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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055082
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/28 20060101AFI20230410BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20230410BHJP
   A47L 15/14 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
B08B9/28
B08B3/02 A
A47L15/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164198
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】高市 翔太
(72)【発明者】
【氏名】菊川 智之
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA21
3B116AA23
3B116AB03
3B116AB42
3B116BB21
3B116BB62
3B116BB82
3B116CA01
3B116CC01
3B116CD43
3B201AA21
3B201AA23
3B201AB03
3B201AB42
3B201BB21
3B201BB62
3B201BB82
3B201CA01
3B201CB12
3B201CC01
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】容器などの洗浄の効率を向上させる。
【解決手段】洗浄機10は、被洗浄物を洗浄するための洗浄室11と、洗浄室11に供給される液体を貯留するための洗浄液タンク15と、洗浄室11に液体を供給するためのポンプ18と、洗浄液タンク15に貯留された液体の洗浄室11への供給の有無又は量と、洗浄液タンク15を介さずに洗浄室11に供給される液体の洗浄室11への供給の有無又は量を調整するための調整部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄するための洗浄室と、
前記洗浄室に供給される液体を貯留するためのタンクと、
前記洗浄室に液体を供給するためのポンプと、
前記タンクに貯留された液体の前記洗浄室への供給の有無又は量と、前記タンクを介さずに前記洗浄室に供給される液体の前記洗浄室への供給の有無又は量を調整するための調整部と、
を備える
洗浄機。
【請求項2】
前記調整部は、前記洗浄室から流出する液体の排水の有無又は量と、前記洗浄室から流出する液体の前記タンクへの流入の有無又は量を調整する
請求項1に記載の洗浄機。
【請求項3】
前記被洗浄物を洗浄する前に、洗剤を含む洗浄液が前記タンクに所定量以上貯留される
請求項1又は2に記載の洗浄機。
【請求項4】
前記タンクに貯留された液体を加熱するためのヒータを更に備え、
前記被洗浄物を洗浄する前に、前記洗浄液が前記ヒータにより加熱される
請求項3に記載の洗浄機。
【請求項5】
前記被洗浄物を洗浄する工程において、前記タンクに貯留された液体が前記洗浄室に供給され、前記洗浄室から流出する液体の少なくとも一部が前記タンクに戻される
請求項1から4のいずれかに記載の洗浄機。
【請求項6】
前記タンクの上部にオーバーフロー孔が設けられ、前記オーバーフロー孔から流出する液体が排水される
請求項5に記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器などの被洗浄物を洗浄するための洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料用などの容器などを洗浄するための食器洗浄機として、特許文献1には、筐体内に設けた洗浄槽、洗浄槽内に収容されて食器類が収納される食器かご、洗浄槽内の洗浄水を食器類に噴射する噴射ノズル、噴射ノズルに洗浄水を供給する洗浄ポンプ、及び洗浄槽内の洗浄水を排水路により筐体外に排出する排水ポンプを備える食器洗浄機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-334017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、洗浄の効率をより向上させることを課題として認識し、本開示の技術に想到した。
【0005】
本開示は、被洗浄物の洗浄の効率を向上させるための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における洗浄機は、被洗浄物を洗浄するための洗浄室と、洗浄室に供給される液体を貯留するためのタンクと、洗浄室に液体を供給するためのポンプと、タンクに貯留された液体の洗浄室への供給の有無又は量と、タンクを介さずに洗浄室に供給される液体の洗浄室への供給の有無又は量を調整するための調整部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、被洗浄物の洗浄の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】実施の形態1に係る洗浄機により洗浄される容器の構成図
図1B】実施の形態1に係る洗浄機により洗浄される容器の構成図
図2】実施の形態1に係る洗浄機の構成図
図3A】洗浄機における液体の流れを模式的に示す図
図3B】洗浄機における液体の流れを模式的に示す図
図4】実施の形態1に係る洗浄方法の手順を示すフローチャート
図5A図4のS11における液体の流れを示す図
図5B図4のS11の詳細な手順を示すフローチャート
図6A図4のS21における液体の流れを示す図
図6B図4のS21の詳細な手順を示すフローチャート
図7A図4のS30における液体の流れを示す図
図7B図4のS30の詳細な手順を示すフローチャート
図8A図4のS40における液体の流れを示す図
図8B図4のS40の詳細な手順を示すフローチャート
図9A図4のS50における液体の流れを示す図
図9B図4のS50の詳細な手順を示すフローチャート
図10A図4のS70における液体の流れを示す図
図10B図4のS70の詳細な手順を示すフローチャート
図11】洗浄液タンクに貯留された洗浄液を加熱する手順を示すフローチャート
図12】他の実施の形態に係る洗浄機の構成図
図13】他の実施の形態に係る洗浄機の構成図
図14】他の実施の形態に係る洗浄機の構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0010】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、図1~14を用いて、実施の形態1を説明する。実施の形態1に係る洗浄機は、主に飲料用の容器の本体及び蓋を洗浄するためのものである。
【0012】
[1-1.構成]
図1A及び図1Bは、実施の形態1に係る洗浄機により洗浄される容器の構成を示す。容器1は、容器本体2と、蓋3とを備える。図1Aは、蓋3が容器本体2に装着された状態を示し、図1Bは、蓋3が容器本体2から取り外された状態を示す。
【0013】
図2は、実施の形態1に係る洗浄機の構成を示す。洗浄機10は、洗浄室11、ノズル12a、12b、すすぎ水タンク13、洗剤液タンク14、洗浄液タンク15、ヒータ17、及びポンプ18を備える。
【0014】
被洗浄物である容器本体2と蓋3を洗浄するための洗浄室11の内部に、蓋3に洗浄液を射出するノズル12aと、容器本体2に洗浄液を射出するノズル12bが設けられる。すすぎ水タンク13は、上水道から供給される水をすすぎ水として貯留する。洗剤液タンク14は、上水道から供給される水と洗剤を混合した洗剤液を貯留する。洗浄液タンク15は、洗浄室11に供給される洗浄液を貯留する。ヒータ17は、洗浄液タンク15に貯留された洗浄液を加熱する。ポンプ18は、洗浄液タンク15に貯留された洗浄液、又はすすぎ水タンク13に貯留されたすすぎ水を洗浄室11に供給する。すすぎ水は、ノズル12aとノズル12bにつながる配管に直接供給され、水道圧により容器本体2と蓋3を直接予洗い・すすぐ構成でもよい。この場合、洗浄機10は、すすぎ水タンク13に代えて、上水道への逆流を防ぐための逆止弁などを備える。
【0015】
被洗浄物の洗浄を開始する前に、洗剤を含む洗浄液が洗浄液タンク15に所定量以上貯留され、ヒータ17により所定温度に加温される。これにより、洗浄工程において使用される洗浄液を予め所定の温度に高めて準備しておくことができるので、速やかに洗浄工程を開始することができる。
【0016】
洗浄室11への液体の供給と、洗浄室11から流出する液体の排水又は循環を制御するために、複数の弁が設けられる。複数の弁の開閉は、図示しない制御部により制御される。複数の弁と制御部は、洗浄液タンク15に貯留された洗浄液の洗浄室11への供給の有無又は量と、洗浄液タンク15を介さずに洗浄室11に供給されるすすぎ水の洗浄室11への供給の有無又は量を調整するための調整部として機能する。
【0017】
すすぎ水流入弁20は、上水道とすすぎ水タンク13の間の流路に設けられる。洗剤液流入弁21は、上水道と洗剤液タンク14の間の流路に設けられ、洗剤投入部(図示されていない)からの洗剤量と給水量とで、所定の濃度の洗剤液が作られる。すすぎ水流出弁22は、すすぎ水タンク13とポンプ18の間の流路に設けられる。洗剤液流出弁23は、洗剤液タンク14と洗浄液タンク15の間の流路に設けられる。循環弁24は、洗浄液タンク15とポンプ18の間の流路に設けられる。洗浄用弁25は、洗浄室11と洗浄液タンク15の間の流路に設けられる。すすぎ用弁26は、洗浄室11と排水管の間の流路に設けられる。排水弁27は、洗浄液タンク15と排水管の間の流路に設けられる。
【0018】
図3A図3Bとは、洗浄機10における液体の流れを模式的に示しており、違いは調整部を介して洗浄液タンク15への洗浄後の洗浄液の戻りが有るか無いかである。すなわち、洗浄用弁25を常に閉じているのは、図3Aと同様構成で、洗浄液を洗浄液タンクに戻したいタイミングで洗浄用弁25を開いているのが、図3Bと同様構成である。
【0019】
また、図3A図3Bでは、長所、短所が大きく異なる。図3Aでは、洗浄後の洗浄液の戻りが無いため、複数の被洗浄物を洗浄しても、洗浄液タンク15内の洗浄液が、汚れたりして、洗浄性低下することが全く無い長所がある。
【0020】
一方、図3Bでは、洗浄後の洗浄液が、洗浄液タンク15に戻り、洗浄液が汚れる短所があるが、洗浄液を戻して、再利用することで図3Aに比べて大幅に洗浄液の使用量を減らすことができ、また、洗浄液を所定の温度にするためのヒータ17の電気容量を大幅に減らすことができる。
【0021】
また、洗浄液は被洗浄物を洗浄したり洗浄室11内に入ることで、熱が取られ、温度低下し、洗浄性が下がるが、洗浄液タンク15に戻すことで所定の温度に簡単に復帰できるので、上述した熱とられ問題が無くなる。もちろん、戻した洗浄液で、洗浄液タンク15の洗浄液の洗浄性は低下するが、被洗浄物の洗浄毎に、洗剤液タンク14から洗剤液流出弁23を介して、新しい洗浄液を追加すれば、戻した洗浄液で、低下した洗浄性を補うことができる。
【0022】
また、洗浄用弁25の開閉のし方だけで、長所、短所の異なる図3A図3Bとの構成を使い分けることができるので、本実施の形態の利点である。
【0023】
なお、図3A図3Bにて、調整部と示しているのは、すすぎ水流出弁22、循環弁24、洗浄用弁25、すすぎ用弁26を一括して示しており、単純に開閉する弁をそれぞれ使用する方法以外に、3方弁等の流路切替え弁を用い、すすぎ水流出弁22と循環弁24を1つの3方弁に変更したり、洗浄用弁25とすすぎ用弁26を1つの3方弁に変更しても良い。
【0024】
[1-2.動作]
以上のように構成された洗浄機10について、以下その動作、作用を説明する。
【0025】
図4は、実施の形態1に係る洗浄方法の手順を示すフローチャートである。洗浄機10の制御部は、すすぎ水タンク13に所定量以上のすすぎ水が準備済みであるか確認する(S10)。準備済みでない場合は(S10のN)、すすぎ水タンク13のすすぎ水を準備する(S11)。準備済みである場合は(S10のY)、制御部は、洗浄液タンク15に所定量以上の洗浄液が準備済みであるか確認する(S20)。準備済みでない場合は(S20のN)、洗浄液タンク15の洗浄液を準備する(S21)。準備済みである場合は(S20のY)、予洗い工程(S30)、洗浄工程(S40)、すすぎ工程(S50)を実行する。以上で、容器本体2と蓋3の洗浄の1サイクルを終了する。次の容器本体2と蓋3を洗浄する場合は(S60のY)、S10に戻る。この先全く洗浄しない場合は(S60のN)、洗浄液タンク15に貯留された洗浄液を排水する(S70)。
【0026】
図5Aは、図4のS11における液体の流れを示す。図5Bは、図4のS11の詳細な手順を示すフローチャートである。制御部が、すすぎ水流出弁22を閉じた状態で(S110)、すすぎ水流入弁20を開くと(S111)、図5Aに示すように、水道水がすすぎ水タンク13に供給される。すすぎ水タンク13に水道水が所定量貯留されると(S112)、制御部は、すすぎ水流入弁20を閉じる(S113)。以上で、S11を終了する。
【0027】
図6Aは、図4のS21における液体の流れを示す。図6Bは、図4のS21の詳細な手順を示すフローチャートである。制御部が、洗剤液流出弁23を閉じた状態で(S210)、洗剤液タンク14に所定量の洗剤を投入し(S211)、洗剤液流入弁21を開くと(S212)、図6Aに示すように、水道水が洗剤液タンク14に供給される。洗剤液タンク14に水道水が所定量貯留されると(S213)、洗剤濃度が所定の値になる。所定濃度になると、洗剤液流入弁21を閉じる(S214)。次に洗剤液流出弁23を開き(S215)、洗浄液タンク15に洗浄液が所定量貯留されると(S216)、制御部は洗剤液流出弁23を閉じる(S217)。以上で、S21を終了する。
【0028】
図7Aは、図4のS30における液体の流れを示す。図7Bは、図4のS30の詳細な手順を示すフローチャートである。制御部が、すすぎ水流出弁22とすすぎ用弁26を開き(S300)、ポンプ18をオンにすると(S301)、図7Aに示すように、すすぎ水タンク13に貯留されていたすすぎ水がノズル12a及び12bから蓋3及び容器本体2に射出される。洗浄室11から流出するすすぎ水は排水管から排水される。所定時間が経過すると(S302)、制御部は、ポンプ18をオフにして(S303)、すすぎ水流出弁22とすすぎ用弁26を閉じる(S304)。以上で、S30の予洗い工程を終了する。
【0029】
図8Aは、図4のS40における液体の流れを示す。図8Bは、図4のS40の詳細な手順を示すフローチャートである。制御部が、循環弁24と洗浄用弁25を開き(S400)、ポンプ18をオンにすると(S401)、図8Aに示すように、洗浄液タンク15に貯留されていた洗浄液がノズル12a及び12bから蓋3及び容器本体2に射出される。洗浄室11から流出する洗浄液は、洗浄液タンク15に戻される。容器本体2及び蓋3から除去された汚れは、洗浄液タンク15において洗浄液の上部に浮上し、オーバーフロー孔16から排水される。所定時間が経過すると(S402)、制御部は、ポンプ18をオフにして(S403)、循環弁24と洗浄用弁25を閉じる(S404)。以上で、S40の洗浄工程を終了する。洗浄工程において、洗浄液を循環させて使用するので、洗浄液の使用量を低減させることができる。
【0030】
図9Aは、図4のS50における液体の流れを示す。図9Bは、図4のS50の詳細な手順を示すフローチャートである。制御部が、すすぎ水流出弁22とすすぎ用弁26を開き(S500)、ポンプ18をオンにすると(S501)、図9Aに示すように、すすぎ水タンク13に貯留されていたすすぎ水がノズル12a及び12bから蓋3及び容器本体2に射出される。洗浄室11から流出する洗浄液は排水管から排水される。所定時間が経過すると(S502)、制御部は、ポンプ18をオフにして(S503)、すすぎ水流出弁22とすすぎ用弁26を閉じる(S504)。以上で、S50のすすぎ工程を終了する。
【0031】
図10Aは、図4のS70における液体の流れを示す。図10Bは、図4のS70の詳細な手順を示すフローチャートである。制御部が、排水弁27を開くと(S700)、図10Aに示すように、洗浄液タンク15内の洗浄液が排水管から排水される。洗浄液タンク15内の洗浄液が排水されると(S701)、制御部は、排水弁27を閉じる(S702)。以上で、S70を終了する。
【0032】
図11は、洗浄液タンク15に貯留された洗浄液を加熱する手順を示すフローチャートである。この手順は、洗浄液タンク15に洗浄液が供給されたときなどの任意のタイミングで、上述の手順と並行して実行される。制御部は、ヒータ17をオンにして洗浄液タンク15内の洗浄液を加熱する(S800)。洗浄液の温度が所定温度以上になるまでは(S801のN)、制御部は、ヒータ17をオンのまま維持する。洗浄液の温度が所定温度以上になると(S801のY)、制御部は、ヒータ17をオフにする(S802)。
【0033】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、洗浄機10は、被洗浄物を洗浄するための洗浄室11と、洗浄室11に供給される液体を貯留するための洗浄液タンク15と、洗浄室11に液体を供給するためのポンプ18と、洗浄液タンク15に貯留された液体の洗浄室11への供給の有無又は量と、洗浄液タンク15を介さずに洗浄室11に供給される液体の洗浄室11への供給の有無又は量を調整するための調整部と、を備える。これにより、洗浄室11への液体の供給を適切に調整することができるので、洗浄の効率を向上させることができる。また、洗浄後の洗浄液を洗浄液タンク15に戻さないようにして洗浄液の汚れによる洗浄性能の低下を抑える構成や、洗浄後の洗浄液を洗浄液タンク15に戻して再利用することにより洗浄液の使用量を低減させる構成などを、調整部により使い分けることができる。
【0034】
また、本実施の形態において、調整部は、洗浄室11から流出する液体の排水の有無又は量と、洗浄室11から流出する液体の洗浄液タンク15への流入の有無又は量を調整する。これにより、洗浄液の使用量を低減させることができる。
【0035】
また、本実施の形態において、被洗浄物を洗浄する前に、洗剤を含む洗浄液が洗浄液タンク15に所定量以上貯留される。これにより、速やかに洗浄を開始することができるので、洗浄の効率を向上させることができる。
【0036】
また、本実施の形態において、洗浄機10は、洗浄液タンク15に貯留された液体を加熱するためのヒータ17を更に備え、被洗浄物を洗浄する前に、洗浄液がヒータ17により加熱される。これにより、速やかに洗浄を開始することができるので、洗浄の効率を向上させることができる。
【0037】
また、本実施の形態において、被洗浄物を洗浄する工程において、洗浄液タンク15に貯留された液体が洗浄室11に供給され、洗浄室11から流出する液体の少なくとも一部が洗浄液タンク15に戻される。これにより、洗浄液の使用量を低減させることができる。
【0038】
また、本実施の形態において、洗浄液タンク15の上部にオーバーフロー孔16が設けられ、オーバーフロー孔16から流出する液体が排水される。これにより、洗浄液の汚れを低減させることができる。
【0039】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0040】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0041】
実施の形態1では、洗浄工程においては洗浄室11から流出する液体を洗浄液タンク15に戻し、すすぎ工程においては洗浄室11から流出する液体を洗浄液タンク15に戻さずに排水した。これにより、洗浄液タンク15に貯留された洗浄液の洗剤濃度及び温度を保つことができるので、洗浄の効率を向上させることができる。別の例においては、すすぎ工程においても、洗浄室11から流出する液体の少なくとも一部を洗浄液タンク15に戻してもよい。また、洗浄工程において、洗浄室11から流出する液体の少なくとも一部を排水してもよい。
【0042】
実施の形態1では、洗浄工程においては洗浄室11から流出する液体を洗浄液タンク15に戻し、予洗い工程においては洗浄室11から流出する液体を洗浄液タンク15に戻さずに排水した。これにより、洗浄液タンク15に貯留された洗浄液の洗剤濃度及び温度を保つことができるので、洗浄の効率を向上させることができる。また、洗浄対象の容器本体2及び蓋3に付着していた汚れを洗浄液タンク15に戻さずに排水するので、循環させる洗浄液の汚れを低減させることができる。予洗い工程において汚れの多くを洗浄液とともに排水するので、洗浄工程において洗浄液の汚れを低減させることができる。別の例においては、予洗い工程においても、洗浄室11から流出する液体の少なくとも一部を洗浄液タンク15に流入させてもよい。更に別の例においては、予洗い工程は実行されなくてもよい。
【0043】
調整部は、洗浄液タンク15に貯留された洗浄液の洗浄室11への供給の有無又は量と、すすぎ水タンク13に貯留されたすすぎ水の洗浄室11への供給の有無又は量を動的に調整してもよい。また、調整部は、洗浄室11から流出する液体の排水の有無又は量と、洗浄室11から流出する液体の洗浄液タンク15への流入の有無又は量を動的に調整してもよい。調整部は、洗浄室11に供給される洗浄液の温度、洗剤濃度、量、洗浄室11に供給されるすすぎ水の温度、量、洗浄室11から流出する液体の温度、洗剤濃度、量、汚れ度合いなどに基づいて、洗浄室11に供給される洗浄液やすすぎ水の温度、洗剤濃度、量、洗浄室11から流出する液体の排水量、洗浄液タンク15への流入量などを調整してもよい。例えば、洗浄室11から流出する液体の汚れ度合いが大きい場合は、排水量を多くして、洗浄液タンク15への流入量を少なくし、汚れ度合いが小さい場合は、排水量を少なくして、洗浄液タンク15への流入量を多くしてもよい。また、洗浄室11から流出する液体の温度が所定温度より低い場合は、排水量を多くして、洗浄液タンク15への流入量を少なくし、温度が所定温度より高い場合は、排水量を少なくして、洗浄液タンク15への流入量を多くしてもよい。これにより、洗浄液の使用量を更に低減させることができる。
【0044】
図12は、図4のS21における液体の流れの別の例を示す。制御部が、すすぎ水流出弁22と洗浄用弁25を開き、ポンプ18をオンにすると、すすぎ水タンク13に貯留されていたすすぎ水が洗浄室11を経由して洗浄液タンク15に供給される。洗浄液タンク15に水道水が所定量貯留されると、制御部は、すすぎ水流出弁22と洗浄用弁25を閉じる。制御部は、洗剤液流出弁23を開いて、洗浄液タンク15内の洗浄液の洗剤濃度が所定値に達するまで洗剤液タンク14から洗浄液タンク15に洗剤液を供給する。洗浄液の洗剤濃度が所定値に達すると、制御部は、洗剤液流出弁23を閉じる。
【0045】
図6Aに示した例では、洗剤液タンク14において所定濃度の洗浄液を作成して洗浄液タンク15に直接流入させたが、本図の例では、洗浄室11を介して洗浄液タンク15にすすぎ水を流入させて洗浄液を作成する。これにより、洗剤液タンク14から濃度の高い洗剤液を洗浄液タンク15に供給することができるので、洗剤液タンク14の容量を小型化することができる。
【0046】
図13は、他の実施の形態に係る洗浄機の構成を示す。本図に示した洗浄機10は、図2に示した洗浄機10の構成に加えて、循環経路28、オーバーフロー弁29、及び排水弁30を備える。その他の構成は、図2に示した洗浄機10と同様である。
【0047】
予洗い工程及びすすぎ工程において、制御部が、すすぎ水流出弁22、すすぎ用弁26を開き、循環弁24、洗浄用弁25、排水弁27、オーバーフロー弁29、排水弁30を閉じて、ポンプ18をオンにすると、すすぎ水タンク13に貯留されていたすすぎ水がノズル12a及び12bから蓋3及び容器本体2に射出される。洗浄室11から流出するすすぎ水は循環経路28を通って循環される。所定時間が経過すると、制御部は、ポンプ18をオフにして、排水弁30を開き、循環させていたすすぎ水を排水する。これにより、使用水量を低減させることができる。また、すすぎ水を循環させているときにオーバーフロー孔16から洗浄液タンク15にすすぎ水が逆流するのを防ぐことができる。
【0048】
図14は、他の実施の形態に係る洗浄機の構成を示す。本図に示した洗浄機10は、図2に示した洗浄機10の構成に加えて、給水タンク31、排水タンク32、及びヒータ33を備える。その他の構成は、図2に示した洗浄機10と同様である。本開示は、洗浄液を洗浄液タンクに戻して再利用し、洗浄液の使用量を大幅に低減しており、使用水量が少ないという特徴があり、給水タンク31や排水タンク32を小さい構成にできる。また、図13で示した、すすぎ水の循環構成を組み合わせれば、さらに給水タンク31や排水タンク32を小型化にできる。
【0049】
給水タンク31は、すすぎ水タンク13及び洗剤液タンク14に供給する水を貯留する。排水タンク32は、予洗い工程、洗浄工程、すすぎ工程の後の排水を回収して貯留する。これにより、給排水設備がない場所にも洗浄機10を設置することが可能になる。また、すすぎ水タンク13にヒータ33を設けることにより、すすぎ水を温めることができ、すすぎ性能を向上させることができるので、すすぎ工程で試用する水の量を減らすことができる。
【0050】
本開示の洗浄機10は、すすぎ水や洗浄液を再利用することができるので、給水タンク31及び排水タンク32を小さくすることができる。予洗い工程を省略し、洗浄工程及びすすぎ工程だけにしてもよい。これにより、使用水量を更に減らすことができるので、給水タンク31及び排水タンク32を更に小さくすることができる。また、洗剤を使用しないことにより、すすぎ工程を省略してもよい。これにより、使用水量を更に減らすことができるので、給水タンク31及び排水タンク32を更に小さくすることができる。給水タンク31が、すすぎ水タンク13、洗剤液タンク14より下部に配置される場合は、すすぎ水流入弁20と洗剤液流入弁21をくみあげポンプとしてもよい。これにより、給水タンク31がすすぎ水タンク13、洗剤液タンク14より下部に配置されていても、給水タンク31から給水することができる。
【0051】
実施の形態1では、飲料用の容器を洗浄する例について主に説明したが、本実施の形態の技術は、任意の用途の容器を洗浄する場合に適用可能である。
【0052】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、容器などを洗浄するための洗浄機に利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 容器
2 容器本体
3 蓋
10 洗浄機
11 洗浄室
12a ノズル
12b ノズル
13 すすぎ水タンク
14 洗剤液タンク
15 洗浄液タンク
16 オーバーフロー孔
17 ヒータ
18 ポンプ
20 すすぎ水流入弁
21 洗剤液流入弁
22 すすぎ水流出弁
23 洗剤液流出弁
24 循環弁
25 洗浄用弁
26 すすぎ用弁
27 排水弁
28 循環経路
29 オーバーフロー弁
30 排水弁
31 給水タンク
32 排水タンク
33 ヒータ
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14