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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055096
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】静電容量式レベルスイッチ
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/26 20220101AFI20230410BHJP
【FI】
G01F23/26 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164220
(22)【出願日】2021-10-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】513322693
【氏名又は名称】メイク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】幸重 裕治
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AA12
2F014AB01
2F014AB02
2F014EA00
(57)【要約】
【課題】野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる静電容量式レベルスイッチを提供する。
【解決手段】軸線方向に開口する開口部2aを両端に有する筒状の樹脂製の外筐体2と、外筐体2の開口部2aのうち一方の開口部2aを塞ぐ蓋部材7と、一端を軸線方向に開口する開口部3cと、他端を閉じる底部3bとを有する筒状の内筐体3と、内筐体3の内部に位置し、静電容量値を検出するスイッチ本体部6と、内筐体3の底部3bにおける外側面に絶縁体を介して固定された測定電極4と、を有する。外筐体2は、一端がタンクTの壁面に固定され、他方の開口部2aがタンクTの壁面によって塞がれ、一方の開口部2aが蓋部材7によって覆われる。内筐体3は、測定電極4をタンクTの壁面に接触させた状態において外筐体2の内部に保持される。前記蓋部材7は、外筐体2の一方の開口部2a及び内筐体3の開口部3cを覆う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製容器内の内容物の有無を検出する静電容量式レベルスイッチであって、
軸線方向に開口する開口部を両端に有する筒状の樹脂製の外筐体と、
前記外筐体の開口部のうち一方の開口部を塞ぐ蓋部材と、
一端を軸線方向に開口する開口部と、他端を閉じる底部とを有する筒状の内筐体と、
前記内筐体の内部に位置し、静電容量値を検出するスイッチ本体部と、
前記内筐体の底部における外側面に絶縁体を介して固定された測定電極と、
を有し、
前記外筐体は、
一端が前記樹脂製容器の壁面に固定され、前記外筐体の開口部のうち他方の開口部が前記樹脂製容器の壁面によって塞がれ、内部に前記内筐体が位置する状態において一方の前記開口部が前記蓋部材によって覆われ、
前記内筐体は、
前記測定電極を前記樹脂製容器の壁面に接触させた状態において前記外筐体の内部に保持され、
前記蓋部材は、
前記外筐体の一方の開口部及び前記内筐体の開口部を覆う、
静電容量式レベルスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載の静電容量式レベルスイッチであって、
前記外筐体の内周面と前記内筐体の外周面との間の少なくとも一部には、空気を貯留する空間を有する、
静電容量式レベルスイッチ。
【請求項3】
請求項1また2に記載の静電容量式レベルスイッチであって、
前記内筐体は、
電気的に接地され、且つ前記絶縁体を介して前記測定電極と対向して位置するシールド部材を有する、
静電容量式レベルスイッチ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の静電容量式レベルスイッチであって、
前記外筐体は、
電気的に接地され、且つ前記樹脂製容器に接触する接地電極を有する、
静電容量式レベルスイッチ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の静電容量式レベルスイッチであって、
前記外筐体は、
前記樹脂製容器と同一の材料である、
静電容量式レベルスイッチ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の静電容量式レベルスイッチであって、
前記外筐体は、
前記樹脂製容器に接着、溶着または溶接によって固定される、
静電容量式レベルスイッチ。
【請求項7】
請求項1から請求項6に記載の静電容量式レベルスイッチであって、
前記樹脂製容器の壁面に貫通孔をあけないで前記壁面の外表面に接触させた前記測定電極によって前樹脂製容器内の内容物の有無を検出する、
静電容量式レベルスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量式レベルスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂製容器の内容物の有無を検出する静電容量式レベルスイッチが知られている。前記静電容量式レベルスイッチは、絶縁された状態において離れて位置する測定電極と電気的に接地された接地電極との間の静電容量値を検出するセンサである。前記静電容量式レベルスイッチは、非導電性の樹脂製容器に貯留されている導電性の内容物を検出する場合、前記樹脂製容器に前記測定電極を接触させる。前記内容物は、配管等を通じて接地されている。つまり、前記内容物には、前記接地電極が電気的に接続された状態とみなすことができる。
【0003】
前記静電容量式レベルスイッチは、前記測定電極の近傍に前記内容物が存在する場合、前記測定電極と前記接地電極との間に前記樹脂製容器の壁面と前記内容物とが介在しているとみなすことができる。前記静電容量式レベルスイッチは、前記内容物の誘電率、測定電極に対する前記内容物の位置、測定電極の形状等に応じた静電容量値を検出する。一方、前記静電容量式レベルスイッチは、前記測定電極の近傍に前記内容物が存在しない場合、前記測定電極と前記接地電極との間の抵抗値が無限大となる。つまり、前記測定電極と前記接地電極との間の静電容量は、固定の静電容量値になる。このように、前記静電容量式レベルスイッチは、検出した静電容量値によって、前記樹脂製容器内の内容物の有無を検出することができる。例えば特許文献1の如くである。
【0004】
特許文献1に記載のレベルスイッチは、絶縁体である管状体内の誘電性流体の状態を検出する。前記レベルスイッチは、前記誘電性流体が腐食性の流体であっても検出可能とするため、測定電極及び接地電極が管状体の外部に位置している。また、管状体が野外に設置されていても検出可能とするため、前記測定電極と前記接地電極を覆う外管を有している。接続端子板、リレー、抵抗、コンデンサ、トランス、IC素子、電源等が収容された電極ケースは、外管の外部に設置されている。これにより、レベルスイッチは、前記測定電極及び接地電極を外管によって密閉することで電極の腐食を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-66758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように構成されるレベルスイッチは、管状体が野外に設置されている場合、当然ながら繊細な電子部品等が収容された電極ケースも野外に設置されている。電極ケースは、野外環境の影響によって内部温度が大きく変化する。レベルスイッチは、電極ケースの内部温度の変化によって、電子部品の定数が変動し、検出する静電容量値がドリフトする場合がある。電極ケースの温度変化の範囲、温度変化の時間は、季節、日中の時間帯、天候等にも左右される。このため、特許文献1に記載のレベルスイッチは、温度変化によるドリフトの抑制が難しい。
【0007】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる静電容量式レベルスイッチの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる静電容量式レベルスイッチについて検討した。鋭意検討の結果、本発明者らは、以下のような構成に想到した。
【0009】
即ち、第一の発明は、樹脂製容器内の内容物の有無を検出する絶縁型の静電容量式レベルスイッチである。静電容量式レベルスイッチは、両端に開口部を有する筒状の樹脂製の外筐体と、前記両端の開口部のうち一方の開口部を塞ぐ蓋部材と、前記外筐体内に配置可能な外形形状であって、一端に開口部を有し、他端を閉じる底部を有する筒状の樹脂製の内筐体と、前記内筐体の内部に位置し、静電容量値を検出するスイッチ本体部と、前記内筐体の底部における外側面に絶縁体を介して固定された測定電極と、を有する。前記外筐体は、一端が前記樹脂製容器の壁面に固定され、前記両端の開口部のうち他方の開口部が前記樹脂製容器の壁面によって塞がれる。内部に前記内筐体が位置する状態において一方の前記開口部が前記蓋部材によって覆われる。前記内筐体は、前記測定電極を前記樹脂製容器の壁面に接触させた状態において前記外筐体に保持される。前記蓋部材は、前記外筐体の一方の開口部及び前記内筐体の開口部を覆う。
【0010】
上述の構成では、前記静電容量式レベルスイッチは、前記樹脂製容器に固定される前記外筐体内に電子部品等が含まれる前記スイッチ本体部が位置する前記内筐体が保持されている。前記内筐体の底部における外表面には前記測定電極が固定されている。前記内筐体は、前記測定電極を前記樹脂製容器に接触した状態で前記蓋部材によって前記外筐体の内部に密閉される。前記測定電極は、前記外筐体によって雨等から保護される。また、前記内筐体は、前記外筐体によって太陽からの輻射熱が遮蔽される。このように、前記スイッチ本体部は、前記外筐体と前記内筐体とによって2重に密閉される。よって、前記内筐体内の前記スイッチ本体部は、温度変化が抑制される。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0011】
他の観点によれば、本発明の静電容量式レベルスイッチは、以下の構成を含むことが好ましい。前記外筐体の内周面と前記内筐体の外周面との間の少なくとも一部には、空気を貯留する空間を有する。
【0012】
上述の構成では、前記静電容量式レベルスイッチは、前記外筐体と前記内筐体との間の空間内の空気によって前記内筐体を外筐体から断熱している。従って、前記内筐体は、前記外筐体に比べて外部の温度変化の影響を受けにくい。前記静電容量式レベルスイッチは、外筐体と内筐体とによって前記スイッチ本体部が断熱されるので、前記スイッチ本体部の温度変化が抑制される。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0013】
他の観点によれば、本発明の静電容量式レベルスイッチは、以下の構成を含むことが好ましい。前記外筐体は、他端の内周面にねじ溝を有し、前記内筐体は、前記ねじ溝に噛み合うボルトによって他端を前記樹脂製容器の壁面に向かって押圧される。
【0014】
上述の構成では、前記静電容量式レベルスイッチは、前記内筐体が有する測定電極が前記外筐体のねじ溝に噛み合うボルトによって前記樹脂製容器に押し付けられる。前記測定電極は、一つのボルトによって均一に前記樹脂製容器の方向に押圧される。よって、前記測定電極は、前記外筐体内において前記樹脂製容器の壁面に対して均一に接触する。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0015】
他の観点によれば、本発明の静電容量式レベルスイッチは、以下の構成を含むことが好ましい。前記内筐体は、電気的に接地され、且つ前記絶縁体を介して前記測定電極と対向して位置するシールド部材を有する。
【0016】
上述の構成では、前記静電容量式レベルスイッチは、前記シールド部材と前記測定電極との間の静電容量値が一定になる。よって、前記静電容量スイッチは、前記シールド部材側から前記測定電極に近づく導体の前記測定電極に対する影響が抑制される。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0017】
他の観点によれば、本発明の静電容量式レベルスイッチは、以下の構成を含むことが好ましい。前記外筐体は、電気的に接地され、且つ前記樹脂製容器に接触する接地電極を有する。
【0018】
上述の構成では、前記静電容量式レベルスイッチは、前記測定電極と前記接地電極とによって前記樹脂製容器内の内容物の状態に基づいた静電容量値を検出する。前記静電容量式レベルスイッチは、前記接地電極を前記樹脂製容器に接触させることで前記樹脂製容器内の内容物の状態に基づいた静電容量値をより精度よく検出する。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0019】
他の観点によれば、本発明の静電容量式レベルスイッチは、以下の構成を含むことが好ましい。前記外筐体は、前記樹脂製容器と同一の材料である。
【0020】
上述の構成では、前記外筐体は、前樹脂製容器に接着、溶着、溶接可能である。従って、前記測定電極を有する前記内筐体は、前記外筐体、前記樹脂製容器及び前記蓋部材によって前記外筐体内に密閉される。よって、前記測定電極及び前記内筐体内の前記スイッチ本体部は、前記外筐体によって外部の影響が抑制される。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0021】
他の観点によれば、本発明の静電容量式レベルスイッチは、以下の構成を含むことが好ましい。前記外筐体は、前記樹脂製容器に接着、溶着または溶接によって固定される。
【0022】
上述の構成では、前記外筐体は、孔加工等を行うことなく前樹脂製容器に固定される。また、前記外筐体は、固定バンド等によって前記樹脂製容器に縛り付ける必要がない。これにより、前記内筐体は、既設の前記樹脂製容器に容易に安定して固定することができる。
【0023】
他の観点によれば、本発明の静電容量式レベルスイッチは、以下の構成を含むことが好ましい。前記樹脂製容器の壁面に貫通孔をあけないで前記壁面の外表面に接触させた前記測定電極によって前樹脂製容器内の内容物の有無を検出する。
【0024】
上述の構成では、前記静電容量式レベルスイッチは、前記樹脂製容器に電極挿入用の貫通孔をあけることなく前記樹脂製容器の内容物の有無を検出する。これにより、前記静電容量式レベルスイッチは、内部に内容物が貯留されている既設の樹脂製容器に設置することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によれば、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明に係る実施形態1の静電容量式レベルスイッチがタンクに固定されている状態を示す部分断面図である。
図2図2は、本発明に係る実施形態1の静電容量式レベルスイッチの断面図である。
図3図3は、本発明に係る実施形態1の静電容量式レベルスイッチの断面分解図である。
図4図4は、本発明に係る実施形態1の静電容量式レベルスイッチの制御構成を示すブロック図である。
図5図5は、本発明に係る実施形態2の静電容量式レベルスイッチの断面図である。
図6図6は、本発明に係る実施形態3の静電容量式レベルスイッチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)
初めに、図1から図4を用いて、本発明に係る静電容量式レベルスイッチの実施形態1である静電容量式レベルスイッチ1について説明する。図1は、本発明に係る実施形態1の静電容量式レベルスイッチ1がタンクTに固定されている状態を示す部分断面図である。図2は、静電容量式レベルスイッチ1の断面図である。図3は、静電容量式レベルスイッチ1の断面分解図である。図4は、静電容量式レベルスイッチ1の制御構成を示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、静電容量式レベルスイッチ1は、静電容量値を検出する絶縁型の静電容量センサである。静電容量式レベルスイッチ1は、樹脂製容器であるポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の樹脂製容器からなるタンクTの内容物Wの有無を検出する。なお、タンクTは、絶縁体である。本実施形態において、タンクTは、ポリエチレン製のタンクである。タンクT内には、導体である内容物Wが貯留されている。内容物Wは、配管等を通じて接地されている。つまり、内容物Wには、接地電極が電気的に接続された状態とみなすことができる。
【0029】
図2図3とに示すように、静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2、内筐体3、測定電極4、ボルト5、スイッチ本体部6、蓋部材7を有している。
【0030】
外筐体2は、内筐体3を収容する筒状の筐体である。外筐体2は、タンクTと同一の材質であるポリエチレンによって構成されている。外筐体2は、円筒状の部材である。外筐体2の両端は、軸線方向に開口する開口部2aを有する(図3参照)。外筐体2の一端部は、内周面2bにねじ溝2cを有する。また、外筐体2の一方の開口部を有する一端部は、径方向外方に延びる円環状のフランジ2dを有する。フランジ2dは、複数のねじ孔を有している。外筐体2は、軸線をタンクTの壁面に対して垂直にした状態において、両端のうちフランジ2dを有さない他方の開口部を有する他端をタンクTの壁面に固定する。本実施形態において、外筐体2の他端は、タンクTの壁面に接着される。外筐体2における他端の開口部2aは、タンクTの壁面によって塞がれる。
【0031】
内筐体3は、スイッチ本体部6を収容する筒状の筐体である。内筐体3は、タンクTと同一の材質であるポリエチレンによって構成されている。内筐体3は、円筒状の部材である。内筐体3は、円筒部3aと底部3bとを有する。内筐体3の一端は、軸線方向に開口する開口部3cを有する(図3参照)。内筐体3の他端は、軸線方向に垂直な底部3bを有する。つまり、内筐体3は、他端を塞ぐ円板状の底部3bを有している。底部3bは、底面を外筐体2の軸線に対して垂直にして外筐体2の内部に位置する場合、底部3bの外周面3dと外筐体2の内周面2bとの間に隙間が視認できない程度の外径を有する。底部3bから軸線方向に伸びる円筒部3aは、底部3bの外径よりも小さい外径の外周面3eを有する。
【0032】
測定電極4は、タンクTに貯留されている内容物Wの静電容量値を測定する電極である。測定電極4は、金属等の導電性材料から形成されている。測定電極4は、例えば円板状に形成されている。測定電極4は、内筐体3の底部3bにおける外側面である外側の底面に絶縁体を介して固定されている。本実施形態において、内筐体3は、絶縁体である樹脂製筐体であるので底部3bに測定電極4が固定されている。
【0033】
ボルト5は、内筐体3を軸線方向に押圧する部材である。ボルト5は、円柱状に構成されている。ボルト5は、絶縁体であるエンジニアリングプラスティック等の樹脂製である。ボルト5は、中央部分に配線用の貫通孔5aを有している。ボルト5の外周面は、外筐体2のねじ溝2cに噛み合うねじ溝5bを有している。ボルト5の一端部は、内筐体3の端面3fに接触する押圧面5cを有している。また、ボルト5は、押圧面5cから軸線方向に伸びる円筒状の位置決め部5dを有している。位置決め部5dは、内筐体3の内周面に嵌合可能に構成されている。
【0034】
図3に示すように、測定電極4が固定されてる内筐体3は、底部3bの底面を外筐体2の軸線に対して垂直にして外筐体2の内部に収容されている。内筐体3は、底部3bの外周面3dが外筐体2の内周面2bに接触している。つまり、内筐体3の他端部は、外筐体2に保持されている。外筐体2の内部に位置する内筐体3の他端部は、外筐体2の内周面2bに接触する底部3bによって径方向に位置決めされている。
【0035】
外筐体2の一端部には、ねじ溝2cにボルト5がねじ込まれる。この際、ボルト5の押圧面5cは、内筐体3の端面3fに接触する。内筐体3は、押圧面5cによってタンクTの壁面に向かって押圧される。内筐体3は、押圧面5cによって底面に固定されている測定電極4がタンクTの壁面に押し付けられる。つまり、内筐体3は、ボルト5の押圧面5cによって軸線方向に位置決めされている。また、内筐体3の一端部には、円筒部3aにボルト5の位置決め部5dが嵌合する。内筐体3は、位置決め部5dによって一端部を径方向に保持される。これにより、内筐体3の一端部は、円筒部3aに接触するボルト5の位置決め部5dによって径方向に位置決めされる。ボルト5の他端部は、外筐体2の一端部から軸線方向に突出している。
【0036】
内筐体3の円筒部3aの外径は、底部3bの外径よりも小さい。従って、一端部と他端部とが外筐体2及びボルト5によって径方向に位置決めされている内筐体3において、円筒部3aの外周面3eと外筐体2の内周面2bとの間には、円筒状の空間Sが生じている。空間Sには、空気が充満している。つまり、内筐体3は、外筐体2によって位置決めされている両端部を除いて外筐体2に接触していない。外筐体2と内筐体3との間には、断熱効果が高い空気の層が介在している。
【0037】
図4に示すように、スイッチ本体部6は、静電容量値を検出するための電圧出力部6a、静電容量変換部6b、制御部6c等を有する。スイッチ本体部6は、内筐体3の内部に位置している。つまり、スイッチ本体部6は、外筐体2及び内筐体3によって覆われている。スイッチ本体部6は、測定電極4に電気的に接続されている。また、スイッチ本体部6は、接地されている。
【0038】
電圧出力部6aは、測定電極4に電圧を印可する回路である。電圧出力部6aは、実体的には、複数の電子回路及び電子部品等から構成されている。電圧出力部6aは、図示しない回路基板に実装されている。電圧出力部6aは、測定電極4に接続されている。電圧出力部6aは、制御部6cからの制御信号に基づいて、所定の周波数の交流電圧である入力電圧を測定電極4に印可可能に構成されている。
【0039】
静電容量変換部6bは、静電容量を電圧に変換する回路である。静電容量変換部6bは、実体的には、複数の電子回路及び電子部品等から構成されている。静電容量変換部6bは、図示しない回路基板に実装されている。静電容量変換部6bは、測定電極4に接続されている。静電容量変換部6bは、測定電極4に加わる交流電圧を出力電圧に変換する。
【0040】
制御部6cは、静電容量式レベルスイッチ1を制御する回路である。制御部6cは、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。制御部6cは、電圧出力部6a、静電容量変換部6b等の動作を制御するために種々のプログラム及びデータが格納されている。制御部6cは、図示しない回路基板に実装されている。
【0041】
制御部6cは、電圧出力部6aに接続され、測定電極4に印可する交流の入力電圧を供給することができる。
【0042】
制御部6cは、静電容量変換部6bに接続され、静電容量変換部6bが変換した出力電圧を取得することができる。
【0043】
制御部6cには、タンクT内の内容物Wの有無を判断する閾値を任意に設定する閾値調整部6dを有している。制御部6cでは、閾値調整部6dによって内容物Wの静電容量値に応じた閾値が設定されている。制御部6cは、出力電圧が設定された閾値を上回ると測定電極4の位置に内容物Wが存在している旨の検出信号を送信する。
【0044】
制御部6cは、図示しない電源に接続され、電圧出力部6aに供給する電流を取得することができる。
【0045】
図2図3とに示すように、蓋部材7は、外筐体2の一方の開口部2aと内筐体3の開口部3cとを覆う。蓋部材7は、板状部材である。蓋部材7は、外筐体2と同一の材質で構成されている。蓋部材7は、ボルト5が収容される凹部7aを有している。また、蓋部材7は、ケーブルクランプ7bを有している。蓋部材7は、外筐体2の内部に収容されている外筐体2のフランジ2dにパッキン8を介して固定ボルト7cによって固定される。蓋部材7は、外筐体2の開口部2aの全面を覆う。合わせて、蓋部材7は、凹部7aにボルト5を収容する。蓋部材7は、ボルト5の貫通孔5aを覆う。このように、蓋部材7は、外筐体2の開口部2aと内筐体3の開口部3cとを合わせて覆う。これにより、外筐体2及び内筐体3は、蓋部材7及びパッキン8によって密閉される。
【0046】
静電容量式レベルスイッチ1は、蓋部材7を取り外した状態において、ボルト5の締め付けトルクを調整することで、測定電極4とタンクTとの接触状態を調整可能である。また、外筐体2の内部に収容されている内筐体3は、蓋部材7及びボルト5を取り外すことにより外筐体2からスイッチ本体部6とともに取り外すことができる。更に、内筐体3は、蓋部材7及びボルト5を取り外すことにより開口部3cが開放されているので、スイッチ本体部6に対するメンテナンスが容易に行える。
【0047】
静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2によって内筐体3及び測定電極4と、内筐体3の内部のスイッチ本体部6を密閉する。外筐体2は、外部から雨水、泥水等の内部への入り込みを防止する。これにより、静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2によって内筐体3及び測定電極4を防水する。よって、静電容量式レベルスイッチ1は、タンクTと測定電極4との間に雨水等の水分が入り込まないので、屋外でも誤動作を抑制することができる。また、外筐体2は、太陽光を遮光する。これにより、静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2によって太陽光によって内筐体3及び測定電極4に生じる輻射熱を抑制する。
【0048】
更に、静電容量式レベルスイッチ1は、内筐体3によってスイッチ本体部6を密閉する。内筐体3は、外部から雨水、泥水等の内部への入り込みを防止する。これにより、静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2及び内筐体3によってスイッチ本体部6を防水する。また、内筐体3は、外筐体2によって位置決めされている両端部を除いて外筐体2に接触していない。外筐体2と内筐体3との間には、断熱効果が高い空気が充満した空間Sが介在している。これにより、静電容量式レベルスイッチ1は、空間Sによって太陽光によって外筐体2に生じた輻射熱及び大気温度から外筐体2に伝達された熱が内筐体3に伝達されにくい。
【0049】
このように構成される静電容量式レベルスイッチ1は、測定電極4をタンクTの壁面に接触させた状態の内筐体3が蓋部材7によって外筐体2の内部に密閉される。測定電極4は、外筐体2によって雨水等から保護される。また、内筐体3は、外筐体2によって太陽からの輻射熱が遮蔽される。このように、スイッチ本体部6は、外筐体2と内筐体3とによって2重に密閉される。よって、内筐体3内の前記スイッチ本体部6は、浸水による動作不良及び温度変化によるドリフトが抑制される。また、静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2及び内筐体3を樹脂で構成することで従来のアルミニウム合金製の筐体に比べて耐酸性を向上させることができる。更に、静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2及び内筐体3を樹脂で構成することで従来のアルミニウム合金製の筐体に比べて軽量化することができる。これにより、静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2に加わる自重による負荷を低減することができる。
【0050】
また、静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2と内筐体3との間の空間S内の空気によって内筐体3を外筐体2から断熱している。従って、内筐体3は、外筐体2に比べて外部の温度変化の影響を受けにくい。静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2と内筐体3との間に構成される空間Sによってスイッチ本体部6が断熱されるので、スイッチ本体部6の温度変化が抑制される。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0051】
また、静電容量式レベルスイッチ1は、内筐体3が有する測定電極4が外筐体2のねじ溝2cに噛み合うボルト5の締結力によってタンクTに押し付けられる。測定電極4は、一つのボルト5によって均一に前記樹脂製容器の方向に押圧される。よって、測定電極4は、外筐体2の内部においてタンクTの壁面に対して均一に接触する。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0052】
また、絶縁型の静電容量式レベルスイッチ1は、タンクTの壁面に電極挿入用の貫通孔をあけないでタンクTの壁面の外表面に接触させた測定電極4によってタンクT内の内容物Wの有無を検出する。つまり、静電容量式レベルスイッチ1は、タンクTの内部に電極を挿入することなく、タンクTの外部から内容物Wの静電容量値を測定することができる。また、静電容量式レベルスイッチ1は、外筐体2をタンクTに接着、溶着または溶接によって固定しているので、タンクTに固定用の孔加工等を行う必要がない。よって、静電容量式レベルスイッチ1は、既設のタンクTに容易に設置することができる。
【0053】
(実施形態2)
以下に、図5を用いて、本発明に係る静電容量式レベルスイッチの例示的な実施形態2である静電容量式レベルスイッチ1Aについて説明する。図5は、本発明に係る実施形態2の静電容量式レベルスイッチ1Aの断面図である。以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図5に示すように、静電容量式レベルスイッチ1Aは、静電容量値を検出するセンサである。静電容量式レベルスイッチ1Aは、タンクTの内容物Wの有無を検出する。静電容量式レベルスイッチ1Aは、外筐体2、内筐体3、測定電極4、ボルト5、スイッチ本体部6、蓋部材7、シールド部材9、を有している。
【0055】
シールド部材9は、測定電極4に対する導体の影響を抑制する部材である。シールド部材9は、導電性の金属から構成される。シールド部材9は、スイッチ本体部6を介して接地されている。シールド部材9は、例えば、円筒状の部材である。シールド部材9は、円筒部9aと底部9bとを有する。シールド部材9の一端は、軸線方向に開口している。シールド部材9の他端は、軸線方向に垂直な底部9bを有する。つまり、シールド部材9は、他端を塞ぐ円板状の底部9bを有している。
【0056】
シールド部材9は、内筐体3の内部に位置している。シールド部材9の内部には、スイッチ本体部6が位置している。シールド部材9の底部9bは、内筐体3の底部3bにおける内側の底面に絶縁体を介して固定されている。シールド部材9の円筒部9aは、内筐体3の内周面に絶縁体を介して接触している。本実施形態において、シールド部材9の底部9bは、絶縁体であるので内筐体3の底部3bに固定されている。シールド部材9の円筒部9aは、絶縁体で構成される内筐体3の円筒部3aに接触している。シールド部材9の底部9bは、内筐体3の底部3bを挟んで測定電極4と対向している。シールド部材9の底部9bと測定電極4との距離は、内筐体3の底部3bの厚みと等しい。
【0057】
上述の構成では、静電容量式レベルスイッチ1Aは、シールド部材9と測定電極4との間の静電容量値が一定になる。また、測定電極4が導体であるシールド部材9によって覆われているので、他の導体の影響を受けにくい。よって、静電容量スイッチは、シールド部材9側か測定電極4に近づく導体の測定電極4に対する影響を抑制しつつ、測定電極4によるタンクT内の内容物Wの静電容量値を測定する。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0058】
(実施形態3)
以下に、図6を用いて、本発明に係る静電容量式レベルスイッチ1Bの例示的な実施形態3について説明する。図6は、本発明に係る実施形態3の静電容量式レベルスイッチ1Bの断面図である。
【0059】
図6に示すように、静電容量式レベルスイッチ1Bは、静電容量値を検出するセンサである。静電容量式レベルスイッチ1Bは、樹脂製のポリ塩化ビニル、ポリエチレン等からなるパイプPの内容物Wの有無を検出する。静電容量式レベルスイッチ1Bは、外筐体2、内筐体10、測定電極11、接地電極12、シールド部材9、スイッチ本体部6、ボルト5、蓋部材7を有している。
【0060】
外筐体2は、内筐体10を収容する筐体である。外筐体2は、パイプPと同一の材質で構成されている。外筐体2は、軸線をパイプPの壁面に対して垂直にした状態において、両端のうちフランジ2dを有さない他端をパイプPの壁面に固定する。本実施形態において、外筐体2の他端は、パイプPの壁面に接着される。外筐体2は、他端の開口部2aがパイプPの壁面によって塞がれる。
【0061】
内筐体10は、スイッチ本体部6を収容する筐体である。内筐体10は、パイプPと同一の材質で構成されている。内筐体10は、円筒状の部材である。内筐体10は、円筒部10aと底部10bとを有する。内筐体10の一端は、軸線方向に開口する開口部10cを有する。内筐体10の他端は、底部10bを有する。底部10bは、軸線方向に垂直な内側の底面と、パイプPの軸線方向に見てパイプPの外周面に沿った円弧状の外側の底面とを有する。
【0062】
測定電極11は、パイプP内の内容物Wの静電容量値を測定する電極である。測定電極11は、金属等の導電性材料から形成されている。測定電極11は、内筐体10の底部10bにおける外側の底面に沿う形状を有している。測定電極11は、内筐体10の底部10bにおける外側の底面に絶縁体を介して固定されている。本実施形態において、内筐体10は、絶縁体である樹脂製筐体であるので絶縁体である底部10bに測定電極11が固定されている。外筐体2の一端部には、ねじ溝2cにボルト5がねじ込まれている。内筐体10は、ボルト5によって底部10bの外側の底面に固定されている測定電極11がパイプPの壁面に押し付けられる。
【0063】
接地電極12は、接地された電極である。接地電極12は、金属等の導電性材料から形成されている。接地電極12は、例えば帯状に形成されている。接地電極12は、絶縁体である外筐体2に固定されている。よって、接地電極12は、測定電極11と絶縁されている。帯状の接地電極12は、測定電極11と対向する位置であってパイプPの外周面に周方向に沿わせた状態において、両端部が外筐体2に固定されている。また、接地電極12は、パイプP部材に圧接するように長手方向に張力が加わった状態で外筐体2に蓋部材7を固定する固定ボルト7cによって固定されている。これにより、外筐体2は、接地電極12によってパイプPに締結された状態となる。つまり、接地電極12は、接地電極としての機能に加えて、外筐体2とパイプPとを補助的に連結する連結部材としての機能を有している。
【0064】
静電容量式レベルスイッチ1Bは、測定電極11とパイプPに接触している接地電極12とによってパイプP内の内容物Wの状態に基づいた静電容量値を検出する。静電容量式レベルスイッチ1Bは、接地電極12をパイプPに接触させることでパイプP内の内容物Wの状態に基づいた静電容量値をより精度よく検出する。これにより、野外においても安定した動作状態で静電容量値を検出することができる。
【0065】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0066】
上述の実施形態では、外筐体2は、タンクT、パイプPに接着されている。しかしながら、外筐体2は、樹脂製容器の壁面と蓋部材によって密閉される構造であればよい。外筐体は、溶着、溶接、パッキンを介したボルト固定等でもよい。
【0067】
上述の実施形態では、外筐体2は、タンクTに接着により固定するため、タンクTと同一の材料である。しかしながら、外筐体は、樹脂製容器の壁面に接着、溶着及び溶接以外の方法によって密閉状態で固定可能であれば、樹脂製容器と同一の材料でなくてもよい。
【0068】
上述の実施形態では、内筐体10は、樹脂製の筐体である。しかしながら、内筐体は、スイッチ本体部を密閉できる構造であれば、樹脂製でなくてもよい。例えば、内筐体は、絶縁体である無機材料、金属等でもよい。
【0069】
上述の実施形態では、静電容量式レベルスイッチ1、1A、1Bは、外筐体2と内筐体3、10との間に空間Sを有している。空間S内には、空気が充填されている。しかしながら、外筐体と内筐体との間の空間は、空気以外の物質が充填されていてもよい。外筐体と内筐体との間の空間には、例えば、断熱材等を充填してもよい。
【0070】
上述の実施形態では、静電容量式レベルスイッチ1Aは、円筒状のシールド部材9を有している。シールド部材9は、内筐体3の内部に位置している。しかしながら、シールド部材は、少なくとも一部が導体で構成された内筐体の導体部分をシールド部材として、測定電極4を覆うように構成してもよい。また、シールド部材は、導電性のシート状の部材によって内筐体の内部において測定電極4を覆うように構成してもよい。
【0071】
上述の実施形態では、静電容量式レベルスイッチ1、1A、1Bは、ボルト5によって内筐体3が有する測定電極4をタンクTに押し付けている。しかしながら、内筐体は、外筐体の開口部に円筒状のゴム部材等を圧入することで測定電極をタンクの壁面に押し付ける構成でもよい。
【0072】
上述の実施形態では、静電容量式レベルスイッチ1、1A、1Bは、ボルト5によって内筐体3が有する測定電極4をタンクTに押し付けている。しかしながら、内筐体は、外筐体との間にくさび状部材を圧入することで測定電極をタンクの壁面に押し付ける構成でもよい。
【0073】
上述の実施形態では、静電容量式レベルスイッチ1、1A、1Bは、ボルト5によって内筐体3が有する測定電極4をタンクTに押し付けている。しかしながら、内筐体は、底面に測定電極を押圧する押しボルトを有していてもよい。前記静電容量式レベルスイッチは、前記内筐体の底面から前記押しボルトによって測定電極を樹脂製容器に向かって押し付けるとともに、外筐体に固定される蓋部材によって前記内筐体を樹脂製容器に向かって押し付ける構成でもよい。
【0074】
上述の実施形態では、静電容量式レベルスイッチ1、1A、1Bは、測定電極4をタンクTに押し付けている。しかしながら、静電容量式レベルスイッチ1、1A、1Bは、導電性の弾性体を介してタンクTの壁面に測定電極4を押し付ける構成でもよい。これにより、測定電極4とタンクTの壁面との密着性が向上する。
【0075】
上述の実施形態では、静電容量式レベルスイッチ1Bは、外筐体2とパイプPとを連結する機能を備えた帯状の接地電極12を有している。しかしながら、接地電極は、測定電極と樹脂製容器を挟んで対向する位置において、樹脂製容器に接触していればよい。
【0076】
上述の実施形態では、外筐体2及び内筐体3、10は、蓋部材7によって密閉されている。しかしながら、外筐体及び内筐体は、内筐体を押圧するボルトによって開口部を密閉してもよい。この場合、外筐体の開口部は、貫通孔を有していないボルトがねじ込まれることによって開口部がボルトによって覆われる。内筐体の開口部は、ボルトの押圧面が内筐体の端面を押圧することによって開口部がボルトによって覆われる。また、ボルトと内筐体との間、及びボルトと外筐体との間には、密閉するためのパッキンが挟まれる。
【0077】
上述の実施形態は、代表的な形態を示したに過ぎず、一実施形態の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0078】
1、1A、1B 静電容量式レベルスイッチ
2 外筐体
3、10 内筐体
4、11 測定電極
5 ボルト
6 スイッチ本体部
6a 電力出力部
6b 静電容量変換部
6c 制御部
6e 閾値調整部
7 蓋部材
8 パッキン
9 シールド部材
12 接地電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】実開平4-118630号公報