の内側から縁6の内側に沿って流れる。洗浄液は、側面9の上端付近まで到達するような液圧及び液量でノズル孔16aから射出される。側面9の洗浄液が当たった位置よりも下方は、洗浄液が側面9に沿って落下する際に洗浄される。これにより、側面9の全体と、狭くて洗浄が難しい側面9と縁6との間の隙間とを効率良く洗浄することができる。また、この洗浄作用の際、シール部14は縁6と当接する位置までの長さに設定しているので、側面9と縁6との間の洗浄を防げることはない。
【0022】
図7は、洗浄液の射出方向とノズルの回転方向との関係を示す。図中矢印で示すように、ノズル孔16aから洗浄液が射出されるとき、図中点線矢印で示すように、水流の反力がノズル15に加わる。ノズル15が鉛直軸の周りに回転可能に配管18に軸支されている場合、水流の反力によりノズル15が回転する。本図の例では、ノズル15が反時計回りに回転する。これにより、ノズル孔を多数設けなくても、側面9の全体を効率良く洗浄することができる。また、側面9に付着した汚れを、鉛直方向だけでなく水平方向にも剥離することができるので、洗浄効率を向上させることができる。
【0023】
ノズル15から射出された洗浄液が蓋3の側面9に当たることにより蓋3に働く力により、蓋3が鉛直軸の周りに回転可能に設けられてもよい。ノズル15又は蓋3を電気的な駆動力により鉛直軸の周りに回転させるための回転駆動部が設けられてもよい。また、蓋3の外径とノズル15の外径とをほぼ同じ寸法にしているので、ノズル孔16aから蓋3の内面への洗浄向きが上方向に対して、極端に角度をつける必要が無く、円滑な洗浄ができ、結果として洗浄性が向上する。
【0024】
図8は、実施の形態1の洗浄機10により洗浄される蓋3の別の例を示す。本図に示す蓋3は、図2に示した蓋3の構成に加えて、蓋3が容器本体2に装着される際に容器本体2の内部と蓋3との間をシールするためのパッキン30を備える。
【0025】
図9は、図8に示した蓋3の凸部5の頂面8に洗浄液が射出される様子を示す。洗浄液は、図中矢印で示すように、ノズル15の上部の中央付近に設けられたノズル孔16bから、蓋3の凸部5の頂面8の中央付近に向けて射出される。頂面8の中央付近に当たった洗浄液は、図中矢印で示すように、頂面8に沿って放射状に広がる。洗浄液は、パッキン30に到達するような液圧及び液量でノズル孔16bから射出される。これにより、パッキン30を取り外さなくても、パッキン30を効率良く洗浄することができる。本図に示すように、パッキン30と頂面8との間に隙間31が存在する場合は、洗浄液は、隙間31に入り込むような液圧及び液量でノズル孔16bから射出される。これにより、パッキン30と頂面8との間の隙間31も効率良く洗浄することができる。
【0026】
図10は、実施の形態1の洗浄機10により洗浄される蓋3の更に別の例を示す。図2に示した蓋3は、凸部5の高さが縁6の高さよりも高く、凸部5が縁6から突出していたが、本図に示す蓋3は、凸部5の高さが縁6の高さよりも低く、凸部5が縁6から突出していない。
【0027】
図11は、図10に示した蓋3の凸部5の頂面8及び側面9に洗浄液が射出される様子を示す。図10に示した蓋3も、図2に示した蓋3と同様に、洗浄機10により洗浄することができる。
【0028】
[1-2.動作]
以上のように構成された洗浄機10について、以下その動作、作用を説明する。
【0029】
使用者は、洗浄対象の蓋3を保持部12にセットする。保持部12は、付勢部13により付勢され、蓋3の縁6の外側面を環囲して固定する。洗浄機10は、図示しないポンプなどを駆動して洗浄液をノズル孔16a、16bから蓋3の頂面8及び側面9に射出し、蓋3の内側を洗浄する。所定時間又は所定量の洗浄液が射出されると、洗浄機10はポンプを停止させる。蓋3の内部の洗浄液が外部に排出されると、使用者は、保持部12から蓋3を取り外す。
【0030】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、洗浄機10は、洗浄機本体11と、洗浄機本体11に保持された容器1の蓋3の内側に洗浄液を射出するためのノズル15と、蓋3の内側に射出された洗浄液が蓋3と洗浄機本体11との間から漏れないようにシールするためのシール部14と、蓋3がシール部14に接触するように保持するための保持部12と、を備える。これにより、洗浄液が蓋3の外側に漏れないようにすることができる。また、容器本体2の飲み口に触れる部分が洗浄機本体11と接触しないようにすることができるので、洗浄機10の衛生面を保つことができる。また、蓋3の外側を濡らさずに蓋3の内側を洗浄することができる。
【0031】
また、本実施の形態において、ノズル15は、蓋3が容器本体2に装着される際に容器本体2の内部に挿入される凸部5に洗浄液を射出する。これにより、凸部5を効率良く洗浄することができる。
【0032】
また、本実施の形態において、ノズル15は、凸部5の頂面8に洗浄液を射出する。これにより、凸部5の頂面8を効率良く洗浄することができる。
【0033】
また、本実施の形態において、ノズル15は、凸部5の側面9に洗浄液を射出する。これにより、凸部5の側面9や、側面9と縁6との間の隙間を効率良く洗浄することができる。
【0034】
また、本実施の形態において、ノズル15は、鉛直軸の周りに回転可能に設けられる。これにより、洗浄機10の構成を簡略化することができる。また、洗浄効率を向上させることができる。
【0035】
また、本実施の形態において、ノズル15は、凸部5の側面9に洗浄液を射出する際にノズル15に働く力により、鉛直軸の周りに回転可能に設けられる。これにより、洗浄機10の構成を更に簡略化することができる。
【0036】
また、本実施の形態において、ノズル15は、蓋3が容器本体2に装着される際に容器本体2の内部と蓋3との間をシールするためのパッキン30に洗浄液を射出する。これにより、パッキン30を効率良く洗浄することができる。
【0037】
(実施の形態2)
以下、図12~14を用いて、実施の形態2を説明する。実施の形態2に係る洗浄機は、容器本体2と蓋3の双方を洗浄するためのものである。
【0038】
[2-1.構成]
図12は、実施の形態2に係る洗浄機10の構成を示す。実施の形態2に係る洗浄機10は、図3に示した実施の形態1に係る洗浄機10の構成に加えて、容器本体2を洗浄するための構成を更に備える。これにより、容器1の蓋3と容器本体2とを同時に洗浄することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。蓋3を洗浄するための構成は、実施の形態1に係る洗浄機10と同様である。実施の形態1に係る洗浄機10と異なる構成について主に説明する。
【0039】
洗浄機10は、容器本体保持部32、容器本体シール部34、容器本体用ノズル35、取っ手36、及びガイド37を備える。
【0040】
容器本体用ノズル35は、容器本体保持部32に保持された容器本体2の内部に洗浄液を射出する。容器本体用ノズル35の上部には、複数のノズル孔が設けられる。容器本体シール部34は、容器本体2の内部に射出された洗浄液が容器本体2と洗浄機本体11との間から漏れないようにシールする。容器本体保持部32は、容器本体2の外側面が容器本体シール部34に接触するように保持する。これにより、洗浄液が容器本体2の外側に漏れないようにすることができる。また、容器本体2の飲み口が洗浄機本体11と接触しないようにすることができるので、洗浄機10の衛生面を保つことができる。また、容器本体2の飲み口付近以外の外側を濡らさずに容器本体2の内部を洗浄することができる。これにより、上述したように、容器1を使用した後に容器本体2と蓋3を洗浄して容器1を再利用する場合などにおいて、容器本体2の外側に付着した洗浄液を乾燥させたり拭き取ったりする工程を省略することができるので、洗浄の効率を向上させることができる。
【0041】
容器本体保持部32は、容器本体2の開口部が容器本体2の底面よりも低くなるように容器本体2を保持する。これにより、容器本体2の内部に射出された洗浄液を重力により容器本体2の外部に排出することができる。図12の例では、容器本体保持部32は、容器本体2を倒立した状態で保持する。容器本体保持部32は、容器本体2を傾斜した状態で保持してもよい。
【0042】
容器本体保持部32は、ガイド37に沿って昇降可能に設けられる。使用者は、容器本体保持部32に取り付けられた取っ手36を把持して、容器本体保持部32を上下に移動させることができる。容器本体保持部32をガイド37に沿って自動的に昇降させる構成が設けられてもよい。
【0043】
容器本体用ノズル35から射出された洗浄液は、容器本体2の内側面に当たった後、容器本体2の内側面に沿って上方に流れる。洗浄液は、容器本体2の内底面付近まで到達するような液圧及び液量でノズル孔から射出される。
【0044】
容器本体用ノズル35からノズル15より多くの洗浄液が射出されるように、洗浄機10が構成される。共通の配管18から容器本体用ノズル35及びノズル15に洗浄液が供給される場合は、配管18から容器本体用ノズル35のノズル孔までの洗浄液の流路の内径は、配管18からノズル15のノズル孔16a、16bまでの洗浄液の流路の内径よりも大きくなるように構成される。これにより、容器本体2に蓋3より多くの洗浄液を供給することができるので、洗浄効率を向上させることができる。容器本体2は、蓋3より多く汚れており、同一洗浄性能であると容器本体2の洗浄は蓋3の洗浄より時間がかかるが、容器本体2の洗浄効率を蓋3の洗浄効率より高めているので、ほぼ同じ時間に容器本体2と蓋3の洗浄を終えることになり、結果として洗浄完了時間を早めることができる。
【0045】
容器本体用ノズル35は、鉛直軸の周りに回転可能に設けられる。洗浄機10は、容器本体用ノズル35から射出される直線状の洗浄液の流れにより容器本体2の内部を洗浄するので、容器本体2の内側面及び内底面の全体を洗浄するために、容器本体用ノズル35を回転させる。容器本体2は、容器本体用ノズル35から射出された洗浄液が容器本体2の内側面に当たることにより容器本体2に働く力により、鉛直軸の周りに回転可能に設けられてもよい。容器本体用ノズル35又は容器本体2を電気的な駆動力により鉛直軸の周りに回転させるための回転駆動部が設けられてもよい。
【0046】
図13A及び図13Bは、実施の形態2に係る洗浄機10により洗浄される容器1の構成を示す。容器1は、容器本体2と、蓋3とを備える。図13Aは、蓋3が容器本体2に装着された状態を示し、図13Bは、蓋3が容器本体2から取り外された状態を示す。
【0047】
容器本体2は、上部の方が下部よりも外径が大きい形状2aを有する。洗浄機10の容器本体保持部32の内径は、容器本体2の側面部の保持位置より下方(図12では上方)の外径よりも大きく、保持位置より上方(図12では下方)の外径よりも小さい。洗浄液が容器本体2の内部に射出されるとき、洗浄液が容器本体2の内底面に当たることにより、図12において上向きの力が容器本体2に作用するが、保持位置より上方における容器本体2の下部より外径の大きい形状2aが容器本体保持部32の内径より大きいので、図12において上方向に容器本体2が移動しないように抑えられる。これにより、洗浄中に容器本体2が容器本体シール部34から離れないように保持されるので、容器本体2洗浄機本体11との間から洗浄水が漏れないようにすることができる。なお、図14に示すように、蓋3と同様に、容器本体2の外径の大きい形状2aに対して、誘い傾斜面38a、保持傾斜面38bを形成した。容器本体保持部38と付勢部39とを用いて、容器本体2を保持する構成にすると、操作性が良くなり、洗浄の効率を向上させることができる。
【0048】
容器本体2は、飲み口の下部の方が飲み口付近よりも外径が大きい形状を有する。容器本体シール部34は、容器本体2の飲み口の下部と洗浄機本体11との間をシールするように設けられる。これにより、図12において、容器本体2の自重を利用しつつ、容器本体2を下方に押し付けることにより容器本体2と洗浄機本体11との間をシールすることができるので、より確実かつ容易に容器本体2と洗浄機本体11との間をシールすることができる。また、飲み口の外側にも洗浄液が当たるようにすることができるので、飲み口の内側と外側の双方を洗浄することができる。したがって、容器1が複数回使用されたり、複数の使用者により共有されたりする場合であっても、不衛生にならないようにすることができる。また、単一の使用者により専用される容器1を、複数の使用者により共用される洗浄機10で洗浄する場合であっても、飲み口が洗浄機10に触れることなく容器1を洗浄することができるので、より衛生が担保される。
【0049】
[2-2.動作]
以上のように構成された洗浄機10について、以下その動作、作用を説明する。
【0050】
使用者は、洗浄対象の蓋3を保持部12にセットする。保持部12は、付勢部13により付勢され、蓋3の縁6の外側面を環囲して固定する。使用者は、洗浄対象の容器本体2を容器本体保持部32にセットする。使用者は、取っ手36を把持し、容器本体2を下方に移動させて、容器本体2を容器本体シール部34に押し付ける。洗浄機10は、図示しないポンプなどを駆動して洗浄液をノズル15から蓋3の頂面8及び側面9に射出し、蓋3の内側を洗浄するとともに、洗浄液を容器本体用ノズル35から容器本体2の内部に射出し、容器本体2の内部を洗浄する。所定時間又は所定量の洗浄液が射出されると、洗浄機10はポンプを停止させる。蓋3及び容器本体2の内部の洗浄液が外部に排出されると、使用者は、保持部12から蓋3及び容器本体2を取り外す。
【0051】
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、洗浄機10は、洗浄機本体11に保持された容器本体2の内部に洗浄液を射出するための容器本体用ノズル35と、容器本体2の内部に射出された洗浄液が容器本体2と洗浄機本体11との間から漏れないようにシールするための容器本体シール部34と、容器本体2が容器本体シール部34に接触するように保持するための容器本体保持部32と、を更に備える。これにより、容器1の蓋3と容器本体2とを同時に洗浄することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0052】
また、本実施の形態において、容器本体用ノズル35からノズル15より多くの洗浄液が射出されるように構成される。これにより、容器本体2により多くの洗浄液を射出することができるので、容器本体2の洗浄効率を向上させることができ、容器本体2と蓋3の洗浄時間を合わせることができるので、結果として洗浄時間を短くすることができる。
【0053】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1~2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0054】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0055】
実施の形態1及び2では、飲料用の容器の蓋を洗浄する例について主に説明したが、本実施の形態の技術は、任意の用途の容器の蓋を洗浄する場合に適用可能である。
【0056】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、容器の蓋などを洗浄するための洗浄機に利用可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 容器
2 容器本体
2a 外径の大きい形状
3 蓋
3a 蓋側面
4 溝
5 凸部
6 縁
7 溝
8 頂面
9 側面
10 洗浄機
11 洗浄機本体
12 保持部
12a 誘い傾斜面
12b 保持傾斜面
13 付勢部
14 シール部
15 ノズル
16a ノズル孔
16b ノズル孔
17 押さえ付け治具
18 配管
19 ノズルシール部
30 パッキン
31 隙間
32 容器本体保持部
34 容器本体シール部
35 容器本体用ノズル
36 取っ手
37 ガイド
38a 誘い傾斜面
38b 保持傾斜面
39 付勢部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14