(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055139
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】金属ベース基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/05 20060101AFI20230410BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20230410BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
H05K1/05 B
H05K1/05 A
H01L23/12 J
H01L23/36 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164296
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】石川 史朗
(72)【発明者】
【氏名】原 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5E315
5F136
【Fターム(参考)】
5E315AA03
5E315BB02
5E315BB03
5E315BB04
5E315BB14
5E315CC01
5E315CC11
5E315GG01
5E315GG07
5E315GG16
5F136BB05
5F136FA02
5F136FA03
5F136FA14
5F136FA16
5F136FA17
5F136FA54
5F136FA63
5F136FA82
(57)【要約】
【課題】放熱性と信頼性とに優れる金属ベース基板を提供する。
【解決手段】金属基板と、少なくとも1層の絶縁層と、回路層とがこの順で積層された金属ベース基板であって、前記金属基板の板厚T
Mが0.5mm以上1.1mm以下の範囲内にあり、前記金属基板の板厚T
M(単位:mm)の3乗値と、前記金属基板の25℃における弾性率E
M(単位:GPa)との積T
M
3×E
Mが10以上1000以下の範囲内にあって、前記絶縁層を構成する各層の100℃における弾性率E
R(単位:GPa)に対する膜厚T
R(単位:mm)の比T
R/E
Rの合計が30以上1000以下の範囲内にあり、前記絶縁層を構成する各層の熱伝導度C
R(単位:W/mK)に対する膜厚T
R(単位:mm)の比T
R/C
Rの合計が2以上40以下の範囲内にあることを特徴とする金属ベース基板。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板と、少なくとも1層の絶縁層と、回路層とがこの順で積層された金属ベース基板であって、
前記金属基板の板厚TMが0.5mm以上1.1mm以下の範囲内にあり、
前記金属基板の板厚TM(単位:mm)の3乗値と、前記金属基板の25℃における弾性率EM(単位:GPa)との積TM
3×EMが10以上1000以下の範囲内にあって、
前記絶縁層を構成する各層の100℃における弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/ERの合計が30以上1000以下の範囲内にあり、
前記絶縁層を構成する各層の熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/CRの合計が2以上40以下の範囲内にあることを特徴とする金属ベース基板。
【請求項2】
前記金属基板が、アルミニウム、銅、鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む請求項1に記載の金属ベース基板。
【請求項3】
前記絶縁層が単層体または積層体である請求項1または2に記載の金属ベース基板。
【請求項4】
前記絶縁層が単層体であって、前記単層体は、フィラーの含有率が30体積%以上85体積%以下の範囲内にある樹脂組成物である請求項3に記載の金属ベース基板。
【請求項5】
前記絶縁層が金属層の上に形成された第1絶縁層と前記第1絶縁層の上に積層された第2絶縁層とを有する積層体であって、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の一方の層は、フィラーの含有率が50体積%以上85体積%以下の範囲内にある樹脂組成物の層であって、他方の層は、樹脂もしくはフィラーの含有率が1体積%以下の樹脂組成物の層である請求項3に記載の金属ベース基板。
【請求項6】
前記絶縁層の膜厚が100μm以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の金属ベース基板。
【請求項7】
前記回路層の膜厚が80μm以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の金属ベース基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ベース基板に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子やLEDなどの電子部品を実装するための基板の一つとして、金属ベース基板が知られている。金属ベース基板は、金属基板と、絶縁層と、回路層とがこの順で積層された積層体である。金属ベース基板の回路層の上にはんだを介して電子部品を実装したモジュールでは、電子部品にて発生した熱は、絶縁層を介して金属基板に伝達され、金属基板から外部に放熱される。このため、金属ベース基板の絶縁層は、一般に、絶縁性や耐電圧性に優れる樹脂と、熱伝導性に優れる無機物フィラーとを含む絶縁性組成物から形成されている。
【0003】
金属ベース基板としては、例えば、金属基板の厚みが1~5mm、回路層の厚みが100~500μmであり、絶縁層を2層以上の絶縁性樹脂層からなり、その2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層と非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層とを有し、2層以上の絶縁性樹脂層のうち少なくとも一層の絶縁性樹脂層は、絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含む構成のものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属ベース基板の開発においては、放熱性を重要視するため、ベース金属の厚みを大きくすることで放熱性を上げるということが行われてきた。しかしながら、金属ベース基板の金属基板は熱膨張係数が高く、熱によって膨張・収縮して体積変化しやすい。一方、電子部品はセラミックを基体としたものが多く、熱膨張係数が低い。このため、金属ベース基板の回路層の上にはんだを介して電子部品を実装したモジュールでは、電子部品のオン/オフや外部環境の温度変化によって、はんだに付与される応力が変動することにより、はんだにクラックが発生するなど信頼性が低下することがある。はんだに付与される応力の変動を軽減するために、絶縁層の膜厚を厚くして、金属基板の体積変化を絶縁層に吸収させることは有効である。しかしながら、絶縁層の膜厚を厚くすると、電子部品にて発生した熱を、絶縁層を介して金属基板に伝達しにくくなり、金属ベース基板の放熱性が低下するおそれがある。つまり金属ベース基板の放熱性と信頼性を十分に両立させることは難しい。
【0006】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、放熱性と信頼性とに優れる金属ベース基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の金属ベース基板は、金属基板と、少なくとも1層の絶縁層と、回路層とがこの順で積層された金属ベース基板であって、前記金属基板の板厚TMが0.5mm以上1.1mm以下の範囲内にあり、前記金属基板の板厚TM(単位:mm)の3乗値と、前記金属基板の25℃における弾性率EM(単位:GPa)との積TM
3×EMが10以上1000以下の範囲内にあって、前記絶縁層を構成する各層の100℃における弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/ERの合計が30以上1000以下の範囲内にあり、前記絶縁層を構成する各層の熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/CRの合計が2以上40以下の範囲内にあることを特徴としている。
【0008】
上記のような構成とされた金属ベース基板によれば、金属基板の板厚TMが0.5mm以上1.1mm以下の範囲内にあるので、金属ベース基板上にはんだによって電子部品を接合し、電子部品が温度変化した場合であっても、はんだにかかる熱応力を抑えることができる。また、板厚TM(単位:mm)の3乗値と、金属基板の25℃における弾性率EM(単位:GPa)との積TM
3×EMが10以上1000以下の範囲内にあるので、電子部品実装後の金属ベース基板の反りを抑えることができる。また、絶縁層を構成する各層の100℃における弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/ERの合計が30以上1000以下の範囲内にあるので、回路層の応力の緩和能力が高くなり、回路層の上にはんだを介して電子部品を実装した場合は、はんだに付与される応力を低減させることができる。さらに、絶縁層を構成する各層の熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/CRの合計が2以上40以下の範囲内にあるので、回路層の上にはんだを介して電子部品を実装した場合は、電子部品にて発生した熱を金属基板に効率よく伝えることができる。したがって、上記のような構成とされた金属ベース基板は放熱性と信頼性とに優れる。
【0009】
ここで、本発明の金属ベース基板においては、前記金属基板が、アルミニウム、銅および鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む構成であってもよい。
この場合、金属基板の熱伝導性と耐熱性とが高いので、金属ベース基板の放熱性と信頼性とがより向上する。
【0010】
また、本発明の金属ベース基板においては、前記絶縁層が単層体であって、単層体は、フィラーの含有率が30体積%以上85体積%以下の範囲内にある樹脂組成物である構成であってもよい。あるいは、前記絶縁層が金属層の上に形成された第1絶縁層と前記第1絶縁層の上に積層された第2絶縁層とを有する2層の積層体であって、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の一方の層は、フィラーの含有率が50体積%以上85体積%以下の範囲内にある樹脂組成物の層であって、他方の層は、樹脂もしくはフィラーの含有率が1体積%以下の樹脂組成物の層である構成であってもよい。
この場合、絶縁層の熱伝導性と応力の緩和能力とがより高くなるので、金属ベース基板の放熱性と信頼性とがさらに向上する。
【0011】
また、本発明の金属ベース基板においては、前記絶縁層の膜厚が100μm以下である構成であってもよい。
この場合、絶縁層の膜厚が薄いので、回路層の上にはんだを介して電子部品を実装したときは、電子部品にて発生した熱を金属基板により効率よく伝えることができる。
【0012】
また、本発明の金属ベース基板においては、前記回路層の膜厚が80μm以下である構成であってもよい。
この場合、回路層の膜厚が薄いので、回路層の上にはんだを介して電子部品を実装したときは、回路層からはんだに付与される熱応力が低減するので、金属ベース基板の信頼性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、放熱性と信頼性とに優れる金属ベース基板を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る金属ベース基板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施形態について添付した図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属ベース基板の概略断面図である。
図1において、金属ベース基板10は、金属基板20と、絶縁層30と、回路層40とがこの順で積層された積層体である。金属ベース基板10の回路層40の上には、はんだ50を介して、電子部品60の電極端子61が接続されていて、モジュールが形成されている。
【0016】
金属基板20は、金属ベース基板10のベースとなる部材である。
金属基板20は、板厚TMが0.5mm以上1.1mm以下の範囲内にある。板厚TMが0.5mm以上であることによって、金属基板20の強度が高くなるので、熱による反りなどの変形を抑えることができる。また、板厚TMが1.1mm以下であることによって、金属基板20の熱による体積変化量が小さくなる。金属基板20の熱による変形を抑える観点から板厚TMは0.8mm以上であることが好ましい。金属基板20の熱による体積変化量を小さくする観点から、板厚TMは1.0mm以下であることが好ましい。
【0017】
金属基板20の板厚TM(単位:mm)の3乗値と、金属基板20の25℃における弾性率EM(単位:GPa)との積TM
3×EMが10以上1000以下の範囲内にある。TM
3×EMが10以上であることによって、金属基板20の熱による反りなどの変形を抑えることができる。また、TM
3×EMが1000以下であることによって、金属基板20が厚くなりすぎない。TM
3×EMは30以上であることが好ましく、300以下であることが好ましい。金属基板20の25℃における弾性率(引張弾性率)は、引張試験(JIS Z2241:2011 金属材料引張試験方法)によって測定することができる。
【0018】
金属基板20は、銅基板、アルミニウム基板または鉄基板であることが好ましい。銅基板は、銅または銅合金からなる。銅合金は構成元素のうち銅が最も多く含まれる合金である。アルミニウム基板は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる。アルミニウム合金は構成元素のうちアルミニウムが最も多く含まれる合金である。鉄基板は、鉄もしくは鉄合金からなる。鉄合金は構成元素のうち鉄が最も多く含まれる合金である。鉄合金は、炭素鋼を含む。
【0019】
絶縁層30は、金属基板20と回路層40とを絶縁するための層である。また、絶縁層30は、電子部品60にて発生した熱を金属基板20に伝える伝熱機能と、熱による金属基板20の体積変化を吸収し、はんだ50に付与される応力を緩和する応力緩和機能を有する。
絶縁層30は、100℃における弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/ERが30以上1000以下の範囲内にある。TR/ERが1000以下であることによって、絶縁層30の応力緩和機能が向上し、はんだ50に付与される応力を低減させることができる。TR/ERは、30以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましい。また、TR/ERは、300以下であることが好ましく、200以下であることが特に好ましい。絶縁層30の100℃における弾性率は、例えば、次のようにして測定することができる。金属ベース基板10の金属基板20と回路層40をエッチングによって除去し、絶縁層30を単離する。得られた絶縁層30について、動的粘弾性測定(DMA)によって弾性率(引張弾性率)を測定する。
【0020】
また、絶縁層30は、熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/CRが2以上40以下の範囲内にある。TR/CRが2以上であることによって、絶縁層30の膜厚が薄くなりすぎず、絶縁性が担保される。また、TR/CRが40以下であることによって、絶縁層30の伝熱機能が向上し、電子部品60にて発生した熱を金属基板20に効率よく伝えることができる。TR/CRは、3以上であることが好ましく、5以上であることがさらに好ましい。また、TR/CRは、30以下であることが好ましく、20以下であることが特に好ましい。絶縁層30の熱伝導度は、例えば、次のようにして測定することができる。金属ベース基板10の金属基板20と回路層40をエッチングによって除去し、絶縁層30を単離する。得られた絶縁層30について、レーザーフラッシュ法によって熱伝導度を測定する。
【0021】
絶縁層30は、絶縁樹脂31と無機物フィラー32とを含む絶縁性樹脂組成物からなる単層体とされている。絶縁層30を、絶縁性が高い絶縁樹脂31と、熱伝導度が高い無機物フィラー32とを含む絶縁性樹脂組成物から形成することによって、絶縁性を維持しつつ、熱伝導性を向上させることができる。
【0022】
絶縁樹脂31としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、またはこれらの混合物を用いることができる。これらの樹脂は、絶縁性、耐電圧性、化学的耐性及び機械特性などの特性に優れるので、金属ベース基板10のこれらの特性が向上する。
【0023】
無機物フィラー32としては、例えば、アルミナ(Al2O3)粒子、アルミナ水和物粒子、窒化アルミニウム(AlN)粒子、シリカ(SiO2)粒子、炭化珪素(SiC)粒子、酸化チタン(TiO2)粒子、窒化硼素(BN)粒子などを用いることができる。無機物フィラー32の平均粒子径は、0.1μm以上20μm以下の範囲内にあることが好ましい。
【0024】
絶縁層30の無機物フィラー32の含有量は、30体積%以上85体積%以下の範囲内にあることが好ましい。無機物フィラー32の含有量が30体積%以上であることによって、絶縁層30の熱伝導性が向上する。一方、無機物フィラー32の含有量が85体積%以下であることによって、絶縁層30の絶縁性が向上する。絶縁層30の熱伝導性を向上させる観点では、無機物フィラー32の含有量は、50体積%以上であることがさらに好ましく、80体積%以下であることが特に好ましい。
【0025】
絶縁層30の膜厚は100μm以下であることが好ましい。絶縁層30の膜厚が100μm以下であることによって、絶縁層30の伝熱機能が向上し、電子部品60にて発生した熱を金属基板20に効率よく伝えることができる。絶縁層30の膜厚は、絶縁耐圧が実用的な範囲であれば特に制限はないが、30μm以上であることが好ましい。絶縁層30の膜厚が30μm以上であることによって、金属基板20と回路層40とを確実に絶縁することができ、絶縁層30の応力緩和機能が向上し、はんだ50に付与される応力を低減させることができる。絶縁層30の膜厚は、伝熱機能向上の観点からは、70μm以下であることが好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。また、絶縁層30の膜厚は、絶縁性向上の観点からは、40μm以上であることが特に好ましい。
【0026】
回路層40は、回路パターン状に形成される。その回路パターン状に形成された回路層40の上に、電子部品60の電極端子61がはんだ50等を介して接合される。回路層40の材料としては、銅、アルミニウム、金などの金属を用いることができる。回路層40は銅箔からなることが好ましい。回路層40の膜厚は、2μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましい。
【0027】
回路層40の膜厚は80μm以下であることが特に好ましい。回路層40の膜厚が80μm以下であることによって、回路層40で発生する熱応力が少なくなり、はんだ50に付与される熱応力が低減する。また、回路層40の膜厚は、熱応力を低減させる観点からは、75μm以下であることが好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。回路層40の膜厚は、利用する際の電流に対して十分に低抵抗であれば特に制限はないが、2μm以上であることが好ましい。回路層40の膜厚が2μm以上であることによって、回路層40の電気抵抗が低くなり、モジュールの内部抵抗を低減させることができる。回路層40の膜厚は、電気抵抗を小さくするという観点からは、5μm以上であることが好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。
【0028】
本実施形態の金属ベース基板10に実装される電子部品60の例としては、特に制限はなく、半導体素子、抵抗、キャパシタ、水晶発振器などが挙げられる。半導体素子の例としては、MOSFET(Metal-oxide-semiconductor field effect transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、LSI(Large Scale Integration)、LED(発光ダイオード)、LEDチップ、LED-CSP(LED-Chip Size Package)が挙げられる。
【0029】
はんだ50としては、例えば、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-In系およびSn-Ag-Cu系などのはんだ材(いわゆる鉛フリーはんだ材)を用いることができる。
【0030】
本実施形態の金属ベース基板10は、例えば、絶縁層形成工程と、回路層圧着工程とを含む方法によって製造することができる。
【0031】
絶縁層形成工程では、金属基板20の上に絶縁層30を形成して、絶縁層付き金属基板を得る。絶縁層30の形成方法としては、塗布法または電着法を用いることができる。
塗布法は、溶媒と絶縁樹脂と無機物フィラーとを含む塗布液を、金属基板20の上に塗布して塗布層を形成し、次いで塗布層を加熱して絶縁層30を得る方法である。塗布液は、絶縁樹脂が溶解した樹脂材料溶液と、その樹脂材料溶液に分散されている無機物フィラーとを含む無機物フィラー分散樹脂材料溶液を用いることができる。塗布液を基板の表面に塗布する方法としては、スピンコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ディップコート法などを用いることができる。
【0032】
電着法は、絶縁樹脂粒子と無機物フィラーとを含む電着液に金属基板20を浸漬して、基板の表面に絶縁樹脂粒子と無機物フィラーを電着させて電着膜を形成し、次いで得られた電着膜を加熱して絶縁層30を形成する方法である。電着液としては、絶縁樹脂溶液と、その絶縁樹脂溶液に分散されている無機物フィラーとを含む無機物フィラー分散絶縁樹脂溶液に、絶縁樹脂の貧溶媒を加えて絶縁樹脂を粒子として析出させることによって調製したものを用いることができる。
【0033】
回路層圧着工程では、絶縁層付き金属基板の絶縁層30の上に金属箔を積層し、得られた積層体を加熱しながら加圧することによって回路層40を形成して、金属ベース基板10を得る。積層体の加熱温度は、例えば、200℃以上であり、250℃以上であることがより好ましい。加熱温度の上限は、絶縁樹脂の熱分解温度未満であり、好ましくは熱分温度よりも30℃低い温度以下である。圧着時に加える圧力は、例えば、1MPa以上30MPa以下の範囲内であり、3MPa以上25MPa以下の範囲内であることがより好ましい。圧着時間は、加熱温度や圧力によって異なるが、一般に60分間以上180分間以下である。
【0034】
以上のような構成とされた本実施形態の金属ベース基板10によれば、金属基板20の板厚TMが0.5mm以上1.1mm以下の範囲内にあるので、金属基板20の熱による形状の変化を抑えることができ、かつ体積変化量を小さくできる。また、板厚TM(単位:mm)の3乗値と、金属基板の25℃における弾性率EM(単位:GPa)との積TM
3×EMが10以上1000以下の範囲内にあるので、金属基板20の熱による変形をより抑えることができる。また、絶縁層30の100℃における弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/ERが30以上1000以下の範囲内にあるので、はんだ50に付与される応力を低減させることができる。さらに、絶縁層30の熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/CRの合計が2以上40以下の範囲内にあるので、電子部品60にて発生した熱を金属基板20に効率よく伝えることができる。したがって、本実施形態の金属ベース基板10は放熱性と信頼性とに優れる。
【0035】
本実施形態の金属ベース基板10において、金属基板20が、アルミニウム、銅および鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む場合は、金属基板20の熱伝導性と耐熱性とが高くなるので、金属ベース基板10の放熱性と信頼性とがより向上する。
【0036】
本実施形態の金属ベース基板10において、絶縁層30のフィラーの含有率が30体積%以上85体積%以下の範囲内にある樹脂組成物である場合は、絶縁層30の熱伝導性と応力の緩和能力とが高くなるので、金属ベース基板10の放熱性と信頼性とがさらに向上する。
【0037】
本実施形態の金属ベース基板10において、絶縁層30の膜厚が100μm以下と薄い場合は、電子部品60にて発生した熱を金属基板20により効率よく伝えることができる。
本実施形態の金属ベース基板10において、回路層40の膜厚が80μm以下と薄い場合は、回路層40からはんだ50に付与される熱応力が低減するので、金属ベース基板10の信頼性がさらに向上する。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においては、絶縁層30は単層体であるが、絶縁層30は積層体であってもよい。絶縁層30が積層体である場合、TR/ERは絶縁層30を構成する各層の100℃における弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/ERの合計である。例えば、絶縁層30が金属基板20の上に形成された第1絶縁層と第1絶縁層の上に積層された第2絶縁層とを有する2層の積層体である場合、絶縁層30のTR/ERは、第1絶縁層の100℃における弾性率ER1(単位:GPa)に対する膜厚TR1(単位:mm)の比TR1/ER1と、第2絶縁層の100℃における弾性率ER2(単位:GPa)に対する膜厚TR2(単位:mm)の比TR2/ER2との合計値である。また、絶縁層30が積層体である場合、TR/CRは絶縁層30を構成する各層の熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/CRの合計である。例えば、絶縁層30が金属基板20側の第1絶縁層と回路層40側の第2絶縁層とからなる2層の積層体である場合、絶縁層30のTR/CRは、第1絶縁層の熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR1(単位:mm)の比TR1/CR1と、第2絶縁層の熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR2(単位:mm)の比TR2/CR2との合計値である。
【0039】
絶縁層30が金属基板20側の上に形成された第1絶縁層と第1絶縁層の上に積層された第2絶縁層とを有する2層の積層体である場合、第1絶縁層および第2絶縁層の一方の層は、フィラーの含有率が50体積%以上85体積%以下の範囲内にある樹脂組成物の層であって、他方の層は、フィラーの含有率が0体積%以上1体積%以下の樹脂組成物の層であることが好ましい。この場合、絶縁層30の熱伝導性と応力の緩和能力とが高くなるので、金属ベース基板10の放熱性と信頼性とがさらに向上する。
【実施例0040】
以下、本発明を実施例により説明する。なお、本実施例において、金属の弾性率は、25℃における弾性率、樹脂の弾性率は、100℃における弾性率を意味する。
【0041】
[本発明例1]
(アルミナ粒子分散ポリイミド溶液の調製)
ポリイミド樹脂AとNMP(N-メチル-2-ピロリドン)とを混合し、ポリイミド樹脂を溶解させることによって、ポリイミド樹脂濃度が10質量%のポリイミド樹脂溶液を調製した。ポリイミド樹脂Aはアルミナとの混合物の100℃における弾性率が0.27GPaとなるものを選んだ。また、アルミナ粉末(平均粒子径:0.3μm)とNMPとを混合し、30分間超音波処理を行なうことによって、α-アルミナ粒子濃度が10質量%のα-アルミナ粒子分散液を調製した。ポリイミド樹脂溶液とアルミナ粒子分散液とを、アルミナ濃度が60体積%となる割合で混合した。得られた混合物を、株式会社スギノマシン社製スターバーストを用い、圧力50MPaの高圧噴射処理を10回繰り返すことにより分散処理を行なって、アルミナ粒子分散ポリイミド樹脂溶液を調製した。なお、アルミナ濃度は、アルミナ粒子分散ポリイミド樹脂溶液を加熱して乾燥したときに生成する固形物中のアルミナ粒子の含有量である。
【0042】
(金属ベース基板の作製)
金属基板として、板厚TMが0.7mmで、弾性率EMが74GPaのアルミニウム基板(縦:30mm、横:20mm)を用意した。このアルミニウム基板の上に、上記で調製したアルミナ粒子分散ポリイミド樹脂溶液を、バーコート法により塗布して塗布膜を形成した。次いで、塗布膜を形成したアルミニウム基板をホットプレート上に配置して、室温から3℃/分で60℃まで昇温し、60℃で100分間加熱した後、さらに1℃/分で120℃まで昇温し、120℃で100分間加熱して、塗布層を乾燥させた。次いで、アルミニウム基板を250℃で1分間加熱した後、400℃で1分間加熱した。こうして、アルミニウム基板の表面に、アルミナ粒子が分散されたポリイミド樹脂からなる膜厚TRが30μmの絶縁層を形成して、絶縁層付きアルミニウム基板を得た。
【0043】
得られた絶縁層付きアルミニウム基板の絶縁層の上に、回路層として銅箔(厚み:70μm、弾性率:118GPa)を重ね合わせて積層した。次いで、得られた積層体を、カーボン治具を用いて5MPaの圧力を付与しながら、真空中にて300℃の圧着温度で120分間加熱して、第2絶縁層と銅箔とを圧着した。こうして、アルミニウム基板と絶縁層と銅箔とがこの順で積層された金属ベース基板を作製した。
【0044】
[本発明例2~3]
金属基板として、板厚TMが下記の表1に記載の板厚であるアルミニウム基板を用いたこと以外は、本発明例1と同様にして金属ベース基板を作製した。
【0045】
[本発明例4~5]
絶縁層の膜厚TRを下記の表1に記載の膜厚としたこと以外は、本発明例3と同様にして金属ベース基板を作製した。
【0046】
[本発明例6]
アルミナ粒子分散ポリイミド溶液の調製において、ポリイミド樹脂Aをポリイミド樹脂Bに変えたこと以外は、本発明例3と同様にして金属ベース基板を作製した。ポリイミド樹脂Bはアルミナとの混合物の100℃における弾性率が0.32GPaとなるものを選んだ。
【0047】
[本発明例7]
アルミナ粒子分散ポリイミド溶液の調製において、ポリイミド樹脂Aをポリイミド樹脂Cに変えたこと以外は、本発明例3と同様にして金属ベース基板を作製した。ポリイミド樹脂Cはアルミナとの混合物の100℃における弾性率が1.01GPaとなるものを選んだ。
【0048】
[本発明例8~10]
金属基板として、板厚TMが下記の表1に記載の板厚で、弾性率EMが下記の表1に記載の弾性率である銅基板を用いたこと以外は、本発明例1と同様にして金属ベース基板を作製した。
【0049】
[本発明例11]
金属基板として、板厚TMが下記の表1に記載の板厚で、弾性率EMが下記の表1に記載の弾性率である炭素鋼を用いたこと以外は、本発明例1と同様にして金属ベース基板を作製した。
【0050】
[比較例1~8]
金属基板として、材質、板厚TM、弾性率EMが下記の表1に記載のものを用い、絶縁層の膜厚TRを下記の表1に記載の膜厚としたこと以外は、本発明例1と同様にして金属ベース基板を作製した。
【0051】
[評価]
(金属基板のTM
3×EM)
金属基板の板厚TM(単位:mm)の3乗値と、金属基板の弾性率EM(単位:GPa)との積TM
3×EMを算出した。その結果を、下記の表1に示す。
【0052】
(絶縁層のTR/ER及びTR/CR)
絶縁層の弾性率ERを上述の方法により測定し、弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/ERを算出した。絶縁層の熱伝導度CRを上述の方法により測定し、熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:mm)の比TR/CRを算出した。その結果を、下記の表1に示す。
【0053】
(熱抵抗)
銅箔を張り付けた金属ベース基板の銅箔上に、放熱シート(BFG-30A:デンカ株式会社製)を介して発熱体(TO-3P)を載置した。発熱体を載置した金属ベース基板を、発熱体の上部からトルク40Ncmのねじによって積層方向に加圧した。そして、T3Ster(シーメンス社製)を用いて、発熱体から銅基板までの熱抵抗を測定した。発熱体の発熱条件は10A、30秒とし、熱抵抗の測定条件は、0.01A、測定時間60秒とした。同様の測定を、絶縁膜を形成していない銅基板単体に対して行い、その熱抵抗を金属ベース基板の測定値から減じた値を、熱抵抗とした。
【0054】
(耐クラック率)
金属ベース基板を縦50mm×横50mmのサイズに切断した。切断した金属ベース基板の銅箔上に、Sn-Ag-Cuはんだを塗布して、縦25mm×横25mm×厚み100μmのはんだ層を形成し、そのはんだ層の上に、25mm角のSiチップを搭載して、試験体を作製した。作製した試験体に、1サイクルが-30℃×30分間~105℃×30分間の冷熱サイクルを3000サイクル付与した。冷熱サイクル付与後の試験体を、樹脂埋めし、断面を研磨によって出した試料を用いて観察し、はんだ層に生じたクラックの長さ(mm)を測定した。はんだ層の一辺の長さと、測定したクラックの長さとから下記式より算出した値を、耐クラック率とした。耐クラック率が高いことは、クラックが発生しにくいこと、すなわち信頼性が高いことを意味する。
耐クラック率(%)={(はんだ層の一辺の長さ(25mm)-2×クラックの長さ)/接合層の一辺の長さ(25mm)}×100
【0055】
(反り)
耐クラック率の測定後のサンプルの反りを隙間ゲージによって測定した。サンプルを平板上に配置して、平板とサンプルの端部の隙間を反りとして計測した。最も大きな反りが50μm以下であったものを〇とし、反りが50μmより大きく70μm以下であったものを△とし、反りが70μmより大きいものを×とした。
【0056】
【0057】
表1の結果から、TM、TM
3×EM、TR/ER及びTR/CRの全てが本発明の範囲内にある本発明例1~11で得られた金属ベース基板は、熱抵抗、耐クラック率、反りのいずれも優れていた。特に、TM
3×EMが30以上の本発明例2~7、9~11で得られた金属ベース基板は、反りがより向上した。また、TR/ERが100以上の本発明例1~5、8~11で得られた金属ベース基板は、耐クラック率がより向上した。また、TR/CRが30以下の本発明例1~4、6~11で得られた金属ベース基板は、熱抵抗がより低くなった。
【0058】
これに対して、TM
3×TMが本発明の範囲よりも低い比較例1で得られた金属ベース基板およびTMが本発明の範囲よりも薄く、TM
3×EMが本発明の範囲よりも低い比較例8で得られた金属ベース基板は、反りが大きくなった。また、TMが本発明の範囲よりも大きい比較例2~6で得られた金属ベース基板は、耐クラック率が低下した。また、TR/CRが本発明の範囲よりも大きい比較例5~7で得られた金属ベース基板は、熱抵抗が大きくなった。
【0059】
[本発明例12]
(アルミナ粒子分散ポリイミド溶液の調製)
ポリイミド樹脂Aをポリイミド樹脂Dに変えたこと以外は、本発明例1と同様にしてアルミナ粒子分散ポリイミド溶液を調製した。なお、ポリイミド樹脂Dはアルミナとの混合物の100℃における弾性率が2.15GPaとなるものを選んだ。
【0060】
(ポリイミド樹脂溶液の調製)
100℃における弾性率が0.01GPaのポリイミド樹脂とNMPとを混合し、ポリイミド樹脂を溶解させて、ポリイミド樹脂濃度が10質量%のポリイミド樹脂溶液を調製した。
【0061】
(金属ベース基板の作製)
金属基板として、板厚TMが1.0mmで、弾性率EMが74GPaのアルミニウム基板(縦:30mm、横:20mm)を用意した。このアルミニウム基板の上に、上記で調製したアルミナ粒子分散ポリイミド樹脂溶液を、バーコート法により塗布して塗布膜を形成した。次いで、塗布膜を形成したアルミニウム基板をホットプレート上に配置して、室温から3℃/分で60℃まで昇温し、60℃で100分間加熱した後、さらに1℃/分で120℃まで昇温し、120℃で100分間加熱して、塗布層を乾燥させた。次いで、アルミニウム基板を250℃で1分間加熱した後、400℃で1分間加熱した。こうして、アルミニウム基板の表面に、アルミナ粒子が分散されたポリイミド樹脂からなる膜厚TR1が10μmの第1絶縁層を形成して、第1絶縁層付きアルミニウム基板を得た。
【0062】
次いで、第1絶縁層付きアルミニウム基板の第1絶縁層の上に、上記で調製したポリイミド樹脂溶液を、バーコート法により塗布して塗布膜を形成した。形成した塗布膜を、300℃で加熱乾燥して、ポリイミド樹脂からなる膜厚TR2が1.0μmの第2絶縁層を形成した。こうして第1絶縁層と第2絶縁層とからなる絶縁層付きアルミニウム基板を得た。
【0063】
得られた絶縁層付きアルミニウム基板の絶縁層の上に、本発明例1と同様に回路層として銅箔を圧着した。こうして、アルミニウム基板と絶縁層と銅箔とがこの順で積層された金属ベース基板を作製した。
【0064】
[比較例9]
第1絶縁層の膜厚TR1を30μmとし、第2絶縁層を形成しなかったこと以外は、本発明例12と同様にして金属ベース基板を作製した。
【0065】
[評価]
金属基板のTM
3×EM、絶縁層のTR/ER(=TR1/ER1+TR2/ER2)及びTR/CR(=TR1/CR1+TR2/CR2)を上記の方法により算出した。また熱抵抗、耐クラック率、反りを上記の方法により測定した。その結果を下記の表2に示す。
【0066】
【0067】
表1の結果から、TM、TM
3×EM、TR/ER及びTR/CRの全てが本発明の範囲内にある本発明例12で得られた金属ベース基板は、熱抵抗、耐クラック率、反りのいずれも優れていた。これに対して、TR/ERが本発明の範囲よりも低い比較例9で得られた金属ベース基板は、耐クラック率が低下した。また、本発明例12と比較例9の結果から、絶縁層を第1絶縁層と第2絶縁層とを組み合わせた積層体とすることによって、単層体の場合と比較して膜厚を薄くしても、熱抵抗、耐クラック率および反りに優れる金属ベース基板を得ることが可能となることがわかる。