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特開2023-55203会員の離脱可否を予測する方法、コンピュータプログラム及び情報処理システム
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  • 特開-会員の離脱可否を予測する方法、コンピュータプログラム及び情報処理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055203
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】会員の離脱可否を予測する方法、コンピュータプログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230410BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230410BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152702
(22)【出願日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131558
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518179254
【氏名又は名称】LINE Pay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ウン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム ウソク
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】少なくとも一つのプロセッサにより実行される会員の離脱可否を予測する方法が提供される。
【解決手段】会員の離脱可否を予測する方法は、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得するステップと、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱可否を予測するステップと、予測された複数の離脱可否に基づいて1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される、会員の離脱可否を予測する方法であって、
1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得するステップと、
複数の会員離脱予測モデルを用いて、前記1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、前記1以上の会員に対する複数の離脱可否を予測するステップと、
前記予測された複数の離脱可否に基づいて、前記1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するステップとを含む、会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項2】
前記複数の離脱可否を予測するステップは、
前記複数の会員離脱予測モデルの各々を用いて、前記1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、前記1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定するステップと、
前記1以上の会員の各々に対し、前記決定された複数の離脱確率に基づいて複数の離脱可否を決定するステップとを含む、請求項1に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項3】
前記複数の会員離脱予測モデルは、複数の機械学習モデルを含み、
前記複数の機械学習モデルの各々は、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、前記複数の参照会員に対する離脱確率を出力するように学習される、請求項1に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項4】
前記複数の会員離脱予測モデルは、少なくとも一つのアンサンブルモデルを含み、
前記少なくとも一つのアンサンブルモデルは、
前記複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一部から出力された、複数の参照会員に対する複数の離脱確率に基づいて、前記複数の参照会員に対するアンサンブル離脱確率を決定するように学習される、請求項1に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項5】
前記複数の会員離脱予測モデルは、複数の会員グループに対する複数の会員離脱予測サブモデルを含み、
前記複数の会員離脱予測サブモデルの各々は、複数の参照会員のうち、前記複数の会員グループの各々に属する複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、前記複数の会員グループの各々に属する複数の参照会員の各々に対する離脱確率を決定するように学習されたモデルであり、
前記複数の会員グループは、前記複数の参照会員を既定の基準にグループ化することにより生成される、請求項1に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項6】
前記1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するステップは、
前記複数の会員離脱予測モデルのうちで、前記1以上の会員の各々に対して離脱すると予測した会員離脱予測モデルの数が既定の数以上である場合、最終的に離脱すると予測するステップを含む、請求項1に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項7】
前記方法は、
コンピュータ装置からカバレッジが高い予測リスト又は精度が高い予測リストに対する要求を受信するステップと、
前記最終的に離脱すると予測された会員を前記リストに追加するステップと、
前記リストを前記コンピュータ装置に提供するステップとをさらに含み、
前記既定の数は、
前記カバレッジが高い予測リストに対応する既定の数及び前記精度が高い予測リストに対応する既定の数を含み、
前記カバレッジが高い予測リストに対応する既定の数は、前記精度が高い予測リストに対応する既定の数よりも小さい、請求項6に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項8】
前記1以上の会員は複数の会員を含み、
前記方法は、
コンピュータ装置から会員の離脱可否の予測対象となる会員グループを選択する要求を受信するステップと、
前記複数の会員のうちで、前記選択された会員グループに属する1以上の会員と関連付けられた会員情報を抽出するステップと、
前記会員グループに属する1以上の会員に対する離脱可否を前記コンピュータ装置に提供するステップとをさらに含む、請求項1に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項9】
前記1以上の会員と関連付けられた会員情報は、前記1以上の会員の各々に対する複数の項目に関する情報を含み、
前記方法は、
前記複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つに対する入力として使用される一つ以上の項目を選定するステップをさらに含み、
前記複数の離脱可否を予測するステップは、
前記複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つを用いて、前記選定された一つ以上の項目に関する情報に基づいて、前記1以上の会員に対する少なくとも一つの離脱可否を予測するステップを含む、請求項1に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項10】
前記1以上の会員と関連付けられた会員情報は、前記複数の会員離脱予測モデルの類型に応じて、既定の方式により前処理した情報を含む、請求項1に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項11】
前記1以上の会員は複数の会員を含み、
前記複数の会員のうちで、最終的に離脱すると予測された少なくとも一つの会員を一つ以上のコンテンツと関連させるステップをさらに含む、請求項1に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項12】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される、会員の離脱可否を予測する方法において、
1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得するステップと、
複数の会員離脱予測モデルを用いて、前記1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、前記1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定するステップと、
アンサンブル予測モデルを用いて、前記決定された複数の離脱確率に基づいて前記1以上の会員に対するアンサンブル離脱確率を決定するステップとを含む、会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項13】
前記複数の会員離脱予測モデルは、第1の機械学習モデル及び第2の機械学習モデルを含み、
前記1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定するステップは、
前記1以上の会員と関連付けられた会員情報を用いて、前記第1の機械学習モデルから第1の離脱確率を出力し、前記第2の機械学習モデルから第2の離脱確率を出力するステップを含み、
前記方法は、
前記第1の離脱確率、前記第2の離脱確率又は前記アンサンブル離脱確率の少なくとも一つに基づいて、前記1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するステップをさらに含む、請求項12に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項14】
前記最終離脱可否を予測するステップは、
前記第1の離脱確率、前記第2の離脱確率及び前記アンサンブル離脱確率の各々に基づいて、前記1以上の会員に対する第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否を予測するステップと、
前記予測された第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否に基づいて、前記1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するステップとを含む、請求項13に記載の会員の離脱可否を予測する方法。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法をコンピュータで実行するためのコンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラム。
【請求項16】
情報処理システムであって、
メモリと、
前記メモリと連結され、前記メモリに含まれたコンピュータ読み取り可能な少なくとも一つのプログラムを実行するように構成された少なくとも一つのプロセッサとを含み、
前記少なくとも一つのプログラムは、
1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得し、
複数の会員離脱予測モデルを用いて、前記1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、前記1以上の会員に対する複数の離脱可否を予測し、
前記予測された複数の離脱可否に基づいて、前記1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するための命令語を含む、情報処理システム。
【請求項17】
前記少なくとも一つのプログラムは、
前記複数の会員離脱予測モデルの各々を用いて、前記1以上の会員に対する会員情報に基づいて、前記1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定し、
前記1以上の会員の各々に対し、前記決定された複数の離脱確率に基づいて複数の離脱可否を決定するための命令語をさらに含む、請求項16に記載の情報処理システム。
【請求項18】
情報処理システムであって、
メモリと、
前記メモリと連結され、前記メモリに含まれたコンピュータ読み取り可能な少なくとも一つのプログラムを実行するように構成された少なくとも一つのプロセッサとを含み、
前記少なくとも一つのプログラムは、
1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得し、
複数の会員離脱予測モデルを用いて、前記1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、前記1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定し、
アンサンブル予測モデルを用いて、前記決定された複数の離脱確率に基づいて前記1以上の会員に対するアンサンブル離脱確率を決定するための命令語を含む、情報処理システム。
【請求項19】
前記複数の会員離脱予測モデルは、第1の機械学習モデル及び第2の機械学習モデルを含み、
前記少なくとも一つのプログラムは、
前記1以上の会員と関連付けられた会員情報を用いて、前記第1の機械学習モデルから第1の離脱確率を出力し、前記第2の機械学習モデルから第2の離脱確率を出力し、
前記第1の離脱確率、前記第2の離脱確率又は前記アンサンブル離脱確率の少なくとも一つに基づいて、前記1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するための命令語をさらに含む、請求項18に記載の情報処理システム。
【請求項20】
前記少なくとも一つのプログラムは、
前記第1の離脱確率、前記第2の離脱確率及び前記アンサンブル離脱確率の各々に基づいて、前記1以上の会員に対する第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否を予測し、
前記予測された第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否に基づいて、前記1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するための命令語をさらに含む、請求項19に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、会員の離脱可否を予測する方法及びシステムに関し、具体的には、会員と関連付けられた会員情報を獲得し、複数の会員離脱予測モデルを用いて複数の離脱可否を予測し、これを総合して会員に対する最終離脱可否を予測する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等のようなモバイル機器の拡散及びインターネットの発達により、モバイル機器を用いた決済アプリケーションの使用が拡散されている。消費者等は、こうした決済アプリケーションを介して、オンライン及び/又はオフラインにおいて容易に商品を購入できる。
【0003】
一方、様々な会社(例えば、カード会社、金融機関、フィンテック企業、プラットフォーム事業者など)では、自社アプリケーションを介して決済サービスを提供する。消費者等は、自分の利益及び便宜に応じて、様々な会社の決済サービスから自分が使用する決済サービスを選択できる。また、消費者等は、自分が既存に使用している会社の決済サービスから離脱したり、他の会社の決済サービスを新規に使用したりできる。特定の決済サービスを離脱した消費者等が該当決済サービスをよく使用していたユーザであり、そのようなユーザの数が益々増加するほど、決済サービスを提供する会社は経済的なダメージを受けることになる。このような事情を考慮する際に、各会社等は、既存会員が離脱しないように、既存会員から離脱可能性が大きい会員をより正確に把握し、ユーザの離脱可能性やユーザの利用形態に対する分析などに基づいて、事前に当該ユーザに対する措置をとることが大切である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10-0521752号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、前記のような問題を解決するための会員の離脱可否を予測する方法、コンピュータプログラム及びシステム(装置)を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、方法、システム(装置)またはコンピュータプログラムを含む多様な方式により具現化できる。
【0007】
本開示の一実施例によれば、少なくとも一つのプロセッサにより実行される、会員の離脱可否を予測する方法は、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得するステップと、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱可否を予測するステップと、予測された複数の離脱可否に基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するステップとを含む。
【0008】
本開示の一実施例によれば、複数の離脱可否を予測するステップは、複数の会員離脱予測モデルの各々を用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定するステップと、1以上の会員の各々に対し、決定された複数の離脱確率に基づいて複数の離脱可否を決定するステップとを含む。
【0009】
本開示の一実施例によれば、複数の会員離脱予測モデルは、複数の機械学習モデルを含み、複数の機械学習モデルの各々は、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の参照会員に対する離脱確率を出力するように学習される。
【0010】
本開示の一実施例によれば、複数の会員離脱予測モデルは、少なくとも一つのアンサンブルモデル(Ensemble Model)を含み、少なくとも一つのアンサンブルモデルは、複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一部から出力された、複数の参照会員に対する複数の離脱確率に基づいて、複数の参照会員に対するアンサンブル離脱確率を決定するように学習される。
【0011】
本開示の一実施例によれば、複数の会員離脱予測モデルは、複数の会員グループに対する複数の会員離脱予測サブモデルを含み、複数の会員離脱予測サブモデルの各々は、複数の参照会員のうち、複数の会員グループの各々に属する複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の会員グループの各々に属する複数の参照会員の各々に対する離脱確率を決定するように学習されたモデルであり、複数の会員グループは、複数の参照会員を既定の基準にグループ化することにより生成される。
【0012】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するステップは、複数の会員離脱予測モデルのうちで、1以上の会員の各々に対して離脱すると予測した会員離脱予測モデルの数が既定の数以上である場合、最終的に離脱すると予測するステップを含む。
【0013】
本開示の一実施例によれば、方法は、コンピュータ装置からカバレッジが高い予測リスト又は精度が高い予測リストに対する要求を受信するステップと、最終的に離脱すると予測された会員をリストに追加するステップと、リストをコンピュータ装置に提供するステップとをさらに含み、既定の数は、カバレッジが高い予測リストに対応する既定の数及び精度が高い予測リストに対応する既定の数を含み、カバレッジが高い予測リストに対応する既定の数は、精度が高い予測リストに対応する既定の数よりも小さい。
【0014】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員は複数の会員を含み、方法は、コンピュータ装置から会員の離脱可否の予測対象となる会員グループを選択する要求を受信するステップと、複数の会員のうちで、選択された会員グループに属する1以上の会員と関連付けられた会員情報を抽出するステップと、会員グループに属する1以上の会員に対する離脱可否をコンピュータ装置に提供するステップとをさらに含む。
【0015】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員と関連付けられた会員情報は、1以上の会員の各々に対する複数の項目に関する情報を含み、方法は、複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つに対する入力として使用される一つ以上の項目を選定するステップをさらに含み、複数の離脱可否を予測するステップは、複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つを用いて、選定された一つ以上の項目に関する情報に基づいて、1以上の会員に対する少なくとも一つの離脱可否を予測するステップを含む。
【0016】
本開示の一実施例によれば、1以上の会員と関連付けられた会員情報は、複数の会員離脱予測モデルの類型に応じて、既定の方式により前処理した情報を含む。
【0017】
本開示の一実施例によれば、方法は、1以上の会員は複数の会員を含み、複数の会員のうちで、最終的に離脱すると予測された少なくとも一つの会員を一つ以上のコンテンツと関連させるステップをさらに含む。
【0018】
本開示の一実施例によれば、少なくとも一つのプロセッサにより実行される、会員の離脱可否を予測する方法は、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得するステップと、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定するステップと、アンサンブル予測モデルを用いて、決定された複数の離脱確率に基づいて1以上の会員に対するアンサンブル離脱確率を決定するステップとを含む。
【0019】
本開示の一実施例によれば、複数の会員離脱予測モデルは、第1の機械学習モデル及び第2の機械学習モデルを含み、1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定するステップは、1以上の会員と関連付けられた会員情報を用いて、第1の機械学習モデルから第1の離脱確率を出力し、第2の機械学習モデルから第2の離脱確率を出力するステップを含み、方法は、第1の離脱確率、第2の離脱確率又はアンサンブル離脱確率の少なくとも一つに基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するステップをさらに含む。
【0020】
本開示の一実施例によれば、最終離脱可否を予測するステップは、第1の離脱確率、第2の離脱確率及びアンサンブル離脱確率の各々に基づいて、1以上の会員に対する第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否を予測するステップと、予測された第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否に基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するステップとを含む。
【0021】
本開示の一実施例に係る前述の方法をコンピュータで実行するためのコンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラムが提供される。
【0022】
本開示の一実施例に係る情報処理システムは、メモリと、メモリと連結され、メモリに含まれたコンピュータ読み取り可能な少なくとも一つのプログラムを実行するように構成された少なくとも一つのプロセッサとを含み、少なくとも一つのプログラムは、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得し、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱可否を予測し、予測された複数の離脱可否に基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するための命令語を含む。
【0023】
本開示の一実施例によれば、少なくとも一つのプログラムは、複数の会員離脱予測モデルの各々を用いて、1以上の会員に対する会員情報に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定し、1以上の会員の各々に対し、決定された複数の離脱確率に基づいて複数の離脱可否を決定するための命令語をさらに含む。
【0024】
本開示の一実施例に係る情報処理システムは、メモリと、メモリと連結され、メモリに含まれたコンピュータ読み取り可能な少なくとも一つのプログラムを実行するように構成された少なくとも一つのプロセッサとを含み、少なくとも一つのプログラムは、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得し、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定し、アンサンブル予測モデルを用いて、決定された複数の離脱確率に基づいて1以上の会員に対するアンサンブル離脱確率を決定するための命令語を含む。
【0025】
本開示の一実施例によれば、複数の会員離脱予測モデルは、第1の機械学習モデル及び第2の機械学習モデルを含み、少なくとも一つのプログラムは、1以上の会員と関連付けられた会員情報を用いて、第1の機械学習モデルから第1の離脱確率を出力し、第2の機械学習モデルから第2の離脱確率を出力し、第1の離脱確率、第2の離脱確率又はアンサンブル離脱確率の少なくとも一つに基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するための命令語をさらに含む。
【0026】
本開示の一実施例によれば、少なくとも一つのプログラムは、第1の離脱確率、第2の離脱確率及びアンサンブル離脱確率の各々に基づいて、1以上の会員に対する第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否を予測し、予測された第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否に基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測するための命令語をさらに含む。
【発明の効果】
【0027】
本開示の一部の実施例によれば、複数の会員離脱予測モデルを用いて既存会員の離脱可否を予測することで、会員の離脱可否の予測の精度を一層向上させることができる。
【0028】
本開示の効果は、これに制限されず、言及されない他の効果等は、請求範囲の記載から本開示が属する技術分野における通常の知識を有した者(以下、“当業者”という)に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示の実施例等は、以下の添付図面に基づいて説明される。ここで、類似の参照番号は類似の要素を示すが、これに限定されるものではない。
図1】本開示の一実施例に係る1以上の会員の離脱可否を予測する例を示す図である。
図2】本開示の一実施例に係る決済サービス及び/又は会員の離脱可否予測サービスを提供するために、情報処理システムが複数のユーザ端末と通信可能であるように連結された構成を示す概要図である。
図3】本開示の一実施例に係るユーザ端末及び情報処理システムの内部構成を示すブロック図である。
図4】本開示の一実施例に係る会員離脱予測モデルを用いて、会員情報に基づいて離脱確率を決定する例を示す図である。
図5】本開示の一実施例に係るアンサンブルモデルを用いて、アンサンブル離脱確率を決定する例を示す図である。
図6】本開示の一実施例に係る複数の会員グループに属する複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報を用いて、複数の会員離脱予測サブモデルを学習させる例を示す図である。
図7】本開示の一実施例に係る複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つに対する入力として使用される項目を選定する方法の例を示す図である。
図8】本開示の一実施例に係る1以上の会員に対する離脱可否予測の結果の例を示す図である。
図9】本開示の一実施例に係る離脱予測会員を対象としてコンテンツを提供するためのユーザインタフェースの例を示す図である。
図10】本開示の一実施例に係る会員の離脱可否を予測する方法を示すフローチャートである。
図11】本開示の他の実施例に係る会員の離脱可否を予測する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施のための具体的な内容を添付図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明では、本開示の要旨を不要に不明瞭にする恐れがある場合、公知の機能や構成に関する具体的な説明は省略する。
【0031】
添付図面において、同一又は対応する構成要素には同一の参照符号が付与される。また、以下の実施例の説明において、同一又は対応する構成要素の重複記述は省略され得る。しかしながら、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素が、ある実施例に含まれないものと意図してはならない。
【0032】
開示の実施例の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面に基づいて後述する実施例を参照すれば明確になる。しかしながら、本開示は、以下で開示される実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態で具現化され得る。但し、本実施例は、本開示が完全になるようにし、本開示が当業者に発明のカテゴリを正確に認識させるために提供されるだけである。
【0033】
本明細書で使用される用語について簡略に説明し、開示の実施例について具体的に説明する。本明細書で使用される用語は、本開示での機能を考慮しつつ、可能な限り現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは関連分野に従事する技術者の意図又は判例、新技術の出現などにより変化し得る。また、特定の場合は出願人が任意で選定した用語もあり得るが、これらの意味は当該発明の説明の部分において詳細に記載する。よって、本開示で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本開示の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0034】
本明細書では、文脈上において明確に特定しない限り、単数の表現は複数の表現を含み、複数の表現は単数の表現を含むことができる。明細書の全般に渡り、ある部分がある構成要素を「含む」とする際、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むこともできることを意味する。
【0035】
また、明細書で使用される「モジュール」又は「部(ユニット)」という用語は、ソフトウェアやハードウェア構成要素を意味し、「モジュール」又は「部」はある役割を実行する。しかしながら、「モジュール」又は「部」はソフトウェアやハードウェアに限定される意味ではない。「モジュール」又は「部」は、アドレッシング可能な記憶媒体にあるように構成してもよく、一つ又はそれ以上のプロセッサを実行させるように構成してもよい。したがって、一例として、「モジュール」又は「部」は、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、タスク構成要素のような構成要素、並びに、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ又は変数のうちで少なくとも一つを含むことができる。構成要素と「モジュール」又は「部」は、内部で提供される機能をさらに小さい数の構成要素及び「モジュール」又は「部」で結合されたり、追加的な構成要素と「モジュール」又は「部」にさらに分離されたりできる。
【0036】
本開示の一実施例によれば、「モジュール」又は「部」はプロセッサ及びメモリで具現化され得る。「プロセッサ」は汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、制御器、マイクロ制御器、状態マシンなどを含むように広く解釈されるべきである。いくつかの環境では、「プロセッサ」は特定用途向け半導体(ASIC)、プログラム可能なロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)等を称することもできる。「プロセッサ」は、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサの組合せ、DSPコアと結合した一つ以上のマイクロプロセッサの組合せ、若しくは、任意の他のそのような構成等の組合せのような処理デバイスの組合せを称することもできる。また、「メモリ」は電子情報を保存可能な任意の電子コンポーネントを含むように広く解釈されるべきである。「メモリ」は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、磁気又は光学データ記憶装置、レジスタなどのようなプロセッサ読み取り可能な媒体の多様な類型を称することもできる。プロセッサがメモリから情報を読み取り/読み取った情報をメモリに記録できる場合、メモリはプロセッサと電子通信状態にあると言われる。プロセッサに集積されたメモリはプロセッサと電子通信状態にある。
【0037】
本開示において、「会員」は、特定サービス(例えば、決済サービスなど)を利用している消費者や、過去に利用したことがある消費者や、特定サービスに関するメンバーシップに加入した消費者などを含むことができる。一実施例において、「会員」は、最近、一定の期間内(例:最近6ケ月内)にサービスを利用したことがある消費者を称することができる。
【0038】
本開示において、「離脱」は、特定サービスに関するメンバーシップでの脱退及び/又は既定の期間内(例えば、連続して1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月など)の未利用を称することができる。例えば、「会員の離脱」は、既存会員の1ヶ月間の連続的な未利用を意味できる。これにより、既存会員が1ヶ月間連続してサービスを未利用である場合(すなわち、既存会員が1ヶ月間連続してサービスを利用していない場合)、当該会員は離脱したと判定できる。また、既存会員が基準時点から1ヶ月間連続してサービスを未利用になると予測される場合、当該会員は離脱すると予測できる。
【0039】
本開示において、「コンテンツ」は、特定サービス(例えば、決済サービスなど)のユーザに付加的に提供する情報、データ及び/又はサービスを称することができる。一実施例において、「コンテンツ」は、主要サービスの使用を奨励するために、ユーザに提供される付加的又は追加的な情報、データ及び/又はサービスを含むことができる。例えば、プロモーションコンテンツ、割引クーポンコンテンツ、無料購入クーポン及び商品のプレゼントに関する情報を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0040】
本開示において、「複数のA各々」及び/又は「複数のAの各々」は、複数のAに含まれた全ての構成要素の各々を称したり、複数のAに含まれた一部の構成要素の各々を称したりできる。例えば、複数の会員離脱予測モデルの各々は、複数の会員離脱予測モデルに含まれた全てのモデルの各々を称したり、複数の会員離脱予測モデルに含まれた一部のモデルの各々を称したりできる。
【0041】
本開示において、「機械学習モデル」は、与えられた入力に対する解答(answer)を推論するのに使用する任意のモデルを含むことができる。一実施例によれば、機械学習モデルは、入力層(layer)、複数個の隠れ層及び出力層を含む人工ニューラルネットワークモデル又はディープラーニングモデルを含むことができる。一実施例において、特定の機械学習モデルが単一のモデルとして示されても、当該機械学習モデルは複数のモデルを含むことができる。
【0042】
図1は、本開示の一実施例に係る1以上の会員の離脱可否140を予測する例を示す図である。一実施例において、情報処理システム(図示せず)は、1以上の会員に対して決済サービスを提供できる。例えば、情報処理システムは、決済アプリケーションなどを介して、1以上の会員に決済サービスを提供できる。こうした決済サービスにおいて、既存会員の既定の期間(例:1ケ月、3ケ月、6ケ月など)の利用離脱は長期の離脱又は永久の離脱につながることがある。したがって、ユーザ(例えば、管理者や運営者など)は、このような離脱を防止するために、会員の1ケ月利用離脱可否を予測し、離脱を防止するための措置(例えば、ターゲッティングプロモーションなどのコンテンツ提供)をとる必要がある。
【0043】
会員の離脱可否を予測するために、情報処理システムは、1以上の会員と関連付けられた会員情報112、122を獲得できる。ここで、1以上の会員は離脱可否の予測対象となる会員であり得る。一実施例において、離脱可否の予測対象となる会員を特定のタイプ又は特定の会員グループに属する会員に限定し得る。例えば、決済サービスの会員を、最近(一定期間内)の利用額に基づいてヘビーユーザ、ミドルユーザ及びライトユーザなどにグループ化し、特定のグループに属する会員を対象として離脱可否を予測できる。
【0044】
一実施例によれば、会員情報112、122は複数の項目に関する情報を含むことができる。ここで、複数の項目は一つ以上のカテゴリに分類された一つ以上の変数を称することができ、複数の項目に関する情報は複数の項目に対する値を称することができる。例えば、一つ以上のカテゴリは、会員基本情報、アカウント状態、利用トレンド、残額現況、決済トレンド、チャージトレンド、送金トレンド、カード関連情報、ポイント等級、リワードクーポン関連情報、ユーザグループ統計量、決済関連情報、ステッカー関連情報、オープンチャット(インターネットコミュニティ)関連情報、及び加盟店別決済トレンドなどを含むことができ、各カテゴリは一つ以上の変数を含むことができる。例えば、一つ以上の変数は、総利用額、最近利用額、1回平均利用額、決済項目又は類型による利用額、最近利用時期、利用維持期間、以前利用離脱可否、カード発給可否、関連会員数及びチャット頻度などを含むことができる。
【0045】
情報処理システムは、複数の会員離脱予測モデル110、120、130を用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報112、122に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱可否116、126、136を予測できる。例えば、情報処理システムは、第1の会員離脱予測モデル110、第2の会員離脱予測モデル120及び第3の会員離脱予測モデル130を用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報112、122に基づいて、第1の離脱可否116、第2の離脱可否126及び第3の離脱可否136を予測できる。各会員離脱予測モデル110、120、130の入力として使用される会員情報112、122に含まれる項目は、モデルによって同一又は異なることができる。
【0046】
一実施例によれば、情報処理システムは、複数の会員離脱予測モデル110、120、130を用いて、複数の離脱確率114、124、134を決定し、決定された複数の離脱確率114、124、134から複数の離脱可否116、126、136を予測できる。例えば、情報処理システムは、第1の会員離脱予測モデル110、第2の会員離脱予測モデル120及び第3の会員離脱予測モデル130を用いて、第1の離脱確率114、第2の離脱確率124及び第3の離脱確率134を決定できる。その後、複数の離脱確率114、124、134の各々が既定の閾値以上であるか否かにより、第1の離脱可否116、第2の離脱可否126及び第3の離脱可否136を決定できる。離脱確率から離脱可否を決定するための既定の閾値は、モデルによって同一又は異なることができる。
【0047】
一実施例によれば、複数の会員離脱予測モデル110、120、130は複数の機械学習モデルを含むことができる。例えば、Boost系列の機械学習モデル(例:XGBoostなど)やディープラーニングモデル(例:全結合ニューラルネットワーク(Fully Connected Neural Network)など)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の機械学習モデルの各々は、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、参照会員に対する離脱確率を決定するように学習されたモデルであり得る。情報処理システムは、学習された複数の機械学習モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報112、122に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱可否116、126、136を予測できる。
【0048】
一実施例によれば、複数の会員離脱予測モデル110、120、130は、少なくとも一つのアンサンブルモデルを含むことができる。一実施例によれば、アンサンブルモデルは、全結合ニューラルネットワークを含むディープラーニングモデルとして具現化できるが、これに限定されず、複数の会員離脱予測モデルから決定された複数の参照会員に対する離脱確率の入力により、複数の参照会員に対するアンサンブル離脱確率を決定するように学習された任意の機械学習モデルであり得る。情報処理システムは、学習されたアンサンブルモデルを用いて、複数の会員離脱予測モデルから決定された1以上の会員に対する複数の離脱確率に基づいて、1以上の会員に対するアンサンブル離脱可否を予測できる。例えば、図1にアンサンブルモデルの例として第3の会員離脱予測モデル130を示している。情報処理システムは、第3の会員離脱予測モデル130を用いて、第1の会員離脱予測モデル110及び第2の会員離脱予測モデル120により決定された1以上の会員に対する第1の離脱確率114及び第2の離脱確率124に基づいて、第3の離脱確率134を決定できる。その後、第3の離脱確率134が既定の閾値以上であるか否かにより、1以上の会員に対する第3の離脱可否136を決定できる。
【0049】
一実施例によれば、会員離脱予測モデルに入力される1以上の会員と関連付けられた会員情報112、122は、複数の項目に関する情報を含むことができる。このとき、情報処理システムは、会員離脱予測モデルに入力される複数の項目に対する値の範囲が同一であるように調整するために、複数の項目に対する値を元の値に比例するように調整できる。すなわち、会員離脱予測モデルに入力される1以上の会員と関連付けられた会員情報112、122は前処理した情報であり得る。前処理方式は、各項目に対する値が標準分布に従うように値を変換させる標準化(Standardization)、及び、各項目に対する値が0~1間の値を有するように分布を調整する正規化(Normalization)などを含むことのできるが、これに限定されるものではない。一実施例によれば、会員情報112、122は、入力されるモデルの類型に応じて、既定の方式により前処理した情報であり得る。このとき、多様な方式により前処理した入力データを用いて各モデルの性能を測定し、モデルによって性能が最も良い前処理方式を決定して、当該方式により前処理した入力データを会員の離脱可否の予測に使用できる。例えば、会員離脱予測モデルがBoost系列の機械学習モデルである場合、入力される会員情報は、1以上の会員と関連付けられた複数の項目に対する標準化を実行することにより前処理した情報を含むことができる。他の例として、会員離脱予測モデルがディープラーニングモデルである場合、入力される会員情報は、1以上の会員と関連付けられた複数の項目に対する正規化を実行することにより前処理した情報を含むことができる。
【0050】
情報処理システムは、予測された複数の離脱可否116、126、136を総合して、1以上の会員に対する最終離脱可否140を予測できる。一実施例によれば、会員の各々に対して離脱すると予測した会員離脱予測モデルの数が既定の数以上である場合、最終的に離脱すると予測できる。例えば、既定の数が2である場合、情報処理システムは、第1の会員が離脱すると予測したモデルが二つ以上であるとき、第1の会員が最終的に離脱すると予測できる。付加的又は代替的に、既定の数は予測タイプによって異なるように定義できる。例えば、正確度(精度)が高い予測である場合、情報処理システムは、全てのモデルが第1の会員の離脱を予測した場合のみに、第1の会員が最終的に離脱すると予測できる。他の例として、カバレッジが高い予測である場合、情報処理システムは、複数のモデルのいずれか一つが第1の会員の離脱を予測した場合、第1の会員が最終的に離脱すると予測できる。
【0051】
付加的又は代替的に、情報処理システムは、複数の会員離脱予測モデル110、120、130を用いて決定された複数の離脱確率114、124、134に基づいて、複数の危険度を決定できる。その後、決定された複数の危険度に基づいて1以上の会員に対する最終危険度を決定できる。会員に対する最終危険度は、当該会員が離脱すると予測される程度を示す尺度であり得る。例えば、情報処理システムは、0~1間の値を有する第1の離脱確率114、第2の離脱確率124及び第3の離脱確率134の各々に1000を乗算して、0~1000間の値を有する第1の危険度、第2の危険度及び第3の危険度を決定できる。その後、決定された第1の危険度、第2の危険度及び第3の危険度の平均値又は中間値を算出することで、1以上の会員に対する最終危険度を決定できる。或いは、決定された複数の危険度の平均値又は中間値が属する区間によって最終危険度を決定できる。例えば、決定された第1の危険度、第2の危険度及び第3の危険度の平均値又は中間値が属する区間によって、1以上の会員に対する最終危険度を高危険、中危険及び低危険に分類できる。
【0052】
情報処理システムは、1以上の会員に対して予測された最終離脱可否又は最終危険度などに基づいて、ターゲッティングしたコンテンツを提供できる。例えば、最終的に離脱すると予測された会員又は最終危険度が高危険である会員などを対象として、会員の離脱を防止するためのコンテンツ(例:プロモーションコンテンツやクーポンコンテンツなど)を提供できる。
【0053】
本開示の一部の実施例によれば、既存会員の離脱を防止するために、離脱が予想される会員にターゲッティングしたコンテンツを提供できる。これにより、制限的なリソースを用いて会員の離脱を效果的に防止することができる。
【0054】
本開示の一部の実施例によれば、正確度が高い予測及びカバレッジが高い予測のうちで、所望のタイプによって離脱可否を予測できるため、リソースの現況によって離脱防止のためのターゲッティングした会員範囲を多様に変更させることができる。
【0055】
本開示の一部の実施例によれば、ヘビー(heavy)ユーザ、ミドル(middle)ユーザ、ライト(light)ユーザ及び復帰ユーザなど、会員タイプによって離脱可否を予測でき、会員タイプ別に様々なコンテンツが提供されることで、制限的なリソースを効率よく使用することができる。
【0056】
図1では、複数の会員離脱予測モデル110、120、130の各々が会員情報の入力により離脱確率を出力するように構成したが、これに限定されず、複数の会員離脱予測モデル110、120、130の各々は、会員情報の入力により、離脱確率だけでなく、離脱確率の信頼度を出力するように構成することもできる。このとき、複数の会員離脱予測モデル110、120、130の各々に対応した離脱可否は、離脱確率だけでなく、信頼度も考慮して決定され得る。例えば、ある会員の離脱確率が高くても、当該離脱確率の信頼度が低く出力される場合、この会員は離脱しないと予測できる。
【0057】
図2は、本開示の一実施例に係る決済サービス及び/又は会員の離脱可否予測サービスを提供するために、情報処理システム230が複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3と通信可能であるように連結された構成を示す概要図である。情報処理システム230は、決済サービスを提供できるシステム及び/又は会員の離脱可否を予測できるシステムを含むことができる。一実施例において、情報処理システム230は、決済サービス、会員の離脱可否予測サービス及び/又はコンテンツ提供サービスと関連付けられたコンピュータ実行可能なプログラム(例えば、ダウンロード可能なアプリケーション)や、データを保存、提供及び実行できる一つ以上のサーバ装置及び/又はデータベースや、クラウドコンピューティング(cloud computing)サービスベースの一つ以上の分散コンピュータ装置及び/又は分散データベースを含むことができる。例えば、情報処理システム230は 決済サービス、会員の離脱可否予測サービス及び/又はコンテンツ提供サービスのための別途のシステム(例えば、サーバ)を含むことができる。情報処理システム230により提供される決済サービス、会員の離脱可否予測サービスなどは、複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3の各々に設置されたアプリケーションや会員管理アプリケーションなどを介してユーザに提供できる。
【0058】
複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3は、ネットワーク220を介して情報処理システム230と通信できる。ネットワーク220は、複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3及び情報処理システム230間の通信が可能であるように構成できる。ネットワーク220は、設置環境に応じて、例えば、イーサネット(Ethernet)(登録商標)、PLC(Power Line Communication)、電話線通信装置及びRS-serial通信などのような有線ネットワーク、移動通信網、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)及びZigBee(登録商標)などのような無線ネットワーク又はその組合せからなることができる。通信方式は制限されず、ネットワーク220を含むことができる通信網(例えば、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網、衛星網等)を活用する通信方式だけでなく、ユーザ端末210_1、210_2、210_3間の近距離無線通信も含まれる。
【0059】
図2では、携帯電話端末210_1、タブレット端末210_2及びPC端末210_3をユーザ端末の例として示したが、これに限定されず、ユーザ端末210_1、210_2、210_3は、有線及び/又は無線通信が可能であり、決済アプリケーションや会員管理アプリケーションなどが設置されて実行できる任意のコンピューティング装置であり得る。例えば、ユーザ端末は、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーションシステム、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレットPC、ゲームコンソール(game console)、ウェアラブルデバイス(wearable device)、IoT(internet of things)デバイス、VR(virtual reality)デバイス、AR(augmented reality)デバイスなどを含むことができる。また、図2では、3つのユーザ端末210_1、210_2、210_3がネットワーク220を介して情報処理システム230と通信するものと示したが、これに限定されず、異なる数のユーザ端末がネットワーク220を介して情報処理システム230と通信するように構成されることもできる。
【0060】
一実施例において、情報処理システム230は、ユーザ端末210_1、210_2、210_3(例えば、決済サービス会員のユーザ端末)から、会員と関連付けられた会員情報(例えば、決済情報やソーシャル情報など)を受信できる。このとき、情報処理システム230は、受信された会員情報をデータベースなどの記憶装置に保存できる。他の実施例において、情報処理システム230は、ユーザ端末210_1、210_2、210_3(例えば、決済サービス管理者及び/又は運営者などのユーザ端末)から予測タイプを受信し、会員の離脱可否に対する予測結果を提供できる。
【0061】
図3は、本開示の一実施例に係るユーザ端末210及び情報処理システム230の内部構成を示すブロック図である。ユーザ端末210は、決済アプリケーションや会員管理アプリケーションなどが実行可能であり、有線/無線通信が可能な任意のコンピュータ装置を称することができ、例えば、図2の携帯電話端末210_1、タブレット端末210_2及びPC端末210_3などを含むことができる。図に示すように、ユーザ端末210は、メモリ312、プロセッサ314、通信モジュール316及び入出力インタフェース318を含むことができる。これと同様に、情報処理システム230は、メモリ332、プロセッサ334、通信モジュール336及び入出力インタフェース338を含むことができる。図3に示すように、ユーザ端末210及び情報処理システム230は、各々の通信モジュール316、336を用いて、ネットワーク220を介して情報及び/又はデータが通信できるように構成できる。また、入出力装置320は、入出力インタフェース318を介して、ユーザ端末210に情報及び/又はデータを入力したり、ユーザ端末210から生成された情報及び/又はデータを出力したりするように構成できる。
【0062】
メモリ312、332は、非一時的な任意のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含むことができる。一実施例によれば、メモリ312、332は、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、ディスクドライブ、SSD(solid state drive)及びフラッシュメモリ(flash memory)などのような永久的な大容量記憶装置(permanent mass storage device)を含むことができる。他の例として、ROM、SSD、フラッシュメモリ及びディスクドライブなどのような永久的な大容量記憶装置は、メモリとは区分される別途の永久記憶装置としてユーザ端末210又は情報処理システム230に含まれることができる。また、メモリ312、332には、オペレーティングシステムと少なくとも一つのプログラムコード(例えば、決済サービス、会員の離脱可否予測サービス及び/又はコンテンツ提供サービスと関連付けられたアプリケーションなどのためのコード)が保存され得る。
【0063】
このようなソフトウェア構成要素は、メモリ312、332とは別途のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からローディングできる。このような別途のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、このようなユーザ端末210及び情報処理システム230に直接連結可能な記録媒体を含むことのできるが、例えば、フロッピードライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ及びメモリカードなどのようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含むことができる。他の例として、ソフトウェア構成要素等は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体でなく、通信モジュール316、336を介してメモリ312、332にローディングされることもできる。例えば、少なくとも一つのプログラムは、開発者又はアプリケーションの設置ファイルを配信するファイル配信システムが、ネットワーク220を介して提供するファイルにより設置されるコンピュータプログラム(例えば、決済サービス、会員の離脱可否予測サービス及び/又はコンテンツ提供サービスと関連付けられたアプリケーションなど)に基づいてメモリ312、332にローディングされることができる。
【0064】
プロセッサ314、334は、基本的な算術、ロジック及び入出力演算を実行することで、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成できる。命令は、メモリ312、332又は通信モジュール316、336によりプロセッサ314、334に提供され得る。例えば、プロセッサ314、334は、メモリ312、332のような記録装置に保存されたプログラムコードによって受信される命令を実行するように構成できる。
【0065】
通信モジュール316、336は、ネットワーク220を介して、ユーザ端末210と情報処理システム230とが互いに通信するための構成や機能が提供でき、ユーザ端末210及び/又は情報処理システム230が、他のユーザ端末又は他のシステム(例えば、別途のクラウドシステムなど)と通信するための構成や機能が提供できる。一例として、ユーザ端末210のプロセッサ314がメモリ312などのような記録装置に保存されたプログラムコードによって生成した要求又はデータ(例えば、会員の離脱可否予測の要求など)は、通信モジュール316の制御により、ネットワーク220を介して情報処理システム230に伝達され得る。反対に、情報処理システム230のプロセッサ334の制御により提供される制御信号や命令が、通信モジュール336及びネットワーク220を経て、ユーザ端末210の通信モジュール316を介してユーザ端末210に受信され得る。例えば、ユーザ端末210は、情報処理システム230から会員の離脱可否予測の結果を受信できる。
【0066】
入出力インタフェース318は、入出力装置320とのインタフェースのための手段であり得る。一例として、入力装置はオーディオセンサ及び/又はイメージセンサを含むカメラ、キーボード、マイクロホン、マウスなどのような装置を含み、出力装置はディスプレイ、スピーカ、ハプティック(触覚)フィードバックデバイス(haptic feedback device)などのような装置を含むことができる。他の例として、入出力インタフェース318は、タッチスクリーンなどのように入力及び出力を実行するための構成又は機能が一つで統合された装置とのインタフェースのための手段であり得る。
【0067】
図3では、入出力装置320がユーザ端末210に含まれないように示したが、これに限定されず、ユーザ端末210と一体に構成することもできる。また、情報処理システム230の入出力インタフェース338は、情報処理システム230と連結するか、又は、情報処理システム230が含むことのできる入力や出力のための装置(図示せず)とのインタフェースのための手段であり得る。図3では、入出力インタフェース318、338がプロセッサ314、334と別途に構成された要素として示したが、これに限定されず、入出力インタフェース318、338がプロセッサ314、334に含まれるように構成することもできる。
【0068】
ユーザ端末210及び情報処理システム230は、図3に示す構成要素よりも多くの構成要素を含むことができる。しかしながら、大部分の従来技術による構成要素を明確に示す必要はない。一実施例によれば、ユーザ端末210は、前述した入出力装置320の少なくとも一部を含むように具現化できる。また、ユーザ端末210は、送受信機(transceiver)、GPS(Global Positioning system)モジュール、カメラ、各種センサ及びデータベースなどのような他の構成要素をさらに含むことができる。例えば、ユーザ端末210がスマートフォンである場合、一般にスマートフォンが有する構成要素を含むことができ、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、マイクモジュール、カメラモジュール、各種物理的なボタン、タッチパネルを用いたボタン、入出力ポート及び振動のための振動器などのような多様な構成要素がユーザ端末210にさらに含まれるように具現化できる。
【0069】
一実施例によれば、ユーザ端末210のプロセッサ314は、決済アプリケーション、会員管理アプリケーション及び/又はウェブブラウザアプリケーションが動作するように構成できる。このとき、当該アプリケーションと関連付けられたプログラムコードがユーザ端末210のメモリ312にローディングできる。アプリケーションが動作する際に、ユーザ端末210のプロセッサ314は、入出力装置320から提供された情報及び/又はデータを入出力インタフェース318を介して受信したり、通信モジュール316を介して情報処理システム230から情報及び/又はデータを受信したりでき、受信された情報及び/又はデータを処理してメモリ312に保存できる。また、このような情報及び/又はデータは、通信モジュール316を介して情報処理システム230に提供できる。
【0070】
決済アプリケーションや会員管理アプリケーションなどが動作する際に、プロセッサ314は、入出力インタフェース318と連結されたタッチスクリーン、キーボード、オーディオセンサ及び/又はイメージセンサを含むカメラ、マイクロホンなどのような入力装置により入力又は選択された音声データ、テキスト、イメージ、映像などが受信でき、受信された音声データ、テキスト、イメージ及び/又は映像などをメモリ312に保存したり、通信モジュール316及びネットワーク220を介して情報処理システム230に提供したりできる。ユーザ端末210のプロセッサ314は、情報及び/又はデータを入出力インタフェース318を介して入出力装置320に転送して出力できる。例えば、ユーザ端末210のプロセッサ314は、ディスプレイ出力可能装置(例:タッチスクリーンやディスプレイなど)、音声出力可能装置(例:スピーカ)などの入出力装置320を介して処理された情報及び/又はデータを出力できる。
【0071】
情報処理システム230のプロセッサ334は、複数のユーザ端末210及び/又は複数の外部システムから受信された情報及び/又はデータを管理、処理及び/又は保存するように構成できる。プロセッサ334により処理された情報及び/又はデータは、通信モジュール336及びネットワーク220を介してユーザ端末210に提供できる。一実施例において、情報処理システム230のプロセッサ334は、1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得し、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて1以上の会員の最終離脱可否を予測できる。その後、プロセッサ334は、1以上の会員の最終離脱可否に対する予測結果をユーザ端末210(例えば、決済サービス管理者及び/又は運営者などのユーザ端末)に提供できる。
【0072】
図4は、本開示の一実施例に係る会員離脱予測モデル410を用いて、会員情報412に基づいて離脱確率414を決定する例を示す図である。情報処理システム(例えば、情報処理システム230など)は、会員の離脱可否予測のために複数の会員離脱予測モデルを利用できる。ここで、会員離脱予測モデル410は機械学習モデルであり得る。例えば、Boost系列の機械学習モデル(例:XBoostなど)、ディープラーニングモデル(例:全結合ニューラルネットワークなど)であり得るが、これに限定されるものではない。
【0073】
一実施例によれば、一つの会員離脱予測モデル410は、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の参照会員の離脱確率を予測するように学習できる。一実施例において、情報処理システムは、会員情報データベースから会員離脱予測モデル410を学習するための学習データを獲得できる。ここで、会員情報データベースは、情報処理システムの内部及び/又は外部の記憶装置に含まれる。また、会員情報データベースは、既に利用離脱した会員及び/又は利用を維持している会員と関連付けられた会員情報を含むことができる。会員離脱予測モデル410を学習するための学習データは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報を含むことができる。
【0074】
複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報は、複数の項目に関する情報を含むことができる。ここで、複数の項目は、一つ以上のカテゴリに分類された一つ以上の変数を称することができ、複数の項目に関する情報は、複数の項目に対する値を称することができる。例えば、一つ以上のカテゴリは、会員基本情報、アカウント状態、利用トレンド、残額現況、決済トレンド、チャージトレンド、送金トレンド、カード関連情報、ポイント等級、リワードクーポン関連情報、ユーザグループ統計量、決済関連情報、ステッカー関連情報、オープンチャット(インターネットコミュニティ)関連情報、及び加盟店別決済トレンドなどを含むことができ、各カテゴリは一つ以上の変数を含むことができる。例えば、一つ以上の変数は、総利用額、最近利用額、1回平均利用額、決済項目又は類型による利用額、最近利用時期、利用維持期間、利用離脱可否履歴、カード発給可否、関連会員数及びチャット頻度などを含むことができる。
【0075】
また、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報は、複数の参照会員の離脱可否に関する情報(すなわち、参照会員等の実際の離脱可否)を含むことができる。情報処理システムは、前述した複数の項目に対する値(または複数の項目に対する値を前処理した値)を入力データとし、複数の参照会員の離脱可否(例:0(未離脱)又は1(離脱))を正解データ(例えば、正解ラベル)として、会員離脱予測モデル410を教師有り学習できる。付加的又は代替的に、情報処理システムは、複数の項目に関する情報及び複数の項目の加重値に基づいて、会員離脱予測モデル410を学習できる。
【0076】
一実施例によれば、情報処理システムは、学習された会員離脱予測モデル410に1以上の会員と関連付けられた会員情報412を入力して、1以上の会員に対する離脱確率414を決定できる。付加的に、情報処理システムは、会員離脱予測モデル410により決定された1以上の会員に対する離脱確率414に基づいて、1以上の会員に対する離脱可否を予測できる。
【0077】
会員離脱予測モデル410に入力される会員情報412は前処理した情報であり得る。前処理方式は、各項目に対する値が標準分布に従うように値を変換させる標準化(Standardization)、及び、各項目に対する値が0~1間の値を有するように分布を調整する正規化(Normalization)などを含むことのできるが、これに限定されるものではない。一実施例によれば、会員情報412は、会員離脱予測モデル410の類型に応じて、既定の方式により前処理した情報であり得る。例えば、多様な方式により前処理した入力データを用いて会員離脱予測モデル410の性能が測定され、性能が最も良い前処理方式を決定して、当該方式により前処理した入力データを使用できる。
【0078】
一実施例によれば、情報処理システムは、前述した過程を複数の会員離脱予測モデルに対して繰り返して、複数の会員離脱予測モデルにより決定された複数の離脱可否に基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測できる。
【0079】
図5は、本開示の一実施例に係るアンサンブルモデル530を用いて、アンサンブル離脱確率534を決定する例を示す図である。情報処理システム(例えば、情報処理システム230など)は、会員の離脱可否予測のために、少なくとも一つのアンサンブルモデル530を利用できる。ここで、アンサンブルモデル530は、機械学習モデル(例:全結合ニューラルネットワークなど)であり得るが、これに限定されるものではない。
【0080】
一実施例によれば、アンサンブルモデル530は、複数の会員離脱予測モデルにより予測された複数の参照会員の各々に対する複数の離脱確率に基づいて、複数の参照会員に対するアンサンブル離脱確率を決定するように学習できる。例えば、情報処理システムは、複数の会員離脱予測モデルにより予測された複数の参照会員の各々に対する複数の離脱確率を入力データとし、複数の参照会員の離脱可否(例:0(未離脱)又は1(離脱))を正解データ(例えば、正解ラベル)として、アンサンブルモデル530を教師有り学習できる。
【0081】
一実施例によれば、情報処理システムは、学習されたアンサンブルモデル530を用いて、複数の会員離脱予測モデルにより決定された1以上の会員に対する複数の離脱確率514、524に基づいて、アンサンブル離脱確率534を決定できる。例えば、情報処理システムは、アンサンブルモデル530に、第1の会員離脱予測モデル510により決定された1以上の会員に対する第1の離脱確率514、及び、第2の会員離脱予測モデル520により決定された1以上の会員に対する第2の離脱確率524を入力して、アンサンブル離脱確率534を決定できる。第1の会員離脱予測モデル510が特定会員に対して精度が低い第1の離脱確率514を予測しても、第2の会員離脱予測モデル520が当該会員に対して精度が高い第2の離脱確率524を予測した場合、アンサンブルモデル530は、二つの離脱確率514、524を総合して、当該会員に対して第1の会員離脱予測モデル510よりも精度が高いアンサンブル離脱確率534を決定できる。このような決定方式は、第2の会員離脱予測モデル520が精度が低い第2の離脱確率524を予測した場合にも同様に適用できる。このように、アンサンブルモデル530は、二つの会員離脱予測モデル510、520を補完できる。図5において、アンサンブルモデル530は、二つの会員離脱予測モデル510、520により決定された二つの離脱確率514、524に基づいて、アンサンブル離脱確率534を決定するものと示したが、これに限定されず、三つ以上の会員離脱予測モデルにより決定された三つ以上の離脱確率に基づいて、アンサンブル離脱確率534を決定することもできる。
【0082】
図6は、本開示の一実施例に係る複数の会員グループ612、622、…、632に属する複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報を用いて、複数の会員離脱予測サブモデル610、620、…、630を学習させる例を示す図である。一実施例によれば、情報処理システム(例えば、情報処理システム230など)は、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員に対する離脱可否を予測できる。複数の会員離脱予測モデルは、複数の会員グループ612、622、…、632に対する複数の会員離脱予測サブモデル610、620、…、630を含むことができる。
【0083】
情報処理システムは、複数の参照会員600を既定の基準に基づいてグループ化することで、複数の会員グループ612、622、…、632を生成できる。例えば、情報処理システムは、複数の参照会員600を、最近6ケ月内の総決済額に基づいて、ヘビーユーザグループ、ミドルユーザグループ及びライトユーザグループなどにグループ化できる。
【0084】
情報処理システムは、複数の会員グループ612、622、…、632の各々に含まれた複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の会員離脱予測サブモデル610、620、…、630の各々を学習させることができる。すなわち、情報処理システムは、複数の参照会員600のうちで、第1の会員グループ612に含まれた参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて第1の会員離脱予測サブモデル610を学習させ、第2の会員グループ622に含まれた参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて第2の会員離脱予測サブモデル620を学習させることができる。これと類似の方式により、情報処理システムは、第nの会員グループ632に含まれた参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて第nの会員離脱予測サブモデル630を学習させることができる。各会員グループ別に離脱会員の比率が異なることができ、各会員グループ別に離脱可否と相関関係が高い会員情報項目(カテゴリ又は変数など)が異なることができる。これにより、情報処理システムは、各会員グループ別に会員離脱予測サブモデルを学習させることで、会員離脱予測モデルの性能を向上させることができる。
【0085】
図6では、一つの会員グループに対する会員離脱予測サブモデルが一つであるものと示したが、これに限定されるものではない。一部の実施例では、一つの会員グループに対する複数の会員離脱予測サブモデルがあり得るが、一つの会員グループに含まれた参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の会員離脱予測サブモデルを学習させることができる。例えば、第1の会員グループ612に含まれた参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の会員離脱予測サブモデルを学習させることができる。
【0086】
複数の会員グループ612、622、…、632に対する複数の会員離脱予測サブモデル610、620、…、630は、各会員グループに属する会員に対する離脱確率予測及び/又は離脱可否予測に使用できる。一実施例によれば、情報処理システムは、複数の参照会員600をグループ化した基準と同一又は類似の基準に基づいて、離脱予測の対象となる複数の会員を複数の会員グループ612、622、…、632にグループ化できる。その後、情報処理システムは、離脱予測対象会員が属する会員グループに対する複数の会員離脱予測サブモデルを用いて、対象会員の離脱確率又は離脱可否を予測できる。例えば、第1の会員グループ612に属する参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて学習された複数の会員離脱予測サブモデルを用いて、第1の会員グループ612に属する対象会員の離脱確率又は離脱可否を予測できる。対象会員が属するグループ内の会員等の会員情報に基づいて学習された会員離脱予測サブモデルを利用することで、情報処理システムは、対象会員の離脱可否をより正確に予測できる。
【0087】
図7は、本開示の一実施例に係る複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つに対する入力として使用される項目を選定する方法の例を示す図である。一実施例によれば、1以上の会員と関連付けられた会員情報は複数の項目に関する情報を含むことができる。ここで、複数の項目は、一つ以上のカテゴリに分類された一つ以上の変数を称することができ、複数の項目に関する情報は複数の項目に対する値を称することができる。例えば、一つ以上のカテゴリは、会員基本情報、アカウント状態、利用トレンド、残額現況、決済トレンド、チャージトレンド、送金トレンド、カード関連情報、ポイント等級、リワードクーポン関連情報、ユーザグループ統計量、決済関連情報、ステッカー関連情報、オープンチャット(インターネットコミュニティ)関連情報、及び加盟店別決済トレンドなどを含むことができ、各カテゴリは一つ以上の変数を含むことができる。例えば、一つ以上の変数は、総利用額、最近利用額、1回平均利用額、決済項目又は類型による利用額、最近利用時期、利用維持期間、利用離脱可否履歴、カード発給可否、関連会員数及びチャット頻度などを含むことができる。
【0088】
一実施例によれば、情報処理システムは、複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つに対する入力として使用される一つ以上の項目を選定できる。例えば、情報処理システムは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報を分析し、参照会員の離脱可否と相関関係を有する一つ以上の項目を選定できる。具体例として、情報処理システムは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報を分析して、連続利用月数、単発性高額取引の特性を有する決済方式又は決済項目の比重などが項目及び離脱可否間の相関関係が高いことを把握し、当該項目の少なくとも一つを会員離脱予測モデルの入力項目に含めることができる。
【0089】
他の例として、情報処理システムは、複数の項目の組合せを生成し、複数の項目の組合せのうち、会員離脱予測モデルの性能が最も良い項目の組合せを入力項目の組合せとして選定できる。具体例として、図7に示すように、情報処理システムは、複数の項目から第1の項目の組合せ乃至第nの項目の組合せを生成できる。
【0090】
その後、複数の参照会員と関連付けられた第1の項目の組合せに関する情報712、第2の項目の組合せに関する情報722、…、第nの項目の組合せに関する情報732の各々を用いて、第1の会員離脱予測モデル710、第2の会員離脱予測モデル720、…、第nの会員離脱予測モデル730の各々を学習させることができる。図7では、第1の会員離脱予測モデル乃至第nの会員離脱予測モデル710、720、…、730の各々を単一のモデルとして示したが、第1の会員離脱予測モデル乃至第nの会員離脱予測モデル710、720、…、730の各々は、複数の会員離脱予測モデルを含むこともできる。例えば、図示の第kの会員離脱予測モデル(k=1、2、…、n)は、第(k-a)の会員離脱予測モデル(例:Boost系列の機械学習モデル)、第(k-b)の会員離脱予測モデル(例:全結合ニューラルネットワーク)、第(k-c)の会員離脱予測モデル(例:アンサンブルモデル)を含むことができる。このとき、情報処理システムは、複数の参照会員と関連付けられた第kの項目の組合せに関する情報を用いて、第kの会員離脱予測モデルが含む複数のモデルを全部学習させることができる。
【0091】
以後、情報処理システムは、複数の会員離脱予測モデル710、720、…、730の性能716、726、…、736を測定し、性能が最も良い項目の組合せを入力項目として選定できる。例えば、複数の会員離脱予測モデル710、720、…、730(各会員離脱予測モデルは複数のモデルを含むことができる)が予測した複数の参照会員に対する複数の離脱可否714、724、…、734(または複数の離脱確率)及び複数の参照会員の実際の離脱可否を用いて、複数の会員離脱予測モデル710、720、…、730の性能716、726、…、736を測定できる。性能測定の結果、第kの会員離脱予測モデルの性能が最も良い場合、第kの項目の組合せを入力項目として選定できる。
【0092】
図8は、本開示の一実施例に係る1以上の会員に対する離脱可否予測の結果の例を示す図である。図示の表によれば、情報処理システム(例えば、情報処理システム230など)は、1以上の会員(「会員1」、「会員2」、…、「会員n-1」、「会員n」)に対する危険度、複数の離脱予測、複数の離脱危険度、精度が高い予測及びカバレッジが高い予測を提供できる。
【0093】
図示の表において、複数の離脱危険度の各々は、複数の会員離脱予測モデルの各々により決定された、対象会員が離脱すると予測される程度を示す尺度であり得る。複数の離脱危険度は複数の会員離脱予測モデルにより決定された複数の離脱確率に基づいて決定できる。例えば、情報処理システムは、複数の会員離脱予測モデルにより決定された複数の離脱確率に1000を乗算して、複数の離脱危険度を決定できる。具体例として、第1の会員離脱予測モデルが「会員1」に対する離脱確率を「0.85」と予測した場合、「会員1」に対する第1の離脱危険度は「850」に決定され得る。
【0094】
図示の表において、複数の離脱予測の各々は、複数の会員離脱予測モデルの各々により予測された離脱可否を示すことができる。複数の離脱予測は、複数の会員離脱予測モデルにより決定された複数の離脱確率に基づいて決定できる。例えば、情報処理システムは、会員離脱予測モデルにより決定された離脱確率が、0.5以上である場合は「離脱予定」に離脱予測でき、0.5未満である場合は「非離脱」に離脱予測できる。具体例として、第1の会員離脱予測モデルが「会員1」に対する離脱確率を「0.85」に予測した場合、第1の会員に対する第1の離脱予測は「離脱予定」になり得る。
【0095】
図示の表において、危険度は、複数の危険度を総合して決定された、対象会員が最終的に離脱すると予測される程度を示す尺度であり得る。例えば、情報処理システムは複数の危険度の平均値(または中間値)を算出できる。情報処理システムは、算出された平均値(または中間値)、算出された平均値(または中間値)が属する区間又は算出された平均値(または中間値)の順位などに基づいて会員に対する危険度を決定できる。具体例として、「会員1」に対する第1の離脱危険度「850」、第2の離脱危険度「950」及び第3の離脱危険度「948」の平均値を算出して、当該平均値がn名の対象会員のうち、上位k%内に属する場合、「会員1」に対する危険度は「高危険度」に決定され得る。
【0096】
図示の表において、精度が高い予測及びカバレッジが高い予測は、複数の会員離脱予測モデルの各々により予測された離脱可否を総合して予測した、会員に対する最終離脱可否を示すことができる。例えば、対象会員を「離脱予定」に予測したモデルの数が、既定の数以上である場合は「離脱予定」に最終予測し、既定の数未満である場合は対象会員を「非離脱」に最終予測できる。精度が高い予測に対応する既定の数は、カバレッジが高い予測に対応する既定の数よりも大きいことができる。すなわち、精度が高い予測の場合、対象会員に対して多くの数の会員離脱予測モデルが「離脱予定」に予測する時、対象会員に対して「離脱予定」に最終予測することで、予測の精度を高めることができる。また、カバレッジが高い予測の場合、対象会員に対して相対的に少ない数の会員離脱予測モデルが「離脱予定」に予測しても、対象会員に対して「離脱予定」に最終予測することで、予測のカバレッジを向上させることができる。
【0097】
図9は、本開示の一実施例に係る離脱予測会員を対象としてコンテンツを提供するためのユーザインタフェースの例を示す図である。一実施例によれば、最終離脱が予測される会員等のリストを出力し、当該会員を対象としてコンテンツを提供するためのユーザインタフェースを提供できる。当該ユーザインタフェースが提供されるユーザ端末(またはコンピュータ装置)は、管理者又は運営者の端末(または装置)であり得る。
【0098】
ユーザインタフェースは、危険度選択メニュー910、予測タイプ選択メニュー920、会員グループ選択メニュー930、対象者リスト及び詳細情報出力領域940、対象者抽出ボタン950、コンテンツアップロードボタン960及びコンテンツ提供ボタン970を含むことができる。危険度選択メニュー910及び会員グループ選択メニュー930は複数選択が可能である。一実施例によれば、ユーザが、危険度、予測タイプ又は会員グループの少なくとも一つを選択又は限定し、対象者抽出ボタン950をクリック又はタッチする場合、対象者リスト及び詳細情報出力領域940にはコンテンツ提供対象者リスト及び詳細情報が出力され得る。
【0099】
一実施例によれば、ユーザは、危険度選択メニュー910においてコンテンツ提供対象会員の危険度を限定できる。図9では、危険度は高危険、中危険、低危険に分類されるものと示したが、これに限定されるものではない。例えば、危険度は、会員の離脱が予測される程度を0~1000間の値に示す尺度を称するすことができ、ユーザは、ユーザインタフェースを介してコンテンツ提供対象となる会員の危険度範囲を選択したり直接入力したりできる。
【0100】
一実施例によれば、ユーザは、予測タイプ選択メニュー920において会員離脱予測タイプを選択できる。例えば、ユーザは、カバレッジが高い予測又は精度(正確度)が高い予測の一つを選択できる。一実施例によれば、ユーザが、カバレッジが高い予測を選択した場合、複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つにより離脱予測された会員等がコンテンツ提供対象会員になり得る。ユーザが、精度が高い予測を選択した場合、複数の会員離脱予測モデルの全部により離脱予測された会員等がコンテンツ提供対象会員になり得る。
【0101】
一実施例によれば、ユーザは、会員グループ選択メニュー930においてコンテンツ提供対象会員のグループを限定できる。図9では、会員グループの例としてヘビーユーザ、ミドルユーザ、ライトユーザ及び復帰ユーザを示したが、これに限定されず、多様な基準によりグループ化した様々の会員グループを目録に含むことができる。一実施例において、ユーザにより選択された会員グループに対する会員離脱予測サブモデルが存在する場合、当該サブモデルを用いて選択された会員グループに含まれた会員に対する離脱予測を遂行できる。
【0102】
一実施例によれば、ユーザは、危険度、予測タイプ又は会員グループの少なくとも一部を選択又は限定できる。例えば、ユーザが、危険度選択メニュー910において高危険を選択し、会員グループ選択メニュー930においてヘビーユーザを選択し、予測タイプを選択しない場合、ヘビーユーザグループに含まれる会員のうち、離脱危険度が高危険である会員等がコンテンツ提供対象会員になり得る。他の例として、ユーザが、予測タイプ選択メニュー920において精度が高い予測を選択し、他のメニューは選択しない場合、全体会員のうち、複数の会員離脱予測モデルの全部により離脱予測された会員等がコンテンツ提供対象会員になり得る。
【0103】
一実施例によれば、対象者抽出の後、ユーザは、コンテンツアップロードボタン960をタッチ又はクリックして、抽出された対象者等を対象として提供するコンテンツをアップロードできる。例えば、コンテンツアップロードボタン960をタッチ又はクリックする場合、コンテンツの目録を出力でき、ユーザは目録の一つを選択してアップロードできる。ユーザは、コンテンツの目録に新規のコンテンツを追加したり、既存のコンテンツの内容を変更したり、既存のコンテンツを削除したりできる。
【0104】
一実施例によれば、コンテンツアップロードの後、ユーザは、コンテンツ提供ボタン970をタッチ又はクリックして、抽出された対象者を対象としてアップロードされたコンテンツを提供できる。このように、ユーザは、危険度、予測タイプ及び会員グループなどを選択又は限定して、所望の方式により離脱予測を遂行でき、これを用いて一部の会員にターゲッティングコンテンツを提供することで、制限的なリソースを効率よく使用できる。
【0105】
図10は、本開示の一実施例に係る会員の離脱可否を予測する方法1000を示すフローチャートである。一実施例によれば、会員の離脱可否を予測する方法1000は、プロセッサ(例えば、情報処理システム230の少なくとも一つのプロセッサ334など)により遂行できる。会員の離脱可否を予測する方法1000は、プロセッサが1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得することにより開始することができる(S1010)。ここで、会員情報は、会員と関連付けられた複数の項目に関する情報を含むことができる。
【0106】
続いて、プロセッサは、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱可否を予測できる(S1020)。ここで、会員の離脱は、当該会員が既定の期間(例えば、一ケ月)内にサービスを利用していないことを称することができる。一実施例によれば、プロセッサは、1以上の会員の複数の離脱可否予測のために、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定し、決定された複数の離脱確率に基づいて複数の離脱可否を決定できる。例えば、複数の会員離脱予測モデルにより決定された1以上の会員に対する複数の離脱確率の各々が既定の閾値以上であるか否かにより、1以上の会員に対する複数の離脱可否を決定できる。
【0107】
一実施例によれば、複数の会員離脱予測モデルに入力される1以上の会員と関連付けられた会員情報は、会員離脱予測モデルの類型に応じて、既定の方式により前処理した情報を含むことができる。例えば、複数のモデルの各々に対して、様々な前処理方式のうち、モデルの性能が最も良い前処理方式を決定して、当該方式により前処理したデータを入力として使用できる。
【0108】
一実施例によれば、プロセッサは、複数の会員情報項目のうち、複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つに対する入力として使用される項目を選定できる。このとき、プロセッサは、複数の会員離脱予測モデルの少なくとも一つを用いて、選定された項目に関する情報に基づいて1以上の会員に対する少なくとも一つの離脱可否を予測できる。
【0109】
一実施例によれば、複数の会員離脱予測モデルは、複数の機械学習モデルを含むことができる。ここで、機械学習モデルは、複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて、複数の参照会員の離脱確率を決定するように学習されたモデルであり得る。付加的に、複数の会員離脱予測モデルは、少なくとも一つのアンサンブルモデルを含むことができる。ここで、アンサンブルモデルは、複数の会員離脱予測モデルから出力された複数の参照会員に対する複数の離脱確率に基づいて、複数の参照会員に対するアンサンブル離脱確率を決定するように学習されたモデルであり得る。
【0110】
付加的又は代替的に、複数の会員離脱予測モデルは、複数の会員グループに対する複数の会員離脱予測サブモデルを含むことができる。ここで、複数の会員グループは、既定の基準に基づいて複数の参照会員をグループ化することにより生成されたグループであり得る。ここで、複数の会員離脱予測サブモデルの各々は、複数の会員グループの各々に含まれた複数の参照会員と関連付けられた参照会員情報に基づいて学習されたモデルに該当できる。このとき、プロセッサは、獲得された離脱予測対象会員と関連付けられた会員情報に基づいて、複数の会員グループのうちで、対象会員が含まれる会員グループを決定し、対象会員が含まれる会員グループに対する会員離脱予測サブモデルを用いて、対象会員の離脱確率及び/又は離脱可否を予測できる。
【0111】
プロセッサは、予測された複数の離脱可否に基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測できる(S1030)。例えば、プロセッサは、1以上の会員の各々に対して離脱すると予測した会員離脱予測モデルの数が既定の数以上である場合、1以上の会員の各々に対して最終的に離脱すると予測できる。
【0112】
付加的に、プロセッサは、最終的に離脱すると予測された会員を一つ以上のコンテンツと関連させることができる。例えば、ターゲッティングされた会員を対象としてコンテンツを提供できるユーザインタフェースが提供され得る。ユーザ(例:管理者や運営者など)は、当該ユーザインタフェースを介して、予測タイプ(例:カバレッジが高い予測又は精度が高い予測など)を選択したり、コンテンツ提供対象会員グループ(例:ヘビーユーザ、ミドルユーザ、ライトユーザなど)を限定したりできる。情報処理システムは、ユーザが限定した会員グループに含まれた会員等に対し、ユーザが選択した予測タイプによる離脱可否の予測を遂行して、コンテンツ提供対象会員等のリストを提供できる。また、ユーザのコンテンツ提供要請により、コンテンツ提供対象会員等に要請されたコンテンツが提供され得る。
【0113】
図11は、本開示の他の実施例に係る会員の離脱可否を予測する方法を示すフローチャートである。一実施例によれば、会員の離脱可否を予測する方法1100は、プロセッサ(例えば、情報処理システム230の少なくとも一つのプロセッサ334など)により実行できる。会員の離脱可否を予測する方法1100は、プロセッサが1以上の会員と関連付けられた会員情報を獲得することにより開始することができる(S1110)。
【0114】
続いて、プロセッサは、複数の会員離脱予測モデルを用いて、1以上の会員と関連付けられた会員情報に基づいて、1以上の会員に対する複数の離脱確率を決定できる(S1120)。ここで、複数の会員離脱予測モデルは、第1の機械学習モデル及び第2の機械学習モデルを含むことができる。一実施例によれば、プロセッサは、1以上の会員と関連付けられた情報を用いて、第1の機械学習モデルから第1の離脱確率を出力し、第2の機械学習モデルから第2の離脱確率を出力できる。
【0115】
プロセッサは、アンサンブル予測モデルを用いて、決定された複数の離脱確率に基づいて、1以上の会員に対するアンサンブル離脱確率を決定できる(S1130)。その後、第1の離脱確率、第2の離脱確率又はアンサンブル離脱確率の少なくとも一つに基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測できる。一実施例によれば、プロセッサは、第1の離脱確率、第2の離脱確率及びアンサンブル離脱確率の各々に基づいて、1以上の会員に対する第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否を予測できる。その後、プロセッサは、予測された第1の離脱可否、第2の離脱可否及びアンサンブル離脱可否に基づいて、1以上の会員に対する最終離脱可否を予測できる。
【0116】
前述した方法は、コンピュータで実行するために、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存されたコンピュータプログラムとして提供され得る。媒体は、コンピュータで実行可能なプログラムを継続的に保存したり、実行又はダウンロードのために一時保存したりするものであり得る。また、媒体は、単一又は多数のハードウェアが結合された形態の多様な記録手段又は記憶手段であり得るが、あるコンピュータシステムに直接接続される媒体に限定されず、ネットワーク上に分散して存在するものであり得る。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMやDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、及び、ROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令語が保存されるように構成されたものが挙げられる。また、他の媒体の例としては、アプリケーションを流通するアプリストアやその他の多様なソフトウェアを供給乃至流通するサイト、サーバなどで管理する記録媒体乃至記憶媒体も挙げられる。
【0117】
本開示の方法、動作又は技法は多様な手段により具現化できる。例えば、このような技法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、若しくはこれらの組合せで具現化できる。本願の開示により説明された多様な例示的な論理的ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、若しくは両方の組合せで具現化できることを、当業者であれば理解できるはずである。ハードウェア及びソフトウェアのこのような相互の代替を明確に説明するために、多様な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及びステップが、それらの機能的観点から一般的に前述された。そのような機能が、ハードウェアとして具現化されるか、若しくは、ソフトウェアとして具現化されるかは、特定アプリケーション及び全体システムに付加される設計要求事項によって変化する。当業者は、各々の特定アプリケーションのために多様な方式により説明された機能を具現化することもできるが、そのような具現化は本開示の範囲から逸脱するものと解釈してはならない。
【0118】
ハードウェアの具現化において、技法の実行に利用されるプロセッシングユニットは、一つ以上のASIC、DSP、デジタル信号処理デバイス(digital signal processing devices DSPD)、プログラム可能な論理デバイス(programmable logic devices PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate arrays FPGA)、プロセッサ、制御器、マイクロ制御器、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本開示に説明された機能を遂行するように設計された他の電子ユニット、コンピュータ、若しくはこれらの組合せ内で具現化されることもできる。
【0119】
したがって、本開示により説明された多様な例示的な論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAや他のプログラム可能な論理デバイス、離散ゲートやトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、若しくは、本願に説明された機能を実行するように設計されたもの等の任意の組合せで具現化又は実行されることもできる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、制御器、マイクロ制御器、若しくは状態マシンであり得る。プロセッサは、また、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連付けられる一つ以上のマイクロプロセッサ、若しくは任意の他の構成の組合せで具現化されることもできる。
【0120】
ファームウェア及び/又はソフトウェアの具現化において、技法は、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、NVRAM(non-volatile random access memory)、PROM(programmable read-only memory)、EPROM(erasable programmable read-only memory)、EEPROM(electrically erasable PROM)、フラッシュメモリ、CD(compact disc)、磁気又は光学データストレージデバイスなどのようなコンピュータ読み取り可能な媒体上に保存された命令として具現化できる。命令は、一つ以上のプロセッサによって実行可能であり得、プロセッサが本開示に説明された機能の特定様態を実行するようにできる。
【0121】
以上で説明された実施例が一つ以上の独立型コンピュータシステムで現在開示された主題の態様を活用するものとして記述しているが、本開示はこれに限定されず、ネットワークや分散コンピューティング環境のような任意のコンピューティング環境によって具現化できる。さらには、本開示における主題の様態は複数のプロセッシングチップや装置で具現化されることもでき、ストレージは複数の装置に亘って同様に影響を受ける場合もある。このような装置は、PC、ネットワークサーバ及び携帯用装置を含むこともできる。
【0122】
本明細書では、本開示が一部の実施例によって説明されたが、本開示の発明が属する技術分野における当業者が理解し得る本開示から逸脱しない範囲内で多様な変形や変更が可能である。また、そのような変形や変更は、本明細書に添付された特許請求の範囲内に属するものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0123】
110 第1の会員離脱予測モデル
112 会員情報
114 第1の離脱確率
116 第1の離脱可否
120 第2の会員離脱予測モデル
122 会員情報
124 第2の離脱確率
126 第2の離脱可否
130 第3の会員離脱予測モデル
134 第3の離脱確率
136 第3の離脱可否
140 最終離脱可否
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11